IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社島津製作所の特許一覧

<>
  • 特許-試料注入装置 図1
  • 特許-試料注入装置 図2
  • 特許-試料注入装置 図3
  • 特許-試料注入装置 図4
  • 特許-試料注入装置 図5
  • 特許-試料注入装置 図6
  • 特許-試料注入装置 図7
  • 特許-試料注入装置 図8
  • 特許-試料注入装置 図9
  • 特許-試料注入装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】試料注入装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20220509BHJP
   G01N 30/18 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
G01N35/10 D
G01N30/18 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018229314
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020091227
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】蔵谷 豊
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-14411(JP,A)
【文献】特開2011-59082(JP,A)
【文献】特表2017-530772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0266050(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 30/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を収容するとともに自身の内容量の情報を示す第1識別コードが付されているシリンジ部と、前記シリンジ部の内部を往復移動するピストン部とを、前記試料を分析するための分析装置側へ移動させるシリンジ移動機構と、
前記シリンジ移動機構に設置された前記シリンジ部に付された前記第1識別コードを読み取る光学センサ部と、を備え、
予め設定された前記分析装置への前記試料の注入量、および、前記光学センサ部により読み取られた前記第1識別コードの前記内容量の情報に基づいて、前記シリンジ部から前記分析装置に前記試料を注入する際の前記ピストン部の移動量を決定するように構成されている、試料注入装置。
【請求項2】
前記光学センサ部は、前記シリンジ部に吸引される前記試料が収容されたバイアル容器が所定の位置に配置されているか否かを検出する機能と、前記シリンジ部に付された前記第1識別コードを読み取る機能とを兼ねている、請求項1に記載の試料注入装置。
【請求項3】
前記光学センサ部は、前記第1識別コードを読み取るとともに、前記バイアル容器が前記所定の位置に配置されているか否かを検出する反射型センサを含む、請求項2に記載の試料注入装置。
【請求項4】
前記光学センサ部は、前記第1識別コードを読み取るとともに前記バイアル容器が前記所定の位置に配置されているか否かを検出することに加えて、前記バイアル容器が前記所定の位置に配置されている場合に、前記バイアル容器に付された、前記バイアル容器に収容されている前記試料の少なくとも種類の情報を示す第2識別コードを読み取るように構成されている、請求項2または3に記載の試料注入装置。
【請求項5】
前記光学センサ部により読み取られた前記第1識別コードおよび前記第2識別コードに基づいて、前記シリンジ部に吸引された前記バイアル容器の前記試料の情報と、前記シリンジ部の情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに備える、請求項4に記載の試料注入装置。
【請求項6】
前記バイアル容器を水平移動させるバイアル容器移動機構をさらに備え、
前記光学センサ部は、前記所定の位置の近傍に固定されており、前記シリンジ移動機構により前記シリンジ部が前記光学センサ部の近傍に移動された場合に前記第1識別コードを読み取るとともに、前記バイアル容器移動機構により前記バイアル容器が前記光学センサ部の近傍の前記所定の位置に移動された場合に、前記第2識別コードを読み取るように構成されている、請求項4または5に記載の試料注入装置。
【請求項7】
前記シリンジ移動機構は、前記シリンジ部に収容された前記試料を前記分析装置に注入するために前記シリンジ部および前記ピストン部を上下方向に移動させる上下方向移動機構を含み、
前記光学センサ部は、上下方向に垂直な方向から見て前記上下方向移動機構により移動される前の前記シリンジ部および前記ピストン部の位置と、前記分析装置との間の位置に固定されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の試料注入装置。
【請求項8】
