(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】B細胞成熟抗原結合タンパク質
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20220506BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20220506BHJP
C12P 21/08 20060101ALN20220506BHJP
A61K 39/395 20060101ALN20220506BHJP
A61K 47/68 20170101ALN20220506BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20220506BHJP
A61P 35/02 20060101ALN20220506BHJP
A61P 35/04 20060101ALN20220506BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C12N15/13
C12P21/08
A61K39/395 U
A61K39/395 G
A61K47/68
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
(21)【出願番号】P 2020520033
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(86)【国際出願番号】 US2018055682
(87)【国際公開番号】W WO2019075378
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-10-08
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517403846
【氏名又は名称】ハープーン セラピューティクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ヴェシェ,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】レモン,ブライアン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】オースティン,リチャード ジェイ.
【審査官】北村 悠美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/025038(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/026953(WO,A1)
【文献】特表2020-537644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一ドメインB細胞成熟剤(BCMA)結合タンパク質であって、前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、
ここで、
(a)CDR1は、SEQ ID NO:5、15、18、19、22、29、34、35、43、46、76、および95からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、
(b)CDR2は、SEQ ID NO:118、121、122、125、126、129、133、137、147、156、164、173、174、190、および203からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ならびに、
(c)CDR3は、SEQ ID NO:304として記載されるアミノ酸配列を含み、
ここで、前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:472として記載される配列に対して80%~99%同一である、
単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項2】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、以下の式:
f1-r1-f2-r2-f3-r3-f4
を含み、
式中、r1はCDR1であり、r2はCDR2であり、および、r3はCDR3であり、ここで、f
1、f
2、f
3、およびf
4はフレームワーク残基である、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項3】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:374、383、402、403、406、411、412、または416として記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項4】
f1はSEQ ID NO:461あるいは462を含む、請求項2に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項5】
f2はSEQ ID NO:463を含む、請求項2に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項6】
f3はSEQ ID NO:464あるいは465を含む、請求項2に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項7】
f4はSEQ ID NO:466あるいは467を含む、請求項2に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項8】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、被験体に投与されるとき、少なくとも12時
間の消失半減期を有する、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項9】
ヒト化された単一ドメインBCMA結合タンパク質、または親和性成熟された単一ドメインBCMA結合タンパク質である、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項10】
Fcドメインをさらに含む、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項11】
抗癌剤をさらに含む、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項12】
前記抗癌剤は単一ドメインBCMA結合タンパク質に結合する、請求項11に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項13】
請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質を含む、多特異性結合タンパク質。
【請求項14】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:374、383、402、403、406、411、412、および416からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%同一である配列を含む、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項15】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:374、383、402、403、406、411、412、および416からなる群から選択される配列に対して少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項16】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:468として記載される配列を含むヒ
トBCMA結合タンパク質内のエピトープを認識する、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項17】
単一ドメインB細胞成熟剤(BCMA)結合タンパク質であって、前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、
ここで、CDR1は、SEQ ID NO:76のアミノ酸配列を含み、CDR2は、SEQ ID NO:190のアミノ酸配列を含み、ならびに、CDR3は、SEQ ID NO:304のアミノ酸配列を含み、ここで、前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:472として記載されるアミノ酸配列に対して80%~99%同一である、
単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項18】
単一ドメインB細胞成熟剤(BCMA)結合タンパク質であって、前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、
(i)SEQ ID NO:76の配列を含むCDR1、SEQ ID NO:190の配列を含むCDR2、およびSEQ ID NO:304の配列を含むCDR3、
(ii)SEQ ID NO:114の配列を含むCDR1、SEQ ID NO:163の配列を含むCDR2、およびSEQ ID NO:304の配列を含むCDR3、
(iii)SEQ ID NO:115の配列を含むCDR1、SEQ ID NO:163の配列を含むCDR2、およびSEQ ID NO:304の配列を含むCDR3、
(iv)SEQ ID NO:116の配列を含むCDR1、SEQ ID NO:174の配列を含むCDR2、およびSEQ ID NO:304の配列を含むCDR3、または、
(v)SEQ ID NO:117の配列を含むCDR1、SEQ ID NO:174の配列を含むCDR2、およびSEQ ID NO:304の配列を含むCDR3、
を含む、単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項19】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、被験体に投与されるとき、少なくとも20時間の消失半減期を有する、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項20】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、被験体に投与されるとき、少なくとも30時間の消失半減期を有する、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項21】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、被験体に投与されるとき、少なくとも40時間の消失半減期を有する、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項22】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、被験体に投与されるとき、少なくとも50時間の消失半減期を有する、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【請求項23】
前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は、被験体に投与されるとき、少なくとも100時間の消失半減期を有する、請求項1に記載の単一ドメインBCMA結合タンパク質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年10月13日に出願された、米国仮特許出願第62/572,375号の利益を主張するものであり、該文献はその全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、参照によって本明細書に組み込まれる配列表を含んでいる。2018年10月11日に作成された上記ASCIIのコピーは、47517-722_601_SL.txtのファイル名であり、232,688バイトのサイズである。
【背景技術】
【0003】
癌は冠動脈疾患の次に多い人間の第2位の死因である。世界的にみても毎年数百万人が癌で死んでいる。米国だけでも癌は毎年50万人をはるかに超える人々の命を奪っており、毎年約140万の新しい症例が診断されている。心臓病による死は大幅に減少しているが、癌に起因する死は一般に増えている。来世紀の初めには、癌は死因の第一位になると予測されている。
【0004】
さらに、原発性の癌を初期に克服した癌患者でさえ、自分たちの生活が劇的に変化するという共通の経験が示されている。多くの癌患者は、再発や治療の失敗の可能性を意識して強い不安を経験する。多くの癌患者は治療後に著しい身体的衰弱を経験する。
【0005】
一般的に言えば、最も致命的な癌の管理における根本的な問題は、効果的で毒性のない全身療法が欠けていることである。癌は、制御不能な細胞増殖をもたらす遺伝子変異を特徴とする複合的な疾患である。癌細胞はすべての生物に存在し、通常の状況下では、その過剰な増殖は様々な生理学的因子によって厳重に制御されている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、BCMAの発現に相互に関連する兆候を診断および処置するために使用可能な単一ドメインB細胞成熟抗原(BCMA)結合タンパク質を提供する。
【0007】
単一ドメインB細胞成熟剤(BCMA)結合タンパク質が本明細書で提供され、BCMA結合タンパク質は、相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで、(a)CDR1のアミノ酸配列は、X1X2X3X4X5X6X7PX8G(SEQ ID NO:1)に記載される通りであり、X1はTあるいはSであり;X2はN、D、あるいはSであり;X3はI、D、Q、H、V、あるいはEであり;X4はF、S、E、A、T、M、V、I、D、Q、P、R、あるいはGであり;X5はS、M、R、あるいはNであり;X6はI、K、S、T、R、E、D、N、V、H、L、A、Q、あるいはGであり;X7はS、T、Y、R、あるいはNであり;および、X8はM、G、あるいはYであり;(b)CDR2のアミノ酸配列はAIX9GX10X11TX12YADSVK(SEQ ID NO:2)に記載される通りであり、ここで、X9はH、N、あるいはSであり;X10はF、G、K、R、P、D、Q、H、E、N、T、S、A、I、L、あるいはVであり;X11はS、Q、E、T、K、あるいはDであり;および、X12はL、V、I、F、Y、あるいはWであり;ならびに、(c)CDR3のアミノ酸配列はVPWGX13YHPX14X15VX16(SEQ ID NO:3)に記載されるとおりであり、ここで、X13はD、I、T、K、R、A、E、S、あるいはYであり;X14はR、G、L、K、T、Q、S、あるいはNであり;X15はN、K、E、V、R、M、あるいはDであり;および、X16はY、A、V、K、H、L、M、T、R、Q、C、S、あるいはNである。
【0008】
1つの実施形態では、CDR1は、SEQ ID NO:473のアミノ酸配列を含まない。1つの実施形態では、CDR2は、SEQ ID NO:474のアミノ酸配列を含まない。1つの実施形態では、CDR3は、SEQ ID NO:475のアミノ酸配列を含まない。1つの実施形態では、CDR1とCDR2は、それぞれSEQ ID NO:473および474のアミノ酸配列を含まない。1つの実施形態では、CDR1とCDR3は、それぞれSEQ ID NO:473および475のアミノ酸配列を含まない。1つの実施形態では、CDR2とCDR3は、それぞれSEQ ID NO:474および475のアミノ酸配列を含まない。1つの実施形態では、CDR1、CDR2、およびCDR3は、それぞれSEQ ID NO:473、474、および475のアミノ酸配列を含まない。
【0009】
単一ドメインBCMA結合タンパク質が本明細書で提供され、ここで、前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は以下の式:f1-r1-f2-r2-f3-r3-f4を含み、式中、r1はSEQ ID NO:1であり;r2はSEQ ID NO:2であり;および、r3はSEQ ID NO:3であり;ここで、f1、f2、f3、およびf4は、上記のタンパク質がSEQ ID NO:346あるいは472で記載されるアミノ酸配列に対して約80パーセント(80%)~約99%同一であるように、選択されたフレームワーク残基である。単一ドメインBCMA結合タンパク質が本明細書で提供され、ここで、前記単一ドメインBCMA結合タンパク質は以下の式:f1-r1-f2-r2-f3-r3-f4を含み、式中、r1はSEQ ID NO:1であり;r2はSEQ ID NO:2であり;および、r3はSEQ ID NO:3であり;ここで、f1、f2、f3、およびf4は、上記のタンパク質がSEQ ID NO:346あるいは472で記載されるアミノ酸配列に対して約80%~約90%同一であるように、選択されたフレームワーク残基である。1つの実施形態では、単一ドメインBCMA結合タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ ID NO:472を含まない。
【0010】
いくつかの非限定的な例では、r1はSEQ ID NO:4-117のいずれか1つとして記載されるアミノ酸配列を含む。
【0011】
いくつかの非限定的な例では、r2はSEQ ID NO:118-231のいずれか1つとして記載されるアミノ酸配列を含む。
【0012】
いくつかの非限定的な例では、r3はSEQ ID NO:232-345のいずれか1つとして記載されるアミノ酸配列を含む。
【0013】
他の非限定的な例では、タンパク質はSEQ ID NO:346-460のいずれか1つとして記載されるアミノ酸配列を含む。
【0014】
単一ドメインBCMA結合タンパク質において、f1は、SEQ ID NO:461あるいは462を含み得る。
【0015】
単一ドメインBCMA結合タンパク質において、f2は、SEQ ID NO:463を含み得る。
【0016】
単一ドメインBCMA結合タンパク質において、f3は、SEQ ID NO:464あるいは465を含み得る。
【0017】
単一ドメインBCMA結合タンパク質において、f4は、SEQ ID NO:466あるいは467を含み得る。
【0018】
非限定的な一実施例では、r1はSEQ ID NO:76、114、115、116、あるいは117を含む。非限定的な一実施例では、r1はSEQ ID NO:76を含む。
【0019】
非限定的な一実施例では、r1はSEQ ID NO:76を含み、r2はSEQ ID NO:190であり、および、r3はSEQ ID NO:304である。
【0020】
非限定的な一実施例では、r1はSEQ ID NO:114を含み、r2はSEQ ID NO:228を含み、および、r3はSEQ ID NO:342を含む。
【0021】
非限定的な一実施例では、r1はSEQ ID NO:115を含み、r2はSEQ ID NO:229を含み、および、r3はSEQ ID NO:343を含む。
【0022】
非限定的な一実施例では、r1はSEQ ID NO:117を含み、r2はSEQ ID NO:231を含み、および、r3はSEQ ID NO:345を含む。
【0023】
非限定的な一実施例では、r1はSEQ ID NO:116を含み、r2はSEQ ID NO:230を含み、および、r3はSEQ ID NO:344を含む。
【0024】
ドメインBCMA結合タンパク質は、少なくとも12時間、少なくとも20時間、少なくとも25時間、少なくとも30時間、少なくとも35時間、少なくとも40時間、少なくとも45時間、少なくとも50時間、少なくとも100時間、またはそれ以上の消失半減期を有し得る。いくつかの実施形態において、単一ドメインBCMA結合タンパク質はさらにFcドメインを含む。いくつかの実施形態において、単一ドメインBCMA結合タンパク質はさらに抗癌剤を含む。
【0025】
単一ドメインBCMA結合タンパク質親ラマ抗BCMA 253BH10 SEQ ID NO:472あるいはこのラマ配列のヒト化されたバージョン、BH2T、SEQ ID NO 346が、本明細書で提供され、CDR1のアミノ酸位置26、27、28、29、30、31、32、および34;CDR2の位置52、54、55、および57;ならびに、CDR3の位置101、105、106、および108から選択された1つ以上のアミノ酸残基が置換され、ここで、アミノ酸位置26は、置換される場合、Sで置換され;アミノ酸位置27は、置換される場合、DあるいはSで置換され;アミノ酸位置28は、置換される場合、D、Q、H、V、あるいはEで置換され;アミノ酸位置29は、置換される場合、S、E、A、T、M、V、I、D、Q、P、R、あるいはGで置換され;アミノ酸位置30は、置換される場合、M、R、あるいはNで置換され;アミノ酸位置31は、置換される場合、K、S、T、R、E、D、N、V、H、L、A、Q、あるいはGで置換され;アミノ酸位置32は、置換される場合、T、Y、R、あるいはNで置換され;アミノ酸位置34は、置換される場合、GあるいはYで置換され;アミノ酸位置52は、置換される場合、NあるいはSで置換され;アミノ酸位置54は、置換される場合、G、K、R、P、D、Q、H、E、N、T、S、A、I、L、あるいはVで置換され;アミノ酸位置55は、置換される場合、Q、E、T、K、あるいはDで置換され;アミノ酸位置57は、置換される場合、V、I、F、Y、あるいはWで置換され;アミノ酸位置101は、置換される場合、I、T、K、R、A、E、S、あるいはYで置換され;アミノ酸位置105は、置換される場合、G、L、K、T、Q、S、あるいはNで置換され;アミノ酸位置106は、置換される場合、K、E、V、R、M、あるいはDで置換され;および、アミノ酸位置108は、置換される場合、A、V、K、H、L、M、T、R、Q、C、S、あるいはNで置換される。
【0026】
そのような単一ドメインBCMA結合タンパク質は、ヒト、ヒト化され、親和性成熟され、あるいはこれらの組み合わせであり得る。
【0027】
被験体においてB細胞血統癌の処置または改善のための方法が本明細書で提供され、上記方法は、本明細書に記載される単一ドメインBCMA結合タンパク質を被験体に投与する工程を含む。
【0028】
本明細書に記載される単一ドメインBCMA結合タンパク質を含む多特異性結合タンパク質が本明細書で提供される。
【0029】
被験体のB細胞血統癌の処置または改善のための方法が本明細書で提供され、上記方法は、本明細書に記載される多特異性結合タンパク質を被験体に投与する工程を含む。
【0030】
B細胞血統癌は原発性癌または転移性癌であり得る。
【0031】
本明細書に記載される方法を用いて処置されるB細胞血統癌は、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫であり得る。
【0032】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての出版物、特許、および特許出願は、あたかも個々の出版物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の新規な特徴はとりわけ添付の請求項で説明される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【
図1】陰性対照と比較してBCMAを発現するEJM細胞の死滅における、本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA標的分子(01H08、01F07、02F02、およびBH253)の効果を例証する。
【
図2】代表的な精製されたBCMA三重特異性分子のSDS-PAGEの画像である。レーン1:01F07-M34Y TriTAC非減少;レーン2:01F07-M34G-TriTAC非減少;レーン3:02B05 TriTAC非減少;レーン4:02G02-M34Y TriTAC非減少;レーン5:02G02 M34G TriTAC非減少;レーン6:広範囲のSDS-PAGE標準(Bio-Rad #1610317);レーン7:01F07-M34Y TriTAC非減少;レーン8:01F07-M34G-TriTAC非減少;レーン9:02B05 TriTAC非減少;レーン10:02G02-M34Y TriTAC非減少;レーン11:02G02 M34G TriTAC非減少;および、レーン12:広範囲のSDS-PAGE標準(Bio-Rad #1610317);
【
図3A】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図3B】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図3C】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図3D】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図3E】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図3F】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図3G】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図3H】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図3I】陰性対照と比較してBCMAを発現する、Jeko1(A-C)、MOLP-8(D-F)、あるいはOPM-2(G-I)細胞の死滅における本開示に係る抗BCMA結合タンパク質を含有する、例示的なBCMA三重特異性標的分子の効果を例証する。
【
図4】4つの異なるヒトドナー、ドナー02(A)、ドナー35(B)、ドナー81(C)、ドナー86(D)からの精製されたT細胞に対する本開示の例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)の結合を例証する。
【
図5】BCMA、NCI-H929(A)、EJM(B)、OPM2(D)、RPMI8226(E)を発現する細胞に対する、あるいは、BCMA、NCI-H510A(C)、および、DMS-153(F)の発現を欠く細胞株に対する、例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)の結合を例証する。
【
図6】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下または不在下における、例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)およびBCMA発現EJM細胞を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図7】変動するエフェクター細胞対標的細胞比率を使用して、例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現EJM細胞を使用するTDCCアッセイの結果を例証する。
【
図8】変動するエフェクター細胞対標的細胞比率を使用して、例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現OPM2細胞を使用するTDCCアッセイの結果を例証する。
