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特許7066954無線制御システム、無線接続方法及びバッテリーパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】無線制御システム、無線接続方法及びバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20220509BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220509BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20220509BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20220509BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
H01M10/48 P
H04L1/00 E
H04W4/38
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020541398
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 KR2019013837
(87)【国際公開番号】W WO2020105869
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】10-2018-0144856
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャン-ハ
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/103008(WO,A1)
【文献】特開2015-162792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/48
H04L 1/00
H04L 12/28
H04W 4/38
H04W 28/04
H04W 74/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線制御システムであって、
第1命令パケットを無線伝送するように構成されるマスターと、
複数のバッテリーモジュールの状態をモニターするように構成される複数のスレーブと、を含み、
前記複数のスレーブの各々は、前記第1命令パケットを受信したとき、前記第1命令パケットに対する応答として自分のIDを含む応答パケットを無線伝送するように構成され、
前記マスターは、前記第1命令パケットが伝送された時点から所定時間内に無線受信された各々の前記応答パケットに含まれたIDが割り当てられている各々の前記スレーブを第1グループに設定するように構成され、
前記マスターは、前記複数のスレーブのうち前記第1グループに設定されていない各々の前記スレーブを第2グループに設定するように構成され、
前記マスターは、前記マスターとの通信距離に応じたIDを前記複数のスレーブに割り当て、
前記マスターは、前記複数のスレーブのうち少なくとも一つが前記第2グループに属する場合、前記IDに応じて、前記マスターとの通信距離が長いスレーブには前記マスターとの通信距離が短いスレーブよりも相対的に大きな信号強度となるように予め設定された第1増幅した信号強度であって、前記第2グループに属する前記スレーブのうち前記マスターとの通信距離が最も長いスレーブのIDに対応する前記第1増幅した信号強度で第2命令パケットを無線伝送するように構成され、
前記第2命令パケットは、前記第2グループに属する各々の前記スレーブのIDを含む、無線制御システム。
【請求項2】
前記マスターは、
前記マスターとの通信距離が相対的に短い前記スレーブに相対的に高い順位の前記IDを前記複数のスレーブに割り当て、
相対的に下位のIDには相対的に大きい前記第1増幅した信号強度が設定され、前記第2グループに属する前記スレーブの各々の前記IDのうち最下位前記IDに対応する前記第1増幅した信号強度で前記第2命令パケットを無線伝送するように構成される、請求項1に記載の無線制御システム。
【請求項3】
無線制御システムであって、
第1命令パケットを無線伝送するように構成されるマスターと、
複数のバッテリーモジュールの状態をモニターするように構成される複数のスレーブと、を含み、
前記複数のスレーブの各々は、前記第1命令パケットを受信したとき、前記第1命令パケットに対する応答として自分のIDを含む応答パケットを無線伝送するように構成され、
前記マスターは、前記第1命令パケットが伝送された時点から所定時間内に無線受信された各々の前記応答パケットに含まれたIDが割り当てられている各々の前記スレーブを第1グループに設定するように構成され、
前記マスターは、前記複数のスレーブのうち前記第1グループに設定されていない各々の前記スレーブを第2グループに設定するように構成され、
前記マスターは、前記複数のスレーブのうち少なくとも一つが前記第2グループに属する場合、第2命令パケットを無線伝送するように構成され、
前記第2命令パケットは、前記第2グループに属する各々の前記スレーブのIDを含み、
前記複数のスレーブの各々は、
自分のIDが前記第2命令パケットに含まれている場合、前記第2命令パケットに対する応答として前記応答パケットを無線伝送するように構成され、
ゲイン値が前記第2命令パケットに含まれている場合、所定の信号強度に前記ゲイン値を掛けて第2増幅した信号強度を決定し、
前記第2増幅した信号強度で前記応答パケットを無線伝送するように構成される、無線制御システム。
【請求項4】
無線制御システムであって、
第1命令パケットを無線伝送するように構成されるマスターと、
複数のバッテリーモジュールの状態をモニターするように構成される複数のスレーブと、を含み、
前記複数のスレーブの各々は、前記第1命令パケットを受信したとき、前記第1命令パケットに対する応答として自分のIDを含む応答パケットを無線伝送するように構成され、
前記マスターは、前記第1命令パケットが伝送された時点から所定時間内に無線受信された各々の前記応答パケットに含まれたIDが割り当てられている各々の前記スレーブを第1グループに設定するように構成され、
前記マスターは、前記複数のスレーブのうち前記第1グループに設定されていない各々の前記スレーブを第2グループに設定するように構成され、
前記マスターは、前記複数のスレーブのうち少なくとも一つが前記第2グループに属する場合、第2命令パケットを無線伝送するように構成され、
前記第2命令パケットは、前記第2グループに属する各々の前記スレーブのIDを含み、
前記複数のスレーブの各々は、
自分のIDが前記第2命令パケットに含まれている場合、前記第2命令パケットに対する応答として前記応答パケットを無線伝送するように構成され、
ゲイン値が前記第2命令パケットに含まれている場合、自分に割り当てられた基準信号強度に前記ゲイン値を掛けて第3増幅した信号強度を決定し、
前記第3増幅した信号強度で前記応答パケットを無線伝送するように構成される、無線制御システム。
【請求項5】
前記複数のスレーブの各々は、
自分のIDが前記第2命令パケットに含まれている場合、前記第2命令パケットに対する応答として前記応答パケットを無線伝送するように構成される、請求項1または2に記載の無線制御システム。
【請求項6】
前記複数のスレーブの各々は、
自分のIDが前記第2命令パケットに含まれている場合、前記第2命令パケットに含まれた全てのIDのうち自分のIDの相対順位を決定し、
前記相対順位に割り当てられたタイムスロットにおいて、前記応答パケットを無線伝送するように構成される、請求項3から5のいずれか一項に記載の無線制御システム。
【請求項7】
前記複数のスレーブの各々は、
