(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】動力伝達装置および動力伝達装置を備えた車両
(51)【国際特許分類】
B60K 6/36 20071001AFI20220509BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20220509BHJP
B60K 6/547 20071001ALI20220509BHJP
B60W 10/10 20120101ALI20220509BHJP
B60W 20/20 20160101ALI20220509BHJP
F16H 3/089 20060101ALI20220509BHJP
B60K 17/04 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
B60K6/36 ZHV
B60K6/48
B60K6/547
B60W10/10 900
B60W20/20
F16H3/089
B60K17/04 G
(21)【出願番号】P 2021022484
(22)【出願日】2021-02-16
(62)【分割の表示】P 2017008295の分割
【原出願日】2017-01-20
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】特許業務法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 亮太
(72)【発明者】
【氏名】江南 徳行
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-105560(JP,A)
【文献】特開2012-240624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0091057(US,A1)
【文献】特開平11-146502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/36
B60K 6/48
B60K 6/547
B60W 10/10
B60W 20/20
F16H 3/089
B60K 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の動力が入力される入力軸と、
前記入力軸に変速機構を介して連結され、前記変速機構により前記入力軸の回転速度を変速して差動装置に出力する出力軸と、
モータジェネレータの動力が伝達されるモータ回転軸と、
前記入力軸および前記出力軸と平行に設置された車両後進用のリバース軸と、
前記入力軸と前記リバース軸との間で動力を伝達可能な車両後進用のリバース動力伝達部材とを備え、
前記変速機構が、前記入力軸に設けられた複数のギヤと、前記出力軸に設けられ、前記複数のギヤにそれぞれ噛み合う複数のギヤとを有して車両前進用の変速段を構成する動力伝達装置であって、
前記モータ回転軸と前記入力軸とを前記変速機構を介さずに連結し、前記入力軸から前記モータ回転軸に動力を伝達可能な動力伝達機構を有し、
前記動力伝達機構は、前記リバース動力伝達部材と、前記モータ回転軸と前記リバース動力伝達部材との間で動力を伝達可能な動力伝達部材と、前記動力伝達部材と前記モータ回転軸とを接続または切断可能である切換部材とを含んで構成されて
おり、
前記動力伝達機構を第1の動力伝達機構とした場合に、前記モータ回転軸と前記出力軸とを前記変速機構を介さずに連結し、前記モータ回転軸と前記出力軸との間で動力を伝達可能な第2の動力伝達機構を有し、
前記切換部材は、前記モータ回転軸と前記第1の動力伝達機構とを接続または切断可能であり、前記モータ回転軸と前記第2の動力伝達機構とを接続または切断可能であることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
前記リバース動力伝達部材を第1のリバース動力伝達部材とした場合に、前記出力軸と前記リバース軸との間で動力を伝達可能な車両後進用の第2のリバース動力伝達部材を備え、
前記第1の動力伝達機構は、前記第1のリバース動力伝達部材と、前記モータ回転軸と前記第1のリバース動力伝達部材との間で動力を伝達可能な第1の動力伝達部材とを含んで構成されており、
前記第2の動力伝達機構は、前記第2のリバース動力伝達部材と、前記モータ回転軸と前記第2のリバース動力伝達部材との間で動力を伝達可能な第2の動力伝達部材とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記第1のリバース動力伝達部材は、前記入力軸に設けられた第1のリバースギヤと、前記リバース軸に設けられ、前記第1のリバースギヤに噛み合う第2のリバースギヤとを含んで構成されており、
前記第2のリバース動力伝達部材は、前記リバース軸に設けられた第3のリバースギヤと、前記出力軸に設けられ、前記第3のリバースギヤと噛み合う第4のリバースギヤとを含んで構成されており、
前記モータ回転軸を第1のモータ回転軸とした場合に、前記第1の動力伝達部材は、前記入力軸および前記出力軸と平行に設置された第2のモータ回転軸と、前記第1のモータ回転軸に設けられた第1のモータギヤと、前記第2のモータ回転軸に設けられ、前記第1のモータギヤに噛み合う第2のモータギヤと、前記第2のモータ回転軸に設けられた第3のモータギヤとを含んで構成されており、
前記第2の動力伝達部材は、前記第2のモータ回転軸と、前記第2のモータギヤと、前記第2のモータ回転軸に設けられ、前記第3のリバースギヤに噛み合う第4のモータギヤとを含んで構成されており、 前記入力軸および前記出力軸が、前記差動装置と前記リバース軸との間に設置されており、
前記第2のモータ回転軸が、前記出力軸および前記リバース軸の下方に設置されており、
前記第1のモータ回転軸が、前記第2のモータ回転軸に対して前記差動装置から離れて設置されていることを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の動力伝達装置を備えた車両であって、
前記内燃機関の運転が停止され、前記モータジェネレータによって駆動されるモータ走行時において、前記モータジェネレータに対して要求される要求トルクあるいは要求回転数が所定値未満であることを条件として、前記切換部材により前記モータ回転軸と前記第2の動力伝達機構とを接続する制御部を有することを特徴とする車両。
【請求項5】
前記制御部は、前記内燃機関の運転が停止され、前記モータジェネレータによって駆動されるモータ走行時において、前記モータジェネレータに対して要求される要求トルクあるいは要求回転数が所定値以上であることを条件として、前記切換部材により前記モータ回転軸と前記第1の動力伝達機構とを接続することを特徴とする請求項4に記載の車両。
【請求項6】
請求項
1から請求項
3のいずれか1項に記載の動力伝達装置を備えた車両であって、
前記内燃機関の運転が停止され、前記モータジェネレータによって駆動されるモータ走行時
、あるいは、前記内燃機関と前記モータジェネレータとを駆動源とするハイブリッド走行時において、前記切換部材が前記モータ回転軸と前記第1の動力伝達機構とを接続し、
前記内燃機関によって前記モータジェネレータを回転させる発電時、あるいは前記モータジェネレータによって前記内燃機関を始動する始動時において、前記切換部材が前記モータ回転軸と前記第2の動力伝達機構とを接続することを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達装置および動力伝達装置を備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関とモータジェネレータとを駆動源として走行するハイブリッド車両としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載されるハイブリッド車両は、エンジンから変速機の入力軸に伝達される動力が、入力軸と出力軸とを連結する1速段から6速段用の駆動ギヤおよび被駆動ギヤによって変速された後、出力軸の第1の駆動ギヤから差動装置に伝達される。
【0003】
一方、モータジェネレータの原動ギヤから第2の駆動ギヤおよび被駆動ギヤを介して中間減速軸に伝達される動力が、第2の駆動ギヤから差動装置に伝達される。これにより、エンジンおよびモータジェネレータの動力が差動装置を経由して、アクスルシャフトおよび駆動輪に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ハイブリッド車両においては、ハイブリッド車両に搭載されているバッテリの容量に限りがあるので、車両の停車中に停車を維持した状態でエアコンのような消費電力の大きな電装品を長時間作動させることができない。
【0006】
そこで、ハイブリッド車両の停車中に、エンジンの動力をモータジェネレータに伝達し、モータジェネレータを用いて発電させることで、バッテリで補うことができない電力を補うことが考えられる。
【0007】