前記第1識別コードは、前記シリンジ部に取り付けられた針部の針先形状の情報をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の試料注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料注入装置に関し、特に、ピストン部の移動量に応じた量の試料をシリンジ部から分析装置に注入する試料注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピストン部の移動量に応じた量の試料をシリンジ部から分析装置に注入する試料注入装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1の試料注入装置は、マイクロシリンジがステッピングモータにより上下されるように構成されている。マイクロシリンジが降下され、マイクロシリンジに取り付けられた針がガスクロマトグラフの試料導入部のゴム栓に貫通された状態で、試料注入装置のプランジャが押下される(下方向に移動される)ことにより、試料注入装置のマイクロシリンジ内の試料が試料導入部(ガスクロマトグラフ)に注入される。この際、プランジャの移動量に応じて、マイクロシリンジから吐出される試料の量が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-293090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されているような従来の試料注入装置では、上記特許文献1には記載されていないが、ユーザにより設定された試料の注入量、および、マイクロシリンジの内容量に基づいて、プランジャの動作量を算出するように構成されている場合がある。また、上記特許文献1に記載されているような従来の試料注入装置では、上記特許文献1には記載されていないが、必要に応じて、内容量の異なるマイクロシリンジに交換する場合がある。ここで、ユーザが、マイクロシリンジの交換時等にマイクロシリンジの内容量を誤って設定した場合(または設定の変更をするのを忘れてしまった場合)に、誤って設定されたマイクロシリンジの内容量に基づいてプランジャの移動量が決定されるため、実際に注入される試料の量が設定された試料の注入量と差異が生じるという不都合がある。この場合、ガスクロマトグラフによる分析が不適切になるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、試料の注入量が不適切であることに起因して分析装置による試料の分析が不適切になるのを抑制することが可能な自動試料注入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における試料注入装置は、試料を収容するとともに自身の内容量の情報を示す第1識別コードが付されているシリンジ部と、シリンジ部の内部を往復移動するピストン部とを、試料を分析するための分析装置側へ移動させるシリンジ移動機構と、シリンジ移動機構に設置されたシリンジ部に付された第1識別コードを読み取る光学センサ部と、を備え、予め設定された分析装置への試料の注入量、および、光学センサ部により読み取られた第1識別コードの内容量の情報に基づいて、シリンジ部から分析装置に試料を注入する際のピストン部の移動量を決定するように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面における試料注入装置では、上記のように、光学センサ部により読み取られた第1識別コードの内容量の情報に基づいてピストン部の移動量を決定することによって、ユーザが手入力でシリンジ部の内容量を設定する場合と異なり、設定の誤りおよび設定するのを忘れることがないので、シリンジ部の誤って設定された内容量に基づいてピストン部の移動量が決定されるのを抑制することができる。その結果、予め設定された分析装置への試料の注入量に対して、シリンジ部から実際に注入される試料の量に差異が生じるのを抑制することができる。これにより、試料の注入量が不適切であることに起因して分析装置による試料の分析が不適切になるのを抑制することができる。
【0009】
また、シリンジ移動機構に設置された状態のシリンジ部に付された第1識別コードが読み取られることによって、第1識別コードを読み取ってからシリンジ部をシリンジ移動機構に設置する場合に比べて、第1識別コードが読み取られたシリンジ部とは異なるシリンジ部がシリンジ移動機構に設置されるという人為的ミスが発生するのを抑制することができる。
【0010】
また、電波により識別タグの情報を読み取るRFID(Radio Frequency Identifier)などに比べて、光学センサ部により直接的に第1識別コードが読み取られるので、第1識別コードを読み取る際に別の識別コードが誤って読み取られるのを抑制することができる。また、RFIDに比べて、試料注入装置を比較的簡単な構成にすることができる。
【0011】