ゲイン値が前記第2命令パケットに含まれている場合、所定の信号強度に前記ゲイン値を掛けて第2増幅した信号強度を決定し、
前記第2増幅した信号強度で前記応答パケットを無線伝送するように構成される、請求項に記載の無線制御システム。
【請求項8】
前記複数のスレーブの各々は、
ゲイン値が前記第2命令パケットに含まれている場合、自分に割り当てられた基準信号強度に前記ゲイン値を掛けて第3増幅した信号強度を決定し、
前記第3増幅した信号強度で前記応答パケットを無線伝送するように構成される、請求項に記載の無線制御システム。
【請求項9】
前記マスターは、
前記第2命令パケットが伝送された時点から所定時間内に前記第2グループに属する第1スレーブから前記応答パケットを受信したとき、前記第1スレーブを前記第2グループから前記第1グループに分類するように構成される、請求項からのいずれか一項に記載の無線制御システム。
【請求項10】
前記複数のスレーブの各々は、
自分のIDが前記第2命令パケットに含まれていない場合、前記第2命令パケットを消去するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の無線制御システム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の前記無線制御システムを含む、バッテリーパック。
【請求項12】
無線制御システムに含まれるマスターと複数のスレーブとの無線接続のための方法であって、
前記マスターが、前記マスターとの通信距離に応じたIDを前記複数のスレーブに割り当てる段階と、
前記マスターが、第1命令パケットを前記複数のスレーブに無線伝送する段階と、
各々の前記スレーブが、前記第1命令パケットを受信したとき、前記第1命令パケットに対する応答として自分のIDを含む応答パケットを無線伝送する段階と、
前記マスターが、前記第1命令パケットが伝送された時点から所定時間内に無線受信された各々の前記応答パケットに含まれたIDが割り当てられている各々の前記スレーブを第1グループに設定し、前記複数のスレーブのうち前記第1グループに設定されていない各々の前記スレーブを第2グループに設定する段階と、
前記マスターが、前記複数のスレーブのうち少なくとも一つが前記第2グループに属する場合、前記IDに応じて、前記マスターとの通信距離が長いスレーブには前記マスターとの通信距離が短いスレーブよりも相対的に大きな信号強度となるように予め設定された第1増幅した信号強度であって、前記第2グループに属する前記スレーブのうち前記マスターとの通信距離が最も長いスレーブのIDに対応する前記第1増幅した信号強度で前記第2グループに属する各々の前記スレーブのIDを含む第2命令パケットを無線伝送する段階と、を含む、方法。
【請求項13】
前記割り当てる段階は、
前記マスターが、
前記複数のスレーブに対し、前記マスターとの通信距離が相対的に短い前記スレーブに相対的に高い順位の前記IDを割り当てる段階を含み、
相対的に下位のIDには相対的に大きい前記第1増幅した信号強度が設定され、
前記無線伝送する段階は、
前記マスターが、
前記第2グループに属する前記スレーブの各々の前記IDのうち最下位の前記IDに対応する前記第1増幅した信号強度で前記第2命令パケットを無線伝送する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
無線制御システムに含まれるマスターと複数のスレーブとの無線接続のための方法であって、
前記マスターが、第1命令パケットを前記複数のスレーブに無線伝送する段階と、
各々の前記スレーブが、前記第1命令パケットを受信したとき、前記第1命令パケットに対する応答として自分のIDを含む応答パケットを無線伝送する段階と、
前記マスターが、前記第1命令パケットが伝送された時点から所定時間内に無線受信された各々の前記応答パケットに含まれたIDが割り当てられている各々の前記スレーブを第1グループに設定し、前記複数のスレーブのうち前記第1グループに設定されていない各々の前記スレーブを第2グループに設定する段階と、
前記マスターが、前記複数のスレーブのうち少なくとも一つが前記第2グループに属する場合、前記第2グループに属する各々の前記スレーブのIDを含む第2命令パケットを無線伝送する段階と、
前記複数のスレーブの各々が、
自分のIDが前記第2命令パケットに含まれている場合、前記第2命令パケットに対する応答として前記応答パケットを無線伝送する段階と、
ゲイン値が前記第2命令パケットに含まれている場合、所定の信号強度に前記ゲイン値を掛けて第2増幅した信号強度を決定する段階と、
前記第2増幅した信号強度で前記応答パケットを無線伝送する段階と、を含む、方法。
【請求項15】
無線制御システムに含まれるマスターと複数のスレーブとの無線接続のための方法であって、
前記マスターが、第1命令パケットを前記複数のスレーブに無線伝送する段階と、
各々の前記スレーブが、前記第1命令パケットを受信したとき、前記第1命令パケットに対する応答として自分のIDを含む応答パケットを無線伝送する段階と、
前記マスターが、前記第1命令パケットが伝送された時点から所定時間内に無線受信された各々の前記応答パケットに含まれたIDが割り当てられている各々の前記スレーブを第1グループに設定し、前記複数のスレーブのうち前記第1グループに設定されていない各々の前記スレーブを第2グループに設定する段階と、
前記マスターが、前記複数のスレーブのうち少なくとも一つが前記第2グループに属する場合、前記第2グループに属する各々の前記スレーブのIDを含む第2命令パケットを無線伝送する段階と、
前記複数のスレーブの各々が、
自分のIDが前記第2命令パケットに含まれている場合、前記第2命令パケットに対する応答として前記応答パケットを無線伝送する段階と、
ゲイン値が前記第2命令パケットに含まれている場合、自分に割り当てられた基準信号強度に前記ゲイン値を掛けて第3増幅した信号強度を決定する段階と、
前記第3増幅した信号強度で前記応答パケットを無線伝送する段階と、を含む、方法。
【請求項16】
各々の前記スレーブが、自分のIDが前記第2命令パケットに含まれている場合、前記第2命令パケットに含まれた全てのIDのうち自分のIDの相対順位を決定する段階と、
各々の前記スレーブが、前記相対順位に割り当てられたタイムスロットにおいて、前記応答パケットを無線伝送する段階と、をさらに含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスター及び複数のスレーブを含む無線制御システム、無線制御システムを含むバッテリーパック、及びマスターと複数のスレーブとの無線接続のための方法に関する。
【0002】
本出願は、2018年11月21日出願の韓国特許出願第10-2018-0144856号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、全て本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能二次電池についての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリー効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
電気自動車のように大容量であり、かつ高電圧が要求される装置のためのバッテリーパックは、通常、相互に直列接続した複数のバッテリーモジュールを含む。複数のバッテリーモジュールの状態を個別的かつ効率的に管理するために、マルチスレーブ体系を有する制御システムが開示されている。マルチスレーブ体系を有する制御システムは、各バッテリーモジュールの状態をモニターするための複数のスレーブと、複数のスレーブを統合して管制するマスターと、を含む。
【0006】
