(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】折り畳みエリプティカル自転車に取り入れられる改良点
(51)【国際特許分類】
B62K 15/00 20060101AFI20220509BHJP
B62M 1/26 20130101ALI20220509BHJP
B62M 3/08 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
B62K15/00
B62M1/26
B62M3/08 D
(21)【出願番号】P 2018516533
(86)(22)【出願日】2017-03-31
(86)【国際出願番号】 BR2017000026
(87)【国際公開番号】W WO2018152599
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-02-04
(31)【優先権主張番号】BR1020170039897
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(73)【特許権者】
【識別番号】514227911
【氏名又は名称】アルアナ エネルギア エス/アー
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルーワー,ブライアン レイ
(72)【発明者】
【氏名】マッキノン,ロバート ジェームズ
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-182579(JP,A)
【文献】米国特許第06116629(US,A)
【文献】特開2005-225362(JP,A)
【文献】特開2014-162317(JP,A)
【文献】特開2000-085671(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0193158(US,A1)
【文献】特表2016-501147(JP,A)
【文献】登録実用新案第3087087(JP,U)
【文献】特開2002-037171(JP,A)
【文献】特開2001-114174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 13/00 - 19/48
B62M 1/26
B62M 3/08
A63B 22/06
A63B 22/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが立って駆動することによってエリプティカルな運動をすることができる折り畳みエリプティカル自転車(10)であって、
前記折り畳みエリプティカル自転車(10)は、
反対向きの弧を描く2つの管状のストリンガを有し、一方のストリンガが上にあり、他方のストリンガが下に位置し、前記ストリンガのそれぞれが、セグメント(11a)及びセグメント(11a’)、並びにセグメント(11b)及びセグメント(11b’)に分割されている構造フレーム(11)と、
前記構造フレーム(11)の前方に取り付けられた前輪(R1)と、
前記構造フレーム(11)の後方に取り付けられ
た後輪(R2)と、
を備え、
前記後輪(R2)は、クランクセット(14)によって駆動され、
前記クランクセット(14)は、支持バー(35)の一端に取り付けられかつユーザの足が乗せられる支持プラットフォーム(33)を有し、前記支持バー(35)の他端が、前記折り畳みエリプティカル自転車(10)の左側又は右側の少なくとも一方の側において前記後輪(R2)の領域に配置された一対の両軸受(50)に取り付けられ、
前記折り畳みエリプティカル自転車(10)は、フォーク(G1)、ステアリングチューブ(26)、及びハンドルバー(G2)によって形成される管状セグメント(13)をさらに含み、
前記折り畳みエリプティカル自転車(10)は、複数のヒンジを備え、
前記複数のヒンジのうち、
