(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】ウェアラブル装置を使用して整形外科インプラント及びリハビリテーションをモニタするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20220506BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220506BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
A61H1/02 Z
A61B5/00 B
A61B17/56
(21)【出願番号】P 2019541698
(86)(22)【出願日】2018-02-01
(86)【国際出願番号】 US2018016422
(87)【国際公開番号】W WO2018144715
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-02-01
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517335617
【氏名又は名称】コンセンサス オーソペディックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ウィーデンホーファー カート
(72)【発明者】
【氏名】クリール ジャスティン アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ケイターバーグ ブライアン ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ハワード ジョシュア デイル
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/127218(WO,A1)
【文献】特表2005-536260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02
A61B 5/00
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者をモニタするためのシステムであって、
ハウジングと、このハウジング内又はその周囲に配置された複数のセンサとを備えるセンサユニットと、
前記患者の皮膚に接着して取り付けられるように構成されて準備された可撓性シェルであって、前記センサユニットとベースとの間の係合を維持するために前記センサユニットの一部を
取り外し可能に受け入れてこのセンサユニットの周辺部を把持するように構成されて準備されたキャビティを形成する可撓性側壁を備えた前記
可撓性シェルを備えるベースと、を有し、
前記ベースの前記可撓性シェルの前記側壁は、リムを形成し、このリムから外向き且つ下向きに傾斜して前記リムの下方にアンダーカット領域を形成し、前記センサユニットの前記ハウジングは、前記リムの下方の前記アンダーカット領域内に収まるように傾斜し、
前記センサユニット又は前記ベースの一方は、第1の磁石を備えて、前記センサユニット又は前記ベースのもう一方は、第2の磁石又は磁気的に引き付けられる材料のいずれかを備え、
前記システムは、前記センサユニットが前記ベースに係合した時に、前記第1の磁石が前記第2の磁石又は前記磁気的に引き付けられる材料に磁気的に結合して、前記センサユニットと前記ベースの係合を維持するように更に構成されて準備されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ベースは前記第1の磁石を備え、前記センサユニットは磁気スイッチを更に備えて、
前記システムは、前記センサユニットが前記ベースに係合した時に、前記ベースの前記第1の磁石が前記センサユニットの前記磁気スイッチを作動させるように構成されて準備される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記磁気スイッチの作動によって前記センサユニットが作動モードに入るように構成されて準備される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記センサユニットを前記ベースから離脱させることによって前記センサユニットの前記磁気スイッチが作動して前記センサユニットが非作動モードに入るように構成されて準備される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ベースは、前記シェルから延びるタブを更に備え、前記ベースは、前記タブの操作によって前記シェルが変形し、前記センサユニットに対する前記側壁の把持が弱まって前記ベースからの前記センサユニットの離脱が容易になるように構成されて準備される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のセンサは、前記センサユニットの前記ハウジングから外に延びる温度センサを備えて、前記ベースは、前記シェルを貫く開口部を構成し、
前記システムは、前記センサユニットが前記ベースに係合した時に、前記センサユニットの前記温度センサが前記開口部内に延びることによって前記温度センサの一部が前記患者の前記皮膚に曝されるように構成されて準備される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ベースの前記シェルの前記側壁はリムを構成し、前記センサユニットの前記ハウジングは、前記センサユニットが前記ベースに係合した時に、前記リムを受け入れるように構成されて準備された溝を構成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
患者をモニタするためのシステムであって、
磁石
及び可撓性シェルを備え、前記患者の皮膚に接着して取り付けられるように構成されて準備されたベースと、
複数のセンサを備え、前記ベースに係合して前記患者に装着されるように構成されて準備されたセンサユニットと、を有し、
前記センサユニットは、磁気スイッチを備えるとともに、磁石又は磁気的に引き付けられる材料のいずれかを更に備え、
前記システムは、前記センサユニットが前記ベースに係合した時に、前記センサユニットを前記ベースに接触させた状態に保持するために前記ベースの前記磁石と前記磁石又は磁気的に引き付けられる材料とが磁気的に結合し、前記ベースの前記磁石が前記センサユニットの前記磁気スイッチを作動させるように構成されて準備され
、
前記可撓性シェルは、キャビティを構成し、このキャビティの周りに側壁と、この側壁の周りにリムと、を備え、
前記可撓性シェルは、前記センサユニットとベースとの間の係合を維持するために前記センサユニットの一部を取り外し可能に受け入れてこのセンサユニットの周辺部を把持するように構成されて準備され、
前記側壁は、前記リムから外向き且つ下向きに傾斜して前記リムの下方にアンダーカット領域を形成し、前記センサユニットのハウジングは、前記リムの下方の前記アンダーカット領域内に収まるように傾斜していることを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記ベースは、前記センサユニットを受け入れるためのシェルと、前記シェルから延びるタブとを更に備え、
前記ベースは、前記タブの操作によって前記シェルが変形して前記ベースからの前記センサユニットの離脱が容易になるように構成されて準備される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記磁気スイッチの作動によって前記センサユニットが作動モードに入るように構成されて準備される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、前記センサユニットを前記ベースから離脱させることによって前記センサユニットの前記磁気スイッチが作動して前記センサユニットが非作動モードに入るように構成されて準備される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のセンサは、温度センサを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記ベースは、このベースを貫く開口部を構成し、前記センサユニットは、ハウジングから外に延びる温度センサを備えたハウジングを備え、
前記システムは、前記センサユニットが前記ベースに係合した時に、前記センサユニットの前記温度センサが前記開口部内に延びることによって前記温度センサの一部が前記患者の前記皮膚に曝されるように構成されて準備される、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
患者をモニタするためのシステムであって、
可撓性シェルを備え、ベースを貫く開口部を構成し、前記患者の皮膚に接着して取り付けられるように構成されて準備されたベースと、
ハウジングとこのハウジングから外に延びる温度センサを含む複数のセンサとを備え、前記ベースに係合して前記患者に装着されるように構成されて準備されたセンサユニットと、
前記システムは、前記センサユニットが前記ベースに係合した時に、前記センサユニットの前記温度センサが前記開口部内に延びることによって前記温度センサの一部が前記患者の前記皮膚に曝されるように構成されて準備され
、
前記可撓性シェルは、キャビティを構成し、このキャビティの周りに側壁と、この側壁の周りにリムと、を備え、
前記可撓性シェルは、前記センサユニットとベースとの間の係合を維持するために前記センサユニットの一部を取り外し可能に受け入れてこのセンサユニットの周辺部を把持するように構成されて準備され、
前記側壁は、前記リムから外向き且つ下向きに傾斜して前記リムの下方にアンダーカット領域を形成し、前記センサユニットの前記ハウジングは、前記リムの下方の前記アンダーカット領域内に収まるように傾斜していることを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記複数のセンサは、加速度計又はジャイロスコープを更に備える、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記センサユニット又は前記ベースの一方は、第1の磁石を備え、前記センサユニット又は前記ベースのもう一方は、第2の磁石又は磁気的に引き付けられる材料のいずれかを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ベースは前記第1の磁石を備え、前記センサユニットは磁気スイッチを更に備え、
