(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】ディスプレイ用冷間成形ガラスラミネーション
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220506BHJP
C03C 21/00 20060101ALI20220506BHJP
E04F 13/15 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
G09F9/00 342
G09F9/00 302
G09F9/00 313
C03C21/00 101
E04F13/15
(21)【出願番号】P 2019522263
(86)(22)【出願日】2017-10-24
(86)【国際出願番号】 US2017058010
(87)【国際公開番号】W WO2018081068
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-16
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ブレナン,マイケル ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】クマール,アチュール
(72)【発明者】
【氏名】マクファーランド,マイケル ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】スゥン,ヤーウェイ
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/007815(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/125713(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0009068(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
C03C 15/00-23/00
E04F 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質ガラス基板の第一部分を第一剛性支持構造体によって第一固定形状に固定するステップと、
第一ディスプレイを該軟質ガラス基板の該第一部分または該第一剛性支持構造体に取り付けるステップと、
該第一部分を固定するステップおよび、該第一ディスプレイを取り付けるステップの後、該軟質ガラス基板の該第一部分の該第一固定形状および該取り付けられた第一ディスプレイを維持しながら:
該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状に冷間成形するステップと、
該軟質ガラス基板の該第二部分を第二剛性支持構造体によって該第二固定形状に固定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第一ディスプレイは平面状であり、
前記第一固定形状が平面状であり、
前記第一ディスプレイを前記軟質ガラス基板の前記第一部分に取り付けるステップの後に、該軟質ガラス基板の該第一部分が、前記第一剛性支持構造体によって前記第一固定形状に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一ディスプレイを前記軟質ガラス基板の前記第一部分に取り付けるステップの前に、該軟質ガラス基板の該第一部分が、前記第一剛性支持構造体によって前記第一固定形状に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一固定形状が平面状である、請求項1または
3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一固定形状が非平面状である、請求項1または3に記載の方法。
【請求項6】
前記第一ディスプレイが非平面状である、請求項1または3に記載の方法。
【請求項7】
前記第一固定形状が、前記軟質ガラス基板の前記第一部分を冷間成形することによって形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第一ディスプレ
イが、前記第一固定形状と同じ
形状を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第一剛性支持構造体が、前記軟質ガラス基板の前記第一部分に永久的に取り付けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第二固定形状が非平面状である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第二剛性支持構造体が、前記軟質ガラス基板の前記第二部分に永久的に取り付けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第一ディスプレイが、オプティカルボンディングまたはエアギャップボンディングから選択される方法を使用して、前記軟質ガラス基板または前記第一剛性支持構造体に取り付けられる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
さらに、
前記軟質ガラス基板の第三部分を第三剛性支持構造体によって第三固定形状に固定するステップと、
第二ディスプレイを該軟質ガラス基板の該第三部分または該第三剛性支持構造体に取り付けるステップと、
を含み、
この場合:
該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状に冷間成形するステップと、
該軟質ガラス基板の該第二部分を該第二剛性支持構造体によって該第二固定形状に固定するステップが、
該第三部分を固定するステップおよび該第二ディスプレイを取り付けるステップの後に、該軟質ガラス基板の該第三部分の該第三固定形状および取り付けられた第二ディスプレイを維持しながら実施される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記軟質ガラス基板が、化学強化ガラスを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
さらに、前記第一部分を固定するステップおよび前記第一ディスプレイを取り付ける前に、該軟質ガラス基板は平面のまま、該軟質ガラス基板に少なくとも1つのコーティングを適用するステップを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコーティングのうちの1つが、装飾的インクコーティングである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのコーティングのうちの1つが反射防止コーティングである、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記軟質ガラス基板が、前記第一剛性支持構造体に直接取り付けられる、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
さらに、接着の前に、前記第一剛性支持構造体および前記軟質ガラス基板のうちの少なくとも一方に接着剤を適用するステップを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記軟質ガラス基板が、ローラーテープ、機械的保持器、プレス成形、またはダイ成形(die molding)から選択される方法を使用して前記第一剛性支持構造体に接着される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
冷間成形され、剛性支持構造体によって非平面状の固定形状に固定された
第一部分を有する、冷間成形された軟質ガラス基板と、
該冷間成形された軟質ガラス基板
の第二部分に取り付けられたディスプレイと、
を含み、該ディスプレイと該冷間成形された軟質ガラス基板との間に残留応力が存在しない、物品。
【請求項22】
軟質ガラス基板
の第一部分を非平面状の固定形状へと冷間成形するステップと、
該軟質ガラス基板を剛性支持構造に取り付けるステップと、
冷間成形ステップおよび該軟質ガラス基板を剛性支持構造体に取り付けるステップの後に、ディスプレイを該軟質ガラス基板
の第二部分に取り付けるステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下、2016年10月25日に出願された米国特許仮出願第62/412,542号に対する優先権の恩典を主張するものであり、なお、本出願は、当該仮出願の内容に依拠し、ならびに当該仮出願の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、湾曲した冷間成形ガラス基板、そのようなガラス基板を含む物品、ならびに関連プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
湾曲したガラス基板は、多くの状況において望ましい。そのような状況の1つは、湾曲したディスプレイ用のカバーガラスとしての使用であり、それらは、電気製品、建築要素(例えば、壁、窓、組み立て式の家具、シャワードア、鏡など)、乗り物(例えば、自動車、航空機、船舶など)に組み入れられる。そのような湾曲したガラス基板を形成する既存の方法、例えば、熱間成形など、は、光学的歪および表面マーキングなどの欠点を有する。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態において、冷間成形されたガラス基板に取り付けられたディスプレイを含む物品、ならびにそのような物品を作製する方法について説明する。
【0005】
いくつかの実施形態において、プロセスは、第一剛性支持構造体によって第一固定形状に軟質ガラス基板の第一部分を固定するステップと、第一ディスプレイを当該軟質ガラス基板の第一部分または当該第一剛性支持構造体に取り付けるステップとを含む。当該第一部分を固定するステップおよび当該第一ディスプレイを取り付けるステップの後、当該軟質ガラス基板の当該第一部分の当該第一固定形状および取り付けられた第一ディスプレイを維持しつつ、当該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状へと冷間成形するステップ、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を第二剛性支持構造体によって第二固定形状に固定するステップ。
【0006】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、平面状の第一ディスプレイ、平面状の第一固定形状、および当該第一ディスプレイを上記軟質ガラス基板の上記第一部分に取り付けた後に、上記第一剛性支持構造体によって上記第一固定形状に固定される当該軟質ガラス基板の当該第一部分を含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、上記第一ディスプレイを上記軟質ガラス基板の上記第一部分に取り付ける前に、上記第一剛性支持構造体によって上記第一固定形状に固定される当該軟質ガラス基板の当該第一部分を含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、平面状または非平面状である上記第一固定形状を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、平面形状または非平面形状を有する上記第一ディスプレイを含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、上記軟質ガラス基板の上記第一部分を冷間成形することによって形成される上記第一固定形状を含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、上記第一固定形状と同じ形状を有する第一ディスプレイを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、上記軟質ガラス基板の上記第一部分に永久的に取り付けられた上記第一剛性支持構造体を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、非平面状である上記第二固定形状を含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、上記軟質ガラス基板の上記第二部分に永久的に取り付けられた上記第二剛性支持構造体を含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、オプティカルボンディング(optical bonding)またはエアギャップボンディング(air gap bonding)から選択される方法を使用して、上記軟質ガラス基板または上記第一剛性支持構造体に取り付けられた上記第一ディスプレイを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、第三固定形状に上記軟質ガラス基板の第三部分を第三剛性支持構造体によって固定するステップと、当該軟質ガラス基板の当該第三部分または当該第三剛性支持構造体に第二ディスプレイを取り付けるステップとを含むプロセスを含み得る。当該プロセスはさらに、当該軟質ガラス基板の上記第二部分を上記第二固定形状に冷間成形するステップと、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を上記第二剛性支持構造体によって当該第二固定形状に固定するステップとを含み、この場合、それは、当該第三部分を固定するステップおよび当該第二部分を取り付けるステップの後に、当該軟質ガラス基板の当該第三部分の当該第三固定形状および取り付けられた第二ディスプレイを維持しながら実施される。
