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特許7066256コンピュータシステム、予測収益提案方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、予測収益提案方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20220506BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020557443
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(86)【国際出願番号】 JP2018043665
(87)【国際公開番号】W WO2020110210
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108121536(CN,A)
【文献】国際公開第2013/128557(WO,A1)
【文献】特開2003-030278(JP,A)
【文献】特開平11-353364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高収益の農畜産物を提案するコンピュータシステムであって、
通信部と記録部と処理部を備えるコンピュータを含み、
前記コンピュータシステムは、
前記処理部と協働し、データベースを参照して取得したデータに基づいて、複数の前記農畜産物の其々の売上を予測する売上予測手段と、
前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の生産に掛かるコストを算出する生産コスト算出手段と、
前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の販売に掛かるコストを算出する販売コスト算出手段と、
前記売上、前記生産に掛かるコスト及び前記販売に掛かるコストに基づいて、前記複数の農畜産物の其々の収益を予測し、前記複数の農畜産物の其々の名称、生産場所、予測した前記売上、算出した前記生産コスト、算出した前記販売コストおよび予測した前記収益を、予測収益データとして、予測収益データテーブルに格納する収益予測手段と、
前記予測収益データテーブルを参照し、前記其々の収益を高い順に並べて提案する収益提案手段と、
を備え、
前記収益提案手段が、前記売上、前記生産に掛かるコスト、前記販売に掛かるコストの各項目の内、前記農畜産物毎に特定の項目のみを前記収益と共に提案し、当該特定の項目は選択される、
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
前記売上予測手段は、前記農畜産物の販売動向、消費者の人口分布の少なくとも一つに基づいて、当該農畜産物の売上を予測する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記生産コスト算出手段は、前記農畜産物の予測収量、育成条件、環境情報の少なくとも一つを考慮して、前記生産に掛かるコストを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記販売コスト算出手段は、前記農畜産物の運搬及び貯蔵に掛かるコストを考慮して、前記販売に掛かるコストを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記収益提案手段は、前記売上、前記生産に掛かるコスト、前記販売に掛かるコストの少なくとも一つを提案する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記農畜産物の育成条件、環境情報の少なくとも一つを考慮して、当該農畜産物に適した育成方法を提案する育成方法提案手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記農畜産物の生産場所、販売場所の少なくとも一つを提案する場所提案手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
高収益の農畜産物を提案するコンピュータシステムが実行する予測収益提案方法であって、前記コンピュータシステムは、通信部と記録部と処理部を備えるコンピュータを含み、
前記方法は、
前記処理部と協働し、データベースを参照して取得したデータに基づいて、複数の前記農畜産物の其々の売上を予測するステップと、
前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の生産に掛かるコストを算出するステップと、
前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の販売に掛かるコストを算出するステップと、
前記売上、前記生産に掛かるコスト及び前記販売に掛かるコストに基づいて、前記複数の農畜産物の其々の収益を予測し、前記複数の農畜産物の其々の名称、生産場所、予測した前記売上、算出した前記生産コスト、算出した前記販売コストおよび予測した前記収益を、予測収益データとして、予測収益データテーブルに格納するステップと、
