(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】負荷時タップ切換器のための選択器、および、負荷切換器および選択器を有する負荷時タップ切換器
(51)【国際特許分類】
H01F 29/04 20060101AFI20220506BHJP
H01F 29/02 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
H01F29/04 502D
H01F29/02 C
H01F29/02 D
H01F29/04 501A
(21)【出願番号】P 2018543708
(86)(22)【出願日】2017-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2017055391
(87)【国際公開番号】W WO2017153447
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】102016104499.7
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(72)【発明者】
【氏名】ハンマー・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ビーリンガー・アルフレート
(72)【発明者】
【氏名】ウンターライナー・ニコラウス
(72)【発明者】
【氏名】ツヴィルグルマイアー・フーベルト
(72)【発明者】
【氏名】シュトッカー・アンドレアス
【審査官】久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】実公昭42-019134(JP,Y1)
【文献】特開平11-162753(JP,A)
【文献】実公昭32-004932(JP,Y1)
【文献】特開平11-176296(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1543201(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 29/00-29/04
H01H 3/44、9/00、19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷切換器(14)を有する負荷時タップ切換器(15)のための選択器(10)であって、この選択器が、
- 第1の側面(20)と反対側の第2の側面(30)とを有する、絶縁プレート(11)と;
- 前記第1の側面(20)から前記絶縁プレート(11)を貫いて前記第2の側面(30)へと延在する、複数の固定接点(18)と;
- 前記第1の側面(20)の上の第1の可動接点(21)と;
- 前記第2の側面(30)の上の第2の可動接点(31)と;
- 前記第1の可動接点(21)と結合されており、且つ、前記負荷切換器(14)の第1の分岐部(12)と結合されている、第1の接続部(27)と;
- 前記第2の可動接点(31)と結合されており、且つ、前記負荷切換器(14)の第2の分岐部(13)と結合されている、第2の接続部(37)と;
を備えており、
- それぞれの前記可動接点(21、31)が、選択的に、それぞれの前記固定接点(18)と結合され得、および、
- それぞれの前記固定接点(18)が、前記第1の側面(20)の上で、前記第1の可動接点(21)のための第1の接点領域(22)を、および、前記第2の側面(30)の上で、前記第2の可動接点(31)のための第2の接点領域(32)を有している、
ことを特徴とする選択器(10)。
【請求項2】
- 軸線(41)を中心として回転可能に前記絶縁プレート(11)に支承されており、且つ、前記第1の可動接点(21)を担持する、第1のゼネバホイール(23)と;
- 前記軸線(41)を中心として回転可能に前記絶縁プレート(11)に支承されており、且つ、前記第2の可動接点(31)を担持する、第2のゼネバホイール(33)と;を備えており、
- 前記軸線(41)が、前記絶縁プレート(11)の両方の前記側面(20、30)に対して垂直に延びている、
ことを特徴とする請求項1に記載の選択器(10)。
【請求項3】
- 前記第1の側面(20)の上の第1の駆動機構(25)と、前記第2の側面(30)の上の第2の駆動機構(35)と;
- 前記絶縁プレート(11)と前記駆動機構(25、35)とを貫いて延在し、且つ、回転可能に前記絶縁プレート(11)に支承されている、共通の駆動軸(43)と;
を備えており、
- 両方の前記駆動機構(25、35)が、前記駆動軸(43)によって駆動され;
- 前記第1の駆動機構(25)が第1の突起部(26)を、および、前記第2の駆動機構(35)が第2の突起部(36)を有しており;