【0017】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、化学強化ガラスを含む上記軟質ガラス基板を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、上記第一部分を固定するステップおよび上記第一ディスプレイを取り付けるステップの前に、上記軟質ガラス基板が平面のまま、当該軟質ガラス基板にコーティングを適用するステップをさらに含む上記プロセスを含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、装飾的インクコーティングである上記少なくとも1つのコーティングのうちの1つを含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、反射防止コーティングである、上記少なくとも1つのコーティングのうちの1つを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、上記第一剛性支持構造体に直接取り付けられた上記軟質ガラス基板を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、接着の前に上記第一剛性支持構造体および上記軟質ガラス基板のうちの少なくとも一方に接着剤を適用するステップをさらに含む上記プロセスを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、ローラーテープ、機械的保持器、プレス成形、またはダイ成形(die molding)から選択される方法を使用して上記第一剛性支持構造体に接着された上記軟質ガラス基板を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、軟質ガラス基板の第一部分を第一剛性支持構造体によって第一固定形状に固定するステップと、第一ディスプレイを当該軟質ガラス基板の当該第一部分または当該第一剛性支持構造体に取り付けるステップとを含むプロセスによって形成された物品を含み得る。当該第一部分を固定するステップおよび当該第一ディスプレイを取り付けるステップの後、当該軟質ガラス基板の当該第一部分の当該第一固定形状および取り付けられた第一ディスプレイを維持しつつ、当該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状へと冷間成形するステップ、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を第二剛性支持構造体によって第二固定形状に固定するステップ。
【0025】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、剛性支持構造体によって非平面状固定形状に固定された冷間成形された軟質ガラス基板と、当該冷間成形された軟質ガラス基板に取り付けられたディスプレイとを含む物品を含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、上記ディスプレイと上記冷間成形された軟質ガラス基板との間に残留応力の存在しない物品を含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、先述のパラグラフのいずれか1つに記載の実施形態はさらに、軟質ガラス基板を非平面状の固定形状へと冷間成形するステップと、当該軟質ガラス基板を剛性支持構造体に取り付けるステップと、冷間成形ステップおよび当該軟質ガラス基板を剛性支持構造体に取り付けるステップの後にディスプレイを当該軟質ガラス基板または当該剛性支持構造体に取り付けるステップとを含むプロセスを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書に組み入れられる添付の図は、本明細書の一部を形成し、本開示の実施形態を例示するものである。当該図はさらに、説明と共に、開示される実施形態の原理を説明する助けになり、ならびに当業者が本開示の実施形態を作製し使用することを可能にするのに役立つ。これらの図は、例示であることが意図され、限定することを意図するものではない。本開示は、概して、これらの実施態様との関連において説明されるが、本開示の範囲をこれらの特定の実施態様に制限することを意図するものではないことは理解されるべきである。図面では、同様の参照番号は、同一の要素または機能的に類似した要素を示す。
【
図1A】支持構造体を伴うガラス基板の上面図を示す。
【
図1B】
図1Aに示された1-1’に沿った、支持構造体を伴うガラス基板の断面図を示す。
【
図2A】ガラス基板に直接取り付けられたディスプレイの上面図を示す。
【
図2B】
図2Aに示された2-2’に沿った、ガラス基板に直接取り付けられたディスプレイの断面図を示す。
【
図3A】ガラス基板に取り付けられたディスプレイの上面図を示す。
【
図3B】
図3Aに示された3-3’に沿った、ガラス基板に取り付けられたディスプレイの断面図を示す。
【
図4A】支持構造体に直接取り付けられたディスプレイの上面図を示す。
【
図4B】
図4Aに示された4-4’に沿った、支持構造体に取り付けられたディスプレイの断面図を示す。
【
図5】非平面状ガラス基板に取り付けられた平面状ディスプレイの断面図を示す。
【
図6】支持構造体に取り付けられた平面状ディスプレイを覆う非平面状ガラス基板の断面図を示す。
【
図7】非平面状ガラス基板に直接取り付けられた非平面状ディスプレイの断面図を示す。
【
図8】支持構造体に取り付けられた非平面状ディスプレイを覆う非平面状ガラス基板の断面図を示す。
【
図9A】冷間成形されたガラス基板にディスプレイを取り付けるプロセスフローチャートを示す。
【
図9B】冷間成形されたガラス基板にディスプレイを取り付けるプロセスフローチャートを示す。
【
図10A】ガラス基板に直接取り付けられたディスプレイと、第二剛性支持構造体を伴う当該基板における冷間成形された部分の上面図を示す。
【
図10B】
図10Aに示された5-5’に沿った、ガラス基板に直接取り付けられたディスプレイと、第二剛性支持構造体を伴う当該基板における冷間成形された非平面状部分の断面図を示す。
【
図11】ガラス基板に直接取り付けられた2つのディスプレイの断面図を示す。
【
図12】ガラス基板に直接取り付けられた2つの隣接するディスプレイの断面図を示す。
【
図13A】ガラス基板の平面状第一部分に直接取り付けられた2つのディスプレイと、剛性支持構造体によって支えられた当該ガラス基板における冷間成形された非平面状部分の上面図を示す。
【
図13B】
図13Aに示される6-6’に沿った、ガラス基板の平面状第一部分に直接取り付けられた2つのディスプレイと、剛性支持構造体によって支えられた当該ガラス基板における冷間成形された非平面状部分の断面図を示す。
【
図14】接着層および支持構造体に対してガラス基板をプレスするようにピンが選択的に作動する、冷間成形プロセスを示す。
【
図15A】モールド(mold)が剛性支持構造体に対してガラス基板をプレスする、例示的プレス成形プロセスを示す。
【
図15B】プレス成形された、冷間成形物品を示す。プレス成形の後、プレスモールド(press-mold)は取り外される。
【
図16】非平面状剛性支持構造体に接着された冷間成形されたガラス基板を含む自動車内装ディスプレイを示す。
【
図17A】ガラス基板に固定された剛性支持構造体の上面図を示す。
【
図17B】ガラス基板に固定された剛性支持構造体の断面図を示す。
【
図17C】剛性支持構造体が固定されたまま、ガラス基板に取り付けられたディスプレイの上面図を示す。
【
図17D】剛性支持構造体が固定されたまま、ガラス基板に取り付けられたディスプレイの断面図を示す。
【
図18】剛性支持構造体を固定するステップおよびガラス基板を冷間成形するステップの後にディスプレイが取り付けられるプロセスのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
自動車製造は、今日のドライバーおよび乗客とより良好に関係し、保護し、および安全に知らせる内装を作製する。産業は、自動運転に向かって進んでいるため、大きな形式の魅力的なディスプレイを作製する必要がある。既に、いくつかのOEMからの新しいモデルにおいてタッチ機能を含むより大きなディスプレイへの傾向がある。そのような傾向は、電気製品、建築要素(例えば、壁、窓、組み立て式の家具、シャワードア、鏡など)、および他の乗り物(例えば、航空機、船舶など)にも現れている。しかしながら、これらのディスプレイの大部分は、2次元プラスチックカバーレンズからなる。
【0030】
自動車内装産業および関連産業に現れているこれらの傾向により、三次元の透明な表面を作製するための低コスト技術を開発することが必要とされている。強化ガラス材料、例えば、化学強化ガラス材料、熱強化ガラス材料、および/または機械的に強化されたガラス材料など、は、特に当該ガラス基板がディスプレイのための湾曲したカバーガラスとして使用される場合、そのような表面としての使用にとって特に望ましい。
【0031】
しかしながら、湾曲したガラス表面を形成するための多くの方法が、ガラス基板に熱間成形プロセス(ガラス基板を当該ガラスの転移温度より高い温度に加熱するステップを含む)を施すステップを伴う。そのようなプロセスは、関与する高温のため、エネルギー集約的であり得、そのようなプロセスは、製品に対して多大なコストを加える。その上、熱間成形プロセスは、強度劣化を引き起こす場合があり、またはガラス基板上に存在する任意のコーティング、例えば、反射防止(AR)コーティングまたはインクコーティングなど、を損傷する場合がある。さらに、熱間成形プロセスは、ガラス自体に、望ましくない特性、例えば、歪およびマーキングなど、を付与する場合がある。
【0032】
平面状ガラス基板は、湾曲形状または三次元形状を有するように、「冷間成形」され得る。本明細書において使用される場合、「冷間成形」は、ガラスのガラス転移温度より低い温度においてガラス基板を曲げることを意味する。いくつかの実施形態において、冷間成形ステップは、80°F未満の温度において行われる。冷間成形されたガラス基板は、対向する主要面と湾曲した形状を有する。当該対向する主要面は、冷間成形の際に生じたお互いに異なる表面応力を示す。当該応力は、冷間成形プロセスによって生じた表面圧縮応力または引張応力を含む。ガラス基板は、ガラス転移温度よりかなり低い温度に維持されるため、これらの応力は、熱的に緩和されない。
【0033】
いくつかの実施形態において、冷間成形されたガラス基板は、「展開可能」表面を形成する。展開可能表面は、ゼロガウス曲率を有する表面、すなわち、表面の平面内において伸縮することなく平面へと平らにすることができる表面である。展開可能表面の例としては、円錐、円柱、オロイド(oloid)、正接展開可能表面、またはそれらの一部が挙げられる。単一の曲線上に突出する表面は、展開可能表面である。その一方で、ほとんどの平滑面は、非ゼロガウス曲率を有し、非展開可能表面であり、球形は、平面へと回転することができないため、非展開可能形状または表面の例である。
【0034】
表面上の任意のポイントにおいて、表面に対して垂直な法線ベクトルを見出すことができ、当該法線ベクトルを含む平面は、法平面と呼ばれる。法平面と当該表面との交差点は、法切断と呼ばれる曲線を形成するであろうし、この曲線の曲率は、法曲率である。法曲率は、どの法平面を考えるかに応じて変わる。そのような平面の1つは、そのような曲率に対する最大値を有するであろうし、別の平面は、最小値を有するであろう。これらの最大値および最小値は、主曲率と呼ばれる。
【0035】
幾何学上、ガウス曲率は、任意の表面の曲率の固有尺度として定義され、任意の空間に等尺的に埋め込まれる方法ではなく、表面上において測定された距離のみに依存する。ガウス曲率は、主曲率KmaxおよびKminの積としても定義することができる。展開可能表面のガウス曲率は、どこでもゼロであるため、展開可能表面の最大および最小主曲率は、方程式(1)として書くことができ:
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
この場合、Hは、当該表面の平均曲率である。
方程式(2)におけるKmaxおよび方程式(4)におけるKminは、表面の非ゼロ主曲率と呼ばれる。
【0041】