前記予測収益データテーブルを参照し、前記其々の収益を高い順に並べて提案するステップと、
前記売上、前記生産に掛かるコスト、前記販売に掛かるコストの各項目の内、前記農畜産物毎に特定の項目のみを前記収益と共に提案し、当該特定の項目は選択されるステップと、
を備えることを特徴とする予測収益提案方法。
【請求項9】
高収益の農畜産物を提案するコンピュータシステムであって、通信部と記録部と処理部を備えるコンピュータを含むコンピュータシステムに、
前記処理部と協働し、データベースを参照して取得したデータに基づいて、複数の前記農畜産物の其々の売上を予測するステップ、
前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の生産に掛かるコストを算出するステップ、
前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の販売に掛かるコストを算出するステップ、
前記売上、前記生産に掛かるコスト及び前記販売に掛かるコストに基づいて、前記複数の農畜産物の其々の収益を予測し、前記複数の農畜産物の其々の名称、生産場所、予測した前記売上、算出した前記生産コスト、算出した前記販売コストおよび予測した前記収益を、予測収益データとして、予測収益データテーブルに格納するステップ、
前記予測収益データテーブルを参照し、前記其々の収益を高い順に並べて提案するステップ、
前記売上、前記生産に掛かるコスト、前記販売に掛かるコストの各項目の内、前記農畜産物毎に特定の項目のみを前記収益と共に提案し、当該特定の項目は選択されるステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農畜産物を提案するコンピュータシステム、予測収益提案方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農畜産業において、就労者の減少及び高齢化が問題になっている。このような問題は、新規の就労者が育成方法の研修、農地の確保、資金繰り、農畜産物の収益化等の課題に対して十分な解決策を有していないことから、就労者の減少の原因となっている。
【0003】
このような課題を解決するための方法として、就農希望者に対して、栽培場所に関する情報(栽培可能な農作物の種類、量及び収益額)と、育成する農作物に関連する指示とを就農希望者に対して提示し、就農を支援する構成が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-124919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、特定の栽培場所において、栽培可能な農作物及びこの農作物から得られる収益を提示するものであるため、特定の場所に限らず、高収益が見込める農作物を、就労者が認識することが困難であった。加えて、農作物のみを対象とするものであるため、畜産物について考慮されておらず、高収益が見込める畜産物を、就労者が認識することが困難であった。
【0006】
本発明は、高収益の農畜産物を把握することが容易なコンピュータシステム、予測収益提案方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
本発明は、高収益の農畜産物を提案するコンピュータシステムであって、
通信部と記録部と処理部を備えるコンピュータを含み、
前記コンピュータシステムは、
前記処理部と協働し、データベースを参照して取得したデータに基づいて、複数の前記農畜産物の其々の売上を予測する売上予測手段と、
前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の生産に掛かるコストを算出する生産コスト算出手段と、
前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の販売に掛かるコストを算出する販売コスト算出手段と、
前記売上、前記生産に掛かるコスト及び前記販売に掛かるコストに基づいて、前記複数の農畜産物の其々の収益を予測し、前記複数の農畜産物の其々の名称、生産場所、予測した前記売上、算出した前記生産コスト、算出した前記販売コストおよび予測した前記収益を、予測収益データとして、予測収益データテーブルに格納する収益予測手段と、
前記予測収益データテーブルを参照し、前記其々の収益を高い順に並べて提案する収益提案手段と、
を備え、
前記収益提案手段が、前記売上、前記生産に掛かるコスト、前記販売に掛かるコストの各項目の内、前記農畜産物毎に特定の項目のみを前記収益と共に提案し、当該特定の項目は選択される、
ことを特徴とするコンピュータシステムを提供する。
【0009】
