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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】服薬支援システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20220509BHJP
   A61J 7/04 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
G16H20/10
A61J7/04 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018154753
(22)【出願日】2018-08-21
(65)【公開番号】P2020030524
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩飽 勝美
(72)【発明者】
【氏名】河合 健太郎
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-086201(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0283691(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0327691(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
A61J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
服薬者の居宅内に設置された服薬支援装置と、
前記服薬者の居宅内に設置された撮影装置と、
前記服薬者とは異なる者が使用可能な独立端末と、
前記服薬支援装置、前記撮影装置および前記独立端末にネットワークを通じて接続可能な服薬支援サーバと、を備え、
前記服薬支援装置は、
それぞれが薬剤を収納する複数の薬剤ケースを収容する容器と、
前記容器からの前記薬剤ケースの排出が実行されたことを示す排出実行情報を前記服薬支援サーバに送信する排出実行情報送信部と、を有し、
前記撮影装置は、
前記服薬者の居宅内を撮影する撮影部と、
前記撮影部が撮影した撮影情報を前記服薬支援サーバに送信する撮影情報送信部と、
前記撮影部による撮影の開始を指示する開始信号を受信する開始信号受信部と、を有し、
前記服薬支援サーバは、
前記排出実行情報送信部が送信した前記排出実行情報を受信する排出実行情報受信部と、
前記撮影情報送信部が送信した撮影情報を受信するとともにその撮影情報を前記独立端末に送信する撮影情報転送部と、
前記開始信号を前記開始信号受信部に送信する開始信号送信部と、を有し、
前記開始信号送信部は、前記排出実行情報受信部が前記排出実行情報を受信したときに、前記開始信号を前記開始信号受信部に送信する、服薬支援システム。
【請求項2】
前記服薬支援装置は、前記薬剤ケースを排出する排出時刻を設定可能な設定部と、前記排出時刻になったときに、前記複数の薬剤ケースのうちの一の薬剤ケースを前記容器から排出する排出機構と、をさらに有し、
前記排出実行情報は、前記設定部に設定された前記排出時刻になったことに設定されている、請求項1に記載の服薬支援システム。
【請求項3】
前記服薬支援装置は、
前記容器から排出された薬剤ケースを取り出すための取出部と、
前記取出部に設けられており、前記取出部における前記薬剤ケースの有無を検知可能なセンサと、をさらに有し、
前記排出実行情報は、前記取出部に前記薬剤ケースが無いことが前記センサによって検知されたことに設定されている、請求項1に記載の服薬支援システム。
【請求項4】
前記服薬支援サーバは、前記撮影部による撮影の停止を指示する停止信号を前記撮影装置に送信する停止信号送信部をさらに有し、
前記撮影装置は、前記停止信号を受信する停止信号受信部をさらに有し、
前記停止信号送信部は、前記開始信号送信部による前記開始信号の送信後、一定時間経過時に前記停止信号を前記停止信号受信部に送信する、請求項1から3のいずれか1項に記載の服薬支援システム。
【請求項5】
前記服薬支援サーバは、前記撮影部による撮影の停止を指示する停止信号を前記撮影装置に送信する停止信号送信部をさらに有し、
前記撮影装置は、前記停止信号を受信する停止信号受信部をさらに有し、
前記服薬支援装置は、前記服薬者による押圧が可能で、かつ、前記服薬者による押圧を受けたときに押圧信号を前記服薬支援サーバに送信する押圧部をさらに有し、
前記停止信号送信部は、前記押圧信号の受信後、前記停止信号を前記停止信号受信部に送信する、請求項1から3のいずれか1項に記載の服薬支援システム。
【請求項6】
前記撮影装置は、前記撮影部による撮影の開始から停止までの間、前記撮影情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記撮影情報送信部は、前記記憶部に記憶された前記撮影情報を前記撮影情報転送部に送信する、請求項4または5に記載の服薬支援システム。
【請求項7】
