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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】トルク測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
G01L3/10 301Z
G01L3/10 305
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018114125
(22)【出願日】2018-06-15
(65)【公開番号】P2019219169
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】特許業務法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 晃大
(72)【発明者】
【氏名】小野 潤司
(72)【発明者】
【氏名】豊田 俊郎
(72)【発明者】
【氏名】岡田 伸治
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-052994(JP,A)
【文献】特開2005-321291(JP,A)
【文献】特開平03-081631(JP,A)
【文献】特開2000-314666(JP,A)
【文献】特開2015-219118(JP,A)
【文献】特開平07-225163(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0137054(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0232377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/00-3/26,5/00
G01D 5/00-5/252,5/39-5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時にトルクを伝達し、伝達するトルクに応じて透磁率が変化する磁歪効果部を有する回転軸と、
前記磁歪効果部に近接配置された状態で、使用時にも回転しない部分に支持され、自身の検出部を通過しかつ前記磁歪効果部の透磁率によって変化する磁束に応じて出力信号を変化させる磁歪センサと、
それぞれの被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させ、前記回転軸に対して直接又は他の部材を介して支持された1対のエンコーダと、
前記エンコーダのそれぞれの被検出面に検出部を対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持された1対の磁気センサと、
前記磁歪センサの出力信号に基づいて前記回転軸が伝達するトルクを求める第一の機能と、前記1対の磁気センサの出力信号同士の間の位相差に基づいて前記回転軸が伝達するトルクを求める第二の機能を有する、演算器と、
を備えたトルク測定装置。
【請求項2】
前記演算器は、前記回転軸の回転速度に応じて、前記第一の機能により求めた値と前記第二の機能により求めた値との何れか一方を選択し、前記回転軸が伝達するトルクの値とする、請求項1に記載したトルク測定装置。
【請求項3】
前記演算器は、前記回転軸の回転速度が0から所定値N以下の間は、前記第一の機能により求めた値を前記回転軸が伝達するトルクの値とし、前記回転軸の回転速度が前記所定値Nよりも大きい場合に、前記第二の機能により求めた値を前記回転軸が伝達するトルクの値とする、請求項2に記載したトルク測定装置。
【請求項4】
前記演算器は、第三の機能として、前記回転軸の回転速度が所定の速度域にある場合に、前記第一の機能により求めた値と前記第二の機能により求めた値との両方を利用して、前記回転軸が伝達するトルクを求める機能を有する、請求項1に記載したトルク測定装置。
【請求項5】
前記演算器は、前記回転軸の回転速度が0から所定値N1までの速度域では、前記第一の機能により求めた値を前記回転軸が伝達するトルクの値とし、前記回転軸の回転速度が前記所定値N1から所定値N2までの速度域では、前記第三の機能により求めた値を前記回転軸が伝達するトルクの値とし、前記回転軸の回転速度が前記所定値N2よりも大きい速度域では、前記第二の機能により求めた値を前記回転軸が伝達するトルクの値とする、請求項4に記載したトルク測定装置。
【請求項6】
前記演算器が有する前記第三の機能は、前記第一の機能により求めた値と前記第二の機能により求めた値との算術平均の値を、前記回転軸が伝達するトルクの値とするものである、請求項4~5のうちのいずれか1項に記載したトルク測定装置。
【請求項7】