(i)主ヒンジ(D1)及び主ヒンジ(D2)のセットが、それぞれ、前記構造フレーム(11)における、前記2つのストリンガの前記セグメント(11a)とセグメント(11a’)との間、及び前記ストリンガの前記セグメント(11b)とセグメント(11b’)との間に設けられ、
前記セグメント(11a)とセグメント(11a’)、及び前記セグメント(11b)とセグメント(11b’)は、それぞれ、前記主ヒンジ(D1)及び主ヒンジ(D2)において、170°までの角度で旋回可能であり、
(ii)二次ヒンジ(D3)が、前記ハンドルバー(G2)の2つの部分からなる前記ステアリングチューブ(26)に適用され、前記ステアリングチューブ(26)が、前記二次ヒンジ(D3)において、180°までの角度で旋回可能であり、
(iii)1セットの三次ヒンジ(D4)が、前記クランクセット(14)と前記ユーザの足下の前記支持プラットフォーム(33)との間に適用され、前記クランクセット(14)とユーザの足下の前記支持プラットフォーム(33)とのそれぞれが、前記三次ヒンジ(D4)において、上向きに90°の角度で旋回可能であり、
前記ヒンジ(D1、D2、D3)及び(D4)において折り畳み可能で
あり、
前記二次ヒンジ(D3)が、前記管状セグメント(13)に据え付けられており、直径が前記ステアリングチューブ(26)の直径よりもわずかに大きな中空のディスク(16a)及びディスク(16b)の2つを備え、前記ディスク(16a)及び前記ディスク(16b)が、片側はピボットピン(25)によって接合されており、前記ディスク(16a)及び前記ディスク(16b)のそれぞれにおける反対側が、中央の凹部(16c)をそれぞれ有し、前記ディスク(16a)及び前記ディスク(16b)が、互いに接合され、かつ並置されている場合、前記凹部(16c)が設けられた縁部が、中心孔(28a)を有するロック(28)を受け止め、前記中心孔(28a)が前記凹部(16c)によって形成された孔に対して同軸に取り付けられた場合、前記中心孔(28a)により、ナット(29)及びロックナット(29a)に作用する前記ハンドル(27a)を有するねじ山付きピン(27)が通ることが可能になり、前記ナット(29)と前記ロックナット(29a)との両方が、前記ディスク(16a)及び前記ディスク(16b)の中空部分の内側に収容され、
前記三次ヒンジ(D4)が、前記クランクセット(14)のロッド(38)と前記支持プラットフォーム(33)との間にそれぞれ設けられており、前記三次ヒンジ(D4)のそれぞれが、前記クランクセット(14)に対して回転する前記ロッド(38)の回転軸線(E1)上に適切に取り付けられており、かつ円筒状のセグメント(36)が横断方向に取り付けられた円形の軸受(37)からなり、前記取り付けが、前記軸受の上部において溶接又は他の手段によって行うことができ、前記円筒状のセグメント(36)が、前記支持プラットフォーム(33)の前記支持バー(35)における円柱状の端部(35a)によって係合され、続いて前記支持プラットフォーム(33)が、下面に据え付けられたアンチロックプラッタ(40)及びアンチロックプラッタ(40a)の少なくとも2つを有し、前記アンチロックプラッタ(40)が、前記円柱状の端部(35a)の隣に取り付けられ、構造的強化部として作用し、前記支持バー(35)の自由端が、前記一対の軸受(50)に取り付けられ、前記支持プラットフォーム(33)が前記クランクセット(14)に対して上向きに90°旋回する自由回転が可能になる、
折り畳みエリプティカル自転車(10)。
【請求項2】
前記ヒンジ(D1、D2、D3)及び(D4)が、前記ヒンジ(D1、D2、D3)及び(D4)の静止位置から前記ヒンジで折り畳まれた場合、前記折り畳みエリプティカル自転車
が占める空間の体積が、使用中の前記折り畳みエリプティカル自転車
が占める空間の体積の1/3にまで減少する、ことを特徴とする、請求項1に記載の折り畳みエリプティカル自転車(10)。
【請求項3】
