(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】電池モジュール及び電池モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20220509BHJP
H01M 50/317 20210101ALI20220509BHJP
H01M 50/325 20210101ALI20220509BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20220509BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20220509BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/317 101
H01M50/325
H01M50/121
H01M50/103
(21)【出願番号】P 2018116096
(22)【出願日】2018-06-19
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100176658
【氏名又は名称】和田 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】濱岡 賢志
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/064843(WO,A1)
【文献】特開2013-004184(JP,A)
【文献】特開2018-085293(JP,A)
【文献】実開昭61-23260(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 50/30
H01M 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバイポーラ電極が積層された電極積層体と、隣接する前記バイポーラ電極間に存在し前記電極積層体に設けられた複数の内部空間と、前記電極積層体を取り囲むように配置されかつ前記内部空間にそれぞれ連通された複数の第1連通孔を有する枠体と、を有するモジュール本体と、
前記モジュール本体に取り付けられ、前記複数の第1連通孔とそれぞれ連通された複数の第2連通孔を有する圧力調整弁と、
を備え、
前記圧力調整弁は、
前記複数の第2連通孔のそれぞれにおける前記モジュール本体と反対側の開口を塞ぎ、それぞれが柱状である複数の弾性部材と、
前記複数の弾性部材それぞれを収容する複数の収容部と、
を有し、
前記複数の弾性部材のそれぞれは、前記開口側の端面に凸部を有し、
前記凸部が、前記複数の第2連通孔のうち対応する第2連通孔内に位置する、
電池モジュール。
【請求項2】
前記複数の弾性部材それぞれは射出成形品であり、
前記複数の弾性部材それぞれの前記凸部はゲート痕である、
請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記複数の弾性部材それぞれの軸線方向において、前記複数の弾性部材それぞれが有する前記凸部の長さは、前記複数の第2連通孔のうち前記凸部に対応する第2連通孔の長さより短い、
請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記圧力調整弁は、前記モジュール本体と前記圧力調整弁とを接合するとともに、前記複数の内部空間からのガスがそれぞれ流れる複数の流路を形成する接合用突起が設けられており、
前記複数の弾性部材それぞれの軸線方向において、前記複数の弾性部材それぞれが有する前記凸部の長さは、前記複数の第2連通孔のうち前記凸部に対応する第2連通孔の長さと前記接合用突起の長さの和より小さい、
請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記複数の第2連通孔それぞれの前記開口の周縁部は、前記複数の収容部側に隆起している、
請求項1~4の何れか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記圧力調整弁は、
前記モジュール本体に面しており前記複数の第2連通孔が形成されている壁部と、前記壁部によって一端が閉じられている枠状の側壁と、前記側壁の内側の空間を仕切って前記複数の収容部を形成する仕切壁とを有するケースと、
前記側壁における前記壁部と反対側を塞ぐカバーと、
を有し、
前記複数の弾性部材は、前記カバーによって前記壁部側に押し付けられている、
請求項1~5の何れか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
複数のバイポーラ電極が積層された電極積層体と、隣接する前記バイポーラ電極間に存在し前記電極積層体に設けられた複数の内部空間と、前記電極積層体を取り囲むように配置されかつ前記内部空間にそれぞれ連通された複数の第1連通孔を有する枠体と、を有するモジュール本体を用意する工程と、
