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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】水まわり設備システム及びリモコン
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018038459
(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公開番号】P2019153953
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】矢野 剛広
(72)【発明者】
【氏名】七搦 寛
(72)【発明者】
【氏名】草野 和宏
(72)【発明者】
【氏名】松本 健志
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-161002(JP,A)
【文献】国際公開第2016/114115(WO,A1)
【文献】特開2002-162281(JP,A)
【文献】特開2015-040653(JP,A)
【文献】特開2003-294232(JP,A)
【文献】特開2006-296047(JP,A)
【文献】特開2001-004215(JP,A)
【文献】特開2003-056906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水まわりに設けられる複数の機能ユニットと、
前記複数の機能ユニットと有線接続されるリモコンと、
を備え、
前記リモコンには、前記複数の機能ユニットのうちの1つを介して電力が供給可能であり、
前記リモコンは、前記複数の機能ユニットのうちの前記1つと絶縁回路を介さずに電気的に接続され、
前記リモコンの前記複数の機能ユニットを制御する制御部は、前記複数の機能ユニットのうち前記1つ以外の機能ユニットと、前記リモコンに設けられた絶縁回路によって電気的に絶縁される水まわり設備システム。
【請求項2】
前記複数の機能ユニットの少なくとも一部と、前記リモコンと、の少なくともいずれかに接続される無線モジュールをさらに備える請求項1記載の水まわり設備システム。
【請求項3】
水まわりに設けられ、それぞれが電源に接続される複数の機能ユニットと、
前記複数の機能ユニットと通信ハブを介して有線接続されるリモコンと、
を備え、
前記リモコンは、
前記複数の機能ユニットのうちの1つと絶縁回路を介さずに電気的に接続され、
前記複数の機能ユニットのうち前記1つ以外の機能ユニットと前記通信ハブに設けられた絶縁回路によって電気的に絶縁され、
前記リモコンには、前記複数の機能ユニットのいずれか及び前記通信ハブを介して電力が供給される水まわり設備システム。
【請求項4】
前記複数の機能ユニットの少なくとも一部と、前記通信ハブと、の少なくともいずれかに接続される無線をさらに備える請求項3記載の水まわり設備システム。
【請求項5】
水まわりの複数の機能ユニットとそれぞれ接続される複数の通信インターフェースを備えたリモコンであって
前記リモコンには、前記複数の機能ユニットのうちの1つを介して電力が供給可能であり、
前記複数の通信インターフェースのうちの1つは、前記複数の機能ユニットのうちの前記1つと絶縁回路を介さずに電気的に接続され、
前記リモコンの前記複数の機能ユニットを制御する制御部は、前記複数の機能ユニットのうちの前記1つ以外の機能ユニットと、前記複数の通信インターフェースのうちの前記1つ以外の通信インターフェースに設けられた絶縁回路によって電気的に絶縁されるリモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、水まわり設備システム及びリモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
水まわりの設備の使い勝手を向上するために、1つのリモコンで、水まわりに設けられる複数の機能ユニットを操作可能にした水まわり設備システムがある。1つのリモコンと複数の機能ユニットとを接続する場合、これらを、無線で接続する方法と、有線で接続する方法と、がある。
【0003】
水まわりには、例えば浴室のユニットバス(以下、UBと呼称する)のように、空間が鋼板などの金属で覆われていることがある。無線接続の場合、鋼板等の金属によって電波が反射され、通信が不安定となりうる。従って、浴室のUB等のような設備に設置される水まわり設備システムでは、リモコンと複数の機能ユニットとの接続は、有線接続であることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-65553号公報
【文献】特開2001-4215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リモコンと複数の機能ユニットとが有線接続される場合において、ある機能ユニットから別の機能ユニットに、例えば雷によるサージの回り込みが発生すると、機能ユニットが破壊される。