上記一の局面における試料注入装置において、好ましくは、光学センサ部は、シリンジ部に吸引される試料が収容されたバイアル容器が所定の位置に配置されているか否かを検出する機能と、シリンジ部に付された第1識別コードを読み取る機能とを兼ねている。このように構成すれば、バイアル容器が所定の位置に配置されているか否かを検出する機能を有する光学センサ部と、シリンジ部に付された第1識別コードを読み取る機能を有する光学センサ部とを別個に設ける場合と異なり、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、光学センサ部は、第1識別コードを読み取るとともに、バイアル容器が所定の位置に配置されているか否かを検出する反射型センサを含む。ここで、反射型センサは、店舗等に設置されているバーコードリーダなどに対して構成が簡素である。したがって、光学センサ部が反射型センサを含むことによって、試料注入装置の構成を簡素化することができる。
【0013】
上記光学センサ部がバイアル容器が所定の位置に配置されていることおよび第1識別コードを読み取る機能を兼ねている試料注入装置において、好ましくは、光学センサ部は、第1識別コードを読み取るとともにバイアル容器が所定の位置に配置されているか否かを検出することに加えて、バイアル容器が所定の位置に配置されている場合に、バイアル容器に付された、バイアル容器に収容されている試料の少なくとも種類の情報を示す第2識別コードを読み取るように構成されている。このように構成すれば、バイアル容器に収容されている試料の種類を手入力で設定する場合と異なり、試料の種類が誤って設定されるのを抑制することができる。その結果、分析装置による試料の分析が不適切になるのをさらに抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、光学センサ部により読み取られた第1識別コードおよび第2識別コードに基づいて、シリンジ部に吸引されたバイアル容器の試料の情報と、シリンジ部の情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに備える。このように構成すれば、分析装置に注入される試料の量および種類を手入力で関連付けて記憶させる場合に比べて、試料の量および種類が誤った関連付けで記憶されるのを抑制することができる。また、バイアル容器の試料の情報と、シリンジ部の情報とを関連付けて記憶することにより、分析装置の分析結果をトレース(解析)するのをより容易に行うことができる。
【0015】
上記光学センサ部が第2識別コードを読み取る試料注入装置において、好ましくは、バイアル容器を水平移動させるバイアル容器移動機構をさらに備え、光学センサ部は、所定の位置の近傍に固定されており、シリンジ移動機構によりシリンジ部が光学センサ部の近傍に移動された場合に第1識別コードを読み取るとともに、バイアル容器移動機構によりバイアル容器が光学センサ部の近傍の所定の位置に移動された場合に、第2識別コードを読み取るように構成されている。このように構成すれば、光学センサ部を移動させることなく、第1識別コードおよび第2識別コードを光学センサ部に読み取らせることができる。
【0016】
上記一の局面における試料注入装置において、好ましくは、シリンジ移動機構は、シリンジ部に収容された試料を分析装置に注入するためにシリンジ部およびピストン部を上下方向に移動させる上下方向移動機構を含み、光学センサ部は、上下方向に垂直な方向から見て上下方向移動機構により移動される前のシリンジ部およびピストン部の位置と、分析装置との間の位置に固定されている。このように構成すれば、試料を分析装置に注入するためにシリンジ部およびピストン部を上下方向に移動させる上下方向移動機構を用いて、上下方向移動機構により上下方向に移動中のシリンジ部に付された第1識別コードを光学センサ部によりに読み取らせることができる。その結果、第1識別コードを光学センサ部によりに読み取らせるために、上下方向移動機構とは異なる専用の移動機構によりシリンジ部を移動させる場合に比べて、部品点数の増加を抑制することができるとともに、装置構成を簡略化することができる。
【0017】
上記一の局面における試料注入装置において、好ましくは、第1識別コードは、前記シリンジ部に取り付けられた針部の針先形状の情報をさらに含む。このように構成すれば、手入力で針先形状の情報が設定される場合と異なり、針先形状の情報が誤って設定させるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のように、試料の注入量が不適切であることに起因して分析装置による試料の分析が不適切になるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態によるオートインジェクタおよびガスクロマトグラフ装置の構成を示した図である。
図2】第1実施形態によるオートインジェクタの水平方向移動機構の構成を説明するための図である。(図2(a)は、移動前のオートインジェクタを示した図である。図2(b)は、移動後のオートインジェクタを示した図である。)
図3】第1実施形態による上下方向移動機構による移動前のオートインジェクタを示した図である。
図4】第1実施形態による反射型センサによりバーコードが読み取られている状態のオートインジェクタを示した図である。
図5】第1実施形態によるバイアル容器が反射型センサの近傍の所定の位置に移動された状態の図である。
図6】第1実施形態によるオートインジェクタの処理フローを説明するためのフロー図である。
図7】第2実施形態によるバイアル容器が反射型センサの近傍の所定の位置に移動された状態の図である。
