(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】絶縁回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/13 20060101AFI20220509BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20220509BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
H01L23/12 C
H01L23/12 J
H01L23/36 C
(21)【出願番号】P 2018033380
(22)【出願日】2018-02-27
【審査請求日】2020-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】青木 慎介
【審査官】平林 雅行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-095624(JP,A)
【文献】特開2013-093368(JP,A)
【文献】特開2017-220663(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021750(WO,A1)
【文献】特開2008-294432(JP,A)
【文献】特開2017-073520(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0003164(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12-23/15
H01L 23/29
H01L 23/34-23/36
H01L 23/373-23/427
H01L 23/44
H01L 23/467-23/473
H05K 1/00-1/02
H05K 3/10-3/26
H05K 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス基板と、該セラミックス基板の一方の面に形成された銅又はアルミニウム
のいずれかからなる回路層と、を備え、
前記回路層が、前記セラミックス基板の一方の面に接合された第1回路層と、該第1回路層の表面に接合された第2回路層と、を有する積層構造とされ、
前記第2回路層の平均結晶粒径が前記第1回路層の
平均結晶粒径よりも大きく設けられていることを特徴とする絶縁回路基板。
【請求項2】
前記セラミックス基板の他方の面に、前記回路層と同じ金属からなる金属層を備え、
前記金属層は少なくとも前記セラミックス基板の他方の面に接合された第1金属層を備え、
前記第1金属層が前記第1回路層と同等の平均結晶粒径に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁回路基板。
【請求項3】
前記金属層は、前記第1金属層と、該第1金属層の表面に接合された第2金属層と、を有する積層構造とされ、
前記第2金属層が前記第2回路層と同等の平均結晶粒径に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の絶縁回路基板。
【請求項4】
前記回路層が銅のとき、前記第1回路層の平均結晶粒径が250μm未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の絶縁回路基板。
【請求項5】
前記回路層がアルミニウムのとき、前記第1回路層の平均結晶粒径が375μm未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の絶縁回路基板。
【請求項6】
セラミックス基板の一方の面に接合された第1回路層と該第1回路層の表面に接合された第2回路層とを有する回路層を形成する回路層形成工程を有しており、
前記回路層のうち、前記第1回路層となる第1金属材として、前記第1回路層の表面に接合される第2回路層となる第2金属材よりも加熱による結晶粒の粗大化が抑制された結晶粒抑制材を用意し、前記第1金属材と前記第2金属材とが圧着されたクラッド材を形成しておき、
前記回路層形成工程において、前記セラミックス基板の一方の面に、ろう接合材を介して前記クラッド材の前記第1金属材を重ねて配置した状態で、前記セラミックス基板と前記クラッド材との積層方向に加圧して加熱することにより、前記クラッド材の前記第1金属材と前記セラミックス基板とを接合して、前記セラミックス基板の一方の面に前記第1回路層と前記第2回路層とを有する前記回路層を形成することを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー素子やLED素子、熱電素子等の素子が搭載される絶縁回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属部材とセラミックス部材とを接合してなる絶縁回路基板として、例えばAlN(窒化アルミニウム)、Al2O3(アルミナ)、Si3N4(窒化ケイ素)等のセラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に接合されたアルミニウム(Al)や銅(Cu)等の導電性に優れた金属からなる回路層と、を備えた構成のものが知られている。なお、この種の絶縁回路基板には、例えばパワー素子が搭載されるパワーモジュール用基板のように、セラミックス基板の他方の面に熱伝導性に優れた金属からなる金属層を形成することや、金属層を介して放熱層(ヒートシンク)を接合することも行われる。
