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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】モジュールロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/08 20060101AFI20220509BHJP
   A61H 3/00 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
B25J9/08
A61H3/00 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021528305
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(86)【国際出願番号】 JP2020025562
(87)【国際公開番号】W WO2020262700
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2019119950
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000155609
【氏名又は名称】KYB-YS株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 隼一
(72)【発明者】
【氏名】玄 相昊
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 靖
(72)【発明者】
【氏名】上倉 定幸
(72)【発明者】
【氏名】小林 信行
(72)【発明者】
【氏名】西沢 真一
(72)【発明者】
【氏名】内田 説子
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/034561(WO,A1)
【文献】特表昭62-501896(JP,A)
【文献】特開平09-029671(JP,A)
【文献】特開平05-245784(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108082325(CN,A)
【文献】特開2018-192607(JP,A)
【文献】特開2017-040594(JP,A)
【文献】特開2018-153542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
A61H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リンクと、前記第1リンクに回転自在に連結された第2リンクと、前記第1リンクと前記第2リンクを相対回転させる液圧シリンダと、を有するモジュールが複数連結されて構成され、
前記液圧シリンダは、シリンダチューブ又はピストンロッドが前記第1リンクに対して相対移動しないように固定されることによって、前記第1リンクに回転不能に連結されることを特徴とするモジュールロボット。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュールロボットであって、
同一の前記モジュールが少なくとも2つ連結されて構成されることを特徴とするモジュールロボット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモジュールロボットであって、
前記モジュールは、前記第1リンクと前記第2リンクを回転自在に連結する第3リンクをさらに有し、
前記液圧シリンダは、一端部が前記第1リンクに連結され、他端部が前記第3リンクに連結されることを特徴とするモジュールロボット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載のモジュールロボットであって、
前記液圧シリンダに作動液を供給する作動液供給源と、
前記作動液供給源から前記液圧シリンダに対する作動液の給排を制御する制御弁と、を備えることを特徴とするモジュールロボット。
【請求項5】
請求項4に記載のモジュールロボットであって、
前記モジュールは、
前記モジュールの状態量を検出する状態量検出器と、
前記状態量検出器の検出結果に基づいて前記制御弁の動作を制御して前記モジュールの運動を制御するコントローラと、をさらに有することを特徴とするモジュールロボット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載のモジュールロボットであって、
2つの前記モジュールは、一方の前記モジュールの前記第1リンク又は前記第2リンクと、他方の前記モジュールの前記第1リンク又は前記第2リンクとが結合されることによって連結され、
前記第1リンク及び前記第2リンクは、互いに面接触して結合される連結板を有することを特徴とするモジュールロボット。
【請求項7】
請求項6に記載のモジュールロボットであって、
前記連結板には、当該連結板同士を連結するための締結具が挿入される複数の締結穴が互いに等間隔で形成されることを特徴とするモジュールロボット。
【請求項8】
請求項1に記載のモジュールロボットであって、
前記液圧シリンダは、前記第1リンクに内蔵されることを特徴とするモジュールロボット。
【請求項9】
請求項8に記載のモジュールロボットであって、
前記モジュールは、
作動液供給源から前記液圧シリンダに対する作動液の給排を制御する制御弁と、
前記モジュールの状態量を検出する状態量検出器と、
