IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図1
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図2
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図3
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図4
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図5
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図6
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図7
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20220506BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20220506BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220506BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20220506BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20220506BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220506BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G08G1/14
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y40/60
G06Q50/30
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021013587
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2021-01-29
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】川名 弘志
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-084906(JP,A)
【文献】国際公開第2020/121530(WO,A1)
【文献】特許第6475898(JP,B1)
【文献】特開2020-017022(JP,A)
【文献】特開2002-175374(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225125(WO,A1)
【文献】特開2015-162145(JP,A)
【文献】特開2004-110462(JP,A)
【文献】特開2019-175163(JP,A)
【文献】特開2011-197932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G06Q 10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Y 10/40
G16Y 20/10
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人で飛行する飛行装置が飛行経路における飛行を開始する前に、ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザによって指定された前記飛行経路と、前記飛行装置と前記ユーザとの少なくとも一方に関する利用者情報と、前記飛行装置が離着陸するポートを利用する利用日時と、を受信するとともに、前記ポートの管理者が使用する管理者端末から、前記ポートを識別するためのポート識別情報と、前記ポートを利用可能な利用可能期間と、前記利用可能期間ごとに設定された、前記飛行装置に前記ポートの利用を許可するか否かを判定するための、前記飛行装置と前記ユーザとの少なくとも一方の情報を示す利用条件と、を受信する受信部と、
前記受信部が受信した、前記ポート識別情報と、前記利用可能期間と、前記利用可能期間ごとに設定された前記利用条件と、を関連付けた設定情報を記憶部に記憶させる設定部と、
前記利用者情報が前記利用可能期間ごとに設定された前記利用条件を満たすか否かと、前記利用日時が当該利用可能期間に含まれるか否かと、に基づいて、前記飛行装置が前記ポート識別情報に対応する前記ポートを利用可能であるか否かを判定する判定部と、
前記飛行装置に対して前記判定部が利用可能であると判定した、前記飛行経路を含む所定範囲内に位置する前記ポートを示す情報を、前記ユーザ端末に出力する出力部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記飛行経路上の前記飛行装置の位置から前記判定部が利用可能であると判定した前記ポートの位置までの経路を、前記ユーザ端末に出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記ポートを利用可能な用途を示す前記利用条件を記憶し、
前記判定部は、前記飛行装置の用途が、前記利用条件が示す用途に含まれる場合に、前記飛行装置が前記ポートを利用可能であると判定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、複数の用途それぞれの優先度を含む前記利用条件を記憶し、
前記判定部は、前記利用条件において第1の前記飛行装置の用途の優先度が第2の前記飛行装置の用途の優先度よりも高い場合に、第1の前記飛行装置が前記ポートを利用可能であると判定し、第2の前記飛行装置が前記ポートを利用可能でないと判定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記ポートを利用可能なユーザ属性を示す前記利用条件を記憶し、
前記判定部は、前記飛行装置の前記ユーザのユーザ属性が、前記利用条件が示すユーザ属性に含まれる場合に、前記飛行装置が前記ポートを利用可能であると判定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記ポートを利用可能な機体の特性を示す前記利用条件を記憶し、
前記判定部は、前記飛行装置の機体の特性が、前記利用条件が示す機体の特性に含まれる場合に、前記飛行装置が前記ポートを利用可能であると判定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ポートごとに、前記飛行装置が当該ポートに滞在した時間と、前記飛行装置が当該ポートにおいて使用した電気の量と、の少なくとも一方に基づいて前記ユーザに対して請求する金額を決定し、前記金額を含む課金情報を生成する課金部をさらに有する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサが実行する、
