(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
B63B 19/18 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
B63B19/18 101
(21)【出願番号】P 2022003214
(22)【出願日】2022-01-12
【審査請求日】2022-01-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521387604
【氏名又は名称】横堀カーショップ合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129573
【氏名又は名称】佐藤 博正
(72)【発明者】
【氏名】横堀 恒夫
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-203892(JP,A)
【文献】特開2008-068852(JP,A)
【文献】特開昭62-194990(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0025748(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶のハッチを覆うハッチカバーパネルの対向する側面にそれぞれ設けられて、前記ハッチカバーパネルを水平方向に移動させて前記ハッチを開閉させる開閉装置において、
第1のリンク、第2のリンクおよび第3のリンクを含み、前記第1のリンクの一方の端部側がハッチカバーパネルに軸支され、前記第1のリンクの他方の端部および前記第2のリンクの一方の端部が第1のピンで軸支され、前記第2のリンクの他方の端部および前記第3のリンクの一方の端部が第2のピンで軸支され、前記第3のリンクの他方の端部が前記船舶の船体の甲板上に軸支されていて、伸展または屈曲させられるリンク機構と、
前記第2のリンクの他方の端部側の所定の位置であって、前記リンク機構が伸展している状態において前記第2のリンクの下側の所定の位置と船舶の船体の甲板上の所定の位置との間に設けられ、伸縮により駆動して前記リンク機構を伸展または屈曲させる伸縮駆動手段とを含み、
前記リンク機構は、前記第1のリンクの他方の端部の第1の端面と前記第2のリンクの一方の端部の第2の端面とが当接する場合、前記第1のリンクに対する前記第2のリンクの角度位置が規制され、前記第2のリンクの他方の端部の第3の端面と前記第3のリンクの一方の端部の第4の端面とが当接する場合、前記第2のリンクに対する前記第3のリンクの角度位置が規制され、前記第1のピンが、前記第1の端面と前記第2の端面とが当接するか所定の角度を挟んで開くように、前記リンク機構が伸展している状態において、前記第1のリンクおよび前記第2のリンクを前記第1の端面および前記第2の端面の下側で軸支し、
前記第2のピンが、前記第3の端面と前記第4の端面とが当接するか所定の角度を挟んで開くように、前記リンク機構が伸展している状態において、前記第2のリンクおよび
前記第3のリンクを前記第3の端面および前記第4の端面の下側で軸支し、
前記第3のリンクの長さは、前記第1のリンクの長さよりも短く、
前記第3のリンクの長さは、前記第2のリンクの長さよりも短い
開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置において、
前記第3の端面および前記第4の端面に前記第2のピンを挟んで対向する位置で当接して、前記第3の端面と前記第4の端面とが開く場合の前記第2のリンクに対する前記第3のリンクの角度位置を規制する開き角度規制手段をさらに含む開閉装置。
【請求項3】
請求項1に記載の開閉装置において、
前記第2のリンクの他方の端部および前記第3のリンクの一方の端部をつないで、外力による前記第2のリンクに対する前記第3のリンクの角度位置の変化を抑制する角度変化抑制手段をさらに含む開閉装置。
【請求項4】
請求項1に記載の開閉装置において、
前記伸縮駆動手段が所定の長さより長くなった場合、前記第3のリンクに当接して、前記第3の端面と前記第4の端面とを当接させるように、前記船舶の船体の甲板に対する前記第3のリンクの角度位置を規制する全開角度規制手段をさらに含む開閉装置。
【請求項5】
請求項1に記載の開閉装置において、
一方の端部が、前記伸縮駆動手段の端部のうち、前記第2のリンク側の端部に軸支され、他方の端部が、前記第2のリンクの他方の端部側に軸支されている第4のリンクと、
一方の端部が、前記第4のリンクの一方の端部と前記伸縮駆動手段の端部に同軸に軸支され、他方の端部が、前記第3のリンクの一方の端部側に軸支されている第5のリンクと
をさらに含む開閉装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の開閉装置において、
前記伸縮駆動手段は、電動アクチュエータであり、
前記伸縮駆動手段の伸縮による駆動を交流で制御する制御手段をさらに含む開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は開閉装置に関し、特に、船舶のハッチを覆うハッチカバーパネルを水平方向に移動させてハッチを開閉する開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、船舶のハッチを覆うハッチカバーパネルは、枠であるコーミングに沿って張られたチェーンとチェーンを駆動する油圧モータとにより開閉される。
【0003】
油圧カム機構を備えたサイドローリングタイプのハッチカバーが設けられている場合、ハッチの周囲にはコーミングと称する枠およびハッチカバーの移動用の、水平直線状のレールが設けられている。ハッチカバーを閉じる場合、ハッチカバーに取り付けた車輪をレールの上面から斜め下方に滑らせ、ハッチカバーに取り付けられた密閉用のスポンジラバーとコーミング側の突起プレート(これをコンプレッションバーと称する)とを圧接状態にし、最終的に油圧カム機構で両側のハッチカバーに設けられたスポンジラバーとコンプレッションバーを圧接し、風雨密状態にしている。
【0004】
従来、ハッチカバーの開閉機構に2つのリンクからなるリンク機構を用いたものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ハッチカバーを閉じる場合、ハッチカバーに取り付けた車輪をレールの上面から斜め下方に滑らせるとき、レールの上面から下方までの上下変位量は、通常200mm近く必要になり、ハッチカバーを開く場合、油圧カム機構でハッチカバーをレールの上面の高さまで押し上げる必要がある。しかし、ハッチカバーの大型化に伴い、油圧カム機構も大掛かりなものとなる。また、コーミングに沿って張られたチェーンおよび油圧モータも大きくなり、高額となっている。
【0007】
さらにチェーンは伸び易く、開閉の都度調整が必要である。また、リフティング装置を無くして、レールに溝を設けたことで、船体中心側のホイール用のレールと船側側のホイール用のレールとが別々に必要になった。
【0008】
特許文献1に記載のハッチカバーの開閉機構においては、リフティング装置を無くしてレール溝に落ち込んだホイールを引き上げるには、駆動装置の駆動力を大きくする必要があった。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、開くときにハッチカバーパネルを押し上げる油圧カム機構を不要として、より小さな力でハッチカバーパネルを移動可能として、より簡単な構造で、メンテナンス作業をより少なくすることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の開閉装置は、船舶のハッチを覆うハッチカバーパネルの対向する側面にそれぞれ設けられて、ハッチカバーパネルを水平方向に移動させてハッチを開閉させる開閉装置であって、第1のリンク、第2のリンクおよび第3のリンクを含み、第1のリンクの一方の端部側がハッチカバーパネルに軸支され、第1のリンクの他方の端部および第2のリンクの一方の端部が第1のピンで軸支され、第2のリンクの他方の端部および第3のリンクの一方の端部が第2のピンで軸支され、第3のリンクの他方の端部が船舶の船体の甲板上に軸支されていて、伸展または屈曲させられるリンク機構と、第2のリンクの他方の端部側の所定の位置であって、リンク機構が伸展している状態において第2のリンクの下側の所定の位置と船舶の船体の甲板上の所定の位置との間に設けられ、伸縮により駆動してリンク機構を伸展または屈曲させる伸縮駆動手段とを含み、リンク機構は、第1のリンクの他方の端部の第1の端面と第2のリンクの一方の端部の第2の端面とが当接する場合、第1のリンクに対する第2のリンクの角度位置が規制され、第2のリンクの他方の端部の第3の端面と第3のリンクの一方の端部の第4の端面とが当接する場合、第2のリンクに対する第3のリンクの角度位置が規制され、第1のピンが、第1の端面と第2の端面とが当接するか所定の角度を挟んで開くように、リンク機構が伸展している状態において、第1のリンクおよび第2のリンクを第1の端面および第2の端面の下側で軸支し、第2のピンが、第3の端面と第4の端面とが当接するか所定の角度を挟んで開くように、リンク機構が伸展している状態において、第2のリンクおよび第3のリンクを第3の端面および第4の端面の下側で軸支し、第3のリンクの長さは、第1のリンクの長さよりも短く、第3のリンクの長さは、第2のリンクの長さよりも短いことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の開閉装置において、第3の端面および第4の端面に第2のピンを挟んで対向する位置で当接して、第3の端面と第4の端面とが開く場合の第2のリンクに対する第3のリンクの角度位置を規制する開き角度規制手段をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の開閉装置において、第2のリンクの他方の端部および第3のリンクの一方の端部をつないで、外力による第2のリンクに対する第3のリンクの角度位置の変化を抑制する角度変化