前記状態量検出器の検出結果に基づいて前記制御弁の動作を制御して前記モジュールの運動を制御するコントローラと、をさらに有し、
前記制御弁、前記状態量検出器、及び前記コントローラは、前記第1リンクに内蔵されることを特徴とするモジュールロボット。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一つに記載のモジュールロボットであって、
3つの前記モジュールが足首関節、膝関節、股関節に対応するように連結されて脚部を構成することを特徴とするモジュールロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュールロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、産業用ロボットや、搬送用ロボット、支援用ロボット等、多様なロボットが開発されている。JP2018-192607Aには、ケーブルの交換作業を行う産業用ロボットが開示されている。JP2017-40594Aには、荷物を運搬する搬送用ロボットが開示されている。JP2018-153542Aには、ユーザの歩行を支援する歩行支援用ロボットが開示されている。
【発明の概要】
【0003】
一般的に、ロボットは、特許文献1~3に記載のロボットのように、ある用途のために製造され、他の用途には流用できない。
【0004】
また、ある用途に特化したロボットは、構造が複雑で組み立てるのが困難な場合があり、また、ロボットが嵩張り搬送が困難な場合がある。
【0005】
本発明は、多様な用途に対応でき、かつ組み立て及び搬送が容易なモジュールロボットを提供することを目的とする。
【0006】
本発明のある態様によれば、モジュールロボットは、第1リンクと、第1リンクに回転自在に連結された第2リンクと、第1リンクと第2リンクを相対回転させる液圧シリンダと、を有するモジュールが複数連結されて構成され、液圧シリンダは、シリンダチューブ又はピストンロッドが第1リンクに対して相対移動しないように固定されることによって、第1リンクに回転不能に連結される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係るモジュールロボットのモジュールの斜視図である。
図2】モジュールロボットのシステム構成図である。
図3】モジュールの連結例を示す図である。
図4】モジュールの連結例を示す図である。
図5】モジュールの連結例を示す図である。
図6】モジュールを連結して脚部を構成するモジュールロボットの側面図である。
図7】本発明の第1実施形態の変形例を示す断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るモジュールの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
<第1実施形態>
まず、図1~6を参照して、本発明の第1実施形態に係るモジュールロボット100について説明する。
【0010】
モジュールロボット100(図6参照)は、図1に示すモジュール101が複数連結されて構成される。
【0011】
まず、図1を参照して、モジュール101について説明する。図1はモジュール101の斜視図である。
【0012】
モジュール101は、第1部材としての第1リンク1と、第1リンク1に相対移動自在に連結された第2部材としての第2リンク2と、第1リンク1と第2リンク2を相対移動させる液圧シリンダとしての油圧シリンダ3と、を有する。
【0013】
第1リンク1と第2リンク2は、回転軸4を介して回転自在に連結される。モジュール101は、第1リンク1と第2リンク2を回転自在に連結する第3リンクとしてのV字リンク5をさらに有する。V字リンク5は、回転軸6を介して回転自在に連結される第1レバー5aと第2レバー5bからなる。第1レバー5aは、回転軸7を介して第1リンク1に回転自在に連結され、第2レバー5bは、回転軸8を介して第2リンク2に回転自在に連結される。
【0014】
油圧シリンダ3は、作動液供給源としてのポンプ10(図2参照)から供給される作動油(作動液)によって伸縮作動するアクチュエータである。油圧シリンダ3は、筒状のシリンダチューブ3aと、シリンダチューブ3aに摺動自在に挿入されたピストンロッド3bと、を有する。シリンダチューブ3aの端部は、回転軸9を介して第1リンク1に回転自在に連結され、ピストンロッド3bの端部は、V字リンク5の回転軸6に回転自在に連結される。なお、シリンダチューブ3aの端部をV字リンク5の回転軸6に回転自在に連結し、ピストンロッド3bの端部を回転軸9を介して第1リンク1に回転自在に連結するようにしてもよい。このように、油圧シリンダ3は、その一端部が第1リンク1に回転自在に連結される。
【0015】
ピストンロッド3bには、シリンダチューブ3aに摺動自在に挿入されたピストンが連結される。シリンダチューブ3aの内部は、ピストンによってロッド側室と反ロッド側室に区画される。シリンダチューブ3aには、ロッド側室に連通する第1給排ポート3cと、反ロッド側室に連通する第2給排ポート3dとが設けられる。
【0016】
