(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】固形製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/445 20060101AFI20220509BHJP
A61K 31/137 20060101ALI20220509BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220509BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20220509BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220509BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220509BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20220509BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20220509BHJP
A61P 11/14 20060101ALI20220509BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
A61K31/445
A61K31/137
A61K47/02
A61K47/04
A61K9/20
A61P43/00 113
A61P37/08
A61P11/02
A61P11/14
A61P29/00
(21)【出願番号】P 2017225341
(22)【出願日】2017-11-24
【審査請求日】2020-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2016230738
(32)【優先日】2016-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小野 哲央
(72)【発明者】
【氏名】桑田 亜矢
【審査官】新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-255816(JP,A)
【文献】特開2003-048834(JP,A)
【文献】特表2003-532671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61K 47/00-47/69
A61K 9/00- 9/72
A61P 43/00
A61P 37/00
A61P 11/00
A61P 29/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)フェキソフェナジン及び/又はその塩、(b)
プソイドエフェドリン、ノルエフェドリン、メチルエフェドリン、及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である、エフェドリン類、(c)無機金属塩、及び(d)二酸化ケイ素を含有することを特徴とする固形製剤。
【請求項2】
フェキソフェナジン又はその塩が、フェキソフェナジン塩酸塩である、請求項1に記載
の固形製剤。
【請求項3】
無機金属塩が、アルミニウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選
ばれる少なくとも1種である、請求項1
又は2に記載の固形製剤。
【請求項4】
二酸化ケイ素が、軽質無水ケイ酸及び/又は含水二酸化ケイ素である、請求項1
~3のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項5】
剤形が錠剤である請求項1~
4のいずれかに記載の固形製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形製剤に関し、非鎮静性抗ヒスタミン薬とエフェドリン類を含有する製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、花粉症やハウスダストによるアレルギー性鼻炎に悩む患者は増加の一途にある。また、ウイルス等によるインフルエンザや感冒等、いわゆる「かぜ」の諸症状の一つとしての鼻炎症状を示す患者は絶えることがない。
多くの鼻炎患者は複数、繰り返して、又は慢性的に発現している。そのような状態が長期間にわたって持続すると、患者の生活の質(QOL)が低下し、日常生活に支障をきたすことになる。
従来、鼻炎症状に対する薬物治療は、主として抗ヒスタミン薬、交感神経興奮薬(血管収縮薬)、副交感神経遮断薬、抗炎症剤、消炎酵素等の薬物を経口内服剤、もしくは点鼻剤として投与することによって行われている。特に近年は、副作用が少なく、効果に持続性のある非鎮静性抗ヒスタミン薬の需要が高まっている。
【0003】
非鎮静性抗ヒスタミン薬のフェキソフェナジンは、一般に、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚掻痒症、アトピー性皮膚炎)に伴う掻痒に対して、フェキソフェナジン塩酸塩を1回60mg、1日2回経口投与されている(非特許文献1)。我が国においては、2012年末にフェキソフェナジン塩酸塩単味成分の「アレルギー専用鼻炎薬」が、スイッチOTC医薬品として上市されている。
エフェドリン類は、交感神経興奮作用に基づく気管支拡張作用により、鎮咳効果をもたらすことが知られている。このため、鎮咳成分として、総合感冒薬、鎮咳去痰薬に配合され、また、血管収縮作用による鼻づまりの緩和を目的として鼻炎用内服薬等に配合される薬物である(非特許文献2及び3)。また、エフェドリン類は溶解度が高く速やかに溶出するため、即効性を期待される成分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭57-35586号公報
【文献】特許第5097488号公報
【文献】特開2008-143807号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】第十六改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第C-3867頁
【文献】OTCハンドブック2008-09株式会社学術情報流通センター第290頁
【文献】OTCハンドブック2008-09株式会社学術情報流通センター第369頁2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、フェキソフェナジン又はその塩とエフェドリン類を含有する固形製剤の製造を試みたところ、エフェドリン類の溶出性がフェキソフェナジンの配合により悪化することを見出した。したがって、本発明の目的は、フェキソフェナジンまたはその塩及びエフェドリン類を配合した固形製剤に関し、エフェドリン類の溶出性に優れた固形製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々の検討を行った結果、驚くべきことに、無機金属塩ならびに二酸化ケイ素を配合すると、エフェドリン類が速やかな溶出性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)(a)フェキソフェナジン及び/又はその塩 (b)エフェドリン類、(c)無機金属塩、及び(d)二酸化ケイ素を含有することを特徴とする固形製剤、