前記複数の第1連通孔とそれぞれ連通する複数の第2連通孔が形成された圧力調整弁を用意する工程と、
前記複数の第1連通孔それぞれが前記複数の第2連通孔のうち対応する第2連通孔に連通するように、前記モジュール本体と前記圧力調整弁とを接合する工程と、
を備え、
前記圧力調整弁は、
前記複数の第2連通孔のそれぞれにおける前記モジュール本体と反対側の開口を塞ぎ、それぞれが柱状である複数の弾性部材と、
前記複数の弾性部材それぞれを収容する複数の収容部と、
を有し、
前記複数の弾性部材のそれぞれは、前記開口側の端面に凸部を有し、
前記圧力調整弁を用意する工程では、前記複数の弾性部材それぞれの前記凸部が前記複数の第2連通孔のうち対応する第2連通孔内に位置するように、前記複数の弾性部材をそれぞれ前記複数の収容部に収容する工程を有する、
電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記複数の弾性部材それぞれは射出成形品であり、
前記複数の弾性部材それぞれの前記凸部はゲート痕である、
請求項7に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記圧力調整弁は、前記モジュール本体と前記圧力調整弁とを接合するとともに、前記複数の内部空間からのガスがそれぞれ流れる複数の流路を形成する接合用突起が設けられており、
前記複数の弾性部材それぞれの軸線方向において、前記複数の弾性部材それぞれが有する前記凸部の長さは、前記複数の第2連通孔のうち前記凸部に対応する第2連通孔の長さと前記接合用突起の長さの和より小さく、
前記接合する工程では、熱板を前記接合用突起の先端に突き当てて前記先端を溶融させた状態で、前記モジュール本体と前記圧力調整弁とを押し付けて接合する、
請求項7又は8に記載の電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュール及び電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル水素二次電池及びリチウムイオン二次電池といった電池モジュールは、通常、電極を含む電池要素を電池ケース内に密閉した密閉構造を有する。このような密閉構造を有する電池モジュールは、電池モジュール内で異常発生したガスを排出して電池モジュール内の圧力を調整する圧力調整弁を備える(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池モジュールに用いられる圧力調整弁は、電極といった電池要素を収容した電池ケースの内部空間に連通する孔と、上記孔を塞ぐ弾性部材と、上記孔に連通しており上記弾性部材を収容する収容部とを有する。この圧力調整弁では、電池モジュール内にガス圧が設定圧力より高くなると、ガス圧によって弾性部材が押し上げられ、上記孔の弾性部材による閉塞状態(シール状態)が解除される。その結果、電池ケース内からガスが収容部側に流れこみ、圧力調整弁を介して外部空間に排出される。電池ケース内の圧力が設定圧力以下になると、弾性部材が再び孔を塞ぐ。
【0005】
上記設定圧力は弾性部材によるシール面圧によって設定される。シール面圧は、孔と弾性部材との配置関係に依存する。そのため、弾性部材と孔とは適切に位置決めされる必要がある。一方、収容部内にガスが流れこんできたガスを外部に排出するには、弾性部材の外側面と収容部との間に一定の隙間が必要である。この隙間のため、孔と弾性部材との位置合わせに時間を要し、電池モジュールの生産性が低下する場合があった。
【0006】
本発明の一側面は、生産性を向上可能な電池モジュール及び電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る電池モジュールは、(A)複数のバイポーラ電極が積層された電極積層体と、隣接する上記バイポーラ電極間に存在し上記電極積層体に設けられた複数の内部空間と、上記電極積層体を取り囲むように配置されかつ上記内部空間にそれぞれ連通された複数の第1連通孔を有する枠体と、を有するモジュール本体と、(B)上記モジュール本体に取り付けられ、上記複数の第1連通孔とそれぞれ連通された複数の第2連通孔を有する圧力調整弁と、を備える。上記圧力調整弁は、上記複数の第2連通孔のそれぞれにおける上記モジュール本体と反対側の開口を塞ぎ、それぞれが柱状である複数の弾性部材と、上記複数の弾性部材それぞれを収容する複数の収容部と、を有する。上記複数の弾性部材のそれぞれは、上記開口側の端面に凸部を有し、上記凸部が、上記複数の第2連通孔のうち対応する第2連通孔内に位置する。
【0008】