【
図9】様々な時点と、1:1のエフェクター細胞対標的細胞比率とを使用して、例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現NCI-H929細胞を使用するTDCCアッセイの結果を例証する。
【
図10】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下における、4つの異なるドナーからの例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)、BCMA発現EJM細胞、および、T細胞を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図11】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下における、4つの異なるドナーからの例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)、BCMA発現NCI-H929細胞、および、T細胞を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図12】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下における、4つの異なるドナーからの例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)、BCMA発現OPM2細胞、および、T細胞を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図13】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下における、4つの異なるドナーからの例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)、BCMA発現RPMI8226細胞、および、T細胞を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図14】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下における、4つの異なるドナーからの例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)、BCMA非発現OVCAR8細胞、および、T細胞を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図15】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下における、4つの異なるドナーからの例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)、BCMA非発現NCI-H510A細胞、および、T細胞を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図16】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下における、2つの異なるカニクイザルからの例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)、BCMA発現NCI-H929細胞、および、末梢血単核細胞(PBMC)を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図17】ヒト血清アルブミン(HSA)の存在下における、2つの異なるカニクイザルドナーからの本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)、BCMA発現RPMI8226細胞、および、末梢血単核細胞(PBMC)を使用する、TDCCアッセイの結果を例証する。
【
図18】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現EJM細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD69の発現レベルを例証する。
【
図19】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現EJM細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD25の発現レベルを例証する。
【
図20】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現OPM2細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD69の発現レベルを例証する。
【
図21】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現OPM2細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD25の発現レベルを例証する。
【
図22】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現RPMI8226細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD69の発現レベルを例証する。
【
図23】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA発現RPMI8226細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD25の発現レベルを例証する。
【
図24】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA非発現OVCAR8細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD69の発現レベルを例証する。
【
図25】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA非発現OVCAR8細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD25の発現レベルを例証する。
【
図26】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA非発現NCI-H510A細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD69の発現レベルを例証する。
【
図27】本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA三重特異性標的タンパク質(02B05)とBCMA非発現NCI-H510A細胞を使用するTDCCアッセイ後の、T細胞活性化バイオマーカーCD25の発現レベルを例証する。
【
図28】本開示のBCMA結合タンパク質を含む濃度を増大させた例示的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)、あるいは陰性対照GFP三重特異性タンパク質を用いて処理されたT細胞とBCMA発現標的細胞(EJM細胞)の共培養中のサイトカイン、TNF-αの発現レベルを例証する。
【
図29】様々な濃度での本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)、あるいは対照ビヒクルを用いて処理されたRPMI8226異種移植片モデルにおける腫瘍成長の減少を例証する。
【
図30】様々な濃度での本開示のBCMA結合タンパク質を含む例示的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)、あるいは対照ビヒクルを用いて処理されたJeko1異種移植片モデルにおける腫瘍成長の減少を例証する。
【
図31】本開示のBCMA結合タンパク質を含む様々な濃度の例示的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)を投与されたカニクイザルの血清サンプル中のBCMA標的三重特異性タンパク質の濃度を例証する。
【
図32】BCMA三重特異性標的タンパク質に晒されなかったカニクイザルの血清の存在下において、本開示のBCMA結合タンパク質を含む様々な濃度の例示的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)、BCMA発現EJM細胞、および精製されたヒトT細胞を投与されたカニクイザルの血清サンプルから得られたBCMA標的三重特異性タンパク質を使用するTDCCアッセイの結果である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者の心に思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
【0035】
特定の定義
本明細書で使用される用語は、特定の事例のみを記載することを目的としており、本発明を制限することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明白に示していない限り、同様に複数形を含むように意図される。さらに、用語「含むこと(including)」、「含む(includes)」「有すること(having)」、「有する(has)」、「とともに(with)」、またはその変形が、詳細な記載および/または請求項のいずれかで使用される程度まで、そのような用語は、用語「含む(comprising)」に類似した方法で含まれるように意図される。
【0036】
用語「約(about)」または「およそ(approximately)」は、当業者によって決定されるような特定の値の許容可能な誤差範囲内であることを意味し、これは、その値がどのように測定または決定されるかに、例えば、測定システムの制限に部分的に依存している。例えば、「約」とは、任意の値での実践につき1または1を超える標準偏差を意味し得る。特定の値が本出願と請求項に記載されている場合、特段の定めのない限り、「約」との用語は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味するものであると仮定されなければならない。
【0037】
「個体」、「患者」、または「被験体」との用語は互換的に使用される。どの用語も、保健従事者(例えば、医師、正看護婦、ナース-プラクティショナー、医師助手、用務係、またはホスピス職員)の監督(例えば、持続的または断続的)によって特徴付けられた状態を要求せず、またはそれに限定されない。
【0038】
「抗体」は典型的には、共有的なジスルフィド結合と非共有的な相互作用によってまとめられている、2つの重(H)および2つの軽(L)ポリペプチド鎖を含むY字型の四量体タンパク質を指す。ヒト軽鎖は可変ドメイン(VL)と定常ドメイン(CL)を含み、定常ドメインは、アミノ酸配列と遺伝子座位に基づいてカッパまたはラムダとして容易に分類され得る。各重鎖は1つの可変ドメイン(VH)と定常領域を含み、これは、IgG、IgA、およびIgDの場合には、CH1、CH2、およびCH3と呼ばれる3つのドメインを含む(IgMとIgEは第4のドメイン、CH4を有する)。IgG、IgA、およびIgDの分類において、CH1とCH2のドメインは、可変長のプロリンおよびシステイン豊富なセグメントである(通常IgG中に約10~約60のアミノ酸)柔軟なヒンジ領域によって離されている。軽鎖と重鎖の両方の可変ドメインは、約12以上のアミノ酸の「J」領域によって定常ドメインに結合され、重鎖はさらに約10のさらなるアミノ酸の「D」領域を有する。抗体の各クラスは、対になったシステイン残基によって形成された鎖間および鎖内のジスルフィド結合を含む。免疫グロブリン分子には2つのタイプの天然のジスルフィド架橋あるいは結合:鎖間および鎖内のジスルフィド結合がある。鎖間ジスルフィド結合の位置と数は、免疫グロブリンのクラスと種によって変わる。鎖間ジスルフィド結合は、免疫グロブリンの表面に位置し、溶剤に利用可能であり、通常比較的容易に還元される。ヒトIgG1アイソタイプでは、4つの鎖間ジスルフィド結合があり、各重鎖から軽鎖まで1つ、および、重鎖間に2つある。鎖間ジスルフィド結合は鎖の結合には必要ではない。周知のように、重鎖のシステイン豊富なIgG1ヒンジ領域は一般に、3つの部分:上部ヒンジ、コアヒンジ、および下部ヒンジからなるように保持されている。当業者は、IgG1ヒンジ領域が、鎖間ジスルフィド結合(2つの重/重、2つの重/軽)を含む重鎖内にシステインを含有しており、これがFabの移動を促進する構造的な柔軟性をもたらすことを理解するであろう。IgG1の軽鎖と重鎖との間の鎖間ジスルフィド結合は、カッパまたはラムダ軽鎖のC214と、重鎖の上部ヒンジ領域内のC220との間で形成される。重鎖間の鎖間ジスルフィド結合は、位置C226とC229にある(すべて、下のKabat,et al.に従ってEUの指標に基づき番号を付された)。
【0039】
本明細書で使用されるように、「抗体」との用語は、その突然変異タンパク質および変異体を含む、ポリクローナル抗体、マルチクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化および霊長類化(primatized)抗体、CDR移植抗体、ヒト抗体、組換え生成された抗体、イントラボディ、多特異性抗体、二重特異性抗体、一価抗体、多価抗体、抗イディオタイプ抗体、合成抗体、免疫特異性抗体フラグメント、例えば、Fd、Fab、F(ab’)2、F(ab’)断片、単鎖断片(例えば、ScFvとScFvFc)、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、VHとCH1のドメインからなるFd断片、線形抗体、sdAbなどの単一ドメイン抗体(VH、VL、あるいはVHHドメイン(軽鎖を欠いている重鎖のみの抗体など));ならびに、Fc融合と他の修飾を含むその誘導体、および、それがBCMAタンパク質との優先的な会合または結合のための結合部位を有するドメインを含む限り、任意の他の免疫反応性の分子を含む。さらに、文脈上の制約によって他の方法で指定されない限り、この用語はさらに、すべてのクラスの抗体(つまり、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM)とすべてのサブクラス(つまり、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)を含む。様々なクラスの抗体に対応する重鎖定常ドメインは典型的には、対応する小文字のギリシャ文字α、δ、ε、γ、およびμによってそれぞれ表示される。任意の脊椎動物種の抗体の軽鎖は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる、2つの明らかに異なるタイプの1つに割り当てられ得る。
【0040】
「フレームワーク」または「FR」残基(または領域)との用語は、本明細書で定義されるようなCDRまたは超可変領域の残基以外の可変ドメイン残基を指す。「ヒト・コンセンサス・フレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択の際に最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。
【0041】
本明細書で使用されるように、「可変領域」または「可変ドメイン」とは、可変ドメインの特定の部分が抗体中の配列で大きく異なり、その特定の抗原に対する各々の特定の抗体の結合と特異性で使用されるという事実を指す。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメイン全体に均一に分布していない。それは、軽鎖と重鎖の両方の可変ドメイン中の相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分はフレームワーク(FR)と呼ばれる。天然の重鎖と軽鎖の可変ドメインは各々、β-シート構造を接続する、場合によってはβ-シート構造の一部を形成するループを形成する、3つのCDRにより接続された、β-シート構造を採用している4つのFR領域を含む。各鎖のCDRはFR領域によって極めて近接して一緒に保持され、他の鎖からのCDRとともに、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition, National Institute of Health, Bethesda,Md.(1991)を参照)。定常ドメインは抗体を抗原に結合することに直接関与しないが、抗体依存性の細胞毒性における抗体の関与などの様々なエフェクター機能を示す。「Kabatでのような可変ドメイン残基のナンバリング」あるいは「Kabatでのようなアミノ酸位置のナンバリング」、およびその変更形態は、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.(1991)における抗体の編集物の重鎖可変ドメインあるいは軽鎖可変ドメインのために使用される番号づけ方式を参照する。このナンバリングシステムを使用して、実際の直線のアミノ酸配列は、可変性ドメインのFRまたはCDRの省略、またはそれらへの挿入に対応する、より少数のまたは付加的なアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸挿入物(Kabatに係る残基52a)を、重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatに従って残基82a、82b、および82cなど)を含んでもよい。残基のKabatナンバリングは、「標準の」Kabatナンバリングを行った配列を有する抗体の配列の相同領域にある列によって、与えられた抗体について測定され得る。本開示のCDRはKabatの番号付与の慣習に必ず対応するということを意図するものではない。
【0042】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、VHあるいはVHHドメインなどの重鎖のみの抗体を含む。場合によっては、BCMA結合三重特異性タンパク質は、操作されたヒトVHドメインである重鎖のみの抗体を含む。いくつかの例において、操作されたヒトVHドメインは、ファージディスプレイライブラリのパニングに生成される。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質はVHHを含む。「VHH」との用語は、本明細書で使用されるように、軽鎖を欠いた単鎖抗体結合ドメインを指す。場合によっては、VHHは、軽鎖を生来欠いているラクダ科あるいは軟骨魚類で見られるタイプの抗体に由来し、あるいは、それに応じて構築することができる合成の非免疫VHHに派生する。各重鎖は、V、D、およびJのエクソンによってコードされた可変領域を含む。VHHは、場合によっては、天然のVHH、例えば、ラクダ科由来のVHH、あるいは、重鎖可変ドメインを含む組換え型タンパク質である。いくつかの実施形態において、VHHは、ラクダ、ラマ、ビクーニャ、グアナコ、および軟骨魚類(限定されないが、サメなど)からなる群から選択された種に由来する。別の実施形態では、VHHは、アルパカ(限定されないが、ワカヤ(Huacaya Alpaca)とスーリ(Suri alpaca)など)に由来する。
【0043】
本明細書で使用されるように、配列に対する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」との用語は、最大のパーセント配列同一性を達成するために配列をアラインメントして、必要に応じてギャップを導入した後に、かつ、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮せずに、特定の配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基の割合として定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当該技術分野内の様々な方法で、例えば、EMBOSS MATCHER、EMBOSS WATER、EMBOSS STRETCHER、EMBOSS NEEDLE、EMBOSS LALIGN、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアプログラムを用いて達成可能である。当業者は、比較されている配列の完全長での最大のアラインメントを達成するために必要とされるあらゆるアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0044】
本明細書で使用されるように、「消失半減期」は、GoodmanとGillmanのThe Pharmaceutical Basis of Therapeutics 21-25(Alfred Goodman Gilman,Louis S.Goodman,and Alfred Gilman,eds.,6th ed.1980)に記載されるように、その通常の意味で使用される。簡潔にいえば、この用語は、薬物消失の時間経過の定量的尺度を包含することを意味している。薬物濃度が通常、消失プロセスの飽和に必要な濃度に達しないため、ほとんどの薬剤の消失は指数関数的なものである(すなわち、一次速度論に従う)。急激なプロセスの速度は、時間の単位当たりの分数変化率を表すその速度定数kによって、または、プロセスの50%の完了に必要な時間であるその半減期t1/2によって表され得る。これらの2つの定数の単位は、それぞれ時間-1および時間である。一次反応速度定数および反応の半減期は単純に関連づけられ(k×t1/2=0.693)、適宜交換され得る。一次消失速度論は、薬物の一定の割合が時間単位ごとに失われることを規定するため、薬物濃度対時間の対数のプロットは、初期分布段階後(すなわち、薬物吸収と分布が完了した後)の全ての時間で直線状である。薬物消失の半減期は、そのようなグラフから正確に判定され得る。
【0045】
本明細書で使用されるように、「結合親和性」との用語は、結合標的に対する本開示に記載されたタンパク質の親和性を指し、「Kd」値を数的に使用して表現される。2つ以上のタンパク質が、その結合標的に対して同等の結合親和性を有すると示されている場合、その結合標的に対するそれぞれのタンパク質の結合に関するKd値は、互いの±2倍以内である。2つ以上のタンパク質が単一の結合標的に対して同等の結合親和性を有すると示されている場合、上記の単一結合標的に対するそれぞれのタンパク質の結合に関するKd値は、互いの±2倍以内である。タンパク質が同等の結合親和性で2つ以上の標的に結合すると示されている場合、2つ以上の標的に対する上記タンパク質の結合に関するKd値は、互いの±2倍以内である。一般に、高いKd値は弱い結合に相当する。いくつかの実施形態では、「Kd」は、BIACORE(登録商標)-2000あるいはBIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,N.J.)を使用して放射標識された抗原結合アッセイ(RIA)または表面プラズモン共鳴アッセイによって測定される。ある実施形態では、「on-rate」あるいは「会合速度(rate of associationまたはassociation rate)」あるいは「kon」、および「オフ率」あるいは「解離速度(rate of dissociation)または(dissociation rate)」、または「koff」もBIACORE(登録商標)-2000あるいはBIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,N.J.)を使用して、表面プラズモン共鳴技術で決定される。さらなる実施形態では、「Kd」、「kon」、および「koff」は、OCTET(登録商標)システムズ(Pall Life Sciences)を使用して測定される。OCTET(登録商標)Systemsを使用して、結合親和性を測定する例示的な方法では、リガンド、例えば、ビオチン化されたヒトのBCMAは、OCTET(登録商標)ストレプトアビジンキャピラリーセンサー先端表面に固定され、その後、ストレプトアビジンの先端は約20-50μg/mlのヒトのBCMAタンパク質を使用してメーカーの説明書に従って作動される。PBS/カゼインの溶液も遮断薬として導入される。結合反応速度測定に関して、BCMA結合タンパク質変異体は、約10ng/mL~約100μg/mL、約50ng/mL~約5μg/mL、または約2ng/mL~約20μg/mLの範囲の濃度で導入される。いくつかの実施形態において、BCMA結合単一ドメインタンパク質は、約2ng/mL~約20μg/mLの範囲の濃度で使用される。完全解離は、陰性対照である、結合タンパク質を含まないアッセイ緩衝液の場合に観察される。その後、結合反応の速度論的パラメーターは、適切なツール、例えば、ForteBioソフトウェアを使用して決定される。
【0046】
BCMA結合タンパク質、医薬組成物、同様に、上記BCMA結合タンパク質を作るための核酸、組換え発現ベクター、および宿主細胞が本明細書で提供される。さらに、疾患、疾病、および障害の予防および/または処置において、開示されたBCMA結合タンパク質を使用する方法も提供される。BCMA結合タンパク質はBCMAに特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、CD3結合ドメインおよびアルブミン結合ドメインなどの追加のドメインを含む。
【0047】
B細胞成熟抗原(BCMA)
B細胞成熟抗原(BCMA、TNFRSF17、CD269)は、最終分化B細胞上で主として発現する腫瘍壊死ファミリー受容体(TNFR)スーパーファミリーに属する膜貫通タンパク質である。BCMA発現はB細胞血統に制限され、形質細胞と形質芽細胞上に存在し、およびある程度までは記憶B細胞に存在するが、末梢性のナイーブB細胞には事実上存在しない。BCMAは、多発性骨髄腫(MM)細胞、白血病細胞、およびリンパ腫細胞上で発現される。
【0048】
BCMAは、ヒトの腸のT細胞性リンパ腫で見られるt(4;16)(q26;p13)転座の分子分析によって同定され、インフレーム配列は16p13.1染色体バンドにマッピングされた。
【0049】
ヒトBCMA cDNAは、184のアミノ酸ポリペプチドをコードする552bpのオープンリーディングフレームを有する。BCMA遺伝子は、それぞれがGTドナーとAG受容体コンセンサスプライシング部位とに隣接している2つのイントロンによって離される3つのエクソンへと組織され、1.2kbの転写産物をコードする。BCMAタンパク質の構造は、α-ヘリックス構造中の中央の24アミノ酸疎水性領域に基づく不可欠な内在性膜貫通タンパク質を含む。
【0050】
マウスBCMA遺伝子は、ヒト16p13領域にシンテニーな染色体16に位置し、2つのイントロンによって離間された3つのエクソンをさらに含む。遺伝子は185アミノ酸タンパク質をコードする。マウスBCMA mRNAは、形質細胞腫細胞(J558)において最大レベルで、およびA20 B細胞リンパ腫株において適度なレベルで、404bpの転写産物として発現される。マウスBCMA mRNA転写産物は、T細胞と樹状細胞起原のヒト細胞株とは対照的に、T細胞性リンパ腫(EL4、BW5147)と樹状細胞(CB1D6、D2SC1)株では低いレベルで検出された。マウスBCMA cDNA配列は、ヒトBCMA cDNA配列に69.3%のヌクレオチド同一性を有し、これらの2つのcDNA配列間のコード領域を比較する場合には、わずかに高い同一性(73.7%)を有する。マウスBCMAタンパク質は、ヒトBCMAタンパク質に62%同一であり、ヒトBCMAのように、内部膜貫通セグメントであり得る1つの疎水性領域を含有する。マウスとヒトの両方のBCMAタンパク質のN末端の40アミノ酸ドメインは、TNFRの細胞外のドメインで見られるシステイン反復モチーフの形成と一致する、6つの保存されたシステイン残基を有する。TNFRスーパーファミリーのメンバーに似て、BCMAタンパク質は、第1のシステインからの保存された芳香族残基4-6の残基C末端を含有する。
