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特許7067927反射減少構造及びその製造方法、ディスプレイ装置及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】反射減少構造及びその製造方法、ディスプレイ装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20220509BHJP
   G02B 5/28 20060101ALI20220509BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220509BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220509BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220509BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220509BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20220509BHJP
   G02F 1/13363 20060101ALI20220509BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
G02B5/30
G02B5/28
H05B33/02
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/10
G02F1/1335 510
G02F1/13363
G02F1/1335 500
G09F9/30 338
G09F9/30 349E
G09F9/30 365
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2017527603
(86)(22)【出願日】2016-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2016104176
(87)【国際公開番号】W WO2017128794
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2019-08-13
(31)【優先権主張番号】201610061301.4
(32)【優先日】2016-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼ ▲紀▼▲風▼
【審査官】池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-063143(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104637984(CN,A)
【文献】特表2002-500382(JP,A)
【文献】特開2010-232041(JP,A)
【文献】特開2015-225154(JP,A)
【文献】特開2015-034851(JP,A)
【文献】特開2015-069156(JP,A)
【文献】国際公開第2016/016156(WO,A1)
【文献】特表2017-529649(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3067722(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0217310(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0266296(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
G02B 5/28
H05B 33/02
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/10
G02F 1/1335
G02F 1/13363
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射減少構造であって、
位相差フィルムと、
前記位相差フィルムの一側に設置される直線偏光板と、
前記位相差フィルム及び前記直線偏光板を配向するように構成される少なくとも一つの配向層と、
前記直線偏光板における前記位相差フィルムとの反対側に設置され且つ650nm~780nmの波長範囲の光を遮断するように構成される光遮断層とを備え、
前記位相差フィルムと前記直線偏光板とは液晶を含むことを特徴とする反射減少構造。
【請求項2】
前記少なくとも一つの配向層は、前記位相差フィルムと前記直線偏光板との間に位置し前記位相差フィルム及び前記直線偏光板を配向するように構成される第1配向層を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射減少構造。
【請求項3】
前記直線偏光板は二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含み、前記位相差フィルムは重合性液晶と光開始剤を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射減少構造。