無人で飛行する飛行装置が飛行経路における飛行を開始する前に、ユーザが使用するユーザ端末から、前記ユーザによって指定された前記飛行経路と、前記飛行装置と前記ユーザとの少なくとも一方に関する利用者情報と、前記飛行装置が離着陸するポートを利用する利用日時と、を受信するステップと、
前記ポートの管理者が使用する管理者端末から、前記ポートを識別するためのポート識別情報と、前記ポートを利用可能な利用可能期間と、前記利用可能期間ごとに設定された、前記飛行装置に前記ポートの利用を許可するか否かを判定するための、前記飛行装置と前記ユーザとの少なくとも一方の情報を示す利用条件と、を受信するステップと、
前記受信するステップが受信した、前記ポート識別情報と、前記利用可能期間と、前記利用可能期間ごとに設定された前記利用条件と、を関連付けた設定情報を記憶部に記憶させるステップと、
前記利用者情報が前記利用可能期間ごとに設定された前記利用条件を満たすか否かと、前記利用日時が当該利用可能期間に含まれるか否かと、に基づいて、前記飛行装置が前記ポート識別情報に対応する前記ポートを利用可能であるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記飛行装置に対して利用可能であると判定された、前記飛行経路を含む所定範囲内に位置する前記ポートを示す情報を、前記ユーザ端末に出力するステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行装置が離着陸するポートに関する情報を処理するための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドローン等の飛行装置を飛行させるエリア及び飛行の目的の入力を受け付け、受け付けたエリア及び目的に応じて飛行経路を作成し、作成した飛行経路に従って飛行装置の飛行を制御するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/198313号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飛行装置は、ポートにおいて離着陸をする。飛行装置が利用するポートには、個人や組織等によって管理されており、限られたユーザのみが利用可能なポートと、国や自治体等によって管理されており、一般的なユーザが利用可能なポートと、があり得る。従来、限られたユーザのみが利用可能なポートでは、限られたユーザ以外のユーザの利用を受け入れられないため、当該ポートが誰にも利用されていない無駄な時間が生じやすいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、飛行装置が離着陸をするポートを様々なユーザが利用可能にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、飛行装置が離着陸するポートを識別するためのポート識別情報と、前記ポートを利用するための利用条件と、前記ポートを利用可能な利用可能期間と、を関連付けた設定情報を記憶する記憶部と、前記飛行装置のユーザが使用するユーザ端末から、前記飛行装置と前記ユーザとの少なくとも一方に関する利用者情報と、前記飛行装置が前記ポートを利用する利用日時と、を受信する受信部と、前記利用者情報が前記利用条件を満たすか否かと、前記利用日時が前記利用可能期間に含まれるか否かと、に基づいて、前記飛行装置が前記ポート識別情報に対応する前記ポートを利用可能であるか否かを判定する判定部と、前記飛行装置に対して前記判定部が利用可能であると判定した前記ポートを示す情報を、前記ユーザ端末に出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記受信部は、前記飛行装置の管理者が使用する管理者端末から、前記ポート識別情報、前記利用条件及び前記利用可能期間を受信し、前記情報処理装置は、前記受信部が受信した前記ポート識別情報、前記利用条件及び前記利用可能期間を関連付けた前記設定情報を前記記憶部に記憶させる設定部をさらに有してもよい。
【0008】
前記出力部は、前記飛行装置の位置から前記判定部が利用可能であると判定した前記ポートの位置までの経路を、前記ユーザ端末に出力してもよい。
【0009】
前記出力部は、前記飛行装置が飛行する予定の飛行経路を含む所定範囲内に位置する、前記判定部が利用可能であると判定した前記ポートを示す情報を、前記ユーザ端末に出力してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記ポートを利用可能な用途を示す前記利用条件を記憶し、前記判定部は、前記飛行装置の用途が、前記利用条件が示す用途に含まれる場合に、前記飛行装置が前記ポートを利用可能であると判定してもよい。
【0011】
前記記憶部は、複数の用途それぞれの優先度を含む前記利用条件を記憶し、前記判定部は、前記利用条件において第1の前記飛行装置の用途の優先度が第2の前記飛行装置の用途の優先度よりも高い場合に、第1の前記飛行装置が前記ポートを利用可能であると判定し、第2の前記飛行装置が前記ポートを利用可能でないと判定してもよい。
【0012】
前記記憶部は、前記ポートを利用可能なユーザ属性を示す前記利用条件を記憶し、前記判定部は、前記飛行装置の前記ユーザのユーザ属性が、前記利用条件が示すユーザ属性に含まれる場合に、前記飛行装置が前記ポートを利用可能であると判定してもよい。
【0013】
前記記憶部は、前記ポートを利用可能な機体の特性を示す前記利用条件を記憶し、前記判定部は、前記飛行装置の機体の特性が、前記利用条件が示す機体の特性に含まれる場合に、前記飛行装置が前記ポートを利用可能であると判定してもよい。
【0014】
前記情報処理装置は、前記ポートごとに、前記飛行装置が当該ポートに滞在した時間と、前記飛行装置が当該ポートにおいて使用した電気の量と、の少なくとも一方に基づいて前記ユーザに対して請求する金額を決定し、前記金額を含む課金情報を生成する課金部をさらに有してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、飛行装置が離着陸するポートを識別するためのポート識別情報と、前記ポートを利用するための利用条件と、前記ポートを利用可能な利用可能期間と、を関連付けた設定情報を記憶部に記憶させるステップと、前記飛行装置のユーザが使用するユーザ端末から、前記飛行装置と前記ユーザとの少なくとも一方に関する利用者情報と、前記飛行装置が前記ポートを利用する利用日時と、を受信するステップと、前記利用者情報が前記利用条件を満たすか否かと、前記利用日時が前記利用可能期間に含まれるか否かと、に基づいて、前記飛行装置が前記ポート識別情報に対応する前記ポートを利用可能であるか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて前記飛行装置に対して利用可能であると判定された前記ポートを示す情報を、前記ユーザ端末に出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、飛行装置が離着陸をするポートを様々なユーザが利用可能にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
