(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】固形描画材
(51)【国際特許分類】
C09D 13/00 20060101AFI20220509BHJP
B43K 19/00 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
C09D13/00
B43K19/00 D
(21)【出願番号】P 2018127851
(22)【出願日】2018-07-04
【審査請求日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2017131556
(32)【優先日】2017-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 理沙
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-075947(JP,A)
【文献】特開平08-176490(JP,A)
【文献】特開2011-153207(JP,A)
【文献】特開2002-012809(JP,A)
【文献】特開2017-075217(JP,A)
【文献】米国特許第05261952(US,A)
【文献】中国特許出願公開第102816443(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 13/00
B43K 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色成分と、賦形剤として少なくともワックスA、ワックスB、ワックスC、及びワックスDを含有する混合成形物であり、擦過により自己が摩耗することで描画跡を形成する固形描画材において、
前記ワックスAは、25℃における針入度が20以上40以下のマイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスから選ばれる少なくとも1種以上のワックスであり、その含有量は固形描画材全量に対して5重量%以上25重量%以下であり、
前記ワックスBは、25℃における針入度が0.1以上15未満のマイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスから選ばれる少なくとも1種以上のワックスであり、その含有量は固形描画材全量に対して1重量%以上20重量%以下であり、
前記ワックスCは、融点が70℃以上95℃以下のケトンワックスであり、その含有量は固形描画材全量に対して20重量%以上35重量%以下であり、
前記ワックスDは、パラフィンワックスであり、その含有量は固形描画材全量に対して0重量%を超え7重量%以下である固形描画材。
【請求項2】
前記ワックスAの含有量が固形描画材全量に対して7重量%以上15重量%以下であり、前記ワックスBの含有量が固形描画材全量に対して2重量%以上10重量%以下であり、前記ワックスCの含有量が固形描画材全量に対して23重量%以上33重量%以下であり、前記ワックスDの含有量が固形描画材全量に対して2重量%以上5重量%以下である請求項1に記載の固形描画材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賦形材と着色成分とを少なくとも含有する混合成形物であり、擦過により自己が摩耗することで描画跡を形成する固形描画材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固形描画材であるクレヨンは、顔料、ワックスと少量の鉱物油などのオイルを素材として成形したものが知られており、柔らかいワックス類を多く含有したものは、太く濃い描画跡を形成できる反面、紙面に引っ掛かり描き心地が重く感じ、柔らかいために強い力がかかると折れやすく、また、特に重ね塗りの際に描画跡をクレヨンの本体が再度擦ることで描画跡が削り取られ、カスとなって紙などの被描画面の意図しない部分を汚したり、机上や衣服、部屋にカスが付着したりして汚してしまうことがあった。一方で硬いワックス類を多く含有したものは、折れにくく、描き心地が軽く、カスが少なくなる反面、描画跡は薄くなる傾向になり、特に太く成形すると描画跡の濃度低下が顕著であり、カスの発生、描画抵抗、描画濃度、軸の強度は互いに相反する関係にあった。一般的に、幼児や児童などの教育現場では、線書きしやすい細軸、面塗りしやすい太軸のどちらの形状であっても紙に限らずプラスチックやガラス表面などの非吸収面(平滑面)等の様々な支持体に太く濃い描画跡を柔らかい描き心地で描くことができるものの汎用性が高く、かつ描画材のカスにより絵や机、部屋の汚れることのないカス出の少ない固形描画材が要望されている。