- それぞれの前記突起部(26、36)が、それぞれの前記ゼネバホイール(23、33)内に係合しており、従って、駆動機構(25、35)の完全な1回転の際に、それぞれの前記ゼネバホイール(23、33)が、完全な1回転の一部分だけ回転する、
ことを特徴とする
請求項2に記載の選択器(10)。
【請求項4】
- 前記第1の突起部(26)は、前記第2の突起部(36)に対して位置ずれされて配設されており、従って、前記ゼネバホイール(23、33)の交互の操作が行われる、ことを特徴とする請求項3に記載の選択器(10)。
【請求項5】
- 前記接続部(27、37)は、前記可動接点(21、31)と、直接的に、または、撚線(44)を介して結合されており;及び/または、
- 前記接続部(27、37)が、接触軸(45)及び/または接触リング(48)と結合されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の選択器(10)。
【請求項6】
- それぞれの前記可動接点(21、31)は、それぞれの前記ゼネバホイール(23、33)に、可動に支承されている、
ことを特徴とする
請求項2から4のいずれか一つに記載の選択器(10)。
【請求項7】
- それぞれの前記固定接点(18)は、導線(19)と結合されており、または、導線(19)と1つの部材から成るように、湾曲された導体として形成されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の選択器(10)。
【請求項8】
- 前記導線(19)は、前記絶縁プレート(11)に、保持リング(29、39)及び/または固定レール(40)によって固定されており;及び/または、
- 前記導線(19)が、前記絶縁プレート(11)に、クリップ留めされ、または、差し込まれており;及び/または、
- 前記導線(19)が、前記絶縁プレート(11)内へとまたは前記絶縁プレート(11)に、射出成形され、または、溶かし込まれている、
ことを特徴とする請求項7に記載の選択器(10)。
【請求項9】
- 前記第1のゼネバホイール(23)は、第1の支承軸(24)の上で回転可能に支承されており;
- 前記第2のゼネバホイール(33)が、第2の支承軸(34)の上で回転可能に支承されており;
- 前記支承軸(24、34)と前記絶縁プレート(11)とが、1つの部材から成るように形成されている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の選択器(10)。
【請求項10】
- 請求項1から9のいずれか一つによる選択器(10)と;
- 第1の接続部(27)に結合されている第1の分岐部(12)と、第2の接続部(37)に結合されている第2の分岐部(13)とを有する負荷切換器(14)と、
を備えていることを特徴とする負荷時タップ切換器(15)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷時タップ切換器のための選択器、並びに、負荷切換器および選択器を有する負荷時タップ切換器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、負荷時タップ切換器を記載しており、この負荷時タップ切換器が、リアクトル式切換原理により機能する。
この負荷時タップ切換器は、ベースプレートとカバープレートとを有しており、これらベースプレートとカバープレートの間に、モーター、伝動装置、および、接点装置が配設されている。固定接点は、円形にベースプレートの上に配設されており、伝動装置を介して操作される異なる接点ユニットによってタップ切換される。巻線タップとの固定接点の接触は、ベースプレートの背面側で行われる。伝動装置は、基本的に、鋼から成るカバープレートに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6,693,247 B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この背景から、本発明は、独立請求項の対象を提案する。本発明の有利な実施形態は、従属請求項内において記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下で、「AはBに結合されている」の様式の表現は、「AはBと結合されている」の様式の表現に相応しており、
「AはBと結合されている」の様式の表現が、「Aは直接的にBと導電的に結合されている」、および、「Aは間接的に、即ちCを介して、Bと導電的に結合されている」の意味を含んでおり、および、