前記演算器が有する前記第三の機能は、前記第一の機能により求めた値と前記第二の機能により求めた値とを前記回転軸の回転速度に応じてそれぞれ重み付けした加重平均値を、前記回転軸が伝達するトルクの値とするものである、請求項4~5のうちのいずれか1項に記載したトルク測定装置。
【請求項8】
前記第一の機能により求めた値を前記回転軸の回転速度が小さいほど大きく重み付けし、前記第二の機能により求めた値を前記回転軸の回転速度が大きいほど大きく重み付けする、請求項7に記載したトルク測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用自動変速機に組み込んで、トルクを伝達するとともに、伝達するトルクの大きさを測定するために利用する、トルク測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の高効率化、低燃費化を進めるべく、エンジンの最適な出力制御(ハイブリッド自動車におけるモータと同調した出力制御を含む)を行うために、エンジンの出力トルクの大きさを測定することが求められている。エンジンの出力トルクの大きさを測定する方法としては、例えば、エンジンの下流側に存在する何れかの回転軸によって伝達されるトルクの大きさを測定することが考えられる。
【0003】
一方、回転軸が伝達しているトルクを測定する方法としては、従来からパルス位相差式の測定方法と磁歪式の測定方法が知られている。
【0004】
パルス位相差式の測定方法は、例えば特開昭63-82330号公報に記載されているように、回転軸の軸方向に離隔した2個所位置に1対のエンコーダを固定し、エンコーダのそれぞれの被検出面に磁気センサの検出部を対向させる。エンコーダの被検出面の特性は、円周方向に関して交互にかつ等ピッチで変化している。このため、1対の磁気センサの出力信号は、回転軸とともに1対のエンコーダが回転することに伴いそれぞれ周期的に変化する。また、回転軸にトルクが加わることで、回転軸に弾性的な捩れ変形が生じると、1対の磁気センサの出力信号同士の位相差が変化する。この位相差は、トルク(回転軸の弾性的な捩れ変形量)に見合った値をとるため、この関係を利用して、回転軸が伝達しているトルクを求めることができる。
【0005】
磁歪式の測定方法は、例えば特開昭59-61730号公報に記載されているように、回転軸の外周面に磁歪材を設けるとともに、磁歪材の近傍に磁歪材の透磁率の変化を検出するための磁歪センサを配置する。回転軸にトルクが加わり、磁歪材に弾性的な捩れ変形が生じると、逆磁歪効果に基づいて磁歪材に透磁率の変化が生じる。これにより、磁歪センサの出力信号が、磁歪材の透磁率の変化に応じて変化するため、回転軸が伝達しているトルクを求めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭63-82330号公報
【文献】特開昭59-61730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
回転軸が伝達するトルクを求めるために、パルス位相差式の測定方法を利用する場合、回転軸の回転速度が0min-1(rpm)である、換言すれば、回転軸が停止している条件下では、磁気センサの出力信号にパルスが発生しないため、回転軸に加わるトルクを測定することができなくなる。また、トルクの測定周波数は、パルスの発生周波数に制限されるため、回転軸の回転速度が低速である場合には、トルクを精度良く測定することが難しくなる。
【0008】
これに対し、回転軸が伝達するトルクを求めるために、磁歪式の測定方法を利用する場合、磁歪センサの出力信号は、ロックインアンプ回路を通過して出力されるが、このロックインアンプ回路内には、ローパスフィルタが設けられている。このため、磁歪式の測定方法は、応答性が低下しやすく、出力信号に時間的な遅れが生じやすくなる。
【0009】
本発明は、上述のような事情に鑑み、回転軸が停止している状態から高速回転している状態までの広い範囲で安定してトルクを測定できる、トルク測定装置の構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のトルク測定装置は、回転軸と、磁歪センサと、1対のエンコーダと、1対の磁気センサと、演算器を備えている。
前記回転軸は、使用時にトルクを伝達するものであり、伝達するトルクに応じて透磁率が変化する磁歪効果部を有している。
前記磁歪センサは、前記磁歪効果部に近接配置された状態で、使用時にも回転しない部分に支持されており、自身の検出部を通過しかつ前記磁歪効果部の透磁率によって変化する磁束に応じて出力信号を変化させるものである。
前記1対のエンコーダは、前記回転軸に対して直接又は他の部材を介して支持されており、それぞれの被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させている。