前記構造フレーム(11)の前記主ヒンジ(D1)及び前記主ヒンジ(D2)のそれぞれが、形状及び大きさの等しい2つの四角形のプレート(Q1)及びプレート(Q2)を有し、前記プレート(Q1)及び前記プレート(Q2)が、閉じられている場合は、並置されたままになっており、四角形の前記プレート(Q1)及び前記プレート(Q2)の寸法が、管状の前記ストリンガの前記セグメント(11a)及び前記セグメント(11b)の直径をわずかに超えており、管状の前記ストリンガの前記セグメント(11a)及び前記セグメント(11b)が、各ストリンガの2つの前記セグメント(11a)及びセグメント(11a’)、並びにセグメント(11b)及びセグメント(11b’)からなる部位のそれぞれにおける一体の
強化壁を構成するために、前記プレート(Q1)及び前記プレート(Q2)の外側面に一体化され、前記プレート(Q1)及び前記プレート(Q2)のそれぞれにおける縦側縁(15a)及び縦側縁(15a’)が、前記ピボットピン(18)によって接合されており、他の縁部が自由に開閉して170°まで旋回し、前記プレート(Q1)及び前記プレート(Q2)のそれぞれにおける上縁(15b)及び上縁(15b’)並びに下縁(15c)及び下縁(15c’)が、半円凹部(16)を有し、前記半円凹部(16)が、前記プレート(Q1)及び前記プレート(Q2)が互いに並置された場合、ねじ山付き端部(22’)及びハンドル(19)を有するスピンドルから構成されるスタッド(22)複合体の直径と直径が適合する同軸の孔を有し、前記上縁(15b)及び前記上縁(15b’)並びに前記下縁(15c)及び前記下縁(15c’)が、ロック(21)及びロック(21A)によって固定され、前記ロック(21)及び前記ロック(21A)が、前記ヒンジによる組立体を安定させる役割を果たし、前記ロック(21)及び前記ロック(21A)のそれぞれが、中心孔(17)を有し、前記中心孔(17)が前記半円凹部(16)と一致した場合、前記中心孔(17)により、前記ねじ山付き端部(22’)のねじ山がナット(20)に到達するまで前記スタッド(22)を移動させることができ、前記スタッド(22)が前記ナット(20)に締結された場合、前記主ヒンジ(D1)及び前記主ヒンジ(D2)のそれぞれのロックが達成される、ことを特徴とする、請求項1に記載の折り畳みエリプティカル自転車(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動を実践するため、及び娯楽用に使用されるタイプの折り畳みエリプティカル自転車の改良点に関する。ここでは特に、このエリプティカル自転車は、革新的な構造的特徴を有しており、特に2つの部分からなるフレーム、ハンドルバー、及びペダルに設けられたロックのそれぞれを有する連結されたヒンジ点の予測を目的としている。これらのヒンジ点によりエリプティカル自転車の寸法を縮小することができ、その結果商業的団体とユーザとの両者が、エリプティカル自転車を保管及び運搬しやすくなる。
【背景技術】
【0002】
広く知られているように、自転車を利用することにより、座りっぱなし及び病気が減少し、肥満しにくくなり、他の病気にもかかりにくくなる等のいくつかの利益がもたらされる。また、環境に優しく、従来の車両から発生する汚染ガスを減少させる代替的な運搬態様を生じさせる。
【0003】
現在、特に、スピードバイク、マウンテンバイク、ハイブリッド自転車、ライド自転車、フロントサスペンションを有するレジャー向け自転車リム26、リム29等のいくつかのモデル式の自転車が存在する。これらの自転車は一般に、前部フォーク及び後部フォーク、車輪及びタイヤ、ラチェット、運動伝達機構、サドル、ハンドルバー、ブレーキ機構、並びにバスケット、チャイルドシート等の他の設備が据え付けた一体鋳造フレームを備える。
【0004】
別の知られている自転車モデルは、「折り畳み式」のものである。折り畳み式は上記の部品をすべて有するが、より詳細には構造フレームが、2つの部分からなるストリンガを有する。ヒンジを確実に組み立てるために、ピボット軸線による組立体用の周辺カラーと、ピン、タブ、又は同様の形態である場合があるロック装置とを形成するように、ストリンガの接合端のそれぞれは直径方向の張り出しを有する。
【0005】
これらの従来の折り畳み自転車にはいくつかの利点がある。主に都心で使用する場合、構造フレームの旋回によって自転車が小さくなることにより、車両のトランク、バス、電車、地下鉄等の公共交通機関等に持ち込んで運搬することが容易になる。
