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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】位置算出システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20220506BHJP
   B66B 7/02 20060101ALN20220506BHJP
【FI】
B66B7/00 M
B66B7/02 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020129140
(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2022025936
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2020-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 佳延
(72)【発明者】
【氏名】高草木 康史
(72)【発明者】
【氏名】高村 尚宏
(72)【発明者】
【氏名】石山 寛享
(72)【発明者】
【氏名】丸山 裕
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/075671(WO,A1)
【文献】特開2019-189378(JP,A)
【文献】特開2020-83639(JP,A)
【文献】特開2007-261794(JP,A)
【文献】特開2017-26488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00
B66B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ昇降路の上下方向にレーザ可視光を照射し、ターゲットで反射した反射光を受光して、前記ターゲットまでの第1距離を測定する2つ以上の発光台と、
前記発光台から照射されるレーザ可視光を反射させる前記ターゲットが設けられる支持体と、
前記支持体に取り付けられ、前記ターゲットに投影された前記レーザ可視光を撮像して、前記レーザ可視光の重心位置を測定する撮像部と、
前記支持体の上面に設けられ、前記エレベータ昇降路に対して水平方向にレーザ可視光を照射して、前記エレベータ昇降路内にレーザ墨出し線を描画するレーザ照射器と、
前記支持体の上面の所定位置に設けられ、前記所定位置から、前記レーザ墨出し線の描画位置までの第2距離を計測する距離センサと、
前記距離センサによる前記第2距離の計測結果、前記発光台による前記第1距離の測定結果、および前記撮像部による前記レーザ可視光の重心位置の測定結果に基づいて、前記エレベータ昇降路内における前記レーザ墨出し線の三次元の位置を算出する算出部と、
を備える位置算出システム。
【請求項2】
前記レーザ墨出し線の三次元の位置に従って、前記エレベータ昇降路内の実空間に対して、当該エレベータ昇降路内に設置するエレベータ機材を仮想現実によって重ね合わせる表示部、をさらに備える請求項1に記載の位置算出システム。
【請求項3】
前記レーザ墨出し線を検出するロボットビジョンと、
前記ロボットビジョンによる前記レーザ墨出し線の検出結果と、当該レーザ墨出し線の三次元の位置と、に基づいて、前記エレベータ昇降路内にエレベータ機材を設置する自動機器と、
をさらに備える請求項1または2に記載の位置算出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、位置算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータ昇降路内に昇降路用品(エレベータ機材の一例)を取り付けるために、レーザ照射器から、エレベータ昇降路に対してレーザ可視光を照射することによって、エレベータ昇降路内の壁面や、天井面、ピット面に、レーザ墨出し線を描く技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-189378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エレベータ昇降路内の壁面等は、建屋の設計寸法から大きく外れて施工されており、レーザ可視光の光投影面に対するレーザ墨出し線の描画精度が低い場合がある。そのため、エレベータ昇降路内におけるレーザ墨出し線の描画位置を算出する場合、スケールを用いて、レーザ墨出し線の描画位置を計測しなければならず、人手による作業が必要となっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の位置算出システムは、2つ以上の発光台と、支持体と、撮像部と、レーザ照射器と、距離センサと、算出部と、を備える。発光台は、エレベータ昇降路の上下方向にレーザ可視光を照射し、ターゲットで反射した反射光を受光して、ターゲットまでの第1距離を測定する。支持体は、発光台から照射されるレーザ可視光を反射させるターゲットが設けられる。撮像部は、支持体に取り付けられ、ターゲットに投影されたレーザ可視光を撮像して、レーザ可視光の重心位置を測定する。レーザ照射器は、支持体の上面に設けられ、エレベータ昇降路に対して水平方向にレーザ可視光を照射して、エレベータ昇降路内にレーザ墨出し線を描画する。距離センサは、支持体の上面の所定位置に設けられ、所定位置から、レーザ墨出し線の描画位置までの第2距離を計測する。算出部は、距離センサによる第2距離の計測結果、発光台による第1距離の測定結果、および撮像部によるレーザ可視光の重心位置の測定結果に基づいて、エレベータ昇降路内におけるレーザ墨出し線の三次元の位置を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第1工程の一例を説明するための図である。
