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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】生タイヤ製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/32 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
B29D30/32
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018145258
(22)【出願日】2018-08-01
(65)【公開番号】P2020019235
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】小西 拓磨
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-143137(JP,A)
【文献】特開2002-355878(JP,A)
【文献】特開2007-296871(JP,A)
【文献】特開2010-162826(JP,A)
【文献】特開2007-176088(JP,A)
【文献】特開2002-347135(JP,A)
【文献】特開2007-131110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00-30/32
B29D 30/60
B29C 53/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形フォーマ上で、カーカスプライとビードコアとビードエーペックスゴムとを含む円筒状の1次成形体を形成する第1工程と、
前記1次成形体をトロイド状に膨張させてシェーピングする第2工程とを含む生タイヤ製造方法であって、
前記第1工程は、円筒状のカーカスプライ上に、ビードコアをセットするコアセット段階と、前記ビードコアよりもタイヤ軸方向内側となる位置にビードエーペックスゴムを形成するエーペックス形成段階とを含み、
前記エーペックス形成段階は、
前記円筒状のカーカスプライ上で、加硫後のゴム硬度が大となる未加硫の第1のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより、第1ゴム部を形成する第1ステップと、
前記第1ゴム部上で、加硫後のゴム硬度が小となる未加硫の第2のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより第2ゴム部を形成する第2ステップとを含み、
しかも前記第1、第2のゴムストリップは、それぞれ、タイヤ軸方向内側から外側に向かって巻き付けられる生タイヤ製造方法。
【請求項2】
前記第1工程では、ビードエーペックスゴムは、前記ビードコアからタイヤ軸方向内側に距離を隔てて形成される請求項1記載の生タイヤ製造方法。
【請求項3】
前記第1工程で形成されるビードエーペックスゴムは、前記第2工程におけるシェーピングにより、前記ビードコアの半径方向外面と接合する請求項2記載の生タイヤ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビードエーペックスゴムを、ゴムストリップの巻き重ねによって形成する生タイヤ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、巾狭帯状のゴムストリップを用いてタイヤ構成部材を成形する技術(ストリップワインド方式)が知られている。
【0003】
そして特許文献1の図8には、成形フォーマ上に形成された円筒状のカーカスプライの外周面上で、ゴムストリップを螺旋状に巻き重ね、これによりビードエーペックスゴムをタイヤ軸方向に倒れた横向き状態で形成することが提案されている。
【0004】
この場合、ビードエーペックスゴムを横向き状態で形成するため、ゴムストリップの巻き付けを安定して行うことができる。しかし、シェーピング時には、横向き状態のビードエーペックスゴムを、縦向き状態(半径方向に立ち上がる状態)に起き上がらせる必要がある。しかし、このとき、半径方向外側となるゴムストリップの巻回部ほど、半径方向内側に強く引っ張られる。その結果、巻回乱れが生じ、ビードエーペックスゴムに変形を招くなど形成精度を低下させるという傾向がある。
【0005】
この傾向は、半径方向高さが大なビードエーペックスゴムほどより顕著となる。
【0006】