本発明によれば、高収益の農畜産物を提案するコンピュータシステムは、通信部と記録部と処理部を備えるコンピュータを含み、前記処理部と協働し、データベースを参照して取得したデータに基づいて、複数の前記農畜産物の其々の売上を予測し、前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の生産に掛かるコストを算出し、前記処理部と協働し、前記複数の農畜産物の其々の販売に掛かるコストを算出し、前記売上、前記生産に掛かるコスト及び前記販売に掛かるコストに基づいて、前記複数の農畜産物の其々の収益を予測し、前記複数の農畜産物の其々の名称、生産場所、予測した前記売上、算出した前記生産コスト、算出した前記販売コストおよび予測した前記収益を、予測収益データとして、予測収益データテーブルに格納し、前記予測収益データテーブルを参照し、前記其々の収益を高い順に並べて提案し、前記売上、前記生産に掛かるコスト、前記販売に掛かるコストの各項目の内、前記農畜産物毎に特定の項目のみを前記収益と共に提案し、当該特定の項目は選択される。
【0010】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラム等の他のカテゴリにおいても、そのカテゴリに応じた同様の作用・効果を発揮する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高収益の農畜産物を把握することが容易なコンピュータシステム、予測収益提案方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、予測収益提案システム1の概要を示す図である。
図2図2は、予測収益提案システム1の全体構成図である。
図3図3は、コンピュータ10が実行する収益予測処理を示すフローチャートである。
図4図4は、コンピュータ10が実行する収益提案処理を示すフローチャートである。
図5図5は、コンピュータ10が記録する予測収益データテーブルを模式的に示した図の一例である。
図6図6は、コンピュータ10が就労者端末に表示させた画面を模式的に示した図の一例である。
図7図7は、コンピュータ10が就労者端末に表示させた画面を模式的に示した図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0014】
[予測収益提案システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の好適な実施形態である予測収益提案システム1の概要を説明するための図である。予測収益提案システム1は、コンピュータ10から構成され、高収益の農畜産物を提案するコンピュータシステムである。
【0015】
農畜産物とは、穀物、野菜、果物、花等の農作物と、牛、豚、鶏等の畜産物とである。また、これらの農作物や畜産物そのものだけでなく、加工品等が含まれてもよい。
【0016】
なお、予測収益提案システム1は、農畜産業の就労者が所持する就労者端末、その他のコンピュータ等の他の端末や装置類が含まれていてもよい。また、予測収益提案システム1は、例えば、コンピュータ10等の一台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0017】
コンピュータ10は、就労者端末等と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータの送受信を実行する。
【0018】
コンピュータ10は、農畜産物の売上を予測する。このとき、コンピュータ10は、農畜産物の販売動向、消費者の人口分布の少なくとも一つに基づいて、売上を予測する構成であってもよい。コンピュータ10は、予め記録した又は各種データベース等を参照した各農作物の過去の販売動向(販売額の増減の推移、販売額の推移、育成面積の推移、就労者数の推移等)や、生産場所周辺や販売場所周辺における人口分布に基づいて、この農畜産物の売上を予測する。
【0019】
コンピュータ10は、農畜産物の生産に掛かるコストを算出する。このとき、コンピュータ10は、農畜産物の予測収量、育成条件(気候、土壌、水等)、環境情報(日照、雨量、気温、害虫、病気等)の少なくとも一つを考慮して、この農畜産物の生産に掛かるコストを算出する。コンピュータ10は、例えば、単位量当りの種苗費や飼料費、設備費、単位量当りの労働時間に基づいた労働費の総計を、生産に掛かるコストとして算出する。コンピュータ10は、例えば、予測収量に基づいて、労働費や設備費に必要なコストを加算あるいは減算して、生産に掛かるコストを算出する。また、コンピュータ10は、気候が適切でない農畜産物に対して、気候を調整する設備(ビニルハウス栽培等で必要な温室等)に必要なコストを加算あるいは減算して、生産に掛かるコストを算出する。コンピュータ10は、例えば、病害虫が発生する時期では、病害虫に必要な労働力や薬剤に必要なコストを加算して算出する。コンピュータ10は、上述した例を組み合わせて生産に掛かるコストを算出してもよい。
【0020】
コンピュータ10は、農畜産物の販売に掛かるコストを算出する。このとき、コンピュータ10は、農畜産物の運搬及び貯蔵に掛かるコストを考慮して、販売に掛かるコストを算出する。コンピュータ10は、例えば、生産場所から販売場所の物流に必要な輸送費と、生産場所で貯蔵している間の貯蔵費と、販売場所で販売時までに貯蔵している間の貯蔵費とを、主な販売に掛かるコストとして、農畜産物の販売に掛かるコストを算出する。その他にも、コンピュータ10は、農畜産物の販売に掛かるコストとして、営業費、販売場所の確保に掛かる費用等の別の費用を加味してもよい。
【0021】