前記撮影情報送信部は、前記撮影部による撮影と同時に前記撮影情報を前記撮影情報転送部に送信し、
前記撮影情報転送部は、前記撮影情報の受信と同時に前記撮影情報を前記独立端末に送信する、請求項1から5のいずれか1項に記載の服薬支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、服薬支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2017-108811号公報(以下、「特許文献1」という。)には、患者の居宅に設置された服薬支援装置と、服薬支援装置がネットワークを介して接続可能な服薬支援サーバとを備える服薬支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-108811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるように、服薬者の服薬を支援する服薬支援システムが知られている。このような服薬支援システムでは、予め設定された時刻に服薬支援装置から薬剤が排出されるものの、薬局や医療機関などにおいては、その薬剤を実際に服薬者が服薬したか否かの確認ができない。このため、薬局や医療機関などにおいて、服薬者が服薬したか否かを映像で確認したいというニーズがある。しかしながら、カメラなどの撮影装置で服薬者の行動を撮影することは、服薬者を監視することになるため、服薬者の心的負担が大きい。
【0005】
本発明の目的は、服薬者の心的負担の増大を抑制しつつ、服薬者が服薬したか否かの確認をすることが可能な服薬支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従った服薬支援システムは、服薬者の居宅内に設置された服薬支援装置と、服薬者の居宅内に設置された撮影装置と、服薬者とは異なる者が使用可能な独立端末と、服薬支援装置、撮影装置および独立端末にネットワークを通じて接続可能な服薬支援サーバと、を備える。服薬支援装置は、それぞれが薬剤を収納する複数の薬剤ケースを収容する容器と、容器からの薬剤ケースの排出が実行されたことを示す排出実行情報を服薬支援サーバに送信する排出実行情報送信部と、を有する。撮影装置は、服薬者の居宅内を撮影する撮影部と、撮影部が撮影した撮影情報を服薬支援サーバに送信する撮影情報送信部と、撮影部による撮影の開始を指示する開始信号を受信する開始信号受信部と、を有する。服薬支援サーバは、排出実行情報送信部が送信した排出実行情報を受信する排出実行情報受信部と、撮影情報送信部が送信した撮影情報を受信するとともにその撮影情報を独立端末に送信する撮影情報転送部と、開始信号を開始信号受信部に送信する開始信号送信部と、を有する。開始信号送信部は、排出実行情報受信部が排出実行情報を受信したときに、開始信号を開始信号受信部に送信する。
【0007】
本服薬支援システムでは、服薬者の居宅内を撮影した撮影情報が服薬支援サーバを介して独立端末に送られるため、服薬者の居宅から離れた場所(薬局や医療機関など)において、服薬者が服薬したか否かを確認することができる。さらに、撮影部による撮影が開始されるのは、排出実行情報(容器からの薬剤ケースの排出が実行されたことを示す情報)が排出実行情報受信部に送信されたときであるため、たとえば、服薬者の居宅内が常時撮影される場合に比べて、服薬者の心的負担が低減される。よって、本服薬支援システムでは、服薬者の心的負担の増大を抑制しつつ、服薬者が服薬したか否かの確認をすることが可能となる。
【0008】
また、服薬支援装置は、薬剤ケースを排出する排出時刻を設定可能な設定部と、排出時刻になったときに、複数の薬剤ケースのうちの一の薬剤ケースを容器から排出する排出機構と、をさらに有していてもよい。排出実行情報は、設定部に設定された排出時刻になったことに設定されている。
【0009】
この態様では、排出時刻から撮影部による撮影が開始されるため、撮影時間を有効に短縮できる。
【0010】
あるいは、服薬支援装置は、容器から排出された薬剤ケースを取り出すための取出部と、取出部に設けられており、取出部における薬剤ケースの有無を検知可能なセンサと、をさらに有していてもよい。排出実行情報は、取出部に薬剤ケースが無いことがセンサによって検知されたことに設定されている。
【0011】
この態様では、取出部から薬剤ケースが無くなったとき(服薬者が取出部から薬剤ケースを取り出したとき)から撮影部による撮影が開始されるため、撮影時間を有効に短縮できる。
【0012】
また好ましくは、服薬支援サーバは、撮影部による撮影の停止を指示する停止信号を撮影装置に送信する停止信号送信部をさらに有する。撮影装置は、停止信号を受信する停止信号受信部をさらに有する。停止信号送信部は、開始信号送信部による開始信号の送信後、一定時間経過時に停止信号を停止信号受信部に送信してもよい。
【0013】
この態様では、撮影部による撮影の開始から一定時間経過後に、自動的に撮影部による撮影が停止されるため、撮影時間が短縮される。
【0014】
