(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】判別装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20220509BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20220509BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
G03G15/00 303
B65H7/14
G03G21/00 386
G03G21/00 500
(21)【出願番号】P 2018079869
(22)【出願日】2018-04-18
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100194582
【氏名又は名称】栗原 康浩
(72)【発明者】
【氏名】今野 忍
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-216260(JP,A)
【文献】特開2016-109425(JP,A)
【文献】特開平04-242883(JP,A)
【文献】特開平10-152245(JP,A)
【文献】特開2015-108611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
B65H 7/14
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を前記記録媒体の表面の裏側で揺動自在に支持する支持部材と、
前記記録媒体の
前記表面の法線方向の基準位置
を含む第1の平面が設けられた第1の筐体と、
前記記録媒体の前記表面が前記基準位置に位置するように前記支持部材を前記第1の平面に付勢する付勢部材と、
前記第1の筐体に収容され、前記記録媒体の前記表面に照射し反射した拡散光の光量を検知する光学検知部と、
前記第1の筐体に収容され、前記支持部材により支持される前記記録媒体の
前記表面の法線方向の位置を検知する垂直位置検知部と、
前記垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の
前記表面の法線方向の位置に応じて、前記光学検知部により検知される前記光量に基づき、前記記録媒体の紙種を判別する判別部と、
を備え
、
前記判別部は、前記記録媒体の前記表面の法線方向の位置の前記基準位置からのずれ量が許容範囲内にある場合、前記記録媒体の紙種を判別する、
判別装置。
【請求項2】
前記記録媒体の水平方向の位置を検知する水平位置検知部、
をさらに備え、
前記判別部は、
前記水平位置検知部により検知された前記記録媒体の水平方向の位置が、前記光学検知部による前記光量の検知開始位置にある場合、前記記録媒体の紙種を判別する、
請求項
1に記載の判別装置。
【請求項3】
前記光学検知部により前記光量が検知されなかった場合、エラー状態である旨又は前記光量の再検知を促す旨を報知する報知部、
をさらに備える、
請求項1
又は2に記載の判別装置。
【請求項4】
前記垂直位置検知部は、
前記光学検知部の周囲に複数配置されている、
請求項1~
3の何れか一項に記載の判別装置。
【請求項5】
前記第1の平面と対向する第2の平面が設けられ、前記支持部材を収容する第2の筐体と、
前
記第1の平面
と前記第2の平面
とを一定の間隔を空けて保持する保持部材と、
をさらに備え、
前記
第2の筐体は、
一部が前記第2の平面の側に凹んでいる、
請求項
1~
4の何れか一項に記載の判別装置。
【請求項6】
前記垂直位置検知部と対向し、前記支持部材により支持される前記記録媒体の裏面の法線方向の位置を検知する裏面側垂直位置検知部、
をさらに備え、
前記判別部は、
前記垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の
前記表面の法線方向の位置と、前記裏面側垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の裏面の法線方向の位置と、に基づき、前記記録媒体の厚みを求める、
請求項1~
5の何れか一項に記載の判別装置。
【請求項7】
記録媒体を前記記録媒体の表面の裏側で揺動自在に支持する支持部材と、
前記記録媒体の
前記表面の法線方向の基準位置
を含む第1の平面が設けられた第1の筐体と、
前記記録媒体の前記表面が前記基準位置に位置するように前記支持部材を前記第1の平面に付勢する付勢部材と、
前記第1の筐体に収容され、前記記録媒体の前記表面に照射し反射した拡散光の光量を検知する光学検知部と、
前記第1の筐体に収容され、前記支持部材により支持される前記記録媒体の
前記表面の法線方向の位置を検知する垂直位置検知部と、を備える判別装置と接続される画像形成装置であって、
前記垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の
前記表面の法線方向の位置に応じて、前記光学検知部により検知される前記光量に基づき、前記記録媒体の紙種を判別する判別部と、
前記判別部により判別された前記記録媒体の紙種に応じて、前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備
え、
前記判別部は、前記記録媒体の前記表面の法線方向の位置の前記基準位置からのずれ量が許容範囲内にある場合、前記記録媒体の紙種を判別する、
画像形成装置。
【請求項8】
前記判別装置は、
前記記録媒体の水平方向の位置を検知する水平位置検知部、
をさらに備え、
前記判別部は、