「AはBに接続されている」の様式の表現が、「Aは直接的にBと導電的に結合されている」の意味を有している。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、第1の観点に従い、負荷切換器を有する負荷時タップ切換器のための選択器を提案し、この選択器が、
- 第1の側面と反対側の第2の側面とを有する、絶縁プレートと;
- 第1の側面から絶縁プレートを貫いて第2の側面へと延在する、複数の固定接点と;- 第1の側面の上の第1の可動接点と;
- 第2の側面の上の第2の可動接点と;
- 第1の可動接点と結合されており、且つ、負荷切換器の第1の分岐部または負荷分岐部と結合されている、第1の接続部と;
- 第2の可動接点と結合されており、且つ、負荷切換器の第2の分岐部または負荷分岐部と結合されている、第2の接続部と;
を備えており、その際、
- それぞれの可動接点が、選択的に、それぞれの固定接点と結合され得、および、
- それぞれの前記固定接点が、前記第1の側面の上で、前記第1の可動接点のための第1の接点領域を、および、前記第2の側面の上で、前記第2の可動接点のための第2の接点領域を有している。
【0007】
この選択器は、第1の側面から第2の側面へと延在する固定接点によって、両方の可動接点が1つの固定接点を同時に定常状態において接触することを可能にする。従って、負荷時タップ切換器全体は、所定の電位にあり、これに伴って、高い衝撃電圧強度を有している。
【0008】
この選択器は、少ない構造部材に基づいて、コストが低く、且つ、それにも拘らず、確実である。選択器の全ての部材は、ただ1つの絶縁プレートに固定されている。この特に場所を取らない構成は、例示的にローカルネットワーク変圧器(Ortsnetztransformator)として形成されている、相応する変圧器のための構造容積を著しく低減することを可能にする。この事実は、システムの全コストを低減する。
更に、この簡単な構造は、選択器の特に迅速な組み付けを可能にする。固定接点は、容易に、絶縁プレート内へと差込み可能である。同様に、可動接点の取り付けも、簡単に実施可能である。何故ならば、これら可動接点がそれぞれの側から容易に装着され得るからである。
【0009】
それぞれの固定接点は、この固定接点に所属して設けられた、変圧器の制御巻線または制御可能なコイルの巻線タップに、結合または接続されている、または、結合または接続される。
【0010】
可動接点および固定接点は、それぞれの可動接点が、選択的に、これら固定接点のそれぞれに結合され得るように形成されている。
【0011】
この選択器は、必要に応じて、適宜の構造およびやり方で、
例えばこの選択器が、少なくとも1つの付加的な絶縁プレートを有する、または、如何なる付加的な絶縁プレートも有していない、及び/または、少なくとも1つの付加的な可動接点を有する、または、如何なる付加的な可動接点も有していない、及び/または、少なくとも1つの付加的な接続部を有する、または、如何なる付加的な接続部も有していない、ように形成され得る。
【0012】
有利には、
- それぞれの固定接点が、第1の側面の上で、第1の可動接点のための第1の接点領域を、および、第2の側面の上で、第2の可動接点のための第2の接点領域を有している、ことは限定され得る。
【0013】
固定接点の接点領域は、可動接点の幾何学的形状に相応しており、且つ、これに伴って、特に形状一体的に係合する、導電性の結合が保障される。接点領域は、その際、例えば、簡単な、直線状または湾曲状のピンとして形成されていることは可能である。
【0014】
有利には、選択器が、
- 軸線を中心として回転可能に絶縁プレートに支承されており、且つ、第1の可動接点を担持する、第1のゼネバホイールと;
- 軸線を中心として回転可能に絶縁プレートに支承されており、且つ、第2の可動接点を担持する、第2のゼネバホイールと;
を備えており、その際、
- 軸線が、前記絶縁プレートの両方の側面に対して垂直に延びている、
ことは限定され得る。
【0015】
その際、可動なもしくは浮動状態の支承を保証するために、それぞれの可動接点は、圧縮ばね及び/または引張ばねのような付加的な手段によって、それぞれのゼネバホイールに固定されていることは可能である。支承軸が、別個の個別部品として、または、絶縁プレートの射出成形された一部分として形成されていることは可能である。
【0016】
有利には、選択器が、
- 第1の側面の上の第1の駆動機構と、第2の側面の上の第2の駆動機構と;
- 絶縁プレートと駆動機構とを貫いて延在し、且つ、回転可能に絶縁プレートに支承されている、共通の駆動軸と;
を備えており、その際、
- 両方の駆動機構が、駆動軸によって駆動され;
- 第1の駆動機構が第1の突起部を、および、第2の駆動機構が第2の突起部を有しており;