【0003】
このような問題を解決しようとして、特許文献1(特開昭56-047463号公報)には、軟化点が60℃~100℃のイソパラフィン系ポリエチレンを含有する固形描画材がカスの発生を抑制する旨が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開平01-144474号公報)には、分子構造が規則的で層間剥離が容易な常温で固体のフタル酸エステルを含有することで、描画跡の濃度を下げずに塗りカスを少なくできるとした固形描画材が開示されている。
【0005】
更に、特許文献3(特開平04-033970号公報)には、ソルビタン酸トリステアレートにより可塑性を付与してワックスの層間剥離を向上したとする固形描画材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭56-047463号公報
【文献】特開平01-144474号公報
【文献】特開平04-033970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されている固形描画材は、カス出の発生を抑えるため軟化点が60℃~100℃のイソパラフィン系ポリエチレンを20重量%以上含有させることが好ましいとされているが、固形描画材全体としては硬く摩耗し難いものとなってしまい、カスは発生し難く、折れにくいが、やや粘着性が高いため紙面への筆記ではそれほど大きな問題ではないものの非吸収面に筆記したときの描き心地が重いものであった。
【0008】
特許文献2、特許文献3に記載の固形描画材は、フタル酸エステルやソルビタン酸トリステアレートがワックスと比較すると非常に極性の高い(親水性の高い)化合物であることからカス出が少なくなっても非吸収面への描画ができなかったり、描画できたとしても描き心地が重いものであった。また、極性の高い化合物が湿気や温度変化などにより表面に析出しやすい性質をもつことにより、固形描画材の本体表面に粉状(白色)の析出物が発生しやすく、見かけが悪くなりやすいため実用化が難しいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、着色成分と、賦形剤として少なくともワックスA、ワックスB、ワックスC、及びワックスDを含有する混合成形物であり、擦過により自己が摩耗することで描画跡を形成する固形描画材において、
前記ワックスAは、25℃における針入度が20以上40以下のマイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスから選ばれる少なくとも1種以上のワックスであり、その含有量は固形描画材全量に対して5重量%以上25重量%以下であり、
前記ワックスBは、25℃における針入度が0.1以上15未満のマイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスから選ばれる少なくとも1種以上のワックスであり、その含有量は固形描画材全量に対して1重量%以上20重量%以下であり、
前記ワックスCは、融点が70℃以上95℃以下のケトンワックスであり、その含有量は固形描画材全量に対して20重量%以上35重量%以下であり、
前記ワックスDは、パラフィンワックスであり、その含有量は固形描画材全量に対して0重量%を超え7重量%以下である固形描画材を第一の要旨とし、前記ワックスAの含有量が固形描画材全量に対して7重量%以上15重量%以下であり、前記ワックスBの含有量が固形描画材全量に対して2重量%以上10重量%以下であり、前記ワックスCの含有量が固形描画材全量に対して23重量%以上33重量%以下であり、前記ワックスDの含有量が固形描画材全量に対して2重量%以上5重量%以下である固形描画材を第二の要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の固形描画材は、賦形材として、25℃における針入度が20以上40以下の軟質のワックスAを固形描画材全量に対して5重量%以上25重量%以下、25℃における針入度が0.1以上15未満の硬質のワックスBを固形描画材全量に対して1重量%以上20重量%以下併用することにより描画材が適度の摩耗性と粘着性を持つ基剤となる。この状態では紙面より表面の凹凸の少ない非吸収面への描画はワックスAとワックスBの粘着性によるため、書き心地が重く、また強度も不十分である。これよりワックスAが多すぎればのカス出が多く強度が弱く、ワックスBが多すぎれば硬く描画濃度の薄い従来の描画材であるが、ここにワックスCとワックスDを併用することで結晶性の違いなどから折損強度と摩耗性を同時に付与することができ、軽い描き心地で濃い描画跡を残せる描画材を得ることができる。また、非吸収面への濃度と描き心地も同時に良好とすることができる。