前記水平位置検知部により検知された前記記録媒体の水平方向の位置が、前記光学検知部による前記光量の検知開始位置にある場合、前記記録媒体の紙種を判別する、
請求項
7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記光学検知部により前記光量が検知されなかった場合、エラー状態である旨又は前記光量の再検知を促す旨を報知する報知部、
をさらに備える、
請求項
7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判別装置は、
前記垂直位置検知部と対向し、前記支持部材により支持される前記記録媒体の裏面の法線方向の位置を検知する裏面側垂直位置検知部、
をさらに備え、
前記判別部は、
前記垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の
前記表面の法線方向の位置と、前記裏面側垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の裏面の法線方向の位置と、に基づき、前記記録媒体の厚みを求める、
請求項
7~
9の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記判別装置と通信可能な通信部、
をさらに備える、
請求項
7~
10の何れか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判別装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複写機又はレーザープリンター等のような画像形成装置は、印刷用紙に代表される記録媒体の表面にトナー像を転写し、加熱及び加圧することで転写したトナー像を記録媒体に定着させることにより記録媒体に画像を形成している。よって、高品質の画像形成が要求される場合、定着時の加熱量及び圧力で特定される定着条件が記録媒体に応じて個別に設定されている。記録媒体における画像品質は、例えば、記録媒体の平滑性に応じて定着条件が設定されるのが好ましい。具体的には、記憶媒体の表面に微小な凹凸部分があるが、凹部分は、凸部分に比べ、トナーの定着率が低くなることが知られている。記録媒体の平滑性は記録媒体の紙種によって変わるため、記録媒体の紙種に応じて定着条件が設定されるのが好ましい。
【0003】
また、近年の画像形成装置の進歩と表現方法の多様化に伴い、記録媒体の種類は印刷用紙だけでも数百種類以上存在し、それぞれの種類において坪量及び厚さ等のような仕様の違いだけでも、記録媒体は、多岐にわたる紙種がある。よって、高品質の画像形成を実現するためには、これらの紙種を考慮して定着条件を設定するのが好ましい。そこで、光学的な手法により、低コストでありつつ、記録媒体の紙種等の判別精度を向上させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のような従来技術は、光学系を用いて記録媒体に照射した拡散光の光量に基づき、記録媒体の紙種を特定しているため、記録媒体の位置によって記録媒体に照射した拡散光の光量が異なれば、特定される記録媒体の紙種が変わる。よって、記録媒体によっては、記録媒体の紙種を正しく判別することができない恐れがある。つまり、記録媒体が多様化すれば、コストを抑制しつつ、記録媒体の判別精度を向上させることができない恐れがある。
【0006】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、記録媒体が多様化しても、コストを抑制しつつ、記録媒体の紙種の判別精度を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の側面である判別装置は、記録媒体を前記記録媒体の表面の裏側で揺動自在に支持する支持部材と、前記記録媒体の前記表面の法線方向の基準位置を含む第1の平面が設けられた第1の筐体と、前記記録媒体の前記表面が前記基準位置に位置するように前記支持部材を前記第1の平面に付勢する付勢部材と、前記第1の筐体に収容され、前記記録媒体の前記表面に照射し反射した拡散光の光量を検知する光学検知部と、前記第1の筐体に収容され、前記支持部材により支持される前記記録媒体の前記表面の法線方向の位置を検知する垂直位置検知部と、前記垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の前記表面の法線方向の位置に応じて、前記光学検知部により検知される前記光量に基づき、前記記録媒体の紙種を判別する判別部と、を備え、前記判別部は、前記記録媒体の前記表面の法線方向の位置の前記基準位置からのずれ量が許容範囲内にある場合、前記記録媒体の紙種を判別する。
【0010】
また、本開示の第1の側面である判別装置において、前記記録媒体の水平方向の位置を検知する水平位置検知部、をさらに備え、前記判別部は、前記水平位置検知部により検知された前記記録媒体の水平方向の位置が、前記光学検知部による前記光量の検知開始位置にある場合、前記記録媒体の紙種を判別する、ことが好ましい。
【0011】
また、本開示の第1の側面である判別装置において、前記光学検知部により前記光量が検知されなかった場合、エラー状態である旨又は前記光量の再検知を促す旨を報知する報知部、をさらに備える、ことが好ましい。
【0012】
また、本開示の第1の側面である判別装置において、前記垂直位置検知部は、前記光学検知部の周囲に複数配置されている、ことが好ましい。
【0013】
