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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】膨張式橈骨動脈圧縮装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/135 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
A61B17/135
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018565008
(86)(22)【出願日】2017-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 US2017041726
(87)【国際公開番号】W WO2018017365
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/363,695
(32)【優先日】2016-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399125104
【氏名又は名称】メリット・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Merit Medical Systems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】フレッド ランプロポウロス
(72)【発明者】
【氏名】ブレイン ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】タイラー リーズ
(72)【発明者】
【氏名】ケネス サイクス
(72)【発明者】
【氏名】ランディ ボイド
(72)【発明者】
【氏名】タマラ エル ニューレン
【審査官】鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0327871(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0296369(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0342615(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0139766(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/135
A61M 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橈骨動脈圧縮装置であり、前記装置が、
実質的に剛性なフレームであって、前記フレームが外側表面及び内側表面を備え、前記フレームの少なくとも一部が透明な、前記実質的に剛性なフレームと、
前記フレームに連結されている可撓性シートであって、前記シートの少なくとも一部が透明な、前記可撓性シートと、
前記フレーム及び前記可撓性シートの前記内側表面により少なくとも一部が画定されている、膨張式チャンバと
前記実質的に剛性なフレーム上に配設されている第1の印及び第2の印と、
を備え、前記第1の印が穿刺部位と並べられるとき、前記第2の印が動脈切開部位の上に直接配設される、橈骨動脈圧縮装置。
【請求項2】
前記可撓性シートが、前記フレームに取り付けられている周辺部、及び前記フレームに取り付けられていない中央部を備える、請求項1に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項3】
前記膨張式チャンバが、前記橈骨動脈に隣接して位置決めされるよう、前記フレームを患者の手首に固定するよう構成されているリストバンドを更に備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項4】
前記フレームが、手首の親指側部分の周囲で曲がるような輪郭にされている、請求項1~3のいずれか一項に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項5】
前記膨張式チャンバと流体連通している弁を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項6】
前記弁が、(1)前記弁が膨張装置に連結されているとき、前記弁を流体が流れることができる、かつ(2)前記弁が前記膨張装置に連結されていないとき、前記弁を流体が流れるのを防止するよう、前記弁が構成されている、請求項5に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項7】
剛性部材における第1の隙間から前記弁まで延在している管を介して、前記弁が、前記膨張式チャンバと流体連通している、請求項5~6のいずれか一項に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項8】
前記管が、前記フレームの前記外側表面から突出しているコネクタを介して、前記フレームに連結されている、請求項7に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項9】
