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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】物品処理装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20220506BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
B25J15/08 C
B25J15/06 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021512462
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 JP2020044048
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】506329292
【氏名又は名称】スターテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134326
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 聡
(72)【発明者】
【氏名】菱川 辰巳
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108927822(CN,A)
【文献】特開平11-163113(JP,A)
【文献】特開2017-039172(JP,A)
【文献】実開平06-003588(JP,U)
【文献】特開平10-309686(JP,A)
【文献】国際公開第2016/002019(WO,A1)
【文献】特開2019-058962(JP,A)
【文献】特開2013-223905(JP,A)
【文献】特開2016-074075(JP,A)
【文献】特開2015-168039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多関節ロボットと、
その多関節ロボットの先端に接続され、前記多関節ロボットによって回転可能な基部と、
その基部に移動可能に接続され、前記基部から離間する方向に延び、前記基部の回転に伴って回転可能な1対の第1アーム部と、
各第1アーム部の先端に接続され、前記第1アーム部を中心にして前記基部に交差する方向に延びる1対の第2アーム部と、
前記第1アーム部を挟んで第2アーム部に配置された1対のフック爪と、
各第2アーム部において前記1対のフック爪が配置された面とは異なる面の表面から前記第1アーム部の前記離間する方向と直交する方向に突出した少なくとも1つの第1吸着部と、
を備え、
前記1対のフック爪は、前記基部及び前記1対の第1アーム部が前記多関節ロボットによって所定の第1回転位置に回転したときに、前記1対の第1アーム部及び前記1対の第2アーム部が開閉することによって、第1物品の側面に入り込むことで第1物品を把持可能であって、
前記少なくとも1つの第1吸着部は、前記基部及び前記1対の第1アーム部が前記多関節ロボットによって前記第1回転位置とは異なる第2回転位置に回転したときに前記第1物品とは異なる第2物品を吸引可能であることを特徴とする物品処理装置。
【請求項2】
前記第1吸着部は、2本の前記第2アーム部の長手方向先端部の表面からさらに先端方向に突出するように配置されており、前記第1回転位置と前記第2回転位置との角度差は略90°であることを特徴とする請求項1に記載の物品処理装置。
【請求項3】
前記第1物品は箱部材であって、前記第2物品は前記第1物品に収納される被収納物品であって、前記1対のフック爪は、前記箱部材を所定の第1の位置からその第1の位置とは異なる第2の位置へ移動させ、前記少なくとも1つの第1吸着部は、前記被収納物品を所定の第3の位置から前記箱部材内に収納させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品処理装置。
【請求項4】
多関節ロボットと、
その多関節ロボットの先端に接続され、前記多関節ロボットによって回転可能な基部と、
その基部に移動可能に接続され、前記基部から離間する方向に延び、前記基部の回転に伴って回転可能な1対の第1アーム部と、
各第1アーム部の先端に接続され、前記第1アーム部を中心にして前記基部に交差する方向に延びる1対の第2アーム部と、
前記第1アーム部を挟んで第2アーム部に配置された1対の把持部と、
各第2アーム部において前記1対の把持部が配置された面とは異なる面の表面から前記第1アーム部の前記離間する方向と直交する方向に突出した少なくとも1つの第2吸着部と、
を備え、
前記1対の把持部は、前記基部及び前記1対の第1アーム部が前記多関節ロボットによって所定の第1回転位置に回転したときに、前記1対の第1アーム部及び前記1対の第2アーム部が開閉することによって、第1物品の側面に入り込むことで第1物品を把持可能であって、
前記少なくとも1つの第2吸着部は、前記基部及び前記1対の第1アーム部が前記多関節ロボットによって前記第1回転位置とは異なる第2回転位置に回転したときに前記第1物品とは異なる第2物品を吸引可能であることを特徴とする物品処理装置。
【請求項5】
前記第2吸着部は、2本の前記第2アーム部の長手方向先端部の表面からさらに先端方向に突出するように配置されており、前記第1回転位置と前記第2回転位置との角度差は略90°であることを特徴とする請求項4に記載の物品処理装置。
【請求項6】
