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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】透明ディスプレイ及び方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220506BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220506BHJP
   F21V 9/14 20060101ALI20220506BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220506BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20220506BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220506BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20220506BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220506BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220506BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
F21S2/00 433
F21V9/14
G02F1/13357
G09F9/40 302
G09F9/00 336J
F21Y113:10
F21Y115:10
F21Y115:30
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019518254
(86)(22)【出願日】2017-10-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 US2017055178
(87)【国際公開番号】W WO2018067725
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】62/404,747
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイビッド エー.
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/111706(WO,A1)
【文献】特表2014-505971(JP,A)
【文献】特開2010-231069(JP,A)
【文献】特表2016-505898(JP,A)
【文献】特表2015-531075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0013123(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
F21S 2/00
F21V 9/14
G02F 1/13357
G09F 9/40
G09F 9/00
F21Y 113/10
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明マルチビューディスプレイであって、
ライトガイドであって、光を前記ライトガイドの長さに沿って導波光として導波するように構成されたライトガイドと、
前記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素(a multibeam element)が、前記導波光の一部を、マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主要角度方向を有する複数の指向性光ビームとして外に散乱させるように構成されている、複数のマルチビーム要素と、
前記複数の指向性光ビームを前記マルチビュー画像として変調するように構成されたライトバルブアレイと
を備え、
前記透明マルチビューディスプレイが、背景シーンを前記透明マルチビューディスプレイを通して視認可能にするように構成されており、
前記複数のマルチビーム要素のうちの前記マルチビーム要素のサイズ(a size of the multibeam element)が、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズ(a size of a light valve)の50パーセント~200パーセントである
透明マルチビューディスプレイ。
【請求項2】
前記マルチビーム要素が、前記導波光の前記一部を前記複数の指向性光ビームとして外に回折散乱させるように構成された回折格子を備える、請求項1に記載の透明マルチビューディスプレイ。
【請求項3】
前記回折格子が複数のサブ格子を備える、請求項に記載の透明マルチビューディスプレイ。
【請求項4】
前記マルチビーム要素が、マイクロ反射素子及びマイクロ屈折素子の一方又は両方を備え、前記マイクロ反射素子が、前記導波光の一部を外に反射散乱させるように構成されており、前記マイクロ屈折素子が、前記導波光の一部を外に屈折散乱させるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の透明マルチビューディスプレイ。
【請求項5】
前記マルチビーム要素が、前記ライトガイドの第1の表面及び第2の表面のうちの1つに位置し、前記マルチビーム要素が、前記導波光の一部を前記第1の表面を通して外に散乱させるように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の透明マルチビューディスプレイ。
【請求項6】
前記ライトガイドの入力に光学的に結合された光源であって、非ゼロ伝搬角度を有するか、又は所定のコリメーション係数に従ってコリメートされた、あるいはその両方の導波光を供給するように構成された光源をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の透明マルチビューディスプレイ。
【請求項7】
前記複数のマルチビーム要素が、前記背景シーンの方向に光を放射するようにさらに構成されており、前記放射光が、前記背景シーンを照射するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の透明マルチビューディスプレイ。
【請求項8】
前記ライトバルブアレイが液晶ライトバルブを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の透明マルチビューディスプレイ。
【請求項9】
透明ディスプレイであって、
散乱機構を有するライトガイドであって、前記ライトガイドが、光を前記ライトガイドに沿って導波光として導波するように構成されており、前記散乱機構が、前記導波光の一部を放射光として前記ライトガイドから散乱させるように構成されている、ライトガイドと、
前記放射光を変調して、表示画像を表す変調された放射光を提供するように構成されたライトバルブアレイと、
前記ライトガイドの縁部に光学的に結合され、前記導波光として導波される光を供給するように構成された光源と
を備え、
前記ライトガイドと前記ライトバルブアレイとの組合せの透過性が、背景シーンを前記透明ディスプレイを通して視認可能にするように構成されており、
前記散乱機構が、前記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素を備え、前記マルチビーム要素のサイズ(a size of the multibeam element)が、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズ(a size of a light valve)の50パーセント~200パーセントである
透明ディスプレイ。
【請求項10】
前記ライトバルブアレイが、前記背景シーンに隣接する第2の表面と反対側の前記ライトガイドの第1の表面に隣接し、前記散乱機構が、前記導波光の別の一部を前記第2の表面を通して前記ライトガイドから散乱させて、前記背景シーンを照射するように構成されている、請求項に記載の透明ディスプレイ。
【請求項11】
前記光源が、所定の偏光を有する光を供給するように構成されており、前記散乱機構が、偏光保持散乱をもたらすように構成されており、前記偏光を有する放射光が、前記ライトバルブアレイの入力偏光に一致するように構成されている、請求項9または10に記載の透明ディスプレイ。
【請求項12】
前記光源が、前記導波光を所定のコリメーション係数を有するコリメートされた導波光として供給するように構成されたコリメータをさらに備え、前記散乱機構が、前記コリメーション係数に従って角度保持散乱をもたらすように構成された角度保持散乱体を備える、請求項9から11のいずれか一項に記載の透明ディスプレイ。
【請求項13】
記複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素(a multibeam element)が、前記導波光の一部を、互いに異なる主要角度方向を有し、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの異なるビュー方向に対応する複数の指向性光ビームとして、前記ライトガイドから外に散乱させるように構成されており、前記表示画像が前記マルチビュー画像であり、前記透明ディスプレイが透明マルチビューディスプレイである、請求項9から12のいずれか一項に記載の透明ディスプレイ。
【請求項14】
前記マルチビーム要素(the multibeam element)が、前記ライトガイドに光学的に接続されて前記導波光の前記一部を外に散乱させる、回折格子、マイクロ反射素子、及びマイクロ屈折素子のうちの1つ又はそれ以上を備える、請求項9から13のいずれか一項に記載の透明ディスプレイ。
【請求項15】
透明ディスプレイの動作方法であって、
光をライトガイドの長さに沿って導波光として導波するステップ
前記ライトガイドの散乱機構を使用して、前記導波光の一部を放射光として前記ライトガイドから散乱させるステップおよび
前記放射光を表示画像として変調するように構成された透明なライトバルブアレイを使用して、前記放射光を変調するステップ
を含み、
前記透明ディスプレイの前記散乱機構を有する前記ライトガイドと前記透明なライトバルブアレイとの組合せが、背景シーンを前記透明ディスプレイを通して視認可能にし、
前記散乱機構が複数のマルチビーム要素を備え、前記マルチビーム要素のサイズ(a size of the multibeam element)が、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズ(a size of a light valve)の50パーセント~200パーセントである
透明ディスプレイの動作方法。
【請求項16】
記表示
画像がマルチビュー画像であり、前記放射光が、前記マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主要角度方向を有する複数の指向性光ビームを備える、請求項15に記載の透明ディスプレイの動作方法。
【請求項17】
前記複数のマルチビーム要素が、前記ライトガイドに光学的に接続された、回折格子、マイクロ反射素子、及びマイクロ屈折素子のうちの1つ又はそれ以上を備える、請求項15または16に記載の透明ディスプレイの動作方法。
【請求項18】
光源を使用して光を前記ライトガイドに供給するステップをさらに含み、前記供給される光が、前記ライトガイド内で非ゼロ伝搬角度を有するか、又はコリメーション係数に従ってコリメートされて前記導波光の所定の角度広がりをもたらす、あるいはその両方の導波光である、請求項17に記載の透明ディスプレイの動作方法。
【請求項19】
前記導波光の別の一部を、前記背景シーンに照射を提供する方向に散乱させるステップをさらに含む、請求項17または18に記載の透明ディスプレイの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年10月5日出願の米国仮特許出願第62/404747号の優先権を主張する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