前記管の自由端部を前記フレームに固定するよう構成されている固定器具を更に備える、請求項8に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項10】
前記橈骨動脈圧縮装置が患者の前記手首に連結されるとき、前記固定器具が、(1)前記コネクタの尺側又は橈側と(2)前記コネクタの近位又は遠位のどちらかとの両方で、位置決めされる、請求項9に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項11】
前記管が、5~15cmの長さである、請求項8に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項12】
タイマーを更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項13】
アラームを更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項14】
前記膨張式チャンバと流体連通している圧力センサを更に備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項15】
前記第1の印と前記第2の印が、前記患者の肌の穿刺部位に対して、動脈切開部位の特定を容易にするよう設計されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【請求項16】
橈骨動脈圧縮装置であり、
実質的に剛性なフレームと、
患者の手首に隣接している前記実質的に剛性なフレームを固定するためのリストバンドと、
患者の橈骨アクセス部位に圧力をかけるための膨張式チャンバと、
前記実質的に剛性なフレーム上に配設されている第1の印及び第2の印と
を備え、
前記実質的に剛性なフレームの少なくとも一部、及び前記膨張式チャンバの少なくとも一部が透明であり、
前記第1の印と前記患者の肌の穿刺部位との配列により、前記患者の動脈切開部位の上に直接、前記膨張式チャンバが位置決めされるよう、前記橈骨動脈圧縮装置が構成されていて、
前記第1の印が穿刺部位と並べられるとき、前記第2の印が動脈切開部位の上に直接配設されるよう、前記橈骨動脈圧縮装置が構成されている、橈骨動脈圧縮装置。
【請求項17】
前記膨張式チャンバの壁が、前記フレームによって画定されている、請求項16に記載の橈骨動脈圧縮装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2016年7月18日出願の、「Inflatable Radial Artery Compression Device」と題する、米国仮特許出願第62/363,695号に対する優先権を主張するものであり、全体が参照により明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して医療用装置の分野に関する。より詳細には、一部の実施形態は、膨張式チャンバを備える橈骨動脈圧縮装置を含む圧縮装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書における書面による開示は、非限定的かつ非網羅的な、例示的実施形態を説明するものである。以下の図に示される、そのような例示的実施形態のうちの特定のものについて、参照するものとする。
図1】患者の手首に固定される橈骨動脈圧縮装置を示す図である。
図2図1の橈骨動脈圧縮装置の下側の斜視図である。
図3】非膨張状態にある膨張式チャンバを備える、図1~2の橈骨動脈圧縮装置の側面図である。
図4】完全に膨張した状態にある膨張式チャンバを備える、図1~3の橈骨動脈圧縮装置の一部の側面図である。
図5】完全に膨張した状態にある膨張式チャンバを備える、患者の手首の周りの、図1~4の橈骨動脈圧縮装置の側面断面図である。
図6】穿刺部位及び動脈切開部位への印の相対位置決めを示す、図1~5の橈骨動脈圧縮装置の斜視図である。
図7】穿刺部位及び動脈切開部位を示す、図1~6の橈骨動脈圧縮装置の断面図である。
図8】電池の取り外し機構を示す、図1~7の橈骨動脈圧縮装置の斜視図である。
図9】太陽光発電式橈骨動脈圧縮装置の斜視図である。
図10】橈骨動脈圧縮装置の別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
多くの医療的手技には、患者の血管への1つ以上の細長い医療装置の挿入を含む。これらの介入手技の一部は、患者の橈骨動脈からの医療装置の送達を含む。橈骨動脈への穿刺を含む介入手技の間及び/又はその後に止血を行うことは、ある種の難題となることがある。
【0005】
橈骨アクセス部位における止血を容易にするために、肌の穿刺部位のわずか上流に圧力をかけてもよい。そのような圧力は、動脈切開部位からの血液の漏出を防止又は低減して、止血を容易にすることができる。本明細書に記載されているある種の実施形態は、橈骨アクセス部位における止血を促進するための圧力をかけることを容易にする。
【0006】
