(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】ゴルフ用パター練習装置
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
A63B69/36 512M
A63B69/36 511F
A63B69/36 511A
A63B69/36 522F
(21)【出願番号】P 2019090976
(22)【出願日】2019-04-16
【審査請求日】2021-09-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515177181
【氏名又は名称】エム・エイチ・ティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071892
【氏名又は名称】河野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】松山 幹男
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第6025005(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0076068(KR,A)
【文献】国際公開第2016/010032(WO,A1)
【文献】特開2015-85059(JP,A)
【文献】特開2002-52112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ場のコースを模したゴルフ用パター練習装置において、
四角形の側枠の内側に縦桟と横桟を交差させてなる構成部材を、隣接する他の構成部材の側枠と互いに着脱可能に連結して上面を人が歩行可能な一面状に形成された支持体と、
所定間隔を有してホール孔が開設され、該ホール孔と連続するホールカップを有するパネルと、
構成部材を上昇或は傾斜させるために、支持体の下方に設置され、縦桟と横桟の交差部を下方から押し上げる上昇装置と、
ホール孔と略同径の穿孔を有する擬似芝生と、穿孔を有しない擬似芝生の2種類の互換可能な擬似芝生と、からなり、
支持体の上面には、連結され隣り合う構成部材の側枠を覆い、且つ、ホールカップが縦桟と横桟との間に入り込んでパネルが取り付けられ、
ホールを形成しない位置には穿孔を有しない擬似芝生でホール孔を閉塞し、ホールを形成する位置には穿孔を有する擬似芝生の穿孔をホール孔と一致させて穿孔を有する擬似芝生を敷設したことを特徴とするゴルフ用パター練習装置。
【請求項2】
ゴルフ場のコースを模したゴルフ用パター練習装置において、
四角形の側枠の内側に縦桟と横桟を交差させてなる構成部材を、隣接する他の構成部材の側枠と互いに着脱可能に連結して上面を人が歩行可能な一面状に形成された支持体と、
所定間隔を有してホール孔が開設され、ホール孔にホールカップを着脱自在に取り付けたパネルと、
構成部材を上昇或は傾斜させるために、支持体の下方に設置され、縦桟と横桟の交差部を下方から押し上げる上昇装置と、
ホール孔と略同径の穿孔を有する擬似芝生と、穿孔を有しない擬似芝生の2種類の擬似芝生と、からなり、
支持体の上面には、連結され隣り合う構成部材の側枠を覆い、且つ、ホールカップが縦桟と横桟との間に入り込んでパネルが取り付けられ、
ホールを形成しない位置には穿孔を有しない擬似芝生でホール孔を閉塞し、ホールを形成する位置には穿孔を有する擬似芝生の穿孔をホール孔と一致させて穿孔を有する擬似芝生を敷設したことを特徴とするゴルフ用パター練習装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単に分解して運搬し、所望場所にて簡単に組み立て設置でき、しかも高低差やホール位置等の調整も自在にでき、実際のゴルフ場のコースに極めて近いゴルフ場のコースを模すことが可能なゴルフ用パター練習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤を掘り下げ、その窪地にコンクリート製垂直壁で囲まれたコンクリート製の地下床版を構築し、該構築物内側には縦横に梁を交差させてなる支持体を配設し、該支持体の上面全体には肉厚で弾性を有するマットを配設し、マット上面には砕石層、土壌、さらにはグリーン層を設け、地下床版には梁の交差部下方に垂直に立設される支柱が配設され、支柱の上端に設けた油圧ジャッキで梁の交差部を上昇させることで、グリーン層に所望の起伏を表現するようにしたゴルフ場における起伏型グリーン構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の発明は、予め地盤を掘り下げるため、用途は屋内に設けるゴルフ練習場ではなく、屋外にゴルファーの要望に応じて所望の起伏を有するコースを作るためのものである。特許文献1に開示の記載の起伏型グリーン構造であると、特許文献1中の