【請求項4】
前記直線偏光板において、前記二色性染料の質量百分率が1%~20%、前記重合性液晶の質量百分率が75%~95%、前記光開始剤の質量百分率が0.1%~5%であることを特徴とする請求項3に記載の反射減少構造。
【請求項5】
前記光遮断層は波長範囲が700nm~780nmの光を遮断するように構成されることを特徴とする請求項に記載の反射減少構造。
【請求項6】
前記少なくとも一つの配向層は、
前記位相差フィルムと前記直線偏光板との間に位置し前記直線偏光板を配向するように構成される第1配向層と、
前記位相差フィルムにおける前記直線偏光板との反対側に位置し前記位相差フィルムを配向するように構成される第2配向層とを含むことを特徴とする請求項1に記載の反射減少構造。
【請求項7】
前記少なくとも一つの配向層は、
前記位相差フィルムと前記直線偏光板との間に位置し前記位相差フィルムを配向するように構成される第1配向層と、
前記直線偏光板における前記位相差フィルムとの反対側に位置し前記直線偏光板を配向するように構成される第2配向層とを含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の反射減少構造。
【請求項8】
前記少なくとも一つの配向層は、
前記位相差フィルムと前記直線偏光板との間に位置し前記位相差フィルムを配向するように構成される第1配向層と、
前記直線偏光板と前記光遮断層との間に設置され前記直線偏光板を配向するように構成される第2配向層とを含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の反射減少構造。
【請求項9】
前記光遮断層は交互に設置された複数の高屈折率層と複数の低屈折率層とを含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の反射減少構造。
【請求項10】
前記複数の高屈折率層のそれぞれは窒化ケイ素層であり、前記複数の低屈折率層のそれぞれは酸化ケイ素層であることを特徴とする請求項に記載の反射減少構造。
【請求項11】
前記複数の高屈折率層のそれぞれは厚さが同じでも異なってもよく、前記複数の低屈折率層のそれぞれは厚さが同じでも異なってもよいことを特徴とする請求項又は請求項10に記載の反射減少構造。
【請求項12】
前記少なくとも一つの配向層は、
前記位相差フィルムにおける前記直線偏光板との反対側に設置され前記位相差フィルムを配向するように構成される第1配向層と、
前記直線偏光板における前記位相差フィルムとの反対側に設置され前記直線偏光板を配向するように構成される第2配向層とを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の反射減少構造。
【請求項13】
前記第2配向層における前記直線偏光板との反対側に設置され650nm~780nmの波長範囲の光を遮断するように構成される光遮断層をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の反射減少構造。
【請求項14】
ディスプレイ装置であって、
表示パネルと、
請求項1~13のいずれか1項に記載の反射減少構造と、を備え、
前記表示パネルは、アレイ基板と、前記アレイ基板に対向して設置された対向基板とを含み、
前記反射減少構造は前記アレイ基板と前記対向基板との間に設置され、又は
前記反射減少構造は前記対向基板における前記アレイ基板との反対側に位置することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項15】
前記アレイ基板は、
ベース基板と、
前記ベース基板上に形成され且つそれぞれに有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成された複数の画素ユニットとを含むことを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記反射減少構造は前記アレイ基板と前記対向基板との間に設置され、且つ、前記反射減少構造と、前記有機発光ダイオードと前記薄膜トランジスタとが形成された前記ベース基板との間にさらに平坦化層が形成されることを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
ディスプレイ装置の製造方法であって、
互いに対向したアレイ基板及び対向基板を含む表示パネルを用意するステップと、
反射減少構造を製造するステップと、
直線偏光板における位相差フィルムとの反対側に光遮断層を提供するステップであって、前記光遮断層が650nm~780nmの波長範囲の光を遮断するように構成される、光遮断層を提供するステップとを含み、
前記アレイ基板は、ベース基板と、前記ベース基板上に形成され且つそれぞれに有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成された複数の画素ユニットとを含み、前記複数の画素ユニットは前記対向基板と前記ベース基板との間に位置し、
反射減少構造を製造するステップは、前記有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板、又は前記対向基板上に、位相差フィルム、第1配向層及び直線偏光板を形成するステップを含み、
