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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20220506BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20220506BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/1345
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018027937
(22)【出願日】2018-02-20
(65)【公開番号】P2019144386
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾関 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】上島 誠司
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 靖尚
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-058913(JP,A)
【文献】特開2008-032899(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0108483(US,A1)
【文献】中国実用新案第205427390(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343
G02F 1/1368
G02F 1/1345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
画像を表示する表示領域において前記基板の上に設けられ、中継電極を有するスイッチング素子と、
前記表示領域の外側の非表示領域において前記基板の上に設けられた電位供給線と、
前記スイッチング素子及び前記電位供給線の上に設けられた有機絶縁膜と、
前記表示領域及び前記非表示領域において前記有機絶縁膜の上に設けられるとともに、前記非表示領域で前記電位供給線に重なる第2端部を有する第1電極と、
前記第1電極の上に設けられ、第1厚さを有する第1絶縁膜と、
前記表示領域において前記第1絶縁膜の上に設けられ、前記中継電極に接続された第2電極と、
前記第2電極の上に設けられ、第2厚さを有する第2絶縁膜と、
前記表示領域及び前記非表示領域において前記第2絶縁膜の上に設けられるとともに、前記第2端部に重なり、且つ、前記第1電極と同電位の第3電極と、
を備え、
前記有機絶縁膜は、前記第2端部と重なり前記電位供給線まで貫通した第1貫通孔を有し、
前記第1電極及び前記第3電極は、前記第1貫通孔内で前記電位供給線と接続されている、表示装置。
【請求項2】
前記第2厚さは、前記第1厚さより大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2厚さは、前記第1厚さの2倍以上である、請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記電位供給線は、平面視で、前記第2電極を囲み、
前記第1電極と前記第3電極とは、平面視で、前記電位供給線と重なっている、請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1電極は、前記表示領域において間隔を置いて並び、
前記有機絶縁膜は、平面視で隣り合う前記第1電極の間に設けられた第3貫通孔を有し、
前記第2電極は、前記第3貫通孔内で、前記中継電極と接続されている、請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2絶縁膜は、前記第2電極を覆う第1層と、前記第1層の上に位置する第2層と、前記第1層と前記第2層との間に位置し、前記第3貫通孔と重なる第3層と、を含んでいる、請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1層と前記第2層とは、無機絶縁材料によって形成され、
前記第3層は、有機絶縁材料によって形成されている、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1電極は、第1方向に沿って延出し、前記非表示領域の前記第2端部の反対側で前記電位供給線に重なる第3端部を有している、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第3電極は、前記非表示領域において前記第3端部に重なっている、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記有機絶縁膜は、前記第3端部と重なり前記電位供給線まで貫通した第2貫通孔を有し、
前記第1電極及び前記第3電極は、前記第2貫通孔内で前記電位供給線と接続されている、請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置において、絶縁層を挟んで対向した共通電極と画素電極とは、液晶に印加される信号電位を保持するための容量を形成している。近年、液晶表示装置の高精細化に伴い、画素電極の面積が小さくなっている。このため、各画素において、共通電極と画素電極との間で十分な容量を形成することが困難となっている。また、画素電極の微細化に伴い、画素電極の面積のばらつきに起因した容量のばらつきが無視できなくなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-58913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、高精細化に伴う表示品質の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、
