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特許7066633管状のエアロゾル発生物品を検出するための手段を備える電気的に作動するエアロゾル発生システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】管状のエアロゾル発生物品を検出するための手段を備える電気的に作動するエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20220506BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20220506BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/46
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018558386
(86)(22)【出願日】2017-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2017062789
(87)【国際公開番号】W WO2017207442
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-05-20
(31)【優先権主張番号】16172321.8
(32)【優先日】2016-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】リーヴェル トニー
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-509160(JP,A)
【文献】特表2012-513750(JP,A)
【文献】国際公開第2016/005602(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に作動するエアロゾル発生システムであって、
主要ユニットの外部表面に配置される加熱部分を含む主要ユニットであって、前記加熱部分は1つ以上の電気ヒーターを含む、主要ユニット、および、
管状のエアロゾル発生物品であって、
管状のエアロゾル形成基体と、
内部通路と、を含む管状のエアロゾル発生物品、を備え、
前記管状のエアロゾル発生物品の前記内部通路は、前記主要ユニットの前記加熱部分を受けるように構成され、
前記1つ以上の電気ヒーターは、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に、前記管状のエアロゾル形成基体を加熱するように配置され、
前記主要ユニットは、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するための手段を備え、
前記主要ユニットは、近位部分と、前記近位部分と反対側の遠位部分とを備え、前記近位部分は、前記加熱部分と、前記管状のエアロゾル発生物品が前記加熱部分よりも遠位に配置されている前記主要ユニットの前記加熱部分に受けられていることを判定するための前記手段と、を備える、電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記主要ユニットは、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するための前記手段が、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていないと判定する時に前記1つ以上の電気ヒーターに電力が供給されることを防ぐように構成される電気回路を含む、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するための前記手段は、センサーと、前記センサーから受信した信号に基づいて前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するように構成される電気回路とを含む、請求項1または2に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記センサーは、光センサー、近接センサー、および圧力センサーからなる群より選択される、請求項3に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するための前記手段は、
前記主要ユニット上に配置される第一の電気接点と、
前記主要ユニット上に配置され、前記第一の電気接点から間隙を介している、第二の電気接点と、
前記第一の電気接点と前記第二の電気接点との間の電気接続を感知し、感知された電気接続に基づいて、前記管状のエアロゾル発生装置が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するように構成される、電気回路と、を含み、
前記管状のエアロゾル発生物品は、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられている時に前記主要ユニットの前記第一および第二の電気接点を電気的に接続するように配置される導電性材料を含む、請求項1または2に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記主要ユニットは、前記管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記管状のエアロゾル発生物品は識別子を含み、前記管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための前記手段は、前記識別子に基づいて前記管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成される、請求項6に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための前記手段は、光学センサーと、前記光学センサーから受信した信号に基づいて前記管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成される電気回路とを含み、
前記管状のエアロゾル発生物品は視覚的インジケータを含み、バーコードは、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分によって受けられている時に前記光学センサーによって感知されるように配置される、請求項6または7に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための前記手段は、
前記主要ユニット上に配置される第一の電気接点と、
前記主要ユニット上に配置され、前記第一の電気接点から間隙を介している、第二の電気接点と、
前記第一の電気接点と前記第二の電気接点との間の電気量を感知し、前記感知した電気量に基づいて、前記管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成される電気回路と、を含み、
前記管状のエアロゾル発生物品は、前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられている時に前記主要ユニットの前記第一および第二の電気接点を電気的に接続するように配置される電気識別子を含む、請求項6または7に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記電気量は、前記第一の電気接点と前記第二の電気接点との間の抵抗である、請求項9に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するための前記手段は、前記管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための前記手段を含む、請求項5~9のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記管状のエアロゾル発生物品は、
管状のエアロゾル形成基体と、
前記主要ユニットの前記加熱部分を受けるように構成された前記内部通路の開端部を備える遠位部分と、
主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される内部通路と、
前記遠位端面に配置される識別子と、を含む、請求項6~11のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム用の管状のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記主要ユニットは、
前記主要ユニットの外部表面に配置される加熱部分であって、前記加熱部分は1つ以上の電気ヒーターを含む、加熱部分と、
管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するための手段と、
近位部分、および前記近位部分と反対側の遠位部分と、を備え、
前記近位部分は、前記加熱部分を備え、
前記管状のエアロゾル発生物品が前記加熱部分に受けられていることを判定するための前記手段は、前記加熱部分(410)よりも遠位に配置される、請求項1~11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム用の主要ユニット。
【請求項14】
前記管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられていると判定するための前記手段は、前記主要ユニットの前記加熱部分と前記遠位部分との間に配置される、請求項13に記載の主要ユニット。
【請求項15】
前記主要ユニットは、管状のエアロゾル発生物品が前記主要ユニットの前記加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段を備える、請求項14に記載の主要ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気的に作動するエアロゾル発生システムに関連する。詳細には、本発明は、管状のエアロゾル発生物品と主要ユニットとを備える電気的に作動するエアロゾル発生システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
公知の手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生システムは一般に、電池と、制御電子回路と、エアロゾル発生装置で使用するために特別に設計されたエアロゾル発生物品を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置または主要ユニットを備える。一部の例において、エアロゾル発生物品は、たばこロッドまたはたばこプラグなどのエアロゾル形成基体を備える。たばこなどのエアロゾル形成基体は、一般的にはエアロゾル発生装置内で加熱された時にエアロゾルを形成する1つ以上の揮発性化合物を含む。エアロゾル発生装置の中に収容されるヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中へと挿入される時に、エアロゾル形成基体の中へと、またはその周りに挿入される。一部の電気的に作動するエアロゾル発生システムでは、エアロゾル発生物品は、容器に入っていないたばこなどのエアロゾル形成基体を収容するカプセルを備えてもよい。
【0003】
電気ヒーターとエアロゾル発生物品との間の熱の伝達を改善するシステムを提供することが望ましい。エアロゾル発生物品が主要ユニットによって完全に受けられていない時に、電力が電気ヒーターに供給されることを防ぐシステムを提供することが望ましい。
【0004】
さらに、既存のシステムは、主要ユニットを異なるエアロゾル発生物品で使用することを可能にしうる。管状のエアロゾル発生物品は、異なる組成を有するエアロゾル形成基体を含みうる。いくつかのエアロゾル形成基体は、いくつかのエアロゾル発生システムとの併用に適さない場合がある。例えば、いくつかのエアロゾル形成基体は、高温により損傷し、または腐敗しうる。エアロゾル発生システムの製造元は、自身のエアロゾル発生システムで使用するために、ある特定のエアロゾル形成基体を認証しうる。認証されたエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システムでの使用に関して適切な特性を有しうる。しかしながら、ユーザーが、認証されていない不適当なエアロゾル形成基体を有する管状のエアロゾル発生物品を主要ユニット上に置く場合がある。いくつかの認証されていないエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システムを損傷しうる。いくつかの認証されていないエアロゾル形成基体は、ユーザーに有害でありうる。