該当なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、多種多様な装置及び製品のユーザに情報を伝達するためのほぼどこにでもある媒体である。最も一般的に利用される電子ディスプレイには、陰極線管(CRT)、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)及びアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)、および電気機械式又は電気流体式光変調を利用する様々なディスプレイ(例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス、エレクトロウェッティングデバイスなど)が含まれる。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(即ち、光を放射するディスプレイ)又はパッシブディスプレイ(即ち、別の供給源によって供給される光を変調するディスプレイ)のいずれかとして分類し得る。アクティブディスプレイの最も明らかな例の中には、CRT、PDP、及びOLED/AMOLEDがある。放射光を考えると典型的にはパッシブとして分類されるディスプレイは、LCD及びEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、魅力的な性能特性を示すことが多く、これには、それには限定されないが本質的に低い消費電力が含まれるが、光を放射する能力が欠けていることを考えれば、多くの実際の用途において使用がある程度制限されることがある。
放射光に関連するパッシブディスプレイのその制限を克服するために、多くのパッシブディスプレイは外部光源に結合される。結合された光源により、本来ならパッシブであるはずのこれらのディスプレイが、光を発し、実質的にアクティブディスプレイとして機能することが可能になり得る。こうした結合された光源の例は、バックライトである。バックライトは、本来ならパッシブであるはずのディスプレイの背後に配置されてパッシブディスプレイを照射する光供給源として働き得る(パネルバックライトのことが多い)。例えば、バックライトは、LCD又はEPディスプレイに結合してもよい。バックライトは、LCD又はEPディスプレイを通過する光を放射する。その放射光が、LCD又はEPディスプレイによって変調され、次いで、その変調された光が、さらにはLCD又はEPディスプレイから発せられる。バックライトは、白色光を放射するように構成されていることが多い。その場合には、その白色光をディスプレイで使用される様々な色に変換するために、カラーフィルタが使用される。カラーフィルタは、例えば、LCD若しくはEPディスプレイの出力に配置してもよく(あまり一般的ではない)、又はバックライトとLCD若しくはEPディスプレイとの間に配置してもよい。
[発明の概要]
【0004】
本開示は以下の[1]から[21]を含む。
[1]透明マルチビューディスプレイであって、
ライトガイドであって、光を上記ライトガイドの長さに沿って導波光として導波するように構成されたライトガイドと、
上記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、上記複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素が、上記導波光の一部を、マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主要角度方向を有する複数の指向性光ビームとして外に散乱させるように構成されている、複数のマルチビーム要素と、
上記複数の指向性光ビームを上記マルチビュー画像として変調するように構成されたライトバルブアレイと
を備え、
上記透明マルチビューディスプレイが、背景シーンを上記透明マルチビューディスプレイを通して視認可能にするように構成されている、
透明マルチビューディスプレイ。
[2]上記複数のマルチビーム要素のうちの上記マルチビーム要素のサイズが、上記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズの50パーセント~200パーセントである、上記[1]に記載の透明マルチビューディスプレイ。
[3]上記マルチビーム要素が、上記導波光の上記一部を上記複数の指向性光ビームとして外に回折散乱させるように構成された回折格子を備える、上記[1]に記載の透明マルチビューディスプレイ。
[4]上記回折格子が複数のサブ格子を備える、上記[3]に記載の透明マルチビューディスプレイ。
[5]上記マルチビーム要素が、マイクロ反射素子及びマイクロ屈折素子の一方又は両方を備え、上記マイクロ反射素子が、上記導波光の一部を外に反射散乱させるように構成されており、上記マイクロ屈折素子が、上記導波光の一部を外に屈折散乱させるように構成されている、上記[1]に記載の透明マルチビューディスプレイ。
[6]上記マルチビーム要素が、上記ライトガイドの第1の表面及び第2の表面のうちの1つに位置し、上記マルチビーム要素が、上記導波光の一部を上記第1の表面を通して外に散乱させるように構成されている、上記[1]に記載の透明マルチビューディスプレイ。
[7]上記ライトガイドの入力に光学的に結合された光源であって、非ゼロ伝搬角度を有するか、又は所定のコリメーション係数に従ってコリメートされた、あるいはその両方の導波光を供給するように構成された光源をさらに備える、上記[1]に記載の透明マルチビューディスプレイ。
[8]上記複数のマルチビーム要素が、上記背景シーンの方向に光を発するようにさらに構成されており、上記発せられた光が、上記背景シーンを照射するように構成されている、上記[1]に記載の透明マルチビューディスプレイ。
[9]上記ライトバルブアレイが液晶ライトバルブを備える、上記[1]に記載の透明マルチビューディスプレイ。
[10]透明ディスプレイであって、
散乱機構を有するライトガイドであって、上記ライトガイドが、光を上記ライトガイドに沿って導波光として導波するように構成されており、上記散乱機構が、上記導波光の一部を発せられた光として上記ライトガイドから散乱させるように構成されている、ライトガイドと、
上記発せられた光を変調して、表示画像を表す変調された発せられた光を提供するように構成されたライトバルブアレイと、
上記ライトガイドの縁部に光学的に結合され、上記導波光として導波される光を供給するように構成された光源と
を備え、
上記ライトガイドと上記ライトバルブアレイとの組合せの透過性が、背景シーンを上記透明ディスプレイを通して視認可能にするように構成されている、
透明ディスプレイ。
[11]上記ライトバルブアレイが、上記背景シーンに隣接する第2の表面と反対側の上記ライトガイドの第1の表面に隣接し、上記散乱機構が、上記導波光の別の一部を上記第2の表面を通して上記ライトガイドから散乱させて、上記背景シーンを照射するように構成されている、上記[10]に記載の透明ディスプレイ。
[12]上記光源が、所定の偏光を有する光を供給するように構成されており、上記散乱機構が、偏光保持散乱をもたらすように構成されており、上記偏光を有する発せられた光が、上記ライトバルブアレイの入力偏光に一致するように構成されている、上記[10]に記載の透明ディスプレイ。
[13]上記光源が、上記導波光を所定のコリメーション係数を有するコリメートされた導波光として供給するように構成されたコリメータをさらに備え、上記散乱機構が、上記コリメーション係数に従って角度保持散乱をもたらすように構成された角度保持散乱体を備える、上記[10]に記載の透明ディスプレイ。
[14]上記散乱機構が、上記ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素を備え、上記複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素が、上記導波光の一部を、互いに異なる主要角度方向を有し、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの異なるビュー方向に対応する複数の指向性光ビームとして、上記ライトガイドから外に散乱させるように構成されており、上記表示画像が上記マルチビュー画像であり、上記透明ディスプレイが透明マルチビューディスプレイである、上記[10]に記載の透明ディスプレイ。
[15]上記マルチビーム要素のサイズが、上記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズの50パーセント~200パーセントである、上記[14]に記載の透明ディスプレイ。
[16]上記マルチビーム要素が、上記ライトガイドに光学的に接続されて上記導波光の上記一部を外に散乱させる、回折格子、マイクロ反射素子、及びマイクロ屈折素子のうちの1つ又はそれ以上を備える、上記[14]に記載の透明ディスプレイ。
[17]透明ディスプレイの動作方法であって、
光をライトガイドの長さに沿って導波光として導波するステップ、
上記ライトガイドの散乱機構を使用して、上記導波光の一部を発せられた光として上記ライトガイドから散乱させるステップ、および
上記発せられた光を表示画像として変調するように構成された透明なライトバルブアレイを使用して、上記発せられた光を変調するステップ
を含み、
上記透明ディスプレイの上記散乱機構を有する上記ライトガイドと上記透明なライトバルブアレイとの組合せが、背景シーンを上記透明ディスプレイを通して視認可能にする、
透明ディスプレイの動作方法。
[18]上記散乱機構が複数のマルチビーム要素を備え、上記表示画像がマルチビュー画像であり、上記発せられた光が、上記マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主要角度方向を有する複数の指向性光ビームを備える、上記[17]に記載の透明ディスプレイの動作方法。
[19]上記複数のマルチビーム要素が、上記ライトガイドに光学的に接続された、回折格子、マイクロ反射素子、及びマイクロ屈折素子のうちの1つ又はそれ以上を備える、上記[18]に記載の透明ディスプレイの動作方法。
[20]光源を使用して光を上記ライトガイドに供給するステップをさらに含み、上記供給される光が、上記ライトガイド内で非ゼロ伝搬角度を有するか、又はコリメーション係数に従ってコリメートされて上記導波光の所定の角度広がりをもたらす、あるいはその両方の導波光である、上記[19]に記載の透明ディスプレイの動作方法。
[21]上記導波光の別の一部を、上記背景シーンに照射を提供する方向に散乱させるステップをさらに含む、上記[19]に記載の透明ディスプレイの動作方法。
本明細書で説明する原理による例及び実施形態の様々な特徴が、以下の詳細な説明を添付図面と併せて参照して、より容易に理解することができ、図中で、同様の参照符号は同様の構造要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図を示す。
図1B】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する特定の主要角度方向を有する光ビームの角度成分の図示を示す。
図2】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における回折格子の断面図を示す。
図3A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明マルチビューディスプレイの断面図を示す。
図3B】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明マルチビューディスプレイの平面図を示す。
図3C】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明マルチビューディスプレイの斜視図を示す。
図3D】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明マルチビューディスプレイの別の斜視図を示す。
図4A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビーム要素を含む透明マルチビューディスプレイの一部の断面図を示す。
図4B】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビーム要素を含む透明マルチビューディスプレイの一部の断面図を示す。
図5A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における複数のサブ格子を備える回折格子の断面図を示す。
【0006】
図5B】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における図5Aに示す回折格子の平面図を示す。
図6】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における1対のマルチビーム要素の平面図を示す。
図7A】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビーム要素を含む透明マルチビューディスプレイの一部の断面図を示す。
図7B】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビーム要素を含む透明マルチビューディスプレイの一部の断面図を示す。
