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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】ポイントシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220506BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220506BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
G06Q30/02 354
G06Q30/02 376
G06Q30/06
G07G1/12 321L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018091887
(22)【出願日】2018-05-11
(65)【公開番号】P2019197447
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-04-23
(73)【特許権者】
【識別番号】399105209
【氏名又は名称】カタリナ マーケティング ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】萩原 由衣
(72)【発明者】
【氏名】山岸 純二
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-99772(JP,A)
【文献】特開2002-342633(JP,A)
【文献】特開2018-45473(JP,A)
【文献】特開2003-50942(JP,A)
【文献】小谷真幸,スマホのクーポンでお得に食事・買い物,日経マネー,日経BP社,2016年04月21日,第408号,第144-145頁
【文献】マツモトキヨシが携帯電話を利用したポイントカードシステムを導入,mobile media magazine,株式会社シーメディア,2002年05月07日,第80巻,第40-43頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客識別子を有する顧客にポイントサービスを提供するためのポイントシステムであって、
複数の各小売企業側にそれぞれ設けられ売上処理で発生する購買データ中の購買金額に応じて前記顧客識別子別に第1ポイントを累積する第1ポイント管理装置と、
対象商品が購入されたとき購入した顧客に提供する第2ポイントの付与を管理する第2ポイント管理装置と、
顧客に所持される情報端末装置と、
を備え、
前記第2ポイント管理装置は、
顧客識別子を所有する顧客毎に当該顧客が訪問する小売企業を識別する業者識別子を予め記憶している顧客情報記憶部と、
前記対象商品を選択させるための対象商品選択画面情報を前記情報端末装置へ送信する商品表示手段と、
前記第1ポイント管理装置に対し、前記顧客識別子に関連付けて管理している累積ポイントに前記第2ポイントの加算を指示するポイント付与手段と、
を有し、
前記情報端末装置は、
前記対象商品選択画面情報を表示する対象商品選択手段と、
前記対象商品選択画面情報から選択された前記対象商品の情報と前記顧客識別子とを前記第2ポイント管理装置へ送信する選択情報送信手段と、
を有し、
前記ポイント付与手段は、前記情報端末装置で選択された前記対象商品が前記顧客情報記憶部に記憶している前記業者識別子に対応している前記第1ポイント管理装置で売上処理されたとき、前記第2ポイントの加算を指示することを特徴とするポイントシステム。
【請求項2】
前記第1ポイント管理装置は、売上処理で発生する購買データを前記第2ポイント管理装置へ伝送し、前記ポイント付与手段は、前記購買データの購買商品情報に前記対象商品が含まれていると、前記第2ポイントの加算を指示することを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項3】
前記ポイント付与手段は、前記第1ポイント管理装置からの前記購買データに前記顧客情報記憶部に記憶している前記業者識別子と同じ業者識別子が含まれていると、前記第2ポイントの加算を前記指示することを特徴とする請求項2に記載のポイントシステム。
【請求項4】
前記第2ポイント管理装置は、
前記第1ポイント管理装置に加算を指示した前記第2ポイントを前記顧客識別子及び前記対象商品の情報の両方に関連付けて記憶する第2ポイント記憶部と、
前記顧客識別子別の第2ポイントの累計及び前記対象商品別の第2ポイントの累計をそれぞれ演算して出力する累積ポイント情報出力手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のポイントシステム。
