(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】フレキシブル回路電極アセンブリを有する灌注式バルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 5/287 20210101AFI20220506BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20220506BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20220506BHJP
【FI】
A61B5/287 300
A61B18/14
A61M25/10 510
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017088046
(22)【出願日】2017-04-27
【審査請求日】2020-04-27
(32)【優先日】2016-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517156539
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel) Ltd.
【住所又は居所原語表記】4 Hatnufa Street, P.O. BOX 275, Yokneam, ISRAEL 2066717
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-112113(JP,A)
【文献】特開2015-112114(JP,A)
【文献】特表2014-529419(JP,A)
【文献】特表2015-503365(JP,A)
【文献】特表2000-504242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/279
A61B 5/287
A61B 5/367
A61B 18/12-18/14
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小口における使用のために適合された電気生理学的カテーテルであって、
膜を有するバルーンであって、該バルーンは、長手方向軸線を画定する遠位端及び近位端を有する、バルーンと、
該膜の上に支持されたコンタクト電極であって、該コンタクト電極は、該小口と接触するように構成され、該コンタクト電極は、長手方向細長部分及び複数の横断方向フィンガー部を有する
、コンタクト電極と、を備え
、
前記細長部分の幅は、前記複数の横断方向フィンガー部のそれぞれの幅より大きく、
前記複数の横断方向フィンガー部は、前記細長部分のそれぞれの横側から概ね垂直に延在し、前記細長部分の長手方向に沿って概ね等間隔に配置されている、電気生理学的カテーテル。
【請求項2】
前記複数の横断方向フィンガー部のうち少なくとも2つは異なる長さを有する、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項3】
前記複数の横断方向フィンガー部は、より長いフィンガー部及びより短いフィンガー部を有し、該より長いフィンガー部は、前記バルーンの赤道領域付近に据えられている、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項4】
前記複数の横断方向フィンガー部は、遠位フィンガー部と、近位フィンガー部と、中間フィンガー部と、を含み、該中間フィンガー部のそれぞれは、より短い隣接するフィンガー部を有する、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項5】
前記複数の横断方向フィンガー部は、概ね均一な幅を有する、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項6】
前記コンタクト電極は、金を含む、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項7】
前記コンタクト電極は、前記金の下にシード層を備える、請求項
6に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項8】
前記バルーンの
前記膜の上に概ね均等に放射状に分配された複数のコンタクト電極を更に備える、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、全体の内容が参照により本明細書に援用されている、発明の名称が「METHOD OF CONSTRUCTING IRRIGATED BALLOON CATHETER」である2016年4月28日に出願された米国特許出願第15/141,751号の一部継続出願であり、この優先権及び利益を主張するものである。本出願はまた、全体の内容が参照により本明細書に援用されている、発明の名称が「BALLOON CATHETER AND RELATED IMPEDANCE-BASED METHODS FOR DETECTING OCCLUSION」である2016年6月2日に出願された米国特許出願第15/172,118号の一部継続出願であり、この優先権及び利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医療用デバイスに関する。より具体的には、本発明は、電気生理学的(EP)カテーテル、具体的には、心臓における小口領域及び管状領域をマッピング及び/又はアブレーションするためのEPカテーテルを含む心臓カテーテル法の改善に関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動等の心不整脈は、心臓組織の諸領域が、隣接組織に電気信号を異常に伝導することによって正常な心周期を阻害し、非同期的な律動を引き起こす場合に発生する。
【0004】
不整脈を治療するための処置としては、不整脈を発生させている信号の発生源を外科的に破壊すること、並びにそのような信号の伝導路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。アブレーションプロセスは、非伝導性の損傷部位を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。
【0005】
心房性不整脈を治療するために、肺静脈口又はその近傍で円周方向の損傷部位が形成されてきた。両者ともLeshに対する米国特許第6,012,457号及び同第6,024,740号は、高周波電極を含む放射状に拡張可能なアブレーションデバイスを開示している。円周状の伝導ブロックを確立することで肺静脈を左心房から電気的に絶縁するために、このデバイスを使用して、肺静脈に高周波エネルギーを送達することが提案されている。
【0006】
本願と同一譲受人に譲渡され、本明細書に参照により援用されているSchwartz et al.に対する米国特許第6,814,733号は、高周波放出体としての放射状に拡張可能な螺旋状コイルを有するカテーテル導入装置について記載している。一適用例では、放出体は、経皮的に導入され、経中隔的に肺静脈口まで前進する。放出体は、放出体を肺静脈の内壁と円周状に接触させるために、放射方向に拡張されるが、これは放出体が巻き付けられている係留バルーンを膨張させることによって実現することができる。コイルは、高周波発生器によって励磁され、円周方向のアブレーションの損傷部位が肺静脈の心筋スリーブ内に生じ、これにより、肺静脈と左心房との間の電気的伝播を効果的にブロックすることができる。
【0007】
