(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】排水性オストミーパウチ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
A61F5/445
(21)【出願番号】P 2019538481
(86)(22)【出願日】2018-01-19
(86)【国際出願番号】 US2018014517
(87)【国際公開番号】W WO2018136793
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-08
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591000414
【氏名又は名称】ホリスター・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HOLLISTER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】ワインバーグ、ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ボッテン、ロナルド・エス
(72)【発明者】
【氏名】フリスク、ティモシー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】オーガスティン、クリスティナ
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-518128(JP,A)
【文献】登録実用新案第3131250(JP,U)
【文献】国際公開第2017/001846(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第1306408(CN,A)
【文献】特表昭64-500487(JP,A)
【文献】国際公開第2013/022575(WO,A1)
【文献】特表2014-521475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体側壁及び外側壁であって、それらの周縁に沿って接合されて、ストーマ排出物を取集するための空洞をそれらの間に画定する身体側壁及び外側壁と、
前記空洞内に取集されたストーマ排出内容物を排水するための排出開口で終端する、下方に延在する出口部分と
を含む排水性オストミーパウチであって、
前記出口部分は、閉鎖システムを含み、
前記閉鎖システムは、
前記出口部分の折畳みを容易にするように構成された少なくとも1つの横方向に延在する折り目を含む単一片閉鎖部材であって、前記閉鎖システムは、前記出口部分が、閉鎖するために前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目に沿って少なくとも1回折り畳まれるように構成される、単一片閉鎖部材と
、
前記折り畳まれた出口部分を閉鎖位置で固定するように構成された二部式締結システムと
を含
み、
前記単一片閉鎖部材は、前記排出開口の開放を容易にするように構成された少なくとも1つの軸方向に延在する折り目を含み、
前記少なくとも1つの軸方向に延在する折り目は、前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目と概して互いに垂直に交差し、
前記単一片閉鎖部材は、前記出口部分の前記周縁に沿って圧力がかけられると、前記少なくとも1つの軸方向に延在する折り目に沿って曲がって前記排出開口を開放するように構成される、排水性オストミーパウチ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの軸方向に延在する折り目は、2つの軸方向に延在する折り目を含み、
前記軸方向に延在する折り目は、前記出口部分の前記周縁に沿って圧力がかけられると、外向きに曲がって前記排出開口を開放するように構成される、請求項
1に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項3】
身体側壁及び外側壁であって、それらの周縁に沿って接合されて、ストーマ排出物を取集するための空洞をそれらの間に画定する身体側壁及び外側壁と、
前記空洞内に取集されたストーマ排出内容物を排水するための排出開口で終端する、下方に延在する出口部分と
を含む排水性オストミーパウチであって、
前記出口部分は、閉鎖システムを含み、
前記閉鎖システムは、
前記出口部分の折畳みを容易にするように構成された少なくとも1つの横方向に延在する折り目を含む単一片閉鎖部材であって、前記閉鎖システムは、前記出口部分が、閉鎖するために前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目に沿って少なくとも1回折り畳まれるように構成される、単一片閉鎖部材と、
前記折り畳まれた出口部分を閉鎖位置で固定するように構成された二部式締結システムと
を含み
前記単一片閉鎖部材は、前記排出開口の開放を容易にするように構成された少なくとも1つの傾斜折り目を含み、
前記少なくとも1つの傾斜折り目は、前記単一片閉鎖部材の上方周辺部から、前記排出開口に近接する前記単一片閉鎖部材の下方周辺部まで延在し、且つ前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目と交差し、