図2図2は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第2工程の一例を説明するための図である。
図3図3は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第3工程の一例を説明するための図である。
図4図4は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第4工程の一例を説明するための図である。
図5図5は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第5工程の一例を説明するための図である。
図6図6は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第6工程の一例を説明するための図である。
図7図7は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第7工程の一例を説明するための図である。
図8図8は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第8工程の一例を説明するための図である。
図9図9は、図8に示すレーザ距離計を取り付けた三脚の側面図の一例である。
図10図10は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第9工程の一例を説明するための図である。
図11図11は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第10工程の一例を説明するための図である。
図12図12は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第11工程の一例を説明するための図である。
図13図13は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第11工程の他の例を説明するための図である。
図14図14は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第12工程の一例を説明するための図である。
図15図15は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の一例を説明するための図である。
図16図16は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第12工程の他の例を説明するための図である。
図17図17は、第2実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる位置算出システムの一例について説明する。エレベータ昇降路の縦断面および横断面を示す図において、実線はBIM(Building Information Modeling)を示している。図示しないが、エレベータ昇降路の壁面は、BIMに対して若干の凹凸や歪みを有している。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第1工程の一例を説明するための図である。図1において、(a)はエレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面である。まず、図1を用いて、本実施形態にかかるレーザ照射ユニット1について説明する。
【0009】
レーザ照射ユニット1は、図1に示すように、一方のレーザ照射器3aと、他方のレーザ照射器3bと、各レーザ照射器3a,3bを垂直軸回りに回転自在に設けた回転台5と、各回転台5を支持する支持体7と、を備えている。
【0010】
レーザ照射ユニット1は、支持体7上に間隔をあけて回転台5を設けてあり、各回転台5にはそれぞれ対応するレーザ照射器3a,3bが載置されている。各レーザ照射器3a,3bは、第1垂直レーザ可視光2aと、第2垂直レーザ可視光2d(図5参照)と、水平レーザ可視光2bと、マーキング用直下レーザ可視光2c(図2参照)を照射する。マーキング用直下レーザ可視光2cは、各レーザ照射器3a,3bの直下にピンポイントで照射する。第1、2垂直レーザ可視光2a,2dは、それぞれ垂直面を照射すると共に互いに直角の角度を形成している(図5参照)。水平レーザ可視光2bは、水平面を照射する。レーザ照射ユニット1は、図1に示すように、エレベータ建屋9におけるエレベータ昇降路9aのドア開口8aに設置しても良いし、エレベータ昇降路9a内に上下可能に吊り下げても良いし、エレベータ昇降路9a内の床面9bに設置されていても良い。
【0011】
次に、本実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法について、工程毎に説明する。本実施形態では、エレベータ機材としてエレベータ籠のガイドレール17a、17b(図14参照)を例に説明する。