油圧シリンダ3は、ポンプ10から第1給排ポート3cを通じてロッド側室に作動油が供給されると共に、反ロッド側室の作動油が第2給排ポート3dを通じてタンク15(図2参照)へと排出されることにより収縮作動する。一方、油圧シリンダ3は、ポンプ10から第2給排ポート3dを通じて反ロッド側室に作動油が供給されると共に、ロッド側室の作動油が第1給排ポート3cを通じてタンク15へと排出されることにより伸長作動する。油圧シリンダ3が伸縮作動することによってV字リンク5の角度(第1レバー5aと第2レバー5bのなす角度)が変化し、第1リンク1と第2リンク2は回転軸4を中心として相対回転する。このように、油圧シリンダ3を駆動することによって、第1リンク1と第2リンク2を相対回転させることができる。モジュール101は、回転軸4を中心とする1自由度の回転自由度を有しており、第1リンク1、第2リンク2、及び油圧シリンダ3は、単一の自由度を形成するように連結されている。
【0017】
V字リンク5の長さ(第1レバー5a及び第2レバー5bの長さ)、及び第1リンク1と第2リンク2に対するV字リンク5の取付位置(回転軸7,8の位置)を調整することによって、油圧シリンダ3のストローク長及びストローク速度に対する第1リンク1と第2リンク2の相対回転角度及び相対回転速度が調整される。
【0018】
油圧シリンダ3は単筒タイプであるため、第1給排ポート3cと第2給排ポート3dは、図1に示すように、シリンダチューブ3aの両端にそれぞれ設けられる。これに代わり、油圧シリンダ3は複筒タイプであってもよい。この場合には、第1給排ポート3cと第2給排ポート3dをシリンダチューブ3aの一端に集約できるため、第1給排ポート3cと第2給排ポート3dのそれぞれに接続される配管(図示せず)の取り回しが容易となる。なお、油圧シリンダ3が単筒タイプであっても、ロッド側室及び反ロッド側室にそれぞれ連通する一対の油通路をピストンロッド3b内に形成することによって、第1給排ポート3cと第2給排ポート3dをピストンロッド3bの先端側に集約することができる。また、油圧シリンダ3が単筒タイプであっても、ロッド側室に連通する油通路をシリンダチューブ3aの胴部内に長手方向に形成することによって、第1給排ポート3cと第2給排ポート3dをシリンダチューブ3aの端部側に集約することができる。この形態の場合には、シリンダチューブ3aの成形に3Dプリンタを利用すれば、シリンダチューブ3aの胴部内にロッド側室に連通する油通路を容易に形成することができる。
【0019】
次に、図2を参照して、モジュールロボット100のシステム構成について説明する。図2は、モジュールロボットのシステム構成図である。
【0020】
モジュールロボット100は、モジュール101に加えて、油圧シリンダ3に作動油を供給するポンプ10と、ポンプ10から油圧シリンダ3に対する作動油の給排を制御する制御弁としてのサーボバルブ11と、モジュール101の状態量を検出する状態量検出器としてのセンサ12と、センサ12の検出結果に基づいてサーボバルブ11の動作を制御してモジュール101の運動を制御するコントローラ13と、を備える。
【0021】
サーボバルブ11は、各モジュール101の油圧シリンダ3毎に設けられる。つまり、各モジュール101の油圧シリンダ3は、対応して設けられるサーボバルブ11によって個別に制御される。サーボバルブ11を、第1リンク1に結合して設けることによって、第1リンク1、第2リンク2、及び油圧シリンダ3と共にモジュール化してもよい。つまり、サーボバルブ11をモジュール101の一部品として構成してもよい。このように構成することによって、油圧シリンダ3の第1給排ポート3c及び第2給排ポート3dとサーボバルブ11とを接続する配管の長さを短くすることができる。
【0022】
本実施形態では、センサ12として、モジュール101の状態量として第1リンク1と第2リンク2の相対回転角度を検出するエンコーダ12aと、モジュール101の状態量として油圧シリンダ3の圧力を検出する圧力センサ12bと、を有する。エンコーダ12a及び圧力センサ12bは、モジュール101の一部品として構成される。
【0023】
エンコーダ12aは、回転軸4に設けられ、第1リンク1と第2リンク2の相対回転を検出する。エンコーダ12aの検出結果は、モジュール101の位置制御に使用される。エンコーダ12aに代えて、油圧シリンダ3にストローク量を検出するストロークセンサを設け、油圧シリンダ3のストローク量に基づいて第1リンク1と第2リンク2の相対回転角度を演算してもよい。
【0024】
圧力センサ12bは、シリンダチューブ3aの第1給排ポート3c及び第2給排ポート3dに設けられ、シリンダチューブ3a内のロッド側室及び反ロッド側室の圧力を検出する。圧力センサ12bの検出結果は、モジュール101の荷重制御に使用される。圧力センサ12bに代えて、モジュール101の状態量として油圧シリンダ3に作用する荷重を検出する荷重センサを油圧シリンダ3に設けてもよい。
【0025】
センサ12によって検出するモジュール101の状態量としては、上述した第1リンク1と第2リンク2の相対回転角度、油圧シリンダ3の圧力、油圧シリンダ3の荷重の他、油圧シリンダ3のストローク速度、油圧シリンダ3へ供給される作動油の流量等であってもよい。油圧シリンダ3のストローク速度を検出する場合には、センサ12として油圧シリンダ3にストロークセンサを設ければよいし、油圧シリンダ3へ供給される作動油の流量を検出する場合には、第1給排ポート3c及び第2給排ポート3dに流量センサを設ければよい。センサ12によって検出するモジュール101の状態量は、モジュール101の運動制御に応じて適宜選択すればよい。
【0026】
コントローラ13は、出力装置14から出力された指令信号とセンサ12からのフィードバック信号との偏差を演算し、その偏差がゼロとなるようにサーボバルブ11を制御する。このように、コントローラ13は、センサ12の検出結果に基づいてフィードバック制御を行う。出力装置14とコントローラ13は有線又は無線で接続され、コントローラ13とサーボバルブ11も有線又は無線で接続される。