また、本開示の第1の側面である判別装置において、前記第1の平面と対向する第2の平面が設けられ、前記支持部材を収容する第2の筐体と、前記第1の平面と前記第2の平面とを一定の間隔を空けて保持する保持部材と、をさらに備え、前記第2の筐体は、一部が前記第2の平面の側に凹んでいる、ことが好ましい。
【0014】
また、本開示の第1の側面である判別装置において、前記垂直位置検知部と対向し、前記支持部材により支持される前記記録媒体の裏面の法線方向の位置を検知する裏面側垂直位置検知部、をさらに備え、前記判別部は、前記垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の表面の法線方向の位置と、前記裏面側垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の裏面の法線方向の位置と、に基づき、前記記録媒体の厚みを求める、ことが好ましい。
【0015】
また、本開示の第2の側面である画像形成装置は、記録媒体を前記記録媒体の表面の裏側で揺動自在に支持する支持部材と、前記記録媒体の前記表面の法線方向の基準位置を含む第1の平面が設けられた第1の筐体と、前記記録媒体の前記表面が前記基準位置に位置するように前記支持部材を前記第1の平面に付勢する付勢部材と、前記第1の筐体に収容され、前記記録媒体の前記表面に照射し反射した拡散光の光量を検知する光学検知部と、前記第1の筐体に収容され、前記支持部材により支持される前記記録媒体の前記表面の法線方向の位置を検知する垂直位置検知部と、を備える判別装置と接続される画像形成装置であって、前記垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の前記表面の法線方向の位置に応じて、前記光学検知部により検知される前記光量に基づき、前記記録媒体の紙種を判別する判別部と、前記判別部により判別された前記記録媒体の紙種に応じて、前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、前記判別部は、前記記録媒体の前記表面の法線方向の位置の前記基準位置からのずれ量が許容範囲内にある場合、前記記録媒体の紙種を判別する。
【0016】
よって、上記に記載の判別装置の場合と同様に、記録媒体Pが多様化しても、コストを抑制しつつ、記録媒体Pの紙種の判別精度を向上させることができる。
【0018】
また、本開示の第2の側面である画像形成装置において、前記判別装置は、前記記録媒体の水平方向の位置を検知する水平位置検知部、をさらに備え、前記判別部は、前記水平位置検知部により検知された前記記録媒体の水平方向の位置が、前記光学検知部による前記光量の検知開始位置にある場合、前記記録媒体の紙種を判別する、ことが好ましい。
【0019】
また、本開示の第2の側面である画像形成装置において、前記光学検知部により前記光量が検知されなかった場合、エラー状態である旨又は前記光量の再検知を促す旨を報知する報知部、をさらに備える、ことが好ましい。
【0020】
また、本開示の第2の側面である画像形成装置において、前記判別装置は、前記垂直位置検知部と対向し、前記支持部材により支持される前記記録媒体の裏面の法線方向の位置を検知する裏面側垂直位置検知部、をさらに備え、前記判別部は、前記垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の表面の法線方向の位置と、前記裏面側垂直位置検知部により検知された前記記録媒体の裏面の法線方向の位置と、に基づき、前記記録媒体の厚みを求める、ことが好ましい。
【0021】
また、本開示の第2の側面である画像形成装置において、前記判別装置と通信可能な通信部、をさらに備える、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本開示の第1及び第2の側面によれば、記録媒体が多様化しても、コストを抑制しつつ、記録媒体Pの紙種の判別精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示を適用した実施形態1に係る判別装置1の概略構成例を示す図である。
【
図2】本開示を適用した実施形態1に係る判別装置1の機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】本開示を適用した実施形態1に係る記録媒体Pの紙種の判別を実行するか否かを垂直位置検知部12の検知結果に応じて決定する一例を示す図である。
【
図4】本開示を適用した実施形態1に係る光学検知部11、垂直位置検知部12、及び水平位置検知部13を上から俯瞰した一例を示す図である。
【
図5】本開示を適用した実施形態1に係る垂直位置検知部12が誤検知する記録媒体Pの形状の一例を示す図である。
【
図6】本開示を適用した実施形態1に係る光学検知部11の周囲に垂直位置検知部12_1~12_3が配置された一例を示す図である。
【
図7】本開示を適用した実施形態1に係る記録媒体Pの表面を光学検知部11に当接させるのを補助する凹み部51の一例を示す図である。
【
図8】本開示を適用した実施形態1に係る記録媒体Pの厚みを誤検知する構成例を示す図である。
【
図9】本開示を適用した実施形態1に係る記録媒体Pの厚みを検知する構成例を示す図である。
【
図10】本開示を適用した実施形態1に係る水平位置を複数箇所で検知する構成例を示す図である。
【
図11】本開示を適用した実施形態1に係る判別装置1の制御例を説明するフローチャートである。
【
図12】本開示を適用した実施形態2に係る画像形成装置200の概略構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限られるものではない。
【0025】
実施形態1.