【0011】
また前記ワックスAの含有量が固形描画材全量に対して7重量%以上15重量%以下であり、前記ワックスBの含有量が固形描画材全量に対して2重量%以上10重量%以下であり、前記ワックスCの含有量が固形描画材全量に対して23重量%以上33重量%以下であり、前記ワックスDの含有量が固形描画材全量に対して2重量%を超え5重量%未満であることが好ましく、よりワックスの粘着性による紙面への定着と摩耗性のバランスがとれてカス出が非常に少なく書き心地も軽い固形描画材を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0013】
着色成分としては、主に顔料が使用でき、従来公知の二酸化チタン、チタンブラック、酸化亜鉛、カーボンブラック、鉄黒、アニリンブラック、ハンザエロー-10G、同5G、同3G、同R、同G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエロー5G、ベンジジンイエロー8G、パーマネントイエローNCG、キノリンイエロー、パーマネントオレンジ2G、インダスレンブリリアントオレンジGK、バルカンオレンジ、ピラゾリンオレンジTMP、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾロンレッド、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ナフソールカーミンHR、ナフソールレッドF5RK、ナフソールレッドF3RK-70、パーマネントレッドFGR、パーマネントカーミンFB、パーマネントレッド2B、ブリリアントカーミン6B、ウオッチンングレッド、パーマネントレッドFRLL、カーマインレーキ、カーミンFBB、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、インダスレンバイオレット、インダスレンブルー、アシッドグリーンレーキ、ジクロロキナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、ジクロロキナクリドンマゼンタ、キナクリドンバイオレット、キナクリドンスカーレット、キナクリドンオレンジ、キナクリドンマルーン、インジゴ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンレッド、ペリレンバーミリオン、ペリレンマルーン、ペリレンスカーレット、ペリレンブラウン、ペリレンバイオレット、ペリレンブラック、ペリノンオレンジ、ペリノンレッド、イソインドリノンイエローG、イソインドリノンイエローR、イソインドリノンイエロー6G、イソインドリノンオレンジ、イソインドリンイエローR、イソインドリンイエローG、イソインドリンオレンジ、イソインドリンレッド、DPPレッド、DPPオレンジ、DPPスカーレット、DPPルビン、アルカリブルー、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ファーストスカイブルー、弁柄、紺青、群青、ビクトリアブルーレーキ、マーカライトグリーンレーキ、ピグメントグリーンB、ビリジアン、酸化鉄、水酸化鉄、シェンナー、アンバー、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、レーキ顔料など、有機顔料、無機顔料及び金属粉顔料や、染料や顔料を樹脂粉体と組み合わせた着色加工粉体及び蛍光顔料、蓄光顔料、天然マイカの表面を金属酸化物で被覆したものや、合成マイカの表面を金属酸化物で被覆したパール顔料などの中から、適宣選択して用いることができる。このとき、これらの顔料は水洗した後乾燥したり、アルカリ剤等のpH調整剤でpH調整したものや、界面活性剤等で表面を処理したものを用いても良く、単独もしくは2種以上混合して使用しても良い。染料を併用することも可能である。
【0014】
これら着色成分の使用量は、固形描画材全量に対して3重量%以上40重量%以下が好ましい。
【0015】
使用できるワックスAとしては、25℃における針入度が20以上40以下のマイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス(低分子量ポリエチレン)、ポリプロピレンワックス(低分子量ポリプロピレン)が挙げられ、Hi-Mic-1045(融点72℃、針入度37、日本精鑞(株)製)、Hi-Mic-1070(融点80℃、針入度20、日本精鑞(株)製)、ハイワックス110P(ポリエチレンワックス、融点109℃、針入度25、三井化学(株)製)などが該当し、その使用量は固形描画材全量に対して5重量%以上25重量%以下であり、好ましくは7重量%以上15重量%以下である。また、融点が60℃以上130℃以下のものが好ましい。