図8】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビーム要素を含む透明マルチビューディスプレイの一部の断面図を示す。
図9】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明ディスプレイのブロック図を示す。
図10】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明ディスプレイの動作方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ある特定の例及び実施形態は、上述の図に示す特徴に加えて又はそれらの代わりに、他の特徴を有する。上述の図を参照して、これらの及び他の特徴を以下に詳述する。
【0008】
本明細書で説明する原理による例及び実施形態は、背景シーンを透明ディスプレイを通して視認することを可能にする透明ディスプレイを提供する。具体的には、本明細書で説明する原理と一致するある実施形態は、角度保持散乱を有するライトガイドを、透明ディスプレイを照射するためのバックライトとして利用する、透明ディスプレイを提供する。ある実施形態では、角度保持散乱は、マルチビュー画像を生成するための指向性光ビームを提供し、透明ディスプレイは透明マルチビューディスプレイである。具体的には、角度保持散乱に使用されるマルチビーム要素は、バックライトのライトガイド内で導波される光を散乱させることにより、複数の異なる主要角度方向を有する指向性光ビームを提供するように構成されている。様々な実施形態によれば、透明マルチビューディスプレイのマルチビーム要素によって提供される光ビームの異なる主要角度方向は、マルチビュー画像の様々な異なるビューの異なる方向に対応する。本明細書で説明する透明ディスプレイの使用には、様々なディスプレイ用途、例えば拡張現実ディスプレイが含まれるが、それには限定されない。
【0009】
本明細書では、「2次元ディスプレイ」又は「2Dディスプレイ」は、画像を視認する方向にかかわらず(即ち、2Dディスプレイの所定の視野角又は範囲内にいる)、実質的に同じ画像のビューを提供するように構成されたディスプレイと定義される。多くのスマートフォン及びコンピュータモニタに見られる従来の液晶ディスプレイ(LCD)は、2Dディスプレイの例である。対照的に、本明細書では、「マルチビューディスプレイ」は、マルチビュー画像の異なるビューを、異なるビュー方向に、又は異なるビュー方向から提供するように構成された、電子ディスプレイ又はディスプレイシステムと定義される。具体的には、その異なるビューは、マルチビュー画像のシーン又はオブジェクトの異なる透視ビューを表し得る。
【0010】
図1Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を示す。図1Aに示すように、マルチビューディスプレイ10は、視認されるマルチビュー画像を表示するための画面12を備える。マルチビューディスプレイ10は、そのマルチビュー画像の異なるビュー14を、画面12に対して異なるビュー方向16に提供する。ビュー方向16は、画面12から様々な異なる主要角度方向に延びる矢印として示してあり、異なるビュー14は、それらの矢印(即ち、ビュー方向16を表す矢印)の終端に、斜線を施した多角形ボックスとして示してあり、4つのビュー14及び4つのビュー方向16のみが示してあるが、全て一例であり、限定するものではない。異なるビュー14は、図1Aでは画面の上方にあるものとして示してあるが、ビュー14は実際には、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10上に表示されると、画面12上に、又は画面12の近傍に現れることに留意されたい。ビュー14を画面12の上方に描いてあるのは、例示を簡単にするためにすぎず、ビュー方向16のうち特定のビュー14に対応するそれぞれのビュー方向16からマルチビューディスプレイ10を見ることを表すことを意図している。
【0011】
ビュー方向、言い換えるとマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する光ビームは、一般に、本明細書における定義によれば、角度成分{θ,φ}によって与えられる主要角度方向を有する。角度成分θは、本明細書では光ビームの「仰角成分」又は「仰角」と呼ばれる。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」又は「方位角」と呼ばれる。定義によれば、仰角θは、垂直面(例えば、マルチビューディスプレイ画面の平面に直交する)内の角度であり、方位角φは、水平面(例えば、マルチビューディスプレイ画面の平面に平行である)内の角度である。
【0012】
図1Bは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(例えば、図1Aのビュー方向16)に対応する特定の主要角度方向、又は単純に「方向」を有する光ビーム20の角度成分{θ,φ}の図示を示す。加えて、光ビーム20は、本明細書における定義によれば、特定の点から発せられるか又は発散する。即ち、定義によれば、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の起点に関連する中心光線を有する。図1Bはまた、光ビーム(又はビュー方向)の起点Oをも示す。
【0013】
さらに、本明細書では、「マルチビュー画像」及び「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、異なる視点を表すか、又は複数のビューのうちのビュー間の角度の相違を含む、複数のビューと定義される。加えて、本明細書では、「マルチビュー」という用語は、本明細書における定義によれば、3つ以上の異なるビュー(即ち、最低3つのビュー、一般に4つ以上のビュー)を明示的に含む。したがって、本明細書で利用される「マルチビューディスプレイ」は、シーン又は画像を表すために異なるビューを2つしか含まない立体ディスプレイとは明示的に区別される。しかし、マルチビュー画像及びマルチビューディスプレイは、本明細書における定義によれば、3つ以上のビューを含み得るが、マルチビュー画像は、マルチビュービューのうちの2つのみを一度に視認する(例えば、各目に1つずつのビュー)ように選択することにより、立体対の画像として視認されてもよい(例えば、マルチビューディスプレイ上で)ことに留意されたい。
【0014】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの同様の複数の異なるビューのそれぞれにおける、サブピクセル又は「ビュー」ピクセルのセットと定義される。具体的には、マルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれにおけるビューピクセルに対応するか又はそれを表す、個々のビューピクセルを有し得る。その上、マルチビューピクセルのビューピクセルは、本明細書における定義によれば、いわゆる「指向性ピクセル」であり、というのは、ビューピクセルのそれぞれが、異なるビューのうちの対応するビューの所定のビュー方向に関連付けられているからである。さらに、様々な例及び実施形態によれば、マルチビューピクセルの異なるビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて、同等の、又は少なくとも実質的に同様の位置又は座標を有してもよい。例えば、第1のマルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれにおいて{x,y}に位置する個々のビューピクセルを有してもよく、第2のマルチビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて{x,y}に位置する個々のビューピクセルを有してもよく、以下同様である。
【0015】
ある実施形態では、マルチビューピクセル内のビューピクセルの数が、マルチビューディスプレイのビューの数に等しくてもよい。例えば、マルチビューピクセルは、64の異なるビューを有するマルチビューディスプレイに関連付けられた64のビューピクセルを提供してもよい。別の例では、マルチビューディスプレイは、8×4配列のビュー(即ち、32のビュー)を提供してもよく、マルチビューピクセルは、32(即ち、各ビュー毎に1つ)のビューピクセルを含んでもよい。追加的に、各異なるビューピクセルは、例えば、64の異なるビューに対応するビュー方向のうちの異なるビュー方向に対応する関連する方向(例えば、光ビーム方向)を有してもよい。さらに、ある実施形態によれば、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルの数は、マルチビューディスプレイのビュー内のピクセル(即ち、選択されたビューを構成するピクセル)の数に実質的に等しくてもよい。例えば、ビューが640×480のビューピクセル(即ち、640×480のビュー解像度)を含む場合、マルチビューディスプレイは、307,200のマルチビューピクセルを有してもよい。別の例では、ビューが100×100のピクセルを含む場合、マルチビューディスプレイは、全部で10,000(即ち、100×100=10,000)のマルチビューピクセルを含んでもよい。
【0016】
本明細書では、「ライトガイド」は、全内部反射又は「TIR」を用いてその内部で光を導波する構造と定義される。具体的には、ライトガイドは、ライトガイドの動作波長において実質的に透明なコアを含んでもよい。様々な例では、「ライトガイド」という用語は一般に、全内部反射を利用して、ライトガイドの誘電体材料とそのライトガイドを囲む材料又は媒体との間の境界面で光を導波する、誘電体光導波路を指す。定義によれば、全内部反射の条件とは、ライトガイドの屈折率が、ライトガイド材料の表面に隣接する周囲媒体の屈折率よりも大きいことである。ある実施形態では、ライトガイドは、全内部反射をさらに促進するために、上述の屈折率差に加えて、又はその代わりに、コーティングを含んでもよい。コーティングは、例えば、反射コーティングでもよい。ライトガイドは、いくつかのライトガイドのいずれかでもよく、これには、平板若しくはスラブガイド、及びストリップガイドの一方又は両方が含まれるが、それらには限定されない。
【0017】
さらに、本明細書では、「平板」という用語は、「平板ライトガイド」のようにライトガイドに適用されるとき、「スラブ」ガイドと呼ばれることがある、区分的に又は個別的に平面状の層又はシートと定義される。具体的には、平板ライトガイドは、ライトガイドの上面及び底面(即ち、対向する面)によって境界を画された2つの実質的に直交する方向に光を導波するように構成された、ライトガイドと定義される。さらに、本明細書における定義によれば、上面及び底面はいずれも互いに分離されており、少なくとも個別的な意味で互いに実質的に平行でもよい。即ち、平板ライトガイドの任意の個別的に小さな部分内では、上面及び底面は実質的に平行であるか、又は同一平面上にある。
【0018】
ある実施形態では、平板ライトガイドは、実質的に平坦で(即ち、平面に限定されて)もよく、したがって、平板ライトガイドは平面ライトガイドである。他の実施形態では、平板ライトガイドは、1つ又は2つの直交する次元に湾曲してもよい。例えば、平板ライトガイドは、単一次元に湾曲して、円筒形状の平板ライトガイドを形成してもよい。しかし、いずれの曲率も、光を導波するために全内部反射が平板ライトガイド内で確実に維持されるようにするのに十分に大きな曲率半径を有する。
【0019】
本明細書では、「角度保持散乱機構」、言い換えると「角度保持散乱体」は、任意の機構又は散乱体であって、その機構又は散乱体に入射する光の角度広がりを散乱光において実質的に保持するように光を散乱させるように構成された、任意の機構又は散乱体である。具体的には、定義によれば、角度保持散乱機構によって散乱された光の角度広がりσは、入射光の角度広がりσの関数である(即ち、σ=f(σ))。ある実施形態では、散乱光の角度広がりσは、入射光の角度広がり又はコリメーション係数σの一次関数である(例えば、σ=a・σ、ここでaは整数である)。即ち、角度保持散乱機構によって散乱された光の角度広がりσは、入射光の角度広がり又はコリメーション係数σに実質的に比例してもよい。例えば、散乱光の角度広がりσは、入射光の角度広がりσに実質的に等しくてもよい(例えば、σ≒σ)。均一な回折格子(即ち、実質的に均一又は一定の回折機構間隔又は格子ピッチを有する回折格子)は、角度保持散乱機構の一例である。対照的に、ランバート散乱体又はランバート反射体、及び一般的な拡散体(例えば、ランバート散乱を有するか又はそれに近い)は、本明細書における定義によれば、角度保持散乱体ではない。
【0020】