図1は、本開示を適用した実施形態1に係る判別装置1の概略構成例を示す図である。
図2は、本開示を適用した実施形態1に係る判別装置1の機能構成例を示すブロック図である。判別装置1は、光学検知部11、支持部材21、垂直位置検知部12、判別部32を備える。光学検知部11は、記録媒体Pに照射した拡散光の光量を検知する。光学検知部11は、例えば、フォトダイオード及びLEDから構成される。LEDは、拡散光を記録媒体Pに照射する。フォトダイオードは、LEDにより記録媒体Pに照射された拡散光の光量を検知する。支持部材21は、記録媒体Pの表面の法線方向の基準位置Xで記録媒体Pを支持する。垂直位置検知部12は、例えば、フォトインタラプター、アクチュエーター、及びエンコーダーから構成される。アクチュエーターは記録媒体Pの接触度合いに応じて動くので、アクチュエーターの動きをフォトインタラプターで検知し、フォトインタラプターの検知結果をエンコーダーでパルス変換することにより、アクチュエーターの初期状態からの移動量が算出される。よって、垂直位置検知部12は、記録媒体Pの表面の法線方向の位置が検知可能となる。つまり、垂直位置検知部12は、支持部材21により支持される記録媒体Pの表面の法線方向の位置を検知する。判別部32は、垂直位置検知部12により検知された記録媒体Pの表面の法線方向の位置に応じて、光学検知部11により検知される光量に基づき、記録媒体Pの紙種を判別する。なお、判別部32の詳細については後述する。
【0026】
判別装置1は、第1の筐体3と、第2の筐体4と、保持部材5とをさらに備える。第1の筐体3は、光学検知部11と、垂直位置検知部12とを収容する。第1の筐体3は、第1の平面6が設けられている。第1の平面6は、基準位置Xを含んだものとなっている。第2の筐体4は、支持部材21を収容する。第2の筐体4は、第2の平面7が設けられている。第2の平面7は、第1の平面6と対向する。保持部材5は、第1の平面6と、第2の平面7とを一定の間隔を空けて保持する。よって、判別装置1は、第1の平面6と、第2の平面7との間に記録媒体Pが挿入されたとき、記録媒体Pの紙種を判別する。判別装置1は、付勢部材22をさらに備える。付勢部材22は、基準位置Xに支持部材21を付勢する。支持部材21は、具体的には、付勢部材22により付勢されている間、記録媒体Pの厚みに応じて、記録媒体Pの表面の法線方向に揺動自在である。付勢部材22は、弾性部材から構成されるものであって、付勢力は、最も剛度の弱い記録媒体Pであっても座屈しないように調整されている。付勢部材22は、第2の筐体4に収容される。判別装置1は、水平位置検知部13をさらに備える。水平位置検知部13は、例えば、反射型フォトセンサーから構成される。よって、判別装置1に記録媒体Pが挿入されたとき、記録媒体Pの水平位置が水平位置検知部13により検知可能である。なお、水平位置検知部13は、第1の筐体3に収容される。判別装置1は、制御部31と、報知部33とをさらに備える。制御部31は、CPU、ROM、RAM、メモリ、及びI/Oインターフェースを備え、ハードウェアプロセッサとして機能するものである。報知部33は、例えば、LEDランプ等から構成され、LEDランプの点灯制御、点滅制御、又は色制御等により、さまざまな報知を行うことができる。例えば、報知部33は、光学検知部11により光量が検知されなかった場合、エラー状態である旨又は光量の再検知を促す旨を報知する。なお、電源スイッチ9が、第1の筐体3に設けられている。
【0027】
次に、判別部32の機能について
図3~12を用いて具体的に説明する。
図3は、本開示を適用した実施形態1に係る記録媒体Pの紙種の判別を実行するか否かを垂直位置検知部12の検知結果に応じて決定する一例を示す図である。判別部32は、垂直位置検知部12により検知された記録媒体Pの表面の法線方向の位置が、許容範囲内にある場合、記録媒体Pの紙種を判別する。例えば、
図3(A)の一例では、光量を正しく検知できるが、
図3(B)の一例では、光量を正しく検知できない。
【0028】
図4は、本開示を適用した実施形態1に係る光学検知部11、垂直位置検知部12、及び水平位置検知部13を上から俯瞰した一例を示す図である。
図4の一例では、光学検知部11と、垂直位置検知部12とが隣接配置されている。ところが、垂直位置検知部12が誤検知する場合がある。
図5は、本開示を適用した実施形態1に係る垂直位置検知部12が誤検知する記録媒体Pの形状の一例を示す図である。
図5の一例では、垂直位置検知部12は、記録媒体Pの表面の法線方向の位置が、許容範囲内にあると検知する。実際には、記録媒体Pは、光学検知部11から離れているため、光量は正確に検知されない。よて、このような状態が想定される場合には、垂直位置検知部12は、光学検知部11の周囲に複数配置されている構成とする。
図6は、本開示を適用した実施形態1に係る光学検知部11の周囲に垂直位置検知部12_1~12_3が配置された一例を示す図である。このような配置構成であれば、垂直位置検知部12_1~12_3の検知結果を考慮できるので、記録媒体Pの表面の法線方向の位置の誤検知を回避できる。なお、垂直位置検知部12_1~12_3の何れかを特に区別しない場合、垂直位置検知部12と称する。
【0029】