いくつかの実施形態において、冷間成形されたガラス基板は、複雑な展開可能形状を有する。複雑な展開可能形状は、2つ以上の展開可能形状、例えば、円錐、円柱、オロイド、平面、および正接展開可能表面など、の組み合わせを意味する。例えば、複雑な展開可能形状は、少なくとも平面と少なくとも凹面との組み合わせ、または少なくとも平面と少なくとも凸面との組み合わせ、または少なくとも凹面と少なくとも凸面との組み合わせであり得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、複雑な展開可能形状は、平面、円錐、円柱、および他の展開可能表面の組み合わせによっても形成され得、内向きおよび外向きの両方の湾曲を伴う。いくつかの実施形態において、平面、円錐、円柱、および他の展開可能表面の組み合わせは、1つの展開可能表面から別の展開可能表面へ向かう間に鋭角を形成しないような方法であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、複雑な展開可能形状または複雑な展開可能表面は、1つまたは複数の平面部分、1つまたは複数の円錐部分、1つまたは複数の円柱部分、ならびに/あるいは1つまたは複数の他の展開可能表面部分を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、当該物品は、シートとして提供される、(本明細書において説明される物品のいくつかの実施形態へと形状化される前に)強化されているガラス基板を含み得る。例えば、当該ガラス基板は、熱強化、化学強化、および機械的強化の任意の1つまたは複数によって、あるいはそれらの組み合わせによって、強化され得る。いくつかの実施形態において、強化されたガラス基板は、その基板の表面から圧縮応力深さ(または圧縮応力層の深さ、またはDOL)まで広がる圧縮応力(CS)層を有する。圧縮の深さは、圧縮応力が引張応力へと替わる深さである。引張応力を示す、ガラス基板内の領域は、多くの場合、中央張力(central tension)層またはCT層と呼ばれる。
【0045】
本明細書において使用される場合、「熱強化された」は、ガラス基板の強度を向上させるために加熱処理されたガラス基板を意味する。熱強化されたガラス基板において、CS層は、当該基板をガラス転移温度より高い温度(すなわち、ガラス軟化点付近の温度またはガラス軟化点に迫る温度)に加熱し、次いで、当該ガラスの内部領域より急速にガラス表面領域を冷却することによって形成される。表面領域と内部領域との間の冷却速度の差が、表面に残留CS層を生じさせる。
【0046】
熱強化プロセスによって生じさせる表面圧縮の程度に影響を及ぼす因子としては、空気急冷温度(air-quench temperature)、体積、および少なくとも10,000重量ポンド毎平方インチ(psi)(約68.95MPa)の表面圧縮を生じる他の可変因子が挙げられる。化学強化されたガラス基板において、ガラスネットワークが緩むことができる温度よりも低い温度での、より大きいイオンによるより小さいイオンとの置き換えは、ガラス表面におけるイオンの分配を生じさせ、それは、結果として応力プロファイルを生じる。入ってきたイオンのより大きい体積は、表面から広がるCS層を生じ、ガラスの中心においてCT層を生じる。化学強化は、イオン交換プロセスによって達成され得、当該プロセスは、所定の期間における溶融塩浴中へのガラス基板の浸漬を含み、それにより、当該ガラス基板の表面または表面付近のイオンが当該塩浴のより大きい金属イオンと交換されることを可能にする。いくつかの実施形態において、当該溶融塩浴の温度は、約375℃から約450℃であり、当該所定の期間は、約4時間から約8時間の範囲である。一実施例において、ガラス基板中のナトリウムイオンは、溶融浴、例えば、硝酸カリウム塩浴など、からのカリウムイオンで置き換えられるが、より大きい原子半径を有する他のアルカリ金属イオン、例えば、ルビジウムまたはセシウムなど、も、当該ガラス中のより小さいアルカリ金属イオンと置き換わることができる。別の実施例において、ガラス基板中のリチウムイオンは、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、またはそれらの組み合わせを含み得る溶融浴からのカリウムイオンおよび/またはナトリウムイオンで置き換えられるが、より大きい原子半径を有する他のアルカリ金属イオン、例えば、ルビジウムまたはセシウムなど、も、当該ガラス中のより小さいアルカリ金属イオンと置き換わることができる。いくつかの実施形態において、ガラス基板中のより小さいアルカリ金属イオンは、Ag+イオンで置き換えることができる。同様に、他のアルカリ金属塩、例えば、これらに限定されるわけではないが、硫酸塩、リン酸塩、ハロゲン化物など、も、当該イオン交換プロセスにおいて使用することができる。当該ガラス基板は、単一の浴あるいは、お互いに同じまたは異なる組成および/または温度を有し得る複数の連続する浴に浸漬され得る。いくつかの実施形態において、そのような複数の浴における浸漬は、お互いに異なる期間であってもよい。
【0047】
機械的に強化されたガラス基板において、CS層は、ガラス基板の一部分の間の熱膨張係数の不一致によって生じる。
【0048】
強化されたガラス基板において、DOLは、以下の近似関係によってCT値に関連し:(方程式5)
【0049】
【0050】
式中、厚さは、当該強化されたガラス基板の総厚さであり、圧縮応力層深さ(DOL)は、圧縮応力の深さである。特に明記されない限り、中央張力CTおよび圧縮応力CSは、本明細書においてメガパスカル(MPa)で表現され、その一方で、厚さおよび圧縮応力層深さDOLは、ミリメートルまたはマイクロメートルで表現される。特に明記されない限り、当該CS値は、表面において測定された値であり、CT値は、引張応力値(方程式5によって特定される場合)である。
【0051】
いくつかの実施形態において、強化されたガラス基板は、300MPa以上、例えば、400MPa以上、450MPa以上、500MPa以上、550MPa以上、600MPa以上、650MPa以上、700MPa以上、750MPa以上、または800MPa以上、の表面CSを有することができる。いくつかの実施形態において、当該表面CSは、ガラス基板における最大CSである。当該強化されたガラス基板は、15マイクロメートル以上、20マイクロメートル以上(例えば、25マイクロメートル、30マイクロメートル、35マイクロメートル、40マイクロメートル、45マイクロメートル、50マイクロメートルまたはそれ以上)のDOL、および/または10MPa以上、20MPa以上、30MPa以上、40MPa以上(例えば、42MPa、45MPa、または50MPaまたはそれ以上)かつ100MPa未満(例えば、95MPa、90MPa、85MPa、80MPa、75MPa、70MPa、65MPa、60MPa、55MPaまたはそれ以下)のDOLを有し得る。1つまたは複数の特定の実施形態において、当該強化されたガラス基板は、以下:500MPaを超える表面CS、15マイクロメートルを超えるDOL、および18MPaを超える最大CT、のうちの1つまたは複数を有する。
【0052】
当該CSおよびDOLは、Orihara Industrial,Co.,Ltd.(東京、日本)によって製造された市販のFSM-6000計器などの表面応力計によって特定され得る。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する、応力光係数(SOC)の正確な測定に依拠する。一方で、SOCは、当技術分野において公知の方法、例えば、ファイバーおよび4点曲げ方法、これらは両方とも、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient」と題されるASTM規格C770-98(2013)に記載されており、なお、それらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、ならびにバルクシリンダー法など、によって測定される。
【0053】
当該ガラス基板のための材料は、変えることができる。本明細書において説明される物品を形成するために使用されるガラス基板は、非晶質または結晶質であり得る。これに関して、用語「ガラス」の使用は一般的であり、厳密に非晶質の材料以外も包含することが意図される。いくつかの実施形態による非晶質ガラス基板は、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、およびアルカリアルミノホウケイ酸ガラスから選択することができる。結晶質ガラス基板の例は、ガラス-セラミック、サファイア、またはスピネルを含み得る。ガラス-セラミックの例は、Li2O-Al2O3-SiO2系(すなわち、LAS系)ガラス-セラミック、MgO-Al2O3-SiO2系(すなわち、MAS系)ガラス-セラミック、ならびにムライト、スピネル、α-クォーツ、β-クォーツ固溶体、ペタライト、二ケイ酸リチウム、β-スポジュメン、ネフェリン、およびアルミナのうちの任意の1つまたは複数による結晶相を含むガラスセラミックを含む。
【0054】
ガラス基板は、様々な異なるプロセスを使用して提供され得る。例えば、例示的ガラス基板を成形する方法としては、フロートガラス法およびダウンドロー法、例えば、フュージョンドロー法およびスロットドロー法など、が挙げられる。フロートガラス法によって調製されるガラス基板は、溶融ガラスを溶融金属、典型的にはスズ、の床の上に流すことによって作製される滑らかな表面および均一な厚さによって特徴付けられ得る。例示的プロセスにおいて、溶融スズ床の表面上に供給される溶融ガラスは、浮遊ガラスリボンを形成する。当該ガラスリボンは、スズ浴に沿って流れる際に、スズからローラー上へと持ち上げることができる固体ガラス基板へと固化するまで温度は徐々に下がる。当該浴から持ち上げられると、当該ガラス基板はさらに冷却され得て、内部応力を減らすためにアニール処理され得る。
【0055】
ダウンドロー法では、比較的無傷なままの表面、特にフュージョンドロー法によって製造された表面、を有する、均一な厚さのガラス基板が製造される。当該ガラス基板の平均曲げ強度は、表面のキズの量およびサイズによって影響を受けるため、最小限しか接触していない無傷なままの表面は、より高い初期強度を有する。ダウンドローガラス基板は、約2ミリメートル未満の厚さを有するシートに引き出され得る。さらに、ダウンドローされたガラス基板は、コスト高な研削およびポリッシュ研磨を行うことなく最終用途において使用することができる、非常に平坦で滑らかな表面を有する。
【0056】
フュージョンドロー法は、例えば、溶融したガラス原材料を受け入れるための経路を有するドロータンクを使用する。当該経路は、その両側に、経路の長さに沿って上部が開放された堰を有している。当該経路が溶融材料で満たされると、溶融ガラスは堰からオーバーフローする。重力により、当該溶融ガラスは、2つの流動するガラスフィルムとして、ドロータンクの外側表面を下方へと流れる。当該ドロータンクのこれらの外側表面は、下方へとそして内部方向へと延びており、そのため、溶融ガラスは、ドロータンクの下方の端部において合流する。当該2つの流動ガラスフィルムがこの端部において合わさることにより、融合して単一の流動するガラスのシートを形成する。フュージョンドロー法は、経路を越えて流れる2つのガラスフィルムが一緒に融合するため、結果として生じるガラスの単一のシートのどちらの外側表面も、当該設備のいかなる部品にも接触していないという利点を提供する。したがって、フュージョンドローによるガラスのシートの表面特性は、そのような接触による影響を受けない。
【0057】
スロットドロー法は、フュージョンドロー法とは異なっている。スロットドロー法では、溶融原材料ガラスが、ドロータンクへと提供される。ドロータンクの底には、スロットの長さに広がるノズルを備えた開口スロットがある。溶融ガラスは、当該スロット/ノズルを通って流れ、連続シートとして下方のアニール処理領域へと引かれる。
【0058】
以下において、当該ガラス基板における使用のための例示的組成物について説明する。例示的ガラス組成物の1つは、SiO2、B2O3、およびNa2Oを含み、この場合、(SiO2+B2O3)≧66モル%およびNa2O≧9モル%である。いくつかの実施形態において、好適なガラス組成物は、さらに、K2O、MgO、およびCaOのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、当該ガラス組成物は、61から75モル%のSiO2;7から15モル%のAl2O3;0から12モル%のB2O3;9から21モル%のNa2O;0から4モル%のK2O;0から7モル%のMgO;および0から3モル%のCaOを含み得る。
【0059】
さらなる例示的ガラス組成物は、60から70モル%のSiO2、6から14モル%のAl2O3、0から15モル%のB2O3、0から15モル%のLi2O、0から20モル%のNa2O、0から10モル%のK2O、0から8モル%のMgO、0から10モル%のCaO、0から5モル%のZrO2、0から1モル%のSnO2、0から1モル%のCeO2、50ppm未満のAs2O3、および50ppm未満のSb2O3を含み、この場合、12モル%≦(Li2O+Na2O+K2O)≦20モル%および0モル%≦(MgO+CaO)≦10モル%である。
【0060】
さらなる例示的ガラス組成物は、63.5から66.5モル%のSiO2、8から12モル%のAl2O3、0から3モル%のB2O3、0から5モル%のLi2O、8から18モル%のNa2O、0から5モル%のK2O、1から7モル%のMgO、0から2.5モル%のCaO、0から3モル%のZrO2、0.05から0.25モル%のSnO2、0.05から0.5モル%のCeO2、50ppm未満のAs2O3、および50ppm未満のSb2O3を含み、この場合、14モル%≦(Li2O+Na2O+K2O)≦18モル%および2モル%≦(MgO+CaO)≦7モル%である。
【0061】
いくつかの実施形態において、アルカリアルミノケイ酸ガラス組成物は、アルミナ、少なくとも1種のアルカリ金属、および、いくつかの実施形態では50モル%を超えるSiO2、いくつかの実施形態では少なくとも58モル%のSiO2、ならびにいくつかの実施形態では少なくとも60モル%のSiO2を含み、この場合、比率((Al2O3+B2O3)/Σ改質剤)>1であり、この場合、当該比率において、成分はモル%で表され、改質剤はアルカリ金属酸化物である。このガラス組成物は、いくつかの実施形態において、58から72モル%のSiO2、9から17モル%のAl2O3、2から12モル%のB2O3、8から16モル%のNa2O、および0から4モル%のK2Oを含み、この場合、比率((Al2O3+B2O3)/Σ改質剤)>1である。