前記第1物品は箱部材であって、前記第2物品は前記第1物品に収納される被収納物品であって、前記1対の把持部は、前記箱部材を所定の第1の位置からその第1の位置とは異なる第2の位置へ移動させ、前記少なくとも1つの第2吸着部は、前記被収納物品を所定の第3の位置から前記箱部材内に収納させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の物品処理装置。」
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱部材(コンテナ、パレット、トレイを含む)の把持及び移送、並びに物品の把持、移送及び箱部材内への物品の収納を可能にした物品処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を把持し、移送する装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンベア4によって搬送された物品W1を把持してパレット3上に積み上げるロボット2と、ロボット2によって積み上げられた物品W1の隙間を詰める規正装置1とが記載され(図2等参照)、規正装置1に設けられた規正部材13a及び13b、規正部材14a及び14b、並びに規正部材15a及び15bは、各々の間隔が変更可能なように構成されている(図3及び図4等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-141068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のロボット2及び規正装置1は、二つの装置で、物品を把持してパレット上に積み上げ、積み上げられた物品の隙間を詰める動作を処理するため、装置全体が大型化するという問題があった。
【0006】
また、特許文献1に記載のロボット2及び規正装置1は、二つの装置で、物品を把持してパレット上に積み上げる動作と、積み上げられた物品の隙間を詰めるという動作の2つの動作を処理するため、その装置全体の動作が複雑となるという問題もあった。
【0007】
そして、装置の簡略化の観点からすれば、複数の動作を一つの装置で処理することが望ましい。
【0008】
また、大きさが異なる物品を同時に取り扱う場合には、物品の大きさに応じて把持等する箇所及び方法が異なる場合があり、その点も考慮する必要がある。
【0009】
本発明は、従来技術が有する上述した問題に対応してなされたものであり、1つの多関節ロボットによって、大きさの異なる物品を適切に処理することができる物品処理装置、さらには、1つの多関節ロボットによって、箱部材を把持移動させるとともに、箱部材内に物品を適切に収納することができる物品処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様の物品処理装置は、多関節ロボットと、その多関節ロボットの先端に接続され、前記多関節ロボットによって回転可能な基部と、その基部に移動可能に接続され、前記基部から離間する方向に延び、前記基部の回転に伴って回転可能な1対の第1アーム部と、各第1アーム部の先端に接続され、前記第1アーム部を中心にして前記基部に交差する方向に延びる1対の第2アーム部と、前記第1アーム部を挟んで第2アーム部に配置された1対のフック爪と、各第2アーム部において前記1対のフック爪が配置された面とは異なる面の表面から前記第1アーム部の前記離間する方向と直交する方向に突出した少なくとも1つの第1吸着部と、を備え、前記1対のフック爪は、前記基部及び前記1対の第1アーム部が前記多関節ロボットによって所定の第1回転位置に回転したときに、前記1対の第1アーム部及び前記1対の第2アーム部が開閉することによって、第1物品の側面に入り込むことで第1物品を把持可能であって、前記少なくとも1つの第1吸着部は、前記基部及び前記1対の第1アーム部が前記多関節ロボットによって前記第1回転位置とは異なる第2回転位置に回転したときに、前記第1物品とは異なる第2物品を吸引可能であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の物品処理装置において、前記第1吸着部は、2本の前記第2アーム部の長手方向先端部の表面からさらに先端方向に突出するように配置されており、前記第1回転位置と前記第2回転位置との角度差は略90°であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第の態様は、第の態様または第2の態様の物品処理装置において、前記第1物品は箱部材であって、前記第2物品は前記第1物品に収納される被収納物品であって、前記1対のフック爪は、前記箱部材を所定の第1の位置からその第1の位置とは異なる第2の位置へ移動させ、前記少なくとも1つの第1吸着部は、前記被収納物品を所定の第3の位置から前記箱部材内に収納させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第の態様の物品処理装置は、多関節ロボットと、その多関節ロボットの先端に接続され、前記多関節ロボットによって回転可能な基部と、その基部に移動可能に接続され、前記基部から離間する方向に延び、前記基部の回転に伴って回転可能な1対の第1アーム部と、各第1アーム部の先端に接続され、前記第1アーム部を中心にして前記基部に交差する方向に延びる1対の第2アーム部と、前記第1アーム部を挟んで第2アーム部に配置された1対の持部と、各第2アーム部において前記1対の把持部が配置された面とは異なる面の表面から前記第1アーム部の前記離間する方向と直交する方向に突出した少なくとも1つの第2吸着部と、を備え、前記1対の把持部は、前記基部及び前記1対の第1アーム部が前記多関節ロボットによって所定の第1回転位置に回転したときに、前記1対の