別の例は、心房から肺静脈が延在する場所において、組織の円周領域をアブレーションすることによって心房性不整脈を治療する組織アブレーションシステム及び方法を提案するMaguire,et al.に対する米国特許第7,340,307号に見出される。このシステムは、アブレーション要素を有する円周状のアブレーション部材を含み、アブレーション部材をその場所まで送達するための送達アセンブリを含む。円周状のアブレーション部材は、送達用シースを通る心房内への送達、及びアブレーション要素と組織の円周方向の部位との間のアブレーションカップリング(ablative coupling)の両方が可能になるように、異なる構成間で概ね調整可能である。
【0008】
より最近では、膨張可能なカテーテルの電極アセンブリは、フレックス回路で構成されて、複数の非常に小さい電極を有する膨張可能な電極アセンブリの外側表面を提供している。カテーテルバルーン構造体の例は、全体の内容が参照により本明細書に援用されている、発明の名称が「Balloon for Ablation Around Pulmonary Vein」である米国特許公開第2016/0175041号に記載されている。
【0009】
フレックス回路又はフレキシブル電子機器は、電子デバイスをポリイミド、液晶ポリマー(LCP)、PEEK又は透明な導電性ポリエステルフィルム(PET)などの可撓性のあるプラスチック製基板に装着することによって電子回路を組み付ける技術を伴う。更に、フレックス回路は、ポリエステルにスクリーン印刷された銀回路であってもよい。フレキシブルプリント回路(FPC)は、フォトリソグラフィ技術を用いて作製される。フレキシブルフォイル回路又はフレキシブルフラットケーブル(FFC)を作製する別の方法は、PETの2つの層の間に非常に薄い(0.07mm)銅ストリップをラミネートすることである。通常0.05mm厚であるこれらPET層は、熱硬化性である粘着剤が塗工され、積層プロセスの間に活性化されることとなる。片面フレキシブル回路は、フレキシブル誘導体フィルムに金属又は導電性(金属充填)ポリマーのいずれか一方で作製された単一導体層を有する。部品終端機構は、片面からのみアクセス可能である。部品リード線が、通常、はんだ付けによる相互連結のために通過することができるように、孔がベースフィルムに形成されてもよい。
【0010】
しかしながら、人体解剖学における多様性により、心臓内の小口領域及び管状領域にはあらゆるサイズがある。このように、従来のバルーンカテーテル又は膨張可能なカテーテルは、組織と有効に周接するための十分な構造的支持を有する一方、様々な形状及びサイズに適応するために必要な可撓性を有していない場合がある。具体的には、より大きい表面接触を提供するアブレーション電極は、十分な可撓性を欠く場合がある。更に、電極リード線及び/又は熱電対線の配線などの繊細な配線並びにこれらのはんだ接合部は、患者の体内での組み付け及び使用の両方の間に、破断及び損傷から支持及び保護する必要がある。更に、バルーンの形体が放射状に対称であり、複数の電極要素がバルーンの形体を取り囲むので、X線透視下でバルーン電極アセンブリの向きを判定することもまた困難となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、異なる生体構造並びに小口及び肺静脈のより狭い空間の制約に適応するのに十分に可撓性であり続ける一方、より大きい組織面積と接触することができるコンタクト電極を有する膨張可能な部材を有するバルーン又はカテーテルが所望されている。一般的なフレキシブル回路から製造することができる、小口及び肺静脈に適合する電極アセンブリを運搬するためのバルーンカテーテルもまた所望されている。アブレーション、ペーシング、ナビゲーション、温度検知、電極電位検知、及びインピーダンス検知などの診断機能及び処置機能を含む複数の機能が可能であり、ラッソカテーテル又は局所カテーテル(focal catheter)を含む他のカテーテルでの使用に適合する、バルーンカテーテルが更に所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、肺静脈口における使用に適合された灌注式膨張可能バルーンを有するカテーテルに関する。バルーンは、バルーンが膨張すると、肺静脈口に周接するように適合されたフレキシブル回路電極アセンブリを備える。バルーンカテーテルは、診断用途及び処置用途並びに診断法及び処置手技の両方に良好に適合し、ラッソカテーテル又は局所カテーテルと共に使用することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、小口における使用に適合された電気生理学的カテーテルは、膜を有するバルーンであって、バルーンは、長手方向軸線を画定する遠位端及び近位端を有する、バルーンと、膜の上に支持されたコンタクト電極であって、コンタクト電極は、小口と接触するよう構成され、コンタクト電極は、長手方向細長部分及び複数の横断方向フィンガー部を有する「魚の骨形」の形体を有する、コンタクト電極と、を備える。
【0014】
いくつかのより詳細な実施形態では、横断方向フィンガー部は、様々な長さを有し、コンタクト電極は、より長いフィンガー部及びより短いフィンガー部を有し、より長いフィンガー部は、バルーンの赤道領域付近に据えられている。更に、複数のフィンガー部は、遠位フィンガー部と、近位フィンガー部と、中間フィンガー部と、を含むことができ、中間フィンガー部のそれぞれは、より短い隣接するフィンガー部を有する。細長部分の幅は、それぞれのフィンガー部の幅より大きくてもよい。複数のフィンガー部は、細長部分に沿って概ね等間隔に配置することができる。複数のフィンガー部は、概ね均一な幅を有してもよい。
【0015】
いくつかのより詳細な実施形態では、コンタクト電極は、金を含む。コンタクト電極は、金の下にシード層を備えることができる。バルーンは、膜の上に概ね均等に放射状に分配された複数のコンタクト電極を有することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、電気生理学的カテーテルは、膜を有するバルーンと、膜の上のフレックス回路電極アセンブリと、を備える。フレックス回路は、第1の表面及び第2の表面を有する基板と、第1の表面上のコンタクト電極と、第2の表面上の配線電極と、基板を通って延在し、コンタクト電極と配線電極とを導電接続するように適合された、導電ビアと、を有する。
【0017】
いくつかのより詳細な実施形態では、基板は、第1の灌注口を備え、膜は、第1の灌注口と整列する第2の灌注口を備える。更に、コンタクト電極は、第1の灌注口を取り囲む排除ゾーンを備えてもよく、配線電極は、第1の灌注口を取り囲む排除ゾーンを備えてもよい。配線電極は、細長部分と長手方向に整列する細長の本体を有してもよい。配線電極は、はんだパッドを備えてもよく、フレックス回路電極アセンブリは、はんだパッドに導電接続された対線を備える。
【0018】