【0005】
システムは、エアロゾル発生物品を区別することができることが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第一の態様によれば、主要ユニットおよび管状のエアロゾル発生物品を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムが提供されている。主要ユニットは、主要ユニットの外部表面に配置される加熱部分を備える。加熱部分は1つ以上の電気ヒーターを含む。管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体と内部通路とを含み、内部通路は、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される。主要ユニットの加熱部分の1つ以上の電気ヒーターは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル形成基体を加熱するよう配置される。エアロゾル発生システムは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段をさらに備える。
【0007】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱された時に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するエアロゾル形成基体を含む物品を記述するために使用される。
【0008】
本明細書で使用される「主要ユニット」という用語は、管状のエアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生する装置を記述するために使用される。主要ユニットは一般的に、電気エネルギーの供給源と、1つ以上の発熱体を作動させるための関連する電気回路とを含む。
【0009】
本明細書で使用される「内部」および「外部」という用語は、管状のエアロゾル発生物品または主要ユニットの部品の相対位置を指す。
【0010】
本明細書で使用される「内部表面」という用語は、物品または主要ユニットの内部に面する物品または主要ユニットの表面を指す。例えば、管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、内部表面によって画定されうる。同様に、「外部表面」という用語は、外部に向かって、またはシステムから外向きに面する物品または主要ユニットの表面を指す。例えば、主要ユニットの加熱部分は主要ユニットの外部表面に配置される。そのため、1つ以上の電気ヒーターは、主要ユニットの外部表面に配置され、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられない時にユーザーに見えうる。
【0011】
管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段は、エアロゾル発生システムが、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時をユーザーに知らせることを可能にしうる。言い換えると、このことは、エアロゾル発生システムが、管状のエアロゾル発生物品が使用のために主要ユニット上に正確に配置される時を判定することを可能にしうる。
【0012】
管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段は、センサーを含みうる。適切なセンサーは、例えば、光センサー、近接センサーおよび圧力センサーを含む。
【0013】
センサーは、主要ユニットの適切な任意の位置に配置されうる。センサーは、主要ユニットの近位端に、またはそれに向けて配置されうる。センサーは、主要ユニットの加熱部分と近位端との間に配置されうる。センサーは、加熱部分の近位に配置されてもよい。センサーは、主要ユニットの加熱部分に、またはそれに向けて配置されてもよい。センサーは、主要ユニットの外部表面に配置されうる。センサーは、加熱部分の端部に、またはそれに向けて配置されてもよい。センサーは、加熱部分の遠位に配置されてもよい。センサーは、主要ユニットの加熱部分と遠位端との間に配置されうる。主要ユニットが主要ユニットの加熱部分と遠位部分との間にショルダー部を含む場合、センサーはショルダー部に配置されてもよい。
【0014】
本明細書で使用される「近位」および「遠位」という用語は、本発明のエアロゾル発生システム、エアロゾル発生物品または主要ユニットの構成要素または部分の相対位置を記述するために使用される。本明細書で使用されるシステムの「近位」端は、使用時に、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーが吸い出しうる端である。「近位」端は口側の端と呼ばれることもある。エアロゾル発生システムの「遠位」端は、「近位」端と向かい合った端である。「遠位」端は、使用時に、ユーザーから最も遠い端である。
【0015】
管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段は、センサーから受信した信号に基づいて、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するように構成される電気回路をさらに含みうる。
【0016】
主要ユニットは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段が、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていないと判定する時に、1つ以上の電気ヒーターへの電力供給を防ぐように構成される電気回路を含みうる。このことは、1つ以上の電気ヒーターが管状のエアロゾル発生物品によって完全には覆われない時に1つ以上の電気ヒーターに電力が供給されることを実質的に防ぎうる。
【0017】
例えば、管状のエアロゾル発生物品が不透明である場合、主要ユニットは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための、光センサーの形態の手段を備えうる。主要ユニットはショルダー部を含んでもよく、光センサーは主要ユニットのショルダー部に配置されてもよい。光センサーは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品の遠位端によって実質的に覆われない、または遮られないように配置されうる。主要ユニットは光センサーからの測定値に基づいて、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するように構成される電気回路をさらに含みうる。電気回路は、光センサーによって感知される光の強度が所定の閾値未満である時に、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するように構成されうる。所定の閾値は、光センサーが管状のエアロゾル発生物品によって覆われない時に光センサーによって感知されることが期待される最も低い強度に対応しうる。電気回路は、電気回路が、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられていると判定するまで、1つ以上の電気ヒーターへの電力供給を抑制するように構成されうる。電気回路が、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられていると判定する時、電気回路は、電力が1つ以上の電気ヒーターに供給されることを可能にするように構成されてもよい。
【0018】
管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段は、主要ユニット上に配置される第一の電気接点と、第一の電気接点から間隙を介して、主要ユニット上に配置される第二の電気接点とを含みうる。また、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段は、第一の電気接点と第二の電気接点との間の電気接続を感知し、感知した電気接続に基づいて、管状のエアロゾル発生装置が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するように構成される電気回路を備えてもよい。
【0019】
管状のエアロゾル発生物品は、導電性材料を含みうる。導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品上に配置されて、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に主要ユニットの第一および第二の電気接点を電気的に接続してもよい。
【0020】
電気接点は、主要ユニットの適切な任意の位置に配置されうる。電気接点は、主要ユニットの近位端に、またはそれに向けて配置されうる。電気接点は、加熱部分の近位に配置されてもよい。電気接点は、主要ユニットの加熱部分と近位端との間に配置されうる。電気接点は、主要ユニットの加熱部分に、またはそれに向けて配置されてもよい。電気接点は、主要ユニットの外部表面に配置されうる。電気接点は、加熱部分の端部に、またはそれに向けて配置されてもよい。電気接点は、加熱部分の遠位に配置されてもよい。電気接点は、主要ユニットの加熱部分と遠位端との間に配置されうる。主要ユニットが、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に、それに対して管状のエアロゾル発生物品の遠位端が当接するショルダー部を含む場合、電気接点はショルダー部に配置されてもよい。
【0021】
電気接点は、適切な任意の形状としうる。電気接点は、細長くてもよい。電気接点は、1つ以上の細長いストリップを含んでもよい。1つ以上の細長いストリップは、主要ユニットの外部表面に配置されてもよい。1つ以上の細長いストリップは、実質的に加熱部分の長さに延在してもよい。電気接点は、実質的に環状としうる。電気接点は、1つ以上の環状のリングを含んでもよい。1つ以上のリングは、実質的に主要ユニットの外部表面の一部分を囲んでもよい。主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に、それに対して管状のエアロゾル発生物品の遠位端が当接するショルダー部を含む場合、電気接点は、ショルダー部の一部分を実質的に囲む1つ以上のリングを含んでもよい。電気接点は、同一の形状であってもよい。電気接点は、異なる形状であってもよい。
【0022】
電気接点は、主要ユニットの適切な任意の方向で間隙を介してもよい。電気接点は、主要ユニットの長さに沿って間隙を介してもよい。第一の電気接点は、第二の電気接点の近位に配置されてもよい。電気接点は、主要ユニットの周囲の周りに間隙を介してもよい。
【0023】
導電性材料は、適切な任意の材料を含んでもよい。適切な電気的な導電性材料は、金属、合金、電気的な導電性セラミック、および電気的な導電性ポリマーを含む。本発明に関して本明細書で使用される場合、電気的な導電性材料は、20℃で、約1X10-5Ωm未満、一般的には約1X10-5Ωm~約1X10-9Ωmの体積抵抗率を有する材料を意味する。材料は、金およびプラチナを含んでもよい。導電性材料は、不活性化層で被覆されうる。導電性材料は、管状のエアロゾル形成基体と反応せず、または管状のエアロゾル形成基体を汚染することがないように、十分に反応しない材料を含んでもよく、またはその材料で被覆されてもよい。導電性材料は、透明の、または半透明の材料を含んでもよい。例えば、適切な透明の材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)でありうる。
【0024】