図3】管理者端末において設定情報の入力を受け付けるための設定画面の模式図である。
図4】ユーザ端末において飛行予定情報の入力を受け付けるための飛行予定画面の模式図である。
図5】ユーザ端末において利用可能なポートを示す情報を表示するためのポート情報画面の模式図である。
図6】ユーザ端末において代替ポートを示す情報を表示するための飛行状況画面の模式図である。
図7】情報処理システムが実行する情報処理方法のシーケンスを示す図である。
図8】ユーザ端末において飛行装置の飛行中にポートの利用予約をするための飛行状況画面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。情報処理システムは、情報処理装置1と、管理者端末2と、ユーザ端末3と、飛行装置4と、ポート5と、を含む。情報処理システムは、その他の端末、装置等を含んでもよい。
【0019】
情報処理装置1は、管理者が設定した設定情報に基づいて、ユーザが飛行させる飛行装置4がポート5を利用できるか否かを判定するコンピュータである。情報処理装置1は、単一の装置、又は複数の装置である。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウド上で動作する一又は複数の仮想的なサーバであってもよい。
【0020】
管理者端末2は、管理者が使用するコンピュータである。管理者端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報端末である。管理者は、例えば、ポート5を提供し、管理し、又は所有する人である。管理者端末2は、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、管理者による操作を受け付けるためのタッチパネル等の操作部と、を有する。管理者端末2は、無線通信によって情報処理装置1との間で情報を送受信する。
【0021】
ユーザ端末3は、ユーザが使用するコンピュータである。ユーザ端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報端末である。ユーザは、例えば、飛行装置4を操縦し、管理し、又は所有する人である。ユーザ端末3は、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、ユーザによる操作を受け付けるためのタッチパネル等の操作部と、を有する。ユーザ端末3は、無線通信によって情報処理装置1との間で情報を送受信する。
【0022】
飛行装置4は、ユーザによって指定された飛行経路を飛行し、所定の作業を行うドローン等の無人飛行装置である。また、飛行装置4は、航空機や飛行可能車両等の有人飛行装置であってもよい。飛行装置4は、充電可能な電池を備えており、電池の電力を用いて動作する。飛行装置4が行う作業は、例えば、飛行経路における物の輸送、飛行経路周辺の撮像、飛行経路における物(農薬等)の放出、飛行経路における情報(音声、光等)の出力等である。飛行装置4は、通信キャリア(通信事業者ともいう)が提供する通信サービスを用いて通信をする。
【0023】
ポート5は、飛行装置4が離着陸するための離着陸設備である。ポート5は、例えば、飛行装置4であるドローンが離着陸するドローンポートである。ポート5は、例えば、ポート5上に着陸した飛行装置4に接続され、飛行装置4に対して電力を供給することにより、飛行装置4の電池を充電してもよい。
【0024】
本実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、管理者端末2から、ポート5を識別するためのポート識別情報と、ポート5を利用するための利用条件と、ポート5を利用可能な利用可能期間と、を関連付けた設定情報を受信し、記憶部に記憶させる(図1の(1))。情報処理装置1は、ユーザ端末3から、飛行装置4とユーザとの少なくとも一方に関する利用者情報と、飛行装置4がポート5を利用する利用日時と、を受信する(図1の(2))。利用者情報は、例えば、ユーザが所属する組織や、飛行装置4がポート5を利用する際の用途を示す情報である。
【0025】
情報処理装置1は、利用者情報が利用条件を満たすか否かと、利用日時が利用可能期間に含まれるか否かと、に基づいて、飛行装置4がポート5を利用可能であるか否かを判定する(図1の(3))。情報処理装置1は、ユーザ端末3に、飛行装置4に対して利用可能であると判定したポート5を示す情報を出力する(図1の(4))。
【0026】
このように、情報処理装置1は、管理者からポート5の利用条件及び利用可能期間の設定を受け付け、ポート5を利用する飛行装置4又は飛行装置4のユーザに関する利用者情報及び利用日時が利用条件及び利用可能期間を満たすか否かに基づいて、飛行装置4がポート5を利用できるか否かを判定する。これにより、管理者は、時間帯ごとに、ポートを利用する飛行装置4又は飛行装置4のユーザに応じて利用可否を切り替えることができる。したがって、情報処理装置1は、飛行装置4が離着陸をするポート5を、特定のユーザに限られず、様々なユーザが利用可能にできる。
【0027】
[情報処理装置1の構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1のブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0028】
情報処理装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部11は、ポート5を識別するためのポート識別情報と、ポート5の位置及び特性と、を関連付けたポート情報を予め記憶している。
【0029】
また、記憶部11は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザ属性と、を関連付けたユーザ情報を予め記憶している。また、記憶部11は、飛行装置4を識別するための機体識別情報と、機体の種類と、を関連付けた機体情報を予め記憶している。また、記憶部11は、管理者によって設定される、ポート5を識別するためのポート識別情報と、ポート5を利用するための利用条件と、ポート5を利用可能な利用可能期間と、を関連付けた設定情報を記憶する。
【0030】
制御部12は、受信部121と、設定部122と、判定部123と、出力部124と、課金部125と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部121、設定部122、判定部123、出力部124及び課金部125として機能する。