更なるより詳細な実施形態において、フレックス回路電極は、「魚の骨形」のコンタクト微小電極と、「脊柱形」の配線微小電極と、コンタクト微小電極と配線電極とを導電連結するように構成された導電性ビアと、を備える。微小電極は、電極に近接及び電極の近位になるように電極に対して諸条件、効果などを十分に考慮して位置づけられるが、物理的かつ電気的にこれらから分離している。フレックス回路電極は、コンタクト電極及び配線電極から物理的かつ電気的に微小電極を分離させるように構成された少なくとも1つの排除ゾーンを備える。微小電極は、コンタクト電極又は配線電極によってそのすべてにおいて周囲が取り囲まれた「アイランド形」として構成され、排除ゾーンによってこれらから物理的かつ電気的に分離することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、フレックス回路電極は、近位テール部を含む。コンタクト電極及び/又は配線電極への導電接続のために構成された導線は、近位テール部と、バルーンカテーテルのシャフトに向かうバルーンの膜と、の間で延在することができる。いくつかの実施形態では、導線は、バルーンの膜に形成された貫通孔を通って延在して、バルーンの内部に入ることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、コンタクト電極及び配線電極を複数の部分に分割することができ、それぞれのコンタクト電極部分及びそれぞれの配線電極部分は、導電性ビアによって導電連結されている。導線は、導電接続された一対のコンタクト電極部分及び配線電極部分ごとに提供される。それぞれの分割された電極部分は、排除ゾーンによって物理的かつ電気的に分離されたそれぞれの微小電極を取り囲むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、電極及び微小電極に導電接続するように構成された導線は、リボンケーブルに含まれてもよい。リボンケーブルは、バルーンの膜内に形成された貫通孔を通って、バルーンの内部に入ることができる。あるいは、リボンケーブルは、フレックス回路電極アセンブリのテール部とバルーンの膜との間をバルーンの近位端に向かって延在した後、バルーンの近位のシャフトに入ることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、フレックス回路電極アセンブリは、コンタクト微小電極での使用のための熱電対を備え、熱電対は、フレックス回路基板に埋め込まれ、コンタクト電極に導電連結された導電性ビアによって互いに接続される、対線を有する。有利なことに、熱電対は、隣接するアブレーションしているコンタクト電極によってアブレーションを受ける一方、コンタクト微小電極と接触する組織の温度を測定するように構成されている。あるいは、組織がアブレーションを受けていない場合、熱電対は、組織からの電極電位信号及び組織の温度を同時に検知することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、フレックス回路電極アセンブリは、熱電対の第1及び第2の配線に導電連結された第1及び第2のはんだパッドであって、はんだパッドは、例えば、近位テール部の領域において、微小電極から離れて有利に位置し、第1のはんだパッドと第2のはんだパッドとの間の電位は、微小電極401の場所において、熱電対400によって検知される温度を表す信号を含む、第1及び第2のはんだパッドを備える。更に、それぞれのはんだパッドもまた電気的に連結し、その導電性ビアによってそれぞれの微小電極401に形成された電極電位を取得することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、アブレーションのための、コンタクト電極、微小電極、及び熱電対に連結され、電極電位及び温度を検知する、はんだパッドは、一組としてグループ化され得る。フレックス回路電極アセンブリは、複数の組のはんだパッドを備え、すべては微小電極から離れて位置している。
【0025】
いくつかの実施形態では、バルーンカテーテルは、バルーンカテーテルのシャフトを通って延在している第2のカテーテルとの使用のために構成されている。第2のカテーテルは、ラッソカテーテル又は線状(linear)局所カテーテルを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考慮することによってより充分な理解がなされるであろう。選択された構造及び特徴が、残りの構造及び特徴をより見やすくするために、特定の図面では示されていないことを理解されたい。
【
図1】本発明の実施形態による、侵襲性医療処置の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による、ラッソカテーテルとの使用における膨張した状態の本発明のバルーンカテーテルの平面図である。
【
図3】ラッソカテーテルと共に示される、
図2のバルーンカテーテルのバルーンの斜視図である。
【
図4】肺静脈及び肺静脈口の領域において配備されたバルーンの側面図である。
【
図5】本発明の実施形態による、複数のフレックス回路電極アセンブリの平面図である。
【
図6】バルーンから部分的持ち上げられた、本発明の実施形態による、フレックス回路電極アセンブリの斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの分解斜視図である。
【
図8A】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの分解斜視図である。
【
図8B】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの断面図である。
【
図9A】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの分解斜視図である。
【
図9B】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの断面図である。
【
図10】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの分解斜視図である。
【
図11A】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの分解斜視図である。
【
図11B】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの断面図である。
【
図12A】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの分解斜視図である。
【
図12B】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの断面図である。
【
図13A】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの分解斜視図である。
【
図13B】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの断面図である。
【
図14】本発明の実施形態による、構成の様々な段階におけるフレキシブル回路電極アセンブリの断面図である。
【
図15A】層を示すために離間されたコンタクト電極の一部を有する、本発明の他の実施形態による、フレキシブル回路電極アセンブリの分解斜視図である。
【
図15B】本発明の実施形態による、排除ゾーンによって配線電極から分離された配線微小電極の詳細な平面図である。
【
図15C】本発明の実施形態による、排除ゾーンによってコンタクト電極から分離されたコンタクト微小電極の詳細な平面図である。
【
図16A】本発明の実施形態による、コンタクト電極内に位置する「アイランド形」コンタクト微小電極の詳細な平面図である。
【
図16B】本発明の実施形態による、コンタクト電極内に位置する「アイランド形」コンタクト微小電極の詳細な平面図である。
【
図17】本発明の実施形態による、分割されたコンタクト電極を有するフレックス回路電極アセンブリの平面図である。
【
図18A】本発明の実施形態による、埋め込まれた熱電対の断面図である。
【
図18B】本発明の実施形態による、埋め込まれたはんだパッドセットの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
概要
機能不全の心臓を治療するための心組織のアブレーションは、かかる治療を実施するための周知の処置である。典型的には、アブレーションを成功させるために、心筋の多様な場所で心臓の電極電位を測定する必要がある。更に、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を測定することができるデータがもたらされる。典型的には、アブレーション処置に対して、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0028】