【0003】
例えば、特許文献1には、セラミック基板(セラミックス基板)の表面に銅回路が形成され、又はその銅回路と共にセラミック基板の裏面に放熱銅板が形成された回路基板(絶縁回路基板)が開示されている。
【0004】
このように構成される絶縁回路基板の回路層の表面(上面)に、パワー素子やLED素子、熱電素子等の素子がはんだ付け(実装)されることにより、各種のモジュールが製造される。また、素子が実装されたモジュールは、絶縁性確保や配線保護等の観点から、ポッティング樹脂やモールディング樹脂で封止することも行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、各種のモジュールにおける回路層と素子との接合界面や、回路層とセラミックス基板との接合界面等の検査は、超音波探査映像装置(SAT:Scanning Acoustic Tomograph)を用いて、素子や絶縁回路基板の各層等を介して行われることが知られている。
ところが、セラミックス基板に銅等の金属を接合して回路層を形成する場合、例えば、セラミックス基板に回路層となる銅(Cu)板を接合する場合、通常、Ag‐Cu‐Ti系等の活性金属ろう材を用いて800℃以上の温度で加熱することが必要となる。このような温度域で加熱した場合、銅の結晶粒が加熱前よりも粗大化する。このため、絶縁回路基板(回路層)を介して回路層と素子との接合界面(はんだ接合部)を超音波探査映像装置により検査する際に、回路層での超音波の反射が大きくなり、検査精度を低下させることが問題となっている。
【0007】
一方、この対策として、高熱を加えても結晶粒が粗大化しにくい材料を回路層に用いることが考えられるが、この場合には回路層表面の表面粗度(表面粗さ)が小さくなるため、素子を絶縁回路基板に実装したモジュールを樹脂封止する際に、樹脂と回路層との密着性を低下させることが問題となる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、モジュールを構成する各部品の接合界面の検査精度を良好に確保するとともに、回路層と樹脂との密着性を良好に確保できる絶縁回路基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の絶縁回路基板は、セラミックス基板と、該セラミックス基板の一方の面に形成された銅又はアルミニウムのいずれかからなる回路層と、を備え、前記回路層が、前記セラミックス基板の一方の面に接合された第1回路層と、該第1回路層の表面に接合された第2回路層と、を有する積層構造とされ、前記第2回路層の平均結晶粒径が前記第1回路層の平均結晶粒径よりも大きく設けられている。
【0010】
この絶縁回路基板では、回路層を、セラミックス基板に接合された第1回路層と、その第1回路層に接合された第2回路層と、を有する積層構造とし、素子が搭載(実装)される第2回路層の平均結晶粒径を第1回路層の平均結晶粒径よりも大きくしている。このように、絶縁回路基板では、平均結晶粒径の異なる第1回路層と第2回路層とを組み合わせて、素子が実装される回路層の表面を第2回路層で形成している。第2回路層は、第1回路層よりも平均結晶粒径を大きく設けているので、第1回路層よりも第2回路層の表面の表面粗度(表面粗さ)も大きくなる。回路層(第2回路層)上に素子を実装したモジュールを樹脂封止すると、モールド樹脂の特に回路層の周縁(第2回路層の周縁)に形成された角部に応力が集中しやすいが、本発明の絶縁回路基板では第2回路層の平均結晶粒径を大きく設け、その表面の表面粗度を大きく設けているので、モールド樹脂を第2回路層の周縁に強固に固定でき、モールド樹脂と回路層との密着性を良好に確保できる。
また、前述したように、回路層を第1回路層と第2回路層とで形成しているので、回路層全体に対して第2回路層が占める割合を小さく、すなわち回路層全体に対して第2回路層の厚みを薄く形成できる。このため、超音波探査映像装置により回路層を介して素子と回路層(第2回路層)との接合界面を検査する際の第2回路層における超音波の反射の割合を大きく低減できる。したがって、回路層全体における超音波の反射を大きく低減でき、検査精度を良好に確保できる。
また、回路層全体としては、第1回路層と第2回路層とを組み合わせることで、十分な厚みを確保できる。したがって、回路層として要求される機能である電気伝達性能や放熱性能を良好に確保できる。
【0011】