図1に示すように長い棒体を交差させ、その上面に1枚のグリーン層を敷設するので、構造物を移動させるときは、大きな1枚の重量物であるグリーン層を除去し、次に梁の交差部の取付構造を解除し、さらに長い梁を1本毎除去する必要があり、起伏型グリーン構造の分解移動に多大な労力と時間を要するという問題点があった。
格子状のフレームに固定床とエキスバンドメタルよりなる可動床を配設し、可動床の下面中心にピストンロッド先端をビス止し、ピストンロッドの上下方向伸縮により可動床の高さを決定し、ホール蓋付カップのカップ蓋を開閉し横方向に伸縮するピストンロッドにより位置決め可能するようにしたゴルフ練習装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示のゴルフ練習装置であると、フレームを分解することができないので運搬移動が困難であるという問題点があった。
2本の縦杆の間に横杆を配して梯子状の骨組みとなる基杆を組み立て、基杆にはボルト挿通孔が穿設された係止片が側面に取付られ、挿通孔に調整ボルトを螺着して調整ボルトの高さにより基杆の高さを調整可能にし、基杆上にはトラックの荷台に載置可能な大きさの基板を配設し、基板上には人工芝、池、小山等を配した分割可能なコースを載置してなる可搬性を有するパターゴルフ場が提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示のパターゴルフ場は、基板がトラックの荷台に載置可能な適宜形状に分割されており、ホールは分割可能なコースに予め設けられている。ホールの位置を変更する場合はコースを分解して再度コースを組み立てる必要があり、コースを別の場所へ移動させるためには縦杆と横杆を取り外して多数本の長い棒体をトラックの荷台に載置して運搬し、現地で縦杆と横杆で基杆に組み立てる必要性があり、面倒であるという問題点があった。
四角形の一辺に切り欠き部を有する厚さ1~3mmの鉄板がパイプと差込棒により組み立てられ、また、2つに分解可能なゴルフパターパッティング練習装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に開示の発明は、パイプと差込棒により組み付け部分を中心として2つ折りにしてコンパクト化できるという長所があるが、ゴルフコースに似せた広い傾斜湾曲面を形成することができないという問題点があった。
縦桟と横桟を交差させて平視が格子状の支持部材の上面に表面に四角単位の区画線が設けられた床板を設け、これら区画された全ての四角形区画部に開口する有底カップが設けられ、区画部と同一形状のシート材に有底カップの開口と一致する位置に透孔を設けたものと、透孔を有しないシート材の2種類を設けて、ホールを開口使用とする区画部には透孔が開設されたシート材を、ホールを必要としない位置には透孔を有しないシート材を配設するようにし、縦桟と横桟の交差部下部にはジャッキ等の昇降手段を配設してゴルフ場に模したコースを呈するようにしたゴルフ用パター練習装置を本願発明者が発明をし、特許を取得した(例えば、特許文献5参照)。
特許文献5に開示の発明は、長さを有する縦桟と横桟を交差させて構築した支持部材の上面に、四角形の区画線を有し各区画線内の所定位置にホールカップを有した1枚の床板を載置し、又、区画と略同形の透口を有する擬似芝生と透口を有しない擬似芝生の2種類を有し、ホール希望位置の床板の区画には擬似芝生の透口をホールカップ開口と一致させて載置し、ホールを希望しない位置の床板の区画には透口を有しない擬似芝生を載置し、2種類の擬似芝生を互換することで、簡単にホールを所望位置に開設でき、しかも縦桟と横桟の交差部を上昇させることで、最上層に位置する擬似芝生が所望の傾斜彎曲面を形成し、恰も屋外のゴルフ場のコースのような練習場を提供できるという長所がある。
しかし、特許文献5に開示のゴルフ用パター練習装置を別の場所に設置する場合は、縦桟から横桟を取り外して多数本の角棒に分解する大工作業が必要である。多数本の長い角棒は大型トラックの荷台でなければ運搬できない。大型トラック等の荷台に分解された多数本の角棒を並べて載せ目的地まで運搬し、設置予定場所で再構築する大工作業が再び必要になり、練習装置の分解作業及び移動後の再構築作業に大工職人の確保及び時間を要するという問題点があった。
