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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】サーバおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2387 20110101AFI20220506BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20220506BHJP
【FI】
H04N21/2387
H04N21/258
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018089229
(22)【出願日】2018-05-07
(62)【分割の表示】P 2017239711の分割
【原出願日】2017-12-14
(65)【公開番号】P2019106695
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】守山 祥平
(72)【発明者】
【氏名】安田 祐司
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 将太
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-318250(JP,A)
【文献】特開2007-043358(JP,A)
【文献】特開2015-080079(JP,A)
【文献】特開2010-206482(JP,A)
【文献】特開2008-147939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
第1のユーザを識別する第1のユーザ識別情報を用いてコンテンツ共有サービスにログインしている第1の端末において、生配信中の第1のコンテンツの視聴が中断された場合に、当該第1のコンテンツを識別する第1のコンテンツ識別情報と当該第1のコンテンツの視聴中断地点を示す第1の中断地点情報とが前記第1のユーザ識別情報に関連付けて保存される記憶部と、
(a)前記第1の端末において前記第1のコンテンツの視聴が中断された後、前記第1のユーザ識別情報を用いて前記コンテンツ共有サービスにログインしている第2の端末から前記コンテンツ共有サービスのページ取得要求があったことをトリガとして、前記第1のユーザ識別情報に関連付けられたコンテンツ識別情報および中断地点情報の少なくとも一方が前記記憶部に保存されているか否かを判定し、(b)前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方が前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存されていると判定した場合には、さらに、前記第1のコンテンツの生配信が終了しているか否かを判定した判定結果により前記第2の端末への、視聴が中断された前記第1のコンテンツの存在を前記第1のユーザに想起させるための通知の種類を判定する判定部と、
を具備する、サーバ。
【請求項2】
前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方が前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存されていて、かつ、前記第1のコンテンツの生配信が終了していると判定された場合には、前記判定部は、タイムシフト再生により前記視聴中断地点から前記第1のコンテンツを視聴再開できることを前記第2の端末への通知とする、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方が前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存されていて、かつ、前記第1のコンテンツの生配信が終了していないと判定された場合には、前記判定部は、前記第1のコンテンツが生配信で視聴できることを前記第2の端末への通知とする、請求項1記載のサーバ。
【請求項4】
前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方が前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存されていて、かつ、前記第1のコンテンツの生配信が終了していないと判定された場合には、前記判定部は、タイムシフト再生により前記視聴中断地点から前記第1のコンテンツを視聴再開できることと、前記第1のコンテンツが生配信で視聴できることとを前記第2の端末への通知とする、請求項1記載のサーバ。
【請求項5】
前記第1の端末において生配信中の前記第1のコンテンツの視聴が中断された場合に、前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方に加えて前記第1の端末を識別する第1の端末識別情報が前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存され、
前記判定部は、前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方が前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存されていると判定した場合には、さらに、前記第1の端末識別情報が前記第2の端末を識別する第2の端末識別情報に一致するか否かを判定する、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記第1の端末識別情報が前記第2の端末識別情報に一致すると判定され、かつ、前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方と、前記第1の端末識別情報とが前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存されてから前記コンテンツ共有サービスのページ取得要求がなされるまでの経過時間が閾値未満である場合に、前記判定部は、前記第2の端末への通知を省略する、請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