前記1対の磁気センサは、使用時にも回転しない部分に支持されており、前記エンコーダのそれぞれの被検出面に検出部を対向させている。
前記演算器は、前記磁歪センサの出力信号に基づいて前記回転軸が伝達するトルクを求める第一の機能と、前記1対の磁気センサの出力信号同士の位相差に基づいて前記回転軸が伝達するトルクを求める第二の機能を有している。
【0011】
本発明では、前記演算器を、前記回転軸の回転速度に応じて、前記第一の機能により求めた値と前記第二の機能により求めた値との何れか一方を選択し、前記回転軸が伝達するトルクの値とするものとすることができる。
【0012】
本発明では、前記演算器を、前記回転軸の回転速度が0min-1から所定値N以下の間は、前記第一の機能により求めた値を前記回転軸が伝達するトルクの値とし、前記回転軸の回転速度が前記所定値Nよりも大きい場合には、前記第二の機能により求めた値を前記回転軸が伝達するトルクの値とするものとすることができる。
【0013】
本発明では、前記演算器を、第三の機能として、前記回転軸の回転速度が所定の速度域にある場合に、前記第一の機能により求めた値と前記第二の機能により求めた値との両方を利用して、前記回転軸が伝達するトルクを求める機能を有するものとすることができる。
この場合には、前記演算器を、前記トルク伝達軸の回転速度が0min-1から所定値N1までの速度域(低速域、極低速域)では、前記第一の機能により求めた値を、前記回転軸が伝達するトルクの値とし、前記回転軸の回転速度が前記所定値N1から所定値N2までの速度域(中速域)では、前記第三の機能により求めた値を、前記回転軸が伝達するトルクの値とし、前記回転軸の回転速度が前記所定値N2よりも大きい速度域(高速域)では、前記第二の機能により求めた値を、前記回転軸が伝達するトルクの値とするものとすることができる。
【0014】
本発明では、前記第三の機能を、前記第一の機能により求めた値と前記第二の機能により求めた値との算術平均(相加平均)の値を、前記回転軸が伝達するトルクの値とするものとすることができる。
あるいは、前記第三の機能を、前記第一の機能により求めた値と前記第二の機能により求めた値とを前記回転軸の回転速度に応じてそれぞれ重み付けした加重平均値を、前記回転軸が伝達するトルクの値とするものとすることができる。
この場合には、前記第一の機能により求めた値を前記回転軸の回転速度が小さいほど大きく重み付けし、前記第二の機能により求めた値を前記回転軸の回転速度が大きいほど大きく重み付けすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のトルク測定装置によれば、回転軸が停止している状態から高速回転している状態までの広い範囲で、安定してトルクを測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施の形態の第1例にかかるトルク測定装置を示す断面図である。
図2図2は、実施の形態の第1例に関して、回転速度と演算器が採用するトルクの算出方法との関係を示す図である。
図3図3は、実施の形態の第2例に関する、図2と同様の図である。
図4図4は、実施の形態の第3例に関する、図2と同様の図である。
図5図5は、実施の形態の第4例を示す、演算器が算出する相乗平均値及び算術平均値(加重平均値)とトルクの実測値との関係を示す、模式図である。
図6図6は、実施の形態の第5例にかかるトルク測定装置の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1及び図2を用いて説明する。本例のトルク測定装置1は、回転軸2と、1対のエンコーダ3a、3bと、1対の磁気センサ(ホールセンサ、MRセンサ)4a、4bと、1個の磁歪センサ5と、演算器6を備えている。
【0018】
回転軸2は、全体が中空筒状に構成されており、内径が軸方向にわたり一定である。また、回転軸2は、軸方向中間部に、軸方向両側に隣接する部分よりも外径が小さく剛性の低い小径軸部7を有している。回転軸2のうちで、小径軸部7を挟んだ軸方向両側部には、1対の歯車8a、8bが、スプライン係合などにより、回転軸2と同期した回転を可能に支持されている。
【0019】
本例では、回転軸2を構成する小径軸部7を磁歪効果部として機能させる。このため、回転軸2を磁性金属製としている。磁性金属としては、例えば、JISに規定されている、SCr420、SCM420などの浸炭鋼、S45Cなどの炭素鋼といった各種磁性鋼を使用することができる。回転軸2にトルクが加わり、小径軸部7に捩れ変形が生じると、小径軸部7にトルクに応じた応力(軸方向に対して45゜方向の引っ張り応力、及び、これと直交する方向の圧縮応力)が作用することに伴って、逆磁歪効果により、小径軸部7の各方向の透磁率がそれぞれ変化する。