【0051】
BCMAは細胞表面では発現されず、むしろ、ゴルジ体に位置する。BCMA発現の量は、細胞の分化(形質細胞で最も高い)の段階に比例する。
【0052】
BCMAは、そのリガンドBAFF(B細胞活性化因子、TALL-1あるいはTNFSF13Bとも呼ばれる)とAPRIL(A増殖誘導リガンド)との相互作用により、B細胞の発育とホメオスタシスに関与する。
【0053】
BCMAは、そのファミリーメンバーTACI(膜貫通アクチベーターおよびシクロフィリンリガンド相互作用物質)およびBAFF-R(B細胞活性化因子受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー13Cとしても知られている)と共に、体液性免疫、B細胞の発育とホメオスタシスの様々な態様を調節する。BCMAの発現はB細胞分化においてやや遅れて現れ、骨髄中の形質芽細胞と形質細胞の長期生存に寄与する。BCMAはさらに、多発性骨髄腫(MM)細胞の成長および生存を支えている。
【0054】
BCMAは、長期的な体液性免疫を維持する形質細胞の生存を媒介する際のその機能的活性について主に知られている。
【0055】
癌、多発性骨髄腫、白血病、およびリンパ腫などのBCMAの過剰発現に関連する固形腫瘍疾患のための処置の選択肢を持つことに対するニーズがある。本開示は、ある実施形態では、腫瘍標的細胞の表面上のBCMAに特異的に結合する単一ドメインタンパク質を提供する。
【0056】
BCMA結合タンパク質
BCMA結合タンパク質が本明細書で企図される。ある実施形態において、BCMAタンパク質中のエピトープに結合する、抗BCMA単一ドメイン抗体あるいは抗体変異体などの結合タンパク質が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:468の配列を含むヒトBCMAタンパク質に結合する。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:468と比較して、切断された配列を含むヒトBCMAタンパク質に結合する。非限定的な一実施例では、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:468のアミノ酸残基5-51を含むヒトBCMAタンパク質に結合する。
【0057】
いくつかの実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、追加の免疫グロブリンドメインを含む多ドメインタンパク質内で発現され得る。そのような多ドメインタンパク質は、腫瘍成長の抗毒素に基づく阻害と抗体依存性細胞傷害(ADCC)の誘導によって作用することができる。いくつかの実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質を含む多ドメインタンパク質は、補体依存細胞毒性(CDC)活性を示す。いくつかの実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質を含む多ドメインタンパク質は、BCMAを発現する癌細胞に対して、ADCCおよびCDCの両方の活性を示す。Fcドメインのアミノ酸配列は、ACDDまたはCDCを引き起こすために、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質に添加され得る。Fcドメインのアミノ酸配列は当該技術分野において既知であり、本明細書において企図される。
【0058】
本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質は、BCMAの細胞外ドメインに結合する。1つの例では、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質は、ヒトBCMAのアミノ酸残基5-51に結合する。
【0059】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、抗BCMAの抗体あるいは抗体変異体である。本明細書で使用されるように、「抗体変異体」との用語は、本明細書に記載される抗体の変異体および誘導体を指す。ある実施形態では、本明細書に記載される抗BCMA抗体のアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、ある実施形態では、本明細書に記載される抗BCMA抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体の結合親和性および/または他の生体特性を改善するために企図される。アミノ酸変異体を調製するための例示的な方法は、限定されないが、抗体をコードするヌクレオチド配列へ適切な修飾を導入すること、あるいはペプチド合成を含む。そのような修飾は、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/または残基への挿入および/または置換を含む。
【0060】
最終構築物に到達するために、あらゆる欠失、挿入、および置換の組み合わせを行うことができるが、ただし、最終構築物は所望の特徴(例えば、抗原-結合)を有する。ある実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換を有する抗体変異体が提供される。置換突然変異誘発の対象部位はCDRとフレームワーク領域を含む。そのような置換の例が以下に記載される。アミノ酸置換は、所望の抗体に導入されてもよく、生成物は、所望の活性、例えば、保持された/改善された抗原結合、減少した免疫原性、あるいは改善された抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)または補体依存細胞毒性(CDC)についてスクリーニングされてもよい。保守的および非保存的なアミノ酸置換は抗体変異体の調製について企図される。
【0061】
変異体抗BCMA抗体を作製する置換の別の例では、親抗体の1つ以上の超可変領域残基が置換されている。概して、変異体は、親抗体と比較して、所望の特性の改善、例えば、親和性の増加、親和性の減少、免疫原性の減少、pH依存性の結合の増加に基づいて、選択される。例えば、親和性成熟変異体抗体は、例えば、本明細書に記載される技術や当該技術分野で知られている技術などのファージディスプレーベースの親和性成熟技術を用いて、生成可能である。
【0062】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質は、単一ドメイン抗体、例えば、BCMAに特異的な、ラマ由来のsdAbの重鎖可変ドメイン(VH)、可変ドメイン(VHH)、ペプチド、リガンド、または小分子実体である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質のBCMA結合ドメインは、限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体からのドメインを含む、BCMAに結合する任意のドメインである。特定の実施形態において、BCMA結合タンパク質は単一ドメイン抗体である。他の実施形態において、BCMA結合タンパク質はペプチドである。さらなる実施形態において、BCMA結合タンパク質は小分子である。
【0063】
一般に、単一ドメイン抗体との用語は、その最も広い意味で本明細書で使用されるように、特定の生体源あるいは特定の調製方法に限定されないことに着目されたい。単一ドメイン抗体は、その相補性決定領域が単一ドメインポリペプチドの一部である抗体である。例として、限定されないが、重鎖抗体、軽鎖を生来欠いている抗体、従来の4鎖状抗体に由来する単一ドメイン抗体、操作された抗体、および抗体由来のもの以外の単一ドメインスキャホールドが挙げられる。単一ドメイン抗体は、当該技術分野のいずれかであるか、あるいは、将来の単一ドメイン抗体であり得る。単一ドメイン抗体は、限定されないが、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、ヤギ、ウサギ、および、ウシを含む任意の種に由来し得る。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の単一ドメイン抗体は、(1)自然発生の重鎖抗体のVHHドメインの隔離;(2)自然発生のVHHドメインをコードするヌクレオチド配列の発現;(3)自然発生のVHHドメインの「ヒト化」、あるいはそのようなヒト化されたVHHドメインをコードする核酸の発現;(4)任意の動物種に由来する、および、とりわけ人間などからの哺乳動物の種からの自然発生のVHドメインの「ラクダ化(camelization)」、あるいは、そのようなラクダ化VHドメインをコードする核酸の発現;(5)「ドメイン抗体」または「Dab」の「ラクダ化」、あるいはそのようなラクダ化VHドメインをコードする核酸の発現;(6)タンパク質、ポリペプチド、あるいは他のアミノ酸配列を調製するための合成技術または半合成技術の使用;(7)当該技術分野で知られている技術を使用した単一ドメイン抗体をコードする核酸の調製と、その後の上記のように得られた核酸の発現;および/または、(8)前述の1つ以上の任意の組み合わせ、によって、得られる。
【0064】
1つの実施形態では、単一ドメイン抗体は、BCMAに対して向けられた自然発生重鎖抗体のVHHドメインに対応する。本明細書にさらに記載されるように、そのようなVHH配列は通常、BCMA(つまり、BCMAに対して向けられた免疫応答および/または重鎖抗体を生じさせるために)を有するラマの種を適切に免疫化することによって、上記ラマ由来の適切な生体サンプル(血液サンプル、血清サンプル、またはB細胞のサンプルなど)を得ることによって、および、当該技術分野で知られているあらゆる適切な技術を用いて上記サンプルから始まるBCMAに対して向けられたVHH配列を生成することにより、生成または入手可能である。
【0065】
別の実施形態において、BCMAに対するそのような自然発生VHHドメインは、ラクダ科の動物のVHH配列の未処理のライブラリから、例えば、BCMAを使用して、あるいは、当該技術分野で知られている少なくとも1つのスクリーニング技術を用いて、その少なくとも1つの部分、断片、抗原決定基、あるいはエピトープを使用して、そのようなライブラリをスクリーニングすることによって、得られる。そのようなライブラリおよび技術は、例えば、WO99/37681、WO01/90190、WO03/025020、およびWO03/035694に記載される。代替的に、未処理のVHHライブラリに由来する改善された合成または半合成のライブラリ、例えば、WO00/43507に記載されるような、無作為の突然変異誘発および/またはCDRシャッフリングなどの技術によって、未処理のVHHライブラリから得られたVHHライブラリなどが使用される。
【0066】
さらなる実施形態において、BCMAに対して向けられたVHH配列を得るためのさらに別の技術は、重鎖抗体を発現することができる(つまり、BCMAに対して向けられた免疫応答および/または重鎖抗体を産生するために)トランスジェニック哺乳動物を適切に免疫化すること、上記トランスジェニック哺乳動物から適切な生体サンプル(血液サンプル、血清サンプル、またはB細胞のサンプル)を得ること、および、当該技術分野で知られているあらゆる適切な技術を使用して、上記サンプルから開始して、BCMAに対して向けられたVHH配列を生成することを含む。例えば、この目的のために、重鎖抗体発現ラットまたはマウス、およびWO02/085945とWO04/049794に記載されるような方法と技術を使用することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、抗BCMA抗体は、本明細書に記載されるように、自然発生のVHHドメインのアミノ酸配列に対応するが、「ヒト化している」、つまり、上記自然発生のVHH配列のアミノ酸配列中(および、とりわけ、フレームワーク配列内)の1つ以上のアミノ酸残基を、(例えば、上に示すような)ヒト由来の従来の4-鎖抗体からのVHドメイン中の対応する位置で生じるアミノ酸残基の1つ以上に置き換えることによって「ヒト化している」、アミノ酸配列を有する単一ドメイン抗体を含む。これは、例えば、さらに以下の記載に基づいて、当業者に明らかな当該技術分野で知られているやり方で実施可能である。再度、本開示のそのようなヒト化された抗BCMA単一ドメイン抗体がそれ自体で知られている任意の適切なやり方で得られ(つまり、上のポイント(1)-(8)で示されたように)、従って、出発物質として自然発生のVHHドメインを含むポリペプチドを使用して得られたポリペプチドに厳密には限定されない。いくつかのさらなる実施形態では、単一ドメインBCMA抗体は、本明細書に記載されるように、自然発生のVHドメインのアミノ酸配列に対応するが、「ラクダ化している」、つまり、従来の4-鎖抗体からの自然発生のVHドメインのアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基を、重鎖抗体のVHHドメイン中の対応する位置で生じるアミノ酸残基の1つ以上に置き換えることによって「ラクダ化している」、アミノ酸配列を有する単一ドメイン抗体を含む。そのような「ラクダ化」置換は好ましくは、VH-VL界面および/またはいわゆるラクダ科に顕著な残基を形成するか、ならびに/あるいは、そこに存在する、アミノ酸位置に挿入される(例えば、WO 94/04678とDavies and Riechmann(1994と1996)を参照)。好ましくは、ラクダ化単一ドメインを生成または設計するための出発物質または出発点として使用されるVH配列は、好ましくは哺乳動物からのVH配列、より好ましくはVH3配列などのヒトのVH配列である。しかしながら、特定の実施形態では、本開示のそのようなラクダ化された抗BCMA単一ドメイン抗体は、当該技術分野で知られているやり方(つまり、上のポイント(1)-(8)で示されように)で得られ、したがって、出発物質としての自然発生のVHドメインを含むポリペプチドを用いて得られたポリペプチドに厳密には限定されないということに注意されたい。例えば、本明細書にさらに記載されるように、「ヒト化」および「ラクダ化」の両方は、自然発生のVHHドメインあるいはVHドメインをコードするヌクレオチド配列を提供し、および、その後、新しいヌクレオチド配列が「ヒト化」または「ラクダ化」単一ドメイン抗体をそれぞれコードするようなやり方で提供されたヌクレオチド配列中の1つ以上のコドンを変えることによって、実行される。その後、この核酸は、本開示の所望の抗BCMA単一ドメイン抗体を提供するために発現可能である。代替的に、他の実施形態では、自然発生のVHHドメインあるいはVHドメインのアミノ酸配列にそれぞれ基づいて、本開示の所望のヒト化またはラクダ化抗BCMA単一ドメイン抗体のそれぞれのアミノ酸配列がそれぞれ設計され、その後、ペプチド合成の既知の技術を用いてデノボ合成される。いくつかの実施形態において、自然発生のVHHドメインあるいはVHドメインのアミノ酸配列あるいはヌクレオチド配列にそれぞれ基づいて、本開示の所望のヒト化またはラクダ化抗BCMA単鎖抗体をコードするヌクレオチド配列がそれぞれ設計され、その後、核酸合成の既知の技術を用いてデノボ合成され、その後、本開示の所望の抗BCMA単一ドメイン抗体を得るために、このように得られた核酸を、既知の発現技術を用いて発現させる。
【0068】
自然発生のVH配列またはVHH配列から始まる、本開示の抗BCMA単一ドメイン抗体および/またはこの抗BCMA単一ドメイン抗体をコードする核酸を得るための他の適切な方法および技術は、例えば、本開示の抗BCMA単一ドメイン抗体あるいはこれをコードするヌクレオチド配列または核酸を提供するために、適切なやり方で、1つ以上の自然発生のVH配列の1つ以上の部分(1つ以上のフレームワーク(FR)配列および/または相補性決定領域(CDR)配列など)、1つ以上の自然発生のVHH配列の1つ以上の部分(1つ以上のFR配列あるいはCDR配列など)、および/または、1つ以上の合成または半合成の配列を組み合わせることを含む。
【0069】
実施形態によっては、BCMA結合タンパク質はかなり小さく、実施形態によっては、わずか25kD、わずか20kD、わずか15kD、またはわずか10kDであることが企図される。特定の例において、BCMA結合タンパク質は、ペプチドまたは小分子の実体である場合に5kD以下である。
【0070】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、重鎖可変相補性決定領域CDR1、重鎖可変CDR2、重鎖可変CDR3、軽鎖可変CDR1、軽鎖可変CDR2、および軽鎖可変CDR3を含む、抗BCMA特異的抗体を含む。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、あるいは抗原結合フラグメント、例えば、単一ドメイン抗体(sdAb)、Fab、Fab’、F(ab)2、およびFvフラグメント、1つ以上のCDRで構成されたフラグメント、単鎖抗体(例えば、単鎖Fvフラグメント(scFv))、ジスルフィド安定化(dsFv)Fvフラグメント、ヘテロ共役抗体(例えば、二重特異性抗体)、pFvフラグメント、重鎖単量体または二量体、軽鎖単量体または二量体、ならびに1つの重鎖と1つの軽鎖からなる二量体からのドメインを含む、BCMAに結合する任意のドメインを含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合タンパク質は単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、抗BCMA単一ドメイン抗体は、重鎖可変相補性決定領域(CDR)、CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、式:f1-r1-f2-r2-f3-r3-f4によって表わされるように、3つの相補性決定領域/配列によって中断された4つのフレームワーク領域/配列(f1-f4)で構成されるアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、式中、r1、r2、およびr3はそれぞれ、相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3であり、f1、f2、f3、およびf4はフレームワーク残基である。本開示のBCMA結合タンパク質のr1残基は、例えば、アミノ酸残基26、27、28、29、30、31、32、33、および34を含み;本開示のBCMA結合タンパク質のr2残基は、例えば、アミノ酸残基、例えば、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、および63を含み;ならびに、本開示のBCMA結合タンパク質のr3残基は、例えば、アミノ酸残基、例えば、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、および108を含む。いくつかの実施形態では、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:346-460から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0072】
1つの実施形態では、CDR1は、SEQ ID NO:473のアミノ酸配列を含まない。1つの実施形態では、CDR2は、SEQ ID NO:474のアミノ酸配列を含まない。1つの実施形態では、CDR3は、SEQ ID NO:475のアミノ酸配列を含まない。
【0073】
いくつかの実施形態において、CDR1は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10のアミノ酸置換を有する、SEQ ID NO:1に記載のアミノ酸配列あるいはその変異体を含む。例示的なCDR1は、SEQ ID NO:4で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:5で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:6で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:7で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:8で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:9で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:10で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:11で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:12で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:13で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:14で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:15で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:16で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:17で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:18で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:19で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:20で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:21で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:22で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:23で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:24で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:25で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:26で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:27で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:28で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:29で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:30で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:31で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:32で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:33で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:34で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:35で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:36で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:37で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:38で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:39で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:40で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:41で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:42で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:43で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:44で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:45で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:46で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:47で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:48で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:49で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:50で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:51で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:52で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:53で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:54で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:55で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:56で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:57で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:58で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:59で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:60で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