抑制手段をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の開閉装置において、伸縮駆動手段が所定の長さより長くなった場合、第3のリンクに当接して、第3の端面と第4の端面とを当接させるように、船舶の船体の甲板に対する第3のリンクの角度位置を規制する全開角度規制手段をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の開閉装置において、一方の端部が、伸縮駆動手段の端部のうち、第2のリンク側の端部に軸支され、他方の端部が、第2のリンクの他方の端部側に軸支されている第4のリンクと、一方の端部が、第4のリンクの一方の端部と伸縮駆動手段の端部に同軸に軸支され、他方の端部が、第3のリンクの一方の端部側に軸支されている第5のリンクとをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の開閉装置において、伸縮駆動手段は、電動アクチュエータであり、伸縮駆動手段の伸縮による駆動を交流で制御する制御手段をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、開くときにハッチカバーパネルを押し上げる油圧カム機構を不要として、より小さな力でハッチカバーパネルを移動可能として、より簡単な構造で、メンテナンス作業をより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態の開閉装置の構成の例を説明する平面図である。
【
図2】本発明の一実施の形態の開閉装置の構成の例を説明する正面図である。
【
図3】開閉装置31-1-1の構成の詳細の例を示す正面図である。
【
図4】長さ調整装置44の構成の詳細を説明する図である。
【
図6】車輪12-1-1、レール14-1-1および溝15-1-1を拡大して示す正面図である。
【
図7】車輪12-1-1、レール14-1-1および溝15-1-1を拡大して示す断面図である。
【
図8】車輪13-1-1、レール14-1-1および溝16-1-1を拡大して示す正面図である。
【
図9】車輪13-1-1、レール14-1-1および溝16-1-1を拡大して示す断面図である。
【
図10】ハッチカバーパネル11-1およびハッチカバーパネル11-2でハッチが閉じられている場合の風雨密状態を説明する図である。
【
図12】溝15-1-1からレール14-1-1の上面に出た車輪12-1-1を拡大して示す正面図である。
【
図13】溝16-1-1からレール14-1-1の上面に出た車輪13-1-1を拡大して示す正面図である。
【
図15】溝15-1-1を通過する車輪13-1-1を拡大して示す正面図である。
【
図16】溝15-1-1を通過する車輪13-1-1を拡大して示す断面図である。
【
図19】開閉装置301の構成の例を示す正面図である。
【
図20】開閉装置301の構成の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0019】
本発明の第1の側面の開閉装置は、船舶のハッチを覆うハッチカバーパネルの対向する側面にそれぞれ設けられて、ハッチカバーパネルを水平方向に移動させてハッチを開閉させる開閉装置(例えば、
図3の開閉装置31-1-1)であって、第1のリンク(例えば、
図3のリンク43)、第2のリンク(例えば、
図3のリンク42)および第3のリンク(例えば、
図3のリンク41)を含み、第1のリンクの一方の端部側がハッチカバーパネルに軸支され、第1のリンクの他方の端部および第2のリンクの一方の端部が第1のピン(例えば、
図3のヒンジピン48)で軸支され、第2のリンクの他方の端部および第3のリンクの一方の端部が第2のピン(例えば、
図3のヒンジピン47)で軸支され、第3のリンクの他方の端部が船舶の船体の甲板上に軸支されていて、伸展または屈曲させられるリンク機構(例えば、
図3のリンク機構40)と、第2のリンクの他方の端部側の所定の位置であって、リンク機構が伸展している状態において第2のリンクの下側の所定の位置と船舶の船体の甲板上の所定の位置との間に設けられ、伸縮により駆動してリンク機構を伸展または屈曲させる伸縮駆動手段(例えば、
図3の
駆動装置45)とを含み、リンク機構は、第1のリンクの他方の端部の第1の端面(例えば、
図3の端面84)と第2のリンクの一方の端部の第2の端面(例えば、
図3の端面83)とが当接する場合、第1のリンクに対する第2のリンクの角度位置が規制され、第2のリンクの他方の端部の第3の端面(例えば、
図3の端面82)と第3のリンクの一方の端部の第4の端面(例えば、
図3の端面81)とが当接する場合、第2のリンクに対する第3のリンクの角度位置が規制され、第1のピンが、第1の端面と第2の端面とが当接するか所定の角度を挟んで開くように、リンク機構が伸展している状態において、第1のリンクおよび第2のリンクを第1の端面および第2の端面の下側で軸支し、第2のピンが、第3の端面と第4の端面とが当接するか所定の角度を挟んで開くように、リンク機構が伸展している状態において、第2のリンクおよび
第3のリンクを第3の端面および第4の端面の下側で軸支し、第3のリンクの長さは、第1のリンクの長さよりも短く、第3のリンクの長さは、第2のリンクの長さよりも短いことを特徴とする。
【0020】
以下、
図1乃至
図27を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態の開閉装置の構成の例を説明する平面図である。
図2は、本発明の一実施の形態の開閉装置の構成の例を説明する正面図である。なお、
図2において、後述する開閉装置31-2-1を省略している。ハッチカバーパネル11-1および11-2は、船舶のハッチを覆うか、またはハッチの上から水平方向に移動してハッチを開口させる。ここで、ハッチは、船舶の倉口である。船舶に積まれる貨物が、ハッチを通じて船倉内に出し入れされる。
図1において、ハッチカバーパネル11-1および11-2は、船舶のハッチを覆っている。ハッチカバーパネル11-1が、
図1中の右側に移動させられた場合、ハッチは開口する。また、ハッチカバーパネル11-2が、
図1中の左側に移動させられた場合、ハッチは開口する。
【0022】
なお、以下、ハッチカバーパネル11-1および11-2が設けられている船舶に対して前後の方向をX軸で図示し、上下の方向をZ軸で図示し、左右の方向をY軸で図示する。また、以下、Y軸方向のうち、
図1中の左側を単に左側と称し、Y軸方向のうち、
図1中の右側を単に右側と称する。さらに、以下、X軸方向のうち、
図1中の下側を単に前側と称し、X軸方向のうち、
図1中の上側を単に後側と称する。さらにまた、以下、Z軸方向のうち、
図1中の手前側を単に上側と称し、Z軸方向のうち、
図1中の奥側を単に下側と称する。なお、右側がY軸の正の方向であり、前側がX軸の正の方向であり、上側がZ軸の正の方向である。また、Z軸方向を、単に上下方向とも称し、X軸およびY軸に平行な面に沿う方向を単に水平方向または横方向とも称する。なお、下方向は重力が加わる方向である。以下の図においても同様である。
【0023】
すなわち、ハッチカバーパネル11-1が右に移動させられた場合、ハッチは開口し、ハッチカバーパネル11-1が左に移動させられた場合、ハッチは閉じられる。ハッチカバーパネル11-2が左に移動させられた場合、ハッチは開口し、ハッチカバーパネル11-2が右に移動させられた場合、ハッチが閉じられる。このように、ハッチカバーパネル11-1および11-2は、水平方向に移動させられて開閉させられる。この場合、ハッチカバーパネル11-1および11-2は、水平方向に移動させられて、ハッチが開閉させられるとも言える。
【0024】
ハッチカバーパネル11-1の右前側には、ハッチカバーパネル11-1に回転可能に軸支されている車輪12-1-1が設けられている。ハッチカバーパネル11-1の左前側には、ハッチカバーパネル11-1に回転可能に軸支されている車輪13-1-1が設けられている。車輪13-1-1の径は、車輪12-1-1の径と同じとされている。ハッチカバーパネル11-1の前には、ハッチカバーパネル11-1の前側の側面に沿って、水平にレール14-1-1が設けられている。車輪12-1-1および車輪13-1-1は、レール14-1-1の上面を転がるように設けられている。すなわち、ハッチカバーパネル11-1が水平方向に移動させられる場合、車輪12-1-1および車輪13-1-1は、ハッチカバーパネル11-1を支えて、レール14-1-1の上面を転がる。
【0025】
レール14-1-1の中央左側には、レール14-1-1の上面より低い溝15-1-1が設けられている。レール14-1-1の左側には、レール14-1-1の上面より低い溝16-1-1が設けられている。溝15-1-1の深さおよび溝16-1-1の深さは、同じとされている。例えば、溝15-1-1の深さおよび溝16-1-1の深さは、20cm乃至50cmとされている。ハッチカバーパネル11-1が左に移動させられて、ハッチが閉じられている場合、車輪12-1-1は、溝15-1-1に落ち込み、車輪13-1-1は、溝16-1-1に落ち込んで、ハッチカバーパネル11-1はハッチを閉じた位置に留められている。
【0026】
ハッチカバーパネル11-1の右後側には、ハッチカバーパネル11-1に回転可能に軸支されている車輪12-1-2が設けられている。ハッチカバーパネル11-1の左後側には、ハッチカバーパネル11-1に回転可能に軸支されている車輪13-1-2が設けられている。ハッチカバーパネル11-1の後には、ハッチカバーパネル11-1の後側の側面に沿って、水平にレール14-1-2が設けられている。車輪12-1-2および車輪13-1-2は、レール14-1-2の上面を転がるように設けられている。すなわち、ハッチカバーパネル11-1が水平方向に移動させられる場合、車輪12-1-2および車輪13-1-2は、ハッチカバーパネル11-1を支えて、レール14-1-2の上面を転がる。
【0027】