導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品上の適切な任意の位置に配置されうる。導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品の端部に、またはそれに向けて配置されうる。導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品の端面に配置されうる。導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の内部表面に配置されてもよい。導電性材料は、内部通路の端部に、またはそれに向けて配置されてもよい。導電性材料は、内部通路の長さの中央に、またはそれに向けて配置されてもよい。管状のエアロゾル発生物品の内部通路が主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される2つの開端部を含む場合、導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品の両端に配置されてもよい。
【0025】
導電性材料は、適切な任意の形状としうる。導電性材料は、細長くてもよい。導電性材料は、1つ以上の細長いストリップを含んでもよい。1つ以上の細長いストリップは、内部通路の内部表面に配置されうる。1つ以上の細長いストリップは、実質的に内部通路の長さに延在しうる。導電性材料は、実質的に環状としうる。導電性材料は、1つ以上の環状のリングを含んでもよい。1つ以上のリングは、実質的に内部通路の内部表面の一部分を囲みうる。1つ以上のリングは、実質的に管状のエアロゾル発生物品の少なくとも1つの端面の一部分を囲みうる。
【0026】
電気接点および導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、導電性材料が間隙を介した電気接点を電気的に接続しうるように、形状付けられて配置されうる。例えば、電気接点が主要ユニットの長さに沿って間隙を介した環状の電気接点である場合、導電性材料は、内部通路の長さに沿って延在する細長いストリップであってもよい。別の例では、主要ユニットが、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時にそれに対して管状のエアロゾル発生物品の遠位端が当接するショルダー部を含む場合、導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品の少なくとも1つの端面を囲む1つ以上のリングを含む。
【0027】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路または端面を囲む環状の導電性材料および主要ユニットの外部表面または主要ユニットのショルダー部を囲む環状の電気接点のうちの少なくとも一方を提供することにより、主要ユニットを管状のエアロゾル発生物品の内部通路の中へと挿入する時に、管状のエアロゾル発生物品の、主要ユニットに対する特定の回転方向を維持する必要性がなくなりうる。
【0028】
主要ユニットは、管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段を備えうる。管状のエアロゾル発生物品を識別することは、主要ユニットが、主要ユニットの加熱部分の上に受けられている、不適当で、認証されていない、または未知の管状のエアロゾル発生物品を識別することを可能にしうる。このことは、主要ユニットへの損傷を引き起こしうるエアロゾル発生物品の使用を実質的に防ぎ、または抑制しうる。このことは、ユーザーに対して潜在的に有害であるエアロゾル発生物品の使用を実質的に防ぎ、または抑制しうる。また、加熱部分の上に受けられている管状のエアロゾル発生物品の識別は、エアロゾル発生システムが、適切な、または真正なエアロゾル発生物品を区別することを可能にしうる。これによって、エアロゾル発生システムが管状のエアロゾル発生物品の同一性に依存する異なるモードで動作することが可能になりうる。
【0029】
本明細書で使用される「同一性の判定(determine the identity)」および「識別(identify)」という用語は、管状のエアロゾル発生物品の検証、認証または認識を記述するために使用される。例えば、管状のエアロゾル発生物品を識別することは、管状のエアロゾル形成基体の組成、および管状のエアロゾル発生物品の起源または真正性のうちの少なくとも1つを判定することを含みうる。同様に、「同一性(identity)」という用語は、管状のエアロゾル形成基体の組成、管状のエアロゾル発生物品の適性および真正性のうちの少なくとも1つを記述するために使用される。
【0030】
管状のエアロゾル発生物品は、識別子を含みうる。管状のエアロゾル発生物品は、識別子でマークしてもよい。適切な任意の識別子を使用しうる。例えば、識別子は、バーコードや英数字コードなどの視覚的な識別子であってもよい。識別子は、特定のエアロゾル発生物品それぞれに一意的としうる。識別子は、エアロゾル発生物品のタイプそれぞれに一意的としうる。別の例では、識別子は、同一の組成を有するエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品に対して同一であってもよい。
【0031】
識別子は、適切な任意の位置において管状のエアロゾル発生物品上に配置されてもよい。識別子は、内部通路の内部表面上に配置されてもよい。識別子は、内部通路の長さに沿った適切な任意の位置において配置されてもよい。識別子は、管状のエアロゾル発生物品の端面に配置されてもよい。管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される2つの開端部を含む場合、識別子は、両開端部に配置されてもよい。
【0032】
管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段は、識別子に基づいて管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成されうる。管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段は、識別子を読み取るための手段を備えうる。識別子を読み取るための手段は、光学式走査、デジタル写真および画像処理、または磁場走査など、識別子を読み取るための適切な任意の手段を含みうる。識別子を読み取るための手段は、光学スキャナーとしうる。識別子を読み取るための手段は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時を判定するための手段に関して上述するセンサーと同様に、主要ユニット上に配置されてもよい。
【0033】
識別子を読み取るための手段は、センサーを含みうる。管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段は、センサーから受信した信号に基づいて管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成される電気回路を含みうる。管状のエアロゾル形成基体は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時にセンサーによって感知されるように配置される識別子を含みうる。
【0034】
例えば、管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段は、光学センサーと、光学センサーから受信した信号に基づいて管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成される電気回路とを含みうる。管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分によって受けられる時に光学センサーによって感知されるように配置される、バーコードなどの視覚的な識別子を含みうる。
【0035】
管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段は、主要ユニット上に配置される第一の電気接点と、主要ユニット上に配置され、第一の電気接点から間隙を介している、第二の電気接点とを含みうる。管状のエアロゾル発生物品は、導電性材料のストリップなどの電気識別子を含みうる。導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品上に配置されて、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に主要ユニットの第一および第二の電気接点を電気的に接続してもよい。管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段は、第一の電気接点と第二の電気接点との間の電気量を感知し、感知した電気量に基づいて管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成される電気回路をさらに含みうる。
【0036】
電気接点および導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段に関して上述するように形状付けられて配置されうる。管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段のための電気接点および導電性材料は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段のための電気接点および導電性材料でもありうる。
【0037】
主要ユニットは、第一および第二の電気接点の間の電気接続を感知するように構成される電気回路を含みうる。主要ユニットは、感知された電気接続に基づいて管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成されうる。言い換えると、電気接続の存在は、エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生システムの認証された製造元によって製造された真正のエアロゾル発生物品であることを示しうる。
【0038】
主要ユニットは、第一の電気接点と第二の電気接点との間の電気量を測定するように構成される電気回路を含みうる。電気回路は、測定された電気量に基づいて管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するように構成されうる。
【0039】
本明細書で使用される「電気量」という用語は、測定によって定量化されうるシステムのいくつかの電気的性質、パラメーターまたは特性を記述するために使用される。例えば、適切な「電気量」は、インピーダンス、静電容量および抵抗を含む。電気回路は、インピーダンス、静電容量および抵抗のうちの少なくとも1つを測定するように構成されうる。
【0040】
電気回路は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定し、主要ユニット上の同一の電気接点を使用する管状のエアロゾル発生物品と管状のエアロゾル発生物品上の導電性材料を識別するように構成されうる。
【0041】
主要ユニットは、測定された電気量情報に基づいて、加熱部分の上に受けられている管状のエアロゾル発生物品が、エアロゾル発生システムの製造元によって製造された、または承認された管状のエアロゾル発生物品であるか否かを判定するように構成される電気回路を含みうる。言い換えると、電気回路は、管状のエアロゾル発生物品が真正であるか否かを判定するように構成されうる。
【0042】
電気回路は、感知された情報が、主要ユニットでの使用に適切な真正なエアロゾル発生物品に対する期待値または値の範囲に一致するか否かを識別するように構成されうる。例えば、電気回路は、測定された電気量情報が、主要ユニットでの使用に適切な真正なエアロゾル発生物品に対する期待値または値の範囲に一致するか否かを識別するように構成されうる。
【0043】
基準同一性情報は、電気回路のメモリに記憶されうる。基準エアロゾル発生物品同一性情報は、基準測定情報に関係付けられてもよい。例えば、基準同一性情報は、基準電気量情報と関係付けられてもよい。電気回路は、感知された情報を記憶された基準測定情報と比較するように構成されてもよい。電気回路は、一致に基づいて、感知された情報を記憶された基準エアロゾル発生物品同一性情報と関係付けるように構成されてもよい。
【0044】
基準情報は、電気回路によってあらかじめ測定されて電気回路のメモリに記憶された情報としうる。このことは、特定の主要ユニットそれぞれに対して、加熱部分の上に受けられているエアロゾル発生物品の識別に信頼性をもたせることを可能にしうる。