なお、小径軸部7それ自体を磁歪効果部として機能させずに、小径軸部7の外周面に、磁歪効果部として機能する、回転軸2とは別体の磁歪材を固定することもできる。この場合には、円環状に構成した磁歪材を小径軸部7に外嵌固定することもできるし、めっきなどの被膜やフィルム状の磁歪材を小径軸部7の外周面に固定することもできる。
【0020】
回転軸2の軸方向両端部は、使用時にも回転しない部分であるケーシング(ハウジング)9に対して、1対の転がり軸受10a、10bを介して回転自在に支持されている。1対の転がり軸受10a、10bのうち、一方(図1の左方)の第1の転がり軸受10aは、内輪11aを回転軸2の軸方向片端部(図1の左端部)に外嵌固定し、外輪12aをケーシング9に内嵌固定している。これに対し、1対の転がり軸受10a、10bのうち、他方(図1の右方)の第2の転がり軸受10bは、内輪11bを回転軸2の軸方向他端部(図1の右端部)に外嵌固定し、外輪12bをケーシング9に内嵌固定している。
【0021】
図示の例では、転がり軸受10a、10bとして、転動体が玉である玉軸受を使用しているが、転動体としてころや円すいころを使用した円筒ころ軸受や円すいころ軸受などの転がり軸受を使用することもできる。
【0022】
1対のエンコーダ3a、3bはそれぞれ、磁性ゴム又は磁性樹脂により構成されている。1対のエンコーダ3a、3bのうち、一方の第1のエンコーダ3aは、被検出面である外周面に、N極とS極とが円周方向に関して交互にかつ等間隔に配置されている。また、1対のエンコーダ3a、3bのうち、他方の第2のエンコーダ3bは、被検出面である外周面に、N極とS極とが円周方向に関して交互にかつ等間隔に配置されている。なお、第1のエンコーダ3aの1回転当たりの被検出面の磁気特性変化の回数(極数(N極及びS極の総数))は、第2のエンコーダ3bの1回転当たりの被検出面の磁気特性変化の回数と同じでも良いし、互いに異なっていても良い。
【0023】
第1のエンコーダ3aは、使用時に回転軸2と同期して回転する部材である、第1の転がり軸受10aの内輪11aに支持固定されている。これに対し、第2のエンコーダ3bは、使用時に回転軸2と同期して回転する部材である、第2の転がり軸受10bの内輪11bに支持固定されている。
【0024】
なお、エンコーダ3a、3bの被検出面は、S極とN極とを円周方向に関して交互にかつ等間隔に配置する構造に限らず、例えば、透孔(又は凹部)と柱部(又は凸部)とを円周方向に関して交互にかつ等間隔に配置する構造を採用することもできる。
【0025】
1対の磁気センサ4a、4bのうち、第1の磁気センサ4aは、センサホルダ13aを介して、第1の転がり軸受10aの外輪12aに支持されており、先端部に設けられた検出部を、第1のエンコーダ3aの被検出面に対向させている。また、1対の磁気センサ4a、4bのうち、第2の磁気センサ4bは、センサホルダ13bを介して、第2の転がり軸受10bの外輪12bに支持されており、先端部に設けられた検出部を、第2のエンコーダ3bの被検出面に対向させている。
【0026】
1対の磁気センサ4a、4bのそれぞれの検出部には、ホール素子、ホールIC、MR素子(GMR素子、TMR素子、AMR素子を含む)などの磁気検出素子が組み込まれている。このため、1対の磁気センサ4a、4bはそれぞれ、自身の検出部を通過する磁束密度に応じて出力信号を変化させる。具体的には、第1の磁気センサ4aは、回転軸2の回転に伴って変化する第1のエンコーダ3aの被検出面の磁気特性変化に対応する、パルス状(矩形波状)の出力信号を出力し、第2の磁気センサ4bは、回転軸2の回転に伴って変化する第2のエンコーダ3bの被検出面の磁気特性変化に対応する、パルス状の出力信号を出力する。本例では、第1の磁気センサ4a及び第2の磁気センサ4bのそれぞれの出力信号を、演算器6に有線又は無線により入力している。
【0027】
磁歪センサ5は、全体が円環状に構成されており、ケーシング9に対して、図示しないセンサホルダを介して支持されている。磁歪センサ5は、小径軸部7と同軸上に配置され、小径軸部7の外周面に近接配置されている。磁歪センサ5は、径方向内側部に検出部としてのコイルを有しており、径方向外側部にコイルにより発生する磁束の磁路となるバックヨークを有している。使用時には、磁歪センサ5を構成するコイルに交流電圧を印加することで、該コイルの周囲に交流磁場を発生させる。バックヨークは、軟鋼、磁性ステンレス鋼などの金属又は磁性金属の粉末冶金、又は磁性材を混入させた合成樹脂により、円環状に造られている。
【0028】
回転軸2にトルクが加わることで小径軸部7に捩れ変形が生じ、小径軸部7の各方向の透磁率がそれぞれ変化すると、磁歪センサ5を構成するコイルの内側を通過する磁束が変化することになり、コイルのインダクタンス(インピーダンス)が変化する。このため、磁歪センサ5は、コイルの内側を通過する磁束の変化に応じて出力信号を変化させる。本例では、このような磁歪センサ5の出力信号についても、演算器6に有線又は無線により入力している。