レール14-1-2の中央左側には、レール14-1-2の上面より低い溝15-1-2(図示せず)が設けられている。レール14-1-2の左側には、レール14-1-2の上面より低い溝16-1-2(図示せず)が設けられている。ハッチカバーパネル11-1が左に移動させられて、ハッチが閉じられている場合、車輪12-1-2は、溝15-1-2に落ち込み、車輪13-1-2は、溝16-1-2に落ち込んで、ハッチカバーパネル11-1はハッチを閉じた位置に留められている。
【0028】
ハッチカバーパネル11-1が左に移動させられて、ハッチが閉じられている場合、車輪12-1-1が溝15-1-1に落ち込み、車輪13-1-1が溝16-1-1に落ち込んで、また、車輪12-1-2が溝15-1-2に落ち込み、車輪13-1-2が溝16-1-2に落ち込んでいるので、船舶がロール軸に中心に傾いても、自重でハッチカバーパネル11-1が移動しにくく、ハッチが開きにくい。
【0029】
なお、レール14-1-1およびレール14-1-2の高さは、ハッチコーミング17の上側と概ね同じとされている。
【0030】
同様に、ハッチカバーパネル11-2、車輪12-2-1および車輪13-2-1、車輪12-2-2および車輪13-2-2並びにレール14-2-1およびレール14-2-2は、それぞれ、X軸およびZ軸に平行な面であって、ハッチカバーパネル11-1とハッチカバーパネル11-2とが閉じられた場合、ハッチカバーパネル11-1とハッチカバーパネル11-2とが当接する位置に沿った面に対して、ハッチカバーパネル11-1、車輪12-1-1および車輪13-1-1、車輪12-1-2および車輪13-1-2並びにレール14-1-1およびレール14-1-2のそれぞれと対称に構成されるので、その説明は省略する。
【0031】
開閉装置31-1-1は、ハッチカバーパネル11-1の前側に配置されている。開閉装置31-1-1は、長手方向がY軸およびZ軸に平行な面に沿うように、レール14-1-1の前側に配置されている。開閉装置31-1-2は、ハッチカバーパネル11-1の後側に配置されている。開閉装置31-1-2は、長手方向がY軸およびZ軸に平行な面に沿うように、レール14-1-2の後側に配置されている。すなわち、ハッチカバーパネル11-1の前後に対向する側面のそれぞれには、開閉装置31-1-1および開閉装置31-1-2が設けられている。
【0032】
開閉装置31-1-1は、開閉装置31-1-2と共に、ハッチカバーパネル11-1を水平方向に移動させてハッチを開閉させる。開閉装置31-1-1は、伸展または屈曲するように構成されている。開閉装置31-1-1は、伸展する場合、ハッチカバーパネル11-1を左側に押して、ハッチを閉じさせる。開閉装置31-1-1は、屈曲する場合、ハッチカバーパネル11-1を右側に引っ張り、ハッチを開かせる。開閉装置31-1-1の左側の端部は、ハッチカバーパネル11-1の前側に軸支されている。開閉装置31-1-1の右下側の端部は、船舶の船体の甲板上に設けられている取付台32-1-1の上端に軸支されている。開閉装置31-1-1の左下側の端部は、船舶の船体の甲板上に設けられている取付台33-1-1の上端に軸支されている。支持台34-1-1は、船舶の船体の甲板上であって、取付台32-1-1の右側に設けられている。詳細は後述するが、支持台34-1-1は、開閉装置31-1-1が屈曲した場合、開閉装置31-1-1に当接して、角度位置を規制する。
【0033】
インバータ35-1-1は、船舶の船体の甲板上または船倉内に設けられて、開閉装置31-1-1の後述する電動アクチュエータである駆動装置の伸縮による駆動を交流で制御する。
【0034】
次に、開閉装置31-1-1の構成の詳細について、
図3を参照して説明する。
図3は、開閉装置31-1-1の構成の詳細の例を示す正面図である。開閉装置31-1-1は、リンク機構40および駆動装置45を含み構成されている。リンク機構40は、駆動装置45によって伸展または屈曲させられる。リンク機構40は、Y軸およびZ軸に平行な面に沿うように伸展または屈曲させられる。駆動装置45は、電動アクチュエータにより構成され、伸縮によりリンク機構40を駆動して、リンク機構40を伸展または屈曲させる。
【0035】
リンク機構40は、リンク41、リンク42、リンク43および長さ調整装置44を含み構成されている。リンク41、リンク42およびリンク43は、それぞれ、鋼材またはステンレススチールなどの角棒材、丸棒材、角パイプ材、丸パイプ材またはH鋼材などで、所定の剛性および強度を有する棒状に形成されている。リンク41、リンク42およびリンク43は、それぞれ、一定の太さでもよく、テーパー状に形成することもできる。リンク41の長さは、リンク42の長さより短く、また、リンク43の長さより短くされている。例えば、リンク41の長さは、60cmから1mまでのうちのいずれかとされている。例えば、リンク41の長さは、溝15-1-1の深さおよび溝16-1-1の深さの2倍乃至4倍のいずれかとされている。リンク41の長さは、極力短くすることが好ましい。
【0036】
リンク43の一方の端部には、長さ調整装置44が設けられている。長さ調整装置44は、ハッチカバーパネル11-1に軸支されている。リンク43の他方の端部とリンク42の一方の端部とは、ヒンジピン48により回動可能に軸支されている。リンク42の他方の端部とリンク41の一方の端部とは、ヒンジピン47により回動可能に軸支されている。リンク41の他方の端部は、取付台32-1-1の上端にヒンジピン46により回動可能に軸支されている。リンク41の他方の端部は、船舶の船体の甲板上に軸支されていると言える。
【0037】
より詳細には、リンク43の他方の端部には、端面84として、リンク43の長さ方向に対して直交する平面が形成されている。リンク42の一方の端部には、端面83として、リンク42の長さ方向に対して直交する平面が形成されている。また、リンク42の他方の端部には、端面82として、リンク42の長さ方向に対して直交する平面が形成されている。さらに、リンク41の一方の端部には、端面81として、リンク41の長さ方向に対して直交する平面が形成されている。
【0038】
リンク機構40が伸展している状態において、リンク機構40の延伸方向に対して直交する端面84と端面83とが当接し、また、リンク機構40の延伸方向に対して直交する端面82と端面81とが当接するので、船舶がロール軸に中心に傾くなどして、リンク機構40に圧縮する方向の力が加わった場合、リンク43の端面84と、リンク42の端面83と、リンク42の端面82と、リンク41の端面81とで力を受けるので、より大きな力に耐えることができる。
【0039】
なお、リンク機構40が伸展している状態において、端面84と端面83とが当接し、また、端面82と端面81とが当接すれば良いので、端面84は、リンク43の長さ方向に対して交差する平面としてもよく、端面83および端面82は、リンク42の長さ方向に対して交差する平面としてもよく、端面81は、リンク41の長さ方向に対して交差する平面としてもよい。
【0040】
また、ブラケット64は、リンク機構40が伸展している状態において、リンク43の他方の端部側の側面のうちの、下側の側面に設けられている。ブラケット63は、リンク機構40が伸展している状態において、リンク42の一方の端部側の側面のうちの、下側の側面に、ブラケット64と対向するように設けられている。ブラケット64とブラケット63とは、ヒンジピン48により回動可能に軸支されている。すなわち、ヒンジピン48は、ブラケット64およびブラケット63により、リンク機構40が伸展している状態において、端面84と端面83とから下方向にずれた位置でリンク43およびリンク42を回動可能に軸支する。
【0041】
ブラケット62は、リンク機構40が伸展している状態において、リンク42の他方の端部側の側面のうちの、下側の側面に設けられている。ブラケット61は、リンク機構40が伸展している状態において、リンク41の一方の端部側の側面のうちの、下側の側面に、ブラケット62と対向するように設けられている。ブラケット62とブラケット61とは、ヒンジピン47により回動可能に軸支されている。すなわち、ヒンジピン47は、ブラケット62およびブラケット61により、リンク機構40が伸展している状態において、端面82と端面81とから下方向にずれた位置でリンク42およびリンク41を回動可能に軸支する。
【0042】
リンク43とリンク42とが直線状に伸びきった場合、リンク43とリンク42とのジョイントが、一方向にのみ曲がる。すなわち、リンク機構40の延伸方向に対して直交する端面84と端面83とが当接している場合、ヒンジピン48が、リンク機構40が伸展している状態において、ブラケット64およびブラケット63により、端面84と端面83とから下方向にずれた位置でリンク43およびリンク42を回動可能に軸支するので、
図3中、リンク43は、リンク42に対して、反時計回りにのみ屈曲することができ、時計回りに屈曲することはできない。言い換えれば、リンク43とリンク42とが直線状に伸びきった場合、
図3中、リンク42に対して、リンク43の反時計回りへの屈曲は規制されず、リンク43の時計回りへの屈曲は規制される。
【0043】
リンク42とリンク41とが直線状に伸びきった場合、リンク42とリンク41とのジョイントが、一方向にのみ曲がる。すなわち、リンク機構40の延伸方向に対して直交する端面82と端面81とが当接している場合、ヒンジピン47が、ブラケット62およびブラケット61により、端面82と端面81とから下方向にずれた位置でリンク42およびリンク41を回動可能に軸支するので、
図3中、リンク42は、リンク41に対して、反時計回りにのみ屈曲することができ、時計回りに屈曲することはできない。言い換えれば、リンク42とリンク41とが直線状に伸びきった場合、
図3中、リンク41に対して、リンク42の反時計回りへの屈曲は規制されず、リンク42の時計回りへの屈曲は規制される。
【0044】