【0062】
いくつかの実施形態において、当該ガラス基板は、64から68モル%のSiO2、12から16モル%のNa2O、8から12モル%のAl2O3、0から3モル%のB2O3、2から5モル%のK2O、4から6モル%のMgO、および0から5モル%のCaOを含むアルカリアルミノケイ酸ガラス組成物を含み得、この場合、66モル%≦SiO2+B2O3+CaO≦69モル%、Na2O+K2O+B2O3+MgO+CaO+SrO>10モル%、5モル%≦MgO+CaO+SrO≦8モル%、(Na2O+B2O3)-Al2O3≦2モル%、2モル%≦Na2O-Al2O3≦6モル%、および4モル%≦(Na2O+K2O)-Al2O3≦10モル%である。
【0063】
いくつかの実施形態において、当該ガラス基板は、2モル%以上のAl2O3および/またはZrO2、または4モル%以上のAl2O3および/またはZrO2を含むアルカリアルミノケイ酸ガラス組成物を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、ガラス基板のために使用される当該組成物は、0から2モル%の、Na2SO4、NaCl、NaF、NaBr、K2SO4、KCl、KF、KBr、およびSnO2を含む群から選択される少なくとも1種の清澄剤と共にバッチ処理され得る。当該物品は、ガラスの単一のシートまたはラミネートであり得る。いくつかの実施形態により、ラミネートは、対向するガラス基板、例えば、本明細書において説明されるガラス基板など、を意味する。いくつかの実施形態において、当該ガラス基板は、中間層、例えば、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、イオノマー、および熱可塑性ポリウレタン(TPU)など、によって分離され得る。ラミネートの一部を形成するガラス基板は、上記において説明されるように強化することができる(化学的、熱的、および/または機械的に)。したがって、いくつかの実施形態によるラミネートは、中間層によって一緒に接着された少なくとも2つのガラス基板を含み、この場合、第一ガラス基板は第一層を形成し、第二ガラス基板が第二層を形成する。当該第二層は、ディスプレイの使用者の方を向き得(すなわち、乗り物の内装、電化製品における使用者に面するパネル、または建築要素における使用者に面する表面)、その一方で、第一層は、反対方向を向き得る。乗り物用途、例えば、自動車の窓ガラスなど、では、当該第一層は、乗り物または自動車の内装に対して露出され、当該第二層は、自動車の外部環境を向いている。いくつかの実施形態において、当該ユーザーインタフェースは、自動車の窓ガラスにおいて使用される場合、当該ラミネートの内装、外装、または内装と外装の両方から生じ得る。乗り物用途、例えば、自動車の内装など、において、当該第二層は、露出されず、その下の支持体(例えば、ディスプレイ、ダッシュボード、センターコンソール、計器パネル、背もたれ、シート前部、床板、戸板、柱、アームレストなど)上に配置され、当該第一層は、乗り物または自動車の内装、したがって使用者に対して露出される。建築用途では、当該第二層は、建物、部屋、または家具インテリアに対して露出され、当該第一層は、建物、部屋、または家具の外部環境を向いている。
【0065】
様々な特定のガラスについて本明細書において説明したが、いくつかの実施形態において、任意の冷間成形可能なガラスが使用され得る。
【0066】
本明細書において開示される物品のいくつかの実施形態は、自動車内装において有用であり、というのも、そのような物品は、湾曲したディスプレイに適合する非平面状カバーを提供するためである。非平面状ディスプレイに適合させるために、カバーは、最適な密着を保証するため、および高品質の視野を可能にするために、当該非平面状ディスプレイの形状に密接に一致しなければならない。高い光学品質で費用対効果が高いカバーを提供することも望ましい。正確な形状にカバーを熱間成形するステップは、その所望の形状を達成するのが困難である。さらに、ガラスが使用される場合、当該カバーをその軟化点に加熱する場合の下落効果(例えば、歪、およびマーキング)を最小にすることは困難である。冷間成形の概念は、これらの問題に対処し、ガラスの使用を可能にするが、冷間成形された形状を維持し剛性を提供するのに十分な支持を提供することにおいて、新たな困難を作り出す。軟質ガラス基板を規定形状へと冷間成形する能力は、高品質で、費用対効果の高い解決策のための機会を提示する。
【0067】
その上、本明細書において説明される物品は、多くの場合に望ましいコーティングおよび表面処理にも適合する。そのようなコーティングの例としては、反射防止(AR)コーティング、防幻(AG)コーティング、ならびに装飾的および/または機能性コーティングが挙げられる。そのような表面処理の例としては、AG表面、触覚フィードバックを提供する力覚表面などが挙げられる。ARおよびAGコーティングならびにAG表面は、様々な困難な周囲照明条件においてディスプレイの可視性を向上し得る。高品質の多層ARコーティングプロセスは、典型的には、蒸着またはスパッタコーティング技術を用いて適用される。これらの技術は、通常、当該プロセスの性質上、平坦な表面への被着に制限される。非平面状の三次元表面にこれらのコーティングを提供することは、困難であり、さらに、当該プロセスのコストを増加させる。装飾的インクコーティングは、様々な形状の表面/湾曲した表面に適用することができるが、しかしながら、これらのコーティングを平坦な表面に適用するプロセスは、よりシンプルで、より良好に確立されており、さらに費用対効果がより高い。さらに、表面処理(典型的には、エッチング処理によって形成される)も、典型的に、平坦な表面に適用される。
【0068】
いくつかの実施形態において、特定の形状に冷間成形されることが意図されるガラス片にディスプレイを取り付けるための様々なプロセスについて説明する。冷間成形された湾曲したガラス物品を提供する能力は、熱間成形/曲げプロセスを排除する点において、かなりの利点を提供する。熱間成形プロセスの排除は、コストおよび品質の両方の向上である。プロセス工程を排除するので、コストについては明確であり、品質は、ガラスを成形するために軟化点までガラスを加熱する必要がないため、向上する。ガラスを高温に加熱することは、光学的および寸法的の両方において、初期のガラス表面を乱し得る。自動車内装のためのガラスは、高い割合のディスプレイ用途を有することが予想され、当該ディスプレイは、ガラスの歪みおよび平面度に対して非常に敏感であり、冷間成形プロセスを好む。首尾良い実践のための第一段階は、当該ディスプレイをカバーガラスに取り付ける、またはラミネートするプロセスであろう。
【0069】
本明細書において説明されるいくつかの実施形態において、「ダイ(die)」の使用について説明する。本明細書において使用される場合、ダイは、ガラス基板に所望の形状を付与するため、ならびに非平面状の剛性支持構造体を当該ガラス基板に取り付けるために使用される構造体を含む。ダイ自体は、最終物品の一部ではないが、多くの最終物品を作製するために繰り返し使用され得る。1つまたは複数の実施形態において、用語「ダイ」は、物体に所望の形状を付与するために使用される用具を意味する。そのような実施形態において、「ダイ」は、少なくとも2つの部品:第一部品および第二部品、を有し、それらは、当該第一および第二部品の間に配置された軟質物体に所望の形状を付与するために一緒にプレスされ得る。非平面状の剛性支持構造体が、当該冷間成形されたガラス基板に接着されると、当該ダイは除去され得、当該非平面状の剛性支持構造体は、当該冷間成形されたガラス基板の当該所望の形状を維持する。冷間成形されたガラス基板に接着された非平面状の剛性支持構造体を含む複数の物品に対して同じ形状を再現性よく正確に作製するために、ダイは、何回も再使用され得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、射出成形プロセスは、本明細書において説明される平坦なガラス基板を、当該ガラス基板の主要面上に支持構造体を射出成形することによって作製された、冷間成形され湾曲した物品へと変えるために使用され、結果として、湾曲したディスプレイに適合する従順性を有する、当該ガラス基板を規定形状に保持するための優れた支持構造体を提供する。
【0071】
いくつかの実施形態において、射出成形は、冷間成形されたガラス基板の表面に接着される非平面状の剛性支持構造体を形成するために使用される。任意の好適な射出成形プロセスおよび材料を使用することができる。例えば、ガラス基板を冷間成形し適所に保持するためにダイが使用され得、その一方で、ダイにおけるチャネルを使用して、非平面状の剛性支持構造体が射出成形され、当該冷間成形されたガラス基板に取り付けられる。例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)および熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、当該非平面状の剛性支持構造体を射出成形するために使用される一般的な材料の2つである。いくつかの実施形態において、反応射出成形(RIM)が使用され得る。RIMにおいて使用される一般的材料としては、ポリウレタンポリ尿素、ポリイソシアヌレート、ポリエステル、ポリフェノール、ポリエポキシド、およびナイロン6が挙げられる。異なる材料は、異なる操作パラメータを有し得る。機械、操作パラメータ(例えば、圧力、流量、温度)、および鋳型設計は、異なる材料に対して異なり得る。典型的な射出成形温度は、300°Fから450°Fの範囲であり、典型的なプロセス圧力は、200psi(約1.379MPa)から1000psi(約6.895MPa)を超える範囲であり得る。しかし、任意の好適なプロセスパラメータを使用することができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、以前の平坦なガラス基板を冷間成形して非平面状の剛性支持構造体に接着するために、ダイレクトボンディング(direct bonding)プロセスが使用される。例えば、当該ガラスを当該非平面状の剛性支持構造体に押し付けつつ、当該ガラス基板を、冷間成形された形状にプレスするためにダイが使用され得る。当該ガラス基板を当該非平面状の剛性支持構造体に取り付けるために、任意の好適なタイプの接着方法、例えば、接着剤など、を使用することができる。
【0073】
射出成形またはダイレクトボンディングのどちらかは、当該ガラス基板に付与される応力を最小限に抑えしつつ、冷間成形された形状を支持および維持するために当該ガラス基板の主要面のかなりの部分に対する支持を提供することができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、説明される方法および結果として得られる物品は、高い品質を示し、光学特性と他の特性の統合を可能にする。
【0075】
本明細書において説明される物品は、湾曲したディスプレイに対する優れた密着性および高い光学品質を示すことが期待される。軟質ガラス基板は、当該湾曲したディスプレイに適応することができる可撓性を有し得る。冷間成形は、平坦なガラス基板の高品質を維持するが、熱間成形プロセスでは、そのような高品質は低下されるであろう。この概念はさらに、優れた応力管理も可能にし、大きなエリアに対して支持を提供することによって冷間成形応力を最小にする。
【0076】
いくつかの実施形態において、当該物品は、高品質のコーティングと、湾曲した基板表面上の表面処理とを容易に統合することができ、通常、そのようなコーティングは平坦な部分に限定される。当該コーティングおよび/または表面処理は、冷間成形の前にガラス基板に適用してもよく、一方、コーティングされたおよび/または処理されたガラス基板の冷間成形は、熱間成形に関連する問題(すなわち、ハンドリングおよび/または高い処理温度による当該コーティングおよび/または表面処理への損傷)を回避する。
【0077】
いくつかの実施形態において、物品は、1つまたは複数のコーティングを有してもよい。当該コーティングは、装飾的インクコーティング、反射防止コーティング、またはその組み合わせなどの任意の好適なコーティングであり得る。2つ以上のコーティングが存在する場合、例えば、装飾的インクコーティングおよび反射防止コーティングまたは任意の他のコーティングは、重ねてもよく、または当該軟質ガラス基板の同じ面の異なる部分に存してもよく、または当該軟質ガラス基板の異なる面上に存してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、接着剤の層が剛性支持構造体上に適用された後、剛性支持構造体の形状に適合するように当該軟質ガラス基板を押すために、ローラー(好ましくは、軟質材料製の、例えば、テフロン(登録商標)のローラー)、ローラーテープ、ピン、またはそれらの組み合わせが使用される。力が、任意の好適な手段によって、複数のローラーおよび/またはピンに適用され、複数のローラーおよび/またはピンによって維持され得る。例えば、空気圧によって、水圧によって、機械的に、または電磁弁により電子的に、全てのローラーまたは全てのピンに、一定の圧力を印可し維持することができる圧力室または多岐管など。同様に、フレキシブルモールド(flexible mold)も使用することができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、ローラー、ローラーテープ、配列されたピン、またはフレキシブルモールドは、軟質ガラス基板と同じくらい幅広くすることができる。別の場合において、それは、10mm程度に狭くすることができる。後者の場合、フレキシブルモールドも、縁および/またはセンターラインの両方に沿って適用することができる。ほとんどの場合、ローラー、ローラーテープ、またはピンは、カバーガラスアイテムの片側からスタートし、展開可能表面の生成線(generation line)に揃えられたまま、他方の端に向かって移動する。この方法は、冷間成形のプロセスにおけるガラスの座屈および複合曲げ(compound bending)を避けることができ、したがって、望ましくないガラス座屈および複合曲げによって生じるガラスの破壊のリスクを排除することができ、より小さい半径への冷間曲げを可能にすることができる。
