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特許7067033給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20220509BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220509BHJP
   H02H 3/087 20060101ALI20220509BHJP
   H02H 3/093 20060101ALI20220509BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20220509BHJP
   H02H 11/00 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
H02J1/00 309Q
H02J7/00 S
H02J1/00 304G
H02J1/00 304H
H02H3/087
H02H3/093 D
H02H7/00 B
H02H11/00 160
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017226161
(22)【出願日】2017-11-24
(65)【公開番号】P2019097338
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】澤野 峻一
(72)【発明者】
【氏名】杉沢 佑樹
【審査官】原 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-163597(JP,A)
【文献】特開2009-106039(JP,A)
【文献】特開2007-288819(JP,A)
【文献】特開2017-046570(JP,A)
【文献】特開2016-082682(JP,A)
【文献】特開2006-246630(JP,A)
【文献】特開平05-252650(JP,A)
【文献】実開昭61-002738(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第106640470(CN,A)
【文献】特開2015-130771(JP,A)
【文献】特開2010-110091(JP,A)
【文献】特開2001-157372(JP,A)
【文献】特開2015-092657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/08-3/253
7/00
7/10-7/20
11/00
H02J 1/00-1/16
7/00-7/12
7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、
該スイッチをオンに切替えるか否かを判定する判定部と、
該判定部が前記スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替える切替え部と
を備え、
直流電流が出力される前記スイッチの電流出力端の電位を基準とした制御端の電圧値が一定電圧値以上である場合、該スイッチはオンであり、
前記切替え部は、前記制御端の電圧値を上昇させることによって前記スイッチをオンに切替え
発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、
前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する
給電制御装置。
【請求項2】
直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、
該スイッチをオンに切替えるか否かを判定する判定部と、
該判定部が前記スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替える切替え部と
を備え、
該切替え部は、前記スイッチがオンである場合にて、前記電流入力端の電圧値が第2の所定電圧値以上である状態が所定時間継続したとき、前記スイッチをオフに切替え
発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、
前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する
給電制御装置。
【請求項3】
前記切替え部は、前記スイッチがオンである場合にて、前記スイッチを介して流れる直流電流の電流値が所定電流値以上である状態が第2の所定時間継続したとき、前記スイッチをオフに切替える
請求項1又は請求項2に記載の給電制御装置。
【請求項4】
直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチを介した給電を制御する給電制御方法であって、
該スイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、
該スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替えるステップと
を含み、
直流電流が出力される前記スイッチの電流出力端の電位を基準とした制御端の電圧値が一定電圧値以上である場合、該スイッチはオンであり、
前記制御端の電圧値を上昇させることによって、前記スイッチをオンに切替え
発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、
前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する
給電制御方法。
【請求項5】
直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチを介した給電を制御する給電制御方法であって、
該スイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、
該スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替えるステップと、
該スイッチがオンである場合にて、前記電流入力端の電圧値が第2の所定電圧値以上である状態が所定時間継続したとき、前記スイッチをオフに切替えるステップと
を含み、
発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、
前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する
給電制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、
該スイッチをオンに切替えると判定した場合に、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるか否かを判定するステップと、
前記電流入力端の電圧値が前記所定電圧値未満であると判定した場合に前記スイッチのオンへの切替えを指示するステップと
を実行させるために用いられ、
直流電流が出力される前記スイッチの電流出力端の電位を基準とした制御端の電圧値が一定電圧値以上である場合、該スイッチはオンであり、
前記制御端の電圧値を上昇させることによって、前記スイッチをオンに切替え
発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、
前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する
コンピュータプログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、
該スイッチをオンに切替えると判定した場合に、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるか否かを判定するステップと、