【0027】
コントローラ13は、サーボバルブ11毎に設けてもよいし、1つのコントローラ13で複数のサーボバルブ11を制御するようにしてもよい。また、1つのメインコントローラを設けると共に、メインコントローラからの指令信号を受けて各サーボバルブ11を制御するサブコントローラをサーボバルブ11毎に設けるようにしてもよい。コントローラ13をサーボバルブ11毎に設ける場合には、コントローラ13を、サーボバルブ11や第1リンク1に結合して設けることによって、第1リンク1、第2リンク2、及び油圧シリンダ3と共にモジュール化してもよい。つまり、コントローラ13をモジュール101の一部品として構成してもよい。
【0028】
出力装置14から出力される指令信号は、モジュール101の運動を規定する情報である。出力装置14から出力される指令信号は、出力装置14に直接入力された情報や、通信回線を介して出力装置14に送信された情報、記憶媒体から読み出された情報等である。
【0029】
次に、図1,3~5を参照して、第1リンク1及び第2リンク2の構成、及びモジュール101同士の連結について詳しく説明する。
【0030】
第1リンク1は、直方体の6面のうち2面が開放して形成された形状であり、油圧シリンダ3の長手方向に沿って延在する底板1aと、底板1aに対して垂直であって互いに対向し、油圧シリンダ3を挟むように形成された一対の側板1b,1cと、底板1a及び側板1b,1cに対して垂直であって油圧シリンダ3の底部に対向する背板1dと、の4面を有する。
【0031】
第1リンク1の一対の側板1b,1cには、回転軸4,7,9が両者に亘って設けられる。底板1a及び一対の側板1b,1cには、軽量化のための大径の穴20が複数形成される。
【0032】
第1リンク1は、底板1a、一対の側板1b,1c、及び背板1dによって囲まれた内部空間を有する。油圧シリンダ3は一部が第1リンク1の内部空間内に収容されるため、第1リンク1は油圧シリンダ3のケースとしても機能する。第1リンク1の内部空間内に、コントローラ13を収容してもよい。
【0033】
第1リンク1の内部空間は、底板1aに対向する面が開放しており、油圧シリンダ3は伸縮作動に伴って、その開放面を通じて第1リンク1に対して出入りするように移動する。具体的には、油圧シリンダ3は、伸縮作動すると、回転軸9を中心として第1リンク1内に収容される方向又は第1リンク1から露出する方向に揺動運動を行う。
【0034】
油圧シリンダ3の第1給排ポート3c及び第2給排ポート3dとサーボバルブ11とを接続する配管は、その一部が第1リンク1の内部空間内に収容される。油圧シリンダ3は、第1給排ポート3c及び第2給排ポート3dが底板1aに対向する向きで第1リンク1に取り付けられる。したがって、第1給排ポート3c及び第2給排ポート3dに接続される配管を第1リンク1の内部空間内に収容し易い。その配管は、穴20を通じて第1リンク1の内部空間内から外部へと取り回される。このように、第1リンク1に形成された軽量化のための穴20は、配管よりも大きな径を有することによって、配管の取り回しにも利用される。
【0035】
第2リンク2は、底板2aと、底板2aに対して垂直であって互いに対向して形成された一対の側板2b,2cと、を有する。一対の側板2b,2cには、回転軸4,8が両者に亘って設けられる。
【0036】
第1リンク1及び第2リンク2は金属製であるが、モジュール101の用途として剛性が要求されない場合には樹脂製であってもよい。
【0037】
第2リンク2の一対の側板2b,2cの端部は、第1リンク1の一対の側板1b,1cの端部の間に挿入され、一対の側板2b,2cと一対の側板1b,1cとは回転軸4を介して互いに摺接するように相対回転する。なお、第1リンク1の一対の側板1b,1cの端部が、第2リンク2の一対の側板2b,2cの端部の間に挿入される形態であってもよい。
【0038】
第1リンク1の底板1a、側板1b,1c、及び背板1dには、モジュール101同士を連結するための締結具が挿入される複数の締結穴21が互いに等間隔で形成される。同様に、第2リンク2の底板2aにも、モジュール101同士を連結するための締結具が挿入される複数の締結穴21が互いに等間隔で形成される。締結具は、例えばボルトである。締結穴21と軽量化のための穴20とを同一径にして共通の穴にしてもよい。なお、複数の締結穴21は互いに等間隔でなくてもよい。
【0039】
2つのモジュール101を互いに連結する際には、図3~5に示すように、一方のモジュール101Aの第1リンク1の底板1a、側板1b,1c、背板1d、及び第2リンク2の底板2aのうちのいずれか一つを連結板31Aとすると共に、他方のモジュール101Bの第1リンク1の底板1a、側板1b,1c、背板1d、及び第2リンク2の底板2aのうちのいずれか一つを連結板31Bとし、連結板31Aと連結板31Bを互いに面接触させた状態で、連結板31Aの締結穴21と連結板31Bの締結穴21とに亘って締結具を挿入して連結板31Aと連結板31Bを結合する。ここで、第1リンク1及び第2リンク2に形成された複数の締結穴21は、互いに等間隔に形成されているため、連結板31Aと連結板31Bを容易に結合することができる。このように、2つのモジュール101A,101Bは、モジュール101Aの第1リンク1又は第2リンク2と、モジュール101Bの第1リンク1又は第2リンク2とが結合されることによって連結される。