- それぞれの突起部が、それぞれのゼネバホイール内に係合しており、従って、駆動機構の完全な1回転の際に、それぞれのゼネバホイールが、完全な1回転の一部分だけ回転する、
ことは限定され得る。
【0017】
駆動機構が、必要に応じて、付加的な突起部を有することは可能であり、従って、360°だけの駆動機構の回転の際に、それぞれのゼネバホイールが、相応して、何度か操作される。選択器は、必要に応じて、少なくとも1つの付加的な駆動軸を有しているか、または、如何なる付加的な駆動軸も有していない。
【0018】
有利には、
- 第1の突起部が、第2の突起部に対して位置ずれされて配設されており、従って、ゼネバホイールの交互の操作が行われる、
ことは限定され得る。
【0019】
その際、駆動機構、および、これに伴って、これら駆動機構に配設された突起部は、1つの角度において互いに位置ずれされている。この角度は、その際、個々の可動接点の位置ずれされた操作が行われる程に大きい。
【0020】
有利には、
- 接続部が、可動接点と、直接的に、または、撚線を介して結合されており;及び/または、
- 接続部が、接触軸及び/または接触リングと結合されており;及び/または、
- それぞれの可動接点が、1つの部材から成るように、または、複数の部材から成るように形成されており;及び/または、
- それぞれの可動接点が、それぞれのゼネバホイールに、可動に支承されており;及び/または、
- それぞれの固定接点が、導線と結合されており、または、導線と1つの部材から成るように、湾曲された導体として形成されている、
ことは限定され得る。
【0021】
固定接点および導線は、はんだ付け、溶接、または、他の接合方法によって結合されていることは可能である。両方の部材は、しかしながら、同様に、線材から成っていることも可能であり、この線材が、一方の端部における変形によって、可動接点のための2つの接点領域を有している。
【0022】
有利には、
- 導線が、絶縁プレートに、保持リング及び/または固定レールによって固定されており;及び/または、
- 導線が、絶縁プレートに、クリップ留めされ、差し込まれ、係止され、または、スナップ止めされており;及び/または、
- 導線が、絶縁プレート内へとまたは絶縁プレートに、埋設され、または、押出し被覆され、または、射出成形され、または、溶かし込まれている、
ことは限定され得る。
【0023】
絶縁プレート内への導線の埋設は、必要に応じて、適宜の構造およびやり方で、例えば射出成形または低圧鋳造によって行われ得る。
【0024】
有利には、
- 第1のゼネバホイールが、第1の支承軸の上で回転可能に支承されており;
- 第2のゼネバホイールが、第2の支承軸の上で回転可能に支承されている;
ことは限定され得る。
【0025】
有利には、
- 支承軸と絶縁プレートとが、1つの部材から成るように形成されている、
ことは限定され得る。
【0026】
本発明は、第2の観点に従い、負荷時タップ切換器を提案し、この負荷時タップ切換器が、
- 第1の観点に従い形成されている、選択器と;
- 第1の接続部に結合または接続されている第1の負荷分岐部または分岐部と、第2の接続部に結合または接続されている第2の負荷分岐部または分岐部とを有する負荷切換器と、
を備えている。
【0027】
有利には、
- 負荷時タップ切換器が、負荷導出部を介して、接地電位と結合されている、
ことは限定され得る。
【0028】
本発明の観点の内の1つの観点、特にこの観点の個々の特徴に対する説明は、相応して、同様に類似して、本発明の他の観点にも適用される。
【0029】
以下で、本発明の実施形態を、例示的に、添付された図に基づいて詳細に説明する。
そこから読み取れる個別の特徴は、しかしながら、それら個別の実施形態に限定されるのではなく、むしろ、更に別の上記された個別の特徴と、及び/または、他の実施形態の個別の特徴とが結合されること、及び/または、組み合わせられることは可能である。
図内における詳細な事項は、単に説明的に解釈すべきであり、しかしながら限定的に解釈すべきでない。
請求の範囲内において記載された参照符号は、本発明の保護範囲を如何なる方法においても限定すべきでなく、むしろ、単に、図内において示された実施形態を参照するように指示しているだけにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】負荷切換器を有する負荷時タップ切換器のための、選択器の有利な実施形態の、第1の側面の図である。
【
図3】第1のゼネバホイールが除去された、選択器の第1の側面と、選択器の第1の可動接点の第1の実施形態と、選択器の固定接点の第1の実施形態との図である。
【