図8】第2実施形態によるオートインジェクタの記憶部を説明するための図である。
図9】第2実施形態による記憶部に予め記憶されていたシリンジ部の種類毎の情報を示した図である。
図10】第2実施形態によるシリンジ部の情報と試料の情報とが関連付けられた情報を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1図6を参照して、第1実施形態によるオートインジェクタ100の構成について説明する。なお、オートインジェクタ100は、特許請求の範囲の「試料注入装置」の一例である。
【0022】
(オートインジェクタの構成)
図1に示すように、オートインジェクタ100は、試料吸引吐出部1を移動させる移動機構2を備えている。移動機構2は、試料吸引吐出部1(後述するシリンジ部1aおよびプランジャ部1b)を、試料を分析するためのガスクロマトグラフ装置101側(Z2方向側)へ移動させる上下方向移動機構2aを含む。なお、ガスクロマトグラフ装置101は、検出器として、水素炎イオン化検出器(FID)、炎光光度検出器(FPD)、または、質量分析計(MS)などが用いられる。また、ガスクロマトグラフ装置101は、特許請求の範囲の「分析装置」の一例である。
【0023】
上下方向移動機構2aは、後述するシリンジ部1aに収容された試料をガスクロマトグラフ装置101に注入するために、試料吸引吐出部1(後述するシリンジ部1aおよびプランジャ部1b)を上下方向に移動するように構成されている。なお、上下方向移動機構2aは、特許請求の範囲の「シリンジ移動機構」の一例である。
【0024】
また、移動機構2は、試料吸引吐出部1(後述するシリンジ部1aおよびプランジャ部1b)を水平方向(X方向およびY方向)に移動させる水平方向移動機構2b(図2(a)および図2(b)参照)を含む。水平方向移動機構2bは、ガスクロマトグラフ装置101に設けられる複数の試料注入口101aのZ1方向側に試料吸引吐出部1を配置するために、試料吸引吐出部1を移動させる。なお、図1では、試料注入口101aは1つしか設けられていないように図示されているが、実際には複数(たとえば3つ)設けられている。
【0025】
試料吸引吐出部1は、液体の試料を吸引または吐出するように構成されている。具体的には、試料吸引吐出部1は、試料を収容するシリンジ部1aを含む。また、試料吸引吐出部1は、シリンジ部1aの内部を往復移動(Z1方向およびZ2方向に移動)可能に構成されるプランジャ部1bを含む。また、試料吸引吐出部1は、シリンジ部1aに取り付けられた針部1cを含む。なお、プランジャ部1bは、特許請求の範囲の「ピストン部」の一例である。
【0026】
また、オートインジェクタ100には、試料吸引吐出部1のプランジャ部1bを移動させるプランジャ部移動機構(図示せず)が設けられている。プランジャ部1bが(プランジャ部移動機構により)Z2方向側に移動された場合、シリンジ部1aの内部の試料は、針部1cを介して外部に吐出される。また、針部1cの針先が試料に浸された状態でプランジャ部1bがプランジャ部移動機構によりZ1方向側に移動された場合、針部1cを介して試料がシリンジ部1aの内部に吸引される。
【0027】
また、シリンジ部1aには、自身の内容量の情報を示すバーコード1dが付されている。また、バーコード1dは、針部1cの針先形状の情報を含んでいる。
【0028】
オートインジェクタ100は、上下方向移動機構2aに設置されたシリンジ部1aに付されたバーコード1dを読み取る反射型センサ3を備えている。なお、反射型センサ3によるバーコード1dの読み取り動作は、オートインジェクタ100の起動直後のバーコード読取モードにおいて行われる。なお、反射型センサ3は、特許請求の範囲の「光学センサ部」の一例である。
【0029】
なお、反射型センサ3は、バーコード1dのうちの黒い部分から反射される光量(アナログ値)、および、バーコード1dのうちの白い部分から反射される光量を検出し、検出された光量の波形に基づいてバーコード1dの形状を検知する。なお、反射型センサ3を用いる場合は、バーコード1dが反射型センサ3に対して移動されながらバーコード1dの読み取り(スキャン)が行われる。これに対して、バーコードリーダでは、バーコードリーダの内部のアクチュエータおよびミラー等が駆動されることにより、バーコード1dの読み取り(スキャン)が行われる。
【0030】
ここで、第1実施形態では、反射型センサ3は、上下方向(Z方向)に垂直な方向(X方向またはY方向)から見て上下方向移動機構2aにより移動される前のシリンジ部1aおよびプランジャ部1bの位置(図3に示す位置)と、ガスクロマトグラフ装置101との間の位置に固定されている。具体的には、バーコード読取モード時において、試料吸引吐出部1は、上下方向移動機構2aにより下方側(Z2方向側)に移動された場合に、反射型センサ3の近傍を通過するように構成されている。
【0031】
なお、反射型センサ3によるバーコード1dの読み取りが行われている間、試料吸引吐出部1は、上下方向移動機構2aにより数mm/秒程度のスピードで下方向に移動される。また、試料吸引吐出部1(シリンジ部1a)が反射型センサ3の近傍を通過している場合の、シリンジ部1aと反射型センサ3との間の距離D(図4参照)は、数mm程度である。