前記システムは、前記センサユニットが前記ベースに係合した時に、前記ベースの前記第1の磁石が前記センサユニットの前記磁気スイッチを作動させるように構成されて準備される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムは、前記磁気スイッチの作動によって前記センサユニットが作動モードに入るように構成されて準備される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムは、前記センサユニットを前記ベースから離脱させることによって前記センサユニットの前記磁気スイッチが作動して前記センサユニットが非作動モードに入るように構成されて準備される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ベースは、前記センサユニットを受け入れるためのシェルと、このシェルから延びるタブとを更に備え、前記ベースは、前記タブの操作によって前記シェルが変形して前記ベースからの前記センサユニットの離脱が容易になるように構成されて準備される、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2017年2月1日に出願された米国特許出願第15/422312号に対する優先権を主張するものであり、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、外科手術後又は整形外科装置の埋め込み後の理学療法又はリハビリテーションをモニタするためのシステム及び装置の分野に関する。本発明は、ウェアラブル装置を使用して外科手術後又は整形外科装置の埋め込み後の理学療法又はリハビリテーションのモニタリングを容易にするシステム及び装置の分野にも関する。
【背景技術】
【0003】
人工関節置換術は、肩、股関節、膝、足首及び手首などの関節の一般的な整形外科手術である。患者が関節の摩耗又は損傷を負った状況では、関節を骨格構造に同化できるインプラントに置換して、痛みのない動きと機能を回復することができる。一般に、外科医は、患者の関節に補綴要素を埋め込む前に、埋め込まれる補綴要素の少なくとも一部を受け入れるプラットフォーム、凹部又はキャビティを形成するために、患者の自己骨の少なくとも一部を切除する。補綴要素を埋め込む過程で、筋肉及び腱を正しい位置に戻して再び付着させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第15/077809号明細書
【文献】米国特許出願公開第15/077793号明細書
【文献】米国仮特許出願第62/136892号明細書
【文献】米国仮特許出願第62/136925号明細書
【文献】米国特許出願公開第15/422320号明細書
【文献】米国特許出願公開第15/422299号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
患者は、この大手術から回復するために理学療法を受けなければならない。患者は、規則的に運動を行うと共に、ずれた筋肉の柔軟性及びバランスを得ようと努めなければならない。この目的は、患者に自身の可動域を広げさせることであるが、転倒又は過伸展によってインプラントの損傷及び患者の怪我につながる高いリスクも存在し得る。患者がリハビリテーションを行わず必要な可動域を達成しなければ、関節が固まった状態になり、活動的な生活スタイルを維持するのに十分な可動域を達成するためにさらなる外科手術(MUA-麻酔下マニピュレーション)が必要になることもある。理学療法の進展を測定又はモニタすることは難しいが、患者が熱心に参加する状態を維持するために非常に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態は、患者をモニタするためのシステムである。このシステムは、ハウジングと、ハウジング内又はその周囲に配置された複数のセンサとを含むセンサユニットと、患者の皮膚に接着して取り付けられるように構成されて準備された、可撓性シェルを含むベースとを含む。シェルは、センサユニットとベースとの係合を維持するためにセンサユニットの一部を受け入れてセンサユニットの周辺部を把持するキャビティを形成する可撓性側壁を含む。センサユニット又はベースの一方は、第1の磁石を含み、センサユニット又はベースのもう一方は、第2の磁石又は磁気的に引き付けられる材料のいずれかを含む。システムは、センサユニットがベースに係合した時に、第1の磁石が第2の磁石又は磁気的に引き付けられる材料に磁気的に結合してセンサユニットとベースの係合を維持するようにさらに構成されて準備される。
【0007】
少なくともいくつかの実施形態では、ベースが第1の磁石を含み、センサユニットが磁気スイッチをさらに含み、システムが、センサユニットがベースに係合した時に、ベースの第1の磁石がセンサユニットの磁気スイッチを作動させるように構成されて準備される。少なくともいくつかの実施形態では、システムが、磁気スイッチの作動によってセンサユニットが作動モードに入るように構成されて準備される。少なくともいくつかの実施形態では、システムが、センサユニットをベースから離脱させることによってセンサユニットの磁気スイッチが作動してセンサユニットが非作動モードに入るように構成されて準備される。
【0008】
少なくともいくつかの実施形態では、ベースが、シェルから延びるタブをさらに含み、タブの操作によってシェルが変形し、センサユニットに対する側壁の把持が弱まってベースからのセンサユニットの離脱が容易になる。少なくともいくつかの実施形態では、複数のセンサが、センサユニットのハウジングから外に延びる温度センサを含み、ベースが、シェルを貫く開口部を構成し、センサユニットがベースに係合した時に、センサユニットの温度センサが開口部内に延びることによって温度センサの一部が患者の皮膚に曝されるようになる。少なくともいくつかの実施形態では、ベースのシェルの側壁がリムを構成し、センサユニットのハウジングが、センサユニットがベースに係合した時にリムを受け入れる溝を構成する。
【0009】
別の実施形態は、患者をモニタするためのシステムである。このシステムは、患者の皮膚に接着して取り付けられるように構成されて準備された、磁石を含むベースと、ベースに係合して患者に装着されるように構成されて準備された、複数のセンサを含むセンサユニットとを含む。センサユニットは、磁気スイッチを含むとともに、磁石又は磁気的に引き付けられる材料のいずれかをさらに含む。システムは、センサユニットがベースに係合した時に、ベースの磁石と、磁石又は磁気的に引き付けられる材料とが磁気的に結合してセンサユニットをベースに接触した状態に保持し、ベースの磁石がセンサユニットの磁気スイッチを作動させるように構成されて準備される。
【0010】
少なくともいくつかの実施形態では、ベースが、センサユニットを受け入れるためのシェルと、シェルから延びるタブとをさらに含み、タブの操作によってシェルが変形してベースからのセンサユニットの離脱が容易になるように構成されて準備される。少なくともいくつかの実施形態では、システムが、磁気スイッチの作動によってセンサユニットが作動モードに入るように構成されて準備される。少なくともいくつかの実施形態では、システムが、センサユニットをベースから離脱させることによってセンサユニットの磁気スイッチが作動してセンサユニットが非作動モードに入るように構成されて準備される。
【0011】
少なくともいくつかの実施形態では、複数のセンサが温度センサを含む。少なくともいくつかの実施形態では、ベースが、ベースを貫く開口部を構成し、センサユニットがハウジングを含み、温度センサがハウジングから外に延び、システムが、センサユニットがベースに係合した時に、センサユニットの温度センサが開口部内に延びることによって温度センサの一部が患者の皮膚に曝されるように構成されて準備される。
【0012】
さらなる実施形態は、患者をモニタするためのシステムである。このシステムは、患者の皮膚に接着して取り付けられるように構成されて準備されたベースと、ハウジング及び複数のセンサを含むセンサユニットとを含み、ベースは、ベースを貫く開口部を構成し、センサユニットは、ベースに係合して患者に装着されるように構成されて準備される。複数のセンサは、ハウジングから外に延びる温度センサを含み。システムは、センサユニットがベースに係合した時に、センサユニットの温度センサが開口部内に延びることによって温度センサの一部が患者の皮膚に曝されるように構成されて準備される。
【0013】
少なくともいくつかの実施形態では、複数のセンサが、加速度計又はジャイロスコープをさらに含む。少なくともいくつかの実施形態では、ベースが、センサユニットを売れる受け入れるためのシェルと、シェルから延びるタブとをさらに含み、ベースが、タブの操作によってシェルが変形してベースからのセンサユニットの離脱が容易になるように構成されて準備される。
【0014】
少なくともいくつかの実施形態では、センサユニット又はベースの一方が、第1の磁石を含み、センサユニット又はベースのもう一方が、第2の磁石又は磁気的に引き付けられる材料のいずれかを含む。少なくともいくつかの実施形態では、ベースが第1の磁石を含み、センサユニットが磁気スイッチをさらに含み、システムが、センサユニットがベースに係合した時に、ベースの第1の磁石がセンサユニットの磁気スイッチを作動させるように構成されて準備される。少なくともいくつかの実施形態では、システムが、磁気スイッチの作動によってセンサユニットが作動モードに入るように構成されて準備される。少なくともいくつかの実施形態では、システムが、センサユニットをベースから離脱させることによってセンサユニットの磁気スイッチが作動してセンサユニットが非作動モードに入るように構成されて準備される。
【0015】
以下の図面を参照しながら、本発明の非限定的かつ非包括的な実施形態について説明する。図面では、別途指定していない限り、様々な図全体を通じて同じ部品を同じ参照番号によって示す。
【0016】
本発明をより良く理解できるように、以下の詳細な説明を添付図面と併せて参照する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による、インプラント手術後の患者のリハビリテーションをモニタするシステムの一実施形態の概略図である。
【
図2】本発明による、
図1のシステムにおいて使用されるコンピュータ装置の一実施形態の概略図である。
【
図3A】本発明による、互いに離脱したセンサユニット及びベースの一実施形態の側面斜視図である。
【
図3B】本発明による、互いに係合した
図3Aのセンサユニット及びベースの側面図である。
【
図3C】本発明による、互いに係合した
図3Aのセンサユニット及びベースの上面図である。
【
図4A】本発明による、
図3Aのセンサユニットの一実施形態の上面図である。
【
図4B】本発明による、
図4Aのセンサユニットの側面図である。
【
図4C】本発明による、
図4Aのセンサユニットの分解図である。
【
図4D】本発明による、
図4Aのセンサユニットのハウジングの一実施形態の分解図である。
【
図5】本発明による、患者又は臨床医のプロファイルを表示するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図6】本発明による、センサユニットから取得された情報を表示するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図7】本発明による、センサユニットから取得された情報を表示するモバイル装置のユーザインターフェイスの別の実施形態の図である。