前記単一片閉鎖部材は、前記出口部分の前記周縁に沿って圧力がかけられると、前記少なくとも1つの傾斜折り目に沿って曲がって前記排出開口を開放するように構成される
、排水性オストミーパウチ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの傾斜折り目は、2つの傾斜折り目を含み、前記傾斜折り目は、前記下方周辺部に近接する前記傾斜折り目間の距離が、前記上方周辺部に近接する前記傾斜折り目間の距離より小さいように構成され、前記傾斜折り目は、前記出口部分の前記周縁に沿って圧力がかけられると、外向きに曲がって前記排出開口を開放するように構成される、請求項
3に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの傾斜折り目は、2つの傾斜折り目を含み、前記傾斜折り目は、前記下方周辺部に近接する前記傾斜折り目間の距離が、前記上方周辺部に近接する前記傾斜折り目間の距離より大きいように構成され、前記傾斜折り目は、前記出口部分の前記周縁に沿って圧力がかけられると、外向きに曲がって前記排出開口を開放するように構成される、請求項
3に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項6】
前記単一片閉鎖部材は、第1の部分を含み、
前記第1の部分は、上方周辺部及び下方周辺部を含み、
少なくとも2つの折畳みセクションは、前記第1の
部分において、前記上方周辺部及び前記下方周辺部と前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目との間に画定される、請求項1~
5のいずれか一項に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項7】
前記単一片閉鎖部材は、フラップを含み、
前記上方周辺部は、前記第1の部分と前記フラップとの交差部分に配置された第3の横方向に延在する線によって画定され、
前記第1の部分は、第1の横方向に延在する折り目及び第2の横方向に延在する折り目を含み、
第1の折畳みセクションは、前記下方周辺部と前記第1の横方向に延在する折り目との間に画定され、
第2の折畳みセクションは、前記第1の横方向に延在する折り目と前記第2の横方向に延在する折り目との間に画定され、
第3の折畳みセクションは、前記第2の横方向に延在する折り目と前記第3の横方向に延在する線との間に画定される、請求項
6に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項8】
前記出口部分は、閉鎖するために2回折り畳まれるように構成され、
前記出口部分は、第1の折畳みのために前記第1の横方向に延在する折り目に沿って折り畳まれ、且つ
第2の折畳みのために前記第2の横方向に延在する折り目に沿って折り畳まれる、請求項
7に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項9】
前記フラップは、前記第3の横方向に延在する線に沿って上下に回動するように構成され、
前記二部式締結システムは、第1の締結具ストリップ及び第2の締結具ストリップを含み、
前記第1の締結具ストリップは、前記フラップの外側面に配置され、
前記第2の締結具ストリップは、前記第2の折畳みセクションとは反対側の前記出口部分の外面に配置され、
前記オストミーパウチは、前記第1の横方向に延在する線及び前記第2の横方向に延在する線に沿って前記出口部分を2回折り畳んだ後、前記第1の締結具ストリップ及び前記第2の締結具ストリップを係合させることにより、前記閉鎖位置で固定されるように構成される、請求項
8に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項10】
前記単一片閉鎖部材は、前記出口部分の外側面に配置され、
前記第2の締結具ストリップは、前記第2の折畳みセクションとは反対側の前記出口部分の身体側面に配置され、
前記出口部分は、前記第1の横方向に延在する折り目に沿って折り畳まれるように構成され、それにより、前記第1の折畳みセクション及び前記第2の折畳みセクションは、前記第1の折畳み後に互いに当接し、及び前記第1の折畳みセクションとは反対側の前記身体側壁の外側面は、前記第2の横方向に延在する折り目に沿った前記第2の折畳み後に前記第3の折畳みセクションと当接し、
前記出口部分は、前記第2の締結具ストリップが前記フラップに隣接して配置されるように構成され、それにより、前記第1の締結具ストリップ及び前記第2の締結具ストリップは、前記フラップが前記第3の横方向に延在する線に沿って下方に回動するときに互いに係合して、前記折り畳まれた出口
部分を前記閉鎖位置で固定する、請求項
9に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項11】
前記第1の折畳みセクション、前記第2の折畳みセクション及び前記第3の折畳みセクションの各々は、概して同じ幅を有する、請求項
7~
10のいずれか一項に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項12】
前記出口部分は、2つの側部拡張部を含み、
前記二部式締結システムは、第1の締結具ストリップ及び2つの第2の締結具ストリップを含み、
前記第1の締結具ストリップは、上方周辺部に近接して前記単一片閉鎖部材に配置され、
前記2つの第2の締結具ストリップの各々は、前記側部拡張部の各々の外側面に配置され、