前記電流入力端の電圧値が前記所定電圧値未満であると判定した場合に前記スイッチのオンへの切替えを指示するステップと、
該スイッチがオンである場合にて、前記電流入力端の電圧値が第2の所定電圧値以上である状態が所定時間継続したとき、前記スイッチのオフへの切替えを指示するステップと
を実行させるために用いられ、
発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、
前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、スイッチを介した給電を制御する給電制御装置が搭載されている。具体的には、スイッチの一端にバッテリ及び発電機等が接続され、スイッチの他端に負荷が接続されている。スイッチがオンに切替わった場合、スイッチを介して負荷に電力が供給され、スイッチがオフに切替わった場合、負荷への給電が停止する。
【0003】
負荷は、例えば、車両に搭載される電気機器である。過電圧が負荷に長期間印加された場合、負荷が故障する可能性がある。このため、負荷に過電圧が長期間印加されることを防止する必要がある。
【0004】
特許文献1には、スイッチを介して負荷に過電圧が長期間印加されることを防止する構成が開示されている。この構成では、第1端子及び第2端子間にスイッチが接続され、第1端子にバッテリの正極が接続され、第2端子に負荷が接続される。特許文献1の構成では、第1端子の電圧値が一定電圧値未満である間、スイッチはオンであり、スイッチを介して負荷に電力が供給される。第1端子の電圧値が一定電圧値以上となった場合、スイッチはオフに切替わり、スイッチを介した負荷への給電が停止する。これにより、過電圧が負荷に長期間印加されることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-50788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した給電制御装置において、過電圧が発生しており、かつ、負荷の両端が短絡していると仮定する。この状態でスイッチがオフからオンに切替わった場合、スイッチを介して極端に大きな電流が流れる。この場合、スイッチに接続されている導線の温度が急速に上昇し、導線の機能が大きく低下する可能性がある。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、極端に大きな電流がスイッチを介して流れることを防止することができる給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る給電制御装置は、直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、該スイッチをオンに切替えるか否かを判定する判定部と、該判定部が前記スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替える切替え部とを備え、直流電流が出力される前記スイッチの電流出力端の電位を基準とした制御端の電圧値が一定電圧値以上である場合、該スイッチはオンであり、前記切替え部は、前記制御端の電圧値を上昇させることによって前記スイッチをオンに切替え、発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する。
本発明の一態様に係る給電制御装置は、直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、該スイッチをオンに切替えるか否かを判定する判定部と、該判定部が前記スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替える切替え部とを備え、該切替え部は、前記スイッチがオンである場合にて、前記電流入力端の電圧値が第2の所定電圧値以上である状態が所定時間継続したとき、前記スイッチをオフに切替え、発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する。
【0009】
本発明の一態様に係る給電制御方法は、直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチを介した給電を制御する給電制御方法であって、該スイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、該スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替えるステップとを含み、直流電流が出力される前記スイッチの電流出力端の電位を基準とした制御端の電圧値が一定電圧値以上である場合、該スイッチはオンであり、前記制御端の電圧値を上昇させることによって、前記スイッチをオンに切替え、発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する。
本発明の一態様に係る給電制御方法は、直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチを介した給電を制御する給電制御方法であって、該スイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、該スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替えるステップと、該スイッチがオンである場合にて、前記電流入力端の電圧値が第2の所定電圧値以上である状態が所定時間継続したとき、前記スイッチをオフに切替えるステップとを含み、発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する。
【0010】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、該スイッチをオンに切替えると判定した場合に、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるか否かを判定するステップと、前記電流入力端の電圧値が前記所定電圧値未満であると判定した場合に前記スイッチのオンへの切替えを指示するステップとを実行させるために用いられ、直流電流が出力される前記スイッチの電流出力端の電位を基準とした制御端の電圧値が一定電圧値以上である場合、該スイッチはオンであり、前記制御端の電圧値を上昇させることによって、前記スイッチをオンに切替え、発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、直流電流が入力され、直流電流が出力されるスイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、該スイッチをオンに切替えると判定した場合に、直流電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるか否かを判定するステップと、前記電流入力端の電圧値が前記所定電圧値未満であると判定した場合に前記スイッチのオンへの切替えを指示するステップと、該スイッチがオンである場合にて、前記電流入力端の電圧値が第2の所定電圧値以上である状態が所定時間継続したとき、前記スイッチのオフへの切替えを指示するステップとを実行させるために用いられ、発電機、又は、該発電機に正極が接続されているバッテリから前記スイッチに直流電流が入力され、前記発電機が前記バッテリを充電している場合にて、該バッテリの正極が開放されたとき、前記スイッチの電流入力端の電圧値が前記所定電圧値以上に上昇する。
【0011】
なお、本発明を、このような特徴的な処理部を備える給電制御装置として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする給電制御方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。また、本発明を、給電制御装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、給電制御装置を含む給電制御システムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0012】