【0040】
図3~5に、モジュールロボット100を構成する2つのモジュール101A,101Bの連結例について説明する。図3図5は、互いに同一のモジュール101Aとモジュール101Bを連結する場合について説明する。ここで、本明細書において、同一のモジュールとは、モジュールを構成する部品が互いに同一であり、かつ、それらの部品の形状及び寸法が互いに同一であることを意味する。つまり、同一のモジュールとは、同一規格品と言うこともできる。
【0041】
図3は、モジュール101Aの連結板31Aとモジュール101Bの連結板31Bとが共に第1リンク1の底板1aであり、モジュール101Aとモジュール101Bの背面同士を連結した背面連結の例である。なお、モジュール101A及びモジュール101Bの底板1aに形成された締結穴21は等間隔に複数形成されているため、モジュール101Aとモジュール101Bの相対位置を図3の状態からずらして連結することも可能である。
【0042】
図4は、モジュール101Aの連結板31Aが第2リンク2の底板2aであり、モジュール101Bの連結板31Bが第1リンク1の底板1aであり、モジュール101Aとモジュール101Bを直列に連結した直列連結の例である。直列連結の他の例として、モジュール101Aの連結板31Aを第2リンク2の底板2aとし、モジュール101Bの連結板31Bを第1リンク1の背板1dとして、モジュール101Aとモジュール101Bを連結してもよい。また、モジュール101Aの連結板31A及びモジュール101Bの連結板31Bを第1リンク1の背板1dとして、モジュール101Aとモジュール101Bを連結してもよい。
【0043】
図5は、モジュール101Aの連結板31Aとモジュール101Bの連結板31Bとが共に第2リンク2の底板2aであり、モジュール101Aとモジュール101Bを90度ずらして連結したねじれ連結の例である。
【0044】
図3及び4に示す例では、モジュール101Aとモジュール101Bの運動は同一平面内であるため、モジュールロボット100は全体として2次元の運動をする。一方、図5に示すように、モジュール101Aとモジュール101Bをねじれ連結することによって、モジュールロボット100は全体として3次元の運動をする。
【0045】
図3~5は、モジュール101A,101Bの連結例であって、モジュール101Aとモジュール101Bは、モジュールロボット100の所望の運動に応じて自由に連結される。例えば、図3~5は、モジュール101Aとモジュール101Bを直列に連結する例であるが、モジュール101Aの第1リンク1の側板1bとモジュール101Bの第1リンク1の側板1cとを結合することによって、モジュール101Aとモジュール101Bを並列に連結することも可能である。複数のモジュール101を並列連結した上で、各油圧シリンダ3を同期制御することによって、モジュールロボットの出力を増幅することができる。並列連結の場合には、回転軸4,6,7,8,9を共通化してもよいし、また、サーボバルブ11を共通化して1つのサーボバルブ11で複数の油圧シリンダ3を制御してもよい。
【0046】
なお、モジュール101Aの第1リンク1又は第2リンク2と、モジュール101Bの第1リンク1又は第2リンク2とを結合する際に、組木構造を利用して両リンクを結合することによって、締結用のボルトの本数を減らすことができる。また、ボルトを用いずに、電磁石や油圧クランプを利用して両リンクを結合してもよい。また、モジュール101Aの連結板31A及びモジュール101Bの連結板31Bの一方にピンを設け、他方にピンが挿入される穴を設けてもよい。ボルトでモジュール101Aとモジュール101Bを連結する前に、ピンを介してモジュール101Aとモジュール101Bの相対位置を調整することができるため、モジュール101Aとモジュール101Bの連結作業が容易となる。
【0047】
次に、図6を参照して、モジュールロボット100の一例について説明する。図6に示すモジュールロボット100は、3つの同一のモジュール101A,101B,101Cがそれぞれ足首関節、膝関節、股関節に対応するように連結されて脚部ロボットを構成する例を示している。具体的には、モジュール101A,101B,101Cのそれぞれの回転軸4が足首関節、膝関節、股関節に対応する。このように、1つのモジュール101が単関節モジュールを構成し、モジュールロボット100は3自由度を有する。
【0048】
モジュール101Aとモジュール101Bは、図4に示す直列連結され、モジュール101Bとモジュール101Cは、図3に示す背面連結される。モジュール101Aの第2リンク2には、足に相当する足部材31がアタッチメントとして取り付けられる。
【0049】
モジュール101A,101B,101Cの各コントローラ13は、回転軸4に設けられた各エンコーダ12aの検出結果に基づいて、各油圧シリンダ3を伸縮作動させて第1リンク1と第2リンク2の相対回転角度が所望の角度となるようにモジュール101A,101B,101Cの運動を制御する。各モジュール101A,101B,101Cの運動が個別に制御されることによって、モジュールロボット100の姿勢が制御される。
【0050】
また、モジュール101A,101B,101Cの各コントローラ13は、油圧シリンダ3に設けられた圧力センサ12bの検出結果に基づいて、各関節のトルクを制御する。例えば、モジュールロボット100の自重をキャンセルするように各油圧シリンダ3を制御する重力補償制御を行う。
【0051】
モジュールロボット100は、自律歩行ロボットや、人に装着して人の歩行や姿勢を支援するロボットとして用いられる。