:61で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:62で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:63で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:64で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:65で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:66で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:67で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:68で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:69で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:70で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:71で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:72で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:73で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:74で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:75で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:76で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:77で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:78で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:79で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:80で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:81で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:82で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:83で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:84で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:85で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:86で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:87で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:88で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:89で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:90で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:91で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:92で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:93で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:94で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:95で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:96で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:97で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:98で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:99で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:100で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:101で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:102で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:103で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:104で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:105で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:106で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:107で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:108で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:109で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:110で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:111で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:112で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:113で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:114で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:115で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:116で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR1は、SEQ ID NO:117で記載されるアミノ酸配列を含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、CDR2は、SEQ ID NO:2における1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10のアミノ酸置換を有する、SEQ ID NO:2で記載される配列あるいは変異体を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:118で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:119で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:120で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:121で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:122で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:123で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:124で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:125で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:126で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:127で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:128で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:129で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:130で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:131で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:132で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:133で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:134で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:135で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:136で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:137で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:138で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:139で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:140で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:141で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:142で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:143で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:144で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:145で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:146で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:147で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:148で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:149で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:150で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:151で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:152で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:153で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:154で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:155で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:156で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:157で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:158で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:159で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:160で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:161で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:162で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:163で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:164で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:165で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:166で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:167で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:168で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:169で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:170で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:171で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:172で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:173で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:174で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:175で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:176で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:177で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:178で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:179で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:180で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:181で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:182で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:183で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:184で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:185で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:186で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:187で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:188で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:189で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:190で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:191で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:192で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:193で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:194で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:195で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:196で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:197で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:198で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:199で記載されるアミノ酸配列を。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:200で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:201で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:202で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:203で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:204で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:205で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:206で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:207で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:208で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:209で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:210で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:211で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:212で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:213で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:214で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:215で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:216で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:217で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:218で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:219で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:220で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:221で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:222で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:223で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:224で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:225で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:226で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:227で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:228で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:229で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:230で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR2は、SEQ ID NO:231で記載されるアミノ酸配列を含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、CDR3は、SEQ ID NO:3における1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10のアミノ酸置換を有する、SEQ ID NO:3で記載される配列あるいは変異体を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:232で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:233で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:234で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:235で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:236で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:237で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:238で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:239で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:240で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:241で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:242で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:243で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:244で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:245で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:246で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:247で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:248で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:249で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:250で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:251で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:252で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:253で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:254で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:255で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:256で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:257で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:258で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:259で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:260で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:261で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:262で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:263で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:264で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:265で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:266で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