なお、記録媒体Pの剛性によっては、記録媒体Pを判別装置1に挿入しても光学検知部11から離れてしまう状態が想定される。このような状態が想定される場合、保持部材5は、一部が第2の平面7の側に凹んでいる構成とする。
図7は、本開示を適用した実施形態1に係る記録媒体Pの表面を光学検知部11に当接させるのを補助する凹み部51の一例を示す図である。
図7に示すように、保持部材5には、凹み部51が設けられているため、剛性の高い記録媒体Pであっても、記録媒体Pが凹み部51により記録媒体Pの表面の法線方向、すなわち、+Z軸方向に押し上げられる。
【0030】
図8は、本開示を適用した実施形態1に係る記録媒体Pの厚みを誤検知する構成例を示す図である。
図9は、本開示を適用した実施形態1に係る記録媒体Pの厚みを検知する構成例を示す図である。
図8の一例では、裏面側垂直位置検知部12_Lが垂直位置検知部12_Uと対向していない。よって、光学検知部11で許可している許容範囲分の記録媒体Pの厚み誤差が上乗せされる恐れがある。このような状態が想定される場合、裏面側垂直位置検知部12_Lは、
図9に示すように、垂直位置検知部12_Uと対向し、支持部材21により支持される記録媒体Pの裏面の法線方向の位置を検知する構成とする。このような構成を前提として、判別部32は、垂直位置検知部12_Uにより検知された記録媒体Pの表面の法線方向と、裏面側垂直位置検知部12_Lにより検知された記録媒体Pの裏面の法線方向と、に基づき、記録媒体Pの厚みを求める。
【0031】
図10は、本開示を適用した実施形態1に係る水平位置を複数箇所で検知する構成例を示す図である。
図10の一例では、水平位置検知部13_1と、水平位置検知部13_2とが設けられている。水平位置検知部13_1と、水平位置検知部13_2とを区別しない場合、水平位置検知部13と称する。例えば、それぞれの水平位置検知部13の検知開始をトリガーに光量の検知を複数回行ってもよい。また、水平位置検知部13_1により記録媒体Pの第1の水平位置が検知されてからタイマー値で繰り返し光量を検知し、水平位置検知部13_2により記録媒体Pの第2の水平位置が検知されるまで継続して光量を検知してもよい。このように、複数回、複数箇所で光量を検知することで、光量の検知結果の平均値等を求めることができるので、記録媒体P内の光量のバラツキを抑えることができ、その結果、検知誤差を抑制することができる。つまり、判別部32は、水平位置検知部13により検知された記録媒体Pの水平方向の位置が、光学検知部11による光量の検知開始位置にある場合、記録媒体Pの紙種を判別する。
【0032】
図11は、本開示を適用した実施形態1に係る判別装置1の制御例を説明するフローチャートである。ステップS11において、制御部31は、電源が投入されたか否かを判定する。制御部31は、電源が投入されたと判定する場合(ステップS11;Y)、ステップS12の処理に移行する。制御部31は、電源が投入されないと判定する場合(ステップS11;N)、ステップS11の処理を継続する。ステップS12において、制御部31は、初期化を実行する。例えば、RAMに記憶されている各種データを初期化する。ステップS13において、制御部31は、第1の水平位置が検知されたか否かを判定する。制御部31は、第1の水平位置が検知されたと判定する場合(ステップS13;Y)、ステップS14の処理に移行する。制御部31は、第1の水平位置が検知されないと判定する場合(ステップS13;N)、ステップS13の処理を継続する。ステップS14において、制御部31は、垂直位置が許容範囲であるか否かを判定する。制御部31は、垂直位置が許容範囲であると判定する場合(ステップS14;Y)、ステップS15の処理に移行する。制御部31は、垂直位置が許容範囲でないと判定する場合(ステップS14;N)、ステップS14の処理を継続する。ステップS15において、制御部31は、光学検知部11に検知を行わせる。すなわち、制御部31は、光学検知部11により光量を検知させる。ステップS16において、制御部31は、第2の水平位置が検知されたか否かを判定する。制御部31は、第2の水平位置が検知されたと判定する場合(ステップS16;Y)、ステップS17の処理に移行する。制御部31は、第2の水平位置が検知されないと判定する場合(ステップS16;N)、ステップS14の処理に戻る。ステップS17において、制御部31は、報知部33に報知を行わせ、処理を終了する。
【0033】
以上の説明から、本実施形態によれば、支持部材21が基準位置Xで記録媒体Pを支持し、垂直位置検知部12が記録媒体Pの表面の法線方向の位置を検知することを前提として、垂直位置検知部12により検知された記録媒体Pの表面の法線方向の位置に応じて、光学検知部11により検知される光量に基づき、記録媒体Pの紙種が判別される。光学検知部11は、光学系から構成されるので簡易な構成で記録媒体Pの紙種の判別が可能となり、非破壊且つ低コストで実現できるものである。また、支持部材21により基準位置Xで支持していれば、基準位置Xからの記録媒体Pのずれを抑えることができるので、光学検知部11により検知される光量の検知結果のバラツキを抑えることができる。さらに、記録媒体Pの表面の法線方向の位置に応じて、光学検知部11により検知される光量に基づき、記録媒体Pの紙種を判別するので、光学検知部11により検知される光量の検知結果が誤検知された場合を排除することができる。