上記電池モジュールでは、圧力調整弁が有する各弾性部材は凸部を有する。弾性部材は、対応する収容部に、凸部が第2連通孔に位置するように収容されている。よって、電池モジュールを製造するために、圧力調整弁を用意する際に、凸部を位置決め部として使用しながら弾性部材を収容部に収容可能である。そのため、収容部に対する弾性部材の位置決めが容易になり、圧力調整弁の用意に要する時間を短縮できる。その結果、電池モジュールの生産性を向上可能である。
【0009】
上記複数の弾性部材それぞれの軸線方向において、上記複数の弾性部材それぞれが有する上記凸部の長さは、上記複数の第2連通孔のうち上記凸部に対応する第2連通孔の長さより短くてもよい。これにより、圧力調整弁から凸部が露出しないので、圧力調整弁内に収容された弾性部材の位置ズレを防止できる。
【0010】
上記圧力調整弁は、上記モジュール本体と上記圧力調整弁とを接合するとともに、上記複数の内部空間からのガスがそれぞれ流れる複数の流路を形成する接合用突起が設けられており、上記複数の弾性部材それぞれの軸線方向において、上記複数の弾性部材それぞれが有する上記凸部の長さは、上記複数の第2連通孔のうち上記凸部に対応する第2連通孔の長さと上記接合用突起の長さの和より小さくてもよい。この場合も、接合用突起を備える圧力調整弁から凸部が露出しないので、圧力調整弁内に収容された弾性部材の位置ズレを防止できる。
【0011】
上記複数の第2連通孔それぞれの上記開口の周縁部は、上記複数の収容部側に隆起していてもよい。この場合、第2連通孔の上記開口近傍からのガス漏れなどをより確実に防止可能である。
【0012】
上記圧力調整弁は、上記モジュール本体に面しており上記複数の第2連通孔が形成されている壁部と、上記壁部によって一端が閉じられている枠状の側壁と、上記側壁の内側の空間を仕切って上記複数の収容部を形成する仕切壁とを有するケースと、上記側壁における上記壁部と反対側を塞ぐカバーと、を有し、上記複数の弾性部材は、上記カバーによって上記壁部側に押し付けられていてもよい。このような電池モジュールでは、カバーが弾性部材の押圧部材として機能する。
【0013】
本発明の他の側面に係る電池モジュールの製造方法は、複数のバイポーラ電極が積層された電極積層体と、隣接する上記バイポーラ電極間に存在し上記電極積層体に設けられた複数の内部空間と、上記電極積層体を取り囲むように配置されかつ上記内部空間にそれぞれ連通された複数の第1連通孔を有する枠体と、を有するモジュール本体を用意する工程と、上記複数の第1連通孔とそれぞれ連通する複数の第2連通孔が形成された圧力調整弁を用意する工程と、上記複数の第1連通孔それぞれが上記複数の第2連通孔のうち対応する第2連通孔に連通するように、上記モジュール本体と上記圧力調整弁とを接合する工程と、を備える。上記圧力調整弁は、上記複数の第2連通孔のそれぞれにおける上記モジュール本体と反対側の開口を塞ぎ、それぞれが柱状である複数の弾性部材と、上記複数の弾性部材それぞれを収容する複数の収容部と、を有し、上記複数の弾性部材のそれぞれは、上記開口側の端面に凸部を有する。上記圧力調整弁を用意する工程では、上記複数の弾性部材それぞれの上記凸部が上記複数の第2連通孔のうち対応する第2連通孔内に位置するように、上記複数の弾性部材をそれぞれ上記複数の収容部に収容する工程を有する。
【0014】
上記電池モジュールの製造方法では、圧力調整弁を用意する際に、凸部を位置決め部として使用しながら弾性部材を収容部に収容可能である。そのため、収容部に弾性部材を収容する際に、第2連通孔に対する弾性部材の位置決めが容易になり、圧力調整弁の用意に要する時間を短縮できる。その結果、電池モジュールの生産性を向上可能である。
【0015】
上記圧力調整弁は、上記モジュール本体と上記圧力調整弁とを接合するとともに、上記複数の内部空間からのガスがそれぞれ流れる複数の流路を形成する接合用突起が設けられており、上記複数の弾性部材それぞれの軸線方向において、上記複数の弾性部材それぞれが有する上記凸部の長さは、上記複数の第2連通孔のうち上記凸部に対応する第2連通孔の長さと上記接合用突起の長さの和より小さく、上記接合する工程では、熱板を上記接合用突起の先端に突き当てて上記先端を溶融させた状態で、上記モジュール本体と上記圧力調整弁とを押し付けて接合してもよい。
【0016】
上記凸部の長さが、上記条件を満たすことで、凸部が接合用突起から露出しない。そのため、熱板を接合用突起に当接させた際に、熱板と凸部との接触を防止できる。その結果、凸部が熱板で溶融したり、弾性部材の位置ズレが生じることを防止できる。
【0017】