上記の態様によれば、極端に大きな電流がスイッチを介して流れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
図2】給電開始処理の手順を示すフローチャートである。
図3】過電圧防止処理の手順を示すフローチャートである。
図4】過電流防止処理の手順を示すフローチャートである。
図5】給電停止処理の手順を示すフローチャートである。
図6】給電制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
図7】給電制御装置のもう1つの動作を示すタイミングチャートである。
図8】実施形態2における給電開始処理の手順を示すフローチャートである。
図9】過電圧防止処理の手順を示すフローチャートである。
図10】給電制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0015】
(1)本発明の一態様に係る給電制御装置は、スイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、該スイッチをオンに切替えるか否かを判定する判定部と、該判定部が前記スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替える切替え部とを備える。
【0016】
(2)本発明の一態様に係る給電制御装置では、前記切替え部は、前記スイッチがオンである場合にて、前記電流入力端の電圧値が第2の所定電圧値以上である状態が所定時間継続したとき、前記スイッチをオフに切替える。
【0017】
(3)本発明の一態様に係る給電制御装置では、前記切替え部は、前記スイッチがオンである場合にて、前記スイッチを介して流れる電流の電流値が所定電流値以上である状態が第2の所定時間継続したとき、前記スイッチをオフに切替える。
【0018】
(4)本発明の一態様に係る給電制御方法では、スイッチを介した給電を制御する給電制御方法であって、該スイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、該スイッチをオンに切替えると判定した場合にて、電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記スイッチをオンに切替えるステップとを含む。
【0019】
(5)本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、スイッチをオンに切替えるか否かを判定するステップと、該スイッチをオンに切替えると判定した場合に、電流が入力される前記スイッチの電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるか否かを判定するステップと、前記電流入力端の電圧値が前記所定電圧値未満であると判定した場合に前記スイッチのオンへの切替えを指示するステップとを実行させる。
【0020】
上記の一態様に係る給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラムにあっては、スイッチをオンに切替えると判定した場合において、電流入力端の電圧値が所定電圧値未満であるとき、即ち、過電圧が発生していないときにスイッチがオンに切替わる。このため、極端に大きな電流がスイッチを介して流れることが防止される。
【0021】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、スイッチの電流入力端の電圧値が高い状態が長期間継続した場合、スイッチがオフに切替わるので、スイッチを介して過電圧が長期間出力されることはない。また、過電圧が発生していない状態でスイッチがオンに切替わるので、極端に大きな電流がスイッチを介して所定時間流れ続ける可能性もない。
【0022】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、大きい電流がスイッチを介して長期間流れた場合、スイッチがオフに切替わるので、スイッチを介して過電流が長期間流れることはない。また、過電圧が発生していない状態でスイッチがオンに切替わるので、極端に大きな電流がスイッチを介して第2の所定時間流れ続ける可能性もない。
【0023】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る電源システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0024】
(実施形態1)
図1は、実施形態1における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。電源システム1は、好適に車両に搭載されており、発電機10、バッテリ11、給電制御装置12及び負荷13を備える。発電機10の一端は、バッテリ11の正極と、給電制御装置12とに接続されている。給電制御装置12は、更に、負荷13の一端に接続されている。発電機10及び負荷13の他端と、バッテリ11の負極とは接地されている。負荷13は、車両に搭載される電気機器である。
【0025】
発電機10が作動している場合、発電機10は、図示しないエンジンと連動して交流の電力を発生させ、発生させた電力を直流の電力に整流し、整流した電力をバッテリ11及び負荷13に供給する。発電機10がバッテリ11に電力を供給することによって、バッテリ11は充電される。また、発電機10は、給電制御装置12を介して負荷13に電力を供給する。発電機10が動作を停止している場合、バッテリ11が給電制御装置12を介して負荷13に電力を供給する。
【0026】
給電制御装置12には、発電機10又はバッテリ11から負荷13への給電を制御する。給電制御装置12は、発電機10の一端と、負荷13の一端とを電気的に接続する。これにより、発電機10又はバッテリ11から負荷13に電力が供給され、負荷13が作動する。給電制御装置12は、発電機10の一端と、負荷13の一端との電気的な接続を遮断する。これにより、発電機10又はバッテリ11から負荷13への給電が停止し、負荷13は動作を停止する。
【0027】
給電制御装置12は、半導体スイッチ20、出力回路21、駆動回路22、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)23及び抵抗R1,R2,R3を有する。半導体スイッチ20は、Nチャネル型のFET(Field Effect Transistor)である。マイコン23は、入力部30,31,32、出力部33、A(Analog)/D(Digital)変換部34,35、第1タイマ36、第2タイマ37、記憶部38及び制御部39を有する。
【0028】
半導体スイッチ20のドレインは、発電機10の一端と、バッテリ11の正極とに接続されている。半導体スイッチ20のソースは出力回路21に接続されている。出力回路21は、更に、負荷13の一端に接続されている。
【0029】
半導体スイッチ20のドレインには、更に、抵抗R1の一端が接続されている。抵抗R1の他端は抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は接地されている。抵抗R1,R2間の接続ノードはマイコン23の入力部30に接続され、入力部30は、更に、A/D変換部34に接続されている。半導体スイッチ20のゲートは、駆動回路22が接続され、駆動回路22には、更に、マイコン23の出力部33が接続されている。
【0030】