本明細書の図において全般的に説明され、図示されるような実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で、配置及び設計することができる。それゆえ、それらの図に表されるような、以下のさまざまな実施形態のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、単にさまざまな実施形態を代表するものに過ぎない。実施形態のさまざまな態様が図面に提示されるが、この図面は、特に示されないかぎり、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。
【0007】
「連結される」という表現は、2つ以上の実体間での何らかの好適な連結、又は他の形態の相互作用を指すほど広義である。したがって、2つの構成要素は、それらが互いに直接、接触していない場合でさえも、互いに結合されている場合がある。例えば、2つの構成要素が、中間構成要素を介して、相互に連結されている場合がある。「~に取り付ける」という表現は、互いに直接、接触する、及び/又は任意の適切な種類の締結具(例えば、接着剤)によってしか互いに分離されない、2つ以上の物体の間の相互作用を指す。「流体連通」という表現は、その通常の意味に用いられ、各要素が互いに流体連通であるとき、流体(例えば、ガス又は液体)が、一方の要素から他方の要素へと流れることができる配置を指す程度に広義である。
【0008】
「近位部」及び「遠位部」という用語は、反対の方向の用語である。例えば、橈骨動脈圧縮装置又はその構成要素の遠位端部とは、装置の通常の使用の間に、患者の腕の取り付け点から最も離れている端部のことである。近位端部とは、上記の対向端部、又は通常の使用中の患者に最も近い端部を指す。方向の用語として使用されるとき、用語「橈骨の」とは、腕又は手の中心から腕又は手の親指側補部分を向いた方向を指す。用語「尺骨の」とは、上記の反対方向を指す。本明細書において列挙されている特定の体積は、大気圧において、列挙した流体量を保持するシリンジから送達される、流体の体積を指す。例えば、ある膨張式チャンバが、大気圧で、15mLの空気を保持するシリンジから15mLの空気を収容することが可能な場合、このチャンバは、15mLの容量を有する。
【0009】
図1~5は、橈骨動脈圧縮装置100の代替的な図を提示している。より詳細には、図1は、患者50の手首に固定される橈骨動脈圧縮装置100を図示している。図2は、橈骨動脈圧縮装置100の下側の斜視図を提示している。図3は、橈骨動脈圧縮装置100の側面図を提示している。図4は、膨張状態にある膨張式チャンバ126を備える、橈骨動脈圧縮装置100の側面図を提示している。図5は、膨張状態にある膨張式チャンバ126を備える、患者50の手首上の橈骨動脈圧縮装置100の側面図を提示している。
【0010】
図1~5に示されているとおり、橈骨動脈圧縮装置100は、実質的に剛性なフレーム110、可撓性シート120及びリストバンド130を含むことができる。
【0011】
実質的に剛性なフレーム110は、外側表面111及び内側表面113を含むことができる。一部の実施形態では、実質的に剛性なフレーム100は、患者50の手首の親指側部分周囲に曲がるような輪郭にされている。例えば、一部の実施形態では、実質的に剛性なフレーム110は、湾曲部112を含む(図3~5を参照されたい)。図1~5に示される実施形態では、フレーム110は、湾曲(例えば、アーチ状)シートとしての形状をしている。フレーム110(又はその一部)の外側表面111は、凸面とすることができる一方、フレーム110(又はその一部)の内側表面113は、凹面とすることができる。一部の実施形態では、実質的に剛性なフレーム110は、患者50の手首の下側(すなわち、手のひら側)に隣接して配設されるよう構成されている、実質的に真っ直ぐな部分114を更に含む。一部の実施形態では、実質的に剛性なフレーム110(又はその一部)は、透明である。
【0012】
一部の実施形態では、湾曲部112は、1.5cm~2.5cmの屈曲半径(r)を有することができる(図3を参照されたい)。追加的に又は代替的に、湾曲部112によって形成されている弧の角度(θ)は、45~100度とすることができる。例えば、一部の実施形態では、湾曲部112は、80~95度(例えば、約90度)である。
【0013】
可撓性シート120は、フレーム110に連結され得る。例えば、一部の実施形態では、可撓性シート120は、フレーム110に取り付けられている周辺部122、及びフレーム110に取り付けられていない中央部114を含む。一部の実施形態では、可撓性シート120の周辺部122は、溶接又は接着剤によりフレーム110に取り付けられている。可撓性シート120は、ポリウレタン又はPVCなどの任意の好適な材料から作製することができる。一部の実施形態では、可撓性シートの材料は、延伸可能である。図示されている実施形態では、可撓性シートは実質的に矩形の形状であるが、他の形状もまた、本開示の範囲内にある。一部の実施形態では、可撓性シート120(又はその一部)は、透明である。例えば、一部の実施形態では、実質的に剛性なフレーム110(又はその一部)と可撓性シート120(又はその一部)のどちらも透明であり、これにより、医師は、フレーム110及び可撓性シート120を通じて橈骨アクセス部位を見ることが可能となる。一部の実施形態では、医師は、橈骨アクセス部位を見るために、たった2つの層(例えば、フレーム110及び可撓性シート120)を通じて見ることが必要となることがある。たった2つの層を通じて見ることにより、橈骨アクセス部位が2超の層又は部分を通じて見られる実施形態に比べて、目視による透明性の改善がもたらされ得る。