【0045】
本発明のエアロゾル発生システムは、管状のエアロゾル形成基体を含む管状のエアロゾル発生物品を備える。エアロゾル発生物品およびエアロゾル形成基体の管状の構成は、主要ユニットの1つ以上の電気ヒーターからエアロゾル形成基体への改善された伝導熱伝達を容易にしうる。管状のエアロゾル形成基体は、内部通路を有さない、同等のサイズの従来のエアロゾル形成基体の本体またはプラグよりも容積比に対して大きい表面積を有しうる。エアロゾル形成基体の管状形状は、エアロゾル形成基体の最大厚さを低減しうる。このことは、エアロゾル形成基体を通した熱の伝播を容易にしうる。これにより、エアロゾルの発生が容易になりうる。
【0046】
管状のエアロゾル発生物品は、適切な任意の形状およびサイズであってもよい。管状のエアロゾル発生物品は、実質的に円筒形でもよい。管状のエアロゾル発生物品は、実質的に細長くてもよい。管状のエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の円筒形の端の開いた中空管を含んでもよい。管状のエアロゾル発生物品は、適切な任意の断面を有してもよい。例えば、管状のエアロゾル発生物品の断面は、実質的に円形、円筒形、正方形、または長方形であってもよい。
【0047】
管状のエアロゾル発生物品の幅は、約5mm~約20mm、約5mm~約12mm、または約8mmでありうる。
【0048】
管状のエアロゾル発生物品の長さは、約10mm~約100mm、または約10mm~約50mm、約30mm~約60mm、または約45mmでありうる。
【0049】
管状のエアロゾル発生物品の長さは、主要ユニットの加熱部分の長さと実質的に類似していてもよい。管状のエアロゾル発生物品の長さは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品が1つ以上の電気ヒーターを覆うように、主要ユニットの加熱部分の長さ以上としてもよい。
【0050】
本明細書に使用される「幅」という用語は、エアロゾル発生システム、管状のエアロゾル発生物品、および主要ユニットの横方向での最大寸法を記述するために使用される。本明細書で使用される時、「長さ」という用語は、エアロゾル発生システム、管状のエアロゾル発生物品、および主要ユニットの長手方向における最大寸法を記述するために使用される。
【0051】
本明細書で使用される「長手方向」という用語は、エアロゾル発生システムの近位端または口側の端と遠位端との間の方向を記述するために使用され、また「横断」という用語は、長手方向に対して垂直な方向を記述するために使用される。
【0052】
管状のエアロゾル発生物品は、内部通路を備える。本明細書で使用される「内部通路」という用語は、物品の少なくとも一部を通って延在する通路を指す。内部通路は、環状の本体によって囲まれてもよく、実質的に物品の長手方向軸に沿って延在してもよい。
【0053】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、適切な任意の形状でもよく、適切な任意の断面を有してもよい。例えば、内部通路の断面は、実質的に円形、円筒形、正方形、または長方形としうる。
【0054】
内部通路は、管状のエアロゾル発生物品の実質的に中央に配置されてもよい。そのため、管状のエアロゾル形成基体の厚さは、管状のエアロゾル発生物品の周囲の周りで実質的に一定としうる。このことは、管状のエアロゾル発生物品の周囲の周りの管状のエアロゾル形成基体の均一な加熱を可能にしうる。
【0055】
内部通路の幅は、約2mm~約18mm、約2mm~約10mm、または約4mmでありうる。
【0056】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路の幅は、主要ユニットの加熱部分の幅と実質的に類似していてもよい。そのため、内部通路の内部表面は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に主要ユニットの加熱部分の外部表面に接触または当接しうる。管状のエアロゾル発生物品の内部通路の幅は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に摩擦ばめまたは締まりばめによって受けられるように、主要ユニットの加熱部分の幅よりも小さくてもよい。
【0057】
管状のエアロゾル形成基体は固体のエアロゾル形成基体であってもよい。管状のエアロゾル形成基体は室温で固体のエアロゾル形成基体であってもよい。管状のエアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。
【0058】
固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち1つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートのうち1つ以上を含みうる。
【0059】
固体のエアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含んでもよく、それは固体のエアロゾル形成基体の加熱に応じて放出される。また、固体のエアロゾル形成基体は、例えば、さらなるたばこ揮発性風味化合物または非たばこ揮発性風味化合物を含む1つ以上のカプセルを含んでもよく、このようなカプセルは、固体のエアロゾル形成基体の加熱の間、溶解してもよい。
【0060】
固体のエアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートの形態をとってもよい。固体のエアロゾル形成基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されもよい。固体のエアロゾル形成基体は、担体の全表面上に堆積されてもよい。固体のエアロゾル形成基体は、使用中に均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて堆積されてもよい。
【0061】
管状のエアロゾル形成基体は、均質化されたたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突出部、および穿孔の1つ以上を含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。均質化したたばこ材料のきめのあるシートの使用は、均質化したたばこ材料シートの集結を容易にして管状のエアロゾル形成基体を形成してもよい。
【0062】
本明細書で使用される「シート」という用語は、実質的に厚さより大きい幅および長さを有する薄層状の要素を指す。本明細書に使用される「集められた」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途管状のエアロゾル発生物品の長手方向軸に対して実質的に横方向に圧縮され、または収縮したシートを記述するために使用される。本明細書で使用される「きめのあるシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを意味する。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を指す。
【0063】
管状のエアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有するシートを指す。実質的に平行な隆起または波型形状は、管状のエアロゾル発生物品の長手方向軸に沿って、またはそれに平行に延在することが好ましい。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にして管状のエアロゾル発生物品を形成しうる。しかし、管状のエアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートが、別の方法としてまたは追加的に、管状のエアロゾル発生物品の長手方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有してもよいことが理解される。
【0064】
管状のエアロゾル形成基体は、1つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は、単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体は、2つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。管状のエアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で約5パーセントを超えてもよい。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で約5パーセント~約30パーセントであってもよい。管状のエアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で約20パーセントであってもよい。
【0065】
本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用において、エアロゾルの形成を容易にし実質的に管状のエアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対して抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物を指す。適切なエアロゾル形成体は、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0066】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体を囲む1つ以上の層を含みうる。例えば、管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体に巻き付けられる1つ以上のラッパーを含みうる。
【0067】
1つ以上の層は、断熱性材料を含んでもよい。断熱性材料の層を管状のエアロゾル形成基体に巻き付けることにより、管状のエアロゾル発生物品の1つ以上の電気設備からの熱の保持が容易になりうる。これにより、エアロゾル発生システムの伝導熱伝達効率が改善されうる。本明細書で使用される「断熱性材料」という用語は、23°Cで約50ミリワット/メートル・ケルビン(mW/(m・K))未満のバルク熱伝導率、および改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定した相対湿度50%を持つ材料を記述するために使用される。断熱性材料は、レーザーフラッシュ法を使用して測定して約0.01平方センチメートル/秒(cm2/s)以下のバルク熱拡散率を有してもよい。
【0068】
1つ以上の層は、空気などの気体に対して実質的に不透過性である材料を備えてもよい。管状のエアロゾル形成基体を気体に対して実質的に不透過性である材料の層で囲むことにより、エアロゾル発生システムにおいて管状のエアロゾル発生物品によって発生した蒸気の保持を容易にし、蒸気をユーザーに向けて方向付けることを容易にしうる。
【0069】
1つ以上の層は任意の適切な材料を含みうる。1つ以上の層は、紙様の材料を含んでもよい。1つ以上の層は、紙巻たばこ用紙を含んでもよい。1つ以上の層は、チッピングペーパーを含んでもよい。
【0070】
管状のエアロゾル形成基体の内部通路は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路であってもよい。そのため、主要ユニットの1つ以上の電気ヒーターは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル形成基体に隣接または接触してもよい。ただし、一部の実施形態では、管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体の内部通路の内部表面を囲む1つ以上の層を含みうる。1つ以上の内側層は、1つ以上の外側層に関して上述するのと実質的に同一の材料を含みうる。
【0071】
管状のエアロゾル発生物品の内部通路の少なくとも1つの端は、開放されており、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成されてもよい。管状のエアロゾル発生物品の内部通路は、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される2つの開端部を備えてもよい。