上記電池モジュール及び電池モジュールの製造方法において、複数の弾性部材それぞれは射出成形品であり、上記複数の弾性部材それぞれの上記凸部はゲート痕であってもよい。弾性部材が射出成形品である場合、弾性部材はゲート痕を有する。例えば上記ゲート痕が、収容部の内壁面、圧力調整弁において第2連通孔の上記開口と対向する内壁面等に当接すると弾性部材が傾くので、弾性部材が第2連通孔を塞いだ状態でシール面圧が設計値からズレやすい。これに対して、ゲート痕を凸部として使用し、第2連通孔内に配置することで適切なシール面圧を実現可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一側面によれば、生産性を向上可能な電池モジュール及び電池モジュールの製造方法を提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態に係る電池モジュールを備えた蓄電装置を示す概略断面図である。
【
図4】電池モジュールの一部を示す分解斜視図(一部断面を含む)である。
【
図6】接合前の圧力調整弁の接合用突起を示す斜視図である。
【
図7】モジュール本体と圧力調整弁とを接合する方法の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る電池モジュールを備えた蓄電装置を示す概略断面図である。
図1において、蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車両のバッテリとして使用される。蓄電装置1は、複数(ここでは3つ)の電池モジュールとしてのバイポーラ電池2を備えている。バイポーラ電池2は、例えばニッケル水素二次電池である。以下では、断らない限り、バイポーラ電池2がニッケル水素二次電池である場合を説明する。
【0022】
複数のバイポーラ電池2は、金属製の導電板3を介して積層されている。導電板3は、積層方向(Z軸方向)の両端に位置するバイポーラ電池2の外側にも配置されている。バイポーラ電池2及び導電板3は、例えば積層方向から見て矩形状(平面視矩形状)である。導電板3は、隣り合うバイポーラ電池2と電気的に接続されている。これにより、複数のバイポーラ電池2が積層方向に直列接続されている。
【0023】
積層方向の一端(ここでは下端)に位置する導電板3には、正極端子4が接続されている。積層方向の他端(ここでは上端)に位置する導電板3には、負極端子5が接続されている。正極端子4及び負極端子5は、積層方向に垂直な方向(X軸方向)に延在している。このような正極端子4及び負極端子5を設けることにより、蓄電装置1の充放電を実施できる。
【0024】
導電板3は、バイポーラ電池2において発生した熱を放出するための放熱板としても機能し得る。導電板3には、積層方向と正極端子4及び負極端子5の延在方向とに垂直な方向(Y軸方向)に延在した複数の空隙3aが設けられている。これらの空隙3aを空気等の冷媒が通過することにより、バイポーラ電池2からの熱を効率的に外部に放出できる。
【0025】
蓄電装置1は、バイポーラ電池2及び導電板3を積層方向に拘束する拘束ユニット6を備えている。拘束ユニット6は、バイポーラ電池2及び導電板3を積層方向に挟む1対の拘束プレート7と、これらの拘束プレート7同士を締結する複数組のボルト8及びナット9とを有している。
【0026】
拘束プレート7は、鉄等の金属で形成されている。各拘束プレート7と導電板3との間には、樹脂フィルム等の絶縁フィルム10がそれぞれ配置されている。拘束プレート7及び絶縁フィルム10は、例えば平面視矩形状である。ボルト8の軸部8aが各拘束プレート7に設けられた挿通孔7aを挿通した状態で、軸部8aの先端部にナット9が螺合することで、バイポーラ電池2、導電板3及び絶縁フィルム10に積層方向の拘束荷重が付与される。
【0027】
図2は、バイポーラ電池2の概略断面図である。
図3は、バイポーラ電池2の概略斜視図である。
図2及び
図3において、バイポーラ電池2は、複数のセル(例えば24セル)が積層された構造(複数セル構造)を有している。バイポーラ電池2は、モジュール本体11と、このモジュール本体11の一側面に取り付けられた複数(ここでは4つ)の圧力調整弁12とを備えている。
【0028】
モジュール本体11は、複数のバイポーラ電極13がセパレータ14を介して積層されてなる電極積層体15と、この電極積層体15を取り囲むように配置された枠体16とを備えている。
【0029】
バイポーラ電極13及びセパレータ14は、例えば平面視矩形状である。セパレータ14は、積層方向に隣り合うバイポーラ電極13の間に配置されている。バイポーラ電極13は、集電体であるニッケル箔17と、このニッケル箔17の上面17a(一方面)に形成された正極18と、ニッケル箔17の下面17b(他方面)に形成された負極19とを有している。
【0030】
バイポーラ電極13の正極18は、セパレータ14を挟んで積層方向に隣り合う一方のバイポーラ電極13の負極19と対向している。バイポーラ電極13の負極19は、セパレータ14を挟んで積層方向に隣り合う他方のバイポーラ電極13の正極18と対向している。
【0031】