【
図8】本発明による、可動域測定値を表示するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図9】本発明による、運動反復の要約を表示するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図10】本発明による、センサユニットから取得された情報を表示するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図11】本発明による、運動を説明する選択可能なビデオを表示するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図12】本発明による、運動リマインダを設定するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図13】本発明による、センサユニットから取得された情報と理学療法目標に向けた道筋とを表示するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図14】本発明による、センサユニットから取得された情報を表示するモバイル装置のユーザインターフェイスのさらに別の実施形態の図である。
【
図15】本発明による、センサユニットの患者固有の設定を設定するモバイル装置のユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図16】本発明による、写真又はビデオを撮影するためのユーザインターフェイスの一実施形態の図である。
【
図17】本発明による、センサユニットから取得された情報を表示するユーザインターフェイスの別の実施形態の図である。
【
図18】本発明による、センサユニットから取得された情報を表示するユーザインターフェイスのさらなる実施形態の図である。
【
図19】本発明による、センサユニットから取得された情報を表示するユーザインターフェイスのさらに別の実施形態の図である。
【
図20】本発明による、患者の部位の写真又はビデオ撮影方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図21】本発明による、疼痛スコア入力方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図22】本発明による、患者が要求する情報を表示する方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図23】本発明による、理学療法に友人を含める方法の一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、外科手術後又は整形外科装置の埋め込み後の理学療法又はリハビリテーションをモニタするシステム及び装置の分野に関する。本発明は、ウェアラブル装置を使用して外科手術後又は整形外科装置の埋め込み後の理学療法又はリハビリテーションのモニタリングを容易にするシステム及び装置の分野にも関する。
【0019】
本明細書で説明するシステムは、手術後の患者の理学療法又は治癒過程又はリハビリテーションをモニタするとともに、患者の活動範囲をモニタ又は確認するために使用することができる。このシステムは、プロセッサと通信できる1又は2以上のセンサを含み、プロセッサは、患者、或いは臨床医、医師、理学療法士、看護師、ケアコーディネータ又はその他の適切な人物などの別のユーザが患者の活動、整形外科インプラント又は周囲組織の状態、或いはリハビリテーション又はその他の療法の効果を容易にモニタできるようにする情報をセンサ読み取り値及びセンサデータに基づいて生成することができる。しかしながら、本明細書で説明するシステム、装置及び方法は、他の手術、或いは外科的介入を伴わないリハビリテーション又は理学療法との関連で使用することもできると理解されるであろう。後述するセンサは、手術部位又はリハビリを施す身体部分などの、理学療法又はリハビリテーション部位の近くに配置される。
【0020】
このシステムは、患者の組織が炎症を起こした場合、或いは理学療法又はリハビリテーション療法の有効性又はこれらの療法への適合性が不十分な場合に警告を与えることもできる。システムは、1又は2以上のセンサを備えたウェアラブル装置を含む。例えば、ウェアラブル装置上に、患者の皮膚に適用される1又は2以上のセンサを設けることができる。
【0021】
少なくともいくつかの実施形態では、1又は2以上のセンサが、センサを含む装置上のセンサプロセッサと通信する。少なくともいくつかの実施形態では、センサプロセッサ、或いはこれとは別に、又はこれに加えてセンサが、携帯電話機、タブレット又はコンピュータなどの患者装置のプロセッサ、或いは携帯電話機、タブレット又はコンピュータなどの臨床医装置のプロセッサと通信する。
【0022】
図1に、整形外科的置換手術後に整形外科インプラント及びリハビリテーションをモニタするシステム100の一実施形態を示す。システム100は、1又は2以上のセンサ102と、任意のセンサプロセッサ104と、患者装置106(携帯電話機、タブレット又はコンピュータなど)と、臨床医装置108と、ネットワーク60とを含む。1又は2以上のセンサ102と、好ましくはセンサプロセッサ104(又は複数のセンサプロセッサのうちの1つ又は2つ以上)とは、例えば患者の皮膚に適用される装置、又は患者が装着する装具又はその他の物品又は繊維製品に入れられて持ち運ばれる装置などの、患者の外部のウェアラブル装置112内に設けられる。他の実施形態では、システムが、さらに少ない又は多くのコンポーネントを含むこともできるが、通常、システムは、(単複の)センサ102と、(単複の)センサと通信してセンサデータに基づいて情報を提供するプロセッサ(センサプロセッサ104、患者装置106又は臨床医装置108など)とを含む。図示の実施形態では、ウェアラブル装置112がセンサ102及びセンサプロセッサ104を含むが、ウェアラブル装置112の一部ではない他のセンサを含めることもできると理解されるであろう。例えば、センサプロセッサを含むこともできる別のウェアラブル装置内に1又は2以上のさらなるセンサを組み合わせることも、或いは患者に1又は2以上のセンサを埋め込むこともできる。また、いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置102がセンサプロセッサ104を含まないこともでき、或いはセンサプロセッサ104の能力を(例えば、センサ読み取り値を分析せずに(又は制限付きで分析して)センサ読み取り値の取得及び送信を行うように)制限することもできると理解されるであろう。
【0023】
図1では、システムの少なくともいくつかの実施形態におけるコンポーネント間の通信を実線で示す。点線は、コンポーネント間の別の又はさらなる通信モードを示す。
図1に示す通信に加え、少なくともいくつかの実施形態では、センサプロセッサ104又はセンサ102が臨床医装置と直接通信することもできる。通信は、以下に限定するわけではないが、無線通信、有線通信、光通信、超音波通信、又はこれらの組み合わせを含むことができる。通信に使用できる無線通信の非限定的な例には、衛星通信、セルラ通信、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、赤外線データ協会標準(IrDA)、ワイヤレスフィデリティ(WiFi)、及びワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)がある。通信に使用できる有線通信の非限定的な例には、イーサネット(登録商標)、デジタル加入者回線(DSL)、ファイバー・トゥ・ザ・ホーム(FTTH)、及び基本電話サービス(POTS)がある。
【0024】
ネットワーク60は、以下に限定するわけではないが、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット又はこれらのいずれかの組み合わせを含むあらゆる好適なタイプのネットワークとすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、ネットワーク60を迂回してコンポーネント間を直接接続することもできる。患者装置106又は臨床医装置108には、ネットワーク60を介して、又は直接的に、サーバ又はサーバファーム、或いはメモリ記憶装置などの他の装置を接続することもできると理解されるであろう。例えば、患者装置106又は臨床医装置108には、患者の又はその他の医療情報、アプリケーション、ユーザインターフェイス又はウェブインターフェイスなどを記憶するサーバを結合して、患者装置106又は臨床医装置108がアクセスできるようにすることができる。
【0025】
患者装置106及び臨床医装置108は、コンピュータ(例えば、ノート型コンピュータ、モバイル医療ステーション又はコンピュータ、サーバ、メインフレームコンピュータ、又はデスクトップコンピュータ)、モバイル装置(例えば、携帯電話機又はスマートホン、携帯情報端末、又はタブレット)、又は他のいずれかの好適な装置などの、様々な装置のいずれかとすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、臨床医装置108を医療ステーション又は医療システムに組み込むことができる。
【0026】
図2に、患者装置106又は臨床医装置108として使用されるコンピュータ装置201の一実施形態を示す。コンピュータ装置201は、プロセッサ214と、メモリ216と、ディスプレイ218と、入力装置220とを含む。コンピュータ装置201は、ユーザの局所に存在することも、或いはプロセッサ214又はメモリ216(又はその一部)の一方又は両方を含む、コンピュータの局所に存在しないコンポーネントを含むこともできる。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザが、非局所的なプロセッサ又はメモリに接続された端末を操作することができる。
【0027】
コンピュータ装置201は、ユーザの局所に存在することも、或いはユーザ又はコンピュータ装置の他のコンポーネントの局所に存在しないこともできる、1又は2以上のハードウェアプロセッサを含むあらゆる好適なプロセッサ214を利用することができる。プロセッサ214は、与えられた命令を実行するように構成される。このような命令は、本明細書で説明する方法又はプロセスのステップのうちのいずれかを含むことができる。
【0028】
コンピュータ装置214には、あらゆる好適なメモリ216を使用することができる。メモリ216は、1つのタイプのコンピュータ可読媒体、すなわちコンピュータ可読記憶媒体を示す。コンピュータ可読記憶媒体は、以下に限定するわけではないが、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータなどの情報を記憶するいずれかの方法又は技術で実装された、不揮発性、非一時的、取り外し可能及び取り外し不可能なコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(「DVD」)又はその他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又はその他の磁気記憶装置、或いは所望の情報を記憶するために使用できるとともにコンピュータ装置がアクセスできる他のいずれかの媒体が挙げられる。