ところが、マスターと複数のスレーブとが相互に無線通信を行う場合、外部ノイズによってマスターと少なくとも一つのスレーブとの無線接続が意図せず切れてしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、詳しくは、マスターが複数のスレーブのうち自分との無線接続に失敗したスレーブのみを選別して無線接続をやり直すための無線制御システム及び方法、並びに無線制御システムを含むバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一面による無線制御システムは、第1命令パケットを無線伝送するように構成されるマスターと、複数のバッテリーモジュールの状態をモニターするように構成される複数のスレーブと、を含む。複数のスレーブの各々は、第1命令パケットを受信したとき、第1命令パケットに対する応答として自分のIDを含む応答パケットを無線伝送するように構成される。マスターは、第1命令パケットが伝送された時点から所定時間内に無線受信された各々の応答パケットに含まれたIDが割り当てられている各々のスレーブを第1グループに設定するように構成される。マスターは、複数のスレーブのうち第1グループに設定されていない各々のスレーブを第2グループに設定するように構成される。マスターは、複数のスレーブのうち少なくとも一つが第2グループに属する場合、第2命令パケットを無線伝送するように構成される。第2命令パケットは、第2グループに属する各々のスレーブのIDを含む。
【0010】
マスターは、第2グループに属するスレーブの各々のIDのうち最後順位のIDに関わる第1増幅した信号強度で第2命令パケットを無線伝送するように構成される。
【0011】
複数のスレーブの各々は、自分のIDが第2命令パケットに含まれていない場合、第2命令パケットを消去するように構成される。
【0012】
複数のスレーブの各々は、自分のIDが第2命令パケットに含まれている場合、第2命令パケットに対する応答として応答パケットを無線伝送するように構成される。
【0013】
複数のスレーブの各々は、自分のIDが第2命令パケットに含まれている場合、第2命令パケットに含まれた全てのIDのうち自分のIDの相対順位を決定するように構成される。複数のスレーブの各々は、相対順位に割り当てられたタイムスロットにおいて、応答パケットを無線伝送するように構成される。
【0014】
複数のスレーブの各々は、ゲイン値が第2命令パケットに含まれている場合、所定の信号強度にゲイン値を掛けて第2増幅した信号強度を決定するように構成される。複数のスレーブの各々は、第2増幅した信号強度で応答パケットを無線伝送するように構成される。
【0015】
複数のスレーブの各々は、ゲイン値が第2命令パケットに含まれている場合、自分に割り当てられた基準信号強度にゲイン値を掛けて第3増幅した信号強度を決定するように構成される。複数のスレーブの各々は、第3増幅した信号強度で応答パケットを無線伝送するように構成される。
【0016】
マスターは、第2命令パケットが伝送された時点から所定時間内に第2グループに属する第1スレーブから応答パケットを受信したとき、第1スレーブを第2グループから第1グループに分類するように構成される。
【0017】
本発明の他面によるバッテリーパックは、無線制御システムを含む。
【0018】
本発明のさらに他面による方法は、無線制御システムに含まれるマスターと複数のスレーブとの無線接続のためである。方法は、マスターが、第1命令パケットを複数のスレーブに無線伝送する段階と、各々のスレーブが、第1命令パケットを受信したとき、第1命令パケットに対する応答として自分のIDを含む応答パケットを無線伝送する段階と、マスターが、第1命令パケットが伝送された時点から所定時間内に無線受信された各々の応答パケットに含まれたIDが割り当てられている各々のスレーブを第1グループに設定し、複数のスレーブのうち第1グループに設定されていない各々のスレーブを第2グループに設定する段階と、マスターが、複数のスレーブのうち少なくとも一つが第2グループに属する場合、第2グループに属する各々のスレーブのIDを含む第2命令パケットを無線伝送する段階と、を含む。
【0019】
方法は、各々のスレーブが、自分のIDが第2命令パケットに含まれている場合、第2命令パケットに含まれた全てのIDのうち自分のIDの相対順位を決定する段階と、各々のスレーブが、相対順位に割り当てられたタイムスロットにおいて、応答パケットを無線伝送する段階と、をさらに含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例のうち少なくとも一つによると、マスターが全てのスレーブのうち自分との無線接続に失敗したスレーブのみを選別して無線接続をやり直すことができる。
【0021】
また、本発明の実施例のうち少なくとも一つによると、マスターと少なくとも一つのスレーブとの無線接続が失敗した場合、マスター及び少なくとも一つのスレーブが通常の場合(即ち、無線接続が成功した場合)よりも大きい信号強度で相手に信号を無線伝送できる。
【0022】
結果的に、マスターが全てのスレーブと無線接続するのにかかる時間が短縮される長所がある。
【0023】
本発明の効果は上述の効果に限定されず、言及していない効果は、本明細書及び添付の図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者に明確に理解されるだろう。
【0024】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。なお、本明細書に添付の図面における要素の形状、大きさ、縮尺または比率などは、より明確な説明を強調するために誇張され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】無線制御システムを含むバッテリーパックの構成を例示的に示す図である。
図2図1のマスター及びスレーブの詳細構成を例示的に示す図である。
図3図1のマスターが複数のスレーブと無線接続をなす過程を説明するためのタイミングチャートである。
図4】本発明の第1実施例によるマスターと複数のスレーブとの無線接続のための方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の第2実施例によるマスターと複数のスレーブとの無線接続のための方法を示すフローチャートである。
図6】マスターによって参照される第2実施例のためのルックアップテーブルである
図7】本発明の第3実施例によるマスターと複数のスレーブとの無線接続のための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0027】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0028】
また、本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その説明を省略する。
【0029】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0030】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とすると、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載の「制御ユニット」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を示し、これはハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合せにより具現され得る。
【0031】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとすると、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に(接続)」されている場合も含む。