第1アーム部及び前記1対の第2アーム部が開閉することによって、第1物品の側面に入り込むことで第1物品を把持可能であって、前記少なくとも1つの第2吸着部は、前記基部及び前記1対の第1アーム部が前記多関節ロボットによって前記第1回転位置とは異なる第2回転位置に回転したときに、前記第1物品とは異なる第2物品を吸引可能であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第の態様は、第の態様の物品処理装置において、前記第2吸着部は、2本の前記第2アーム部の長手方向先端部の表面からさらに先端方向に突出するように配置されており、前記第1回転位置と前記第2回転位置との角度差は略90°であることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の第の態様は、第の態様または第の態様の物品処理装置において、前記第1物品は箱部材であって、前記第2物品は前記第1物品に収納される被収納物品であって、前記1対の把持部は、前記箱部材を所定の第1の位置からその第1の位置とは異なる第2の位置へ移動させ、前記少なくとも1つの第2吸着部は、前記被収納物品を所定の第3の位置から前記箱部材内に収納させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の態様の物品処理装置によれば、多関節ロボットと、その多関節ロボットの先端に接続され、多関節ロボットによって回転可能な基部と、その基部に移動可能に接続され、基部から離間する方向に延び、基部の回転に伴って回転可能な1対の第1アーム部と、各第1アーム部の先端に接続され、第1アーム部を中心にして基部に交差する方向に延びる1対の第2アーム部と、第1アーム部を挟んで第2アーム部に配置された1対のフック爪と、各第2アーム部において1対のフック爪が配置された面とは異なる面の表面から第1アーム部の前記離間する方向と直交する方向に突出した少なくとも1つの第1吸着部と、を備え、1対のフック爪は、基部及び1対の第1アーム部が多関節ロボットによって所定の第1回転位置に回転したときに、1対の第1アーム部及び1対の第2アーム部が開閉することによって、第1物品の側面に入り込むことで第1物品を把持可能であって、少なくとも1つの第1吸着部は、基部及び1対の第1アーム部が多関節ロボットによって第1回転位置とは異なる第2回転位置に回転したときに、第1物品とは異なる第2物品を吸引可能であるので、1つの多関節ロボットによって、1対の把持部を使用して比較的大きな第1の物品を簡単に把持することができ、少なくとも1つの第1吸着部を使用して第1の物品よりも小さな物品を簡単に吸着することができる。
【0017】
また、本発明の第2の態様によれば、第1の態様の物品処理装置において、第1吸着部は、2本の第2アーム部の長手方向先端部の表面からさらに先端方向に突出するように配置されており、第1回転位置と第2回転位置との角度差は略90°であるので、第1の態様の物品処理装置の効果に加え、比較的投影面積の小さな物品であっても簡単に吸着することができ、把持した物品を箱部材等に簡単に移動して収納することができる。
【0018】
また、本発明の第3の態様によれば、第1の態様または第2の態様の物品処理装置において、第1物品は箱部材であって、第2物品は第1物品に収納される被収納物品であって、1対のフック爪は、箱部材を所定の第1の位置からその第1の位置とは異なる第2の位置へ移動させ、少なくとも1つの第1吸着部は、被収納物品を所定の第3の位置から箱部材内に収納させるので、第1の態様または第2の態様の物品処理装置の効果に加え、1つの多関節ロボットによって、箱部材の把持及び移送、箱部材とは異なる物品の吸着及び移送、並びに物品の箱部材への収納を確実に実行することができる。
【0019】
また、本発明の第の態様の物品処理装置によれば、多関節ロボットと、その多関節ロボットの先端に接続され、多関節ロボットによって回転可能な基部と、その基部に移動可能に接続され、基部から離間する方向に延び、基部の回転に伴って回転可能な1対の第1アーム部と、各第1アーム部の先端に接続され、第1アーム部を中心にして基部に交差する方向に延びる1対の第2アーム部と、第1アーム部を挟んで第2アーム部に配置された1対の持部と、各第2アーム部において1対の把持部が配置された面とは異なる面の表面から第1アーム部の離間する方向と直交する方向に突出した少なくとも1つの第2吸着部と、を備え、1対の把持部は、基部及び1対の第1アーム部が多関節ロボットによって所定の第1回転位置に回転したときに、1対の第1アーム部及び1対の第2アーム部が開閉することによって、第1物品の側面に入り込むことで第1物品を把持可能であって、少なくとも1つの第2吸着部は、基部及び1対の第1アーム部が多関節ロボットによって第1回転位置とは異なる第2回転位置に回転したときに、第1物品とは異なる第2物品を吸引可能であるので、1つの多関節ロボットによって、1対の第1把持部を使用して第1の物品を簡単に把持することができ、少なくとも1つの第2把持部を使用して第1の物品とは異なる第2の物品を簡単に把持することができる。
【0020】
また、本発明の第の態様によれば、第の態様の物品処理装置において、第2吸着部は、2本の第2アーム部の長手方向先端部の表面からさらに先端方向に突出するように配置されており、第1回転位置と第2回転位置との角度差は略90°であるので、第の態様の物品処理装置の効果に加え、比較的投影面積の小さな物品であっても簡単に把持することができ、把持した物品を箱部材等に簡単に移動して収納することができる。
【0021】