【0016】
使用できるワックスBとしては、25℃における針入度が0.1以上15未満のマイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス(低分子量ポリエチレン)、ポリプロピレンワックス(低分子量ポリプロピレン)が挙げられ、Hi-Mic-2095(マイクロクリスタリンワックス、融点101℃、針入度8、日本精鑞(株)製)、Hi-Mic-1090(マイクロクリスタリンワックス、融点88℃、針入度6、日本精鑞(株)製)、Hi-Mic-1080(マイクロクリスタリンワックス、融点84℃、針入度12、日本精鑞(株)製)、FT115(フィッシャー・トロプシュワックス、融点113℃、針入度1、日本精鑞(株)製)、SX105(フィッシャー・トロプシュワックス、融点102℃、針入度1、日本精鑞(株)製)、FT-0165(フィッシャー・トロプシュワックス、融点73℃、針入度5、日本精鑞(株)製)、FT-0070(フィッシャー・トロプシュワックス、融点72℃、針入度11、日本精鑞(株)製)、サゾールワックスH1(フィッシャー・トロプシュワックス、融点112℃、針入度1、サゾール(株)製)、サゾールワックスC80(フィッシャー・トロプシュワックス、融点88℃、針入度4~9、サゾール(株)製)、サンワックス171-P(低分子量ポリオレフィン、針入度5、三洋化成工業(株)製)、サンワックス151-P(低分子量ポリオレフィン、針入度4、三洋化成工業(株)製)、サンワックス131-P(低分子量ポリオレフィン、針入度4、三洋化成工業(株)製)、サンワックス161-P(低分子量ポリオレフィン、針入度2、三洋化成工業(株)製)、サンワックスE-310(低分子量ポリオレフィン、針入度5、三洋化成工業(株)製)、サンワックスE-330(低分子量ポリオレフィン、針入度4、三洋化成工業(株)製)、サンワックスE-250P(低分子量ポリオレフィン、針入度5、三洋化成工業(株)製)、ネオワックス(ポリエチレンワックス、融点110℃、針入度5、ヤスハラケミカル(株)製)、ハイワックスHP10A(ポリエチレンワックス、融点116℃、針入度2、三井化学(株)製)、ハイワックス210P(ポリエチレンワックス、融点114℃、針入度4、三井化学(株)製)、ハイワックス210MP(ポリエチレンワックス、融点112℃、針入度3、三井化学(株)製)、ハイワックス4202E(ポリエチレンワックス、融点100℃、針入度5、三井化学(株)製)、ハイワックスNL100(ポリエチレンワックス、融点103℃、針入度3、三井化学(株)製)、ハイワックスNP056(ポリプロピレンワックス、融点124℃、針入度2、三井化学(株)製)などが該当し、その使用量は固形描画材全量に対して1重量%以上20重量%以下であり、好ましくは2重量%以上10重量%以下である。また、融点が60℃以上130℃以下のものが好ましい。
【0017】
ワックスAとワックスBの針入度の差は15以上あると詳細な理由は不明であるが、描画材の摩耗時の崩壊と塗膜形成のバランスが良く軽くなめらかな非常に好ましい描き心地が得られ、それぞれ針入度の範囲内であれば、1種または2種以上のワックスを混合して使用することも出来る。
【0018】
使用できるワックスCは融点が70℃以上95℃以下のケトンワックスであり、ジヘプタデシルケトン、ジペンタデシルケトン、ジウンデシルケトン、ジトリデシルケトンなどを挙げることができ、1種または2種以上を混合して使用することも出来る。ケトンワックスは試薬や、市販品としてはカオーワックスT-1(花王(株)製)が使用できる。
【0019】
その使用量は適度な磨耗性を固形描画材に持たせるために、固形描画材全量に対して20重量%以上35重量%以下であり、更には23重量%以上33重量%以下が好ましい。ケトンワックスは比較的硬質であるが結晶性が高く、常温では細かくもろい結晶となるため描画時に崩壊の起点となり、ワックスA、ワックスB、ワックスDと併用することにより固形描画材に摩耗性を付与することができ、その結果強い折損強度を保ったまま濃い描画濃度を得ることができる。また、非吸収面での描き心地も軽い。使用量が20重量%よりも少ない場合は磨耗点が減るために摩耗し難くなり、描画濃度を保持するためには軟質のワックス量を増やす必要があり紙面・非吸収面ともに描き心地が重くなる。使用量が35重量%よりも多い場合はワックスのもろさにより細かく摩耗した描画跡が他のワックスにより十分定着できず紙面や平滑面への描画性が落ちる。