【0014】
リストバンド130は、フレーム110に連結され得る。例えば、リストバンド130は、フレーム110の一方の側に取り付けられている第1のひも、及びフレーム110の反対側に取り付けられている第2のひもを含むことができる。リストバンド130は、患者50の手首に隣接しているフレーム110を固定するよう構成され得る。一部の実施形態では、リストバンド130全体(又はその一部)は不透明である。一部の実施形態では、リストバンド130は、着色されている、及び/又は装飾されている。一部の実施形態では、リストバンド130は、フック及びループ締結具(例えば、ベルクロ)を含む。例えば、一部の実施形態では、リストバンド130は、一体型ベルクロひもである。他の実施形態では、他の取り付け手段を使用して、患者50の腕に橈骨動脈圧縮装置100を固定する。
【0015】
実質的に剛性なフレーム110及び可撓性シート120は、膨張式チャンバ126を形成することができる。例えば、フレーム110及び可撓性シート120の内側表面113は、膨張式チャンバ126を少なくとも一部、画定することができる。別の言い方をすると、膨張式チャンバ126の壁は、フレーム110によって画定され得る。この様式では、膨張式チャンバ126は、膨張式チャンバ126が膨張するとき、サイズ又は形状を変化させない橈骨動脈圧縮装置100の第1の部分(例えば、実質的に剛性なフレーム110)と、膨張式チャンバ126が膨張するとき、サイズ又は形状を変化する橈骨動脈圧縮装置100の第2の部分(例えば、可撓性シート120)の両方によって画定され得る。
【0016】
リストバンド130が、患者50の手首に固定されると、膨張式チャンバ126は、患者の橈骨動脈10に隣接して位置決めされ得る(図5を参照されたい)。一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、膨張式チャンバ126を1つしか含まない。単一膨張式チャンバ126の使用により複数の膨張式チャンバを使用する橈骨動脈圧縮装置に比べて、構成の容易さ及び/又は使用の容易さなどの、1つ以上の利点をもたらすことができる。一部の実施形態では、膨張式チャンバの最大容量は、3mL~30mLである。例えば、一部の実施形態では、膨張式チャンバ126の最大容量は、3mL~12mL、3mL~20mL、3mL~25mL、5mL~15mL、10mL~20mL、10mL~30mL又は15mL~30mLである。膨張式チャンバ126は、患者50の橈骨アクセス部位に、さまざまな量となる圧力をかけるよう構成され得る。一部の実施形態では、膨張式チャンバ126は、尺骨動脈の締め付けを回避するよう、橈骨アクセス部位に圧力をかける。
【0017】
一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、実質的に剛性なフレーム110における第1の隙間116(図5を参照されたい)から弁140まで延在する、管135を含む。管135及び弁140は、実質的に剛性なフレーム110及び可撓性シート120によって形成される膨張式チャンバ126と、流体連通していてもよい。一部の実施形態では、弁140は、弁140が膨張装置(例えば、シリンジ)に連結されているとき、弁140を通って流体が流れることが可能になるよう構成されているが、弁140が、膨張装置に連結されていない(すなわち、膨張装置から取り外されている)とき、弁140を通って流体が流れるのを防止する。言い換えると、弁140は、膨張装置が弁140から連結解除された後、膨張式チャンバ126内に、正の流体圧を維持することができる。
【0018】
図示されている実施形態では、管135は、フレーム110の外側表面111から突出しているコネクタ150を介して、フレーム110に連結されている。一部の実施形態では、管135は、長さが、5cm~15cm、6cm~15cm、8cm~15cm、10cm~15cm、12cm~15cm、6cm~12cm、6cm~10cm、6cm~8cm又は8cm~10cmとなる長さで、コネクタ150から延在している。言い換えると、一部の実施形態では、管135は、約5cm~約15cmにある。他の実施形態では、管135は使用されない。他の実施形態では、管135は、ある他の長さである。
【0019】
一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、管135の自由端をフレーム110に固定するよう構成されている、固定器具160(例えば、クリップ)を更に含むことができる。一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100が、患者50の右腕に固定されるとき、固定器具160は、(1)コネクタ150の尺側又は橈側に、及び/又は(2)コネクタ150の近位若しくは遠位に位置決めされ得る。例えば、図示されている実施形態が、図1に示されているとおり、患者50の右腕に固定されているとき、固定器具160は、コネクタ150の橈側及び遠位に位置決めされる。固定器具160及びコネクタ150は、互いにある距離で位置決めされてもよく、こうして、管135の近位端が、固定器具160に取り付けられているとき、管135の短い長さ分しか、橈骨動脈圧縮装置100から突出せず、それにより、橈骨動脈圧縮装置100の大きさが最小化される。