【0012】
(1)第1工程
図1(b)に示すように、エレベータ建屋9の最下位置にある乗り場のドア開口8aの下縁にレーザ照射ユニット1を設置する。まず、支持体7にレーザ照射器3a,3bを配置し、第2垂直レーザ可視光2dを互いに照射し合い、第2垂直レーザ可視光2dを重ね合わせることで、一方のレーザ照射器3aと他方のレーザ照射器3bの位置合わせを行う。
【0013】
そして、図1(a)に示すように、一方および他方のレーザ照射器3a,3bの水平レーザ可視光2b,2bを床に付されている床建屋墨11aに合わせると共に、第1垂直レーザ可視光2a,2aを床建屋墨11aに対して直角に交差して当てる。各第1垂直レーザ可視光2a,2aと床建屋墨11aとの交点位置および床建屋墨11aからの距離をメジャー13で測定することで、各レーザ照射器3a,3bのXY位置を合わせる。XY位置とは、本実施形態において、水平面上の位置を示す。
【0014】
さらに、図1(b)に示すように、一方および他方のレーザ照射器3a,3bの水平レーザ可視光2b,2bを壁に付されている壁建屋墨11bに合わせて高さ合わせをする。そして、壁建屋墨11bと水平レーザ可視光2bとの間の距離をメジャー13で測定することで、水平レーザ可視光2b,2bの正確な高さ(Z)が測定できる。以上のように、一方および他方のレーザ照射器3a,3bのXYZ位置情報を得て、制御装置15(図11参照)に記録する。
【0015】
(2)第2工程
図2は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第2工程の一例を説明するための図である。図2において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面である。図2(b)に示すように、一方および他方の各レーザ照射器3a,3bは、それぞれマーキング用直下レーザ可視光2c,2cを直下の床面9bに向けて照射し、その照射点16a,16bをマジック等でマーキングする。
【0016】
このように、マーキングすることで、一方および他方の各レーザ照射器3a,3bの各設置位置を床に記録する。次に、一方のガイドレール17b(図14参照)の基準位置を設定する。図2(a)に示すように、まず、制御装置15にて設定された方向に位置を合わせるように回転台5を用いて、一方および他方のレーザ照射器3a,3bの向きを変えてそれぞれ第1垂直レーザ可視光2aを照射して、床面9bに形成された交点21aにマジック等でマーキングする。
【0017】
すなわち、制御装置15(図11参照)には、エレベータ籠の一対のガイドレール17a、17b(図14参照)の設置位置(基準位置)が記録されているから、所定のXY位置にある一方および他方のレーザ照射器3a,3bから一方のガイドレール17aの設置位置(XY位置)へ向けて第1垂直レーザ可視光2a,2aを照射し、各第1垂直レーザ可視光2a,2aの交点21aを得ることができる。図2(b)に示すように、第1垂直レーザ可視光2a,2aが床面9bまで届かない場合には、下げ振りを吊下げた板治具19で第1垂直レーザ可視光2a,2aを受け、2本のレーザ可視光2a,2bが1本に重なる位置でマーキングしても良い。
【0018】
(3)第3工程
図3は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第3工程の一例を説明するための図である。図3において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面である。図3に示すように、他方のガイドレール17b(図14参照)の基準位置を設定する。第2工程で設定した一方のガイドレール17bの基準位置の設定と同様にして、他方のガイドレール17bの設置位置(基準位置)を求める。すなわち、図3(a)に示すように、他方のガイドレールの設置位置(XY位置)に向けて一方および他方のレーザ照射器3a、3bから第1垂直レーザ可視光2a,2aを照射し、各第1垂直レーザ可視光2a,2aの交点21bを得て、マーキングする。
【0019】
その後、図3(b)に示すように、各レーザ照射器3a,3bの水平レーザ可視光2b、2bから交点21a,21bまでの深さをメジャー(金尺)13で測定する。メジャー13が届かない場合には後述するガイドレール17a,17b(図14参照)を1本立てた後に壁建屋墨11bから床面までの距離を求め、水平レーザ可視光2b,2bと壁建屋墨11bまでの高低差を測定して、水平レーザ可視光2b、2bから交点21a,21bまでの深さを求めても良い。
【0020】
(4)第4工程
図4は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第4工程の一例を説明するための図である。図4において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面である。図4(b)に示すように、最上階からゴンドラ用ロープ23をフック25に掛けて、ピット9cへ降ろし、ゴンドラ27をピット9cで組み立てる。その後、ゴンドラ27をゴンドラ用ロープ23で天井9dまで上げる。
【0021】
(5)第5工程