さらに、本発明の第の態様によれば、第の態様または第の態様の物品処理装置において、第1物品は箱部材であって、第2物品は第1物品に収納される被収納物品であって、1対の持部は、箱部材を所定の第1の位置からその第1の位置とは異なる第2の位置へ移動させ、少なくとも1つの第2吸着部は、被収納物品を所定の第3の位置から箱部材内に収納させるものであるので、第の態様または第の態様の物品処理装置の効果に加え、1つの多関節ロボットによって、箱部材の把持及び移送、箱部材とは異なる物品の把持及び移送、並びに物品の箱部材への収納を確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態の物品処理装置の全体図である。
図2】本実施形態の物品処理装置の全体動作を説明するための説明図である。
図3】本実施形態の物品処理装置における把持装置の全体斜視図である。
図4】本実施形態の物品処理装置のブロック図である。
図5】本実施形態の物品処理装置のメインコントローラのブロック図である。
図6】本実施形態の物品処理装置におけるメインプログラムのフローチャートである。
図7】本実施形態の物品処理装置における物品把持選択プログラムのフローチャートである。
図8】本実施形態の物品処理装置がコンテナを把持した状態を示す斜視図である。
図9】本実施形態の物品処理装置がコンテナを把持した状態を示す背面図である。
図10】本実施形態の物品処理装置がコンテナを把持した状態を示す左側面図である。
図11】本実施形態の物品処理装置における第1吸引部が物品を吸引した状態を示す背面図である。
図12】本実施形態の物品処理装置における第1吸引部が物品を吸引した状態を示す左側面図である。
図13】本実施形態の物品処理装置における第1吸引部が吸引した物品をコンテナ内に収納する状態を示した図である。
図14】本実施形態の物品処理装置における第2吸引部が物品を吸引した状態を示す斜視図である。
図15】本実施形態の物品処理装置における第2吸引部が物品を吸引した状態を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の物品処理装置の全体図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の物品処理装置1は、多関節ロボット3と、その多関節ロボット3の先端に回転可能に接続された把持装置5と、を備える。
【0026】
多関節ロボット3は、ロボットコントローラ18(図4参照)からの指令によって動作する一般の5軸の多関節ロボットである。
【0027】
多関節ロボット3は、第1の基台31に対して、第2の基台35を旋回させるための第1回転軸33と、第2の基台35に対して下腕部(下アーム部)39を前後に回動させるための第2回転軸37と、下腕部39に対して中腕部(中アーム部)43を上下に回動させるための第3回転軸41と、中腕部43に対して上腕部(上アーム部)47を同軸に回転させるための第4回転軸45と、上腕部47に対して把持装置5を回転させるための第5回転軸49との5軸を備える。
【0028】
また、多関節ロボット3は、ケーブル(図示せず)によってロボットコントローラ18(図4参照)に電気的に接続されており、ロボットコントローラ18は、メインコントーラ16に電気的に接続されている(図4参照)。
【0029】
なお、把持装置5の詳細については後述する。
【0030】
図2は、本実施形態の物品処理装置の全体動作を説明するための説明図である。
【0031】
本実施形態の物品処理装置1は、コンベア台9eに配置されたベルトコンベア7e上に積載されたコンテナP2の最上段のコンテナP21を把持して、物品処理装置1近傍に配置された台車D上に移動させる第1の動作と、射出成型機2内で成型された後、取り出しロボット4によって取り出され、その後ベルトコンベア6に載置された物品W1またはW2(図11及び図14参照)を把持して、台車Dに積層されたコンテナP4の最上段のコンテナP41内に収納する第2の動作とを、1つの装置で行うものである。
【0032】
本実施形態においては、物品W1またはW2(図11及び図14参照)を載置するベルトコンベア6に並行して、5つのコンベア台9a、9b、9c、9d及び9eが配置されており、それらの各コンベア台には、ベルトコンベア7a、7b、7c、7d及び7eが配置されている。
【0033】
なお、本実施形態においては、物品を収納する本発明の「箱部材」の1例として、コンテナを例に取り説明する。
【0034】
ここで、本実施形態の物品処理装置1の動作を説明すると、先ず、作業者Mがベルトコンベア7a上に空のコンテナPを載置すると、各ベルトコンベア7a、7b、7c、7d及び7eの回転動作に伴って、コンテナPは物品処理装置1に向かって移動する。
【0035】
図2は、6段に積載された空のコンテナP1(P11、P12、P13、P14、P15、P16)がベルトコンベア7d上に移動され、3段に積載された空のコンテナP2(P21、P22、P23)がベルトコンベア7e上に移動された状態を示す。
【0036】
一方、射出成型機2によって成形された物品W1またはW2(図11及び図14参照)は、取り出しロボット4によって射出成型機2から取り出された後、移動され、ベルトコンベア6上に載置される。その後、物品W1またはW2(図11及び図14参照)は、物品処理装置1の可動範囲内にベルトコンベア6によって移動される。
【0037】
本実施形態の物品処理装置1は、複数の動作を1つの装置で実行可能なように構成されており、上述した通り、第1の動作として、ベルトコンベア7e上に積載された空のコンテナP2のうち、最上段の空のコンテナP21を把持して、物品処理装置1近傍に配置された台車D上に移動させる。
【0038】