出力回路21には、更に、抵抗R3の一端が接続され、抵抗R3の他端は接地されている。出力回路21及び抵抗R3間の接続ノードは、マイコン23の入力部31に接続されている。入力部31は、更に、A/D変換部35に接続されている。入力部32、出力部33、A/D変換部34,35、第1タイマ36、第2タイマ37、記憶部38及び制御部39は、バス40に接続されている。
【0031】
半導体スイッチ20において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が一定電圧値以上である場合、ドレイン及びソース間を電流が流れることが可能である。このとき、半導体スイッチ20はオンである。半導体スイッチ20において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が一定電圧値未満である場合、ドレイン及びソース間を電流が流れることはない。このとき、半導体スイッチ20はオフである。
【0032】
マイコン23の出力部33は、駆動回路22にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。出力部33は、制御部39の指示に従って、駆動回路22に出力している電圧をハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替える。
【0033】
駆動回路22は、半導体スイッチ20に関して、出力部33が出力している電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、接地電位を基準としたゲートの電圧値を上昇させる。これにより、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が一定電圧値以上となり、半導体スイッチ20はオンに切替わる。
【0034】
駆動回路22は、半導体スイッチ20に関して、出力部33が出力している電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、接地電位を基準としたゲートの電圧値を低下させる。これにより、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が一定電圧値未満となり、半導体スイッチ20はオフに切替わる。駆動回路22は切替え部として機能する。
【0035】
駆動回路22が半導体スイッチ20をオンに切替えた場合、発電機10の一端と、負荷13の一端とを電気的に接続する。これにより、電流が、発電機10又はバッテリ11から、半導体スイッチ20及び出力回路21を介して負荷13に流れる。これにより、負荷13に電力が供給され、負荷13が作動する。半導体スイッチ20において、電流はドレイン及びソースの順に流れる。半導体スイッチ20のドレインは、電流が入力される電流入力端に相当する。
【0036】
駆動回路22が半導体スイッチ20をオフに切替えた場合、発電機10の一端と、負荷13の一端との電気的な接続を遮断する。これにより、半導体スイッチ20を介して流れる電流が遮断され、負荷13への給電が停止する。結果、負荷13は動作を停止する。
以上のように、給電制御装置12では、駆動回路22が半導体スイッチ20をオン又はオフに切替えることによって、半導体スイッチ20を介した給電が制御される。
【0037】
抵抗R1,R2は、半導体スイッチ20のドレインの電圧を分圧する。抵抗R1,R2が分圧した電圧の電圧値は、半導体スイッチ20のドレインの電圧値(以下、入力電圧値という)を示すアナログの電圧値情報として、抵抗R1,R2間の接続ノードから、マイコン23の入力部30に出力される。電圧値情報、即ち、抵抗R1,R2が分圧した電圧の電圧値は、入力電圧値のK(K:1未満である正の実数)倍である。実数Kは、一定値であり、例えば0.1である。入力電圧値は(電圧値情報)/Kで表される。
【0038】
入力部30は、入力されたアナログの電圧値情報をA/D変換部34に出力する。A/D変換部34は、入力部30から入力されたアナログの電圧値情報をデジタルの電圧値情報に変換する。制御部39は、A/D変換部34から、デジタルの電圧値情報を取得する。制御部39が取得する電圧値情報が示す入力電圧値は、取得時点における入力電圧値と略一致する。
【0039】
前述したように、電流は、半導体スイッチ20及び出力回路21を介して負荷13に流れる。出力回路21は、半導体スイッチ20を介して負荷13に流れる電流の電流値(以下、スイッチ電流値という)に応じた電流を抵抗R3に出力し、出力した電流は抵抗R3を流れる。出力回路21が抵抗R3に出力する電流の電流値は、スイッチ電流値のM(M:1未満である正の実数)倍である。実数Mは、例えば0.001である。抵抗R3の抵抗値をr3と記載した場合、抵抗R3の両端間の電圧値は、r3・M・(スイッチ電流値)で表される。「・」は積を表す。
【0040】
実数M及び抵抗値r3は一定値である。このため、抵抗R3の両端間の電圧値は、スイッチ電流値を示す。抵抗R3の両端間の電圧値は、スイッチ電流値を示すアナログの電流値情報として、マイコン23の入力部31に出力される。スイッチ電流値は、(電流値情報)/(r3・M)で表される。
【0041】
入力部31は、入力されたアナログの電流値情報をA/D変換部35に出力する。A/D変換部35は、入力部31から入力されたアナログの電流値情報をデジタルの電流値情報に変換する。制御部39は、A/D変換部35から、デジタルの電流値情報を取得する。制御部39が取得する電流値情報が示すスイッチ電流値は、取得時点におけるスイッチ電流値と略一致する。
【0042】
入力部32には、負荷13の作動を指示する作動指示と、負荷13の動作の停止を指示する停止指示とが入力される。入力部32は、作動指示又は停止指示が入力された場合、入力された指示を制御部39に通知する。
第1タイマ36及び第2タイマ37夫々は、制御部39の指示に従って計時の開始及び終了を行う。制御部39は、第1タイマ36が計時している計時時間を第1タイマ36から読み出し、第2タイマ37が計時している計時時間を第2タイマ37から読み出す。
【0043】
記憶部38は不揮発性メモリである。記憶部38には、コンピュータプログラムP1が記憶されている。制御部39は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部39のCPUは、コンピュータプログラムP1を実行することによって、給電開始処理、過電圧防止処理、過電流防止処理及び給電停止処理を実行する。
【0044】
給電開始処理は、負荷13への給電を開始する処理である。過電圧防止処理は、負荷13に過電圧が長期間印加されることを防止する処理である。過電流防止処理は、負荷13に過電流が長期間流れることを防止する処理である。給電停止処理は、負荷13への給電を停止する処理である。
コンピュータプログラムP1は、制御部39のCPUに、給電開始処理、過電圧防止処理、過電流防止処理及び給電停止処理を実行させるために用いられる。
【0045】
なお、コンピュータプログラムP1は、制御部39のCPUが読み取り可能に、記憶媒体A1に記憶されていてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体A1から読み出されたコンピュータプログラムP1が記憶部38に記憶される。記憶媒体A1は、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。光ディスクは、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、又は、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等である。磁気ディスクは、例えばハードディスクである。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部装置からコンピュータプログラムP1をダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムP1を記憶部38に記憶してもよい。