【0020】
図6及び7は、穿刺部位70及び動脈切開部位80に対して、橈骨動脈圧縮装置100を位置決めする方法の1つを示している。より詳細には、図6は、穿刺部位70に対して特定の位置で、患者50の手首に固定されている、橈骨動脈圧縮装置100を示しており、一方、図7は、図6の面7-7に沿った断面図を提示している。
【0021】
ニードル、シース又はカテーテルなどの細長い装置が、介入手技のために橈骨動脈10に導入されるとき、この細長い装置は、この細長い装置が肌を通る位置(すなわち、穿刺部位)が、細長い装置が動脈壁を通過する位置(すなわち、動脈切開部位)の上に直接、存在しないような角度で挿入され得る。言い換えると、穿刺部位は、距離(d)で動脈切開部位から隔離され得る。一部の実施形態では、この距離(d)は、約1~10mm、2~5mm、及び/又は3~4mmである。
【0022】
一部の状況では、穿刺部位70よりもむしろ、動脈切開部位80上に圧縮が集中するのが有利なことがある。言い換えると、止血は、比較的直接的な方法で、動脈切開部位80に圧縮力をかけることにより、更に迅速かつ効果的に実現することができる。医師が、動脈切開部位80に適切な圧縮をかける位置に橈骨動脈圧縮装置100を配置するのを支援するため、橈骨動脈圧縮装置100は、フレーム110上に印を含んでもよい。フレーム110上の印は、患者50の肌における目視可能な穿刺部位70に対して、動脈切開部位80の特定を容易にするよう設計され得る。
【0023】
例えば、図示されている実施形態では、第1の印115aは、フレーム110上に配設されている。図示されている実施形態では、第1の印115aは、フレーム110上にT-形状のマークの交点に配置されている。第1の印115aが、透明なフレーム110及び透明な可撓性シート120を通じて目視可能である穿刺部位70と並んでいるとき、第2の印117は、(目視不可能な)動脈切開部位80の上に直接、配設されている。図示されている実施形態では、第2の印117は、フレーム110上に的形状のマークの中心となる。一部の実施形態では、第2の印117は、可撓性シート120の中心上に直接、配設されている。別の言い方をすると、第2の印117は、膨張式チャンバ126が膨張状態にあるとき、フレーム110から最も離れて延在するよう設計されている膨張式チャンバ126の領域上に直接、配設されていてもよい。
【0024】
一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、印115bを、更に又は代替として含んでもよい。印115bは、橈骨動脈圧縮装置100が患者50の左手に置かれるとき、穿刺部位と並ぶことができる。別の言い方をすると、一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、橈骨動脈圧縮装置100が置かれる腕にかかわらず、穿刺部位70との配列を容易にする印を含むことができる。当業者は、図6に示されている印とは、何らかの方法で異なる印が、同様の目的のために使用され得ることを認識するであろう。言い換えると、さまざまな形態の印を使用して、橈骨動脈圧縮装置100の適切な配列を容易にすることができる。
【0025】
一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、以下の構成要素:圧力センサ、タイマー、アラーム、制御ユニット、電源、無線接続及びディスプレイ180のうちの1つ以上を含むことができる。一部の実施形態では、これらの構成要素の1つ以上が、ハウジング170内部に取り囲まれている、及び/又はそれにより支持されている。ハウジング170は、フレーム110に固定して、又は取り外し可能に連結され得る。例えば、図示されている実施形態では、ハウジング170は、固定して連結されて、フレーム110から延在する。ハウジング170が、フレームに取り外し可能に連結されている実施形態では、ハウジング170、及び/又はその中に配設されている1つ以上の構成要素(圧力センサ、タイマー、アラーム、制御ユニット、電源、無線接続又はディスプレイ180)は、更なる使用のために、再加工及び/又は再製造され得る。
【0026】
圧力センサ又は圧力トランスデューサーを含む一部の実施形態では(図示せず)、圧力センサは、膨張式チャンバ126と流体連通していてもよい。例えば、圧力センサは、実質的に剛性なフレーム110中の第2の隙間(図示せず)により、膨張式チャンバ126と流体連通していてもよい。圧力センサによって測定した場合、膨張式チャンバ126内の圧力は、橈骨動脈圧縮装置100を使用するためのプロトコルを通知することができる。例えば、圧力センサによって得られた圧力測定値は、ディスプレイ180に伝達され得る。医師は、ディスプレイ上の圧力情報を使用して、所望の場合、膨張式チャンバ126内部の流体の量を増加又は減少することができる。一部の実施形態では、圧力センサは、橈骨動脈圧縮装置100の残りの部分から取り外し可能である。他の実施形態では、圧力トランスデューサーは、橈骨動脈圧縮装置100から取り外し可能ではない。