また好ましくは、服薬支援装置は、服薬者による押圧が可能で、かつ、服薬者による押圧を受けたときに押圧信号を服薬支援サーバに送信する押圧部をさらに有する。停止信号送信部は、押圧信号の受信後、停止信号を停止信号受信部に送信してもよい。
【0015】
この態様では、服薬者が押圧部を押圧することによって撮影部による撮影が停止されるため、撮影部による撮影時間が有効に短縮される。
【0016】
また好ましくは、撮影装置は、撮影部による撮影の開始から停止までの間、撮影情報を記憶する記憶部をさらに有する。撮影情報送信部は、記憶部に記憶された撮影情報を撮影情報転送部に送信してもよい。
【0017】
この態様では、記憶部に記憶(録画)された撮影情報が独立端末に転送される。
あるいは、撮影情報送信部は、撮影部による撮影と同時に撮影情報を撮影情報転送部に送信し、撮影情報転送部は、撮影情報の受信と同時に撮影情報を前記独立端末に送信してもよい。
【0018】
この態様では、撮影部による撮影中の撮影情報が独立端末に転送される。
【発明の効果】
【0019】
以上に説明したように、この発明によれば、服薬者の心的負担の増大を抑制しつつ、服薬者が服薬したか否かの確認をすることが可能な服薬支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態の服薬支援システムの全体構成を概略的に示す図である。
図2図1に示される服薬支援システムの機能ブロック図である。
図3図1に示される服薬支援システムの服薬支援装置の斜視図である。
図4図3に示される服薬支援装置の側面図である。
図5図3に示される服薬支援装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態の服薬支援システムの全体構成を概略的に示す図である。図2は、図1に示される服薬支援システムの機能ブロック図である。図3は、図1に示される服薬支援システムの服薬支援装置の斜視図である。図4は、図3に示される服薬支援装置の側面図である。図5は、図3に示される服薬支援装置の平面図である。以下では、まず服薬支援システム1について説明し、その後、服薬支援システム1の一部を構成する服薬支援装置10について説明する。
【0023】
図1に示されるように、本実施形態の服薬支援システム1は、服薬支援装置10と、撮影装置20と、独立端末30と、服薬支援サーバ40と、を有している。
【0024】
服薬支援装置10は、服薬者による服薬を支援するものであり、服薬者の居宅内に設置されている。服薬支援装置10は、予め設定された時刻に薬剤が排出されるように構成されている。図2に示されるように、服薬支援装置10は、複数の薬剤ケース202と、容器204と、取出部106と、排出機構111と、設定部140と、排出実行情報送信部160と、センサ170と、押圧部180と、を有している。なお、服薬支援装置10のその他の構成については、後述する。
【0025】
各薬剤ケース202は、薬剤を収容している。薬剤ケース202は、球状で、かつ、分割可能に形成されることが好ましい。ただし、薬剤ケース202は、円筒状の胴部と、胴部の一方側の開口を閉塞する閉塞部と、胴部の他方側の開口を閉塞する姿勢と解放する姿勢との間で変位可能な蓋部と、を有する円筒ボトル状に形成されてもよい。
【0026】
容器204は、複数の薬剤ケース202を収容している。
設定部140は、容器204から薬剤ケース202を排出する排出時刻(服薬時刻)を設定可能である。設定部140では、1日につき、たとえば4回(朝、昼、夜、就寝前)の排出時刻を設定可能である。
【0027】
排出機構111は、排出時刻になったときに、複数の薬剤ケース202のうちの一の薬剤ケース202を容器204から排出する。
【0028】
取出部106は、容器204から排出された薬剤ケース202を取り出すための部分である。
【0029】
センサ170は、取出部106に設けられている。センサ170は、取出部106における薬剤ケース202の有無を検知可能である。
【0030】
排出実行情報送信部160は、容器204からの薬剤ケース202からの排出が実行されたことを示す排出実行情報を服薬支援サーバ40に送信する。排出実行情報は、設定部140に設定された排出時刻になったこと、あるいは、取出部106に薬剤ケース202が無いことがセンサ170によって検知されたことに設定されている。すなわち、排出実行情報送信部160は、設定部140に設定された排出時刻になったとき、あるいは、取出部106に薬剤ケース202が無いことがセンサ170によって検知されたときに、排出実行情報を送信する。
【0031】
押圧部180は、服薬者による押圧が可能で、かつ、服薬者による押圧を受けたときに押圧信号を服薬支援サーバ40に送信する。
【0032】
撮影装置20は、服薬者の居宅内に設置されている。撮影装置20は、移動可能である。撮影装置20は、動画および静止画(スクリーンショットなど)を撮影可能である。撮影装置20は、拡大および縮小機能を有している。撮影装置20は、服薬者が服薬する様子を撮影可能な位置に設置される。撮影装置20は、撮影部21と、記憶部22と、撮影情報送信部23と、開始信号受信部24と、停止信号受信部25と、を有する。
【0033】