図4】第2のゼネバホイールが除去された、選択器の第2の側面と、選択器の第2の可動接点の第1の実施形態と、固定接点との図である。
【
図6】第1の可動接点の第1の実施形態と、固定接点の第1の実施形態との図である。
【
図7】第1の可動接点の第2の実施形態と、固定接点の第2の実施形態との図である。
【
図8】第1の可動接点の第3の実施形態と、固定接点の第3の実施形態との図である。
【
図9】負荷切換器と選択器10とを有する負荷時タップ切換器の配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1から4内において、絶縁プレート11を有する選択器10の有利な実施形態が図示されている。
絶縁プレート11は、例えば合成物質、または、繊維強化された合成物質(例えば、ガラス繊維を有するポリアミドまたはポリフタルアミドから成る混合物)のような、絶縁材料から成っている。この絶縁プレート11は、例示的に、基本的に矩形であり、且つ、第1の側面20と、反対側の第2の側面30とを有している。
第1の側面20の上に、複数の固定接点18が配設されており、これら固定接点は、導線19を介して、タップ切換変圧器の制御巻線17(
図9)の巻線タップ16と結合されており、且つ、第1の実施形態に従い形成されている。固定接点18は、第1の側面20から、絶縁プレート11を貫いて、第2の側面30へと延在している。これら固定接点18は、有利には、銅から成り、且つ、付加的に銀めっきされている。
更に、絶縁プレート11の第1の側面20の上に、この絶縁プレートに可動に支承された第1の可動接点21を有する、第1のゼネバホイール23が装着されている。第1のゼネバホイール23は、軸線41を中心として回転可能に第1の支承軸24の上で支承されている。この支承軸24は、例示的に、絶縁プレート11と機械的に結合される、別個の部材として形成されている。この支承軸24は、しかしながら、絶縁プレート11の製造の際に、共に射出成形され得、且つ、この絶縁プレートと、1つのユニットとして形成され得る。
第1のゼネバホイール23と並んで、第1の駆動機構25が配設されており、この第1の駆動機構は、絶縁プレート11を貫いて延在する駆動軸43を介して操作される。その際、第1の駆動機構25は、第1の突起部26を有しており、この第1の突起部が、第1のゼネバホイール23内へと係合し、且つ、この第1のゼネバホイールをその際に回転する。
【0032】
選択器10の操作の際に、第1の駆動機構25は、駆動軸43の相応する操作によって、360°だけ回転される。第1のゼネバホイール23との協働作用において、第1の駆動機構25の完全な1回転の際に、この第1のゼネバホイール23は、ただ少しずつだけ、即ち、完全な1回転の一部分だけ回転される。第1の駆動機構25と第1のゼネバホイール23とから成る組み合わせによって、第1の駆動機構25の連続的な回転運動は、ステップ状もしくは少しずつの、第1のゼネバホイール23の回転に変換される。
1つのゼネバホイール23と1つの駆動機構25とから成る組み合わせは、同様に静止状態においても、即ち選択器10の操作の前または後において、相対しての両方の部材の制動機能を可能にする。
【0033】
第1のゼネバホイール23の操作の前、第1の可動接点21は、常に、固定接点18の内の1つの固定接点と接触し、且つ、この固定接点を、その際、導電的に、負荷切換器14の第1の分岐部12の第1の接続部27(
図9)と結合する。選択器10の操作の際に、第1のゼネバホイール23は回転され、且つ、その際、第1の可動接点21が、この固定接点18から隣接する固定接点18へと切り換わる。
【0034】
それぞれの固定接点18は、第1および第2の接点領域22、32を有している。第1の可動接点21との固定接点18の接触は、第1の側面20の上で、それぞれ第1の接点領域22を介して行われる。
【0035】
図2内において、選択器10の反対側の側面が図示されている。
同様に絶縁プレート11の第2の側面30の上に、固定接点18が見て取れ得、これら固定接点18は、導線19を介して、巻線タップ16と結合されている。更に、第2の側面30の上に、第2の可動接点31を有する第2のゼネバホイール33が装着されている。第2のゼネバホイール33は、軸線41を中心として回転可能に第2の支承軸34の上で支承されている。
第2の駆動機構35は、第2のゼネバホイール33と並んで配設されており、且つ、第1の駆動機構25と同じ駆動軸43によって操作される。その際、第2の駆動機構35は、第2の突起部36を有しており、この第2の突起部が、第2のゼネバホイール33内へと係合し、且つ、この第2のゼネバホイールをその際に回転する。
【0036】
