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特許7066368レーザ加工機の制御装置、レーザ加工方法、及びレーザ加工機
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  • 特許-レーザ加工機の制御装置、レーザ加工方法、及びレーザ加工機 図1
  • 特許-レーザ加工機の制御装置、レーザ加工方法、及びレーザ加工機 図2
  • 特許-レーザ加工機の制御装置、レーザ加工方法、及びレーザ加工機 図3
  • 特許-レーザ加工機の制御装置、レーザ加工方法、及びレーザ加工機 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】レーザ加工機の制御装置、レーザ加工方法、及びレーザ加工機
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20220506BHJP
   B23K 26/082 20140101ALI20220506BHJP
【FI】
B23K26/00 M
B23K26/082
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017204857
(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2019076919
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】石原 裕
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-358550(JP,A)
【文献】特開2010-099674(JP,A)
【文献】特開2011-056521(JP,A)
【文献】特表2011-519312(JP,A)
【文献】特開平01-095889(JP,A)
【文献】国際公開第2015/198398(WO,A1)
【文献】特開2016-172282(JP,A)
【文献】特開2006-263810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源から出力されたパルスレーザビームを走査することにより、加工対象物の表面におけるパルスレーザビームの入射位置を移動させるビーム走査器を有するレーザ加工機を制御する制御装置であって、
前記レーザ光源からのパルスレーザビームの出力タイミングを制御する機能、
パルスレーザビームを入射させる目標位置を前記ビーム走査器に指令する機能、及び
実際の加工時のパルス周波数に基づいて前記レーザ光源を制御し、評価用試料のキャリブレーション用の複数の箇所を目標位置として前記ビーム走査器を制御してキャリブレーション用の複数の箇所にパルスレーザビームを入射させ、キャリブレーション用の複数の箇所の目標位置とパルスレーザビームの入射位置とに基づいて前記ビーム走査器のキャリブレーションを行う機能を持つレーザ加工機の制御装置。
【請求項2】
さらに、加工対象物の表面を撮像する撮像装置を有し、
パルスレーザビームの入射後の前記評価用試料の表面を前記撮像装置で撮像して得られた画像データを解析して、パルスレーザビームの入射位置情報を取得す請求項1に記載のレーザ加工機の制御装置。
【請求項3】
さらに、前記レーザ光源のパルスレーザビームの出口の結像点からずれた位置に加工対象物の表面が位置する状態で前記レーザ光源及び前記ビーム走査器を制御する機能を有する請求項1または2に記載のレーザ加工機の制御装置。
【請求項4】
前記レーザ光源からパルスレーザビームを出力させないで、加工対象物の複数の被加工点に順番にパルスレーザビームが入射するように前記ビーム走査器を動作させて、実際の加工時のパルスレーザビームのパルス周波数に関する情報を取得する機能を、さらに有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザ加工機の制御装置。
【請求項5】
レーザ光源から出力されたパルスレーザビームをビーム走査器で走査して、加工対象物の表面の複数の被加工点に順番に入射させて加工を行うレーザ加工方法であって、
実際の加工時のパルス周波数に基づいて、パルスレーザビームを出力させながら、評価用試料のキャリブレーション用の複数の箇所を目標位置としてパルスレーザビームを入射させ、
前記目標位置と、実際のパルスレーザビームの入射位置に基づいて、前記ビーム走査器のキャリブレーションを行うレーザ加工方法。
【請求項6】
さらに、前記レーザ光源のパルスレーザビームの出口の結像点からずれた位置に加工対象物の表面が位置する状態で加工を行う請求項に記載のレーザ加工方法。
【請求項7】
パルスレーザビームを出力するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出力されたパルスレーザビームを走査することにより、加工対象物の表面におけるパルスレーザビームの入射位置を移動させるビーム走査器と、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御装置と