図5は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第5工程の一例を説明するための図である。図5において、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面であり、(c)は、エレベータ昇降路を下から見た概略横断面である。図5(c)に示すように、エレベータ昇降路9aにおいて、最上階の位置にある乗り場のドア開口8aにレーザ照射ユニット1を設置する。一方および他方の各レーザ照射器3a、3bを上述した第1工程と同様にして、床建屋墨11aに合わせてXY位置の位置合わせを行う。一方および他方の各レーザ照射器3a、3bの水平レーザ可視光2b、2bを床建屋墨11aに合わせて高さレベル(Z)位置を合わせても良い。その後、天井9dに一方および他方の各レーザ照射器3a,3bの第1垂直レーザ可視光2a,2aと第2垂直レーザ可視光2d,2dを照射して、交点29a,29bを各レーザ照射器3a,3bの設置位置としてマジック等でマーキングする。
【0022】
第5工程では、マーキング用直下レーザ可視光2c,2c(図2参照)が床面9bに届くのであれば、床面9bにマーキングした各レーザ照射器3a,3bの設置位置のマーキング(照射点16a,16b)とのずれを見て、壁建屋墨11bの傾きやねじれがないことを確認する。マーキング用直下レーザ可視光2c,2cがピット9cの床面9bに届かない場合には、下げ振りを降ろして確認する。
【0023】
(6)第6工程
図6は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第6工程の一例を説明するための図である。図6において、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面であり、(c)は、エレベータ昇降路を下から見た概略横断面であり、(d)は、マーキング位置を撮影した望遠カメラの撮像画像であり、(e)は、操作棒を用いて天井にマーキングする方法を示す斜視図である。図6(c)に示すように、制御装置15(図11参照)で設定された方向に位置を合わせるように回転台5を用いて、一方および他方のレーザ照射器3a,3bからそれぞれ第1垂直レーザ可視光2a,2aを照射して、その交点31aにマジック等でマーキングする。
【0024】
制御装置15には、エレベータ籠の一対のガイドレール17の設置位置(基準位置)が記録されているから、所定のXY位置にある一方および他方のレーザ照射器3a,3bから一方のガイドレール17aの設置位置(XY位置)へ向けて天井9dに第1垂直レーザ可視光2a,2aを照射することで、各第1垂直レーザ可視光2a,2aの交点31aを得る。そして、この交点31aをマーキングする。
【0025】
図6(b)に示すように、一方および他方のレーザ照射器3a,3bから第1垂直レーザ可視光2a,2aがゴンドラ27の陰になる場合には、ゴンドラ27を下げて、ゴンドラ27から、図6(e)に示すように、天井板治具32を用いると共に長い操作棒34の先端に取り付けたマジック等でマーキングする。また、第2工程で用いた板治具19(図2参照)で第1垂直レーザ可視光2aおよび水平レーザ可視光2bを受け、2本の第1垂直レーザ可視光2a,2aが1本に重なる位置でマーキングしても良い。更に、図6(d)に示すように、望遠カメラの撮影画像を示すように、交点31aのマーキングを天井板治具32と共に望遠カメラで写真撮影しておき、ずれている場合にはあとで修正しても良い。天井板治具32には、X方向(レーザ照射器3a,3bの並び方向)と、Y方向(奥行方向)の目盛が記載されている。
【0026】
(7)第7工程
図7は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第7工程の一例を説明するための図である。図7において、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面であり、(c)は、エレベータ昇降路を下から見た概略横断面である。図7(c)に示すように、第3工程と同様に、他方のガイドレール17b(図14参照)の基準位置を設定する。第6工程で設定した一方のガイドレール17bの基準位置の設定と同様にして、他方のガイドレール17bの設置位置(基準位置)を求める。すなわち、他方のガイドレール17bの設置位置(XY位置)に向けて、一方および他方のレーザ照射器3a、3bのそれぞれから第1垂直レーザ可視光2a,2aを照射し、天井9dに各第1垂直レーザ可視光2a,2aの交点31bを得て、マーキングする。
【0027】
(8)第8工程
図8は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第8工程の一例を説明するための図である。図8において、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面であり、(c)は、エレベータ昇降路を下から見た概略横断面である。図9は、図8に示すレーザ距離計を取り付けた三脚の側面図である。図8(b)に示すように、レーザ距離計支持具33を天井9dに設置する。レーザ距離計支持具33は吊り具(ラッシングベルト等)24でフック25に吊ってあり、図9に示すように、定尺の接地脚35で天井9dに押し付けてある。このとき、天井9dに描いたマーキング(交点31a,31b(図8(c)参照))に接地脚35を合わせて三脚37で固定する。図9に示すように、三脚37には、レーザ距離計39a(または39b)を収納した外乱防止パイプ41が取付けてあり、外乱防止パイプ41はXY方向に微動可能なマイクロXY微動台43を介して三脚37に固定されている。その後、レーザ距離計39a,39bに電源を接続する。
