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  • 特許-パッケージ用基板、およびその製造方法 図1
  • 特許-パッケージ用基板、およびその製造方法 図2
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  • 特許-パッケージ用基板、およびその製造方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】パッケージ用基板、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20220509BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20220509BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
H05K1/02 G
H05K3/00 X
H01L23/12 N
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017005157
(22)【出願日】2017-01-16
(65)【公開番号】P2018116963
(43)【公開日】2018-07-26
【審査請求日】2019-12-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田石 将士
(72)【発明者】
【氏名】新田 祐幹
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-231005(JP,A)
【文献】特開2009-088173(JP,A)
【文献】特開2005-150535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 3/00
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ用基板の製造方法であって、
コア基板の片面又は両面に配線層及び絶縁層を形成して、配線基板を形成する工程と、
前記絶縁層の所定の位置に、前記コア基板の表面が露出するように分離溝を形成する工程と、
前記分離溝の底面の溝幅の中央部分において前記コア基板を切断することにより、前記コア基板が露出している露出部分を有する複数のパッケージ用基板を得る工程と、
を含む、パッケージ用基板の製造方法。
【請求項2】
前記コア基板は、ガラスで構成されている、請求項に記載のパッケージ用基板の製造方法。
【請求項3】
前記露出部分における前記コア基板の端部から前記絶縁層の端部までの幅は、50μm以上である、請求項又はに記載のパッケージ用基板の製造方法。
【請求項4】
前記複数のパッケージ用基板を得る工程は、前記分離溝の底面の溝幅の中央部分において前記コア基板をスクライブすることにより前記コア基板を切断する、請求項乃至のいずれかに記載のパッケージ用基板の製造方法。
【請求項5】
前記複数のパッケージ用基板を得る工程は、前記分離溝の底面の溝幅の中央部分において前記コア基板をダイシングすることにより前記コア基板を切断する、請求項乃至のいずれかに記載のパッケージ用基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ用基板、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品等のパッケージ用基板は、コア基板に配線層と絶縁層とを積層して多数の配線パターンを備えた大判の配線基板を形成した後、配線基板を所要寸法にダイシングしてパッケージ用基板に個片化することにより製造される。
【0003】
また、配線基板を作成する際に、コア基板上にコア基板とは線膨張係数の異なる樹脂層(絶縁層)と配線層とを複数積層するため、温度変化があると、線膨張係数の差により樹脂層、配線層、コア基板で膨張差が大きくなり、コア基板外周部に応力が発生することが知られている。
【0004】
また、近年のパッケージ用基板で用いられるコア基板には、電気的特性には優れるものの脆弱な材料により形成されたものがある。コア基板が割れの起きやすい脆性材料で構成されている場合、ダイシングによってコア基板を切断する際に発生する衝撃によりコア基板の切断面に微小なクラックが生じることがある。このコア基板断面の微小なクラックにより、ダイシング直後またはその後の工程での温度変化により、クラック部分からコア基板内部に蓄積された内部応力が開放されるため、コア基板が裂ける方向に割れが広がる可能性がある。コア基板をガラス基板とする積層体の場合、数十μmより厚いガラス基板では、その端面から割れる問題が起き易い。
【0005】
このような割れを発生させない個片化法としては、例えばコア基板のパッケージ用基板外周部にあたる部分に金属層を形成し、個片化後に露出した金属層をエッチング処理により取り除き、コア基板と絶縁層で確定される溝部を作製する方法がある。この溝部により、コア基板の外周付近に応力が加わることを抑制することができるため、コア基板に破壊が生じることを、簡易な構成によって効果的に抑制することができる。(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、この方法では、コア基板上の金属層をダイシングブレードで切断するため、ダイシングブレードの目詰まりによる切削力の低下から、コア基板断面にかえって多くのクラックを発生させてしまう懸念がある。