撮影部21は、服薬者の居宅内を撮影する。
記憶部22は、撮影部21が撮影した撮影情報(動画や静止画のデータなど)を記憶する。記憶部22は、撮影部21による撮影の開始から停止までの間、撮影情報を記憶する。
【0034】
撮影情報送信部23は、撮影部21が撮影した撮影情報または記憶部22に記憶されている撮影情報を、ネットワークN(図1を参照)を介して服薬支援サーバ40に送信する。
【0035】
開始信号受信部24は、撮影部21による撮影の開始を指示する開始信号を受信するとともに、その開始信号を撮影部21に送る。これにより、撮影部21は、撮影を開始する。
【0036】
停止信号受信部25は、撮影部21による撮影の停止を指示する停止信号を受信するとともに、その停止信号を撮影部21に送る。これにより、撮影部21は、撮影を停止する。
【0037】
独立端末30は、服薬者とは異なる者が使用可能な端末(スマートホンや、タブレットや、ノート型パーソナルコンピュータなど)である。独立端末30は、撮影情報を受信する撮影情報受信部31と、撮影情報を表示する表示部32と、を有している。独立端末30は、たとえば、薬局内や病院内に設置される。独立端末30は、服薬者から離れた場所にいる服薬者の家族に所有されてもよい。
【0038】
服薬支援サーバ40は、服薬支援装置10、撮影装置20および独立端末30にネットワークNを通じて接続可能である。服薬支援サーバ40は、データ管理センタ内に設置される。服薬支援サーバ40は、排出実行情報受信部41と、開始信号送信部42と、停止信号送信部43と、撮影情報転送部44と、を有している。
【0039】
排出実行情報受信部41は、排出実行情報送信部160が送信した排出実行情報を受信する。排出実行情報受信部41は、排出実行情報を開始信号送信部42に送る。
【0040】
開始信号送信部42は、開始信号を開始信号受信部24に送信する。具体的に、開始信号送信部42は、排出実行情報受信部41から排出実行情報を受信したとき(排出実行情報受信部41が排出実行情報を受信したとき)に、開始信号を開始信号受信部24に送信する。
【0041】
停止信号送信部43は、停止信号を停止信号受信部25に送信する。具体的に、停止信号送信部43は、押圧信号を受信したときに、停止信号を停止信号受信部25に送信する。
【0042】
撮影情報転送部44は、撮影情報送信部23が送信した撮影情報を受信するとともに、その撮影情報を独立端末30の撮影情報受信部31に送信する。撮影情報転送部44は、撮影情報送信部23からの撮影情報の受信と同時に撮像情報を撮影情報受信部31に送信してもよいし、撮影情報送信部23から記憶部22に記憶された撮影情報を受信した後に、その撮影情報を撮影情報受信部31に送信してもよい。
【0043】
次に、図3図5を参照しながら、服薬支援装置10について説明する。服薬支援装置10は、装置本体100と、薬剤ユニット200と、を有している。
【0044】
装置本体100は、薬剤ユニット200を支持する。装置本体100は、上述の設定部140、排出実行情報送信部160、センサ170および押圧部180に加え、支持台102と、切替部112と、補助部113と、駆動部114と、回収部116と、コントローラ120と、表示部130と、スピーカー150と、を有している。
【0045】
支持台102は、薬剤ユニット200を支持する支持部103を有している。支持部103は、支持台102の後部に設けられている。支持部103には、薬剤ケース202の落下を許容する形状を有する開口103a(図4を参照)が設けられている。支持台102は、通路104と、上述の取出部106と、を有している。
【0046】
取出部106は、薬剤ケース202を取り出すための部位である。取出部106は、支持台102の前面に設けられている。取出部106は、支持部103の開口103aの下方(薬剤ユニット200の容器204の下方)に配置されている。取出部106は、底壁108と、開閉部110と、を有している。
【0047】
底壁108には、薬剤ケース202の落下を許容する形状を有する落下孔109が設けられている。
【0048】
開閉部110は、底壁108に対して相対変位可能である。具体的に、開閉部110は、薬剤ケース202が落下孔109を通じて落下するのを許容するように落下孔109を解放する開位置(図3において二点鎖線で示される位置)と、薬剤ケース202が落下孔109を通じて落下するのを阻止するように落下孔109を閉塞する閉位置(図3において実線で示される位置)と、の間を変位可能である。
【0049】
通路104は、支持部103に設けられた開口103aから取出部106に向けて下方に延びる形状を有している。通路104は、開口103aの下方に位置する部位から底壁108に向かって傾斜する形状を有する傾斜面105(図4および図5を参照)を有している。傾斜面105の下端部は、底壁108につながっている。
【0050】