【0006】
ここで、複数の機能ユニットの中から選択的にリモコンに接続される場合がある。
このときのサージの回り込みの対策として、それぞれの機能ユニット間に絶縁回路を設けることが考えられる。この場合、その機能ユニットと別の機能ユニットが1つのリモコンに有線接続される際には、絶縁回路が必要であるが、1つのリモコンにその機能ユニットのみが有線接続される場合には、絶縁回路が不要となる。絶縁回路が不要な場合にまで機能ユニットに絶縁回路が設けられることで、機能ユニットのコストが増加してしまう。
【0007】
あるいは、絶縁回路を含む機能ユニットと、絶縁回路を含まない機能ユニットと、を用意することが考えられる。しかし、この場合も、どの機能ユニットが選択されてリモコンと接続されるかが使用者によって変わるため、機能ユニットの種類(品番数)が増加し、管理コストが上昇する。
【0008】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、コストの上昇を抑制しつつ、機能ユニット間のサージの回り込みを防止できる水まわり設備システム及びリモコンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、水まわりに設けられる複数の機能ユニットと、前記複数の機能ユニットと有線接続されるリモコンと、を備え、前記リモコンには、前記複数の機能ユニットの内、一部の前記機能ユニットと別の前記機能ユニットとの間に接続される絶縁回路が設けられた水まわり設備システムである。
【0010】
この水まわり設備システムによれば、1つのリモコンで水まわりの複数の機能ユニットを操作でき、使い勝手が向上する。
また、リモコンには、一部の機能ユニットと別の機能ユニットとの間に接続される絶縁回路が設けられる。これにより、複数の機能ユニットのいずれかとリモコンとを電気的に接続し、それらの間での電力供給を可能としつつ、一部の機能ユニットと別の機能ユニットとは電気的に絶縁される。このため、機能ユニット同士の間でのサージの回り込みを防止できる。
さらに、リモコンに絶縁回路が設けられることで、機能ユニットに絶縁回路を設ける必要が無い。すなわち、複数の機能ユニットのそれぞれについて、絶縁回路を含むものと、絶縁回路を含まないものと、を用意する必要が無い。
従って、この水まわり設備システムによれば、コストの上昇を抑制しつつ、機能ユニット間のサージの回り込みを防止でき、且つ使い勝手を向上できる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記複数の機能ユニットの少なくとも一部と、前記リモコンと、の少なくともいずれかに接続される無線モジュールをさらに備える水まわり設備システムである。
【0012】
この水まわり設備システムによれば、無線モジュールにより、別の無線リモコンや無線機能を有する別の機能ユニットと無線通信することができる。このため、これらの無線リモコンや別の機能ユニットを用いて、機能ユニットを遠隔操作することができる。
【0013】
第3の発明は、水まわりに設けられ、それぞれが電源に接続される複数の機能ユニットと、前記複数の機能ユニットと通信ハブを介して有線接続されるリモコンと、を備え、前記通信ハブには、前記複数の機能ユニットの内、一部の前記機能ユニットと別の前記機能ユニットとの間に接続された絶縁回路が設けられ、前記リモコンには、前記複数の機能ユニットのいずれか及び前記通信ハブを介して電力が供給される水まわり設備システムである。
【0014】
この水まわり設備システムによれば、1つのリモコンで水まわりの複数の機能ユニットを操作でき、使い勝手が向上する。
また、通信ハブには、一部の機能ユニットと別の機能ユニットとの間に接続される絶縁回路が設けられる。これにより、複数の機能ユニットのいずれかとリモコンとを電気的に接続し、それらの間での電力供給を可能としつつ、一部の機能ユニットと別の機能ユニットとは電気的に絶縁される。このため、機能ユニット同士の間でのサージの回り込みを防止できる。
さらに、通信ハブに絶縁回路が設けられることで、機能ユニットに絶縁回路を設ける必要が無い。すなわち、複数の機能ユニットのそれぞれについて、絶縁回路を含むものと、絶縁回路を含まないものと、を用意する必要が無い。
従って、この水まわり設備システムによれば、コストの上昇を抑制しつつ、機能ユニット間のサージの回り込みを防止でき、且つ使い勝手を向上できる。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、前記複数の機能ユニットの少なくとも一部と、前記通信ハブと、の少なくともいずれかに接続される無線モジュールをさらに備える水まわり設備システムである。
【0016】
この水まわり設備システムによれば、無線モジュールにより、別の無線リモコンや無線機能を有する別の機能ユニットと無線通信することができる。このため、これらの無線リモコンや別の機能ユニットを用いて、機能ユニットを遠隔操作することができる。