しかしながら、特許文献1のハイブリッド車両は、エンジンとモータジェネレータとの間には差動装置が介在しており、エンジンの動力をモータジェネレータに伝達すると、差動装置を経由してエンジンの動力の一部が車輪側にも伝達してしまう。このため、ハイブリッド車両が停車中に停車を維持した状態でエンジンを駆動源としてモータジェネレータによる発電を行うことができない。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、車両の停車中に、内燃機関の動力をモータジェネレータに伝達することができ、モータジェネレータを発電することができる動力伝達装置および動力伝達装置を備えた車両を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、内燃機関の動力が入力される入力軸と、前記入力軸に変速機構を介して連結され、前記変速機構により前記入力軸の回転速度を変速して差動装置に出力する出力軸と、モータジェネレータの動力が伝達されるモータ回転軸と、前記入力軸および前記出力軸と平行に設置された車両後進用のリバース軸と、前記入力軸と前記リバース軸との間で動力を伝達可能な車両後進用のリバース動力伝達部材とを備え、前記変速機構が、前記入力軸に設けられた複数のギヤと、前記出力軸に設けられ、前記複数のギヤにそれぞれ噛み合う複数のギヤとを有して車両前進用の変速段を構成する動力伝達装置であって、前記モータ回転軸と前記入力軸とを前記変速機構を介さずに連結し、前記入力軸から前記モータ回転軸に動力を伝達可能な動力伝達機構を有し、前記動力伝達機構は、前記リバース動力伝達部材と、前記モータ回転軸と前記リバース動力伝達部材との間で動力を伝達可能な動力伝達部材と、前記動力伝達部材と前記モータ回転軸とを接続または切断可能である切換部材とを含んで構成されており、前記動力伝達機構を第1の動力伝達機構とした場合に、前記モータ回転軸と前記出力軸とを前記変速機構を介さずに連結し、前記モータ回転軸と前記出力軸との間で動力を伝達可能な第2の動力伝達機構を有し、前記切換部材は、前記モータ回転軸と前記第1の動力伝達機構とを接続または切断可能であり、前記モータ回転軸と前記第2の動力伝達機構とを接続または切断可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このように上記の本発明によれば、車両の停車中に、内燃機関の動力をモータジェネレータに伝達することができ、モータジェネレータを発電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両のスケルトン図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置の入力軸、カウンタ軸、差動装置、リバースアイドラ軸、第1のモータ回転軸および第2のモータ回転軸の位置関係を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両のシステム構成図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、エンジンの動力による車両前進時の動力伝達経路を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、エンジンの動力による車両後退時の動力伝達経路を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、変速機構を経由しないエンジン発電モード時の動力伝達経路を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、変速機構を経由するエンジン発電モード時の動力伝達経路を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、変速機構を経由しないEV走行時の動力伝達経路を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、変速機構を経由するEV走行モード時の動力伝達経路を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、変速機構を経由しないモータジェネレータによるエンジン始動時の動力伝達経路を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、EV走行中に変速機構を経由するモータジェネレータによるエンジン始動時の動力伝達経路を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、変速機構を経由しないHEV走行時の動力伝達経路を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、変速機構を経由するHEV走行時の動力伝達経路を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、制動力が変速機構を経由しない走行発電モード時の動力伝達経路を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両において、制動力が変速機構を経由する走行発電モード時の動力伝達経路を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備えたハイブリッド車両の他の構成のスケルトン図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態に係る動力伝達装置は、内燃機関の動力が入力される入力軸と、入力軸に変速機構を介して連結され、変速機構により入力軸の回転速度を変速して差動装置に出力する出力軸と、モータジェネレータの動力が伝達されるモータ回転軸と、入力軸および出力軸と平行に設置された車両後進用のリバース軸と、入力軸とリバース軸との間で動力を伝達可能な車両後進用のリバース動力伝達部材とを備え、変速機構が、入力軸に設けられた複数のギヤと、出力軸に設けられ、複数のギヤにそれぞれ噛み合う複数のギヤとを有して車両前進用の変速段を構成する動力伝達装置であって、モータ回転軸と入力軸とを変速機構を介さずに連結し、入力軸からモータ回転軸に動力を伝達可能な動力伝達機構を有し、動力伝達機構は、リバース動力伝達部材と、モータ回転軸とリバース動力伝達部材との間で動力を伝達可能な動力伝達部材と、動力伝達部材とモータ回転軸とを接続または切断可能である切換部材とを含んで構成されている。
これにより、車両の停車中に、内燃機関の動力をモータジェネレータに伝達することができ、モータジェネレータを発電することができる。
【実施例】
【0013】
以下、本発明に係る動力伝達装置および動力伝達装置を備えた車両の実施例について、図面を用いて説明する。
図1から
図16は、本発明に係る一実施例の動力伝達装置を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1において、エンジン60とモータジェネレータ40とを駆動源とするハイブリッド車両(以下、単に車両という)100は、自動変速機1を備えており、自動変速機1は、前進6速段、後進1速段の変速段を有する。
【0014】
本実施例の自動変速機1は、AMT(Automated Manual Transmission)から構成されている。AMTは、MT(Manual Transmission)において運転者が行う変速操作をアクチュエータにより自動で行うことで、AT(Automatic Transmission)のような自動変速を可能にした変速機である。
【0015】
自動変速機1は、変速機ケース2を備えており、変速機ケース2には、クラッチ3と、入力軸4と、入力軸4と平行に設置されるカウンタ軸5と、入力軸4と平行に設置されるリバースアイドラ軸6とが収容されている。
【0016】
変速機ケース2にはエンジン60が連結されており、入力軸4は、エンジン60のクランク軸61と同軸上に設けられている。エンジン60は、ピストン62の往復動をクランク軸61の回転運動に変換する。回転運動に変換された動力は、クランク軸61から入力軸4に伝達される。本実施例のエンジン60は、本発明の内燃機関を構成し、カウンタ軸5は、本発明の出力軸を構成する。
【0017】
クラッチ3は、クラッチアクチュエータ21(
図3参照)によって駆動されることにより、クランク軸61と入力軸4とを接続または切断することにより、エンジン60の動力を入力軸4に伝達または伝達を遮断する。ここで、切断とは、物理的に切断される必要はなく、動力の伝達が遮断される構造をいう。
【0018】
入力軸4には1速段用の入力ギヤ4A、2速段用の入力ギヤ4B、3速段用の入力ギヤ4C、4速段用の入力ギヤ4D、5速段用の入力ギヤ4Eおよび6速段用の入力ギヤ4Fが設けられている。入力ギヤ4A、4Bは、入力軸4に固定されており、入力軸4と一体で回転する。入力ギヤ4Cから4Fは、入力軸4と相対回転するように入力軸4に設けられている。
【0019】
カウンタ軸5には1速段用のカウンタギヤ5A、2速段用のカウンタギヤ5B、3速段用のカウンタギヤ5C、4速段用のカウンタギヤ5D、5速段用のカウンタギヤ5Eおよび6速段用のカウンタギヤ5Fが設けられており、カウンタギヤ5A~5Fは、入力ギヤ4A~4Fに噛み合っている。
【0020】
カウンタギヤ5A、5Bは、カウンタ軸5と相対回転するようにカウンタ軸5に設けられている。カウンタギヤ5Cから5Fは、カウンタ軸5に固定されており、カウンタ軸5と一体で回転する。
【0021】
入力軸4にはハブスリーブ7、8が設けられており、ハブスリーブ7、8は、入力軸4とスプライン嵌合することで、入力軸4の軸線方向に移動自在で、かつ、入力軸4と相対回転不能に入力軸4に連結されている。
【0022】
ハブスリーブ7、8は、シフトフォークやシフトドラム等を含んで構成されるシフトアクチュエータ22(
図3参照)によって駆動されることにより、入力軸4の軸線方向に移動自在となっている。
【0023】
ハブスリーブ7、8は、それぞれ入力ギヤ4Cと入力ギヤ4Dとの間、入力ギヤ4Eと入力ギヤ4Fとの間に設置されている。ハブスリーブ7、8が中立位置(ニュートラル位置)に位置した状態において、入力ギヤ4Cから4Fは、入力軸4に非連結となり、入力軸4と相対回転する。これにより、入力軸4から入力ギヤ4Cから4Fおよびカウンタギヤ5Cから5Fを介してカウンタ軸5に動力が伝達されない。
【0024】
シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ7が入力ギヤ4C側に移動すると、入力ギヤ4Cがハブスリーブ7を介して入力軸4に連結され、シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ7が入力ギヤ4D側に移動すると、入力ギヤ4Dがハブスリーブ7を介して入力軸4に連結される。