本明細書では、「偏光保持散乱機構」、言い換えると「偏光保持散乱体」は、任意の機構又は散乱体であって、その機構又は散乱体に入射する光の偏光又は少なくとも偏光度を散乱光において実質的に保持するように光を散乱させるように構成された、任意の機構又は散乱体である。したがって、「偏光保持散乱機構」は、任意の機構又は散乱体であって、その機構又は散乱体に入射する光の偏光度が散乱光の偏光度に実質的に等しい、任意の機構又は散乱体である。さらに、定義によれば、「偏光保持散乱」は、散乱される光の所定の偏光を保持するか又は実質的に保持する散乱(例えば、導波光の)である。散乱される光は、例えば、偏光光源によって供給された偏光された光でもよい。
【0021】
本明細書では、「回折格子」は一般に、回折格子に入射する光の回折をもたらすように配置された複数の機構(即ち、回折機構)と定義される。ある例では、その複数の機構は、周期的又は準周期的に配置してもよい。例えば、回折格子には、1次元(1D)配列で配置された複数の機構(例えば、材料表面の複数の溝又は畝)が含まれ得る。他の例では、回折格子は、2次元(2D)配列の機構でもよい。回折格子は、例えば、2D配列の材料表面上の隆起又は材料表面内の穴でもよい。
【0022】
したがって、また本明細書における定義によれば、「回折格子」は、回折格子に入射する光の回折をもたらす構造である。光がライトガイドから回折格子に入射する場合、もたらされる回析又は回折散乱は、「回折結合」という結果になり、したがってそのように呼ばれてもよく、というのは、回折格子が回折によって光をライトガイドから結合し得るからである。回折格子はまた、回折によって(即ち、回折角で)光の角度を方向変更又は変化もさせる。具体的には、回折の結果として、回折格子を出る光は一般に、回折格子に入射する光(即ち、入射光)の伝搬方向とは異なる伝搬方向を有する。回折による光の伝搬方向の変化は、本明細書では「回折方向変更」と呼ばれる。したがって、回折格子は、回折格子に入射する光を回折方向変更する、回折機構を含む構造であると理解してもよく、光がライトガイドから入射する場合、回折格子はまた、光をライトガイドから外に回折結合もし得る。
【0023】
さらに、本明細書における定義によれば、回折格子の機構は、「回折機構」と呼ばれ、材料表面(即ち、2つの材料の間の境界)、材料表面内、及び材料表面上のうちの1つ又はそれ以上にあってもよい。その表面は、例えば、ライトガイドの表面でもよい。回折機構は、光を回折させる様々な構造のいずれかを含んでもよく、これには、表面、表面内、又は表面上の溝、畝、穴、及び隆起のうちの1つ又はそれ以上が含まれるが、それらには限定されない。例えば、回折格子は、材料表面内の複数の実質的に平行な溝を含んでもよい。別の例では、回折格子は、材料表面から隆起する複数の平行な畝を含んでもよい。回折機構(例えば、溝、畝、穴、隆起など)は、回折をもたらす様々な断面形状又はプロファイルのいずれかを有してもよく、これには、正弦波形プロファイル、長方形プロファイル(例えば、バイナリ回折格子)、三角形プロファイル、及び鋸歯形プロファイル(例えば、ブレーズド格子)のうちの1つ又はそれ以上が含まれるが、それらには限定されない。
【0024】
本明細書で説明する様々な例によれば、回折格子(例えば、以下に説明するようなマルチビーム要素の回折格子)を利用して、光を光ビームとしてライトガイド(例えば、平板ライトガイド)から回折的に散乱又は結合させてもよい。具体的には、局所的に周期的な回折格子の、又はそれによってもたらされる回折角θは、式(1)によって以下のように与えられ得る。
【数1】

ここで、λは光の波長、mは回折次数、nはライトガイドの屈折率、dは回折格子の機構の間の距離又は間隔、θは回折格子への光の入射角である。話を簡単にするために、式(1)は、回折格子がライトガイドの表面に隣接しており、ライトガイドの外側の材料の屈折率が1に等しい(即ち、nout=1)と仮定する。一般に、回折次数mは整数によって与えられる。回折格子によって発生する光ビームの回折角θは、式(1)によって与えられ得、ここで、回折次数mは正(例えば、m>0)である。例えば、回折次数mが1に等しいとき(即ち、m=1)、1次回折がもたらされる。
【0025】
図2は、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における回折格子30の断面図を示す。例えば、回折格子30は、ライトガイド40の表面上に位置してもよい。加えて、図2は、回折格子30に入射角θで入射する光ビーム50を示す。入射光ビーム50は、ライトガイド40内の導波光のビーム(即ち、導波光ビーム)でもよい。また、図2に示してあるのは、入射光ビーム50の回折の結果として、回折格子30によって回折発生し、外に結合された、指向性光ビーム60である。指向性光ビーム60は、式(1)によって与えられる回折角θ(又は本明細書では「主要角度方向」)を有する。回折角θは、回折格子30の回折次数「m」に対応してもよく、例えば回折次数m=1(即ち、第1の回折次数)である。
【0026】
本明細書における定義によれば、「マルチビーム要素」は、複数の光ビームを含む光を発生させるバックライト又はディスプレイの構造又は要素である。ある実施形態では、マルチビーム要素は、バックライトのライトガイドに光学的に結合されて、ライトガイド内で導波される光の一部を外に結合又は散乱させることによって複数の光ビームを提供してもよい。さらに、マルチビーム要素によって発生する複数の光ビームのうちの光ビームは、本明細書における定義によれば、互いに異なる主要角度方向を有する。具体的には、定義によれば、複数の光ビームのうちの1つの光ビームは、複数の光ビームのうちの別の光ビームとは異なる所定の主要角度方向を有する。したがって、本明細書における定義によれば、光ビームは「指向性光ビーム」と呼ばれ、複数の光ビームは「複数の指向性光ビーム」と称され得る。
【0027】
さらに、複数の指向性光ビームは、光照射野を表してもよい。例えば、複数の指向性光ビームは、実質的に円錐形の空間領域に限定され、又は複数の光ビーム内の光ビームの異なる主要角度方向を含む所定の角度広がりを有してもよい。したがって、組み合わされた光ビーム(即ち、複数の光ビーム)の所定の角度広がりは、光照射野を表してもよい。
【0028】
様々な実施形態によれば、複数の指向性光ビームのうちの様々な指向性光ビームの異なる主要角度方向は、マルチビーム要素の特性によって決定され、これには、サイズ(例えば、長さ、幅、面積など)が含まれるが、それには限定されない。ある実施形態では、マルチビーム要素は、本明細書における定義によれば、「広がった点光源」、即ち、マルチビーム要素の広さにわたって分布する複数の点光源とみなしてもよい。さらに、マルチビーム要素によって発生する指向性光ビームは、本明細書における定義によれば、また図1Bに関して上述したように、角度成分{θ,φ}によって与えられる主要角度方向を有する。
【0029】
本明細書では、「コリメータ」は、光をコリメートするように構成された実質的に任意の光デバイス又は装置と定義される。例えば、コリメータには、コリメートミラー又は反射体、コリメートレンズ、回折格子、テーパライトガイド、及びその様々な組合せが含まれ得るが、それらには限定されない。様々な実施形態によれば、コリメータによってもたらされるコリメーションの量は、実施形態によって所定の程度又は量で変わってもよい。さらに、コリメータは、2つの直交する方向(例えば、垂直方向及び水平方向)の一方又は両方のコリメーションをもたらすように構成してもよい。即ち、コリメータは、ある実施形態によれば、光のコリメーションをもたらす2つの直交する方向の一方若しくは両方における形状又は同様のコリメート特性を含んでもよい。
【0030】
本明細書では、「コリメーション係数」は、光がコリメートされる程度と定義される。具体的には、コリメーション係数は、本明細書における定義によれば、光のコリメートビーム内の光線の角度広がりを規定する。例えば、コリメーション係数σは、コリメート光のビーム内の光線の大部分が特定の角度広がり内にあること(例えば、コリメート光ビームの中心又は主要角度方向を中心に+/-σ度)を指定し得る。コリメート光ビームの光線は、角度に関してガウス分布を有してもよく、角度広がりは、ある例によれば、コリメート光ビームのピーク強度の2分の1によって決定される角度でもよい。
【0031】
本明細書では、「光源」は、光供給源(例えば、光を発生させ、放射するように構成された光エミッタ)と定義される。例えば、光源は、作動させるか又はオンにすると光を放射する光エミッタ、例えば発光ダイオード(LED)を備えてもよい。具体的には、本明細書では、光源は、実質的に任意の光供給源でもよく、又は、実質的に任意の光エミッタを備えてもよく、これには、発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベース光エミッタ、蛍光ランプ、白熱ランプ、及び事実上任意の他の光供給源のうちの1つ又はそれ以上が含まれるが、それらには限定されない。光源によって発生する光は、色を有してもよく(即ち、光の特定波長を含んでもよく)、又は様々な波長(例えば、白色光)でもよい。ある実施形態では、光源は、複数の光エミッタを備えてもよい。例えば、光源は、光エミッタのセット又はグループを含んでもよく、この場合、光エミッタのうちの少なくとも1つが、そのセット又はグループの少なくとも1つの他の光エミッタによって発生する光の色又は波長とは異なる色、言い換えると波長を有する光を発生させる。その異なる色には、例えば、原色(例えば、赤、緑、青)が含まれ得る。「偏光」光源は、本明細書では、所定の偏光を有する光を発生させるか又は供給する、実質的に任意の光源と定義される。例えば、偏光光源は、光源の光エミッタの出力に偏光子を備えてもよい。
【0032】
さらに、本明細書で使用されるとき、冠詞「a」は、当特許分野におけるその通常の意味を持つことを意図するものであり、即ち「1つ又はそれ以上」である。例えば、「マルチビーム要素(a multibeam element)」とは、1つ又はそれ以上のマルチビーム要素を意味し、したがって、「そのマルチビーム要素(the multibeam element)」とは、本明細書では、「その(1つ又はそれ以上の)マルチビーム要素(the multibeam element(s))」を意味する。また、本明細書における「上面」、「底面」、「上部の」、「下部の」、「上に」、「下に」、「前」、「後」、「第1の」、「第2の」、「左」、又は「右」へのいずれの言及も、本明細書における限定を意図するものではない。本明細書では、「約」という用語は、値に適用されるとき、一般に、その値を生成するために使用される機器の許容誤差範囲を意味するか、又は、別段の明示的な指定がない限り、プラスマイナス10%、若しくはプラスマイナス5%、若しくはプラスマイナス1%を意味してもよい。さらに、「実質的に」という用語は、本明細書で使用されるとき、大部分、又はほとんど全て、又は全て、又は約51%~約100%の範囲内の量を意味する。その上、本明細書における例は、例示を意図するものにすぎず、解説の目的で示してあり、限定するものではない。
【0033】
本明細書で説明する原理のある実施形態によれば、透明マルチビューディスプレイが提供される。図3Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明マルチビューディスプレイ100の断面図を示す。図3Bは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明マルチビューディスプレイ100の平面図を示す。図3Cは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明マルチビューディスプレイ100の斜視図を示す。図3Dは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明マルチビューディスプレイ100の別の斜視図を示す。図3Cの斜視図は、単に本明細書における解説を容易にするために、一部切欠図で示してある。
【0034】
図3A図3Dに示す透明マルチビューディスプレイ100は、互いに異なる主要角度方向を有する複数の外に結合又は外に散乱される指向性光ビーム102を提供する(例えば、光照射野として)ように構成されている。具体的には、提供される複数の指向性光ビーム102は、様々な実施形態によれば、マルチビュー画像のそれぞれのビュー方向に対応する異なる主要角度方向に、透明マルチビューディスプレイ100から離れるように向かう。さらに、指向性光ビーム102は、変調されて(例えば、以下に説明するようにライトバルブを使用して)、透明マルチビューディスプレイ100上に、又は透明マルチビューディスプレイ100によって、マルチビュー画像を提供又は表示する。ある実施形態では、マルチビュー画像は、3次元(3D)コンテンツ(例えば、ユーザが視認するときに3Dオブジェクトとして見える異なる透視ビューで表される仮想オブジェクト)を含んでもよい。