【0029】
演算器6は、回転軸2が伝達しているトルクを求めるものであり、磁歪センサ5の出力信号を利用して回転軸2が伝達しているトルクを求める第一の機能と、1対の磁気センサ4a、4bの出力信号を利用して回転軸2が伝達しているトルクを求める第二の機能を有している。
【0030】
先ず、演算器6が備える第一の機能について説明する。
トルク測定装置1の使用時には、回転軸2に対して軸方向に離隔して支持された1対の歯車8a、8bのうち、一方の歯車8aを介して回転軸2にトルクを入力し、このトルクを他方の歯車8bから取り出す。この際、回転軸2のうち、1対の歯車8a、8b同士の間に存在する小径軸部7が捩れ方向に弾性変形する。すると、小径軸部7の各方向の透磁率がそれぞれ変化するため、小径軸部7の周囲に近接配置された磁歪センサ5を構成するコイルの内側を通過する磁束が変化する。このため、磁歪センサ5の出力信号は、コイルの内側を通過する磁束の変化に応じて変化する。したがって、磁歪センサ5の出力信号と回転軸2に加わるトルクとの関係を予め調べおき、この関係を演算器6に記憶しておけば、演算器6は、磁歪センサ5の出力信号から回転軸2が伝達しているトルクを算出できる。演算器6は、このような第一の機能により、回転軸2が伝達しているトルクを算出する。
【0031】
次に、演算器6が備える第二の機能について説明する。
トルク測定装置1の使用時には、小径軸部7に捩れ方向の弾性変形が生じるが、この小径軸部7の変形量は、回転軸2が伝達するトルクの大きさに応じた大きさになる。また、小径軸部7に弾性変形が生じると、回転軸2の軸方向両端部に支持された1対のエンコーダ3a、3bが回転方向に相対変位する。そして、1対のエンコーダ3a、3bが回転方向に相対変位すると、1対のエンコーダ3a、3bの相対変位量に応じて、1対の磁気センサ4a、4bの出力信号同士の間の位相差が変化する。そこで、演算器6は、回転軸2が伝達しているトルクを求めるために、第1の磁気センサ4aの出力信号と第2の磁気センサ4bの出力信号との位相差を求める。この位相差は、第1の磁気センサ4aの出力信号の立ち上がりエッジ(又は立ち下がりパルスエッジ)である基準パルスエッジの入力時刻と、基準パルスエッジが計測されてから次の基準パルスエッジが計測されるまでの間に計測される、第2の磁気センサ4bの出力信号の立ち上がりパルスエッジ(又は立ち下がりパルスエッジ)の入力時刻との差を算出することにより求めることができる。
【0032】
ここで、位相差の大きさの絶対値は、回転軸2の回転速度、すなわち、1対のエンコーダ3a、3bの回転速度に応じて変化する。したがって、位相差からでは、回転軸2の回転速度が既知の一定値の場合でなければ、この回転軸2が伝達するトルクを求めることができない。そこで、回転軸2の回転速度の影響を取り除くために、第1の磁気センサ4aの出力信号と第2の磁気センサ4bの出力信号との位相差を、第1の磁気センサ4の出力信号の周期で除することにより位相差比を求める。そして、このようにして求めた位相差比、又は、位相差比から周期的に変動する成分を除去した修正値を利用して、回転軸2が伝達しているトルクを算出する。演算器6は、このような第二の機能によっても、回転軸2が伝達しているトルクを算出する。
【0033】
演算器6は、1対の磁気センサ4a、4bのうち、いずれかの磁気センサ4a(4b)の出力信号を利用して、回転軸2の回転速度を求める速度算出機能も有している。すなわち、回転軸2の回転に伴い、エンコーダ3a、3bが回転すると、磁気センサ4a、4bの出力信号がそれぞれ周期的に変化する。磁気センサ4a、4bの出力信号の変化の周波数及び周期は、エンコーダ3a、3bの回転速度、すなわち、回転軸2の回転速度に応じた値となる。したがって、磁気センサ4a、4bのうちのいずれかの出力信号の変化の周波数又は周期と、エンコーダ3a、3bの回転速度との関係を予め求めておくことにより、磁気センサ4a、4bのうちのいずれかの出力信号の変化の周波数又は周期に基づいて、回転軸2の回転速度を求めることができる。
【0034】
特に本例に用いる演算器6は、上述のようにして求めた回転軸2の回転速度の値に応じて、磁歪式の測定方法である第一の機能により算出した値と、パルス位相差式の測定方法である第二の機能により算出した値との、何れか一方の値を、回転軸2が伝達するトルクの値として選択する機能を有している。具体的には、演算器6は、図2に示すように、回転軸2の回転速度が0から所定値N以下の低速域(極低速域)の間は、第一の機能により求めた値Tを、回転軸2が伝達するトルクの値とし、回転軸2の回転速度が所定値Nよりも大きい高速域では、第二の機能により求めた値Tを、回転軸2が伝達するトルクの値とする。つまり、演算器6は、低速域では、磁歪式の測定方法により求めた値を選択し、高速域では、パルス位相差式の測定方法により求めた値を選択する機能を有している。