コンピュータを、
第1のユーザを識別する第1のユーザ識別情報を用いてコンテンツ共有サービスにログインしている第1の端末において、生配信中の第1のコンテンツの視聴が中断された場合に、当該第1のコンテンツを識別する第1のコンテンツ識別情報と当該第1のコンテンツの視聴中断地点を示す第1の中断地点情報とを前記第1のユーザ識別情報に関連付けて記憶部に保存する手段、
(a)前記第1の端末において前記第1のコンテンツの視聴が中断された後、前記第1のユーザ識別情報を用いて前記コンテンツ共有サービスにログインしている第2の端末から前記コンテンツ共有サービスのページ取得要求があったことをトリガとして、前記第1のユーザ識別情報に関連付けられたコンテンツ識別情報および中断地点情報の少なくとも一方が前記記憶部に保存されているか否かを判定し、(b)前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方が前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存されていると判定した場合には、さらに、前記第1のコンテンツの生配信が終了しているか否かを判定した判定結果により前記第2の端末への、視聴が中断された前記第1のコンテンツの存在を前記第1のユーザに想起させるための通知の種類を判定する手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画共有システムにおけるレジューム機能に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動画共有システムの拡張機能の1つとしてレジューム機能が実装されることがある(非特許文献1参照)。レジュームは、元々、PC(Personal Computer)の機能の1つを意味してきた。具体的には、レジュームは、PC本体の電源を切る直前のメモリの作業状態を保存しておくことで、PC本体の次の電源投入時に作業を速やかに再開できるようにする機能を意味する。
【0003】
また、レジュームは、データのダウンロードにおける拡張機能の1つを意味することもある。具体的には、ダウンロードのレジュームは、通信の切断や電源遮断などの何からの原因でデータのダウンロードが中断された場合に、未ダウンロードのデータを対象にダウンロードを再開する機能を意味する。このように、レジュームは、大凡「一度作業をやめた場所から、作業を再開できる」という機能を意味する。
【0004】
他方、動画共有システムにおけるレジュームは、ユーザがある動画を視聴している途中に、例えば自発的に視聴をやめたり、誤ってウィンドウを閉じたりするなどして、視聴を中断すると視聴中断地点が記録され、その後に当該動画を再度選択すると、前回の視聴中断地点から当該動画の再生を再開する機能である。また、レジューム機能は、アカウントベースで視聴中断地点を管理することにより、端末を問わず有効にすることができる。例えば、リビングにおいてテレビで動画を途中まで視聴した後、寝室においてスマートフォンで当該動画の視聴を再開することができる。
【0005】
動画共有システムにおけるレジューム機能は、ユーザが視聴を中断した動画を再度選択することで有効となる。換言すれば、例えばユーザが視聴を中断してから長時間が経過したなどの理由でユーザが視聴を中断した動画の存在を忘れてしまうと、レジューム機能が活かされずユーザは当該動画を見落としてしまう。また、ユーザが視聴を中断した動画を覚えていたとしても、当該動画を再度選択するには、視聴履歴の確認、キーワード検索などの手間がかかる。
【0006】
特許文献1には、視聴中断した部分のコンテンツ映像を迅速にプレビュー画像として表示することができるコンテンツ再生装置において([0017])、VODプログラムを実行開始し(S010)、レジューム情報があるか否かを判断し(S040)、レジューム情報が付加されたコンテンツ案内画面を表示し(S070)、視聴者がコンテンツを選択する(S080)こと(図2、[0070]~[0087])が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2008-167251号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】「「レジューム再生(続きから再生)」機能提供開始のお知らせ」、[online]、[2017年11月29日検索]、インターネット、<URL:http://blog.nicovideo.jp/niconews/363.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された、レジューム情報が付加されたコンテンツ案内画面を表示する機能は、VODプログラム、すなわち予めサーバに蓄積されていて常時視聴することのできるアーカイブ動画を対象としている。他方、かかる機能は、生配信動画のようなリアルタイムコンテンツを対象としてない。
【0010】
近年、一部の動画共有システムでは、配信者が撮影した動画を多数のユーザへインターネット経由で生配信(生放送と呼ばれることもある)することが可能である。かかるリアルタイムコンテンツでは、その性質上、ユーザが視聴を中断していた部分を事後的に再び等価なリアルタイムコンテンツとしてユーザに体験させることは原理的に不可能である。このように、リアルタイムコンテンツは、アーカイブ動画に比べると見逃しによる視聴体験の面での損失が大きい。また、従来の動画共有システムにおけるレジュームをリアルタイムコンテンツにそのまま適用することはできない。