本発明の絶縁回路基板の好適な実施態様として、前記セラミックス基板の他方の面に、前記回路層と同じ金属からなる金属層を備え、前記金属層は少なくとも前記セラミックス基板の他方の面に接合された第1金属層を備え、前記第1金属層が前記第1回路層と同等の平均結晶粒径に設けられているとよい。
【0012】
セラミックス基板の他方の面に金属層を備える絶縁回路基板においても、金属層を構成する第1金属層を、第1回路層と同等の平均結晶粒径に設けておくことで、超音波探査映像装置により絶縁回路基板を介して素子と回路層(第2回路層)との接合界面を検査する際に、回路層に加えて金属層でも超音波の反射を低減できる。したがって、超音波探査映像装置による検査精度を良好に確保できる。
【0013】
本発明の絶縁回路基板の好適な実施態様として、前記金属層は、前記第1金属層と、該第1金属層の表面に接合された第2金属層と、を有する積層構造とされ、前記第2金属層が前記第2回路層と同等の平均結晶粒径に設けられているとよい。
【0014】
金属層を第1金属層と第2金属層との積層構造とし、第2金属層を第2回路層と同等の大きな平均結晶粒径に設けておくことで、第2金属層の表面の表面粗度を大きく設けることができる。このように、金属層の表面の表面粗度を大きくすると、金属層に放熱層(ヒートシンク)を重ねてはんだ等により接合する際に、金属層とはんだとの濡れ性が向上する。このため、金属層と放熱層との密着性及び接合信頼性を高めることができ、金属層から放熱層への放熱を円滑に行うことができる。また、金属層と放熱層とを熱伝導性グリスを挟んで積層する場合にも、金属層の表面の表面粗度を大きくしておくことで、金属層と放熱層との間に熱伝導性グリスを留めておくことができ、熱伝導性グリスが外部に抜けることを抑制できる。したがって、金属層と放熱層との密着性を良好に確保できるので、金属層と放熱層との間の熱抵抗を低減でき、放熱性能を良好に確保できる。
また、金属層を第1金属層と第2金属層とで形成しているので、金属層全体に対して第2金属層が占める割合を小さくできる。このため、超音波探査映像装置によりモジュールの各部品の接合界面を検査する際の第2金属層における超音波の反射の割合を大きく低減でき、金属層全体における超音波の反射を大きく低減できる。したがって、検査精度を良好に確保できる。
【0015】
本発明の絶縁回路基板の好適な実施態様として、前記回路層が銅のとき、前記第1回路層の平均結晶粒径が250μm未満であるとよい。また、前記回路層がアルミニウムのとき、前記第1回路層の平均結晶粒径が375μm未満であるとよい。
【0016】
回路層が銅又はアルミニウムのときに、第1回路層の平均結晶粒径を上記範囲内に調整することにより、超音波探査映像装置による検査精度と、樹脂封止時の密着性との双方を、良好に確保できる。
【0017】
本発明の絶縁回路基板の製造方法は、セラミックス基板の一方の面に接合された第1回路層と該第1回路層の表面に接合された第2回路層とを有する回路層を形成する回路層形成工程を有しており、前記回路層のうち、前記第1回路層となる第1金属材として、前記第1回路層の表面に接合される第2回路層となる第2金属材よりも加熱による結晶粒の粗大化が抑制された結晶粒抑制材を用意し、前記第1金属材と前記第2金属材とが圧着されたクラッド材を形成しておき、前記回路層形成工程において、前記セラミックス基板の一方の面に、ろう接合材を介して前記クラッド材の前記第1金属材を重ねて配置した状態で、前記セラミックス基板と前記クラッド材との積層方向に加圧して加熱することにより、前記クラッド材の前記第1金属材と前記セラミックス基板とを接合して、前記セラミックス基板の一方の面に前記第1回路層と前記第2回路層とを有する前記回路層を形成する。
【0018】
このように、第1金属材として、第2金属材よりも加熱による結晶粒の粗大化が抑制された結晶粒抑制材を用いることで、第1回路層と第2回路層とを備える回路層を形成できる。また、予め第1金属材と第2金属材とが圧着されたクラッド材を形成しておくことで、回路層形成工程における1回の加熱により、クラッド材とセラミックス基板とを接合して、第1回路層と第2回路層とを備える回路層を容易に形成できる。したがって、絶縁回路基板の製造工程を簡略化できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、モジュールを構成する各部品の接合界面の検査精度を良好に確保するとともに、回路層と樹脂との密着性を良好に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態の絶縁回路基板を用いたパワーモジュールを模式的に表した縦断面図である。
【
図3】