を有するレーザ加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工機の制御装置、レーザ加工方法、及びレーザ加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
ビーム走査器及び集光レンズを経由して加工対象物にパルスレーザビームを入射させて加工を行うレーザ加工機が公知である(例えば、特許文献1)。加工対象物の目標とする位置にパルスレーザビームを入射させるために、実際の加工前にビーム走査器のキャリブレーションを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-66300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビーム走査器のキャリブレーションを行ったにもかかわらず、実際にパルスレーザビームが入射した位置が目標とする位置からずれる現象が生じる場合があることが判明した。本発明の目的は、ビーム走査器のキャリブレーション後のレーザビームの入射位置と、目標とする入射位置とのずれを小さくすることが可能なレーザ加工機の制御装置、レーザ加工方法、及びレーザ加工機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によると、
レーザ光源から出力されたパルスレーザビームを走査することにより、加工対象物の表面におけるパルスレーザビームの入射位置を移動させるビーム走査器を有するレーザ加工機を制御する制御装置であって、
前記レーザ光源からのパルスレーザビームの出力タイミングを制御する機能、
パルスレーザビームを入射させる目標位置を前記ビーム走査器に指令する機能、及び
実際の加工時のパルス周波数に基づいて前記レーザ光源を制御し、評価用試料のキャリブレーション用の複数の箇所を目標位置として前記ビーム走査器を制御してキャリブレーション用の複数の箇所にパルスレーザビームを入射させ、キャリブレーション用の複数の箇所の目標位置とパルスレーザビームの入射位置とに基づいて前記ビーム走査器のキャリブレーションを行う機能を持つレーザ加工機の制御装置が提供される。
【0006】
本発明の他の観点によると、
レーザ光源から出力されたパルスレーザビームをビーム走査器で走査して、加工対象物の表面の複数の被加工点に順番に入射させて加工を行うレーザ加工方法であって、
実際の加工時のパルス周波数に基づいて、パルスレーザビームを出力させながら、評価用試料のキャリブレーション用の複数の箇所を目標位置としてパルスレーザビームを入射させ、
前記目標位置と、実際のパルスレーザビームの入射位置に基づいて、前記ビーム走査器のキャリブレーションを行うレーザ加工方法が提供される。
【0007】
本発明のさらに他の観点によると、
パルスレーザビームを出力するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出力されたパルスレーザビームを走査することにより、加工対象物の表面におけるパルスレーザビームの入射位置を移動させるビーム走査器と、
上記制御装置と
を有するレーザ加工機が提供される。
【発明の効果】
【0008】
ビーム走査器のキャリブレーション後のレーザビームの入射位置と、目標とする入射位置とのずれを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例によるレーザ加工機の概略図である。
図2図2は、レーザ光源から加工対象物までの光路を示す模式図である。
図3図3は、加工対象物の模式的な平面図である。
図4図4は、実施例によるレーザ加工機を用いたレーザ加工方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、実施例によるレーザ加工機について説明する。
図1は、実施例によるレーザ加工機の概略図である。レーザ光源10がパルスレーザビームを出力する。レーザ光源10として、例えば炭酸ガスレーザ発振器を用いることができる。レーザ光源10から出力されたパルスレーザビームが音響光学素子(AOM)11、ミラー12、ビーム走査器13、及び集光レンズ14を経由して、ステージ17に保持された加工対象物30に入射する。
【0011】
AOM11は、制御装置20からの指令により、レーザ光源10から出力されたパルスレーザビームのレーザパルスから、加工に用いる一部分を切り出す。切り出されたレーザパルスは加工対象物30に向かい、残りのパルスレーザビームはビームダンパ15に入射する。
【0012】
ビーム走査器13は、制御装置20からの指令を受け、レーザビームを二次元方向に走査することにより、加工対象物30の表面におけるパルスレーザビームの入射位置を移動させる。ビーム走査器13として、例えば一対のガルバノミラーを有するガルバノスキャナを用いることができる。
【0013】
集光レンズ14は、ビーム走査器13によって走査されたパルスレーザビームを加工対象物30の表面(被加工面)に集光させる。集光レンズ14として、例えばfθレンズを用いることができる。
【0014】
ステージ17は、制御装置20からの指令を受けて、加工対象物30を、その表面に平行な二次元方向に移動させる。ステージ17として、例えばXYステージを用いることができる。
【0015】