【0011】
本発明は、リアルタイムコンテンツの視聴を中断したユーザの視聴再開を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、サーバであって、第1のユーザを識別する第1のユーザ識別情報を用いてコンテンツ共有サービスにログインしている第1の端末において、生配信中の第1のコンテンツの視聴が中断された場合に、当該第1のコンテンツを識別する第1のコンテンツ識別情報と当該第1のコンテンツの視聴中断地点を示す第1の中断地点情報とが前記第1のユーザ識別情報に関連付けて保存される記憶部と、(a)前記第1の端末において前記第1のコンテンツの視聴が中断された後、前記第1のユーザ識別情報を用いて前記コンテンツ共有サービスにログインしている第2の端末から前記コンテンツ共有サービスのページ取得要求があったことをトリガとして、前記第1のユーザ識別情報に関連付けられたコンテンツ識別情報および中断地点情報の少なくとも一方が前記記憶部に保存されているか否かを判定し、(b)前記第1のコンテンツ識別情報および前記第1の中断地点情報の少なくとも一方が前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に保存されていると判定した場合には、さらに、前記第1のコンテンツの生配信が終了しているか否かを判定した判定結果により前記第2の端末への、視聴が中断された前記第1のコンテンツの存在を前記第1のユーザに想起させるための通知の種類を判定する判定部と、を具備する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リアルタイムコンテンツの視聴を中断したユーザの視聴再開を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る動画の生配信システムを例示するブロック図。
図2】実施形態に係る配信サーバを例示するブロック図。
図3図2の中断情報記憶部に格納される中断情報テーブルの一例を示す図。
図4図2の中断情報記憶部に格納される中断情報テーブルの別の例を示す図。
図5図2の中断情報記憶部に格納される中断情報テーブルのさらなる別の例を示す図。
図6】生番組の視聴を中断したユーザの端末に表示される通知の一例を示す図。
図7】生番組の視聴を中断したユーザの端末に表示される通知の別の例を示す図。
図8図2の配信サーバの動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0018】
(実施形態)
実施形態に係るサーバは、動画共有サービスなどのコンテンツ共有サービスを提供するシステム、具体的には図1に例示される動画の生配信システムに組み込むことができる。以降の説明では、インターネット経由で生配信される動画(以降、単に生番組と称する)を想定するが、生番組に限らず他のリアルタイムコンテンツの生配信システムにこのサーバを適用することができる。この生配信システムは、配信者端末100と、配信サーバ200と、観客端末300-1,300-2,・・・とを含む。
【0019】
配信サーバ200は、配信者端末100および観客端末300とネットワーク経由で接続しており、データを互いに送受信できる。なお、図1において示される各装置の数は、例示に過ぎない。例えば、観客端末300の数は、0となることがあり得るし、数百、数千となることもあり得る。配信者端末100は、生番組の生配信の開始前および終了後には配信サーバ200と接続されていないこともあり得る。また、図1に示されない、Webサーバまたはコメント配信サーバがさらに設けられてもよいし、これらの機能が配信サーバ200に組み込まれてもよい。逆に、配信サーバ200の機能として説明されるものの一部(例えば、ユーザ認証機能など)が、図示されないサーバに組み込まれてもよい。
【0020】
配信者端末100は、例えばビデオカメラなどの動画ソースに接続されたコンピュータなどの電子デバイス、例えば、テレビ受像機(インターネットテレビを含む)、PC、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォン、ポータブルゲーム機、デジタルミュージックプレイヤー、電子書籍リーダなど)、VR(Virtual Reality)端末、AR(Augmented Reality)端末などであり得るが、これらに限られない。配信者端末100は、動画ソースから出力されるエンコード済みの動画データを配信サーバ200へ逐次送信する。
【0021】
配信サーバ200は、配信者端末100から逐次送信される、エンコード済みの動画データを受信する。そして、配信サーバ200は、この動画データを、当該動画データを配信または視聴している配信者端末100および観客端末300へ配信する。観客端末300は、配信者端末100と同様の電子デバイスであり得るが、配信者端末100とは異なり動画ソースに接続される必要はない。
【0022】
配信サーバ200は、様々なタイミングで観客端末300からのアクセスを受ける。例えば、配信サーバ200は、動画共有サービスのページ(例えば、動画共有サービスのトップページまたはその他の所定のページ、観客端末300が最後に開いたページ)、などの取得要求を観客端末300から受信する。ページの取得要求は、例えば、ページ遷移もしくはページ更新が発生した時、動画共有サービスへのログイン時、または動画共有サービスのアプリケーションが起動された時、当該アプリケーションを起動した状態で観客端末300がスリープ状態から復帰した時、などに、当該観客端末300によってネットワーク経由で配信サーバ200へ送信され得る。配信サーバ200は、この取得要求に応じてページデータを観客端末300へ送信し、観客端末300は当該ページデータに基づいて、例えば視聴可能な生番組へのリンクを含む画面を表示する。ユーザは、好みの生番組へのリンクを選択することで、当該生番組の視聴を開始することができる。