【請求項5】
前記情報端末装置は、所定のアプリケーションプログラムがインストールされることで、前記対象商品選択手段と、前記選択情報送信手段と、を有する請求項1に記載のポイントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店舗で商品等を購入する際にポイントを顧客に提供するポイントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、小売店やサービス業者などでは、継続的な顧客の獲得のために、買上げ時の精算金額に応じて顧客に付与したポイント残額にて、商品の値引きや景品を提供したりするポイントサービスが実施されている。
【0003】
そして、近年においては、各小売店で消費者に対し個別に付与しているポイントの共通化も図られてきている(例えば、特許文献1を参照)。このような共通ポイントの管理システムは、異なる小売店で同じポイントカードを利用可能にすることで、消費者は、加盟する小売店の全店でポイントを蓄積して、貯めたポイントを使用することができ、消費者にとっては便利なシステムとなっている。そして、小売店にとっても、加盟の各小売店との相乗効果で販売促進につながるメリットがある。
【0004】
そして、ポイントシステムの普及に伴い、それぞれ異なるポイントシステムを同時に実施する動きもある。そのような例としては、消費者と直接、接点を持たない商品のメーカーが小売店の実施するポイントサービスとは別のポイントサービスを創設して、顧客に対して二通りのポイントサービスを提供することが知られている(例えば、特許文献2を参照)。この場合、メーカーは、ポイントサービスを実施する小売店の協力を得て、小売店のポイントサービス会員を対象に会員を募り、このメーカーに係わる商品の購入に関し新たなポイントサービスを提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-168611号公報
【文献】特開2005-92398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2でのメーカー共通ポイントサービスは、メーカー側がこのポイントサービスを運用する中央装置を配置して、中央装置内には小売企業側が管理する消費者データベース、商品マスター、消費者マスター、購買履歴データベース等を設ける必要があり、新規に大規模なシステムを構築することになる。
【0007】
本発明は、上記点に鑑みて、一つのポイントシステムで、複数種類のポイントを同時に顧客に提供することのできるポイントシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るポイントシステムは、顧客識別子を有する顧客にポイントサービスを提供するためのポイントシステムであって、複数の各小売企業側にそれぞれ設けられ売上処理で発生する購買データ中の購買金額に応じて前記顧客識別子別に第1ポイントを累積する第1ポイント管理装置と、対象商品が購入されたとき購入した顧客に提供する第2ポイントの付与を管理する第2ポイント管理装置と、顧客に所持される情報端末装置と、を備え、前記第2ポイント管理装置は、顧客識別子を所有する顧客毎に当該顧客が訪問する小売企業を識別する業者識別子を予め記憶している顧客情報記憶部と、前記対象商品を選択させるための対象商品選択画面情報を前記情報端末装置へ送信する商品表示手段と、前記第1ポイント管理装置に対し、前記顧客識別子に関連付けて管理している累積ポイントに前記第2ポイントの加算を指示するポイント付与手段と、を有し、前記情報端末装置は、前記対象商品選択画面情報を表示する対象商品選択手段と、前記対象商品選択画面情報から選択された前記対象商品の情報と前記顧客識別子とを前記第2ポイント管理装置へ送信する選択情報送信手段と、を有し、前記ポイント付与手段は、前記情報端末装置で選択された前記対象商品が前記顧客情報記憶部に記憶している前記業者識別子に対応している前記第1ポイント管理装置で売上処理されたとき、前記第2ポイントの加算を指示することを特徴とする。
【0009】
ある実施形態では、小売企業でのPOSシステムを運営している購買データ処理装置が第1ポイント管理装置を兼用し、前記売上処理で発生する購買データを前記第2ポイント管理装置へ伝送する。これにより、前記ポイント付与手段は、前記購買データの購買商品情報に前記対象商品が含まれていると、前記第2ポイントの加算を指示する。さらには、前記ポイント付与手段は、前記第1ポイント管理装置からの前記購買データに前記顧客情報記憶部に記憶している前記業者識別子と同じ業者識別子が含まれていると、前記第2ポイントの加算を指示する。