したがって、記録媒体Pが多様化しても、コストを抑制しつつ、記録媒体Pの紙種の判別精度を向上させることができる。なお、多様な記録媒体Pに対応できるので、対応可能な剛度のダイナミックレンジを広くすることができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、支持部材21は、付勢部材22により付勢されている間、記録媒体Pの厚みに応じて、記録媒体Pの表面の法線方向に揺動自在である。よって、記録媒体Pの厚みにより記録媒体Pが基準位置Xから離れそうになったとしても、付勢部材22により支持部材21が付勢されているので、記録媒体Pを常に基準位置Xに保持することができる。したがって、記録媒体Pが多様化しても、光学検知部11により検知される光量の検知結果のバラツキを抑えることができるので、記録媒体Pの紙種の判別精度を特に顕著に向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、垂直位置検知部12により検知された記録媒体Pの表面の法線方向の位置が、許容範囲内にある場合、記録媒体Pの紙種が判別される。従来の構成であれば、記録媒体Pの表面の法線方向の位置を考慮せずに、光学検知部11により検知される光量を検知していた。つまり、従来技術は、実際には記録媒体Pが基準位置Xから離れていたとしても、記録媒体Pが基準位置Xにあることを前提にして記録媒体Pに照射した拡散光の光量を検知していたため、記録媒体Pに照射した拡散光の光量は想定される光量とは異なるものとなっている恐れがあった。記録媒体Pに照射した拡散光の光量が想定される光量と異なれば記録媒体Pの紙種の判別精度にも影響する。一方、本実施形態においては、記録媒体Pの表面の法線方向の正確な位置がわかるので、記録媒体Pの法線方向の位置が許容範囲内にあるか否かがわかる。よって、記録媒体Pの法線方向の位置が許容範囲外であれば、光学検知部11により検知される光量の検知結果を採用しない処理もできるので、結果として、光学検知部11により検知される光量の検知結果は、バラツキの小さいものだけ利用することができる。よって、光学検知部11により検知される光量の検知結果の検知精度を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、水平位置検知部13により検知された記録媒体Pの水平方向の位置が、光学検知部11による光量の検知開始位置にある場合、記録媒体Pの紙種が判別される。よって、記録媒体Pが、光学検知部11による光量の検知開始位置にない場合、光学検知部11により光量が検知されることは要求されず、光学検知部11により光量が検知されたとしても光学検知部11の検知結果は記録媒体Pの紙種の判別に利用されることはないため、検知誤差が大きくなるときの光学検知部11により検知される光量の検知結果を除外することができる。したがって、光学検知部11により検知される光量の検知誤差を特に顕著に抑えることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、光学検知部11により光量が検知されなかった場合、エラー状態である旨又は光量の再検知を促す旨が報知される。よって、記録媒体Pの紙種が正しく判別されるまで、ユーザーに対応を促すことができる。したがって、ユーザーは記録媒体Pの変形等を確認させることができるので、ユーザーにより記録媒体Pを判別装置1に再度挿入させることにより、光学検知部11による光量の検知が確実に実行され、記録媒体Pの紙種の正しい判別が可能となる。
【0038】
また、本実施形態によれば、垂直位置検知部12が光学検知部11の周囲に複数配置されているので、記録媒体Pの形状が光学検知部11の検知範囲外である場合を確実に検知できる。よって、光学検知部11の誤検知の可能性を限りなく抑制できる。例えば、垂直位置検知部12が1個だった場合、垂直位置検知部12で検知した記録媒体Pの表面の法線方向の位置が光学検知部11の検知範囲内に相当する距離であっても、光学検知部11と対向する位置にある記録媒体Pの表面の法線方向の位置が光学検知部11の検知範囲外に相当する距離にある可能性がある。つまり、実際に光学検知部11が検知可能な高さ方向の位置よりも離れた位置に記録媒体Pが存在している可能性がある。また、垂直位置検知部12が2個だった場合、垂直位置検知部12が1個だった場合と比べ、2箇所で記録媒体Pの表面の法線方向の位置を検知するため、光学検知部11の誤検知を抑制できる。垂直位置検知部12が3個だった場合、光学検知部11の周囲に垂直位置検知部12が3個配置されるため、垂直位置検知部12を光学検知部11の周囲に囲んで配置させることが可能となる。よって、光学検知部11の誤検知の可能性を限りなく抑制できる。
【0039】