【0025】
入力ギヤ4Cがハブスリーブ7を介して入力軸4に連結されると、3速段が成立し、入力軸4の動力が入力ギヤ4Cからカウンタギヤ5Cを介してカウンタ軸5に伝達される。
入力ギヤ4Dがハブスリーブ7を介して入力軸4に連結されると、4速段が成立し、入力軸4の動力が入力ギヤ4Dからカウンタギヤ5Dを介してカウンタ軸5に伝達される。
【0026】
シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ8が入力ギヤ4E側に移動されると、入力ギヤ4Eがハブスリーブ8を介して入力軸4に連結され、シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ8が入力ギヤ4F側に移動されると、入力ギヤ4Fがハブスリーブ8を介して入力軸4に連結される。
【0027】
入力ギヤ4Eがハブスリーブ8を介して入力軸4に連結されると、5速段が成立し、入力軸4の動力が入力ギヤ4Eからカウンタギヤ5Eを介してカウンタ軸5に伝達される。
入力ギヤ4Fがハブスリーブ8を介して入力軸4に連結されると、6速段が成立し、入力軸4の動力が入力ギヤ4Fからカウンタギヤ5Fを介してカウンタ軸5に伝達される。
【0028】
カウンタ軸5にはハブスリーブ9が設けられており、ハブスリーブ9は、カウンタ軸5とスプライン嵌合することで、カウンタ軸5の軸線方向に移動自在で、かつ、カウンタ軸5と相対回転不能にカウンタ軸5に連結されている。
【0029】
ハブスリーブ9は、シフトアクチュエータ22によって入力軸4の軸線方向に移動される。ハブスリーブ9は、カウンタギヤ5Aとカウンタギヤ5Bとの間に設置されている。
ハブスリーブ9が中立位置に位置した状態において、カウンタギヤ5A、5Bは、カウンタ軸5に非連結となり、カウンタ軸5と相対回転する。これにより、入力軸4から入力ギヤ4A、4Bおよびカウンタ軸5A、5Bを介してカウンタ軸5に動力が伝達されない。
【0030】
シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ9がカウンタギヤ5A側に移動すると、カウンタギヤ5Aがハブスリーブ9を介してカウンタ軸5に連結され、シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ9がカウンタギヤ5B側に移動すると、カウンタギヤ5Bがハブスリーブ9を介してカウンタ軸5に連結される。
【0031】
カウンタギヤ5Aがハブスリーブ9を介してカウンタ軸5に連結されると、1速段が成立し、入力軸4の動力が入力ギヤ4Aからカウンタギヤ5Aを介してカウンタ軸5に伝達される。カウンタギヤ5Bがハブスリーブ9を介してカウンタ軸5に連結されると、2速段が成立し、入力軸4の動力が入力ギヤ4Bからカウンタギヤ5Bを介してカウンタ軸5に伝達される。
【0032】
ここで、入力ギヤ4Aから4F、カウンタギヤ5Aから5Fが入力軸4またはカウンタ軸5に連結するとは、入力ギヤ4Aから4F、カウンタギヤ5Aから5Fが入力軸4またはカウンタ軸5に同期して連結することである。
【0033】
入力ギヤ4Aから4F、カウンタギヤ5Aから5Fが入力軸4またはカウンタ軸5に非連結となるとは、入力ギヤ4Aから4F、カウンタギヤ5Aから5Fを入力軸4またはカウンタ軸5に対して相対回転させることである。
【0034】
カウンタ軸5にはファイナルドライブギヤ5Gが固定されており、ファイナルドライブギヤ5Gは、カウンタ軸5と一体で回転する。本実施例の入力ギヤ4Aから4Fおよびカウンタギヤ5Aから5Fは、本発明の変速機構11を構成する。
【0035】
ハブスリーブ7から9は、運転者によって操作される図示しないシフトレバーがドライブレンジにシフトされた状態において、例えば、予めアクセル開度と車速とをパラメータとして設定された変速マップに基づいて駆動される。
【0036】
ファイナルドライブギヤ5Gは、差動装置50のファイナルドリブンギヤ51に噛み合っている。差動装置50は、変速機ケース2に収容されており、差動装置50は、左右に延びるドライブシャフト52L、52Rを介して図示しない左右の駆動輪に連結されている。
【0037】
差動装置50は、カウンタ軸5からファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ51を介して伝達される動力を、ドライブシャフト52L、52Rを介して左右の駆動輪に差動回転自在に伝達する。
【0038】
入力軸4にはリバース駆動ギヤ4Rが固定されており、リバース駆動ギヤ4Rは、入力軸4と一体で回転する。リバースアイドラ軸6にはリバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバースアイドラ駆動ギヤ6Bが設けられており、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバースアイドラ駆動ギヤ6Bは、リバースアイドラ軸6と相対回転自在となっている。
【0039】
リバースアイドラ従動ギヤ6Aは、リバース駆動ギヤ4Rに噛み合っている。リバースアイドラ駆動ギヤ6Bは、リバース従動ギヤ5Rに噛み合っており、リバース従動ギヤ5Rは、カウンタ軸5に固定されてカウンタ軸5と一体で回転する。
【0040】
リバースアイドラ軸6には後退切換ハブスリーブ10が設けられており、後退切換ハブスリーブ10は、シフトアクチュエータ22によってリバースアイドラ軸6の軸線方向に移動される。
【0041】
後退切換ハブスリーブ10は、リバースアイドラ従動ギヤ6Aとリバースアイドラ駆動ギヤ6Bとを連結する状態と、リバースアイドラ従動ギヤ6Aをリバースアイドラ駆動ギヤ6Bから解放する状態とに切換える。
【0042】
シフトアクチュエータ22によって後退切換ハブスリーブ10が駆動されて、リバースアイドラ従動ギヤ6Aに対してリバースアイドラ駆動ギヤ6Bが解放されると、リバースアイドラ従動ギヤ6Aとリバースアイドラ駆動ギヤ6Bとが相対回転する。
【0043】
一方、シフトアクチュエータ22によって後退切換ハブスリーブ10が駆動されて、リバースアイドラ従動ギヤ6Aとリバースアイドラ駆動ギヤ6Bとが連結されると、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバースアイドラ駆動ギヤ6Bが一体で回転する。
【0044】
これにより、ハブスリーブ7、8、9が中立位置に移動し、リバースアイドラ従動ギヤ6Aとリバースアイドラ駆動ギヤ6Bとが連結されると、入力軸4の動力がリバース駆動ギヤ4Rからリバースアイドラ従動ギヤ6Aに伝達される。
【0045】
リバースアイドラ従動ギヤ6Aに伝達された動力は、リバースアイドラ駆動ギヤ6Bおよびリバース従動ギヤ5Rを介してカウンタ軸5に伝達された後、ファイナルドライブギヤ5Gからファイナルドリブンギヤ51に伝達される。
【0046】
これにより、差動装置50が前進時と反対方向に回転し、ドライブシャフト52L、52Rを介して図示しない左右の駆動輪が逆回転する。この結果、ハイブリッド車両100が後退する。
【0047】
後退切換ハブスリーブ10によりリバースアイドラ従動ギヤ6Aに対してリバースアイドラ駆動ギヤ6Bが解放されると、リバースアイドラ従動ギヤ6Aとリバースアイドラ駆動ギヤ6Bとが相対回転する。
これにより、リバース駆動ギヤ4Rからリバースアイドラ駆動ギヤ6Bに動力が伝達されなくなり、車両100の前進走行が可能となる。
【0048】
本実施例では、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバースアイドラ駆動ギヤ6Bをリバースアイドラ軸6と相対回転自在に設け、後退切換ハブスリーブ10がリバースアイドラ従動ギヤ6Aとリバースアイドラ駆動ギヤ6Bとを連結する構成となっているが、これに限定されるものではない。
【0049】
例えば、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバースアイドラ駆動ギヤ6Bのいずれか一方をリバースアイドラ軸6に固定し、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバースアイドラ駆動ギヤ6Bのいずれか他方をリバースアイドラ軸6に回転自在に取付けてもよい。
【0050】
そして、後退切換ハブスリーブ10が、リバースアイドラ軸6に回転自在に設けられたリバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバースアイドラ駆動ギヤ6Bのいずれか他方をリバースアイドラ軸6に連結することにより、リバースアイドラ従動ギヤ6Aとリバースアイドラ駆動ギヤ6Bとを連結して一体で回転させるようにしてもよい。
【0051】
変速機ケース2にはモータジェネレータ40が取付けられており、モータジェネレータ40には図示しないインバータが接続されている。インバータは、モータジェネレータ40の力行時に図示しないバッテリからの直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ40に供給する。インバータは、回生時にはモータジェネレータ40が発電した交流電力を直流電力に変換してバッテリに充電する。
【0052】
モータジェネレータ40にはモータ回転軸41が設けられており、モータジェネレータ40の動力は、モータ回転軸41に伝達される。モータ回転軸41は、変速機ケース2に収容されている。モータ回転軸41は、入力軸4およびカウンタ軸5と平行に設置されており、モータ回転軸41にはモータ駆動ギヤ42が固定されている。
【0053】
変速機ケース2にはモータ回転軸43が収容されており、モータ回転軸43は、入力軸4およびカウンタ軸5と平行に設置されている。モータ回転軸43にはモータ従動ギヤ44、入力軸側ギヤ45、カウンタ軸側ギヤ46が設けられている。