【0023】
配信サーバ200は、かかるページの取得要求の受信時に、観客端末300のユーザが視聴を中断した生番組が存在するか否かを確認し、存在する場合には当該生番組に関する通知を当該観客端末300へ送る。これにより、ユーザに途中まで視聴していた生番組の存在を想起させ、当該生番組への復帰、または当該生番組のタイムシフト再生もしくはその予約を促すことができる。ここで、タイムシフト再生とは、生番組そのものではなくその録画番組を事後的に視聴できる機能であり、一部の動画共有システムで既に実用化されている。
【0024】
なお、配信サーバ200は、ページの取得要求に限らず当該配信サーバ200へのアクセス全般を、通知の要否判定を行うためのトリガとしてもよい。ただし、以降の説明では便宜的に、ページの取得要求の受信を通知の要否判定を行うためのトリガとして用いることとする。
【0025】
以下、図1中の配信サーバ200の構成および動作について順に図面を用いて説明する。
配信サーバ200は、コンピュータであって、配信者端末100から受信する動画データの配信制御、前述の通知の要否の判定およびその履行、などを行うプロセッサと、かかる処理を実現するために当該プロセッサによって実行されるプログラムおよび当該プロセッサによって使用されるデータなどを一時的に格納するメモリとを含んでいる。
【0026】
配信サーバ200は、さらに、ネットワークに接続するための通信装置と、大容量のデータを蓄積するための補助記憶装置とを利用可能である。通信装置および補助記憶装置は、配信サーバ200に内蔵されてもよいし、配信サーバ200に外付けされてもよい。
【0027】
通信装置は、ネットワーク経由で配信者端末100および観客端末300と通信をする。例えば、通信装置は、配信者端末100から動画データを受信したり、観客端末300からの要求に対する応答を送信したりする。
【0028】
補助記憶装置は、例えば、生番組の情報、生番組の動画データ、後述される中断情報などのデータを蓄積する。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶媒体であることが好ましい。補助記憶装置は、配信サーバ200にネットワーク経由で接続されたファイルサーバであり得る。
【0029】
次に、図2を用いて配信サーバ200の構成例の説明を続ける。図2の配信サーバ200は、受信部201と、ユーザ認証部202と、配信制御部203と、配信部204と、中断情報記憶部205と、番組情報記憶部206と、通知判定部207と、通知部208と、動画データ記憶部209とを含む。
【0030】
受信部201は、配信者端末100および観客端末300から種々のデータ、例えば、動画共有サービスへのログイン要求、ページの取得要求、動画の配信要求、生番組の動画データなどを受信する。受信部201は、前述の通信装置であってもよいし、当該通信装置とのインターフェースであってもよい。
【0031】
受信部201は、例えば、観客端末300から動画共有サービスへのログイン要求を受信する。このログイン要求は、ユーザを識別するユーザ識別情報(例えばユーザ名など)と、認証に用いられる情報要素(例えば、パスワード、生体情報など)とを含む。受信部201は、受信したログイン要求をユーザ認証部202へ送る。
【0032】
また、受信部201は、観客端末300からページの取得要求および/または動画の配信要求を受信し、これを配信制御部203へ送る。さらに、受信部201は、配信者端末100から生番組の動画データを受信し、これも配信制御部203へ送る。なお、受信部201は、タイムシフト再生を可能とするために、生番組の動画データを動画データ記憶部209に保存してもよい。他方、動画共有サービスが生番組のタイムシフト再生をサポートしない場合、生番組がタイムシフト再生をサポートしない場合には、動画データ記憶部209は不要となり得る。
【0033】
ユーザ認証部202は、受信部201からログイン要求を受け取る。ユーザ認証部202は、ログイン要求に含まれるユーザの識別情報と、認証に用いられる情報要素との組み合わせを、予め構築されているユーザデータベースと照合し、ログインの許可/拒否を決定する。このようにユーザのアカウントを管理することで、ユーザが異なる観客端末300を用いて動画共有サービスを利用したとしても、当該ユーザが視聴を中断した生番組について適切に通知を行うことが可能となる。ユーザ認証部202は、ユーザ認証の結果を配信制御部203に通知する。
【0034】
配信制御部203は、動画データおよび/またはページデータの配信に関わる種々の制御を行う。ここで、動画データは、受信部201によって受信された生番組の動画データと、動画データ記憶部209に保存されたタイムシフト再生用の動画データとの両方を含み得る。配信制御部203は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0035】
なお、配信制御部203は、動画データの配信に関わる制御のための機能部と、ページデータの配信に関わる制御のための機能部とに分割されてもよい。さらに、これらの機能部は、別個のサーバ、例えば配信サーバ200および図示されないWebサーバ、にそれぞれ組み込まれてもよい。
【0036】
例えば、配信制御部203は、配信部204へ、動画データおよび/またはページデータと、その配信先となる観客端末300を示す情報(宛先アドレス)とを送る。これにより、観客端末300は、動画共有サービスのページを表示したり、生番組の動画データを再生したりすることができる。生配信時には、配信制御部203は、受信部201から動画データを直接受け取り、配信部204へ送る。他方、タイムシフト再生時には、配信制御部203は、動画データ記憶部209から動画データ読み出し、配信部204へ送る。