【0020】
使用できるワックスDはパラフィンワックスであり、その使用量は固形描画材全体に対して0重量%を超え7重量%未満である。また融点が45℃以上70℃以下であるとより好ましい。パラフィンワックスは直鎖状の飽和炭化水素化合物を主成分としており、非極性が強いため、ワックス同士がくっつきにくい耐ブロッキング性が非常に高い。また、硬質なワックスであるものの結晶が大きいためワックスA、ワックスB、ワックスCとともにに0重量%を超え7重量%未満の範囲で配合して描画するとワックスCの崩壊点からの崩壊が大きくなり強度を低下させずに摩耗量を増やすことができ、ワックスA、ワックスBの適度な粘着性によりカスにならずに効率的に描画面に描画跡として定着させることができるため、軽い力でもプラスチックやガラスなどの非吸収面に濃度の高い描画跡を得ることができる。使用量が2重量%以上5重量%以下であるとワックスA、ワックスBの粘着性と耐ブロッキング性のバランスがとれカス出が非常に少なく特に好ましい。
全く添加しないと硬く、力を入れても細かくしか崩壊しないため、紙面の描画濃度の薄い描画材となり、プラスチックやガラスなどの非吸収面描画性も落ちるが、使用量が7重量%を超えると、重ね塗りをした描画跡と下の塗膜が耐ブロッキング性の高さにより、重なった状態で定着して厚い一体の塗膜を作ることができずに上から描画した部分が多量の塗りカスとなってしまう。
【0021】
また、上記必須のワックス成分のほかに、牛脂硬化油、ひまし硬化油、魚脂硬化油、カルナバワックス、ミツロウ、木ロウ、モンタンワックス、ペトロラタムなど従来固形描画材に用いられている動・植物系ワックス、石油系ワックスといった天然ワックスや合成ワックスを賦形材として併用することもでき、賦形剤全体として使用量は30重量%以上90重量%以下が好ましい。
【0022】
顔料の分散の他、描き心地の調整のためにオイルを配合することができる。このオイルは動物油、植物油、鉱物油などから適宜選択して使用することができる。一例を挙げると、牛油、豚油、鯨油、米ぬか油、トウモロコシ油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、ごま油、大豆油、ピーナッツ油、ココナッツ油、サンフラワー油、綿実油、ベニバナ油、アマニ油、ホワイトオイル、スピンドル油、マシン油、エンジン油、ギヤー油、タービン油、シリンダー油等が挙げられ、これらの中から単独もしくは1種以上を併用してもよい。特に顔料の分散性の点から、牛油や、スピンドル油やマシン油、ホワイトオイル等の鉱物油を選択するのが好ましい。オイルの使用量は、少ないと顔料の分散が不十分となる他、描き心地が悪くなり、多いとブリード等時間経過によって品質の低下が起こりやすくなるため、固形描画材組成物全量に対して1~30重量%が好ましく、非吸収面への書き心地が軽く濃度の高い描画跡を得るためには使用量が1重量%以上15重量%以下が特に好ましい。
【0023】
また、更に、充填剤として、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、硫酸バリウム等を用いることができる。特に成形の溶融時の流動性の点からタルクが好ましく、その使用量は10重量%以上30重量%以下が好ましい。また、滑剤や離形剤、界面活性剤としてソルビタン脂肪酸エステル、フタル酸エステル、油変性イソフタル酸樹脂などを用いることが出来、特にソルビタン脂肪酸エステル、油変性イソフタル酸樹脂が好ましい。
【0024】
本発明の固形描画材は、上記各成分を常温あるいは加熱撹拌混合し、また必要に応じてニーダー、ロールミル、ディゾルバー、ヘンシェルミキサー等の混練機で混練し、これを溶融状態で型に流し込み、または射出・圧入もしくは押し出した後、冷却固化して得ることが出来る。
【0025】
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
<実施例1> 青色クレヨン
ジペンタデシルケトン(ケトンワックス、融点85度、東京化成工業(株)製)
30重量部
Hi-Mic-1070(マイクロクリスタリンワックス、融点80℃、針入度20、日
本精鑞(株)製) 13重量部
Hi-Mic-2095(マイクロクリスタリンワックス、融点101℃、針入度8、日
本精鑞(株)製) 9重量部
パラフィンワックス-130(パラフィンワックス、融点56℃、日本精鑞(株)製)
4重量部
スーパーオイルN46(鉱物油、新日本石油(株)製) 5重量部
シンセレジンP-120(油変性イソフタル酸樹脂、東新油脂(株)製) 3重量部
KRONOS 酸化チタン KA-10(C.I.PIGMENT WHITE 6、チ
タン工業(株)製) 4重量部