【0072】
管状のエアロゾル発生物品は、追加的な構成要素を備えてもよい。
【0073】
管状のエアロゾル発生物品は、マウスピースを備えうる。マウスピースは、管状のエアロゾル発生物品の近位端に配置されうる。管状のエアロゾル発生物品がマウスピースを備える場合、管状のエアロゾル発生物品は、マウスピースを含む近位端と、主要ユニットの加熱部分を受けるように構成される内部通路の開端部を含む遠位端とを備えうる。
【0074】
マウスピースは単一のセグメントであっても、または構成要素マウスピースであってもよい。マウスピースはマルチセグメントマウスピースであっても、または複数構成要素マウスピースであってもよい。マウスピースは、低いかまたは非常に低い濾過効率の材料を含んでもよい。マウスピースは、適切な任意の公知の濾過材料を含む1つ以上のセグメントを含むフィルターを含んでもよい。適切な濾過材料は当技術分野で公知であり、酢酸セルロースおよび紙を含むが、これらに限定されない。マウスピースは吸収剤、吸着剤、風味剤、およびその他のエアロゾル変性剤および添加剤またはその組み合わせを含む1つ以上のセグメントを含みうる。マウスピースは、管状のエアロゾル発生物品の幅と実質的に等しい幅を有してもよい。
【0075】
管状のエアロゾル発生物品がマウスピースを備える場合、管状のエアロゾル発生物品は、主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品の内部で終わるように構成されてもよい。主要ユニットの近位端は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、マウスピースに当接または接触しうる。主要ユニットの近位端は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、マウスピースから間隙を介してもよい。
【0076】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体とマウスピースとの間に配置されるエアロゾル冷却要素および移動要素のうちの少なくとも1つを含む、追加的な構成要素を備えてもよい。
【0077】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体とマウスピースとの間に配置される冷却要素を備えてもよい。冷却要素は複数の長手方向に延在するチャネルを含んでもよい。冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0078】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体とマウスピースとの間に配置される移動要素、またはスペーサー要素を備えうる。移動要素は、加熱された管状のエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルの冷却を容易にしうる。また、移動要素は、エアロゾル発生システムの長さを所望の値、例えば、従来の紙巻たばこの長さに類似する長さに調整することを容易にしうる。移動要素は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱の移動によって生成されるエアロゾルの温度で実質的に熱安定している1つ以上の適切な材料から形成される少なくとも1つの端の開いた管状中空体を含んでいてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、紙、ボール紙、プラスチック、このような酢酸セルロース、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0079】
管状のエアロゾル発生物品が管状のエアロゾル形成基体を囲む1つ以上の層またはラッパーを含む場合、1つ以上の層またはラッパーは、マウスピース、冷却要素、および移動要素などの追加的な構成要素のいずれかも囲みうる。
【0080】
本発明の第二の態様によれば、本発明の第一の態様による電気的に作動するエアロゾル発生システム用の管状のエアロゾル発生物品が提供されている。管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体と、電気的に作動するエアロゾル発生システムの主要ユニットの加熱部分および識別子を受けるように構成される内部通路とを備える。
【0081】
本発明のエアロゾル発生システムは、主要ユニットも備える。主要ユニットはハウジングを含みうる。ハウジングは任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはそれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適切な熱可塑性樹脂が挙げられる。材料は軽量であり、脆くないものでありうる。主要ユニットは、近位部分および遠位部分を含んでもよい。主要ユニットの近位部分および遠位部分は、異なる形状および寸法を有してもよい。
【0082】
主要ユニットの近位部分は、加熱部分を含んでもよい。本明細書で使用される「加熱部分」という用語は、1つ以上の電気ヒーターを備える主要ユニットの一部分を記述するために使用される。加熱部分の延長部分は、主要ユニットの長さに沿ったヒーターの延長部分によって決定される。
【0083】
加熱部分は、適切な任意の形状および寸法を有してもよい。加熱部分の形状および寸法は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の形状および寸法に実質的に類似していてもよい。加熱部分の形状および寸法は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の形状に対して相補的であってもよい。
【0084】
加熱部分は、実質的に円筒形であってもよい。加熱部分は、実質的に細長くてもよい。加熱部分は、適切な任意の断面を有してもよい。例えば、加熱部分の断面は、実質的に円形、楕円形、正方形または長方形としうる。加熱部分の形状は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の形状に実質的に類似していてもよい。加熱部分の形状は、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の形状に対して相補的であってもよい。
【0085】
加熱部分の断面と管状のエアロゾル発生物品の断面が円対称でない場合、管状のエアロゾル発生物品は、特定の回転方向で加熱部分の上に受けられうる。加熱部分の断面と管状のエアロゾル発生物品の断面が円対称である場合、これにより、管状のエアロゾル発生物品を加熱部分で受けるために、管状のエアロゾル発生物品の特定の回転方向を維持する必要がなくなりうる。
【0086】
加熱部分の幅は、約2mm~約18mm、約2mm~約10mm、または約4mmでありうる。加熱部分の長さは、約10mm~約100mm、または約10mm~約50mm、または約45mmでありうる。
【0087】
主要ユニットは、適切な任意の数の電気ヒーターを備えてもよい。主要ユニットは1つの電気ヒーターを備えうる。主要ユニットは、2つ以上の電気ヒーターを備えてもよい。主要ユニットは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つの電気ヒーターを備えてもよい。主要ユニットが2つ以上の電気ヒーターを含む場合、2つ以上の電気ヒーターは、加熱部分の周囲の周りに間隙を介していてもよい。2つ以上の電気ヒーターは、加熱部分の長さに沿って間隙を介していてもよい。加熱部分が3つ以上の電気ヒーターを含む場合、3つ以上の電気ヒーターは、加熱部分にわたって均等に間隙を介していてもよい。3つ以上の電気ヒーターは、加熱部分にわたって不均等に間隙を介していてもよい。
【0088】
1つ以上の電気ヒーターは、任意の適切な形状であってもよい。1つ以上の電気ヒーターは、細長くてもよい。1つ以上の電気ヒーターは、実質的に加熱部分の長さに延在してもよい。1つ以上の電気ヒーターは、実質的に環状であってもよい。1つ以上の電気ヒーターは、1つ以上の環状リングを含みうる。1つ以上のリングは、実質的に主要ユニットの外部表面の一部分を囲んでもよい。1つ以上のリングは、実質的に加熱部分の近位端の一部分を囲んでもよい。1つ以上のリングは、実質的に加熱部分の遠位端の一部分を囲んでもよい。
【0089】
1つ以上の電気ヒーターは、電気抵抗性の材料を含みうる。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とでできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル-、コバルト-、クロミウム-、アルミニウム-チタン-ジルコニウム-、ハフニウム-、ニオビウム-、モリブデン-、タンタル-、タングステン-、スズ-、ガリウム-、マンガン-および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄-マンガン-アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込み、封入、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。適切な化合物ヒーター要素の例は、第US-A-5,498,855号、第WO-A-03/095688号および第US-A-5,514,630号に開示されている。
【0090】
主要ユニットの遠位部分は、適切な任意の形状および寸法であってもよい。
【0091】
遠位部分は、実質的に円筒形であってもよい。遠位部分は、実質的に細長くてもよい。遠位部分は、任意の適切な断面を有してもよい。例えば、遠位部分の断面は、実質的に円形、楕円形、正方形または長方形としうる。遠位部分は、エアロゾル発生システムの使用中にユーザーによって保持されるように構成されてもよい。
【0092】
主要ユニットの遠位部分の幅は、主要ユニットの近位部分の幅よりも大きくてもよい。このことは、近位部分よりも遠位部分に大きな空間を提供し、遠位部分が電源および電気回路を収容することを可能にしうる。
【0093】
主要ユニットの遠位部分の幅は、管状のエアロゾル発生物品の幅に類似していてもよい。そのため、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に、エアロゾル発生システムは、その長さに沿って実質的に一定の幅を有する実質的に円筒形のユニットを形成しうる。このことは、エアロゾル発生システムが、葉巻たばこや紙巻たばこなどの従来の喫煙物品と似ることを可能にしうる。
【0094】
遠位部分の幅は、約5mm~約20mm、約5mm~約12mm、または約8mmでありうる。遠位部分の長さは、約10mm~約100mm、または約10mm~約50mm、または約45mmでありうる。
【0095】
主要ユニットは、主要ユニットの加熱部分と遠位部分との間にショルダー部を含みうる。ショルダー部は、主要ユニットの近位部分の外部表面を主要ユニットの遠位部分の外部表面に接続しうる。ショルダー部は、主要ユニットの近位部分と主要ユニットの遠位部分を接合する、角度付けられた、傾斜のある、または面取りされた表面を含みうる。ショルダー部は、主要ユニットの近位部分の外部表面から主要ユニットの遠位部分の外部表面に実質的に半径方向外向きに延在する壁を含みうる。
【0096】
主要ユニットの近位部分は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に、管状のエアロゾル発生物品の遠位端がショルダー部に当接または接触しうるように構成されてもよい。このように、ショルダー部は、管状のエアロゾル発生物品が、主要ユニットに対して遠位方向に加熱部分を超えて移動するのを抑制する止め部として作用しうる。このことは、管状のエアロゾル発生物品を、主要ユニットの長さに沿った所望の位置で主要ユニットの加熱部分の上に位置付けることを容易にしうる。
【0097】
主要ユニットは、遠位停止部をさらに含んでもよい。遠位停止部は、主要ユニットの加熱部分の遠位に配置されてもよい。遠位停止部は、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品の遠位端と係合するように構成されてもよい。主要ユニットが近位部分と遠位部分との間にショルダー部を含む場合、遠位停止部は、加熱部分とショルダー部との間に配置されうる。