【0035】
以上のような本例のトルク測定装置1によれば、回転軸2が停止している状態から高速回転している状態までの広い範囲で安定してトルクを測定できる。
すなわち、本例のトルク測定装置1は、磁歪式の測定方法とパルス位相差式の測定方法との2つの測定方法を単に備えているだけでなく、それぞれの方法の優れた点を利用できる(相互補完できる)ように演算器6の機能を工夫している。
具体的には、磁歪センサ5の出力信号は、回転軸2が回転しているかどうかに関係なく、小径軸部7の弾性変形によって変化する。このため、本例では、回転軸2の回転速度が0から所定値N以下の低速域の間は、磁歪センサ5の出力信号を利用する第一の機能により求めた値Tを、回転軸2が伝達しているトルクの値として採用する。したがって、回転軸2が停止している条件下においても、回転軸2が伝達するトルクを求めることが可能になる。
【0036】
一方、1対の磁気センサ4a、4bの出力信号のパルスの発生周波数は、回転軸2の回転速度が高くなるほど高くなる。そこで本例では、回転軸2の回転速度が所定値Nよりも大きくなる高速域で、1対の磁気センサ4a、4bの出力信号を利用する第二の機能により求めた値Tを、回転軸2が伝達しているトルクの値として採用する。したがって、トルクの測定周波数を高くすることができ、優れた応答性を確保できるとともに、トルクの測定精度を高めることが可能になる。
この結果、本例のトルク測定装置1によれば、回転軸2が停止している状態から高速回転している状態までの広い範囲で安定してトルクを測定することができる。
【0037】
さらに本例では、磁歪センサ5を用いた磁歪式の測定方法と1対の磁気センサ4a、4bを用いたパルス位相差式の測定方法との2種類の方法により、トルクを同時に求めることができる。このため、いずれかのセンサに故障(失調)が生じた場合にも、トルクを一切求められなくなるといった不都合が生じることを防止できる。つまり、トルク測定に関して冗長性(バックアップ機能)を持たせることができる。なお、このような冗長性を持たせる面からは、演算器6は、回転軸2の回転速度に関係なく、第一の機能及び第二の機能の両方の機能に基づいてそれぞれトルクを同時に算出し、回転速度の値に応じて、そのうちの一方の値を回転軸2が伝達するトルクの値として選択する。ただし、演算器6による演算回数を減らす面からは、第一の機能と第二の機能を同時に実行するのではなく、回転速度に応じて、第一の機能と第二の機能との何れか一方の機能に基づいてトルクを算出することもできる。
【0038】
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図3を用いて説明する。 本例で用いる演算器6(図1参照)は、実施の形態の第1例で説明した、磁歪式の測定方法によりトルクを求める第一の機能及びパルス位相差式の測定方法によりトルクを求める第二の機能に加えて、第三の機能として、回転軸2(図1参照)の回転速度が所定の速度域にある場合に、第一の機能により求めた値と第二の機能により求めた値との両方を利用して、回転軸2が伝達するトルクを求める機能を有している。
【0039】
具体的には、第三の機能は、図3に示すように、回転軸2の回転速度が所定値N1から所定値N2までの中速域にある場合に、第一の機能により求めた値Tと第二の機能により求めた値Tとの算術平均(相加平均)の値を、回転軸2が伝達するトルクの値として採用する。つまり、演算器6は、回転軸2の回転速度Nxが、N1<Nx<N2の範囲にある場合には、磁歪式の測定方法により求めた値Tと、パルス位相差式の測定方法により求めた値Tとの和の1/2の値{(T+T)/2}を、回転軸2が伝達するトルクの値(T)として出力する。また、本例では、回転軸2の回転速度が0から所定値N1までの低速域では、第一の機能により求めた値Tを、回転軸2が伝達するトルクの値とし、回転軸2の回転速度が所定値N2よりも大きい高速域では、第二の機能により求めた値Tを、回転軸2が伝達するトルクの値として採用する。
【0040】
以上のような本例のトルク測定装置によれば、実施の形態の第1例の場合に比べて、回転軸2の回転速度が、所定値Nの前後である所定値N1から所定値N2までの中速域で、演算器6の算出値が大小ばらつくことを抑制できる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
【0041】
[実施の形態の第3例]
実施の形態の第3例について、図4を用いて説明する。 本例で用いる演算器6(図1参照)は、実施の形態の第2例と同様に、第三の機能として、回転軸2(図1参照)の回転速度が所定の速度域にある場合に、第一の機能により求めた値と第二の機能により求めた値との両方を利用して、回転軸2が伝達するトルクを求める機能を有している。