ステージ17の上方に撮像装置16が配置されている。撮像装置16は、ステージ17に保持された加工対象物30または評価用試料の表面を撮像し、画像データを生成する。撮像装置16で生成された画像データが制御装置20に読み込まれる。
【0016】
制御装置20は、レーザ光源10からのパルスレーザビームの出力タイミングを制御する機能を持つ。さらに、制御装置20は、パルスレーザビームを入射させる目標位置をビーム走査器13に指令する機能を持つ。さらに、制御装置20は、撮像装置16で取得された画像データを解析することにより、パルスレーザビームの入射位置を検出し、検出結果に基づいてビーム走査器13のキャリブレーションを行う機能を持つ。
【0017】
記憶装置21に、レーザ加工に必要な情報、例えば加工対象物30の被加工点の位置情報、加工順序情報、ビーム走査器13のキャリブレーション結果の情報等が記憶される。
【0018】
なお、レーザ光源10から加工対象物30までのパルスレーザビームの光路には、必要に応じてレンズ系、アパーチャ等が配置される場合がある。
【0019】
次に、図2を参照して実施例によるレーザ加工機のレーザ光源10から加工対象物30までの光路について説明する。図2では、レーザ光源10から加工対象物30までの光路に配置される光学系を1枚の仮想的なレンズ35で代表させている。仮想的なレンズ35は、レーザ光源10の出口10Aを結像点Piに結像させる。なお、レーザ光源10から加工対象物30までの光学系の光軸上に、出口10Aの像点が形成される場合があるが、この場合にも、最終的には出口10Aが結像点Piに結像される。また、像点の位置にアパーチャが配置される場合もある。
【0020】
加工対象物30の表面が、結像点Piから光学系の光軸方向(図1において高さ方向)にずれた位置に配置された状態で、ステージ17(図1)が加工対象物30を保持する。例えば、ステージ17が昇降機能を有し、制御装置20がステージ17を制御することにより、このようなずれた状態を実現する。結像点Piからずれた位置に加工対象物30の表面を配置すると、加工対象物30の表面においてビームスポットをより小さく絞ることが可能になる。
【0021】
本願の発明者の検証実験により、レーザ光源10から出力されるパルスレーザビームのパルス周波数を変化させると、レーザビームの射出方向が変化する場合があることが判明した。レーザビームの射出方向が変化しても、結像点Piの位置は不変である。結像点Piで加工を行う場合には、加工位置にずれは生じない。
【0022】
ところが、加工対象物30の表面を結像点Piからずれた位置に配置すると、射出方向の変動に応じてパルスレーザビームの入射位置が変動する。例えば、光路OP1を辿るパルスレーザビームは、加工対象物30の表面の点P1に入射し、光路OP2を辿るパルスレーザビームは、加工対象物30の表面の点P2に入射する。
【0023】
例えば、レーザビームが光路OP1を辿るときのパルス周波数でビーム走査器13のキャリブレーションを行い、光路OP2を辿るレーザビームで加工を行うと、加工時のパルスレーザビームの入射位置が目標位置からずれてしまう。
【0024】
次に、図3及び図4を参照して、実施例によるレーザ加工機を用いたレーザ加工方法について説明する。
【0025】
図3は、加工対象物30の模式的な平面図である。加工対象物30の表面に複数の単位走査領域31が画定されている。単位走査領域31の各々の内部に、複数の被加工点32が画定されている。加工対象物30を移動させることなく、ビーム走査器13(図1)を動作させることにより、1つの単位走査領域31内の任意の箇所にパルスレーザビームを入射させることができる。
【0026】
1つの単位走査領域31内の加工が終了すると、ステージ17を駆動して、未加工の単位走査領域31をビーム走査器13による走査可能な位置に移動させる。この処理を繰り返すことにより、すべての単位走査領域31の加工を行うことができる。
【0027】
図4は、実施例によるレーザ加工機を用いたレーザ加工方法のフローチャートである。まず、制御装置20が、実際の加工時のパルス周波数に関する情報を取得する(ステップS1)。以下、実際の加工時のパルス周波数に関する情報の取得方法について説明する。
【0028】
加工対象物30の表面に画定された複数の被加工点の位置情報、及び加工順の情報が記憶装置21に記憶されている。加工時には、1つの被加工点にパルスレーザビームを入射させた後、制御装置20がビーム走査器13に目標位置を指令し、次に加工すべき被加工点の位置にレーザビームの入射位置を移動させる。ビーム走査器13が整定した後、制御装置20がレーザ光源10に、パルスレーザビームの出力を指令する。1つの被加工点から次に加工すべき被加工点までの距離が長い場合には、ビーム走査器13が整定するまでの時間が長くなる。このため、パルスレーザビームのパルス間隔が長く(パルス周波数が低く)なる。
【0029】
制御装置20は、レーザ光源10からパルスレーザビームを出力させないで、パルスレーザビームの入射位置が、加工対象物30の複数の被加工点を順番に辿るようにビーム走査器13を動作させる。このとき、すべての被加工点について、ビーム走査器13が整定するまでの時間を計測する。レーザビームの入射位置が、単位走査領域31(図3)内のすべての被加工点を順番に辿った後、パルス周波数に関する情報を取得する。この処理を、すべての単位走査領域31に対して実行する。例えば、パルス周波数に関する情報には、各単位走査領域31の被加工点ごとのビーム走査器13の整定時間、整定後に被加工点にパルスレーザビームを入射させる時間(パルスレーザビームの出力指令から実際にパルスレーザビームが出力されるまでの遅延時間、パルス幅等)が含まれる。