基板と、前記基板の上に設けられ、中継電極を有するスイッチング素子と、前記スイッチング素子の上に設けられた第1電極と、前記第1電極の上に設けられ、第1厚さを有する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に設けられた第2電極と、前記第2電極の上に設けられ、第2厚さを有する第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜の上に設けられ、前記第1電極と同電位の第3電極と、を備え、前記第2厚さは、前記第1厚さより大きい、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の基本構成及び等価回路を示す平面図である。
図2図2は、図1に示すスイッチング素子SWの構成例を示す平面図である。
図3図3は、図2に示すA-A’線に沿った断面図である。
図4図4は、図3に示す第1電極E1の構成例を示す平面図である。
図5図5は、図3に示す第2電極E2の構成例を示す平面図である。
図6図6は、図3に示す第3電極E3の構成例を示す平面図である。
図7図7は、図1に示す電位供給線6と、第1電極E1、第2電極E2、及び第3電極E3の配置例を示す平面図である。
図8図8は、図7に示すB-B’線に沿った断面図である。
図9図9は、第1実施形態の第1変形例を示す平面図である。
図10図10は、第1実施形態の第2変形例を示す平面図である。
図11図11は、第1実施形態の第3変形例を示す平面図である。
図12図12は、第1実施形態の第3変形例における第2電極E2を示す平面図である。
図13図13は、第1実施形態の第3変形例における第3電極E3を示す平面図である。
図14図14は、第1実施形態の第4変形例を示す断面図である。
図15図15は、第2実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
図16図16は、図15に示す第1電極E1の構成例を示す平面図である。
図17図17は、図15に示す第2電極E2の構成例を示す平面図である。
図18図18は、図15に示す第3電極E3の構成例を示す平面図である。
図19図19は、図1に示す電位供給線6と、第1電極E1、第2電極E2、及び第3電極E3の配置例を示す平面図である。
図20図20は、図19に示すC-C’線に沿った断面図である。
図21図21は、第2実施形態の第1変形例を示す平面図である。
図22図22は、第2実施形態の第2変形例を示す平面図である。
図23図23は、第2実施形態の第3変形例を示す平面図である。
図24図24は、第2実施形態の第3変形例における第1電極E1を示す平面図である。
図25図25は、第2実施形態の第3変形例における第3電極E2を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る表示装置1の基本構成及び等価回路を示す平面図である。図に示す第1方向X及び第2方向Yは、互いに交差し、第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yと交差している。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を「上」と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を「下」と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置1を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0009】
表示装置1は、表示パネル2を備えている。表示パネル2は、一例では液晶表示パネルである。図示した例では、表示パネル2は、略長方形状であり、第1方向Xに沿って延出した端部2Xa及び2Xbと、第2方向Yに沿って延出した端部2Ya及び2Ybとを有している。表示パネル2は、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び液晶層LCを備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2とは、互いに対向し、シールによって貼り合わされている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に挟持され、表示素子として機能する。表示パネル2は、第1基板SUB1が第2基板SUB2よりも延出した実装部201を有している。図示した例では、実装部201は、端部2Xaに沿って形成されている。
【0010】
表示パネル2は、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの外側に位置する非表示領域NDAとを有している。表示領域DAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する領域に位置し、液晶層LCが設けられた領域に相当する。非表示領域NDAは、図示した例では、表示領域DAを囲む額縁状に形成されている。
【0011】
表示パネル2は、表示領域DAにおいて、複数の走査線Gと、複数の信号線Sとを備えている。図示した例では、走査線Gは、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔を置いて並んでいる。信号線Sは、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って間隔を置いて並んでいる。また、表示パネル2は、走査線Gと信号線Sとの交差部近傍に画素PXを備えている。ここで、画素PXとは、画像信号に対して個別に制御できる最小単位に相当する。図示した例では、画素PXは、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に配置されている。
【0012】
画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、及び液晶層LCを備えている。スイッチング素子SWは、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。信号線Sに供給される信号電位は、スイッチング素子SWを介して画素電極PEに供給される。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置されている。液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界に応じて駆動される。本実施形態において、表示領域DAは、画素電極PEが配置された領域に相当する。