【0032】
詳細には、バーコード読取モード時において、オートインジェクタ100は、まず、水平方向移動機構2bにより試料吸引吐出部1(シリンジ部1a)を(XY平面において)反射型センサ3の近傍(図2(b)に示すXY平面内の位置)に移動させる。次に、オートインジェクタ100は、上下方向移動機構2aにより試料吸引吐出部1を下方側(Z2方向側)に移動(図3の位置から図4の位置に移動)させる。そして、試料吸引吐出部1が下方側に移動している間に、反射型センサ3によりバーコード1dが読み取られる。
【0033】
ここで、第1実施形態では、オートインジェクタ100は、予め設定されたガスクロマトグラフ装置101への試料の注入量、および、反射型センサ3により読み取られたバーコード1dの(シリンジ部1aの)内容量の情報に基づいて、シリンジ部1aからガスクロマトグラフ装置101に試料を注入する際のプランジャ部1bの移動量を決定するように構成されている。ここで、シリンジ部1aの内容量によってシリンジ部1aの直径が異なるので、互いに内容量の異なるシリンジ部1aにおいてプランジャ部1bを同じ距離だけ移動させた場合、比較的内容量が大きい(直径が大きい)シリンジ部1aにおいてより多量の試料が吐出される。すなわち、互いに内容量の異なるシリンジ部1aにおいて同じ量の試料を吐出するためには、比較的内容量が大きい(直径が大きい)シリンジ部1aにおいて、プランジャ部1bの移動量が比較的小さくなるように移動量を決定する必要がある。
【0034】
具体的には、試料吸引吐出部1がオートインジェクタ100(移動機構2)に設置された後に、反射型センサ3により読み取られた試料吸引吐出部1のシリンジ部1aの内容量の情報が、オートインジェクタ100に自動的に設定される。そして、予め手入力で設定されていたガスクロマトグラフ装置101への試料の注入量と、自動的に設定されたシリンジ部1aの内容量の情報とに基づいて、プランジャ部1bの移動量が決定される。この場合、シリンジ部1aの内容量の情報を手入力で設定する手間を省略することが可能である。
【0035】
図5に示すように、オートインジェクタ100には、シリンジ部1aに吸引される試料が収容されている複数のバイアル容器4を運搬するバイアル容器運搬台5を備える。バイアル容器運搬台5は、複数のバイアル容器4を水平方向(X方向)に移動させるように構成されている。バイアル容器運搬台5は、複数のバイアル容器4を水平方向(X方向)に移動させることにより、複数のバイアル容器4のうちの1つをZ1方向側から見て試料吸引吐出部1に重なる位置に配置する。なお、Z1方向側から見て試料吸引吐出部1に重なる位置(以下、所定の位置と記載する)は、反射型センサ3の近傍に位置している。また、複数のバイアル容器4は、バイアル容器運搬台5においてX方向に沿って配列されている。また、バイアル容器運搬台5は、特許請求の範囲の「バイアル容器移動機構」の一例である。また、Z1方向側から見て試料吸引吐出部1に重なる位置は、特許請求の範囲の「所定の位置」の一例である。
【0036】
ここで、第1実施形態では、反射型センサ3は、バイアル容器4が反射型センサ3の近傍の所定の位置に配置されているか否かを検出する機能と、シリンジ部1aに付されたバーコード1dを読み取る機能とを兼ねている。具体的には、バーコード読取モードにおいて反射型センサ3によりバーコード1dの読み取りが行われた後、オートインジェクタ100は、試料吸引吐出部1を上方側(Z1方向側)に戻すとともに、バイアル容器運搬台5(バイアル容器4)を反射型センサ3側(X1方向側)へ移動させる。そして、反射型センサ3により、複数のバイアル容器4のうちの測定対象の1つが所定の位置に配置されたか否かが検出される。
【0037】
また、オートインジェクタ100は、バイアル容器4がバイアル容器運搬台5により所定の位置に運搬されていることが反射型センサ3によって検出された場合、上下方向移動機構2aにより試料吸引吐出部1を下方側(バイアル容器4側)に移動させて、バイアル容器4内の試料をシリンジ部1a内に吸引するように構成されている。なお、反射型センサ3は、反射型センサ3から出射されバイアル容器4により反射された光を検出することにより、バイアル容器4が所定の位置に配置されているか否かを検出する。
【0038】
そして、オートインジェクタ100は、バイアル容器4内の試料がシリンジ部1a内に吸引された後、試料吸引吐出部1をガスクロマトグラフ装置101側へ移動させ、シリンジ部1a内の試料を試料注入口101aからガスクロマトグラフ装置101に注入するように構成されている。
【0039】
(オートインジェクタの制御)
次に、図6を参照して、オートインジェクタ100の制御に関する処理フローについて説明する。
【0040】
まず、ステップS1において、オートインジェクタ100を起動する。次に、ステップS2において、水平方向移動機構2bおよび上下方向移動機構2aにより試料吸引吐出部1を移動させる。そして、上下方向移動機構2aにより試料吸引吐出部1を下方向に移動させている間に、シリンジ部1aに付されたバーコード1dを反射型センサ3により読み取らせる。その結果、ガスクロマトグラフ装置に試料を注入する際のプランジャ部1bの移動量が決定される。次に、ステップS3において、試料吸引吐出部1を上下方向移動機構2aにより上方に戻した後、バイアル容器4をバイアル容器運搬台5により反射型センサ3の近傍の所定の位置に移動させる。