【0027】
上記のとおり、一部の橈骨動脈圧縮装置はタイマーを含む。一部の実施形態では、タイマーは、カウントダウン式タイマーである。他の又は更なる実施形態では、タイマーは、ストップウォッチ(すなわち、カウントアップ式)タイマーである。タイマーは、アクチュエータ(例えば、ボタン又はプルタブ)が作動するとき、ある基準期間からの時間を測定するよう構成され得る。一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100が患者50の腕に位置決めされて、最初に膨張させたときから、時間が測定される。更に又は代替として、タイマーは、収縮の間に、流体が膨張式チャンバ126から最初に除去されるときから、時間を測定してもよい。一部の実施形態では、タイマーは、膨張式チャンバ126が特定の圧力のままである時間量を測定するよう構成されてもよい。
【0028】
一部の例では、タイマーは、ディスプレイ180と連携していてもよい。一部の実施形態では、ディスプレイ180は、分及び秒で、経過時間量を表示する。他の又は更なる実施形態では、ディスプレイは、時間及び分で経過時間量を表示してもよい。一部の実施形態では、ディスプレイは、経過時間量が1時間に到達すると、分及び秒での表示から時間及び分での表示に移行することができる。一部の実施形態では、タイマーは、橈骨動脈圧縮装置100の残りの部分から取り外し可能である。他の実施形態では、タイマーは取り外し可能ではない。
【0029】
一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、アラームを含む。一部の場合、アラームは、目視可能なアラーム(例えば、発光ダイオードの点滅)であってもよい。他の又は更なる実施形態では、アラームは、可聴であってもよい。アラームは、患者50及び/又は医師に通知して、情報(例えば、橈骨動脈圧縮装置100が特定の状態で維持される時間の長さ)を確かめることができる。この情報に基づいて、医師及び/又は患者50は、任意の必要な変更を行うことができる。
【0030】
一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、無線接続(例えば、Bluetooth又はWi-Fi)を含んでもよい。橈骨動脈圧縮装置100からの情報(例えば、圧力又は経過時間に関する情報)は、更なる他の装置の1つに無線で伝送されて、ある特定の時間における橈骨動脈にかけられる圧力の量を修正する必要があるなどの、処置が必要となることを医師に通知することができる。
【0031】
橈骨動脈圧縮装置100は、医療手順の最後に又はそのあたりで使用されて、橈骨動脈10の止血を容易にすることができる。例えば、一部の手順では、橈骨動脈圧縮装置100は、リストバンド130を介してなどして、患者50の手首に固定され得る。医師は、橈骨動脈圧縮装置100の膨張式チャンバ126を橈骨アクセス部位に隣接して位置決めするよう、患者50の手首に橈骨動脈圧縮装置100を固定することができる。例えば、一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、橈骨アクセス部位を通じて患者50の橈骨動脈にアクセスする、細長い医療機器の一部の周りの手首に置かれる。
【0032】
一部の状況では、医師は、橈骨動脈圧縮装置100のフレーム110上の第1の印115aを患者50の肌における穿刺部位70と並べることができる。例えば、医師は、フレーム110及び可撓性シート120を通じて橈骨アクセス部位を見て、フレーム110上の第1の印115aを穿刺部位70と並べることができる。第1の印115aが、穿刺部位70と並べられると、橈骨動脈圧縮装置100の膨張式チャンバ126は、穿刺部位70の上流である動脈切開部位80に圧縮をもたらすよう位置決めされ得る。別の言い方をすると、橈骨動脈圧縮装置100の第1の印115aが、患者50の肌の穿刺部位70と並んだとき、膨張式チャンバ126は、患者50の動脈切開部位の上に直接、位置決めされ得る。一部の実施形態では、第2の印117は、第1の印115aが穿刺部位70と並べられているとき、動脈切開部位80の上に直接、配設されている。
【0033】
橈骨動脈圧縮装置100が、一旦、患者50の腕に適切に配置されると、膨張式チャンバ126は、任意の好適な方法で膨張され得る。例えば、一部の実施形態では、医師は、膨張装置(例えば、シリンジ)を弁140に接続することができる。膨張装置を弁140に接続すると、弁140を開口することができ、これにより、医師は、流体を膨張式チャンバ126に送り込むことが可能となる。例えば、医師は、弁140に接続しているシリンジのプランジャを進めることができ、これにより、流体が弁140、管135及び第1の隙間116を流れることが可能になって、膨張式チャンバ126に入る。膨張式チャンバ126への流体の送達により、膨張式チャンバ126が拡張し、それにより、橈骨アクセス部位にかけられる圧力の量を増加することができる。別の言い方をすると、膨張式チャンバ126を膨張させると、橈骨アクセス部位にかけられる圧力を向上することができる。
【0034】