コンピュータ10は、予測した売上、生産に掛かるコスト及び販売に掛かるコストに基づいて、農畜産物の収益を予測する。コンピュータ10は、予測した売上から、生産に掛かるコスト及び販売に掛かるコストを減算したものを、収益として算出し、算出した結果を、農畜産物の収益として予測する。本例では、説明の簡略化のために、このような計算方式を採用しているが、この計算方式に限らず、所定の係数を用いることや、減価償却費等を考慮することや、専従者控除を考慮すること等を加味したうえで、農畜産物の収益を予測してもよい。
【0022】
コンピュータ10は、予測した収益を就労者に提案する。このとき、コンピュータ10は、収益に加えて、予測した売上、算出した生産に掛かるコスト、算出した販売に掛かるコストの少なくとも一つを併せて提案してもよい。
【0023】
コンピュータ10は、就労者に対して、農畜産物の育成条件、環境情報の少なくとも一つを考慮して、この農畜産物に適した育成方法を提案してもよい。また、コンピュータ10は、就労者に対して、生産場所、販売場所の少なくとも一つを提案してもよい。
【0024】
予測収益提案システム1が実行する処理の概要について説明する。
【0025】
コンピュータ10は、農畜産物の売上を予測する(ステップS01)。コンピュータ10は、各地域(北海道、東北、関東、中部、近畿、四国、九州沖縄、各都道府県、各市町村等)における農畜産物の売上を予測する。コンピュータ10は、例えば、各地域における農畜産物毎の売上を予測する。このとき、コンピュータ10は、上述したような農作物の過去の販売動向、各地域、生産場所周辺及び/又は販売場所周辺における消費者の人口分布の少なくとも一つを考慮して、この農畜産物の売上を予測する。
【0026】
コンピュータ10は、農畜産物の生産に掛かるコストを算出する(ステップS02)。コンピュータ10は、上述したような農畜産物の予測収量、育成条件、環境情報の少なくとも一つを考慮して、農畜産物の生産に掛かるコストを算出する。
【0027】
コンピュータ10は、農畜産物の販売に掛かるコストを算出する(ステップS03)。コンピュータ10は、上述したような農畜産物の輸送費及び貯蔵費に基づいて、販売に掛かるコストを算出する。
【0028】
コンピュータ10は、予測した売上と、算出した生産及び販売に掛かるコストに基づいて、農畜産物の収益を予測する(ステップS04)。コンピュータ10は、上述したような売上から生産及び販売に掛かるコストを減算したものを、農畜産物の収益として算出する。コンピュータ10は、この算出結果を、農畜産物の収益として予測することになる。
【0029】
コンピュータ10は、予測した収益を就労者に提案する(ステップS05)。コンピュータ10は、就労者が指定した農畜産物の名称に基づいて、この農畜産物における予測した収益を就労者に提案する。また、コンピュータ10は、就労者が指定した地域に基づいて、この地域における高収益の農畜産物の名称及びこの農畜産物における予測した収益を就労者に提案する。また、コンピュータ10は、就労者の現在地に基づいて、この現在地周辺における地域における高収益の農畜産物の名称及びこの農畜産物における予測した収益を就労者に提案する。また、コンピュータ10は、就労者が指定した売上、生産コスト及び/又は販売コストを満たす農畜産物の名称及びこの農畜産物における予測した収益を提案する。また、コンピュータ10は、これらの例以外の場合においても、同様に、就労者に予測した収益を提案する。このとき、コンピュータ10は、収益に加えて、予測した売上、算出した生産に掛かるコスト、算出した販売に掛かるコストの少なくとも一つを併せて提案してもよい。
【0030】
なお、コンピュータ10は、収益だけでなく、農畜産物の育成条件、環境情報の少なくとも一つを考慮して、農畜産物に適した育成方法を提案してもよい。また、コンピュータ10は、この農畜産物の生産場所、販売場所の少なくとも一つを提案してもよい。
【0031】
以上が、予測収益提案システム1の概要である。
【0032】
[予測収益提案システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である予測収益提案システム1のシステム構成について説明する。図2は、本発明の好適な実施形態である予測収益提案システム1のシステム構成を示す図である。図2において、予測収益提案システム1は、コンピュータ10から構成され、高収益の農畜産物を提案するコンピュータシステムである。
【0033】
なお、予測収益提案システム1は、上述した就労者端末や他のコンピュータ等の他の端末や装置類が含まれていてもよい。また、予測収益提案システム1は、例えば、コンピュータ10等の1台のコンピュータ又はクラウドコンピュータのように複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0034】
コンピュータ10は、図示していない上述した就労者端末等と、公衆回線網等を介してデータ通信可能に接続されており、必要なデータの送受信を実行する。
【0035】
コンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、コンピュータ10は、記録部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