電極積層体15の最下層には、正極側終端電極20が配置されている。正極側終端電極20は、ニッケル箔17と、このニッケル箔17の上面17aに形成された正極18とを有している。電極積層体15の最上層には、負極側終端電極21が配置されている。負極側終端電極21は、ニッケル箔17と、このニッケル箔17の下面17bに形成された負極19とを有している。正極側終端電極20の正極18は、セパレータ14を挟んで最下層のバイポーラ電極13の負極19と対向している。負極側終端電極21の負極19は、セパレータ14を挟んで最上層のバイポーラ電極13の正極18と対向している。正極側終端電極20及び負極側終端電極21のニッケル箔17は、積層方向に隣り合う導電板3(
図1参照)に接続されている。
【0032】
正極18は、ニッケル箔17の一方面に正極活物質を塗工することにより形成されている。正極活物質としては、例えばコバルト(Co)酸化物コートが施された水酸化ニッケルが用いられる。負極19は、ニッケル箔17の他方面に負極活物質を塗工することにより形成されている。負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が用いられる。ニッケル箔17の縁部17cは、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。
【0033】
セパレータ14は、正極18と負極19との間に配置され、正極18と負極19とを隔離する。セパレータ14は、積層方向から見てニッケル箔17よりも小さく且つ正極18及び負極19よりも大きい。セパレータ14は、例えばシート状に形成されている。セパレータ14は、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、もしくはPE、PP、またはメチルセルロース等からなる不織布または織布等で形成されている。セパレータ14は、フッ化ビニリデン樹脂化合物等で補強されていてもよい。セパレータ14の形状は、シート状に限られず、袋状であってもよい。
【0034】
枠体16は、電極積層体15の周囲に配置され、各ニッケル箔17の縁部17cをそれぞれ保持する複数の一次シール部22と、これらの一次シール部22の周囲に配置された二次シール部23とを有している。
【0035】
各一次シール部22は、積層方向に沿ってニッケル箔17毎に配置されている。一次シール部22は、枠状に形成されている。一次シール部22は、ニッケル箔17の縁部17cに熱溶着により接合されている。
【0036】
積層方向に隣り合うニッケル箔17間には、ニッケル箔17、正極18、負極19及び一次シール部22によって画成された内部空間Vが設けられている。換言すると、積層方向に隣り合うバイポーラ電極13間には、内部空間Vが存在する。従って、電極積層体15には、複数の内部空間Vが設けられている。セパレータ14内を含む内部空間Vには、アルカリ性の電解液が注入されている。アルカリ性の電解液としては、例えば水酸化カリウム水溶液等を含むアルカリ溶液が用いられている。一次シール部22は、内部空間Vを封止する。バイポーラ電池2の各セルは、2つのニッケル箔17、正極18、負極19、セパレータ14及び一次シール部22により構成され、内部空間Vを有している。
【0037】
二次シール部23は、例えば角筒状を有している。二次シール部23は、内部空間Vを更に封止する。二次シール部23は、各一次シール部22に接合されている。二次シール部23は、例えば射出成形等により形成されている。
【0038】
一次シール部22及び二次シール部23は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)または変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等の樹脂で形成されている。
【0039】
枠体16を構成する一の壁部16aには、圧力調整弁12が取り付けられる複数(ここでは4つ)の圧力調整弁取付領域24が設けられている。一次シール部22の各圧力調整弁取付領域24には、
図4に示されるように、複数(ここでは6つ)の連通孔25(第1連通孔)がそれぞれ設けられている。連通孔25は、各圧力調整弁取付領域24において2列3段(Y軸方向に2列、Z軸方向に3段)に配列されている。従って、連通孔25は、壁部16aにおいて8列3段に配列されている。各連通孔25は、異なるセルの内部空間Vとそれぞれ連通されている。各圧力調整弁取付領域24における連通孔25の配列状態は、2列3段に限定されないが、断らない限り、2列3段に連通孔25が配列された実施形態を説明する。
【0040】
二次シール部23の各圧力調整弁取付領域24には、
図4に示されるように、各連通孔25と連通された複数(ここでは6つ)の連通孔26(第1連通孔)がそれぞれ設けられている。連通孔26は、一次シール部22側から二次シール部23の外側面に向かって徐々に幅広となるようにテーパ状に形成されている。連通孔26は、各圧力調整弁取付領域24において2列3段に配列されている。
【0041】