一部の状況では、膨張式チャンバ126は、ある圧縮力を橈骨アクセス部位にかけるよう、最初に、ある程度、膨張されてもよい。ある程度膨張状態にある膨張式チャンバ126により、医療装置は、患者50の肌の穿刺部位70から動脈切開部位80まで延在しないよう、橈骨動脈に一部が挿入されている細長い医療装置は、橈骨動脈から引き抜かれ得る。
【0035】
細長い医療装置が取り外された後、次に、動脈切開部位80における出血を停止させるのに十分な量の流体が膨張式チャンバ126に送達され得る。例えば、一部の実施形態では、十分な流体が供給されて、膨張式チャンバ126を完全に膨張させることができる。一旦、十分な流体が膨張式チャンバ126に送達されて、出血を停止させると、膨張式チャンバ126内部の流体は、肌の穿刺部位70において血液が勢いよく流れるのが目視可能になるまで、フレーム110及び可撓性シート120を通って、ゆっくり引き抜くことができる。この段階で、追加の流体(例えば、1~2mL)を、膨張式チャンバ126に逆注入し、出血を停止することができる。この工程により、橈骨動脈10の開通性を維持すると同時に、適切な圧力をかけて止血を実現することができる。言い換えるとは、このプロトコルを使用して、十分な圧力がかけられて出血が防止されるのを確実にすることができると同時に、過度の圧(橈骨動脈10を通る血流を過度に制限するおそれがある)がかかるのを回避することができる。
【0036】
動脈切開部位80及び/又は穿刺部位70が、治癒し始めると、止血を維持するのに必要な圧縮量は低減され得る。したがって、医師は、一連の段階にわたり、膨張式チャンバ126を収縮することができる。このような収縮は、特定の所定のプロトコルに従うことができる。例えば、一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100が使用されて、ある期間(例えば、5分~5時間)、圧縮力が適用された後に、流体の所定の体積(例えば、0.5mL~3mL)を、空気のすべてが除去されるまで、2~3分毎に除去することができる。圧縮力を取り除くと更なる出血がもたらされないという条件で、橈骨動脈圧縮装置100は、患者50から取り外すことができる。言い換えると、止血を確実にするために、圧縮をもはや必要としなくなると、橈骨動脈圧縮装置100は、患者50から取り除くことができる。
【0037】
一部の例では、流体は、橈骨動脈圧縮装置100によって提供される情報に基づいて、膨張式チャンバ126から取り除かれてもよい。例えば、一部の実施形態では、膨張式チャンバ126は、橈骨動脈圧縮装置100のタイマー又はアラームから得られた情報に基づいて、収縮されてもよい。例えば、橈骨動脈圧縮装置は、橈骨動脈圧縮装置100が患者50に置かれて、膨張式チャンバ126から流体を取り除き始める適切な時間を医師に通知するので、経過した時間量を数えることができる。タイマーは、ボタン又はプルタブなどの、アクチュエータによって駆動されてもよい。一部の実施形態では、タイマーは、加算することができる。他の又は更なる実施形態では、タイマーは、秒読みすることができる。橈骨動脈圧縮装置100はまた、段階的に収縮するためのタイミングを表示することもできる。一部の例では、医師又は患者50に、目視可能なインジケータ(例えば、ディスプレイ180上に提示される情報)に基づいて、流体を取り除く必要性が通知される。目視可能なインジケータからの情報は、光(例えば、発光ダイオード)、又はある他の方法で、ディスプレイ180上に提示され得る。他の又は更なる実施形態では、医師又は患者50に、橈骨動脈圧縮装置100から発せられる1種以上の音(例えば、可聴アラームの音)に基づいて、流体を取り除く必要性が通知される。一部の実施形態では、光(例えば、LED)又は他の印が、収縮の段階を医師に通知する。例えば、一部の実施形態では、光が使用されて、膨張式チャンバ126から取り除かれた流体の回数を表示することができる。
【0038】
橈骨動脈圧縮装置100は、任意の好適な電源によって動力を供給することができる。例えば、図1~8に図示されている実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、ハウジング170内に配設されている電池195を含む。電池195は、圧力センサ、タイマー、アラーム及び/又はディスプレイ180に電力を供給することができる。一部の実施形態では、橈骨動脈圧縮装置100は、ハウジングから電池を取り出すのが容易となるよう構成されている。例えば、橈骨動脈圧縮装置100は、ハウジング170に回転可能に連結されている電池ラッチ190を含んでもよい。電池ラッチ190は、図8に示されているとおりに開口されて、橈骨動脈圧縮装置100から電池195を取り除くことができる。言い換えると、橈骨動脈圧縮装置100は、ハウジング170向けの1つ以上の電池195を容易に取り出せるよう構成され得る。電池195の容易な取り出しにより、橈骨動脈圧縮装置100は、廃電池から分離して廃棄されることができる。
【0039】