【0046】
過電圧は、例えば、発電機10が発電してバッテリ11を充電している場合において、バッテリ11の正極が開放されたとき、即ち、電源システム1の状態がロードダンプの状態となったときに、発電機10の一端で発生する。過電流は、例えば、半導体スイッチ20がオンである状態で負荷13の両端が短絡した場合に発生する。過電圧及び過電流夫々は、外乱雑音によっても発生する。
【0047】
記憶部38には、更に、フラグの値が記憶されている。フラグの値はゼロ又は1である。フラグの値がゼロであることは、半導体スイッチ20がオフであることを意味する。フラグの値が1であることは、半導体スイッチ20がオンであることを意味する。フラグの値は、制御部39によって変更される。
【0048】
図2は、給電開始処理の手順を示すフローチャートである。制御部39は、フラグの値がゼロである場合、即ち、半導体スイッチ20がオフである場合において、給電開始処理を周期的に実行する。まず、制御部39は、半導体スイッチ20をオンに切替えるか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、ステップS1では、制御部39は、入力部32に作動指示が入力された場合、半導体スイッチ20をオンに切替えると判定し、入力部32に作動指示が入力されていない場合、半導体スイッチ20をオンに切替えないと判定する。制御部39は判定部として機能する。
【0049】
制御部39は、半導体スイッチ20をオンに切替えると判定した場合(S1:YES)、A/D変換部34から電圧値情報を取得し(ステップS2)、取得した電圧値情報が示す入力電圧値が基準電圧値未満であるか否かを判定する(ステップS3)。基準電圧値は、一定値であり、予め設定されている。前述したように、電圧値情報は、K・(入力電圧値)で表される電圧値である。
【0050】
制御部39は、入力電圧値が基準電圧値未満であると判定した場合(S3:YES)、ハイレベル電圧への切替えを出力部33に指示する(ステップS4)。これにより、出力部33は、駆動回路22に出力している電圧を、ローレベル電圧からハイレベル電圧に切替える。結果、駆動回路22は半導体スイッチ20をオンに切替え、発電機10又はバッテリ11から負荷13への給電が開始される。
ハイレベル電圧への切替えを出力部33に指示することは、半導体スイッチ20のオンへの切替えを駆動回路22に指示していることに相当する。
【0051】
制御部39は、ステップS4を実行した後、フラグの値を1に変更する(ステップS5)。制御部39は、半導体スイッチ20をオンに切替えないと判定した場合(S1:NO)、入力電圧値が基準電圧値以上であると判定した場合(S3:NO)、又は、ステップS5を実行した後、給電開始処理を終了する。
【0052】
以上のように、給電開始処理では、制御部39は、フラグの値がゼロである場合、即ち、半導体スイッチ20がオフである場合において、作動指示が入力部32に入力されるまで待機する。前述したように、入力部32に作動指示が入力された場合、制御部39は半導体スイッチ20をオンに切替えると判定する。制御部39が、半導体スイッチ20をオンに切替えると判定した場合において、入力電圧値、即ち、半導体スイッチ20のドレインの電圧値が基準電圧値未満であると判定したとき、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオンに切替える。制御部39が、同様の場合において、入力電圧値が基準電圧値以上であると判定したとき、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオンに切替えず、半導体スイッチ20のオフを維持する。
【0053】
なお、フラグの値が1である場合において、作動指示が入力部32に入力されたとき、制御部39は処理を実行せず、駆動回路22は半導体スイッチ20をオンに維持する。また、ステップS3で、入力電圧値が基準電圧値以上であると制御部39が判定した場合、マイコン23が有する図示しない出力部は、過電圧の発生を報知する報知信号を出力してもよい。
【0054】
図3は、過電圧防止処理の手順を示すフローチャートである。制御部39は、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、過電圧防止処理を周期的に実行する。まず、制御部39は、A/D変換部34から電圧値情報を取得する(ステップS11)。次に、制御部39は、ステップS11で取得した電圧値情報が示す入力電圧値が基準電圧値以上であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0055】
制御部39は、入力電圧値が基準電圧値以上であると判定した場合(S12:YES)、第1タイマ36に計時の開始を指示する(ステップS13)。これにより、第1タイマ36は計時を開始する。次に、制御部39は、再び、A/D変換部34から電圧値情報を取得し(ステップS14)、取得した電圧値情報が示す入力電圧値が基準電圧値以上であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0056】
制御部39は、入力電圧値が基準電圧値以上であると判定した場合(S15:YES)、第1タイマ36が計時している計時時間が第1基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS16)。第1基準時間は、一定の時間であり、予め設定されている。制御部39は、計時時間が第1基準時間未満であると判定した場合(S16:NO)、ステップS14を実行し、入力電圧値が基準電圧値未満となるか、又は、第1タイマ36の計時時間が第1基準時間以上となるまで待機する。
【0057】
制御部39は、計時時間が第1基準時間以上であると判定した場合(S16:YES)、ローレベル電圧への切替えを出力部33に指示する(ステップS17)。これにより、出力部33は、駆動回路22に出力している電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替える。結果、駆動回路22は半導体スイッチ20をオフに切替え、負荷13への給電が停止する。
ローレベル電圧への切替えを出力部33に指示することは、半導体スイッチ20のオフへの切替えを駆動回路22に指示していることに相当する。
【0058】
制御部39は、ステップS17を実行した後、フラグの値をゼロに変更する(ステップS18)。制御部39は、入力電圧値が基準電圧値未満であると判定した場合(S15:NO)、又は、ステップS18を実行した後、第1タイマ36に計時の終了を指示する(ステップS19)。これにより、第1タイマ36は計時を終了する。制御部39は、入力電圧値が基準電圧値未満であると判定した場合(S12:NO)、又は、ステップS19を実行した後、過電圧防止処理を終了する。
【0059】
以上のように、駆動回路22は、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、入力電圧値が基準電圧値以上である状態が第1基準時間継続したとき、半導体スイッチ20をオフに切替える。
【0060】
電源システム1の状態がロードダンプ状態となったことによって過電圧が発生した場合、入力電圧値が基準電圧値以上である状態が継続される期間は、例えば数百msであり、長い。外乱雑音によって過電圧が発生した場合、入力電圧値が基準電圧値以上である状態が継続される期間は、例えば数十μsであり、短い。従って、一例として、第1基準時間は数百μsに設定される。これにより、外乱雑音によって過電圧が発生した場合には、半導体スイッチ20はオンに維持され、電源システム1の状態がロードダンプ状態となったことによって過電圧が発生した場合、半導体スイッチ20がオフに切替わる。
【0061】