【0029】
通信方法は、別のタイプのコンピュータ可読媒体、すなわち通信媒体を提供する。通常、通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータを搬送波、データ信号又はその他の搬送機構などの変調データ信号内に具現化し、いずれかの情報提供媒体を含む。「変調データ信号」及び「搬送波信号」という用語は、情報、命令及びデータなどを信号内に符号化するように設定又は変更された1又は2以上の特性を有する信号を含む。一例として、通信媒体は、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバ、導波管及びその他の有線媒体などの有線媒体と、音響、RF、赤外線、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信及び他の無線媒体などの無線媒体とを含む。
【0030】
ディスプレイ218は、モニタ、画面又はディスプレイなどのあらゆる好適な表示装置とすることができ、プリンタを含むこともできる。入力装置220は、例えばキーボード、マウス、タッチ画面、トラックボール、ジョイスティック、音声認識システム、カメラ、マイク、又はこれらのいずれかの組み合わせなどとすることができる。
【0031】
再び
図1を参照すると、センサプロセッサ104は、1又は2以上のハードウェアプロセッサを含むあらゆる好適なプロセッサとすることができる。センサプロセッサ104は、与えられた命令を実行するように構成される。センサプロセッサ104は、(単複の)センサからセンサデータを受け取り、患者装置106、ネットワーク60、臨床医装置108、又はこれらのいずれかの組み合わせと通信するように構成される。任意に、センサプロセッサ104は、センサデータを処理又は分析することもでき、このような処理又は分析を実行するための、例えば本明細書で説明するいずれかの処理又は分析のステップを実行する命令を含む命令を記憶することができる。少なくともいくつかの実施形態では、1又は2以上のセンサ102の各々が、センサプロセッサ104の機能の一部又は全部を実行するプロセッサを含むことができる。
【0032】
1又は2以上のセンサ102は、整形外科インプラント及び周囲組織をモニタし、又はインプラントが必要であったか否かにかかわらず整形外科手術後のリハビリテーションをモニタし、又は手術前に予備療法を提供し、或いはこれらのいずれかの組み合わせを行うために設けられる。本開示は、一例として整形外科的膝インプラントを使用するが、例えば肩、股関節、足首、手首又は他のいずれかの関節のためのインプラントなどの他の関節インプラント、或いは関節置換術、関節面置換術、軟組織再建術、壊死組織除去術、四肢矯正手術、靭帯置換術などを問わず、整形外科的脊椎インプラントなどの他の整形外科装置にも適用することができると理解されるであろう。
【0033】
センサ102は、以下に限定するわけではないが、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、近接センサ、赤外線センサ、超音波センサ、サーミスタ又はその他の温度センサ、カメラ、圧電センサ又はその他の圧力センサ、ソナーセンサ、外部流体センサ、皮膚変色センサ、pHセンサ又はマイクなど、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含むあらゆる好適なタイプのものを使用することができる。少なくともいくつかの実施形態では、システム100が、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれよりも多くの異なるタイプのセンサ102を含む。システムは、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、10個又はそれよりも多くのセンサ102を含むことができる。好適なセンサ、並びにその配置及び使用のさらなる例は、米国特許出願第15/077809号及び第15/077793号、並びに米国仮特許出願第62/136892号及び第62/136925号に見出すことができ、これらの文献は全て引用により本明細書に組み入れられる。
【0034】
これらの1又は2以上のセンサ102を用いて、整形外科装置、周囲組織又は患者活動などの1又は2以上の態様を測定し、モニタし、又は別様に観察することができる。これらのセンサのうちの1つ又は2つ以上を用いて実行又は解釈できる観察又は測定の例には、歩数、運動の反復、関節運動(例えば、関節の旋回)の反復、実行されている運動のタイプ又はその他の動作、安定性又は安定性の欠如、屈曲角又は可動域、運動速度、皮膚温、活動後の脈拍又は脈拍プロファイル又は心拍回復時間、超音波画像、流量測定又はドップラ測定、ソナー画像、流量測定又はドップラ測定、圧力又は耐荷重測定、跛行(limp)又は身体方向(例えば、亜脱臼、姿勢、脊柱側弯)又は身体方向の変化の検出、関節への衝撃又は影響のモニタリング、睡眠プロファイル又は休息時間、歩行分析、又は体/四肢/関節配列などがある。システム100は、これらの項目のうちの1つ又は2つ以上、或いはこれらの項目のいずれかの組み合わせを観察又は測定することができる。
【0035】
以下では、これらの測定又は観察の一部に関するさらなる詳細を示す。1又は2以上のセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計又は近接センサなど)は、歩数又は運動反復、或いはセンサが感じた関節の動き又はその他の動作の回数をカウントし、どのようなタイプの運動又は動作が行われているかを特定するために利用することができる。これを使用して、例えば患者の活動をモニタし、運動療法の順守性をモニタし、或いはリハビリの妨げ又は支援となり得る痛み又はその他の状態の考えられる徴候をモニタすることができる。これらのセンサデータを使用して、活動の変化又は活動の傾向をモニタすることもできる。
【0036】
1又は2以上のセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計又は近接センサなど)は、センサ、関節又は患者の他の身体部分の可動域、或いは関節の屈曲を感知、検出又は計算することもできる。これを使用して、例えば患者のリハビリ、患者の活動をモニタし、運動療法の順守性をモニタし、或いはリハビリの妨げ又は支援となり得る痛み又はその他の状態の考えられる徴候をモニタすることができる。これらのセンサ又はその他のセンサを使用して、整形外科装置に対する、又は整形外科装置の周囲の組織に対する衝撃又は影響をモニタすることができる。これらのセンサデータを使用して、可動域又は屈曲の変化、或いは可動域又は屈曲の傾向をモニタすることもできる。
【0037】
説明例として、1又は2以上の加速度計によって関節動作からの加速度を測定することもできる。既知の距離だけ離れた加速度計間の測定された加速度の比率を使用して、装置が回転している回転中心を計算することによって、関節動作及び可動域又は屈曲を評価することができる。この情報を、上記の例で説明した目的と同じ目的で使用することができる。
【0038】
別の説明例では、1)加速度計と、2)ジャイロスコープ又は(磁北に対する方向を示す)磁力計とを用いて、可動域、動作速度又は反復回数などを測定することができる。この情報を、上記の2つの例で説明した目的と同じ目的で使用することができる。
【0039】
別の説明例では、加速度計、ジャイロスコープ又は磁力計などの単一のセンサを用いて、可動域、動作速度又は反復回数などを測定又は別様に観察することができる。少なくともいくつかの実施形態では、これらの測定値又はその他の観察結果が、センサデータと、例えばセンサデータのパターンの認識、又は収集されたデータ範囲の上限及び下限などに基づくセンサ又はセンサデータに関する1又は2以上の仮定とを用いて求められる。このような情報も、上記の3つの例と同様の形で使用することができる。
【0040】
1又は2以上のセンサ(例えば、サーミスタ又は赤外線センサ)は、温度、温度変化又は温度傾向を感知、検出又は計算することができる。この温度は、皮膚温又は環境温とすることができる。これらの温度測定値を使用して、例えばリハビリ又は患者の健康の妨げとなり得る炎症、痛み又は別の状態の可能性を示すことができる。これらの温度測定値を使用して、例えば炎症を抑えて治癒を促すのに役立つアイシングが効果的に行われているかどうかをモニタすることもできる。これに加えて、又はこれとは別に、これらのセンサを使用して、脈拍、脈拍の変化、患者の脈拍傾向、脈拍プロファイル、又は(運動又はその他の労働などの)患者活動後の心拍数回復を感知、検出又は測定することもできる。
【0041】
1又は2以上のセンサ(例えば、超音波センサ、ソナーセンサ又はカメラなど)は、粒子、粒子密度又は粒子密度の傾向を感知、検出又は計算することもできる。これらのセンサを使用して、整形外科装置の周囲組織を感知し、或いは整形外科装置又は周囲組織の摩耗又は寸法変化を検出することなどができる。超音波センサ及びソナーセンサを使用して、膝の他の部分(又は他の関節)がインプラントにどれほど接近しているかを判断することもできる。
【0042】
1又は2以上のセンサ(例えば、圧電、ひずみゲージ、或いは他の圧力又は耐荷重センサ)は、センサ又は整形外科装置の、或いはその周囲の圧力又は負荷を感知、検出又は計算することもできる。これらのセンサデータを使用して、圧力又は耐荷重の範囲の変化、或いは圧力又は耐荷重の傾向をモニタすることができる。これらのセンサ又はその他のセンサを使用して、整形外科装置又は整形外科装置の周囲の組織に対する衝撃又は影響をモニタすることができる。圧力センサ又は耐荷重センサを使用して、整形外科インプラントの周囲の組織の腫れを検出することもできる。複数の圧力センサ又は耐荷重センサを使用して、(組織の1軸延伸によって示すことができる)屈曲及び(組織の2軸延伸によって示すことができる)腫れを検出することもできる。
【0043】
米国特許出願第15/077809号及び第15/077793号、並びに米国仮特許出願第62/136892号及び第62/136925号には、リハビリテーションをモニタするための(埋め込み型センサの配置を含む)センサ、システム、装置及び方法の例が記載されており、これらの文献は全て引用により本明細書に組み入れられる。センサ及びその使用法のさらなる例は、いずれも2017年2月1日に出願された、「理学療法及びリハビリテーションをモニタするユーザインターフェイスを備えたシステム及び方法(Systems and Methods with User Interfaces for Monitoring Physical Therapy and Rehabilitation)」という名称の米国特許出願第15/422320号、及び「関節の理学療法及びリハビリテーションをモニタするためのシステム及び方法(Systems and Methods for Monitoring Physical Therapy and Rehabilitation of Joints)」という名称の米国特許出願第15/422299号に見出すことができ、これらの文献も引用により本明細書に組み入れられる。
