IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハンワ ケミカル コーポレイションの特許一覧

特許7066856炭化水素含有溶液内の芳香族含有量の測定方法
<>
  • 特許-炭化水素含有溶液内の芳香族含有量の測定方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】炭化水素含有溶液内の芳香族含有量の測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 25/04 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
G01N25/04 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020536193
(86)(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2018014972
(87)【国際公開番号】W WO2019132269
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】10-2017-0181544
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501014658
【氏名又は名称】ハンワ ソリューションズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HANWHA SOLUTIONS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ヒ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ジェ・ミョン
(72)【発明者】
【氏名】ウ・ジン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ボン・シク・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウイ・グン・ジュン
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-522384(JP,A)
【文献】特表2008-533247(JP,A)
【文献】国際公開第2015/147027(WO,A1)
【文献】特開平06-088819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0106032(US,A1)
【文献】特開平04-227675(JP,A)
【文献】特開平07-138350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0106027(US,A1)
【文献】水田政吉,日本産原油揮發油溜分の一般的性質並に炭化水素組成に就いて(第四報) 芳香族炭化水素一般定量法の研究,日本石油株式會社,1931年07月23日,第九冊第三四編,pp.904-909
【文献】E. P. O'Brien,Fundamentals of hot-melt pressure-sensitive adhesive tapes: the effect of aromaticity,J. Adhesion Sci. Technol.,2007年,Vol. 7,pp.637-661
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 25/04
G01N 33/22
C10M 101/00 ー 177/00
JSTPlus/JSTChina/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素化反応後に収得される石油樹脂、および芳香族を含まない有機溶媒を含む炭化水素含有溶液とアニリン(aniline)を1:1の体積比で常温で混合する段階;
前記炭化水素含有溶液とアニリンの混合溶液が透明になるまで昇温させる段階;
前記透明になった混合溶液を冷却しながら曇り点(cloud point)を測定する段階;および
前記曇り点を検量線(calibration curve)に代入して前記炭化水素含有溶液内の芳香族含有量を計算する段階;
を含む、芳香族含有量の測定方法。
【請求項2】
前記炭化水素含有溶液は、炭化水素を10~90重量%で含む、請求項1に記載の芳香族含有量の測定方法。
【請求項3】
前記混合溶液を昇温および冷却させる段階は、前記混合溶液を攪拌しながら行われる、請求項1に記載の芳香族含有量の測定方法。
【請求項4】
前記透明になった混合溶液を冷却する段階における冷却速度は、2℃/min以下である、請求項1に記載の芳香族含有量の測定方法。
【請求項5】