前記第1配向層は前記位相差フィルムと前記直線偏光板との間に位置し、前記位相差フィルムと前記直線偏光板とは液晶を含むことを特徴とするディスプレイ装置の製造方法。
【請求項18】
反射減少構造の製造方法であって、
基板を用意するステップと、
前記基板上に位相差フィルム、第1配向層及び直線偏光板を形成するステップと、
前記直線偏光板における前記位相差フィルムとの反対側に光遮断層を提供するステップであって、前記光遮断層が650nm~780nmの波長範囲の光を遮断するように構成される、光遮断層を提供するステップとを含み、
前記第1配向層は前記位相差フィルムと前記直線偏光板との間に位置し、前記位相差フィルムと前記直線偏光板とは液晶を含むことを特徴とする反射減少構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は反射減少構造及びその製造方法、ディスプレイ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルディスプレイ装置は薄型化、軽量化、屈曲性さらに可撓性等の複数の利点を有するため、表示技術の主流となり、市場の将来性が期待できる。
フレキシブルディスプレイ装置は、内部の金属配線等による外光の反射を減少させるために、表示パネルの外部に貼り付けた偏光板を反射減少構造として使用するのが一般的であるが、このような反射減少構造は厚さが大きく、例えば、一般的に使用される偏光板の厚さが100~150μmであり、位相差フィルム(Phase Retardation Film)の厚さが20~100μmであるため、両方で構成された反射減少構造の全厚さが120~250μmになっている。明らかなように、当該構造の使用によって、フレキシブルディスプレイ装置の厚さが増大し、それによってフレキシブルディスプレイ装置が重くなってしまい、軽量・薄型の特徴を失い、フレキシブルディスプレイ装置に不適である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、厚みが小さく且つフレキシブルディスプレイ装置の軽量化・薄型化を実現できる反射減少構造が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の少なくとも一実施例は、反射減少構造及びその製造方法、ディスプレイ装置及びその製造方法を提供し、当該反射減少構造は厚さが小さく、当該反射減少構造を備えたディスプレイ装置はフレキシブルディスプレイ装置の軽量化・薄型化を実現できるだけでなく、高偏光度を確保できる。
【0005】
本発明の少なくとも一つの実施例は、位相差フィルムと、直線偏光板と、前記位相差フィルム及び前記直線偏光板を配向するように構成される少なくとも一つの配向層とを含む反射減少構造を提供し、前記位相差フィルムと前記直線偏光板とは液晶を含む。
本発明の少なくとも一実施例はさらに、アレイ基板と前記アレイ基板に対向して設置される対向基板を含む表示パネルと、前記アレイ基板と前記対向基板との間に設置され、又は前記対向基板における前記アレイ基板との反対側に位置する前記反射減少構造とを備えたディスプレイ装置を提供する。
本発明の少なくとも一実施例はさらに、互いに対向したアレイ基板及び対向基板を含む表示パネルを用意するステップと、反射減少構造を製造するステップとを含むディスプレイ装置の製造方法を提供する。
【0006】
前記アレイ基板は、ベース基板と、及び前記ベース基板上に形成され且つそれぞれに有機発光ダイオードと薄膜トランジスタが形成された複数の画素ユニットとを含み、前記複数の画素ユニットは前記対向基板と前記ベース基板との間に位置する。
反射減少構造を製造するステップは、前記有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板、又は前記対向基板上には、位相差フィルム、第1配向層及び直線偏光板を形成するステップを含み、前記第1配向層は前記位相差フィルムと前記直線偏光板との間に位置し、前記位相差フィルムと前記直線偏光板とは液晶を含む。
【0007】
本発明の少なくとも一実施例はさらに、
基板を準備するステップと、
前記基板上に位相差フィルム、第1配向層及び直線偏光板を形成するステップとを含み、
前記第1配向層は前記位相差フィルムと前記直線偏光板との間に位置し、前記位相差フィルムと前記直線偏光板は液晶を含む反射減少構造の製造方法を提供する。
【0008】
本発明の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は実施例の図面を簡単に説明するが、勿論、下記図面は本発明の一部の実施例に関するものに過ぎず、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1a】本発明の実施例に係る反射減少構造の例示的な構造模式図である。
図1b】本発明の実施例に係る反射減少構造の例示的な構造模式図である。
図2】本発明の実施例に係る反射減少構造を備えたディスプレイ装置の構造模式図である。
図3】本発明の実施例に係る反射減少構造を表示パネル内に設置したディスプレイ装置の構造模式図である。
図4a】本発明の実施例に係る反射減少構造をベース基板上に設置したディスプレイ装置の構造模式図である。