【0017】
第5の発明は、水まわりの複数の機能ユニットとそれぞれ接続される複数の通信インターフェースを備え、前記複数の通信インターフェースの一部には、絶縁回路が設けられたリモコンである。
【0018】
このリモコンによれば、複数の機能ユニットを操作できるため、使い勝手が向上する。そして、絶縁回路を含む通信インターフェースと、絶縁回路を含まない通信インターフェースと、を備えることで、機能ユニットにおける絶縁回路の有無に応じて、接続される通信インターフェースを適宜選択できる。
従って、このリモコンによれば、使い勝手を向上できるとともに、より多様な水まわり設備システムに対応できる。
また、複数の通信インターフェースの一部には、絶縁回路が設けられている。これにより、複数の通信インターフェースの別の一部を介して接続される機能ユニットとリモコンとを電気的に接続し、それらの間での電力供給を可能としつつ、複数の通信インターフェースの上記一部により、別の機能ユニットとリモコンとは電気的に絶縁される。このため、ある機能ユニットから別の機能ユニットへのサージの回り込みを防止できる。さらに、リモコンに絶縁回路が設けられることで、機能ユニットに絶縁回路を設ける必要が無い。すなわち、複数の機能ユニットのそれぞれについて、絶縁回路を含むものと、絶縁回路を含まないものと、を用意する必要が無い。
従って、このリモコンを水まわり設備システムに用いることで、機能ユニット間のサージの回り込みを防止でき、且つ水まわり設備システムのコストを低減できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の態様によれば、コストの上昇を抑制しつつ、機能ユニット間のサージの回り込みを防止できる水まわり設備システム及びリモコンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
図2】実施形態に係る水まわり設備システムの適用例を表す模式図である。
図3】参考例に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
図4】実施形態の第1変形例に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
図5】実施形態の第2変形例に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
図6】実施形態の第3変形例に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0022】
図1は、実施形態に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
図1に表したように、実施形態に係る水まわり設備システム1は、複数の機能ユニット11~13と、リモコン21と、を備える。機能ユニット11~13は、水まわりに設けられる。リモコン21は、機能ユニット11~13と、それぞれ、複数のケーブル31~33を介して有線接続されている。
【0023】
機能ユニット11~13は、それぞれ、電装基板11a~13aを有する。電装基板11a~13aは、それぞれ、通信インターフェース(以下、通信IFという)11c~13cを含む。リモコン21は、制御部21a、通信IF21c、及び通信IF21iを有する。図1に表した例では、機能ユニット11の通信IF11cは、通信IF21cと有線接続されている。機能ユニット12及び13の通信IF12c及び13cは、それぞれ、複数の通信IF21iと有線接続されている。
【0024】
リモコン21を操作すると、制御部21aにより制御信号が生成される。制御信号は、通信IF21c及び通信IF21iのいずれかを介して、機能ユニット11~13の通信IF11c~13cのいずれかに入力される。この制御信号により、機能ユニット11~13のいずれかの動作が制御される。
なお、制御信号は、リモコンの制御部21aから通信IF11c~13cの全てに共通信号として送信するような仕様であってもよい。
【0025】
機能ユニット11~13は、それぞれ、電源11s~13sに接続され、これらの電源から供給される電力により駆動される。また、通信IF21iには、絶縁回路が設けられている。このため、機能ユニット11と機能ユニット12との間及び機能ユニット11と機能ユニット13との間は、電気的に絶縁されている。
【0026】
一方、通信IF21cには、絶縁回路が設けられていない。このため、機能ユニット11とリモコン21とは電気的に接続されており、リモコン21には、機能ユニット11を介して電力が供給される。リモコン21は、機能ユニット11を介して供給される電力により、駆動される。
【0027】
なお、本願において、「絶縁回路」とは、複数の端子を有し、一方の端子と他方の端子との間を電気的に絶縁しつつ、それらの端子間で信号の伝達を可能とするものを指す。絶縁回路としては、例えば、フォトカプラが用いられる。
【0028】