前記検量線は、測定対象炭化水素と同じ化合物に対して芳香族含有量をH-NMR分析法であらかじめ測定し、前記測定対象炭化水素内の芳香族の含有量と曇り点との間の関係をグラフで示すものである、請求項1に記載の芳香族含有量の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2017年12月27日付韓国特許出願第10-2017-0181544号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、炭化水素含有溶液内の芳香族含有量の測定方法に関する。より具体的には、高温乾燥の過程なしで溶液状態で化合物、特に炭化水素内の芳香族含有量を迅速でかつ正確に確認できる測定方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に炭化水素化合物に対する水素化または水添反応(hydrogenation process)は、特定の官能基を還元させたり、不飽和化合物を飽和化合物に転換するのに適用される反応であり、ケトン(ketone)、アルデヒド(aldehyde)、イミン(imine)などのような不飽和官能基を有する化合物をアルコール(alcohol)、アミン(amine)などの化合物に還元(reduction)させたり、オレフィン(olefin)化合物または芳香族(aromatic)化合物の不飽和結合を飽和させるなど多様な化合物に対して適用することができ、商業的に非常に重要な反応の一つである。
【0004】
水素化反応時、用途に応じて芳香族およびオレフィン結合のいずれか一つを選択的に水素化することが必要である。選択的水素化反応における反応生成物内の芳香族含有量は水添樹脂の品質を決定する主な要因の一つであるため、水素化反応後生成物の芳香族含有量を測定することが重要である。ここで、芳香族含有量は、化合物内の全体水素中の芳香族グループに含まれている水素の量で定義するが、このような芳香族の含有量を測定するために主にH-NMRを用いる方法やMixed Methylcyclohexane-Aniline Point(MMAP)分析法が用いられる。
【0005】
反応工程運転中の芳香族含有量をモニタリングするためには反応中の溶液の芳香族含有量を短時間に分析できなければならないが、前記方法はすべて水素化反応生成物に対して高温で溶媒を乾燥する過程が必須として求められて時間が長くかかる短所がある。またH-NMRを用いる場合、高価なNMR装備が必要であるため、多くの分析コストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記のような従来技術の問題を解決しようするものであり、溶媒の高温乾燥の過程を必要としないため測定時間が短縮され、分析コストが安価であり、かつ正確度の高い炭化水素含有溶液内の芳香族含有量の測定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、
炭化水素含有溶液とアニリン(aniline)を1:1の体積比で常温で混合する段階;
前記炭化水素含有溶液とアニリンの混合溶液が透明になるまで昇温させる段階;
前記透明になった混合溶液を冷却しながら曇り点(cloud point)を測定する段階;および
前記曇り点を検量線(calibration curve)に代入して前記炭化水素含有溶液内の芳香族含有量を計算する段階;
を含む、芳香族含有量の測定方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の測定方法によれば、高温乾燥の過程なしで溶液状態で炭化水素化合物の芳香族含有量を確認することができる。高温乾燥の過程が不要であるため、従来の分析法に比べて分析にかかる時間を大きく短縮することができる。
【0009】
また、NMRのような高価な大型装備を必要としないため、かつアニリン以外の他の試薬が不要であるので、従来の分析法に比べて分析コストが非常に安価である。
【0010】
また、試薬としてアニリンのみを使用し、測定段階が比較的簡単であるため、測定誤差が少なく、精密度が高いため生産現場における有用な活用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】炭化水素含有溶液の曇り点をx軸とし、芳香族の含有量をy軸とした検量線である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定の実施例を例示して下記で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0013】
また、本明細書において使われる用語は、単に例示的な実施例を説明するために使われるものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。
【0014】
また、本発明において、各構成要素が各構成要素「上に」または「の上に」形成されると言及される場合は、各構成要素が直接各構成要素の上に形成されることを意味したり、他の構成要素が各層の間、対象体、基材上に追加的に形成できることを意味する。
【0015】
以下、本発明の炭化水素含有溶液内の芳香族含有量の測定方法をより詳しく説明する。
【0016】
本発明の一実施形態による芳香族含有量の測定方法は、炭化水素含有溶液とアニリン(aniline)を1:1の体積比で常温で混合する段階;前記炭化水素含有溶液とアニリンの混合溶液が透明になるまで昇温させる段階;前記透明になった混合溶液を冷却しながら曇り点(cloud point)を測定する段階;および前記曇り点を検量線(calibration curve)に代入して前記炭化水素含有溶液内の芳香族含有量を計算する段階を含む。
【0017】
多様な目的で特定の化合物または溶液内の芳香族の含有量を測定する必要がある。例えば、芳香族結合とオレフィン結合をいずれも含む化合物に対していずれか一つの不飽和結合だけを選択的に水素化する選択的水素化反応(水添反応)を行った後、前記選択的水素化反応による生成物の水素化選択度を測定する場合がある。特に石油樹脂に対する選択的水素化反応の場合、選択度に応じて水添石油樹脂の物性と用途が大きく変わるため、芳香族の含有量をより正確でかつ迅速に測定する必要がある。