【0036】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、提案要求取得モジュール20、収益提案モジュール21、育成方法提案モジュール22、場所提案モジュール23を実現する。また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記録部と協働して、記録モジュール30を実現する。また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、売上予測モジュール40、生産コスト算出モジュール41、販売コスト算出モジュール42、収益予測モジュール43、提案内容作成モジュール44を実現する。
【0037】
[収益予測処理]
図3に基づいて、予測収益提案システム1が実行する収益予測処理について説明する。図3は、コンピュータ10が実行する収益予測処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0038】
売上予測モジュール40は、農畜産物の売上を予測する(ステップS10)。ステップS10において、売上予測モジュール40は、各地域等の所定の範囲における農畜産物の売上を予測する。売上予測モジュール40は、例えば、各地域における一の農畜産物における売上を予測する。農畜産物が葡萄である場合、この葡萄の所定の範囲における売上を予測する。売上予測モジュール40は、様々な農畜産物において、所定の範囲における売上を予測することになる。
【0039】
このとき、売上予測モジュール40は、農畜産物の販売動向及び/又は消費者の人口分布を考慮して売上を予測する。例えば、売上予測モジュール40は、販売動向として、所定の範囲における葡萄の販売額の増減の推移、販売額そのものの推移、販売量の推移、育成面積の推移、就労者の推移等を、記録モジュール30に予め記録したデータベースや他のコンピュータ等が記録するデータベース等を参照することにより取得する。また、売上予測モジュール40は、消費者の人口分布として、所定の範囲、農畜産物の生産場所周辺及び/又は農畜産物の販売場所周辺における消費者の人口分分布を、記録モジュール30に予め記録したデータベースや他のコンピュータ等が記録するデータベースを参照することにより取得する。売上予測モジュール40は、この販売動向、消費者の人口分布の少なくとも一つに基づいて、農畜産物の売上を予測する。
【0040】
売上予測モジュール40が売上を予測する一例について説明する。売上予測モジュール40は、販売動向として、販売額そのものの推移と、販売量の推移とに基づいて、これから販売する農畜産物の販売額及び販売量を予測する。売上予測モジュール40は、予測した販売額と販売量とを乗算することにより、農畜産物の売上を予測する。また、売上予測モジュール40は、人口分布として、販売場所周辺におけるこの農畜産物を購入する消費者の割合や総数と、平均的な販売額とに基づいて、農畜産物の売上を予測する。売上予測モジュール40は、購入する消費者の割合や総数と販売額とを乗算することにより、農畜産物の売上を予測する。
【0041】
なお、売上予測モジュール40は、販売動向及び人口分布に基づいて、農畜産物の売上を予測する構成であってもよい。この場合、例えば、売上予測モジュール40は、販売額そのもの推移と、販売量の推移と、販売場所周辺における人口分布とに基づいて、農畜産物の売上を予測する。売上予測モジュール40は、販売額の推移に基づいて、この農畜産物の販売額を予測する。売上予測モジュール40は、販売場所における人口分布に基づいて、この農畜産物を購入する消費者の割合や総数に基づいて、販売量を予測する。売上予測モジュール40は、この予測した販売額に、予測した販売量を乗算することにより、この農畜産物の売上を予測する。
【0042】
また、上述した売上予測モジュール40が売上を予測する計算方法は、あくまでも例に過ぎず、上述した例に限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0043】
生産コスト算出モジュール41は、農畜産物の生産に掛かるコスト(生産コスト)を算出する(ステップS11)。ステップS11において、生産コスト算出モジュール41は、農畜産物の予測収量、育成条件(気候、土壌、水等)、環境情報(日照、雨量、気温、害虫、病気等)の少なくとも一つを考慮して、農畜産物の生産コストを算出する。生産コスト算出モジュール41は、例えば、単位量当りの種苗費や飼料費、設備費、単位量当りの労働時間に基づいた労働費等の総計を、生産コストとして算出する。このとき、生産コスト算出モジュール41は、予測収量、育成条件、環境情報の少なくとも一つを、この生産コストに加味し、最終的な生産コストを算出する。
【0044】
生産コスト算出モジュール41が生産コストを算出する一例について説明する。生産コスト算出モジュール41は、予測収益が通常よりも多い場合、最終的な出荷量の調整に掛かる費用を、生産コストに加算して、最終的な生産コストを算出する。また、生産コスト算出モジュール41は、気候が適切でない状況が予測される場合、育成状況を調整する設備(温室等)に掛かる費用を、生産コストに加味して、最終的な生産コストを算出する。また、生産コスト算出モジュール41は、病害虫の発生が予測される場合、病害虫駆除に必要な労働力や薬剤に掛かる費用を、生産コストに加味して、最終的な生産コストを算出する。