(例えば、電極電位及び温度測定に1つ、アブレーションに別の1つである)2つ以上の別個の指示を使用する従来技術のシステムとは対照的に、本発明の実施形態により、2つの測定が容易になり、更に、高周波電磁エネルギーを使用し、単一のバルーンカテーテルを使用する、アブレーションが可能になる。カテーテルは、ルーメンを有し、膨張可能なバルーンは、カテーテルのルーメンを通って配備される(バルーンは、ルーメンを通って、畳み込まれた、非膨張の形体に移行し、バルーンは、ルーメンを出ると膨張する)。バルーンは、外壁又は膜を有し、ルーメンが延在する長手方向軸線を画定する遠位端及び近位端を有する。
【0029】
多層の可撓性のある金属構造体がバルーンの外壁又は膜に取り付けられる。構造体は、長手方向軸線を中心に周囲に配置された複数の電極群を含み、それぞれの電極群は、典型的には、長手方向に配置された複数のアブレーション電極を含む。
【0030】
それぞれの電極群はまた、その群におけるアブレーション電極から物理的かつ電気的に絶縁されている少なくとも1つの微小電極を含むことができる。
【0031】
それぞれの電極群はまた、少なくとも熱電対を含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、それぞれの電極群は、通常の場所に形成された微小電極及び熱電対を有する。
【0033】
単一のバルーンカテーテルを使用して、アブレーション、電極電位の測定、及び温度の測定を行う能力の3つの機能性により、心臓のアブレーション処置を簡素化することができる。
【0034】
システムの説明
以下の説明において、図面中の同様の要素は、同様の数字により識別され、同様の要素は、必要に応じて識別用の数字に文字を添えることにより区別される。
【0035】
図1は、本発明の実施形態による、装置12を使用する侵襲性医療処置の概略図である。処置は、医療専門家14により行われ、一例として、本明細書の以下の説明における処置は、ヒトの患者18の心臓の心筋16の一部のアブレーションを含むと仮定される。但し、当然のことながら、本発明の実施形態は、この特定の処置にだけ適用可能であるわけではなく、生物学的組織又は非生物学的材料に対する実質的に如何なる処置も包含し得ることを理解されたい。
【0036】
アブレーションを行うために、医療専門家14は、患者の内腔内に事前に位置づけられているシース21の中へプローブ20を挿入する。シース21は、プローブ20の遠位端22が患者の心臓に入るように位置づけられている。
図2を参照して以下により詳細に記載されているバルーンカテーテル24は、プローブ20のルーメン23を通って配備され、プローブ20の遠位端から出ている。
【0037】
図1に示すように、装置12は、装置の操作用コンソール15内に位置するシステムプロセッサ46により制御される。コンソール15は、専門家14がプロセッサと通信するために使用するコントロール49を備える。処置の間、プロセッサ46は、典型的には、当該技術分野において既知である任意の方法を使用してプローブ20の遠位端22の場所及び配向を追跡する。例えば、プロセッサ46は、プローブ20の遠位端に位置づけられたコイルにおいて、患者18の体外にある磁気送信器25X、25Y、及び25Zが信号を生成する、磁気追跡方法を使用することができる。Biosense Webster,Inc.(Diamond Bar,California)より入手可能なCARTO(登録商標)は、このような追跡方法を使用している。
【0038】
プロセッサ46用のソフトウェアは、例えば、ネットワークで、電子形態でプロセッサにダウンロードすることができる。あるいは又は更には、ソフトウェアは、例えば、光学的、磁気的、又は電子的記憶媒体のような非一時的有形媒体上で提供され得る。遠位端22の追跡は、典型的には、画面62上で患者18の心臓の3次元表示60で表示される。
【0039】
装置12を操作するために、プロセッサ46は、装置を操作するためにプロセッサにより使用されるいくつかのモジュールを有するメモリ50と通信する。したがって、メモリ50は、温度モジュール52と、アブレーションモジュール54と、心電図法(ECG)モジュール56と、を含む。これらのモジュールの機能を以下で説明する。メモリ50は、典型的には、遠位端22にかかる力を測定する力モジュール、プロセッサ46により使用される追跡方法を操作する追跡モジュール、及びプロセッサが遠位端22に対して提供する潅注を制御することを可能にする潅注モジュールなどの他のモジュールを含む。簡潔化のために、かかる他のモジュールは、
図1に図示されていない。モジュールは、ハードウェア要素並びにソフトウェア要素を含み得る。
【0040】
図3は、本発明の実施形態による膨張形体のバルーンカテーテル24の概略斜視図である。
図4に図示されるように、バルーンカテーテル24を使用して、肺静脈13などの内腔の小口11をアブレーションする開示された実施形態において、バルーンカテーテル24は、近位シャフト部分82及び遠位シャフト端88を有する中空シャフト70によって支持されている。シャフト70は、中空の中心管74を含み、これにより、カテーテルは、中心管を通って遠位シャフト端88を過ぎて進むことができる。カテーテルは、図示したように、局所線状カテーテル又はラッソカテーテル72であってもよい。ラッソカテーテル72は、肺静脈内へ挿入されて、肺静脈口のアブレーションの前に肺静脈口に対して正しくバルーンカテーテル24を位置づけることができる。カテーテル72の遠位のラッソ部分は、典型的には、ニチノールなどの形状記憶保持材料によって形成されている。バルーンカテーテル24はまた、心臓のPV又は他の場所において、(
図3の破線で示すような)線状又は局所カテーテル99で使用することができることを理解されたい。局所カテーテル99は、その先端に力センサを備えることができる。好適な力送信型先端部は、両方の全体の内容が参照により本明細書に援用されている、発明の名称が「CATHETER WITH PRESSURE SENSING」であるGovari et al.に対する2013年1月22日に発行された米国特許第8,357,152号、及び発明の名称が「CATHETER WITH PRESSURE MEASURING TIP」である2009年11月30日にBeeckler et al.に対する米国特許出願第2011/0130648号に開示されている。バルーンカテーテルと共に使用される任意のカテーテルは、例えば、圧力検知、アブレーション、診断、例えば、ナビゲーション及びペーシングを含む機構及び機能を有することができる。
【0041】
バルーンカテーテル24の膨張可能なバルーン80は、生体適合性材料の、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、又はPEBAX(登録商標)などのプラスチックから形成された、外壁又は膜26を有する。シャフト70及び遠位シャフト端88は、バルーン80の長手方向軸線78を画定する。バルーン80は、プローブ20のルーメン23を介して、畳み込まれた非膨張の形体に配備され、遠位端22から出た後、膨張することができる。バルーン80は、シャフト70を通る生理食塩水溶液などの流体の注入及び圧出によって膨張及び収縮することができる。バルーン80の膜26は、(
図6に示される)灌注孔又は灌注口27が形成され、小口における組織アブレーション部位を冷却するために、流体は、灌注孔又は灌注口27を通ってバルーン80の中からバルーン80の外へ出ることができる。
図2及び
図4は、ジェットストリームとしてのバルーン80から出ていく流体を示しているが、流体は、流体がバルーンの外へ染み出ていく速度を含む任意の所望の流速及び/又は圧力でバルーンから出ていくことができることを理解されたい。
【0042】