【0032】
図1は、本発明の一実施例による無線制御システム30を含むバッテリーパック10の構成を例示的に示す図である。
【0033】
図1を参照すれば、バッテリーパック10は、N個のバッテリーモジュール20及び無線制御システム30を含む。Nは、2以上の自然数である。図面においては、N個のバッテリーモジュール20を区分するための目的で、N個のバッテリーモジュール20に符号20_1~20_Nを順次に付与した。バッテリーパック10は電気自動車に搭載され、電気自動車の電気モーターの駆動に求められる電力を供給できる。
【0034】
N個のバッテリーモジュール20_1~20_N(Nは2以上の自然数)は、相互に直列及び/または並列接続する。各バッテリーモジュール20は、少なくとも一つのバッテリーセル21を含む。
【0035】
無線制御システム30は、マスター100及びN個のスレーブ200を含む。図面には、N個のスレーブ200を区分するための目的から、N個のスレーブ200に符号200_1~200_Nを順次に付与した。
【0036】
マスター100は、バッテリーパック10を統合制御するように構成される。複数のスレーブ200_1~200_Nの各々は、マスター100から予め割り当てられた自分のIDを用いて、マスター100と無線通信を行うように構成される。マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nに予め割り当てられているIDを保存する。IDは、複数のスレーブ200_1~200_Nを区別するための識別情報である。
【0037】
マスター100は、CAN(Control Area Network)のような有線ネットワークを通じて外部のメインコントローラ(例えば、電気自動車のECU)と通信し得る。マスター100は、マスターアンテナ(MA)を含み、マスターアンテナ(MA)を通じて各スレーブ200と無線通信し得る。
【0038】
複数のスレーブ200_1~200_Nは、複数のバッテリーモジュール20_1~20_Nに一対一に接続する。i=1~Nであるとすると、スレーブ200_iは、バッテリーモジュール20_iの状態(例えば、電圧、電流、温度)をモニターするように構成される。スレーブ200_iの動作に要求される電力は、バッテリーモジュール20_iから供給され得る。
【0039】
また、スレーブ200_iは、バッテリーモジュール20_iのモニターされた状態を示すデータ(以下、「バッテリー情報」ともする。)をマスター100に無線伝送し得る。
【0040】
マスター100は、スレーブ200_iからのバッテリー情報に基づき、バッテリーモジュール20_iのSOC(state of charge)、SOH(state of health)などを演算するか、またはバッテリーモジュール20_iの過電圧、不足電圧、過充電または過放電の有無を判定し得る。
【0041】
複数のスレーブ200_1~200_Nは、マスター100との通信距離が相違するように、バッテリーパック10の内部の相異なる領域に配置される。スレーブ200_iとマスター100との通信距離は、スレーブ200_iのアンテナSA_iとマスター100のアンテナMAとの直線距離を意味する。以下では、スレーブ200_iとマスター100との通信距離は、スレーブ200_i+1とマスター100との通信距離よりも短いと仮定する。例えば、図1を参照すれば、スレーブ200_iのアンテナSA_iは、スレーブ200_i+1のアンテナSA_i+1よりもマスター100のアンテナMAに近く配置される。スレーブ200_iのアンテナSA_iは、スレーブ200_i+1のアンテナSA_i+1の「上流側」に配置され、スレーブ200_i+1のアンテナSA_i+1は、スレーブ200_iのアンテナSA_iの「下流側」に配置されるといえる。
【0042】
以下、マスター100との通信距離が相対的に短いスレーブに相対的に高い順位のIDが割り当てられていると仮定する。例えば、スレーブ200_iのIDは、スレーブ200_i+1のIDよりも順位が高い。
【0043】
マスター100は、所定の周期ごとに、複数のスレーブ200_1~200_Nの各々を第1グループ及び第2グループのいずれかに分類するように構成される。マスター100は、命令パケットを伝送した後、待機期間の間に第2グループからの応答パケットをスキャンし得る。
【0044】
スレーブ200は、命令パケットに自分のIDが含まれた場合、命令パケットに対する応答としての応答パケットをマスター100に無線伝送するように構成され得る。
【0045】
命令パケットが伝送された後、所定時間内に、マスター100が第2グループに属する特定のスレーブ(例えば、200_2)から応答パケットを受信した場合には、マスター100は、該特定のスレーブを第2グループから第1グループに分類する。一方、マスター100が第2グループに属する特定のスレーブから応答パケットを受信していない場合には、マスター100は、該特定のスレーブを第2グループに維持する。
【0046】
図2は、図1のマスター100及びスレーブ200の詳細構成を例示した図である。
【0047】
図2を参照すれば、マスター100は、アンテナ(MA)、無線通信回路110及び制御部120を含む。マスター100の動作に要求される電力は、複数のバッテリーモジュール20_1~20_Nのうち少なくとも一つまたは外部の電源から供給され得る。
【0048】
無線通信回路110は、アンテナ(MA)を通じてスレーブ200に命令パケットを無線伝送するように構成される。また、無線通信回路110は、アンテナ(MA)を通じてスレーブ200からの応答パケットを受信するように構成される。
【0049】
制御部120は、無線通信回路110に動作可能に接続する。制御部120は、アンテナ(MA)を通じて受信される信号(例えば、バッテリー情報を示す信号)に基づき、複数のスレーブ200_1~200_Nのうち少なくとも一つに対する要請事項を決定し、要請事項を示すデータを含む命令パケットを複数のスレーブ200_1~200_Nのうち少なくとも一つに無線送信し得る。
【0050】
制御部120は、ハードウェア的に、ASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、マイクロプロセッサー(microprocessors)、その他の機能遂行のための電気的ユニットのうち少なくとも一つを用いて具現され得る。制御部120には、メモリーデバイスが内蔵され得、メモリーデバイスとしては、例えば、RAM、ROM、レジスター、ハードディスク、光記録媒体または磁気記録媒体を用い得る。メモリーデバイスは、制御部120によって実行される各種制御ロジックを含むプログラム、及び/または制御ロジックが実行されるときに発生するデータを保存、更新及び/または消去し得る。
【0051】
スレーブ200は、アンテナ(SA)、センシング部210、無線通信回路220及び制御部230を含む。
【0052】
センシング部210は、電圧測定回路211及び温度センサー212を含む。センシング部210は、電流センサー(図示せず)をさらに含み得る。電圧測定回路211は、少なくとも一つの電圧センサーを含む。
【0053】
電圧測定回路211は、バッテリーモジュール20のモジュール電圧を測定する。モジュール電圧は、バッテリーモジュール20の両端にかかる電圧である。また、電圧測定回路211は、バッテリーモジュール20に含まれた各バッテリーセル21のセル電圧をさらに測定し得る。セル電圧は、バッテリーセル21の両端にかかる電圧である。電圧測定回路211は、モジュール電圧及びセル21電圧を示す電圧信号を制御部230に伝送する。
【0054】
温度センサー212は、バッテリーモジュール20から所定の距離内に配置され、バッテリーモジュール20の温度を示す温度信号を制御部230に伝送する。