(2)フェキソフェナジン又はその塩が、フェキソフェナジン塩酸塩である、(1)に記載の固形製剤、
(3)エフェドリン類が、プソイドエフェドリン、ノルエフェドリン、及びメチルエフェドリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、(1)に記載の固形製剤、
(4)無機金属塩に含まれる金属が、アルミニウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)に記載の固形製剤、
(5)二酸化ケイ素が、軽質無水ケイ酸及び/又は含水二酸化ケイ素である、(1)に記載の固形製剤、
(6)剤形が錠剤である(1)~(5)のいずれかに記載の固形製剤、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、フェキソフェナジン又はその塩とエフェドリン類を配合し、エフェドリン類の溶出性に優れ、即効性の高い固形製剤を提供することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明におけるフェキソフェナジンは医薬上許容される塩を形成してもよい 。フェキソフェナジンの塩としては、無機酸や有機酸、無機塩基や有機塩基等との塩が挙げられ、例えば、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、テオクル酸塩、サリチル酸塩、タンニン酸塩、ベシル酸塩、ナパジシル酸塩、リン酸塩等が挙げられる。好ましくは塩酸塩である。上述のフェキソフェナジンは、公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明におけるフェキソフェナジン塩酸塩の含有量は、本発明の固形製剤全質量に対して1~70質量%含有するのが好ましく、1~50質量%含有するのがより好ましく、1~20質量%含有するのが特に好ましい。
【0011】
本発明におけるエフェドリン類とは、エフェドリン及びエフェドリンの誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。エフェドリンの誘導体としては、ノルエフェドリン(フェニルプロパノールアミン)、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン等が挙げられる。また、塩としては、薬学上許容される無機酸や有機酸の塩ならば限定されるものではないが、例えば、塩酸塩、硫酸塩、サッカリン塩が挙げられ、好ましくは塩酸塩である。また、エフェドリンには2つの不斉炭素が存するため、種々の光学異性体が存するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。本発明においては、l-体、dl-体が好ましい。本発明におけるエフェドリン類としては、例えば、l-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、l-メチルエフェドリンサッカリン塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を組合わせて用いることができる。なお、エフェドリンとプソイドエフェドリンは互いにエナンチオマーの関係にあるものである。本発明においては、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩が好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明のおけるエフェドリン類の含有量は、本発明の固形製剤全質量に対して0.1~30質量%含有するのが好ましく、0.5~20質量%含有するのがより好ましく、1~10質量%含有するのが特に好ましい。
【0012】
本発明における無機金属塩は、アルミニウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩から選ばれる少なくとも1種以上であり、無機金属塩は医薬上許容されるものであれば使用できる。例えば、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムナトリウム、水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。このうち好ましいのは、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム及び乾燥水酸化アルミニウムゲルであり、さらに好ましくは、リン酸水素カルシウムである。本発明における無機金属塩の含有量は、本発明の固形製剤全質量に対し、好ましくは30質量%~90質量%、より好ましくは50質量%~80質量%である。
【0013】
本発明における二酸化ケイ素は、医薬品業界で一般に用いられているものであれば特に限定されるものではない。例えば軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などが挙げられるが、好ましくは軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素である。また二酸化ケイ素の平均粒子径は0.0001~50μmが好ましい。本発明における二酸化ケイ素の含有量は、本発明の固形製剤全質量に対し、好ましくは0.1質量%~10質量%、より好ましくは0.5質量%~5質量%である。
【0014】
本発明の固形製剤には、本発明の効果に支障のない限り、一般に用いられる種々の有効成分、添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤として、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、酸味剤、発泡剤、甘味剤、嬌味剤、香料、滑沢剤、着色剤、流動化剤、界面活性剤、可塑剤等が挙げられる。添加剤の含有量は、本発明の固形製剤全量に対し、10~90重量%、好ましくは10~80重量%である。
【0015】
本発明の固形製剤には、従来行われている製造方法により、製造することができる。すなわち、本製剤は、医薬有効成分と上述のような添加剤を混合機などの適当な混合機で混合して錠剤用混合末を製造した後、当該混合末を直接圧縮打錠する方法、または、顆粒を圧縮打錠する方法等により製造することができる。顆粒の製造方法は、乾式造粒法、湿式造粒法であれば、撹拌造粒法、流動層造粒法、乾式造粒法、押し出し造粒法、転動造粒法、噴霧造粒等で製造すればよいが、好ましくは撹拌造粒法、流動層造粒法である。