弾性コネクタにより接続された複数の調節板上にグリーンを敷設し、一端部には複数のホールカップを設けたゴルフパッティングマットが提案されている(例えば、特許文献6参照)。特許文献6に開示の発明であると、ホールカップの位置が固定しており、ホールの変更を行う実際のゴルフ場のコースとは程遠いものであるという問題点があった。
型枠内のスタート部とホール部との間に於いてゴム製チューブを架け渡し、架け渡されたゴム製チューブ上に人工芝を敷設しゴム製チューブの径を変化させることで、微妙なコースを人工芝面に表現しようとするゴルフパター練習機が提案されている(例えば、特許文献7参照)。特許文献7に開示のゴルフパター練習機であると、基礎部分がゴム製チューブであるため、負荷される重量により変形しやすく一度に使用する人数が一定人数以上になるとゴム製チューブがパンクするおそれが有り、一度に使用する人数に制限がある。又、模するゴルフコースにも制限があり実用性に乏しいという問題点があった。
グリッド構造よりなる基台の上面に擬似芝生を有し、側面には下側ステップと上側ステップを設けてなる成形重合パネルを側面に設けたステップを重合し締着具で止めることにより互いに固定し水平方向に連結し、1つのグリーンを組み立てる携帯用ゴルフパッティン具およびチッピング練習用グリーンが提案されている(例えば、特許文献8参照)。特許文献8に開示の練習用グリーンは、各パネルの側面に設けたステップを外すことにより各パネルに分解することができ、運搬が容易で所望の場所に移動し再度グリーンに組み立てることができる。しかし、各パネルは、組み立て完成したグリーン形状が一定であり、また、傾斜もパネルと擬似芝生との間に薄パネルを介在させることで形成するので、傾斜したコースを造るのは、作業者が傾斜を設ける場所にてパネル上に薄パネルを載置する作業をしなければならず面倒であるという問題点があった。
高齢者の足裏のリハビリや水平感覚を認識させる機能を有する傾斜プレー面の形成装置が提案されている(例えば、特許文献9参照)特許文献9は、高齢者のリハビリや使用者に水平を意識させる機能を有しており、ゴルフ場を模したゴルフ練習装置ではない。複雑な構造をしており、分解移動には大変な手間を要するという問題点がある。
【先行特許文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-52112号公報
【文献】特開平1-277580号公報
【文献】特開平3-73176号公報
【文献】特許第6008338号公報
【文献】特許第6025005号の特許公報
【文献】特表2005-521492号公報
【文献】特開2002-272892号公報
【文献】特表2006-512997号公報
【文献】特許第5385963号の特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、四角形の側枠の内側に縦桟と横桟を交差させ、この交差部を下方から押し上げることで微細な傾斜角度調整が可能で、又、構成部材の側枠を連結し、この連結部分を覆ってパネルを取り付けることで、構成部材の側枠間の隙間による生じた窪みをなくして自然な土でできたゴルフ場のコースを模することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ゴルフ場のコースを模したゴルフ用パター練習装置において、四角形の側枠の内側に縦桟と横桟を交差させてなる構成部材を、隣接する他の構成部材の側枠と互いに着脱可能に連結して上面を人が歩行可能な一面状に形成された支持体と、所定間隔を有してホール孔が開設され、該ホール孔と連続するホールカップを有するパネルと、構成部材を上昇或は傾斜させるために、支持体の下方に設置され、縦桟と横桟の交差部を下方から押し上げる上昇装置と、ホール孔と略同径の穿孔を有する擬似芝生と、穿孔を有しない擬似芝生の2種類の互換可能な擬似芝生と、からなり、支持体の上面には、連結され隣り合う構成部材の側枠を覆い、且つ、ホールカップが縦桟と横桟との間に入り込んでパネルが取り付けられ、ホールを形成しない位置には穿孔を有しない擬似芝生でホール孔を閉塞し、ホールを形成する位置には穿孔を有する擬似芝生の穿孔をホール孔と一致させて穿孔を有する擬似芝生を敷設したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