膜26は、多層のフレキシブル回路電極アセンブリ84として構成される組み合わされた電極及び温度検知部材を支持及び運搬する。「フレックス回路電極アセンブリ」84は多くの様々な幾何学形体を有することができる。図示された実施形態において、
図5において最もよく見られるように、フレックス回路電極アセンブリ84は、複数の放射状リーフ又はストリップ30を有する。リーフ30は、遠位端88及びバルーン80の周りに均一に分配される。それぞれのリーフは、より狭い遠位部分に対して徐々に先細りするより広い近位部分を有する。
【0043】
図3及び
図5を参照して、それぞれのリーフ30は、近位テール部31P及び遠位テール部31Dを有する。近位テール部31Pは、シャフト70の近位シャフト部分82上に装着された近位リング28Pによってカテーテル24の下に押し込まれ、固定されている。遠位テール部31Dは、(図示しない)遠位リング部によって、カテーテル24の下に押し込まれ、固定されている。テール部31D及び31Pの組のいずれか一方又は両方は、遠位キャップ28D等のそれぞれの半球状キャップによって更に覆われてもよい。それぞれのリーフ上の1つ又は2つ以上のコンタクト電極33は、アブレーション処置中に小口11により発作的収縮をきたし、
図4に示すように、アブレーション処置中に、電流は、コンタクト電極33から小口11に流れる。
【0044】
簡潔化のために、フレックス回路電極アセンブリ84は、
図6に示すように、リーフ30の1つに対して記載されているが、以下の記載は、アセンブリのそれぞれのリーフに適用することができることを理解されたい。フレックス回路電極アセンブリ84は、例えば、ポリイミドなどの好適な生体適合性材料で構成された、可撓性があり弾力的なシート状の基板34を含む。いくつかの実施形態では、シート状の基板34は、バルーンの膜26の耐熱性と比較してより大きい耐熱性(又はより高い融解温度)を有する。いくつかの実施形態では、基板34は、およそ100C以上だけ、バルーンの膜26の融解温度より高い分解温度を有する熱硬化性材料から構成されている。
【0045】
基板34は、バルーン部材26の灌注口35と整列する1つ又は2つ以上の灌注孔又は灌注口35が形成され、灌注口35を通過する流体を、小口のアブレーション部位に渡すことができる。
【0046】
基板34は、バルーンの膜26から離れる方向に対向する第1のすなわち外側表面36と、バルーンの膜26と対向する第2のすなわち内側表面37と、を有する。その外側表面36上で、基板34は、小口と接触する組織に適合したコンタクト電極33を支持及び運搬する。その内側表面37上で、基板34は、配線電極38を支持及び運搬する。コンタクト電極33は、アブレーション中、小口へRFエネルギーを送達し、かつ/又は小口の温度検知のための熱電対接合部に接続している。図示された実施形態において、コンタクト電極33は、長手方向細長部分40と、概ね等間隔に配置された、拡大近位端42Pと遠位端42Dとの間の細長部分40のそれぞれの横側から概ね垂直に延在する、複数の横断する細い線状部分、すなわち、フィンガー部41を有する。細長部分40は、より大きい幅を有し、フィンガー部のそれぞれは、概ね均一なより小さい幅を有する。したがって、コンタクト電極33の形体又はトレースは、「魚の骨形」に類似している。エリアすなわち「パッチ」アブレーション電極とは対照的に、隣接するフィンガー部41間の空隙領域43により、バルーン80を内側に折り畳むことができ、かつ/又はその赤道に沿う場所において必要に応じて放射状に拡張する一方、コンタクト電極33のフィンガー部41は、有利なことに、小口とのコンタクト電極33の周囲接触面又は赤道接触面を増大させることができる。図示された実施形態において、フィンガー部41は、異なる長さを有し、長いものもあれば、短いものもある。例えば、複数のフィンガー部は、遠位フィンガー部、近位フィンガー部、及び中間フィンガー部を含み、中間フィンガー部のそれぞれは、より短い隣接するフィンガー部を有する。例えば、それぞれのフィンガー部は、(複数の)その遠位のかつ/又はその近位の直接隣接する隣接フィンガー部とは異なる長さを有し、それぞれのフィンガー部の長さは、それぞれのリーフ30の先細り形体に概ね追従する。図示された実施形態において、最長のフィンガー部が拡大近位端42Pから3番目のフィンガー部である、(細長部分40のそれぞれの外側を過ぎて)細長部分40を横切って延在する22個のフィンガー部が存在する。いくつかの実施形態では、コンタクト電極33は、金58Bと膜26との間にシード層45を有する金58Bを含む(
図12A及び
図12B参照)。シード層は、チタン、タングステン、パラジウム、銀、及び/又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0047】
1つ又は2つ以上の排除ゾーン47がコンタクト電極33内に形成され、それぞれは、基板26において形成された灌注口27を取り囲んでいる。排除ゾーン47は、以下に更に詳細に説明されるように、これらの機能において、これらの場所で灌注口27を収容する際に、電極アセンブリ84の構成中、コンタクト電極33への損傷を避けるために、コンタクト電極33内に目的を持って形成された空隙である。
【0048】
コンタクト電極33において、1つ又は2つ以上の導電性ブラインドビア48もまた形成され、ブラインドビア48は、
図8Aに示すように、基板34における貫通孔55を通って延在する導電性形成物又は金属製形成物であり、外側表面36上のコンタクト電極33及び内側表面37上の配線電極38を接続する電線用導管として構成されている。「導電性の」は、本明細書において、すべての関連する事例において、「金属製の」と互換的に使用されることを理解されたい。
【0049】
図示された実施形態において、コンタクト電極33は、長手方向に約0.25センチメートル~2.5センチメートル(約0.1インチ~1.0インチ)であり、好ましくは、約1.3センチメートル~1.8センチメートル(約0.5インチ~0.7インチ)であり、より好ましくは約1.4センチメートル(0.57インチ)であり、4つの排除ゾーン47及び9つのブラインドビア48を有する。
【0050】
基板34の内側表面37において、配線電極38は、コンタクト電極33の細長部分40と概ね同様の形状及びサイズの細長の本体として概ね構成されている。配線電極38は、「脊柱」とやや類似し、電極アセンブリ84のそれぞれのリーフ30に対して所定の程度の長手方向の剛性を提供する観点では脊柱としても機能している。配線電極38は、ブラインドビア48のそれぞれがコンタクト電極33及び配線電極38の両方と導電接触するように位置づけられている。図示された実施形態において、2つの電極33及び38は、電極33及び38の両方と導電接触している9つすべてのブラインドビア48により、他方と長手方向に整列している。いくつかの実施形態では、配線電極38は、銅57の内側部分及び金58の外側部分を有する。
【0051】
配線電極38はまた、基板34における灌注口35の周囲にその排除ゾーン59が形成されている。配線電極38は、はんだパッド部分61、少なくとも1つの活性はんだパッド部分61Aが更に形成され、1つ又は2つ以上の不活性(inactive)はんだパッド部分61Bが存在してもよい。はんだパッド部分61A及び61Bは、配線電極38の細長の本体の外側からの延在部である。図示された実施形態において、活性はんだパッド部分61Aは、細長の本体に沿っておよそ中間の場所に形成され、それぞれの不活性はんだパッド部分61Bは、拡大遠位端42D及び拡大近位端42Pのそれぞれの場所に提供されている。
【0052】