そのため、ダイシング工程により個片化した直後にコア基板の破壊が発生する懸念があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2015-231005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、コア基板上に、絶縁層と配線層とを積層した配線基板を個片化してパッケージ用基板を作製する際または作製後に、温度変化によってコア基板の切断面に破壊が生じることを抑制可能なパッケージ用基板及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、コア基板と、前記コア基板の片面又は両面上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上及び/又は前記絶縁層に埋め込まれるように形成された1又は複数の配線層と、を含むパッケージ用基板であって、前記パッケージ用基板は、前記コア基板において前記絶縁層が形成されている面における外周部分に、前記コア基板が露出している露出部分を有する、パッケージ用基板である。
【0010】
本発明の他の態様に係るパッケージ用基板では、前記コア基板は、ガラスで構成されている。
【0011】
本発明のさらに他の態様に係るパッケージ用基板では、前記露出部分における前記コア基板の端部から前記絶縁層の端部までの幅は、50μm以上である。
【0012】
本発明のさらに他の態様は、パッケージ用基板の製造方法であって、コア基板の片面又は両面に配線層及び絶縁層を形成して、配線基板を形成する工程と、前記絶縁層の所定の位置に、前記コア基板の表面が露出するように分離溝を形成する工程と、前記分離溝の底面の溝幅の中央部分において前記コア基板を切断することにより、前記コア基板が露出している露出部分を有する複数のパッケージ用基板を得る工程と、を含む、パッケージ用基板の製造方法である。
【0013】
本発明のさらに他の態様に係るパッケージ用基板の製造方法では、前記コア基板は、ガラスで構成されている。
【0014】
本発明のさらに他の態様に係るパッケージ用基板の製造方法では、前記露出部分における前記コア基板の端部から前記絶縁層の端部までの幅は、50μm以上である。
【0015】
本発明のさらに他の態様に係るパッケージ用基板の製造方法では、前記複数のパッケージ用基板を得る工程は、前記分離溝の底面の溝幅の中央部分において前記コア基板をスクライブすることにより前記コア基板を切断する。
【0016】
本発明のさらに他の態様に係るパッケージ用基板の製造方法では、前記複数のパッケージ用基板を得る工程は、前記分離溝の底面の溝幅の中央部分において前記コア基板をダイシングすることにより前記コア基板を切断する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るパッケージ用基板及びその製造方法によれば、配線基板を個片化することにより作製されたパッケージ用基板に対し、作製時や実装時において大きな温度変化がかかっても、コア基板断面の割れが発生することを抑制可能な信頼性の高いパッケージ用基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るパッケージ用基板を示す図である。
図2】本発明に係る配線基板の断面図である。
図3】本発明に係るパッケージ用基板を製造する工程を説明する模式図である。
図4】本発明に係るパッケージ用基板を製造する工程を説明する模式図である。
図5】本発明に係るパッケージ用基板を製造する工程を説明する模式図である。
図6】本発明に係るパッケージ用基板を製造する工程の他の例を説明する模式図である。
図7】本発明に係るパッケージ用基板を製造する工程を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るパッケージ用基板とその製造方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の単なる一例であって、当業者であれば、適宜設計変更可能である。
【0020】
本明細書において、「パッケージ用基板」とは、配線基板を個片化した積層体をいう。また、「配線基板」とは、個片化される前のパッケージ用基板が連結された状態のものをいう。
【0021】
上述のように、コア基板上に絶縁層及び配線層を形成し、ダイシングを行った場合、ダイシングの際に発生する衝撃によりコア基板の切断面に微小なクラックが発生し易いことが知られている。絶縁層及び配線層の熱応力がコア基板に引っ張り応力を発生させ、この引っ張り応力がコア基板のクラックを拡大させることでコア基板の割れにつながる。
【0022】
そこで、本発明者は、コア基板の切断面付近においてコア基板上に形成された絶縁層を除去することでコア基板の表面上に露出部分を設けることにより、コア基板に加わる引っ張り応力を軽減してコア基板に割れが発生することを抑制できることを見出し、本発明に至った。
【0023】
(パッケージ用基板)
図1(a)は、本発明に係るパッケージ用基板の断面図である。図1(a)に示されるように、パッケージ用基板200は、コア基板10と、コア基板10の厚さ方向の両面に積層された1又は複数の配線層30と、コア基板10上および配線層30上に形成された1又は複数の絶縁層20とを含む。パッケージ用基板200は、コア基板10において絶縁層20が設けられている表面上に、コア基板10が露出した露出部分11を有する。図1(b)におけるパッケージ用基板200の上面図に示すように、露出部分11は、コア基板10の外周部分に設けられている。なお、図1(b)では、配線層30は簡略化のため省略している。