【0044】
センサ102及び任意のセンサプロセッサ104には、以下に限定するわけではないが、1次電池、充電式電池、蓄電コンデンサ又はその他の蓄電装置など、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含むあらゆる好適な電源を用いて電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、患者の身体の動きを利用してコンポーネントの電力を生成し、或いはコンポーネントに結合されたバッテリ、蓄電コンデンサ又は蓄電装置を充電する運動エネルギー電源によって電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、バッテリ、蓄電コンデンサ又はその他の蓄電装置の代わりに(又はこれに加えて)無線電源を使用することもできる。
【0045】
また、バッテリ、蓄電コンデンサ又はその他の蓄電装置を壁コンセントなどの電源から充電するための充電ポートを設けることもできる。これとは別に、又はこれに加えて、無線充電システム及び方法を使用することもできる。いくつかの実施形態では、コンポーネント、又はコンポーネントに関連する蓄電装置に電力を供給する方法は複数存在することができると理解されるであろう。センサ及び任意のセンサプロセッサが全て同じ電源に結合することもでき、或いはセンサの一部(又は全てのセンサ)及びセンサプロセッサが個別の電源を有することもできる。
【0046】
少なくともいくつかの実施形態では、センサ及び任意のセンサプロセッサが、測定、モニタ、又は別様に観察を行うために常時作動することができる。他の実施形態では、1又は2以上のセンサ及び任意のセンサプロセッサが、測定、モニタ、又は別様に観察を行うために(例えば15秒又は30秒、或いは1分、5分、10分、15分又は30分、或いは1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、7時間又は24時間の周期で)定期的に又はランダムに作動することができる。任意に、この周期はプログラム可能とすることができる。また、この周期は、1又は2以上のセンサからのデータに基づいて任意に変更することもできる。さらに他の実施形態では、センサモジュール、患者装置、臨床医装置又はその他の装置が1又は2以上のセンサ及び任意のセンサプロセッサを手動又は自動で作動させることもできる。少なくともいくつかの実施形態では、センサ及び任意のセンサプロセッサが、異なる(連続的な、定期的な、ランダムな又は手動的な)作動スケジュールを有することができる。例えば、温度を測定するセンサは定期的に作動させ、歩数又は関節の動きを測定するセンサは連続的に作動させ、可動域を測定するセンサは、患者がリハビリ運動を行う際にウェアラブル装置、患者装置又は臨床医装置によって手動で作動させることができる。
【0047】
本明細書では、整形外科的膝インプラント又はその他の膝手術を参照しながらシステム及び方法について説明する。以下に限定するわけではないが、指関節、手首関節、肘関節、肩関節、股関節、足首関節又はつま先関節を含む他の関節にも同様のシステム及び方法を使用することができる。これらのシステム及び方法は、限定するわけではないが、靭帯又は骨折手術の治療を含む他の治療に関連するリハビリテーションを含むいずれかの理由で理学療法をモニタするために使用することができる。
【0048】
図3A~
図3Cに、センサユニット322及びベース324を含むウェアラブル装置312の一実施形態を示す。
図3Aに示すように、センサユニット322はベース324から取り外すことができる。
図3B及び
図3Cに示すように、ウェアラブル装置312は患者の皮膚上に配置され、ベース324が皮膚に付着する。
【0049】
ベース324は、可撓性収容シェル326と、磁石328と、温度センサのための任意の開口部330と、任意のタブ332と、シェルの底面334に配置された接着剤と、シェル上に配置された任意の磁石ホルダ336とを含む。センサユニット322をベース324に取り付けると、ベース324の磁石328がセンサユニット322内の同様の磁石354(
図3C)に磁気的に付着する。磁石328、354は、通常の活動、運動及びその他の理学療法中に、患者又は他の人物がベースからセンサユニットを離脱させない限りベース324に対するセンサユニットの付着を維持するように意図される。任意に、磁石ホルダ336は、磁石328(全体又は周辺部のみ)を収めて磁石をシェル326に固着させる。
【0050】
少なくともいくつかの実施形態では、ベース324のシェル326が、通常の活動中又は理学療法的運動中に患者が動いた時に患者の皮膚に付着できるほど十分な可撓性を有する。シェルは、限定するわけではないが、シリコーン又はポリウレタンなどの可撓性プラスチックを含むあらゆる好適な材料で形成することができる。
【0051】
シェル326は、センサユニット322を取り外し可能に把持して、ベース324に対するセンサユニットの付着をさらに維持することもできる。図示の実施形態では、シェル326が収容キャビティ338を構成し、収容キャビティ338の周囲の側壁340と、側壁の周囲のリム342とを有する。動作時には、
図3B及び
図3Cに示すように、シェル326がセンサユニット322の一部を受け入れる。いくつかの実施形態では、側壁340又はリム342を、センサユニット322の一部がキャビティ338内に受け入れられる時に拡張し、受け入れられたセンサユニット322の部分の周辺部をその後に圧迫するように弾性的に柔軟なものとすることができる。ベース324の少なくともリム342又は側壁340(又はこれらの両方)は、付着又は圧迫など、或いはこれらのいずれかの組み合わせによってセンサユニット322を把持する材料で形成されることが好ましい。少なくともいくつかの実施形態では、センサユニット322が、ベース324に対するセンサユニットの付着の維持をさらに容易にする、リム342を受け入れることができる溝390を有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、リム342から側壁340が外向き及び下向きに傾斜して、リムの下方にアンダーカット領域を形成する。同様に、センサユニット322にも、センサユニットとベースとの間の係合の維持をさらに容易にする、ベース324のリム342の下方のアンダーカット内に収まる傾斜したハウジングを形成することができる。これらの磁石(又は、磁石及び磁気的に引き付けられる材料)に加えて、又はその代わりに、他のいずれかの好適なタイプの機械的締結具を用いてセンサユニット322をベース322に固定することもできると認識されるであろう。
【0052】
接着剤は、ベース324に塗布することも、或いは基材の両側に配置されて基材の片側をベース324に付着させる接着剤とすることもできる。接着剤は、耐水性であるとともに汗との接触によって付着性を失わないように選択されることが好ましい。少なくともいくつかの実施形態では、ベース324、又はベース上の接着剤が、接着剤の交換又は再塗布までに通常の使用条件下で少なくとも1日、2日、3日、5日、7日、10日間、或いは2週間、3週間、4週間又はそれ以上にわたって使用されるように意図される。少なくともいくつかの実施形態では、接着剤が、ユーザがシャワーを浴びる際にも皮膚への付着を維持するように選択される。少なくともいくつかの実施形態では、接着剤が、ユーザが入浴する際、プールで泳ぐ際、或いはジャグジー、温水浴槽又はリハビリプール内で座る際にも皮膚への付着を維持するように選択される。
【0053】
任意に、ベース324は、シェル326に対するいずれかの好適な位置に配置されたタブ332を含む。タブ332は、タブ332をつまんで押し引きしてシェル326を変形させてセンサユニットを解放することによって、ベース324からのセンサユニット322の取り外しを容易にすることができる。センサユニット322を離脱させるためのタブ332の操作は、患者の皮膚に対するベース324の付着を維持しながら実行できることが好ましい。いくつかの実施形態では、タブ332の操作によって、センサユニット322とベース324との係合を容易にすることもできる。
【0054】
図4A~
図4Cには、センサユニット322の一実施形態を示す。図示のセンサユニット322は、上側ハウジング350と、下側ハウジング352と、磁石354と、電子機器アセンブリ356と、電源358と、発光装置360と、接着剤362、364とを含む。また、いくつかの実施形態では、
図4Dに示すように、上側ハウジング350が、メインハウジング366と把持要素368とを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサユニット322が、
図4A~
図4Dに示すコンポーネントよりも多くの又は少ないコンポーネントを含むことができる。
【0055】
上側ハウジング350及び下側ハウジング352は、少なくとも電子機器アセンブリ356と電源358とが内部に存在するキャビティを形成する。上側ハウジング350及び下側ハウジング352は、金属又はプラスチック材料(好ましくは、剛性プラスチック材料)、或いはこれらのいずれかの組み合わせなどのあらゆる好適な材料で形成することができる。少なくともいくつかの実施形態では、上側ハウジング350及び下側ハウジング352、並びに上側ハウジングと下側ハウジングとの接合部が、水、汗、雨及びその他の流体がハウジング内に侵入するのを抑えるように耐水性である。少なくともいくつかの実施形態では、センサユニット322が、患者がセンサユニットを覆わずにシャワーを浴びることができるほど十分な耐水性を有する。少なくともいくつかの実施形態では、センサユニット322が、患者がセンサユニットを覆わずに入浴したり又は泳いだりできるほど十分な耐水性を有する。
【0056】
任意の把持要素368は、把持要素の少なくとも一部に粗面又は別様な非平滑面を有することができる。この非平滑面は、特にセンサユニットをベース324に対して係合/離脱させるためのセンサユニット322の把持を容易にする。図示の実施形態では、把持要素368が、メインハウジング366にオーバモールド、接着又は別様に取り付けられた独立要素である。把持要素368は、シリコーン又はポリウレタンなどの、メインハウジング366よりも高可撓性の異なる材料で形成することができる。他の実施形態では、把持要素368が、メインハウジングの表面の少なくとも一部を粗面化又は別様に非平滑化することによってメインハウジング366の一部として形成される。
【0057】