例えば、はんだ溶接部63によって、活性はんだパッド部分61Aに、対線、例えば、コンスタンタン配線51及び銅配線53が取り付けられる。銅配線53は、配線電極33へリード線を提供し、銅配線53及びコンスタンタン配線51は、接合部がはんだ溶接部63にある熱電対を提供する。対線51/53は、膜26に形成された貫通孔29を通過する。貫通孔29が存在しない他の実施形態において、対線51/53が近位リング28により近接する中空シャフト70の側壁に形成された(図示しない)他の貫通孔を介して中空シャフトに入るまで、対線51/53は、膜26と基板34との間、更に近位には膜26と近位テール部31Pとの間を通過することができることを理解されたい。
【0053】
リーフ30並びにテール部31P及び31Dを含むフレックス回路電極アセンブリ84は、バルーンの膜26に固着され、基板34の外側表面36は、露出され、基板34の内側表面37は、バルーンの膜26に固着され、配線電極38及び対線51/53は、基板34とバルーンの膜26との間に挟まれている。基板34の灌注口35は、バルーンの膜26の灌注口27と整列している。配線電極38における排除ゾーン59及びコンタクト電極33における排除ゾーン47は、
図14に示すように、同心円状に互いに整列するとともに、灌注口27及び35とも整列している。
【0054】
構成の方法
本発明は、フレックス回路電極アセンブリと、フレックス回路電極アセンブリを有するバルーンと、を構成する方法を含む。いくつかの実施形態では、方法は、以下のアクション1~9を含む。アクションは、所望に応じて又は適宜、以下に示される順番で行われる必要が無いことを理解されたい。
【0055】
【0056】
アクション1~9は、
図6と関連して、
図7~
図13を参照してより詳細に以下に記載されている。
【0057】
1)
図7に示すように、第1のすなわち外側表面36が第1の導電層91に概ね被覆され、第2のすなわち内側表面37が第2の導電層92に概ね被覆されている、可撓性基板34を有するフレックス回路90を提供すること。いくつかの実施形態では、基板34は、ポリイミドで構成され、第1及び第2の導電層91及び92は、銅である。
【0058】
2)
図8A及び
図8Bに示すように、第1の導電層91を除去すること。ある実施形態において、銅の第1の導電層91は、基板の外側表面を露出するための化学エッチングによって基板34の外側表面36から除去される。
【0059】
3)
図8A及び
図8Bに示すように、第2の導電層92において、配線電極38を形成すること。配線電極38を形成することは、少なくとも排除ゾーン59を有する細長の本体を形成することを含むことができる。配線電極38を形成することは、少なくとも1つの活性はんだパッド61Aを形成することを含むことができる。配線電極38を形成することは、可視X線不透過性マーカとして機能することができる少なくとも1つの不活性はんだパッド61Bを形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、配線電極38を形成することは、第2の部分92Bと、第1の部分92Aにおける1つ又は2つ以上の排除ゾーン59と、を覆わない一方、1つ又は2つ以上のはんだパッドで、第2の導電層92の第1の部分92Aにおける細長の本体の形体を覆うことと、覆われない1つ又は2つ以上の排除ゾーン59における第2の導電層92Bを化学エッチングで除去し、基板34の内側表面37から第2の部分92Bを化学エッチングで除去することと、を含む。
【0060】
4)
図8A及び
図9Aに示すように、基板34において、1つ又は2つ以上のブラインドビア48を提供するための1つ又は2つ以上の貫通孔55を形成し、1つ又は2つ以上の灌注口35を形成すること。いくつかの実施形態では、貫通孔55及び/又は灌注口35を形成することは、コンタクト電極33の(
図10において破線で示される)外周トレース66内のある場所において、外側表面36に対向する方向から基板34を通って基板34の全厚みを通る深さまでレーザ穿孔することを含む。ブラインドビア48のための貫通孔55を形成する際、レーザ穿孔は、配線電極38を貫通することなく概ね行われる。
【0061】
5)
図9A及び
図9Bに示すように、追加導電層67を基板34及び配線電極38上のすべての露出した導電性表面に適用すること。いくつかの実施形態では、配線電極38が形成されている基板34は、金めっき浴に浸されて、配線電極38の細長の本体の露出した導電性表面並びに任意及びすべてのブラインドビア48の底面65を覆う金の層58Aを形成する。
【0062】
6)
図10、
図11A、
図12A、及び
図13に示すように、基板34の露出した外層36上にコンタクト電極33を形成すること。いくつかの実施形態では、コンタクト電極33を形成することは、(i)
図10に示すように、基板34の外側表面36上の(細長の本体40及びフィンガー部41を含む)魚の骨形の形体の外周トレース66の内部に第1の領域33Aを画定することと、(ii)
図11Bに示すように、基板34の外層36上の第1の領域33Aの外側の第2の領域33Bにフォトレジスト39を適用することと、(iii)
図11A及び
図11Bに示すように、少なくとも第1の領域33Aにおいて、基板34の外側表面36上にシード層45を適用することと、(iv)
図12A及び
図12Bに示すように、少なくともシード層45上に別の追加導電層68、例えば、金58Bを適用することと、(v)
図12A及び
図12Bに示すように、フォトレジスト上のシード層45及び導電層68の任意の部分と共に基板34からフォトレジスト39を除去することと、を含む。いくつかの実施形態では、フォトレジスト39を適用することは、基板34において形成された灌注口35を取り囲むコンタクト電極33の細長部分40における1つ又は2つ以上の排除ゾーン47にフォトレジスト39を適用することを含む。いくつかの実施形態では、シード層45を適用することは、1つ又は2つ以上のブラインドビア48の内側にシード層45をスパッタリングすることを含む。いくつかの実施形態では、導電層68を適用することは、1つ又は2つ以上のブラインドビア48の内側に導電層68をスパッタリングすることを含む。いくつかの実施形態では、ブラインドビアには、シード層45及び導電層68/58Bで覆われた傾斜又は先細りしている側壁69(
図12B参照)が形成されている。
【0063】
7)
図13A及び
図13Bに示すように、コンタクト電極33及び配線電極38を含む基板34上のすべての露出した導電性表面に更に別の導電層71を適用すること。いくつかの実施形態では、電極33及び38を含む基板34は、金めっき浴内に再び浸されて、電極33及び38並びにすべてのブラインドビア48の露出した導電性表面を覆う別の金の層58Cを形成する。いくつかの実施形態では、X線不透過性マーカ73が、配線電極38を覆う金の層58Cの上に塗布されるか、又は塗られる。例えば、タングステン及びエポキシを含む混合物が、配線電極38上の金の層58Cの上に塗られて、X線不透過性マーカとして機能することができる。
【0064】
8)
図6に示すように、バルーン80へ固着するためのフレックス回路電極アセンブリ84を調製すること。上述したアクション1~7は、バルーンの膜26に固着するためにその後調製することができるフレックス回路電極アセンブリ84を形成する際、基板34上に電極33及び38を形成する。いくつかの実施形態では、対線51/53は、活性はんだパッド61Aにはんだ付けされ、対線51/53は、熱電対として機能し、銅配線53は、今度はコンタクト電極33を活性化させる配線電極38にRFエネルギーを送達しているリード線として機能する。いくつかの実施形態では、基板34の周辺領域34Pは、バルーンの膜26へ電極アセンブリ84を固着させるための接着剤を受容するように構成された複数の目打ち線75が形成されている。
【0065】
9)
図6に示すように、フレックス回路電極アセンブリ84をバルーンの膜26に固着すること。いくつかの実施形態では、対線51/53は、膜26に形成された貫通孔29を通って送り込まれ、(図示しない)接着剤は、配線電極38を含む基板34の概ね全内側表面37に塗布されて、フレックス回路電極アセンブリ84を膜26に接着させる。