【0028】
(9)第9工程
図10は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第9工程の一例を説明するための図である。図10において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面図であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面である。図10(b)に示すように、レーザ距離計39a,39bのスイッチをONにしてレーザ可視光38を照射し、マイクロXY微動台43を調整して、レーザ可視光38をピット9cの床面9bに付したマーキング(交点21a,21b)に合わせる。本実施形態の場合、一例として、天井からマイクロXY微動台43までの距離が1mの場合、1μm操作して、100m下のピット9cの床面9bでレーザ可視光を0.1mm調整できる。
【0029】
(10)第10工程
図11は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第10工程の一例を説明するための図である。図11において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面である。図11に示すように、レーザ距離計39a,39bによる各測定値は、制御装置(パーソナルコンピュータ)15を中継して、無線LAN(伝送装置)でタブレット(例えば、タブレット型コンピュータ等の情報処理端末)14に送信される。制御装置15若しくはタブレット14には、レーザ距離計39a,39bによる計測値の他に、上述したBIMデータ、各マーキング(交点21a,21b,29a,29b,31a,31b)の位置等のデータが収納されている。
【0030】
(11)第11工程
図12は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第11工程の一例を説明するための図である。図12において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面であり、(d)は、カメラ画像である。図12(b)に示すように、ゴンドラ27の上側にレーザ照射ユニット1を設置し、ゴンドラ27と共にレーザ照射ユニット1を吊る。このレーザ照射ユニット1には、レーザ距離計39a,39bのレーザ可視光38を受ける半透明部材45a,45bが設けてあり、各半透明部材45a,45bの下にカメラ47が設置してある。半透明部材45a,45bは例えば薄い曇りガラスや半透明のプラスチック、ハーフミラーなどがある。ただし、以下の実施形態において、半透明部材はこれらに限定はされない。カメラ47は半透明部材45a,45bを透過した透過光を撮像する。各カメラ47はタブレット14に接続されており、カメラ47の画像データはタブレット14に取り込まれるようになっている。
【0031】
または、半透明部材45およびカメラ47を設けた治具の上にレーザ照射ユニット1を乗せる構成をとっても良く、専用の治具(位置合わせ用の治具や専用のロボット等)の上に一方および他方のレーザ照射器3a,3bを相互の距離を保ったまま載置しても良い。以下、レーザ照射ユニット1を用いて説明するが、この場合、レーザ照射ユニットは治具としての機能を有する。
【0032】
この第11工程では、図12(d)に示すように、各半透明部材45a,45bを通して得られたカメラ画像48からレーザ可視光38の重心座標(XY座標)を求める。これにより、一方のレーザ照射器3aと他方のレーザ照射器3bの正確な距離を保持することができる。
【0033】
レーザ距離計39a,39bから照射されたレーザ可視光38は、一部は半透明部材45a,45bを透過し、一部は半透明部材45a,45b(ターゲット)にて反射する。レーザ可視光38の一部は半透明部材45a,45bにて反射して、反射光をレーザ距離計39a,39bにて受光される。これにより、レーザ距離計39a,39bからレーザ照射ユニット1(治具)までの距離(Z座標)を測定することができる。
【0034】
さらに、2つのレーザ可視光38を各々撮影した2つのカメラ画像48から各レーザ可視光38の重心座標を求めることで、レーザ照射ユニット1のX,Y,Z方向の位置ずれΔX,ΔYおよび傾きΔθを求める。これにより、吊るしているレーザ照射ユニット1の上にあるレーザ照射器3a,3bの位置補正ができる。
【0035】
各一方および他方のレーザ照射器3a,3bからそれぞれ第1垂直レーザ可視光2a、水平レーザ可視光2bを照射して、タブレット14では、これらのレーザ可視光2a,2bがエレベータ昇降路9aの壁面9fや天井9dに描く線のBIM位置を計算する。実際の壁面9fは、BIMデータの壁面と数十mmの誤差があるが、傾きΔθは微小角度であり、エレベータ建屋寸法に対して誤差は小さいので無視できる。
【0036】
このようにして、BIMに対する半透明部材45a,45bの高さ(変位)を測定することで、壁建屋墨11bからレーザ照射ユニット1の支持体7までの高さと、支持体7の傾きを計算できる。そして、レーザ照射ユニット1または一方および他方のレーザ照射器3a,3bを載置した治具の水平を見ることができる。