磁石354は、ベース324の磁石328に磁気的に結合するように配置される。いくつかの実施形態では、磁石354、328の一方を磁気的に引き付けられる材料に置き換え、この材料が他方の磁石354、328に結合して、ベース324をセンサユニット322に磁気的に結合することができる。図示の実施形態では、磁石354が、基材の両側に配置された接着剤層又は接着剤とすることができる接着剤364によって下側ハウジングに取り付けられる。他の実施形態では、磁石354を他のいずれかの好適な方法によって下側ハウジング352に取り付けることができ、或いは上側ハウジング350と下側ハウジング352とによって形成されるキャビティ内に配置することができる。
【0058】
電源358は、あらゆる好適な電源とすることができる。例えば、電源358は、通常の使用条件下で少なくとも7日、10日、20日、30日、60日、90日、100日、70日、180日又はこれを上回る予想寿命を有することができる1次電池(例えば、バッテリ)とすることができる。いくつかの実施形態では、1次電池を交換可能とすることができる。いくつかの実施形態では、電源358を、例えば再充電ポート又は誘導性再充電装置(誘導マット又はスリーブなど)を用いて、或いはWiFi、超音波充電、又は他のいずれかの好適な再充電方法を用いて再充電することができる。いくつかの実施形態では、1次電池(例えば、バッテリ)を、ベース324の磁石328が磁気的に結合できる磁気的吸引材料とすることができる。
【0059】
電子機器アセンブリ356は、センサユニット322の動作に適したあらゆるコンポーネントを含むことができる。図示の実施形態では、電子機器アセンブリ356が、回路基板368と、センサプロセッサ304と、温度センサ370と、加速度計372と、少なくとも1つのLED374と、通信装置376と、磁気スイッチ378とを含む。回路基板368は、接着剤362によって下側ハウジング352に結合することができる。回路基板又は他のコンポーネントは、他の接着剤(図示せず)によって上側ハウジング350に結合することもできる。
【0060】
センサプロセッサ304は、上述したセンサプロセッサ104と同様のものとすることができ、センサプロセッサ104よりも多くの又は少ない能力を有することができる。いくつかの実施形態では、センサプロセッサ304が、センサデータの分析又は部分的な分析を行うための分析アルゴリズムを含むことができる。他の実施形態では、センサプロセッサ304を、主にセンサデータの受信、記憶及び送信を行うように設計することができる。
【0061】
図示のセンサユニット322は、温度センサ370及び加速度計372を含むが、上述したように、他の実施形態は、さらに多くの又は異なるセンサをあらゆる好適な組み合わせで含むことができる。図示の実施形態では、温度センサ370が、回路基板368から離れて下側ハウジング352の開口部366を通じて延びるサーミスタである。センサユニット322がベース324に係合すると、温度センサ370の一部がベース324の開口部330を通じて延びることにより、温度センサ370が患者の皮膚に曝されて患者の皮膚に接触できるようになる。
【0062】
上述したように、通信装置376は、センサプロセッサ304と共に動作して、患者装置又は臨床医装置、或いは他の装置と通信する。以下に限定するわけではないが、WiFi、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信、赤外線、無線周波数、音響、光学などを含むあらゆる好適な通信方法又はプロトコルを使用することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、電子機器アセンブリ356が、ベース324の磁石328の付近に配置された時に作動してセンサユニット322を作動モードに入れるようにセンサプロセッサ304に結合された、リードスイッチ(reed switch)などの磁気スイッチ378も含む。少なくともいくつかの実施形態では、ベース324からセンサユニット322を取り外すと、磁気スイッチが作動してセンサを非作動モード又は待機モードに入れる。これとは別に、又はこれに加えて、センサユニット322は、センサを作動モード、或いは非作動モード又は待機モードに入れるための、或いはモードを切り換えるための、或いはセンサユニットをオン又はオフにするための、ボタン、機械スイッチ又はその他の機構を含むこともできる。また、これとは別に、又はこれに加えて、センサユニット322は、患者装置又は臨床医装置、或いはセンサユニット322と通信する他の装置からの信号を用いてこれらのモードのうちの1つに設定する(又はモードを切り換える)こともできる。少なくともいくつかの実施形態では、センサユニット322が、非作動モード又は待機モードにおいて(患者装置又は臨床医装置などの)外部ソースから信号を受け取り続けることができる。少なくともいくつかの実施形態では、センサユニット322が、非作動モード又は待機モードにおいて内部クロックも維持する。
【0064】
少なくとも1つのLED374は、発光装置360に結合されて発光装置に光を供給する。少なくともいくつかの実施形態では、発光装置360が、発光体380と、LED(単複の)から発光体に光を導く光導体382とを含む。発光装置360は、ユーザ又は患者に装置の動作指標を提供する。例えば、センサユニット322が動作している時又は作動モードにある時には発光装置360が点灯することができる。いくつかの実施形態では、発光装置が発光する光の色が、現在センサユニットが入っているモード(作動又は非作動/待機)、或いはセンサユニットが実行している動作(例えば、送信、感知、非感知、或いは患者装置又は臨床医装置との同期など)を示すことができる。いくつかの実施形態では、色の代わりに、又は色に加えて、光の点滅又は光の輝度を用いてモード又は動作を示すこともできる。一例として、青色光の点滅は患者装置又は臨床医装置との同期を示し、緑色光は作動モードを示し、光っていない時には非作動/待機モードを示すことができる。
【0065】
米国特許出願第15/077809号及び第15/077793号、並びに米国許仮出願第62/136892号及び第62/136925号には、本明細書で説明するウェアラブル装置及びセンサユニットに組み込むことができるさらなる特徴及び装置が記載されており、これらの文献は全て引用により本明細書に組み入れられる。
【0066】
いくつかの実施形態では、第2のセンサユニットを使用することができる。例えば、第2のセンサユニットは、同じ脚上の関節の反対側上又は反対側内に配置することができる。別の例として、第2のセンサユニットは、跛行又はその他の歩行障害の検出又は観察で使用できるように他方の脚に配置することも、或いは体の向きを検出又は観察できるように胴体に配置することもできる。また、例えば複数の関節又は椎骨置換物を含む2又は3以上の置換物が体内に埋め込まれている時に第2のセンサユニット(又はさらなるセンサユニット)を使用して、例えば亜脱臼、姿勢の変化又は不備、或いは脊椎側弯などを検出又は観察することもできる。
【0067】
これらの2つのセンサユニットは、任意に互いに通信又は同期することができる。少なくともいくつかの実施形態では、2つのセンサユニットが互いに同期して、それぞれが空間内のどこに存在するか、並びに距離及び配向の観点から互いの位置を知ることができる。一例として、2つのセンサユニットは、患者装置又は臨床医装置を使用して自機の位置を三角測量することができる。少なくともいくつかの実施形態では、一方のセンサユニットがそのベースから置換又は除去された場合、患者装置又は他方のセンサユニットに通知が行われる。センサユニットが再びベースに取り付けられ、又は新たなセンサユニットがベースに取り付けられると、システムは、他方のセンサユニットに対する新たなセンサユニットの位置又は距離を求めることができる。
【0068】
2つのセンサユニット内のセンサは、屈曲角、可動域の測定、ベクトル、角度、光線、平面又は距離の計算などを行うために使用することができる。2つのセンサユニット上の温度センサは、身体の2つの部分間の温度差を求めるために使用することができる。2つのセンサユニットのセンサは、理学療法又はリハビリテーション中に患者が可動域の動きの限界を超えている場合に患者に信号を送信するために使用できる角度又はその他の情報を計算するために使用することができる。
【0069】
図5~
図16は、患者装置又は臨床医装置のアプリケーション又はユーザインターフェイスの一実施形態のスクリーンショットである。図示のアプリケーション又はユーザインターフェイスは、スマートホン又はタブレットなどのモバイル装置にとって特に有用であるが、デスクトップ又はラップトップコンピュータなどの他の装置と共に使用することもできる。
図5には、アプリケーション又はユーザインターフェイスの患者又は臨床医プロファイルの一実施形態を示す。このページの要素は、以下に限定するわけではないが、患者又は臨床医情報、ウェアラブル装置を患者装置又は臨床医装置と同期又は別様に結合できるように、ウェアラブル装置の識別番号又はその他の識別情報を入力するためのコントロール、パスワードを入力する又は変更し、或いはアプリケーション設定への入力又はアクセスを行うためのコントロール、較正プログラムにアクセスしてウェアラブル装置を較正するためのコントロール、或いは1又は2以上の他の特徴又はページにアクセスするためのコントロールなどを含むことができる。この又は別のページに提示できる他の情報は、以下に限定するわけではないが、アカウント作成又はアカウントログインのためのコントロール、或いはウェアラブル装置のステータスの指示、又はヘルプ情報、FAQ、患者の皮膚にウェアラブル装置を適用する方法、手術創のケア方法、特定の運動の実行方法、或いはウェアラブル装置のプログラム又は操作方法に関する指示を行うための写真、ビデオ又はテキストにアクセスするためのコントロールを含むことができる。
【0070】
図6には、部分592に示すような1日当たりの歩数(又は運動の反復回数など)及び温度測定値などの情報を提供するユーザインターフェイス又はアプリケーションの別のページを示す。
図6に示すように、ユーザインターフェイス590は、毎時歩数などのデータのグラフを示す部分594を含むこともできる。図示のユーザインターフェイスでは、ユーザが、(「ROM」として表される)運動履歴、温度又は温度傾向、及びセンサモジュールへの影響又は衝撃回数などの他のチャートから選択を行うこともできる。上述したセンサからの他の測定値又は観察結果をグラフ化することもできると理解されるであろう。少なくともいくつかの実施形態では、ユーザが、例えば分、時間、日又は週などの、グラフのデータ表示期間を選択することもできる。
【0071】
このユーザインターフェイスは、患者の活動及び進展をモニタする上で有用となり得る。部分594のグラフは、患者の運動履歴及び進展を示すために有用となり得る。いくつかの実施形態では、ユーザが、このユーザインターフェイスによって、例えば特定の期間(例えば、1時間、2時間、4時間、6時間又は7時間、或いは1日又は1週間)にわたる歩数又は運動の反復回数などの目標を設定することができる。ユーザインターフェイスは、これらの目標の達成に向けた現在の状況を表示することもできる。ユーザインターフェイスは、例えば最大歩数又は最大運動反復回数、温度読み取り値の上昇、影響又は衝撃回数の増大などの重要な事象を強調表示することもできる。ユーザインターフェイスは、目標の達成を強調表示することもできる。