【0010】
他の実施形態では、前記第2ポイント管理装置は、前記第1ポイント管理装置に加算を指示した前記第2ポイントを前記顧客識別子及び前記対象商品の情報の両方に関連付けて記憶する第2ポイント記憶部と、前記顧客識別子別の第2ポイントの累計及び前記対象商品別の第2ポイントの累計をそれぞれ演算して出力する累積ポイント情報出力手段と、さらに備える。これにより、顧客は獲得した第2ポイントの累計を確認できる一方で、対象商品の売り上げで第2ポイントを提供する提供者も提供する第2ポイントの累計を確認できる。
【0011】
また、前記情報端末装置は、所定のアプリケーションプログラムがインストールされることで、前記対象商品選択手段と、前記選択情報送信手段と、を有する。これにより、顧客は、アプリケーションプログラムをインストールする操作で、メーカーが実施のポイントシステムに簡単に入会することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるポイントシステムによれば、第2ポイント管理装置が付与する別の第2ポイントを、第1ポイント管理装置が管理しているポイントに加算させることで、小売企業のポイントシステムを利用して、第2ポイントを提供することができる。よって、2通りのポイントを同じシステムで提供可能なためシステムを安価に構築できる。しかも、顧客にとっても、第1及び第2ポイントが合算されるため、使い勝手の良いポイントシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係わるポイントシステムの全体構成を説明するブロック図を示す。
図2図1のポイントシステムにおけるPOSシステムの構成を説明するブロック図を示す。
図3】本発明に係わるポイントシステムにおける購買データの構成を模式図で示す。
図4】本発明に係わるポイントシステムにおけるポイントカード番号付きの購買データの流れの説明図を示す。
図5】顧客情報記憶部の記憶データの構成を模式図で示す。
図6】情報端末装置の表示画面の例示図を示す。
図7】本発明に係わるポイントシステムにおける情報端末装置の動作例をフローチャートで示す。
図8】本発明に係わるポイントシステムにおける購買データ処理装置の動作例をフローチャートで示す。
図9】本発明に係わるポイントシステムにおける第2ポイント管理装置の動作例をフローチャートで示す。
図10】メーカーポイントデータベースの記憶データの構成を模式図で示す。
図11】購買データ処理装置から第2ポイント管理装置へ送信する購買データの構成を模式図で示す。
図12】商品選択記憶部の記憶データの構成を模式図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態のポイントシステム100の全体構成を示す図である。ポイントシステム100は、小売企業側に設けられる第1ポイント管理装置である購買データ処理装置1と、商品のメーカーがポイントを購買者に提供するポイントを管理する第2ポイント管理装置2と、情報端末装置3とを、インターネット、電話回線、移動体通信網等の通信ネットワーク20で接続して構成される。尚、第2ポイントの提供者は商品のメーカーとは限らず、同じ小売企業が一定期間で所定の購買をした顧客に第2ポイントを付与(加算)する場合などもある。
【0015】
購買データ処理装置1は、小売企業のセンターに配置されるサーバであり、図2に示すように、小売企業の各店舗に設けられる店舗POSサーバ5と、店舗内の精算レジカウンタに配置される精算端末機(POS端末)6とで販売時点管理(Point Of Sales)を行うPOSシステム4を構成している。ここでの小売企業とは、一般的にはメーカーや卸売業者が販売した商品等を最終消費者に売る業者を意味するが、この明細書では広義に飲食業者やサービスを提供するサービス業者、さらには卸売業者も含むものとする。そして、図においては、購買データ処理装置1は一つしか示されていないが、第2ポイント管理装置2は、それぞれ独自のポイントシステムを運営している複数の小売企業の各購買データ処理装置1に通信ネットワーク20を通して接続されている。
【0016】
典型的な例での購買データ処理装置1は、小売企業の各店舗に設置される店舗POSサーバ5と通信ネットワーク20で接続される。そして、店舗POSサーバ5は、図2に示すように、POS端末6とLAN(Local Area Network)で繋がっている。よって、店舗POSサーバ5は、店舗内のPOS端末6が顧客の買上げ時の精算処理を行うときに発生する販売商品の商品コードやその販売個数、売上金額、精算日時を含む購買データを収集して店舗毎に管理する。図3(a)は、POS端末6が店舗POSサーバ5へ送信する購買データの構成を模式的に示している。