【0016】
錠剤用混合末または当該混合末の顆粒を圧縮打錠する機械としては、単発打錠機、ロー
タリー式打錠機等を用いることができる。
【0017】
本固形製剤の剤形は、特に限定されず、日本薬局方の製剤通則に規定されている剤形であればよいが、好ましくは錠剤、顆粒剤、散剤である。また、錠剤は口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠であってもよい。錠剤に割線や識別性向上のためのマーク、刻印を設けることができる。さらに、本製剤の錠剤は、丸錠であってもよいし、異型錠であってもよい。
【実施例】
【0018】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。
【0019】
(比較例1)
以下表1に示すようにフェキソフェナジン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖、軽質無水ケイ酸を秤量し混合した。混合物をヒドロキシプロピルセルロース水溶液で流動層造粒した後、十分に乾燥した。その後、得られた乾燥品を目開き710μmの篩に全量通過させ、造粒物を得た。造粒物にステアリン酸マグネシウムを秤量し、混合した後、卓上簡易錠剤成型機(商品名:HANDTAB;市橋精機)を用いて打錠し、錠剤硬度が約12kgfとなる錠剤径9mmの錠剤を得た。
【0020】
(実施例1)
比較例1と同様にして、下記処方に従って、錠剤硬度が約12kgfとなる錠剤径9mmの錠剤を得た。
【0021】
【0022】
(試験例)
<評価方法>
比較例1及び実施例1の錠剤について、以下の各試験方法により、錠剤硬度の測定と溶出試験を行った。
(1)錠剤硬度
錠剤硬度計(シュロイニゲル社製)を用いて測定した。それぞれの錠剤の硬度を3回ずつ測定し、その平均値を求めた。
(2)溶出試験
得られた錠剤2錠につき、第十七改正日本薬局方の溶出試験法パドル法に従い、37℃、パドル回転数50rpmの条件で試験を行い、15分後のプソイドエフェドリンの溶出率を算出した。試験液は溶出試験第1液及び溶出試験第2液で行った。なおプソイドエフェドリンの試験開始15分後の溶出率が85%以上を許容とした。
【0023】
結果を表2に示す。
【0024】
【0025】
表2に示すように、同程度の錠剤硬度を持つ場合において、軽質無水ケイ酸を含有するが無機金属塩を配合していない比較例1ではどちらの試験液においても15分85%を上回らなかった。一方リン酸水素カルシウムと軽質無水ケイ酸の両者を配合した実施例1では両試験液においても15分85%以上の速い溶出を示した。
【0026】
(比較例2)
以下表3に示すようにフェキソフェナジン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、乳糖を秤量し混合した。混合物とヒドロキシプロピルセルロース水溶液を用いて乳鉢にて練合した後、十分に乾燥した。その後、得られた乾燥品を目開き710μmの篩に全量通過させ、造粒物を得た。造粒物にトウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを加え、混合した後、卓上簡易錠剤成型機を用いて打錠し、錠剤硬度が約10kgfとなる錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
【0027】
(実施例2)
比較例2と同様に造粒物を得た後、造粒物にリン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを加え、混合した後、卓上簡易錠剤成型機を用いて打錠し、錠剤硬度が約10kgfとなる錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
【0028】
(比較例3)
比較例2と同様に造粒物を得た後、造粒物にリン酸水素カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを加え、混合した後、卓上簡易錠剤成型機を用いて打錠し、錠剤硬度が約10kgfとなる錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
【0029】
(実施例3)
比較例2と同様に造粒物を得た後、造粒物にメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを加え、混合した後、卓上簡易錠剤成型機を用いて打錠し、錠剤硬度が約10kgfとなる錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
【0030】
(実施例4)
比較例2と同様に造粒物を得た後、造粒物に水酸化アルミニウムゲル、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを加え、混合した後、卓上簡易錠剤成型機を用いて打錠し、錠剤硬度が約10kgfとなる錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
【0031】
【0032】
<評価方法>
比較例及び実施例の錠剤について、以下の各試験方法により、錠剤硬度の測定と溶出試験を行った。結果を表4に示す。
(1)錠剤硬度
錠剤硬度計(シュロイニゲル社製)を用いて測定した。それぞれの錠剤の硬度を3回ずつ測定し、その平均値を求めた。
(2)溶出試験
得られた錠剤2錠につき、第十七改正日本薬局方の溶出試験法パドル法に従い、37℃、パドル回転数50rpmの条件で試験を行い、15分後のプソイドエフェドリンの溶出率を算出した。試験液は溶出試験第1液で行った。なおプソイドエフェドリンの試験開始15分後の溶出率が85%以上を許容とした。
【0033】
【0034】
無機金属塩を配合していない比較例2ではプソイドエフェドリンの速やかな溶出は得られず、試験開始15分後の溶出率は85%を上回ることができなかった。一方、リン酸水素カルシウムを配合した実施例2では、プソイドエフェドリンは速やかに溶出し、試験開始15分後の溶出率は85%以上となった。しかしリン酸類素カルシウムを配合し、軽質無水ケイ酸を配合していない比較例3では、速やかな溶出の効果は得られなかった。無機金属塩であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウム及び水酸化アルミゲルを配合した実施例3、4においては、プソイドエフェドリンの速やかな溶出が得られ、試験開始15分後の溶出率は85%以上であった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、フェキソフェナジン又はその塩及びエフェドリン類を配合した固形製剤に関し、エフェドリン類の溶出性に優れ、エフェドリン類の即効性の高い製剤の提供が可能となる。