橈骨動脈圧縮装置は、1つ以上の電池により電力供給される必要はない。例えば、図9は、ハウジング270によって支持されているソーラーパネル292を含む橈骨動脈圧縮装置200の斜視図を提示している。橈骨動脈圧縮装置200は、太陽エネルギーを使用して、圧力センサ、タイマー、アラーム、ライト及び/又はディスプレイなどの構成要素に電力を供給することができる。代替的に、一部の橈骨動脈圧縮装置は、低速放電キャパシタ(slow-discharge capacitor)により電力供給され得る。低速放電キャパシタの使用により、橈骨動脈圧縮装置は、廃電池について懸念することなしに、廃棄することが可能となる。更に他の実施形態(例えば、圧力センサ、タイマー、アラーム、ライト及びディスプレイなどの構成要素のない実施形態)では、橈骨動脈圧縮装置は、ハウジング内に電源を含まないことがある。
【0040】
図10は、別の橈骨動脈圧縮装置300の斜視図を提示している。橈骨動脈圧縮装置300は、上記の橈骨動脈圧縮装置100、200と概して同様である。しかし、図10に示されている実施形態では、コネクタ350及び固定器具360は、図1~9に示されているコネクタ及び固定器具と比べると、異なる位置に位置決めされる。
【0041】
橈骨動脈圧縮装置300が、橈骨動脈上に配置するため、患者の右手首に配設されるとき、コネクタ350は、固定器具360の近位かつ橈側の両方にある。管335は、まず、コネクタ350から橈側方向に延在して、次に管の自由端部における弁340がコネクタ350の尺側に配設されるように、屈曲することができる。固定器具360は、橈骨動脈圧縮装置300の残りの部分に隣接している管335を固定することができる。
【0042】
橈骨動脈圧縮装置100、200及び300などの、本明細書に記載されている一部の橈骨動脈圧縮装置は、患者50の一方の腕に置くことができる。例えば、患者50の右腕上の橈骨動脈圧縮装置100が図1に示されているが、代替として、橈骨動脈圧縮装置100は、患者50の左腕で使用されてもよい。橈骨動脈圧縮装置100が、患者50の左腕に配設されるとき、フレーム110は、患者50の左手首の親指側部分の周りで曲げられるような輪郭にされ得る。別の言い方をすると、図1の橈骨動脈圧縮装置100が、患者50の左腕に適切に置かれているとき、図1~8の橈骨動脈圧縮装置100は、コネクタ150が固定器具160の尺側かつ遠位部のいずれにも存在するよう、回転することができる。
【0043】
上記の圧縮装置が、橈骨動脈圧縮装置として記載されているが、一部の圧縮装置は、更に又は代替として、尺骨動脈を圧縮するのが好適となり得る。例えば、圧縮装置は、フレームが、手首の尺側の周りで曲がるよう、患者に置かれてもよい。このように患者に置かれるとき、膨張式チャンバが膨張すると、尺骨動脈におけるアクセス部位に圧力がかかるよう、膨張式チャンバが、尺骨動脈に隣接して位置決めされてもよい。したがって、本明細書に記載されている、ある圧縮装置を使用して、尺骨動脈におけるアクセス部位の治癒を促進することができる。
【0044】
本明細書で開示されるいずれの方法も、説明されている方法を実行するための、1つ以上のステップ又は行為を含む。それらの方法のステップ及び/又は行為は、互いに入れ替えることができる。言い換えると、実施形態の適切な動作に関して、特定のステップ又は行為の順序が必要とされないかぎり、それら特定のステップ及び/又は行為の順序並びに/或いは操作を、変更することができる。更には、本明細書で説明されている方法のサブルーチン又は一部分のみを、本開示の範囲内の別個の方法とすることもできる。言い換えると、一部の方法は、より詳細な方法で説明されているステップの、一部分のみを含み得る。
【0045】
本明細書の全体にわたる、「ある実施形態」又は「その実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。それゆえ、引用される表現又はその変形は、本明細書の全体にわたって記載されている場合、必ずしもすべてが、同じ実施形態に言及するものとは限らない。
【0046】
同様に、本開示の恩恵を受けることにより、当業者には、上記の実施形態の説明において、開示の効率化の目的上、さまざまな特徴が単一の実施形態、図、又はそれらの説明に集約されている場合がある点を理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、いずれの請求項も、その請求項で明示的に記載された特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして、解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の態様は、上記で開示された任意の単一の実施形態のすべての特徴よりも、少ない特徴の組み合わせにある。それゆえ、この「発明を実施するための形態」に続く請求項は、この「発明を実施するための形態」に明示的に組み込まれるものであり、各請求項は、それ自体が別個の実施形態として独立している。本開示は、独立請求項とそれらの従属請求項の、あらゆる並べ替えを含む。
【0047】
ある特徴又は要素に関する、請求項における「第1の」という用語の記載は、必ずしも、第2の若しくは追加的な、そのような特徴又は要素の存在を示唆するものではない。本開示の根本的な原理から逸脱することなく、上述の実施形態の詳細に変更を加えることができる点が、当業者には明らかとなるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10