群青#05(C.I.PIGMENT BLUE 29、HOLLIDAY PIGME
NTS製、イギリス) 4重量部
シアニンブルー5029(C.I.PIGMENT BLUE 15:1、大日精化工業
(株)製) 3重量部
タルク 25重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、直径11mmの円柱の一端を稜角28.0度で先端に向かい次第に縮径しつつ先端を曲面状にした略円錐台形状の青色のクレヨンを得た。
【0027】
<実施例2> 赤色クレヨン
カオーワックスT-1(ケトンワックス、融点80度、花王(株)製) 27重量部
Hi-Mic-1045(マイクロクリスタリンワックス、融点72℃、針入度37、日
本精鑞(株)製) 12重量部
Hi-Mic-1090(マイクロクリスタリンワックス、融点88℃、針入度6、日本
精鑞(株)製) 2重量部
ネオワックス(ポリエチレンワックス、融点110℃、針入度5、ヤスハラケミカル(株
)製) 5重量部
パラフィンワックス-130(前述) 2重量部
牛脂硬化油 13重量部
スーパーオイルN46(前述) 7重量部
黄色ワセリン 7重量部
セイカファーストレッド1531(C.I.PIGMENT RED 48:3、大日精
化工業(株)製) 5重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して赤色のクレヨンを得た。
【0028】
<実施例3> 黄色クレヨン
ジペンタデシルケトン(前述) 26重量部
Hi-Mic-1045(前述) 10重量部
Hi-Mic-1070(前述) 3重量部
Hi-Mic-2095(前述) 1重量部
サゾールワックスH1(フィッシャー・トロプシュワックス、融点112℃、針入度1、
サゾール(株)製) 5重量部
パラフィンワックス-140(パラフィンワックス、融点61℃、日本精鑞(株)製)
3重量部
牛脂硬化油 14重量部
スーパーオイルN46(前述) 8重量部
黄色ワセリン 6重量部
ハンザイエロー10GM(C.I.PIGMENT YELLOW 3、御国色素(株)
製) 4重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して黄色のクレヨンを得た。
【0029】
<実施例4> ペールオレンジ色クレヨン
カオーワックスT-1(前述) 20重量部
Hi-Mic-1070(前述) 10重量部
Hi-Mic-1090(前述) 2重量部
ネオワックス(前述) 5重量部
パラフィンワックス-130(前述) 7重量部
牛脂硬化油 11重量部
ダフニーオイルKP-15(出光興産(株)製) 10重量部
TITANIX JR-800(酸化チタン、テイカ(株)製) 13重量部
PV Fast Orange GRL(C.I.PIGMENT ORANGE 43
、クラリアント製、スイス) 1重量部
タルク 21重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成してペールオレンジ色のクレヨンを得た。
【0030】
<実施例5> 赤色クレヨン
カオーワックスT-1(前述) 32重量部
Hi-Mic-1045(前述) 23重量部
Hi-Mic-2095(前述) 1重量部
パラフィンワックス-130 (前述) 3重量部
牛脂硬化油 2重量部
スーパーオイルN46(前述) 7重量部
黄色ワセリン 7重量部
セイカファーストレッド1531(前述) 5重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して赤色のクレヨンを得た。
【0031】
<比較例1> 赤色クレヨン
カオーワックスT-1(前述) 37重量部
Hi-Mic-1045(前述) 7重量部
Hi-Mic-1090(前述) 3重量部
パラフィンワックス-130 (前述) 1重量部
牛脂硬化油 13重量部
スーパーオイル(前述) 7重量部
黄色ワセリン 7重量部
セイカファーストレッド1531(前述) 5重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して赤色のクレヨンを得た。
【0032】
<比較例2> 赤色クレヨン
ジペンタデシルケトン(前述) 15重量部
Hi-Mic-1045(前述) 12重量部
Hi-Mic-2095(前述) 3重量部
パラフィンワックス-140(前述) 7重量部
牛脂硬化油 24重量部
スーパーオイル(前述) 7重量部
黄色ワセリン 7重量部
セイカファーストレッド1531(前述) 5重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して赤色のクレヨンを得た。