前記オストミーパウチは、前記出口部分を前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目に沿って少なくとも1回折り畳み、且つ前記側部拡張部を折り畳んで、前記第1の締結具ストリップ及び前記第2の締結具ストリップを係合させることによって閉鎖されるように構成される、請求項1~
6のいずれか一項に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項13】
前記単一片閉鎖部材は、前記出口部分の身体側面に配置され、且つ2つの横方向に延在する折り目を含み、
前記オストミーパウチは、前記出口部分をオストミーパウチの外側面に向かって3回折り畳み、
前記側部拡張部を前記外側面に向かって折り畳み、且つ前記第1の締結具ストリップ及び前記第2の締結具ストリップを係合させて、前記出口部分を閉鎖位置で固定することによって閉鎖されるように構成される、請求項
12に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの軸方向に延在する折り
目は、前記単一片閉鎖部材に設けられた折畳み目又は切れ目によって画定される、請求項
1又は2に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目は、前記単一片閉鎖部材に設けられた折畳み目又は切れ目によって画定される、請求項1~14のいずれか一項に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項16】
前記単一片閉鎖部材は、接着剤を介して前記出口部分に取り付けられる、請求項1~
15のいずれか一項に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項17】
前記接着剤は、
前記出口部分に面する、前記単一片
閉鎖部材の
面に提供される、請求項
16に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目は、前記単一片
閉鎖部材の前記パウチの方を向いている面に設けられた少なくとも1つの切れ目によって画定され、
前記少なくとも1つの横方向に延在する折り目には前記接着剤がない、請求項17に記載の排水性オストミーパウチ。
【請求項19】
前記単一片閉鎖部材は、ポリマー材料から形成される、請求項1~18のいずれか一項に記載の排水性オストミーパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、オストミー器具に関し、より詳細には、閉鎖システムを有する排水性オストミーパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
体の老廃物を取集するためのオストミーパウチは、結腸人工肛門造設術、回腸人工肛門造設術又は人工膀胱造設術等の外科手術を受けた患者によって使用される。オストミーパウチは、典型的には、平らな対向側壁を含む。この平らな対向側壁は、取集空洞を画定するためにそれらの縁に沿って合わせて固定される。側壁の一方には、ストーマを受け入れる開口と、粘着性遮蔽体等、ストーマを通じて排出された体の老廃物が空洞内に受け入れられるようにパウチをユーザに固定する手段とが設けられる。
【0003】
オストミーパウチは、単回使用のための端部閉鎖パウチであり得る。その場合、ストーマ排出物で実質的に充填された後にパウチ全体が廃棄される。或いは、オストミーパウチは、その下端に排出開口を有する排水性パウチであり得る。排出開口は、体の老廃物材料の取集中に閉鎖され得るが、使用期間後にパウチから体の老廃物材料を排水するために開放され得る。こうした排水性パウチは、例えば、Nolanの特許文献1及びJensenらの特許文献2に開示されている。これらの文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0004】
排水性パウチの排出開口は、典型的には、狭くなった出口部分の端部に画定される。この狭くなった出口部分の端部には、老廃物材料がパウチから排水されるまで排出開口を密封状態で維持するための閉鎖手段が設けられる。閉鎖手段は、上述したNolan特許におけるようなクランプ、又は出口部分を上方に巻かれた状態で固定するための従来のワイヤタイ若しくはラップ等のデバイスの形態を取り得る。
【0005】
使用者の生活の質のために、排水性パウチは、衣類又は周囲を汚すリスクなしに排水することが容易でなければならない。排水性パウチはまた、不快な臭いのリスクが実質的に低減するように、排水された後に確実に閉鎖し、且つ排水後及び再度の閉鎖前に洗浄することが容易でなければならない。最も重要なことに、閉鎖手段は、漏れのリスクを最小限にするために、閉鎖されるときに確実な密封を提供しなければならない。
【0006】
閉鎖、洗浄及び排水操作に関する多くの異なる解決法が提案及び実施されてきた。例えば、本出願と同一の譲受人に譲渡され、その全体が参照により本明細書に援用されるVillefranceらの特許文献3及びFriskeらの特許文献4は、一体化した閉鎖システムを有する排水性パウチを開示している。明らかな理由から、操作をより容易にし、且つ漏れのリスクを低減するための閉鎖システムにおけるさらなる改善が使用者によって大いに望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第3,523,534号明細書
【文献】米国特許第4,411,659号明細書
【文献】米国特許第7,879,015号明細書