また、本実施形態によれば、保持部材5は、一部が第2の平面7の側に凹んでいる。記録媒体Pは、剛性が低ければ、支持部材21により基準位置Xで支持される。記録媒体Pは、剛性が高ければ、基準位置Xから浮いた状態となる恐れがある。そこで、保持部材5の一部が第2の平面7の側に凹んでいれば、記録媒体Pは、第1の平面6と、第2の平面7との間に挿入された場合、凹んでいる箇所に一部が挿入されるので、他の一部が自身の剛性により第1の平面6の側に押し上げられることになる。この結果、記録媒体Pを基準位置Xに合わせることができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、垂直位置検知部12_Uにより検知された記録媒体Pの表面の法線方向の位置と、裏面側垂直位置検知部12_Lにより検知された記録媒体Pの裏面の法線方向の位置と、に基づき、記録媒体Pの厚みが求められる。裏面側垂直位置検知部12_Lは、垂直位置検知部12_Uと対向する位置に配置されている。よって、記録媒体Pが垂直位置検知部12_Uと裏面側垂直位置検知部12_Lとの間にある場合には記録媒体Pの表面の法線方向の位置と裏面の法線方向の位置とを同時に検知可能である。一方、記録媒体Pが垂直位置検知部12_Uと裏面側垂直位置検知部12_Lとの間にない場合には、垂直位置検知部12_Uと、裏面側垂直位置検知部12_Lとのそれぞれの初期値を求めることができる。したがって、記録媒体Pの厚みを精度良く検知することができる。
【0041】
実施形態2.
実施形態2において、実施形態1と同様の構成又は機能については同一の符号を使用し、その説明については省略する。実施形態2は、実施形態1に係る判別装置1が他の装置に接続されて使用される一例について
図12を用いて説明する。
図12は、本開示を適用した実施形態2に係る画像形成装置200の概略構成例を示す図である。画像形成装置200は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像を形成する装置である。画像形成装置200は、YMCKの4色に対応する感光ドラムを中間転写ベルトの走行方向、すなわち鉛直方向に直列配置し、中間転写ベルトに一回の手順で各色トナー像を順次転写させる縦型タンデム方式が採用されている。すなわち、画像形成装置200は、感光ドラム上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルトに一次転写し、中間転写ベルト上で4色のトナー像を重ね合わせた後、記録媒体Pに二次転写することにより、画像を形成する。
【0042】
画像形成装置200は、画像読取部210、操作表示部220、画像処理部230、画像形成部240、用紙搬送部250、定着部260、及び制御部301を備える。画像読取部210は、自動原稿給送装置211及び原稿画像走査装置212等を備える。自動原稿給送装置211は、ADF(Auto Document Feeder)と称されている。自動原稿給送装置211は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送し、原稿画像走査装置212に送り出す。自動原稿給送装置211は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿の画像を連続して読み取ることができる。なお、自動原稿給送装置211は、多数枚の原稿の画像を連続して読み取るとき、用紙反転機構により、それぞれの原稿の両面を読み取ることができる。原稿画像走査装置212は、自動原稿給送装置211からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査する。原稿画像走査装置212は、光学的な走査による原稿からの反射光をCCDセンサーの受光面上に結像させることにより、原稿に形成されている原稿画像を読み取る。画像読取部210は、原稿画像走査装置212による読取結果に基づき、原稿画像の入力画像データを生成する。入力画像データは、画像処理部230に供給され、画像処理部230が予め設定された画像処理を実行する。操作表示部220は、例えば、タッチパネル付きの液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で実現され、表示部221及び操作部222として機能する。表示部221は、制御部301から入力される表示制御信号に従い、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部222は、テンキー及びスタートキー等の各種操作キーを備える。操作部222は、ユーザーによる各種入力操作を受け付けることにより、操作信号を生成する。操作信号は、制御部301に出力される。なお、制御部301は、CPU、ROM、RAM、メモリ、及びI/Oインターフェースを備え、ハードウェアプロセッサとして機能するものである。
【0043】
画像処理部230は、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を入力画像データに行う回路を備える。画像処理部230は、例えば、制御部301の制御下において、階調補正データが設定されている階調補正テーブルに基づき、入力画像データに階調補正を行う。画像処理部230は、階調補正の他に、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理及び圧縮処理等を入力画像データに行う。このような各種デジタル画像処理が行われた入力画像データに基づき、画像形成部240は各種処理を行う。画像形成部240は、入力画像データに基づき、Y成分、M成分、C成分、及びK成分の各有色トナーによる画像を形成する。画像形成部240は、感光ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び中間転写装置を備える。帯電装置のコロナ放電により、感光ドラムの表面は一様に帯電される。