、ゴルフ場のコースを模したゴルフ用パター練習装置において、四角形の側枠の内側に縦桟と横桟を交差させてなる構成部材を、隣接する他の構成部材の側枠と互いに着脱可能に連結して上面を人が歩行可能な一面状に形成された支持体と、所定間隔を有してホール孔が開設され、ホール孔にホールカップを着脱自在に取り付けたパネルと、構成部材を上昇或は傾斜させるために、支持体の下方に設置され、縦桟と横桟の交差部を下方から押し上げる上昇装置と、ホール孔と略同径の穿孔を有する擬似芝生と、穿孔を有しない擬似芝生の2種類の擬似芝生と、からなり、支持体の上面には、連結され隣り合う構成部材の側枠を覆い、且つ、ホールカップが縦桟と横桟との間に入り込んでパネルが取り付けられ、ホールを形成しない位置には穿孔を有しない擬似芝生でホール孔を閉塞し、ホールを形成する位置には穿孔を有する擬似芝生の穿孔をホール孔と一致させて穿孔を有する擬似芝生を敷設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
支持体が多数の構成部材の側枠を互いに着脱可能に一面状に連結して形成されているので、隣り合う構成部材の側枠を外すことで、多数の構成部材に分解することができ、分解された各パーツがコンパクト化でき場所をとらない。大型トラックの荷台でなくても運搬ができ、又、構成部材が運び込まれた新たな設置予定場所において構成部材の側枠を互いに連結することで基台となる支持体を構築することができ、大工作業のような煩雑な作業を必要せず大工職人でなくても簡単に再構築ができるという効果がある。
構成部材の側枠位置の上面に、側枠部分を閉塞するようにホールカップを有するパネルを載置するので、構成部材を上昇或は傾斜することで隣り合う構成部材側枠間に形成される隙間による不自然な窪みをパネルで覆い窪みを隠蔽し、基礎が土でできた屋外の自然の中のゴルフ場コースと同様な自然な起伏を表面に呈することができるという効果がある。
1個の構成部材であっても、縦桟と横桟の交差部が複数あり、これら交差部のうち所望の1の交差部、若しくは所望の複数の夫々の交差部を下方から上昇装置で押し上げるので、1枚の構成部材であっても微妙な彎曲面等を有する傾斜面を形成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】構成部材と別の構成部材の連結状態を示す平面説明図である。(実施例1)
【
図3】多数の構成部材を連結し、周囲にボール回収溝を設けた支持体を示す斜視図である。(実施例1)
【
図4】支持体の上面にパネルを載置した一部切欠平面図である。(実施例1)
【
図5】ゴルフ用パター練習装置の構成状態を示す断面側面図である。(実施例1)
【
図6】一部の構成部材を隆起させた状態を示す断面側面図である。(実施例1)
【
図7】パネルとホールカップの取り付け状態を示す構成説明図である。(実施例2)
【
図8】ホール孔とホールカップの取付状態を示す拡大側面図である。(実施例2)
【
図9】ゴルフ用パター練習装置の平面説明図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、支持体を多数の構成部材の側枠を連結して構成することで、分解、運搬及び組立を簡便化し、側枠間の連結部の上面にパネルを敷設することで構成部材間に形成される不自然な窪みや角部を無くし、地面に芝生を植生させた屋外の自然のゴルフ場コースの起伏に近似させることを実現した。
【実施例1】
【0009】
図1~
図6に基いて実施例1を説明する。ゴルフ用パター練習装置は、多数の構成部材1を連結してなる支持体2と、ホールカップを有するパネル3と、昇降装置4及び2種類の擬似芝生5、6よりなる。構成部材1は、平面視が正方形に組み立てられた側枠7の内側に、3本の縦桟8、8、8を横方向に所定間隔をおいて対向する前後の側枠7、7間に架設し、3本の横桟9、9、9を前後方向に所定間隔をおいて対向する左右の側枠7、7間に架設して縦桟8、8、8と横桟9、9、9とを格子状に一体的に組み付けている。側枠7にはボルト10を取り付けるための孔11が穿設されている。孔11は上下方向に長い長孔であることが好ましい。
図2に示すように、構成部材1の側枠7の外側面と、別の構成部材1の側枠7の外側面を対向させて沿わせ、ボルト10を構成部材1の側枠7の内側面から孔11に挿し込み、別の構成部材1の側枠7の内側面からボルト10の軸部にナット12をはめて締着することで、
図3に示すように多数の構成部材1を縦横に一面状に連結して一体的に取り付けられて支持体2を形成する。支持体2の周囲にはボール回収溝13を設けている。