【0052】
モジュールロボット100は、図6に示す脚部ロボットに限定されない。例えば、モジュール101Aの第2リンク2に、足部材31に代えてアタッチメントとしてバケットやロッドを取り付けることによって他の用途、機能を有するモジュールロボット100とすることができる。また、図6に示す脚部ロボットに加えて、さらに複数のモジュール101を連結することによってヒューマノイドロボットを構成することができる。このように、複数のモジュール101を連結するだけで、用途、機能に応じた様々なロボットを簡単に構成することができる。
【0053】
以上の第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
【0054】
第1リンク1、第2リンク2、及び油圧シリンダ3を有するモジュール101を複数連結することによって多様な用途に対応するモジュールロボット100を簡単に構成することができる。また、モジュールロボット100は、複数のモジュール101を連結するだけで構成することができるため、組み立てが容易であり、搬送時には、各モジュール101に分割すればよいため、組み立て及び搬送が容易である。よって、多様な用途に対応でき、かつ組み立て及び搬送が容易なモジュールロボット100を構成することができる。
【0055】
また、モジュール101の駆動源は油圧であるため、駆動源が電動モータである場合と比較して、モジュール重量比の出力が大きい。よって、高出力を要する用途のモジュールロボット100であっても、大型化を防止することができる。また、油圧シリンダ3の伸縮作動はサーボバルブ11によって制御されるため、モジュール101の運動を高精度に制御することができる。
【0056】
以下に、上記実施形態の変形例について説明する。以下のような変形例も本発明の範囲内であり、以下の変形例と上記実施形態の構成とを組み合わせたり、以下の変形例同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0057】
(1)上記実施形態では、モジュール101が1自由度(単関節)を有する形態について説明した。これに代わり、モジュールは複数の自由度を有する形態であってもよい。複数の自由度とする場合には、リンクの数を増やすか、油圧シリンダを両ロッドタイプに変更すればよい。
【0058】
(2)上記実施形態では、モジュール101が回転自由度を有する形態について説明した。これに代わり、モジュールは、並進自由度を有する形態であってもよい。この場合には、互いに摺動自在に連結された第1部材と第2部材との間に油圧シリンダ3が設けられる。
【0059】
(3)上記実施形態では、互いに同一のモジュール101を連結する形態について説明した。これに代わり、連結するモジュールは同一のもの(同一規格)でなくてもよい。例えば、形状や寸法が互いに異なる第1リンク及び第2リンクを有するモジュールを連結したり、ストローク長が互いに異なる油圧シリンダを有するモジュールを連結したりしてもよい。つまり、規格の異なるモジュールをそれぞれ複数用意し、モジュールロボットの所望の運動やモジュールロボットの用途、機能に応じて自由にモジュールを連結すればよい。ただ、同一規格の複数のモジュールを連結してモジュールロボットを構成することによって、モジュールロボットを低コストで製造することができる。
【0060】
(4)上記実施形態では、モジュール101の第1リンク1及び第2リンク2が複数の板を有し、図3~5に示すように、モジュール101Aの連結板31Aとモジュール101Bの連結板31Bとを互いに面接触させて結合する形態について説明した。これに代わり、図7に示すように、モジュール101の第1リンク1及び第2リンク2は、一部が開放された円筒形状であってもよい。図7は、モジュール101Aとモジュール101Bを、第1リンク1の背面を互いに対向させて連結した例を示す。この形態において、モジュール101Aとモジュール101Bを連結するには、モジュール101Aの第1リンク1とモジュール101Bの第1リンク1との間にスペーサ40を介在させると共に、モジュール101A及びモジュール101Bの第1リンク1の内部にそれぞれスペーサ41,42を設ける。スペーサ40は、モジュール101Aの第1リンク1の外周面とモジュール101Bの第1リンク1の外周面にそれぞれ接触する曲面部40a,40bを有する。スペーサ41はモジュール101Aの第1リンク1の内周面に接触する曲面部41aを有し、スペーサ42はモジュール101Bの第1リンク1の内周面に接触する曲面部41bを有する。スペーサ41、モジュール101Aの第1リンク1、及びスペーサ40に亘ってボルト43を締結すると共に、スペーサ42、モジュール101Bの第1リンク1、及びスペーサ40に亘ってボルト44を締結することによって、モジュール101Aとモジュール101Bは連結される。このように、第1リンク1及び第2リンク2の形状は、円筒形状であってもよい。また、第1リンク1及び第2リンク2の形状は、球面形状であってもよく、円筒形状と球面形状を組み合せた形状であってもよい。
【0061】
(5)上記実施形態では、モジュール101Aの連結板31Aとモジュール101Bの連結板31Bとを互いに面接触させて結合する形態について説明した。これに代わり、モジュール101Aの連結板31Aとモジュール101Bの連結板31Bとの間にスペーサを介在させ、そのスペーサを介してモジュール101Aとモジュール101Bを連結するようにしてもよい。スペーサを介在させることによって、モジュール101Aとモジュール101Bの間に隙間を設けることができる。