【0041】
次に、ステップS4において、反射型センサ3により、所定の位置にバイアル容器4が配置されているか否かが検出される。バイアル容器4が所定の位置に配置されている場合、ステップS5に進む。バイアル容器4が所定の位置に配置されていない場合、ステップS4の処理が繰り返される。次に、ステップS5において、試料吸引吐出部1を下方のバイアル容器4側に移動させて、バイアル容器4に収容されている試料をシリンジ部1aに吸引する。次に、ステップS6において、バイアル容器4をバイアル容器運搬台5により所定の位置からX2方向側に移動させる。そして、ステップS7において、試料吸引吐出部1をガスクロマトグラフ装置101側に移動させて、シリンジ部1aに収容された試料をガスクロマトグラフ装置101に注入する。この際、ステップS2において決定された移動量だけプランジャ部1bの移動される。
【0042】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0043】
第1実施形態では、上記のように、予め設定されたガスクロマトグラフ装置101への試料の注入量、および、反射型センサ3により読み取られたバーコード1dの(シリンジ部1aの)内容量の情報に基づいて、シリンジ部1aからガスクロマトグラフ装置101に試料を注入する際のプランジャ部1bの移動量を決定するように、オートインジェクタ100を構成する。これにより、ユーザが手入力でシリンジ部1aの内容量を設定する場合と異なり、設定の誤りおよび設定するのを忘れることがないので、シリンジ部1aの誤って設定された内容量に基づいてピストン部の移動量が決定されるのを抑制することができる。その結果、予め設定されたガスクロマトグラフ装置101への試料の注入量に対して、シリンジ部1aから実際に注入される試料の量に差異が生じるのを抑制することができる。これにより、試料の注入量が不適切であることに起因してガスクロマトグラフ装置101による試料の分析が不適切になるのを抑制することができる。
【0044】
また、上下方向移動機構2aに設置された状態のシリンジ部1aに付されたバーコード1dが読み取られることによって、バーコード1dを読み取ってからシリンジ部1aを上下方向移動機構2aに設置する場合に比べて、バーコード1dが読み取られたシリンジ部1aとは異なるシリンジ部が上下方向移動機構2aに設置されるという人為的ミスが発生するのを抑制することができる。
【0045】
また、電波により識別タグの情報を読み取るRFID(Radio Frequency Identifier)などに比べて、反射型センサ3により直接的にバーコード1dが読み取られるので、バーコード1dを読み取る際に別の識別コードが誤って読み取られるのを抑制することができる。また、RFIDに比べて、反射型センサ3は比較的小さいので、装置が大型化するのを抑制することができる。また、RFIDに比べて、試料注入装置を比較的簡単な構成にすることができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、反射型センサ3が、シリンジ部1aに吸引される試料が収容されたバイアル容器4が所定の位置に配置されているか否かを検出する機能と、シリンジ部1aに付されたバーコード1dを読み取る機能とを兼ねるように、オートインジェクタ100を構成する。これにより、バイアル容器4が所定の位置に配置されているか否かを検出する機能を有する反射型センサと、シリンジ部1aに付されたバーコード1dを読み取る機能を有する反射型センサとを別個に設ける場合と異なり、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0047】
また、反射型センサ3は、店舗等に設置されているバーコードリーダなどに対して構成が簡素である。したがって、オートインジェクタ100の構成を簡素化することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、反射型センサ3が、上下方向に垂直な方向から見て上下方向移動機構2aにより移動される前のシリンジ部1aおよびプランジャ部1bの位置と、ガスクロマトグラフ装置101との間の位置に固定されるように、オートインジェクタ100を構成する。これにより、試料をガスクロマトグラフ装置101に注入するためにシリンジ部1aおよびプランジャ部1bを上下方向に移動させる上下方向移動機構2aを用いて、上下方向移動機構2aにより上下方向に移動中のシリンジ部1aに付されたバーコード1dを反射型センサ3によりに読み取らせることができる。その結果、バーコード1dを反射型センサ3によりに読み取らせるために、上下方向移動機構2aとは異なる専用の移動機構によりシリンジ部1aを移動させる場合に比べて、部品点数の増加を抑制することができるとともに、装置構成を簡略化することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、バーコード1dが、シリンジ部1aに取り付けられた針部1cの針先形状の情報をさらに含むように、オートインジェクタ100を構成する。これにより、手入力で針先形状の情報が設定される場合と異なり、針先形状の情報が誤って設定させるのを抑制することができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、図7図10を参照して、第2実施形態によるオートインジェクタ200の構成について説明する。この第2実施形態のオートインジェクタ200は、上記第1実施形態のオートインジェクタ100とは異なり、バイアル容器14にバーコード14aが付されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