【0013】
表示パネル2は、非表示領域NDAにおいて、電位供給線6を備えている。図示した例では、電位供給線6は、略長方形の環状に形成され、表示領域DAを囲んでいる。換言すると、電位供給線6は、すべての画素電極PEを囲んでいる。電位供給線6には、実装部201に形成された端子部TE1及びTE2を介して、共通電位が供給される。本実施形態において、共通電極CEは、非表示領域NDAまで延出し、非表示領域NDAにおいて電位供給線6に接続されている。図示した例では、共通電極CEは、第1方向Xに沿って延出している。なお、電位供給線6は、表示領域DAの一部を包囲しない構成、例えば表示領域DAの下辺部(端部2Xa側の辺部)には沿わず、残りの3辺にのみ沿って設けられる構成も採用可能である。
【0014】
また、表示パネル2は、非表示領域NDAにおいて、ソースドライバ3、ゲートドライバ4a及び4b、ドライバIC5などを備えている。ソースドライバ3、ゲートドライバ4a及び4b、及びドライバIC5は、電位供給線6よりも外側に位置している。一例では、ソースドライバ3は、実装部201と電位供給線6との間に設けられている。ゲートドライバ4aは、端部2Yaと電位供給線6との間に設けられている。ゲートドライバ4bは、端部2Ybと電位供給線6との間に設けられている。信号線Sは、非表示領域NDAまで延出し、ソースドライバ3に接続されている。走査線Gは、非表示領域NDAまで延出し、ゲートドライバ4a及び4bに接続されている。ドライバIC5は、実装部201に実装されている。ドライバIC5は、ソースドライバ3、ゲートドライバ4a及び4bを制御する。
【0015】
図2は、図1に示すスイッチング素子SWの構成例を示す平面図である。スイッチング素子SWは、一例では、ダブルゲート型の薄膜トランジスタである。スイッチング素子SWは、半導体層SC、ゲート電極GE1及びGE2、中継電極RE、などを備えている。
【0016】
半導体層SCは、第1部分SC1、第2部分SC2、及び第3部分SC3を有している。第1部分SC1は、信号線Sの直下に位置している。第1部分SC1は、第2方向Yに沿って延出し、走査線Gと交差している。第2部分SC2は、隣り合う信号線Sの間に位置している。第2部分SC2は、第2方向Yに沿って延出し、走査線Gと交差している。第3部分SC3は、第1方向Xに沿って延出し、第1部分SC1と第2部分SC2とを繋いでいる。なお、第2部分SC2の一部と第3部分とは、当該スイッチング素子SWに対応する画素PXと第2方向Yに隣り合う画素PXに位置している。
【0017】
半導体層SCは、コンタクトホールCH1において、信号線Sと接続されている。信号線Sは、スイッチング素子SWの例えばソース電極として機能する。また、半導体層SCは、コンタクトホールCH2において中継電極REと接続されている。中継電極REは、スイッチング素子SWの例えばドレイン電極として機能する。ゲート電極GE1は、走査線Gのうち、第1部分SC1と重なる部分に相当する。ゲート電極GE2は、走査線Gのうち、第2部分SC2と重なる部分に相当する。
【0018】
図3は、図2に示すA-A’線に沿った断面図である。第1基板SUB1は、絶縁基板10、スイッチング素子SW、絶縁膜11乃至15、第1電極E1、第2電極E2、第3電極E3、配向膜AL1などを備えている。
【0019】
スイッチング素子SWは、図示した例では、ボトムゲート型の薄膜トランジスタである。スイッチング素子SWは、ゲート電極GE1及びGE2、半導体層SC、及び中継電極REを備えている。ゲート電極GE1及びGE2は、絶縁基板10の上に設けられ、絶縁膜11によって覆われている。半導体層SCは、絶縁膜11の上に設けられ、絶縁膜12によって覆われている。信号線Sと中継電極REとは、絶縁膜12の上に設けられ、絶縁膜(有機絶縁膜)13によって覆われている。信号線S及び中継電極REは、絶縁膜12を貫通するコンタクトホールCH1及びCH2において、半導体層SCとそれぞれ接している。
【0020】
半導体層SCは、例えば多結晶シリコンによって形成されている。ゲート電極GE1及びGE2、中継電極RE、及び信号線Sは、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成されている。ゲート電極GE1及びGE2、中継電極RE、及び信号線Sは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
【0021】
絶縁膜13は、中継電極REまで貫通したコンタクトホール(第3貫通孔)CH3を有している。第1電極E1は、コンタクトホールCH3の近傍を除き、絶縁膜13の上に形成されている。絶縁膜(第1絶縁膜)14は、第1電極E1を覆うとともに、絶縁膜13の上にも形成されている。絶縁膜14は、一部がコンタクトホールCH3内まで延在しているが、中継電極REの一部を露出している。第2電極E2は、絶縁膜14の上に形成されている。第2電極E2は、コンタクトホールCH3において、中継電極REと接している。これにより、信号線Sに供給される信号電位は、中継電極REを介して第2電極E2に供給される。
【0022】
絶縁膜(第2絶縁膜)15は、第2電極E2を覆っている。絶縁膜15は、コンタクトホールCH3内にも設けられている。図示した例では、絶縁膜15は、絶縁膜14の上にも形成されている。第3電極E3は、絶縁膜15の上に形成されている。一例では、第3電極E3は、複数の開口OPを有している。開口OPは、各々が第2電極E2と対向している。第3電極E3は、配向膜AL1によって覆われている。配向膜AL1は、開口OPにおいて絶縁膜15の上にも設けられている。
【0023】
絶縁膜11、12、14、及び15は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン等の無機絶縁材料によって形成されている。絶縁膜13は、例えばポリイミド等の有機絶縁材料によって形成されている。なお、絶縁膜14と絶縁膜15とは、有機絶縁材料によって形成されてもよい。本実施形態において、絶縁膜15の厚さ(第2厚さ)T15は、絶縁膜14の厚さ(第1厚さ)T14より大きい。一例では、厚さT15は、厚さT14の2倍以上である。