【0031】
情報処理装置1が本実施形態に係る処理を実行するための構成を以下に説明する。まず受信部121は、管理者端末2から、飛行装置4が離着陸するポート5を識別するためのポート識別情報(以下、ポートID(Identification))と、ポート5を利用するための利用条件と、ポート5を利用可能な利用可能期間と、を関連付けた設定情報を受信する。すなわち、設定情報は、利用可能期間に対応する時間帯ごとに、ポート5の利用可否を判定するための利用条件を示す情報である。
【0032】
利用可能期間は、例えば、日付ごとに設定された時刻の範囲、又は曜日ごとに設定された時刻の範囲である。利用条件は、例えば、ポート5を利用可能なユーザ属性と、ポート5を利用可能な飛行装置4の機体の特性と、飛行装置4がポート5を利用する用途と、のうち少なくとも1つを含む条件である。ユーザ属性は、例えば、飛行装置4のユーザが特定の組織に属すること、又は特定の組織に属さないことである。機体の特性は、例えば、種類(機種)によって表される。また、機種は、例えば、機体の重さ、機体の大きさ、プロペラ等が発生させる音の音量、機体の仕様(耐風機能付等)等、機体のその他の特性によって表されてもよい。用途は、例えば、飛行装置4がポート5を利用する際の物流、趣味、緊急着陸等の目的である。また、利用条件は、ポート5が複数の飛行装置4によって同時に利用可能である場合に、ポート5を利用可能な上限の機体数を含んでもよい。
【0033】
また、利用条件は、複数の用途それぞれの優先度を含んでもよい。この場合に、利用条件は、例えば、緊急着陸の用途でポート5を利用する飛行装置4に対して、その他の用途でポート5を利用する飛行装置4よりも、優先的にポート5を利用可能にする。
【0034】
図3は、管理者端末2において設定情報の入力を受け付けるための設定画面の模式図である。管理者端末2は、管理者が管理者を識別するための管理者識別情報(以下、管理者ID)を用いて情報処理装置1に対してログインしたことを契機として、表示部上に設定画面を表示する。
【0035】
管理者端末2は、設定画面において、利用条件及び利用可能期間を含む設定情報の入力を受け付ける。管理者端末2は、設定画面において、利用可能期間ごとに、利用条件の指定を受け付ける。図3の例では、管理者は、管理者IDに関連付けられたポートIDの中から設定対象のポートIDを選択し、曜日ごと及び時間帯ごとに「○」又は「×」の利用可能期間に分類する。そして管理者は、「○」又は「×」の利用可能期間ごとに、利用可能とするユーザ属性の利用条件を設定する。
【0036】
管理者端末2は、利用可能期間として、曜日及び時間帯に限られず、特定の日付及び時間帯の設定を受け付けてもよい。管理者端末2は、利用可能期間ごとの利用条件として、ユーザ属性に限られず、飛行装置4の機種又は飛行装置4がポート5を利用する用途の設定を受け付けてもよい。また、管理者端末2は、飛行装置4がポート5を利用する際にユーザに対して請求する利用料金の設定を受け付けてもよい。管理者端末2は、その他の方法で設定情報の入力を受け付けてもよい。
【0037】
情報処理装置1において、受信部121は、管理者端末2において入力された情報を、設定情報として受信する。設定部122は、受信部121が受信したポートID、利用条件及び利用可能期間を関連付けた設定情報を、記憶部11に記憶させる。
【0038】
次に受信部121は、ユーザ端末3から、飛行装置4と飛行装置4のユーザとの少なくとも一方に関する利用者情報と、飛行装置4がポート5を利用する利用日時と、を含む飛行予定情報を受信する。
【0039】
図4は、ユーザ端末3において飛行予定情報の入力を受け付けるための飛行予定画面の模式図である。ユーザ端末3は、ユーザがユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザID)を用いて情報処理装置1に対してログインしたことを契機として、表示部上に飛行予定画面を表示する。
【0040】
ユーザ端末3は、例えば、飛行予定画面に表示された地図上で指定された面状の範囲を、飛行範囲R(フライトエリア)として受け付ける。そしてユーザ端末3は、飛行予定画面に表示された地図上の飛行範囲Rの中で指定された線状の経路を、飛行経路Fとして受け付ける。また、ユーザ端末3は、飛行経路F又は飛行範囲Rのうちどちらか一方のみの指定を受け付けてもよい。また、ユーザ端末3は、位置及び高度を含む三次元の飛行経路F又は飛行範囲Rの指定を受け付けてもよい。
【0041】
さらに、ユーザ端末3は、飛行予定画面において、飛行装置4がポート5を利用する予定の利用日時と、飛行装置4がポート5を利用する用途と、飛行させる飛行装置4を識別するための機体識別情報(以下、機体ID)と、の指定を受け付ける。利用日時は、例えば、開始日時及び終了日時によって指定される期間である。ユーザ端末3は、その他の情報の入力を受け付けてもよい。ユーザ端末3は、例えば、1つのポート5を利用する複数の飛行装置4の機体数及び複数の飛行装置4それぞれの機体IDの入力を受け付けてもよい。
【0042】
情報処理装置1において、受信部121は、ユーザ端末3を使用するユーザのユーザIDと、ユーザ端末3において入力された情報と、を含む飛行予定情報を、ユーザ端末3から受信する。
【0043】
判定部123は、受信部121が受信した飛行予定情報に基づいて、利用者情報及び利用日時を特定する。判定部123は、記憶部11において飛行予定情報が含むユーザIDに関連付けられたユーザ属性を取得する。判定部123は、記憶部11において飛行予定情報が含む機体IDに関連付けられた機体の機種を取得し、取得した機種に対応する機体の特性を取得する。判定部123は、飛行予定情報が含む用途を取得する。そして判定部123は、取得したユーザ属性、機体の特性及び用途を含む利用者情報を特定する。また、判定部123は、飛行予定情報が含む利用日時を特定する。
【0044】
そして判定部123は、記憶部11に記憶された設定情報が示す一又は複数のポートIDそれぞれに対して、当該ポートIDに関連付けられた利用条件及び利用可能期間を特定し、利用者情報が利用条件を満たすか否かと、利用日時が利用可能期間に含まれるか否かと、に基づいて、飛行装置4が当該ポートIDに対応するポート5を利用可能であるか否かを判定する。
【0045】
すなわち、判定部123は、利用者情報が利用条件を満たし、かつ利用日時が利用可能期間に含まれることを条件として、当該利用条件及び当該利用可能期間に関連付けられたポートIDに対応するポート5を飛行装置4が利用可能であると判定する。
【0046】
また、判定部123は、記憶部11に記憶された設定情報が示す一又は複数のポートIDのうち、飛行経路を含む所定範囲内(例えば飛行経路から1km以内)に位置する一又は複数のポート5のポートIDのみを判定に用いてもよい。これにより、情報処理装置1は、飛行経路の近傍にある利用可能なポート5のみを、ユーザに知らせることができる。