【0054】
モータ従動ギヤ44は、モータ回転軸43に固定されており、モータ回転軸43と一体で回転する。モータ従動ギヤ44は、モータ駆動ギヤ42に噛み合っており、モータ駆動ギヤ42との間で相互に動力を伝達可能である。
入力軸側ギヤ45は、リバースアイドラ従動ギヤ6Aに噛み合っており、入力軸側ギヤ45は、リバースアイドラ従動ギヤ6Aとの間で相互に動力を伝達可能である。カウンタ軸側ギヤ46は、リバース従動ギヤ5Rに噛み合っており、カウンタ軸側ギヤ46は、リバース従動ギヤ5Rとの間で相互に動力を伝達可能である。
【0055】
モータ回転軸43にはハブスリーブ47が設けられており、ハブスリーブ47は、モータ回転軸43とスプライン嵌合することで、モータ回転軸43の軸線方向に移動自在で、かつ、モータ回転軸43と相対回転不能にモータ回転軸43に連結されている。
【0056】
ハブスリーブ47は、図示しないシフトフォークやシフトモータ等を備えたモータアクチュエータ23(
図3参照)によってモータ回転軸43の軸線方向に移動自在となっている。ハブスリーブ47は、入力軸側ギヤ45とカウンタ軸側ギヤ46との間に設置されている。
【0057】
ハブスリーブ47が中立位置に位置した状態において、入力軸側ギヤ45およびカウンタ軸側ギヤ46は、モータ回転軸43に非連結となり、モータ回転軸43と相対回転する。これにより、モータ回転軸41と入力軸4との間およびモータ回転軸41とカウンタ軸5との間で動力が伝達されない。
【0058】
モータアクチュエータ23によってハブスリーブ47が入力軸側ギヤ45側に移動すると、入力軸側ギヤ45がハブスリーブ47を介してモータ回転軸43に連結される。モータアクチュエータ23によってハブスリーブ47がカウンタ軸側ギヤ46側に移動すると、カウンタ軸側ギヤ46がハブスリーブ47を介してモータ回転軸43に連結される。
【0059】
入力軸側ギヤ45がハブスリーブ47を介してモータ回転軸43に連結されると、入力軸4が、リバース駆動ギヤ4R、リバースアイドラ従動ギヤ6A、入力軸側ギヤ45、モータ回転軸43、モータ従動ギヤ44およびモータ駆動ギヤ42を介してモータ回転軸41に連結される。
【0060】
この動力伝達経路は、モータ回転軸43と入力軸4とを変速機構11を介さずに連結可能な経路である。この動力伝達経路において、入力軸4の動力は、リバース駆動ギヤ4R、リバースアイドラ従動ギヤ6A、入力軸側ギヤ45、モータ回転軸43、モータ従動ギヤ44、モータ駆動ギヤ42およびモータ回転軸41を介してモータジェネレータ40に伝達可能である。これにより、モータジェネレータ40が発電される。
【0061】
また、モータジェネレータ40の動力は、モータ回転軸41、モータ駆動ギヤ42、モータ従動ギヤ44、モータ回転軸43、入力軸側ギヤ45、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバース駆動ギヤ4Rを介して入力軸4に伝達可能である。
【0062】
本実施例のリバース駆動ギヤ4R、リバースアイドラ従動ギヤ6A、入力軸側ギヤ45、モータ回転軸43、モータ従動ギヤ44およびモータ駆動ギヤ42は、本発明の動力伝達機構および第1の動力伝達機構12を構成する。
【0063】
カウンタ軸側ギヤ46がハブスリーブ47を介してモータ回転軸43に連結されると、カウンタ軸5が、リバース従動ギヤ5R、カウンタ軸側ギヤ46、モータ回転軸43、モータ従動ギヤ44およびモータ駆動ギヤ42を介してモータ回転軸41に連結される。
【0064】
この動力伝達経路は、モータ回転軸43とカウンタ軸5とを変速機構11を介さずに連結可能な経路である。この動力経路において、カウンタ軸5の動力は、リバース従動ギヤ5R、カウンタ軸側ギヤ46、モータ回転軸43、モータ従動ギヤ44およびモータ駆動ギヤ42を介してモータ回転軸41に伝達可能である。
【0065】
また、モータジェネレータ40の動力は、モータ回転軸41、モータ駆動ギヤ42、モータ従動ギヤ44、モータ回転軸43、カウンタ軸側ギヤ46、リバース従動ギヤ5Rを介してカウンタ軸5に伝達可能である。
【0066】
本実施例のリバース従動ギヤ5R、カウンタ軸側ギヤ46、モータ回転軸43、モータ従動ギヤ44およびモータ駆動ギヤ42は、本発明の第2の動力伝達機構13を構成する。リバースアイドラ軸6は、本発明の車両後進用のリバース軸を構成する。
【0067】
リバース駆動ギヤ4Rおよびリバースアイドラ従動ギヤ6Aは、入力軸4とリバースアイドラ軸6との間で動力を伝達可能な本発明の車両後進用の第1のリバース動力伝達部材14を構成する。リバースアイドラ駆動ギヤ6Bおよびリバース従動ギヤ5Rは、カウンタ軸5とリバースアイドラ軸6との間で動力を伝達可能な本発明の車両後進用の第2のリバース動力伝達部材15を構成する。
【0068】
入力軸側ギヤ45は、モータ回転軸41と第1のリバース動力伝達部材14との間で動力を伝達可能な本発明の第1の動力伝達部材16を構成する。これにより、モータ回転軸41と入力軸4とは、リバース駆動ギヤ4R、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよび入力軸側ギヤ45を介して動力を伝達可能である。
【0069】
カウンタ軸側ギヤ46は、モータ回転軸41と第2のリバース動力伝達部材15との間で動力を伝達可能な本発明の第2の動力伝達部材17を構成する。これにより、モータ回転軸41とカウンタ軸5とは、リバース従動ギヤ5Rおよびカウンタ軸側ギヤ46を介して動力を伝達可能である。
【0070】
本実施例のハブスリーブ47は、入力軸側ギヤ45とモータ回転軸43とを接続または切断可能とすることにより、入力軸側ギヤ45をモータ従動ギヤ44およびモータ駆動ギヤ42を介してモータ回転軸41に接続または切断可能である。
【0071】
さらに、ハブスリーブ47は、カウンタ軸側ギヤ46とモータ回転軸43とを接続または切断可能とすることにより、カウンタ軸側ギヤ46をモータ従動ギヤ44およびモータ駆動ギヤ42を介してモータ回転軸41に接続または切断可能である。
【0072】
本実施例のリバース駆動ギヤ4Rは、本発明の第1のリバースギヤを構成し、リバースアイドラ従動ギヤ6Aは、本発明の第2のリバースギヤを構成する。リバースアイドラ駆動ギヤ6Bは、本発明の第3のリバースギヤを構成し、リバース従動ギヤ5Rは、本発明の第4のリバースギヤを構成する。
【0073】
本実施例のモータ回転軸41は、本発明の第1のモータ回転軸を構成し、モータ回転軸43は、本発明の第2のモータ回転軸を構成する。モータ駆動ギヤ42は、本発明の第1のモータギヤを構成し、モータ従動ギヤ44は、本発明の第2のモータギヤを構成する。
入力軸側ギヤ45は、本発明の第3のモータギヤを構成し、カウンタ軸側ギヤ46は、本発明の第4のモータギヤを構成する。ハブスリーブ47は、本発明の切換部材を構成する。
【0074】
図2において、入力軸4およびカウンタ軸5は、差動装置50のファイナルドリブンギヤ51とリバースアイドラ軸6との間に設置されている。モータ回転軸43は、カウンタ軸5およびリバースアイドラ軸6の下方に設置されている。
【0075】
モータ回転軸41は、モータ回転軸43に対して差動装置50から前方に離れて設置されている。
図2においては、入力軸4等の位置関係を模式的に示しており、ギヤの大小関係は、実際のギヤの大小関係とは一致していない。
【0076】
図3において、車両100は、ECU(Electronic Control Unit)20を備えており、ECU20は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0077】
ECU20にはシフトアクチュエータ22、クラッチアクチュエータ21、モータアクチュエータ23が接続されている。ECU20にはアクセル開度センサ24、車速センサ25、クランク角センサ26およびシフトスイッチ27が接続されている。
【0078】
アクセル開度センサ24は、アクセルペダル24Aの開度を検出してアクセル開度に応じた信号をECU20に出力する。車速センサ25は、車両100の速度を検出して速度に応じた信号をECU20に出力する。クランク角センサ26は、クランク軸61の回転角度を検出してECU20に信号を出力する。ECU20は、クランク角センサ26から出力された情報に基づいてエンジン60の回転数を算出する。
【0079】
シフトスイッチ27は、図示しないシフトレバーが運転者によって操作されたときに、シフトレンジに応じた信号、例えば、自動変速モードにおいて、N(ニュートラル)レンジ、R(リバース)レンジ、D(ドライブ)レンジに応じたシフト信号をECU20に出力する。
また、シフトスイッチ27は、手動変速モードにおいて、1速段から6速段に応じた信号をECU20に出力する。
【0080】
ECU20のROMには、アクセル開度と車速とをパラメータとして設定された変速マップが記憶されている。ECU20は、運転者によって操作されるシフトレバーがDレンジにシフトされた状態において、アクセル開度センサ24および車速センサ25の検出情報に基づいて変速マップを参照し、変速マップに応じた変速段となるようにシフトアクチュエータ22を操作する。
【0081】
ECU20は、モード設定部20Aとしての機能を有する。モード設定部20Aは、EV(モータ)走行モード、HEV(ハイブリッド)走行モード、エンジン始動モード、車両停車時のエンジン発電モード等の各種モードを設定する。
【0082】
モード設定部20Aは、アクセル開度センサ24、車速センサ25およびシフトスイッチ27の情報に基づいてEV走行モード、HEV走行モード、エンジン始動モード、車両停車時のエンジン発電モードを設定する。
【0083】