【0098】
主要ユニットは1つ以上の電力供給源を備えうる。1つ以上の電力供給源は、主要ユニットの遠位部分に配置されうる。1つ以上の電源は、電池を備えうる。電池は、例えばリチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池といったリチウム系の電池でもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池でもよい。1つ以上の電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置を含みうる。1つ以上の電源は再充電を必要とする場合があり、また数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。1つ以上の電源は、1回以上のユーザー体験のための十分なエネルギーの保存を可能にする容量を有してもよい。例えば、1つ以上の電力供給源は従来型の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例において、1つ以上の電源は所定の回数の吸煙、または加熱手段およびアクチュエータの不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有しうる。
【0099】
主要ユニットは、1つ以上の電力供給源から1つ以上の電気ヒーターへの電力供給を制御するように構成される電気回路を含みうる。主要ユニットが2つ以上の電気ヒーターを含む場合、電気回路は、電力を全ての電気ヒーターに同時に供給するように構成されうる。主要ユニットが2つ以上の電気ヒーターを含む場合、電気回路は、電力を各電気ヒーターに別々に供給するように構成されうる。電気回路は各電気ヒーターに選択的に電力を供給するように構成されうる。電気回路は電気ヒーターに逐次的に電力を供給するように構成されうる。電気回路は所定の順序で電気ヒーターのうち選択された1つに電力を供給するように構成されうる。例えば、電気回路は吸煙ごとに1つのヒーターに電力を供給するように構成されうる。別の例では、電気回路は、所定の期間第一のヒーターに電力を供給し、その後に所定の期間第二のヒーターに電力を供給するように構成されうる。このことは、エアロゾル形成基体の一部分の選択的加熱を可能にしうる。これにより、吸煙中にユーザーに供給されるエアロゾルを変化させることが可能になりうる。これによって、エアロゾル形成基体の一部分を異なる温度に加熱することが可能になりうる。このことは、エアロゾル発生システムが、ユーザー体験の吸煙の度にエアロゾル形成基体の未加熱の部分を保存することを可能にしうる。
【0100】
主要は、スイッチまたはボタンなどのユーザー入力を含んでもよい。これにより、ユーザーは、主要ユニットをスイッチオンオフすることが可能になりうる。スイッチまたはボタンは、エアロゾル発生手段を起動させうる。スイッチまたはボタンは、エアロゾル発生を起こしうる。スイッチまたはボタンは、吸煙検出器からの入力を待機するように電気回路を準備してもよい。
【0101】
電気回路は、ユーザーが吸煙をしていることを示すエアロゾル発生システムを通した気流を検出するセンサーまたは吸煙検出器を備えうる。電気回路は、センサーがユーザーが吸煙していることを検出すると1つ以上の電気ヒーターに電力を供給するように構成されうる。
【0102】
主要ユニットはマウスピースを備えうる。マウスピースは、主要ユニットの近位端に配置されてもよい。マウスピースは、ユーザーがマウスピースで吸引、吸煙、または吸い出しを行い、エアロゾル発生システムの1つ以上の気流経路を通して空気および蒸気を引き出すことを可能にするように構成されうる。
【0103】
マウスピースは、本発明による保持手段を含みうる。例えば、マウスピースは、1つ以上の突出部のうちの1つ以上を含みうる。別の例では、マウスピースは第二の磁性材料を含みうる。
【0104】
マウスピースは、主要ユニットの上に取り外し可能なように受けられうる。マウスピースが主要ユニットから取り外し可能である場合、マウスピースは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品に重なるように配置されるカバーを備えうる。カバーは、管状のエアロゾル発生物品の周りの熱の保持をさらに容易にし、管状のエアロゾル発生物品の外部表面を通して管状のエアロゾル発生物品から蒸気が出ることを抑制しうる。
【0105】
本発明の第三の態様によれば、本発明の第一の態様による電気的に作動するエアロゾル発生システム用の主要ユニットが提供されている。主要ユニットは、主要ユニットの外部表面に配置される加熱部分を備える。加熱部分は、1つ以上の電気ヒーターと管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段とを備える。
【0106】
主要ユニットは、近位部分と遠位部分を含み、主要ユニットの加熱部分は主要ユニットの近位部分に配置される。管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段は、主要ユニットの加熱部分と遠位部分との間に配置されてもよい。
【0107】
また、主要ユニットは、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定するための手段も備えうる。
【0108】
電気的に作動するエアロゾル発生システムが使用するために組み立てられ、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に受けられる時、エアロゾル発生システムは、実質的に円筒形の形状を有してもよい。エアロゾル発生システムの全長は約70mm~約200mm、または約70mm~150mm、または約120mmとしうる。エアロゾル発生システムの幅は、約5mm~約20mm、約5mm~約10mm、または約8mmでありうる。
【0109】
主要ユニットは、耐久性があるように構成されうる。主要ユニットは、再使用可能に構成されうる。
【0110】
管状のエアロゾル発生物品は、使い捨て可能な構成要素として構成されてもよい。管状のエアロゾル発生物品は、一回のユーザーの体験後に処分されるように構成されてもよい。対照的に、主要ユニットは、耐久性があり、かつ再使用可能に構成されてもよい。主要ユニットは、電源、ヒーター、電気回路などの、エアロゾル発生システムの比較的高価で耐久性のある構成要素を含みうる。
【0111】
管状のエアロゾル発生物品は、主要ユニットとは別個に製造、保管および販売されうる。管状のエアロゾル発生物品各々は、個別に包装されうる。複数の管状のエアロゾル発生物品は、紙巻きたばこなどの従来の喫煙物品と同様に、まとめて包装されて販売されてもよい。
【0112】
エアロゾル発生システムは、電気的に作動する喫煙システムであってもよい。エアロゾル発生システムの全体的寸法は、紙巻たばこ、葉巻、細い紙巻きたばこ、またはその他任意のこうした喫煙物品など、従来の喫煙物品と類似したものとしうる。
ここで本発明による実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみではあるが詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
図1図1は、主要ユニットと管状のエアロゾル発生物品を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
図2図2は、主要ユニットの上に完全に受けられている管状のエアロゾル発生物品を示す、図1の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
図3図3は、エアロゾル発生物品が主要ユニットの上に完全に受けられ、そしてユーザーがマウスピースを吸い出す時のエアロゾル発生システムを通した気流を示す、図1の電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
図4図4は、管状のエアロゾル発生物品の別の例の概略図である。
図5図5は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの上に完全に受けられ、そしてユーザーがマウスピースを吸い出す時の管状のエアロゾル発生物品を通した気流を示す、図4の管状のエアロゾル発生物品の概略図である。
図6図6は、本発明の第一の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム用の主要ユニットの概略図である。
図7図7は、本発明の第二の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
図8図8は、本発明の第三の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0114】
管状のエアロゾル発生物品を有する例示的な電気的に作動するエアロゾル発生システムを図1~3に示す。電気的に作動するエアロゾル発生システム1は、管状のエアロゾル発生物品2と主要ユニット3とを備える。
【0115】
管状のエアロゾル発生物品2は、エアロゾル形成基体4の円筒形の端の開いた中空管を含む。内部通路5は、内部通路5の両端が開放されるように、管状のエアロゾル形成基体4を通して中央に延在し、かつ管状のエアロゾル形成基体4の長さに延在する。内部通路5の両開端部は、主要ユニット3の近位部分7を受けるように構成される。
【0116】
エアロゾル形成基体4の管状の本体は、外側ラッパー(図示せず)によって囲まれたたばこの1つ以上のシートの集合体を含み、これは、エアロゾル形成基体4の管状の本体の円筒形の外部表面を覆う。外側ラッパーは、周囲空気が円筒形の外部表面を通して管状のエアロゾル発生物品2内に引き出されることを実質的に防ぐように、気体に対して実質的に不透過性である材料で形成される。また、外側ラッパーは、加熱されたエアロゾル形成基体4からの蒸気が円筒形の外部表面を介して管状のエアロゾル発生物品2から出るのも実質的に防ぐ。
【0117】
外側ラッパーは、管状のエアロゾル形成基体4の環状の端面6が周囲空気に露出するように、管状のエアロゾル形成基体4の環状の端面6の上に延在しない。周囲空気は、いずれかの環状の端面6を通して管状のエアロゾル発生物品2内に引き出されうる。同様に、主要ユニット3の近位部分7が内部通路5のいずれかの端の中へと挿入されうるように、内部通路5の開端部は外側ラッパーによって覆われない。
【0118】
主要ユニット3は、PEEKなどの、剛直な断熱性材料で形成される実質的に環状の円筒形の中空のハウジングを備える。主要ユニット3は、ショルダー部9によって分離される近位部分7と遠位部分8を備える。
【0119】
近位部分7は、7つの同一の電気ヒーター11を有する加熱部分10を含む。7つの電気ヒーター11は、加熱部分10の周囲の周りに均等に間隙を介している。電気ヒーター11の各々は細長く、主要ユニット3の長手方向軸Aに沿った方向に延在するその長さに配置される。各電気ヒーター11の長さは、管状のエアロゾル発生物品2の長さと実質的に類似している。そのため、管状のエアロゾル発生物品2が主要ユニット3の加熱部分10の上に受けられる時、管状のエアロゾル発生物品2は電気ヒーター11の全長に沿ってそれと重なり、それを覆う。これにより、エアロゾル発生システムの使用中に、ヒーター11によって発生した熱の相当な割合を、周囲空気よりもエアロゾル形成基体4に伝達することが可能になる。
【0120】
主要ユニット3の加熱部分10は、管状のエアロゾル発生物品2の内部通路5の断面と実質的に類似した環状の円筒形の断面を有する。加熱部分10の幅は、内部通路5の幅よりもわずかに大きい。そのため、主要ユニット3の加熱部分10は、締まりばめまたは摩擦ばめによって管状のエアロゾル発生物品の内部通路5の中へと挿入されうる。締まりばめまたは摩擦ばめは、エアロゾル発生物品2が加熱部分10の上に受けられる時に、主要ユニット3の加熱部分10の外部表面における電気ヒーター11と管状のエアロゾル発生物品2の内部通路5の内部表面との間の接触を確実にする。この接触により、ヒーター11と管状のエアロゾル形成基体4との間の熱伝達が容易になる。また、締まりばめまたは摩擦ばめは、主要ユニット3の長手方向軸Aに沿った管状のエアロゾル発生物品2の移動に対するいくらかの抵抗性も提供する。このように、締まりばめまたは摩擦ばめは、管状のエアロゾル発生物品2を主要ユニット3の加熱部分10の上に保持するのに役立つ。