【0055】
電流センサーは、バッテリーパック10の充放電電流経路に設けられ、バッテリーパック10の充放電時に流れる電流を測定し、測定された電流を示す電流信号を制御部230に伝送する。
【0056】
無線通信回路220は、制御部230及びアンテナ(SA)に接続する。無線通信回路220は、ハードウェア的に、RF SoC(System on Chip)を用いて具現され得る。無線通信回路220は、アンテナ(SA)を通じて、マスター100または他のスレーブ200にデータを無線伝送するか、マスター100または他のスレーブ200からのデータを無線受信し得る。
【0057】
制御部230は、センシング部210及び無線通信回路220に動作可能に結合し、これらの各々の動作を個別的に制御し得る。制御部230は、ハードウェア的に、ASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、マイクロプロセッサー(microprocessors)、その他の機能遂行のための電気的ユニットのうち少なくとも一つを用いて具現され得る。制御部230には、メモリーデバイスが内蔵され得、メモリーデバイスとしては、例えば、RAM、ROM、レジスター、ハードディスク、光記録媒体または磁気記録媒体を用い得る。メモリーデバイスは、制御部230によって実行される各種制御ロジックを含むプログラム、及び/または制御ロジックが実行されるときに発生するデータを保存、更新及び/または消去し得る。
【0058】
無線通信回路220は、アンテナ(SA)を通じて無線受信されたマスター100または他のスレーブ200からの信号に応じ、予め決められた機能の少なくとも一つを選択的に行うように構成される。
【0059】
無線通信回路220は、アンテナ(SA)を通じてある信号が受信された場合、受信された信号の信号強度(signal strength)を測定し得る。無線通信回路220は、アンテナ(SA)を通じてマスター100からの命令パケットを受信した場合、命令パケットに対する応答としての応答パケットをマスター100に無線伝送し得る。応答パケットは、スレーブ200がマスター100から無線伝送された命令パケットの受信に成功したことをマスター100に報告するための信号である。
【0060】
図3は、図1のマスター100が複数のスレーブ200_1~200_Nと無線接続をなす過程を説明するためのタイミングチャートである。
【0061】
図3において、時点T10は任意の周期の開始時点であり、T20は次の周期の開始時点を示す。また、各周期の時間間隔ΔTcycは、N個以上のタイムスロットに分けられており、このうちN個のタイムスロットが複数のスレーブ200_1~200_Nに順次に割り当てられていると仮定する。
【0062】
時点T10において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nに命令パケットCP1を無線伝送する。マスター100は、所定の第1信号強度で命令パケットCP1を無線伝送し得る。命令パケットCP1は、ブロードキャスティング方式でマスター100から複数のスレーブ200_1~200_Nに一括的に伝送し得る。命令パケットCP1は、第1データD11及び第2データD12を含み、第3データD13をさらに含み得る。命令パケットCP1の第1データD11は、該命令パケットが、現在の周期でマスター100が最初に伝送したものであるか否かを示す。例えば、第1データD11が第1値(例えば、0)であることは、該命令パケットが現在の周期で最初に伝送されることを示す。命令パケットCP1の第2データD12は、複数のスレーブ200_1~200_Nに対する要請事項を含む。要請事項は、第2グループに属するスレーブに、特定の機能(例えば、電圧測定、セルバランシング)の実行を要請するためのものである。命令パケットCP1の第3データD13は、複数のスレーブ200_1~200_Nの全てのIDを含む。
【0063】
複数のスレーブ200_1~200_Nの各々は、命令パケットCP1を無線受信したとき、自分に割り当てられているタイムスロットで応答パケットRPを無線伝送する。即ち、i=1~Nとすると、スレーブ200_iは、N個以上のタイムスロットのうちi番目のタイムスロットで応答パケットRPを無線伝送する。
【0064】
マスター100は、時点T10から所定時間ΔT1の間、複数のスレーブ200_1~200_Nからの応答パケットRPをスキャンする。以下では、時点T10から所定時間ΔT1の内に、マスター100がスレーブ200_1、200_3~200_N-2、200_Nからの応答パケットRPを受信した一方、スレーブ200_2、200_N-1からは応答パケットRPを受信していないとしよう。そうすれば、マスター100は、応答パケットRPに含まれたIDが割り当てられているスレーブ200_1、200_3~200_N-2、200_Nを第1グループに設定し、複数のスレーブ200_1~200_Nのうち第1グループに設定されてない残りのスレーブ200_2、200_N-1を第2グループに設定し得る。
【0065】
時点T11では、二つのスレーブ200_2、200_N-1のみが第2グループに設定されている一方、残りのスレーブ200_1、200_3~200_N-2、200_Nは、第1グループに設定されている。
【0066】
時点T11で、マスター100は、命令パケットCP2を無線伝送する。命令パケットCP2は、第1データD21、第2データD22及び第3データD23を含み、第4データD24をさらに含み得る。命令パケットCP2の第1データD21は第2値(例えば、1)を有し、これは該命令パケットが第2グループとの無線接続をやり直すためであることを示す。命令パケットCP2の第2データD22は、第2グループに設定されているスレーブ200_2、200_N-1に対する要請事項を含む。命令パケットCP2の第3データD23は、第2グループに属する二つのスレーブ200_2、200_N-1のIDを含む。命令パケットCP2の第4データD24はゲイン値を示すものであり得る。
【0067】
命令パケットCP2は、全ての複数のスレーブ200_1~200_Nから受信し得るが、命令パケットCP2は第2グループに属する二つのスレーブ200_2、200_N-1のIDのみを含むので、第1グループに設定されているスレーブ200_1、200_3~200_N-2、200_Nは、命令パケットCP2を自分のメモリーデバイスから消去できる。
【0068】
一方、第2グループに属するスレーブ200_2、200_N-1の各々は、命令パケットCP2を受信したとき、命令パケットCP2に含まれた全てのIDに対する自分のIDの相対順位を決定し得る。スレーブ200_2は、命令パケットCP2を受信したとき、命令パケットCP2の第3データD23に含まれた全てのIDのうち自分のIDよりも高い順位を有するIDがないので、自分のIDの順位が最も高いと決定する。スレーブ200_N-1は、命令パケットCP2を受信したとき、命令パケットCP2の第3データD23に含まれた全てのIDのうち自分のIDよりも高い順位を有するIDが一つあるので、自分のIDが二番目に高いと決定し得る。
【0069】
スレーブ200_2は、自分のIDの相対順位に関わるタイミング(即ち、一番目のタイムスロット)で応答パケットRPをマスター100に伝送する。スレーブ200_N-1は、自分のIDの相対順位に関わるタイミング(即ち、二番目のタイムスロット)で自分のIDを含む応答パケットRPをマスター100に伝送する。
【0070】
スレーブ200_2とスレーブ200_N-1の各々は、所定の第2信号強度で応答パケットRPを無線伝送し得る。
【0071】
または、スレーブ200_2及びスレーブ200_N-1の各々は、自分に既に割り当てられた基準信号強度で応答パケットRPを無線伝送し得る。i=1~Nとすると、スレーブ200_iに割り当てられた基準信号強度は、スレーブ200_i-1に割り当てられた基準信号強度よりも大きくなり得る。即ち、マスター100との通信距離が相対的に長いスレーブに、相対的に大きい基準信号強度が割り当てられ得る。