【0072】
図7には、リハビリテーション又は理学療法をモニタするために追跡できる特定の患者測定値に関連する情報を表示するユーザインターフェイス又はアプリケーションの別のページを示す。図示のページでは、患者測定値が、患者の膝に関する屈曲及び伸展である。これらの患者測定値は、限定するわけではないが、屈曲及び伸展などの可動域測定値を含むことができる。このページは、これら測定の進展を追跡するチャート596も示す。進展は、毎時、毎日、毎週、又は他のいずれか期間にわたって追跡することができる。いくつかの実施形態では、ユーザが、チャートに示される期間をユーザインターフェイス又はアプリケーションによって選択又は変更することができる。
図7のページは、運動完了の割合、皮膚温又は歩数などの他の測定に関する情報も提供する。
【0073】
図8には、ユーザインターフェイス又はアプリケーションに特定の測定値を計算し又は別様に求めるように指示することができる別のページを示す。図示の例では、測定値が大腿骨角度である。
【0074】
図9には、ユーザインターフェイス又はアプリケーションが日々の運動プログラムを追跡する別のページを示す。図示の実施形態では、運動が、座位持ち上げ、ヒールスライド(股関節及び膝の屈曲)、下肢伸展拳上及びニートゥチェストである。他の運動としては、以下に限定するわけではないが、立位リフト、足首ポンプ、足首サークル、大腿スクイーズ(四頭筋セット)、臥位キック(短弧四頭筋)、膝曲げ(座位膝屈曲)、長時間膝ストレッチ、座位キック(長弧四頭筋)、膝伸展ストレッチ、膝ダングリング/揺動、ハムストリングセット(ヒールディグ)、臀部スクイーズ(臀部セット)、又はウォーキングなどを挙げることができる。これらの運動は、膝のリハビリテーションを対象とするものである。当然ながら、他の関節又は身体領域のリハビリテーション又は理学療法は、異なる運動セットを含むことができる。また、このページは、患者が実行すべき各反復セット(この場合は3セット)の完了率も示す。
【0075】
図10には、1つの運動を含むさらに別のページを示す。このページは、運動(この例では、屈曲及び伸展)に関連する現在の測定値を示す。このページは、運動の実行方法も示し、患者が運動の開始を指示するためのコントロールを含むことができる。いくつかの実施形態では、このページが、患者が運動を行う際の反復回数(又は反復目標を達成するためにさらに必要な反復回数)を指示することもできる。このページは、運動に基づく患者測定値(例えば、最新の反復の現在の測定値、現在の反復セットの平均測定値、又は反復セットの最大測定値)、及び測定値目標を示すこともできる。このページは、運動目標のどの部分が満たされたかを示すバーなどを含むメータを含むこともできる。(バーなどの)指示は、可動域又はその他の治療目標のどの部分が満たされたかを示すこともできる。いくつかの実施形態では、このページが、患者の意欲を引き起こすために可動域目標までの平均患者時間などを表示することもできる。
【0076】
図11には、患者に運動の実行方法を示すことができるビデオにアクセスするためのコントロールを含むページを示す。
図12には、患者が運動実行のリマインダを設定することができるページを示す。患者は、リマインダの時間を設定できるとともに、患者に指定時間に運動するようにリマインドする視覚的又は聴覚的アラームを設定することもできる。
【0077】
図13には、患者の理学療法又はリハビリテーションがどれほど進展したかを表示するページを示す。この表示に含まれる距離及びマイルストンは、リハビリテーションの時間(例えば、日又は週)、最終的な身体測定目標に向けた身体測定値(例えば、屈曲又は伸展)、完了した反復の回数、或いは運動目標に向けた1又は2以上の運動の完了などに基づくことができる。
図13に示すように、このページは、(
図7と同様の)測定値のグラフ又は反復回数、或いは他のいずれかの関連情報のグラフを含むこともできる。
【0078】
図14には、運動又はその他の目標を完了した患者数又はその割合、特定の可動域又はその他の測定値目標を達した患者数又はその割合などの、患者群に関する情報を表示する臨床医装置のページを示す。
【0079】
図15には、患者についての設定を入力又は変更できる患者装置又は臨床医装置のページを示す。このような設定は、例えばどの運動を実行すべきであるか、各運動の反復回数、各運動の1日の反復セット数、1日の歩数を含むことができる。このページは、これらの設定の変更を許可するためのコントロールを含むことができる。また、
図15に示すように、これらの設定を特定のリハビリテーション又は理学療法段階に関連付けることもできる。このページでは、異なる段階を切り換えて、その段階の設定の確認、入力又は変更を行うことができる。患者装置又は臨床医装置の別のページは、患者が達成した実際の結果を表示して、その患者の入力された設定又は目標と比較することができる。
【0080】
図22に、患者によって要求された情報を表示する方法の一実施形態を示す。ステップ2202において、患者装置が、運動又はその他の情報を表示するための入力を患者から受け取る。ステップ2204において、要求された情報を患者装置が表示する。例えば、要求される情報は、ユーザによる作動時にユーザが運動を実行していることを示す運動のグラフィック表現及びユーザコントロールとすることができる。
図10に、このような要求される情報の一例を示す。要求される情報は、実行中の運動の反復回数、又は一定期間にわたって行われた各運動の反復回数を示す複数の運動の要約とすることができる。
図7、
図9、
図13及び
図14に、このような要求される情報の例を示す。要求される情報は、可動域測定の進展レポート、又は一定期間にわたって取得された可動域測定値のグラフとすることもできる。
図7、
図13及び
図14に、このような要求される情報の例を示す。要求される情報は、例えば
図13に示すような、可動域測定値の目標に向けた患者の現在の進展を示す、その目標まで道筋の表現とすることもできる。
【0081】
図16には、患者装置又はその他の装置のカメラを使用して患者の膝又はその他の創傷部位又は理学療法部位の写真又はビデオを撮るように患者に指示する別のページを示す。このページは、写真又はビデオの構成方法をユーザに指示することができる。少なくともいくつかの実施形態では、これらの写真又はビデオを、ネットワーク(
図1を参照)を介して又は他の方法によって臨床医装置又はその他の装置に送信することができる。臨床医は、これらの写真又はビデオを使用して創傷部位又は理学療法部位を評価することができる。いくつかの実施形態では、患者装置が、運動実行中の患者のビデオを撮るように要求することができる。このビデオを患者装置又は臨床医装置に提供して、運動成果の評価又は観察を行うことができる。例えば、臨床医は、患者が正しく運動を行っているかどうかを評価し、或いは運動の観察によって理学療法又はリハビリテーションの進展を評価することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、患者装置が、写真又はビデオを使用して膝の色素分析又はその他の創傷分析を実行するように構成されて準備される。例えば、患者装置は、創傷部位の皮膚色素を創傷部位近くの皮膚色素と比較して、感染(例えば、表在性創傷感染又は深部創傷感染)、発疹、変色又はその他の問題を識別することができる。少なくともいくつかの実施形態では、色素分析又はその他の創傷分析を皮膚温情報と組み合わせて、感染(例えば、表在性創傷感染又は深部創傷感染)、発疹、変色又はその他の問題を評価することができる。分析によって潜在的又は実際的な問題が示された場合、患者装置は、患者に視覚的又は聴覚的警告を与えて臨床医装置に警告を送信することもできる。他の実施形態では、患者装置の代わりに(又は患者装置に加えて)、臨床医装置又はその他の装置が(皮膚温情報の有無にかかわらず)色素分析又はその他の創傷分析を実行することもできる。患者装置又は臨床医装置は、写真又はビデオを評価するためのホワイトバランス又は光補正アルゴリズムを含むことができる。患者装置は、写真又はビデオの光及びその他の側面の較正を容易にする較正ツールを含むこともできる。
【0083】
いくつかの実施形態では、患者装置が、写真又はビデオを撮る代わりに、又はこれに加えて、患者が見るためにカメラを向けている領域を表示することもできる。この表示領域、或いは写真又はビデオは、患者の解剖学的構造に対応する線又は図形をオーバーレイ表示するように変更することができる。これらの線又は図形は、患者の脚又はその他の身体部分が動くにつれて移動することができる。いくつかの実施形態では、移動中に屈曲又は伸展、或いはその他の可動域測定値などの患者測定値を計算して患者装置に表示し、患者の四肢が動くにつれて変化させることができる。
【0084】
図20に、患者の部位の写真又はビデオ撮影方法の一実施形態を示す。ステップ2002において、患者装置(或いは、臨床医装置、その他の装置又は人物)が、患者に(理学療法部位、手術部位又は創傷部位などの)部位の写真又はビデオを撮るように指示する。ステップ2004において、患者が、患者装置のカメラ(又は別の装置のカメラ)を用いて写真又はビデオを撮影して保存する。いくつかの実施形態では、任意のステップ2006において、写真又はビデオを臨床医装置又はその他の装置に送信する。ステップ2008において、写真又はビデオの分析を実行することができる。分析は、患者装置、臨床医装置又は他のいずれかの好適な装置が実行することができる。例えば、色素分析、或いは運動又は可動域測定に関する分析を実行することができる。いくつかの実施形態では、分析に基づいて、写真又はビデオに線又は角度などのグラフィック表示を重ね合わせることができる。
【0085】
患者装置、ユーザインターフェイス又はアプリケーションは、他の特徴を含むこともできる。例えば、患者装置、ユーザインターフェイス又はアプリケーションは、患者が自身の病院での体験、リハビリ中の体験、リハビリ過程中に患者料金をどのように関連付けたか、或いはウェアラブル装置又はその他の治療面を家族又は友人に推奨するかどうか、などに関する情報又は評価を入力するためのコントロールを含むことができる。患者装置、ユーザインターフェイス又はアプリケーションは、痛み又はその他の臨床面に関する評価を入力するためのコントロールを含むこともできる。例えば、患者は、装置に設けられたスケールに基づいて疼痛スコアを入力することができる。患者、臨床医又は他の人物が入力できる他のスコアは、Knee Societyスコア、New Knee Scietyスコア、他の学会のスコア、KOSS又はPROM(患者報告転帰尺度(patient reported outcome measurements))、オックスフォード膝スコア又はWomackなどのスコア、或いは他のいずれかの好適なスコア又は評定に基づくことができる。
【0086】