【0080】
いくつかの実施形態において、本明細書において使用される場合、「生成線」は、接着層に軟質ガラス基板をプレスするために既に力が加えられている基板のエリアと、そのような力がまだ加えられていない基板のエリアとの間の境界を形成する線を意味する。当該生成線は、3D形状のゼロ主曲率方向に揃えられる。当該軟質ガラス基板を当該支持構造体に接着するプロセスの間、当該生成線は、当該軟質ガラス基板の異なる部分を当該支持構造体に対して連続的にプレスするように、当該軟質ガラス基板を横断する。生成線が、当該軟質ガラス基板の特定の部分を通過すると、当該力は、当該支持構造体に対して当該軟質ガラス基板を保持する接着剤が硬化するまで維持される。
【0081】
力は、エリアにおける離間されたまたは周期的な部分での力の適用によって、当該エリアにおいて維持され得る。例えば、ローラーテープが、あるエリアを通過するか、または離間されたピンが作動すると、離間されたローラーまたはピンが当該力を維持する。当該離間されたローラーは、当該軟質ガラス基板および当該支持構造体がお互いに対して大きく動かないように、支持構造体に対して軟質ガラス基板を十分良く保持するため、当該ローラーの間のギャップは、力の維持を無効にしない。各ピンまたはローラーが同じ力を加える場合、生成線が通過した当該エリアの一部が、ローラーまたはピンに接触し、他の部分が、ローラー/ピンの間にあったとしても、当該維持される力は、「均一」であると見なされる。
【0082】
3D形状の冷間成形に関する追加の開示は、「Cold formed glass applique」の名称の、McFarlandらへの国際出願PCT/US2015/039871号(国際公開第2016/007815号)に見出すことができ、なお、当該開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0083】
いくつかの実施形態において、複雑な3D形状を有する物品を含む冷間成形されたカバーガラス物品、ならびにこれらのカバーガラス物品を作製するための成形プロセスが提供される。これらの冷間成形された3Dカバーガラス物品におけるガラス層は、好ましくは、熱強化ガラス、化学強化ガラス、および/またはガラスラミネートを含む、強化ガラスである。いくつかの実施形態において、より好ましくは、このガラス層は、Corning Gorilla(登録商標)ガラスである。
【0084】
薄いCorning 「Gorilla」ガラスは、計器パネルおよび他のディスプレイのためのカバーガラスとしていくつかの魅力的な属性、例えば、より高い耐スクラッチ性、より良好な光学性能、より良好な耐衝撃性など、を有する。Corning Gorillaガラスの優れた表面応力構造、強度、および厚さは、国際出願PCT/US2015/039871号(国際公開第2016/007815号)において述べられるように、3D形状を作製するための冷間成形の使用を可能にし、なお、当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0085】
いくつかの実施形態において、冷間成形プロセスは、上記において言及した3Dカバーガラス物品を作製するために使用され得る。例えば、接着剤の層が剛性支持構造体に適用された後、当該剛性支持構造体の形状に適合させるために軟質ガラス基板を押すために、ローラーまたはピン(好ましくは、軟質材料、例えば、「テフロン」の)が使用される。ローラーの後方において、冷間成形されたガラスを適所に維持するために、複数の硬いピン(好ましくは、ガラスに引っかき傷をつける問題を避けるために「テフロン」でコーティングされた)を伴うフレキシブルモールドが近づけられる。
【0086】
いくつかの実施形態において、フレキシブルモールドは、軟質ガラス基板と同じくらい幅広くすることができる。別の場合において、それは、10mm程度に狭くすることができる。後者の場合、フレキシブルモールドも、縁および/またはセンターラインの両方に沿って適用することができる。ほとんどの場合、ローラーは、カバーガラスアイテムの片側からスタートし、展開可能表面の生成線に揃えられたまま、他方の端に向かって移動する。この方法は、冷間成形のプロセスにおけるガラスの座屈および複合曲げを避けることができ、したがって、望ましくないガラス座屈および複合曲げによって生じるガラスの破壊のリスクを排除することができ、より小さい半径への冷間曲げを可能にすることができる。
【0087】
いくつかの実施形態において、当該ディスプレイは、オプティカルボンディング、エアギャップボンディング、または任意の好適な手段によって、当該軟質ガラス基板に取り付けることができる。
【0088】
オプティカルボンディングは、本明細書において言及される場合、光学的に透明な接着剤を使用してガラス基板をディスプレイに取り付ける方法である。当該透明な接着剤は、ディスプレイとガラス基板との間の表面全体に適用される。この接着方法は、全ての空気および気泡を表示エリアまたはディスプレイエリアから除去する。ディスプレイとガラス基板との間の空気および気泡の除去は、とりわけ、日光条件下において顕著である、表面と空気との間の反射を排除し、その結果、コントラストおよび視角を高める。オプティカルボンディングプロセスのために最も一般的に使用される光学的接着剤は、シリコーン、エポキシ、およびポリウレタンである。
【0089】
本明細書において言及されるエアギャップボンディングは、接着剤を使用してガラス基板をディスプレイに取り付ける、代替方法である。オプティカルボンディングとは対照的に、接着剤は、ディスプレイの外縁の周りまたはディスプレイの不作用エリアにおいて、ディスプレイとガラス基板との間に適用される。当該接着剤は、ディスプレイの表示エリアと重ならない場合、透明であっても不透明であってもよい。この方法は、結果として、ディスプレイとガラス基板との間にいくらかの「エアギャップ」を生じる。エアギャップボンディングは、タッチスクリーンおよびパネルに対して使用される、最も効果的で一般的な接着方法である。
【0090】
本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、以下に一覧される多くの利点のうちの少なくとも1つを有する:
i.製造プロセスの融通性
a.ディスプレイは、ガラス基板または剛性支持構造体に取り付けることができる。
【0091】
b.ディスプレイは、剛性支持構造体がガラス基板に取り付けられる前または後のどちらかにおいて、ガラス基板に取り付けることができる。
【0092】
ii.ラミネーション品質の向上-当該支持構造体は、永久的な剛性固定具であり、当該基板の他の部分の冷間成形の際の最初、ディスプレイとガラス基板との間の全ての相対的移動を防ぎ、ラミネーション品質を向上させる。
【0093】
iii.支持構造体のための材料の選択-当該支持構造体は、金属、セラミック、合金、強化プラスチック、およびゴムなどの任意の材料で作製することができる。
【0094】
iv.層間剥離を防ぐための応力離隔(stress isolation)-支持構造体によって維持される固定形状は、さらなる加工によって引き起こされる任意の応力を離隔し、その結果、当該基板からのディスプレイの層間剥離を排除する。
【0095】
v.冷間成形の前の、ガラス基板のコーティングまたは表面処理の容易さ。
【0096】
vi.提案されるプロセスは、設計の融通性を提供しつつ、ラミネーション品質を向上させ、歩留まりを高め、ならびにコストを削減する。
【0097】
図は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。様々な図の異なる部分は、概念をより良く説明するために、他の部分に対して同じ縮尺で描かれていない部分をいくつか有する場合がある。
【0098】
図1Aは、第一剛性支持構造体120を伴う軟質ガラス基板110の上面
図100を示している。当該軟質ガラス基板110の第一部分130は、第一剛性支持構造体120が固定されている当該軟質ガラス基板110のエリアの一部である。軟質ガラス基板110の第一部分130は、第一固定形状135を有する。第一部分130の境界は、第一剛性支持構造体120の外側境界と一致する。第一剛性支持構造体120の外側境界と、第一部分130の境界との間のギャップは、説明目的のためだけに示されており、誇張されている。第一固定形状135は図に示されておらず、それは、平面状または非平面状であり得る。
【0099】
第一部分130は、第一剛性支持構造体120の周りに、破線で描かれたエリアとして
図1Aに示されている。当該軟質ガラス基板110の第二部分132は、第一剛性支持構造体によって固定されていない当該軟質ガラス基板110のエリアとして定義される。
【0100】
いくつかの実施形態において、軟質ガラス基板110の第一部分130は、ダイレクトボンディング、ダイ成形、プレス成形、または任意の好適な手段を使用することによって、第一剛性支持構造体120に固定することができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、第一剛性支持構造体120は、金属、合金、セラミック、プラスチック、ゴム、強化プラスチック、およびガラス、またはそれらの組み合わせの群から選択される材料で作製され得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、軟質ガラス基板110の第一部分130の第一固定形状135は、円形、正方形、長方形、多角形、三角形、および楕円形、またはそれらの組み合わせの群から選択される形状であり得る。
【0103】
図1Bは、
図1Aに示される平面1-1’に対応する、第一剛性支持構造体120を伴う軟質ガラス基板110の断面
図150を示している。
【0104】
図2から8は、軟質ガラス基板110の第一部分130または第一剛性支持構造体120に第一ディスプレイ140を取り付ける様々な組み合わせの上面図および対応する断面図を示している。可能な組み合わせのいくつかとしては、これらに限定されるわけではないが、平面状のガラス基板に取り付けられた平面状のディスプレイ、非平面状のガラス基板に取り付けられた平面状のディスプレイ、剛性支持構造体に取り付けられた平面状のディスプレイ、平面状の基板に取り付けられた非平面状のディスプレイ、非平面状の基板に取り付けられた非平面状のディスプレイ、剛性支持構造体に取り付けられた非平面状のディスプレイが挙げられる。
【0105】
いくつかの実施形態において、さらなる組み合わせは、様々な接着方法、例えば、オプティカルボンディング、またはエアギャップボンディング、あるいはガラス基板または剛性支持構造体にディスプレイを取り付けるための任意の好適な手段など、を含み得る。
【0106】
図2Aは、平面形状を有する軟質ガラス基板110の第一部分130に直接取り付けられた、平面形状を有する第一ディスプレイ140の上面
図200を示している。いくつかの実施形態において、第一ディスプレイ140は、オプティカルボンディングによって軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられ得る。
【0107】
図2Bは、
図2Aに示される平面2-2’に対応する、軟質ガラス基板110の第一部分130に直接取り付けられた、平面形状を有する第一ディスプレイ140の断面
図250を示している。
【0108】
図3Aは、エアギャップボンディングによって、平面形状を有する軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられた、平面形状を有する第一ディスプレイ140の上面
図300を示している。光学接着剤310は、第一ディスプレイ140と軟質ガラス基板110との間にハーメチックシールが形成されるように、ディスプレイの外縁の周りに適用され得る。エアギャップボンディング法は、結果として、ディスプレイとガラス基板との間に、不作用エリアとして定義される、エアギャップ320を生じる。
【0109】
いくつかの実施形態において、エアギャップ320の当該エリアは、基板または剛性支持構造体にディスプレイを取り付ける方法に応じて変わり得る。エアギャップ320の当該エリアは、ディスプレイ140が第一剛性支持構造体120に取り付けられる場合、軟質ガラス基板110と比べて大きくあり得る。
【0110】
図3Bは、
図3Aに示される平面3-3’に対応する、軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられた、平面形状を有する第一ディスプレイ140の断面
図350を示している。
【0111】
図4Aは、接着剤310を使用して、第一剛性支持構造体120に取り付けられた第一ディスプレイ140の上面
図400を示している。いくつかの実施形態において、当該第一ディスプレイ140は、軟質ガラス基板110の第一部分130の第一固定形状135と同じ平面形状を有する。
【0112】
図4Bは、