図2に示す絶縁回路基板の製造方法を工程順に示す縦断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態の絶縁回路基板を模式的に表した縦断面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態の絶縁回路基板を模式的に表した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の絶縁回路基板の製造方法により製造される絶縁回路基板(パワーモジュール用基板)10を用いたパワーモジュール101を示している。このパワーモジュール101は、絶縁回路基板10と、絶縁回路基板10の表面に搭載された素子91とを備え、素子91と絶縁回路基板10とがエポキシ樹脂等からなるモールド樹脂81により樹脂封止されたものである。なお、
図1の符号92は、素子91を固着するはんだ材等の接合層を示している。このパワーモジュール101は、パワーモジュール101の露出面(絶縁回路基板10の露出面)をヒートシンク(図示略)等の表面に熱伝導性グリスを介して押し付ける、又は、はんだ材や接着材等を介して接着して固定された状態で使用される。
【0022】
絶縁回路基板10は、
図2に示すように、セラミックス基板11と、セラミックス基板11の一方の面に形成された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面に形成された金属層13と、を備えている。セラミックス基板11は、AlN(窒化アルミニウム)、Al
2O
3(アルミナ)、Si
3N
4(窒化ケイ素)等のセラミックス材料により形成される。
【0023】
回路層12は、銅(純銅又は銅合金)又はアルミニウム(純アルミニウム又はアルミニウム合金)により形成され、これらの金属からなる金属板をセラミックス基板11の一方の面にAg‐Cu‐Ti系もしくはAl‐Si系等のろう接合材により接合することで形成される。また、回路層12は、
図1及び
図2に示すように、セラミックス基板11の一方の面に接合された第1回路層121と、その第1回路層121の表面に接合された第2回路層122と、を有する積層構造とされ、回路層12の表面に配置される第2回路層122の表面に素子91が搭載されるようになっている。そして、第2回路層122の平均結晶粒径が、第1回路層121の平均結晶粒径よりも大きく設けられている。
【0024】
回路層12が銅(Cu)のとき、第1回路層121の平均結晶粒径が250μm未満であることが好ましく、第2回路層122の平均結晶粒径が250μm以上であることが好ましい。一方、回路層12がアルミニウム(Al)のとき、第1回路層121の平均結晶粒径が375μm未満であり、第2回路層122の平均結晶粒径が375μm以上であることが好ましい。第1回路層121の平均結晶粒径を上記範囲内に調整することにより、第1回路層121における超音波の反射を大きく低減できる。
【0025】
一方、第2回路層122は、第1回路層121よりも平均結晶粒径を大きくしているので、第1回路層121よりも第2回路層122の表面の表面粗度(表面粗さ、算術平均粗さRa)が大きく設けられる。このように、絶縁回路基板10では、平均結晶粒径の異なる第1回路層121と第2回路層122とを組み合わせて、素子91が実装される回路層12の表面を第2回路層122で形成している。また、回路層12を第1回路層121と第2回路層122とで形成しているので、回路層12全体に対して第2回路層122が占める割合を小さく、すなわち回路層12全体に対して第2回路層122の厚みを薄く形成できる。このため、回路層12を介して行う超音波探査映像装置(SAT)によりパワーモジュール101の各部品の接合界面を検査する際に、第2回路層122における超音波の反射の割合を大きく低減できる。したがって、回路層12全体における超音波の反射を大きく低減でき、検査精度を良好に確保できる。なお、第2回路層122の厚みは、第1回路層121の厚みよりも小さくすることが好ましい。
【0026】
一方、回路層12上に素子91を実装したパワーモジュール101を樹脂封止する際には、回路層12の周縁に配置される角部に応力が集中しやすい。しかし、絶縁回路基板10では、回路層12の表面に配置される第2回路層122の表面粗度を大きく設けているので、モールド樹脂81を回路層12の周縁に強固に固定できる。したがって、超音波探査映像装置による検査精度と、樹脂封止時の密着性との双方を、良好に確保できる。
【0027】
金属層13は、回路層12と同じ金属からなり、回路層12と同様に、金属板をセラミックス基板11の他方の面にろう接合材により接合することで形成される。また、
図1及び
図2に示すように、金属層13は、少なくともセラミックス基板11の他方の面に接合された第1金属層131を備え、この第1金属層131が第1回路層121と同等の平均結晶粒径に設けられている。また、本実施形態の絶縁回路基板10では、金属層13は、第1金属層131と、その第1金属層131の表面に接合された第2金属層132と、を有する積層構造とされる。そして、第2金属層132の平均結晶粒径が、第2回路層122と同等の平均結晶粒径に設けられている。
【0028】