:267で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:268で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:269で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:270で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:271で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:272で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:273で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:274で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:275で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:276で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:277で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:278で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:279で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:280で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:281で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:282で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:283で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:284で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:285で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:286で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:287で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:288で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:289で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:290で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:291で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:292で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:293で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:294で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:295で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:296で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:297で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:298で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:299で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:300で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:301で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:302で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:303で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:304で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:305で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:306で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:307で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:308で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:309で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:310で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:311で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:312で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:313で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:314で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:315で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:316で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:317で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:318で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:319で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:320で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:321で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:322で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:323で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:324で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:325で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:326で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:327で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:328で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:329で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:330で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:331で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:332で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:333で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:334で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:335で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:336で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:337で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:338で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:339で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:340で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:341で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:342で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:343で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:344で記載されるアミノ酸配列を含む。別の例示的なCDR3は、SEQ ID NO:345で記載されるアミノ酸配列を含む。
【0076】
様々な実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:4-117から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、あるいは約100%同一であるアミノ酸配列を有するCDR1を有する。
【0077】
様々な実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:118-231から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、あるいは約100%同一であるアミノ酸配列を有するCDR2を有する。
【0078】
様々な実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質の相補性決定領域は、SEQ ID NO:232-345から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、あるいは約100%同一であるアミノ酸配列を有するCDR3を有する。
【0079】
様々な実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:346-460から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、あるいは約100%同一であるアミノ酸配列を有する。
【0080】
様々な実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:461あるいはSEQ ID NO:462で記載されるアミノ酸配列と少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、あるいは約100%同一であるアミノ酸配列を有するフレームワーク1(f1)を有する。
【0081】
様々な実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:463で記載されるアミノ酸配列と少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、あるいは約100%同一であるアミノ酸配列を有するフレームワーク2(f2)を有する。
【0082】
様々な実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:464あるいはSEQ ID NO:465で記載されるアミノ酸配列と少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、あるいは約100%同一であるアミノ酸配列を有するフレームワーク3(f3)を有する。
【0083】
様々な実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:466あるいはSEQ ID NO:467で記載されるアミノ酸配列と少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、あるいは約100%同一であるアミノ酸配列を有するフレームワーク4(f4)を有する。
【0084】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:346の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:347の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:348の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:349の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:350の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:351の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:352の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:353の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:354の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:355の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:356の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:357の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:358の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:359の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0085】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:360の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:361の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:362の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:363の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:364の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:365の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:366の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:367の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:368の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:369の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0086】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:370の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:371の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:372の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:373の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:374の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:375の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:376の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:377の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:378の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:379の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0087】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:380の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:381の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:382の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:383の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:384の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:385の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:386の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:387の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:388の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:389の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0088】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:390の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:391の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:392の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:393の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:394の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:395の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:396の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:397の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:398の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:399の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0089】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:400の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:401の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:402の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:403の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:404の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:405の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:406の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:407の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:408の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:409の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0090】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:410の配列を含むヒト化単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:411の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:412の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:413の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:414の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:415の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:416の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:417の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:418の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:419の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0091】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:420の配列を含むヒト化単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:421の配列を含むヒト化単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:422の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:423の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:424の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:425の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:426の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:427の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:428の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:429の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0092】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:430の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:431の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:432の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:433の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:434の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:435の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:436の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:437の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:438の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:439の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0093】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:440の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:441の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:442の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:443の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:444の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:445の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:446の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:447の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:448の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:449の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:450の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0094】
いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:451の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:452の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:453の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:454の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:455の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:456の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:457の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:458の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:459の配列を含む単一ドメイン抗体である。いくつかの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、SEQ ID NO:460の配列を含む単一ドメイン抗体である。
【0095】
本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質は、約0.1nMから約500nMの範囲のKdを有するヒトのBCMAに結合することができる。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約450nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約400nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約350nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約300nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約250nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約200nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約150nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約100nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.1nMから約90nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.2nMから約80nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.3nMから約70nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.4nMから約50nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.5nMから約30nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.6nMから約10nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.7nMから約8nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.8nMから約6nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約0.9nMから約4nMである。いくつかの実施形態では、hKdの範囲は約1nMから約2nMである。
【0096】
いくつかの実施形態において、前述のBCMA結合タンパク質のいずれかは、精製しやすくするためにタグ付けされた親和性ペプチドである。いくつかの実施形態において、親和性ペプチドタグは、Hisタグあるいは6X-Hisタグ(例えば、SEQ ID NO:471)とも呼ばれる6つの連続するヒスチジン残基である。
【0097】
ある実施形態では、本開示のBCMA結合タンパク質は、BCMA標的三重特異性タンパク質に取り込まれ得る。いくつかの例において、三重特異性結合タンパク質は、本開示に従ってCD3結合ドメイン、ヒト血清アルブミン(HSA)結合ドメイン、および抗BCMA結合ドメインを含む。いくつかの例では、三重特異性結合タンパク質は、以下の配向に:BCMA-HSA-CD3で上記のドメインを含む。
【0098】
ある実施形態では、本開示のBCMA結合タンパク質は、溶解可能なBCMAよりも膜結合型BCMAに優先的に結合する。膜結合型BCMAは、BCMAを発現する細胞の細胞膜表面中あるいはその表面上でのBCMAの存在を指す。溶解可能なBCMAは、表現するか、BCMAを発現するまたは発現した細胞の細胞膜表面中またはその表面上にはもはや存在しないBCMAを指す。ある例では、溶解可能なBCMAは、被験体の血液および/またはリンパ循環の中に存在する。1つの実施形態において、BCMA結合タンパク質は、可溶性BCMAよりも少なくとも5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、あるいは1000倍多く膜結合型BCMAに結合する。1つの実施形態において、本開示の三重特異性抗原結合タンパク質は、可溶性BCMAよりも30倍多く、膜結合型BCMAに優先的に結合する。可溶性BCMAよりも膜結合型BCMAに対する抗原結合タンパク質の優先的な結合の判定は、当該技術分野で周知のアッセイを使用して容易に判定され得る。
【0099】
キメラ抗原受容体(CAR)への組込み
本開示のBCMA結合タンパク質、例えば、抗BCMA単一ドメイン抗体は、特定の例では、キメラ抗原受容体(CAR)へ取り込まれ得る。操作された免疫エフェクター細胞、例えば、T細胞またはNK細胞は、本明細書に記載されるような抗BCMA単一ドメイン抗体を含むCARを発現するために使用可能である。1つの実施形態において、本明細書に記載されるような抗BCMA単一ドメイン抗体を含むCARは、ヒンジ領域を介して膜貫通ドメインに、さらには共刺激ドメイン、例えば、OX40、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、あるいは4-1BBから得られる機能的シグナル伝達ドメインに結合される。いくつかの実施形態において、CARはさらに、4-1BBおよび/またはCD3ゼータなどの細胞内シグナル伝達ドメインをコードする配列を含む。
【0100】
BCMAを標的とする多特異性タンパク質
1つの実施形態はBCMA結合ドメインを含む多特異性タンパク質を提供し、BCMA結合ドメインは上記の実施形態のいずれか1つによるものである。いくつかの実施形態において、多特異性タンパク質は、上記の実施形態のいずれか1つにかかるBCMA結合ドメイン(抗BCMAドメイン)、CD3結合ドメイン(抗CD3ドメイン)、およびアルブミン結合ドメイン(抗ALBドメイン)を含む。いくつかの実施形態において、BCMA標的多特異性タンパク質は三重特異性タンパク質であり、三重特異性タンパク質は、H2N-(C)-(A)-(B)-COOHのドメイン順序を有する。いくつかの実施形態において、抗BCMAドメイン(抗標的ドメイン、T)、抗CD3ドメイン(C)、および抗ALBドメイン(A)は、抗CD3:抗ALB:抗BCMA(CAT)の配向にある。いくつかの実施形態において、抗BCMAドメイン(抗標的ドメイン、T)、抗CD3ドメイン(C)、および抗ALBドメイン(A)は、抗BCMA:抗ALB:抗CD3(TAC)の配向にある。
【0101】
腫瘍増殖抑制特性
ある実施形態では、本開示のBCMA結合タンパク質は、BCMAを発現する腫瘍細胞を持っている被験体に投与されたとき、インビボで腫瘍細胞の増殖を抑制する。腫瘍細胞の増殖の抑制の測定は、当該技術分野で周知の複数の様々な方法によって判定することができる。非限定的な例は、腫瘍寸法の直接測定、切除された腫瘤の測定と対照被験体との比較、解析を強化するために同位体あるいは発光分子(例えば、ルシフェラーゼ)を使用することもあれば使用しないこともある画像処理技術(例えば、CTまたはMRI)による測定などを含む。特定の実施形態では、本開示の抗原結合剤の投与は、対照の抗原結合剤と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、あるいは100%の腫瘍細胞のインビボでの増殖の抑制をもたらし、腫瘍増殖の約100%の抑制とは、腫瘍の完全寛解と消失を示す。さらなる実施形態において、本開示の抗原結合剤の投与は、対照の抗原結合剤と比較して、約50-100%、約75-100%、あるいは約90-100%の腫瘍細胞のインビボでの増殖の抑制をもたらす。さらなる実施形態において、本開示の抗原結合剤の投与は、対照の抗原結合剤と比較して、約50-60%、約60-70%、約70-80%、約80-90%、あるいは約90-100%の腫瘍細胞のインビボでの増殖の抑制をもたらす。
【0102】
BCMA結合タンパク質の修飾
本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質は、(i)アミノ酸が遺伝子コードによってコードされるものではないアミノ酸残基で置換され、(ii)成熟ポリペプチドがポリエチレングリコールなどの別の化合物で融合され、または、(iii)追加のアミノ酸がタンパク質で融合される、誘導体またはアナログを包含し、例えば、リーダーまたは分泌配列、あるいは、免疫原ドメインを遮断するための、および/または、タンパク質の精製のための配列などを包含する。
【0103】
典型的な修飾は、限定されないが、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合型架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリスチル化、酸化、タンパク質プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、タンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介性の添加、例えば、アルギニル化(arginylation)、およびユビキチン化を含む。
【0104】
修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含む、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質のあらゆる場所で行われる。BCMA結合タンパク質の修飾に有用な特定の一般的なペプチド修飾は、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ-カルボキシル化、ヒドロキシル化、共有結合性修飾によるポリペプチド中のアミノ基またはカルボキシル基、あるいはその両方の遮断、およびADP-リボシル化を含む。
【0105】
BCMA結合タンパク質をコードするポリヌクレオチド
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子も提供される。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド分子は、DNA構築物として提供される。他の実施形態において、ポリヌクレオチド分子は、メッセンジャーRNA転写産物として提供される。
【0106】
ポリヌクレオチド分子は、適切なプロモーターに、および、適切な転写ターミネーターに動作可能に連結された、抗BCMA結合タンパク質をコードする遺伝子を組み合わせること、ならびに、それを細菌内あるいは他の適切な発現系、例えば、CHO細胞で発現させることなどの既知の方法によって構築される。
【0107】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、さらなる実施形態を表すベクター、好ましくは発現ベクターへと挿入される。この組換えベクターは、既知の方法に従って構築され得る。とりわけ対象のベクターは、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、virii(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルスなど)、およびコスミドを含む。
【0108】
様々な発現ベクター/宿主系は、記載されたBCMA結合タンパク質のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、およびこのポリオヌクレオチドを発現させるために利用され得る。大腸菌中で発現される発現ベクターの例としては、pSKK (Le Gall et al., J Immunol Methods. (2004) 285(1):111-27)、pcDNA5 (Invitrogen) for expression in mammalian cells、PICHIAPINK(商標)Yeast Expression Systems (Invitrogen)、BACUVANCE(商標)Baculovirus Expression System (GenScript)が挙げられる。
【0109】
ゆえに、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質は、いくつかの実施形態において、上述のようなタンパク質をコードするベクターを宿主細胞に導入することにより、および、タンパク質ドメインが発現され、分離され、随意にさらに精製され得る条件下において、上記宿主細胞を培養することにより、生成される。
【0110】
医薬組成物
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質、BCMA結合タンパク質のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクター、またはこのベクターにより形質転換される宿主細胞、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物も提供される。「薬学的に許容可能な担体」との用語は、限定されないが、成分の生物活性の有効性に干渉せず、および投与される患者に対して毒性ではない担体を含む。適切な薬学的担体の例は、当該技術分野で周知であり、リン酸緩衝食塩水、水、油/水エマルジョンなどのエマルジョン、様々なタイプの湿潤剤、無菌液などを含む。そのような担体は、従来の方法によって製剤することができ、適切な用量で被験体に投与することができる。好ましくは、組成物は滅菌される。これらの組成物はまた、防腐剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含有し得る。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗真菌剤を含めることによって確かなものとなり得る。さらなる実施形態は、凍結乾燥形態で包まれたか、水性媒体で包まれた、抗BCMA単一ドメイン抗体あるいはその抗原結合フラグメントなどの上記の結合タンパク質の1つ以上を提供する。
【0111】
医薬組成物のいくつかの実施形態において、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質は、ナノ粒子に封入される。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、フラーレン、液晶、リポソーム、量子ドット、超常磁性微粒子、デンドリマー、またはナノロッドである。医薬組成物の他の実施形態において、BCMA結合タンパク質はリポソームに結合される。いくつかの例では、BCMA結合タンパク質はリポソームの表面に結合する。いくつかの例では、BCMA結合タンパク質は、リポソームのシェル内にカプセル化される。いくつかの例において、リポソームはカチオン性リポソームである。
【0112】
本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質は、薬剤としての使用について企図される。投与は、異なる方法、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所、または皮内の投与により達成される。いくつかの実施形態において、投与経路は、治療の種類、および医薬組成物に含まれる化合物の種類に依存する。投与レジメンは、主治医および他の臨床学的因子により決定される。1人の患者のための投与量は、患者の大きさ、体表面積、年齢、性別、投与される特定の化合物、投与の時間と経路、治療の種類、健康状態、および同時に投与される他の薬物を含む多くの要因に依存する。「有効な量」は、疾患の経過と重症度に影響を及ぼし、それによりそのような病状の減少または寛解を引き起こすのに十分な量の活性成分を指し、既知の方法を用いて決定され得る。
【0113】
いくつかの実施形態において、本開示のBCMA結合タンパク質は、週一回の頻度で、最大10mg/kgの用量で投与される。場合によっては、用量は、約1ng/kg~約10mg/kgにおよぶ。いくつかの実施形態において、投与量は、約1ng/kg~約10ng/kg、約5ng/kg~約15ng/kg、約12ng/kg~約20ng/kg、約18ng/kg~約30ng/kg、約25ng/kg~約50ng/kg、約35ng/kg~約60ng/kg、約45ng/kg~約70ng/kg、約65ng/kg~約85ng/kg、約80ng/kg~約1μg/kg、約0.5μg/kg~約5μg/kg、約2μg/kg~約10μg/kg、約7μg/kg~約15μg/kg、約12μg/kg~約25μg/kg、約20μg/kg~約50μg/kg、約35μg/kg~約70μg/kg、約45μg/kg~約80μg/kg、約65μg/kg~約90μg/kg、約85μg/kg~約0.1mg/kg、約0.095mg/kg~約10mg/kgである。場合によっては、用量は、約0.1mg/kg~約0.2mg/kg;約0.25mg/kg~約0.5mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.75mg/kg~約3mg/kg、約2.5mg/kg~約4mg/kg、約3.5mg/kg~約5mg/kg、約4.5mg/kg~約6mg/kg、約5.5mg/kg~約7mg/kg、約6.5mg/kg~約8mg/kg、約7.5mg/kg~約9mg/kg、または約8.5mg/kg~約10mg/kgである。投与の頻度は、いくつかの実施形態において、ほぼ毎日(about less than daily)、隔日、一日一回未満、週に二回、毎週、七日に一回、二週に一回、二週に一回、三週に一回、四週に一回、または月に一回である。場合によっては、投与の頻度は毎週である。場合によっては、投与の頻度は毎週であり、用量は最大10mg/kgである。場合によっては、投与の持続期間は約1日~約4週間以上である。
【0114】
処置の方法
本明細書にはまた、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるようなBCMA結合タンパク質の投与を含む、個体の免疫系を刺激するための方法と使用が提供される。いくつかの例において、本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質の投与は、標的抗原を発現する細胞への細胞毒性を引き起こす、および/または持続させる。いくつかの例において、標的抗原を発現する細胞は、癌細胞または腫瘍細胞、または転移性の癌細胞または腫瘍細胞である、末端分化されたB細胞である。
【0115】
BCMA結合タンパク質、または本明細書に記載されるBCMA結合タンパク質を含む多特異性結合タンパク質を個体に投与する工程を含む、BCMAに関連する疾患、障害、または疾病の処置のための方法と使用も、本明細書で提供される。
【0116】
BCMAに関連する疾患、障害、または疾病は、限定されないが、B細胞系統の癌または転移を含む。
【0117】
本開示のBCMA結合タンパク質により、およびそれを使用する方法により処置、予防、または管理され得る癌には、限定されないが、原発性癌または転移性癌が挙げられる。
【0118】
白血病の例としては、限定されないが、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および慢性骨髄性白血病(CML)、同様に、多数のあまり一般的でないタイプ、例えば、ヘアリー細胞白血病(HCL)、T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、および成人T細胞白血病などが挙げられる。処置されるべき急性リンパ芽球性白血病(ALL)亜型には、限定されないが、前駆体B急性リンパ芽球性白血病、前駆体T急性リンパ芽球性白血病、バーキット白血病、および急性混合型白血病が挙げられる。処置されるべき慢性リンパ性白血病(CLL)亜型には、限定されないが、B細胞前リンパ球性白血病が挙げられる。処置されるべき急性骨髄性白血病(AML)亜型には、限定されないが、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄芽球白血病、および急性巨核芽球性白血病が挙げられる。処置されるべき慢性骨髄性白血病(CML)亜型には、限定されないが、慢性骨髄単球性白血病が挙げられる。
【0119】
主題の方法により処置されるべきリンパ腫の例には、限定されないが、ホジキン病、非ホジキン病、または、リンパ腫の任意の亜型が挙げられる。
【0120】
そのような多発性骨髄腫の例には、限定されないが、骨などの組織の多発性骨髄腫、例えば、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌型骨髄腫、骨硬化性骨髄腫などが挙げられる。
【0121】
そのような障害の検討のために、Fishman et al., 1985, Medicine, 2d Ed., J.B. Lippincott Co., Philadelphia and Murphy et al., 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of America)を参照されたい。
【0122】
本明細書で使用されるように、いくつかの実施形態において、「処置」、「処置すること」、または「処置された」とは、望ましくない生理的な疾病、障害、または疾患を遅らせる(減らす)こと、または、有益なまたは望ましい臨床結果を得ることを目的とする治療的処置を指す。本明細書に記載される目的のために、有益なまたは望ましい臨床結果として、限定されないが、症状の緩和;疾病、障害、または疾患の程度の減少;疾病、障害、または疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しないこと);疾病、障害、または疾患の発症を遅らせること、またはその進行を遅らせること;疾病、障害、または疾患の状態の改善;および、検出の可否にかかわらず、疾病、障害、または疾患の緩解(部分的または全体)、またはその亢進または改善が挙げられる。処置は、過剰なレベルの副作用のない臨床的に有意な反応の誘発を含む。処置はさらに、処置を受けない場合の予想される生存時間と比較して、生存時間の延長を含む。他の実施形態において、「処置」、「処置すること」、または「処置された」とは、予防的な処置を指し、その目的は、例えば、疾患の素因のある人(例えば、乳癌などの疾患に対する遺伝子マーカーをつけた個体)など、望ましくない生理的な疾病、障害、または疾患の発症を遅らせるか、またはその重症度を低下させることである。