【0024】
図2は、本発明に係る配線基板の断面図である。図2に示す配線基板100を、後述の方法によって個片化することにより、パッケージ用基板200を作製することができる。
【0025】
(コア基板)
コア基板10は、配線基板100および配線基板100を個片化した後のパッケージ用基板200の電気特性を向上させる材料で構成することができる。例えば、コア基板10としては、ガラス基板、シリコン基板、セラミック基板、プラスチック板、プラスチックテープ等の脆性材料を用いることができ、好ましくはガラス基板を用いることができる。本発明のコア基板10に用いるガラス基板としては、例えば、ソーダライムガラスやアルミノ珪酸塩ガラスが挙げられる。本発明のコア基板10に用いるガラス基板は、表面を当分野で一般的に行われている方法により処理されたものであってもよく、例えば、表面に粗化処理を行ったもの、フッ酸で処理したもの、または、ガラス基板表面にシリコン処理を施したものであってもよい。本発明の一態様において、コア基板10に用いるガラス基板は表面に下地層(図示せず)を形成してもよい。コア基板10の厚さは、特に限定されないが、好ましくは50μm~800μmである。
【0026】
(配線層)
配線層30は、コア基板10の厚さ方向の表面上並びに/または絶縁層20の表面上及び/若しくは内部に形成される。本発明の一態様において、少なくとも一部の配線層30はコア基板10に接するように形成される。また、本発明の他の態様において、配線層30はコア基板と接しなくてもよい。配線層30は一層であってもよく、また複数の層であってもよい。
【0027】
配線層30は、当分野で通常用いられる導電性材料を用いて形成することができる。具体的には、配線層30は、銅、銀、すず、金、タングステン、導電性樹脂などを用いて形成することができ、好ましくは銅が用いられる。
【0028】
また、配線層30は、当分野で一般的に行われている方法により形成することができる。配線層30の形成方法は、これらに限定されないが、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、インクジェット法、スクリーン印刷、グラビアオフセット印刷を用いることができ、好ましくはセミアディティブ法を用いることができる。配線層30の厚さの合計は、形成方法によるが、例えば、1μm~100μmである。
【0029】
(絶縁層)
本発明の一態様において、絶縁層20は配線層30を埋め込むようにコア基板10及び配線層30上に形成される。絶縁層20は一層であってもよく、また複数の層であってもよい。
【0030】
絶縁層20は、当分野で通常用いられる絶縁性材料を用いて形成することができる。具体的には、絶縁層20は、エポキシ樹脂系材料、エポキシアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いて形成することができる。これらの絶縁性材料は、充填剤を含んでもよい。絶縁層20を形成する絶縁性材料としては、線膨張係数が7~130ppm/Kのエポキシ配合樹脂が一般的に入手し易く好ましい。
【0031】
また、絶縁層20を形成する絶縁性材料は、液状であっても、フィルム状であってもよい。絶縁性材料が液状の場合、絶縁層20は、スピンコート法、ダイコータ法、カーテンコータ法、ロールコータ法、ドクターブレード法、スクリーン印刷などの当分野で一般的に行われている方法により形成することができる。絶縁性材料がフィルム状の場合、例えば真空ラミネート法により絶縁層20を形成することができる。上記のように形成された絶縁層20は、加熱または光照射により硬化させてもよい。絶縁層20の厚さの合計は、形成方法によるが、例えば、1μm~200μmである。
【0032】
[パッケージ用基板の形成]
本発明の一態様のパッケージ用基板200は、これらに限定されるものではないが、図2図6に示す工程にしたがって形成することができる。
【0033】
まず、図2に示すように、コア基板10の厚さ方向の表面に、上述した方法を用いて配線層30と絶縁層20を形成する。
【0034】
次いで、図3に示すように、配線基板100における絶縁層20の所定の位置に、レーザ加工を用いて片側面から、コア基板10が部分的に露出するように分離溝40を形成する。次に、図4に示すように、裏面も同様にして、分離溝40を形成する。
【0035】
その後、図5に示すように、分離溝40の底面部分の溝幅内の中央部分の位置で、スクライバー50によってコア基板10をスクライブして配線基板100を個片化することにより、パッケージ用基板200を形成する。スクライバー50の先端の幅は、分離溝40の底面の溝幅よりも小さい。スクライブはダイシングよりも加工速度が速いため、スクライブにより配線基板100を個片化することにより、ダイシングにより配線基板100を個片化する場合と比較して低コストにパッケージ用基板200を作製することができる。
【0036】
分離溝40の底面はコア基板10が露出しているため、分離溝40の中央部分で配線基板100を切断することにより作製されたパッケージ用基板200は、コア基板10の外周部分の表面上にコア基板10が部分的に露出した露出部分11を有する。露出部分11におけるコア基板10の端部から絶縁層20の端部までの幅w1は、絶縁層20及び配線層30の厚みや材質によって変わるが、実験的に50μm以上が好ましいことが分かった。ここで、表裏面で、露出部分11におけるコア基板10の端部から絶縁層20までの幅w1が異なるように構成してもよい。
【0037】