回収部116は、取出部106の下方に設けられており、薬剤ケース202を回収する。回収部116は、落下孔109を通じて落下した薬剤ケース202を受け入れる受入口(図示略)を有している。受入口は、落下孔109と上下に対向する位置に設けられている。つまり、開閉部110は、開位置において、薬剤ケース202が取出部106から回収部116に落下するのを許容するように落下孔109を解放し、閉位置において、薬剤ケース202が取出部106から回収部116に落下するのを阻止するように落下孔109を閉塞する。回収部116は、支持台102から前方に引き出されることが可能である。回収部116には、回収部116の支持台102からの引き出しを禁止するロック部117が設けられている。なお、ロック部117を解錠する鍵は、支援者によって管理される。
【0051】
服薬支援装置10は、薬剤ケース202が回収部116に回収されたときに、そのことを示す回収情報を、服薬支援サーバ40に送信してもよい。
【0052】
駆動部114は、支持台102内に設けられている。駆動部114は、後述の区切り部220を回転駆動させる。
【0053】
切替部112は、通路104を遮断する状態と解放する状態とを切り替える。具体的に、切替部112は、薬剤ケース202が通路104を経由して取出部106に向かって自重で変位するのを許容する排出姿勢と、薬剤ケース202を支持した状態で当該薬剤ケース202が取出部106に向かうのを遮断する遮断姿勢(図4に示される姿勢)と、を切り替え可能である。図4に示されるように、切替部112は、傾斜面105上において通路104を遮断する形状を有している。切替部112は、通路104内のうち、開口103aと当該切替部112との間に単一の薬剤ケース202のみが収容される位置に設けられる。切替部112は、通路104を遮断する位置(遮断姿勢)と通路104を解放する位置(排出姿勢)との間で変位する。
【0054】
補助部113は、開口103aを閉塞する形状を有している。補助部113は、開口103aを閉塞する閉塞位置(図4に示される位置)と、開口103aを解放する解放位置と、の間を変位可能である。
【0055】
コントローラ120は、支持台102に設けられている。コントローラ120は、切替部制御部121と、開閉部制御部122と、駆動部制御部123と、を有している。
【0056】
切替部制御部121は、予め設定された時刻(排出時刻)になったときに、複数個の薬剤ケース202のうち切替部112に支持されている薬剤ケース202が取出部106に至るように、切替部112を遮断姿勢から排出姿勢に切り替え、その後、切替部112を排出姿勢から遮断姿勢に切り替える。具体的に、切替部制御部121は、排出時刻になる前に、切替部112が遮断姿勢の状態において、補助部113を解放位置に位置させる。これにより、1つの薬剤ケース202のみが容器204から傾斜面105上に落下する。この薬剤ケース202は、傾斜面105上において切替部112に支持された状態となる。この状態において、切替部制御部121は、補助部113を閉塞位置に位置させる。これにより、薬剤ケース202の容器204からの通路104への落下が規制されるとともに、補助部113と切替部112との間に単一の薬剤ケース202が存在する状態となる。この状態において、切替部制御部121は、排出時刻になったときに、切替部112を排出姿勢に変位させる。これにより、切替部112に支持されていた薬剤ケース202は、取出部106に向かって自重で落下する。その後、切替部制御部121は、切替部112を排出姿勢から遮断姿勢に切り替える。
【0057】
以上のように、切替部112、補助部113および切替部制御部121は、排出時刻になったときに、複数の薬剤ケース202のうちの一の薬剤ケース202を容器204から排出させる。つまり、切替部112、補助部113および切替部制御部121は、上述の排出機構111を構成している。
【0058】
開閉部制御部122は、薬剤ケース202が取出部106に配置されてから一定時間経過後、開閉部110を開位置に変位させる。これにより、薬剤ケース202が回収部116に回収される。開閉部制御部122は、薬剤ケース202が回収部116に回収された後、開閉部110を開位置から閉位置に変位させる。
【0059】
表示部130は、服薬時刻(排出時刻)であることを示す内容(たとえば、「お薬の時間です。」)や、現在の時刻などを表示する。表示部130は、支持台102の前部の上面に設けられている。表示部130は、コントローラ120によって制御されている。
【0060】
設定部140は、表示部130に隣接した位置に設けられている。
スピーカー150は、支持台102の前面に設けられている。スピーカー150からは、服薬時刻であることを示す音声などの通知や、服薬時刻から所定時間経過したときのアラートなどが発せられる。スピーカー150は、コントローラ120によって制御されている。
【0061】
センサ170は、たとえば、取出部106の側壁に設けられる発光素子および受光素子(図3および図5を参照)からなる。発光素子および受光素子は、取出部106の底壁108上に薬剤ケース202が存在するときに、発光素子から照射された光が薬剤ケース202により遮られる一方、取出部106の底壁108上に薬剤ケース202が存在しないときに、発光素子から照射された光が受光素子で受光される位置に設けられる。排出時刻になった後、発光素子から照射された光が薬剤ケース202により遮られず、受光素子で受光されたとき、排出実行情報送信部160は、排出実行情報を送信する。なお、センサ170として、底壁108に設けられた重量センサが用いられてもよい。この場合、排出実行情報送信部160は、重量センサによって薬剤ケース202の重量が検知されなくなったときに、排出実行情報を送信する。