図2は、実施形態に係る水まわり設備システムの適用例を表す模式図である。
図2に表した例では、実施形態に係る水まわり設備システム1が、浴室91及び洗面所92に設けられている。
【0029】
例えば、機能ユニット11は、浴室91の換気、暖房、または乾燥を行う乾燥機である。機能ユニット12は、浴室の床を洗浄する洗浄ユニットである。機能ユニット13は、洗面所92の換気または暖房を行う乾燥機である。
【0030】
図2に表した例以外に、機能ユニットは、浴室91に設けられた浴槽の湯張り、浴槽の湯の追いだきなどを行う給湯機、浴槽を洗浄する洗浄ユニット、浴室の照明ユニット、または洗面所の照明ユニットなどであっても良い。機能ユニットは、キッチン、トイレなどの他の水まわりに設けられても良い。例えば、機能ユニット11~13の一部は、浴室、洗面所、キッチン、およびトイレの1つに設けられ、機能ユニット11~13の別の一部は、浴室、洗面所、キッチン、およびトイレの別の1つに設けられる。複数の水まわりに設けられたこれらの機能ユニット11~13の動作は、1つのリモコン21で制御できる。
【0031】
なお、実施形態に係る水まわり設備システム1において、リモコン21以外に、機能ユニット11~13のいずれかと接続された別のリモコンがさらに設けられていても良い。
【0032】
浴室のUBのように、水まわりには、空間が鋼板などの金属で覆われていることがある。図2に表した例では、浴室91は、鋼板91aで囲われている。リモコン21を機能ユニット11~13と接続する場合、これらの機器を無線接続することが考えられる。しかし、鋼板が設けられていると、鋼板で電波が反射されるため、リモコンと各機能ユニットとの間の通信が不安定になりうる。従って、水まわりでは、リモコン21を機能ユニット11~13と有線接続することが望ましい。
【0033】
一方、リモコン21を機能ユニット11~13と有線接続した場合、電源11s~13sにサージ(例えば雷による)が加わった際に、リモコン21を介して、別の機器にもサージが伝わる。この結果、機能ユニットが破壊される可能性がある。
【0034】
従って、機能ユニット11~13の少なくとも一部とリモコン21との間には、絶縁回路が設けられることが望ましい。実施形態に係る水まわり設備システム1では、絶縁回路を含まない通信IF21cと、絶縁回路を含む通信IF21iと、がリモコン21に設けられている。
【0035】
通信IF11cは通信IF21cと接続され、通信IF12c及び13cはそれぞれ複数の通信IF21iと接続されている。すなわち、機能ユニット11と機能ユニット12との間及び機能ユニット11と機能ユニット13との間には、絶縁回路が接続されている。これにより、機能ユニット11を介してリモコン21に電力を供給しつつ、電源11sから供給される電圧にサージが加わった際に、このサージが機能ユニット12及び13に回り込むことを防止できる。
【0036】
実施形態の効果について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、参考例に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
【0037】
図3(a)は、複数の機能ユニットの中から、1つの機能ユニットのみが選択されてリモコンに接続された場合を表している。図3(a)に表した水まわり設備システム1aは、機能ユニット15及びリモコン22を備える。機能ユニット15は、電源15sに接続され、絶縁回路を含まない通信IF15cと、絶縁回路を含む通信IF15iと、を有する。リモコン22は、制御部22aと、絶縁回路を含まない通信IF22cのみと、を有する。リモコン22の通信IF22cは、機能ユニット15の通信IF15cと有線接続される。
【0038】
水まわり設備システム1aでは、1つの機能ユニットに対して、1つのリモコンが接続されている。機能ユニット同士の間でサージの回り込みが発生しないため、絶縁回路を含む通信IF15iは用いられない。尚、絶縁回路を含む通信IF15iを用いた場合、リモコン22に電源が供給されないので、リモコン22が動作しない。
【0039】
図3(b)は、複数の機能ユニットが選択されてリモコンに接続された場合を表している。図3(b)に表した水まわり設備システム1bは、機能ユニット15~17及びリモコン22を備える。機能ユニット16及び17は、それぞれ、電源16s及び17sと接続され、絶縁回路を含まない通信IF16c及び17cと、絶縁回路を含む通信IF16i及び17iと、を有する。リモコン22の通信IF22cは、機能ユニット15の通信IF15c、機能ユニット16の通信IF16i、及び機能ユニット17の通信IF17iと接続される。リモコン22には、機能ユニット15を介して電力が供給される。一方、機能ユニット15と機能ユニット16との間及び機能ユニット15と機能ユニット17との間には、絶縁回路が設けられるため、機能ユニット同士の間におけるサージの回り込みを防止できる。
【0040】