【0047】
具体的には、判定部123は、利用者情報が含むユーザ属性が、利用条件が示すユーザ属性に含まれる場合に、飛行装置4がポート5を利用可能であると判定し、利用者情報が含むユーザ属性が、利用条件が示すユーザ属性に含まれない場合に、飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定する。これにより、情報処理装置1は、時間帯ごとに、ユーザが特定の組織に属している又は属していない等のユーザ属性に応じて、ポート5の利用可否を切り替えることができる。
【0048】
また、判定部123は、利用者情報が含む飛行装置4の機体の特性が、利用条件が示す機体の特性に含まれる場合に、飛行装置4がポート5を利用可能であると判定し、利用者情報が含む飛行装置4の機体の特性が、利用条件が示す機体の特性に含まれない場合に、飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定する。これにより、情報処理装置1は、時間帯ごとに、飛行装置4が大きい、小さい、重い、軽い等に対応する飛行装置4の機体の特性に応じて、ポート5の利用可否を切り替えることができる。
【0049】
また、判定部123は、利用者情報が含む用途が、利用条件が示す用途に含まれる場合に、飛行装置4がポート5を利用可能であると判定し、利用者情報が含む用途が、利用条件が示す用途に含まれない場合に、飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定する。これにより、情報処理装置1は、時間帯ごとに、ポート5において飛行装置4が物流作業を行うこと、飛行装置4をポート5に緊急着陸させること等、飛行装置4がポート5を利用する際の用途に応じて、ポート5の利用可否を切り替えることができる。
【0050】
また、判定部123は、利用者情報が含む機体数が、利用条件が示す上限の機体数以下であることを条件として、飛行装置4がポート5を利用可能であると判定し、利用者情報が含む機体数が、利用条件が示す上限の機体数より大きい場合に、飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定してもよい。
【0051】
ここでは利用条件が飛行装置4にポート5の利用を許可する条件である例を説明したが、利用条件は飛行装置4にポート5の利用を許可しない条件であってもよい。この場合に、判定部123は、利用者情報の各種情報が利用条件(すなわち、利用を許可しない条件)に含まれない場合に、飛行装置4がポート5を利用可能であると判定し、利用者情報の各種情報が利用条件に含まれる場合に、飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定する。
【0052】
さらに、判定部123は、飛行装置4がいずれかのポート5を利用可能であると判定した場合に、飛行経路上の飛行装置4の位置から当該ポート5の位置までの経路を特定してもよい。飛行経路上の飛行装置4の位置は、例えば、飛行経路上において利用可能なポート5に最も近い地点、又は飛行経路上でユーザによって指定された地点である。ポート5の位置は、記憶部11に予め記憶されたポート情報から取得される。
【0053】
判定部123は、既知の経路探索処理を実行することによって、飛行経路上の飛行装置4の位置から、利用可能なポート5の位置までの経路を特定し、利用可能なポート5と特定した経路とを関連付けて出力部124に通知する。これにより、情報処理装置1は、ユーザに対して、飛行装置4を利用可能なポート5に飛行させるための経路を提案できる。
【0054】
複数のポート5が利用可能である場合に、判定部123は、複数のポート5それぞれに対して経路を特定してもよい。さらに、判定部123は、複数のポート5それぞれに対して特定した経路に基づいて、複数のポート5から、ユーザが指定した選択条件に合致したいずれか1つのポートを選択してもよい。この場合に、ユーザは、ユーザ端末3において、目的地までに最短時間で到着できる経路、利用料(すなわち、経路又はポート5を利用するための金額)が低廉な経路、又は安全な経路(すなわち、市街地を避けること、天候の影響が少ないこと)等の選択条件を指定する。
【0055】
そして判定部123は、ユーザにより指定された選択条件に従って、複数のポート5からいずれか1つのポート5を選択し、選択したポート5と特定した経路とを出力部124に通知する。これにより、情報処理装置1は、利用可能な複数のポート5の中から、ユーザが指定した選択条件に合ったポート5を提案できる。
【0056】
出力部124は、飛行装置4に対して判定部123が利用可能であると判定した一又は複数のポート5を示す情報を、飛行装置4が飛行する予定の飛行経路を示す情報とともにユーザ端末3に出力する。利用可能なポートを示す情報は、例えば、ポートIDと、記憶部11に予め記憶されたポート情報が示すポート5の位置及び特性と、を含む。ポート5の位置は、例えば、座標又は住所によって表される。ポート5の特性は、例えば、充電可否、充電可能な機種、充電時間、利用料金等、ポート5の設備に関する情報を含む。また、出力部124は、飛行経路上の飛行装置4の位置から利用可能なポート5の位置までの経路を、ユーザ端末3に出力する。ユーザ端末3は、情報処理装置1が出力した情報を、表示部上に表示する。これにより、情報処理装置1は、飛行装置4が飛行する際に利用可能なポート5を、ユーザに知らせることができる。
【0057】
図5は、ユーザ端末3において利用可能なポート5を示す情報を表示するためのポート情報画面の模式図である。図5の例では、ユーザ端末3は、情報処理装置1が出力した情報に基づいて、地図上に、飛行経路Fと、ポート5を示すポート記号P1と、ポート5までの経路R1と、を表示している。ユーザ端末3は、利用可能なポート5のみを表示してもよく、利用可能なポート5と利用可能でないポート5とを異なる表示態様で表示してもよい。また、ユーザがいずれかのポート記号P1を選択した場合に、ユーザ端末3は、選択されたポート記号P1に対応するポート5の特性(充電可否、充電可能な機種、充電時間、利用料金等)を表す情報Iを、選択されたポート記号P1に関連付けて表示する。
【0058】
ユーザ端末3においていずれかのポート5に対する予約操作(例えば、予約ボタンの選択)が行われた場合に、情報処理装置1において、受信部121は、ユーザ端末3から、予約対象のポート5のポートID及び利用日時を含む予約情報を受信する。受信部121は、ユーザ端末3から受信した予約情報を、ユーザ端末3を使用するユーザのユーザID及び飛行装置4の機体IDと関連付けて、記憶部11に記憶させる。これにより、情報処理装置1は、ユーザに対して利用可能なポート5を示す情報を提供した上で、ユーザから当該ポート5の利用予約を受け付けることができる。
【0059】