第1回路層121の平均結晶粒径と第1金属層131の平均結晶粒径とが同等とは、第1金属層131の平均結晶粒径が基準となる第1回路層121の平均結晶粒径と厳密に一致する場合だけでなく、±20%の差がある場合も含むものとする。同様に、第2回路層122の平均結晶粒径と第2金属層132の平均結晶粒径とが同等とは、第2金属層132の平均結晶粒径が基準となる第2回路層122の平均結晶粒径と厳密に一致する場合だけでなく、±20%の差がある場合も含むものとする。なお、第1金属層131の平均結晶粒径は、第1回路層121と同様に、回路層12が銅(Cu)のとき250μm未満であることが好ましく、回路層12がアルミニウム(Al)のとき375μm未満であることが好ましい。また、第2金属層132の平均結晶粒径は、第2回路層122と同様に、回路層12が銅のとき250μm以上であることが好ましく、回路層12がアルミニウムのとき375μm以上であることが好ましい。
【0029】
なお、
図1等では、金属層13が回路層12と同じ平面積で形成されるが、金属層13を回路層12と異なる平面積として形成してもよい。
【0030】
第1回路層121及び第2回路層122、第1金属層131及び第2金属層132の各平均結晶粒径は、例えば、光学顕微鏡を用いて測定される。本実施形態では、回路層12の第1回路層121と第2回路層122の平均結晶粒径は、回路層12を厚み方向に研磨し、第2回路層122、第1回路層121の平面を順に露出させ、各層122,121の平面における結晶粒を光学顕微鏡を用いて測定した。また、同様に、金属層13の第1金属層131と第2金属層132の平均結晶粒径は、金属層13を厚み方向に研磨し、第2金属層132、第1金属層131の平面を順に露出させ、各層132,131の平面におおける結晶粒を光学顕微鏡を用いて測定した。そして、光学顕微鏡により観察される既知の面積(例えば5000mm2)の測定範囲内に完全に含まれる結晶粒の数と、測定範囲の周辺で切断されている結晶粒の数の半分の数と、を足した数を全結晶粒数とし、測定範囲の面積を全結晶粒数で割った面積から、円相当径(金属粒子の単位面積と同じ面積を持つ円の直径)を算出し、この円相当径を各平均結晶粒径とした。
【0031】
このように構成される絶縁回路基板10の諸寸法について、一例を挙げると、Si3N4(窒化ケイ素)からなるセラミックス基板11の厚み(板厚)が0.1mm~1.5mm、Cu(銅)からなる回路層12及び金属層13の厚みが0.05mm~3.0mmとされる。また、第1回路層121及び第1金属層131の厚みが0.025mm~2.975mm、第2回路層122及び第2金属層132の厚みが0.025mm~2.975mmとされる。ただし、これらの寸法は、上記数値範囲に限られるものではない。
【0032】
素子91は、半導体を備えた電子部品であり、必要とされる機能に応じて、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、FWD(Free Wheeling Diode)等の種々の半導体素子が選択される。この場合、素子91は、図示を省略するが、上部に上部電極部が設けられ、下部に下部電極部が設けられており、下部電極部が回路層12(第2回路層122)の上面にはんだ付け等により接合されることで、素子91が回路層12の上面に搭載されている。また、素子91の上部電極部は、リードフレーム(図示略)等を介して回路層12の回路電極部等に接続される。
【0033】
また、パワーモジュール101は、素子91と絶縁回路基板10とが、金属層13の裏面側を除いてモールド樹脂81により樹脂封止されることにより一体化されている。モールド樹脂81としては、例えばSiO2フィラー入りのエポキシ系樹脂等を用いることができ、例えばトランスファーモールドにより成形される。
【0034】
次に、絶縁回路基板10を製造する方法について、
図3を用いて工程順に説明する。
図1及び
図2に示すように、セラミックス基板11の両面にそれぞれ回路層12と金属層13とを備える絶縁回路基板10については、回路層12を形成する回路層形成工程と、金属層13を形成する金属層形成工程とを、同時に行うことができる。回路層形成工程では、セラミックス基板11の一方の面に回路層12となる金属板(クラッド材)を接合して、セラミックス基板11の一方の面に接合された第1回路層121とその第1回路層121の表面に接合された第2回路層122とを有する回路層12を形成する。また、金属層形成工程では、セラミックス基板11の他方の面に金属層13となる金属板(クラッド材)を接合して、セラミックス基板11の他方の面に接合された第1金属層131とその第1金属層131の表面に接合された第2金属層132とを有する金属層13を形成する。
【0035】
回路層12となる金属板として、
図3(a)に示すように、第1回路層121となる第1金属材221aと、第2回路層122となる第2金属材222aとが圧着されたクラッド材251を形成しておく。クラッド材251は、例えば、第1金属材221aの母材と第2金属材222aの母材とを重ねてロール等で圧延することにより形成できる。なお、クラッド材251は、プレス加工により板材を打ち抜くことで所望の外形に形成される。
【0036】