【0072】
または、スレーブ200_2及びスレーブ200_N-1の各々は、増幅した信号強度を決定した後、増幅した信号強度で応答パケットRPを無線伝送し得る。増幅した信号強度は、命令パケットCP2の第4データD4が示すゲイン値を、所定の第2信号強度または自分に既に割り当てられた基準信号強度に掛けたものであり得る。
【0073】
時点T11から所定時間ΔT2の間、マスター100は、第2グループに属するスレーブ200_2、200_N-1からの応答パケットRPをスキャンする。ΔT2は、ΔT1と同一であるか、またはより短いか、大きい。マスター100は、時点T11から所定時間ΔT2内に、スレーブ200_2からの応答パケットRPを受信したが、スレーブ200_N-1からの応答パケットRPは受信していないとしよう。例えば、スレーブ200_N-1からの応答パケットRPは、マスター100に伝送される過程で信号干渉現象などによって消失され得る。そうすれば、マスター100は、スレーブ200_2を第2グループから第1グループに設定する一方、スレーブ200_N-1は、第2グループに維持する。
【0074】
時点T12において、マスター100は、命令パケットCP3を無線伝送する。命令パケットCP3は、第1データD31、第2データD32及び第3データD33を含み、第4データD34をさらに含み得る。命令パケットCP3の第1データD31は第2値を有し得る。命令パケットCP3の第2データD32は、第2グループに設定されているスレーブ200_N-1に対する要請事項を含む。命令パケットCP3の第3データD33は、第2グループに属するスレーブ200_N-1のIDのみを含む。命令パケットCP3の第4データD34は、ゲイン値を示すものであり得る。
【0075】
命令パケットCP3は、全ての複数のスレーブ200_1~200_Nから受信され得るが、命令パケットCP3は第2グループに属するスレーブ200_N-1のIDのみを含むので、第1グループに設定されているスレーブ200_1~200_N-2、200_Nは、命令パケットCP3を破棄し得る。スレーブ200_N-1は、命令パケットCP3を受信したとき、命令パケットCP3に含まれた全てのIDに対する自分のIDの相対順位を決定し得る。命令パケットCP3の第3データD33は、スレーブ200_N-1のIDのみを含むので、スレーブ200_N-1は、自分のIDの順位が最も高いと決定する。したがって、スレーブ200_N-1は、自分のIDの相対順位に関わるタイミング(即ち、一番目のタイムスロット)で応答パケットRPをマスター100に伝送する。
【0076】
スレーブ200_N-1は、所定の第2信号強度で応答パケットRPを無線伝送し得る。または、スレーブ200_N-1は、自分に既に割り当てられた基準信号強度で応答パケットRPを無線伝送し得る。または、スレーブ200_N-1は、増幅した信号強度を決定した後、増幅した信号強度で応答パケットRPを無線伝送し得る。増幅した信号強度は、命令パケットCP3の第4データD34が示すゲイン値を、所定の第2信号強度または自分に既に割り当てられた基準信号強度に掛けたものであり得る。
【0077】
時点T12から所定時間ΔT3の間、マスター100は、第2グループに属するスレーブ200_N-1からの応答パケットRPをスキャンする。ΔT3はΔT1と同一であるか、またはより短いか、大きい。マスター100は、時点T12から所定時間ΔT2内に第2グループに属する全てのスレーブ200_N-1からの応答パケットRPを受信した場合、複数のスレーブ200_1~200_Nとの無線接続のためのプロセスを終了し得る。
【0078】
以下では、「第1命令パケット」は、第1データとして第1値を有する命令パケットを指し、「第2命令パケット」は、第1データとして第2値を有する命令パケットを指すと仮定する。
【0079】
図4は、本発明の第1実施例によるマスター100と複数のスレーブ200_1~200_Nとの無線接続のための方法を示すフローチャートである。図4の方法は、所定の周期ごとに行われ得る。
【0080】
図1図4を参照すれば、段階S410において、マスター100は、第1命令パケットを無線伝送する。第1命令パケットは、所定の第1信号強度で無線伝送され得る。第1データ及び第2データを含み、第3データをさらに含み得る。第1命令パケットの第1データは、第1命令パケットが現在の周期で複数のスレーブ200_1~200_Nとの無線接続を最初に試みるためであることを示す第1値を有する。第1命令パケットの第2データは、複数のスレーブ200_1~200_Nに特定の機能(例えば、電圧測定、セルバランシング)を行うことを要請するデータを含む。第1命令パケットの第3データは、複数のスレーブ200_1~200_NのIDを含む。
【0081】
複数のスレーブ200_1~200_Nの各々は、第1命令パケットの第1データが第1値を有する場合、第1命令パケットの第2データによって要請された機能を行い、自分のIDを含む応答パケットを所定の第2信号強度または自分に既に割り当てられた基準信号強度で無線伝送し得る。i=1~Nとすると、スレーブ200_iに割り当てられた基準信号強度は、スレーブ200_i-1に割り当てられた基準信号強度よりも大きい。即ち、マスター100との通信距離が相対的に長いスレーブに相対的に大きい基準信号強度が割り当てられ得る。
【0082】
段階S420において、マスター100は、第1待機期間の間に複数のスレーブ200_1~200_Nからの応答パケットをスキャンする。即ち、マスター100は、第1命令パケットが伝送された時点から所定時間が経過した時点まで、複数のスレーブ200_1~200_Nが無線伝送する応答パケットを収集する。
【0083】
段階S430において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nの各々を第1グループ及び第2グループのいずれかに分類する。具体的に、マスター100は、第1待機期間の間にスキャンされた各応答パケットのIDが割り当てられたスレーブ200を第1グループに分類し、残りのスレーブ200は、第2グループに分類し得る。即ち、応答パケットを伝送しなかったか、またはマスター100によって受信されていない応答パケットを伝送したスレーブ200は、マスター100によって第2グループに分類され得る。
【0084】
段階S440において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nのうち少なくとも一つが、第2グループに分類されているか否かを判定する。即ち、マスター100は、現在の周期において、少なくとも一つのスレーブ200がマスター100と無線接続していない状態で残っているか否かをチェックする。段階S440の値が「はい」である場合、段階S450へ進む。段階S440の値が「いいえ」であれば、マスター100が全ての複数のスレーブ200_1~200_Nと無線接続したことを意味するので、方法は終了され得る。
【0085】
段階S450において、マスター100は、第2命令パケットを無線伝送する。第2命令パケットは、所定の第1信号強度で無線伝送され得る。第2命令パケットは、第1データ、第2データ及び第3データを含む。第2命令パケットの第1データは、第2命令パケットがマスター100と第2グループとの無線接続をやり直すためであることを示す第2値を有する。第2命令パケットの第2データは、第2グループに属する全てのスレーブ200に特定の機能の行うことを要請するデータを含む。第2命令パケットの第3データは、第2グループに属する全てのスレーブ200のIDを含む。
【0086】