【0030】
ステップS1の後、ステージ17に評価用試料を保持させ、評価用試料の表面を、加工時の加工対象物30の表面の高さに一致させる。制御装置20は、実際の加工時のパルス周波数に関する情報に基づいてパルス周波数を決定する。決定されたパルス周波数でレーザ光源10からパルスレーザビームを出力させて、キャリブレーション用の複数の箇所にパルスレーザビームを入射させる(ステップS2)。レーザパルスの出力時までにビーム走査器13の整定が間に合わない場合には、ビーム走査器13が整定されるまでレーザパルスをビームダンパ15(図1)に入射させる。
【0031】
評価用試料に入射させるパルスレーザビームのパルス周波数は、例えば、ステップS1で取得したすべての単位走査領域31を実際に加工するときのパルス周波数の最大値と最小値との間の周波数とするとよい。例えば、実際の加工時のパルス周波数の平均値、最頻値、中央値等の統計量とするとよい。
【0032】
ステップS2の後、制御装置20は、ステージ17を駆動して評価用試料を撮像装置16の画角内に配置し、評価用試料を撮像して画像データを取得する。この画像データを解析することにより、パルスレーザビームの入射位置を検出し、入射位置情報を取得する(ステップS3)。
【0033】
ステップS3の後、制御装置20は、ステップS3で取得されたパルスレーザビームの入射位置情報と、ビーム走査器13への目標位置の指令値とに基づいて、ビーム走査器13のキャリブレーションを行う(ステップS4)。キャリブレーション結果を記憶装置21に記憶させる。
【0034】
ステップS4の後、加工対象物30をステージ17に保持させ、実際の加工を行う(ステップS5)。すべての加工対象物30の加工が終了するまで、ステップS5を繰り返す(ステップS6)。
【0035】
次に、実施例によるレーザ加工機の持つ優れた効果について説明する。
本実施例では、実際の加工時のパルス周波数に基づいて、キャリブレーション時のパルス周波数を決定するため、キャリブレーションの精度を高めることができる。これにより、加工時のレーザビームの入射位置の位置ずれを小さくすることができる。
【0036】
次に、上記実施例の変形例について説明する。
上記実施例では、ステップS1(図4)において、実際の加工時におけるビーム走査器13の動作に基づいて、加工時のパルス周波数に関する情報を取得した。その他の方法として、加工時のパルス周波数を固定しておき、一定のパルス周波数で加工を行ってもよい。レーザパルスの出力時までにビーム走査器13の整定が間に合わない場合には、ビーム走査器13が整定されるまでの期間に出力されたレーザパルスはビームダンパ15(図1)に入射させる。ステップS2において評価用試料に入射させるパルスレーザビームのパルス周波数は、実際に加工するときの固定されたパルス周波数に一致させるとよい。
【0037】
また、上記実施例では、加工対象物30内のすべての単位走査領域31(図3)を加工するときのパルス周波数の統計量を、キャリブレーション時のパルス周波数とした。複数の単位走査領域31で被加工点の分布密度に大きな差がある場合には、実際の加工時のパルス周波数の統計量が、単位走査領域31ごとに大きくばらつくことになる。このような場合には、単位走査領域31ごとにビーム走査器13のキャリブレーションを行うとよい。キャリブレーション結果は、単位走査領域31ごとに記憶装置21に記憶させる。単位走査領域31の加工を行う場合には、その単位走査領域31のキャリブレーション結果を用いてビーム走査器13を駆動するとよい。
【0038】
上記実施例では、加工対象物30の表面を結像点Pi(図2)からずれた位置に配置して加工を行ったが、加工対象物30の表面を結像点Pi(図2)からずらさないで加工を行う場合にも効果が得られる。例えば、結像点Piの位置がずれない場合でも、結像点Piに至る光路が変動すると、光強度の減衰率が変化する場合がある。本実施例による方法でビーム走査器13のキャリブレーションを行うと、パルスレーザビームの光路がほぼ固定されるため、光強度の変動を抑制し、かつキャリブレーション時の位置検出結果の安定性を向上させることができる。
【0039】
上記実施例及び変形例は例示であり、実施例及び変形例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。実施例及び変形例の同様の構成による同様の作用効果については実施例及び変形例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例及び変形例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0040】
10 レーザ光源
10A レーザの出口
11 音響光学素子(AOM)
12 ミラー
13 ビーム走査器
14 集光レンズ
15 ビームダンパ
16 撮像装置
17 ステージ
20 制御装置
21 記憶装置
30 加工対象物
31 単位走査領域
32 被加工点
35 仮想的なレンズ
図1
図2
図3
図4