【0037】
また、下記式((式1)および(式2))により、壁建屋墨11bから支持体7の一方の半透明部材45aまでの距離H10と、壁建屋墨11bから支持体7の他方の半透明部材45bまでの距離H20を計算できる。
H10=H1-h1-h31-h21・・・(式1)
H20=H2-h2-h32-h22・・・(式2)
ここで、H1は、一方のレーザ距離計39aから床面9bまでの距離である。
また、H2は、他方のレーザ距離計39bから床面9bまでの距離である。
また、h1は、一方のレーザ距離計39aから対応する半透明部材45aまでの距離である。
また、h2は、他方のレーザ距離計39bから対応する半透明部材45bまでの距離である。
また、h21(図1参照)は、一方のレーザ照射器3aの水平レーザ可視光2bから壁建屋墨11bまのでの距離である。
また、h22(図1参照)は、他方のレーザ照射器3bの水平レーザ可視光2bから壁建屋墨11bまのでの距離である。
また、h31(図3参照)は、一方のレーザ照射器3aの水平レーザ可視光2bから床面9bまでの距離である。
また、h32(図3参照)は、他方のレーザ照射器3bの水平レーザ可視光2bから床面9bまでの距離である。
【0038】
ところで、本実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法によれば、エレベータ昇降路9a内にエレベータ機材を設置するために必要となる線であるレーザ墨出し線(レーザ照射器3a,3bからエレベータ昇降路9aに対してレーザ可視光2a,2bを照射して、当該エレベータ昇降路9a内に描画される線)を、精度良く、エレベータ昇降路9a内の壁面9fや、天井9d、ピット9cに描くことが可能である。しかしながら、エレベータ昇降路9a内の壁面9f等は、建屋の設計寸法から外れて施工されている場合があり、レーザ照射器3a,3bからレーザ可視光2a,2bが照射される光投影面における、レーザ墨出し線の精度が低くなることがある。この場合、タブレット14において、壁面9f等に描かれるレーザ墨出し線の三次元の位置を高精度に求めることができず、スケール等を用いて、予め設定された位置から、レーザ墨出し線までの距離を測定し、その測定結果に基づいて、レーザ墨出し線の三次元の位置を求めなければならない。
【0039】
そこで、本実施形態では、レーザ照射器3a,3bからレーザ可視光2a,2bが照射される面である光投影面とは直交する面の所定位置に、距離センサを設けて、当該距離センサによって、所定位置から、レーザ墨出し線の描画位置までの距離を計測し、その計測結果に基づいて、エレベータ昇降路9a内におけるレーザ墨出し線の三次元の位置を算出することも可能である。これにより、エレベータ昇降路9a内の壁面9f等が、建屋の設計寸法から外れて施工されている場合でも、スケール等を用いて、予め設定される位置から、レーザ墨出し線の描画位置までの距離を測定する必要がなくなる。その結果、レーザ墨出し線の3次元の位置を算出する際に、スケール等を用いた人手の作業を減らすことができる。
【0040】
図13は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第11工程の他の例を説明するための図である。図13において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面であり、(f)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面の拡大図であり、(h)は、エレベータ昇降路の概略縦断面の拡大図である。
【0041】
本実施形態では、図13(f)に示すように、レーザ照射器3a,3bからレーザ可視光2a,2bが照射される光投影面(例えば、壁面9f)と直交する面(例えば、支持体7の上面)の所定位置P1に、TOF(Time Of Flight)センサやレーザレンジセンサ等の距離センサ70を設ける。ここで、所定位置P1は、支持体7の上面における予め設定される位置であり、例えば、支持体7の上面の中央である。そして、距離センサ70によって、所定位置P1から、レーザ墨出し線の描画位置までの距離を計測する。そして、タブレット14(算出部の一例)は、距離センサ70による、所定位置P1からレーザ墨出し線の描画位置までの距離の計測結果に基づいて、エレベータ昇降路9a内におけるレーザ墨出し線の三次元の位置を算出する。
【0042】
また、本実施形態では、支持体7には、表示部が設けられている。表示部は、図13(g)に示すように、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)等によって、レーザ墨出し線の三次元の位置に従って、エレベータ昇降路9a内の実空間に対して、当該エレベータ昇降路9a内に設置するエレベータ機材の仮想現実71を重ね合わせて表示する。これにより、エレベータ昇降路9a内にエレベータ機材を設置する際に、人手による作業によっても、高精度に、エレベータ機材を設置することが可能となる。
【0043】
(12)第12工程