【0051】
(オートインジェクタの構成)
図7に示すように、オートインジェクタ200は、反射型センサ13を備えている。また、オートインジェクタ200は、バイアル容器運搬台15を備えている。バイアル容器運搬台15には、バーコード14aが付されたバイアル容器14が配置されている。なお、反射型センサ13およびバイアル容器運搬台15は、それぞれ、特許請求の範囲の「光学センサ部」および「バイアル容器移動機構」の一例である。また、オートインジェクタ200およびバーコード14aは、それぞれ、特許請求の範囲の「試料注入装置」および「第2識別コード」の一例である。
【0052】
バーコード14aは、バイアル容器51に収容されている試料の少なくとも種類の情報を示す。すなわち、バーコード14aは、付されているバイアル容器14に収容されている試料の種類毎にそれぞれ異なる形状を有している。なお、バーコード14aは、バイアル容器51に収容されている試料の種類以外の情報(たとえば濃度などの情報)を有していてもよい。
【0053】
ここで、第2実施形態では、反射型センサ13は、バーコード1dを読み取るとともにバイアル容器14が所定の位置に配置されているか否かを検出することに加えて、バイアル容器14が所定の位置に配置されている場合に、バーコード14aを読み取るように構成されている。具体的には、反射型センサ13は、バイアル容器14が所定の位置に配置されていることが検出された場合に、バーコード14aを読み取り動作が行われるように構成されている。
【0054】
すなわち、反射型センサ13は、上下方向移動機構2aによりシリンジ部1aが反射型センサ13の近傍に移動された場合にバーコード1dを読み取るとともに、バイアル容器運搬台15によりバイアル容器14が反射型センサ13の近傍の所定の位置に移動された場合に、バーコード14aを読み取るように構成されている。この場合、バイアル容器14のバーコード14aの全面が反射型センサ13により読み取られるように、バイアル容器運搬台15においてバイアル容器14が回転するように構成されている。具体的には、バイアル容器14は、略円筒形状を有しており、略円筒形状のバイアル容器14の中心軸線(図示せず)を中心に回転するように構成されている。
【0055】
また、第2実施形態では、図8に示すように、オートインジェクタ200は、反射型センサ13により読み取られたバーコード1dおよびバーコード14aに基づいて、シリンジ部1aに吸引されたバイアル容器14の試料の情報と、シリンジ部1aの情報とを関連付けて記憶する記憶部6を備える。具体的には、記憶部6には、複数種類のシリンジ部1a毎の、内容量および型名の情報(図9参照)が予め格納されている。そして、オートインジェクタ200は、バーコード1dおよびバーコード14aに基づいて、ガスクロマトグラフ装置101に注入された試料(たとえば、サンプルA、B、C・・・X)と、注入に用いられたシリンジ部1aの種類(たとえば、シリンジA、B、C・・・F)とが関連付けられた情報(図10参照)を、記憶部6に格納する。
【0056】
たとえば、サンプルAは、シリンジAにより注入され、サンプルBは、シリンジBにより注入されたという情報が、記憶部6に格納される。これにより、サンプルAは、シリンジ型名AAAAで内容量50μlのシリンジ部1aにより注入され、サンプルBは、シリンジ型名BBBBで内容量10μlのシリンジ部1aにより注入されたことを示す情報が、記憶部6に格納される。
【0057】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
第2実施形態では、上記のように、反射型センサ13が、バーコード1dを読み取るとともにバイアル容器14が所定の位置に配置されているか否かを検出することに加えて、バイアル容器14が所定の位置に配置されている場合に、バイアル容器14に付されたバーコード14aを読み取るように、オートインジェクタ200を構成する。これにより、バイアル容器14に収容されている試料の種類を手入力で設定する場合と異なり、試料の種類が誤って設定されるのを抑制することができる。その結果、ガスクロマトグラフ装置101による試料の分析が不適切になるのをさらに抑制することができる。
【0060】