【0037】
また、配信制御部203は、受信部201から動画共有サービスのページの取得要求を受け取り、ユーザ認証部202からユーザ認証の結果を受け取る。配信制御部203は、取得要求の送信元である観客端末300のユーザを識別するユーザ識別情報を、通知判定部207へ送る。ここでのユーザ識別情報は、例えば、この観客端末300が動画共有サービスにログインする時に使用したものであり得る。これにより、後述されるように、観客端末300に対する通知の要否が判定され、必要と判定された場合には通知が行われる。ここで、配信制御部203は、ユーザ識別情報に加えて、ページの取得要求の送信元である観客端末300を識別する端末識別情報を通知判定部207へ送ってもよい。
【0038】
なお、かかる措置は、必ずしも全ての取得要求について行われる必要はなく、例えば、観客端末300の最新のログインの後に最初に受信された取得要求に限って行われてもよいし、観客端末300と配信サーバ200との接続が一時切断され再接続した後に最初に受信された取得要求に限って行われてもよい。これにより、観客端末300には最小限の通知を行いつつ、配信サーバ200の負荷を軽減することができる。
【0039】
また、配信制御部203は、ログイン済みの観客端末300において配信中の生番組の視聴が中断された場合には、当該観客端末300のユーザを識別するユーザ識別情報と関連付けて、当該生番組を識別するコンテンツ識別情報および視聴中断地点を例えば時分秒形式で示す中断地点情報を中断情報記憶部205に保存する。
【0040】
中断地点情報は、生番組のタイムシフト再生における視聴再開点を決定するために有用である。しかしながら、動画共有サービスが生番組のタイムシフト再生そのもの、または視聴中断地点からのタイムシフト再生をサポートしない場合には、後述されるように、中断地点情報が中断情報記憶部205に保存されないこともあり得る。
【0041】
また、配信制御部203は、ログイン済みの観客端末300からの生番組のタイムシフト再生要求を受けた場合に、この生番組が当該観客端末300のユーザが視聴中断した生番組であるか否かを中断情報記憶部205に保存された情報に基づいて判定してもよい。そして、要求の対象となる生番組がユーザが視聴した生番組であった場合には、配信制御部203は、観客端末300が視聴中断地点からこの生番組をタイムシフト再生により視聴再開できるように当該生番組の配信を制御する。さらに、配信制御部203は、番組情報記憶部206に生番組の情報を読み書きし、配信中の生番組、将来配信される生番組、過去に配信された生番組などの情報を管理する。
【0042】
配信部204は、配信制御部203によって指定された配信先(いずれかの観客端末300)へ、指定された動画データおよび/またはページデータを配信する。配信部204は、前述の通信装置であってもよいし、当該通信装置とのインターフェースであってもよい。
【0043】
なお、配信部204は、動画データを配信するための機能部と、ページデータを配信するための機能部とに分割されてもよい。さらに、これらの機能部は、別個のサーバ、例えば配信サーバ200および図示されないWebサーバ、にそれぞれ組み込まれてもよい。
【0044】
中断情報記憶部205は、動画共有サービスのユーザ毎に当該ユーザが視聴中断した生番組の情報を格納する。中断情報記憶部205に保存された情報は、観客端末300に対する通知の要否を判定するために、通知判定部207によって読み出される。中断情報記憶部205は、前述の補助記憶装置であってもよいし、当該補助記憶装置とのインターフェースであってもよい。
【0045】
中断情報記憶部205には、配信制御部203によって、例えば図3に示される中断情報テーブルが保存され得る。図3の中断情報テーブルでは、各ユーザ識別情報に、視聴中断された生番組のコンテンツ識別情報および中断地点情報が関連付けられている。後述される通知判定部207は、この中断情報テーブルを参照することで、所与のユーザが視聴中断した生番組が存在するか否か、そしてその視聴中断地点を判定できる。
【0046】
例えば、ユーザAとしてログイン中の観客端末300からページの取得要求が受信された場合に、通知判定部207は、当該ユーザAが生番組1の視聴を12分34秒地点で中断したと判定できる。同様に、ユーザBとしてログイン中の観客端末300からページの取得要求が受信された場合に、通知判定部207は、当該ユーザBが視聴した生番組はないと判定できる。
【0047】
中断情報テーブルの例は図3に限られない。具体的には、図4に例示されるように、ユーザ識別情報に関連付けて、視聴中断された生番組の情報と、視聴中断時にユーザが使用していた観客端末300を識別する端末識別情報とが中断情報テーブルに登録されてもよい。これにより、通知判定部207は、前述の判定に加え、視聴中断時にユーザが使用していた観客端末300と、視聴中断後にページの取得要求を送信した観客端末300とが同一の端末であるか否かを判定することができる。
【0048】
例えば、ユーザCとしてログイン中の観客端末300(端末γ)からページの取得要求が受信された場合に、通知判定部207は、当該ユーザCが生番組2の視聴を5分43秒地点で中断し、かつ、その時に使用していた観客端末300(端末β)は現在の観客端末300(端末γ)と同一でないと判定できる。
【0049】
また、動画共有サービスが生番組のタイムシフト再生そのもの、または視聴中断地点からのタイムシフト再生をサポートしない場合には、中断地点情報を中断情報記憶部205に保存しなくてもよい。この場合に、中断情報テーブルでは、図5に例示されるように、ユーザ識別情報に関連付けてコンテンツ識別情報が保存されてもよい。これにより、通知判定部207は、所与のユーザが視聴中断した生番組が存在するか否かを判定できる。