図3Aに示される平面3-3’に対応する、光学接着剤310を使用して第一剛性支持構造体120に取り付けられた第一ディスプレイ140の断面
図450を示している。
【0113】
図5は、光学接着剤310を使用してエアギャップボンディングによって軟質ガラス基板110に取り付けられた第一ディスプレイ140の断面500を示している。いくつかの実施形態において、当該第一ディスプレイ140は、平面形状を有し、ならびに軟質ガラス基板110の第一部分130の第一固定形状135は、非平面状である。
【0114】
図6は、エアギャップボンディング、オプティカルボンディングによって、または任意の好適な手段によって、第一剛性支持構造体120に取り付けられた第一ディスプレイ140の断面
図600を示している。いくつかの実施形態において、当該第一ディスプレイ140は、平面形状を有し、ならびに軟質ガラス基板110の第一部分130の第一固定形状135は、非平面状である。
【0115】
図7は、オプティカルボンディング、ダイレクトボンディング、または任意の好適な手段によって、軟質ガラス基板110に直接取り付けられた第一ディスプレイ140の断面
図700を示している。いくつかの実施形態において、当該第一ディスプレイ140は、非平面形状を有し、ならびに軟質ガラス基板110の第一部分130の第一固定形状135は、非平面状である。
【0116】
図8は、エアギャップボンディング、オプティカルボンディング、ダイレクトボンディング、または任意の好適な手段によって、第一剛性支持構造体120に取り付けられた第一ディスプレイ140の断面
図800を示している。いくつかの実施形態において、当該第一ディスプレイ140は、非平面形状を有し、ならびに軟質ガラス基板110の第一部分130の第一固定形状135は、非平面状である。
【0117】
いくつかの実施形態において、第一ディスプレイ140は、第一剛性支持構造体120によって軟質ガラス基板110の第一部分130を、固定された第一形状135に固定した後に、軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられる。
【0118】
図9Aは、剛性支持構造体によって当該基板の第一部分を、固定された第一形状に固定した後に、ディスプレイを軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付ける、プロセスフローチャートを示している。当該ステップは、以下の順序において実施される:
ステップ910:軟質ガラス基板110の第一部分130を第一剛性支持構造体120によって第一固定形状135に固定する
ステップ920:第一ディスプレイ140を軟質ガラス基板110の第一部分130または第一剛性支持構造体120に取り付ける
ステップ930:第一部分130を固定し、第一ディスプレイ140を取り付けた後に、軟質ガラス基板110の第一部分130の第一固定形状135および当該取り付けられた第一ディスプレイ140を維持しながら、軟質ガラス基板110の第二部分132を第二固定形状137へと冷間成形する
ステップ940:軟質ガラス基板110の第二部分132を、第二剛性支持構造体125によって第二固定形状137に固定する。
【0119】
第一ディスプレイ140は平面状であり、第一固定形状135が平面状である、いくつかの実施形態において、当該ディスプレイ140は、第一剛性支持構造体120によって軟質ガラス基板110の第一部分130を、固定された第一形状135に固定する前に、軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられる。
【0120】
図9Bは、剛性支持構造体によって当該基板の第一部分を、固定された第一形状に固定する前に、ディスプレイを軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けるプロセスフローチャートを示している。当該ステップは、以下の順序において実施される:
ステップ920:第一ディスプレイ140を軟質ガラス基板110の第一部分130または第一剛性支持構造体120に取り付ける
ステップ910:軟質ガラス基板110の第一部分130を第一剛性支持構造体120によって第一固定形状135に固定する
ステップ930:第一部分130を固定し、第一ディスプレイ140を取り付けた後に、軟質ガラス基板110の第一部分130の第一固定形状135および当該取り付けられた第一ディスプレイ140を維持しながら、軟質ガラス基板110の第二部分132を第二固定形状137へと冷間成形する
ステップ940:軟質ガラス基板110の第二部分132を、第二剛性支持構造体125によって第二固定形状137に固定する。
【0121】
図10Aは、軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられたディスプレイ140、ならびに非平面形状に冷間成形され、第二剛性支持構造体125によって第二固定形状137に固定された、軟質ガラス基板110の第二部分132の上面
図1000を示している。軟質ガラス基板110の第二部分132の非平面性は、視角により、
図10Aには示すことができない。この実施形態において、平面状ディスプレイは、平面状軟質ガラス基板の平面状第一部分に取り付けられているが、基板とディスプレイ形状のいくつかの他の組み合わせも可能であることは理解および評価されるべきである。
【0122】
図10Bは、軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられたディスプレイ140、ならびに非平面形状に冷間成形され、第二剛性支持構造体125によって第二固定形状137に固定された軟質ガラス基板110の第二部分132の、
図10Aに示される5-5’に沿った断面
図1050を示している。
【0123】
いくつかの実施形態において、前に説明したように、第一ディスプレイ140は、様々な組み合わせにおいて軟質ガラス基板110の第一部分130または第一剛性支持構造体に取り付けられ得、その一方で、軟質ガラス基板の第二部分132は、非平面形状に冷間成形される。
【0124】
いくつかの実施形態において、平面状ディスプレイ140は、光学接着剤310を使用して軟質ガラス基板110の非平面状第一部分130に取り付けられ、その一方で、当該軟質ガラス基板の第二部分132は、非平面形状に冷間成形される。
【0125】
いくつかの実施形態において、平面状ディスプレイ140は、好適な手段によって第一剛性構造体120に取り付けられ、その一方で、軟質ガラス基板の第二部分132は、非平面形状に冷間成形される。
【0126】
いくつかの実施形態において、非平面状ディスプレイ140は、光学接着剤310を使用して軟質ガラス基板110の非平面状第一部分130に取り付けられ、その一方で、当該軟質ガラス基板の第二部分132は、非平面形状に冷間成形される。
【0127】
いくつかの実施形態において、非平面状ディスプレイ140は、好適な手段によって第一剛性構造体120に取り付けられ、その一方で、軟質ガラス基板の第二部分132は、非平面形状に冷間成形される。
【0128】
ディスプレイを軟質ガラス基板の第一部分に取り付けるための、提案されたプロセスのバリエーションおよび設計の選択肢は、製造プロセスの融通性を高め、優れた品質を維持する。
【0129】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第一ディスプレイ140は、お互いに直接接触しないように、軟質ガラス基板110の1つまたは複数の第一部分130に取り付けられ得る。
図11は、軟質ガラス基板110の第二部分132によって分離された軟質ガラス基板110の2つの第一部分130に取り付けられた2つの第一ディスプレイ140の断面
図1100を示している。いくつかの実施形態において、当該第一部分130は、平面形状を有し得、または非平面形状を有し得、あるいは当該第一部分130の1つは平面形状を有し得、他の1つは非平面形状を有し得る。第二部分132は、
図11に示されていない非平面の第二固定形状137に冷間成形され得る。第一ディスプレイ140は、上記において説明した様々な組み合わせのいずれかにおいて、軟質ガラス基板110または第一剛性支持構造体120のどちらかに取り付けられ得る。
【0130】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第一ディスプレイ140が、第一剛性支持構造体120の一部によって分離されるように、軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられ得る。
図12は、第一剛性支持構造体120の一部によって分離された軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられた2つの第一ディスプレイ140の断面
図1200を示している。
【0131】
いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、軟質ガラス基板の第三部分を第三剛性支持構造体によって第三固定形状に固定するステップと、第二ディスプレイを当該軟質ガラス基板の当該第三部分または当該第三剛性支持構造体に取り付けるステップと、を含み得、この場合、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を当該第二固定形状に冷間成形するステップと、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を当該第二剛性支持構造によって当該第二固定形状に固定するステップは、当該第三部分を固定するステップおよび当該第二ディスプレイを取り付けるステップの後に、当該軟質ガラス基板の当該第三部分の当該第三固定形状および取り付けられた第二ディスプレイを維持しながら実施される。
【0132】
図13Aは、お互いに直接には接触せず、第二剛性支持構造体125によって分離されるように、軟質ガラス基板110の第一部分130に取り付けられた2つのディスプレイ140の上面
図1300を示している。当該軟質ガラス基板110の第二部分132は、冷間成形され、第二剛性支持構造体125によって第二固定形状137に固定される。当該固定された第二形状137は非平面状である。
【0133】
【0134】
図14は、連続的に作動するピン1410を使用して軟質ガラス基板110の第二部分132を冷間成形するプロセス1400を示している。ピンブロック1420は、当該ピンブロックの高さの一部を通ってドリル加工または機械加工された空洞1430を有し得、それにより、当該ピン1410は、接着剤(図には示されていない)によってコーティングされた第二剛性支持構造体125の一部の輪郭によって決定されて、上下に移動することができ、当該第二剛性支持構造体125に対して、軟質ガラス基板がプレスされる。ピンブロック1420から突出するピン1410の長さは、クランプ機構を使用して調節することができる。いくつかの実施形態において、クランプ1482および1484は、アクチュエーターからの入力信号を受信することによって作動し、例えば、クランプ1482および1484は、ロックされた構成1490において示されており、クランプ1482および1484は、ロックされていない構成1480において示されている。
【0135】
いくつかの実施形態において、ピンブロック1420は、空洞1430を通るピン1410に一定の圧力を加え、維持するために、入口コネクタ1450に接続された圧力多岐管1470を収容する。垂直方向におけるピン1410の動きは、アクチュエーター機構によって制御することができる。
【0136】
いくつかの実施形態において、ピン1410は、円柱形、三角形、および四角形からなる群より選択される断面を有し得る。ピン1410は、金属、セラミック、プラスチック、複合材、ゴム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料で作製され得る。
【0137】
当該アクチュエーター機構は、水圧式、空圧式、電気的、および機械入力信号、またはそれらの組み合わせを含む群から選択され得る。いくつかの実施形態において、個々のピン、ピンの列、ピンの行、ピンの配列、またはそれらの任意の組み合わせは、軟質ガラス基板110に力を加えるためにまたは加えないために作動することができる。
【0138】
いくつかの実施形態において、ピン1410の列は、1つまたは複数のピンを作動させることによって初期の力が加えられ、直近に作動されたピンの位置によって生成線が形成され、生成線が通過した後に軟質ガラス基板110に対して力の適用が移動しない作動されたピンによって接着剤が硬化するまで維持されるように、連続的に作動され得る。
【0139】
いくつかの実施形態において、ピン1410は、軟質ガラス基板110の第二部分132のみが第二剛性支持構造体125に対して押し付けられるように、個別に作動され得る。
【0140】
いくつかの実施形態において、ピンブロック1420における全てのピン1410は、初期の力が、全ての作動されたピンによって加えられ、生成線が、先導するピン1410の列の位置によって形成され、接着剤が硬化するまで、生成線が通過する当該軟質基板110のエリアに対する力の適用を維持しながら、軟質ガラス基板110を第二剛性支持構造体125の形状に冷間成形するために生成線を基板にわたって移動させるように、ロックされていない構成1480のクランプ1482および1484によって同時に作動され得る。
【0141】