図4b】本発明の実施例に係る反射減少構造を対向基板上に設置したディスプレイ装置の構造模式図である。
図4c】本発明の実施例に係る反射減少構造をベース基板上に設置したディスプレイ装置の別の構造模式図である。
図4d】本発明の実施例に係る反射減少構造を対向基板上に設置したディスプレイ装置の別の構造模式図である。
図4e】本発明の実施例に係る反射減少構造をベース基板上に設置したディスプレイ装置の別の構造模式図である。
図5】本発明の実施例に係るディスプレイ装置の断面構造図である。
図6】反射減少構造の偏光度と入射光波長との関係模式図である。
図7】本発明の実施例に係る光遮断層の透過率の曲線図である。
図8a】本発明の実施例に係る製造方法における反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図8b】本発明の実施例に係る製造方法における反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図8c】本発明の実施例に係る製造方法における反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図8d】本発明の実施例に係る製造方法における反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図8e】本発明の実施例に係る製造方法における反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図9a】本発明の実施例に係る製造方法における対向基板上に反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図9b】本発明の実施例に係る製造方法における対向基板上に反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図9c】本発明の実施例に係る製造方法における対向基板上に反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図9d】本発明の実施例に係る製造方法における対向基板上に反射減少構造を製造する各ステップを実施した構造の断面図である。
図10】本発明の実施例に係る製造方法におけるベース基板上に反射減少構造を形成するフローチャートである。
図11】本発明の実施例に係る製造方法における対向基板におけるアレイ基板との反対側に反射減少構造を形成するフローチャートである。
図12】本発明の実施例に係る製造方法における対向基板とアレイ基板との間に反射減少構造を形成するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下は本発明の実施例の図面をもって、本発明の実施例の技術案を明瞭且つ完全に説明する。勿論、下記実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。下記本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに想到し得るすべてのその他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
特に定義しない限り、使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する一般的な意味である。本開示に使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は順番、数又は重要性を示すのではなく、異なる構成要素を区別するものに過ぎない。同様に、「一つ」、「一」又は「当該」のような用語も数を制限するものではなく、少なくとも一つあることを意味する。「含む」又は「備える」のような用語は当該用語前に現れた素子又はデバイスが当該用語後に現れる素子又はデバイス及びその同等物を意味し、且つほかの素子又はデバイスを排除しない。「接続」又は「連結」のような用語は物理的又は機械的接続に限定されず、直接か間接に関わらず電気的接続を含む。「上方」、「下方」、「左方」、「右方」等は相対位置関係を示すものに過ぎず、説明する対象の絶対位置が変わると、当該相対位置関係も変わる。
本発明の少なくとも一実施例は、反射減少構造及びその製造方法、ディスプレイ装置及び当該ディスプレイ装置の製造方法を提供する。当該反射減少構造は順に、位相差フィルムと、当該位相差フィルムの透過側に設置された第1配向層と、当該第1配向層の透過側に設置された直線偏光板とを含み、前記位相差フィルムと前記直線偏光板は液晶を含む。フレキシブルディスプレイパネルの外部に貼り付けた従来の反射減少構造に比べて、本発明の実施例に係る反射減少構造は、厚さを大幅に減少させ、さらに当該反射減少構造を用いたディスプレイ装置は極薄ディスプレイを実現できる。更に、本発明の実施例では、反射減少構造を薄型化させると同時に、高偏光度を実現するために、本発明の実施例に係る反射減少構造はさらに、偏光度向上に悪影響を与える光を遮断する光遮断層を提供することによって、厚さを減少させる同時に、高偏光度が得られる。
以下、図面をもって本発明の実施例に係る反射減少構造及びその製造方法、ディスプレイ装置及び当該ディスプレイ装置の製造方法を詳細に説明し、本発明の技術案をより明瞭にする。
【実施例1】
【0011】