【0006】
同様に、「エリプティカル」自転車はまた、通常の自転車について既に述べられた利益のすべてを促進すると共に、いくつかのさらなる利益を有することが知られている。即ち「エリプティカル」自転車は、ユーザによる自転車の使い方が、自転車を駆動する間、通常の自転車のように「座っている」わけではなく「立っている」というものであり、即ち、ユーザは、プラットフォームで足を支え、真っ直ぐに立ち、サドルを全く使用しないため、筋組織の互いに異なる部分の発達を助ける。即ち、このエリプティカル自転車は、1つが前にあり、かつ他の1つは後ろにある少なくとも2つの車輪を有する構造フレームを備え、ベルトによりラチェットと関連するクランクセットの駆動機構を含む。このクランクセットは、一対のプラットフォームによって駆動され、プラットフォームのそれぞれは、一端がクランクセットの1つの腕に取り付けられており、他端が後輪の近くでフレームの後部に配置されたそれぞれの支持部にヒンジ留めされている。したがって、各支持プラットフォームが上昇し下降するようにプラットフォームが交互に動くことにより、自転車の前方への移動が促される。
【0007】
本出願人は、エリプティカル自転車機構及び同様の機構の開発者として当分野で活動しているが、ブラジル特許第102012028693号明細書の出願人である。ブラジル特許第102012028693号明細書は、駆動組立体により直立位置にあるサイクリストによって駆動され、かつこのために、ペダルのそれぞれをそれぞれのクランクセットの端部でペダルの前端によって旋回させる自転車に言及している。各ペダルは案内ロッドとつながっており、そして案内ロッドは、摺動支持部の後部組立体上に支持されている。この組立体は、フレームに水平に組み込まれた横断方向の管によって形成されており、その端部のそれぞれにおいて、チャネルが案内ロッドの断面を収めるような大きさにされたローラを受け止める。
【0008】
同じ出願人のブラジル特許第10.2013.025840-7号明細書は、自転車、三輪車、及びスクータとしてのエリプティカルベロシペードに言及している。これらは、基本部品、即ちフォーク、ハンドルバー支持部、前輪、後輪、中央クラウン、クランクセット、並びにエリプティカル駆動機構及びステアリング機構が組み立てられた管状のストリンガを有する。
【発明の概要】
【0009】
この種のベロシペードが次第に一般的な車両になってきているため、エリプティカル自転車の他のモデルが市場で知られている。これらのモデルの「エリプティカル」自転車は多数の利益をユーザにもたらすが、その中には折り畳めるものがないことに留意されたい。即ち、足下の支持プラットフォームが細長く、フレームが通常の自転車とは差別化されているため、寸法を減少させることがいくぶんより複雑である。そのようなことは本発明により十分解決される。本発明は、保管及び運搬がより容易な「エリプティカル」な自転車を提供し、この移動可能モデルが広がる可能性が高まる。
【0010】
最新技術の分析
専門のデータベースで実行される研究では、ブラジル特許第1120130054107号明細書等の折り畳み自転車に関する文献が見受けられる。この文献は、ヒンジ留めされたフレームに言及しており、このフレームはヒンジ留めのために、フレーム部品の連結を可能にし、かつピボット軸線側に水平に逸らすことができることに加えて、締結したり、かつ緩めたりすることを可能にするレバーと同様のロック装置を有する。
【0011】
別のモーリシャス特許第8600044-6号明細書はまた、連結可能自転車に言及している。この自転車は、その連結されたフレームに加えてまた、ハンドルバーの連結も行う。そのためハンドルバーが第1の連結装置の後ろに配置され、したがってタイヤを平行にすることができる。
【0012】
モーリシャス特許第8702687-2号明細書は、旋回装置を有する連結可能自転車に言及している。この自転車には、組立体を折り畳めるように、又は広げられるように協働する2つの別個のロックがある。さらにこの自転車はレバー及びピンを含み、レバー及びピンは部品を開く際に役立つ。このピンは特定の接合部を中心に回転する。