EV走行モードは、エンジン60を停止してモータジェネレータ40を駆動源として車両100を走行させるモードである。HEV走行モードは、エンジン60とモータジェネレータ40とを駆動源として車両100を走行させるモードである。
【0084】
HEV走行モードには、エンジン走行モード、モータアシスト走行モードおよび走行発電モードが設定されている。エンジン走行モードでは、モータジェネレータ40を駆動させずに、エンジン60を駆動源として車両100を走行させる。
【0085】
モータアシスト走行モードでは、エンジン60とモータジェネレータ40とを動力源として車両100を走行させる(モータジェネレータ40の力行)。走行発電モードでは、エンジン60を駆動源として車両100を走行させるとともに、モータジェネレータ40を発電機として機能させ、バッテリを充電する(モータジェネレータ40による回生)。
【0086】
エンジン始動モードは、停止しているエンジン60を始動する走行モードであり、例えば、EV走行時にエンジン60を始動させる。車両停車時のエンジン発電モードは、車両100が停車している状態において、エンジン60によってモータジェネレータ40を発電するモードであり、モータジェネレータ40によって発電された電力は、バッテリに充電される。
【0087】
モード設定部20AによってHEV走行モードが選択された場合に、ECU20は、エンジン60の回転数とアクセル開度(エンジントルク)とによって定義された運転点が、予め設定されたエンジン最適燃費線上を移動するように、モータジェネレータ40を負荷としてエンジン60を制御する。
【0088】
ECU20は、要求トルク算出部20Bとして機能する。要求トルク算出部20Bは、HEV走行モードまたはEV走行モードが設定された状態において、アクセル開度センサ24、車速センサ25およびクランク角センサ26の出力情報に基づいて車両100の要求トルクを算出し、車両100の要求トルクを満たすだけのモータジェネレータ40の要求トルクまたは要求回転数を算出する。
【0089】
ECU20は、切換制御部20Cとして機能する。切換制御部20Cは、EV走行時において、要求トルク算出部20Bによって算出されたモータジェネレータ40の要求トルクが所定値未満であることを条件として、モータアクチュエータ23を制御してハブスリーブ47を第2の切換位置に切換える。ハブスリーブ47が第2の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とが接続される。ここで、第2の切換位置とは、モータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とを接続するハブスリーブ47の位置である。
【0090】
切換制御部20Cは、EV走行時において、要求トルク算出部20Bによって算出されたモータジェネレータ40の要求トルクが所定値以上であることを条件として、モータアクチュエータ23を制御してハブスリーブ47を第1の切換位置に切換える。ハブスリーブ47が第1の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とが接続される。ここで、第1の切換位置とは、モータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とを接続するハブスリーブ47の位置である。
【0091】
切換制御部20Cは、モード設定部20AによってHEV走行モードが設定されたときに、ハブスリーブ47を第2の切換位置に切換え、モータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とを接続する。
【0092】
切換制御部20Cは、モード設定部20Aによって車両停車時のエンジン発電モード、あるいはエンジン始動モードが設定されたときに、ハブスリーブ47を第1の切換位置に切換え、モータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とを接続する。
【0093】
本実施例の入力軸4、カウンタ軸5、リバースアイドラ軸6、変速機構11、第1の動力伝達機構12および第2の動力伝達機構13を備えた自動変速機1は、本発明の動力伝達装置を構成する。
【0094】
次に、
図4から
図15に示す各種走行モードにおける動力伝達経路図を用いて、作用を説明する。
図4から
図15において、太い実線で示された経路は、動力が伝達可能な経路を示している。
(エンジン走行、車両前進時の動力伝達経路)
図4は、エンジン走行、車両前進時の動力伝達経路である。ここでいうエンジン走行とは、エンジン60の動力のみによって運転される走行状態である。
【0095】
図4において、モード設定部20Aにより、走行モードがエンジン走行モードに設定されると、車両前進時に後退切換ハブスリーブ10によってリバースアイドラ従動ギヤ6Aに対してリバースアイドラ駆動ギヤ6Bが解放される。
【0096】
また、シフトアクチュエータ22によって変速段に応じたハブスリーブ7からハブスリーブ9のいずれか1つが作動され、入力ギヤ4C、4D、4E、4F、カウンタギヤ5A、5Bのいずれか1つが入力軸4またはカウンタ軸5に連結される。
【0097】
例えば、3速段が成立すると、エンジン60の動力がクランク軸61からクラッチ3を介して入力軸4に入力された後、入力軸4から入力ギヤ4C、カウンタギヤ5C、カウンタ軸5、ファイナルドライブギヤ5Gからファイナルドリブンギヤ51に伝達される。
【0098】
ファイナルドリブンギヤ51に動力が伝達されると、差動装置50がドライブシャフト52L、52Rを介して左右の駆動輪に差動回転自在に動力を伝達する。これにより、車両100が前進走行する。
【0099】
(エンジン走行、車両後退時の動力伝達経路)
図5において、モード設定部20Aにより、走行モードがエンジン走行モードに設定されると、車両後退時にはシフトアクチュエータ22によってハブスリーブ7からハブスリーブ9が中立位置に移動される。さらに、後退切換ハブスリーブ10によってリバースアイドラ従動ギヤ6Aとリバースアイドラ駆動ギヤ6Bとが連結される。
【0100】
これにより、エンジン60の動力がクランク軸61からクラッチ3を介して入力軸4に入力されると、入力軸4の動力がリバース駆動ギヤ4Rからリバースアイドラ従動ギヤ6Aに伝達される。
【0101】
リバースアイドラ従動ギヤ6Aに伝達された動力は、リバースアイドラ駆動ギヤ6Bおよびリバース従動ギヤ5Rを介してカウンタ軸5に伝達された後、ファイナルドライブギヤ5Gからファイナルドリブンギヤ51に伝達される。このため、ドライブシャフト52L、52Rを介して図示しない左右の駆動輪が前進時に対して逆回転する。この結果、ハイブリッド車両100が後退する。
【0102】
(車両停車時のエンジン発電モード)
車両停車時のエンジン発電モードにおいて、自動変速機1は、変速機構11を経由しないで、エンジン60の動力によってモータジェネレータ40の発電を行う。
【0103】
図6において、車両100の停車時に、モード設定部20Aによってエンジン発電モードが設定されると、シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ7からハブスリーブ9が中立位置に移動される。
【0104】
さらに、後退切換ハブスリーブ10によってリバースアイドラ従動ギヤ6Aに対してリバースアイドラ駆動ギヤ6Bが解放され、ハブスリーブ47が第1の切換位置に切換えられる。
【0105】
これにより、エンジン60の動力がクランク軸61からクラッチ3を介して入力軸4に入力されると、入力軸4の動力がリバース駆動ギヤ4Rから、リバースアイドラ従動ギヤ6A、入力軸側ギヤ45、モータ回転軸43、モータ従動ギヤ44、モータ駆動ギヤ42およびモータ回転軸41を介してモータジェネレータ40に伝達される。これにより、モータジェネレータ40の発電が行われ、バッテリが充電される。
【0106】
(走行発電モード[車両走行時のエンジン発電モード])
車両100の走行時において、モード設定部20Aによって走行発電モードが設定されると、シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ7からハブスリーブ9が作動され、任意の変速段が成立される。
【0107】
図7に示すように、例えば、変速段を1速段にする場合には、シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ9をカウンタギヤ5A側に作動させてカウンタギヤ5Aをカウンタ軸5に連結する。さらに、モータアクチュエータ23によってハブスリーブ47を第2の切換位置に切換え、カウンタ軸側ギヤ46をモータ回転軸43に連結する。
【0108】
これにより、入力軸4から入力ギヤ4A、カウンタギヤ5A、カウンタ軸5、ファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ51を介して差動装置50に動力が伝達された後、差動装置50からドライブシャフト52L、52Rを介して左右の駆動輪に動力を伝達する。
【0109】
また、カウンタ軸5からリバース従動ギヤ5R、カウンタ軸側ギヤ46、モータ回転軸43、モータ従動ギヤ44、モータ駆動ギヤ42およびモータ回転軸41を介してモータジェネレータ40に動力が伝達される。これにより、モータジェネレータ40が発電する。
【0110】
(モータジェネレータ40の動力が変速機構11を経由しないEV走行モード)
ECU20の切換制御部20Cは、要求トルク算出部20Bによって算出されたモータジェネレータ40の要求トルクが所定値未満と判断した場合に、
図8に示すように、モータアクチュエータ23を制御してハブスリーブ47を第2の切換位置に切換える。
【0111】