【0035】
さらに、図3Dに示すように、透明マルチビューディスプレイ100は、背景シーン101を透明マルチビューディスプレイ100を通して視認可能にするように構成されている。即ち、透明マルチビューディスプレイ100により、ユーザが、表示マルチビュー画像及び背景シーン101の両方を同時に視認することが可能になり得る。その上、表示マルチビュー画像は、背景シーン101が透明マルチビューディスプレイ100を通して視認されるときに、背景シーン101に若しくは背景シーン101「内に」重ね合わされたものとして提供されてもよく、又はユーザにはそのように見えてもよい。したがって、透明マルチビューディスプレイ100は、ある実施形態によれば、3D仮想オブジェクトが背景シーン101内にあるように見える拡張現実(AR)体験をユーザに提供してもよい。図3Dに示すように、ユーザは、透明マルチビューディスプレイ100を位置又は領域Aから見てもよく、背景シーン101は、透明マルチビューディスプレイ100の位置Aとは反対側、例えば領域Bに位置してもよい。例えば、ユーザは、透明マルチビューディスプレイ100の前側を、領域Aから、太い矢印及び破線で示す方向に見てもよく、一方、背景シーンは、透明マルチビューディスプレイ100の背後で領域Bに位置している。
【0036】
図3A図3Dに示すように、透明マルチビューディスプレイ100は、ライトガイド110を備える。ライトガイド110は、ある実施形態によれば、平板ライトガイドでもよい。ライトガイド110は、光をライトガイド110の長さに沿って導波光104として導波するように構成されている。例えば、ライトガイド110は、光導波路として構成された誘電体材料を含んでもよい。その誘電体材料は、誘電体光導波路を囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有してもよい。その屈折率の違いは、例えば、ライトガイド110の1つ又はそれ以上の導波モードによる導波光104の全内部反射を促進するように構成されている。
【0037】
具体的には、ライトガイド110は、光学的に透明な誘電体材料の拡大された実質的に平面状のシートを備える、スラブ又は平板光導波路でもよい。誘電体材料のその実質的に平面状のシートは、全内部反射を用いて導波光104を導波するように構成されている。様々な例によれば、ライトガイド110のその光学的に透明な材料は、様々な誘電体材料のいずれかを含むか、又は様々な誘電体材料のいずれかで構成されてもよく、これには、様々なタイプのガラス(例えば、石英ガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、及び実質的に光学的に透明なプラスチック又はポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)若しくは「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のうちの1つ又はそれ以上が含まれるが、それらには限定されない。ある例では、ライトガイド110は、ライトガイド110の表面の少なくとも一部分(例えば、上面及び底面の一方又は両方)上に、被覆層(図示せず)をさらに含んでもよい。被覆層は、ある例によれば、全内部反射をさらに促進するために使用してもよい。
【0038】
さらに、ある実施形態によれば、ライトガイド110は、導波光104を、全内部反射に従って、非ゼロ伝搬角度で、ライトガイド110の第1の表面110’(例えば、「前」面又は側)と第2の表面110’’(例えば、「後」面又は側)との間で導波するように構成されている。具体的には、導波光104は、非ゼロ伝搬角度でのライトガイド110の第1の表面110’と第2の表面110’’との間の反射又は「跳ね返り」によって伝搬する。ある実施形態では、導波光104は、異なる色の光の複数の導波光ビームを備える。その複数の導波光ビームの光ビームは、ライトガイド110により、異なる色固有の非ゼロ伝搬角度のうちのそれぞれの角度で導波されてもよい。例示を簡単にするため非ゼロ伝搬角度は図示していないことに留意されたい。しかし、図3Aでは、伝搬方向103を表す太い矢印は、ライトガイドの長さに沿った導波光104の一般的な伝搬方向を示す。
【0039】
本明細書で定義されるように、「非ゼロ伝搬角度」とは、ライトガイド110の表面(例えば、第1の表面110’又は第2の表面110’’)に対する角度である。さらに、非ゼロ伝搬角度は、様々な実施形態によれば、ゼロよりも大きいのみならず、ライトガイド110内の全内部反射の臨界角よりも小さい。例えば、導波光104の非ゼロ伝搬角度は、約10度~約50度でもよく、又はある例では、約20度~約40度、若しくは約25度~約35度でもよい。例えば、非ゼロ伝搬角度は、約30度でもよい。他の例では、非ゼロ伝搬角度は、約20度、又は約25度、又は約35度でもよい。その上、固有の非ゼロ伝搬角度を、その固有の非ゼロ伝搬角度がライトガイド110内の全内部反射の臨界角よりも小さくなるように選択される限り、特定の実施のために選択してもよい(例えば、任意に)。
【0040】
ライトガイド110内の導波光104は、ライトガイド110に非ゼロ伝搬角度(例えば、約30~35度)で導入又は結合してもよい。レンズ、ミラー若しくは同様の反射体(例えば、傾斜したコリメート反射体)、回折格子、及びプリズム(図示せず)のうちの1つ又はそれ以上が、例えば、光をライトガイド110の入力端に導波光104として非ゼロ伝搬角度で結合することを促進してもよい。ひとたびライトガイド110に結合されれば、導波光104は、ライトガイド110に沿って、一般に入力端から離れる方向でもよい方向に伝搬する(例えば、図3Aにx軸に沿った向きの太い矢印で図示)。
【0041】
さらに、導波光104、言い換えると光をライトガイド110に結合することによって発生する導波光104は、様々な実施形態によれば、コリメート光ビームでもよい。本明細書では、「コリメート光」又は「コリメート光ビーム」は一般に、光ビームの光線が光ビーム内で互いに実質的に平行である、光のビームと定義される(例えば、導波光104)。さらに、コリメート光ビームから発散又は散乱する光の光線は、本明細書における定義によれば、コリメート光ビームの一部とはみなされない。ある実施形態では、透明マルチビューディスプレイ100は、コリメータ、例えば、例えば光源からの光をコリメートするように構成された、レンズ、反射体若しくはミラー、回折格子、又はテーパライトガイドを含んでもよいが、それらには限定されない。ある実施形態では、光源はコリメータを備える。ライトガイド110に供給されるコリメート光は、コリメート導波光104である。導波光104は、様々な実施形態では、コリメーション係数σに従って、又はそれを有してコリメートしてもよい。
【0042】
ある実施形態では、ライトガイド110は、導波光104を再利用するように構成してもよい。具体的には、ライトガイドの長さに沿って導波された導波光104は、その長さに沿って伝搬方向103とは異なる別の伝搬方向103’に方向変更されて戻ってもよい。例えば、ライトガイド110は、光源に隣接する入力端と反対側のライトガイド110の端部に、反射体(図示せず)を含んでもよい。その反射体は、導波光104を反射して再利用導波光として入力端に向かって戻すように構成してもよい。導波光104をこのようにして再利用すると、例えば以下に説明するマルチビーム要素が導波光を2回以上利用できるようにすることにより、透明マルチビューディスプレイ100の明るさ(例えば、指向性光ビーム102の強度)を上げ得る。
【0043】
図3Aでは、再利用導波光の伝搬方向103’(例えば、負のx方向に向かう)を示す太い矢印は、ライトガイド110内での再利用導波光の一般的な伝搬方向を示す。あるいは(例えば、導波光の再利用とは対照的に)、光をライトガイド110に反対の伝搬方向103’で導入することにより(例えば、伝搬方向103を有する導波光104に加えて)、反対の伝搬方向103’に伝搬する導波光104が提供されてもよい。
【0044】
図3A図3Cに示すように、透明マルチビューディスプレイ100は、ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素120をさらに備える。具体的には、複数のマルチビーム要素120のうちのマルチビーム要素120は、有限空間によって互いに分離されており、ライトガイドの長さに沿った個々の別個の要素を表す。即ち、本明細書における定義によれば、複数のマルチビーム要素120のうちのマルチビーム要素120は、有限(即ち、非ゼロ)要素間距離(例えば、有限中心間距離)に従って互いに離間している。さらに、複数のマルチビーム要素120のうちのマルチビーム要素120は一般に、ある実施形態によれば、互いに交差、重なり合い、又はその他の方法で接触をしない。即ち、複数のマルチビーム要素120のうちの各マルチビーム要素120は一般に、別個であり、他のマルチビーム要素120から分離されている。
【0045】
ある実施形態によれば、複数のマルチビーム要素120のうちのマルチビーム要素120は、1次元(1D)配列又は2次元(2D)配列のいずれかで配置してもよい。例えば、複数のマルチビーム要素120は、線形1Dアレイとして配置してもよい。別の例では、複数のマルチビーム要素120は、長方形2Dアレイとして、又は円形2Dアレイとして配置してもよい。さらに、アレイ(即ち、1D又は2Dアレイ)は、ある例では、規則的な又は均一なアレイでもよい。具体的には、マルチビーム要素120間の要素間距離(例えば、中心間距離又は間隔)は、アレイ全体にわたって実質的に均一又は一定でもよい。他の例では、マルチビーム要素120間の要素間距離は、アレイを横切って、又はライトガイド110の長さに沿って、あるいはその両方で変化してもよい。
【0046】
様々な実施形態によれば、複数のマルチビーム要素120のうちのマルチビーム要素120は、導波光104の一部を複数の指向性光ビーム102として外に結合又は散乱させるように構成されている。具体的には、図3A及び図3Cは、指向性光ビーム102を、ライトガイド110の第1の表面(又は前面)110’から離れる方向に向かうものとして描かれた複数の発散する矢印として示す。さらに、マルチビーム要素120のサイズは、様々な実施形態によれば、透明マルチビューディスプレイ100のマルチビューピクセル106内のビューピクセル106’のサイズ(言い換えると、以下に説明するライトバルブ130のサイズ)と同等である。
【0047】
本明細書では、「サイズ」は、様々な方法のいずれかで定義してもよく、これには、長さ、幅、又は面積が含まれるが、それらには限定されない。例えば、ビューピクセル106’のサイズはその長さでもよく、マルチビーム要素120の同等のサイズも、マルチビーム要素120の長さでもよい。別の例では、サイズは面積を指してもよく、それにより、マルチビーム要素120の面積はビューピクセル106’の面積と同等でもよい。
【0048】
ある実施形態では、マルチビーム要素120のサイズはビューピクセルのサイズと同等であり、それにより、マルチビーム要素のサイズは、ビューピクセルのサイズの約50パーセント(50%)~約200パーセント(200%)である。例えば、マルチビーム要素のサイズが「s」で示され、ビューピクセルのサイズが「S」で示される場合には(例えば、図3Aに示すように)、マルチビーム要素のサイズsは、式(2)によって以下のように与えられ得る。
【数2】

他の例では、マルチビーム要素のサイズは、ビューピクセルのサイズの約60パーセント(60%)若しくはビューピクセルのサイズの約70パーセント(70%)よりも大きく、又はビューピクセルのサイズの約80パーセント(80%)よりも大きく、又はビューピクセルのサイズの約90パーセント(90%)よりも大きく、マルチビーム要素は、ビューピクセルのサイズの約180パーセント(180%)よりも小さく、又はビューピクセルのサイズの約160パーセント(160%)よりも小さく、又はビューピクセルのサイズの約140パーセント(140%)よりも小さく、又はビューピクセルのサイズの約120パーセント(120%)よりも小さい。例えば、「同等のサイズ」により、マルチビーム要素のサイズは、ビューピクセルのサイズの約75パーセント(75%)~約150パーセント(150%)でもよい。別の例では、マルチビーム要素120は、ビューピクセル106’とサイズが同等でもよく、この場合、マルチビーム要素のサイズは、ビューピクセルのサイズの約125パーセント(125%)~約85パーセント(85%)である。ある実施形態によれば、マルチビーム要素120及びビューピクセル106’の同等のサイズは、マルチビューディスプレイのビュー間の暗いゾーンを減少させるか又はある例では最小限にし、一方でそれと同時にマルチビューディスプレイのビュー間の重なりを減少させるか又はある例では最小限にするように、選択してもよい。
【0049】