なお、半径方向高さが大なビードエーペックスゴムは、剛性バランス等の観点から、硬質ゴムからなる半径方向内側の第1ゴム部と、軟質ゴムからなる半径方向外側の第2ゴム部とで形成される場合が多い。このようなビードエーペックスゴムをストリップワインド方式で形成する場合、第1ゴム部及び第2ゴム部を、それぞれ別々のゴムストリップの巻き重ねによって形成するが、このとき、第1ゴム部と第2ゴム部との境界で空気溜まりが発生し易く、タイヤ品質を損ねる傾向となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-168241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、硬質の第1ゴム部と軟質の第2ゴム部とからなるビードエーペックスゴムを、ストリップワインド方式で形成する際、空気溜まりの発生を抑えるとともに、ゴムストリップの巻回乱れを抑えてビードエーペックスゴムの形成精度を高めうる生タイヤ製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、成形フォーマ上で、カーカスプライとビードコアとビードエーペックスゴムとを含む円筒状の1次成形体を形成する第1工程と、
前記1次成形体をトロイド状に膨張させてシェーピングする第2工程とを含む生タイヤ製造方法であって、
前記第1工程は、円筒状のカーカスプライ上に、ビードコアをセットするコアセット段階と、前記ビードコアよりもタイヤ軸方向内側となる位置にビードエーペックスゴムを形成するエーペックス形成段階とを含み、
前記エーペックス形成段階は、
前記円筒状のカーカスプライ上で、加硫後のゴム硬度が大となる未加硫の第1のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより、第1ゴム部を形成する第1ステップと、
前記第1ゴム部上で、加硫後のゴム硬度が小となる未加硫の第2のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより第2ゴム部を形成する第2ステップとを含み、
しかも前記第1、第2のゴムストリップは、それぞれ、タイヤ軸方向内側から外側に向かって巻き付けられる。
【0010】
本発明に係る生タイヤ製造方法では、前記第1工程において、ビードエーペックスゴムは、前記ビードコアからタイヤ軸方向内側に距離を隔てて形成されるのが好ましい。
【0011】
本発明に係る生タイヤ製造方法では、前記第1工程で形成されるビードエーペックスゴムは、前記第2工程におけるシェーピングにより、前記ビードコアの半径方向外面と接合するのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は叙上の如く、エーペックス形成段階が、第1ステップと第2ステップとを含む。第1ステップでは、円筒状のカーカスプライ上で、第1のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねて硬質側の第1ゴム部を形成する。又、第2ステップでは、第1ゴム部上で、第2のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねて軟質側の第2ゴム部を形成する。
【0013】
従って、半径方向高さが大なビードエーペックスゴムを、剛性バランスを確保しながらストリップワインド方式により形成することが可能になる。
【0014】
ここで、横向き状態で形成されたビードエーペックスゴムを、縦向き状態に起き上がらせるとき、半径方向外側の巻回部ほど、強い張力を受けて半径方向内側に強く引っ張られる。その結果、従来においては、巻き付けに乱れが生じ、ビードエーペックスゴムに変形を招く。
【0015】
しかし、本発明では、第1、第2のゴムストリップが、それぞれ、タイヤ軸方向内側から外側に向かって巻き付けられている。
【0016】
この場合、縦向き状態に起き上がる際、半径方向内側に最も強く引っ張られる巻始め端部(タイヤ軸方向内端部)が、2周目、3周目・・・の巻回部に順次重ね合わされ、カーカスプライに押し付けられる。その結果、巻始め端部側の動きが拘束され、起き上がりに際してのゴムストリップの巻回乱れを抑制しうる。又粘着性の観点からは、硬質側となる第1のゴムストリップの方が、軟質側となる第2のゴムストリップより粘着性に劣るため、一般に、巻回乱れが生じやすい傾向にある。しかし、第2ゴム部が第1ゴム部をカーカスプライに押し付けるため、この点からも巻回乱れをさらに抑制しうる。
【0017】
又第1、第2のゴムストリップの巻き付け方向が同じとなるため、第1ゴム部と第2ゴム部との境界での空気溜まりの発生を低く抑えうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の生タイヤ製造方法を用いて形成された空気入りタイヤの一例を示す断面図である。
図2】第1工程を概念的に示す断面図である。
図3】第2工程を概念的に示す断面図である。
図4】(A)はエーペックス形成段階における第1ステップを概念的に示す部分断面図、(B)は、第2ステップを概念的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の生タイヤ製造方法を用いて形成された空気入りタイヤ1の断面図である。図1に示すように、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、ビードコア5から半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8とを具える。