ハブスリーブ47が第2の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とが接続される。これにより、モータジェネレータ40の動力がモータ回転軸41、モータ駆動ギヤ42、モータ従動ギヤ44、モータ回転軸43、カウンタ軸側ギヤ46、リバース従動ギヤ5Rを介してカウンタ軸5に伝達される。
【0112】
カウンタ軸5に動力が伝達されると、ファイナルドライブギヤ5Gからファイナルドリブンギヤ51に動力が伝達され、差動装置50からドライブシャフト52L、52Rを介して左右の駆動輪に伝達される。これにより、車両100がモータジェネレータ40の動力によって前進走行する。
【0113】
(モータジェネレータ40の動力が変速機構11を経由する走行EVモード)
ECU20の切換制御部20Cは、要求トルク算出部20Bによって算出されたモータジェネレータ40の要求トルクが所定値以上と判断した場合に、
図9に示すように、モータアクチュエータ23を制御してハブスリーブ47を第1の切換位置に切換える。
【0114】
ハブスリーブ47が第1の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とが接続される。これにより、モータジェネレータ40の動力がモータ回転軸41、モータ駆動ギヤ42、モータ従動ギヤ44、モータ回転軸43、入力軸側ギヤ45、リバースアイドラ従動ギヤ6A、リバース駆動ギヤ4Rを介して入力軸4に伝達される。
【0115】
例えば、3速段が成立すると、入力軸4から入力ギヤ4C、カウンタギヤ5C、カウンタ軸5、ファイナルドライブギヤ5Gを介してファイナルドリブンギヤ51に動力が伝達される。ファイナルドリブンギヤ51に動力が伝達されると、差動装置50がドライブシャフト52L、52Rを介して左右の駆動輪に動力を伝達する。これにより、車両100がモータジェネレータ40の動力によって3速段で前進走行する。
【0116】
(変速機構11を経由しないエンジン始動モード)
モード設定部20Aにより、走行モードがエンジン始動モードに設定されると、シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ7からハブスリーブ9が中立位置に移動され、モータアクチュエータ23によってハブスリーブ47が第1の切換位置に切換えられる。
さらに、クラッチアクチュエータ21によって入力軸4とクランク軸61とがクラッチ3を介して連結される。
【0117】
図10において、ハブスリーブ47が第1の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とが接続される。これにより、モータジェネレータ40の動力がモータ回転軸41、モータ駆動ギヤ42、モータ従動ギヤ44、モータ回転軸43、入力軸側ギヤ45、リバースアイドラ従動ギヤ6A、リバース駆動ギヤ4Rを介して入力軸4に伝達される。このため、モータジェネレータ40の動力が入力軸4からクランク軸61に伝達され、エンジン60が始動される。
【0118】
このようにモータ回転軸41の動力を、変速機構11を介さずに第1の動力伝達機構12から入力軸4に伝達することにより、モータジェネレータ40の消費電力が増大することを防止して、エンジン60を容易に始動することができる。
【0119】
(EV走行中の変速機構11を経由するエンジン始動モード)
本実施例の自動変速機1では、変速機構11を経由してモータジェネレータ40からエンジン60に動力が伝達されてもよい。この場合には、
図11に示すように、モード設定部20Aにより、走行モードがエンジン始動モードに設定されると、シフトアクチュエータ22によってハブスリーブ7からハブスリーブ9のいずれか1つが任意の変速段となるように移動され、モータアクチュエータ23によってハブスリーブ47が第2の切換位置に切換えられる。さらに、クラッチアクチュエータ21によって入力軸4とクランク軸61とがクラッチ3を介して連結される。
【0120】
ハブスリーブ47が第2の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とが接続される。これにより、モータジェネレータ40の動力がモータ回転軸41、モータ駆動ギヤ42、モータ従動ギヤ44、モータ回転軸43、カウンタ軸側ギヤ46、リバース従動ギヤ5Rに伝達される。
【0121】
例えば、変速段が4速段である場合には、シフトアクチュエータ22によりハブスリーブ7が入力ギヤ4D側に駆動され、入力ギヤ4Dが入力軸4に連結される。これにより、モータジェネレータ40の動力がカウンタ軸5からカウンタギヤ5D、入力ギヤ4D、入力軸4を介してクランク軸61に伝達され、エンジン60が始動される。
【0122】
4速段用の入力ギヤ4Dの径は、4速段用のカウンタギヤ5Dの径よりも大きいので、カウンタギヤ5Dから入力ギヤ4Dに動力が伝達されるときに、カウンタ軸5から入力軸4に伝達されるトルクが大きくなる。このため、エンジン60の駆動トルクを大きくすることができ、エンジン60の始動性を向上できる。
【0123】
(モータジェネレータ40の動力が変速機構11を経由しないHEV走行モード)
図12において、モード設定部20Aにより、走行モードがHEV走行モードに設定されると、シフトアクチュエータ22によって変速段に応じたハブスリーブ7からハブスリーブ9のいずれか1つが作動され、入力ギヤ4C、4D、4E、4F、カウンタギヤ5A、5Bのいずれか1つが入力軸4またはカウンタ軸5に連結される。
【0124】
例えば、3速段が成立すると、エンジン6の動力が入力軸4から入力ギヤ4C、カウンタギヤ5Cを介してカウンタ軸5に伝達された後、ファイナルドライブギヤ5Gからファイナルドリブンギヤ51に伝達される。
【0125】
ECU20の切換制御部20Cは、要求トルク算出部20Bによって算出されたモータジェネレータ40の要求トルクが所定値未満であると判断した場合には、モータアクチュエータ23を制御してハブスリーブ47を第2の切換位置に切換える。
【0126】
ハブスリーブ47が第2の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とが接続される。これにより、モータジェネレータ40の動力が第2の動力伝達機構13を介してカウンタ軸5に伝達される。
【0127】
カウンタ軸5にモータジェネレータ40の動力が伝達されると、モータジェネレータ40の動力がエンジン60の動力と合成されてファイナルドライブギヤ5Gからファイナルドリブンギヤ51に伝達され、差動装置50からドライブシャフト52L、52Rを介して左右の駆動輪に伝達される。これにより、車両100がエンジン60およびモータジェネレータ40の動力によって前進走行する。
【0128】
また、HEV走行モードにおいては、ECU20は、エンジン60の回転数とアクセル開度(エンジントルク)とによって定義された運転点が、予め設定されたエンジン最適燃費線上を移動するように、モータジェネレータ40を負荷としてエンジン60が制御される。
【0129】
また、モータジェネレータ40の動力が変速機構11を経由されないHEV走行モードにおいては、変速操作時にクラッチ3を切断することにより、エンジン60の動力が一時的に入力軸4に伝達されない。このため、一時的にトルク抜けが発生して運転者に違和感を与えるおそれがある。
【0130】
これに対して、本実施例の自動変速機1は、モータジェネレータ40の動力を第2の動力伝達機構13を介してカウンタ軸5に伝達することができるので、変速走行時にモータジェネレータ40の動力によって変速時にトルク抜けしたトルクを補うことができる。このため、運転者に違和感を与えることを防止できる。
【0131】
(モータジェネレータ40の動力が変速機構11を経由するHEV走行モード)
図13において、モード設定部20Aにより、走行モードがHEV走行モードに設定されると、シフトアクチュエータ22によって変速段に応じたハブスリーブ7からハブスリーブ9のいずれか1つが作動され、入力ギヤ4C、4D、4E、4F、カウンタギヤ5A、5Bのいずれか1つが入力軸4またはカウンタ軸5に連結される。
【0132】
例えば、3速段が成立すると、入力軸4から入力ギヤ4C、カウンタギヤ5Cを介してカウンタ軸5に動力が伝達された後、ファイナルドライブギヤ5Gからファイナルドリブンギヤ51に動力が伝達される。
【0133】
ECU20の切換制御部20Cは、要求トルク算出部20Bによって算出されたモータジェネレータ40の要求トルクが所定値以上であるものと判断した場合に、モータアクチュエータ23を制御してハブスリーブ47を第1の切換位置に切換える。
【0134】
ハブスリーブ47が第1の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とが接続され、モータジェネレータ40の動力が第1の動力伝達機構12を介して入力軸4に伝達される。その後、エンジン60の動力と同様に、モータジェネレータ40の動力が入力ギヤ4C、カウンタギヤ5Cを介してカウンタ軸5に伝達される。
【0135】
カウンタ軸5にモータジェネレータ40の動力が伝達されると、エンジン60の動力がモータジェネレータ40の動力と合成されてファイナルドライブギヤ5Gからファイナルドリブンギヤ51に伝達され、差動装置50からドライブシャフト52L、52Rを介して左右の駆動輪に伝達される。これにより、車両100がエンジン60およびモータジェネレータ40の動力によって前進走行する。
【0136】
また、HEV走行モードにおいては、ECU20は、エンジン60の回転数とアクセル開度(エンジントルク)とによって定義された運転点が、予め設定されたエンジン最適燃費線上を移動するように、モータジェネレータ40を負荷としてエンジン60が制御される。
【0137】
このように、本実施例の自動変速機1は、モータジェネレータ40の動力をモータ回転軸41から第1の動力伝達機構12を介して入力軸4に伝達し、エンジン60の動力をクランク軸61から入力軸4および変速機構11を介してカウンタ軸5に伝達することができる。このため、変速段を任意の変速段に変更することにより、モータジェネレータ40のトルクやカウンタ軸5の回転数を容易に調整することができる。