図3A図3Dに示すように、透明マルチビューディスプレイ100は、ライトバルブ130アレイをさらに備える。ライトバルブ130アレイは、複数の指向性光ビームのうちの指向性光ビーム102を変調するように構成されている。具体的には、ライトバルブアレイは、透明マルチビューディスプレイ100によって表示される画像、例えばマルチビュー画像を提供するように、又はそれを提供するために、指向性光ビーム102を変調するように構成してもよい。図3Cでは、ライトバルブ130アレイは、ライトバルブアレイの下にあるライトガイド110及びマルチビーム要素120の可視化を可能にするために、部分的に切り欠かれている。
【0050】
さらに、異なる主要角度方向を有する指向性光ビーム102のうちの異なる指向性光ビーム102は、ライトバルブアレイ内のライトバルブ130のうちの異なるライトバルブ130を通過し、したがってそれらによって変調されるように構成されている。さらに、図に示すように、アレイのライトバルブ130は、ビューピクセル106’に対応し、一方、ライトバルブアレイのライトバルブ130セットは、透明マルチビューディスプレイ100のマルチビューピクセル106に対応する。具体的には、ライトバルブアレイの異なるライトバルブ130セットは、指向性光ビーム102をマルチビーム要素120のうちの異なるマルチビーム要素120から受光し、変調するように構成されている。したがって、図に示すように、各マルチビーム要素120毎に1つの固有のライトバルブ130セットがある。様々な実施形態では、様々な異なるタイプのライトバルブのいずれかをライトバルブアレイのライトバルブ130として利用してもよく、これには、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づく若しくはそれを利用するライトバルブのうちの1つ又はそれ以上が含まれるが、それらには限定されない。
【0051】
図3Aは、指向性光ビーム102を第1のマルチビーム要素120aから受光し、変調するように構成された、第1のライトバルブセット130aを示し、一方、第2のライトバルブセット130bが、図に示すように、指向性光ビーム102を第2のマルチビーム要素120bから受光し、変調するように構成されている。したがって、図3Aに示すように、ライトバルブアレイ内のライトバルブセットのそれぞれ(例えば、第1及び第2のライトバルブセット130a,130b)は、それぞれ異なるマルチビューピクセル106に、ライトバルブセットの個々のライトバルブ130がそれぞれのマルチビューピクセル106のビューピクセル106’に対応した状態で、対応する。
【0052】
図3Aでは、ビューピクセル106’のサイズは、ライトバルブアレイ内のライトバルブ130の実サイズに対応してもよいことに留意されたい。他の例では、ビューピクセルのサイズ、言い換えるとライトバルブのサイズは、ライトバルブアレイの隣接するライトバルブ130間の距離(例えば、中心間距離)と定義してもよい。例えば、ライトバルブ130は、ライトバルブアレイ内のライトバルブ130間の中心間距離より小さくてもよい。ビューピクセル又はライトバルブのサイズは、例えば、ライトバルブ130のサイズ、又はライトバルブ130間の中心間距離に対応するサイズのいずれかと定義してもよい。
【0053】
ある実施形態では、複数のマルチビーム要素120のうちのマルチビーム要素120と、対応するマルチビューピクセル106(例えば、ライトバルブ130セット)との間の関係は、1対1の関係でもよい。即ち、等しい数のマルチビューピクセル106及びマルチビーム要素120があってもよい。図3Bは、一例として、その1対1の関係を明示的に示し、異なるライトバルブ130セットを備える各マルチビューピクセル106が破線に囲まれたものとして示してある。他の実施形態(図示せず)では、マルチビューピクセル106及びマルチビーム要素120の数は、互いに異なってもよい。
【0054】
ある実施形態では、複数のマルチビーム要素120のうちの1対の隣接するマルチビーム要素120間の要素間距離(例えば、中心間距離)は、例えばライトバルブセットで表される、対応する隣接する1対のマルチビューピクセル106間のピクセル間距離(例えば、中心間距離)に等しくてもよい。例えば、図3Aでは、第1のマルチビーム要素120aと第2のマルチビーム要素120bとの間の中心間距離dは、図に示すように、第1のライトバルブセット130aと第2のライトバルブセット130bとの間の中心間距離Dに実質的に等しい。他の実施形態(図示せず)では、マルチビーム要素120と対応するライトバルブセットの複数対の相対中心間距離は異なってもよく、例えば、マルチビーム要素120は、マルチビューピクセル106を表すライトバルブセット間の間隔(即ち、中心間距離D)よりも大きいか又は小さいかのいずれかである要素間間隔(即ち、中心間距離d)を有してもよい。
【0055】
ある実施形態では、マルチビーム要素120の形状は、マルチビューピクセル106の形状、言い換えるとマルチビューピクセル106に対応するライトバルブ130セット(又は「サブアレイ」)の形状に類似してもよい。例えば、マルチビーム要素120は正方形状を有してもよく、マルチビューピクセル106(又は対応するライトバルブ130セットの配置)は、実質的に正方形でもよい。別の例では、マルチビーム要素120は長方形状を有してもよく、即ち、幅又は横方向寸法よりも大きい長さ又は長手方向寸法を有してもよい。この例では、マルチビーム要素120に対応するマルチビューピクセル106(言い換えると、ライトバルブ130セットの配置)は、類似の長方形状を有してもよい。図3Bは、正方形状のマルチビーム要素120、及び正方形のライトバルブ130セットを備える対応する正方形状のマルチビューピクセル106の、上面図又は平面図を示す。さらに他の例(図示せず)では、マルチビーム要素120及び対応するマルチビューピクセル106は様々な形状を有し、これには三角形状、六角形状、及び円形状が含まれ、又はこれは少なくともそれらに近いが、それらには限定されない。
【0056】
さらに(例えば、図3Aに示すように)、各マルチビーム要素120は、ある実施形態によれば、指向性光ビーム102を1つ及び唯一のマルチビューピクセル106に提供するように構成されている。具体的には、マルチビーム要素120のうちの所与のマルチビーム要素120について、マルチビューディスプレイの異なるビューに対応する異なる主要角度方向を有する指向性光ビーム102は、単一の対応するマルチビューピクセル106及びそのビューピクセル106’、即ち、マルチビーム要素120に対応する単一のライトバルブ130セットに、実質的に限定される(例えば、図3Aに示すように)。したがって、透明マルチビューディスプレイ100の各マルチビーム要素120は、マルチビューディスプレイの異なるビューに対応する異なる主要角度方向セットを有する対応する指向性光ビーム102セットを提供する(即ち、指向性光ビーム102セットは、異なるビュー方向のそれぞれに対応する方向を有する光ビームを含む)。
【0057】
様々な実施形態によれば、マルチビーム要素120は、導波光104の一部を外に結合するように構成された、いくつかの異なる構造のいずれかを含んでもよい。例えば、その異なる構造には、回折格子、マイクロ反射素子、マイクロ屈折素子、又はその様々な組合せが含まれ得るが、それらには限定されない。ある実施形態では、回折格子を備えるマルチビーム要素120は、導波光の一部を異なる主要角度方向を有する複数の指向性光ビーム102として外に回折結合するように構成されている。他の実施形態では、マイクロ反射素子を備えるマルチビーム要素120は、導波光の一部を複数の指向性光ビーム102として外に反射結合するように構成されており、又はマイクロ屈折素子を備えるマルチビーム要素120は、屈折によって若しくは屈折を用いて、導波光の一部を複数の指向性光ビーム102として外に結合する(即ち、導波光の一部を外に屈折結合する)ように構成されている。
【0058】
図4Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビーム要素120を含む透明マルチビューディスプレイ100の一部の断面図を示す。図4Bは、本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビーム要素120を含む透明マルチビューディスプレイ100の一部の断面図を示す。具体的には、図4A図4Bは、回折格子122を備える、透明マルチビューディスプレイ100のマルチビーム要素120を示す。回折格子122は、導波光104の一部を複数の指向性光ビーム102として外に回折結合するように構成されている。回折格子122は、回折機構間隔、又は回折機構若しくは格子ピッチによって互いに離間した、導波光の一部から回折結合をもたらすように構成された、複数の回折機構を備える。様々な実施形態によれば、回折格子122内の回折機構の間隔又は格子ピッチは、波長未満でもよい(即ち、導波光の波長よりも短い)。
【0059】
ある実施形態では、マルチビーム要素120の回折格子122は、ライトガイド110の表面に、又はそれに隣接して位置してもよい。例えば、回折格子122は、図4Aに示すように、ライトガイド110の第1の表面110’にあるか、又はそれに隣接してもよい。ライトガイドの第1の表面110’にある回折格子122は、第1の表面110’を通る導波光の一部を指向性光ビーム102として外に回折結合するように構成された、透過モード回折格子でもよい。別の例では、図4Bに示すように、回折格子122は、ライトガイド110の第2の表面110’’に、又はそれに隣接して位置してもよい。第2の表面110’’に位置するとき、回折格子122は、反射モード回折格子でもよい。反射モード回折格子として、回折格子122は、導波光の一部を回折させるのみならず、回折された導波光の一部を、第1の表面110’を通って回折指向性光ビーム102として出るように、第1の表面110’に向かって反射するように構成されている。他の実施形態(図示せず)では、回折格子は、ライトガイド110の表面の間に、例えば、透過モード回折格子及び反射モード回折格子の一方又は両方として位置してもよい。本明細書で説明するある実施形態では、指向性光ビーム102の主要角度方向は、指向性光ビーム102がライトガイド表面でライトガイド110を出るため、屈折の影響を含み得ることに留意されたい。例えば、図4Bは、指向性光ビーム102が第1の表面110’を横切るときの屈折率の変化による指向性光ビーム102の屈折(即ち、曲げ)を示すが、一例であり、限定するものではない。以下に説明する図7A及び図7Bも参照のこと。
【0060】
ある実施形態によれば、回折格子122の回折機構は、互いに離間した溝及び畝の一方又は両方を備えてもよい。その溝又は畝は、ライトガイド110の材料を備えてもよく、例えば、ライトガイド110の表面内に形成してもよい。別の例では、溝又は畝は、ライトガイド材料以外の材料、例えば、別の材料のフィルム又は層から、ライトガイド110の表面上に形成してもよい。
【0061】
ある実施形態では、マルチビーム要素120の回折格子122は、回折機構間隔が回折格子122全体を通して実質的に一定又は不変である、均一な回折格子である。他の実施形態では、回折格子122は、チャープ回折格子でもよい。定義によれば、「チャープ」回折格子は、チャープ回折格子の広さ又は長さ全体にわたって変化する回折機構の回折間隔(即ち、格子ピッチ)を示すか又は有する回折格子である。ある実施形態では、チャープ回折格子は、距離に伴って線形に変化する回折機構間隔の「チャープ」又は変化を有するか、又は示してもよい。したがって、チャープ回折格子は、定義によれば、「線形チャープ」回折格子である。他の実施形態では、マルチビーム要素120のチャープ回折格子は、回折機構間隔の非線形チャープを示してもよい。様々な非線形チャープを使用してもよく、これには、指数関数チャープ、対数チャープ、又は別の実質的に不均一若しくはランダムではあるが単調に変化するチャープが含まれるが、それらには限定されない。非単調なチャープ、例えば、正弦波チャープ、又は三角形若しくは鋸歯状チャープも利用してもよいが、それらには限定されない。それらのタイプのチャープのいずれかの組合せも利用してもよい。
【0062】
ある実施形態では、回折格子122は、複数の回折格子、言い換えると複数のサブ格子を備えてもよい。図5Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における複数のサブ格子を備える回折格子122の断面図を示す。図5Bは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における図5Aに示す回折格子122の平面図を示す。図5Aの断面図は、例えば、図5Bに示す回折格子122のサブ格子の下部列を通って左から右に取られた断面を表してもよい。図5A及び図5Bに示すように、複数のサブ格子は、ライトガイド110の表面(例えば、図に示すように第2の表面110’’)上のマルチビーム要素120の回折格子122内の第1のサブ格子122a及び第2のサブ格子122bを備える。マルチビーム要素120のサイズsが図5A及び図5Bの両方に示してあり、一方、マルチビーム要素120の境界が図5Bに破線を用いて示してある。