言い換えれば、リンク43は、リンク42に対して、一直線状に接続されるか、または、一直線状に接続されている状態から、反時計回りに回動するように、屈曲できる。リンク43は、リンク42に対して、一直線状に接続されている状態から、時計回りに回動するように、屈曲することはできない。同様に、リンク42は、リンク41に対して、一直線状に接続されるか、または、一直線状に接続されている状態から、反時計回りに回動するように、屈曲できる。リンク42は、リンク41に対して、一直線状に接続されている状態から、時計回りに回動するように、屈曲することはできない。
【0045】
このように、リンク43とリンク42とが直線状に伸びきった場合、または、リンク42とリンク41とが直線状に伸びきった場合、リンク43、リンク42およびリンク41の屈曲の方向が規制されるので、リンク機構40が、より確実に伸展するか、または、ヒンジピン48およびヒンジピン47により所望の方向に屈曲するので、ハッチを閉じる場合、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの左側の端部まで移動させることができ、また、ハッチを開く場合、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの右側の端部まで移動させることができる。
【0046】
ストッパ66は、リンク機構40が伸展している状態において、リンク42の他方の端部側の側面のうちの、下側の側面に設けられている。ストッパ65は、リンク機構40が伸展している状態において、リンク41の一方の端部側の側面のうちの、下側の側面に、ストッパ66と対向するように設けられている。ストッパ66の右側には、リンク42およびリンク41が所定の角度位置になった場合に、ストッパ65に当接する当接面86が形成されている。ストッパ65の左側には、リンク42およびリンク41が所定の角度位置になった場合に、ストッパ66に当接する当接面85が形成されている。すなわち、リンク42およびリンク41が所定の角度位置になった場合に、ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85が当接して、リンク42およびリンク41の角度位置が規制される。言い換えれば、リンク42が、リンク41に対して、一直線状に接続されている状態から、時計回りに回動するように、屈曲した場合、ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85が当接して、リンク41に対するリンク42の角度位置が規制される。例えば、リンク41とリンク42とが一直線状に接続されている状態において、リンク41に対するリンク42の角度位置を180度の角度とした場合、リンク41とリンク42との角度位置が140度となった場合、ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85が当接する。すなわち、この場合、ストッパ66およびストッパ65によって、リンク41に対するリンク42の回動できる角度範囲は、40度とされる。
【0047】
駆動装置45の一方の端部は、取付台33-1-1の上端にヒンジピン49により軸支されている。駆動装置45の他方の端部は、ストッパ66にヒンジピン50により軸支されている。すなわち、駆動装置45は、リンク42の他方の端部側の所定の位置であって、リンク機構40が伸展している状態においてリンク42の下側の所定の位置と船舶の船体の甲板上の所定の位置との間に設けられている。詳細は後述するが、駆動装置45は、駆動装置45が伸縮してリンク機構40を駆動することにより、リンク機構40を伸展または屈曲させる。
【0048】
緩衝装置71は、角度変化抑制手段の一例であり、固体同士の摩擦抵抗を利用するか、または流体抵抗を利用した伸縮式のシリンダーダンパーである。緩衝装置71は、伸縮の速度を低下される抵抗を生じさせて振動を減衰させる。ブラケット73は、リンク機構40が伸展している状態において、リンク42の他方の端部側の側面のうちの、上側の側面に設けられている。ブラケット72は、リンク機構40が伸展している状態において、リンク41の一方の端部側の側面のうちの、上側の側面に、ブラケット73と対向するように設けられている。緩衝装置71の一方の端部は、ブラケット73の上端にヒンジピン75により回動可能に軸支されている。緩衝装置71の他方の端部は、ブラケット72の左端にヒンジピン74により回動可能に軸支されている。すなわち、緩衝装置71は、リンク42の他方の端部およびリンク41の一方の端部をつないで、外力によるリンク42に対するリンク41の角度位置の変化を抑制する。
【0049】
次に、
図4を参照して、長さ調整装置44の構成の詳細を説明する。長さ調整装置44は、軸受け部91、軸受け92、ボルト93、ステー94、ステー95、ナット96およびダブルナット97を含み構成されている。軸受け部91の一方の端部には、ハッチカバーパネル11-1に軸支するための軸受け92が形成されている。軸受け部91の一方の端部には、ボルト93が設けられている。軸受け部91およびボルト93は、概ね直線状に並ぶように形成されている。ステー94およびステー95は、それぞれ、例えば、直方体状に形成され、所定距離で離れた位置にリンク43に接続されている。ステー94およびステー95には、ボルト93に螺合するネジ孔が切られている。ボルト93は、ステー94およびステー95のネジ孔に螺合されている。ボルト93には、ステー95を挟んでナット96およびゆるみ止めのためのダブルナット97が螺合されている。
【0050】
ボルト93を締めこむかまたは緩めることにより、ステー94およびステー95からボルト93が突出する長さを変えることができるので、長さ調整装置44は、開閉装置31-1-1の長さを調整することができる。
【0051】
なお、開閉装置31-1-2は、Y軸およびZ軸に平行な面であって、開閉装置31-1-1と開閉装置31-1-2との間の面に対して、開閉装置31-1-1と対称に構成されるので、その説明は省略する。また、開閉装置31-2-1および開閉装置31-2-2は、それぞれ、X軸およびZ軸に平行な面であって、ハッチカバーパネル11-1とハッチカバーパネル11-2とが閉じられた場合、ハッチカバーパネル11-1とハッチカバーパネル11-2とが当接する位置に沿った面に対して、開閉装置31-1-1および開閉装置31-1-2のそれぞれと対称に構成されるので、その説明は省略する。
【0052】
また、インバータ35-1-2(図示せず)は、船舶の船体の甲板上または船倉内に設けられて、開閉装置31-1-2の電動アクチュエータである駆動装置45の伸縮による駆動を交流で制御する。同様に、インバータ35-2-1(図示せず)およびインバータ35-2-2(図示せず)のそれぞれは、船舶の船体の甲板上または船倉内に設けられて、開閉装置31-2-1および開閉装置31-2-2のそれぞれの電動アクチュエータである駆動装置45の伸縮による駆動を交流で制御する。
【0053】
次に、
図5乃至
図18を参照して、ハッチカバーパネル11-1を右に移動させて、ハッチを開口する場合の開閉装置31-1-1の動作を説明する。
【0054】
まず、ハッチカバーパネル11-1でハッチが閉じられている場合の開閉装置31-1-1について説明する。
図5乃至
図10は、開閉装置31-1-1が伸展して、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの左側の端部まで移動させて、ハッチカバーパネル11-1がハッチを閉じている場合の開閉装置31-1-1の状態を示す図である。
図5は、リンク機構40が最も長くなるように伸展している状態の開閉装置31-1-1の正面図である。
図6は、車輪12-1-1、レール14-1-1および溝15-1-1を拡大して示す正面図である。
図7は、
図6中のAA‘の端面の車輪12-1-1、レール14-1-1および溝15-1-1を拡大して示す断面図である。
図8は、車輪13-1-1、レール14-1-1および溝16-1-1を拡大して示す正面図である。
図9は、
図8中のBB‘の端面の車輪13-1-1、レール14-1-1および溝16-1-1を拡大して示す断面図である。
図10は、ハッチカバーパネル11-1およびハッチカバーパネル11-2でハッチが閉じられている場合の風雨密状態を説明する図である。
【0055】
ハッチカバーパネル11-1がハッチを閉じている場合、駆動装置45は、最も短い状態とされている。すなわち、駆動装置45の一方の端部がヒンジピン49により軸支されている取付台33-1-1の上端と、駆動装置45の他方の端部がヒンジピン50により軸支されているストッパ66との距離は、最も短くされている。駆動装置45が最も短い状態になると、リンク機構40は、長さ調整装置44の軸受け92からリンク41の他方の端部のヒンジピン46までの距離は、最も長くなる。すなわち、駆動装置45が最も短い状態になると、リンク機構40は、最も長くなるように伸展する。リンク機構40が、最も長くなるように伸展している場合、端面84と端面83とが当接し、また、端面82と端面81とが当接し、リンク41、リンク42およびリンク43は、直線状となる。
【0056】
駆動装置45が最も短い状態になり、リンク機構40が、最も長くなるように伸展している場合、ハッチカバーパネル11-1は水平方向の移動範囲のうちの左側の端部まで移動させられて、ハッチが閉じられる。ハッチカバーパネル11-1は水平方向の移動範囲のうちの左側の端部まで移動させられて、ハッチが閉じられている場合、
図6および
図7に示されるように、車輪12-1-1は、溝15-1-1に落ち込んでいる。溝15-1-1の左側には、当接して車輪12-1-1の転がりを止めるための、水平方向に対して直角に交わる壁が形成されている。溝15-1-1の右側には、レール14-1-1の上面に対して所定の角度で交差するように、直線状に傾斜する傾斜部101が形成されている。傾斜部101の傾きは、水平方向に対して、30度乃至60度とされている。溝15-1-1の前側には、溝15-1-1の上側をわたってレール14-1-1の上面を接続するガイドピース102が設けられている。ガイドピース102は、直線状の板状または棒状の鋼材で形成さている。
【0057】
車輪12-1-1の外周の後側には、車輪12-1-1の径に対して所定の長さだけ大きい径のフランジ103が設けられている。すなわち、フランジ103は、つば状に形成され、車輪12-1-1の外径を大きくするように車輪12-1-1の外周の後側に設けられている。