【0138】
なお、モータジェネレータ40の動力が変速機構11を経由しないHEV走行モードにおいて、モータジェネレータ40の要求トルクにかかわらずに、ハブスリーブ47を第1の切換位置または第2の切換位置に切換えてもよい。
【0139】
(走行発電モード[制動力が変速機構11を経由しない回生])
モード設定部20Aにより、走行モードが走行発電モードに設定された状態で、アクセルペダル24Aの踏み込みが解除されるか、また、ブレーキペダルが踏み込まれると、車両100に制動力が発生する。
【0140】
このとき、
図14に示すように、モータアクチュエータ23によってハブスリーブ47が第2の切換位置に切換えられる。ハブスリーブ47が第2の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とが接続される。
【0141】
これにより、左右の駆動輪からの動力がドライブシャフト52L、52Rを介して差動装置50に伝達された後、ファイナルドリブンギヤ51からファイナルドライブギヤ5Gを介してカウンタ軸5に伝達される。カウンタ軸5に伝達される動力は、カウンタ軸5から第2の動力伝達機構13を介してモータジェネレータ40に伝達されることにより、モータジェネレータ40が発電される。
【0142】
(走行発電モード[制動力が変速機構11を経由する回生])
本実施例の自動変速機1では、変速機構11を経由して制動力をモータジェネレータ40に伝達してもよい。この場合には、モード設定部20Aにより、走行モードが走行発電モードに設定された状態で、アクセルペダル24Aの踏み込みが解除されるか、また、ブレーキペダルが踏み込まれると、車両100に制動力が発生する。
【0143】
このとき、
図15に示すように、モータアクチュエータ23によってハブスリーブ47が第1の切換位置に切換えられる。ハブスリーブ47が第1の切換位置に切換えられると、モータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とが接続される。
【0144】
これにより、左右の駆動輪からの動力がドライブシャフト52L、52Rを介して差動装置50に伝達された後、ファイナルドリブンギヤ51からファイナルドライブギヤ5Gを介してカウンタ軸5に伝達される。
【0145】
このとき、変速段として、例えば、3速段が成立している場合には、カウンタ軸5からカウンタギヤ5C、入力ギヤ4Cを介して入力軸4に動力が伝達される。入力軸4に伝達された動力は、リバース駆動ギヤ4Rからリバースアイドラ従動ギヤ6A、入力軸側ギヤ45を介してモータ回転軸43に伝達される。
【0146】
モータ回転軸43に伝達された動力は、モータ従動ギヤ44、モータ駆動ギヤ42およびモータ回転軸41を介してモータジェネレータ40に伝達されることより、モータジェネレータ40の発電が行われる。
【0147】
このように本実施例の自動変速機1は、エンジン60の動力が入力される入力軸4と、入力軸4に変速機構11を介して連結され、変速機構11の切換えを行うことにより、入力軸4の回転速度を変速して差動装置50に出力するカウンタ軸5と、モータジェネレータ40の動力が伝達されるモータ回転軸と41とを備えている。
【0148】
さらに、本実施例の自動変速機1は、モータ回転軸41と入力軸4とを変速機構11を介さずに連結し、入力軸4からモータ回転軸41に動力を伝達可能な第1の動力伝達機構12を有する。
【0149】
これにより、車両100が停車してハブスリーブ7からハブスリーブ9が中立位置に移動して変速段がニュートラル位置となった状態において、変速機構11を介さずに入力軸4からモータ回転軸41に動力を伝達することができる。
【0150】
このため、エンジン60の動力によってモータジェネレータ40を駆動して、モータジェネレータ40の発電を行うことができ、バッテリを充電することができる。この結果、車両100の停車中に消費電力の大きいエアコン等の電装品を長時間駆動することができる。
【0151】
電動式のエアコンを用いる場合には、バッテリの充電量が所定値以上である場合には、車両100の停車中にバッテリの電力によってエアコンを駆動することができるので、エンジン60を駆動してバッテリを充電する必要がない。これにより、エンジン60の燃費を向上することができる。
【0152】
なお、エンジン60の動力によってモータジェネレータ40を発電した電力を供給する対象として車両100に搭載された電装品に限らない。例えば、車両100と外部接続された電動ポンプや照明装置のような他の電気機器(照明装置、電動ポンプ)に電力が供給されてもよい。
【0153】
また、エンジン60の動力によって駆動される機械式のエアコンを用いる場合には、車両100の停車中にモータジェネレータ40を確実に発電することができるので、バッテリの容量が少ない場合であってもエアコンを確実に作動させることができる。
なお、エンジン60にオルタネータやISG(Integrated Starter Generator)が設けられている場合に、車両100の停車中にオルタネータやISGを発電してバッテリを充電してもよい。
【0154】
また、本実施例の自動変速機1によれば、モータ回転軸41とカウンタ軸5とを変速機構11を介さずに連結し、モータ回転軸41とカウンタ軸5との間で動力を伝達可能な第2の動力伝達機構13を有する。
【0155】
これにより、モータジェネレータ40の動力を第2の動力伝達機構13から変速機構11を介さずにカウンタ軸5を介して差動装置50に伝達することができる。これにより、モータジェネレータ40からカウンタ軸5までの動力伝達経路を簡素化することができ、動力伝達効率を向上できる。
【0156】
これに加えて、自動変速機1は、モータ回転軸41と入力軸4とを変速機構11を介さずに連結し、入力軸4からモータ回転軸41に動力を伝達可能な第1の動力伝達機構12と、モータ回転軸41とカウンタ軸5とを変速機構11を介さずに連結し、モータ回転軸41とカウンタ軸5との間で動力を伝達可能な第2の動力伝達機構13を有する。
【0157】
このため、既存の変速機に第1の動力伝達機構12および第2の動力伝達機構13を設けることで、既存の変速機の構成を大きく変更することなく、ハイブリッド車両100に用いることができる。
【0158】
また、本実施例の自動変速機1は、ハブスリーブ47を有し、ハブスリーブ47は、モータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とを接続または切断可能であるとともに、モータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とを接続または切断可能である。
【0159】
これにより、ハブスリーブ47の切換えを行うことにより、モータジェネレータ40とエンジン60との間の動力伝達経路として、変速機構11を経由しない第1の動力伝達機構12側の動力伝達経路、または、変速機構11を経由する第2の動力伝達機構13側の動力伝達経路を選択できる。
【0160】
さらに、モータジェネレータ40と差動装置50との間の動力伝達経路を、変速機構11を経由しない第1の動力伝達機構12側の動力伝達経路(
図6、
図8、
図12、
図14参照)と、変速機構11を経由する第2の動力伝達機構13側の動力伝達経路(
図7、
図9、
図13、
図15参照)とに設定できる。
【0161】
このため、エンジン60のトルクに対してモータジェネレータ40のトルクを容易に調整することができ、EV走行モードおよびHEV走行モードにおいて(
図8、
図9、
図12、
図13参照)、モータジェネレータ40の使用性を向上できる。
【0162】
さらに、モータジェネレータ40の動力を第1の動力伝達機構12から入力軸4に伝達し、変速機構11を経由して差動装置50に伝達した後(
図9参照)、左右の駆動輪に伝達する動力伝達経路を成立させることができる。
【0163】
これにより、寸法、回転数、通電量等に制約を受けるモータジェネレータ40のトルクや回転数を変速機構11によって容易に調整することができる。このため、EV走行が可能な範囲を広げることができる。
【0164】
また、本実施例の自動変速機1は、入力軸4およびカウンタ軸5と平行に設置された車両後進用のリバースアイドラ軸6と、入力軸4とリバースアイドラ軸6との間で動力を伝達可能な車両後進用の第1のリバース動力伝達部材14とを有する。
また、本実施例の自動変速機1は、カウンタ軸5とリバースアイドラ軸6との間で動力を伝達可能な車両後進用の第2のリバース動力伝達部材15を備えている。
【0165】
第1の動力伝達機構12は、第1のリバース動力伝達部材14と、モータ回転軸41と第1のリバース動力伝達部材14との間で動力を伝達可能な第1の動力伝達部材16とを含んで構成されている。
【0166】
第2の動力伝達機構13は、第2のリバース動力伝達部材15と、モータ回転軸41と第2のリバース動力伝達部材15との間で動力を伝達可能な第2の動力伝達部材17とを含んで構成されている。
【0167】
ハブスリーブ47は、第1の動力伝達部材16とモータ回転軸41とを接続または切断可能であるとともに、第2の動力伝達部材17とモータ回転軸41とを接続または切断可能である。
【0168】
これにより、第1の動力伝達機構12および第2の動力伝達機構13の一部に、車両後進用の既存のリバースアイドラ軸6、第1のリバース動力伝達部材14および第2のリバース動力伝達部材15を用いることができる。
このため、既存の変速機の構成を大きく変更することなく、ハイブリッド車両100に用いることができ、ハイブリッド車両100の製造コストが増大することを防止できる。
【0169】