【0121】
主要ユニット3の近位部分7は、主要ユニット3の近位端に、エアロゾル発生システムによって発生するエアロゾルを受けるためにユーザーが吸い出すための先細のマウスピース12をさらに備える。
【0122】
主要ユニット3の遠位部分8は、管状のエアロゾル発生物品2の円筒形の断面に実質的に類似した円筒形の断面を有する。遠位部分8の幅は、管状のエアロゾル発生物品2の幅と実質的に類似している。そのため、図2に示すように、管状のエアロゾル発生物品2が主要ユニット3の加熱部分10の上に受けられる時に、電気的に作動するエアロゾル発生システム1は、従来の紙巻たばこまたは葉巻たばこに似た一定の幅または直径を有する実質的に環状の円筒形のユニットを形成する。
【0123】
主要ユニット2の遠位部分8は、電池(図示せず)および電気回路(図示せず)を中空のハウジング内に収容する。電池は、加熱部分10の電気ヒーター11に電力を供給するように配置および構成される。電気回路は、電池から電気ヒーター11への電力供給を制御するように構成される。電気回路は、マウスピース12でのユーザーの吸煙を検出するためのセンサーを備える。
【0124】
電気回路は、所定の順序で同時または個別に電気ヒーター11に電力を供給するように構成される。言い換えると、電気回路は、同時加熱モードや逐次的加熱モードなどの異なる加熱モードで電気ヒーター11に電力を供給するように構成される。例えば、同時加熱モードでは、電気回路は、吸煙が検出される時に全てのヒーター11に電力を供給するように構成される。別の例では、逐次的なモードにおいて、電気回路は、第一の吸煙が検出される時にヒーター11の第一のヒーターに電力を供給し、第二の吸煙が検出された時にヒーター11の第二のヒーターに電力を供給し、そして、全ての電気ヒーターが起動されるまで検出された吸煙それぞれに対して順に、残りのヒーター11の個々のヒーターに電力を供給するように構成される。
【0125】
また、プッシュボタン13が主要ユニット3の遠位部分8上に提供される。電気回路は、プッシュボタン13の押下げで加熱モード間を切り替えるように構成される。プッシュボタン13の連続的な押下げは、逐次的加熱モード、同時加熱モード、および無電力モード(オフ)の間で電気回路の加熱モードを切り替える。
【0126】
主要ユニット3の遠位部分8の幅は、近位部分7の幅よりも大きい。そのため、主要ユニット3は、近位部分7を遠位部分8から分離するショルダー部9を備える。ショルダー部9は、近位部分7の遠位端から遠位部分8の近位端に実質的に半径方向外向きに延在する壁を備える。
【0127】
遠位停止部(図示せず)は、加熱部分10とショルダー部9との間に、主要ユニット3の近位部分7上に配置される。遠位停止部は、管状のエアロゾル発生物品2が加熱部分10の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品2の遠位端と係合するように構成される。遠位停止部は、管状のエアロゾル発生物品2が遠位部分8に向かって遠位方向に加熱部分10を超えて移動することを実質的に防ぐ。
【0128】
一部の実施形態では、ショルダー部9は管状のエアロゾル発生物品2の遠位停止部として作用しうることが理解される。これらの実施形態において、ショルダー部9は、管状のエアロゾル発生物品2が加熱部分10の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品2の遠位端に当接または接触しうる。
【0129】
図3に示すように、空気通路14は、主要ユニット3の近位部分7を通して延在する。複数の空気吸込み口16は、電気ヒーター11の間で、加熱部分10の外側面に配置され、空気出口17はマウスピース12に提供される。複数の空気吸込み口16および空気出口17は、空気通路14に流体接続して、ユーザーがマウスピース12を吸い出す時に空気が空気通路14を通して引き出されることを可能にする。
【0130】
使用するために電気的に作動するエアロゾル発生システム1を組み立てるために、ユーザーは、主要ユニット3および管状のエアロゾル発生物品2の内部通路を、共通の長手方向軸Aに沿って、主要ユニット3の近位端に面した管状のエアロゾル発生物品2のいずれかの端と整合させる。ユーザーは、主要ユニット3の近位端が内部通路5の遠位開端部の中へと挿入されるように、管状のエアロゾル発生物品2を共通軸Aに沿って主要ユニット3に向かって移動させる。ユーザーは、管状のエアロゾル発生物品2の遠位端が遠位停止部(図示せず)に当接するまで、主要ユニット3の近位部分7上で管状のエアロゾル発生物品2を遠位部分8に向けてスライドする。図2および3に示すように、この位置において、管状のエアロゾル発生物品2は主要ユニット3の加熱部分10の上に完全に受けられ、管状のエアロゾル発生物品2は電気ヒーター11と空気吸込み口16を覆う。
【0131】
使用時、ユーザーは、プッシュボタン13を押下して主要ユニット3をオフモードから逐次的加熱モードに切り替える。ユーザーが主要ユニット3のマウスピース12を吸い出すと、電気回路(図示せず)がマウスピース12上のユーザーの吸煙を検出する。ユーザーの吸煙を検出すると、電気回路は、電源(図示せず)から電気ヒーター11の1つに電力を供給する。給電された電気ヒーター11は、管状のエアロゾル発生物品2の管状のエアロゾル形成基体4の一部分を加熱する。エアロゾル形成基体4の一部分が加熱されると、エアロゾル形成基体の揮発性化合物が気化して蒸気を発生する。
【0132】
ユーザーが主要ユニット3のマウスピース12を吸い出すと、周囲空気が管状のエアロゾル形成基体4の環状の端面6を通して管状のエアロゾル発生物品2内に引き出される。管状のエアロゾル発生物品2内に引き出された空気は、主要ユニット3の空気吸込み口16に向かって管状のエアロゾル形成基体4を通して引き出される。加熱されたエアロゾル形成基体によって発生した蒸気は、エアロゾル形成基体4を通して引き出された空気に混入する。混入された蒸気は、内部通路5の内側面において管状のエアロゾル形成基体4から引き出され、空気吸込み口16を通して主要ユニット3の空気通路14に入る。混入された蒸気は、マウスピース12に向かって近位方向に空気通路14を通して引き出される。蒸気が空気通路14を通して引き出されると、蒸気は冷却されてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、マウスピース12の空気出口17を通して空気通路14から引き出され、吸入のためにユーザーに送達される。システム1を通る気流の方向を、図3において矢印で示す。
【0133】
一部の実施例において、管状のエアロゾル発生物品は、円筒形の外側面において、管状のエアロゾル形成基体を囲む外側層または外側ラッパーに1つ以上の穿孔の形態の1つ以上の空気吸込み口を備えうることが理解される。これらの実施形態において、空気は、円筒形の外側面における穿孔を通して管状のエアロゾル発生物品内に引き出されうる。主要ユニットは、加熱部分に遠位または近位に配置される追加的な空気吸込み口を含んでもよい。これらの追加的な空気吸込み口は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品によって覆われない場合がある。そのため、これらの追加的な空気吸込み口は、周囲空気が主要ユニットの空気通路内に直接引き出されることを可能にし、ユーザーによる吸入の前に蒸気およびエアロゾルを冷却するのに役立ちうる。これはユーザーの体験を向上させうる。
【0134】
管状のエアロゾル発生物品を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムの別の例を、図4および5に示す。図4および5に示す電気的に作動するエアロゾル発生システム101は、管状のエアロゾル発生物品102と主要ユニット103とを備える。
【0135】
管状のエアロゾル発生物品102は、エアロゾル形成基体104の円筒形の端の開いた中空管を含む。内部通路105は、内部通路105の両端が開放されるように、管状のエアロゾル形成基体104を通して中央に延在し、かつ管状のエアロゾル形成基体104の長さに延在する。
【0136】
管状のエアロゾル発生物品102は、マウスピース106をさらに備える。マウスピース106は、管状のエアロゾル形成基体104と実質的に類似する環状の断面および幅を有する、酢酸セルロースの環状の円筒形の本体を備える。管状のエアロゾル形成基体104およびマウスピース106は、管状のエアロゾル形成基体104およびマウスピース106がロッドを形成するように構成されるように、当接する同軸配列において配置される。管状のエアロゾル形成基体104の近位端は、マウスピース106の遠位端に当接する。
【0137】
管状のエアロゾル形成基体104とマウスピース106は、外側ラッパー107によって囲まれる。外側ラッパー107は、管状のエアロゾル形成基体104をマウスピース106に固定する。外側ラッパー107は、外側ラッパー107が周囲空気が円筒形の外部表面を通して管状のエアロゾル発生物品102内に引き出されることを実質的に防ぐように、気体に対して実質的に不透過性である材料で形成される。外側ラッパー107は、空気が遠位端面108から近位端面109まで管状のエアロゾル発生物品102を通して引き出されうるように、管状のエアロゾル形成基体104の円筒形の外部表面およびマウスピース106を覆うが端面上には延在しない。
【0138】
内部通路105の遠位端は開放しており、主要ユニット103の近位部分を受けるように構成される。内部通路105の近位端は、マウスピース106の遠位端に配置される。
【0139】
管状のエアロゾル発生物品102は、管状のエアロゾル形成基体とマウスピース106との間に追加的な構成要素をさらに備えうることが理解される。
【0140】
主要ユニット103は、図1~3に示す実施例に関して上述する主要ユニット3に実質的に類似している。ただし、主要ユニット103は、近位部分を通る空気通路を含まない。その結果、主要ユニット103はエアロゾル発生システム101を通る気流経路の一部を形成しない。言い換えると、主要ユニット103は、エアロゾル発生システム101を通して引き出される空気から実質的に分離されている。
【0141】
さらに、主要ユニット103は、マウスピースを備えない。主要ユニット103のヒーター(図示せず)は、主要ユニットの近位端が加熱部分の近位端となるように、主要ユニット103の近位端まで延在する。
【0142】
主要ユニットはエアロゾル発生システム101を通して引き出された空気から実質的に分離されているため、電気回路は、ユーザーの吸煙を検出するためのセンサーを備えない。この例において、電気回路は、ユーザーによるプッシュボタンの起動によっていつ電気ヒーターに電力を供給するかを判定する。
【0143】
主要ユニット103は、主要ユニット103の加熱部分の遠位端とショルダー部との間に配置される遠位停止部(図示せず)を含む。ただし、管状のエアロゾル発生物品102が加熱部分の上に完全に受けられる時に主要ユニットの近位端がマウスピース106の遠位端に当接しうる場合、遠位停止部は必要ではない場合があることが理解される。
【0144】
使用するために電気的に作動するエアロゾル発生システム101を組み立てるために、ユーザーは、主要ユニット103および管状のエアロゾル発生物品102の内部通路105を、共通の長手方向軸に沿って、主要ユニット103の近位端に面した管状のエアロゾル発生物品102の遠位端108と整合させる。ユーザーは、主要ユニット103の近位端が内部通路105の開遠位端の中へと挿入されるように、主要ユニット103に向かって共通軸に沿って管状のエアロゾル発生物品102を移動させる。ユーザーは、管状のエアロゾル発生物品102の遠位端108が遠位停止部に当接し、主要ユニット103の近位端がマウスピース106の遠位端に当接するまで、主要ユニット103の近位部分上で管状のエアロゾル発生物品102を遠位部分に向けて遠位方向にスライドする。図5に示すように、この位置において、管状のエアロゾル発生物品102は、主要ユニット103の加熱部分の上に完全に受けられ、管状のエアロゾル発生物品102は電気ヒーターを覆う。
【0145】