【0045】
なお、生産コスト算出モジュール41は、上述した予測収量、育成条件、環境情報の複数を組み合わせたものを考慮して、農畜産物の生産に掛かるコストを算出してもよい。例えば、上述した例において、生産コスト算出モジュール41は、育成状況を調整する設備に掛かる費用と、病害虫駆除に掛かる費用とを、生産コストに加味して、最終的な生産コストを算出する。
【0046】
また、生産コスト算出モジュール41は、他の生産に掛かるコストをさらに加味したうえで、最終的な生産コストを算出してもよい。また、生産コスト算出モジュール41は、他の条件を加味して、最終的な生産コストを算出してもよい。
【0047】
販売コスト算出モジュール42は、農畜産物の販売に掛かるコスト(販売コスト)を算出する(ステップS12)。ステップS12において、販売コスト算出モジュール42は、農畜産物の運搬及び貯蔵に掛かるコストを考慮して、最終的な販売コストとして算出する。運搬に掛かるコストとしては、例えば、農畜産物の生産場所から販売場所に運搬するために必要な輸送費が挙げられる。貯蔵に掛かるコストとしては、例えば、農畜産物の生産場所における貯蔵に必要な貯蔵費、農畜産物の販売場所における貯蔵に必要な貯蔵費が挙げられる。販売コスト算出モジュール42は、運搬及び貯蔵に掛かるコストを、実質的な販売コストとして、最終的な販売コストを算出する。
【0048】
なお、販売コスト算出モジュール42は、上述したものに加えて、営業費、販売場所の確保に掛かる費用等の別の費用をさらに考慮したうえで、最終的な販売コストを算出してもよい。
【0049】
収益予測モジュール43は、予測した売上、算出した生産コスト及び販売コストに基づいて、農畜産物の収益を予測する(ステップS13)。ステップS13において、収益予測モジュール43は、予測した売上から、算出した生産コスト及び販売コストを減算したものを収益として算出する。すなわち、収益予測モジュール43は、この算出結果を、収益として予測する。
【0050】
なお、収益予測モジュール43は、上述した計算方式に限らず、予測した売上、算出した生産コスト及び販売コストに所定の係数を用いる計算方式、減価償却費や専従者控除等の他の費用や控除を考慮する計算方式等の他の計算方式に基づいて、収益を予測してもよい。収益予測モジュール43が収益を予測する計算方式は、適宜変更可能である。
【0051】
記録モジュール30は、農畜産物の名称、農畜産物の生産場所、予測した売上、算出した生産コスト、算出した販売コスト、予測した収益を対応付けて予測収益データとして記録する(ステップS14)。ステップS14において、記録モジュール30は、農畜産物の名称として、種類名、品種名、商品名、加工品名等を記録し、生産場所として、上述した所定の範囲を記録し、売上として、上述した予測したものを記録し、生産コストとして、上述した算出したものを記録し、販売コストとして、上述した算出したものを記録し、収益として、上述した予測したものを記録する。
【0052】
また、記録モジュール30は、この予測収益データに、さらに、該当する所定の範囲における一般的な育成方法及び販売場所を併せて記録する。
【0053】
なお、記録モジュール30は、上述した予測収益データに上述した例以外のものを併せて記録してもよい。また、記録モジュール30は、上述した予測収益データに、必ずしも上述した例を全て記録する必要性はなく、適宜変更可能である。
【0054】
[予測収益データテーブル]
図5に基づいて、記録モジュール30が記録する予測収益データについて説明する。図5は、記録モジュール30が予測収益データを、テーブル形式で記録した一例を模式的に示す図である。図5において、記録モジュール30は、予測収益データとして、管理番号、農畜産物名、生産場所、育成方法、売上、生産コスト、販売コスト、収益、販売場所を関連付けてテーブル形式で記録する。このとき、記録モジュール30は、収益性が高いものから順番に管理番号を付与している。記録モジュール30は、この予測収益テーブルにおいて、例えば、管理番号0001には、農畜産物名が鶏、生産場所が宮崎県、育成方法が平飼い、売上が8000万円、生産コストが4000万円、販売コストが1000万円、収益が3000万円、販売場所が福岡県を登録する。他の農畜産物についても同様である。仮に、記録モジュール30が、新たに予測収益データを記録した際、既に記録している予測収益データにおける予測収益と、今回新たに記録する予測収益データにおける予測収益とを比較して、収益の高いもの順の位置を維持した場所に、新たに記録する予測収益データを追加する。このとき、記録モジュール30は、管理番号を追加された予測収益データに基づいて、変更する。
【0055】
なお、予測収益データテーブルは、順番を変更することなく、新たに記録された予測収益データを、最下位の位置に追加する構成であってもよい。
【0056】
以上が、収益予測処理である。
【0057】
[収益提案処理]