【0066】
本発明は、上述された実施形態より簡略化されたアクション及び/又は少ないアクションを有する他の実施形態を含むことを理解されたい。例えば、コンタクト電極を「魚の骨形」の形体に形成することは、バルーンの膜のすぐ上のシード層及び第2の追加導電層をスパッタリングすることを含んでもよく、ひいては、基板及び配線電極の使用を排除することとなる。当業者によって理解されるように、本明細書に記載されている構成において適切な配線が提供されてもよく、かつ/又は同様のブラインドビア、(コンタクト電極、基板、配線電極、コンタクト微小電極、及び/又は配線微小電極を通過する)全ビア、導電性トレースなどが提供されてもよい。それでもなお、かかるバルーンカテーテルは、本明細書に記載されているように、「魚の骨形」のコンタクト電極によってもたらされるすべての利益を提供すると考えられる。
【0067】
本発明の他の実施形態において、
図15Aに示すように、フレックス回路電極アセンブリ184は、コンタクト電極133及び配線電極138からそれぞれ物理的かつ電気的に分離された1つ又は2つ以上のコンタクト微小電極101及び配線微小電極102を含む。整列したコンタクト微小電極101及び配線電極102の対は、互いにブラインドビア148によって導電接続されている。1つ又は2つ以上の微小電極101及び102は、前述したアクションによって、それぞれの電極133及び138の形成と同時に形成される。図示された実施形態において、微小電極101及び102は、電極133及び138の長さに沿う中間点の近くに位置づけられ、微小電極101及び102は、バルーン80の赤道領域付近にあるが、これらは、電極133及び138に対して他の場所に位置することができることを理解されたい。微小電極101及び103は、独立して電極133及び138のインピーダンス、電気信号、及び/又は温度を検知するように構成され、1つ又は2つ以上のそれぞれの排除ゾーン103及び104によって、それぞれ物理的かつ電気的にコンタクト電極133及び配線電極138から分離している。
【0068】
配線微小電極102を形成するために、例えば、フォトレジストが、排除ゾーン103が形成されることとなる基板134の外側表面136に適用される。図示された実施形態において、
図15Bに示すように、配線微小電極102は、配線電極138の細長の本体において形成された一致する凹部108内に突出する凸部107が形成される。凸部107と凹部108との間にわたって、排除ゾーン104は、配線電極138と配線微小電極102との間に一致する形体となる。
【0069】
コンタクト微小電極101に関して、これらは、コンタクト微小電極101の形体の基板134の内側表面137に(図示しない)第2の導電層192を適切に覆うことによって形成される。図示された実施形態において、
図15Cに示すように、コンタクト微小電極101は、コンタクト電極133の細長部分140において形成された凹部106の中へ突出する凸部105で覆われている。凸部105と凹部106との間にわたって、排除ゾーン103は、コンタクト電極133及び電極133とコンタクト微小電極101との間に一致する形体となる。
【0070】
凸部105及び107により、物理的かつ電気的分離を維持する一方、微小電極101及び102は、コンタクト電極133及び配線電極138にできるだけ近接し、組織接触部位にできるだけ近接することができる。
【0071】
対線151/153は、活性はんだパッド161Aにはんだ付けされる。リード線(例えば、銅配線)109は、それぞれの配線微小電極102にはんだ付けされる。配線151、153、及び109は、バルーンの膜126において形成される貫通孔129を通って延在するリボンケーブル110の一部である。
【0072】
配線電極138は、第1のすなわち遠位の細長部分138A及び第2のすなわち近位の細長部分138Bを含む「分割された」電極として示されている。第2の配線電極部分138Bは、例えば、「第1の」配線電極などの特定の配線電極のX線透視下及び/又はバルーン180の周囲の次の番の配線電極に向かう方向のX線透視下の視覚的表示体としての一方の外側の拡大部分112によりX線不透過性マーカとして機能することができる。第2の配線電極部分138Bはまた、活性であり得、それぞれのリード線が接続されて、第2の配線電極部分にRFエネルギーを送達する。しかしながら、後者に関して、いくつかの実施形態では、複数の活性配線電極(又は活性分割配線電極部分)は、通常のコンスタンタン配線を共有しながら、それ自身の銅配線をそれぞれ有することができることを理解されたい。任意の事例において、かかる対線は、RF活性化機能及び温度検知機能の両方を提供することができる。
【0073】
コンタクト電極133に関して、これは、分割された配線電極部分138A及び138Bに対応して、
図17に示すようにコンタクト電極部分133A及び133Bに分割することができ、コンタクト電極部分133Aは、ブラインドビア148Aによって配線電極部分138Aに導電接続され、コンタクト電極部分133Bは、ブラインドビア148Bによって配線電極部分138Bに導電接続される。
【0074】
微小電極101及び102はまた、(任意の好適な形状及びサイズの)「アイランド形」として形成することができ、それぞれは、
図16A、
図16B、及び
図17に示すように、排除ゾーン106及び107によってその全体が取り囲まれ、電極133及び138(全電極部分又は分割電極部分)にそれぞれ形成されることを理解されたい。ブラインドビア148は、それぞれのコンタクト微小電極101において形成されて、その配線微小電極102と導電接続することができる。全ビア188は、その対線への導電接続としてそれぞれの配線微小電極102において形成することができ、これにより、微小電極101及び102は、アブレーション、電極電位、検知、インピーダンス検出及び又は温度検知を行うことができる。
【0075】
図18Aは、導電ビア481によって、コンスタンタン導体又は配線477に接続される銅導体又は配線476から形成される熱電対400を示す。配線476及び477は、基板424に埋め込まれた導線として形成される。ビア481はまた、基板の外側表面のコンタクト微小電極401に接続する。熱電対400を微小電極401に接続することによって、組織の温度も測定しながら、微小電極401に接触する組織からの電極電位信号を取得することができる。あるいは、例えば、コンタクト電極433がアブレーションのために使用されるケースにおいて、微小電極401に接触する組織の温度は、微小電極401からの電極電位信号を取得することなく測定することができる。
【0076】
図18Bに示すように、配線476及び477は、近位テール部31Pの領域、例えば、その先端付近の微小電極401から離れて位置する、はんだパッド463a及び463bにおいてそれぞれ出ていく。はんだパッド463aとはんだパッド463bとの間の電位は、コンソール15(
図1)における温度モジュール52に対する信号を含み、モジュールは、信号を使用して、微小電極401の場所において熱電対400によって測定された温度を定式化する。更に、銅配線476に接続されたはんだパッド463a及び/又はコンスタンタン配線477に接続されたはんだパッド463bを使用して、はんだパッドがビア481によって接続される微小電極401上に形成された電極電位を取得することができる。コンソール15(
図1)のECGモジュール56は、典型的には、はんだパッド463a及び/又は463b由来の信号を受信し、信号を解析して、微小電極401における電極電位を導き出す。
【0077】
はんだパッド463cは、基板434の中に埋め込まれた他の導線を介して、コンタクト電極433に接続し、はんだパッド463cを使用して、コンソール15(