【0024】
第1電極E1、第2電極E2、及び第3電極E3は、例えばインジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
【0025】
本実施形態において、第1電極E1と第3電極E3とは同電位である。第2電極E2は、第1電極E1及び第3電極E2と異なる電位である。一例では、第1電極E1と第3電極E3には、共通電位が供給される。第2電極E2には、信号電位が供給される。すなわち、本実施形態において、第1電極E1及び第3電極E3は、図1に示す共通電極CEとして機能する。一方、第2電極E2は、図1に示す画素電極PEとして機能する。液晶層LCを駆動するためのフリンジ電界は、主に、絶縁膜15を介して対向する第2電極E2と第3電極E3とによって形成される。信号電位を保持するための容量は、絶縁膜15を介して対向する第2電極E2と第3電極E3とによって形成されることはもちろん、絶縁膜14を介して対向する第1電極E1と第2電極E2とによっても形成される。
【0026】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層21、カラーフィルタ層22、オーバーコート層23、及び配向膜AL2を備えている。遮光層21及びカラーフィルタ層22は、絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に設けられている。遮光層21は、例えば黒色に着色された樹脂によって形成されており、各画素PXを区画している。図示した例では、遮光層21は、信号線S、スイッチング素子SW、コンタクトホールCH3などと対向している。オーバーコート層23は、カラーフィルタ層22を覆っている。配向膜AL2は、オーバーコート層23を覆っている。
【0027】
以上のように形成された第1基板SUB1と第2基板SUB2とは、配向膜AL1と配向膜AL2とが対向するように配置される。配向膜AL1と配向膜AL2との間には、図示しないスペーサによって所定のセルギャップが形成される。液晶層LCは、このセルギャップ内に充填される。
【0028】
図4は、図3に示す第1電極E1の構成例を示す平面図である。第1電極E1は、第1方向Xに沿って並ぶ複数の画素PXと重なっている。より具体的には、第1電極E1は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔を置いて並んでいる。第1電極E1は、ほぼ一定の幅WE1を有する帯状に形成されている。幅WE1は、隣り合う走査線GのピッチP1より小さい。ここで、幅WE1及びピッチP1は、いずれも第2方向Yに沿って規定される。第1電極E1は、走査線G、信号線S、半導体層SC、及び中継電極REとそれぞれ部分的に重なっているが、コンタクトホールCH3とは重なっていない。すなわち、第1方向Xに沿って並ぶコンタクトホールCH3は、第2方向Yに沿って隣り合う第1電極E1の間に位置している。
【0029】
図5は、図3に示す第2電極E2の構成例を示す平面図である。第2電極E2は、画素PX毎に配置されている。すなわち、第2電極E2は、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に配置されている。第2電極E2は、少なくとも中継電極RE及びコンタクトホールCH3と重なっている。図示した例では、第2電極E2は、第2方向Yに沿った長辺を有する略長方形状であり、画素PXのほぼ全体に亘って形成されている。第2電極E2は、走査線Gの一部と重なっているが、信号線Sと重なっていない。すなわち、第2電極E2は、隣り合う信号線Sの間に配置されている。
【0030】
図6は、図3に示す第3電極E3の構成例を示す平面図である。第3電極E3は、第1方向X及び第2方向Yに沿って並ぶ複数の画素PXと重なっている。第3電極E3は、一例では、単一の部材で形成されている。第3電極E3は、各画素PXにおいて、複数の開口OPを有している。開口OPは、図5に示す第2電極E2と重畳する。開口OPは、隣り合う信号線Sの間、及び隣り合う走査線Gの間に位置し、第2方向Yに沿って間隔を置いて並んでいる。開口OPは、中継電極REと重なっていない。図示した例では、開口OPは、第1方向Xに沿った長辺を有する略長方形状である。開口OPを有しているため、第3電極E3と第2電極E2とが重畳する面積は、第1電極E1と第2電極E2とが重畳する面積より小さい。
【0031】
図7は、図1に示す電位供給線6と、第1電極E1、第2電極E2、及び第3電極E3の配置例を示す平面図である。ここでは、ソースドライバ3、ゲートドライバ4a及び4b、信号線S、走査線Gなどの図示を省略している。
【0032】
上述したように、電位供給線6は、表示領域DAの外側に位置している。すなわち、電位供給線6は、画素電極PEとして機能する第2電極E2よりも表示パネル2の端部2Xa、2Xb、2Ya及び2Ybに近接している。図示した例では、電位供給線6は、端部2Xa、2Xb、2Ya及び2Ybに沿った略長方形の環状に形成されている。電位供給線6は、第1方向Xに沿って延出した部分6Xa及び6Xbと、第2方向Yに沿って延出した6Ya及び6Ybとを有している。第2電極E2は、電位供給線6によって囲まれた領域の内側に位置し、電位供給線6と重なっていない。
【0033】
第1電極E1は、第1方向Xに沿って延出し、端部(第2端部)E1aと、端部E1aと反対側の端部(第3端部)E1bとを有している。端部E1aは、電位供給線6の部分6Yaと重なっている。端部E1bは、電位供給線6の部分6Ybと重なっている。第3電極E3は、表示領域DAのほぼ全体に亘って設けられるともに、少なくとも部分6Ya及び6Ybと重なっている。第1電極E1及び第3電極E3は、端部E1aと重なる位置に設けられたコンタクトホール(第1貫通孔)CH4a、及び端部E1bと重なる位置に設けられたコンタクトホール(第2貫通孔)CH4bにおいて、電位供給線6と接続されている。これにより、第1電極E1と第3電極E3には、電位供給線6から共通電位が供給される。