図14は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第12工程の一例を説明するための図である。図14において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面である。図15は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の一例を説明するための図である。図15において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面である。
【0044】
図14に示すように、ピット固定金具49を床面9bのマーキング(交点21a,21b)の位置に位置決めして取り付ける。次に、各ピット固定金具49にそれぞれガイドレール17a,17bを取り付けて、ガイドレール17a,17bをブラケット51で壁に仮止めして積み上げていく。ガイドレール17a,17bの積み上げの際には、各レーザ可視光38に沿ってガイドレール17a,17bを積み上げる。
【0045】
また、第12工程では、レーザ照射ユニット1はガイドレール17a,17bに係脱自在にクランプで固定してあり、レーザ照射ユニット1を上げる場合には、クランプをガイドレール17a,17bから外してゴンドラ27と共に吊り上げる。所定の位置にレーザ照射ユニット1が到達すると、タブレット14に格納されている位置情報に基づいて、ブラケット51を取り付ける高さであることを報知する。例えば、一方のレーザ照射器3aの水平レーザ可視光2bをオレンジ色に、他方のレーザ照射器3bの水平レーザ可視光2bをグリーン色に色分けしておき、タブレット14の画面にオレンジ色の水平レーザ可視光2bのAmm下、グリーン色の水平レーザ可視光2bのBmm下で、ブラケット51をアンカーボルトで固定する旨を表示又は音声で報知する。
【0046】
一方、図15に示すように、ゴンドラ27がエレベータ昇降路9a内を上昇する途中で、各階のドア開口8aに到達すると、タブレット14は、ホールドアの取り付け高さであることを表示すると共に作業内容を表示又は音声で報知する。
【0047】
図16は、第1実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の第12工程の他の例を説明するための図である。図16において、(a)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面であり、(b)は、エレベータ昇降路の概略縦断面であり、(f)は、エレベータ昇降路を上から見た概略横断面の拡大図であり、(g)は、エレベータ昇降路の概略縦断面の拡大図である。
【0048】
本実施形態では、図16に示すように、レーザ墨出し線を検出するロボットビジョン72と、当該ロボットビジョン72によるレーザ墨出し線の検出結果に基づいて、エレベータ昇降路9a内にエレベータ機材(例えば、ガイドレール17a,17b)を設置する自動機器(所謂、アシストツール)73と、を支持体7上に設けることも可能である。これにより、エレベータ昇降路9a内にエレベータ機材を設置する際に、人手によるエレベータ機材の設置作業が無くなるので、エレベータ機材の設置作業による人手による作業をさらに減らすことができる。
【0049】
次に、第1実施形態にかかるエレベータ機材(ガイドレール17a,17b)の設置方法の効果について説明する。エレベータ機材の設置位置には、レーザ照射ユニット1に搭載した各レーザ照射器3a,3bから照射した第1垂直レーザ可視光2a,2aの交点をマーキングするので、高い精度でマーキングできると共に目視によりマーキングできるので、エレベータ機材の基準位置が高精度で設定できる。また、昇降路基準にピアノ線を用いていないので、昇降路内にピアノ線を設置しておく必要がないから、昇降路内を簡素にでき邪魔にならない。
【0050】
各レーザ照射器3a,3bは、設置位置を床面9bにマーキング(照射点16a,16b、交点21a,21b(図4(a)参照))や天井9dにマーキング(交点29a,29b,31a,31b(図8(c)参照))できるから、設置位置の記録が容易にでき、後で同じ位置に各レーザ照射器3a,3bの位置を利用したり、確認したりすることができる。各レーザ照射器3a、3bは、壁建屋墨11b(図1(b)参照)および床建屋墨11a(図1(a)参照)に第1垂直レーザ可視光2a、水平レーザ可視光2bを合わせ、壁建屋墨11bに対する高さを測定することで、XYZ方向の位置を特定しているから、壁や床に凹凸や歪みや撓みがあっても、エレベータ建屋のBIMに基づく正確な位置決めができる。
【0051】
また、レーザ照射器3a,3bからレーザ可視光2a,2bが照射される面である光投影面とは直交する面の所定位置に、距離センサを設けて、当該距離センサによって、所定位置から、レーザ墨出し線の描画位置までの距離を計測し、その計測結果に基づいて、エレベータ昇降路9a内におけるレーザ墨出し線の三次元の位置を算出する。これにより、エレベータ昇降路9a内の壁面9f等が、建屋の設計寸法から外れて施工されている場合でも、スケール等を用いて、予め設定される位置から、レーザ墨出し線の描画位置までの距離を測定する必要がなくなる。その結果、レーザ墨出し線の3次元の位置を算出する際に、スケール等を用いた人手の作業を減らすことができる。
【0052】