【0010】
図4に基づいてパネル3を説明する。パネル3は上面を人の歩行が可能な耐荷重性を有する板、例えば合板等を材料とし、1辺が構成部材1の側枠7の半分の長さで、この1辺と隣り合う辺が側枠7と同じ長さの平面視が長方形状の平板よりなる。パネル3には、縦桟8と横桟9の交差により縦桟8と横桟9に囲まれる四角形空間部の中心間の離隔距離と同じ距離を有して円の中心が互いに離隔した円形のホール孔14が開設されている。パネル3の下面側にはホール孔14と連続する有底のホールカップ15が設けられている。パネル3は、夫々のホールカップ15が縦桟8と横桟9の交差により形成された各四角形空間部に配設され、構成部材1の側枠7と連結された他の構成部材1の側枠7とを覆って支持体2の上面に載置されている。パネル3は、縦桟8、横桟9及び側枠7で支持される。
【0011】
設置面16には昇降装置4を設けている。実施例1では油圧ジャッキを昇降装置4の具体例にあげている。遠隔操作で個別的に昇降可能な油圧ジャッキをの上端が、各構成部材1の縦桟8と横桟9の交差部の下に固定され、油圧ジャッキで交差部を支持している。縦桟8と横桟9の交差部の下を支持するのであれば、昇降装置は油圧ジャッキに限定しない。例えば、エアシリンダー等のロッドの上端が縦桟8と横桟9の交差部の下を支持しているのであってもよい。
【0012】
パネル3の上面には、穿孔17を有する擬似芝生5と、穿孔を有しない擬似芝生6の2種類の擬似芝生が互換可能に敷設されている。使用者がホールを希望する位置のパネル3のホール孔14に穿孔17を有する擬似芝生5の穿孔17を合せて配設する。ホール開設を希望しない範囲には、穿孔を有しない擬似芝生6を敷設する。
【0013】
実施例1では、構成部材1の側枠7と他の構成部材1の側枠7をボルト10とナット12等で連結し、側枠7と側枠7の連結部上面をパネル3で被覆するように載置している。そのため、昇降装置4である油圧ジャッキの上昇により構成部材1が傾斜することで、連結されている側枠7と側枠7とが山状に傾き、側枠7、7間に溝が形成されてもパネル3の上面が溝を覆い自然な起伏を表面に呈する。又、支持体2が他の構成部材1の側枠7を互いに連結組み立てしているので、ボルト10からナット12を外すことで簡単に個々の構成部材1に分解でき、運搬も広いスペースを必要とせず、移動場所での再構築にも大工作業を必要としないので便利である。構成部材1は側枠7に縦桟8と横桟9を格子状に組立ているので、軽量で女性や子供、高齢者等であっても容易に持ち運びができる。1枚のパネル3に8個のホール孔14を開設され、パネル3の全ホールカップ15は、縦桟8と横桟9とで囲まれる各四角形空間部に夫々入り込むので、希望のホール開設場所に必ずホールを設けることができ、また、ホールカップ15の外面が縦桟8や横桟9により横方向に位置ずれしないという効果がある。
【実施例2】
【0014】
図7及び
図8に基づいて実施例2を説明する。
図1から
図6に示される実施例1と異なる点は、パネル18に穿設されたホール孔19には、ホールカップ20を着脱自在に取り付け可能にしている点である。パネル18の下面に於けるホール孔19の周縁近傍には、ホール孔19を挟んで内向きに屈曲する係止爪21、21が対設されている。ホールカップ20の口縁には外向フランジ22が設けられている。外向フランジ22には係止溝23が半径方向に沿って凹設されている。
図7に示すように、パネル18の下方に於いて、係止爪21を係止溝23に差し込み、ホールカップ20を周方向に0度を超えて180度未満回転させ、係止爪21で外向フランジ22を支承しホールカップ20をパネル18に取り付ける。ホール孔19にホールカップ20を着脱自在な構造であれば、これに限定しない。所望のホール孔19を選択してホールカップ20の取付や取り外しができる。
【実施例3】
【0015】
図9に基づいて実施例3を説明する。
図1~
図6に示される実施例1と異なる点は、支持体2が構成部材1を全面に連結していない点である。つまり、構成部材を有しない部分24を有して支持体2を組み立てられている。構成部材を有しない部分24は、設置面16が露呈し、設置面16を池に見立ててプレーをすることができる。
【符号の説明】
【0016】
1 構成部材
2 支持体
3、18 パネル
4 昇降装置
5 穿孔を有する擬似芝生
6 穿孔を有しない擬似芝生
7 側枠
8 縦桟
9 横桟
14、19 ホール孔
15、20 ホールカップ
17 穿孔