【0034】
本実施形態において、コンタクトホールCH4a及びCH4bは、表示領域DAには設けられていない。したがって、第1方向Xにおいて、すべての第2電極E2は、コンタクトホールCH4aとコンタクトホールCH4bとの間に位置している。
【0035】
図8は、図7に示すB-B’線に沿った断面図である。図8は、第1基板SUB1のみを示している。上述の表示パネル2の端部(第1端部)2Yaは、第1基板SUB1が備える絶縁基板10の端部に相当する。電位供給線6は、非表示領域NDAにおいて、絶縁膜12の上に形成され、絶縁膜13によって覆われている。絶縁膜13は、電位供給線6まで貫通したコンタクトホールCH4aを有している。
【0036】
第1電極E1は、第1方向Xに沿って延出し、コンタクトホールCH4a内に形成されている。第1電極E1は、コンタクトホールCH4a内で、電位供給線6と接している。絶縁膜14及び絶縁膜15は、コンタクトホールCH4aの近傍には形成されていない。第3電極E3は、第1方向Xに沿って延出し、コンタクトホールCH4aにおいて、第1電極E1と接している。これにより、第1電極E1と第3電極E3とは、電位供給線6と同電位となる。なお、コンタクトホールCH4b近傍の構造は、図8と同様であるため、説明を省略する。
【0037】
本実施形態によれば、第1電極E1、第2電極E2、及び第3電極E3が、この順で積層されている。第1電極E1と第3電極E3には共通電位が供給され、第2電極E2には信号電位が供給される。第3電極E3は、複数の開口OPを有し、第2電極E2との間で液晶層LCを駆動するためのフリンジ電界を形成する。一方、第2電極E2は、開口を有しておらず、画素PXのほぼ全体に亘って形成されている。また、第1電極E1は、コンタクトホールCH3の近傍を除き、表示領域DAの全体に亘って形成されている。したがって、第2電極E2と第3電極E3とが重畳する領域の面積が小さいために第2電極E2と第3電極E3との間で十分な容量が形成されない場合であっても、第1電極E1と第2電極E2との間で信号電位を保持するための十分な保持容量を形成することができる。この結果、各画素における画素信号の保持状態の劣化を抑制することができる。
【0038】
さらに、本実施形態によれば、第2電極E2と第3電極E3との間に設けられた絶縁膜15の厚さT15は、第1電極E1と第2電極E2との間に設けられた絶縁膜14の厚さT14より大きい。このため、第2電極E2と第3電極E3との間に形成される容量は、第1電極E1と第2電極E2との間に形成される容量よりも小さくなる。したがって、第3電極E3が有する開口の大きさにばらつきがあった場合、すなわち各画素PXにおいて第3電極E3と第2電極E2とが重畳する領域の面積にばらつきがあった場合であっても、第3電極E3と第2電極E2との間で形成される容量のばらつきの影響を低減することができる。一方で、絶縁膜14の厚さT14を小さくすることで、第1電極E1と第2電極E2との間で十分な容量を形成することができる。
【0039】
また、絶縁膜15の厚さT15を大きくすることで、コンタクトホールCH3の近傍のカバレージ性を向上することができる。すなわち、絶縁膜15の厚さT15を大きくすることで、コンタクトホールCH3において第2電極E2と第3電極E3との間の絶縁性を向上することができる。さらに、このような絶縁膜15を設けることにより、有機絶縁材料からなる絶縁膜13からのガス等の放出を抑制することができる。
【0040】
さらに、本実施形態によれば、第1電極E1と第3電極E3とは、表示領域DAの外側で電位供給線6と接続されている。すなわち、第1電極E1及び第3電極E3と電位供給線6とを接続するためのコンタクトホールCH4a及びCH4bは、表示領域DAに設けられていない。このため、表示領域DAの開口率を減少させることなく、第1電極E1と第3電極E3とに共通電位を供給することができる。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、高精細化に伴う表示品質の低下を抑制することが可能な表示装置が提供される。
【0042】
以下では、図9乃至図14を参照して、第1実施形態の変形例にについて説明する。
図9は、第1実施形態の第1変形例を示す平面図である。第1変形例は、第3電極E3が各画素PXにおいて1つの開口OPを有している点で、図6に示す例と相違している。開口OPは、第1方向Xに沿って延出した部分OP1と、第2方向Yに沿って延出した部分OP2とを有している。部分OP1の配置は、図6に示す開口OPの配置と同様である。部分OP2は、第2方向Yに沿って並ぶ複数の部分OP1を繋いでいる。
【0043】
第1変形例においても、共通電位が供給された第1電極E1と第3電極E3との間に、信号電位が供給された第2電極E2が設けられており、絶縁膜15の厚さT15は、絶縁膜14の厚さより大きい。また、第1電極E1と第3電極E3とは、非表示領域NDAにおいて電位供給線6に接続されている。したがって、第1変形例においても、図1乃至図8に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0044】
図10は、第1実施形態の第2変形例を示す平面図である。第2変形例は、第3電極E3が有する開口OPが、第1方向X及び第2方向Yと交差する方向に沿って延出している点で、図6に示す例と相違している。一例では、開口OPは、略平行四辺形状であり、第2方向Yに沿って並んでいる。図示した例では、第1方向Xに沿って隣り合う画素PXにおいて、開口OPの延出方向は、等しい。一方、第2方向Yに沿って隣り合う画素PXにおいて、開口OPの延出方向は、異なっている。第2変形例においても、図1乃至図8に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0045】
図11は、第1実施形態の第3変形例を示す平面図である。第3変形例は、信号線Sが屈曲している点で、図4に示す例と相違している。信号線Sは、第1方向Xと反対方向に突出した屈曲部SSaと、第1方向Xに突出した屈曲部SSbとを有している。屈曲部SSaと屈曲部SSbとは、第2方向Yに沿って交互に並んでいる。スイッチング素子SWを構成する半導体層SCのうち、第1部分SC1と第2部分SC2とは、信号線Sに沿って延出している。中継電極REは、一例では、平行四辺形状である。