【0042】
具体的には、第三の機能は、図4に示すように、回転軸2の回転速度が所定値N1から所定値N2までの中速域にある場合に、第一の機能により求めた値Tと第二の機能により求めた値Tとを回転軸2の回転速度に応じてそれぞれ重み付けした加重平均の値を、回転軸2が伝達するトルクの値とする。より具体的には、磁歪式の測定方法は、回転軸2の回転速度が低速である場合に有利であり、パルス位相差式の測定方法は、回転軸2の回転速度が高速である場合に有利であることから、第一の機能により求めた値Tを回転軸2の回転速度が小さいほど大きく重み付けし、第二の機能により求めた値Tを回転軸2の回転速度が大きいほど大きく重み付けする。このために、回転軸2の回転速度Nxが、N1<Nx<N2の範囲にある場合に、第一の機能により求めた値Tの重要度(重み)をN2-Nxとし、第二の機能により求めた値Tの重要度(重み)をNx-N1としている。そして本例では、これらの重要度を考慮した加重平均値{T(N2-Nx)/(N2-N1)+T(Nx-N1)/(N2-N1)}を、回転軸2が伝達するトルクの値(T)とする。また、本例でも、回転軸2の回転速度が0から所定値N1までの低速域では、第一の機能により求めた値Tを、回転軸2が伝達するトルクの値とし、回転軸2の回転速度が所定値N2よりも大きい高速域では、第二の機能により求めた値Tを、回転軸2が伝達するトルクの値として採用する。
【0043】
以上のような本例のトルク測定装置によれば、実施の形態の第1例及び第2例の場合に比べて、回転軸2の回転速度が、所定値Nの前後である所定値N1から所定値N2までの中速域で、演算器6の算出値がばらつくことをより有効に抑制できる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
【0044】
[実施の形態の第4例]
実施の形態の第4例について、図5を用いて説明する。本例で用いる演算器6(図1参照)は、実施の形態の第2例及び第3例と同様に、第三の機能として、回転軸2(図1参照)の回転速度が所定の速度域にある場合に、第一の機能により求めた値と第二の機能により求めた値との両方を利用して、回転軸2が伝達するトルクを求める機能を有している。
【0045】
具体的には、第三の機能は、回転軸2の回転速度が所定値N1から所定値N2までの中速域にある場合に、第一の機能により求めた値Tと第二の機能により求めた値Tとの相乗平均(幾何平均)の値を、回転軸2が伝達するトルクの値として採用する。つまり、演算器6は、回転軸2の回転速度Nxが、N1<Nx<N2の範囲にある場合には、磁歪式の測定方法により求めた値Tと、パルス位相差式の測定方法により求めた値Tとの相乗平均の値{(T×T1/2}を、回転軸2が伝達するトルクの値(T)として出力する。あるいは、演算器6は、磁歪式の測定方法により求めた値Tに回転軸2の回転速度に応じた重み付けをした値{T(N2-Nx)/(N2-N1)}と、パルス位相差式の測定方法により求めた値Tに回転軸2の回転速度に応じた重み付けをした値{T(Nx-N1)/(N2-N1)}との、相乗平均した値{{T(N2-Nx)/(N2-N1)×T(Nx-N1)/(N2-N1)}1/2}を、回転軸2が伝達するトルクの値(T)として出力することもできる。いずれの場合にも、2つの実測値である、磁歪式の測定方法により求めた値Tとパルス位相差式の測定方法により求めた値Tとが、互いに大小異なる値であれば、相乗平均値は、算術平均値及び加重平均値よりも小さくなり(相乗平均値<算術平均値、加重平均値)、相乗平均値と算術平均値(加重平均値)と実測値(大小)とは、図5に示すような関係性を有する。したがって、実測値と各平均値との関係を利用することで、トルクの値の管理を行うことができる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例~第3例と同じである。
【0046】
[実施の形態の第5例]
実施の形態の第5例について、図6を用いて説明する。本例のトルク測定装置1aでは、回転軸2aの周囲に、1対の磁気センサ4a、4b及び磁歪センサ5を、共通のセンサホルダ13cを利用して、使用時にも回転しない部分であるケーシング9aに対して支持する構造を採用している。
【0047】
このために、ケーシング9aに形成した取付孔14の内側を挿通するように回転軸2aを配置する。また、回転軸2aの外周面のうち、取付孔14の径方向内側に存在する部分及びその近傍に、軸方向に離隔して1対のエンコーダ3a、3bを外嵌固定する。1対のエンコーダ3a、3bのうち、一方(図6の左方)の第1のエンコーダ3aは、円輪状の支持環15aと、該支持環15aの外周面に固定された永久磁石16aを備えている。これに対し、他方(図6の右方)の第2のエンコーダ3bは、断面クランク形の支持環15bと、該支持環15bの外周面に固定された永久磁石16bを備えている。また、回転軸2aの外周面のうち、第1のエンコーダ3aが外嵌固定された部分の軸方向片側(図6の左側)には、磁歪効果部として、回転軸2aよりも磁歪特性に優れた磁性金属製の磁歪材17を外嵌固定している。なお、回転軸2a自身の磁歪特性を利用できる場合には、磁歪材17は省略することができる。