第1金属材221aには、第2金属材222aよりも加熱による結晶粒の粗大化が抑制された結晶粒抑制材を用いる。結晶粒抑制材は、銅材であれば、800℃で加熱した際に、結晶粒の粗大化が抑制され、平均結晶粒径が250μm未満とされるものを好適に用いることができる。具体的には、第1金属材221aには、結晶粒抑制材として、古河電工株式会社製のGOFCを用いることができる。これに対し、第2金属材222aには、一般的な圧延板の無酸素銅(OFC)を用いることができる。第2金属材222aは、800℃で加熱した際に結晶粒が粗大化し、平均結晶粒径が250μm以上となる。
【0037】
また、本実施形態では、金属層13となる金属板は、回路層12となる金属材221a,222aと同様の構成により形成される。つまり、金属層13となる金属板として、第1金属材221aと同じ構成の第1金属材221bと、第2金属材222aと同じ構成の第2金属材222bとが圧着されたクラッド材252を用いる。
【0038】
また、これらのクラッド材251,252及びセラミックス基板11を接合するろう接合材224としては、例えばAg‐Cu‐Ti系ろう材を用いることができる。この場合、ろう接合材224は、予めクラッド材251の接合面及びクラッド材252の接合面に塗布しておくことで、容易に取り扱うことができる。
図3(b)では、第1金属材221aの下面及び第1金属材221bの上面に予めろう接合材224を塗布している。
【0039】
図3(c)に示すように、回路層12を形成するクラッド材251をろう接合材224を介してセラミックス基板11の一方の面に重ねて配置する。また、同様に、セラミックス基板11の他方の面に、金属層13を形成するクラッド材252を、同じろう接合材224を介して重ねて配置する。この状態で、
図3(c)に白抜き矢印で示すように、セラミックス基板11とクラッド材251,252との積層方向に加圧して加熱する。
【0040】
これにより、回路層12となるクラッド材251の第1金属材221aとセラミックス基板11とを接合する。この際、クラッド材251は、加熱されることにより第1金属材221aの金属と第2金属材222aの金属とが原子間接合され、強固に接合される。これにより、セラミックス基板11の一方の面に第1回路層121と第2回路層122とを有する回路層12が形成される。また、同時に、金属層13となるクラッド材252の第1金属材221bとセラミックス基板11とを接合するとともに、第1金属材221bと第2金属材222bとを強固に接合し、セラミックス基板11の他方の面に第1金属層131と第2金属層132とを有する金属層13を形成する。これにより、
図3(d)に示すように、金属層13とセラミックス基板11と回路層12とが順に積層された絶縁回路基板10が製造される。
【0041】
このように、第1金属材221a,221bとして、第2金属材222a,222bよりも加熱による結晶粒の粗大化が抑制された結晶粒抑制材を用いることで、第1回路層121と第2回路層122とを備える回路層12及び第1金属層131と第2金属層132とを備える金属層13を形成できる。また、予め第1金属材221a,221bと第2金属材222a,222bとが圧着されたクラッド材251,252を形成しておくことで、回路層形成工程及び金属層形成工程における1回の加熱により、クラッド材251,252とセラミックス基板11とを接合して、第1回路層121と第2回路層122とを備える回路層12及び第1金属層131と第2金属層132とを備える金属層13を容易に形成できる。したがって、絶縁回路基板10の製造工程を簡略化できる。
【0042】
このようにして製造された絶縁回路基板10に、
図1に示すように、素子91を搭載する。素子91は、回路層12の第2回路層122の上面に、例えば銀焼結やはんだ接合材からなる接合層92を介して接合する。また、図示は省略するが、素子91に必要な配線等を接続し、回路層12と素子91とを電気的に接続してパワーモジュール101を製造する。その後、金属層13の下面を除いたパワーモジュール101の全体をモールド樹脂81により封止する。回路層12の周縁に設けられる第2回路層122の表面は、第1回路層121の表面よりも表面粗さが大きく設けられているため、モールド樹脂81が回路層12の表面に大きく露出する第2回路層122の表面に密着し、強固に接合される。
【0043】
このように構成されるパワーモジュール101の絶縁回路基板10では、回路層12を、セラミックス基板11に接合された第1回路層121と、その第1回路層121に接合された第2回路層122と、を有する積層構造とし、素子91が搭載(実装)される第2回路層122の平均結晶粒径を第1回路層121の平均結晶粒径よりも大きくしている。このように、絶縁回路基板10では、平均結晶粒径の異なる第1回路層121と第2回路層122とを組み合わせて、素子91が実装される回路層12の表面を第2回路層122により形成している。第2回路層122は、第1回路層121よりも平均結晶粒径を大きく設けているので、第1回路層121よりも第2回路層122の表面の表面粗度(表面粗さ)も大きくなる。回路層12(第2回路層122)上に素子91を実装したパワーモジュール101を樹脂封止すると、モールド樹脂81の特に回路層12の周縁(第2回路層122の周縁)に形成された角部に応力が集中しやすいが、本実施形態の絶縁回路基板10では第2回路層122の平均結晶粒径を大きく設け、その表面の表面粗度を大きく設けているので、モールド樹脂81を第2回路層122の周縁に強固に固定でき、モールド樹脂81と回路層12との密着性を良好に確保できる。