なお、ステップS16で、計時時間が第1基準時間以上であると制御部39が判定した場合、マイコン23が有する図示しない出力部は、過電圧が長期間印加されていることを報知する報知信号を出力してもよい。
【0062】
図4は、過電流防止処理の手順を示すフローチャートである。制御部39は、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、過電流防止処理を周期的に実行する。制御部39は、フラグの値が1である場合において、給電停止処理を周期的に実行する。制御部39は、過電圧防止処理、過電流防止処理及び給電停止処理を時分割方式で実行する。従って、例えば、制御部39は、過電圧防止処理、過電流防止処理及び給電停止処理の中で、1つの処理で待機を行っている間、他の処理を実行する。
【0063】
過電流防止処理では、制御部39は、まず、電流値情報をA/D変換部35から取得する(ステップS31)。次に、制御部39は、ステップS31で取得した電圧値情報が示すスイッチ電流値が基準電流値以上であるか否かを判定する(ステップS32)。前述したように、電流値情報は、M・r3・(スイッチ電流値)で表される電圧値である。基準電流値は、一定値であり、予め設定されている。
【0064】
制御部39は、スイッチ電流値が基準電流値以上であると判定した場合(S32:YES)、第2タイマ37に計時の開始を指示する(ステップS33)。これにより、第2タイマ37は計時を開始する。次に、制御部39は、再び、A/D変換部35から電流値情報を取得し(ステップS34)、取得した電流値情報が示すスイッチ電流値が基準電流値以上であるか否かを判定する(ステップS35)。
【0065】
制御部39は、スイッチ電流値が基準電流値以上であると判定した場合(S35:YES)、第2タイマ37が計時している計時時間が第2基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS36)。第2基準時間は、一定の時間であり、予め設定されている。制御部39は、計時時間が第2基準時間未満であると判定した場合(S36:NO)、ステップS34を実行し、スイッチ電流値が基準電流値未満となるか、又は、第2タイマ37の計時時間が第2基準時間以上となるまで待機する。
【0066】
制御部39は、計時時間が第2基準時間以上であると判定した場合(S36:YES)、ローレベル電圧への切替えを出力部33に指示する(ステップS37)。これにより、出力部33は、駆動回路22に出力している電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替える。結果、駆動回路22は半導体スイッチ20をオフに切替え、負荷13への給電が停止する。
【0067】
制御部39は、ステップS37を実行した後、フラグの値をゼロに変更する(ステップS38)。制御部39は、スイッチ電流値が基準電流値未満であると判定した場合(S35:NO)、又は、ステップS38を実行した後、第2タイマ37に計時の終了を指示する(ステップS39)。これにより、第2タイマ37は計時を終了する。制御部39は、スイッチ電流値が基準電流値未満であると判定した場合(S32:NO)、又は、ステップS39を実行した後、過電流防止処理を終了する。
【0068】
以上のように、駆動回路22は、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、スイッチ電流値が基準電流値以上である状態が第2基準時間継続したとき、半導体スイッチ20をオフに切替える。
なお、ステップS36で、計時時間が第2基準時間以上であると制御部39が判定した場合、マイコン23が有する図示しない出力部は、過電流が長期間流れていたことを報知する報知信号を出力してもよい。
【0069】
図5は、給電停止処理の手順を示すフローチャートである。前述したように、制御部39は、フラグの値が1である場合において、給電停止処理を周期的に実行する。まず、制御部39は、半導体スイッチ20をオフに切替えるか否かを判定する(ステップS51)。具体的には、ステップS51では、制御部39は、入力部32に停止指示が入力された場合、半導体スイッチ20をオフに切替えると判定し、入力部32に停止指示が入力されていない場合、半導体スイッチ20をオフに切替えないと判定する。
【0070】
制御部39は、半導体スイッチ20をオフに切替えると判定した場合(S51:YES)、ローレベル電圧への切替えを出力部33に指示する(ステップS52)。これにより、出力部33は、駆動回路22に出力している電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替える。結果、駆動回路22は半導体スイッチ20をオフに切替え、負荷13への給電が停止する。
【0071】
制御部39は、ステップS52を実行した後、フラグの値をゼロに変更する(ステップS53)。制御部39は、半導体スイッチ20をオフに切替えないと判定した場合(S51:NO)、又は、ステップS53を実行した後、給電停止処理を終了する。
【0072】
以上のように、給電停止処理では、制御部39は、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、停止指示が入力部32に入力されるまで待機する。前述したように、入力部32に停止指示が入力された場合、制御部39は半導体スイッチ20をオフに切替えると判定し、駆動回路22は半導体スイッチ20をオフに切替える。
なお、フラグの値がゼロである場合において、停止指示が入力部32に入力されたとき、制御部39は処理を実行せず、駆動回路22は半導体スイッチ20をオフに維持する。
【0073】
図6は、給電制御装置12の動作を示すタイミングチャートである。図6には、入力電圧値、即ち、半導体スイッチ20のドレインの電圧値の推移と、半導体スイッチ20のオン及びオフの推移とが示されている。これらの推移において、横軸は時間を示す。図6において、Vrは基準電圧値を示す。
【0074】
前述したように、フラグの値がゼロである場合、即ち、半導体スイッチ20がオフである場合において、作動指示が入力部32に入力されたとき、制御部39は半導体スイッチ20をオンに切替えると判定する。図6に示すように、作動指示が入力部32に入力された場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr以上であるとき、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオンに切替えず、半導体スイッチ20をオフに維持する。作動指示が入力部32に入力された場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr未満であるとき、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオンに切替える。
【0075】
半導体スイッチ20がオフである場合、半導体スイッチ20を介して電流が流れることはない。従って、半導体スイッチ20がオフである場合において、たとえ、負荷13の両端が短絡しても、この短絡が検出されることはない。過電圧が発生しており、かつ、負荷13が短絡している状態で半導体スイッチ20がオフからオンに切替わったと仮定する。この場合、極端に大きな電流が半導体スイッチ20を介して流れる。
【0076】
極端に大きな電流が半導体スイッチ20を介して流れた場合、半導体スイッチ20のドレイン及びソースに接続されている導線、及び、出力回路21及び負荷13間の導線の温度が急速に上昇し、導線の機能が大きく低下する可能性がある。また、半導体スイッチ20のオン抵抗で多量の熱が発生するので、半導体スイッチ20の温度が急速に上昇し、半導体スイッチ20の機能が大きく低下する可能性がある。更に、極端に大きな電流が半導体スイッチ20を介して流れている状態で半導体スイッチ20がオンからオフに切替わった場合、スイッチング損失が極端に大きい。スイッチング損失が極端に大きい場合も、半導体スイッチ20の温度が急速に上昇し、半導体スイッチ20の機能が大きく低下する可能性がある。