【0062】
(6)上記実施形態では、モジュール101Aとモジュール101Bが相対移動不能となるように連結する形態について説明した。これに代わり、モジュール101Aとモジュール101Bを、相対移動可能に連結するようにしてもよい。例えば、モジュール101Aとモジュール101Bをピンを介して連結し、ピンを中心として互いに回転可能又は揺動可能に、或いは回転可能かつ揺動可能に構成してもよい。この形態の場合には、モジュール101Aとモジュール101Bを互いに回転又は揺動するための動力源を設けてもよい。
【0063】
(7)上記実施形態では、第1リンク1と第2リンク2を回転自在に連結するV字リンク5を有する形態について説明した。V字リンク5は本発明の必須の構成ではなく、第1リンク1と第2リンク2に亘って油圧シリンダ3を直接連結してもよい。ただ、第1リンク1と第2リンク2がV字リンク5で連結される上記実施形態では、第1リンク1と第2リンク2の回転軸4がV字リンク5の回転軸7,8の間に位置し、第1リンク1と第2リンク2の相対回転に伴ってV字リンク5の角度が変化する構造であるため、油圧シリンダ3のストローク長を短くすることができ、油圧シリンダ3をコンパクトにすることができる。
【0064】
(8)上記実施形態では、ポンプ10から油圧シリンダ3に対する作動油の給排を制御する制御弁がサーボバルブ11である形態について説明した。制御弁は、サーボバルブ11には限定されず、電磁パイロットタイプの制御弁等であってもよい。また、制御弁(サーボバルブ11)を設けずに、ポンプ10によって油圧シリンダ3に対する作動油の給排を制御してもよい。その場合には、ポンプの回転数やポンプ容量を制御すればよい。
【0065】
(9)上記実施形態では、油圧シリンダ3のロッド側室に連通する第1給排ポート3cは、図1に示すように、シリンダチューブ3aの外周に設けられる。これに代わり、第1給排ポート3cを、シリンダチューブ3aの底部に設けた上で、回転軸9内に形成した油通路に連通するように構成してもよい。このように構成することによって、回転軸9の端面に形成された油通路の開口部とサーボバルブ11とを配管で接続すればよいため、配管の取り回しが容易となる。この形態の場合には、シリンダチューブ3aの成形に3Dプリンタを利用すれば、シリンダチューブ3aの底部に第1給排ポート3cを容易に形成することができる。
【0066】
(10)上記実施形態では、液圧シリンダとして作動液が作動油である油圧シリンダ3である形態について説明したが、作動液として作動油に代わり、作動水等の他の流体を用いてもよい。
【0067】
<第2実施形態>
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係るモジュール102の模式図である。以下では、上記第1実施形態と異なる点について説明し、上記第1実施形態と同様の機能を有する構成には、図面中に同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
上記第1実施形態に係るモジュール101では、油圧シリンダ3の一端部が第1リンク1に回転自在に連結される。これに対して、第2実施形態に係るモジュール102では、油圧シリンダ3は、第1リンク1内に内蔵され、第1リンク1に回転不能に連結される。以下に詳しく説明する。
【0069】
モジュール102では、シリンダチューブ3aが第1リンク1に回転不能に連結される。つまり、シリンダチューブ3aは、第1リンク1に対して相対移動しないように、第1リンク1に固定される。
【0070】
ピストンロッド3bの端部は、クランク51を介して第3リンクとしてのV字リンク5に連結される。クランク51は、一端部が回転軸52を介してピストンロッド3bの端部に回転自在に連結され、他端部がV字リンク5の回転軸6に回転自在に連結される。第1リンク1には、ピストンロッド3bの軸方向に沿ってリニアガイド50が設けられ、ピストンロッド3bはリニアガイド50に沿って移動する。
【0071】
油圧シリンダ3が伸縮作動することによって、ピストンロッド3bとクランク51のなす角度及びV字リンク5の角度が変化し、第1リンク1と第2リンク2は回転軸4を中心として相対回転する。このように、油圧シリンダ3を駆動することによって、第1リンク1と第2リンク2を相対回転させることができる。
【0072】
クランク51の長さを調整することによって、第1リンク1と第2リンク2との回転トルクを調整することができる。
【0073】
上記第1実施形態に係るモジュール101では、油圧シリンダ3は伸縮作動に伴って第1リンク1に対して出入りするように移動する。これに対して、モジュール102では、油圧シリンダ3が第1リンク1に内蔵されて回転不能に連結されるため、油圧シリンダ3は伸縮作動に伴って第1リンク1に対して出入りしない。よって、モジュール102をコンパクトに構成することができる。
【0074】
モジュール102は、ポンプ10から油圧シリンダ3に対する作動油の給排を制御する制御弁としてのサーボバルブ11と、モジュール101の状態量を検出する状態量検出器としてのセンサ12と、センサ12の検出結果に基づいてサーボバルブ11の動作を制御してモジュール102の運動を制御するコントローラ13と、を備える。サーボバルブ11、センサ12、及びコントローラ13は、モジュール102の一部品として構成される。
【0075】
サーボバルブ11は、各モジュール102に設けられ、油圧シリンダ3を個別に制御する。