連通孔25,26は、内部空間Vに電解液を注入するための注液孔として機能する。連通孔25,26は、電解液が注入された後は、内部空間Vで発生したガスが流れる流路となる。
【0042】
二次シール部23の各圧力調整弁取付領域24の外側面には、略枠状の接合用突起27がそれぞれ設けられている。接合用突起27は、モジュール本体11と圧力調整弁12とを接合するとともに、各内部空間Vからのガスがそれぞれ流れる複数(ここでは6つ)の流路28を連通孔26と協働して形成する。従って、流路28は、各圧力調整弁取付領域24において2列3段に配列されている。流路28は、X軸方向に垂直な方向に切った断面で矩形状である。一方の列の流路28は、他方の列の流路28に対して積層方向(Z軸方向)にずれている。
【0043】
接合用突起27は、一方の列の流路28を形成する枠部29と、他方の列の流路28を形成する枠部30とを有している。枠部29,30は同じ形状を有しており、Z軸方向において互いにずれている。枠部29,30間にはZ軸方向に延在する隙間が形成されている。
【0044】
圧力調整弁12は、
図4~
図6に示されるように、ケース33と、カバー34と、複数(ここでは6つ)の弁体(弾性部材)35とを有している。
【0045】
ケース33は、例えばPP、PPSまたは変性PPE等の樹脂で形成されている。ケース33は、底壁(壁部)36と、ケース側壁37と、仕切壁38とを有し、底壁36と反対側が開口している。例えば、底壁36、ケース側壁37及び仕切壁38は、一体に形成され得る。
【0046】
底壁36は、モジュール本体11に面する底面(第1面)36aと、底面36aと反対側に位置する内壁面(第2面)36bとを有する。底壁36には、底面36aと内壁面36bとの間を貫通した複数(ここでは6つ)の連通孔39(第2連通孔)が形成されている。換言すれば、複数の連通孔39は、厚さ方向に底壁36を貫通している。これらの連通孔39は、モジュール本体11の複数の連通孔26にそれぞれ連通している。連通孔39は、X軸方向に垂直な方向に切った断面で例えば円形状である(
図6参照)。
図5に示したように、内壁面36bにおいて各連通孔39の開口39aの周縁部には隆起部36cが形成されていてもよい。隆起部36cの形状は、カバー34側からみた場合、例えば円形状である。
【0047】
底面36aには、略枠状の接合用突起40(
図6参照)がそれぞれ設けられている。接合用突起40は、モジュール本体11と圧力調整弁12とを接合するとともに、各内部空間Vからのガスがそれぞれ流れる複数(ここでは6つ)の流路41を形成する。接合用突起40は、モジュール本体11の接合用突起27と接合される。接合用突起40は、接合用突起27に対応する形状及び寸法を有している。従って、流路41は、X軸方向に垂直な方向に切った断面で例えば矩形状である。一方の列の流路41は、他方の列の流路41に対してZ軸方向にずれている。
【0048】
接合用突起40は、
図6に示されるように、一方の列の流路41を形成する枠部42と、他方の列の流路41を形成する枠部43とを有している。枠部42,43は同じ形状を有しており、Z軸方向において互いにずれている。枠部42,43間にはZ軸方向に延在する隙間が形成されている。
図6は、圧力調整弁12の斜視図である。
【0049】
図4及び
図5に示されているように、ケース側壁37は、底壁36の内壁面36b側に設けられている。ケース側壁37は、例えば、ケース側壁37は底壁36の周縁部に立設される。ケース側壁37は、枠状であり、ケース側壁37の底壁36と反対側は開口している。
【0050】
仕切壁38は、ケース側壁37及び底壁36で形成される空間を、ケース側壁37及び底壁36とともに、複数の弁体35を収容する複数(ここでは6つ)の収容部44に仕切っている。収容部44は、X軸方向に垂直な方向に切った断面で例えば円形状である。複数の収容部44は、複数の連通孔39に対応して配置されている。収容部44は、対応する連通孔39と連通可能である。
【0051】
カバー34は、ケース33の開口(ケース側壁37の開口端)を塞ぐ板状部材である。カバー34は、例えばPP、PPSまたは変性PPE等の樹脂で形成されている。カバー34は、ケース33の開口を塞ぐようにケース33に接合されている。カバー34はケース33に例えば熱溶着により接合されている。ケース33の仕切壁38とカバー34との間には、収容部44と連通した空間S(
図5参照)が形成されている。換言すれば、仕切壁38は、底壁36、ケース側壁37及びカバー34で形成される内部空間に、複数の収容部44と上記空間Sを形成する壁でもある。カバー34には、少なくとも一つ(ここでは2つ)の排気口(排気部)45が形成されている。排気口45は空間Sと連通している。
【0052】