【0062】
押圧部180は、支持台102に設けられてもよく、支持台102から離間した位置に配置されてもよい。
【0063】
薬剤ユニット200は、装置本体100に対して着脱可能に構成されている。薬剤ユニット200と装置本体100との間には、薬剤ユニット200の装置本体100からの取り外しを禁止するロック機構が設けられている。このロック機構は、たとえば設定部140にパスワードを入力することによって解除される。なお、パスワードは、支援者によって管理される。薬剤ユニット200は、上述の複数の薬剤ケース202および容器204に加え、区切り部220と、取っ手230とを有している。
【0064】
容器204は、薬剤ケース202を排出するための排出口211を有している。容器204は、円筒状に形成された周壁206と、周壁206の上端部に接続された上壁208と、周壁206の下端部に接続された底壁210とを有している。底壁210の一部に、排出口211が設けられている。排出口211は、薬剤ケース202の挿通(落下)を許容する形状を有している。排出口211は、支持部103の開口103aと上下方向に重なるように開口103aの上方に配置される。このため、通路104により、排出口211と取出部106とがつながっている。
【0065】
取っ手230は、容器204の周壁206に接続されている。
【0066】
区切り部220は、容器204内を、鉛直方向と平行な軸(周壁206の中心軸)周りに並ぶ複数の収容室に区切る。区切り部220は、各収容室が複数個の薬剤ケース202のうち所定個(本実施形態では4個)の薬剤ケース202を上下方向に収容可能となるように、容器204内を区切る形状を有している。具体的に、区切り部220は、周壁206の中心軸周りに等間隔に並ぶ複数の(本実施形態では7本の)筒部材を有している。各筒部材は、所定個の薬剤ケース202を鉛直方向と平行な方向に収容可能な収容室を有している。各筒部材の下端部は、開口している。各筒部材は、駆動部114によって、周壁206の中心軸周りに回転駆動される。各筒部材に収容される4個の薬剤ケース202は、互いに異なる色に設定されることが好ましい。
【0067】
駆動部制御部123は、薬剤ユニット200が装置本体100に装着されたときに、容器204内の複数の収容室(筒部材)のうち次に排出される予定の薬剤ケース202を収容する収容室(筒部材)が排出口211上に位置するように、駆動部114を駆動させる。次に排出される予定の薬剤ケース202を収容する筒部材は、当該筒部材に取り付けられた無線通信素子などからの情報によってコントローラ120が判断する。なお、駆動部114が各筒部材を回転させている間は、補助部113は閉塞位置とされている。
【0068】
ここで、以上に説明した服薬支援システム1の機能ないし動作について説明する。なお、服薬支援装置10および撮影装置20は、予め服薬者の居宅内に設置される。このとき、服薬支援装置10の設定部140から、排出時刻も予め設定される。また、独立端末30は、予め薬局内や病院内に設置される。
【0069】
(1)服薬支援システム1が起動すると、服薬支援装置10の切替部制御部121は、支援者(薬剤師など)によって予め設定された排出時刻の前に、切替部112が遮断姿勢の状態において、補助部113を解放位置に位置させ、1つの薬剤ケース202が容器204から傾斜面105上に落下した後、補助部113を閉塞位置に位置させる。その後、切替部制御部121は、排出時刻になったときに、切替部112を排出姿勢に変位させる。これにより、切替部112に支持されていた薬剤ケース202は、取出部106に向かって自重で落下する。
【0070】
このとき、表示部130には、服薬時刻(排出時刻)であることを示す内容(たとえば、「お薬の時間です。」)や、現在の時刻などが表示され、スピーカー150からは、服薬時刻であることを示す音声などの通知が発せられる。
【0071】
(2)そして、服薬者が取出部106から薬剤ケース202を取り出すと、センサ170によってそのことが検知され、排出実行情報が服薬支援サーバ40の排出実行情報受信部41に送られる。そうすると、開始信号送信部42が開始信号を開始信号受信部24に送信するため、撮影部21による撮影が開始される。撮影部21による撮影と同時に、その撮影情報が記憶部22に記憶される。なお、服薬者が取出部106から薬剤ケース202を一定時間取り出されなければ、開閉部制御部122は、開閉部110が開位置に切り替える。これにより、薬剤ケース202は、落下孔109を通じて回収部116に落下する(回収される)。この場合、服薬支援装置10は、薬剤ケース202が回収されたことを示す回収情報を服薬支援サーバ40に送る。
【0072】