【0076】
本実施形態では、センサ12として、モジュール101の状態量として油圧シリンダ3の圧力(シリンダチューブ3a内のロッド側室及び反ロッド側室の圧力)を検出する圧力センサ12bと、ピストンロッド3bの変位を検出するリニアエンコーダ12cと、を有する。
【0077】
モジュール102では、シリンダチューブ3aが第1リンク1に固定されて相対移動しないため、サーボバルブ11、圧力センサ12b、リニアエンコーダ12c、及びコントローラ13を、第1リンク1内に内蔵することができる。よって、モジュール102をコンパクトに構成することができると共に、これらの部品の破損を防止することができる。
【0078】
なお、クランク51及びV字リンク5は、本発明の必須の構成ではない。V字リンク5を省略して、クランク51を第2リンク2に回転自在に連結してもよいし、クランク51及びV字リンク5を省略して、ピストンロッド3bの端部を第2リンク2に回転自在に連結してもよい。
【0079】
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0080】
モジュールロボット100は、第1リンク1(第1部材)と、第1リンク1に相対移動自在に連結された第2リンク2(第2部材)と、第1リンク1と第2リンク2を相対移動させる油圧シリンダ3(液圧シリンダ)と、を有するモジュール101が複数連結されて構成される。
【0081】
この構成では、第1リンク1、第2リンク2、及び油圧シリンダ3を有するモジュール101を複数連結することによって多様な用途に対応するモジュールロボット100を構成することができる。また、モジュールロボット100は、複数のモジュール101を連結するだけで構成することができるため、組み立てが容易であり、搬送時には、各モジュール101に分割すればよいため、組み立て及び搬送が容易である。よって、多様な用途に対応でき、かつ組み立て及び搬送が容易なモジュールロボット100を構成することができる。
【0082】
また、モジュールロボット100は、同一のモジュール101が少なくとも2つ連結されて構成される。
【0083】
この構成では、モジュールロボット100を低コストで製造することができる。
【0084】
また、第1部材及び第2部材は、回転自在に連結された第1リンク1及び第2リンク2である。
【0085】
また、油圧シリンダ3は、第1リンク1に回転不能に連結される。
【0086】
この構成では、モジュール102をコンパクトに構成することができる。
【0087】
また、モジュール101,102は、第1リンク1と第2リンク2を回転自在に連結するV字リンク5(第3リンク)をさらに有し、油圧シリンダ3は、一端部が第1リンク1に連結され、他端部がV字リンク5に連結される。
【0088】
この構成では、油圧シリンダ3のストローク長を短くすることができ、油圧シリンダ3をコンパクトにすることができる。
【0089】
また、モジュールロボット100は、油圧シリンダ3に作動液を供給するポンプ10(作動液供給源)と、ポンプ10から油圧シリンダ3に対する作動油(作動液)の給排を制御するサーボバルブ11(制御弁)と、をさらに備える。
【0090】
また、モジュール101,102は、モジュール101の状態量を検出するセンサ12(状態量検出器)と、センサ12の検出結果に基づいてサーボバルブ11の動作を制御してモジュール101の運動を制御するコントローラ13と、をさらに有する。
【0091】
これらの構成では、モジュールロボット100の運動を制御することができる。
【0092】
また、2つのモジュール101A,101Bは、一方のモジュール101Aの第1リンク1又は第2リンク2と、他方のモジュール101Bの第1リンク1又は第2リンク2とが結合されることによって連結され、第1リンク1又は第2リンク2は、互いに面接触して結合される連結板31A,31Bを有する。
【0093】
また、連結板31A,31Bには、連結板31A,31B同士を連結するための締結具が挿入される複数の締結穴21が互いに等間隔で形成される。
【0094】
これらの構成では、一方のモジュール101Aの連結板31Aと他方のモジュール101Bの連結板31Bを容易に結合することができる。
【0095】
また、油圧シリンダ3は、第1リンク1に内蔵される。
【0096】
また、モジュール102は、ポンプ10(作動液供給源)から油圧シリンダ3に対する作動液の給排を制御するサーボバルブ11(制御弁)と、モジュール102の状態量を検出するセンサ12(状態量検出器)と、センサ12の検出結果に基づいてサーボバルブ11の動作を制御してモジュール102の運動を制御するコントローラ13と、をさらに有し、サーボバルブ11、センサ12、及びコントローラ13は、第1リンク1に内蔵される。
【0097】
これらの構成では、モジュール102をコンパクトに構成することができる。
【0098】
また、モジュールロボット100は、3つのモジュール101A,101B,101Cが足首関節、膝関節、股関節に対応するように連結されて脚部を構成する。
【0099】
この構成では、3つのモジュール101A,101B,101Cを連結するだけで脚部ロボットを構成することができる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0101】
本願は2019年6月27日に日本国特許庁に出願された特願2019-119950に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8