図4に基づいて、予測収益提案システム1が実行する収益提案処理について説明する。図4は、コンピュータ10が実行する収益提案処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0058】
提案要求取得モジュール20は、就労者から予測収益データの提案要求を取得する(ステップS20)。ステップS20において、提案要求取得モジュール20は、就労者端末等から、収益データの提案要求を取得する。この提案要求には、就労者が指定する収益データの条件が含まれる。この条件としては、例えば、自身の位置情報に基づいた自身の周辺地域における農畜産物の予測収益データ、所定個数の予測収益データ、所定の農畜産物の予測収益データ、就労者端末に表示した地図上において指定された地域や場所に基づいた予測収益データ、就労者が指定した売上、生産コスト及び/又は販売コストを満たす農畜産物の予測収益データが挙げられる。
【0059】
提案内容作成モジュール44は、取得した予測収益データの提案要求に基づいて、この就労者に対する予測収益データの提案内容を作成する(ステップS21)。ステップS21において、提案内容作成モジュール44は、上述した提案要求に含まれる条件に基づいて、提案内容を作成する。上述した例では、提案内容作成モジュール44は、この就労者の位置情報に基づいた周辺地域における予測収益データを、予測収益データテーブルから収益の高い順番に、所定の個数抽出し、提案内容として作成する。また、提案内容作成モジュール44は、予測収益データテーブルから、地域を問わずに、収益の高い順番に、所定の個数抽出し、提案内容として作成する。また、提案内容作成モジュール44は、予測収益データテーブルから、就労者が指定した農畜産物に該当する予測収益データを、収益の高い順番に、所定の個数抽出し、提案内容として作成する。また、提案内容作成モジュール44は、この就労者が指定した地域や場所における予測収益データを、予測収益データテーブルから収益の高い順番に、所定の個数抽出し、提案内容として作成する。また、提案内容作成モジュール44は、予測収益データテーブルから、就労者が指定した売上、生産コスト及び/又は販売コストに一致又は近似する予測収益データを、収益の高い順番に、所定の個数抽出し、提案内容として作成する。
【0060】
加えて、提案内容作成モジュール44は、予測収益データにおける育成方法に対して、育成条件、環境情報の少なくとも一つを考慮して、農畜産物に適した育成方法を、提案内容として作成する。例えば、提案内容作成モジュール44は、予測収益データにおける育成方法が露地栽培である場合、この地域における気候が温暖である場合、出荷時期を早めることによる収益性の向上を図るためのハウス栽培等の促成栽培を、提案内容として作成する。また、提案内容作成モジュール44は、予測収益データにおける育成方法が、露地栽培である場合、この地域における雨量が平均的な地域よりも多い場合、雨対策としてのビニールハウス栽培を、提案内容として作成する。
【0061】
また、提案内容作成モジュール44は、予測収益データにおける生産場所、販売場所の少なくとも一つを、提案内容として作成する。
【0062】
その結果、提案内容作成モジュール44は、予測収益に加えて、予測売上、生産コスト、販売コスト、育成方法、生産場所及び販売場所を提案内容として作成することになる。
【0063】
なお、提案内容作成モジュール44は、育成方法に対して、育成条件及び環境情報を考慮して、農畜産物に適した育成方法を、提案内容として作成してもよい。また、提案内容作成モジュール44は、販売場所に対して、生産場所及び販売場所を提案内容として作成してもよい。
【0064】
また、提案内容作成モジュール44は、提案内容として、予測収益に加えて、予測売上、生産コスト、販売コスト、育成方法、生産場所、販売場所のうち、少なくとも一つを提案内容として作成する構成であってもよい。また、提案内容作成モジュール44は、提案内容として、予測収益に加えて、測売上、生産コスト、販売コストのうち、少なくとも一つを提案内容として作成する構成であってもよい。また、提案内容作成モジュール44は、提案内容として、予測収益に加えて、育成方法及び/又は生産場所や販売場所を提案内容として作成する構成であってもよい。また、提案内容作成モジュール44は、提案内容として、予測収益に加えて、予測売上、生産コスト、販売コストのうち、少なくとも一つ、さらに、育成方法及び/又は生産場所や販売場所を提案内容として作成する構成であってもよい。
【0065】
収益提案モジュール21は、就労者に収益を提案する(ステップS22)。ステップS22において、収益提案モジュール21は、作成した提案内容を、就労者端末に送信し、この就労者端末に提案内容を表示させることにより、収益を提案する。このとき、収益提案モジュール21は、作成した提案内容に含まれる予測売上、生産コスト、販売コスト、育成方法、生産場所及び販売場所の何れか又は複数の組み合わせを併せて提案する。
【0066】
なお、農畜産物に適した育成方法は、育成方法提案モジュール22により提案されてもよい。また、農畜産物の生産場所、販売場所は、場所提案モジュール23により提案されてもよい。この場合、後述する例において、育成方法提案モジュール22が育成方法を提案し、場所提案モジュール23が生産場所、販売場所を提案する構成となればよい。