(3)服薬者は、服薬を終えると、押圧部180を押する。これにより、撮影部21による撮影が停止され、記憶部22に記憶された撮影情報および押圧情報が、薬局や病院などに設置された独立端末30に送られる。このとき、撮影情報および押圧情報とともに、服薬者の居宅の室温の情報が送られてもよい。また、各情報の送信と同時に、独立端末30の表示部32に、撮影情報を自動的に再生させてもよい。なお、撮影情報は、撮影部21による撮影と同時に、撮影情報転送部44を介して独立端末30に送信されてもよい。この撮影情報に基づいて、薬剤師などの支援者は、服薬者が服薬したか否かを判断する。なお、押圧部180が押されなかった場合、撮影部21による撮影は、撮影の開始から一定時間経過後に停止され、その間に撮影された撮影情報が独立端末30に送信される。
【0073】
以上の(1)~(3)に示される工程が、1日にたとえば4回(朝、昼、夜、就寝前)繰り返される。
【0074】
(4)そして、4回目の(3)の工程の終了後、駆動部制御部123は、翌日に排出される予定の4個の薬剤ケース202を収容する筒部材が排出口211上に移動するように、駆動部114を回転させる。その後、再び上記の(1)~(3)に示される工程が1日に4回繰り返される。
【0075】
(5)上記の(1)~(4)の工程が1週間繰り返された後、支援者は、新しい薬剤ユニット200を服薬者の居宅に持参する。そして、設定部140にパスワードを入力することによって装置本体100から使用済みの薬剤ユニット200を取り外し、新しい薬剤ユニット200を装置本体100に装着する。そうすると、駆動部制御部123が駆動部114を駆動することにより、次に排出される予定の薬剤ケース202を収容する筒部材が排出口211上に位置する。支援者は、ロック部117を解錠し、回収部116を支持台102から引き出すことにより、回収部116に回収された薬剤ケース202を確認する。これにより、支援者は、服薬者が服薬しなかった薬剤を把握することができる。
【0076】
その後、再び上記の(1)の工程から繰り返される。
【0077】
以上に説明したように、本実施形態の服薬支援システム1では、服薬者の居宅内を撮影した撮影情報が服薬支援サーバ40を介して独立端末30に送られるため、服薬者の居宅から離れた場所(薬局や病院など)において、支援者(薬剤師や、医師や、服薬者から離れた場所にいる服薬者の家族など)は、服薬者が服薬したか否かを確認することができる。さらに、撮影部21による撮影が開始されるのは、排出実行情報(容器204からの薬剤ケース202の排出が実行されたことを示す情報)が排出実行情報受信部41に送信されたときであるため、たとえば、服薬者の居宅内が常時撮影される場合に比べて、服薬者の心的負担が低減される。よって、本服薬支援システム1では、服薬者の心的負担の増大を抑制しつつ、服薬者が服薬したか否かの確認をすることが可能となる。
【0078】
また、排出実行情報送信部160は、設定部140に設定された排出時刻になったときに、排出実行情報を送信する。この態様では、排出時刻から撮影部21による撮影が開始されるため、撮影時間が有効に短縮される。
【0079】
あるいは、排出実行情報送信部160は、取出部106に薬剤ケース202が無いことがセンサ170によって検知されたときに、排出実行情報を送信してもよい。この態様では、取出部106から薬剤ケース202が無くなったとき(服薬者が取出部106から薬剤ケース202を取り出したとき)から撮影部21による撮影が開始されるため、撮影時間が有効に短縮される。
【0080】
また、停止信号送信部43は、押圧信号の受信後、停止信号を停止信号受信部25に送信する。この態様では、服薬者が押圧部180を押圧することによって撮影部21による撮影が停止されるため、撮影部21による撮影時間が有効に短縮される。また、長時間撮影される場合に比べ、撮影情報送信部23が送信する撮影情報の容量の増大が抑制される。
【0081】
あるいは、停止信号送信部43は、開始信号送信部42による開始信号の送信後、一定時間(たとえば、10分や20分や30分)経過時に停止信号を停止信号受信部25に送信してもよい。この態様では、撮影部21による撮影の開始から一定時間経過後に、自動的に撮影部21による撮影が停止されるため、撮影時間が短縮される。また、押圧部180の押圧が困難な服薬者においても、撮影時間の短縮が実現される。
【0082】
また、本実施形態の服薬支援装置10では、取出部106が容器204の排出口211よりも下方に配置されており、通路104が排出口211から取出部106に向けて下方に延びる形状を有しているため、切替部112が遮断姿勢から排出姿勢に切り替わることにより、薬剤ケース202は、自重によって通路104を経由して取出部106まで変位する。よって、この服薬支援装置10では、簡単な構造で薬剤ケース202の取出しが可能となる。
【0083】
また、服薬支援装置10は、切替部112を制御する切替部制御部121を備えているため、予め設定された時刻(排出時刻)になったときに、複数個の薬剤ケース202のうち切替部112に支持されていた一の薬剤ケース202が、自重によって取出部106に移動する。
【0084】