機能ユニットに、絶縁回路を含む通信IFと、絶縁回路を含まない通信IFと、を設けることで、図3(a)及び図3(b)に表したように、水まわり設備システムの構成に応じて、使用する通信IFを選択する。
【0041】
しかしながら、この方法では、図3(a)に表したように絶縁回路が不要な場合にも、機能ユニットに絶縁回路が設けられる。このため、機能ユニットのコストが上昇する。この対策として、絶縁回路を含む機能ユニットと、絶縁回路を含まない機能ユニットと、を用意することも考えられる。しかし、この場合も、機能ユニットの種類(品番数)が増加し、管理コストが上昇する。
また、各機能ユニットには、通信IF用の通信線の接続部と、絶縁回路を含む通信IF用の通信線の接続部と、の2種類の接続部が設けられることとなる。例えば、施工者がリモコンと機能ユニットとを接続しようとする際、図3(a)及び図3(b)のいずれの場合においても、接続部が2種類存在する。そのため、施工者が誤った接続部に接続してしまうおそれがある。
【0042】
これらの課題について、実施形態に係る水まわり設備システム1では、図1に表したように、リモコン21に、機能ユニットの11と12との間及び機能ユニット11と13との間に接続される絶縁回路が設けられる。これにより、機能ユニット11~13の1つとリモコン21とを電気的に接続し、それらの間での電力供給を可能としつつ、機能ユニット11~13の間は電気的に絶縁される。このため、機能ユニット11~13の間でのサージの回り込みを防止できる。
さらに、リモコン21に絶縁回路が設けられることで、機能ユニット11~13に絶縁回路を設ける必要が無い。すなわち、機能ユニット11~13のそれぞれについて、絶縁回路を含むものと、絶縁回路を含まないものと、を用意する必要が無い。
また、機能ユニット11~13がリモコン21と接続されることで、機能ユニット11~13を1つのリモコン21で操作でき、使い勝手が向上する。
従って、本実施形態に係る水まわり設備システム1によれば、コストの上昇を抑制しつつ、機能ユニット間のサージの回り込みを防止でき、且つ使い勝手を向上できる。
【0043】
あるいは、水まわり設備システム1を構築する際、ある機能ユニットが既に設けられており、別の機能ユニットが新たに設けられ、それらの機能ユニットに1つのリモコン21を接続する場合がある。
例えば、リモコンが絶縁回路を含んでおらず、既設の機能ユニットが絶縁回路を含んでいない場合、新設の機能ユニットは絶縁回路を含んでいる必要がある。また、リモコンが絶縁回路を含んでおらず、既設の機能ユニットが絶縁回路を含んでいる場合、新設の機能ユニットは絶縁回路を含んでいなくても良い。このように、リモコンが絶縁回路を含んでおらず、既設の機能ユニットと新設の機能ユニットとにリモコンを接続する場合、既設の機能ユニットの構成に応じて、新設の機能ユニットの構成を選択する必要がある。
しかし、本実施形態に係るリモコン21には、一部の機能ユニットと別の機能ユニットとの間に接続される絶縁回路が設けられている。このため、既設の機能ユニットの構成に応じて、既設及び新設の機能ユニットを接続するリモコン21の通信IFを適宜選択できる。このため、新設の機能ユニットが絶縁回路を含んでいなくても良い。
従って、本実施形態に係るリモコン21によれば、より多様な水まわり設備システムに対応できる。また、本実施形態に係るリモコン21を水まわり設備システム1に用いることで、機能ユニット間のサージの回り込みを防止でき、且つ水まわり設備システム1のコストを低減できる。
【0044】
また、水まわり設備システム1において、機能ユニット同士が連動しても良い。一例として、機能ユニット11をリモコン21によって動作させた際に、機能ユニット11の動作に応じて、機能ユニット12及び13の少なくともいずれかが、自動で動作しても良い。このように、機能ユニット同士が連動することで、水まわり設備システム1の使い勝手をさらに向上できる。
【0045】
(第1変形例)
図4は、実施形態の第1変形例に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
図4に表した水まわり設備システム2は、水まわり設備システム1に対して、通信ハブ41をさらに備える。通信ハブ41は、絶縁回路を含む通信IF41iを有する。機能ユニット12の通信IF12c及び機能ユニットの通信IF13cは、それぞれ、複数の通信IF41iと接続される。機能ユニット11~13とそれぞれ接続されたケーブル31~33は、通信ハブ41によって集線され、通信ハブ41とリモコン21の通信IF21cとが、ケーブル34によって有線接続される。
【0046】
図4に表したように、機能ユニット11~13の一部と別の一部との間に接続された絶縁回路が、通信ハブ41に設けられていても良い。この場合も、図1に表した水まわり設備システム1と同様に、機能ユニット11~13の間におけるサージの回り込みを防止できる。また、機能ユニット11~13のそれぞれについて、絶縁回路を含むものと、絶縁回路を含まないものと、を用意する必要が無い。