【0020】
カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば75~90゜の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、ビードコア5、5間に跨るトロイド状のプライ本体部6aと、その両端に連なりかつビードコア5の回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bとを具える。
【0021】
カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部には、ベルト層7が配される。ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10~45゜の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。ベルト層7は、各ベルトコードがプライ間相互で交差し、これによりベルト剛性が高められる。
【0022】
ビードエーペックスゴム8は、断面三角形状をなし、プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間を通ってビードコア5から半径方向外側にのびる。
【0023】
ビードエーペックスゴム8は、境界線Xによって区分される第1ゴム部8Aと第2ゴム部8Bとを具える。境界線Xは、タイヤ軸方向内方に向かって半径方向外方に傾斜する。また第1ゴム部8Aは、境界線Xよりも半径方向内側に配され、第2ゴム部8Bは、境界線Xよりも半径方向外側に配される。
【0024】
第1ゴム部8Aは、第2ゴム部8Bよりもゴム硬度が大なゴムから形成され、第2ゴム部8Bは、第1ゴム部8Aよりもゴム硬度が小なゴムから形成される。このように、ビードエーペックスゴム8を、ゴム硬度が異なる第1ゴム部8Aと第2ゴム部8Bとで形成することで、優れた剛性バランスを保ちながら、ビードエーペックスゴム8の半径方向高さを高め、操縦安定性、耐久性等を向上させることが可能になる。
【0025】
次に、空気入りタイヤ1のための生タイヤ製造方法を説明する。
この生タイヤ製造方法は、第1工程S1(図2に示す)と、第2工程S2(図3に示す)とを具える。
【0026】
図2に示すように、第1工程S1では、成形フォーマF上で、カーカスプライ6Aとビードコア5とビードエーペックスゴム8とを含む円筒状の1次成形体10が形成される。
【0027】
詳しくは、第1工程S1では、円筒状のカーカスプライ6A上に、ビードコア5をセットするコアセット段階S1aと、ビードコア5よりもタイヤ軸方向内側となる位置にビードエーペックスゴム8を横向き状態Kaで形成するエーペックス形成段階S1bとを含む。
【0028】
円筒状のカーカスプライ6Aは、成形フォーマF上で、シート状のカーカスプライ6Aを巻回させる(例えば一周巻き)ことにより形成される。シート状のカーカスプライ6Aとしては、その内面にインナーライナゴム(図示しない)を積層した複合シートを採用しうる。しかし、カーカスプライ6Aの巻回に先駆けて、成形フォーマF上で、シート状のインナーライナゴムを巻き付けておいても良い。
【0029】
成形フォーマFとしては、所謂シングルステージ形成方法にて使用されるフォーマが好適に採用される。この成形フォーマFは、ビードコア5を支持するビードロック手段(図示省略)と、プライ折返し部6bを半径方向外側に巻き上げる巻き上げ手段(図示省略)等を具えた周知構造をなす。
【0030】
前記コアセット段階S1aでは、成形フォーマFのタイヤ軸方向両外側から挿入した一対のビードコア5を、所定のセット位置Pまで移動し、かつビードロック手段を作動させることによりビードコア5をセットする。このコアセット段階S1aは、エーペックス形成段階S1bに先駆けて行うことができるが、好ましくは、エーペックス形成段階S1bの後に行われる。
【0031】
エーペックス形成段階S1bは、第1ゴム部8Aを形成する第1ステップS1b図4(A)に示す)と、第2ゴム部8Bを形成する第2ステップS1b図4(B)に示す)とを具える。
【0032】
図4(A)に示すように、第1ステップS1bでは、円筒状のカーカスプライ6A上で、第1ゴム部8A形成用の未加硫の第1のゴムストリップG1を螺旋状に巻き重ねる。これにより、前記セット位置Pよりもタイヤ軸方向内側となる位置に、未加硫の第1ゴム部8Aがストリップ巻回体21として形成される。
【0033】
第1のゴムストリップG1は、タイヤ軸方向内側の巻始め端部E1aからタイヤ軸方向外側の巻終わり端部E1bまで、タイヤ軸方向外側に向かって螺旋巻きされる。
【0034】
図4(B)に示すように、第2ステップS1b2では、第1ゴム部8A(ストリップ巻回体21)上で、第2ゴム部8B形成用の未加硫の第2のゴムストリップG2を螺旋状に巻き重ねる。これにより、未加硫の第2ゴム部8Bがストリップ巻回体22として形成される。