また、この服薬支援装置10では、服薬時刻から一定時間経過した場合に、開閉部110が閉位置から開位置に変位するため、薬剤ケース202が取出部106から落下孔109を通じて回収部116に落下する(回収される)。よって、支援者は、回収部116に回収された薬剤ケース202に基づいて、服薬者が服薬しなかった薬剤を把握することができる。また、服薬者が服薬時刻と異なる時刻に服薬することが抑制される。
【0085】
また、薬剤ケース202は、球状に形成されているため、容器204の排出口211から通路104を経て取出部106に向かって薬剤ケース202が自重で円滑に変位する。なお、薬剤ケース202が円筒ボトル状に形成された場合、薬剤ケース202からの薬剤の取り出し(蓋部の開閉)を行いやすく、また、薬剤ケース202が取出部106から飛び出すことが抑制される。
【0086】
また、区切り部220は、各収容室が複数個の薬剤ケース202のうち所定個(たとえば4個)の薬剤ケース202を上下方向に収容可能となるように、容器204内を区切る形状を有している。この態様では、上下方向に収容された各薬剤ケース202が自重で落下するため、各薬剤ケース202を押し出すための専用の機構を備える場合に比べ、省スペース化される。
【0087】
また、薬剤ユニット200(容器204)が装置本体100に対して着脱可能に構成されているため、支援者(たとえば薬剤師)が新しい薬剤ユニット200を持って服薬者の居宅を訪問し、その新しい薬剤ユニット200を古い薬剤ユニット200と交換することが可能となる。このため、支援者が服薬者の居宅において新しい薬剤ケース202を容器204に補充する作業を省略することが可能となる。
【0088】
さらに、駆動部制御部123は、薬剤ユニット200が装置本体100に装着されたときに、容器204内の複数の収容室のうち次に排出される予定の薬剤ケース202を収容する収容室を排出口211上に位置させる。このため、支援者が装置本体100に対する薬剤ユニット200の装着を誤ることによって、次に排出される予定の薬剤ケース202を収容する収容室とは異なる収容室に収容されている薬剤ケース202が次に排出されることを抑制できる。
【0089】
なお、容器204内に、それぞれが4個の薬剤ケース202を収容する8本の筒部材が収容されてもよい。このようにすれば、支援者による上記(5)の工程を行うタイミングの自由度が高まる。たとえば、上記(5)の工程が、1日の中の2回目の排出時刻(昼の服薬時刻)と3回目の服薬時刻(夜の服薬時刻)との間に行われた場合、その日の3回目の服薬時刻になると、その日の1回目の排出時刻(朝の服薬時刻)に排出される予定の薬剤ケース202が1本目の筒部材から排出されることになる。この事態を回避するため、新しい薬剤ユニット200の装着後、その日の3回目の排出時刻になる前に、その日の1回目および2回目の排出時刻に排出される予定の2つの薬剤ケース202を1本目の筒部材から排出させるとともに、これら2つの薬剤ケース202を回収部116において回収する。このようにすれば、支援者が薬剤ユニット200を装着した時点(交換日の2回目の排出時刻と3回目の服薬時刻との間の時刻)から1週間、上記(1)~(4)の工程が行われたとしても、最終日には、この日の薬剤ユニット200の交換時点(最終日の2回目の排出時刻と3回目の服薬時刻との間の時刻)までに、8本目の筒部材から、最終日の1回目および2回目に排出される予定の薬剤ケース202が排出される。なお、このような管理をする場合、実質的に8日分の薬剤ケース202が必要となる。
【0090】
また、上記のような管理をする場合において、2回目以降の薬剤ユニット200の交換時には、支援者は、8本の筒部材のうちの1本の筒部材を空の状態で服薬者の居宅に持参し、回収部116から朝用および昼用の薬剤ケース202を取出し、それらを空の筒部材に充填してもよい。このようにすれば、7日分の薬剤ケース202のみで管理することが可能となる。
【0091】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
この発明は、服薬支援装置および服薬支援システムに適用される。
【符号の説明】
【0093】
1 服薬支援システム、10 服薬支援装置、20 撮影装置、21 撮影部、22 記憶部、23 撮影情報送信部、24 開始信号受信部、25 停止信号受信部、30 独立端末、31 撮影情報受信部、32 表示部、40 服薬支援サーバ、41 排出実行情報受信部、42 開始信号送信部、43 停止信号送信部、44 撮影情報転送部、100 装置本体、102 支持台、104 通路、106 取出部、108 底壁、109 落下孔、110 開閉部、111 排出機構、112 切替部、113 補助部、114 駆動部、116 回収部、120 コントローラ、121 切替部制御部、122 開閉部制御部、123 駆動部制御部、130 表示部、140 設定部、150 スピーカー、160 排出実行情報送信部、170 センサ、180 押圧部、200 薬剤ユニット、202 薬剤ケース、204 容器、211 排出口、220 区切り部。
図1
図2
図3
図4
図5