【文献】米国特許第8,672,907号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、排水性パウチのための改良された閉鎖システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
さまざまな実施形態により、単一片閉鎖部材を含む排水性オストミーパウチが提供される。単一片閉鎖部材は、排出開口の閉鎖及び/又は開放のために出口部分の折畳みを容易にするための複数の折り目を含むことができる。
【0010】
一態様では、排水性オストミーパウチは、身体側壁及び外側壁であって、それらの周縁に沿って接合されて、ストーマ排出物を取集するための空洞をそれらの間に画定する身体側壁及び外側壁と、空洞内に取集されたストーマ排出内容物を排水するための排出開口で終端する、下方に延在する出口部分とを含むことができる。出口部分は、単一片閉鎖部材を含む閉鎖システムを含むことができる。単一片閉鎖部材は、出口部分の折畳みを容易にするように構成された少なくとも1つの横方向に延在する折り目を含むことができる。閉鎖システムは、出口部分が、閉鎖するために少なくとも1つの横方向に延在する折り目に沿って少なくとも1回折り畳まれるように構成され得る。さらに、閉鎖システムは、折り畳まれた出口部分を閉鎖位置で固定するように構成された二部式締結システムを含むことができる。
【0011】
実施形態では、単一片閉鎖部材は、排出開口の開放を容易にするように構成された少なくとも1つの軸方向に延在する折り目も含むことができる。少なくとも1つの軸方向に延在する折り目は、少なくとも1つの横方向に延在する折り目と概して互いに垂直に交差することができる。単一片閉鎖部材は、出口部分の周縁に沿って圧力がかけられると、少なくとも1つの軸方向に延在する折り目に沿って曲がって排出開口を開放するように構成され得る。実施形態では、少なくとも1つの軸方向に延在する折り目は、2つの軸方向に延在する折り目を含むことができる。軸方向に延在する折り目は、出口部分の周縁に沿って圧力がかけられると、外向きに曲がって排出開口を開放するように構成され得る。
【0012】
別の実施形態では、単一片閉鎖部材は、排出開口の開放を容易にするように構成された少なくとも1つの傾斜折り目を含むことができる。少なくとも1つの傾斜折り目は、単一片閉鎖部材の上方周辺部から、排出開口に近接する単一片閉鎖部材の下方周辺部まで延在し、且つ少なくとも1つの横方向に延在する折り目と交差することができる。単一片閉鎖部材は、出口部分の周縁に沿って圧力がかけられると、少なくとも1つの傾斜折り目に沿って曲がって排出開口を開放するように構成され得る。実施形態では、少なくとも1つの傾斜折り目は、2つの傾斜折り目を含むことができる。それらの傾斜折り目は、下方周辺部に近接する傾斜折り目間の距離が、上方周辺部に近接する傾斜折り目間の距離より小さいように構成される。別の実施形態では、少なくとも1つの傾斜折り目は、2つの傾斜折り目を含むことができる。それらの傾斜折り目は、下方周辺部に近接する傾斜折り目間の距離が、上方周辺部に近接する傾斜折り目間の距離より大きいように構成される。傾斜折り目は、出口部分の周縁に沿って圧力がかけられると、外向きに曲がって排出開口を開放するように構成され得る。
【0013】
実施形態では、単一片閉鎖部材は、上方周辺部及び下方周辺部を含む第1の部分を含み得る。少なくとも2つの折畳みセクションは、第1のセクションにおいて、上方周辺部及び下方周辺部と少なくとも1つの横方向に延在する折り目との間に画定される。単一片閉鎖部材は、フラップも含むことができる。こうした実施形態では、第1の部分の上方周辺部は、第1の部分とフラップとの交差部分に配置された第3の横方向に延在する線によって画定され得る。いくつかの実施形態では、第1の部分は、第1の横方向に延在する折り目及び第2の横方向に延在する折り目を含むことができる。第1の折畳みセクションは、下方周辺部と第1の横方向に延在する折り目との間に画定される。第2の折畳みセクションは、第1の横方向に延在する折り目と第2の横方向に延在する折り目との間に画定される。第3の折畳みセクションは、第2の横方向に延在する折り目と第3の横方向に延在する線との間に画定される。こうした実施形態では、出口部分は、閉鎖するために2回折り畳まれるように構成され得る。出口部分は、第1の折畳みのために第1の横方向に延在する折り目に沿って折り畳まれ得、且つ第2の折畳みのために第2の横方向に延在する折り目に沿って折り畳まれ得る。
【0014】
フラップは、第3の横方向に延在する線に沿って上下に回動するように構成され得る。二部式締結システムは、第1の締結具ストリップ及び第2の締結具ストリップを含むことができる。第1の締結具ストリップは、フラップの外面に配置される。第2の締結具ストリップは、第2の折畳みセクションとは反対側の出口部分の外面に配置され得る。こうした実施形態では、オストミーパウチは、第1の横方向に延在する線及び第2の横方向に延在する線に沿って出口部分を2回折り畳んだ後、第1の締結具ストリップ及び第2の締結具ストリップを係合させることにより、閉鎖位置で固定されるように構成され得る。
【0015】