さらに、出力部124は、記憶部11に記憶された予約情報に基づいて、ポート5の利用制御を行ってもよい。出力部124は、例えば、予約情報が示す利用日時の開始時にポート5を利用可能にする制御情報をポート5に出力し、予約情報が示す利用日時の終了時にポート5を利用不可能にする制御情報をポート5に出力する。ポート5は、情報処理装置1が出力した制御情報に従って、充電可否を切り替えることや、格納式のカバーを開閉すること等によって、ポート5の利用可否を切り替える。
【0060】
具体的には、飛行装置4がポート5に着陸する際に、ポート5に関連付けられた通信機器が飛行装置4から機体IDを受信し、受信した機体IDを認証したことを条件として、ポート5は格納式のカバーを開いてもよい。また、飛行装置4がポート5に着陸する際に、飛行装置4は、カメラを用いてポート5に付されたコード(二次元コード等)が表すポートIDを読み取って情報処理装置1に送信してもよい。この場合に、情報処理装置1は、当該飛行装置4に係る予約情報が含むポートIDと、当該飛行装置4によって読み取られたポートIDとが一致していることを条件として、当該飛行装置4によって読み取られたポートIDに対応するポート5に格納式のカバーを開かせるための制御情報を送信する。これにより、情報処理装置1は、ユーザによるポート5の利用予約に応じて、ポート5の利用制御を行うことができる。
【0061】
さらに判定部123は、ユーザがポート5の利用予約をした後(例えば、飛行装置4の飛行中)に、利用可否を再び判定してもよい。例えば、第1ユーザが「物流」の用途でポート5の利用予約をした後に、第2ユーザが「緊急着陸」の用途で当該ポート5の利用予約をしようとしている状況を想定する。ポート5の利用条件において、「緊急着陸」の用途の優先度は、「物流」の用途の優先度よりも高く設定されている。
【0062】
判定部123は、利用条件において第1の飛行装置4の用途の優先度が第2の飛行装置4の用途の優先度よりも高い場合に、第1の飛行装置4がポート5を利用可能であると判定し、第2の飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定する。すなわち、上述の状況では「緊急着陸」の用途の優先度が「物流」の用途の優先度よりも高いため、判定部123は、第2ユーザの飛行装置4がポート5を利用可能であると判定し、第1ユーザの飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定する。そして受信部121は、図5のポート情報画面を第2ユーザのユーザ端末3に表示させ、第2ユーザによるポート5の利用予約を受け付ける。
【0063】
第1ユーザが利用予約をしていたポート5を利用できなくなった場合に、出力部124は、ポート5とは異なる代替ポート5aを第1ユーザに提案してもよい。この場合に、出力部124は、例えば、判定部123が利用可能であると判定した一又は複数のポート5の中から、第1ユーザが利用予約をしていたポート5とは異なり、かつ飛行経路を含む所定範囲内(例えば飛行経路から1km以内)に位置する他のポート5を代替ポート5aとして抽出する。
【0064】
出力部124は、抽出した代替ポート5aを示す情報を、飛行装置4が飛行する予定の飛行経路を示す情報とともに第1ユーザのユーザ端末3に出力する。ユーザ端末3は、情報処理装置1が出力した情報を、表示部上に表示する。これにより、第1ユーザは、ポート5の利用予約をした後にポート5が利用可能でないと判定された場合であっても、代替ポート5aを利用可能になる。
【0065】
また、出力部124は、代替ポート5aのポートID及び利用日時を含む予約情報を、第1ユーザのユーザID及び飛行装置4の機体IDと関連付けて、自動的に記憶部11に記憶させてもよい。
【0066】
さらに、判定部123は、飛行経路上の飛行装置4の位置から代替ポート5aの位置までの経路を特定してもよい。飛行経路上の飛行装置4の位置は、例えば、飛行中の飛行装置4の現在位置である。代替ポート5aの位置は、記憶部11に予め記憶されたポート情報から取得される。判定部123は、既知の経路探索処理を実行することによって、飛行経路上の飛行装置4の位置から、代替ポート5aの位置までの経路を特定し、代替ポート5aと特定した経路とを関連付けて出力部124に通知する。出力部124は、飛行経路上の飛行装置4の位置から代替ポート5aの位置までの経路を、ユーザ端末3に出力する。
【0067】
図6は、ユーザ端末3において代替ポート5aを示す情報を表示するための飛行状況画面の模式図である。図6の例は、ユーザが利用予約をしていたポート5が飛行装置4の飛行中に使用できなくなり、代替ポート5aが提案された状態を表している。図6の例では、ユーザ端末3は、情報処理装置1が出力した情報に基づいて、地図上に、飛行経路Fと、飛行装置4の現在位置と、を表示している。また、ユーザ端末3は、利用できなくなったポート5を示すポート記号P1と、代替ポート5aを示すポート記号P2と、代替ポート5aまでの経路R2と、を表示している。
【0068】
このような構成により、例えばユーザがあるポート5の利用予約をした後に、当該ポート5の近くに緊急着陸が必要な飛行装置4が発生した場合等に、情報処理装置1は、用途ごとの優先度に従って当該ポート5の利用可否を動的に切り替えることができる。さらに情報処理装置1は、利用予約をしたポート5が利用できなくなったユーザに対して代替ポート5aを提案することによって、飛行装置4の運行を円滑化することができる。
【0069】
ポート5は、飛行装置4によって利用された場合に、飛行装置4の機体IDと、飛行装置4がポート5に滞在している又は滞在した時間と、飛行装置4がポート5において使用した電気の量と、を含む実績情報を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、受信部121は、ポート5から実績情報を受信し、ポート5のポートIDと関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0070】
飛行装置4がポート5に滞在している時間が、ユーザによって利用予約をされた利用日時を超過している場合に、出力部124は、ユーザID、機体ID及びポートIDを関連付けた情報を管理者端末2に対して通知してもよい。また、利用日時が超過されているポート5に対して他のユーザが利用予約をしている場合に、出力部124は、上述の代替ポート5aを示す情報を、当該他のユーザのユーザ端末3に出力してもよい。これにより、飛行装置4がポート5に滞在している状況で他の飛行装置4が当該ポート5に着陸しようとする事態を予防し、ポート5の利用を円滑化することができる。
【0071】