図2は、3段に積載された物品収納済みのコンテナP3(P31、P32、P33)と、3段に積載された物品収納中のコンテナP4(P41、P42、P43)とが台車D上に載置された状態を示す。
【0039】
また、図2では、本実施形態の物品処理装置1を動作毎に4パターンに分け、夫々を物品処理装置1a、物品処理装置1b、物品処理装置1c及び物品処理装置1dとして図示している。
【0040】
すなわち、物品処理装置1aは、多関節ロボット3aの先端に接続された把持装置5aがベルトコンベア7e上に載置されたコンテナP21を把持している状態を示し、物品処理装置1bは、多関節ロボット3bの先端に接続された把持装置5bが台車D上にコンテナP41を把持して移動させた状態を示している。
【0041】
また、物品処理装置1cは、多関節ロボット3cの先端に接続された把持装置5cがベルトコンベア6上に載置された物品W1またはW2(図11及び図14参照)を把持している状態を示し、物品処理装置1dは、多関節ロボット3dの先端に接続された把持装置5dが台車D上に積載されたコンテナP41内に物品W1またはW2(図11及び図14参照)を収納している状態を示している。
【0042】
次に、把持装置5について説明する。図3は、本実施形態の物品処理装置における把持装置の全体斜視図である。
【0043】
把持装置5は、図3に示すように、基部11と、その基部11に対して直交して延びる逆T字状の2本のアーム部13a及びアーム部13bと、アーム部13aの内側側面に配置されたフック爪23a及び23b(図11参照、本発明の「把持部」及び「第1把持部」に相当)と、アーム部13bの内側側面に配置されたフック爪23c及び23d(図11参照、本発明の「把持部」及び「第1把持部」に相当)と、アーム部13aの図面上下面に配置された第1側面吸引部19a及び19b(本発明の「第2吸引部」及び「第3把持部」に相当)と、アーム部13bの図面上下面に配置された第2側面吸引部19c及び19d(図9参照)(本発明の「第2吸引部」及び「第3把持部」に相当)と、アーム部13aの図面上先端側面に配置された第1先端吸引部21a(図9参照、本発明の「第1吸引部」及び「第2把持部」に相当)と、アーム部13bの図面上先端側面に配置された第2先端吸引部21b(図9参照、本発明の「第1吸引部」及び「第2把持部」に相当)と、を備える。
【0044】
また、基部11には、アーム部13aとアーム部13bとの間隔を変更する為のアーム部駆動用モータ15が装着されている。
【0045】
アーム部駆動用モータ15のモータ軸には、駆動プーリ(図示せず)が挿入され、その駆動プーリには、基部11の長手方向に沿ったタイミングベルトが巻回され、タイミングベルトのうち、タイミングベルトの一方にアーム部13aが固定され、タイミングベルトの他方にアーム部13bが固定されている。
【0046】
したがって、アーム部駆動用モータ15が回転すると、タイミングベルトが回転し、タイミングベルトの回転方向によって、アーム部13aとアーム部13bとの間が開閉することとなる。
【0047】
なお、本実施形態のフック爪23a、23b、23c及び23dは、アーム部13aまたはアーム13bに固定されているが、フック爪23aとフック爪23bとの間、及びフック爪23cとフック爪23dとの間が開閉するように構成することも可能である。
【0048】
例えば、基台11内にフック爪駆動用モータを配置し、そのフック爪駆動用モータの回転によって回転するように回転軸を基台11の長手方向に沿って配置し、その回転軸の回転によって回転するフック爪開閉用タイミングベルトをアーム部13a及びアーム部13bの夫々に沿って配置し、フック爪開閉用タイミングベルトの一方にフック爪23aを固定し、フック爪開閉用タイミングベルトの他方にフック爪23bを固定するとともに、フック爪開閉用タイミングベルトの一方にフック爪23cを固定し、フック爪開閉用タイミングベルトの他方にフック爪23dを固定することにより、フック爪23aとフック爪23bとの間、及びフック爪23cとフック爪23dとの間を開閉することができる。
【0049】
なお、本実施形態のアーム部13a及びアーム部13bは、それぞれ基部11に対して直交するように延びているが、直交した形態に限定されるものではなく、基部11に交差する方向に延びていれば良い。
【0050】
また、フック爪23a、23b、23c及び23d、第1側面吸引部19a及び19b、第2側面吸引部19c及び19d、第1先端吸引部21a及び第2先端吸引部21bの動作については後述する。
【0051】
次に、本実施形態の物品処理装置1のブロック図について説明する。
【0052】
図4は、本実施形態の物品処理装置のブロック図であり、図5は、本実施形態の物品処理装置のメインコントローラのブロック図である。
【0053】
図4において、物品処理装置1は、電源10に電気的に接続されたメインコントローラ16と、そのメインコントローラ16に電気的に接続され、第1先端吸引部21a、第2先端吸引部21b、第1側面吸引部19a及び19b並びに第2側面吸引部19c及び19dを駆動するためのエアコンプレッサー22と、メインコントローラ16に電気的に接続され、多関節ロボット3を制御するためのロボットコントローラ18と、アーム部駆動用モータ15を駆動するためのドライバー回路20と、装置の操作者からの入力を受け付ける操作パネル8と、ベルトコンベア7e上のコンテナPの有無を検出するコンテナセンサー12と、ベルトコンベア6上の物品の有無を検出する物品センサー14と、を備える。
【0054】
また、図5において、メインコントローラ16は、CPU(中央演算処理装置)28と、そのCPU28に入出力可能に接続されたRAM(Random Access Memory)24と、CPU28に入出力可能に接続されたROM(Read Only Memory)26とを備える。