【0077】
しかしながら、給電制御装置12では、駆動回路22は、前述したように、作動指示が入力部32に入力された場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr未満であるときに、半導体スイッチ20をオンに切替え、同様の場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr以上であるときに、半導体スイッチ20をオフに維持する。このため、極端に大きな電流が半導体スイッチ20を介して流れることが防止される。
【0078】
また、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr以上である期間が第1基準時間未満であるとき、駆動回路22は半導体スイッチ20をオンに維持する。従って、半導体スイッチ20がオンである状態で、例えば外乱雑音によって、一時的に入力電圧値が基準電圧値Vr以上となった場合、半導体スイッチ20はオフに切替わることなく、半導体スイッチ20はオンに維持される。
【0079】
前述したように、電源システム1の状態がロードダンプ状態となった場合、入力電圧値が基準電圧値以上である状態が継続される期間は、数百msであり、長い。入力電圧値が基準電圧値Vr以上である期間が第1基準時間以上となった場合、即ち、入力電圧値が高い状態が長期間継続した場合、駆動回路22は半導体スイッチ20をオフに切替える。このため、半導体スイッチ20を介して過電圧が長期間出力されることはない。更に、前述したように、駆動回路22は、過電圧が発生していない状態で半導体スイッチ20をオンに切替えるので、極端に大きな電流が半導体スイッチ20を介して第1基準時間流れ続ける可能性もない。
【0080】
なお、前述したように、半導体スイッチ20がオンである場合において、停止指示が入力部32に入力されたとき、制御部39は半導体スイッチ20をオフに切替えると判定し、駆動回路22は半導体スイッチ20をオフに切替える。この動作は図6に示されていない。
【0081】
図7は、給電制御装置12のもう1つの動作を示すタイミングチャートである。図7には、スイッチ電流値、即ち、半導体スイッチ20を介して流れる電流の電流値の推移と、半導体スイッチ20のオン及びオフの推移とが示されている。これらの推移において、横軸は時間を示す。図7において、Irは基準電流値を示す。
【0082】
前述したように、半導体スイッチ20がオフである場合において、作動指示が入力部32に入力されたとき、制御部39は半導体スイッチ20をオンに切替えると判定する。制御部39が半導体スイッチ20をオンに切替えると判定した場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr未満であるとき、駆動回路22は半導体スイッチ20をオンに切替える。これにより、半導体スイッチ20を介して電流が流れ、スイッチ電流値が上昇する。
【0083】
フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、スイッチ電流値が基準電流値Ir以上である期間が第2基準時間未満であるとき、駆動回路22は半導体スイッチ20をオンに維持する。従って、半導体スイッチ20がオンである状態で、例えば外乱雑音によって、一時的にスイッチ電流値が基準電流値Ir以上となった場合、半導体スイッチ20はオフに切替わることはなく、半導体スイッチ20はオンに維持される。
【0084】
また、例えば、負荷13の両端が短絡したために、スイッチ電流値が基準電流値Ir以上である期間が第2基準時間以上となった場合、即ち、大きい電流が半導体スイッチ20を介して長期間流れた場合、駆動回路22は半導体スイッチ20をオフに切替える。このため、半導体スイッチ20を介して過電流が長期間流れることはない。更に、前述したように、過電圧が発生していない状態で半導体スイッチ20をオンに切替えるので、極端に大きな電流が半導体スイッチ20を介して第2基準時間流れ続ける可能性もない。
【0085】
(実施形態2)
実施形態1では、入力電圧値、即ち、半導体スイッチ20のドレインの電圧値が基準電圧値未満である状態で入力部32に作動信号が入力した場合に駆動回路22が半導体スイッチ20をオフからオンに切替える。しかしながら、半導体スイッチ20をオフからオンに切替えるタイミングは、入力電圧値が基準電圧値未満である状態で入力部32に作動信号が入力したタイミングのみに限定されない。
以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態1と共通しているため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0086】
実施形態2を実施形態1と比較した場合、制御部39が実行する給電開始処理及び過電圧防止処理が異なる。
図8は、実施形態2における給電開始処理の手順を示すフローチャートである。制御部39は、実施形態1と同様に、フラグの値がゼロである場合、即ち、半導体スイッチ20がオフである場合において、給電開始処理を周期的に実行する。実施形態2における給電開始処理のステップS61,S62,S64,S65は、実施形態1における給電開始処理のステップS1,S2,S4,S5と同様である。このため、ステップS61,S62,S64,S65の詳細な説明を省略する。
【0087】
制御部39は、ステップS62を実行した後、実施形態1と同様に、ステップS62で取得した電圧値情報が示す入力電圧値が基準電圧値未満であるか否かを判定する(ステップS63)。制御部39は、入力電圧値が基準電圧値以上であると判定した場合(S63:NO)、ステップS62を実行し、入力電圧値が基準電圧値未満となるまで待機する。制御部39は、入力電圧値が基準電圧値未満であると判定した場合(S63:YES)、ステップS64を実行する。
【0088】
以上のように、実施形態2における給電制御処理では、入力部32に作動指示が入力された場合において、入力電圧値が基準電圧値以上であるとき、入力電圧値が基準電圧値未満となるまで待機する。入力電圧値が基準電圧値未満となった場合、ハイレベル電圧への切替えを出力部33に指示する。これにより、出力部33は、駆動回路22に出力している電圧をハイレベル電圧に切替え、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオンに切替える。
【0089】
図9は、過電圧防止処理の手順を示すフローチャートである。制御部39は、実施形態1と同様に、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、過電圧防止処理を周期的に実行する。実施形態2における過電圧防止処理のステップS71~S74,S76,S77は、実施形態1における過電圧防止処理のステップS11~S14,S16,S17と同様である。このため、ステップS71~S74,S76,S77の詳細な説明を省略する。
【0090】
制御部39は、ステップS74を実行した後、実施形態1と同様に、ステップS74で取得した電圧値情報が示す入力電圧値が基準電圧値以上であるか否かを判定する(ステップS75)。制御部39は、入力電圧値が基準電圧値以上であると判定した場合(S75:YES)、ステップS76を実行する。制御部39は、計時時間が第1基準時間未満であると判定した場合(S76:NO)、ステップS74を実行し、入力電圧値が基準電圧値未満となるか、又は、計時時間が第1基準時間以上となるまで待機する。
【0091】
制御部39は、計時時間が第1基準時間以上であると判定した場合(S76:YES)、ステップS77,S78を実行する。ステップS77では、制御部39は、ローレベル電圧への切替えを出力部33に指示する。これにより、駆動回路22は半導体スイッチ20をオンからオフに切替える。