【0050】
例えば、ユーザAとしてログイン中の観客端末300からページの取得要求が受信された場合に、通知判定部207は、当該ユーザAが生番組1の視聴を中断したと判定できる。同様に、ユーザBとしてログイン中の観客端末300からページの取得要求が受信された場合に、通知判定部207は、当該ユーザBが視聴した生番組はないと判定できる。
【0051】
さらに、図5の例において、コンテンツ識別情報に加えて端末情報が保存されてもよい。これにより、図4の例と同様に、視聴中断時にユーザが使用していた観客端末300と、視聴中断後にページの取得要求を送信した観客端末300とが同一の端末であるか否かを判定することができる。
【0052】
なお、中断情報記憶部205において、1つのユーザ識別情報に関連付けて複数の生番組のコンテンツ識別子(など)が保存されてもよい。この場合に、中断情報記憶部205の容量を節約するために、例えば、通知判定部207は一度ないし所定回数通知を行った生番組のコンテンツ識別子を削除してもよい。或いは、1つのユーザ識別情報に関連付けることのできる生番組のコンテンツ識別子の数に上限が設けられてもよく、配信制御部203は、保存したタイミングの古い順に生番組のコンテンツ識別子を必要に応じて削除してもよい。また、図3乃至図5の例では、ユーザ識別情報に関連付けられる生番組の情報が存在しない場合に「なし」の値が登録されているが、これは例示に過ぎない。例えば、中断情報記憶部205の容量節約の観点から、ユーザ識別情報に関連付けられる生番組の情報が存在しない場合に当該ユーザ識別情報およびこれに関連付けられる生番組の情報が中断情報テーブルに登録されなくてもよい。この場合に、通知判定部207は、中断情報記憶部205にユーザ識別情報が保存されているか否かを判定してもよい。
【0053】
番組情報記憶部206は、動画共有サービスにおいて配信される/配信された生番組の情報を格納する。番組情報記憶部206に保存された情報は、観客端末300に対する通知の詳細を決定するために、通知判定部207によって読み出され得る。番組情報記憶部206は、前述の補助記憶装置であってもよいし、当該補助記憶装置とのインターフェースであってもよい。
【0054】
生番組の情報は、例えば、生番組の配信開始日時および配信終了(予定)日時、生番組がタイムシフト再生可能であるか否かを表す情報などを含み得る。例えば、通知判定部207は、現在日時を生番組の配信終了(予定)日時と比較することで、当該生番組の(生)配信が終了しているか否かを判定できる。また、通知判定部207は、生番組がタイムシフト再生可能であるか否かを表す情報から、当該生番組のタイムシフト再生が可能であるとの通知を観客端末300に行ってよいか否かを判定できる。
【0055】
このほか、生番組の情報として、生番組および/またはその配信者を識別する情報、生番組に付与されたメタデータ(例えば、動画タグ(キーワード)、スポンサー名、番組カテゴリ)、配信者コメント、説明文、生番組および/または配信者の属性情報、生番組の観客数および/またはコメント数、生番組のサムネイル画像データ、生番組に投稿されたコメントなどがあり得る。
【0056】
通知判定部207は、配信制御部203から、ページの取得要求の送信元である観客端末300のユーザを識別するユーザ識別情報を受け取る。通知判定部207は、このユーザ識別情報を用いて、この観客端末300への通知の要否と通知の詳細とを判定する。通知判定部207は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0057】
具体的には、通知判定部207は、ユーザ識別情報に関連付けられた生番組の情報が中断情報記憶部205に保存されているか否か、すなわち通知の対象となる生番組が存在するか否かを判定する。ここで、生番組の情報は、コンテンツ識別情報および中断地点情報の一方または両方であり得る。通知判定部207は、ユーザ識別情報に関連付けられた生番組の情報が中断情報記憶部205に保存されていると判定した場合には、通知部208へ通知を行うように指示する。
【0058】
また、通知判定部207は、通知の要否の判定において、視聴中断からの経過時間(中断時間)を考慮してもよい。具体的には、生番組の情報がユーザ識別情報に関連付けて中断情報記憶部205に保存されてから、ページの取得要求を受信するまでの経過時間が閾値未満である場合に、通知判定部207は通知部208に通知を行うように指示しなくてもよい。この結果、通知部208は通知を省略する。このように視聴中断からの経過時間を考慮して通知を行う頻度を下げることで、まめな通知がユーザに却って悪印象を与える事態を防止することができる。例えば中断時間が僅かでユーザが視聴中断した生番組を覚えている場合には、ユーザは通知が来ても目障りに感じるおそれがある。
【0059】
ただし、視聴中断時と現在とで観客端末300が異なっている場合には、両者が同一である場合に比べてユーザの視聴環境の変化が大きいので、ユーザは、視聴中断した生番組を思い出しにくいかもしれない。そこで、例えば、視聴中断時と現在とで観客端末300が異なっている場合には、両者が同一である場合に比べて前述の閾値を小さくしてもよいし、中断時間に関わらず通知を行うようにしてもよい。なお、このような観客端末の変化は、生番組の視聴中断時に当該生番組の情報に加えて端末識別情報を中断情報記憶部205に保存しておき、この端末識別情報をページの取得要求の送信元である観客端末の端末識別情報と比較することで判定可能である。
【0060】
このように中断時間や観客の端末の変化を考慮して通知の要否を判定することで、例えば以下に示す様々なシチュエーションで通知を行い、ユーザに途中まで視聴していた生番組の存在を想起させることができる。
【0061】