【0017】
各店舗POSサーバ5は、各POS端末6からの購買データを店舗単位で管理すると共に、この購買データを購買データ処理装置1へ転送する。この転送の際には、図3(b)に示すように、当該店舗の店舗コードを購買データに付加して送信する。そして、購買データ処理装置1は、各店舗POSサーバ5から送られてくる購買データをPOSデータベース13に蓄積して統合し管理する。
【0018】
購買データ処理装置1は、こうしたPOS管理に加えて、小売企業が実施するポイントサービスの処理を行う。ポイントサービスとは、ポイント会員登録を行った顧客に対して、買上げ時の精算額に応じたポイントを提供することで、顧客がポイントの累積数に応じた特典を店舗から得ることのできるようにしたプログラムである。この場合、ポイントカード会員に登録したときに発行される個々のポイントカードに表示されているポイントカード番号を顧客識別子として、これに関連付けて顧客毎のポイントを管理する。
【0019】
小売企業が提供するポイントサービスの処理は、POS端末6が精算時に顧客から提示されるポイントカードからポイントカード番号をスキャナー等で読み取ることで、このポイントカード番号を図4(a)に示すように、購買データに追加して店舗POSサーバ5に送信する。そして、店舗POSサーバ5は、購買データに含まれる売上金額に応じて演算したポイント数をさらに追加して(図4(b))、購買データ処理装置1へ送信する。
【0020】
購買データ処理装置1は、ポイントカード番号及びポイント数が付加されたポイントカード番号付きの購買データが送られてきたときには、購買データとポイントカード番号とをPOSデータベース13に蓄積する(図4(c))。このようなポイントカード番号付きの購買データからは、会員登録時に顧客から提供された氏名・住所・年齢・その他属性情報等から顧客を詳細に特定できるため、購買データ処理装置1はポイントカード番号からその顧客の販売動向を分析できる。
【0021】
購買データ処理装置1は、POSデータベース13と共にポイントデータベース14を備えており、ポイントデータベース14には、図4(d)に示すように、ポイントカード番号に対応して累積ポイント数を格納している。よって、ポイントカード番号とポイント数付きの購買データが送られてくると、購買データ処理装置1は、そのポイントカード番号に対応して格納している累積ポイント数に送られてきたポイント数を加算して、累積ポイント数を更新する。以下、小売企業が提供するポイントを第1ポイントと称する。よって、第1ポイントを管理する購買データ処理装置1が本発明での第1ポイント管理装置となる。
【0022】
また、購買データ処理装置1は、図3(b)及び図4(b)示す購買データが各店舗POSサーバ5から送られてくると、この購買データに点線で示すデータエリアに当該小売企業の業者識別子である業者コードを付加して、第2ポイント管理装置2へリアルタイムで送信する。この場合、購買データはそのまま送信する必要はないが、図11で示すように、日時と、商品コード及び個数と、さらには購買データにポイントカード番号が含まれていればそのポイントカード番号は必須のデータとなる。
【0023】
図1に戻って、第2ポイント管理装置2は、メーカーが実施するポイントプログラムの運用主体であるアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)によって運営されるサーバである。ASPは、契約したメーカーから委託されて、そのメーカーが指定する対象商品を小売企業の店舗で購入した顧客にポイントを提供する。小売企業が提供する前述のポイントが第1ポイントに対して、メーカーが提供するこのポイントが第2ポイントとなる。
【0024】
第2ポイント管理装置2は、メーカーが提供する第2ポイントを小売企業の購買データ処理装置1が管理している第1ポイントに加算するよう購買データ処理装置1に指示する。これによって、小売企業のポイント会員の顧客が対象商品を購入したときには、購買データ処理装置1は、小売企業の店舗での買上げ時に付与される第1ポイントに加えて、メーカーが提供する第2ポイントも加算することになる。尚、第2ポイント管理装置2は、第2ポイントを提供する複数のメーカーが集まって直接運営するサーバであってもよい。
【0025】
この第2ポイント管理装置2の構成を説明する前に、情報端末装置3について説明する。情報端末装置3は、通信ネットワーク20に接続可能なスマートフォン等の移動電話機、携帯情報端末機、パーソナルコンピュータ等の一般的な通信情報機器であり、店舗で買い物する顧客に保有されている。情報端末装置3は、処理部31と、記憶部32と、表示部33と、通信部34とを備える。処理部31は、所定のアプリケーションプログラム30をインストールすることで、登録手段31aと、対象商品選択手段31bと、選択情報送信手段31cと、累積ポイント表示手段31dの各機能を有する。