また、第2実施形態では、上記のように、反射型センサ13により読み取られたバーコード1dおよびバーコード14aに基づいて、シリンジ部1aに吸引されたバイアル容器14の試料の情報と、シリンジ部1aの情報とを関連付けて記憶する記憶部6を備えるように、オートインジェクタ200を構成する。これにより、ガスクロマトグラフ装置101に注入される試料の量および種類を手入力で関連付けて記憶させる場合に比べて、試料の量および種類が誤った関連付けで記憶されるのを抑制することができる。また、バイアル容器14の試料の情報と、シリンジ部1aの情報とを関連付けて記憶することにより、ガスクロマトグラフ装置101の分析結果をトレース(解析)するのをより容易に行うことができる。
【0061】
また、第2実施形態では、上記のように、反射型センサ13が、所定の位置の近傍に固定されており、上下方向移動機構2aによりシリンジ部1aが反射型センサ13の近傍に移動された場合にバーコード1dを読み取るとともに、バイアル容器運搬台15によりバイアル容器14が反射型センサ13の近傍の所定の位置に移動された場合に、バーコード14aを読み取るように、オートインジェクタ200を構成する。これにより、バーコード1dおよびバーコード14aを読み取るために反射型センサ13を移動させることなく、バーコード1dおよびバーコード14aを反射型センサ13に読み取らせることができる。
【0062】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0063】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0064】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、オートインジェクタ100(200)は、反射型センサ3(13)を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、オートインジェクタ100(200)は、バーコードリーダを含んでいてもよい。
【0065】
また、上記第1および第2実施形態では、試料吸引吐出部1は、水平方向に移動可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、試料吸引吐出部1は、上下方向にのみ移動可能に構成されていてもよい。
【0066】
また、上記第1および第2実施形態では、バーコード1d(第1識別コード)は、シリンジ部1aの内容量および針部1cの針先形状の情報を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、バーコード1d(第1識別コード)は、プランジャ部1bの材質(コーティングの材質など)の情報を含んでいてもよい。
【0067】
また、上記第2実施形態では、試料の種類とシリンジ部1aの種類とを関連付けて記憶する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、シリンジ部1aの種類に加えて、シリンジ部1aの使用回数を関連付けて記憶してもよい。
【0068】
また、上記第1および第2実施形態では、オートインジェクタ100(200)の起動直後にバーコード1dの読み取りが行われる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、シリンジ部1aの交換毎に、バーコード1dの読み取りが行われてもよい。
【0069】
また、上記第1および第2実施形態では、バーコード1dの読み取りが行われた後にバイアル用器が所定の位置に配置されているか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、バイアル用器が所定の位置に配置されているか否かを判定してシリンジ部1aに試料を吸引した後に、バーコード1dの読み取りが行われてもよい。
【0070】
また、上記第1および第2実施形態では、シリンジ部1aにバーコード1d(第1識別コード)が付されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、シリンジ部1aにバーコードとは異なる識別コードが付されていてもよい。また、上記第2実施形態において、バイアル容器14にバーコードとは異なる識別コードが付されていてもよい。
【0071】
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、オートインジェクタ100(200)の処理を「フロー駆動型」のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。オートインジェクタ100(200)の処理をイベント単位で実行する「イベント駆動型」により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1a シリンジ部
1b プランジャ部(ピストン部)
1c 針部
1d バーコード(第1識別コード)
2a 上下方向移動機構(シリンジ移動機構)
3、13 反射型センサ(光学センサ部)
4、14 バイアル容器
14a バーコード(第2識別コード)
5、15 バイアル容器運搬台(バイアル容器移動機構)
6 記憶部
14a バーコード(第2識別コード)
100、200 オートインジェクタ(試料注入装置)
101 ガスクロマトグラフ装置(分析装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10