【0046】
なお、第3変形例において、第1電極E1は、図4に示す例と同様の形状である。すなわち、第1電極E1は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って並んでいる。コンタクトホールCH3は、第2方向Yに沿って隣り合う第1電極E1の間に位置している。
【0047】
図12は、第1実施形態の第3変形例における第2電極E2を示す平面図である。第3変における第2電極E2は、平行四辺形状である点で、図5に示す例と相違している。第2電極E2は、信号線Sに沿って延出している。第1方向Xに沿って隣り合う画素PXにおいて、第2電極E2の延出方向は、等しい。一方、第2方向Yに沿って隣り合う画素PXにおいて、第2電極E2の延出方向は、異なっている。
【0048】
図13は、第1実施形態の第3変形例における第3電極E3を示す平面図である。第3変形例における第3電極E3は、信号線Sに沿って延出した開口OPを有している点で、図6に示す例と相違している。開口OPは、一例では、平行四辺形状である。開口OPは、図12に示す第2電極E2と重畳している。第1方向Xに沿って隣り合う画素PXにおいて、開口OPの延出方向は、等しい。一方、第2方向Yに沿って隣り合う画素PXにおいて、開口OPの延出方向は、異なっている。図示した例では、第3電極E3は、各画素PXにおいて1つのOPを有しているが、2つ以上の開口を有していてもよい。第3変形例においても、図1乃至図8に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0049】
図14は、第1実施形態の第4変形例を示す断面図である。図14は、コンタクトホールCH3の近傍を拡大して示している。第4変形例は、絶縁膜15が第1層151と第2層152とを含んでいる点で、図3に示す例と相違している。
【0050】
第1層151は、第2電極E2を覆うとともに、絶縁膜14の上にも形成されている。第2層152は、第1層151の上に形成されている。さらに、図示した例では、絶縁膜15は、第1層151と第2層152との間に位置する第3層153を有している。第3層153は、コンタクトホールCH3の直上に設けられ、コンタクトホールCH3によって形成された凹部を埋めている。
【0051】
一例では、第1層151及び第2層152は、酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸窒化シリコン等の無機絶縁材料によって形成されている。第3層153は、例えばポリイミド等の有機絶縁材料によって形成されている。
【0052】
第4変形例においても、図1乃至図8に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに第4変形例によれば、コンタクトホールCH3によって形成された凹部が第3層153によって埋められている。したがって、コンタクトホールCH3に起因して形成される第2電極E2近傍の凹凸を緩和することができる。
【0053】
[第2実施形態]
図15は、第2実施形態に係る表示装置1を示す断面図である。第2実施形態は、第1電極E1及び第3電極E3に信号電位が供給され、第2電極E2に共通電位が供給される点で、第1実施形態と相違している。すなわち、第1電極E1と第3電極E3とは、図1に示す画素電極PEとして機能する。第2電極E2は、図1に示す共通電極CEとして機能する。
【0054】
図示した例では、スイッチング素子SWは、トップゲート型の薄膜トランジスタである。すなわち、半導体層SCは、絶縁基板10の上に設けられ、絶縁膜11によって覆われている。ゲート電極GE1及びGE2は、絶縁膜11の上に設けられ、絶縁膜12によって覆われている。信号線S及び中継電極REは、絶縁膜12の上に形成され、絶縁膜13によって覆われている。信号線Sと絶縁膜12とは、絶縁膜11及び12を貫通するコンタクトホールCH1及びCH2において、半導体層SCとそれぞれ接している。
【0055】
絶縁膜13は、中継電極REまで貫通したコンタクトホールCH3を有している。第1電極E1は、絶縁膜13の上に形成されるとともに、コンタクトホールCH3内にも設けられ、中継電極REと接している。絶縁膜14は、コンタクトホールCH3の直上を除き第1電極E1を覆っている。すなわち、絶縁膜14は、コンタクトホールCH3内に形成された第1電極E1を露出している。図示した例では、絶縁膜14は、絶縁膜13の上にも形成されている。
【0056】
第2電極E2は、コンタクトホールCH3の近傍を除き、絶縁膜14の上に形成されている。絶縁膜15は、第2電極E2を覆っている。絶縁膜15は、第2電極E2の端部を覆っているが、コンタクトホールCH3内には形成されていない。すなわち、絶縁膜15は、絶縁膜14と同様に、コンタクトホールCH3内に形成された第1電極E1を露出している。第3電極E3は、絶縁膜15の上に形成されている。第3電極E3は、コンタクトホールCH3内まで延出し、第1電極E1と接している。これにより、信号線Sから供給される信号電位は、中継電極REを介して第1電極E1及び第3電極E3に供給される。図示した例では、第3電極E3は、複数のスリットSTを有している。スリットSTは、各々が第2電極E2と対向している。第3電極E3は、配向膜AL1によって覆われている。
【0057】
本実施形態において液晶層LCを駆動するためのフリンジ電界は、主に、絶縁膜15を介して対向する第2電極E2と第3電極E3とによって形成される。一方、信号電位を保持するための容量は、絶縁膜15を介して対向する第2電極E2と第3電極E3とによって形成されることはもちろん、絶縁膜14を介して対向する第1電極E1と第2電極E2とによっても形成される。本実施形態においても、絶縁膜15の厚さT15は、絶縁膜14の厚さT14より大きい。その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