単一片閉鎖部材は、出口部分の外側壁の外面に配置され得る。第2の締結具ストリップは、第2の折畳みセクションとは反対側の身体側壁の外面に配置され得る。こうした実施形態では、出口部分は、第1の横方向に延在する折り目に沿って折り畳まれるように構成され得る。それにより、第1の折畳みセクション及び第2の折畳みセクションは、第1の折畳み後に互いに当接する。さらに、第1の折畳みセクションとは反対側の身体側壁の外面は、第2の横方向に延在する折り目に沿った第2の折畳み後に第3の折畳みセクションと当接することができる。出口部分は、第2の締結具ストリップがフラップに隣接して配置されるようにも構成され得る。それにより、第1の締結具ストリップ及び第2の締結具ストリップは、フラップが第3の横方向に延在する線に沿って下方に回動するときに互いに係合して、折り畳まれた出口を閉鎖位置で固定する。第1の折畳みセクション、第2の折畳みセクション及び第3の折畳みセクションの各々は、概して同じ幅を有することができる。
【0016】
別の実施形態では、出口部分は、2つの側部拡張部を含むことができる。こうした実施形態では、二部式締結システムは、1つの第1の締結具ストリップ及び2つの第2の締結具ストリップを含むことができる。第1の締結具ストリップは、上方周辺部に近接して単一片閉鎖部材に配置され得る。2つの第2の締結具ストリップの各々は、側部拡張部の各々の外側面に配置され得る。オストミーパウチは、出口部分を少なくとも1つの横方向に延在する折り目に沿って少なくとも1回折り畳み、且つ側部拡張部を折り畳んで、第1の締結具ストリップ及び第2の締結具ストリップを係合させることによって閉鎖され得る。実施形態では、単一片閉鎖部材は、出口部分の身体側面に配置され得、且つ2つの横方向に延在する折り目を含み得る。こうした実施形態では、オストミーパウチは、出口部分をオストミーパウチの外側面に向かって3回折り畳み、及び側部拡張部を外側面に向かって折り畳み、且つ第1の締結具ストリップ及び第2の締結具ストリップを係合させて、出口部分を閉鎖位置で固定することによって閉鎖されるように構成され得る。
【0017】
実施形態では、単一片閉鎖部材は、接着剤を介して出口部分に取り付けられ得る。例えば、接着剤は、第1の部分のパウチの方を向いている面の実質的に全体に提供され得る。或いは、接着剤は、第1の部分のパウチの方を向いている面に不連続パターンで提供され得る。実施形態では、少なくとも1つの横方向に延在する折り目は、第1の部分のパウチの方を向いている面に設けられた少なくとも1つの切れ目によって画定される。少なくとも1つの横方向に延在する折り目には接着剤がない。上述した実施形態の任意のものにおいて、単一片閉鎖部材は、ポリマー材料から形成され得る。
【0018】
他の態様、目的及び利点は、添付図面と併せて以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0019】
本実施形態の利益及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を検討した後に当業者により容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態による単一片閉鎖部材を含む排水性オストミーパウチの斜視図である。
【
図2】開放位置にある
図1の排水性オストミーパウチの斜視図である。
【
図3】単一片閉鎖部材の反対側の締結部材を示す、
図1の排水性オストミーパウチの斜視図である。
【
図4】閉鎖のためにまくり上げられた
図1の排水性オストミーパウチの斜視図である。
【
図5】二部式締結システムを介してまくり上げられ且つ閉鎖された、
図1の排水性オストミーパウチの斜視図である。
【
図6A】実施形態による排水性オストミーパウチのための単一片閉鎖部材の概略平面図である。
【
図7】別の実施形態による単一片閉鎖部材を含む排水性オストミーパウチの斜視図である。
【
図8】開放位置にある
図7の排水性オストミーパウチの斜視図である。
【
図9A】
図7の排水性オストミーパウチの出口部分の概略断面図である。
【
図9B】1回折り畳まれた、
図7の排水性オストミーパウチの出口部分の概略断面図である。
【
図9C】2回折り畳まれた、
図7の排水性オストミーパウチの出口部分の概略断面図である。
【
図9D】3回折り畳まれ且つ締結部材の対によって適所に固定された、
図7の排水性オストミーパウチの出口部分の概略断面図である。
【
図10】単一片閉鎖部材の反対側の締結部材及び補強部材を示す、
図7の排水性オストミーパウチの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、さまざまな形態の実施形態が可能であるが、本開示は、例示とみなされ、且つ例示する具体的な実施形態に本開示を限定するように意図されないという理解のもとに、現時点で好ましい実施形態を図面に示し、以下に説明する。「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、単数及び複数の両方を含むように解釈される。反対に、複数の項目に対するいかなる言及も、適切な場合には単数を含むものとする。
【0022】
ここで、図を参照すると、
図1~
図5は、実施形態による排水性パウチ10を示す。排水性パウチ10は、外側壁12及び身体側壁14を含むことができる。外側壁12及び身体側壁14は、それらの周縁16に沿って接合されて、ストーマ排出物を取集するための空洞をそれらの間に画定することができる。排水性パウチ10は、下方に延在する出口部分18を含むことができる。下方に延在する出口部分18は、使用期間後に空洞内に取集される内容物を排水するための排出開口20で終端する。排水性パウチ10の排出開口20は、
図4及び