また、本実施例の自動変速機1によれば、第1のリバース動力伝達部材14は、入力軸4に設けられたリバース駆動ギヤ4R、リバースアイドラ軸6に設けられ、リバース駆動ギヤ4Rに噛み合うリバースアイドラ従動ギヤ6Aとを含んで構成されている。
【0170】
第2のリバース動力伝達部材15は、リバースアイドラ駆動ギヤ6Bと噛み合うリバース従動ギヤ5Rを含んで構成されている。
【0171】
第1の動力伝達部材16は、入力軸4およびカウンタ軸5と平行に設置されたモータ回転軸43と、モータ回転軸41に設けられたモータ駆動ギヤ42と、モータ回転軸43に設けられ、モータ駆動ギヤ42に噛み合うモータ従動ギヤ44と、モータ回転軸43に設けられ、リバースアイドラ従動ギヤ6Aに噛み合う入力軸側ギヤ45とを含んで構成されている。
【0172】
第2の動力伝達部材17は、モータ回転軸43およびモータ従動ギヤ44と、モータ回転軸43に設けられ、リバース従動ギヤ5Rに噛み合うカウンタ軸側ギヤ46とを含んで構成されている。
【0173】
入力軸4およびカウンタ軸5は、差動装置50とリバースアイドラ軸6との間に設置されており、モータ回転軸43は、カウンタ軸5およびリバースアイドラ軸6の下方に設置されている。これに加えて、モータ回転軸41は、モータ回転軸43に対して差動装置50から離れて設置されている。
【0174】
このようにすれば、モータジェネレータ40の設置の自由度を向上できる。具体的には、入力軸4およびカウンタ軸5は、変速機構11を有するので、軸線方向に長く形成されている上に、差動装置50の近くに設置されている。これにより、入力軸4およびカウンタ軸5の近傍にモータジェネレータ40を設置するスペースを確保することが困難となる。
【0175】
このため、本実施例の自動変速機1は、モータ回転軸41をモータ回転軸43に対して差動装置50から離して設置し、モータ回転軸41と入力軸4とを入力軸側ギヤ45、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバース駆動ギヤ4Rを介して接続する。これに加えて、モータ回転軸41とカウンタ軸5とをカウンタ軸側ギヤ46およびリバース従動ギヤ5Rを介して接続する。
【0176】
これにより、差動装置50周辺にモータジェネレータ40を設置する場合に比べて、モータジェネレータ40の設置の自由度が向上する上に、モータ回転軸41をモータ回転軸43に対して差動装置50から離して設置してもモータジェネレータ40と入力軸4およびカウンタ軸5との間で動力を確実に伝達できる。
【0177】
また、入力軸側ギヤ45、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよびリバース駆動ギヤ4Rと、カウンタ軸側ギヤ46、リバースアイドラ駆動ギヤ6Bおよびリバース従動ギヤ5Rとのそれぞれの径を調整することで、モータジェネレータ40と入力軸4およびカウンタ軸5との間の減速比を大きくすることができる。
【0178】
また、本実施例の自動変速機1を備えた車両100によれば、ECU20は、エンジン60の運転が停止され、モータジェネレータ40によって駆動されるモータ走行時において、モータジェネレータ40に対して要求される要求トルクあるいは要求回転数が所定値未満であることを条件として、ハブスリーブ47によりモータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とを接続する(
図8参照)。
【0179】
これにより、モータジェネレータ40と差動装置50とを変速機構11を介さずに、かつ、ギヤの組合せからなる簡素な構成の第2の動力伝達機構13によって連結することができる。このため、モータジェネレータ40から駆動輪に対する動力伝達効率を向上することができ、モータジェネレータ40の消費電力を少なくすることができる。
【0180】
また、本実施例の自動変速機1を備えた車両100によれば、ECU20は、エンジン60の運転が停止され、モータジェネレータ40によって駆動されるモータ走行時において、モータジェネレータ40に対して要求される要求トルクあるいは要求回転数が所定値以上であることを条件として、ハブスリーブ47によりモータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とを接続する。
【0181】
これにより、第2の動力伝達機構13を通る動力伝達経路によってモータジェネレータ40の要求トルクや要求回転数を満足できない場合に、第1の動力伝達機構12から変速機構11を介して差動装置50に動力を伝達する経路を成立させることができる。
【0182】
このため、モータジェネレータ40のトルクを変速機構11によって大きくすることや、モータジェネレータ40の回転数を増速して左右の駆動輪に伝達することができる。このため、EV走行が可能な範囲を広げることができる。
【0183】
また、本実施例の自動変速機1を備えた車両100によれば、ECU20は、エンジン60の運転が停止され、モータジェネレータ40によって駆動されるEV走行時、あるいは、エンジン60とモータジェネレータ40とを駆動源とするHEV走行時において、ハブスリーブ47によりモータ回転軸41と第1の動力伝達機構12とを接続する。
【0184】
これにより、EV走行時、HVE走行時にモータジェネレータ40とエンジン60との間で変速機構11を介さない動力の伝達を行うことができる(
図8、
図12参照)。このため、モータジェネレータ40から駆動輪までの動力伝達効率を向上できる。
【0185】
また、エンジン60によってモータジェネレータ40を回転させる発電時、あるいはモータジェネレータ40によってエンジン60を始動する始動時において、ハブスリーブ47によりモータ回転軸41と第2の動力伝達機構13とを接続する。
【0186】
これにより、エンジン60によってモータジェネレータ40を回転させる発電時、モータジェネレータ40によるエンジン60の始動時に、モータジェネレータ40と左右の駆動輪との間で変速機構11を介さない動力の伝達を行うことができる(
図6、
図10参照)。このため、モータジェネレータ40から駆動輪までの動力伝達効率を向上できる。
【0187】
本実施例の自動変速機1によれば、第1の動力伝達機構12および第2の動力伝達機構13が歯車を組合せたものから構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、入力軸4とモータジェネレータ40とをチェーンやベルトによって連結してもよく、カウンタ軸5とモータジェネレータ40とをチェーンやベルトによって連結してもよく、これらに限定されるものでもない。
【0188】
また、本実施例の動力伝達装置は、AMTに適用しているが、これに限らず、MTに適用してもよく、トルクコンバータや遊星歯車を用いた有段もしくは無断変速機に適用してもよい。
【0189】
また、本実施例の自動変速機1は、第1の動力伝達機構として、リバース駆動ギヤ4Rおよびリバースアイドラ従動ギヤ6Aを用いているが、これに限定されるものではない。
例えば、リバース駆動ギヤ4Rおよびリバースアイドラ従動ギヤ6Aとは別の独立した独立ギヤを入力軸4に設け、この独立ギヤを入力軸側ギヤ45に噛み合わせてもよい。
【0190】
このようにすれば、第1の動力伝達機構の設計および配置の自由度を高めることができる。これに加えて、この独立ギヤに入力軸側ギヤ45を噛み合わせれば、上述したようにリバース駆動ギヤ4R、リバースアイドラ従動ギヤ6Aおよび入力軸側ギヤ45が3つ並んで接続される3連ギヤ構造となることを回避でき、ギヤの歯打音を低減できる。
【0191】
また、本実施例の自動変速機1では、カウンタ軸側ギヤ46をリバース従動ギヤ5Rに接続しているが、これに代えて、
図16に示すように、カウンタ軸側ギヤ46を差動装置50のファイナルドリブンギヤ51に噛み合わせてもよい。
【0192】
さらに、本実施例の自動変速機1によれば、モータジェネレータ40の減速比を大きくする観点から、モータジェネレータ40を、モータ回転軸41、モータ駆動ギヤ42およびモータ従動ギヤ44を介してモータ回転軸43に連結しているが、これに限定されるものではない。
例えば、モータ回転軸41、モータ駆動ギヤ42およびモータ従動ギヤ44を廃止して、モータジェネレータ40をモータ回転軸43に連結してもよい。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0193】
1...自動変速機(動力伝達装置)、4...入力軸、4R...リバース駆動ギヤ(第1のリバースギヤ、動力伝達機構、第1の動力伝達機構)、5...カウンタ軸(出力軸)、5R...リバース従動ギヤ(第4のリバースギヤ、第2の動力伝達機構)、6...リバースアイドラ軸(リバース軸)、6A...リバースアイドラ従動ギヤ(第2のリバースギヤ、動力伝達機構、第1の動力伝達機構)、6B...リバースアイドラ駆動ギヤ(第3のリバースギヤ、第2の動力伝達機構)、11...変速機構、12...第1の動力伝達機構、13...第2の動力伝達機構、14...第1のリバース動力伝達部材、15...第2のリバース動力伝達部材、16...第1の動力伝達部材、17...第2の動力伝達部材、20...ECU(制御部)、41...モータ回転軸(第1のモータ回転軸)、42...モータ駆動ギヤ(第1のモータギヤ、動力伝達機構、第1の動力伝達機構、第2の動力伝達機構)、43...モータ回転軸(第2のモータ回転軸、動力伝達機構、第1の動力伝達機構)、44...モータ従動ギヤ(第2のモータギヤ、動力伝達機構、第1の動力伝達機構、第2の動力伝達機構)、45...入力軸側ギヤ(第3のモータギヤ、動力伝達機構、第1の動力伝達機構)、46...カウンタ軸側ギヤ(第4のモータギヤ、第2の動力伝達機構)、47...ハブスリーブ(切換部材)、50...差動装置、60...エンジン(内燃機関)、100...ハイブリッド車両(車両)