【0018】
本発明の明細書における芳香族含有量は、化合物内の全体水素中の芳香族グループに含まれている水素の量(%)で定義される。
【0019】
このような目的で化合物内の芳香族含有量を測定する方法として最も広く用いられる方法は、H-NMR分析法またはMixed Methylcyclohexane-Aniline Point(MMAP)分析法である。
【0020】
H-NMR分析法は、測定対象化合物が含まれた溶液から溶媒を除去し、溶媒が除去された対象化合物を回収してNMR機器で分析する方法で行われ、正確度が高い。
【0021】
MMAP分析法も測定対象化合物が含まれた溶液から溶媒を除去し、溶媒が除去された対象化合物を、メチルシクロヘキサン(methylcyclohexane)とアニリンを1:2の割合で混合した溶媒に溶解させた後,この混合溶液に対して曇り点を測定する方法で行われる。
【0022】
このようにH-NMR分析法およびMMAP分析法は、いずれも測定前に溶媒を除去する過程が必須として必要とされ、溶媒の除去は高温乾燥によって行われるので、多くの時間を必要とする問題がある。また、NMR分析法のためには高価な大型装備を必要とし、分析コストが高い短所がある。MMAP分析法では様々な溶媒を使用するので、これも分析コストの増加につながり、2種以上の溶媒を所定の割合で混合しなければならないので、これにより測定誤差がしばしば発生する。
【0023】
本発明はこのような従来分析法の問題を改善するものであり、溶媒の乾燥過程を必要とせず、試薬としてはアニリンのみを使用するため、分析方法が簡単でかつ安価であり、測定誤差が少なく非常に効果的な測定方法を提供することができる。
【0024】
本発明の発明者らは、芳香族結合を含む炭化水素化合物とアニリンの混合溶液の曇り点が該当化合物内の芳香族の含有量と比例関係があることに着目して本発明を完成するに至った。
【0025】
すなわち、芳香族の含有量をあらかじめ知っている特定化合物に対して、アニリンとの混合溶液を準備し、この混合溶液の曇り点(cloud point)を測定すると、前記化合物溶液内の芳香族の含有量と曇り点との間の関係をグラフに示した検量線(calibration curve)を確保することができる。したがって、芳香族の含有量を知らない未知の試料溶液をアニリンと混合し、この混合溶液の曇り点を測定し、このように測定した曇り点を前記検量線に代入することによって前記試料溶液内の芳香族の含有量を迅速でかつ正確に測定することができる。
【0026】
本発明の芳香族含有量の測定方法において、先に炭化水素含有溶液とアニリン(aniline)を混合する。
【0027】
本発明の芳香族含有量の測定方法において、測定対象となる炭化水素化合物は芳香族結合を含むいかなる化合物でも可能であり、特に制限されない。また、単一化合物であるか、または2種以上の化合物を混合した場合も測定対象となる。
【0028】
本発明の一実施例によれば、前記炭化水素化合物は、水素化反応後収得される石油樹脂でありうるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0029】
前述したように、前記炭化水素化合物は溶媒に溶解した溶液状態をそのまま測定に使用することができ、溶媒の除去過程を必要としない。また、前記溶媒は前記炭化水素化合物を溶解することができ、芳香族成分を含まない有機溶媒であれば、特に制限されず、例えばシクロヘキサン(cyclohexane)、n-ノナン、n-デカンなどが挙げられる。
【0030】
また、前記溶液はいかなる濃度の溶液でも使用することができるが、測定の便宜性のために適切な粘度になるようにすることができる。例えば、前記測定対象炭化水素化合物を10~90重量%で含むこともできる。
【0031】
前記炭化水素含有溶液とアニリン(aniline)は、1:1の体積比で常温で混合して混合溶液を準備する。
【0032】
前記混合方法は特に制限されず、前記炭化水素含有溶液を先に容器に入れてアニリンを投入したり、または、容器に先にアニリンを入れて前記炭化水素含有溶液を投入する方法、または、前記炭化水素含有溶液とアニリンを同時に投入する方法などいずれの方式を用いてもよい。
【0033】
次に、前記混合溶液が透明になるまで徐々に昇温させる。前記混合溶液内で前記炭化水素含有溶液とアニリンは常温では互いに混合されず、層をなす状態から温度が上昇するにつれ混合されて結局は透明になる。この時、前記炭化水素内の芳香族の含有量に応じて透明になる温度が変わる。
【0034】
前記昇温は、前記混合溶液が入った容器をヒーティングプレート(heating plate)のような加熱手段に置いて加熱する方法などで行われるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
また、前記昇温速度は特に限定されず、急激な温度上昇にならないように例えば1~10℃/minの速度で昇温させることができる。
【0036】
本発明の一実施例によれば、昇温時混合溶液の上、下層部の温度差を最小化するためにマグネットバー(magnetic bar)など用いて一定の速度で混合溶液を攪拌しながら昇温することが好ましい。
【0037】
次に、透明になった混合溶液を冷却しながら曇り点(cloud point)を測定する。