第1の突起部26は、第2の突起部36に対して位置ずれされて配設されており、もしくは、駆動機構25、35、および、これに伴って、突起部26、36が、位置ずれされて配設されている。駆動軸43の回転の際に、突起部26、36もしくは駆動機構25、35の位置ずれされた配設によって、ゼネバホイール23、33、および、これに伴って、可動接点21、31の、時系列的にずれされた操作が達成される。
【0037】
第2のゼネバホイール33の操作の前、第2の可動接点31は、常に、固定接点18の内の1つの固定接点と接触し、且つ、この固定接点を、その際、導電的に、負荷切換器14の第2の分岐部13の第2の接続部37(
図9)と結合する。選択器10の操作の際に、第2のゼネバホイール33は回転され、且つ、その際、第2の可動接点31が、この固定接点18から隣接する固定接点18へと切り換わる。
ここで記載されている実施形態において、選択器10の操作の開始の前、即ち定常的な状態において、第1および第2の可動接点21、31は、同じ固定接点18と接触している。このことは、しかしながら、それぞれの必要応じて変更可能である。第2の可動接点31との固定接点18の接触は、第2の側面30の上で、それぞれの第2の可動接点31を介して行われる。
【0038】
図3内において、改めて、選択器10の第1の側面20が、しかしながら第1のゼネバホイール23無しで、図示されている。ここで、固定接点18は、これら固定接点のそれぞれの第1の接点領域22と共に認識され得る。
固定接点18をそれぞれの巻線タップ16と結合する導線19は、絶縁プレート11の第1および第2の側面20、30の上で、交互に延びている。これによって、個々の導線19の間の絶縁間隔は増大される。
導線19は、その際、例示的に、第1の側面20の上で、第1の保持リング29によって絶縁プレート11に固定されている。この固定は、しかしながら、同様に他の構造およびやり方でも行われ得る。従って、導線19は、射出成形された係止輪郭部もしくはスナップ止め結合部において係止され得、または、絶縁プレート11内へと、直接的に射出成形によって統合され得る。
絶縁プレート11の縁部領域内において、導線19は、例示的に、付加的な固定レール40によって、絶縁プレート11の両方の側面20、30に組み付けられている。導線の固定は、同様にここでも、前記されているように、係止、接着、等によって行われ得る。固定接点18および導線19が、しかしながら同様に1つの部材から製造されていることも可能である。
【0039】
図4内において、改めて、選択器10の第2の側面30が、しかしながら第2のゼネバホイール33無しで、図示されている。ここで、固定接点18は、これら固定接点のそれぞれの第2の接点領域32と共に図示されている。
導線19は、例示的に、第2の側面30の上で、第2の保持リング39によって絶縁プレート11に固定されている。この固定は、しかしながら、同様に他の構造およびやり方でも行われ得る。従って、導線19は、射出成形された係止輪郭部もしくはスナップ止め結合部において係止され得、または、絶縁プレート11内へと、直接的に射出成形によって統合され得る。
【0040】
図5内において、駆動機構25、35が図示されている。突起部26、36は、互いに向かい合わせられており、しかしながら、それぞれの形態、および、それぞれのゼネバホイール23、33との作用結合に応じて、同様に異なって整向されていることは可能である。
ここで、特に、駆動機構25、35、およびこれに伴って突起部26、36が、約180°位置ずれされていることは、良好に見て取れる。従って、駆動軸43の操作によって、個々のゼネバホイール23、33は、時系列的にずれされた状態で回転され、且つ、これに伴って、可動接点21、31が、異なる時点で操作される。
【0041】
図6内において、第1の可動接点21の第1の実施形態、および、固定接点18の第1の実施形態が、拡大されて図示されている。その際、第1の可動接点21は、この第1の可動接点の前面側または接触側で、この第1の可動接点の輪郭が固定接点18の第1の接点領域22に最適に適合されており且つこの第1の接点領域と最適に接触するように、形成されている。固定接点18の幾何学的形状との関連における、可動接点21、31の輪郭は、しかもその上、係止機能を可能にする。
可動接点21は、圧縮ばね42によって、軸線41の方向に、ばね弾性的に及び/または浮動状態で支承されている。これに伴って、1つの固定接点18への接続の際に、常に、接触圧力が発生させられる。
可動接点と、この可動接点の接続部27との間の、導電性の結合は、例示的に、撚線44を介して実現され、この撚線が、軸線方向接点49と結合されている。この軸線方向接点49は、強固に、連行体を介して、第1のゼネバホイール23と結合されており、且つ、この第1のゼネバホイールと共に回転する。第1の接続部27は、回転不能に配設された、導電性の、銀めっきされたディスク50と結合されている。ディスク50および軸線方向接点49は、滑り状態で、導電的に互いに結合されている。