図16は、図15に示す第1電極E1の構成例を示す平面図である。第1電極E1は、画素PX毎に配置されている。すなわち、第1電極E1は、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に配置されている。第1電極E1は、少なくとも中継電極RE及びコンタクトホールCH3と重なっている。図示した例では、第1電極E1は、第2方向Yに沿った長辺を有する略長方形状であり、画素PXのほぼ全体に亘って形成されている。第1電極E1は、走査線Gの一部と重なっているが、信号線Sと重なっていない。すなわち、第1電極E1は、隣り合う信号線Sの間に配置されている。
【0059】
図17は、図15に示す第2電極E2の構成例を示す平面図である。第2電極E2は、第1方向Xに沿って並ぶ複数の画素PXと重なっている。より具体的には、第2電極E2は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って間隔を置いて並んでいる。第2電極E2は、ほぼ一定の幅WE2を有する帯状に形成されている。幅WE2は、隣り合う走査線GのピッチP1より小さい。ここで、幅WE2及びピッチP1は、いずれも第2方向Yに沿って規定される。第2電極E2は、走査線G、信号線S、半導体層SC、及び中継電極REとそれぞれ部分的に重なっているが、コンタクトホールCH3とは重なっていない。すなわち、第1方向Xに沿って並ぶコンタクトホールCH3は、第2方向Yに沿って隣り合う第2電極E2の間に位置している。
【0060】
図18は、図15に示す第3電極E3の構成例を示す平面図である。第3電極E3は、画素PX毎に配置されている。すなわち、第3電極E3は、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に配置されている。
【0061】
第3電極E3は、コンタクト部E31、接続部E32、及び電極部E33を有している。コンタクト部E31は、中継電極RE及びコンタクトホールCH3のすべてと重なっている。コンタクト部E31は、コンタクトホールCH3において、中継電極REと第1電極E1を介して接続されている。接続部E32は、第2電極E2を介して信号線Sの直上に位置し、コンタクト部E31から第2方向Yに沿って延出している。電極部E33は、接続部E32から第1方向Xに沿って延出している。電極部E33は、図17に示す第2電極E2と重畳している。電極部E33は、ほぼ一定の幅W33を有する帯状に形成され、第2方向Yに沿って間隔を置いて並んでいる。図示した例では、第3電極E3は、4つの電極部E33を有しているが、電極部E33の数は、これに限定されない。図15に示すスリットSTは、隣り合う電極部E33の間の領域に相当する。第3電極E3がスリットSTを有しているため、第3電極E3と第2電極E2とが重畳する面積は、第1電極E1と第2電極E2とが重畳する面積より小さい。なお、第3電極の接続部E32を平面視で隣り合う信号線間に設ける構成も採用可能である。
【0062】
図19は、図1に示す電位供給線6と、第1電極E1、第2電極E2、及び第3電極E3の配置例を示す平面図である。ここでは、ソースドライバ3、ゲートドライバ4a及び4b、信号線S、走査線Gなどの図示を省略している。
【0063】
第1実施形態と同様に、電位供給線6は、表示領域DAの外側に位置している。電位供給線6は、画素電極PEとして機能する第1電極E1及び第3電極E3よりも表示パネル2の端部2Xa、2Xb、2Ya及び2Ybに近接している。電位供給線6は、略長方形の環状に形成され、第1方向Xに沿って延出した部分6Xa及び6Xbと、第2方向Yに沿って延出した6Ya及び6Ybとを有している。第1電極E1及び第3電極E3は、電位供給線6によって囲まれた領域の内側に位置し、電位供給線6と重なっていない。
【0064】
第2電極E2は、第1方向Xに沿って延出し、端部(第4端部)E2aと、端部E2aと反対側の端部(第5端部)E2bとを有している。端部E2aは、電位供給線6の部分6Yaと重なっている。端部E2bは、電位供給線6の部分6Ybと重なっている。第2電極E2は、端部E2a及び端部E2bとそれぞれ重なる位置に設けられたコンタクトホールCH4a及びCH4bにおいて、電位供給線6と接続されている。これにより、第2電極E2には、電位供給線6から共通電位が供給される。
【0065】
コンタクトホールCH4a及びCH4bは、表示領域DAには設けられていない。したがって、第1方向Xにおいて、すべての第1電極E1と第3電極E3とは、コンタクトホールCH4aとコンタクトホールCH4bとの間に位置している。
【0066】
図20は、図19に示すC-C’線に沿った断面図である。図20は、第1基板SUB1のみを示している。電位供給線6は、非表示領域NDAにおいて、絶縁膜12の上に形成され、絶縁膜13によって覆われている。絶縁膜13は、電位供給線6まで貫通したコンタクトホールCH4aを有している。絶縁膜14は、第1電極E1を覆うとともに、絶縁膜13の上にも形成されている。絶縁膜14は、図示した例では非表示領域NDAまで延出しているが、コンタクトホールCH4a内には形成されていない。
【0067】
第2電極E2は、絶縁膜14の上、及び絶縁膜13の上に形成されている。第2電極E2は、第1方向Xに沿って延出し、コンタクトホールCH4a内にも形成されている。第2電極E2は、コンタクトホールCH4a内で、電位供給線6と接している。これにより、第2電極E2と電位供給線6とは、同電位になる。絶縁膜15は、非表示領域NDAまで延出し、第2電極E2を覆っている。第3電極E3は、絶縁膜15の上で、且つ第1電極E1の直上に設けられている。なお、コンタクトホールCH4b近傍の構造は、図20と同様であるため、説明を省略する。
【0068】
本実施形態によれば、第1電極E1、第2電極E2、及び第3電極E3が、この順で積層されている。第1電極E1と第3電極E3には信号電位が供給され、第2電極E2には共通電位が供給される。第3電極E3は、複数の電極部E33を有し、第2電極E2との間で液晶層LCを駆動するためのフリンジ電界を形成する。一方、第2電極E2は、コンタクトホールCH3の近傍を除き、表示領域DAの全体に亘って形成されている。また、第1電極E1は、画素PXのほぼ全体に亘って形成されている。したがって、第2電極E2と第3電極E3とが重畳する領域の面積が小さいために第2電極E2と第3電極E3との間で十分な容量が形成されない場合であっても、第1電極E1と第2電極E2との間で信号電位を保持するための十分な保持容量を形成することができる。この結果、各画素における画素信号の保持状態の劣化を抑制することができる。