【0058】
ガイドピース104は、溝15-1-1の底部分および傾斜部101から、レール14-1-1の上面につながり、車輪12-1-1の転がりをガイドするように設けられている。ガイドピース104は、溝15-1-1の底部分から傾斜部101に沿って曲げられた四角断面の板状または棒状の鋼材で形成さている。
図7に示されるように、車輪12-1-1が溝15-1-1に落ち込んでいる場合、車輪12-1-1の外周が、溝15-1-1の底部分のガイドピース104の上に乗り、フランジ103の前側が、ガイドピース104の後側面に沿う。
【0059】
また、ハッチカバーパネル11-1は水平方向の移動範囲のうちの左側の端部まで移動させられて、ハッチを閉じられている場合、
図8および
図9に示されるように、車輪13-1-1は、溝16-1-1に落ち込んでいる。溝16-1-1の左側には、当接して車輪13-1-1の転がりを止めるための、水平方向に対して直角に交わる壁が形成されている。溝16-1-1の右側には、レール14-1-1の上面に対して所定の角度で交差するように、直線状に傾斜する傾斜部121が形成されている。傾斜部121の傾きは、水平方向に対して、30度乃至60度とされている。
【0060】
車輪13-1-1の外周の前側には、車輪13-1-1の径に対して所定の長さだけ大きい径のフランジ122-1が設けられている。すなわち、フランジ122-1は、つば状に形成され、車輪13-1-1の外径を大きくするように車輪13-1-1の外周の前側に設けられている。車輪13-1-1の外周の後側には、車輪13-1-1の径に対して所定の長さだけ大きい径のフランジ122-2が設けられている。すなわち、フランジ122-2は、つば状に形成され、車輪13-1-1の外径を大きくするように車輪13-1-1の外周の後側に設けられている。フランジ122-2の外径は、フランジ122-1の外径と同じとされている。
【0061】
ガイドピース123は、溝16-1-1の底部分および傾斜部121から、レール14-1-1の上面につながり、車輪13-1-1の転がりをガイドするように設けられている。ガイドピース123は、溝16-1-1の底部分から傾斜部121に沿って曲げられた四角断面の板状または棒状の鋼材で形成さている。
図9に示されるように、車輪13-1-1が溝16-1-1に落ち込んでいる場合、車輪13-1-1の外周が、溝16-1-1の底部分のガイドピース123の上に乗り、フランジ122-1の後側が、ガイドピース123の前側面に沿い、フランジ122-2の前側が、ガイドピース123の後側面に沿う。
【0062】
このように、ハッチカバーパネル11-1は水平方向の移動範囲のうちの左側の端部まで移動させられて、ハッチを閉じられている場合、車輪12-1-1が溝15-1-1に落ち込んで、車輪13-1-1が溝16-1-1に落ち込んで、ハッチカバーパネル11-1は、船舶がロール軸に中心に傾いても、自重でハッチカバーパネル11-1が移動しにくい保持位置にあると言える。
【0063】
図10に示されるように、スポンジラバー201は、合成ゴムなどからなり、ハッチカバーパネル11-1の前後方向に渡って、ハッチカバーパネル11-1の右下端部に設けられている。コンプレッションバー202は、上側に突出するつば状の部材からなり、ハッチコーミング17の前後方向に渡るようにハッチコーミング17の上面に設けられている。
【0064】
スポンジラバー203は、合成ゴムなどからなり、ハッチカバーパネル11-1の前後方向に渡って、ハッチカバーパネル11-1の左端部であって、上下方向の中央付近に設けられている。コンプレッションバー204は、ハッチカバーパネル11-2の前後方向に渡り、右側に突出するつば状の部材からなり、ハッチカバーパネル11-2の右端部であって、上下方向の中央付近にスポンジラバー203に対向するように設けられている。
【0065】
ハッチカバーパネル11-1でハッチが閉じられている場合、車輪12-1-1が溝15-1-1に落ち込み、車輪13-1-1が溝16-1-1に落ち込んで、また、車輪12-1-2が溝15-1-2に落ち込み、車輪13-1-2が溝16-1-2に落ち込んでいるので、ハッチコーミング17に対してハッチカバーパネル11-1が下がり、ハッチカバーパネル11-1の右下端部に設けられている、スポンジラバー201が、ハッチコーミング17の上面に設けられているコンプレッションバー202を下向きに押圧して、コンプレッションバー202の上面がスポンジラバー201の下面に密着して、密封することになり、ハッチコーミング17を超える雨水やハッチカバーパネル11-1の側面からの雨の侵入を防いで、風雨密状態にする。
【0066】
ハッチカバーパネル11-1およびハッチカバーパネル11-2でハッチが閉じられている場合、ハッチカバーパネル11-1の左端部側とハッチカバーパネル11-2の右端部側とが近接して、ハッチカバーパネル11-2に設けられているコンプレッションバー204がハッチカバーパネル11-1に設けられているスポンジラバー203を押圧して、コンプレッションバー204の右面がスポンジラバー201の左面に密着して、密封することになり、ハッチカバーパネル11-1およびハッチカバーパネル11-2の上に降った雨の侵入を防いで、風雨密状態にする。
【0067】
なお、開閉装置31-1-2、開閉装置31-2-1および開閉装置31-1-2は、それぞれ、開閉装置31-1-1と同様に構成されるので、その説明は省略する。
【0068】
次に、
図11乃至
図13を参照して、ハッチカバーパネル11-1でハッチが閉じられている状態から、車輪12-1-1が溝15-1-1からレール14-1-1の上面に出て、車輪13-1-1が溝16-1-1からレール14-1-1の上面に出るまで、ハッチカバーパネル11-1を右側に移動させた開閉装置31-1-1について説明する。なお、開閉装置31-1-1と開閉装置31-1-2とが同期して、ハッチカバーパネル11-1を開閉させる。すなわち、インバータ35-1-1は、インバータ35-1-2と同期して、開閉装置31-1-2の駆動装置45の動作と同期するように、開閉装置31-1-1の駆動装置45を動作させる。このようにすることで、ハッチカバーパネル11-1を水平方向に移動させることができる。
【0069】
図11は、ハッチカバーパネル11-1でハッチが閉じられている状態から、車輪12-1-1が溝15-1-1からレール14-1-1の上面に出て、車輪13-1-1が溝16-1-1からレール14-1-1の上面に出るまで、ハッチカバーパネル11-1を右側に移動させた開閉装置31-1-1の正面図である。
図12は、溝15-1-1からレール14-1-1の上面に出た車輪12-1-1を拡大して示す正面図である。
図13は、溝16-1-1からレール14-1-1の上面に出た車輪13-1-1を拡大して示す正面図である。
【0070】
図5に示される駆動装置45が最も短い状態で、リンク機構40が最も長くなるように伸展している状態から、駆動装置45が伸び始めると、駆動装置45の他方の端部がヒンジピン50により軸支されているストッパ66であって、リンク機構40が伸展している状態において、リンク42の他方の端部側の側面のうちの、下側の側面に設けられているストッパ66を駆動装置45が右上に向かって押すので、リンク41は、取付台32-1-1の上端のヒンジピン46を中心に時計回りに回動する。ストッパ65の当接面85とストッパ66の当接面とが当接していない範囲で、リンク41が、ヒンジピン46を中心に時計回りに回動しているとき、リンク42には右向きの力が加えられて、端面84と端面83とが当接した状態を維持して、リンク43およびリンク42が一直線状に伸びたまま右向きに引っ張られる。すなわち、ストッパ65の当接面85とストッパ66の当接面86とが当接していない範囲で、リンク41が、ヒンジピン46を中心に時計回りに回動している場合、リンク42とリンク43とは一直線状に接続された状態を維持する。
【0071】
この場合、リンク41の長さは、リンク42より短く、また、リンク43より短いので、駆動装置45が伸びる力は、そのまま、ハッチカバーパネル11-1に右向きの力となって加えられる。すなわち、駆動装置45が伸びる力とほとんど同じ大きさの力が、ハッチカバーパネル11-1に右向きの力となって伝達されることになる。従って、ハッチカバーパネル11-1により大きな右向きの力が加えられることになる。
【0072】
例えば、リンク41の長さを溝15-1-1の深さおよび溝16-1-1の深さの2倍乃至4倍のいずれかとし、溝15-1-1の傾斜部101の傾きおよび溝16-1-1の傾斜部121の傾きを、水平方向に対して、30度乃至60度とした場合、車輪12-1-1が溝15-1-1からレール14-1-1の上面に出て、車輪13-1-1が溝16-1-1からレール14-1-1の上面に出るまで、駆動装置45が伸びる力のほとんどが、ハッチカバーパネル11-1に右向きの力となって伝達される。
【0073】
例えば、ストッパ66およびストッパ65によって、リンク41に対するリンク42の回動できる角度範囲は、40度とされている場合、駆動装置45が伸びる長さとほぼ同じ長さの距離だけ、リンク機構40がハッチカバーパネル11-1を右向きに移動させる。
【0074】
図11に示されるように開閉装置31-1-1がハッチカバーパネル11-1を右側に引っ張ると、
図12に示されるように、車輪12-1-1は、溝15-1-1のガイドピース104の上を転がり、底部分から傾斜部101を上って、レール14-1-1の上面に到達する。このとき、つば状に形成されているフランジ103の前側が、ガイドピース104の後側面に沿っているので、フランジ103によって、車輪12-1-1がガイドピース104の上を転がるようにガイドされる。
【0075】
また、
図11に示されるように開閉装置31-1-1がハッチカバーパネル11-1を右側に引っ張ると、