【0033】
<比較例3> 赤色クレヨン
カオーワックスT-1(前述) 21重量部
Hi-Mic-1070(前述) 27重量部
Hi-Mic-2095(前述) 2重量部
パラフィンワックス-130(前述) 1重量部
牛脂硬化油 10重量部
スーパーオイル(前述) 7重量部
黄色ワセリン 7重量部
セイカファーストレッド1531(前述) 5重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して赤色のクレヨンを得た。
【0034】
<比較例4> 赤色クレヨン
ジペンタデシルケトン(前述) 30重量部
Hi-Mic-1070(前述) 1重量部
Hi-Mic-2095(前述) 10重量部
ネオワックス(前述) 10重量部
パラフィンワックス-130(前述) 4重量部
スーパーオイル(前述) 7重量部
黄色ワセリン 7重量部
セイカファーストレッド1531(前述) 5重量部
タルク 26重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して赤色のクレヨンを得た。
【0035】
<比較例5> 青色クレヨン
カオーワックスT-1(前述) 25重量部
Hi-Mic-1045(前述) 18重量部
Hi-Mic-1090(前述) 5重量部
パラフィンワックス-130(前述) 8重量部
牛脂硬化油 5重量部
スーパーオイルN46(鉱物油、新日本石油(株)製) 5重量部
シンセレジンP-120(油変性イソフタル酸樹脂、東新油脂(株)製) 3重量部
KRONOS 酸化チタン KA-10(C.I.PIGMENT WHITE 6、チ
タン工業(株)製) 4重量部
群青#05(C.I.PIGMENT BLUE 29、HOLLIDAY PIGME
NTS製、イギリス) 4重量部
シアニンブルー5029(C.I.PIGMENT BLUE 15:1、大日精化工業
(株)製) 3重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して青色のクレヨンを得た。
【0036】
<比較例6> 青色クレヨン
カオーワックスT-1(前述) 25重量部
Hi-Mic-1045(前述) 18重量部
Hi-Mic-1090(前述) 5重量部
牛脂硬化油 13重量部
スーパーオイルN46(鉱物油、新日本石油(株)製) 5重量部
シンセレジンP-120(油変性イソフタル酸樹脂、東新油脂(株)製) 3重量部
KRONOS 酸化チタン KA-10(C.I.PIGMENT WHITE 6、チ
タン工業(株)製) 4重量部
群青#05(C.I.PIGMENT BLUE 29、HOLLIDAY PIGME
NTS製、イギリス) 4重量部
シアニンブルー5029(C.I.PIGMENT BLUE 15:1、大日精化工業
(株)製) 3重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して青色のクレヨンを得た。
【0037】
<比較例7> 黄色クレヨン
ジペンタデシルケトン(前述) 26重量部
Hi-Mic-1045 13重量部
Hi-Mic-2095 0.5重量部
パラフィンワックス-140(前述) 7重量部
牛脂硬化油 15.5重量部
スーパーオイルN46(前述) 8重量部
黄色ワセリン 6重量部
ハンザイエロー10GM(C.I.PIGMENT YELLOW 3、御国色素(株)
製) 4重量部
タルク 20重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して黄色のクレヨンを得た。
【0038】
<比較例8> 黄色クレヨン
ジペンタデシルケトン(前述) 20重量部
Hi-Mic-1045 13重量部
Hi-Mic-2095 15重量部
ネオワックス(前述) 7重量部
パラフィンワックス-140(前述) 1重量部
牛脂硬化油 6重量部
スーパーオイルN46(前述) 8重量部
黄色ワセリン 6重量部
ハンザイエロー10GM(C.I.PIGMENT YELLOW 3、御国色素(株)
製) 4重量部
タルク 19重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して黄色のクレヨンを得た。
【0039】
<比較例9> 赤色クレヨン
バイセン0252C(イソパラフィン系ポリエチレン、軟化点75℃、日本精鑞(株)製
) 36重量部
パラフィンワックス-155(パラフィンワックス、融点69℃、日本精鑞(株)製)
20重量部
魚油硬化油 4重量部
ダフニーオイルKP-15(前述) 13重量部
セイカファーストレッド1531(前述) 8重量部