【0048】
また、ケーシング9aに形成した取付孔14に、円環状のセンサホルダ13cを内嵌固定している。センサホルダ13cは、断面略L字形に構成されており、軸方向片半部の内径が、軸方向他半部の内径よりも小さくなっている。そして、このような形状を有するセンサホルダ13cのうち、軸方向片半部の内周面に磁歪センサ5を支持固定している。本例では、磁歪センサ5を、径方向内側にコイル18を有し、径方向外側にバックヨーク19を有するものとし、このうちのバックヨーク19を、センサホルダ13cの軸方向片半部の内周面に支持固定している。また、センサホルダ13cの軸方向他半部の内周面に、1対の磁気センサ4a、4bを支持固定している。これにより、磁歪センサ5を、磁歪材17と同軸上に配置するとともに、磁歪材17の外周面に近接配置している。また、1対の磁気センサ4a、4bの検出部を、1対のエンコーダ3a、3bの被検出面にそれぞれ近接対向させている。
【0049】
本例のトルク測定装置1aでは、例えば回転軸2aの軸方向片端部に固定された図示しない歯車から回転軸2aにトルクが入力され、回転軸2aの軸方向他端部に固定された図示しない歯車からトルクを取り出すと、回転軸2aのうち、周囲に各種センサ4a、4a、5が配置された1対の歯車同士の間部分に弾性変形が生じる。このため、本例の場合にも、演算器6(図1参照)は、第一の機能に基づき、磁歪センサ5の出力信号を利用して回転軸2aが伝達しているトルクを求めるとともに、第二の機能に基づき、1対の磁気センサ4a、4bの出力信号同士の間の位相差を利用して回転軸2aが伝達しているトルクを求める。
【0050】
以上のような構成を有する本例では、1対の磁気センサ4a、4b及び磁歪センサ5を共通のセンサホルダ13cを使用して支持することができるため、部品点数の低減を図ることができるとともに、装置全体の小型化及び軽量化を図ることができる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
【0051】
本発明のトルク測定装置を、自動車のパワートレインに組み込んで使用する場合、対象となる装置は、特に問わない。例えば、オートマチックトランスミッション(AT)、ベルト式無段変速機、トロイダル型無段変速機、オートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)等の車側の制御で変速を行うトランスミッション、またはトランスファー、マニュアルトランスミッション(MT)を対象とする事ができる。また、対象となる車両の駆動方式(FF、FR、MR、RR、4WD等)も、特に問わない。
【0052】
本発明のトルク測定装置は、自動車のパワートレインを構成する回転軸に限らず、例えば、風車の回転軸(主軸、増速器の回転軸)、圧延機のロールネック、鉄道車両の回転軸(車軸、減速機の回転軸)、工作機械の回転軸(主軸、送り系の回転軸)、建設機械・農業機械・家庭用電気器具・モータの回転軸等、各種機械装置の回転軸の設置部に組み込んで使用することもできる。
【0053】
本発明のトルク測定装置に用いる磁歪センサは、自身の検出部を通過(貫通)し、かつ、磁歪効果部の透磁率によって変化する磁束に応じて出力信号を変化させるものであれば良く、具体的な構成は特に限定されない。例えば、コイルによる励磁のほか、検出部にホール素子などの磁気検出素子を組み込んだ構成とすることもできる。また、磁歪効果部を構成する材料は、少なくともトルクの検出に支障のない程度に逆磁歪効果を発揮するものであれば良く、本明細書中に具体的に例示したものに限定されるものではない。
【0054】
本発明は、矛盾が生じない限り、実施の形態の各例の構造を適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
1、1a トルク測定装置
2、2a 回転軸
3a、3b エンコーダ
4a、4b 磁気センサ
5 磁歪センサ
6 演算器
7 小径軸部
8a、8b 歯車
9、9a ケーシング
10a、10b 転がり軸受
11a、11b 内輪
12a、12b 外輪
13a、13b、13c センサホルダ
14 取付孔
15a、15b 支持環
16a、16b 永久磁石
17 磁歪材
18 コイル
19 バックヨーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6