図1)のアブレーションモジュール54によって生成された電磁RFアブレーションエネルギーをコンタクト電極433に転送することができる。
図18Bに示すように、はんだパッド463c、463a、及び463bは、コンタクト電極433、微小電極401、及び熱電対400に接続する3つのはんだパッド463G(1)の組としてグループ化され得る。3つのパッド463G(i)の組は、コンタクト電極、微小電極、及び熱電対の組に接続することができる。とりわけ、少なくともはんだパッド463a及び463bの場所は、有利なことに、温度が測定される場所から離れ、はんだパッド463a及び463bに埋め込まれた嵩高性は組織の接触が生じる微小電極401の場所で一切避けることができる。
【0078】
図15に示すように、灌注口127は、バルーンの膜126に形成され、灌注口135は、基板134に形成され、排除ゾーン147は、コンタクト電極133に形成され、排除ゾーン159は、配線電極138に形成される。
【0079】
いくつかの実施形態では、基板34、134(例えば、ポリイミド)は、約25.0マイクロメートルの厚さを有する。配線電極38、138は、約2.0マイクロメートルの厚さを有する銅の内層と、約1.0~50マイクロメートル、好ましくは、約2.75マイクロメートル~37マイクロメートルの範囲に及ぶ厚さを有する金の外層と、を含み、金の厚さは、所望の又は適切な放射線不透過性の大きさに依存する。コンタクト電極33、133は、約0.01~0.05マイクロメートルの厚さを有するシード層と、約1.0マイクロメートルの厚さを有する金の外層と、を含む。膜は、製造方法により不均一な厚さを有する場合があることが理解されるように、バルーンの膜26、126は、約25.0マイクロメートルの平均厚さを有することができる。
【0080】
動作中、対線51/53は、コントロールハンドル及びカテーテルシャフトを介して、コンソール15(
図1)のアブレーションモジュール54によって提供されたRFエネルギーを、配線電極38へ伝導し、次にブラインドビア48を通ってコンタクト電極33を活性化させる。
【0081】
バルーン80が(10個のコンタクト電極を提供する)10個のリーフを有するフレックス回路電極アセンブリを含むいくつかの実施形態では、10個の機能的に十分な損傷部位は、コンタクト電極33のそれぞれによって25WのRF電力を同時に、すなわち、合計250W、10秒未満の間放電することによって生成することができる。短時間で高出力を使用、すなわち、電力の「パルス」を有効に使用することによって、損傷部位を生成することによって、アブレーションされている部位からの熱放散が最小化される。言い換えれば、短時間のアブレーションにより、熱エネルギーを部位に集中させることができ、部位から移動するエネルギーを少なくすることができる。
【0082】
他の実施形態において、それぞれのコンタクト電極に供給される好適な電力の範囲は、10秒間に約15~25Wから60秒間に10~20Wを含む。他の実施形態において、それぞれのコンタクト電極に供給される電力は、10秒未満の間に25W以上である。
【0083】
上記の説明は、現時点における本発明の好ましい実施形態を参照して示したものである。本発明が属する当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を有意に逸脱することなく、説明された構造に改変及び変更が実施されてもよいことを理解するであろう。一実施形態に開示される任意の特徴又は構造は、必要に応じて又は適宜、他の任意の実施形態の他の特徴の代わりに又はそれに加えて援用することができる。当業者には理解されるように、図面は必ずしも縮尺通りではない。更に、上述されたアクションは、所望に応じて又は適宜、他の順序にて行われる必要が有ることを理解されたい。したがって、上記の説明は、添付図面に記載及び例示される精密な構造のみに関連するものとして読まれるべきではなく、むしろ以下の最も完全で公正な範囲を有するとされる特許請求の範囲と一致し、かつそれらを補助するものとして読まれるべきである。
【0084】
〔実施の態様〕
(1) 小口における使用のために適合された電気生理学的カテーテルであって、
膜を有するバルーンであって、該バルーンは、長手方向軸線を画定する遠位端及び近位端を有する、バルーンと、
該膜の上に支持されたコンタクト電極であって、該コンタクト電極は、該小口と接触するように構成され、該コンタクト電極は、長手方向細長部分及び複数の横断方向フィンガー部を有する魚の骨形の形体を有する、コンタクト電極と、を備える、電気生理学的カテーテル。
(2) 前記横断方向フィンガー部のうち少なくとも2つは異なる長さを有する、実施態様1に記載の電気生理学的カテーテル。
(3) 前記コンタクト電極は、より長いフィンガー部及びより短いフィンガー部を有し、該より長いフィンガー部は、前記バルーンの赤道領域付近に据えられている、実施態様1に記載の電気生理学的カテーテル。
(4) 前記複数のフィンガー部は、遠位フィンガー部と、近位フィンガー部と、中間フィンガー部と、を含み、該中間フィンガー部のそれぞれは、より短い隣接するフィンガー部を有する、実施態様1に記載の電気生理学的カテーテル。
(5) 前記細長部分の幅は、それぞれのフィンガー部の幅より大きい、実施態様1に記載の電気生理学的カテーテル。
【0085】
(6) 前記複数のフィンガー部は、前記細長部分に沿って概ね等間隔に配置されている、実施態様1に記載の電気生理学的カテーテル。
(7) 前記複数のフィンガー部は、概ね均一な幅を有する、実施態様1に記載の電気生理学的カテーテル。
(8) 前記コンタクト電極は、金を含む、実施態様1に記載の電気生理学的カテーテル。
(9) 前記コンタクト電極は、前記金の下にシード層を備える、実施態様8に記載の電気生理学的カテーテル。
(10) 前記バルーンの膜の上に概ね均等に放射状に分配された複数のコンタクト電極を更に備える、実施態様1に記載の電気生理学的カテーテル。
【0086】
(11) 電気生理学的カテーテルであって、
膜を有するバルーンと、
該膜の上のフレックス回路電極アセンブリであって、
第1の表面及び第2の表面を有する基板と、
該第1の表面上のコンタクト電極と、
該第2の表面上の配線電極と、
該基板を通って延在し、該コンタクト電極と該配線電極とを導電接続するように適合された、導電性ビアと、を有する、フレックス回路電極アセンブリと、を備える、電気生理学的カテーテル。
(12) 前記基板は、第1の灌注口を備え、前記膜は、該第1の灌注口と整列する第2の灌注口を備える、実施態様11に記載の電気生理学的カテーテル。
(13) 前記コンタクト電極は、前記第1の灌注口を取り囲む排除ゾーンを備える、実施態様12に記載の電気生理学的カテーテル。
(14) 前記配線電極は、前記第1の灌注口を取り囲む排除ゾーンを備える、実施態様12に記載の電気生理学的カテーテル。
(15) 前記コンタクト電極は、細長部分及び複数の横断方向フィンガー部を有する、実施態様11に記載の電気生理学的カテーテル。
【0087】
(16) 前記配線電極は、前記細長部分と長手方向に整列する細長の本体を有する、実施態様15に記載の電気生理学的カテーテル。
(17) 前記配線電極は、はんだパッドを備える、実施態様11に記載の電気生理学的カテーテル。
(18) 前記フレックス回路電極アセンブリは、前記はんだパッドに導電接続された対線を備える、実施態様17に記載の電気生理学的カテーテル。
(19) 前記フレックス回路電極は、
コンタクト微小電極と、
配線微小電極と、
該コンタクト微小電極と前記配線電極とを導電接続するように構成された導電性ビアと、を備える、実施態様11に記載の電気生理学的カテーテル。
(20) 前記フレックス回路電極は、前記コンタクト電極及び前記配線電極から物理的かつ電気的に前記微小電極を分離させるように構成された少なくとも1つの排除ゾーンを備える、実施態様19に記載の電気生理学的カテーテル。