図5に示すように、出口部分18を上方に折り畳み、且つそれを上方に折り畳まれた位置で固定することにより、使用中に閉鎖され得る。
【0023】
壁12、14は、単層又は多層フィルムであり得るポリマーフィルム等の好適な可撓性シート材料から形成され得る。壁12、14の各々は、出口部分18を含むパウチ全体を画定するように1つの連続的な可撓性フィルムから形成され得る。或いは、出口部分18の壁は、パウチ本体の壁とは別個の可撓性フィルムから形成され得る。すなわち、出口部分18の壁は、パウチ本体の壁と異なるポリマーフィルムから形成され得る。
【0024】
排水性パウチ10は、出口部分18の外側面に単一片閉鎖部材22を設けられ得る。単一片閉鎖部材22は、複数の折り目24、26、28、30を含む第1の部分23と、第1の部分23と一体的に形成され得るフラップ32とを含み得る。
図1~
図5の実施形態では、第1の部分23は、2つの横方向に延在する折り目24、26と、2つの軸方向に延在する折り目28、30とを含む。第1の部分23は、第1の部分23とフラップ32との交差部分に第3の横方向に延在する線34も含む。それにより、フラップ32は、第3の横方向に延在する線34に沿って上下に回動され得る。他の実施形態では、単一片閉鎖部材22は、1つの横方向に延在する折り目若しくは3つ以上の横方向に延在する折り目、及び/又は1つの軸方向に延在する折り目若しくは3つ以上の軸方向に延在する折り目を含むことができる。
【0025】
単一片閉鎖部材22は、約2ミル(mil)~約40ミル、好ましくは約5ミル~約20ミル、より好ましくは約8ミル~約15ミルの厚さを有する薄いポリマー材料等の好適な薄い材料から形成され得る。例えば、単一片閉鎖部材22は、例えば、DuPontから入手可能なMYLAR(登録商標)商標ポリエステル(PET)等の好適なポリマー材料を使用して熱成形するか、押し出すか、又は成形することによって形成され得る。
【0026】
単一片閉鎖部材22は、
図1に示すように、出口部分18において外側壁12の外側面に取り付けられ得る。単一片閉鎖部材22は、第1の部分23の下方周辺部40が排出開口20に近接して配置されるように設けられ得る。単一片閉鎖部材22は、液密シールを提供するために出口部分18の折畳み及び閉鎖を容易にするように構成され得る。
【0027】
こうした実施形態では、横方向に延在する折り目24、26は、互いに離間されて下方周辺部40に概して平行に延在するように構成され得る。それにより、出口部分18は、閉鎖するために、横方向に延在する折り目24、26に沿って折り畳まれ得る。閉鎖するとき、出口部分18は、第1の横方向に延在する折り目24に沿って折り畳まれ得る。それにより、第1の横方向に延在する折り目24と下方周辺部40との間に画定される単一片閉鎖部材22の第1の折畳みセクション42は、第1の横方向に延在する折り目24と第2の横方向に延在する折り目26との間に画定された第2の折畳みセクション44に当接する。その後、出口部分18は、第2の横方向に延在する折り目26に沿って再び折り畳まれ得る。それにより、出口部分18における第1の折畳みセクション42とは反対側の身体側壁14は、第2の横方向に延在する折り目26と第3の横方向に延在する線34との間に画定された単一片閉鎖部材22の第3の折畳みセクション46と当接する。
【0028】
いくつかの実施形態では、単一片閉鎖部材22は、下方周辺部40が排出開口20から離間されて、下方周辺部40と排出開口20との間に露出されたパウチ壁12、14の底部分41、43(
図2)を提供するように位置決めされ得る。単一片閉鎖部材22を折り畳むとき、底部分41、43は、第1の横方向に延在する折り目24に隣接して配置され得、且つ折畳み及び閉鎖位置での単一片閉鎖部材22の密封を改善するように折畳み張力を増大させ得る。単一片閉鎖部材22は、折畳み及び閉鎖位置で液密シールを得るために、パウチ壁厚さ、単一片閉鎖部材厚さ及び単一片閉鎖部材の折り目構成に従い、底部分41、43の所望の領域を提供するように排出開口20からさまざまな距離に配置され得る。
【0029】
横方向に延在する折り目24、26と単一片閉鎖部材22の厚さとは、閉鎖するために出口部分18が折り畳まれるとき、パウチ壁12、14に対して適切な密封張力を提供するように構成され得る。
図1~
図5の実施形態では、横方向に延在する折り目24、26は、概して等しい距離を空けて配置され得る。それにより、第1の折畳みセクション42、第2の折畳みセクション44及び第3の折畳みセクション46の各々は、概して同じ幅を有する。他の実施形態では、横方向に延在する折り目は、さまざまな幅を有する折畳みセクションを提供するようにさまざまな場所に配置され得る。さらに、いくつかの実施形態では、単一片閉鎖部材22は、単一の折畳み閉鎖のために2つの折畳みセクションを提供する1つの横方向に延在する折り目を含むことができる。又は、単一片閉鎖部材22は、4つ以上の折畳みセクションを提供する3つ以上の横方向に延在する折り目を含むことができる。そこでは、出口部分18は、閉鎖するために3回以上折り畳まれ得る。
【0030】
単一片閉鎖部材22は、ストーマ排出物を空にするために排出開口20の開放を容易にするように少なくとも1つの軸方向に延在する折り目も含むことができる。
図1~
図5の実施形態では、単一片閉鎖部材22は、2つの平行な軸方向に延在する折り目28、30を含むことができる。排出開口20を開放するために、使用者は、