図13に示されるように、車輪13-1-1は、溝16-1-1のガイドピース123の上を転がり、底部分から傾斜部121を上って、レール14-1-1の上面に到達する。このとき、フランジ122-1の後側が、ガイドピース123の前側面に沿い、フランジ122-2の前側が、ガイドピース123の後側面に沿っているので、フランジ122-1およびフランジ122-2によって、ガイドピース123が挟まれて、車輪13-1-1がガイドピース123の上を転がるようにガイドされる。
【0076】
このように、駆動装置45が最も短い状態で、リンク機構40が最も長くなるように伸展している状態から、駆動装置45が伸び始めると、開閉装置31-1-1がハッチカバーパネル11-1をより大きな力で右側に引っ張り、車輪12-1-1がレール14-1-1の上面に到達し、車輪13-1-1がレール14-1-1の上面に到達し、より小さい力でハッチカバーパネル11-1を移動させることができる走行可能位置になると言える。ハッチを閉じられている場合の、車輪12-1-1が溝15-1-1に落ち込んで、車輪13-1-1が溝16-1-1に落ち込んで、ハッチカバーパネル11-1は、船舶がロール軸に中心に傾いても、自重でハッチカバーパネル11-1が移動しにくい保持位置から、車輪12-1-1および車輪13-1-1がレール14-1-1の上面に到達して走行可能位置になるので、開閉装置31-1-1は、ハッチカバーパネル11-1を上昇させると言える。逆に、ハッチカバーパネル11-1でハッチを閉じる場合、開閉装置31-1-1は、ハッチカバーパネル11-1を左側に押して、車輪12-1-1および車輪13-1-1がレール14-1-1の上面の走行可能位置から、車輪12-1-1を溝15-1-1に落ち込ませて、車輪13-1-1を溝16-1-1に落ち込ませて保持位置にするので、開閉装置31-1-1は、ハッチカバーパネル11-1を降下させると言える。すなわち、開閉装置31-1-1は、ハッチカバーパネル11-1を昇降させる昇降装置とも言える。
【0077】
図11に示される状態から、さらに駆動装置45が伸びると、開閉装置31-1-1によって、駆動装置45が伸びる長さに比較して、より長い距離だけハッチカバーパネル11-1が右側に移動させられる。
図14に示されるように、ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85が当接して、リンク42およびリンク41の角度位置が規制された状態で、駆動装置45が伸びると、互いの角度位置が規制されているリンク42およびリンク41が、ヒンジピン46を軸に時計回りに回動することになり、リンク42の一方の端部は、持ち上げられる。言い換えれば、ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85が当接すると、リンク42およびリンク41の角度位置が保持されたまま、ンク42およびリンク41が、ヒンジピン46を軸に時計回りに回動する。長さ調整装置44の軸受け92は、ハッチカバーパネル11-1に軸支されているので、リンク42の一方の端部が、持ち上げられると、リンク42およびリンク43は、リンク43の端面84とリンク42の端面83とが離れて、ヒンジピン48で屈曲する。これにより、リンク42に対して、リンク43が反時計方向に回動することになる。
【0078】
駆動装置45が伸びる長さと、ハッチカバーパネル11-1が右側に移動する距離との比率は、おおよそ、ヒンジピン46からヒンジピン50までの距離と、ヒンジピン46からヒンジピン48までの距離との比率になる。すなわち、駆動装置45が伸びる長さに対して、より長い距離だけ、ハッチカバーパネル11-1が右側に移動する。
【0079】
図14に示す状態において、船舶がロール軸を中心に傾いた場合、ハッチカバーパネル11-1の自重によって左右方向の力が加わって、ハッチカバーパネル11-1が左右方向に移動しようとするが、緩衝装置71が、リンク42の他方の端部およびリンク41の一方の端部をつないで、外力によるリンク42に対するリンク41の角度位置の変化を抑制するので、ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85との当接した状態が維持される。これにより、船舶のロール軸に中心した傾きによるハッチカバーパネル11-1の左右方向の移動を抑制することができる。
【0080】
さらに駆動装置45が伸びると、ハッチカバーパネル11-1が右側に移動し、車輪13-1-1がガイドピース102に乗って、溝15-1-1を通過する。
図15は、溝15-1-1を通過する車輪13-1-1、レール14-1-1および溝15-1-1を拡大して示す正面図である。
図16は、
図15中のAA‘の端面の、溝15-1-1を通過する車輪13-1-1、レール14-1-1および溝15-1-1を拡大して示す断面図である。
【0081】
図15および
図16に示されるように、ハッチカバーパネル11-1が右側に移動し、車輪13-1-1が溝15-1-1まで来ると、車輪13-1-1のフランジ122-1の外周がガイドピース102の上に乗って、溝15-1-1に落ち込まず、レール14-1-1の上面の高さを維持して、溝15-1-1を通過する。従って、車輪13-1-1が溝15-1-1を通過するのにより大きな力は必要とされず、レール14-1-1の上面を車輪12-1-1および車輪13-1-1を転がすのに必要な力だけで、車輪13-1-1が溝15-1-1を超えて、ハッチカバーパネル11-1を右側に移動させることができる。また、車輪12-1-1および車輪13-1-1のそれぞれを転がすために2本のレールを設ける必要がない。
【0082】
図17は、車輪13-1-1が溝15-1-1を超えて、ハッチカバーパネル11-1を右側に移動した場合の開閉装置31-1-1の正面図である。駆動装置45がさらに伸びると、ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85が当接して、リンク42およびリンク41の角度位置が規制された状態のまま、互いの角度位置が規制されてリンク42およびリンク41が、ヒンジピン46を軸に時計回りに回動して、リンク42の一方の端部は、さらに持ち上げられる。
【0083】
ハッチカバーパネル11-1が右側に移動してハッチが開かれている場合の開閉装置31-1-1について説明する。
図18は、開閉装置31-1-1が屈曲して、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの右側の端部まで移動させて、ハッチが開いている場合の開閉装置31-1-1の正面図である。駆動装置45が伸びきると、ヒンジピン46を軸に時計回りに回動して、リンク41が支持台34-1-1に当接して、取付台32-1-1に対するリンク41の角度位置が規制される。
【0084】
支持台34-1-1は、ハッチカバーパネル11-1が左に移動してハッチが全開になる近傍で、駆動装置45の一方の端部のヒンジピン49と駆動装置45の他方の端部のヒンジピン50とを結ぶ仮想的な直線と取付台32-1-1の上端のヒンジピン46との上下方向(垂直方向(Z軸方向))の距離が短くなり、駆動装置45によりリンク機構40に加えられる回転モーメントが減少して、ハッチが全開になる前にハッチカバーパネル11-1が止まってしまうことを防止するために、ハッチが全開になる前に、ヒンジピン46を軸としたリンク41の回動を止める。
【0085】
リンク41が支持台34-1-1に当接すると、ヒンジピン46を中心にして、支持台34-1-1に対してリンク41が時計方向に回動することができなくなるので、駆動装置45が最も長い状態になると、ヒンジピン47によりリンク41に対してリンク42が時計方向に回動して、リンク42の端面82と、リンク41の端面81とが当接する。この場合、ストッパ65の当接面85とストッパ66の当接面86とは、離れることになる。
【0086】
駆動装置45が最も長くなって、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの右側の端部まで移動させると、リンク42の端面82と、リンク41の端面81とが当接して、リンク42とリンク43とが日本語の片仮名の「ク」の字状に最も屈曲した状態になり、ハッチカバーパネル11-1が水平方向の移動範囲のうちの右側の端部まで移動して、ハッチが全開になる。リンク42の端面82と、リンク41の端面81とが当接して、リンク42とリンク43とが最も屈曲した状態になるので、船舶がロール軸に中心に傾いても、ハッチカバーパネル11-1は、水平方向に移動できなくなる。
【0087】
このように、駆動装置45が最も短い状態とされている場合、リンク機構40が伸展して、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの左側の端部まで移動させ、駆動装置45が伸びるに従って、リンク機構40が徐々に屈曲して、ハッチカバーパネル11-1を右側に移動させて、駆動装置45が最も長くなった場合、リンク機構40が屈曲しきって、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの右側の端部まで移動させる。
【0088】
ハッチカバーパネル11-1を左に移動させて、ハッチを閉じる場合の開閉装置31-1-1の動作は、
図5乃至
図18を参照して説明した、ハッチを開口する場合の動作と逆の動作になる。
【0089】
ハッチを閉じ始める場合、
図18に示されるように、リンク41が支持台34-1-1に当接して、取付台32-1-1に対するリンク41の角度位置が規制され、また、リンク42の端面82とリンク41の端面81とが当接しているので、リンク41に対して、リンク42が反時計回りに回動するように、リンク機構40の伸展が開始される。すなわち、支持台34-1-1と、リンク41とリンク42とが一直線状に接続されている場合にリンク42の端面82とリンク41の端面81とが当接する構造により、ハッチを閉じ始める場合のリンク機構40の伸展の仕方が規制される。
【0090】
また、ハッチを閉じ終えようとして、
図12および
図13並びに
図6乃至