露光装置が各色成分の画像に対応するレーザー光を感光ドラムに照射することにより、感光ドラムの表面に各色成分の静電潜像が形成される。現像装置が感光ドラムの表面に各色成分のトナーを供給させることにより、静電潜像は可視化されてトナー像が形成される。トナー像は、中間転写装置により記録媒体Pに転写される。定着部260は、記録媒体Pに転写されたトナー像を加熱及び加圧することにより、記録媒体Pにトナー像を定着させる。用紙搬送部250は、給紙部251、排紙部252、及び搬送経路部253等を備える。給紙部251は、記録媒体Pの坪量及びサイズ等に基づいて予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部253は、給紙部251に収容されている記録媒体P又は表裏の何れか一方に画像が形成された記録媒体Pを搬送する。なお、排紙部252は、画像が形成された記録媒体Pを機外に排出する。
【0044】
画像形成装置200は、さらに通信部302を備える。通信部302は、判別装置1と通信可能なものであって、画像形成装置200と、判別装置1との通信インターフェースとして機能する。また、制御部301は、CPUがプログラムを実行することにより判別部32の機能を実現することができる。つまり、制御部301は、予め設定された各種プログラムを実行することで、判別部32の機能が構成される。この場合、判別装置1が備える判別部32ではなく、制御部301がプログラムの実行により動的に実現される判別部32の機能を用いてもよい。具体的には、制御部301が実現する判別部32の機能は、光学検知部11により検知される光量に基づき、記録媒体Pの紙種を判別するものである。よって、画像形成部240は、判別部32の機能により判別された記録媒体Pの紙種に応じて、記録媒体Pに画像を形成する。したがって、制御部301は、判別された記録媒体Pの紙種を判別し、適切な給紙、搬送条件から転写や定着の条件を変更することができる。つまり、記録媒体Pを測定した物性値から適切な画像形成条件を設定することができる。換言すれば、画像形成部240は、判別した紙種に基づき、現像条件、転写条件、及び定着条件を決定し、決定結果に応じて画像を記録媒体Pに形成する。よって、記録媒体Pが多様化したとしても、最適な各種条件に応じて画像を記録媒体Pに形成できる。したがって、高品質な画像を記録媒体Pに形成することができる。なお、画像形成装置200は、例えば、通信ケーブル401で判別装置1と接続されることにより判別装置1と通信可能になるため、報知部33で報知する内容を表示部221に報知させることも可能である。表示部221は、GUIで構成されるため、例えば、メッセージ等を表示させることによりユーザーに対応を促すことも可能である。
【0045】
以上の説明から、本実施形態によれば、通信部302により判別装置1と通信可能となるため、判別装置1における各種検知結果により記録媒体Pの紙種の判別を画像形成装置200側で実行することができる。画像形成装置200は、メモリ容量が判別装置1よりも大きいため、記録媒体Pの紙種の判別に必要な各種テーブルで保持するデータ量を増やすことができる。さらに、判別装置1よりも処理速度の速いハードウェアプロセッサが搭載されている。よって、より多様な記録媒体Pの紙種の判別を高速で処理できると共に、記録媒体Pの判別から記録媒体Pに応じた画像形成処理までの一連の処理を実行することができる。
【0046】
以上、本開示を適用した判別装置1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0047】
例えば、本実施形態においては、光学検知部11により光量を検知する一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、二次元センサーにより記録媒体Pの表面を画像判定してもよい。この場合、二次元センサーの被写界深度が狭かったとしても、記録媒体Pの表面の法線方向に応じて、すなわち、記録媒体Pの表面の法線方向の位置が、許容範囲内にある場合、記録媒体Pの紙種が判別されるため、誤検知結果を利用しないことにより誤検知を回避することができる。
【0048】
また、本実施形態においては、報知部33がLEDランプから構成される一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、7セグメントディスプレイから構成されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 判別装置、3 第1の筐体、4 第2の筐体、5 保持部材、51 凹み部
6 第1の平面、7 第2の平面、9 電源スイッチ、11 光学検知部
12,12_1~12_3,12_U 垂直位置検知部、
12_L 裏面側垂直位置検知部
13,13_1,13_2 水平位置検知部、21 支持部材
22 付勢部材、31 制御部、32 判別部、33 報知部
200 画像形成装置、210 画像読取部、211 自動原稿給送装置
212 原稿画像走査装置、220 操作表示部、221 表示部、222 操作部
230 画像処理部、240 画像形成部、250 用紙搬送部、251 給紙部
252 排紙部、253 搬送経路部、260 定着部
301 制御部、302 通信部、401 通信ケーブル
P 記録媒体、X 基準位置