図2に示すように、軸方向に延在する折り目28、30に沿って単一片閉鎖部材22を折り畳むために、出口部分18の軸方向に延在する周縁に沿って圧力をかけることができる。他の実施形態では、単一片閉鎖部材22は、1つの軸方向に延在する折り目又は3つ以上の平行な軸方向に延在する折り目を含むことができる。
【0031】
横方向に延在する折り目24、26及び軸方向に延在する折り目28、30を含む単一片閉鎖部材22は、排水性パウチ10を折り畳み且つ密封するための横方向軸と、排水性パウチ10を開放するための軸方向軸とを含む2つの操作軸を提供することができる。横方向に延在する折り目24、26及び軸方向に延在する折り目28、30は、単一片閉鎖部材22の折畳み目又は切れ目によって画定され得る。例えば、折り目は、レーザ切断又は打抜きを介する等、任意の既知の方法を介して単一片閉鎖部材22に切り込むことによって提供され得る。或いは、折り目は、単一片閉鎖部材22の成形又は押出プロセス中に形成されるリビングヒンジによって画定され得る。リビングヒンジの各々は、単一片閉鎖部材の外側面及びパウチの方を向いている面の両方に折畳み目を含むことができる。
【0032】
排水性パウチ10は、まくり上げられた出口部分18を
図5に示すような閉鎖位置で固定するために、第1の締結具ストリップ36及び第2の締結具ストリップ38を含む二部式締結システムも含むことができる。第1の締結具ストリップ36は、フラップ32の外側面48に設けられ得る。一方、第2の締結具ストリップ38は、出口部分18の身体側壁14の外側面に配置され得る。
図1~
図5の実施形態では、第2の締結具ストリップ38は、出口部分における第2の折畳みセクション44とは反対側の身体側壁14の外側面に取り付けられる。それにより、第2の締結具ストリップ38は、
図4に例示するように、出口部分18が2回折り畳まれた後、フラップ32に隣接する排水性パウチ10の外側壁12側に配置され得る。第1の締結具ストリップ36及び第2の締結具ストリップ38は、解放可能なインターロック係合に適合される締結具要素を含むことができる。
図4及び
図5に示すように、折り畳まれた出口部分18を固定するために、第1の締結具ストリップ36及び第2の締結具ストリップ38を係合させるように出口部分18が折り畳まれた後、第3の横方向に延在する線34に沿ってフラップ32を折り返すことができる。
【0033】
実施形態では、第1の締結具ストリップ36及び第2の締結具ストリップ38は、G.Binder GmbH&Co.,Holzgerlingen,Germanyによって商標DUOTECで販売されているタイプのポリプロピレン材料を含むことができる。このポリプロピレン材料は、製品パンフレットにおいて、インターロックマッシュルーム要素の原理に基づいて機能すると述べられている。第1の締結具ストリップ36及び第2の締結具ストリップ38のためにこの合成材料を使用することにより、排出開口20は、保持力を克服するために十分な分離力がない場合に閉鎖位置に維持され得る。さらに、インターロックマッシュルーム要素は、両方のストリップが同一であり得るように設計される。したがって、物理的に識別可能なオス/メス構成要素を使用することが不要であり、又は体の老廃物材料及び臭いを吸収する強い傾向を有し、したがって洗浄が困難となる何らかの布状材料を使用することが不要である。
【0034】
この材料に対する属性の中には、互いに確実に押し付けられると強力且つ強固な接続を提供できること、締結具ストリップがインターロックされるときの触覚指示を使用者に提供する特徴的な係止作用、及び繰り返し開閉できることがある。この材料から形成された締結具ストリップの開放及び閉鎖作用により、また、非常に限られた騒音のみが生成される。しかしながら、例えば、Velcro商標で販売されているようなフックアンドループファスナー又は感圧接着剤コーティング等、他のタイプの締結手段を使用できることが理解される。
【0035】
図1~
図5の実施形態では、単一片閉鎖部材22は、出口部分18において外側壁12に設けられている。他の実施形態では、単一片閉鎖部材22は、出口部分18において身体側壁14に設けられ得る。
【0036】
図6A~
図6Cを参照して、実施形態による単一片閉鎖部材122を示す。単一片閉鎖部材122は、複数の折り目124、126、128、130を含む本体123と、本体123と一体的に形成され得るフラップ132とを含み得る。
図6A~
図6Cの実施形態では、本体123は、2つの横方向に延在する折り目124、126と、2つの軸方向に延在する折り目128、130とを含む。本体123は、本体123とフラップ132との交差部分に第3の横方向に延在する線134も含む。
【0037】
この実施形態では、横方向に延在する折り目124、126及び第3の横方向に延在する線134は、単一片閉鎖部材122のパウチの方を向いている面108において切れ目102、104、106によって画定される。そこでは、
図6Bに示すように、第1の折畳みセクション142、第2の折畳みセクション144及び第3の折畳みセクション146が設けられている。軸方向に延在する折り目128、130は、
図6Cに示すように、外側面114において切れ目110、112によって画定される。他の実施形態では、横方向に延在する折り目は、外側面に設けられ得るし、及び/又は、軸方向に延在する折り目は、パウチの方を向いている面に設けられ得る。いくつかの実施形態では、横方向に延在する折り目及び軸方向に延在する折り目は、同じ面に設けられ得る。さらに、折り目は、折畳み目及び/又は切れ目によって画定され得る。