(1) リビングに設置されたTVで生番組を途中まで視聴し、自室でポータブルゲーム機の動画視聴アプリケーションを起動した時(共用スペースから個人スペースへの移動時)。
(2) 自宅でTVまたはPCで生番組を途中まで視聴し、外出中にスマートフォンの動画視聴アプリケーションを起動した時、またはその逆(外出時または帰宅時)。
(3) 机に向かってPCで生番組を途中まで視聴し、布団に入ってからポータブルゲーム機の動画視聴アプリケーションを起動した時(活動状態の変化)。
(4) 朝または就寝前にポータブルゲーム機で生番組を途中まで視聴してそのまま当該ポータブルゲーム機をスリープ状態に切り替え、夜または起床後に当該ポータブルゲーム機をスリープ状態から復帰させた場合(同じ端末で時間を空けての利用)。
【0062】
なお、通知部208が複数種類の通知を行うことができる場合には、通知判定部207は、通知部208による通知の詳細を判定してもよい。具体的には、通知部208は、視聴中断された生番組を視聴中断地点からタイムシフト再生により視聴再開できることを通知してもよいし、視聴中断された生番組を生配信で視聴(すなわち、当該生番組の生配信に復帰)できること通知してもよい。或いは、通知部208は、視聴中断された生番組が存在することを通知してもよいし、視聴中断された生番組を特定する情報を通知してもよいし、視聴中断された生番組のタイムシフト再生またはその予約が可能であることを通知してもよい。なお、通知判定部207は、例えば、ユーザの属性情報(例えば、有料会員であるか無料会員であるかなど)も考慮して通知の詳細を判定してもよい。
【0063】
通知判定部207は、例えば、通知要と判定した場合に、図6に例示されるように、視聴中断された生番組を視聴中断地点からタイムシフト再生で視聴再開できることを通知するように通知部208に指示してもよい。この通知は、視聴中断された生番組を特定する情報(例えば、生番組のタイトル)、当該生番組の続き(すなわち視聴中断地点)から視聴できることを示すメッセージ、視聴中断された生番組を視聴中断地点からタイムシフト再生で視聴再開するためのGUI(Graphical User Interface)部品(図6の例では、「続きからタイムシフト再生」ボタン)などを含み得る。かかるGUI部品を通知に含めることで、ユーザは煩雑な操作、例えば複数回のページ遷移をすることなく、視聴中断された生番組を視聴中断地点からタイムシフト再生で視聴再開することができる。通知は、図6の例に限らず、観客端末300において例えばトースト形式で表示されてよい。
【0064】
なお、図6の例において、例えば動画共有システムは、生番組の終了まで当該生番組のタイムシフト再生を許容しないように設計されている可能性がある。このような場合には、例えば、通知判定部207は、通知の対象となる生番組が終了しているか否かをさらに判定してもよい。生番組が終了しているか否かは、例えば、番組情報記憶部206に保存された当該生番組の情報に基づいて判定することができる。そして、生番組が終了(すなわち、タイムシフト再生が即時可能)である場合には、通知判定部207は図6に例示した通知をするように通知部208に指示してもよい。他方、生番組が終了前である場合には、通知判定部207は、視聴中断された生番組を特定する情報、当該生番組の続き(すなわち視聴中断地点)から視聴できることを示すメッセージ、視聴中断された生番組の視聴中断地点からのタイムシフト再生を予約するためのGUI部品などを含む通知をするように通知部208に指示してもよい。
【0065】
また、通知判定部207は、例えば、通知要と判定した場合に、通知の対象となる生番組が終了しているか否かをさらに判定してもよい。通知判定部207は、通知要かつ通知の対象となる生番組が終了していないと判定した場合には、図7に例示されるように、視聴中断された生番組を生配信で視聴できることを通知するように通知部208に指示してもよい。この通知は、視聴中断された生番組を特定する情報、当該生番組の生配信(生放送)が終わっていないことを示すメッセージ、視聴中断された生番組を生配信で視聴するためのGUI部品(図7の例では、「今から生放送を見る」ボタン)などを含み得る。かかるGUI部品を通知に含めることで、ユーザは煩雑な操作、例えば複数回のページ遷移をすることなく、視聴中断した生番組を生配信で視聴することができる。
【0066】
なお、複数種類の通知がまとめてなされてもよい。例えば、ユーザが視聴中断した生番組が複数ある場合には、複数の通知、例えば生番組Aに関する通知と生番組Bに関する通知とが、同時にまたは順次なされ得る。或いは、ユーザが視聴中断した生番組が1つであっても、当該生番組を視聴中断地点からタイムシフト再生で視聴再開できる(視聴中断地点からのタイムシフト再生を予約できる)ことの通知と、視聴中断された生番組を生配信で視聴できることの通知とが、同時にまたは順次なされ得る。
【0067】
通知部208は、通知判定部207によって指示された通知を観客端末300に行う。通知部208は、前述の通信装置であってもよいし、当該通信装置とのインターフェースであってもよい。
【0068】
通知部208は、例えば、観客端末300が通知を表示するために必要な情報を送信する。具体的には、通知部208は、観客端末300に表示される通知のデータそのものまたはそのベースとなるデータを送信してもよいし、観客端末300に通知を表示させるための制御データまたはこれに準ずるデータを送信してもよい。具体的には、通知部208は、ユーザ識別情報に関連付けられた生番組の情報、例えばコンテンツ識別情報および/または中断地点情報を観客端末300へ送信してもよい。そして、観客端末300は、受信したコンテンツ識別情報および/または中断地点情報に基づいて、例えば、図6図7などに例示したトースト形式の通知を作成し、表示してもよい。
【0069】