【0026】
登録手段31aは、アプリケーションプログラム30のインストール後の初期設定において、図6(a)に示す登録画面を表示部33に表示する。ここで情報端末装置3の所有者である顧客によって入力されるEメールアドレス,ポイントカード番号及び買い物に利用する小売企業の情報を第2ポイント管理装置2へ送信すると共に、このとき記憶部32にはポイントカード番号が記憶される。
【0027】
対象商品選択手段31bは、第2ポイント管理装置2から送られてくる対象商品選択画面情報により、図6(b)に示す対象商品選択画面を情報端末装置3に表示部33に表示する。対象商品とは、店舗で販売する商品の買上げによりメーカーが第2ポイントを提供する対象となる商品であり、対象商品選択画面情報には、対象商品の画像とその商品に対してメーカーが提供する第2ポイントのポイント数とが含まれている。
【0028】
選択情報送信手段31cは、対象商品選択画面から顧客が購入を予定する対象商品を選択したとき、選択されたこの対象商品情報と、記憶部32に記憶されているポイントカード番号とを通信部34から第2ポイント管理装置2へ送信する。
【0029】
累積ポイント表示手段31dは、第2ポイント管理装置2から送られてくる累積ポイント表示画面データにより、図6(c)に示す累積ポイント表示画面を表示する。
【0030】
ここで、第2ポイント管理装置2について説明する。第2ポイント管理装置2は、CPUによって所定のプログラムを処理することで、配架判定手段21と、商品表示手段22と、ポイント付与手段23と、累積ポイント情報出力手段24の各機能を実現する。そして、第2ポイント管理装置2は、第2ポイント記憶部であるメーカーポイントデータベース7と、購買データ記憶部8と、顧客情報記憶部25と、商品選択記憶部26とを備える。
【0031】
メーカーポイントデータベース7は、図10に示すように、買上された対象商品の商品コード・第2ポイント・日時・ポイントカード番号の各データエリアを有する。各メーカーは、このメーカーポイントデータベース7の格納データに基づき、顧客に提供したポイントの原資を負担することになる。
【0032】
購買データ記憶部8は、購買データ処理装置1からリアルタイムで送られてくる図3(b)及び図4(b)で示したように業者コードが付加された購買データを記憶している。
【0033】
顧客情報記憶部25は、図5に示すように、情報端末装置3から初期設定時に送信されてくるEメールアドレス・ポイントカード番号・小売企業の情報が記憶されている。この場合の小売企業の情報は、業者コードで記憶されている。
【0034】
配架判定手段21は、情報端末装置3から第2ポイント付与の対象商品の表示の要求があると、この情報端末装置3に対応する会員番号の顧客が利用する小売企業が第2ポイント付与の対象商品を販売しているか(配架しているか)否かを判別する。
【0035】
商品表示手段22は、対象商品を選択させるための前述の対象商品選択画面情報を送信する。そして、情報端末装置3から送られてくるポイントカード番号と選択された対象商品の情報とを関連付けて商品選択記憶部26に格納する。このとき、対象商品の情報は、図12で示すように商品コードで記憶される。
【0036】
ポイント付与手段23は、前述したように、購買データ処理装置1から小売企業の業者コードが付加された購買データが送られてくると、この購買データを購買データ記憶部8に格納する。そして、送られてきた購買データにポイントカード番号が含まれているときには、このポイントカード番号とこの購買データに含まれている商品コードの組み合わせが商品選択記憶部26に格納されているかを判別する。ポイントカード番号と商品コードの同じ組み合わせが商品選択記憶部26に格納されていると、この商品コードの対象商品によって付与する第2ポイントを、このポイントカード番号に関連付けて記憶している蓄積ポイントに加算するよう購買データ処理装置1に指示する。
【0037】
累積ポイント情報出力手段24は、メーカーポイントデータベース7に格納されたデータに基づいて、ポイントカード番号の顧客別の第2ポイントの累計ポイント数及び対象商品別の第2ポイントの累計をそれぞれ演算して出力する。
【0038】
上記構成のポイントシステム100の全体動作例を図7乃至図9に基づき説明する。図7は情報端末装置3と第2ポイント管理装置2と連携している動作を示しており、先ず、顧客がメーカーの実施するポイントプログラムに参加するには、所持する情報端末装置3にアプリケーションプログラム30をインストールして実行する。