【0038】
単一片閉鎖部材122は、接着剤、熱密封、超音波溶接、レーザ溶接等を介する等、既知の方法を使用してオストミーパウチの出口部分に取り付けられ得る。例えば、本体123のパウチの方を向いている面108に提供された接着剤を介して出口部分に単一片閉鎖部材122を取り付けることができる。接着剤は、本体123のパウチの方を向いている面108の実質的に全体を覆うように提供され得る。或いは、接着剤は、本体123のパウチの方を向いている面108の一部を覆う不連続パターンで提供され得る。
【0039】
図6A~
図6Cの実施形態では、接着剤116は、パウチの方を向いている面108の接着領域117、118、119を含む部分に提供される。
図6Bに示すように、横方向に延在する折り目124、126及びその近傍のパウチの方を向いている面108と、第3の横方向に延在する線134及びその近傍のパウチの方を向いている面108は、接着剤116で覆われていない。さらに、フラップ132のパウチの方を向いている面108も接着剤で覆われていない。
【0040】
こうした実施形態では、横方向に延在する折り目124、126を含む単一片閉鎖部材122の無接着剤領域に隣接するパウチ壁は、単一片閉鎖部材122に取り付けられず、したがって単一片閉鎖部材122が閉鎖するために折り畳まれるときに伸張することができる。単一片閉鎖部材122とパウチ壁との間の接着剤の配置と、横方向に延在する折り目124、126の深さ等の折り目の構成とは、液密シールのために折り畳まれた閉鎖位置にあるパウチフィルムに加えられる適切な張力を得るように設計され得る。
【0041】
図7~
図10は、別の実施形態による単一片閉鎖部材222を含む排水性オストミーパウチ200を示す。単一片閉鎖部材222は、
図1~
図5の単一片閉鎖部材22と同様に構成され得、折り目224、226、228、230を含む。折り目は、2つの横方向に延在する折り目224、226と2つの傾斜折り目228、230とを含むことができる。折り目224、226、228、230は、単一片閉鎖部材22の折り目24、26、28、30と同様に構成され得る。ただし、傾斜折り目228、230は、傾斜折り目228、230が、横方向に延在する折り目224、226と垂直に交差しないように傾斜している点が異なる。
図7及び
図8の実施形態では、傾斜折り目228、230は、排出開口220に近接する傾斜折り目228、230間の距離が、上方周辺部223に近接する傾斜折り目228、230間の距離より小さいように構成される。軸方向に延在する折り目28、30と同様に、傾斜折り目は、出口部分218の開放を容易にするように構成され得る。
【0042】
実施形態では、単一片閉鎖部材222は、出口部分218におけるオストミーパウチ200の身体側面に配置され得る。他の実施形態では、単一片閉鎖部材は、オストミーパウチの外側面に配置され得る。オストミーパウチ200は、側部拡張部202も含むことができる。単一片閉鎖部材222は、
図7に示すように、出口部分218において、側部拡張部202と排出開口220との間に配置され得る。オストミーパウチ200は、出口部分218を閉鎖位置で固定するように互いに係合するように構成された締結部材236、238を含むことができる。締結部材236は、
図7及び
図8に示すように、単一片閉鎖部材222において上方周辺部223に近接して配置され得る。締結部材238は、2つの締結具片を含むことができる。それらの各々は、側部拡張部202の各々の外側面に配置され得る(
図9A~
図9D)。
【0043】
出口部分218を閉鎖するために、単一片閉鎖部材222は、横方向に延在する折り目224、226に沿ってオストミーパウチ200の外側面に向かって折り畳まれ得る。この実施形態では、オストミーパウチ200は、
図9A~
図9Dに示すように、出口部分218を3回折り畳み、且つ側部拡張部を外側面に向かって折り畳んで締結部材236、238を係合させ、それにより閉鎖位置で出口部分218を固定することによって閉鎖されるように構成され得る。他の実施形態では、オストミーパウチは、出口部分を1回若しくは2回又は4回以上折り畳んだ後に閉鎖されるように構成され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、排水性オストミーパウチ200は、
図9A~
図10に示すように、排出開口の開放を容易にするために、排出開口に近接して単一片閉鎖部材222の反対側に任意選択的な補強材240を含むことができる。
【0045】
本開示のさまざまな実施形態による単一片閉鎖部材は、複数の閉鎖部材を含む排水性オストミーパウチ閉鎖システムと比較して多くの利点を提供する。閉鎖システムを単一片閉鎖部材に構成することにより、出口の液密シールのために必要な折畳み公差を単一片閉鎖部材の横方向に延在する折り目に組み込むことができる。したがって、複数の閉鎖部材の高い公差の配置を必要とする比較的複雑な組立プロセスをなくすことができ、簡略化した組立が実現される。
【0046】
上述したことから、本開示の新規な概念の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更形態及び変形形態が実施され得ることが認められるであろう。例示した具体的な実施形態に関するいかなる限定も意図されず、又は推測されるべきではないことが理解される。本開示は、添付の特許請求の範囲により、請求項の範囲内にあるこうしたすべての変更形態を包含するように意図される。