【0013】
別の文献である国際公開第2012037798号パンフレットは、3点で連結可能な自転車に言及している。2点はそのフレームに設けられ、1点はそのハンドルバーに設けられており、連結部は垂直になっている。
【0014】
韓国特許第101467145号公報及び中国特許第104210598号明細書は、その回転に役立つレバー及びピンを有する接合部を含む自転車に言及している。
【0015】
別の文献である中国特許第204056145号明細書はレバーを説明しており、支持部として役立つ、フレームにおける第2の2つの部分からなる部品を伴うある種のロッドもまた有する。
【0016】
PI0317515-4及び独国特許第202007008395号明細書は、クランクセットに垂直に固定された状態で連結するペダルを提示している。
【0017】
これらの文献は、別々のタイプの嵌合部及び接合部を有する折り畳み自転車を提示しているが、このような自転車及び機構は、特に拡張された支持プラットフォームにおける点及び連結装置に関して、並びに「エリプティカル」自転車の寸法を大幅に減少させることができる連結についての他の点に関して、革新的な「エリプティカル」自転車において実践されるものとは異なる。
【0018】
折り畳みエリプティカル自転車に取り入れられる改良点は、ユーザが折り畳みエリプティカル自転車を快適に運搬し、容易に保管できるようにするために開発されている。エリプティカル自転車における革新は、構造フレームにおける約170°までの角度で構造フレームを旋回させることを可能にする1セットのヒンジと、約180°までの角度で旋回することを可能にするハンドルバーの支持チューブに設けられるヒンジと、上向きに90°の角度で旋回することを可能にする、クランクセットと足下の支持プラットフォームとの間に設けられる1セットのヒンジとを提供し、これらのヒンジが十分に旋回された場合、これらのヒンジにより、エリプティカル自転車の大きさを実質的に減少させるためにエリプティカル自転車が確実に折り畳まれ、保管及び運搬がしやすくなり、これによりユーザが自由に移動することができ、自転車を使用し、かつそれほど大きな空間をとることなく自転車をバス及び地下鉄に持ち運ぶことができることにある。
【0019】
別の利点としては、実際の市場における他の既存の製品は、そのエリプティカル駆動システムが原因でエリプティカル運動を生じさせるために必要な構造的方法の観点から折り畳めないため、折り畳めるものがないという事実であり、本発明は、この問題点を解消するものである。
【0020】
本発明の特徴をよりよく理解するために本明細書に補足して、本発明の好ましい実践的な実施形態により、本明細書は、添付の図面のセットを提示する。ここでは例として非限定的ではあるが、本発明の操作が示された。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、すべての旋回点を示す、使用位置にある折り畳みエリプティカル自転車の組み立てられた状態の斜視図である。
【
図2】
図2は、2つの部分からなるフレームに設けられた主ヒンジに関する
、図のA部を拡大した詳細な図である。
【
図3】
図3は、管状セグメントに設けられた二次ヒンジを示す、
図1のB部を拡大した詳細な図である。
【
図4】
図4は、支持プラットフォームに設けられた三次ヒンジを示す、
図1のC部を拡大した詳細な図である。
【
図4A】
図4Aは、支持プラットフォーム及び三次ヒンジ装置が組み立てられた状態の図である。
【
図4B】
図4Bは、支持プラットフォーム及び三次ヒンジ装置の分解図である。
【
図4C】図
4Cは、三次ヒンジの
図4AのC-C断面図である。
【
図5】
図5は、
折り畳み開始位置にある自転車の斜視図である。
【
図6】
図6は、すべてのヒンジが旋回した状態を示す、
折り畳まれた状態の自転車の斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、