複数の弁体35は、複数の収容部44にそれぞれ収容されている。弁体35は、対応する連通孔39を開閉する。弁体35の材料はゴムなどの弾性体である。弁体35は柱状である。弁体35は例えば円柱状体である。弁体35の軸線方向Cの長さは、底壁36の内壁面36bとカバー34の内壁面との間の距離より長い。これにより、弁体35は、カバー34によって底壁36に押しつけられる。よって、カバー34は弁体35の押圧部材としても機能し、弁体35の端面35a(軸線方向Cにおいて連通孔39側の端面)は、連通孔39の開口39aを閉塞(シール)するシール面として機能する。弁体35の外側面と収容部44の内壁面(ケース側壁37及び仕切壁38のうち収容部44を形成する内壁面)との間には隙間Gが形成されている。弁体35の軸線方向Cに直交する断面の大きさは、隙間Gが形成されるように、収容部44の軸線方向Cに直交する断面の大きさより小さければよい。収容部44が空間Sに連通していることから、隙間Gは、空間Sに連通しているとともに、空間Sを介して排気口45に連通している。
【0053】
弁体35は、端面35aに凸部35bを有する。凸部35bは、弁体35の軸線方向Cからみた場合に、例えば端面35aの中央に配置されている。一実施形態において、弁体35は射出成形品であり、凸部35bはゲート痕である。凸部35bは連通孔39内に位置している。一実施形態において、凸部35bの軸線方向Cの長さ(端面35aを基準にした場合の凸部35bの高さ)は、軸線方向Cにおける連通孔39の長さと接合用突起40の長さとの和より小さい。凸部35bの軸線方向Cの長さは、例えば連通孔39の長さより短い。凸部35bの側面と連通孔39との間には隙間が形成されていてもよい。これにより、連通孔39と凸部35bとの間に摩擦が生じない。凸部35bが円柱状である場合、凸部35bの外径は、連通孔39の内径より小さい。
【0054】
このような圧力調整弁12において、ケース33の連通孔39は、二次シール部23の連通孔26及び一次シール部22の連通孔25を通してモジュール本体11の内部空間Vと連通されている。内部空間Vの圧力が設定圧よりも低いときは、連通孔39が弁体35によって塞がれた閉弁状態(シール状態)に維持される。内部空間Vの圧力が上昇して設定圧以上になると、弁体35が底壁36から離間するように弾性変形し、連通孔39の閉塞が解除された開弁状態となる。その結果、内部空間Vからのガスが弁体35の外側面と収容部44の内壁面との隙間G及び空間Sを通って排気口45から圧力調整弁12の外部に排出される。
【0055】
上述のバイポーラ電池2は、例えば
図7に示されるように以下のように製造される。まずモジュール本体11を用意する工程と圧力調整弁12を用意する工程とを実施する。モジュール本体11を用意する工程と圧力調整弁12とを用意する工程では、上述した構成を有するモジュール本体11及び圧力調整弁12を用意すればよい。モジュール本体11を用意する工程と圧力調整弁12とを用意する工程の順番は限定されない。
【0056】
圧力調整弁12を用意する工程では、ケース33が有する複数の収容部44のそれぞれに、対応する弁体35を収容する工程を実施する。その際、弁体35の凸部35bが、対応する連通孔39内に位置するように弁体35を位置決めする。その後、カバー34によってケース33の開口を塞ぎ、圧力調整弁12を用意する。
【0057】
モジュール本体11及び圧力調整弁12を用意した後、モジュール本体11と圧力調整弁12とを接合する工程を実施する。本実施形態では、熱溶着の一つである熱板溶着によってモジュール本体11と圧力調整弁12とを接合する。
【0058】
具体的には、
図7(a)に示されるように、接合用突起27,40同士が対向するようにモジュール本体11及び圧力調整弁12を配置するとともに、モジュール本体11と圧力調整弁12との間に熱板46を配置する。その後、接合用突起27,40の先端を熱板46に当接することで、接合用突起27,40の先端を溶融する。次に、
図7(b)に示されるように、接合用突起27,40が溶融している間に、モジュール本体11の接合用突起27と圧力調整弁12の接合用突起40とを押し付けることにより、接合用突起27,40同士が溶着される。これにより、接合用突起27,40同士が接合され、その結果、モジュール本体11及び圧力調整弁12が接合される。
【0059】
バイポーラ電池2では弁体35が凸部35bを有し、弁体35は、凸部35bが連通孔39内に位置した状態で収容部44内に配置されている。よって、上記バイポーラ電池2の製造方法で説明したように、弁体35を収容部44に収容する工程では、凸部35bを位置決め部として使用できる。その結果、連通孔39に対して弁体35を、より正確に且つ容易に配置可能であることから、バイポーラ電池2の生産性が向上する。
【0060】
凸部35bが連通孔39内に配置されているので、弁体35の連通孔39に対するシール面圧のバラツキを防止できる。その結果、モジュール本体11において例えば異常内圧が生じた場合でも、その内圧を適切に(或いは設計どおりに)に圧力調整弁12を介して外部に排出可能である。凸部35bが端面35aの中央部に配置されている実施形態では、上記シール面圧のバラツキを一層抑制可能である。