【0044】
また、前述したように、回路層12を第1回路層121と第2回路層122とで形成しているので、回路層12全体に対して第2回路層122が占める割合を小さくできる。このため、超音波探査映像装置により回路層12を介して素子91と回路層12(第2回路層122)との接合界面を検査する際の第2回路層122における超音波の反射の割合を大きく低減でき、回路層12全体における超音波の反射を大きく低減できる。したがって、検査精度を良好に確保できる。
【0045】
また、回路層12全体としては、第1回路層121と第2回路層122とを組み合わせることで、十分な厚みを確保できる。したがって、回路層12として要求される機能である電気伝達性能や放熱性能を良好に確保できる。
【0046】
また、絶縁回路基板10では、金属層13を構成する第1金属層131を、第1回路層121と同等の平均結晶粒径に設けているので、超音波探査映像装置により絶縁回路基板10を介して素子91と回路層12との接合界面を検査する際に、回路層12に加えて金属層13でも超音波の反射を低減できる。また、金属層13を第1金属層131と第2金属層132とで形成しているので、金属層13全体に対して第2金属層132が占める割合を小さくできる。このため、超音波探査映像装置によりパワーモジュール101の各部品の接合界面を検査する際の第2金属層132における超音波の反射の割合を大きく低減でき、金属層13全体における超音波の反射を大きく低減できる。したがって、超音波探査映像装置による検査精度を良好に確保できる。
【0047】
また、前述したように、金属層13を第1金属層131と第2金属層132との積層構造とし、第2金属層132を第2回路層122と同等の大きな平均結晶粒径で形成しているので、第2金属層132の表面の表面粗度を大きく設けることができる。このように、金属層13の表面の表面粗度を大きくすると、金属層13に放熱層(ヒートシンク)を重ねてはんだ等により接合する際に、金属層13とはんだとの濡れ性が向上する。このため、金属層13と放熱層との密着性及び接合信頼性を高めることができ、金属層13から放熱層への放熱を円滑に行うことができる。また、金属層13と放熱層とを熱伝導性グリスを挟んで積層する場合にも、金属層13の表面の表面粗度を大きくしておくことで、金属層13と放熱層との間に熱伝導性グリスを留めておくことができ、熱伝導性グリスが外部に抜けることを抑制できる。したがって、金属層13と放熱層との密着性を良好に確保できるので、金属層13と放熱層との間の熱抵抗を低減でき、放熱性能を良好に確保できる。
【0048】
なお、前述した第1実施形態においては、絶縁回路基板10がセラミックス基板11の他方の面に形成された金属層13を備える構成とされていたが、
図4に示す第2実施形態の絶縁回路基板20のように、セラミックス基板11の他方の面に金属層を設けることなく、一方の面に形成された回路層12のみを備える構成も、本発明に含まれる。
【0049】
また、前述した第1実施形態では、金属層13が第1金属層131と第2金属層132とを備える構成とされていたが、
図5に示す第3実施形態の絶縁回路基板30のように、金属層33を第1金属層131のみで構成してもよい。なお、第2実施形態及び第3実施形態において、第1実施形態と共通要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、素子91の片面(下部電極部)を絶縁回路基板10の回路層12に搭載していたが、素子91の両面に絶縁回路基板10をそれぞれ配置する構成とすることにより、両面冷却構造とすることも可能である。
【0051】
また、上記実施形態では、平均結晶粒径を領域毎に異ならせた回路層12と金属層13とを銅(純銅又は銅合金)により形成したが、アルミニウム(純アルミニウム又はアルミニウム合金)を用いても平均結晶粒径を領域毎に異ならせて回路層12と金属層13とを形成できる。
例えば、アルミニウムの鋳塊を所望の板厚まで圧延する圧延工程における1パス当たりの圧下率を調整することで、平均結晶粒径を制御できる。具体的には、1パス当たりの圧下率を大きくすると、平均結晶粒径を大きくできる。そして、このように平均結晶粒径が調整された圧延材を用いることで、第1回路層と第2回路層とで平均結晶粒径が異なる回路層を有する絶縁回路基板を容易に製造できる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の効果を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0053】