図9に示されるように、車輪12-1-1が溝15-1-1に落ち込もうとし、車輪13-1-1が溝16-1-1に落ち込もうとする場合、ハッチカバーパネル11-1が下がる力を駆動装置45が受け止めることができる。例えば、駆動装置45の力で、車輪12-1-1を溝15-1-1にゆっくりと落ち込ませて、車輪13-1-1を溝16-1-1にゆっくりと落ち込ませることができる。
【0091】
開閉装置31-1-2の動作は、Y軸およびZ軸に平行な面であって、開閉装置31-1-1と開閉装置31-1-2との間の面に対して、開閉装置31-1-1の動作と対称なので、その説明は省略する。また、開閉装置31-2-1の動作および開閉装置31-2-2の動作は、それぞれ、X軸およびZ軸に平行な面であって、ハッチカバーパネル11-1とハッチカバーパネル11-2とが閉じられた場合、ハッチカバーパネル11-1とハッチカバーパネル11-2とが当接する位置に沿った面に対して、開閉装置31-1-1の動作および開閉装置31-1-2の動作のそれぞれと対称なので、その説明は省略する。
【0092】
以上のように、駆動装置45が最も短い状態で、リンク機構40が最も長くなるように伸展している状態から、駆動装置45が伸び始めると、開閉装置31-1-1がハッチカバーパネル11-1をより大きな力で右側に引っ張り、車輪12-1-1がレール14-1-1の上面に到達し、車輪13-1-1がレール14-1-1の上面に到達し、より小さい力でハッチカバーパネル11-1を移動させることができる走行可能位置になるので、開くときにハッチカバーパネルを押し上げる油圧カム機構を不要することができる。
【0093】
ハッチが閉じている状態からハッチカバーパネル11-1を移動させ始めるとき、リンク41の長さが、リンク42より短く、また、リンク43より短く、駆動装置45が伸びる力とほとんど同じ大きさの力が、ハッチカバーパネル11-1に右向きの力となって伝達されるので、より小さな力でハッチカバーパネルを開閉することができる。
【0094】
また、チェーンとチェーンを駆動する油圧モータとハッチカバーパネルを押し上げる油圧カム機構とに比較して、より簡単な構造となり、チェーンをグリスアップするなどのメンテナンス作業が不要になり、メンテナンス作業をより少なくすることができる。
【0095】
ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85が当接して、リンク42およびリンク41の角度位置が規制された状態で、駆動装置45が伸びると、互いの角度位置が規制されているリンク42およびリンク41が、ヒンジピン46を軸に時計回りに回動することになり、駆動装置45が伸びる長さに比較して、ハッチカバーパネル11-1により長い距離を移動させることができる。
【0096】
緩衝装置71が、リンク42の他方の端部およびリンク41の一方の端部をつないで、外力によるリンク42に対するリンク41の角度位置の変化を抑制するので、ストッパ66の当接面86とストッパ65の当接面85との当接した状態が維持され、リンク41、リンク42およびリンク43の相互の角度位置を安定させることができる。従って、船舶のロール軸に中心した傾きによるハッチカバーパネル11-1の左右方向の移動を抑制することができる。
【0097】
ハッチカバーパネル11-1でハッチが閉じられている場合、スポンジラバー201、コンプレッションバー202、スポンジラバー203およびコンプレッションバー204によって、確実に風雨密状態にできるので、ハッチカバーパネルの周にハッチカバー締め付け装置を省略できる。
【0098】
溝15-1-1にガイドピース102を設けたので、車輪13-1-1が溝15-1-1を超えて、ハッチカバーパネル11-1を右側に移動させることができるようになり、車輪12-1-1および車輪13-1-1のそれぞれを転がすために2本のレールを設ける必要がない。
【0099】
次に、本発明の一実施の形態の開閉装置の構成の他の例を説明する。
図19は、開閉装置301の構成の例を示す正面図である。
図20は、開閉装置301の構成の例を示す平面図である。なお、
図20の平面図において、長さ調整装置331は省略する。
【0100】
図19および
図20を参照して、開閉装置301を、開閉装置31-1-1に対応するものとして説明する。開閉装置301は、リンク機構310および駆動装置317を含み構成されている。リンク機構310は、駆動装置317によって伸展または屈曲させられる。駆動装置317は、電動アクチュエータにより構成され、伸縮によりリンク機構310を駆動して、リンク機構310を伸展または屈曲させる。
【0101】
リンク機構310は、リンク311、リンク312、リンク313および長さ調整装置331を含み構成されている。リンク311、リンク312およびリンク313は、それぞれ、鋼材またはステンレススチールなどの角棒材、丸棒材、角パイプ材、丸パイプ材またはH鋼材などで、所定の剛性および強度を有する棒状に形成されている。例えば、リンク312およびリンク313は、一定の太さの部分と段付きのテーパー状の部分とで形成されている。リンク311の長さは、リンク312の長さより短く、また、リンク313の長さより短くされている。例えば、リンク311の長さは、60cmから1mまでのうちのいずれかとされている。
【0102】
リンク313の一方の端部には、長さ調整装置331が設けられている。長さ調整装置331は、ハッチカバーパネル11-1に軸支されている。リンク313の他方の端部とリンク312の一方の端部とは、ヒンジピン316により回動可能に軸支されている。リンク312の他方の端部とリンク311の一方の端部とは、ヒンジピン315により回動可能に軸支されている。リンク311の他方の端部は、取付台の上端にヒンジピン314により回動可能に軸支されている。リンク311の他方の端部は、船舶の船体の甲板上に軸支されていると言える。
【0103】
より詳細には、リンク313の他方の端部には、端面344として、リンク313の長さ方向に対して直交する平面が形成されている。リンク312の一方の端部には、端面343として、リンク312の長さ方向に対して直交する平面が形成されている。また、リンク312の他方の端部には、端面342として、リンク312の長さ方向に対して直交する平面が形成されている。さらに、リンク311の一方の端部には、端面341として、リンク41の長さ方向に対して直交する平面が形成されている。
【0104】
リンク機構310が伸展している状態において、リンク機構310の延伸方向に対して直交する端面344と端面343とが当接し、また、リンク機構310の延伸方向に対して直交する端面342と端面341とが当接するので、船舶がロール軸に中心に傾くなどして、リンク機構310に圧縮する方向の力が加わった場合、リンク313の端面344と、リンク312の端面343と、リンク312の端面342と、リンク311の端面341とで力を受けるので、より大きな力に耐えることができる。
【0105】
なお、リンク機構310が伸展している状態において、端面344と端面343とが当接し、また、端面342と端面341とが当接すれば良いので、端面344は、リンク313の長さ方向に対して交差する平面としてもよく、端面343および端面342は、リンク312の長さ方向に対して交差する平面としてもよく、端面341は、リンク311の長さ方向に対して交差する平面としてもよい。
【0106】
ヒンジピン316は、リンク機構310が伸展している状態において、端面344と端面343とから下方向にずれた位置でリンク313およびリンク312を回動可能に軸支する。ヒンジピン315は、リンク機構310が伸展している状態において、端面342と端面341とから下方向にずれた位置でリンク312およびリンク311を回動可能に軸支する。
【0107】
リンク313とリンク312とが直線状に伸びきった場合、リンク313とリンク312とのジョイントが、一方向にのみ曲がる。すなわち、リンク機構310の延伸方向に対して直交する端面344と端面343とが当接している場合、ヒンジピン316が、リンク機構310が伸展している状態において、端面344と端面343とから下方向にずれた位置でリンク313およびリンク312を回動可能に軸支するので、
図19中、リンク313は、リンク312に対して、反時計回りにのみ屈曲することができ、時計回りに屈曲することはできない。言い換えれば、リンク313とリンク312とが直線状に伸びきった場合、
図19中、リンク312に対して、リンク313の反時計回りへの屈曲は規制されず、リンク313の時計回りへの屈曲は規制される。
【0108】
リンク312とリンク311とが直線状に伸びきった場合、リンク312とリンク311とのジョイントが、一方向にのみ曲がる。すなわち、リンク機構310の延伸方向に対して直交する端面342と端面341とが当接している場合、ヒンジピン315が、端面342と端面341とから下方向にずれた位置でリンク312およびリンク311を回動可能に軸支するので、
図19中、リンク312は、リンク311に対して、反時計回りにのみ屈曲することができ、時計回りに屈曲することはできない。言い換えれば、リンク312とリンク311とが直線状に伸びきった場合、
図19中、リンク311に対して、リンク312の反時計回りへの屈曲は規制されず、リンク312の時計回りへの屈曲は規制される。
【0109】
言い換えれば、リンク313は、リンク312に対して、一直線状に接続されるか、または、一直線状に接続されている状態から、反時計回りに回動するように、屈曲できる。リンク313は、リンク312に対して、一直線状に接続されている状態から、時計回りに回動するように、屈曲することはできない。同様に、リンク312は、リンク311に対して、一直線状に接続されるか、または、一直線状に接続されている状態から、反時計回りに回動するように、屈曲できる。リンク312は、リンク311に対して、一直線状に接続されている状態から、時計回りに回動するように、屈曲することはできない。
【0110】