【0061】
弁体35が凸部35bを有することによって、連通孔39から弁体35に流れてきたガスが弁体35を透過しにくい。換言すれば、凸部35bによって、弁体35のガス透過度を低減できる。
【0062】
底壁36の内壁面36bに隆起部36cが形成された実施形態では、連通孔39の開口39a近傍からのガス漏れなどをより確実に防止可能である。隆起部36cが内壁面36bに形成されている場合、連通孔39と弁体35とを一層高い精度で位置合わせする必要がある。弁体35の位置がずれると、隆起部36cの影響でシール面圧にバラツキが生じやすくなるからである。そのため、凸部35bを位置決め部材として使用できる圧力調整弁12の構成は、隆起部36cが内壁面36bに形成されている場合に、一層有効である。
【0063】
弁体35は、例えば射出成形で形成され得る。このように弁体35が射出成形品である場合、弁体35にはゲート痕が存在する。例えば、射出成形品である弁体を、上記ゲート痕が、収容部の内壁面又はカバーの内壁面と接触するように収容部に収容すると、弁体によるシール面圧にバラツキが生じる。これに対して、弁体35が射出成形品である場合に、上記ゲート痕を凸部35bとして使用し、ゲート痕を連通孔39内に配置すれば、上述したシール面圧のバラツキを防止できる。このように、ゲート痕を凸部35bとして使用する場合には、ゲート痕が端面35aに位置して凸部35bとして機能し得るように弁体35を射出成形で形成すればよい。この場合、凸部35bを有する弁体35を射出成形で一度に形成できるので、弁体35を用意する時間も短縮可能ある。
【0064】
凸部35bの軸線方向Cの長さが、連通孔39の長さと接合用突起40の長さとの和より短い実施形態では、接合用突起40から凸部35bが露出しない。仮に、凸部35bが接合用突起40より露出していると、その露出した部分に他の部材が接触すると弁体35の位置ズレが生じやすい。そのため、圧力調整弁12をハンドリングしにくい。これに対して、接合用突起40から凸部35bが露出していなければ、圧力調整弁12をハンドリングしやすい。更に、接合用突起40から凸部35bが露出していなければ、例えば、
図7(a)を利用して説明したように、熱板46を利用してモジュール本体11と圧力調整弁12を接合する際に、熱板46と凸部35bとが接触しない。これにより、熱板46と凸部35bの接触によって凸部35bが一部溶融して連通孔39が塞がれたり、熱板46と凸部35bが接触することで弁体35の位置がズレたりすることを防止できる。その結果、モジュール本体11内で異常内圧が生じた際に、その内圧を適切に開放できる。凸部35bの軸線方向Cの長さが、連通孔39の長さより短い場合には、より確実に、熱板46と凸部35bとの接触を防止できる。
【0065】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0066】
例えば、上記実施形態では、モジュール本体11に接合用突起27が設けられているととともに、圧力調整弁12に接合用突起40が設けられているが、その形態には限られず、モジュール本体11及び圧力調整弁12の何れか一方のみに接合用突起が設けられていてもよい。或いは、モジュール本体11と圧力調整弁12が接合できれば、それらに接合用突起が設けられていなくてもよい。圧力調整弁12に接合用突起40が設けられていない実施形態では、例えば、凸部35bの軸線方向Cの長さは、連通孔39の長さより短い。これにより、圧力調整弁12から凸部35bが露出しないので、圧力調整弁12をハンドリングしやすいとともに、弁体35の位置ズレを防止できる。
【0067】
上記実施形態では、電池モジュールとしてのバイポーラ電池2はニッケル水素二次電池である。しかしながら、本発明は、ニッケル水素二次電池には限られず、リチウムイオン二次電池等にも適用可能である。本発明は、バイポーラ電池2以外にも、複数の電極が積層された電極積層体と電極積層体を取り囲むように配置された枠体とを有するモジュール本体を備えた電池モジュールであれば適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
2…バイポーラ電池(電池モジュール)、11…モジュール本体、12…圧力調整弁、13…バイポーラ電極、15…電極積層体、16…枠体、25,26…連通孔(第1連通孔)、33…ケース、34…カバー、35…弁体(弾性部材)、35a…端面、35b…凸部、36…底壁(壁部)、36c…隆起部、37…ケース側壁、38…仕切壁、39…連通孔(第2連通孔)、39a…開口(第2連通孔のモジュール本体側の開口)、40…接合用突起、41…流路、44…収容部、C…軸線方向、G…隙間、S…空間、V…内部空間。