表1~表2に示すように、素子と絶縁回路基板とを接合したパワーモジュールの実施例1-1~1-3及び2-1~2-3と比較例1-1~1-3及び2-1~2-3とを作製した。絶縁回路基板には、セラミックス基板の一方の面に、表1及び表2に示す構成の回路層を形成したものを用いた。実施例1-1~1-3及び2-1~2-3では、回路層は、素子が搭載される第2回路層を、第1回路層よりも平均結晶粒径を大きくして形成した。一方、比較例1-1~1-2及び2-1~2-2では、回路層の第2回路層を第1回路層よりも平均結晶粒径を小さくして形成した。
【0054】
セラミックス基板には、Si3N4(窒化ケイ素)からなる板厚が0.32mm、平面サイズが30mm×30mmの矩形板を用いた。回路層を形成するクラッド材には、板厚が1.6mm、平面サイズが28mm×28mmの矩形板を用い、第1金属材部分の厚みを1.2mm、第2金属材部分の厚みを0.4mmとした。また、回路層となる各金属板が銅の場合にはAg‐Cu‐Ti系ろう接合材を用い、アルミニウムの場合にはAl‐Si系ろう接合材を用いて、セラミックス基板とクラッド材とを接合して、絶縁回路基板を作製した。
【0055】
得られた各絶縁回路基板の回路層の上面の表面粗さ測定を行い、回路層表面の表面粗さを測定した。次いで、各絶縁回路基板の回路層(第2回路層)の表面に素子をはんだ材(Sn‐Cu系はんだ材)により接合し、パワーモジュールを製造した。そして、得られたパワーモジュールについて、回路層を介さない素子側と、回路層を介した絶縁回路基板側と、の双方からはんだ接合層を検査し、はんだ接合層中のボイド面積率を測定した。また、得られたパワーモジュールについて素子と絶縁回路基板とを樹脂封止し、樹脂と回路層との密着性を評価した。なお、樹脂はエポキシ樹脂を用い、トランスファーモールドによって樹脂封止を行った。
【0056】
(回路層表面の表面粗さ測定)
回路層(第2回路層)表面の表面粗さRa(μm)の測定は、サーフテスター(Mitutoyo社製SJ-410)を用いて実施した。結果を表1及び表2に示す。
【0057】
(はんだ接合層中のボイドの直径の測定方法)
得られたパワーモジュールに対し、超音波探査映像装置(SAT、日立エンジニアリング・アンド・サービス社製ES5000)を用いて、回路層と素子との接合界面(はんだ接合層)を観察した。回路層と素子との接合界面の観察は、回路層を介した絶縁回路基板側と、回路層を介さない素子側との双方から行い、超音波探査映像装置により観察されるボイドの直径を各方向から測定した。ボイドの直径は、観察されたボイドの面積から、同じ面積を持つ円の直径を算出し、この円相当径をボイドの直径とした。なお、1つの接合界面内に複数のボイドが有る場合には、各ボイドの直径の平均値(平均直径)を算出した。また、素子側から観察した際のボイドの平均直径D1と、絶縁回路基板側から観察した際のボイドの平均直径D2と、の比率(D1/D2)×100[%]を算出した。
【0058】
得られた比率の値が小さいほど、素子側から観察した際のボイドの平均直径と、絶縁回路基板側から観察した際のボイドの平均直径と、の差が小さく、良好な検査精度が得られる。この場合、検査精度の評価は、比率の値が±10%未満(比率が90%を超え110%未満)であれば良好「○」とし、±10%以上(比率が90%以下又は110%以上)の場合を否「×」と評価した。結果を表3及び表4に示す。
【0059】
(プリンカップ試験による密着性評価)
プリンカップ試験により、モールド樹脂と絶縁回路基板との密着性を評価した。プリンカップ試験は、樹脂‐金属接合特性評価試験方法の国際規格ISO19095‐1~4に準拠して行った。具体的には、絶縁回路基板の回路層の表面にプリンカップ形状の樹脂を形成し、その樹脂のせん断剥離強度試験を実施した。そして、得られたせん断剥離強度が15MPa以上の場合を、モールド樹脂と絶縁回路基板との密着性が良好「○」とし、せん断剥離強度が15MPa未満の場合を否「×」と評価した。結果を表3及び表4に示す。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
表3及び表4の結果からわかるように、回路層が銅のときは、第1回路層の平均結晶粒径を250μm未満とすることで、超音波探査映像装置による検査精度と、樹脂封止時の密着性との双方を、良好に確保できる。また、回路層がアルミニウムのときは、第1回路層領域の平均結晶粒径を375μm未満とすることで、超音波探査映像装置による検査精度と、樹脂封止時の密着性との双方を、良好に確保できる。
【符号の説明】
【0065】
10,20,30 絶縁回路基板
11 セラミックス基板
12 回路層
13,33 金属層
81 モールド樹脂
91 素子
92 接合層
101 パワーモジュール(モジュール)
121 第1回路層
122 第2回路層
131 第1金属層
132 第2金属層
221a,221b 第1金属材
222a,222b 第2金属材
224 ろう接合材
251,252 クラッド材