タルク 19重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して赤色のクレヨンを得た。
【0040】
<比較例10> 黒色クレヨン
牛脂硬化油 40重量部
フタル酸ジヘキサデシルエステル(フタル酸エステル、融点43度) 50重量部
カーボンMA100(カーボンブラック、三菱化学(株)製) 10重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して黒色のクレヨンを得た。
【0041】
<比較例11> 青色クレヨン
パラフィンワックス-130(前述) 35重量部
カルナウバワックス 25重量部
ソルビタン酸トリステアレート(ソルビタン脂肪酸エステル) 30重量部
シアニンブルー5029(前述) 10重量部
上記成分を加熱溶解し、ディスパーで30分練り混ぜ、型に流し込んだ後、冷却し、実施例1と同様形状に形成して青色のクレヨンを得た。
【0042】
各実施例、比較例にて得られたクレヨンを試験サンプルとして、下記の試験を行った。カス出重量測定方法
試験サンプルを画用紙(坪量73.3~210g/立方メートル、白色度75%以上のもの)に10cm直線上に100往復描画する。描画条件は、描画荷重1kg、紙面の試験サンプル(クレヨン)を進める描画方向と円柱棒状のクレヨンの軸心のなす角度(以下、描画角度と呼ぶ)は60度とする。紙面に飛散したカスを全て集め、重量を測定する。描画前後の軸の重量の差を軸の摩耗量とし、以下の式にてカス出を算出する。
カス出(%)=(紙面に出たカスの重量(g)/摩耗量(g))×100
カス出は10%以下であれば、カスが気にならず良好である。
【0043】
描画抵抗測定方法
試験サンプルを、(株)トリニティーラボ製のTRIBO-MASTER(TYPE:TL201SA)を使用して、描画荷重300g、描画角度70°、描画速度4cm/secの条件で描画させた時の、描画方向にかかる抵抗値(単位:gf)を測定した。1回測定する毎に、試験サンプルを120°回転させて紙面に対する試験サンプルの接地面を変え(毎度摩耗していない部分を接地させる)、3回の測定で合計360度回転させ測定した値の平均値を示す。数値が大きいほど描画に要する抵抗が大きく書き味が悪い(重く感じる)ものである。抵抗値が20gf以上異なると描画の感触が違うものと感じ、抵抗値が150gf以下であれば描き心地が軽いと感じる。
【0044】
折損強度測定方法
試験サンプルを、(株)レオテック製のFUDOH RHEO METER(NRM-2010J)を使用して、JIS S 6026により折損強度を測定した。実用的な折損強度は1200gf以上である。
【0045】
非吸収面描画性
試験サンプルを、アルファンPK-002 40μm(OPPフィルム、王子エフテックス(株)製)に描画荷重500gで1往復描画し、描画できるかと、描き心地を確認する。
◎:濃く描画でき、描き心地が軽い
○:濃く描画できるが描き心地が重い
△:描画できるが薄い
×:描画できない
【0046】
描画濃度
試験サンプルを、画用紙に描画荷重500gで1往復描画し、ぺんてる株式会社製ずこうクレヨン(PTCG1-16)の同色と濃度を比較する。
○:ずこうクレヨンと同等もしくは、より濃い
×:ずこうクレヨンよりも薄い
【0047】
【0048】
表1に示すように実施例1から5は、カス出、描画抵抗、折損強度、非吸収面描画性、濃度いずれにおいても良好な結果を得られた。また実施例1から実施例3は特にカス出が少なく良好である。
【0049】
これに対し、比較例1ではワックスCのケトンワックスの添加量が多すぎるため、描画濃度がかなり薄く、非吸収面描画性も悪くなっている。比較例2はワックスCのケトンワックスの添加量が少なすぎるため、描画抵抗が大きく、カス出も増えている。比較例3はワックスAが多すぎるため、折損強度が弱い。比較例4はワックスAが少なすぎるため、カス出が多く描画濃度が低く、非吸収面描画性も落ち、描画抵抗が高い。比較例5はワックスDのパラフィンワックスの添加量が多すぎるため、カス出が非常に多い。比較例6はワックスDのパラフィンワックスが全く入っていないことから非吸収面描画性と描画濃度が悪い。比較例7はワックスBが少なすぎるため、折損強度が弱い。比較例8はワックスBが多すぎるため、描画濃度と描画抵抗が悪い。比較例9は硬いイソパラフィン系ポリエチレンを多く配合しているので、カス出は少ないが非吸収面に描画すると描き心地が重い。比較例10は賦形材として磨耗性や定着力が不十分な牛脂硬化油のみを用いているので非吸収面描画性や描画濃度が悪くなっている。比較例11はパラフィンワックスを多く添加しているので非吸収面描画性は良いが、磨耗性と定着性が不十分なので描画濃度が悪くなっている。