【0063】
ある実施形態によれば、複数のマルチビーム要素のうちの異なるマルチビーム要素120間の回折格子122内のサブ格子の密度差は、それぞれの異なるマルチビーム要素120によって外に回折散乱される複数の指向性光ビーム102の相対強度を制御するように構成してもよい。言い換えれば、マルチビーム要素120は、異なる密度の回折格子122をその中に有してもよく、その異なる密度(即ち、サブ格子の密度差)は、複数の指向性光ビーム102の相対強度を制御するように構成してもよい。具体的には、より少ないサブ格子を回折格子122内に有するマルチビーム要素120は、相対的により多くのサブ格子を有する別のマルチビーム要素120よりも低い強度(又はビーム密度)を有する、複数の指向性光ビーム102を発生させ得る。サブ格子の密度差は、例えば、サブ格子が不足しているか又はサブ格子のない、マルチビーム要素120内の位置、例えば図5Bに示す位置122’を用いてもたらし得る。
【0064】
図6は、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における1対のマルチビーム要素120の平面図を示す。図に示すように、対のうちの第1のマルチビーム要素120aは、対のうちの第2のマルチビーム要素120bに存在するよりも高い密度のサブ格子を回折格子122内に有する。具体的には、第2のマルチビーム要素120bは、第1のマルチビーム要素120aよりもサブ格子が少なく、サブ格子のない位置122’が多い、回折格子122を有する。ある実施形態では、第1のマルチビーム要素120a内のより高い密度のサブ格子は、第2のマルチビーム要素120bによって提供される複数の指向性光ビームの強度よりも高い強度を有する、複数の指向性光ビームを提供し得る。図6に示すサブ格子密度差によって提供される、それぞれの複数の指向性光ビームのより高い強度及びより低い強度を用いて、ある実施形態によれば、伝搬距離の関数としてのライトガイド内の導波光の光強度の変化を補償し得る。一例として、限定するものではないが、図6はまた、湾曲した回折機構を有するサブ格子を備える回折格子122をも示す。
【0065】
図7Aは、本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビーム要素120を含む透明マルチビューディスプレイ100の一部の断面図を示す。図7Bは、本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビーム要素120を含む透明マルチビューディスプレイ100の一部の断面図を示す。具体的には、図7A及び図7Bは、マイクロ反射素子を備えるマルチビーム要素120の様々な実施形態を示す。マルチビーム要素120として又はマルチビーム要素120で使用されるマイクロ反射素子には、反射材料若しくはその層(例えば、反射金属)を利用する反射体、又は全内部反射(TIR)に基づく反射体が含まれ得るが、それらには限定されない。ある実施形態によれば(例えば、図7A図7Bに示すように)、マイクロ反射素子を備えるマルチビーム要素120は、ライトガイド110の表面(例えば、第2の表面110’’)に、又はそれに隣接して位置してもよい。他の実施形態(図示せず)では、マイクロ反射素子は、ライトガイド110内で第1及び第2の表面110’,110’’の間に位置してもよい。
【0066】
例えば、図7Aは、ライトガイド110の第2の表面110’’に隣接して位置する反射ファセットを有するマイクロ反射素子124(例えば、「プリズム状の」マイクロ反射素子)を備える、マルチビーム要素120を示す。図示したプリズム状のマイクロ反射素子124のファセットは、導波光104の一部を指向性光ビーム102としてライトガイド110から反射する(即ち、反射散乱させる)ように構成されている。そのファセットは、例えば、導波光の一部をライトガイド110から反射するために、導波光104の伝搬方向に対して斜めでも又は傾斜していてもよい(即ち、傾斜角を有する)。そのファセットは、反射材料を使用してライトガイド110内に形成してもよく(例えば、図7Aに示すように)、又は、様々な実施形態によれば、第2の表面110’’のプリズム状の空洞の表面でもよい。プリズム状の空洞が利用されるとき、空洞表面における屈折率の変化が反射(例えば、TIR反射)をもたらし得るか、又は、ある実施形態では、ファセットを形成する空洞表面を反射材料によって被覆して反射をもたらし得るかのいずれかである。
【0067】
別の例では、図7Bは、実質的に滑らかな曲面を有するマイクロ反射素子124、例えば半球状のマイクロ反射素子124を備えるマルチビーム要素120を示すが、それには限定されない。マイクロ反射素子124の固有の表面曲線は、例えば、導波光104が接触する曲面への入射点に応じて、導波光の一部を異なる方向に反射するように構成してもよい。図7A及び図7Bに示すように、ライトガイド110から反射散乱される導波光の一部は、第1の表面110’から出るか、又は発せられるが、一例であり、限定するものではない。図7Aのプリズム状のマイクロ反射素子124と同様に、図7Bのマイクロ反射素子124は、ライトガイド110内の反射材料、又は、図7Bに示すように、第2の表面110’’内に形成された空洞(例えば、半円形の空洞)のいずれかでもよいが、一例であり、限定するものではない。図7A及び図7Bはまた、2つの伝搬方向103,103’(即ち、太い矢印として図示)を有する導波光104をも示すが、一例であり、限定するものではない。2つの伝搬方向103,103’を用いると、例えば、対称的な主要角度方向を有する複数の指向性光ビーム102の提供を促進し得る。
【0068】
図8は、本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるマルチビーム要素120を含む透明マルチビューディスプレイ100の一部の断面図を示す。具体的には、図8は、マイクロ屈折素子126を備えるマルチビーム要素120を示す。様々な実施形態によれば、マイクロ屈折素子126は、導波光104の一部をライトガイド110から外に屈折結合又は散乱させるように構成されている。即ち、マイクロ屈折素子126は、図8に示すように、屈折を利用して(例えば、回析又は反射とは対照的に)、導波光の一部を指向性光ビーム102としてライトガイド110から外に結合又は散乱させるように構成されている。マイクロ屈折素子126は、様々な形状を有してもよく、これには、半球形状、長方形状、又はプリズム形状(即ち、傾斜したファセットを有する形状)が含まれるが、それらには限定されない。様々な実施形態によれば、マイクロ屈折素子126は、図に示すように、ライトガイド110の表面(例えば、第1の表面110’)から延在若しくは突出してもよく、又は表面内の空洞でもよい(図示せず)。さらに、マイクロ屈折素子126は、ある実施形態では、ライトガイド110の材料を備えてもよい。他の実施形態では、マイクロ屈折素子126は、ライトガイド表面に隣接する、またある例ではライトガイド表面と接触する、別の材料を備えてもよい。
【0069】
図3Aを再度参照すると、透明マルチビューディスプレイ100は、光源140をさらに備えてもよい。様々な実施形態によれば、光源140は、ライトガイド110内で導波される光を供給するように構成されている。具体的には、光源140は、ライトガイド110の入射表面又は端部(入力端)に隣接して位置してもよい。様々な実施形態では、光源140は、実質的に任意の光供給源(例えば、光エミッタ)を備えてもよく、これには、1つ若しくはそれ以上の発光ダイオード(LED)、又はレーザ(例えば、レーザダイオード)が含まれるが、それらには限定されない。ある実施形態では、光源140は、特定の色で表される狭帯域スペクトルを有する実質的に単色の光を発生させるように構成された、光エミッタを備えてもよい。具体的には、その単色光の色は、特定の色空間又は色モデル(例えば、赤-緑-青(RGB)色モデル)の原色でもよい。他の例では、光源140は、実質的に広帯域又は多色の光を供給するように構成された、実質的に広帯域の光源でもよい。例えば、光源140は白色光を供給してもよい。ある実施形態では、光源140は、異なる色の光を供給するように構成された、複数の異なる光エミッタを備えてもよい。その異なる光エミッタは、異なる色の光のそれぞれに対応する、導波光の異なる、色固有の、非ゼロ伝搬角度を有する光を供給するように構成してもよい。
【0070】
ある実施形態では、光源140は、コリメータ(図示せず)をさらに備えてもよい。コリメータは、実質的にコリメートされていない光を光源140の光エミッタのうちの1つ又はそれ以上から受光するように構成してもよい。コリメータは、実質的にコリメートされていない光をコリメート光に変換するようにさらに構成してもよい。具体的には、コリメータは、ある実施形態によれば、非ゼロ伝搬角度を有し、所定のコリメーション係数に従ってコリメートされた、コリメート光を供給してもよい。その上、異なる色の光エミッタが利用されるとき、コリメータは、異なる、色固有の、非ゼロ伝搬角度のうちの1つ又はいずれも有し、異なる色固有コリメーション係数を有する、コリメート光を提供するように構成してもよい。コリメータは、コリメート光ビームを上述の導波光104として伝搬するようにライトガイド110に伝達するように、さらに構成してもよい。
【0071】
様々な実施形態では、透明マルチビューディスプレイ100は、導波光104の伝搬方向103,103’に直交してライトガイド110を通る方向の光を実質的に透過するように構成されている。具体的には、ライトガイド110及び離間した複数のマルチビーム要素120により、光が第1の表面110’及び第2の表面110’’の両方を通ってライトガイド110を通過することが可能になる。マルチビーム要素120の比較的小さいサイズ、及びマルチビーム要素120の比較的大きい要素間間隔(例えば、マルチビューピクセル106との1対1の対応)の両方のため、透過性を少なくとも部分的に促進し得る。さらに、特にマルチビーム要素120が回折格子を備えるとき、マルチビーム要素120も、ある実施形態では、ライトガイドの表面110’,110’’に直交して伝搬する光を実質的に透過してもよい。さらに、ライトバルブ130アレイも、少なくともある場合に(例えば、ライトバルブが透明な又は「白色光」状態に設定されたときに)、直交伝搬する光を透過するように構成されている。したがって、例えば、背景シーン101からの光は、様々な実施形態によれば、複数のマルチビーム要素を有するライトガイド110を通り、またライトバルブアレイのライトバルブ130のうちの少なくともいくつかも通って、直交方向に通過して、背景シーン101を透明マルチビューディスプレイ100を通して視認しやすくし得る。
【0072】
本明細書で説明する原理のある実施形態によれば、透明ディスプレイが提供される。透明ディスプレイは、変調光を、透明ディスプレイ上に又は透明ディスプレイによって表示される画像のピクセルとして放射するように構成されている。さらに、透明ディスプレイは、様々な実施形態によれば、背景シーンを透明ディスプレイを通して視認可能にするように構成されている。
【0073】
ある実施形態では、透明ディスプレイは、比較的広いが実質的に無指向性の視野角を有する変調光を放射するように構成された、2次元(2D)透明ディスプレイでもよい。即ち、その2D透明ディスプレイは、変調光を表示画像のピクセルとして、例えば、「2D」画像として発してもよい。さらに、2D画像として、表示画像は、広い視野角内の実質的にどこかにいる視認者に、表示画像のビューを実質的に提供するように構成されている。様々な実施形態によれば、透明ディスプレイによって提供される表示画像は、背景シーン101に又は背景シーン101内に重ね合わされているように見えてもよい。
【0074】
他の実施形態では、透明ディスプレイは、発せられた変調光が、透明マルチビューディスプレイの複数の視認方向に優先的に向かう発せられた変調された指向性光ビームを備える、透明マルチビューディスプレイでもよい。透明マルチビューディスプレイの実施形態に関して、表示画像は、変調された指向性光ビームの方向に対応する方向を有する指向性ピクセルを備える、3次元(3D)又はマルチビュー画像でもよい。具体的には、発せられた変調された指向性光ビームのうちの異なる光ビームは、マルチビュー画像に関連する異なる「ビュー」の個々の指向性ピクセルに対応してもよい。その異なるビューは、例えば、透明マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像内の情報の表現の「裸眼」(例えば、自動立体)視体験を提供してもよい。さらに、透明マルチビューディスプレイによって提供されるマルチビュー画像は、様々な実施形態によれば、背景シーンに又は背景シーン内に重ね合わされているように見えてもよい。