複数のスレーブ200_1~200_Nの各々は、第2命令パケットを受信したとき、第2命令パケットの第1データが第2値を有することに応じ、第2命令パケットの第3データに自分のIDが含まれているか否かを判定する。第2グループに属するスレーブ200は、第2命令パケットの第3データに自分のIDが含まれているので、第2命令パケットの第2データが要請した機能を行い、自分のIDを含む応答パケットを所定の第2信号強度または自分に既に割り当てられた基準信号強度でマスター100に伝送する。一方、第1グループに属するスレーブ200は、第2命令パケットの第2データに自分のIDが含まれていないので、応答パケットを伝送せず、第2命令パケットを自分のメモリーデバイスから消去(即ち、第2命令パケットの第3データによる要請を無視)し得る。
【0087】
段階S460において、マスター100は、第2待機期間の間に第2グループに分類されたスレーブ200からの応答パケットをスキャンする。即ち、マスター100は、第2命令パケットが伝送された時点から所定時間が経過した時点まで、第2グループに属する少なくとも一つのスレーブ200が無線伝送する応答パケットを収集する。
【0088】
段階S470において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nの各々を第1グループ及び第2グループのいずれかに分類する。具体的に、マスター100は、第2待機期間の間にスキャニングされた各応答パケットのIDが割り当てられたスレーブ200を第2グループから第1グループに分類し、残りのスレーブ200は第2グループに維持し得る。段階S470の後、方法は、段階S440または段階S480へ進む。
【0089】
段階S480において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nのうち少なくとも一つが第2グループに属するか否かを判定する。段階S480の値が「はい」である場合、方法は、段階S450へ戻る。段階S480の値が「いいえ」というのは、複数のスレーブ200_1~200_Nのいずれも第2グループに属しないことを意味するので、方法は終了され得る。
【0090】
図5は、本発明の第2実施例によるマスター100と複数のスレーブ200_1~200_Nとの無線接続のための方法を示すフローチャートであり、図6は、マスター100によって参照される第2実施例のためのルックアップテーブルである。図5の方法は、所定の周期ごとに行われ得る。
【0091】
図1図3図5及び図6を参照すれば、段階S510において、マスター100は、第1命令パケットを無線伝送する。第1命令パケットは、所定の第1信号強度で無線伝送され得る。第1命令パケットは、第1データ及び第2データを含み、第3データをさらに含み得る。第1命令パケットの第1データは、第1命令パケットが現在の周期で複数のスレーブ200_1~200_Nとの無線接続を最初に試みるためのものであることを示す第1値を有する。第1命令パケットの第2データは、複数のスレーブ200_1~200_Nに特定機能の行うことを要請するデータを含む。第1命令パケットの第3データは、複数のスレーブ200_1~200_NのIDを含む。
【0092】
複数のスレーブ200_1~200_Nの各々は、第1命令パケットの第1データが第1値を有する場合、第1命令パケットの第2データによって要請された機能を行い、自分のIDを含む応答パケットを所定の第2信号強度または自分に既に割り当てられた基準信号強度で無線伝送し得る。
【0093】
段階S520において、マスター100は、第1待機期間の間に複数のスレーブ200_1~200_Nからの応答パケットをスキャンする。即ち、マスター100は、第1命令パケットが伝送された時点から所定時間が経過した時点まで、複数のスレーブ200_1~200_Nが無線伝送する応答パケットを収集する。
【0094】
段階S530において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nの各々を第1グループ及び第2グループのいずれかに分類する。具体的に、マスター100は、第1待機期間の間にスキャンされた各応答パケットのIDが割り当てられたスレーブ200を第1グループに分類し、残りのスレーブ200は、第2グループに分類し得る。即ち、応答パケットを伝送しなかったか、またはマスター100によって受信していない応答パケットを送ったスレーブ200は、マスター100によって第2グループに分類され得る。
【0095】
段階S540において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nのうち少なくとも一つが第2グループに分類されているか否かを判定する。即ち、マスター100は、現在の周期で、少なくとも一つのスレーブ200がマスター100と無線接続していない状態で残っているか否かをチェックする。段階S540の値が「はい」である場合、段階S545へ進む。段階S540の値が「いいえ」というのは、マスター100が全ての複数のスレーブ200_1~200_Nと無線接続していることを意味するので、方法は終了し得る。
【0096】
段階S545において、マスター100は、第2グループに属する少なくとも一つのスレーブ200のIDのうち最後順位のIDをインデックスとして用いて、ルックアップテーブル600から第1増幅した信号強度を決定する。具体的に、ルックアップテーブル600は、複数のスレーブ200_1~200_NのID(S~S)の各々に関わる複数の増幅した信号強度A~Aを保存する。複数の増幅した信号強度A~Aのうち少なくとも一つは、所定の第1信号強度よりも大きい。ルックアップテーブル600において、相対的に下位のIDには相対的に大きい、増幅した信号強度が割り当てられ得る。i=1~Nとすると、例えば、Sは、スレーブ200_iのIDであって、Aに関わり、Ai-1<Aである。もし、図3のように、スレーブ200_2及びスレーブ200_N-1が第2グループに属する場合、SN-1が後順位のIDであるので、AN-1が第1増幅した信号強度として決定される。
【0097】
段階S550において、マスター100は、第2命令パケットを第1増幅した信号強度で無線伝送する。第2命令パケットは、第1データ、第2データ及び第3データを含む。第2命令パケットの第1データは、第2命令パケットがマスター100と第2グループとの無線接続をやり直するためのものであることを示す第2値を有する。第2命令パケットの第2データは、第2グループに属する全てのスレーブ200に特定機能の行うことを要請するデータを含む。第2命令パケットの第3データは、第2グループに属する全てのスレーブ200のIDを含む。
【0098】
複数のスレーブ200_1~200_Nの各々は、第2命令パケットを受信したとき、第2命令パケットの第1データが第2値を有することに応じ、第2命令パケットの第2データに自分のIDが含まれているか否かを判定する。第2グループに属するスレーブ200は、第2命令パケットの第3データに自分のIDが含まれているので、第2命令パケットの第2データが要請した機能を行い、自分のIDを含む応答パケットを所定の第2信号強度または自分に既に割り当てられた基準信号強度でマスター100に伝送する。一方、第1グループに属するスレーブ200は、第2命令パケットの第2データに自分のIDが含まれていないので、応答パケットを伝送せず、第2命令パケットを自分のメモリーデバイスから消去(即ち、第2命令パケットの第3データによる要請を無視)し得る。
【0099】
段階S560において、マスター100は、第2待機期間の間に第2グループに分類されたスレーブ200からの応答パケットをスキャンする。即ち、マスター100は、第2命令パケットが伝送された時点から所定時間が経過した時点まで、第2グループに属する少なくとも一つのスレーブ200が無線伝送する応答パケットを収集する。
【0100】