動画データ記憶部209は、動画共有サービスにおいて配信された生番組の動画データを格納する。動画データ記憶部209に保存された生番組の動画データは、当該生番組のタイムシフト再生のために配信制御部203によって読み出される。動画データ記憶部209は、前述の補助記憶装置であってもよいし、当該補助記憶装置とのインターフェースであってもよい。
【0070】
次に図8を用いて、配信サーバ200の動作例を説明する。図8の動作例は、通知の要否判定の対象となるページの取得要求(例えば、観客端末300と配信サーバ200との接続が一時切断され再接続した後の最初の取得要求、など)が観客端末300から送信された場合に開始する。
【0071】
受信部201は、観客端末300からページの取得要求を受信する(ステップS401)。ここで、観客端末300は、そのユーザを識別するユーザ識別情報を用いて動画共有サービスにログインしていることとする。故に、配信サーバ200は、ステップS401において受信した取得要求の送信元である観客端末300のユーザが誰であるかを識別することができる。配信制御部203は、受信した取得要求に対する応答としてページデータを返すと共に、通知判定部207へユーザ識別情報を送る。
【0072】
次に、通知判定部207は、ステップS401において受信された取得要求の送信元を表すユーザ識別情報に関連付けられた、生番組のコンテンツ識別情報および/またはその中断地点情報が中断情報記憶部205に保存されているか否かを判定する(ステップS402)。生番組の情報が中断情報記憶部205に保存されていると判定されれば処理はステップS403へ進み、そうでなければ処理はステップS404へ進む。ステップS402において、通知判定部207は、前述のように通知の詳細をさらに判定してもよい。
【0073】
ステップS403において、通知部208は、ステップS401において受信された取得要求の送信元である観客端末300に通知をする。ステップS403の後に処理はステップS404へ進む。通知は、例えば、図6または図7に示したものであってもよいし、これらと異なるものであってもよく、少なくともユーザが視聴中断した生番組が存在することを想起できるものであればよい。このステップS403において、通知部208は、観客端末300に表示される通知のデータそのものまたはそのベースとなるデータを送信してもよいし、観客端末300に通知を表示させるための制御データまたはこれに準ずるデータを送信してもよい。
【0074】
ステップS404において、受信部201は、観客端末300から生番組の配信要求を受信する。例えば、観客端末300は、受信したページデータに含まれる生番組へのリンクの選択、またはステップS403においてなされた通知に含まれる生番組へのリンクの選択に応じて、配信要求を送信し得る。
【0075】
配信部204は、ステップS404において要求された生番組の動画データを観客端末300へ配信する(ステップS405)。ステップS405は、視聴が中断されるか、生番組が終了するまで繰り返される(ステップS406およびステップS407)。
【0076】
生番組の視聴が中断されると、配信制御部203は、視聴を中断したユーザを表すユーザ識別情報に関連付けて、視聴中断された生番組のコンテンツ識別情報および中断地点情報を中断情報記憶部205に保存する(ステップS408)。
【0077】
以上説明したように、実施形態に係る配信サーバは、視聴中断時にユーザ識別情報および生番組の情報を関連付けて保存しておき、ユーザからの再アクセス時に視聴中断された生番組の情報の存在を確認する。そして、この配信サーバは、視聴中断された生番組の情報があった場合には、その存在をユーザに想起させるための通知を行う。故に、この配信サーバによれば、生番組のリアルタイムコンテンツの視聴を中断したユーザの視聴再開を支援することができる。具体的には、生番組を視聴中断地点からタイムシフト再生で視聴再開できることを通知したり、視聴中断された生番組を生配信で視聴できることを通知したりすることができる。
【0078】
また、実施形態に係る配信サーバは、上記通知を利用するか否かに関わらず、ユーザが視聴中断した生番組のタイムシフト再生を要求した場合に、タイムシフト再生により視聴中断地点から当該生番組を視聴再開できるように配信制御を行ってもよい。なお、たとえ上記通知を全く行わない場合であっても、視聴中断地点からのタイムシフト再生を許容することで、視聴中断地点へのアクセス性を向上させる、すなわちユーザの視聴再開の支援効果が期待できる。
【0079】
(変形例)
上記実施形態は、例えば地上波放送または衛星放送の生番組にも適用可能である。例えば、ユーザが録画中の生番組をリアルタイム視聴し、その後中断した場合に録画機器(配信サーバ200に対応する)内に当該生番組の情報が保存されてもよい。そして、例えば、録画機器に接続された表示装置(例えばテレビ受像機であって、観客端末300に対応する)の電源が再度オンにされた時に、視聴中断された生番組の情報が通知されるように当該録画機器を構成してもよい。
【0080】
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
【0081】
上記各実施形態において説明された種々の機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
【0082】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
100・・・配信者端末
200・・・配信サーバ
201・・・受信部
202・・・ユーザ認証部
203・・・配信制御部
204・・・配信部
205・・・中断情報記憶部
206・・・番組情報記憶部
207・・・通知判定部
208・・・通知部
209・・・動画データ記憶部
300・・・観客端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8