【0123】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、本明細書に記載されるようなBCMA結合タンパク質は、特定の疾患、障害、または疾病の処置のための薬剤と組み合わせて投与される。薬剤としては、限定されないが、抗体、小分子(例えば、化学療法剤)、ホルモン(ステロイド、ペプチドなど)、放射線療法(γ線、X線、および/または、放射性同位体、マイクロ波、UV放射などの指示された送達)、遺伝子治療(例えば、アンチセンス、レトロウイルス治療など)、および他の免疫療法に関する治療が挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるようなBCMA結合タンパク質は、下痢止め薬、制吐剤、鎮痛剤、オピオイド、および/または非ステロイド性抗炎症薬と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるようなBCMA結合タンパク質は、抗癌剤と組み合わせて投与される。本開示の医薬組成物、投薬形態、およびキットを含む、本開示の様々な実施形態に使用され得る抗癌剤の非限定的な例は、以下を含む:アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;アメタントロンアセテート;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテーパ;アズトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ジメシル酸ビスナフィド;ビセレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナーナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベティマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼルシン;セデフィンガル;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デクソロマプラチン;デザグアミン;メシル酸デザグアミン;ジアジコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ドゥアゾマイシン;エダトレキセート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロオシタビン;ホスキドン;ホスストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモフォシン;インターロイキンII(組み換えインターロイキンII、またはrIL2を含む)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1、インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチドアセテート;レトロゾール;ロイプロリドアセテート;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトジリン;ミトマルシン;ミトマイシン;ミトスペル;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オクシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタマスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロクサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニマスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴル;サフィンゴル塩酸塩;セムスチン;シムトラゼーネ;スパルホスエートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロマスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェナール;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸トレクサトロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシビリン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンレウロジン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンゾキジン;硫酸ビンゾキジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン。抗癌剤の他の例は、限定されないが以下を含む:20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アキルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アムバマスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背方化形態形成タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1);抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;細胞死レギュレーター;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリマスチン;アクシナスタチン1;アクシナスタチン2;アクシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾチロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジンイルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来の阻害剤;カルゼルシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クラムベシジン(crambescidin)816;クリスナトール;クリプトファイシン8;クリプトファイシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタンチラキノーズ;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞傷害性因子;シトスタチン;ダクリズマブ;デシタビン;デヒドロジデミンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデミンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール,9-;ジオクサマイシン;ジフェニルスピロマスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;ズオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フラステロン(fluasterone);フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテクサピリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ハプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロニック酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン(idramantone);イルモフォシン;イルモスタット;イミダゾアクリドン(imidazoacridones);イミキモド;免疫賦活剤ペプチド;インスリン様成長因子I受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラライドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;線形ポリアミンアナログ;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメテレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;HMG-CoAリダクターゼ阻害剤(限定されないが、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、スタチン、シンバスタチン、およびアトルバスタチンなど);ロクソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテクサピリン;リソフィリン;細胞溶解ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メタレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナファイド;マイトトキシン繊維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリア細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;外発性腫瘍抑圧遺伝子1ベースの治療薬;マスタード抗癌剤;ミカペロキサイドB;ミコバクテリウム細胞壁抽出物;ミラポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスティップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ニーリドロニック酸;中性エンドペプチターゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6-ベンジルグアミン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オグサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウ
アミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロニック酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリサルフェートナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質Aベースの免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;チロシンホスファターゼタンパク質阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化したヘモグロビン・ポリオキシエチレン抱合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ラビジノンB1;ラボキシル;サフィンゴル;セイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣物;セムスチン;セネスセンス由来の阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;サルバロル;ソマトメジン結合タンパク質;ソナーミン;スパルホシック酸;スピカマイシンD;スピロマスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクワラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分割阻害剤;スティピアミド;ストロメリシン阻害剤;サルフィノジン;超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;サラディスタ;スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロマスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;サリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン模倣物;チマルファジン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプロプリン;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシビリン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;テュロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来の成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクターシステム、赤血球遺伝子治療薬;ベラレゾール;ベラミン;アメリカツリスガラ;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンザルチン;VITAXIN(登録商標);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマー。追加の抗癌剤は、5-フルオロウラシルおよびロイコボリンである。サリドマイドおよびトポイソメラーゼ阻害剤を利用する方法での使用時、これらの2つの薬剤は特に有用である。いくつかの実施形態において、本開示の抗BCMA単一ドメイン結合タンパク質は、ゲムシタビンと組み合わせて使用される。
【0124】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるようなBCMA結合タンパク質は、手術の前、間、または後に投与される。
【0125】
いくつかの実施形態において、抗癌剤は、三重特異性タンパク質の任意の適切な手段を介して抱合される。
【0126】
BCMA発現の検出方法およびBCMA関連の癌の診断方法
本開示の他の実施形態に従い、インビトロまたはインビボでBCMAの発現を検出するためのキットが提供される。キットは、前述のBCMA結合タンパク質(例えば、標識された抗BCMA単一ドメイン抗体またはその抗原結合フラグメント)、および標識を検出するための1つ以上の化合物を含む。いくつかの実施形態において、標識は、蛍光標識、酵素標識、放射性標識、核磁気共鳴活性標識、発光標識、および発色団標識から成る群から選択される。
【0127】
場合によっては、BCMA発現は生体サンプルにおいて検出される。サンプルは、生検、剖検、および病態の試料由来の組織を含むがこれらに限定されない、任意のサンプルであり得る。生体サンプルはまた、組織の切片、例えば組織学目的のために得られた凍結切片を含む。生体サンプルは更に、血液、血清、血漿、痰、髄液、または尿などの体液を含む。生体サンプルは、ヒトまたは非ヒト霊長類などの哺乳動物から典型的に得られる。
【0128】
一実施形態において、被験体のサンプルを、本明細書に開示されるような抗BCMA単一ドメイン抗体と接触させることにより;および単一ドメイン抗体のサンプルへの結合を検出することにより、被験体が癌を抱えるかどうか判定する方法が提供される。対照サンプルへの抗体の結合と比較されるような、サンプルへの抗体の結合の増加は、被験体が癌を抱えていると特定する。
【0129】
別の実施形態において、癌と診断された被験体を本明細書に開示されるような抗BCMA単一ドメイン抗体と接触させることにより;および抗体のサンプルへの結合を検出することにより、被験体の癌の診断を確認する方法が提供される。対照サンプルへの抗体の結合と比較されるような、サンプルへの抗体の結合の増加は、被験体の癌の診断を確認する。
【0130】
開示された方法のいくつかの例において、単一ドメイン抗体は直接標識される。
【0131】
いくつかの例において、前記方法は、単一ドメイン抗体に特異的に結合する第2の抗体をサンプルに接触させる工程;および第2の抗体の結合を検出する工程を含む。対照サンプルへの第2の抗体の結合と比較されるような、サンプルへの第2の抗体の結合の増加は、被験体の癌を検出し、または被験体の癌の診断を確認する。
【0132】
場合によっては、癌は、リンパ腫、白血病、または多発性骨髄腫である。
【0133】
いくつかの例において、対照サンプルは、癌のない被験体のサンプルである。特定の例において、サンプルは血液または組織のサンプルである。
【0134】
場合によっては、BCMAに結合する(例えば特異的に結合する)抗体は、検出可能な標識により直接標識される。別の実施形態において、BCMAに結合する(例えば特異的に結合する)抗体(第1の抗体)は標識されず、BCMAに特異的に結合する抗体に結合可能な第2の抗体または他の分子が標識される。第2の抗体は、第1の抗体の特異的な種およびクラスに特異的に結合できるように選択される。例えば、第1の抗体がラマIgGである場合、第2の抗体は抗ラマIgGであり得る。抗体に結合可能な他の分子は、限定されないが、共に市販で入手可能なプロテインAおよびプロテインGを含む。抗体または第2の抗体に適したラベルは上述されており、様々な酵素、補欠分子族団、蛍光体、発光体、磁性薬剤、および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の非限定的な例には、ホースラディシュペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、βガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる。適切な補欠分子団複合体の非限定的な例には、ストレプトアビジン/ビオチン、およびアビジン/ビオチンが挙げられる。適切な蛍光体の非限定的な例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、またはフィコエリトリンが挙げられる。非限定的で典型的な発光材料はルミノールであり;非限定的で典型的な磁性薬剤はガドリニウムであり、非限定的で典型的な放射性標識には125I、131I、35S、または3Hが挙げられる。
【0135】
代替的な実施形態において、BCMAは、検出可能な物質で標識したBCMA標準、およびBCMAに特異的に結合する非標識抗体を利用する、競合イムノアッセイによって、生体サンプル中でアッセイされ得る。このアッセイにおいて、標識されたBCMA標準、およびBCMAに特異的に結合する抗体が組み合わせられ、非標識抗体に結合される標識されたBCMA標準の量が判定される。生体サンプル中のBCMAの量は、BCMAに特異的に結合する抗体に結合される標識されたBCMA標準の量に反比例する。
【0136】
本明細書に開示されるイムノアッセイと方法は、多数の目的のために使用可能である。一実施形態において、BCMAに特異的に結合する抗体が、細胞培養における細胞中のBCMAの産生を検出するために使用されてもよい。別の実施形態において、抗体は、組織サンプルや、血液または血清のサンプルなどの生体サンプル中のBCMAの量を検出するために使用可能である。いくつかの例において、BCMAは細胞表面BCMAである。他の例において、BCMAは、可溶性BCMA(例えば、細胞培養上清中のBCMAや、血液または血清のサンプルなどの体液サンプル中の可溶性BCMA)である。
【0137】
一実施形態において、キットが、血液サンプルまたは組織サンプルなどの生体サンプル中のBCMAの検出のために提供される。例えば、被験体における癌診断を確認するために、生検を実行して組織学的検査のための組織サンプルを取得できる。代替的に、血液サンプルを得て、可溶性BCMAタンパク質またはフラグメントの存在を検出できる。ポリペプチドを検出するためのキットは典型的に、BCMAに特異的に結合する、本開示に係る単一ドメイン抗体を含む。いくつかの実施形態において、scFvフラグメント、VHドメイン、またはFabなどの抗体フラグメントが、キットに含まれる。更なる実施形態において、抗体は標識される(例えば、蛍光標識、放射標識、または酵素標識による)。
【0138】
一実施形態において、キットは、BCMAに結合する抗体の使用手段を開示する教材を含む。教材は、電子的形態(コンピューターディスクまたはコンパクトディスクなど)で書き込まれ、目視でき(ビデオファイルなど)、または、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、または他のネットワーク上で電子ネットワークを介して提供され得る。キットはまた、キットの設計対象となる特定用途を容易にするための付加的な構成要素を含んでもよい。故に、例えばキットは、標識を検出する手段(酵素標識用の酵素基質、蛍光標識検出用のフィルターセット、第2の抗体などの適切な第2の標識など)を付加的に含み得る。キットは付加的に、緩衝剤、および特定の方法の実施に慣例的に使用される他の試薬を含み得る。そのようなキットおよび適切な内容物は、当業者に周知である。
【0139】
一実施形態において、診断キットはイムノアッセイを含む。イムノアッセイの詳細は利用される特定のフォーマットに応じて変動し得るが、生体サンプル中のBCMAを検出する方法は通常、免疫学的反応条件下でBCMAポリペプチドに特異的に反応する抗体に生体サンプルを接触させる工程を含む。抗体は、免疫複合体を形成するために免疫学的反応条件下で特異的に結合することを可能とされ、免疫複合体(結合抗体)の存在が直接または間接的に検出される。
【0140】
細胞表面マーカーの有無を判定する方法が、当該技術分野で周知である。例えば、抗体は、酵素、磁気ビーズ、コロイド状磁気ビーズ、ハプテン、蛍光色素、金属化合物、放射性化合物または薬物を含むがこれらに限定されない、他の化合物へと抱合され得る。抗体はまた、限定されないが放射免疫定量法(RIA)、ELISA、または免疫組織化学アッセイなどのイムノアッセイに利用可能である。抗体はまた、蛍光活性化細胞分類(FACS)に使用可能である。FACSは、細胞を分離または選別するために、より洗練された他の検出レベルの中で、複数の色チャネル、低角度および鈍角の光散乱検出チャネル、およびインピーダンスチャネルを利用する(米国特許5,061,620号を参照)。本明細書に開示されるような、BCMAに結合する単一ドメイン抗体の何れかは、これらのアッセイに使用可能である。故に、抗体は、ELISA、RIA、FACS、組織免疫組織化学的検査、ウエスタンブロット、または免疫沈降法を含むがこれらに限定されない、従来のイムノアッセイに使用可能である。
【実施例】
【0141】
本出願は、以下の非限定的な実施例を参照することでさらに理解され得るものであり、実施例は本出願の典型的な実施形態として提供される。以下の実施例は、実施形態をより詳細に例示するために提示されるものであるが、本出願の広い範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0142】
実施例1
アッセイにおける、BCMAを発現する癌細胞のT細胞死滅を媒介する、TDCC(T細胞依存性細胞毒性)本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的な抗BCMA三重特異性ドメイン抗体の能力
【0143】
タンパク質産生
【0144】
本開示に係るBCMA結合タンパク質を含むBCMA標的三重特異性分子の配列を、リーダー配列が先行し6xヒスチジンタグが後続する、哺乳動物発現ベクターpCDNA 3.4(Invitrogen)へとクローン化した(SEQ ID NO:471)。Expi293細胞(Life Technologies A14527)を、Expi293培地中の0.2~8x1e6細胞/mlでOptimum Growth Flasks(Thomson)中の懸濁液において維持した。精製されたプラスミドDNAを、Expi293 Expression System Kit(Life Technologies A14635)プロトコルに従ってExpi293細胞へとトランスフェクトし、トランスフェクション後、4-6日間維持した。トランスフェクトされたExpi293細胞からの、調製培地中の試験されている典型的な三重特異性タンパク質の量を、プロテインAチップを備えたOctet器機を使用し、かつ標準曲線に対して対照の三重特異性タンパク質を使用して、定量した。
【0145】
T細胞依存性細胞毒性試験
【0146】
調整培地の滴定をTDCCアッセイ(T細胞依存性細胞細胞毒性試験)に加えて、抗BCMA単一ドメイン抗体が、T細胞とBCMA発現細胞株との間にシナプスを形成し、T細胞にBCMA発現細胞株を死滅させるのかどうかを評価した。このアッセイにおいて(Nazarian et al., 2015. J. Biomol. Screen., 20:519-27)、T細胞および標的癌細胞株を、384ウェルのプレート内で10:1の比率で混合し、試験されている可変量の三重特異性タンパク質を加えた。腫瘍細胞株を操作して、ルシフェラーゼタンパク質を発現させた。48時間後、残る生存可能な腫瘍細胞を定量するために、STEADY-GLO(登録商標)Luminescent Assay(Promega)を使用した。
【0147】
この実施例ではEJM細胞を使用し、これは多発性骨髄腫および形質細胞性白血病に対するインビトロのモデルとして役立つ細胞株である。EJM細胞の生存率を48時間後に測定する。三重特異性タンパク質がT細胞死滅を媒介したことを確認した。
図1は、陰性対照と比較した、検査タンパク質01H08、01F07、02F02、およびBH253を用いる細胞生存率アッセイの一例を示す。他の様々な三重特異性タンパク質のTDCC活性に対するEC
50を、以下の表1に列挙する。
【0148】
結合親和性
【0149】
本試験において、本開示に係るBCMA結合タンパク質を含む三重特異性タンパク質を標的とするBCMAのヒトBCMAタンパク質の結合親和性を判定した。親和性測定を表1に列挙する。
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
ND:判定されず。
【0155】
分子01H08、01F07、01H06、02G02、02B05、01C01、02F02、02E05、01E08、02C01、02E06、02B06、02F04、01G08、02C06、01H09、01F04、01D02、02D11、01A07、02C03、02F07、01E04、02H09、01E03、02F05、01B05、01C05、02F12、01H11、02G06、01E06、01G11、02A05、01A08、02G05、01B09、01G01、01B06、01F10、01E05、02G01、01A06、02B04、01D06、02B07、02B11、01H04、01D03、01A05、02F11、01D04、01B04、02C05、02E03、01D05、01C04、01E07、01G06、02F06、01B01、01D07、02A08、01A02、02G11、01G04、02F03、01C06、01A01では、TDCCの効力が少なくとも2倍増加しており、また、親CDR、253BH10を持つ分子と比べて親和性の増加が示された。
【0156】
分子01H08、01F07、01H06、02G02、02B05、01C01、02F02、02E05、01E08、02C01、02E06、02B06、02F04、01G08、02C06、01H09、01F04、01D02、02D11、01A07、02C03、02F07、01E04、02H09、01E03、02F05、01B05、01C05、02F12、01H11、02G06、01E06、01G11、02A05、01A08、02G05、01B09では、TDCCの効力が少なくとも10倍増加しており、また、親CDR、253BH10を持つ分子と比べて親和性の増加が示された。
【0157】
陰性対照としてこれらアッセイに含まれる抗GFP三重特異性分子には、検出可能なBCMA結合も、TDCCアッセイにおける細胞生存率に対する効果もなかった(図示せず)。
【0158】
実施例2
Jeko1、MOLP8、およびOPM2細胞に対する、本開示に係るBCMA結合ドメインを含む精製された典型的な三重特異性抗原結合タンパク質の、結合および細胞毒性活性を評価する方法
【0159】
タンパク質産生
【0160】
リーダー配列が先行し、6xヒスチジンタグが後続する、本開示に係るBCMA結合タンパク質を含むBCMA標的三重特異性分子の配列(SEQ ID NO:471)を、前述のベクターと方法を用いて発現させたが(Running Deer and Allison, 2004. Biotechnol Prog. 20:880-9)、例外として、脂質ベースの試薬と非線形化プラスミドDNAを細胞トランスフェクションに使用した。組み換え三重特異性タンパク質を、親和性クロマトグラフィー、イオン交換、および/またはサイズ排除クロマトグラフィーを使用して精製した。精製されたタンパク質を、理論的な吸光係数と吸光光度法を使用して定量した。クマシー染色されたSDS-PAGEの画像は、タンパク質の純度を実証する(
図2)。
【0161】
細胞毒性アッセイ
【0162】
ヒトT細胞依存性細胞毒性(TDCC)アッセイを使用して、T細胞に腫瘍細胞を死滅させる、三重特異性分子を含むT細胞エンゲージャー(engagers)の能力を測定した(Nazarian et al.,2015. J. Biomol Screen. 20:519-27)。このアッセイにおいて、T細胞および標的癌細胞株の細胞を、384ウェルのプレート中で10:1の比率で混合し、試験される可変量の三重特異性タンパク質を加える。腫瘍細胞株を操作して、ルシフェラーゼタンパク質を発現させる。48時間後、残る生存可能な腫瘍細胞を定量するために、STEADY-GLO(登録商標)Luminescent Assay(Promega)を使用した。
【0163】
本研究において、精製されたタンパク質の滴定をTDCCアッセイ(T細胞依存性細胞毒性試験)に加えて、抗BCMA単一ドメイン抗体が、T細胞と、BCMAを発現するJeko1、MOLP8、およびOPM2癌細胞株との間にシナプスを形成できるかどうかを評価した。Jeko1はB細胞リンパ腫細胞株である。MOLP-8は骨髄細胞株である。OPM-2はヒト骨髄細胞株である。
【0164】
細胞の生存率を48時間後に測定した。三重特異性タンパク質がT細胞死滅を媒介したことを確認した。
図3は、陰性対照と比較した、検査タンパク質を用いる細胞生存率アッセイの一例を示す。他の様々な三重特異性タンパク質のTDCC活性に対するEC