このように、リンク313とリンク312とが直線状に伸びきった場合、または、リンク312とリンク311とが直線状に伸びきった場合、リンク313、リンク312およびリンク311の屈曲の方向が規制されるので、リンク機構310が、より確実に伸展するか、または、ヒンジピン316およびヒンジピン315により所望の方向に屈曲するので、ハッチを閉じる場合、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの左側の端部まで移動させることができ、また、ハッチを開く場合、ハッチカバーパネル11-1を水平方向の移動範囲のうちの右側の端部まで移動させることができる。
【0111】
ストッパ323は、リンク機構310が伸展している状態において、リンク312の他方の端部側の側面のうちの、下側の側面に設けられている。ストッパ324は、リンク機構310が伸展している状態において、リンク311の一方の端部側の側面のうちの、下側の側面にストッパ323と対向するように設けられている。ストッパ323の右側には、リンク312およびリンク311が所定の角度位置になった場合に、ストッパ324に当接する当接面346が形成されている。ストッパ324の左側には、リンク312およびリンク311が所定の角度位置になった場合に、ストッパ323に当接する当接面345が形成されている。すなわち、リンク312およびリンク311が所定の角度位置になった場合に、ストッパ323の当接面346とストッパ324の当接面345が当接して、リンク312およびリンク311の角度位置が規制される。言い換えれば、リンク312が、リンク311に対して、一直線状に接続されている状態から、反時計回りに回動するように、屈曲した場合、ストッパ323の当接面346とストッパ324の当接面345が当接して、リンク311に対するリンク312の角度位置が規制される。例えば、リンク311とリンク312とが一直線状に接続されている状態において、リンク311に対するリンク312の角度位置を180度の角度とした場合、リンク311とリンク312との角度位置が140度となった場合、ストッパ323の当接面346とストッパ324の当接面345が当接する。すなわち、この場合、ストッパ323およびストッパ324によって、リンク311に対するリンク312の回動できる角度範囲は、40度とされる。
【0112】
駆動装置317の一方の端部は、図示せぬ取付台の上端にヒンジピンにより軸支されている。駆動装置317の他方の端部には、リンク318-1の一方の端部と、リンク319-1の一方の端部とがヒンジピン320-1により同軸に軸支されている。また、駆動装置317の他方の端部には、リンク318-2の一方の端部と、リンク319-2の一方の端部とがヒンジピン320-2により同軸に軸支されている。
【0113】
リンク318-1の他方の端部およびリンク318-2の他方の端部は、ヒンジピン321により、リンク機構310が伸展している状態において、リンク312の他方の端部側の下側に同軸に軸支されている。リンク319-1の他方の端部およびリンク319-2の他方の端部は、ヒンジピン322により、リンク機構310が伸展している状態において、リンク311の下側に同軸に軸支されている。
【0114】
すなわち、駆動装置317は、リンク312の他方の端部側の所定の位置であって、リンク機構310が伸展している状態においてリンク312の下側の所定の位置およびリンク311の所定の位置であって、リンク機構310が伸展している状態においてリンク311の下側の所定の位置と船舶の船体の甲板上の所定の位置との間に設けられている。駆動装置317は、駆動装置45と同様に、駆動装置317が伸縮してリンク機構310を駆動することにより、リンク機構310を伸展または屈曲させる。
【0115】
駆動装置317の他方の端部を、リンク318-1およびリンク318-2を介して、リンク機構310が伸展している状態において、リンク312の他方の端部側の下側に同軸に軸支し、また、リンク319-1およびリンク319-2を介して、リンク機構310が伸展している状態において、リンク311の下側に同軸に軸支するようにしたので、外力によるリンク312に対するリンク311の角度位置の変化を抑制することができる。
【0116】
なお、駆動装置45または駆動装置317は、電動アクチュエータであると説明したが、リンク機構40またはリンク機構310を伸縮して駆動し、伸展または屈曲させられれば足り、油圧アクチュエータまたは油圧シリンダなどでも良い。
【0117】
また、ヒンジピン46乃至ヒンジピン50、ヒンジピン74、ヒンジピン75およびヒンジピン314乃至ヒンジピン324は、回動可能に軸支できればよく、ベアリングなどの軸受けとすることができる。
【0118】
以上のように、開閉装置31-1-1は、船舶のハッチを覆うハッチカバーパネル11-1の対向する側面にそれぞれ設けられて、ハッチカバーパネル11-1を水平方向に移動させてハッチを開閉させる。リンク機構40は、リンク43、リンク42およびリンク41を含み、リンク43の一方の端部側がハッチカバーパネル11-1に軸支され、リンク43の他方の端部およびリンク42の一方の端部がヒンジピン48で軸支され、リンク42の他方の端部およびリンク41の一方の端部がヒンジピン47で軸支され、リンク41の他方の端部が船舶の船体の甲板上に軸支されていて、伸展または屈曲させられる。駆動装置45は、リンク42の他方の端部側の所定の位置であって、リンク機構40が伸展している状態においてリンク42の下側の所定の位置と船舶の船体の甲板上の所定の位置との間に設けられ、伸縮により駆動してリンク機構40を伸展または屈曲させる。リンク機構40において、リンク43の他方の端部の端面84とリンク42の一方の端部の端面83とが当接する場合、リンク43に対するリンク42の角度位置が規制され、リンク42の他方の端部の端面82とリンク41の一方の端部の端面81とが当接する場合、リンク42に対するリンク41の角度位置が規制される。ヒンジピン48が、端面84と端面83とが当接するか所定の角度を挟んで開くように、リンク機構40が伸展している状態において、リンク43およびリンク42を端面84および端面83の下側で軸支する。ヒンジピン47が、端面82と端面81とが当接するか所定の角度を挟んで開くように、リンク機構40が伸展している状態において、リンク42およびリンク41を端面82および端面81の下側で軸支する。リンク41の長さは、リンク43の長さよりも短い。リンク41の長さは、リンク42の長さよりも短い。
【0119】
ストッパ65およびストッパ66は、端面82および端面81にヒンジピン47を挟んで対向する位置で当接して、端面82と端面81とが開く場合のリンク42に対するリンク41の角度位置を規制する。
【0120】
緩衝装置71は、リンク42の他方の端部およびリンク41の一方の端部をつないで、外力によるリンク42に対するリンク41の角度位置の変化を抑制する。
【0121】
支持台34-1-1は、駆動装置45が所定の長さより長くなった場合、リンク41に当接して、端面82と端面81とを当接させるように、船舶の船体の甲板に対するリンク41の角度位置を規制する。
【0122】
リンク318-1およびリンク318-2の一方の端部は、駆動装置317の端部のうち、リンク321側の端部に軸支され、リンク318-1およびリンク318-2の他方の端部は、リンク321の他方の端部側に軸支されている。リンク319-1およびリンク319-2の一方の端部は、リンク318-1およびリンク318-2の一方の端部と駆動装置317の端部に同軸に軸支され、リンク319-1およびリンク319-2の他方の端部は、リンク311の一方の端部側に軸支されている。
【0123】
駆動装置45は、電動アクチュエータであり、インバータ35-1-1は、駆動装置45の伸縮による駆動を交流で制御する。
【0124】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0125】
11-1および11-2 ハッチカバーパネル, 12-1-1,12-1-2,12-2-1,12-2-2,13-1-1,13-1-2,13-2-1および13-2-2 車輪, 14-1-1,14-1-2,14-2-1および14-2-2 レール, 15-1-1,15-1-2,15-2-1,15-2-2,16-1-1,16-1-2,16-2-1および16-2-2 溝, 17 ハッチコーミング, 31-1-1,31-1-2,31-2-1および31-2-2 開閉装置, 32-1-1 取付台, 33-1-1 取付台, 34-1-1 支持台, 35-1-1 インバータ, 40 リンク機構, 41,42および43 リンク, 44 長さ調整装置, 45 駆動装置, 46,47,48,49および50 ヒンジピン, 61,62,63および64 ブラケット, 65および66 ストッパ, 71 緩衝装置, 72および73 ブラケット, 74および75 ヒンジピン, 81,82,83および84 端面, 85および86 当接面, 91 軸受け部, 92 軸受け, 93 ボルト, 94および95 ステー, 96 ナット, 97 ダブルナット, 101および121 傾斜部, 102 ガイドピース, 103,122-1および122-2 フランジ, 201および203 スポンジラバー, 202および204 コンプレッションバー, 301 開閉装置, 310 リンク機構, 311,312,313,318-1,318-2,319-1および319-2 リンク, 317 駆動装置, 314,315,316,320-1,320-2,321および324 ヒンジピン, 323および324 ストッパ, 331 長さ調整装置, 341,342,343および344 端面, 345および346 当接面
【要約】
【課題】開くときにハッチカバーパネルを押し上げる油圧カム機構を不要として、より小さな力でハッチカバーパネルを移動可能として、より簡単な構造で、メンテナンス作業をより少なくする。
【解決手段】開閉装置は、第1のリンク、第2のリンクおよび第3のリンクを含み、伸展または屈曲させられるリンク機構と、第2のリンクの他方の端部側の所定の位置であって、リンク機構が伸展している状態において第2のリンクの下側の所定の位置と船舶の船体の甲板上の所定の位置との間に設けられ、伸縮により駆動してリンク機構を伸展または屈曲させる伸縮駆動手段とを含む。
【選択図】
図3