いくつかの実施形態において、第二剛性支持構造体125に適用される接着剤は、好ましくは、高強度の構造用接着剤である。例示的な高強度の構造用接着剤としては、Loctite高純度M-121 HPエポキシ、3M Scotch Weld DP 420エポキシ、Loctite H4800アクリル樹脂、3M Auto Glass Windshieldウレタン、およびCRL Dow Corning 995シリコーンが挙げられる。
【0142】
いくつかの実施形態において、空洞1430は、圧力多岐管1470に接続される。圧力多岐管1470における圧力は、任意の好適な手段1460、例えば、入口コネクタ1450を通る圧縮された空気または油など、によって発生させることができる。
【0143】
いくつかの実施形態において、ローラー、ローラーテープ、ピンの端に取り付けられたローラー、またはそれらの任意の組み合わせは、それらが第二剛性支持構造体125に押し付けられたときに、軟質ガラス基板110に圧力を加え維持するために、使用され得る。
【0144】
図15Aは、プレス成形1500の例示的プロセスを示している。当該プロセスは、ディスプレイ140および第一剛性支持構造体120が取り付けられる軟質ガラス基板110にプレスモールド1510を押し付けるステップを含む。接着の際、プレスモールド1510は、接着剤(図に示されていない)およびその下の第二剛性支持構造体125に対して、軟質ガラス基板110を上から押し付け、引張応力、圧縮応力、またはそれらの組み合わせが、当該軟質ガラス基板110に生じ得る。この応力は、物品のいくらかの割合に破壊を生じさせ、歩留まりを低下させ得る。その上、当該軟質ガラス基板110は、硬化していない接着剤に対して滑動し得、これは、厚さの均一性および接着層のコンフォーマリティ(conformality)に影響を及ぼす可能性がある。本明細書において説明されるいくつかの実施形態、例えば、化学強化または熱強化された軟質ガラス基板の冷間成形など、は、加工の際に軟質ガラス基板110に生じる応力に打ち勝つのに十分なガラス強度を提供することによって、特に展開可能な形状および/または複雑な展開可能な形状を有する物品のための、プレス成形プロセスを改良し、結果として、プレス成形および同様のプロセスに関する歩留まりを増加させる。矢印は、当該モールドならびに、ディスプレイ140および第一剛性支持構造体120が取り付けられる軟質ガラス基板110の移動の方向を示している。
【0145】
図15Bは、プレス成形プロセスのプロセス工程1550を示しており、この場合、軟質ガラス基板110の第二部分132が第二剛性支持構造体125の形状にプレスされ、所望の最終製品を形成すると、プレスモールドは、後退される。矢印は、プロセスが終了したときに最終製品から離されるプレスモールドの移動の方向を示している。
【0146】
図16は、いくつかの実施形態において作製され得る、これらに限定されるわけではないが、モニターを有する、計器群、コンソールディスプレイ、またはセンタースタックディスプレイなどを含む、自動車内装ディスプレイの部分である、部品1600の実施例を示している。冷間成形された軟質ガラス基板110は、第二剛性支持構造体125に接着される。当該冷間成形されたガラス基板110は、第二非平面状剛性支持構造体125に直接は接触していない開口領域1650を含む。開口領域1650は、第一剛性支持構造体120によって維持される非平面形状を有し得る。ディスプレイ140のモニターは、開口領域1650に重ねられ得る。剛性支持構造体125は、自動車の他の部品に取り付けられるように設計され得る。
【0147】
いくつかの実施形態において、当該ディスプレイ140は、軟質ガラス基板110を剛性支持構造体125によって固定形状に固定し、当該固定された軟質ガラス基板110を固定形状へと冷間成形した後で、当該軟質ガラス基板110に取り付けられる。当該冷間成形された軟質ガラス基板110は、平面形状を有する1つまたは複数の部分と、非平面形状を有する1つまたは複数の部分とを有していてもよい。当該冷間成形された軟質ガラス基板110は、これらに限定されるわけではないが、複雑な展開可能な形状、展開可能な形状、またはそれらの組み合わせを有していてもよい。
【0148】
図17Aは、剛性支持構造体125を伴う軟質ガラス基板110の上面
図1700を示している。
図17Bは、
図17Aに示された7-7’に沿った、断面
図1720を示している。7-7’平面に沿って、当該剛性支持構造体125は、1つまたは複数の開口部1710を有し、冷間成形ステップが終了した後に、そこを通してディスプレイを当該冷間成形された軟質ガラス基板110に取り付けることができる。
【0149】
図17Cは、剛性支持構造体125を伴う冷間成形された軟質ガラス基板110および当該冷間成形されたガラス基板に取り付けられたディスプレイ140の上面
図1740を示している。
図17Dは、
図17Cに示された8-8’平面に沿った、断面
図1760を示している。
【0150】
いくつかの実施形態において、軟質ガラス基板110の冷間成形は、例えば、射出成形、プレス成形、または任意の好適な手段を使用して、剛性支持構造体125への取り付けの前に行われ得る。
【0151】
いくつかの実施形態において、軟質ガラス基板110の冷間成形は、例えば、ローラーテープ、ピン、または任意の好適な手段を使用して、剛性支持構造体125への取り付けと同時に実施することができる。
【0152】
図18は、当該軟質ガラス基板110を冷間成形し、剛性支持構造体125に接着した後に、ディスプレイ140を軟質ガラス基板110に取り付ける、プロセスフローチャートを示している。当該ステップは、以下の順序において実施される:
ステップ1810:当該軟質ガラス基板110を冷間成形し、剛性支持構造体125に接着する。
【0153】
ステップ1820:開口部1710を通して、ディスプレイ140を当該軟質ガラス基板110または剛性支持構造体に取り付ける。
【0154】
本開示の態様(1)は、軟質ガラス基板の第一部分を第一剛性支持構造体によって第一固定形状に固定するステップと、第一ディスプレイを当該軟質ガラス基板の当該第一部分または当該第一剛性支持構造体に取り付けるステップと、当該第一部分を固定し、当該第一ディスプレイを取り付けた後、当該軟質ガラス基板の当該第一部分の当該第一固定形状および当該取り付けられた第一ディスプレイを維持しながら、当該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状に冷間成形するステップと、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を第二剛性支持構造体によって当該第二固定形状に固定するステップとを含むプロセスに関する。
【0155】
本開示の態様(2)は、上記第一ディスプレイは平面状であり、上記第一固定形状は平面状であり、ならびに、上記第一ディスプレイを上記軟質ガラス基板の上記第一部分に取り付けた後に、当該軟質ガラス基板の当該第一部分が、上記第一剛性支持構造体によって上記第一固定形状に固定される、態様(1)に記載のプロセスに関する。
【0156】
本開示の態様(3)は、上記第一ディスプレイを上記軟質ガラス基板の上記第一部分に取り付ける前に、当該軟質ガラス基板の当該第一部分が、上記第一剛性支持構造体によって上記第一固定形状に固定される、態様(1)に記載のプロセスに関する。
【0157】
本開示の態様(4)は、上記第一固定形状が平面状である、態様(1)または態様(2)に記載のプロセスに関する。
【0158】
本開示の態様(5)は、上記第一固定形状が非平面状である、態様(1)または態様(3)に記載のプロセスに関する。
【0159】
本開示の態様(6)は、上記第一ディスプレイが非平面状である、態様(1)または態様(3)に記載のプロセスに関する。
【0160】
本開示の態様(7)は、 上記第一固定形状が、上記軟質ガラス基板の上記第一部分を冷間成形することによって形成される、態様(1)から態様(6)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0161】
本開示の態様(8)は、上記第一ディスプレイの上記形状が、上記第一固定形状と同じである、態様(1)から態様(7)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0162】
本開示の態様(9)は、上記第一剛性支持構造体が、上記軟質ガラス基板の上記第一部分に永久的に取り付けられる、態様(1)から態様(8)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0163】
本開示の態様(10)は、上記第二固定形状が非平面状である、態様(1)から態様(9)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0164】
本開示の態様(11)は、上記第二剛性支持構造体が、上記軟質ガラス基板の上記第二部分に永久的に取り付けられる、態様(1)から態様(10)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0165】
本開示の態様(12)は、上記第一ディスプレイが、オプティカルボンディングまたはエアギャップボンディングから選択される方法を使用して、上記軟質ガラス基板または上記第一剛性支持構造体に取り付けられる、態様(1)から態様(11)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0166】
本開示の態様(13)は、さらに、軟質ガラス基板の第三部分を第三剛性支持構造体によって第三固定形状に固定するステップと、第二ディスプレイを当該軟質ガラス基板の当該第三部分または当該第三剛性支持構造体に取り付けるステップと、を含み、この場合、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を当該第二固定形状に冷間成形するステップと、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を当該第二剛性支持構造によって当該第二固定形状に固定するステップは、当該第三部分を固定するステップおよび当該第二部分を取り付けるステップの後に、当該軟質ガラス基板の当該第三部分の当該第三固定形状および取り付けられた第二ディスプレイを維持しながら実施される、態様(1)から態様(12)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0167】
本開示の態様(14)は、上記軟質ガラス基板が、化学強化ガラスを含む、態様(1)から態様(13)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0168】
本開示の態様(15)は、さらに、上記第一部分を固定するステップおよび上記第一ディスプレイを取り付ける前に、当該軟質ガラス基板は平面のまま、当該軟質ガラス基板に少なくとも1つのコーティングを適用するステップを含む、態様(1)から態様(14)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0169】
本開示の態様(16)は、上記少なくとも1つのコーティングのうちの1つが、装飾的インクコーティングである、態様(15)に記載のプロセスに関する。
【0170】
本開示の態様(17)は、上記少なくとも1つのコーティングのうちの1つが反射防止コーティングである、態様(15)または(16)に記載のプロセスに関する。
【0171】
本開示の態様(18)は、上記軟質ガラス基板が、上記第一剛性支持構造体に直接取り付けられる、態様(1)から態様(17)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0172】
本開示の態様(19)は、さらに、接着の前に、上記第一剛性支持構造体および上記軟質ガラス基板のうちの少なくとも一方に接着剤を適用するステップを含む、態様(1)から態様(18)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0173】
本開示の態様(20)は、上記軟質ガラス基板が、ローラーテープ、機械的保持器、プレス成形、またはダイ成形から選択される方法を使用して上記第一剛性支持構造体に接着される、態様(1)から態様(19)のいずれか1つに記載のプロセスに関する。
【0174】
本開示の態様(21)は、軟質ガラス基板の第一部分を第一剛性支持構造体によって第一固定形状に固定するステップと、第一ディスプレイを当該軟質ガラス基板の当該第一部分または当該第一剛性支持構造体に取り付けるステップと、当該第一部分を固定し、当該ディスプレイを取り付けた後、当該軟質ガラス基板の当該第一部分の当該第一固定形状および当該取り付けられた第一ディスプレイを維持しながら、当該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状に冷間成形するステップと、当該軟質ガラス基板の当該第二部分を第二剛性支持構造体によって当該第二固定形状に固定するステップとを含むプロセスによって形成された物品に関する。
【0175】
本開示の態様(22)は、剛性支持構造体によって非平面状の固定形状に固定された、冷間成形された軟質ガラス基板と、当該冷間成形された軟質ガラス基板に取り付けられたディスプレイとを含む物品であって、当該ディスプレイと当該冷間成形された軟質ガラス基板との間に残留応力が存在しない、物品に関する。
【0176】
本開示の態様(23)は、軟質ガラス基板を非平面状の固定形状へと冷間成形するステップと、当該軟質ガラス基板を剛性支持構造に取り付けるステップと、冷間成形ステップおよび当該軟質ガラス基板を剛性支持構造体に取り付けるステップの後に、ディスプレイを当該軟質ガラス基板または当該剛性支持構造体に取り付けるステップとを含むプロセスに関する。