【0075】
図9は、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明ディスプレイ200のブロック図を示す。様々な実施形態によれば、透明ディスプレイ200は、視認者には背景シーン201(即ち、透明ディスプレイ200の背後にある、又は透明ディスプレイ200を通して視認されるシーン)に重ね合わされているように見える画像を表示するように構成されている。ある実施形態では、その表示画像は、異なるビュー方向の異なるビューを有するマルチビュー画像でもよい。具体的には、透明ディスプレイ200によって提供される変調された放射光202が、その表示画像のピクセルに対応する。ある実施形態では、透明ディスプレイ200からの変調された放射光202は、変調された指向性光ビームでもよく、その表示マルチビュー画像の異なるビューの指向性ピクセルに対応してもよい。変調された放射光202は、図9では、透明ディスプレイ200から出る矢印として示してある。変調された放射光202の矢印には、その変調を強調するために破線が用いてあるが、一例であり、限定するものではない。
【0076】
図9に示す透明ディスプレイ200は、散乱機構220を有するライトガイド210を備える。ある実施形態では、散乱機構220は、角度保持散乱機構であるか、又は角度保持散乱体を備えるかのいずれかである。ライトガイドは、光をライトガイド210の長さに沿って導波光として導波するように構成されており、散乱機構は、導波光の一部を放射光204としてライトガイドから散乱させるように構成されている。例えば、散乱機構220は、導波光のコリメーション係数に従って角度保持散乱をもたらすように構成された、角度保持散乱体を備えてもよい。ある実施形態では、ライトガイド210は、透明マルチビューディスプレイ100に関して上述したライトガイド110と実質的に同様であってもよい。
【0077】
図9に示す透明ディスプレイ200は、ライトバルブ230アレイをさらに備える。ライトバルブ230アレイは、放射光204を変調して、表示画像を表す変調された放射光202(即ち、表示画像のピクセル)を提供するように構成されている。ある実施形態では、ライトバルブ230アレイは、上述の透明マルチビューディスプレイ100のライトバルブ130アレイと実質的に同様であってもよい。具体的には、散乱機構220を有するライトガイド210とライトバルブ230アレイとの組合せの透過性が、様々な実施形態によれば、背景シーンを透明ディスプレイを通して視認可能にするように構成されている。
【0078】
図に示すように、透明ディスプレイ200は、光源240をさらに備える。光源240は、ライトガイド210の縁部に結合されている。光源240は、ライトガイド210内で導波光として導波される光を供給するように構成されている。ある実施形態では、光源240は、上述の透明マルチビューディスプレイ100の光源140と実質的に同様であってもよい。例えば、光源240は、非ゼロ伝搬角度を有するか、又は所定のコリメーション係数に従ってコリメートされた、あるいはその両方の導波光を供給するように構成してもよい。光源240は、例えば、導波光を所定のコリメーション係数を有するコリメートされた導波光として供給するように構成されたコリメータを備えてもよい。
【0079】
ある実施形態では、ライトバルブ230アレイは、背景シーン201に隣接する第2の表面と反対側の、ライトガイド210の第1の表面に隣接してもよい。散乱機構220は、導波光の別の一部を第2の表面を通してライトガイドから散乱させるようにさらに構成してもよい。散乱機構220によって外に散乱される導波光のその他の一部は、例えば、背景シーン201を照射するために用いてもよい(又は、背景シーン201用の照射源として働いてもよい)。図9は、散乱機構220によって導波光のその他の一部から提供された外に散乱された光206を、背景シーン201に向かう矢印として示す。
【0080】
ある実施形態では、光源240は、所定の偏光を有する光を供給するように構成してもよい。例えば、光源240は、偏光子又は偏光光エミッタを備えてもよい。これらの実施形態では、例えば、散乱機構220は、偏光保持散乱をもたらすように構成してもよく、放射光204は、ライトバルブ230アレイの入力偏光に一致するように構成された偏光を有してもよい。ある実施形態では、散乱機構220は、角度保持散乱機構及び偏光保持散乱機構の両方でもよい。
【0081】
ある実施形態では、散乱機構220は、ライトガイド210の長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素を備えてもよい。その複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素は、導波光の一部を、互いに異なる主要角度方向を有する複数の指向性光ビームとして、ライトガイドから外に散乱させるように構成してもよい。さらに、指向性光ビームの異なる主要角度方向は、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの異なるビュー方向に対応してもよい。したがって、ある実施形態によれば、表示画像はマルチビュー画像でもよく、透明ディスプレイ200は透明マルチビューディスプレイでもよい。
【0082】
ある実施形態では、散乱機構220の複数のマルチビーム要素は、透明マルチビューディスプレイ100に関して上述した複数のマルチビーム要素120と実質的に同様であってもよい。例えば、散乱機構220の複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素のサイズは、ライトバルブ230アレイのライトバルブ230のサイズの50パーセント~200パーセントでもよい。さらに、マルチビーム要素は、ある実施形態では、ライトガイドに光学的に接続されて導波光の一部を外に散乱させる、回折格子、マイクロ反射素子、及びマイクロ屈折素子のうちの1つ又はそれ以上を備えてもよい。
【0083】
例えば、マルチビーム要素は、上述した、例えばマルチビーム要素120に関して図4A図4Bに示した回折格子122と、実質的に同様の回折格子を備えてもよい。別の例では、マルチビーム要素は、上述した、例えばマルチビーム要素120に関して図7A図7Bに示したマイクロ反射素子124と、実質的に同様のマイクロ反射素子を備えてもよい。さらに別の例では、マルチビーム要素は、マイクロ屈折素子を備えてもよい。そのマイクロ屈折素子は、上述した、例えばマルチビーム要素120に関して図8に示したマイクロ屈折素子126と、実質的に同様であってもよい。
【0084】
本明細書で説明する原理の他の実施形態によれば、透明ディスプレイの動作方法が提供される。図10は、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における透明ディスプレイの動作方法300のフローチャートを示す。図10に示すように、透明ディスプレイの動作方法300は、光をライトガイドの長さに沿って導波光として導波すること310を含む。ある実施形態では、光を非ゼロ伝搬角度で導波してもよい310。さらに、導波光を所定のコリメーション係数に従ってコリメートしてもよい。ある実施形態によれば、そのライトガイドは、透明マルチビューディスプレイ100に関して上述したライトガイド110と実質的に同様であってもよい。
【0085】
図10に示すように、透明ディスプレイの動作方法300は、ライトガイドの散乱機構を使用して、導波光の一部を放射光としてライトガイドから散乱させること320をさらに含む。ある実施形態では、その散乱機構は、透明ディスプレイ200に関して上述した散乱機構220と実質的に同様である。例えば、その散乱機構は、導波光のコリメーション係数に従った角度保持散乱、及び偏光保持散乱の一方又は両方をもたらしてもよい。
【0086】
図10に示す透明ディスプレイの動作方法300は、透明なライトバルブアレイを使用して、放射光を変調すること330をさらに含む。透明なライトバルブアレイは、放射光を表示画像として変調するように構成されている。様々な実施形態によれば、透明ディスプレイの散乱機構を有するライトガイドと透明なライトバルブアレイとの組合せが、背景シーンを透明ディスプレイを通して視認可能にする。ある実施形態では、その透明なライトバルブアレイは、上述の透明マルチビューディスプレイ100のライトバルブ130アレイと実質的に同様であってもよい。
【0087】
ある実施形態では、散乱320に使用される散乱機構は、複数のマルチビーム要素を備える。さらに、放射光は、マルチビュー画像のそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主要角度方向を有する複数の指向性光ビームを備える。ある実施形態では、その複数のマルチビーム要素は、上述の透明マルチビューディスプレイ100の複数のマルチビーム要素120と実質的に同様であってもよい。例えば、その複数のマルチビーム要素は、ライトガイドに光学的に接続された、回折格子、マイクロ反射素子、及びマイクロ屈折素子のうちの1つ又はそれ以上を備えてもよい。さらに、表示画像はマルチビュー画像でもよく、指向性光ビームは、マルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有してもよく、即ち、指向性光ビームは、ひとたび変調されれば330、マルチビュー画像のビューピクセルを表してもよい。ある実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、ビューピクセルのサイズ、言い換えると透明なライトバルブアレイのライトバルブのサイズと同等である。例えば、マルチビーム要素は、ライトバルブのサイズの2分の1より大きく、ライトバルブのサイズの2倍より小さくてもよい。
【0088】
ある実施形態(図示せず)では、透明ディスプレイの動作方法300は、光源を使用して、光をライトガイドに供給することをさらに含む。供給される光は、ライトガイド内で非ゼロ伝搬角度を有するか、又はライトガイド内でコリメーション係数に従ってコリメートされてライトガイド内の導波光の所定の角度広がりをもたらす、あるいはその両方の導波光でもよい。ある実施形態では、光源は、上述の透明マルチビューディスプレイ100の光源140と実質的に同様であってもよい。
【0089】
ある実施形態(図示せず)では、透明ディスプレイの動作方法300は、導波光の別の一部を、背景シーンに照射を提供する方向に散乱させることをさらに含んでもよい。具体的には、散乱機構は、上述したように、ある実施形態では、光を透明なライトバルブアレイに向かっても、背景シーンに向かっても散乱させるように構成してもよい。
【0090】
このように、透明マルチビューディスプレイの例及び実施形態、透明マルチビューディスプレイの動作方法、および背景シーンを透明ディスプレイを通して視認可能にする透明ディスプレイについて説明した。上述の例は、本明細書で説明する原理を表す多くの具体例のうちのいくつかを例示するものにすぎないことを理解されたい。明らかに、以下の特許請求の範囲で定義される範囲から逸脱することなく、当業者なら多数の他の構成を容易に考案することができる。
【符号の説明】
【0091】
10 マルチビューディスプレイ
12 画面
14 ビュー
16 ビュー方向
20 光ビーム
30 回折格子
40 ライトガイド
50 入射光ビーム
60 指向性光ビーム
100 透明マルチビューディスプレイ
101 背景シーン
102 指向性光ビーム
104 導波光
106 マルチビューピクセル
110 ライトガイド
120 マルチビーム要素
122 回折格子
124 マイクロ反射素子
126 マイクロ屈折素子
130 ライトバルブ
140 光源
200 透明ディスプレイ
201 背景シーン
202 変調された放射光
204 放射光
206 外に散乱された光
210 ライトガイド
220 散乱機構
230 ライトバルブ
240 光源
300 透明ディスプレイの動作方法
310 光を導波すること
320 導波光の一部を散乱させること
330 放射光を変調すること
103,103’ 伝搬方向
106’ ビューピクセル
110’ 第1の表面
110’’ 第2の表面
120a 第1のマルチビーム要素
120b 第2のマルチビーム要素
122a 第1のサブ格子
122b 第2のサブ格子
130a 第1のライトバルブセット
130b 第2のライトバルブセット
A,B 領域
D,d 中心間距離
O 起点
S ビューピクセルのサイズ
s マルチビーム要素のサイズ
θ 仰角
θi 入射角
θm 回折角
σ コリメーション係数
φ 方位角
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10