【0055】
RAM24は、コンテナPの寸法等の情報を記憶したコンテナ情報データテーブル24aと、収納される物品の寸法等の情報を記憶した物品情報データテーブル24bとを備える。
【0056】
また、ROM26は、本実施形態の物品処理装置1全体の動作を司るメインプログラム26aと、物品処理装置1による把持方法を選択するための物品把持選択プログラム26bとを備える。
【0057】
次に、上述した構成の物品処理装置1の動作について説明する。
【0058】
図6は、本実施形態の物品処理装置におけるメインプログラムのフローチャートであり、図7は、 本実施形態の物品処理装置における物品把持選択プログラムのフローチャートである。
【0059】
本実施形態の物品処理装置1は、上述した通り、ベルトコンベア7e上に積載されたコンテナを把持して、物品処理装置1近傍に配置された台車D上に移動させる第1の動作と、取り出しロボット4によって取り出された後、ベルトコンベア6に載置された物品W1またはW2(図11及び図14参照)を把持して、台車Dに積層されたコンテナ内に収納する第2の動作と、を行うものである。
【0060】
図6において、先ず、装置の操作者が電源スイッチを入れた後、操作パネル8上の操作ボタンによって物品Wの処理個数、物品Wの種類及びコンテナの種類を入力してスタートボタンを押下すると、物品処理装置1は、多関節ロボット3のアームを初期位置に移動させ(S1)、物品Wの処理個数をセットし(S3)、入力されたコンテナの種類に基づいてコンテナ情報をコンテナ情報データテーブル24aから取得し(S5)、コンテナセンサー12がONしているか否か、すなわち、コンテナPがベルトコンベア7eに配置されているか否かを判断する(S7)。
【0061】
コンテナセンサー12がONしていない場合には(S7:No)、コンテナPがベルトコンベア7eに移動されるまで待ち、コンテナセンサー12がONしている場合には(S7:Yes)、コンテナ移動フラグをOFFし(S9)、物品処理装置1は、ベルトコンベア7eに積載されたコンテナPのうち、最上段のコンテナPを把持した後(S11)、移動させ、台車D上に載置し(S13)、物品把持選択プログラムを実行する(S15)。
【0062】
図8は、本実施形態の物品処理装置1がコンテナP21を把持した状態を示す斜視図であり、図9は、その背面図であり、図10は、その左側面図である。
【0063】
なお、物品処理装置1がコンテナP21を把持する場合には、先ず、多関節ロボット3がアーム部13aとアーム部13bとの間隔を空けた状態で、把持装置5をコンテナP21の上部まで移動させ、その後、アーム部13a及びアーム部13bがコンテナP21の側面に当接する高さにまで把持装置5を下降させ、最後に、アーム部13aとアーム部13bとの間を閉じてコンテナP21を把持するようになっている。
【0064】
具体的には、図8及び図9に示すように、アーム部13aに固定されたフック爪23a及び23bがコンテナP21の一方の側面に入り込むと共に、アーム部13bに固定されたフック爪23c及び23dがコンテナP21の他方の側面に入り込むことにより、アーム部13a及びアーム部13bがコンテナP21を把持する。
【0065】
図7において、物品把持選択プログラムでは、入力された物品Wの種類に基づいて物品の寸法・重量等の情報を物品情報データテーブル24bから取得し(S33)、アーム部13a及びアーム部13bの縦幅である2X1(図11参照)がコンテナPの収納長さよりも短いか否かを判断し(S35)、アーム部13a及びアーム部13bの縦幅2X1がコンテナの収納長さよりも短くない場合には(S35:No)、アーム部13a及びアーム部13b自体がそもそもコンテナP内に侵入できないと判断し、警告表示を行った後(S37)メインプログラムに戻る(S55)。
【0066】
一方、アーム部13a及びアーム部13bの縦幅2X1がコンテナの収納長さよりも短い場合には(S35:Yes)、物品処理装置1は、多関節ロボット3を使用して、第1先端吸引部21a及び第2先端吸引部21bが物品Wに対向するように把持装置5を回転させた後、アーム部13aの第1先端吸引部21aをONし(S39)、アーム部13a及びアーム部13bの縦幅2X1(図11参照)がコンテナPの収納長さよりも短く、かつ物品Wの重量が所定の第1重量よりも重いか否かを判断する(S41)。
【0067】
ここで、第1重量は、第1先端吸引部21aが吸引可能な重量に設定されており、本実施形態では、第1重量を500gと設定している。
【0068】
そして、アーム部13a及びアーム部13bの縦幅2X1(図11参照)がコンテナPの収納長さよりも短く、かつ物品Wの重量が所定の第1重量よりも重いと判断された場合には(S41:Yes)、物品Wを第1先端吸引部21aのみでは吸引できないと判断し、アーム部13bの第2先端吸引部21bをONし(S43)、アーム部13a及びアーム部13bの縦幅2X1(図13参照)がコンテナPの収納長さよりも短く、かつ物品Wの重量が所定の第1重量よりも重いと判断されない場合には(S41:No)、第1先端吸引部21aのみがONされた状態でS45が実行される。
【0069】
なお、図11は、本実施形態の物品処理装置1における第1先端吸引部21a及び第2先端吸引部21bが物品W1を吸引した状態を示す背面図であり、図12は、その左側面図である。
【0070】
なお、本実施形態においては、物品W1の重量が第1重量よりも軽い場合には、第1先端吸引部21aのみで物品W1を吸引し、第2先端吸引部21bを使用しないが、物品W1の重量が第1重量よりも軽い場合であっても、安全のために、第1先端吸引部21a及び第2先端吸引部21bをONさせて使用するようにしても良い。