また、ポート5は、利用日時が超過されているポート5から飛行装置4が撤去されたことをカメラ又はセンサを用いて検知し、飛行装置4が撤去されたことを示す情報を情報処理装置1に送信してもよい。また、管理者は、管理者端末2を用いて、飛行装置4が撤去されたことを示す情報を情報処理装置1に送信してもよい。さらに情報処理装置1において、飛行装置4が撤去されたことを示す情報を受信部121が受信した場合に、出力部124は、飛行装置4が撤去されたことを示す情報を管理者端末2又はユーザ端末3に送信してもよい。これにより、情報処理装置1は、利用日時が超過されていたポート5の利用を速やかに再開することができる。
【0072】
課金部125は、記憶部11に記憶された実績情報に基づいて、ユーザに対して請求する金額を決定する。課金部125は、例えば、飛行装置4がポート5に滞在した時間と、飛行装置4がポート5において使用した電気の量と、の少なくとも一方に基づいて、金額を算出する。また、課金部125は、飛行装置4がポート5を利用した際の用途に応じて、金額を算出する計算式等の態様を変更してもよい。
【0073】
課金部125は、決定した金額を含む課金情報を生成し、飛行装置4を飛行させたユーザのユーザIDと関連付けて記憶部11に記憶させる。また、課金部125は、生成した課金情報を、ユーザへの請求を実行する課金サーバ等に送信してもよい。これにより、情報処理装置1は、飛行装置4を飛行させたユーザに対して、飛行装置4がポート5を利用した際の実際の利用状況に応じて課金をすることができる。
【0074】
[情報処理方法のシーケンス]
図7は、情報処理システムが実行する情報処理方法のシーケンスを示す図である。管理者端末2は、設定画面において、利用条件及び利用可能期間を含む設定情報の入力を受け付ける(S11)。情報処理装置1において、受信部121は、管理者端末2において入力された情報を、設定情報として受信する。設定部122は、受信部121が受信したポートID、利用条件及び利用可能期間を関連付けた設定情報を、記憶部11に記憶させる。
【0075】
ユーザ端末3は、飛行装置4と飛行装置4のユーザとの少なくとも一方に関する利用者情報と、飛行装置4がポート5を利用する利用日時と、飛行装置4がポート5を利用する用途と、飛行させる飛行装置4の機体IDと、の入力を受け付ける(S12)。さらに、ユーザ端末3は、飛行経路又は飛行範囲の入力を受け付けてもよい。情報処理装置1において、受信部121は、ユーザ端末3を使用するユーザのユーザIDと、ユーザ端末3において入力された情報と、を含む飛行予定情報を、ユーザ端末3から受信する。
【0076】
判定部123は、受信部121が受信した飛行予定情報に基づいて、利用者情報及び利用日時を特定する。判定部123は、記憶部11に記憶された設定情報が示す一又は複数のポートIDそれぞれに対して、当該ポートIDに関連付けられた利用条件及び利用可能期間を特定し、利用者情報が利用条件を満たすか否かと、利用日時が利用可能期間に含まれるか否かと、に基づいて、飛行装置4が当該ポートIDに対応するポート5を利用可能であるか否かを判定する(S13)。
【0077】
出力部124は、飛行装置4に対して判定部123が利用可能であると判定した一又は複数のポート5を示す情報を、ユーザ端末3に出力する(S14)。ユーザ端末3は、情報処理装置1が出力した情報を、表示部上に表示する。ユーザ端末3は、利用可能ないずれかのポート5に対する予約操作を受け付ける(S15)。
【0078】
ユーザ端末3においていずれかのポート5に対する予約操作が行われた場合に、情報処理装置1において、受信部121は、ユーザ端末3から、予約対象のポート5のポートID及び利用日時を含む予約情報を受信する。受信部121は、ユーザ端末3から受信した予約情報を、ユーザ端末3を使用するユーザのユーザID及び飛行装置4の機体IDと関連付けて、記憶部11に記憶させる(S16)。
【0079】
判定部123は、ユーザがポート5の利用予約をした後(例えば、飛行装置4の飛行中)に、利用可否を再び判定する(S17)。判定部123は、例えば、利用条件において第1の飛行装置4の用途の優先度が第2の飛行装置4の用途の優先度よりも高い場合に、第1の飛行装置4がポート5を利用可能であると判定し、第2の飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定する。
【0080】
ユーザが利用予約をしていたポート5を利用できなくなった場合に、出力部124は、例えば、判定部123が利用可能であると判定した一又は複数のポート5の中から、ユーザが利用予約をしていたポート5とは異なり、かつ飛行経路を含む所定範囲内(例えば飛行経路から1km以内)に位置する他のポート5を代替ポート5aとして抽出し、代替ポート5aを示す情報を、ユーザ端末3に出力する(S18)。ユーザ端末3は、情報処理装置1が出力した情報を、表示部上に表示する。
【0081】
ポート5は、飛行装置4によって利用された場合に、飛行装置4の機体IDと、飛行装置4がポート5に滞在した時間と、飛行装置4がポート5において使用した電気の量と、を含む実績情報を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、受信部121は、ポート5から実績情報を受信し、ポート5のポートIDと関連付けて記憶部11に記憶させる。課金部125は、記憶部11に記憶された実績情報に基づいて、ユーザに対して請求する金額を決定する。課金部125は、決定した金額を含む課金情報を生成し、飛行装置4を飛行させたユーザのユーザIDと関連付けて記憶部11に記憶させる(S19)。
【0082】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理装置1は、管理者からポート5の利用条件及び利用可能期間の設定を受け付け、ポート5を利用する飛行装置4又は飛行装置4のユーザに関する利用者情報及び利用日時が利用条件及び利用可能期間を満たすか否かに基づいて、飛行装置4がポート5を利用できるか否かを判定する。これにより、管理者は、時間帯ごとに、ポートを利用する飛行装置4又は飛行装置4のユーザに応じて利用可否を切り替えることができる。したがって、情報処理装置1は、飛行装置4が離着陸をするポート5を、特定のユーザに限られず、様々なユーザが利用可能にできる。
【0083】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0084】
[第1変形例]
上述の実施形態では情報処理装置1は飛行装置4の飛行前にポート5の利用予約を受け付けているのに対して、本変形例では情報処理装置1は飛行装置4の飛行後にポート5の利用予約を受け付ける。受信部121は、飛行中の飛行装置4の位置情報を、飛行装置4から受信する。
【0085】
判定部123は、記憶部11に記憶された設定情報が示す一又は複数のポートIDのうち、飛行装置4の位置を含む所定の抽出範囲内に位置する一又は複数のポート5のポートIDを抽出する。抽出範囲は、例えば、飛行装置4の位置を中心とし、飛行装置4の連続飛行距離を半径とした円である。連続飛行距離は、飛行装置4の特性(飛行速度や燃費等)及び飛行装置4が備える電池の残量に基づいて決定されてもよく、ユーザによって入力されてもよい。判定部123は、抽出した一又は複数のポートIDを用いて、上述の実施形態と同様の判定を行う。