【0177】
本開示の実施形態は、添付の図面に示されるそれらの実施形態を参照しながら本明細書において詳細に説明され、当該図面において、同じまたは機能的に同様の要素を示すために同様の参照番号が使用される。「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「ある特定の実施形態において」などに対する言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示しているが、必ずしも全ての実施形態が当該特定の特徴、構造、または特性を含み得るわけではない。さらに、そのような表現は、必ずしも同じ態様について言及しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、ある実施形態に関連して説明されている場合、明確に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連して、そのような特徴、構造、または特性にも影響を及すことは、当業者の知識の範囲内であると言える。
【0178】
本明細書において、上限値および下限値を含む数値の範囲が列挙されている場合、特定の状況において特に明記されない限り、当該範囲は、それらの端点ならびに範囲内の全ての整数および分数を含むことが意図される。特許請求の範囲が、範囲を定義するときに列挙された特定の値に限定されることは意図されない。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメータが、範囲として、1つまたは複数の好ましい範囲として、あるいは好ましい上限値と好ましい下限値とによるリストとして与えられる場合、これは、任意の上側範囲限界もしくは好ましい値と任意の下側範囲限界もしくは好ましい値とによる任意の対から形成される全ての範囲を、そのような対が別々に開示されているかどうかに関わらず、具体的に開示しているものとして理解されるべきである。最後に、値または範囲の端点の説明において用語「約」が使用される場合、本開示は、言及された特定の値または端点を含むと理解されるべきである。数値または範囲の端点が、「約」を列挙するかどうかにかかわらず、当該数値または範囲の端点は、2つの実施形態:「約」によって修飾されるものと、「約」によって修飾されないもの、を包含することが意図される。
【0179】
本明細書において使用される場合、用語「約」は、量、サイズ、配合、パラメータ、ならびに他の量および特性が、正確でなく、正確であることを必要としないが、所望の場合、許容範囲、換算係数、四捨五入、測定誤差など、ならびに当業者に既知の他の因子、を反映して、概算値であっても、および/またはより大きくても、もしくはより小さくてもよいことを意味する。
【0180】
本明細書において使用される場合、「含む(comprising)」は、オープンエンド形式の移行句である。移行句「含む(comprising)」の後の要素の一覧は、非排他的な一覧であり、そのため、当該一覧において具体的に列挙されるもの以外の要素が存在していてもよい。
【0181】
用語「または」は、本明細書において使用される場合、包括的であり、より詳細には、句「AまたはB」は、「A、B、あるいはAとBの両方」を意味する。排他的な「または」は、本明細書において、例えば、「AまたはBのどちらか」および「AまたはBの一方」などの用語によって指定される。
【0182】
要素または成分を説明するための不定冠詞「a」および「an」は、これらの要素または成分の1つまたは少なくとも1つが存在することを意味する。これらの冠詞は、慣習的に、被修飾名詞が単数名詞であることを意味するために用いられるが、本明細書において使用される場合、冠詞「a」および「an」は、特定の例において明記されない限り、複数名詞も包含する。同様に、定冠詞「the」は、本明細書において使用される場合、特定の例において明記されない限り、被修飾名詞が、単数であってもまたは複数であってもよいことを意味する。
【0183】
用語「wherein」は、構造の一連の特性の列挙を導入するために、オープンエンド形式の移行句として使用される。
【0184】
実施例は、本開示の例示であり、限定ではない。通常本分野において遭遇する様々な条件およびパラメータの他の好適な変更および適合は、当業者にとって明らかであり、本開示の趣旨および範囲内である。
【0185】
本明細書において様々な実施形態について説明してきたが、それらは、単に一例として示されたものであって、制限ではない。適合および変更は、本明細書において提示される教示およびガイダンスに基づく、当該開示される実施形態の同等物の意味および範囲内であることが意図されることは明らかであるべきである。したがって、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において開示される実施形態に対して、形態および詳細における様々な変更を為すことができることは、当業者に明らかであろう。本明細書において提示される実施形態の要素は、必ずしも互いに排他的ではないが、当業者によって理解されるように、様々なニーズを満たすために置き換えてもよい。
【0186】
本明細書において用いられる語句または専門用語は、説明目的のためのものであり、限定を目的とするものではないことは理解されたい。本開示の広さおよび範囲は、上記において説明されるいずれの例示的実施形態によっても制限されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその同等物によってのみ定義されるべきである。
【0187】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0188】
実施形態1
軟質ガラス基板の第一部分を第一剛性支持構造体によって第一固定形状に固定するステップと、
第一ディスプレイを当該軟質ガラス基板の当該第一部分または当該第一剛性支持構造体に取り付けるステップと、
当該第一部分を固定するステップおよび、当該第一ディスプレイを取り付けるステップの後、当該軟質ガラス基板の当該第一部分の当該第一固定形状および当該取り付けられた第一ディスプレイを維持しながら:
当該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状に冷間成形するステップと、
当該軟質ガラス基板の当該第二部分を第二剛性支持構造体によって当該第二固定形状に固定するステップと
を含む、方法。
【0189】
実施形態2
上記第一ディスプレイは平面状であり、
上記第一固定形状が平面状であり、
上記第一ディスプレイを上記軟質ガラス基板の上記第一部分に取り付けるステップの後に、当該軟質ガラス基板の当該第一部分が、上記第一剛性支持構造体によって上記第一固定形状に固定される、
実施形態1に記載の方法。
【0190】
実施形態3
上記第一ディスプレイを上記軟質ガラス基板の上記第一部分に取り付けるステップの前に、当該軟質ガラス基板の当該第一部分が、上記第一剛性支持構造体によって上記第一固定形状に固定される、実施形態1に記載の方法。
【0191】
実施形態4
上記第一固定形状が平面状である、実施形態1または2に記載の方法。
【0192】
実施形態5
上記第一固定形状が非平面状である、実施形態1または3に記載の方法。
【0193】
実施形態6
上記第一ディスプレイが非平面状である、実施形態1または3に記載の方法。
【0194】
実施形態7
上記第一固定形状が、上記軟質ガラス基板の上記第一部分を冷間成形することによって形成される、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
実施形態8
上記第一ディスプレイの上記形状が、上記第一固定形状と同じである、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
実施形態9
上記第一剛性支持構造体が、上記軟質ガラス基板の上記第一部分に永久的に取り付けられる、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
実施形態10
上記第二固定形状が非平面状である、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
実施形態11
上記第二剛性支持構造体が、上記軟質ガラス基板の上記第二部分に永久的に取り付けられる、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
実施形態12
上記第一ディスプレイが、オプティカルボンディングまたはエアギャップボンディングから選択される方法を使用して、上記軟質ガラス基板または上記第一剛性支持構造体に取り付けられる、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
実施形態13
さらに、
上記軟質ガラス基板の第三部分を第三剛性支持構造体によって第三固定形状に固定するステップと、
第二ディスプレイを当該軟質ガラス基板の当該第三部分または当該第三剛性支持構造体に取り付けるステップと、
を含み、
この場合:
当該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状に冷間成形するステップと
当該軟質ガラス基板の当該第二部分を当該第二剛性支持構造体によって当該第二固定形状に固定するステップが、
当該第三部分を固定するステップおよび当該第二ディスプレイを取り付けるステップの後に、当該軟質ガラス基板の当該第三部分の当該第三固定形状および取り付けられた第二ディスプレイを維持しながら実施される、
実施形態1から12のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
実施形態14
上記軟質ガラス基板が、化学強化ガラスを含む、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
実施形態15
さらに、上記第一部分を固定するステップおよび上記第一ディスプレイを取り付けるステップの前に、当該軟質ガラス基板は平面のまま、当該軟質ガラス基板に少なくとも1つのコーティングを適用するステップを含む、実施形態1から14のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
実施形態16
上記少なくとも1つのコーティングのうちの1つが、装飾的インクコーティングである、実施形態15に記載の方法。
【0204】
実施形態17
上記少なくとも1つのコーティングのうちの1つが反射防止コーティングである、実施形態15または16に記載の方法。
【0205】
実施形態18
上記軟質ガラス基板が、上記第一剛性支持構造体に直接取り付けられる、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
実施形態19
さらに、接着の前に、上記第一剛性支持構造体および上記軟質ガラス基板のうちの少なくとも一方に接着剤を適用するステップ
を含む、実施形態1から18のいずれか1つに記載の方法。
【0207】
実施形態20
上記軟質ガラス基板が、ローラーテープ、機械的保持器、プレス成形、またはダイ成形から選択される方法を使用して上記第一剛性支持構造体に接着される、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
実施形態21
軟質ガラス基板の第一部分を第一剛性支持構造体によって第一固定形状に固定するステップと、
第一ディスプレイを当該軟質ガラス基板の当該第一部分または当該第一剛性支持構造体に取り付けるステップと、
当該第一部分を固定するステップおよび、当該ディスプレイを取り付けるステップの後、当該軟質ガラス基板の当該第一部分の当該第一固定形状および当該取り付けられた第一ディスプレイを維持しながら:
当該軟質ガラス基板の第二部分を第二固定形状に冷間成形するステップと、
当該軟質ガラス基板の当該第二部分を第二剛性支持構造体によって当該第二固定形状に固定するステップと
を含む方法によって形成された物品。
【0209】
実施形態22
剛性支持構造体によって非平面状の固定形状に固定された、冷間成形された軟質ガラス基板と、
当該冷間成形された軟質ガラス基板に取り付けられたディスプレイと
を含み、当該ディスプレイと当該冷間成形された軟質ガラス基板との間に残留応力が存在しない、物品。
【0210】
実施形態23
軟質ガラス基板を非平面状の固定形状へと冷間成形するステップと、
当該軟質ガラス基板を剛性支持構造に取り付けるステップと、
冷間成形ステップおよび当該軟質ガラス基板を剛性支持構造体に取り付けるステップの後に、ディスプレイを当該軟質ガラス基板または当該剛性支持構造体に取り付けるステップと
を含む方法。
【符号の説明】
【0211】
100、200、300、400、1000、1300、1700、1740 上面図
110 軟質ガラス基板
120 第一硬質支持構造体
125 第二硬質支持構造体
130 第一部分
132 第二部分
135 第一固定形状
137 第二固定形状
140 第一ディスプレイ
150、250、350、450、500、600、700、1050、1100、1200、1350、1720、1760 断面図
310 光学接着剤
320 エアギャップ
1400 プロセス
1410 ピン
1420 ピンブロック
1430 空洞
1450 入口コネクタ
1460 好適な手段
1470 圧力多岐管
1480 ロックされていない構成
1482、1484 クランプ
1490 ロックされた構成
1500 プレス成形
1510 プレスモールド
1550 プロセス工程
1600 部品
1650 開口領域
1710 開口部