【0039】
情報端末装置3は、処理部31がアプリケーションプログラム30を実行したとき、登録手段31aが顧客によってEメールアドレスとポイントカード番号と買い物に利用する小売企業とを入力するための、図6(a)に示す入力画面を表示部33に表示する(ステップS1)。ポイントカード番号は、前述したように、小売企業が独自に運営しているポイントシステムで発行しているポイントカードに記録されている番号である。そして、登録手段31aは、顧客が入力するポイントカード番号と利用する小売企業とEメールアドレスとを第2ポイント管理装置2へ送信すると共に、ポイントカード番号を記憶部32に記憶する(ステップS2)。よって、第2ポイント管理装置2は、このポイントカード番号に関連付けて、Eメールアドレスと小売企業を識別する業者コードとを顧客情報記憶部25に記憶する(ステップS3)。
【0040】
顧客が第2ポイントを獲得できる対象商品の情報を得ようとするとき、対象商品選択手段31bは、対象商品の表示を第2ポイント管理装置2へ要求する(ステップS4)。この要求において、対象商品選択手段31bは、記憶部32に記憶しているポイントカード番号を第2ポイント管理装置2へ送信する。第2ポイント管理装置2は、この対象商品表示要求に応答して、配架判定手段21によって、顧客が利用する小売企業に配架されている対象商品を選定する(ステップS5)。
【0041】
具体的にステップS5では、配架判定手段21は、先ず対象商品の表示の要求時に送られてくるポイントカード番号から顧客情報記憶部25を検索して該当する業者コードを抽出する。そして、この業者コードに関連付けて、購買データ記憶部8に蓄積している直近の過去の2週間以内の購買データが示す売上状況から、少なくとも1個の販売実績のある対象商品を選び出す。
【0042】
対象商品を選出すると、第2ポイント管理装置2は、商品表示手段22により選び出した全ての対象商品についての対象商品選択画面情報を生成し送信する(ステップS6)。この対象商品選択画面情報は、予め各メーカーから依頼された対象商品の情報とそれを購入する顧客に当該メーカーが提供する第2ポイント数を表示するための画像データであり、これを送信することで情報端末装置3の表示部33には図6(b)に示す画面が表示される(ステップS7)。
【0043】
顧客が情報端末装置3の表示画面から購入予定の対象商品を「+」ボタンのタップで選択すると共に「決定」ボタンのタップにより、選択情報送信手段31cは、選択された対象商品情報と、記憶部32に記憶しているポイントカード番号とを第2ポイント管理装置2へ送信する(ステップS8)。これにより、商品表示手段22は、送信されてきたポイントカード番号と対象商品情報を商品選択記憶部26に記憶する(ステップS9)。このとき、対象商品情報は商品コードで記憶する。
【0044】
図8は、購買データ処理装置1の動作を示しており、図8(a)において、購買データ処理装置1は、店舗POSサーバ5からの購買データを受信すると、ポイント付与手段23によって、この購買データをPOSデータベース13に格納する(ステップS11)。そして、このときのPOS端末6による売上処理における精算時に、顧客によってポイントカードが提示されて、そこに記録されているポイントカード番号を読み取っているときには、送られてきた購買データにはポイントカード番号が付加されている。
【0045】
よって、ポイントカード番号付きの購買データであるときには(ステップS12の「YES」)、図4(b)で示したように購買データには付与するポイント数(第1ポイント)が含まれており、購買データ処理装置1は、ポイントデータベース14に当該ポイントカード番号に関連付けて記憶している累積ポイント数に、このとき送られてきたポイント数を加算する(ステップS13)。しかし、ポイントカード番号付きでないときには(ステップS12の「NO」)、ステップS13の処理はスキップされる。
【0046】
続いて、購買データ処理装置1は、ポイントカード番号付きか否かに係らず店舗サーバ5から送られてくる購買データに当該小売企業の業者コードを付加して第2ポイント管理装置2へ送信して処理を終了する(ステップS14)。このように、第2ポイント管理装置2は、ポイントカード番号付きか否かに係らず、送られてきた購買データを業者コードに関連付けて購買データ記憶部8に格納する。よって、前述したように、配架判定手段21は購買データ記憶部8に格納されている購買データから対象商品の小売業者ごとに売上状況を判定することができる。
【0047】