【0038】
前記混合溶液を攪拌しながら徐々に冷却すると、混合溶液の上層部からアニリンと炭化水素含有溶液が再び分離し始めて一部が曇る状態(cloud)が形成される。前記炭化水素含有溶液とアニリンが完全に分離して混合溶液全体が半透明に曇る温度を曇り点(cloud point)と見てこれを測定する。
【0039】
この時、本発明の一実施例によれば、曇り点の観測誤差を最小化するために冷却速度を2℃/min以下、例えば0.5~2℃/minとすることが好ましく、また、攪拌しながら冷却することができる。
【0040】
また、前記冷却は、前記混合溶液が入った容器を加熱手段から下ろして常温で放置する方法、冷却速度を調整するために加熱手段上でそのまま冷却する方法、湯煎により冷却する方法などで行われるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
このような方法で測定した曇り点を検量線(calibration curve)に代入して前記炭化水素化合物内の芳香族の含有量を計算する。
【0042】
前記検量線は、測定対象となる炭化水素化合物と同じ化合物に対して芳香族の含有量を他の方法(例えばH-NMR分析法)であらかじめ測定し、上述した方法のとおりに曇り点も測定して前記炭化水素化合物溶液内の芳香族の含有量と曇り点との間の関係をグラフに示したものである。
【0043】
前記のような本発明の測定方法によって測定した芳香族の含有量は、H-NMR分析法で測定した芳香族の含有量に対して±5%以内の測定誤差が見られ、高い正確度を示すことができる。
【0044】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、これは発明の具体的理解を深めるためのものであり、本発明の範囲は実施例や比較例によって限定されない。
【実施例
【0045】
<実施例>
準備例:曇り点と芳香族の含有量との関係分析
芳香族の含有量が1%~20%である炭化水素含有溶液に対し、下記のような方法で曇り点を測定した。この時、前記試料の芳香族の含有量は標準化されたH-NMRによってあらかじめ測定した。
【0046】
先に、測定対象化合物として、石油樹脂が60wt%でExxsol D40溶媒に溶解している石油樹脂試料溶液10mLとアニリン10mLを30mLバイアル(vial)に混合した。試料溶液とアニリンの混合溶液が入ったバイアルをマグネットバー(magnetic bar)を用いて400rpmで攪拌しながらヒーティングプレート(heating plate)を用いて攪拌しながら90℃まで加熱して混合溶液が完全に透明になることを確認した。
【0047】
前記混合溶液を2℃/minの速度で攪拌と共に冷却しながら混合溶液全体が曇る時点の温度を曇り点(cloud point)として測定した。
【0048】
前記混合溶液の曇り点をx軸とし、H-NMR分析法によって測定した芳香族の含有量をy軸としたグラフを図1に示し、これを検量線(calibration curve)とした。
【0049】
実施例1
石油樹脂が60wt%でExxsol D40溶媒に溶解しており、芳香族含有量が5%以下であると予測される石油樹脂試料溶液10mLとアニリン10mLを30mLバイアル(vial)に混合した。試料溶液とアニリンの混合溶液が入ったバイアルをマグネットバー(magnetic bar)を用いて400rpmで攪拌しながらヒーティングプレート(heating plate)を用いて攪拌しながら90℃まで加熱して混合溶液が完全に透明になることを確認した。
【0050】
前記混合溶液を2℃/minの速度で攪拌と共に冷却しながら混合溶液全体が曇る時点の温度を曇り点(cloud point)と測定し、この時、曇り点を図1の検量線に代入して芳香族含有量を測定した。
【0051】
また、前記試料溶液を200℃で加熱して溶媒を除去した後に得られた石油樹脂の芳香族含有量をH-NMR分析により測定し、その結果を比較した。
【0052】
実施例2
石油樹脂が60wt%でExxsol D40溶媒に溶解しており、芳香族含有量が5~10%であると予測される石油樹脂試料溶液を用いて前記実施例1と同様の方法で曇り点(cloud point)を測定し、この時、曇り点を図1の検量線に代入して芳香族含有量を測定した。
【0053】
また、前記試料溶液を200℃で加熱して溶媒を除去した後に得られた石油樹脂の芳香族含有量をH-NMR分析により測定し、その結果を比較した。
【0054】
実施例3
石油樹脂が60wt%でExxsol D40溶媒に溶解しており、芳香族含有量が10%以上であると予測される石油樹脂試料溶液を用いて前記実施例1と同様の方法で曇り点(cloud point)を測定し、この時、曇り点を図1の検量線に代入して芳香族含有量を測定した。
【0055】
また、前記試料溶液を200℃で加熱して溶媒を除去した後に得られた石油樹脂の芳香族含有量をH-NMR分析により測定し、その結果を比較した。
【0056】
前記実施例1ないし3に対して、本発明の測定方法による芳香族含有量とNMRで測定した芳香族含有量を下記表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
前記表1を参照すると、NMRで測定した芳香族含有量を基準とするとき、本発明の測定方法により測定した芳香族含有量は、誤差が5%以下で非常に高い正確度を有することを確認することができる。
図1