【0086】
出力部124は、飛行中の飛行装置4に対して判定部123が利用可能であると判定した一又は複数のポート5を示す情報を、飛行経路及び抽出範囲を示す情報とともにユーザ端末3に出力する。ユーザ端末3は、情報処理装置1が出力した情報を、表示部上に表示する。これにより、情報処理装置1は、飛行装置4が現在位置から到達可能なポート5であって、利用可能なポート5を示す情報を、ユーザに提供できる。
【0087】
図8は、ユーザ端末3において飛行装置4の飛行中にポートの利用予約をするための飛行状況画面の模式図である。図8の例では、ユーザ端末3は、情報処理装置1が出力した情報に基づいて、地図上に、飛行経路Fと、飛行装置4の現在位置と、を表示している。また、ユーザ端末3は、地図上に、飛行装置4の現在位置を中心とした抽出範囲Aと、抽出範囲A内のポート5を示すポート記号P3と、を表示している。ユーザ端末3は、利用可能なポート5のみを表示してもよく、利用可能なポート5と利用可能でないポート5とを異なる表示態様で表示してもよい。
【0088】
ユーザ端末3においていずれかのポート5に対する予約操作(例えば、予約ボタンの選択)が行われた場合に、情報処理装置1において、受信部121は、ユーザ端末3から、予約対象のポート5のポートID及び利用日時を含む予約情報を受信する。受信部121は、ユーザ端末3から受信した予約情報を、ユーザ端末3を使用するユーザのユーザID及び飛行装置4の機体IDと関連付けて、記憶部11に記憶させる。これにより、情報処理装置1は、飛行装置4の飛行中に、ポート5の利用予約を受け付けることができる。
【0089】
また、出力部124は、飛行装置4の飛行中に、飛行装置4が備える電池の残量を取得し、取得した残量が所定の閾値以下になったことを条件として、判定部123が利用可能であると判定した一又は複数のポート5を示す情報を、ユーザ端末3に出力してもよい。これにより、情報処理装置1は、ポート5において飛行装置4の電池を充電することをユーザに対して提案することができる。
【0090】
[第2変形例]
本変形例において、判定部123は、利用者情報が利用条件を満たすか否かに加えて、利用者情報以外の外部情報に基づいて、飛行装置4が当該ポートIDに対応するポート5を利用可能であるか否かを判定する。
【0091】
判定部123は、外部情報として、飛行装置4によって運搬させる荷物を預かる倉庫の空き状況を示す情報を用いてもよい。この場合に、管理者は、荷物を預かる倉庫が空いていることを、利用条件として設定する。受信部121は、飛行装置4が運搬する荷物を預かる倉庫の空き状況を示す情報を、所定のサーバから受信する。判定部123は、荷物を預かる倉庫が空いていることが利用条件として設定されている場合に、倉庫の空き状況が、倉庫が空いていることを示すことを条件として、飛行装置4がポート5を利用可能であると判定する。
【0092】
また、判定部123は、外部情報として、地域ごとの利用条件に対応する情報を用いてもよい。地域ごとの利用条件は、例えば、住宅地等の特定の地域において、真夜中や朝方の特定の時間帯に利用不可とすること、又は所定の基準値以上の大きさの機体を利用不可とすることである。この場合に、判定部123は、ポート5が設置された地域の利用条件を取得し、当該地域の利用条件に対応する情報(時間帯又は機体の大きさ)が当該地域の利用条件を満たすことを条件として、飛行装置4がポート5を利用可能であると判定する。
【0093】
また、判定部123は、地方自治体等の公的機関による制限指示や、台風等の気象情報等の外部情報に基づいて、利用者情報が利用条件を満たすか否かに関わらず、飛行装置4がポート5を利用できないと判定してもよい。制限指示は、例えば、特定の地域において飛行装置4の飛行又は離着陸を制限することを示す情報である。気象情報は、例えば、特定の地域における台風や強風等、飛行装置4が飛行又は離着陸をできない気象を示す情報である。受信部121は、制限指示又は気象情報を、所定のサーバから受信する。
【0094】
判定部123は、受信部121が受信した制限指示又は気象情報が、ポート5が設置された地域において飛行装置4が飛行又は離着陸をできないことを示す場合に、飛行装置4がポート5を利用可能でないと判定する。この場合に、出力部124は、ポート5の利用予約をしたユーザのユーザ端末3に飛行装置4がポート5を利用できないことを示す情報を送信し、記憶部11における当該利用予約に関する予約情報を無効にしてもよい。また、出力部124は、飛行装置4の飛行を制御する飛行管理システムに、飛行装置4がポート5を利用できないことを示す情報を送信してもよい。
【0095】
このように、本変形例に係る情報処理装置1は、飛行装置4又は飛行装置4のユーザに関する利用者情報に加えて、様々な外部情報に基づいて、飛行装置4がポート5を利用できるか否かを判定できる。
【0096】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0097】
情報処理装置1、管理者端末2及びユーザ端末3のプロセッサは、図7に示す飛行管理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報処理装置1、管理者端末2及びユーザ端末3のプロセッサは、図7に示す情報処理方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行することによって、図7に示す情報処理方法を実行する。図7に示す情報処理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 情報処理装置
11 記憶部
12 制御部
121 受信部
122 設定部
123 判定部
124 出力部
125 課金部
2 管理者端末
3 ユーザ端末
4 飛行装置
5 ポート

【要約】
【課題】飛行装置が離着陸をするポートを様々なユーザが利用可能にできるようにする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る情報処理装置1は、飛行装置が離着陸するポートを識別するためのポート識別情報と、ポートを利用するための利用条件と、ポートを利用可能な利用可能期間と、を関連付けた設定情報を記憶する記憶部11と、飛行装置のユーザが使用するユーザ端末から、飛行装置とユーザとの少なくとも一方に関する利用者情報と、飛行装置がポートを利用する利用日時と、を受信する受信部121と、利用者情報が利用条件を満たすか否かと、利用日時が利用可能期間に含まれるか否かと、に基づいて、飛行装置がポート識別情報に対応するポートを利用可能であるか否かを判定する判定部123と、飛行装置に対して判定部が利用可能であると判定したポートを示す情報を、ユーザ端末に出力する出力部124と、有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8