折り畳まれた状態の自転車の前面図である。
【
図6B】
図6Bは、
折り畳まれた状態の自転車の上面図である。
【
図6C】
図6Cは、
組み立てられて拡張された自転車の側面図である。
【
図6D】図
6Dは、
折り畳まれた状態の自転車の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図示された図面を参照し、本発明は、「折り畳みエリプティカル自転車に取り入れられ る改良点」に関する。より正確には、本発明は、構造フレーム(11)であって、反対向きの弧を描く2つのストリンガを備え、一方のストリンガが上にあり、他方のストリンガが下にあり、ストリンガのそれぞれが、セグメント(11a)及びセグメント(11a’)、並びにセグメント(11b)及びセグメント(11b’)の2つの部分からなる構造フレーム(11)を備え、これらのセグメントの接合部が、主ヒンジ(D1)及び主ヒンジ(D2)により170°までの角度で旋回されてそれぞれ接合されるエリプティカル自転車(10)に言及している。この構造フレーム(11)は、フレーム(11)の前部が管状セグメント(13)に結合しており、管状セグメント(13)は、前輪(R1)のフォーク支持部(G1)、及びハンドルバー(G2)のステアリングチューブ(26)の役割を果たす。このようなステアリングチューブ(26)は、2つの部分からなり、二次ヒンジ(D3)によって接合され、180°までの角度で旋回される。フレーム(11)の他端は、クランクセット(14)における管状セグメント(37)の軸受に接合し、管状セグメント(37)は続いて、ロッド(38)のそれぞれを介して、それぞれの三次ヒンジ(D4)を有する。三次ヒンジ(D4)は、支持プラットフォーム(33)の支持バー(35)を90°の角度で旋回させる役割を果たす。支持バー(35)の他端は、後輪(R2)の領域に配置された一対の両軸受(50)に取り付けられている。
【0023】
ヒンジ(D1)、ヒンジ(D2)、ヒンジ(D3)、及びヒンジ(D4)により、分解された場合、エリプティカル自転車をその体積を1/3にまで減少させることができる。
【0024】
構造フレーム(11)(
図2参照)における主ヒンジ(D1)及び主ヒンジ(D2)のそれぞれが、形状及び大きさの等しい2つの四角形のプレート(Q1)及びプレート(Q2)を備え、プレート(Q1)及びプレート(Q2)が、閉じられている場合は、並置されたままになっており、四角形のプレート(Q1)及びプレート(Q2)の寸法が、管状のストリンガのセグメント(11a)及びセグメント(11a’)並びに管状のストリンガのセグメント(11b)及びセグメント(11b’)の直径をわずかに超えており、続いてこれらの管状のストリンガが、各ストリンガの2つの部分からなる部位のそれぞれにおける
一体の強化壁を構成するために、プレート(Q1)及びプレート(Q2)の外側面に一体化されている。プレート(Q1)及びプレート(Q2)のそれぞれの縦側縁(15a)及び縦側縁(15a’)が、ピボットピン(18)によって接合されており、一方で他の縁部が自由に開閉して170°まで旋回する。プレート(Q1)及びプレート(Q2)のそれぞれにおける上縁(15b)及び上縁(15b’)並びに下縁(15c)及び下縁(15c’)が、半円凹部(16)を有し、半円凹部(16)が、プレート(Q1)及びプレート(Q2)が互いに並置された場合、ねじ山付き端部(22’)及びハンドル(19)を有するスピンドルから構成されるスタッド(22)の直径と直径が適合する同軸の孔を有する。上縁(15b’)及び上縁(15b’)並びに下縁(15c’)及び下縁(15c’)が、ロック(21)及びロック(21A)によって固定され、ヒンジ組立体を安定させる役割を果たす。ロック(21)及びロック(21A)のそれぞれが、中心孔(17)を有し、中心孔(17)が半円凹部(16)と一致した場合、中心孔(17)により、ねじ山付き端部(22’)のねじ山がナット(20)に到達するまでスタッド(22)を通すことができ、準備位置、即ち自転車を使用する用意ができている位置に構造フレーム(11)を保つためにスタッドをナットに締結 した場合、主ヒンジ(D1)及び主ヒンジ(D2)のそれぞれのロックが達成される。自転車の構造フレーム(11)がヒンジで動かされる必要がある場合、スタッド(22)が、各ロックをわずかに緩めて、ピボットピン(18)におけるプレート(Q1)及びプレート(Q2)のヒンジを解除するように、ナット(20)に対して緩められる。