【0071】
次に、アーム部13a及びアーム部13bの横幅X2(図15参照)がコンテナPの収納長さよりも短いか否かを判断し(S45)、アーム部13a及びアーム部13bの横幅X2がコンテナの収納長さよりも短くない場合には(S45:No)、S51の処理を実行する。
【0072】
一方、アーム部13a及びアーム部13bの横幅X2(図15参照)がコンテナPの収納長さよりも短いと判断された場合には(S45:Yes)、それまでONしていた第1先端吸引部21a及び/または第2先端吸引部21bをOFFし(S47)、第1側面吸引部19a及び19bをONする(S49)。
【0073】
そして、物品処理装置1は、アーム部13a及びアーム部13bの横幅X2(図15参照)がコンテナPの収納長さよりも短く、かつ物品W2の重量が所定の第2重量よりも重いか否かを判断し(S51)、アーム部13a及びアーム部13bの横幅X2(図15参照)がコンテナPの収納長さよりも短く、かつ物品W2の重量が所定の第2重量よりも重いと判断されない場合には(S51:No)、メインプログラムに戻る(S55)。
【0074】
一方、アーム部13a及びアーム部13bの横幅X2(図15参照)がコンテナPの収納長さよりも短く、かつ物品W2の重量が所定の第2重量よりも重い場合には(S51:Yes)、物品W2を第1側面吸引部19a及び19bのみでは吸引できないと判断し、第1側面吸引部19a及び19bに加えて、第2側面吸引部19c及び19dをONして(S53)、メインプログラムに戻る(S55)。
【0075】
なお、図14は、本実施形態の物品処理装置1における第1側面吸引部19a及び19b、並びに、第2側面吸引部19c及び19dをONして、物品W2を吸引した状態を示す斜視図であり、図15は、その左側面図である。
【0076】
図6のメインプログラムに戻ると、ベルトコンベア6上の物品の有無を判断する物品センサー14がONしているか否かが判断され(S17)、物品センサー14がONしていない場合には(S17:No)、ベルトコンベア6によって物品が搬送されるまでそのまま待ち、物品センサー14がONしている場合には(S17:Yes)、物品処理装置1の把持装置5は、ベルトコンベア6に載置されている物品W1またはW2を把持し(S19)、把持した物品W1またはW2をコンテナ41に収納する(S21)。
【0077】
なお、上述したように、図11は、本実施形態の物品処理装置1における第1先端吸引部21a及び第2先端吸引部21bが物品W1を吸引した状態を示す背面図であり、図12は、その左側面図であり、図14は、本実施形態の物品処理装置1における第1側面吸引部19a及び19b、並びに、第2側面吸引部19c及び19dが物品W2を吸引した状態を示す斜視図であり、図15は、その左側面図である。
【0078】
図11図12図14及び図15は、物品がコンテナ41に収納される前の状態を示しているが、図13は、第1先端吸引部21a及び第2先端吸引部21bが吸引した物品W1をコンテナP41内に収納する状態を示した図である。
【0079】
そして、現在収納中のコンテナP41が満杯か否かが判断され(S23)、現在収納中のコンテナP41が満杯でない場合には(S23:No)、物品処理装置1の処理個数が操作者によって入力された処理個数に達したか否かが判断され(S27)、現在収納中のコンテナP41が満杯である場合には(S23:Yes)、コンテナ移動フラグをONした後(S25)、物品処理装置1の処理個数が操作者によって入力された処理個数に達したか否かが判断される(S27)。
【0080】
物品処理装置1の処理個数が操作者によって入力された処理個数に達していない場合には(S27:No)、コンテナ移動フラグがONしているか否かが判断され(S29)、コンテナ移動フラグがONしていない場合には(S29:No)、S17の処理に戻り、コンテナ移動フラグがONしている場合には(S29:Yes)、S7の処理に戻る。
【0081】
一方、物品処理装置1の処理個数が操作者によって入力された処理個数に達している場合には(S27:Yes)、処理を終了する(S31)。
【0082】
本実施形態の物品処理装置1によれば、多関節ロボット3と、その多関節ロボット3の先端に接続された基部11と、その基部11から基部11に交差する方向に延び、その間隔を変更可能な2本のアーム部13a及び13bと、アーム部13aに配置されたフック爪23a及び23b並びにアーム部13bに配置されたフック爪23c及び23dと、アーム部13aのフック爪23a及び23bが配置された面とは異なる面の表面から突出するように配置された第1先端吸引部21a、及び/または、アーム部13bのフック爪23c及び23dが配置された面とは異なる面の表面から突出するように配置された第2先端吸引部21bと、を備えているので、1つの多関節ロボット3のフック爪23a、23b、23c及び23dを使用してコンテナを簡単に把持することができ、第1先端吸引部21a及び/または第2先端吸引部21bを使用して、コンテナよりも小さな物品W1を簡単に吸着することができる。
【0083】
また、物品処理装置1によれば、第1先端吸引部21aまたは第2先端吸引部21bは、アーム部13またはアーム部13bの長手方向先端部の表面からさらに先端方向に突出するように配置されているので、比較的投影面積の小さな物品であっても簡単に吸着することができ、把持した物品をコンテナに簡単に移動して収納することができる。
【0084】