【0092】
制御部39は、ステップS78を実行した後、A/D変換部34から電圧値情報を取得し(ステップS79)、取得した電圧値情報が示す入力電圧値が基準電圧値未満であるか否かを判定する(ステップS80)。制御部39は、入力電圧値が基準電圧値以上であると判定した場合(S80:NO)、ステップS79を実行し、入力電圧値が基準電圧値未満となるまで待機する。
【0093】
制御部39は、入力電圧値が基準電圧値未満であると判定した場合(S80:YES)、ハイレベル電圧への切替えを出力部33に指示する(ステップS81)。これにより、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオフからオンに戻す。制御部39は、ステップS81を実行した後、過電圧防止処理を終了する。
制御部39は、入力電圧値が基準電圧値未満であると判定した場合(S75:NO)、第1タイマ36に計時の終了を指示する(ステップS82)。これにより、第1タイマ36は計時を終了する。制御部39は、ステップS82を実行した後、過電圧防止処理を終了する。
【0094】
以上のように、駆動回路22は、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、入力電圧値が基準電圧値以上である状態が第1基準時間継続したとき、半導体スイッチ20をオフに切替え、入力電圧値が基準電圧値未満となるまで待機する。入力電圧値が基準電圧値未満となった場合、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオフからオンに戻す。
【0095】
なお、制御部39は、過電圧防止処理を実行している間に、過電流防止処理又は給電停止処理でローレベル電圧への切替えを出力部33に指示した場合、過電圧防止処理を強制的に終了する。ここで、第1タイマ36が計時を行っている場合においては、制御部39は第1タイマ36に計時の終了を指示した後に過電圧防止処理を終了する。
【0096】
図10は、給電制御装置12の動作を示すタイミングチャートである。図10図6に対応する。図10には、入力電圧値、即ち、半導体スイッチ20のドレインの電圧値の推移と、半導体スイッチ20のオン及びオフの推移とが示されている。これらの推移において、横軸は時間を示す。図10においても、Vrは基準電圧値を示す。
【0097】
実施の形態2では、作動指示が入力部32に入力された場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr以上であるとき、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオンに切替えず、半導体スイッチ20をオフに維持し、入力電圧値が基準電圧値Vr未満となるまで待機する。駆動回路22は、入力電圧値が基準電圧値Vr未満となった場合、半導体スイッチ20をオンに切替える。
【0098】
また、実施形態1と同様に、フラグの値が1である場合、即ち、半導体スイッチ20がオンである場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr以上である期間が第1基準時間未満であるとき、駆動回路22は半導体スイッチ20をオンに維持する。更に、フラグの値が1である場合において、入力電圧値が基準電圧値Vr以上である期間が第1基準時間以上となったとき、駆動回路22は、半導体スイッチ20をオフに切替え、入力電圧値が基準電圧値未満となるまで待機する。駆動回路22は、入力電圧値が基準電圧値未満となった場合、半導体スイッチ20をオンに戻す。
【0099】
実施形態2における給電制御装置12を実施形態1における給電制御装置12と比較した場合、実施形態2における給電制御装置12では、入力電圧値が基準電圧値Vr未満となった場合に半導体スイッチ20をオンに切替える構成が追加されただけである。このため、実施形態2における給電制御装置12は、実施形態1における給電制御装置12が奏する効果を、同様に奏する。
【0100】
なお、実施形態1,2では、制御部39が半導体スイッチ20をオンに切替えると判定した場合において、入力電圧値が基準電圧値未満であるとき、半導体スイッチ20をオンに切替え、入力電圧値が基準電圧値以上であるときに半導体スイッチ20をオフに維持する構成をハードウェアで実現してもよい。
【0101】
また、半導体スイッチ20がオンである場合において、入力電圧値が基準電圧値以上である状態が第1基準時間継続したときに半導体スイッチ20をオフに切替える構成もハードウェアで実現してもよい。更に、半導体スイッチ20がオンである場合において、スイッチ電流値が基準電流値以上である状態が第2基準時間継続したときに半導体スイッチ20をオフに切替える構成もハードウェアで実現してもよい。
ハードウェアによって前述した構成を実現することは、コンパレータ、AND回路、OR回路又はフィルタ回路等によってこの構成を実現することを意味する。
【0102】
例えば、出力部33は、制御部39が半導体スイッチ20をオンに切替えると判定した場合に出力している電圧をハイレベル電圧に切替え、制御部39が半導体スイッチ20をオフに切替えると判定した場合に出力している電圧をローレベル電圧に切替える。そして、入力電圧値と基準電圧値との比較と、スイッチ電流値と基準電流値との比較とを2つのコンパレータによって実現する。出力部33及び2つのコンパレータが出力する電圧に応じて、ハイレベル電圧又はローレベル電圧を駆動回路22に出力する出力回路をAND回路、OR回路又はフィルタ回路等を用いて実現する。
【0103】
また、駆動回路22は、入力電圧値が基準電圧値以上である状態が第1基準時間継続した場合ではなく、入力電圧値が基準電圧値以上となった場合に半導体スイッチ20をオフに切替えてもよい。同様に、駆動回路22は、スイッチ電流値が基準電流値以上である状態が第2基準時間継続した場合ではなく、スイッチ電流値が基準電流値以上となった場合に半導体スイッチ20をオフに切替えてもよい。
【0104】
更に、制御部39は、入力部32に作動指示が入力されたか否か基づいて、半導体スイ
ッチ20をオンに切替えるか否かを判定しなくてもよい。例えば、制御部39は、図示しないセンサの検出結果に基づいて、半導体スイッチ20をオンに切替えるか否かを判定してもよい。
同様に、制御部39は、入力部32に停止指示が入力されたか否か基づいて、半導体ス
イッチ20をオフに切替えるか否かを判定しなくてもよい。例えば、制御部39は、図示しないセンサの検出結果に基づいて、半導体スイッチ20をオフに切替えるか否かを判定してもよい。
【0105】
また、半導体スイッチ20は、Nチャネル型のFETに限定されず、Pチャネル型のFET、又は、バイポーラトランジスタ等であってもよい。この場合、入力電圧値は、半導体スイッチ20の発電機10側の一端の電圧値である。更に、発電機10の一端、又は、バッテリ11の正極から負荷13に流れる電流経路に配置されるスイッチは、半導体スイッチに限定されず、例えば、リレー接点であってもよい。この場合、入力電圧値は、スイッチの発電機10側の一端の電圧値である。
【0106】
開示された実施形態1,2はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0107】
1 電源システム
10 発電機
11 バッテリ
12 給電制御装置
13 負荷
20 半導体スイッチ
21 出力回路
22 駆動回路(切替え部)
23 マイコン
30,31,32 入力部
33 出力部
34,35 A/D変換部
36 第1タイマ
37 第2タイマ
38 記憶部
39 制御部(判定部)
40 バス
A1 記憶媒体
P1 コンピュータプログラム
R1,R2,R3 抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10