【0069】
また、本実施形態においても第1実施形態と同様に、絶縁膜15の厚さT15は、絶縁膜14の厚さT14より大きい。このため、第2電極E2と第3電極E3との間に形成される容量は、第1電極E1と第2電極E2との間に形成される容量よりも小さくなる。したがって、第3電極E3が有する電極部E33の幅W33にばらつきがあった場合であっても、各画素PXにおいて第3電極E3と第2電極E2とによって形成される容量のばらつきの影響を低減することができる。一方で、絶縁膜14の厚さT14を小さくすることで、第1電極E1と第2電極E2との間で十分な容量を形成することができる。また、絶縁膜15の厚さT15を大きくすることで、コンタクトホールCH3の近傍のカバレージ性を向上することができる。
【0070】
さらに、本実施形態によれば、第2電極E2は、表示領域DAの外側で電位供給線6と接続されている。すなわち、第2電極E2と電位供給線6とを接続するためのコンタクトホールCH4a及びCH4bは、表示領域DAに設けられていない。このため、表示領域DAの開口率を減少させることなく、第2電極E2に共通電位を供給することができる。
【0071】
以上のように、本実施形態によれば、高精細化に伴う表示品質の低下を抑制することが可能な表示装置が提供される。
【0072】
以下では、図21乃至図25を参照して、第2実施形態の変形例にについて説明する。
図21は、第2実施形態の第1変形例を示す平面図である。第1変形例は、第3電極E3の接続部E32が信号線Sと重なっていない点で、図18に示す例と相違している。図示した例では、接続部E32は、隣り合う信号線Sの略中央に位置している。
【0073】
第1変形例においても、信号電位が供給された第1電極E1と第3電極E3との間に、共通電位が供給された第2電極E2が設けられており、絶縁膜15の厚さT15は、絶縁膜14の厚さより大きい。また、第2電極E2は、非表示領域NDAにおいて電位供給線6に接続されている。したがって、第1変形例においても、図15乃至図20に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0074】
図22は、第2実施形態の第2変形例を示す平面図である。第2変形例は、電極部E33が第1方向X及び第2方向Yと交差する方向に沿って延出している点で、図18に示す例と相違している。図示した例では、第1方向Xに沿って隣り合う画素PXにおいて、電極部E33の延出方向は、等しい。一方、第2方向Yに沿って隣り合う画素PXにおいて、電極部E33の延出方向は、異なっている。第2変形例においても、図15乃至図20に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0075】
図23は、第2実施形態の第3変形例を示す平面図である。第3変形例は、信号線Sが屈曲している点で、図17に示す例と相違している。信号線Sは、第1方向Xと反対方向に突出した屈曲部SSaと、第1方向Xに突出した屈曲部SSbとを有している。屈曲部SSaと屈曲部SSbとは、第2方向Yに沿って交互に並んでいる。スイッチング素子SWを構成する半導体層SCのうち、第1部分SC1と第2部分SC2とは、信号線Sに沿って延出している。中継電極REは、一例では、平行四辺形状である。
【0076】
なお、第3変形例において、第2電極E2は、図17に示す例と同様の形状である。すなわち、第2電極E2は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って並んでいる。コンタクトホールCH3は、第2方向Yに沿って隣り合う第2電極E2の間に位置している。
【0077】
図24は、第2実施形態の第3変形例における第1電極E1を示す平面図である。第3変形例における第1電極E1は、平行四辺形状である点で、図16に示す例と相違している。第1電極E1は、信号線Sに沿って延出している。第1方向Xに沿って隣り合う画素PXにおいて、第1電極E1の延出方向は、等しい。一方、第2方向Yに沿って隣り合う画素PXにおいて、第1電極E1の延出方向は、異なっている。
【0078】
図25は、第2実施形態の第3変形例における第3電極E2を示す平面図である。第3変形例における第3電極E3は、信号線Sに沿って延出した電極部E33を有している点で、図18に示す例と相違している。第3電極E3は、接続部E32を有しておらず、電極部E33は、コンタクト部E31から延出ている。電極部E33は、図23に示す第2電極E2と重畳している。第1方向Xに沿って隣り合う画素PXにおいて、電極部E33の延出方向は、等しい。一方、第2方向Yに沿って隣り合う画素PXにおいて、電極部E33の延出方向は、異なっている。図示した例では、第3電極E3は、1つの電極部E33を有しているが、2つ以上の電極部E33を有していてもよい。第3変形例においても、図15乃至図20に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0079】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1…表示装置、2…表示パネル、2Ya…端部(第1端部)、6…電位供給線、10…絶縁基板、13…絶縁膜(有機絶縁膜)14…絶縁膜(第1絶縁膜)、15…絶縁膜(第2絶縁膜)、151…第1層、152…第2層、153…第3層、T14…厚さ(第1厚さ)、T15…厚さ(第2厚さ)、E1…第1電極、E2…第2電極、E3…第3電極、E1a…端部(第2端部)、E1b…端部(第3端部)、E2a…端部(第4端部)、E2b…端部(第5端部)、CH3…コンタクトホール(第3貫通孔)、CH4a…コンタクトホール(第1貫通孔)、CH4b…コンタクトホール(第2貫通孔)、SW…スイッチング素子、PE…画素電極、RE…中継電極。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25