【0067】
図6及び図7に基づいて、収益提案モジュール21が提案する収益について説明する。図6は、収益提案モジュール21が就労者端末に表示させた画面の一例を模式的に示す図である。図7は、収益提案モジュール21が就労者端末に表示させた別の画面の一例を模式的に示す図である。
【0068】
図6において、収益提案モジュール21は、就労者端末に、収益提案画面100を表示させる。この収益提案画面100は、上述した提案内容作成モジュール44が、予測収益データテーブルから、地域を問わずに、収益の高い順番に、所定の個数抽出し、作成した提案内容に基づくものである。このとき、収益提案モジュール21は、就労者端末に、収益提案画面100として、管理番号、農畜産物の名称、予測収益、予測売上、生産コスト、販売コスト、育成方法、生産場所、販売場所を表示させる。この表示させる項目については、上述した提案内容作成モジュール44が作成する提案内容に基づいたものである。収益提案モジュール21は、各農畜産物を、収益が高い順番に表示させる。本例では、収益提案モジュール21は、鶏、牛乳、葡萄、・・・、の順番に収益性が高いことを、管理番号の順番に基づいて表示させている。収益提案モジュール21は、各農畜産物において、上述した各項目を表示させる。
【0069】
なお、収益提案モジュール21は、収益性が最も高いものをハイライトや強調表示させることや、収益性が高い順に、視覚的な変化を表示させる構成であってもよい。また、図6のようなテーブル表示に限らず、グラフ等のその他の表示態様を表示させる構成であってもよい。
【0070】
また、各農畜産物において、特定の項目のみを表示させる構成であってもよい。例えば、鶏において、予測収益、育成方法、生産場所を表示させ、牛乳において、予測収益、予測売上、生産コスト、販売コストを表示させ、葡萄において、予測収益のみを表示させるといったものである。このような特定の項目のみを表示させる構成である場合、上述した提案内容作成モジュール44が提案内容として特定の項目のみを表示させる提案内容を作成していればよい。この場合、提案内容作成モジュール44は、少なくとも、各農畜産物の予測収益を提案内容として作成すればよく、その他の項目に関しては、適宜変更可能である。
【0071】
図7において、提案要求取得モジュール20は、就労者端末に、地図200を表示させる。就労者は、この地図200に対して自身が所望する地域を指定する。図7では、就労者が地図200において指定した地域をアイコン210で示している。提案要求取得モジュール20は、就労者が指定した地域を含んだ拡大地図220を、就労者端末に表示させる。就労者は、この拡大地図220に対してさらに、自身が所望する地域を指定する。図7では、就労者が拡大地図220に指定した地域をアイコン230で示している。提案要求取得モジュール20は、このアイコン230で指定された地域に対する予測収益データの提案要求を取得することになる。
【0072】
提案内容作成モジュール44は、取得した提案要求に基づいて、この地域に該当する予測収益データを、予測収益データテーブルから収益の高い順番に、所定の個数抽出し、提案内容として作成する。
【0073】
収益提案モジュール21は、この作成した提案内容を、就労者端末に、予測収益表示欄240として、表示させる。収益提案モジュール21は、拡大地図220に重畳させる形式で、この予測収益表示欄240を表示させる。このとき、収益提案モジュール21は、予測収益表示欄240内に、農畜産物の名称、予測収益、予測売上、生産コスト、販売コスト、育成方法、生産場所、販売場所を表示させる。この表示させる項目については、上述した提案内容作成モジュール44が作成する提案内容に基づいたものである。このとき、収穫提案モジュール21は、最も予測収益が高い農畜産物に関するものを表示させる。
【0074】
なお、提案要求取得モジュール20は、拡大地図220で指定された地域を含んださらに拡大した地図を表示させてもよい。これを一又は複数繰り返し、様々な拡大率の地図を表示させる構成であってもよい。
【0075】
また、収益提案モジュール21は、一の農畜産物の収益を表示させるものに限らず。複数の農畜産物の収益を表示させる構成であってもよい。この場合、収益の高い順番に他の農畜産物を表示させる構成や、他の農畜産物を表示させるアイコン等を表示させることにより、このアイコンの入力が行われることを契機として、他の農畜産物を表示させる構成等であってもよい。また、予測収益表示欄240の表示態様や表示位置等に関しては、本例に限らず、適宜変更可能である。
【0076】
以上が、収益提案処理である。
【0077】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD-ROMなど)、DVD(DVD-ROM、DVD-RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1 予測収益提案システム、10 コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7