また、物品処理装置1によれば、フック爪23a、23b、23c及び23dは、コンテナPを把持するものであって、第1先端吸引部21a、及び/または、第2先端吸引部21bは、コンテナPとは異なる物品W1を吸着し、コンテナP内に収納するものであるので、1つの多関節ロボット3によって、コンテナPの把持及び移送、コンテナPとは異なる物品W1の吸着及び移送、並びに物品W1のコンテナ内への収納を確実に実行することができる。
【0085】
また、物品処理装置1によれば、各アーム部13a及びアーム部13bにおいて、フック爪23a、23b、23c及び23d、第1先端吸引部21a並びに第2先端吸引部21bが配置された面とは異なる面の表面から突出するように配置された第1側面吸引部19a及び19b、及び/または、第2側面吸引部19c及び19dを備えているので、1つの多関節ロボット3の第1側面吸引部19a及び19b、及び/または、第2側面吸引部19c及び19dを使用してさらに他の物品を把持等することができる。
【0086】
さらに、物品処理装置1によれば、フック爪23a、23b、23c及び23dは、コンテナPを把持するものであって、第1側面吸引部19a及び19b、及び/または、第2側面吸引部19c及び19dは、コンテナPとは異なる物品W2を吸着し、コンテナP内に収納するものであるので、1つの多関節ロボット3によって、コンテナPの把持及び移送、コンテナPとは異なる物品W2の吸着及び移送、並びに物品W2のコンテナ内への収納を確実に実行することができる。
【0087】
以上、本発明の実施形態における物品処理装置1について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【0088】
例えば、上述の実施形態においては、アーム部13aに1つの第1先端吸引部21aを、アーム部13bに1つの第2先端吸引部21bを設けた態様を説明してきたが、第1先端吸引部21a及び第2先端吸引部21bは、各アーム部に複数個設けるようにしても良く、一方のアーム部に一つ、他方のアーム部に複数設けるようにしても良く、さらには、各アームに複数設けた場合には、それぞれの設置個数を異ならせるようにしても良い。
【0089】
また、第1先端吸引部21aが配置された面と対向する面に、第1基端吸引部を設けても良く、第2先端吸引部21bが配置された面と対向する面に、第2基端吸引部を設けるようにしても良い。
【0090】
さらに、第1側面吸引部19a及び19b並びに第2側面吸引部19c及び19dが配置された側面とは異なる側面に、第3側面吸引部、第4側面吸引部、第5側面吸引部、第6側面吸引部を設けるようにしても良い。
【0091】
また、本実施形態においては、本発明の「箱部材」の1例として、コンテナについて説明してきたが、本発明は、コンテナに限られるものではなく、物品を収納可能な箱部材すべてについて適用可能である。
【0092】
また、本実施形態においては、第1先端吸引部21a、第2先端吸引部21b、第1側面吸引部19a及び19b、並びに第2側面吸引部19c及び19dは、物品把持選択プログラムによって、各々の形状及び吸引する物品の重量によって選択されるように説明してきたが、それに限られるものではなく、装置の操作者が吸引される物品を認識し、吸引する吸引部を予め選択して、操作パネル8に入力するようにしても良い。
【0093】
さらに、本実施形態においては、ベルトコンベア6に載置された物品は、第1先端吸引部21a、第2先端吸引部21b、第1側面吸引部19a及び19b、または第2側面吸引部19c及び19dによって吸引されるように説明してきたが、物品がそれらの吸引部によって吸引できないような場合には、これらの吸引部に代わって、アーム部13a及びアーム部13bの先端面、基端面、及び側面にロボットハンド、ロボットグリッパー等の把持部(本発明の「第2把持部」及び/または「第3把持部」に相当)を設けるようにしても良い。これらの把持部を設けた場合には、第1先端吸引部21a、第2先端吸引部21b、第1側面吸引部19a及び19b、または第2側面吸引部19c及び19dに比べ、さらに重い物品であっても把持することができる。
【符号の説明】
【0094】
1・・・物品処理装置
2・・・射出成型機
3・・・多関節ロボット
4・・・取り出しロボット
5・・・把持装置
6,7a,7b,7c,7d,7e・・・ベルトコンベア
8・・・操作パネル
12・・・コンテナセンサー
14・・・物品センサー
15・・・アーム部駆動用モータ
16・・・メインコントローラ
18・・・ロボットコントローラ
19a,19b・・・第1側面吸引部
19c,19d・・・第2側面吸引部
20・・・ドライバー回路
21a・・・第1先端吸引部
21b・・・第2先端吸引部
22・・・エアコンプレッサー
23a,23b,23c,23d・・・フック爪
D・・・台車
P1,P2,P3,P4・・・コンテナ
W1,W2・・・物品
【要約】
物品処理装置(1)は、多関節ロボット(3)と、その多関節ロボット(3)の先端に接続された基部(11)と、その基部(11)から基部(11)に交差する方向に延び、その間隔を変更可能な2本のアーム部(13a及び13b)と、一方のアーム部(13a)に配置されたフック爪(23a及び23b)、並びに、多方のアーム部(13b)に配置されたフック爪(23c及び23d)と、一方のアーム部(13a)のフック爪(23a及び23b)が配置された面とは異なる面の表面から突出するように配置された第1先端吸引部(21a)、及び/または、多方のアーム部(13b)のフック爪(23c及び23d)が配置された面とは異なる面の表面から突出するように配置された第2先端吸引部(21b)と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15