または、図5に示すようなスクライバー50によるスクライブに代えて、図6に示すように、分離溝40の溝幅内の中央部分の位置で、ダイシングブレード60によって配線基板100をダイシングして個片化することにより、パッケージ用基板200を形成してもよい。ダイシングブレード60の先端の幅は、分離溝40の底面の幅よりも小さい。ダイシングブレード60の先端の幅分だけ分離溝40の底面におけるコア基板10が削り切られるため、露出部分の幅w1が所望の幅、好ましくは50μm以上となるように、ダイシングブレード60の先端の幅及び分離溝40の底面部分の溝幅の寸法を決定するとよい。ダイシングはスクライブよりも寸法精度が高いため、ダイシングにより配線基板100を個片化することにより、スクライブにより配線基板100を個片化する場合と比較して高精度にパッケージ用基板200を作製することができる。
【0038】
以上のようにして、配線基板100が分離溝40の中央部分でスクライブ又はダイシングして個片化することにより、図7に示すようなパッケージ用基板200が複数形成されることになる。
【0039】
このようなパッケージ用基板200とすることにより、露出部分11においてコア基板10上に絶縁層20が形成されていない分だけ線膨張係数の差によるコア基板10と絶縁層20との膨張差を緩和できるため、コア基板10と、絶縁層20と、配線層30の熱応力差による、コア基板10の端面に対する引っ張り応力を低減し、応力によるコア基板10の割れの発生を低減することができる。
【0040】
ここで、コア基板10の両面に分離溝40を形成する例を示したが、これに限定されず、片面のみに分離溝40を形成するように構成してもよい。
【0041】
<実施例>
以下、本発明の各実施例について説明するが、以下の実施例は本発明の適用範囲を限定するものではない。
【0042】
(実施例1)
コア基板10をアルミノ珪酸塩ガラスで構成し、コア基板10の板厚寸法を300μmとした。コア基板10の厚さ方向の両面に、セミアディティブ法を使用して銅めっきにより5μmの厚みの配線層30を形成した。コア基板10に配線層30を積層した後は、コア基板10の両面から線膨張係数が23ppm/Kのエポキシ配合樹脂である絶縁性材料を100℃で真空ラミネートすることにより積層し、絶縁層20を形成した。さらに配線層30の形成と絶縁層20の形成を繰り返すことで、図2に示すように、コア基板10の両面に、4層の配線層30と3層の絶縁層20を積層して、配線基板100を作製した。
【0043】
次に、図3に示すように、配線基板100を個片化するための所定の切断ライン上に、レーザ加工により、片面側から、底面の溝幅100μm、深さ60μmの分離溝40を絶縁層20に設けた。次に、図4に示すように、裏面側からも、底面の溝幅100μm、深さ60μmの分離溝40を絶縁層20に設けた。
【0044】
図5に示すように分離溝40の底面の溝幅内の中央部分の位置で、スクライバー50によってコア基板10をスクライブして配線基板100を個片化することにより、図7に示すようなパッケージ用基板200を得た。パッケージ用基板200の大きさは10mm×10mmとした。コア基板10の露出部分11におけるコア基板10の端部から絶縁層20の端部までの幅w1は50μmとした。
【0045】
実施例1において作製した10個のパッケージ用基板200に対し、125℃から-55℃の温度変化を与える試験MIL-STD-883Hを1000サイクル行った。その結果、作製したパッケージ用基板200においてコア基板10の割れなど信頼性の低下は起きなかった。
【0046】
(実施例2)
実施例1と同様の手法により配線基板100を作製した後に、図3に示すように、配線基板100を個片化するための所定の切断ライン上に、レーザ加工により、片面側から、底面の溝幅250μm、深さ60μmの分離溝40を絶縁層20に設けた。次に、図4に示すように、裏面側からも、底面の溝幅250μm、深さ60μmの分離溝40を設けた。
【0047】
次に、図6に示すように分離溝40の底面の溝幅内の中央部分の位置で、ダイシングブレード60によってコア基板10をダイシングして配線基板100を個片化することにより、図7に示すようなパッケージ用基板200を得た。パッケージ用基板200の大きさは10mm×10mmとした。ダイシングブレード60の先端の幅は、150μmとした。コア基板10の露出部分11におけるコア基板10の端部から絶縁層20の端部までの幅w1は50μmとした。
【0048】
実施例2において作製した10個のパッケージ用基板200に対し、125℃から-55℃の温度変化を与える試験MIL-STD-883Hを1000サイクル行った。その結果、作製したパッケージ用基板200においてコア基板10の割れなど信頼性の低下は起きなかった。
【0049】
以上のように、本発明に係るパッケージ用基板は、コア基板10上に形成された絶縁層20の一部を除去することによりコア基板10の端部付近にコア基板10が露出した露出部分11を有している。それにより、露出部分11においてコア基板10上に絶縁層20が形成されていない分だけ線膨張係数の差によるコア基板10と絶縁層20との膨張差を緩和できるため、コア基板10の端部に発生した微小なクラックが、絶縁層20と配線層30の熱応力によって拡大することを抑制し、コア基板10に割れが発生することを抑制することができたと考えられる。
【符号の説明】
【0050】
10 コア基板
20 絶縁層
30 配線層
40 分離溝
50 スクライバー
60 ダイシングブレード
100 配線基板
200 パッケージ用基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7