従って、本変形例に係る水まわり設備システム2によれば、コストの上昇を抑制しつつ、機能ユニット間のサージの回り込みを防止でき、且つ使い勝手を向上できる。
【0047】
また、水まわり設備システム2では、機能ユニット11~13が、それぞれ、電源11s~13sに接続されている。機能ユニット11~13に電力を供給するためには、通信ハブ41を電源と接続し、通信ハブから、機能ユニット11~13の一部及びリモコン21に電力を供給する構成も考えられる。しかし、この場合、通信ハブに供給された電圧及び電流を、それぞれの機能ユニットに適した電圧及び電流に調節する機器がさらに必要となる。機能ユニット11~13がそれぞれ電源11s~13sに接続されることで、そのような調節機器が不要となる。
【0048】
(第2変形例)
図5は、実施形態の第2変形例に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
図5に表した水まわり設備システム3は、水まわり設備システム1に対して、無線モジュール51をさらに備える。複数の機能ユニットの一部は、無線通信IFを有する。図5に表した例では、機能ユニット13が、無線通信IF13eを有する。無線モジュール51は、鋼板で覆われた空間の外に設置され、無線通信IF13eと接続される。無線モジュール51は、機能ユニット13の外部に設けられていても良いし、機能ユニット13の内部に搭載されていても良い。無線モジュール51は、例えば、リモコン21とは異なる別のリモコンの無線モジュールとの間で、無線通信を行う。
【0049】
水まわり設備システム3によれば、機能ユニット13に無線モジュール51が接続され、別の無線リモコンや無線機能を有する別の機能ユニットと無線通信することができる。このため、これらの無線リモコンや別の機能ユニットを用いて、機能ユニット13を遠隔操作することができる。また、無線モジュール51で受信した信号が、リモコン21を介して別の機能ユニット11及び12に送信されることで、機能ユニット11及び12を遠隔操作することもできる。
【0050】
図5に表した例では、水まわり設備システム3は、無線モジュール52をさらに備える。リモコン21は、無線通信IF21eを有し、無線モジュール52は、無線通信IF21eと接続される。無線モジュール52は、リモコン21の外部に設けられていても良いし、リモコン21の内部に搭載されていても良い。無線モジュール51に代えて、無線モジュール52が、別の無線リモコンや無線機能を有する機能ユニットと無線通信を行っても良い。この場合も、無線モジュール52で受信した信号が、リモコン21を介して、機能ユニット11~13に送信されることで、これらの機能ユニットを遠隔操作することができる。
なお、無線モジュール52により別の機器と無線通信が行われる場合、無線モジュール51が設けられなくても良いが、無線モジュール51と52のように複数の無線モジュールを設けてることで、別の機器との無線通信をより確実に行うことができる。
【0051】
(第3変形例)
図6は、実施形態の第3変形例に係る水まわり設備システムの構成を表すブロック図である。
【0052】
図6に表した水まわり設備システム4は、水まわり設備システム3に対して、通信ハブ41をさらに備える。水まわり設備システム4において、通信ハブ41は、絶縁回路を含む通信IF41iと、無線通信IF41eと、を有する。無線通信IF41eは、無線モジュール52と接続される。例えば、無線モジュール51及び52の少なくとも一方は、鋼板で覆われた空間の外に設置され、別の無線リモコンや無線機能を有する別の機能ユニットと無線通信を行う。これにより、水まわり設備システム3と同様に、機能ユニット11~13を遠隔操作することができる。
【0053】
また、第2変形例と同様に、無線モジュール51と52のように、複数の無線モジュールを設けているため、別の無線リモコンや無線機能を有する別の機能ユニットとの無線通信をより確実に行うことができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、設備システムが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b、2~4 水まわり設備システム、 11~13、15~17 機能ユニット、 11a~13a、15a~17a 電装基板、 11c~13c、15c~17c、12i、13i、15i、16i、17i 通信インターフェース、 11s~13s、15s~17s 電源、 13e 無線通信インターフェース、 21、22 リモコン、 21a、22a 制御部、 21c、21i、22c 通信インターフェース、 21e 無線通信インターフェース、 21g 通信変換部、 31~35 ケーブル、 41 通信ハブ、 41e 無線通信インターフェース、 41i 通信インターフェース、 51 無線モジュール、 91 浴室、 91a 鋼板、 92 洗面所
図1
図2
図3
図4
図5
図6