また、VR、AR、MR等によって、レーザ墨出し線の三次元の位置に従って、エレベータ昇降路9a内の実空間に対して、当該エレベータ昇降路9a内に設置するエレベータ機材の仮想現実71を重ね合わせて表示する。これにより、エレベータ昇降路9a内にエレベータ機材を設置する際に、人手による作業によっても、高精度に、エレベータ機材を設置することが可能となる。
【0053】
図14に示すように、ガイドレール(エレベータ機材)17a,17bは、レーザ距離計39a,39bから照射されたレーザ可視光38に沿って目視で確認しつつ積み上げできるので、高い精度で容易に積み上げ設置できる。ガイドレール(エレベータ機材)17a,17bは、レーザ距離計39a、39bで測定した高さ毎にエレベータ建屋のBIMに基づいて、ブラケット51を固定しているので、所定位置毎に正確な位置でブラケット51の取り付けができる。
【0054】
レーザ照射ユニット1は、エレベータ昇降路9a内に吊るした位置で、2つのレーザ距離計39a,39bからのレーザ可視光38を各カメラ47で受けたカメラ画像48からレーザ照射ユニット1のX,Y,Z方向の位置ずれΔX,ΔY及び傾きΔθを求めているので、レーザ照射ユニット1の正確な位置が算出できる。図14に示す第12工程では、レーザ照射ユニット1は、一方および他方のガイドレール17a,17bに係脱自在にクランプで固定しているので、安定に保持することができる。
【0055】
また、レーザ墨出し線を検出するロボットビジョン72と、当該ロボットビジョン72によるレーザ墨出し線の検出結果と、当該レーザ墨出し線の三次元の位置と、に基づいて、エレベータ昇降路9a内にエレベータ機材(例えば、ガイドレール17a,17b)を設置する自動機器(所謂、アシストツール)73と、を支持体7上に設ける。これにより、エレベータ昇降路9a内にエレベータ機材を設置する際に、人手によるエレベータ機材の設置作業が無くなるので、エレベータ機材の設置作業による人手による作業をさらに減らすことができる。
【0056】
以下に、他の実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態では、上述した第1実施形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の説明を省略し、以下の説明では、第1実施形態と主に異なる点を説明する。
【0057】
(第2実施形態)
図17は、第2実施形態にかかるエレベータ機材の設置方法の一例を説明するための図である。次に、図17を参照して第2実施形態を説明する。第2実施形態は、レーザ照射ユニット1を一方および他方のガイドレール17a,17bにクランプで固定してあり、レーザ照射ユニット1に設けられる一方のレーザ照射器3aおよび他方のレーザ照射器3bから、それぞれ第1垂直レーザ可視光2a,2aを対応する各カウンターウエイトレール53a,53bに向けて照射する構成としている。
【0058】
そして、各第1垂直レーザ可視光2a,2aは、対応する各カウンターウエイトレール53a,53bの端に合わせるように照射することで、カウンターウエイトレール53a,53bの正確な位置決めができる。さらに、一方のレーザ照射器3aおよび他方のレーザ照射器3bから照射した第1垂直レーザ可視光2a,2aに沿ってメジャー13を当てて第2垂直レーザ可視光2d,2dからの距離を測定する。
【0059】
この第2実施形態では、上述した実施の形態に加えて、一方および他方のガイドレール17a,17bにクランプで固定したレーザ照射ユニット1から、カウンターウエイトレール53a,53bの位置決めや一方および他方のガイドレール17a,17bからカウンターウエイトレール53a,53bの刃面までの距離の測定が簡単にできる。
【0060】
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
例えば、レーザ照射ユニット1または治具に搭載するレーザ照射器3a,3bは2台に限らず、3台以上であっても良く、搭載する台数は制限されない。エレベータ機材は、籠のガイドレール17a,17bやカウンターウエイトレール53a,53bに限らず、乗り場の枠やピット梯子等でも良く、昇降路内に設置する機材であれば制限されない。また、カメラ47は撮像装置として、静止画像だけでなく、動画としてもよい。上述の実施形態では、レーザ距離計39a,39bはエレベータ昇降路9aの天井に施された交点31a,31bに配置したが、ピット9cに施した交点21a,21bに配置し、天井に向かってレーザ照射しても良い。この場合は、レーザ照射ユニット1または治具は下側から、レーザ光を検知することとなり、上述の実施形態とは上下逆の構成となる。
【符号の説明】
【0062】
1 レーザ照射ユニット、2a 第1垂直レーザ可視光、2b 水平レーザ可視光、2c マーキング用直下レーザ可視光、2d 第2垂直レーザ可視光、3a 一方のレーザ照射器、3b 他方のレーザ照射器、5 回転台、7 支持体、9a エレベータ昇降路9b 床面、9d 天井、14 タブレット(算出部の一例)、15 制御装置、17a 一方のガイドレール(エレベータ機材の一例)、17b 他方のガイドレール(エレベータ機材の一例)、38 レーザ可視光、39a 一方のレーザ距離計、39b 他方のレーザ距離計、45a,45b 半透明部材、47 カメラ、70 距離センサ、71 仮想現実、72 ロボットビジョン、73 自動機器、P1 所定位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図17