使用時、ユーザーはプッシュボタンを押下して主要ユニット103をオフモードから逐次的加熱モードに切り替え、電気回路が電源(図示せず)から電気ヒーターの1つに電力を供給する。給電された電気ヒーターは、管状のエアロゾル発生物品102の管状のエアロゾル形成基体104の一部分を加熱する。エアロゾル形成基体104の一部分が加熱されると、エアロゾル形成基体の揮発性化合物が気化して蒸気を発生する。
【0146】
ユーザーが管状のエアロゾル発生物品102のマウスピース106を吸い出すと、周囲空気が管状のエアロゾル形成基体104の遠位端面108を通して管状のエアロゾル発生物品102内に引き出される。管状のエアロゾル発生物品102内に引き出された空気は、管状のエアロゾル形成基体104を通してマウスピース106に向けて近位方向に引き出される。加熱されたエアロゾル形成基体104によって発生した蒸気は、エアロゾル形成基体104を通して引き出された空気に混入する。混入した蒸気は、近位端において管状のエアロゾル形成基体104から引き出され、マウスピース106に入る。混入した蒸気は、マウスピース106を通して近位端109に向けて引き出される。蒸気がマウスピース106を通して引き出されると、蒸気は冷却されてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、近位端109においてマウスピース106から引き出され、吸入のためにユーザーに送達される。システム101を通る気流の方向を、図5において矢印で示す。
【0147】
また、管状のエアロゾル発生物品102などの、マウスピースを備える管状のエアロゾル発生物品は、図1~3に示す実施例に関して上述する主要ユニット3などの、空気通路を含む主要ユニットと共に使用されうることが理解される。こうしたシステムでは、主要ユニットがマウスピースを備えるのではなく、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニットの加熱部分の上に完全に受けられる時に管状のエアロゾル発生物品のマウスピースと流体連通する空気出口を備える場合がある。
【0148】
本発明のいくつかの実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムを図6~8に示す。
【0149】
図6は、本発明の第一の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システムの主要ユニット203を示す。主要ユニット203は、図1~3に関して上述する主要ユニット3と実質的に類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0150】
主要ユニット203は、管状のエアロゾル発生物品が光センサー220を含む主要ユニットの加熱部分の上に受けられていると判定するための手段を備える。光センサー220は、近位部分207の外部表面上に、加熱部分210とマウスピース212との間に配置される。この位置において、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニット203の加熱部分210の上に受けられる時に、光センサーは、管状のエアロゾル発生物品の内部通路の内部表面によって覆われる。
【0151】
管状のエアロゾル発生物品が主要ユニット203の加熱部分の上に受けられていると判定するための手段は、光センサー220から受信した信号に基づいて管状のエアロゾル発生物品が加熱部分210の上に受けられていると判定するように構成される電気回路(図示せず)を主要ユニット203にさらに含む。電気回路は、光センサー220によって感知される光の強度が所定の閾値未満である時に、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニット203の加熱部分210の上に受けられていると判定するように構成される。所定の閾値強度値は、電気回路のメモリ(図示せず)に記憶され、光センサー220から受信した強度の測定値と比較される。光センサー220が低い光強度を感知する時、これは、光学センサー220が管状のエアロゾル発生物品によって覆われていることを示す。電気回路が、感知された光の強度が閾値強度値未満であると判定する時、電気回路は、管状のエアロゾル発生物品が主要ユニット203の加熱部分210の上に受けられていると判定する。
【0152】
光センサーは、主要ユニット上の適切な任意の位置に配置されうることが理解される。例えば、光センサーは、主要ユニットの加熱部分に、または主要ユニットの加熱部分と遠位部分との間に配置されてもよい。光センサーを、主要ユニットの加熱部分またはショルダー部の遠位に配置することは有利でありうるが、これは、この配置において、管状のエアロゾル発生物品の遠位端が、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分の上に完全に受けられる位置を意味する加熱部分の遠位端にある時に、光学センサーが光の強度の低減を感知するのみであるからである。
【0153】
光センサーは、圧力センサーや近接センサーなどのその他の適切な任意のタイプのセンサーとしうることが理解される。
【0154】
図7は、本発明の第二の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム301を示す。電気的に作動するエアロゾル発生システム301は、管状のエアロゾル発生物品302と主要ユニット303とを備える。管状のエアロゾル発生物品302および主要ユニット303は、図1~3に関連して上述するのエアロゾル発生物品2および主要ユニット3と類似した構造を有しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0155】
管状のエアロゾル発生物品302は、アルミ箔などの導電性材料から成る2つのリング321、322を含む。2つのリング321、322は、内部通路305の内部表面の一部分を囲む。第一のリング321は内部通路305の一端に配置され、第二のリング322は内部通路305の向かい合った端に配置される。
【0156】
主要ユニット303は、近位部分207の外部表面上に、加熱部分310とマウスピース312との間に配置される2つの電気接点322を含む。電気接点322の第一の電気接点は、主要ユニット303の周囲の周りで電気接点322の第二の電気接点から間隔を介している。電気接点322は、管状のエアロゾル発生物品302が主要ユニットの加熱部分310の上に完全に受けられる時に、第一のリング321が第一および第二の電気接点322の両方に当接または接触するか、第二のリング322が第一および第二の電気接点322の両方に当接または接触するかのいずれかとなるように配置される。そのため、管状のエアロゾル発生物品302が加熱部分310の上に受けられる時、第一および第二の電気接点322は、第一のリング321または第二のリング322のいずれかによって電気的に接続される。
【0157】
主要ユニット303は、第一および第二の電気接点322の間の電気接続を監視するように構成される電気回路(図示せず)を含む。電気回路は、第一および第二の電気接点322の間の電気接続に基づいて、管状のエアロゾル発生物品が加熱部分310の上に受けられているか否かを判定するように構成される。電気回路が第一および第二の電気接点322の間の電気接続を検出する場合、電気回路は、管状のエアロゾル発生物品302が加熱部分310の上に完全に受けられていると判定する。
【0158】
電気回路は、第一および第二の電気接点322の間に電気接続が検出されない限り、主要ユニット303の電源(図示せず)から主要ユニット303の1つ以上の電気ヒーターに電力が供給されることを防ぐようにさらに構成される。これは、電気的に作動するエアロゾル発生システム301が、電気回路が管状のエアロゾル発生物品303が主要ユニット303の加熱部分の上に完全に受けられる場合にのみ作動するように構成されていることを意味する。
【0159】
図8は、本発明の第三の実施形態による電気的に作動するエアロゾル発生システム401を示す。電気的に作動するエアロゾル発生システム401は、管状のエアロゾル発生物品402と主要ユニット403とを備える。管状のエアロゾル発生物品402および主要ユニット403は、図4および5に関して上述する管状のエアロゾル発生物品102および主要ユニット103と実質的に類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様な参照番号が使用されている。
【0160】
管状のエアロゾル発生物品402は、アルミニウムなどの、遠位環状面上に配置される導電性材料のリング421を含む。
【0161】
主要ユニット403は、ショルダー部409上に、近位部分407と遠位部分408との間に配置される2つの電気接点422を含む。電気接点422の第一の電気接点は、主要ユニット403の周囲の周りで電気接点422の第二の電気接点から間隔を介している。第一および第二の電気接点422は、管状のエアロゾル発生物品402が主要ユニット403の加熱部分410の上に完全に受けられる時に、導電性材料のリング421が第一および第二の電気接点422の両方に当接または接触するように配置される。そのため、管状のエアロゾル発生物品402が加熱部分410の上に完全に受けられる時に、第一および第二の電気接点422はリング421によって電気的に接続される。
【0162】
主要ユニット403の電気回路は、実質的に図7に関して上述するように、管状のエアロゾル発生物品402が主要ユニット403の加熱部分410の上に受けられていると判定するように構成される。
【0163】
主要ユニット403の電気回路はさらに、管状のエアロゾル形成物品402の同一性を判定するように構成される。電気回路は、第一および第二の電気接点422の間の抵抗を感知するように構成される。電気回路は、第一および第二の電気接点422の間の感知された抵抗に基づいて、管状のエアロゾル発生物品402の同一性を判定するように構成される。
【0164】
電気回路は、ルックアップテーブルを格納するメモリ(図示せず)を含む。ルックアップテーブルは、基準抵抗情報および記憶された同一性情報を含みうる。記憶される同一性情報は、基準抵抗情報と関係付けられる。電気回路は、第一および第二の電気接点422からの感知された抵抗情報をルックアップテーブル内の記憶された基準情報と比較するように構成される。電気回路が測定された抵抗と記憶された抵抗情報との間の一致を判定すると、電気回路は、記憶された同一性情報が一致した基準情報に関係付けられていると判定することで、管状のエアロゾル発生物品の同一性を判定する。
【0165】
また、電気回路は、管状のエアロゾル発生物品の判定された同一性に基づいて、電気ヒーターの作動モードを判定するように構成される。言い換えると、電気回路は、判定した管状のエアロゾル発生物品の同一性に基づいて、1つ以上の電気ヒーターに供給される電力を制御するように構成される。
【0166】
管状のエアロゾル発生物品は、管状のエアロゾル形成基体の組成に依存する、異なる抵抗を有する異なる導電性材料を提供されうる。このことは、導電性材料の抵抗に基づいて、主要ユニットが管状のエアロゾル発生物品それぞれとその関係付けられたエアロゾル形成基体組成物を識別することを可能にする。これによって、主要ユニットが、エアロゾル形成基体の組成に依存して、管状のエアロゾル発生物品を異なる温度に加熱することが可能になる。これによって、主要ユニットを、異なるエアロゾル形成基体の組成を有する異なるタイプの管状のエアロゾル発生物品で使用することが可能になる。
【0167】
主要ユニットはまた、ディスプレイ(図示せず)を備えうる。電気回路は、一致した基準抵抗情報に関係付けられた記憶された同一性情報をディスプレイに送信して、加熱部分の上に受けられている管状のエアロゾル形成基体の同一性をユーザーに知らせるように構成される。
【0168】
導電性材料および電気接点は、適切な任意の、相補的な配置で配置されてもよいことが理解される。
【0169】
本明細書に記述された例は端的な例であること、および異なる機能性またはより高度な機能性を提供するために、例示された回路に変更・修正がなされうることが理解される。一の実施形態を参照して本明細書に記載する特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく他の実施形態にも適用されうることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8