図9は、第2ポイント管理装置2の動作を示しており、図9において、第2ポイント管理装置2は、購買データ処理装置1からの図11に示すポイントカード番号付の購買データ28を受信すると、ポイント付与手段23によって、対象商品を選択した顧客が事前に指定している小売企業の店舗でこの対象商品を購入したかを判別する(ステップS21)。
【0048】
ポイント付与手段23によるステップS21での具体的な処理は、先ず、第2ポイント管理装置2は、購買データに付加されているポイントカード番号に関連付けて商品選択記憶部26に記憶している商品コードが購買データ28に含まれているか否かを判定する。そして、含まれているときには、このポイントカード番号で関連付けて顧客情報記憶部25に記憶している業者コードが当該購買データに含まれているかを判別する。したがって、購買データ処理装置1から送られてきたポイントカード番号付きの購買データ28の中に、同じポイントカード番号で顧客情報記憶部25及び商品選択記憶部26のそれぞれに記憶されている業者コードと商品コードとが含まれていると、ポイント付与手段23は、顧客が選択した対象商品が予め届け出ている小売企業で実際に購入されたと判定する。
【0049】
これにより、第2ポイント管理装置2は、ポイント付与手段23によって、このポイントカード番号及びその対象商品の第2ポイント数を購買データ処理装置1へ送信して、対象商品のポイント数の加算を購買データ処理装置1に指示する(ステップS22)。
【0050】
そして、ポイント付与手段23は、対象商品の第2ポイント数の加算を指示したとき、同時に購買データに含まれている日時とこの対象商品の商品コードと第2ポイント数とポイント会員番号の各データをメーカーポイントデータベース7に記録する(ステップS23)。同時に、ポイント付与手段23は、商品選択記憶部26から一致が検出されたポイントカード番号と対象商品の商品コードとの記憶を消去する。
【0051】
購買データ処理装置1では、第2ポイント管理装置2からポイントカード番号と第2ポイント数を受信すると、このポイントカード番号に関連付けてポイントデータベース14に記憶している累積ポイントに、送られてきた第2ポイント数を加算して累積ポイントを更新する。よって、メーカー提供の第2ポイントが、店舗内での顧客の精算金額に応じたポイント加算と同様に、小売企業が実施のポイントシステムに加算されることになる。
【0052】
以上が第2ポイントを付与する処理シーケンスである。第2ポイント管理装置2は、累積ポイント情報出力手段24によって、メーカーポイントデータベース7からポイントカード番号の顧客別にメーカーごとの第2ポイントの累計ポイント数を演算して、これを表示する累積ポイント表示画面データを作成する。そして、この累積ポイント表示画面データを商品選択記憶部26にポイントカード番号に関連付けて記憶しているEメールアドレスに送信することで、メールによる累積ポイント表示画面データを受信した情報端末装置3は、図6(c)に示す画面で対象商品の購入で第2ポイントを獲得できたことを確認できる。
【0053】
また、累積ポイント情報出力手段24は、メーカーポイントデータベース7の日時データから所定期間内で顧客に提供した第2ポイントのメーカー別の累計ポイント数を演算して出力する。この場合、メーカーポイントデータベース7に記憶している商品コードからメーカーを識別して、商品コードに関連付けて記憶しているポイントをメーカー別に合計することで算出される。これにより、日時データから所定期間内で顧客に提供した第2ポイントのメーカー別の負担分を確認できる。
【0054】
上記したように、本発明によるポイントシステムは、第2ポイント管理装置2がメーカーの付与する第2ポイントを、購買データ処理装置1(第1ポイント管理装置)が管理している累積ポイントに加算させることで、小売企業のポイントシステムを利用して、メーカーが自社商品を購入する顧客に対して別のポイントを提供することができる。本実施形態では、POSシステム4を統括する購買データ処理装置1が第1ポイント管理装置を兼用するが、第1ポイント管理装置を別に設けて購買データ処理装置1からポイントカード番号付きの購買データを受け取れるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 第1ポイント管理装置(購買データ処理装置)
2 第2ポイント管理装置
3 情報端末装置
7 メーカーポイントデータベース(第2ポイント記憶部)
21 配架判定手段
22 商品表示手段
23 ポイント付与手段
24 累積ポイント情報出力手段
25 顧客情報記憶部
30 アプリケーションプログラム
31a 登録手段
31b 対象商品選択手段
31c 選択情報送信手段
31d 累積ポイント表示手段
図1
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