50を、以下の表2に列挙する。陰性対照としてこれらアッセイに含まれる抗GFP三重特異性分子には、細胞生存率に対する効果はなかった(図示せず)。
【0165】
【0166】
結合親和性
【0167】
本試験において、本開示に係るBCMA結合タンパク質を含む三重特異性タンパク質を標的とするBCMAのヒトBCMAタンパク質の結合親和性を判定した。
【0168】
【0169】
実施例3
本開示の典型的な抗BCMA多重ドメイン抗体のADCC活性
【0170】
この研究は、本開示の典型的な抗体として配列修飾または置換を持たない親ラマ抗BCMA抗体と比較して、ADCCを媒介する本開示の典型的な抗BCMA多重ドメイン抗体の能力を判定することを目的とする。両方の抗体を、追加の免疫グロブリンFcドメインを含む多重ドメインタンパク質として発現する。
【0171】
材料
【0172】
ドナーを白血球泳動し(leukophoresed)、NK細胞を、Milteni AUTOMACS(登録商標)Proの負選択システムを使用して細胞精製群によりleukopackから単離する。NK細胞をロッカー(rocker)上で、4℃で一晩保持し、洗浄し、計数して、ADCCアッセイでの使用のために完全RPMIにおいて4×106細胞/mL中で再懸濁する。
【0173】
標的:
腫瘍細胞標的をBCMA発現に基づいて選択する。標的を洗浄し、計数する。6×106の標的を完全RPMI中で再懸濁し、37℃、5%のCO2で40分間、10μMのカルセイン(無水DMSO中のSigma #C1359-00UL calcein am 4mm)の最終濃度で標識する。細胞をPBS中で2回洗浄し、完全RPMI中で再懸濁し、37℃、5%のCO2で2時間インキュベートした。標識後、標的細胞を洗浄し、再計数し、ADCCアッセイでの使用のために完全RPMIにおいて0.2×106細胞/mLで再懸濁する。
【0174】
方法
【0175】
96ウェルの丸底組織培養プレート(Corning 3799)においてADCCアッセイを実行する。試験タンパク質を、10%のFCSを含む1000μLの完全RPMIのうち10μL(1:10希釈)を運ぶことにより20μg/mL~0.0002μg/mLへと滴定する。カルセイン標識された標的50μLを加え、10,000の細胞を含ませる。標的細胞、および、典型的な抗BCMA単一ドメイン抗体または比較対象の抗体の何れかを含む、様々な濃度の多重ドメインタンパク質を、4℃で40分間インキュベートし、その後、NK細胞エフェクター50μLを加え、100,000の細胞(10:1のE:T比率)を含ませる。培養物を37℃で4時間インキュベートし、その後、上清を引き抜き、 Wallac Victor II 1420 Multilable HTSカウンター上で485-535nmにて蛍光を測定することによりカルセイン放出を分析した。100%の溶解値を、IGEPAL(登録商標)630洗浄剤(ウェルごとに3μL)で標識された標的の6つのウェルを溶解することにより判定し、自発的な溶解値を、標的単独からの上清中の蛍光を測定することにより判定する。
【0176】
統計分析
【0177】
パーセント(%)特異的な溶解を、(サンプル蛍光)-(自発的な溶解蛍光)/(100%の溶解-自発的な溶解蛍光)として定めた。自発的な溶解を、標的のみを含むウェルによって判定し、100%の溶解を、標的がIGEPAL CA 630洗浄剤により溶解されるウェルによって判定する。生データを、式を埋め込んだExcel表計算に入力して、%特異性溶解を計算し、結果として得た値を、グラフィックプログラム(GraphPad Prism)に移し、その中でデータを曲線あてはめグラフにおいて変換する。その後の分析(直線回帰計算)をGraphPadにおいて行い、EC50値を生成する。
【0178】
実施例4
本開示の典型的な抗BCMA単一ドメイン抗体のCDC活性
【0179】
癌細胞に対する、本開示に係る典型的な抗BCMA単一ドメイン抗体の抗腫瘍活性を評価するために、補体のソースとしてヒト血清の存在下でのA431/H9およびNCI-H226細胞モデルの細胞毒性活性を試験する。典型的な抗BCMA単一ドメイン抗体を、Fcドメインを含む多重ドメインタンパク質として発現する。
【0180】
本開示の典型的な抗BCMA単一ドメイン抗体を含む多重ドメインタンパク質は、癌細胞株を死滅させることで強力なCDCの活性を及ぼし、BCMA陰性細胞株上に活性を示さない。
【0181】
実施例5
異種移植片腫瘍モデル
【0182】
本開示の典型的なBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)を、異種移植片モデルにおいて評価した。
【0183】
0日目、NCGマウスの皮下にRPMI-8226細胞を接種させ、正常ヒト末梢血単核球(PBMC)を腹腔内に移植した。典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質での処置も、0日目に開始した(qdx10)(10日間一日一回)。三重特異性タンパク質02B05、または対照としてビヒクルの投与量は、5μg/kg、50μg/kg、または500μg/kgであった。腫瘍体積を25日間判定した。
図29に示すように、平均の腫瘍体積は、典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)(50μg/kg、または500μg/kg)で処置したマウスのほうが、ビヒクルまたは低量のBCMA三重特異性タンパク質(02B05)(5μg/kg)で処置したマウスよりも著しく少なかった。
【0184】
0日目、NCGマウスの皮下にJeko1細胞を接種させ、正常ヒト末梢血単核球(PBMC)を腹腔内に移植した。典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質での処置も、3日目に開始した(qdx10)(10日間一日一回)。三重特異性タンパク質02B05、または対照としてビヒクルの投与量は、5μg/kg、50μg/kg、または500μg/kgであった。腫瘍体積を25日間判定した。
図30に示すように、平均の腫瘍体積は、典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)(500μg/kg)で処置したマウスのほうが、ビヒクルまたは低投与量のBCMA三重特異性タンパク質(02B05)(5μg/kgまたは50μg/kg)で処置したマウスよりも著しく少なかった。
【0185】
実施例6
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性を用いる、ヒトおよびカニクイザルのBCMA、CD3ε、およびアルブミンに対する親和性測定
【0186】
この試験の目的は、ヒトBCMA、カニクイザルBCMA、ヒトCD3ε、カニクイザルCD3ε、ヒトアルブミン、カニクイザルアルブミン、およびマウスアルブミンに対する、本開示の典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)(SEQ ID NO:383)の親和性を評価することであった。親和性を、Octetの器機を使用して測定した。これらの測定のために、まずストレプトアビジン先端に、2.5nMのヒトBCMA-Fc、2.5nMのカニクイザルBCMA-Fc、2.5nMのヒトCD3ε-Fc、2.5nMのカニクイザルCD3ε-Fc、50nMのヒト血清アルブミン(HSA)、50nMのカニクイザル血清アルブミン、または50nMのマウス血清アルブミンを充填した。続いて、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05を、先端によりインキュベートし、会合期間(association period)の後、先端を緩衝液に動かして、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)の解離を可能にした。ヒトおよびカニクイザルのBCMAおよびCD3εへの結合に対する親和性を、15mg/mlのヒト血清アルブミンの存在下で測定した。これらの試験から算出された平均KD値を表4に提供する(nは独立した測定の数を示し、n/dは検査条件下で結合が検出されないことを示す)。ヒトBCMA、ヒトCD3ε、カニクイザルCD3ε、ヒト血清アルブミン、カニクイザル血清アルブミン、およびマウス血清アルブミンへの結合が検出された。検査条件下では、カニクイザルBCMAへの結合は検出されなかった。
【0187】
【0188】
実施例7
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質のヒトT細胞結合能力
【0189】
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)を、精製されたT細胞に結合する能力について検査した。簡単に、BCMA三重特異性タンパク質またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を、4つの異なる匿名のヒトドナーから精製されたT細胞によりインキュベートした。未結合のタンパク質の洗浄後、T細胞を、Alexa Fluor 647抱合抗体でインキュベートし、この抗体は、02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質中の抗アルブミンのドメインを認識する。その後、T細胞をフローサイトメトリーにより分析する。02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質でインキュベートされたヒトT細胞には、PBSでインキュベートされた細胞に比べて、Alexa Fluor 647に関連付けられる顕著な推移があったことが、観察された。結果を
図4A、4B、4C、および4Dに示す。結論として、この試験は、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質がヒトT細胞に結合可能であったことを示した。
【0190】
実施例8
本開示の典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質がBCMA発現細胞に結合する能力
【0191】
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)を、BCMA発現細胞に結合する能力について検査した。簡単に、02B05 BCMAの三重特異性抗原結合性タンパク質を、BCMAを発現する細胞株(NCI-H929;EJM;RPMI-8226;OPM2)、またはBCMAを欠く細胞株(NCI-H510A;DMS-153)でインキュベートした。これら細胞中のBCMA RNAの発現を、
図5A-Fに列挙されるFPKM値(100万キロベースごとのフラグメント)により示す:RNA FPKM値は、Cancer Cell Line Encyclopedia(Broad Institute, Cambridge, MA USA)からのものである。未結合のタンパク質の洗浄後、細胞を、Alexa Fluor 647抱合抗体でインキュベートし、この抗体は、02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質中の抗アルブミンのドメインを認識する。その後、細胞をフローサイトメトリーにより分析する。陰性対照として、細胞を、三重特異性タンパク質標的化GFPでインキュベートした。BCMA RNAを発現し、かつBCMA三重特異性タンパク質でインキュベートされた細胞には、GFP三重特異性タンパク質でインキュベートされた細胞に比べてAlexa Fluor647染色に関連付けられる顕著な推移があった(
図5A、5B、5D、および5Eにおけるように)。しかし、BCMA RNAを欠く細胞は、BCMA三重特異性タンパク質およびGFP三重特異性タンパク質による同等のAlexa Fluor647染色をもたらした(
図5Cと5Fに見られるように)。ゆえに、この試験は、典型的なBCMA三重特異性抗原結合が、BCMAを発現する細胞に選択的に結合可能であったことを示した。
【0192】
実施例9
BCMAを発現する癌細胞のT細胞死滅を媒介する、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質の能力
【0193】
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)を、T細胞にBCMA発現細胞を死滅させる能力について、ヒト血清アルブミン(HSA)の存在または不在下で、標準TDCCアッセイを使用して検査した。典型的なBCMA三重特異性タンパク質は抗アルブミンドメインを含んでいるので、この実験を行い、アルブミンへの結合により、BCMA三重特異性抗原結合タンパク質がT細胞にBCMA発現細胞を死滅させるのを妨げないことを確認した。5つのBCMA発現細胞を検査した:EJM、Jeko、OPM2、MOLP8、およびNCI-H929。EJM細胞の実験に対する代表的なデータを
図6に示す。観察されたものは、EJM細胞の生存率が、ヒト血清アルブミン(HSA)の存在または不在下で、典型的な02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質の量の増加につれて減少した一方、対照のGFP三重特異性タンパク質は細胞生存率に影響を及ぼさなかったことであった。アルブミンの存在下では、より高濃度のBCMA三重特異性タンパク質がEJM細胞の生存率の減少に必要であった。HSAの存在下または不在下での、EJM細胞、同様にJeko、OPM2、MOL8、およびNCI-H929細胞に対するBCMA三重特異性タンパク質による細胞死滅に関するEC
50値を、表5に提供する。5つすべての細胞株では、典型的な02B05 BCMAの三重特異性抗原結合タンパク質は、HSAの存在下でT細胞に標的細胞を死滅させた。
【0194】
【0195】
実施例10
標的細胞とエフェクター細胞とのより小さな比率を用いた、BCMAを発現する癌細胞のT細胞死滅を媒介する、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質の能力
【0196】
標準TDCCアッセイ(実施例1に記載されるような)において、1の標的細胞(EJM細胞またはOPM2細胞)と10のエフェクター細胞(T細胞)との比率を、48時間のアッセイに使用する。この実験において、標的細胞とエフェクター細胞とのより小さな比率を用いてT細胞に標的細胞を死滅させる、本開示の典型的なBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)の能力を、検査した。より少数のエフェクター細胞の使用時に少数の死滅が観察されることが予測された。BCMAを発現する2つの細胞株、EJMとOPM2を、1:1、1:3、および1:10の標的細胞とエフェクター細胞との比率を用いて検査し、実験を15mg/mlのHSAの存在下で行った。三重特異性タンパク質を標的とするGFPを、陰性対照として使用した。この実験のデータを、
図7(EJM細胞でのTDCCアッセイ)と
図8(OPM2細胞でのTDCCアッセイ)に示す。予想通りに、標的細胞のほぼ完全な死滅を、1:10の標的細胞とエフェクター細胞との比率と共に観察した。死滅の量は、エフェクター細胞の減少により減少した。各比率での細胞死滅に関するEC
50値を表6に列挙する(n/dは、不十分な死滅を観察することでEC
50値を算出したことを示す)。より少数のエフェクター細胞しか存在しない場合、EC
50値は増大した。ゆえに、予想通りに、標的細胞に対するエフェクター細胞の数の減少により、BCMA三重特異性タンパク質のTDCC活性は減少した。
【0197】
【0198】
実施例11
標的細胞とエフェクター細胞とのより小さな比率を用いた、時間経過試験における、BCMAを発現する癌細胞のT細胞死滅を媒介する、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質の能力
【0199】
標準TDCCアッセイ(実施例1)において、1の標的細胞OPM2と10のエフェクター細胞(T細胞)との比率を、48時間のアッセイに使用する。この実験において、時間経過を、標的細胞(EJM細胞)とエフェクター細胞(T細胞)との1:1の比率を使用して実行した。時間の増加により、1:1の比率が標的細胞死滅をもたらすことが予想された。TDCCアッセイを、EJM、および標的細胞とエフェクター細胞との1:1の比率を用いて実行し、実験を15mg/mlのHSAの存在下で実行した。三重特異性タンパク質を標的とするGFPを、陰性対照として使用した。標的細胞生存率を、1:1の比率での標的細胞および効果細胞のインキュベーションの後1日目、2日目、3日目、および4日目に、典型的な02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質および15mg/mlのHSA、またはGFP標的三重特異性タンパク質および15mg/mlのHSAの存在下で、測定した。標的細胞死滅を1日目に観察できなかったが、02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質では他のすべての時点で死滅が観察され、死滅の量は時間と共に増加する(
図9)。標的細胞死滅は、GFP標的三重特異性タンパク質では観察されなかった。各日における細胞死滅に対し算出されたEC
50値を表7に提供する(n/dは、不十分な死滅をすることでEC
50値を判定したことを示す)。この試験から導いた結論は、典型的な02B05 BCMA三重特異性タンパク質は、少数のエフェクター細胞でT細胞に死滅を導かせることができたが、より完全な死滅にはより多くの時間が必要であることであった。
【0200】
【0201】
実施例12
ヒトT細胞にBCMA発現細胞を死滅させる、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質の能力
【0202】
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)を、4つの異なる匿名のヒトドナー由来のT細胞にBCMA発現細胞を死滅させる能力について、15mg/mlのヒト血清アルブミン(HSA)の存在下で、実施例1に記載されるような標準TDCCアッセイを使用して検査した。BCMA発現細胞株は、EJM、NCI-H929、OPM2、およびRPMI8226であった。陰性対照として、BCMA発現を欠く2つの細胞株、OVCAR8とNCI-H510Aも、TDCCアッセイにおいて検査した。対照のGFP標的三重特異性タンパク質も陰性対照として使用した。4つのBCMA発現細胞株、および4つすべてのT細胞ドナーでは、細胞生存率は、BCMA三重特異性タンパク質の量の増加により減少したが、GFP三重特異性タンパク質では減少しなかった(
図10、11、12、および13)。細胞死滅に関するEC
50値を表8に提供する。典型的な02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質は、BCMA発現を欠く細胞株の死滅を誘導しなかった(
図14および15)。ゆえに、推論されるものとして、典型的な02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質は、多数のドナー由来のT細胞に、様々なBCMA発現細胞株を死滅させることができた。
【0203】
【0204】
実施例13
カニクイザルT細胞にBCMA発現細胞を死滅させる、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質の能力
【0205】
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)を、15mg/mlのヒト血清アルブミン(HSA)の存在下で、カニクイザル由来のT細胞にBCMA発現細胞を死滅させる能力について検査した。実験条件は実施例1に記載の条件と同じであるが、例外としてカニクイザル由来の末梢血単核球(PBMC)をT細胞のソースとして使用した。2つのBCMA発現細胞株、RPMI8226とNCI-H929を検査した。
図16と17に示されるように、BCMA三重特異性タンパク質は、カニクイザルPBMCに存在するT細胞に、2つのBCMA発現細胞株を死滅させることができた。細胞死滅に関するEC
50値を表9に列挙する。GFP三重特異性タンパク質は、BCMA発現細胞の生存率に影響を及ぼさなかった。ゆえに、(実施例6に示されるような)カニクイザルCD3εに結合可能なBCMA発現三重特異性タンパク質は、カニクイザルT細胞に、ヒトBCMAを発現する細胞を死滅させることができる。
【0206】
【0207】
実施例14
T細胞活性化の誘導の媒介における、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質
【0208】
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)を、BCMA発現細胞の存在下でT細胞を活性化させる能力について検査した。BCMA発現細胞株は、EJM、OPM2、およびRPMI8226であった。陰性対照として、BCMA発現を欠く2つの細胞株、OVCAR8とNCI-H510Aも含めた。T細胞を、4つの異なる匿名のヒトドナーから得た。アッセイを、実施例1に記載されるような標準TDCCアッセイの条件を使用して設定したが、例外として、アッセイを96ウェルのフォーマットに合わせて、15mg/mlのHSAの存在下で実行した。アッセイの48時間後、T細胞活性化を、T細胞表面上のT細胞活性化バイオマーカーCD25およびCD69の発現を測定するためにフローサイトメトリーを使用して、評価した。典型的な02B05 BCMA三重特異性抗原結合タンパク質の増加により、CD69およびCD25の発現の増加が、BCMA発現細胞での共培養時にT細胞上で観察された(
図18-23に示されるように)。ゆえに、対照GFP三重特異性(
図18-23に示されるような)、またはBCMA発現のない標的細胞(
図24-27に示されるような)では活性化がほとんど~全く観察されなかったので、観察された相互作用は、典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質内のBCMA結合配列との相互作用に依存するものであった。それゆえ、典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質は、BCMA発現細胞を含有する共培養中のT細胞を活性化した。この結論を追加データにより支持する。例えば、サイトカイン、TNFαの発現は、濃度を増加させた典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質、または陰性対照GFP三重特異性により処置された、T細胞およびBCMA発現標的細胞の共培養から集めた培地中で測定された。共培養を、15mg/mlのHSAを補足した(実施例1に記載されるような)標準TDCCアッセイの条件を使用して設定した。TNFαを、電気化学発光アッセイ(Meso Scale Discovery)を使用して測定した。TNFα発現の強固な誘導は、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的化三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)で観察され、GFP三重特異性タンパク質では観察されなかった(
図28)。この結果によりさらに、典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質が、BCMA発現細胞を含有する共培養中のT細胞を活性化したことが裏付けられる。
【0209】
実施例15
本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質の薬物動態
【0210】
カニクイザルに、0.01mg/kg、0.1mg/kg、または1mg/kgで、単回静脈内投与量の、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質(02B05)(SEQ ID NO:383)を投与した。投与群ごとに2匹の動物が含まれた。投与後、血清サンプルを集め、2つの異なる電気化学発光アッセイにより分析した。一方のアッセイは、捕捉試薬としてビオチン化CD3εを使用し、スルホタグ付けした(sulfo tagged)BCMAにより検出した(機能的アッセイと称される)。他方のアッセイは、捕捉試薬として、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)中の抗アルブミンのドメインを認識するビオチン化抗体、および、検出試薬として、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質中の抗CD3結合ドメインを認識するスルホタグ付けされた抗体(すなわち抗イディオタイプ抗体)を使用した。電気化学発光アッセイの結果を
図31にプロットする。
図31に見られるように、典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質は、投与の504時間後でも、カニクイザル血清サンプル中で検出された。典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質を、スルホタグ付けしたBCMA(
図31における用語「機能的」を使用して標識された線)、および、抗イディオタイプ抗体(
図31における用語「抗イディオタイプ」を使用して標識された線)の両方によって同定した。
【0211】
典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質が、T細胞にBCMA発現EJM細胞を死滅させる能力を保持したことを確認するために、インビボ投与後、168時間の時点の血清サンプルを、BCMA標的三重特異性タンパク質にさらされていないカニクイザル由来の16.7%の血清の存在下で、(実施例1に記載されるような)TDCCアッセイにおいて検査し、(
図32に示されるような)電気化学発光アッセイを使用して判定されたタンパク質濃度を使用して、典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質を滴定した。新たに希釈した、本開示のBCMA結合タンパク質を含む典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質02B05(SEQ ID NO:383)を、168時間で検査カニクイザルから集めたBCMA三重特異性タンパク質と比較した。GFP三重特異性タンパク質を陰性対照として含めた。この試験は、検査カニクイザルの血清から集めた典型的なBCMA標的三重特異性タンパク質が、新たに希釈されたタンパク質と同じ活性を有しており、血清サンプル中のタンパク質が、T細胞にBCMA発現EJM細胞を死滅させる能力を保持したことを、実証した。
【0212】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、かつ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多数の変形、変更、および置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到されるものである。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法と構造は、それにより包含されることが、意図されている。
【0213】
【0214】
【0215】
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【配列表】