図21に、疼痛スコアを入力する方法の一実施形態を示す。ステップ2102において、患者装置が、ユーザに疼痛スコアを入力するように指示して疼痛スコアを受け取る。ステップ2104において、疼痛スコアを臨床医装置又はその他の装置に送信する。
【0087】
患者装置、ユーザインターフェイス又はアプリケーションは、友人の追加、友人ネットワークの形成、友人へのメッセージ送信、友人又は他の人物への進展状況の更新又はその他の運動情報の送信などのためのコントロールを含むことができる。友人の何人かは他の患者であるかもしれず、患者装置、ユーザインターフェイス、又はアプリケーションは、友人との進展の比較を表示し、友人への挑戦状の発行を可能にし、友人に激励を送信するためのコントロール、或いはその他の社会的コントロール又は相互作用機能を提供することができる。また、患者の家族、友人及び同僚が別のアプリケーションを利用できるようにすることもできる。このアプリケーションは、ユーザが患者に激励又はメッセージを送信できるようにするとともに、患者が許可した進展状況の更新又はその他の運動情報を表示することもできる。これらのアプリケーション及び機能は、理学療法又はリハビリテーションの目標及び目的に対する努力を継続するように患者を励ますのに役立つことができる。
【0088】
図23は、友人を理学療法に含める方法の一実施形態を示す。ステップ2302において、患者装置に1人又は2人以上の友人を入力するように患者に指示する。ステップ2304において、1人又は2人以上の友人に接続メッセージを送信してこれらの友人を患者の友人ネットワークに接続する。ステップ2306において、患者が1人又は2人以上の友人のうちの少なくとも1人から激励メッセージを受け取る。任意のステップ2308において、患者が、1人又は2人以上の友人のうちの少なくとも1人にメッセージ、挑戦状又は進展レポートを送信する。進展レポートは、例えば患者による少なくとも1つの理学療法目標に向けた進展の指標、患者による少なくとも1つの理学療法運動の成果の指標、或いは1人又は2人以上の友人のうちの少なくとも1人による少なくとも1つの理学療法運動の成果の指標など、又はこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0089】
図17に、コンピュータ又はウェブインターフェイスに適することができるユーザインターフェイス1390を示す。図示のユーザインターフェイスは、温度測定値692a、歩数測定値692b、可動域検査692c、特定の運動及び検査692d、並びに有害事象692eの結果を表示する領域692を含む。これらの結果は、数値情報及び図形情報を含むことができる。これらの結果は、運動実行の成功度を図形的又は数値的に示す(例えば、領域692dを参照)とともに、(行われた運動反復回数などの)リハビリテーション活動の順守度合いを示すこともできる。このような情報の配置は、患者の進展のモニタリング、進展又は進展不足の識別、(温度の上昇、或いは衝撃又は影響回数の増加などの)懸念事項の識別などを容易にすることができる。
【0090】
ユーザインターフェイスの1又は2以上のページに表示できる他の情報は、ベースライン及び一定期間にわたる進展を含むあらゆる好適な患者リハビリテーション進展データを含むことができる。例えば、この情報は、座位レッグリフト、ヒールスライド、立位リフト、腹臥位リフトなどの運動のベースライン可動域情報を含むことができる。この情報は、これらの運動の現在の可動域情報を含むこともできる。この情報は、以下に限定するわけではないが、術前及び術後の平均歩調、最大歩調、ストライド角、並びにウォーキング、自転車こぎ、ランニング又は座位活動に費やした時間を含む歩行分析情報を含むこともできる。さらなる情報は、皮膚温、環境温及び温度傾向を含むことができる。ユーザインターフェイスは、患者が転倒した回数又は頻度、或いは他の重要な事象に関する情報を提供することもできる。ユーザインターフェイスは、ベースライン活動、現在の活動、手術後又は理学療法後の一般的活動などを評価するために、ウェアラブル装置又は患者装置のGPS読み取り値からの情報を提供することもできる。
【0091】
臨床医装置のユーザインターフェイスを使用して、院内可動域検査を行うこともできる。臨床医装置又は患者装置を使用して、可動域運動のビデオを作成することもできる。
【0092】
図18に、臨床医が複数の患者をモニタするためのユーザインターフェイス790を示す。領域792は、患者名、手術日、センサデータ及び検査結果792a、有害事象の回数、並びに整形外科インプラントの位置などの情報を含む。臨床医は、手術回数794、リハビリテーション成功率796、及び総手術回数(例えば、総膝関節置換回数)、特定のリハビリテーション転帰に達するまでの平均時間(例えば、指定可動域に達するまでの平均時間)などの他の好適な情報を追跡することもできる。
【0093】
図19に、臨床医が患者をモニタするための別のユーザインターフェイスを示す。領域892は、患者名、性別、手術日、術後日数、測定温度又はその傾向、可動域測定値、活動、歩数、重要な事象、埋め込み部位及びウェアラブル装置の状態などの情報を含む。臨床医は、リハビリテーションの成功回数894、ある患者群について時間と共に達成された可動域896、及びその他の好適な情報を追跡することもできる。個々の患者記録898へのアクセス、患者アラート899へのアクセスのためのコントロールを設けることもできる。
【0094】
少なくともいくつかの実施形態では、本明細書で説明したアプリケーション又はユーザインターフェイスを、患者装置又は臨床医装置がコンテンツプロバイダのサーバにアクセスする際にアクセスできるウェブ又はアプリケーションインターフェイスとすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、サーバ又は他のサーバ、或いはメモリ記憶装置が、ウェブインターフェイスのための情報を記憶するとともに、患者識別データ、センサデータ、又はセンサデータから導出された情報、患者又は臨床医のコメントなど、或いはその他のいずれかの好適なデータを含む患者固有の情報を記憶することもできる。少なくともいくつかの実施形態では、患者固有の情報に、患者装置、臨床医装置又はその他の装置からアクセスすることができ、いくつかの実施形態では、情報にアクセスするために認証情報(例えば、ユーザ名又はパスワード、或いはこれらの両方)の提供を必要とすることもできる。
【0095】
理学療法、リハビリテーション、又は患者の状態に関する情報を計算又は別様に決定するさらなるユーザインターフェイス及び方法は、いずれも2017年2月1日に出願された、「理学療法及びリハビリテーションをモニタするユーザインターフェイスを備えたシステム及び方法(Systems and Methods with User Interfaces for Monitoring Physical Therapy and Rehabilitation)」という名称の米国特許出願第15/422320号、及び「関節の理学療法及びリハビリテーションをモニタするためのシステム及び方法(Systems and Methods for Monitoring Physical Therapy and Rehabilitation of Joints)」という名称の米国特許出願第15/422299号に記載されており、これらの文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0096】
本明細書で説明した方法及びシステムは、多くの異なる形で具体化することができ、本明細書に示した実施形態に限定されると解釈すべきはない。従って、本明細書で説明した方法及びシステムは、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの側面を組み合わせた実施形態の形をとることができる。本明細書で参照したシステムは、典型的にはメモリを含み、典型的にはモバイル装置を含む他の装置との通信方法を含む。通信方法は、有線通信方法と無線(例えば、RF、光、又は赤外線)通信方法の両方を含むことができ、このような方法は、別のタイプのコンピュータ可読媒体、すなわち通信媒体を提供する。有線通信は、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバ又は導波管など、或いはこれらのいずれかの組み合わせを介した通信を含むことができる。無線通信は、RF、赤外線、音響、近距離無線通信又はBluetooth(登録商標)など、或いはこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0097】
本明細書に開示したフローチャート図の各ブロック、並びにフローチャート図及び方法のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装することができると理解されるであろう。これらのプログラム命令をプロセッサに与えて機械を生産することで、このプロセッサ上で実行される命令により、本明細書に開示したフロー図の1又は複数のフローチャートブロックに示す動作を実行する手段が生み出されるようにすることができる。これらのコンピュータプログラム命令をプロセッサが実行して、このプロセッサによって実行される一連の動作ステップがコンピュータ実行プロセスを生み出すようにすることができる。これらのコンピュータプログラム命令は、動作ステップの少なくともいくつかが同時に実行されるようにすることもできる。さらに、ステップのいくつかを、マルチプロセッサコンピュータシステムで行われるような形で複数のプロセッサにわたって実行することもできる。また、1又は2以上のプロセスを他のプロセスと同時に、或いは本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、図示の順序とは異なる順序で実行することもできる。
【0098】
コンピュータプログラム命令は、以下に限定するわけではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(「DVD」)又はその他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又はその他の磁気記憶装置、或いは所望の情報を記憶するために使用できるとともにコンピュータ装置がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むあらゆる好適なコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。
【0099】
上記の明細書は、本発明の製造及び使用を説明したものである。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の多くの実施形態を構成することができ、従って本発明は、以下に添付する特許請求の範囲に従う。
【符号の説明】
【0100】
312 ウェアラブル装置
322 センサユニット
324 ベース
326 可撓性収容シェル
328 磁石
330 開口部
332 タブ
334 シェルの底面
336 磁石ホルダ
338 収容キャビティ
340 側壁