第2の可動接点31、第2の接点領域32、および、第2の接続部37は、第2の側面30の上で、第1の可動接点21、第1の接点領域22、および、第1の接続部27に類似して形成されている。
【0042】
図7内において、第1の可動接点21の第2の実施形態の詳細図、および、固定接点18の第2の実施形態が図示されている。
接触軸45は、第1のゼネバホイール23のための支承部として、および、第1の接続部27のための接触部として利用される。この接触軸45は、向かい合って位置する、この接触軸45に対して垂直に延在する、2つの接触面46を有している。それぞれの第1の接点領域22は、向かい合って位置する、接触軸45に対して垂直に延在する、2つの接触面47を有している。これら接触面46、47は、それぞれに、個々に、1つの可動接点、または、多部材より成る可動接点21によって、滑り状態で接触され得る。
その際、可動接点21の個々の部材は、移動可能に、ばね弾性的に(浮動状態で)、支承されており、且つ、ここでは図示されていないゼネバホイール23に配設されており、もしくは、このゼネバホイールによって保持されている。
この実施形態において、可動接点21は、自己ばね弾性的(eigengefedert)に構成されており、即ち、接触力が、接触ばね薄板の予負荷を介して発生される。この可動接点を構成する材料は、例示的に、導電的且つばね弾性的であり、有利には、CuSn6、または、CuCr1Zrである。
【0043】
図8内において、第1の可動接点21の第3の実施形態の詳細図、および、固定接点18の第3の実施形態が図示されている。
接触リング48は、第1の接続部27のための接触部に利用される。この接触リング48は、向かい合って位置する、この接触軸45に対して同心的に延在する、2つの接触面46を有している。それぞれの第1の接点領域22は、向かい合って位置する、接触軸45に対して平行に延在する、2つの接触面47を有している。これら接触面46、47は、多部材より成る可動接点21によって、滑り状態で接触され得る。
その際、可動接点21の個々の部材は、移動可能に、ばね弾性的に(浮動状態で)、支承されており、且つ、ここでは図示されていないゼネバホイール23に配設されている。
この実施形態において、可動接点21は、自己ばね弾性的(eigengefedert)に構成されており、即ち、接触力が、接触ばね薄板の予負荷を介して発生される。この可動接点を構成する材料は、例示的に、導電的且つばね弾性的であり、有利には、CuSn6、または、CuCr1Zrである。
【0044】
図9内において、本発明に従う選択器10および負荷切換器14を有する負荷時タップ切換器15が、概略的に図示されている。
選択器10は、円形に配設された固定接点18を備える、第1の側面20および第2の側面30を有している。これら固定接点18は、それぞれに、導線19を介して、制御変圧器の制御巻線17の、所属して設けられた巻線タップ16と、導電的に結合されている。第1の可動接点21は、第1の接続部27を介して、負荷切換器14の第1の分岐部12と、導電的に結合されている。第2の可動接点31は、第2の接続部37を介して、負荷切換器14の第2の分岐部13と、導電的に結合されている。負荷切換器14は、それに加えて、負荷導出部51と、および、これに伴って、接地電位と導電的に結合されている。
負荷切換器の内部において、負荷のもとでの切り換えは、異なる切換手段52により、第1の分岐部から第2の分岐部へと、および、第2の分岐部から第1の分岐部へと行われる。
【符号の説明】
【0045】
10 選択器
11 絶縁プレート
12 負荷切換器14の第1の分岐部
13 負荷切換器14の第2の分岐部
14 負荷切換器
15 負荷時タップ切換器
16 巻線タップ
17 制御巻線
18 固定接点
19 導線
20 絶縁プレート11の第1の側面
21 第1の可動接点
22 第1の接点領域
23 第1のゼネバホイール
24 第1の支承軸
25 第1の駆動機構
26 第1の突起部
27 第1の接続部
29 第1の保持リング
30 絶縁プレート11の第2の側面
31 第2の可動接点
32 第2の接点領域
33 第2のゼネバホイール
34 第2の支承軸
35 第2の駆動機構
36 第2の突起部
37 第2の接続部
39 第2の保持リング
40 固定レール
41 軸線
42 圧縮ばね
43 駆動軸
44 撚線
45 接触軸
46 接触軸45の接触面
47 固定接点18の接触面
48 接触リング
49 軸線方向接点
50 ディスク
51 負荷切換器14の負荷導出部
52 負荷切換器14の切換手段