段階S570において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nの各々を第1グループ及び第2グループのいずれかに分類する。具体的に、マスター100は、第2待機期間の間にスキャンした各応答パケットのIDが割り当てられたスレーブ200を、第2グループから第1グループに分類し、残りのスレーブ200は第2グループに維持し得る。段階S570の後、方法は、段階S540または段階S580へ進む。
【0101】
段階S580において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nのうち少なくとも一つが第2グループに属するか否かを判定する。段階S580の値が「はい」である場合、方法は、段階S545へ戻る。段階S580の値が「いいえ」というのは、複数のスレーブ200_1~200_Nのいずれも第2グループに属していないことを意味するので、方法は終了する。
【0102】
図7は、本発明の第3実施例によるマスター100と複数のスレーブ200_1~200_Nとの無線接続のための方法を示すフローチャートである。図7の方法は、所定の周期ごとに行われ得る。
【0103】
図1図3及び図7を参照すれば、段階S710において、マスター100は、第1命令パケットを無線伝送する。第1命令パケットは、所定の第1信号強度で無線伝送され得る。第1命令パケットは、第1データ及び第2データを含み、第3データをさらに含み得る。第1命令パケットの第1データは、第1命令パケットが現在の周期で複数のスレーブ200_1~200_Nとの無線接続を最初に試みるためのものであることを示す第1値を有する。第1命令パケットの第2データは、複数のスレーブ200_1~200_Nに特定の機能を行うことを要請するデータを含む。第1命令パケットの第3データは、複数のスレーブ200_1~200_NのIDを含む。
【0104】
複数のスレーブ200_1~200_Nの各々は、第1命令パケットの第1データが第1値を有する場合、第1命令パケットの第2データによって要請された機能を行い、自分のIDを含む応答パケットを所定の第2信号強度または自分に既に割り当てられた基準信号強度で無線伝送し得る。
【0105】
段階S720において、マスター100は、第1待機期間の間に複数のスレーブ200_1~200_Nからの応答パケットをスキャンする。即ち、マスター100は、第1命令パケットが伝送された時点から所定時間が経過した時点まで、複数のスレーブ200_1~200_Nが無線伝送する応答パケットを収集する。
【0106】
段階S730において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nの各々を第1グループ及び第2グループのいずれかに分類する。具体的に、マスター100は、第1待機期間の間にスキャンされた各応答パケットのIDが割り当てられたスレーブ200を第1グループに分類し、残りスレーブ200は、第2グループに分類し得る。即ち、応答パケットを伝送しなかったか、またはマスター100によって受信していない応答パケットを伝送したスレーブ200は、マスター100によって第2グループに分類され得る。
【0107】
段階S740において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nのうち少なくとも一つが第2グループに分類されているか否かを判定する。即ち、マスター100は、現在の周期で、少なくとも一つのスレーブ200がマスター100と無線接続していない状態で残っているか否かをチェックする。段階S740の値が「はい」である場合、段階S745へ進む。段階S740値が「いいえ」というのは、マスター100が全ての複数のスレーブ200_1~200_Nと無線接続していることを意味するので、方法は終了し得る。
【0108】
段階S745において、マスター100はゲイン値を決定する。ゲイン値は、1よりも大きくてもよい。ゲイン値は、第2グループに属するスレーブ200が所定の第2信号強度または基準信号強度よりも大きい強度で応答パケットを無線伝送するように誘導するためのものである。マスター100は、第2命令パケットを伝送する度にゲイン値を所定の値だけ増加させ得る。例えば、第2命令パケットが最初に伝送される場合のゲイン値は1.02であり、第2命令パケットが二回目に伝送される場合のゲイン値は1.05であり得る。
【0109】
段階S750において、マスター100は、第2命令パケットを無線伝送する。第2命令パケットは、所定の第1信号強度で無線伝送され得る。第2命令パケットは、第1データ、第2データ及び第3データを含む。第2命令パケットの第1データは、第2命令パケットがマスター100と第2グループとの無線接続をやり直すためのものであることを示す第2値を有する。第2命令パケットの第2データは、第2グループに属する全てのスレーブ200に特定の機能の行うことを要請するデータを含む。第2命令パケットの第3データは、第2グループに属する全てのスレーブ200のIDを含む。第2命令パケットは、第4データをさらに含む。第2命令パケットの第4データは、段階S745で決定されたゲイン値を示す。
【0110】
複数のスレーブ200_1~200_Nの各々は、第2命令パケットを受信したとき、第2命令パケットの第1データが第2値を有することに応じ、第2命令パケットの第3データに自分のIDが含まれているか否かを判定する。第2グループに属するスレーブ200は、第2命令パケットの第3データに自分のIDが含まれているので、第2命令パケットの第2データが要請した機能を行い得る。
【0111】
また、第2グループに属するスレーブ200は、第2命令パケットの第4データが示すゲイン値を、所定の第2信号強度または自分に既に割り当てられた基準信号強度に掛けて第2増幅した信号強度を決定する。
【0112】
その後、第2グループに属するスレーブ200は、自分のIDを含む応答パケットを第2増幅した信号強度でマスター100に伝送する。一方、第1グループに属するスレーブ200は、第2命令パケットの第2データに自分のIDが含まれていないので、応答パケットを伝送せず、第2命令パケットを自分のメモリーデバイスから消去(即ち、第2命令パケットの第3データによる要請を無視)し得る。
【0113】
段階S760において、マスター100は、第2待機期間の間に第2グループに分類されたスレーブ200からの応答パケットをスキャンする。即ち、マスター100は、第2命令パケットが伝送された時点から所定時間が経過した時点まで、第2グループに属する少なくとも一つのスレーブ200が無線伝送する応答パケットを収集する。
【0114】
段階S770において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nの各々を第1グループ及び第2グループのいずれかに分類する。具体的に、マスター100は、第2待機期間の間にスキャンされた各応答パケットのIDが割り当てられたスレーブ200を第2グループから第1グループに分類し、残りのスレーブ200は、第2グループに維持し得る。段階S770の後、方法は、段階S740または段階S780へ進む。
【0115】
段階S780において、マスター100は、複数のスレーブ200_1~200_Nのうち少なくとも一つが第2グループに属するか否かを判定する。段階S780の値が「はい」である場合、方法は、段階S750へ戻る。段階S780の値が「いいえ」というのは、複数のスレーブ200_1~200_Nのいずれも第2グループに属していないことを意味するので、方法は終了し得る。
【0116】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0117】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0118】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7