【0025】
管状セグメント(13)に据え付けられた二次ヒンジ(D3)(
図3、
図3A、
図3B、及び
図3C参照)は、主ヒンジ(D1)及び主ヒンジ(D2)と同様の機能を有し、続いて2つの中空のディスク(16a)及びディスク(16b)を備え、直径がステアリングチューブ(26)の直径よりわずかに大きく、ディスク(16a)及びディスク(16b)が、片側はピボットピン(25)によって接合されており、一方でディスク(16a)及びディスク(16b)のそれぞれにおける反対側が、中央の凹部(16c)をそれぞれ有する。ディスク(16a)及びディスク(16b)が、互いに接合され、かつ並置されている場合、
凹部(16c)が設けられた縁部が、中心孔(28a)を有するロック(28)を受け止め、中心孔(28a)が凹部(16c)によって形成された孔に対して同軸に取り付けられた場合、中心孔(28a)により、ナット(29)及びロックナット(29a)に作用するハンドル(27a)を有するねじ山付きピン(27)が通ることが可能になり、ナット(29)とロックナット(29a)との両方が、ディスク(16a)及びディスク(16b)の中空部分の内側に収容されている。
【0026】
ナット及びロックナットに対してねじ山付きピン(27)を締結する際、ロック(28)は、ディスク(16a)及びディスク(16b)を並置されておくためにしっかりとロックされ、一方で自転車を使用する用意ができている状態のステアリングチューブ(26)の直線的な並びは維持される。ステアリングチューブ(26)がヒンジで動かされる必要がある場合、ねじ山付きピン(27)が、ロックナット(29a)に対してナット(29)をわずかに緩め、これによりロック(28)を緩めるために、ハンドル(27a)によって緩められる。これにより、フレーム(11)が十分に折り畳まれた状態で車輪(R1)及び車輪R2)に近い自転車の側にハンドル(G2)を配置することができるように、180°までヒンジにおけるディスク(16a)及びディスク(16b)の連結を解除する。
【0027】
三次ヒンジ(D4)(
図4~
図4D参照)は、クランクセット(14)のロッド(38)と支持プラットフォーム(33)との間にそれぞれ適用され、各ヒンジ(D4)は、ロッド(38)の回転軸線(E1)上に適切に取り付けられており、かつ短い円筒状のセグメント(36)が横断方向に取り付けられた円形の軸受(37)からなり、取り付けが、 軸受の上部において溶接又は他の手段によって行うことができる。円筒状のセグメント(36)が、支持プラットフォーム(33)の
支持バー(35)における
円柱形の端部(35a)によって係合され、続いて支持プラットフォーム
(33)が、下面に据え付けられたアンチロックプラッタ(40)及びアンチロックプラッタ(40a)(
図6参照)の少なくとも2つを有し、
アンチロックプラッタ(40)が、
円柱形の端部(35a)の隣に取り付けられ、構造的強化部として作用する。
支持バー(35)の自由端が、説明されてもいるように、一対の軸受(50)に取り付けられ
、支持プラットフォーム(33)
が前記クランクセット(14)に対して上向きに90°旋回する自由回転が可能になり、エリプティカル自転車の幅を空間的に減少させることができる。
【0028】
ヒンジ(D1)、ヒンジ(D2)、ヒンジ(D3)、及びヒンジ(D4)によりすべての接合部を関連し、エリプティカル自転車(10)の寸法が縮小される。
【0029】
もちろん、本発明が実践される場合、特許請求の範囲の文脈において明白に具体化される基本的原理から逸脱することなく、特定の詳細な構成及び形状に対して修正がなされ得る。また用いられる用語は、本発明を限定することを意図するものではないと理解されるべきである。