【0035】
第2のゴムストリップG2は、タイヤ軸方向内側の巻始め端部E2aからタイヤ軸方向外側の巻終わり端部E2bまで、タイヤ軸方向外側に向かって螺旋巻きされる。
【0036】
前記巻始め端部E2aは、巻始め端部E1aよりもタイヤ軸方向内側に配される。従って、第2ゴム部8B(ストリップ巻回体22)は、前記巻始め端部E1aよりもタイヤ軸方向内側の領域Yiにおいては、カーカスプライ6A上に重なり、巻始め端部E1aよりもタイヤ軸方向外側の領域Yoにおいては、第1ゴム部8A(ストリップ巻回体21)上に重ね合わされる。
【0037】
ストリップ巻回体21、22の断面形状及びサイズは、加硫成形後の第1ゴム部8A、第2ゴム部8Bの断面形状及びサイズに応じて適宜設定される。
【0038】
又第1、第2のゴムストリップG1、G2の断面形状及びサイズは、特に規制されることがなく、ストリップワインド方式に使用される従来のゴムストリップの断面形状及びサイズが好適に採用しうる。
【0039】
図4(B)に示すように、第1工程S1では、ビードエーペックスゴム8は、セット位置Pのビードコア5からタイヤ軸方向内側に距離Lを隔てて形成される。この距離Lは、ビードコア5の半径方向高さH以下であるのが好ましく、特には、高さHの0.6倍以上であるのが好ましい。なおビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向外側の側面foが、ビードコア5の半径方向外面5sに接合される。本例では、ビードコア5が略矩形状断面を有する場合が示される。しかし、6角形状断面であっても良い。
【0040】
図3に示すように、第2工程S2では、円筒状の前記1次成形体10をトロイド状に膨張させてシェーピングが行われる。シェーピングでは、膨張する1次成形体10の膨張部分とトレッドリング11とが一体に連結され、生タイヤが形成される。
【0041】
なお1次成形体10の膨張は、ビードコア5、5間を近づけながら、ビードコア5、5間のカーカスプライ6Aをトロイド状に膨張させることにより行われる。このとき、横向き状態Kaのビードエーペックスゴム8が、カーカスプライ6Aとともに縦向き状態Kbに起き上がり、ビードエーペックスゴム8の側面foがビードコア5の半径方向外面5sに押し付けられて接合される。
【0042】
図4(B)に示すように、前記距離Lが高さHより大きいと、接合時、ビードエーペックスゴム8とビードコア5との間に隙間が生じ、空気溜まりの発生原因となる。又距離Lが高さHの0.6倍より小さいと、起き上がり時に、ビードエーペックスゴム8がビードコア5と強く擦れてビードエーペックスゴム8の変形を招く。このような観点から、前記距離Lの上限は、高さHの0.8倍以下がより好ましく、下限は、高さHの0.6倍以上がより好ましい。
【0043】
この生タイヤ製造方法では、エーペックス形成段階が、第1ステップS1bと第2ステップS1bとを含むため、半径方向高さが大なビードエーペックスゴム8を、剛性バランスを確保しながらストリップワインド方式により形成することができる。
【0044】
又第1、第2のゴムストリップG1、G2が、それぞれ、タイヤ軸方向内側から外側に向かって巻き付けられる。そのため、第1ゴム部8Aでは、巻始め端部E1aが、第1のゴムストリップG1の2周目、3周目・・・の巻回部に順次押さえ付けられ。その結果、巻始め端部E1a側の動きが拘束され、起き上がりに際してのゴムストリップG1の巻回乱れが抑制される。
【0045】
同様に、第2ゴム部8Bでは、巻始め端部E2aが、第2のゴムストリップG2の2周目、3周目・・・の巻回部に順次押さえ付けられ。その結果、巻始め端部E2a側の動きが拘束され、起き上がりに際してのゴムストリップG2の巻回乱れが抑制される。なお、粘着性の観点からは、第1のゴムストリップG1の方が、第2のゴムストリップG2より粘着性に劣るため、巻回乱れが生じやすい傾向にある。しかし、巻始め端部E1aが巻始め端部E2aよりタイヤ軸方向外側に位置すること、及び第2ゴム部8Bが第1ゴム部8Aを押さえ付けることにより、ビードエーペックスゴム8全体として巻回乱れをさらに抑制しうる。
【0046】
又第1、第2のゴムストリップG1、G2の巻き付け方向が同じとなるため、第1ゴム部8Aと第2ゴム部8Bとの境界における空気溜まりの発生が低く抑えられる。
【0047】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【符号の説明】
【0048】
5 ビードコア
5s 外面
6A カーカスプライ
8 ビードエーペックスゴム
8A 第1ゴム部
8B 第2ゴム部
10 1次成形体
F 成形フォーマ
G1 第1のゴムストリップ
G2 第2のゴムストリップ
L 距離
S1 第1工程
S1a コアセット段階
S1b エーペックス形成段階
S1b 第1ステップ
S1b 第2ステップ
S2 第2工程
図1
図2
図3
図4