本実施例は反射減少構造を提供する。図1aには、反射減少構造の構造模式図が示され、当該反射減少構造101は順に位相差フィルム102、第1配向層103及び直線偏光板104を含む。第1配向層103は位相差フィルム102の透過側に設置され、直線偏光板104は第1配向層103の透過側に設置され、当該位相差フィルムと当該直線偏光板とは液晶を含む。
なお、透過側は表示光に対応するものであり、表示光の透過方向に位置する側を意味し、それに対して下記の入射側は表示光の入射方向に位置する側を意味し、図1に示すように、L1は表示光の透過方向をマークする。
【0012】
例えば、当該位相差フィルムと当該直線偏光板とに含まれる液晶は重合性液晶であり、直線偏光板104は二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含み、位相差フィルム102は重合性液晶と光開始剤とを含む。二色性染料はX11(BASF)又はS-428であり、重合性液晶はLC242(merck)等一般のネマチック液晶であり、光開始剤は184である。
例えば、直線偏光板104は1質量%~20質量%の二色性染料、75質量%~95質量%の重合性液晶7及び0.1質量%~5質量%の光開始剤を含む。予備案として、二色性染料、重合性液晶及び光開始剤のそれぞれの含有量は、10%、87.5%及び2.5%である。
例えば、位相差フィルム102は75重量%~99.5重量%の重合性液晶と0.5重量%~25重量%の光開始剤とを含む。
【0013】
例えば、液晶材料を含む直線偏光板104が一方向の偏光光を透過させ、これに直交する方向における偏光光を吸収するようにするために、形成過程において配向する必要があり、且つ液晶材料を含む位相差フィルム102も形成過程において配向する必要がある。予備案として、直線偏光板104と位相差フィルム102とは、両者の間における第1配向層103を用いて配向し、又は、直線偏光板104と位相差フィルム102とはそれぞれ異なる配向層を用いて配向してもよい。
例えば、第1配向層103は位相差フィルム102を配向するように構成される場合は、反射減少構造はさらに、直線偏光板104の透過側に設置され直線偏光板104を配向するように構成される第2配向層109を含む。予備案として、第1配向層103も直線偏光板104を配向するように構成されてもよく、この場合は、反射減少構造101は、位相差フィルム102の入射側に設置され位相差フィルム102を配向するように構成される第3配向層130を含む。
【0014】
本実施例では、反射減少構造の直線偏光板と位相差フィルムとは液晶材料を用い、例えば塗布方法で形成され、このように、従来のディスプレイ装置用の反射減少構造に比べて、本発明の実施例に係る反射減少構造は厚さを大幅に減少させ、例えば、厚さは約10μm、さらに10μmよりはるかに薄いまで、例えば下記例で挙げられた5.27μmまで減少できる。ところが、以上の反射減少構造は、偏光度が低く、例えば60%である。
【0015】
予備案として、本発明の実施例に係る反射減少構造はさらに、直線偏光板の透過側に設置され特定波長範囲の光を遮断するように構成される光遮断層を含む。予備案として、光遮断層108は第2配向層109の透過側に設置されてもよい。
例えば、第1配向層103、第2配向層109、第3配向層130の厚さはそれぞれ0.05μm~0.15μmの厚さ範囲内にあり、例えば、いずれも0.1μmとしてもよい。
例えば、直線偏光板104の厚さは2.5μm~3.5μm、例えば、3μmである。
例えば、位相差フィルム102の厚さは1.5μm~2.5μm、例えば、2μmである。
例えば、光遮断層108の厚さは0.06μm~0.08μm、例えば、0.07μmである。
【0016】
例えば、本発明の実施例に係る反射減少構造の一例では、例えば、当該反射減少構造は順に、位相差フィルム、第1配向層、直線偏光板、第2配向層及び光遮断層を含み、光遮断層108の厚さが例えば0.07μm、2つの配向層のいずれの厚さが例えば0.1μm、直線偏光板104の厚さが例えば3μm、位相差フィルム103の厚さが例えば2μmである場合は、反射減少構造の全厚さが5.27μmとなり、10μm未満である。厚さが約120~250μmの従来の反射減少構造に比べて、厚さは大幅に減少し、且つ当該構造を備えた反射減少構造は、偏光度が99.7%まで向上でき、極薄ディスプレイの実現に役立つ。
【0017】
例えば、光遮断層108は特定波長範囲の光、例えば、波長範囲650nm~780nmの光を遮断するように構成される。好ましくは、波長範囲700nm~780nmの光を遮断するように構成される。このように、全ての赤外光ではなく一部の赤外光だけ遮断することによって、表示を損なわずに偏光度を大幅に向上できる。
このように、光遮断層108を提供し、そのフィルタ作用により偏光度を大幅に向上させることによって、厚さを減少させると同時に、高偏光度を有する反射減少構造を実現するため、ディスプレイ装置によく適用され、極薄フレキシブルディスプレイを実現できる。
【0018】
例えば、本発明の実施例に係る光遮断層108は交互に設置された複数の高屈折率層と複数の低屈折率層を含み、当該複数の高屈折率層のそれぞれの厚さが同じでも異なってもよく、当該複数の低屈折率層のそれぞれの厚さが同じでも異なってもよく、高屈折率層の厚さは低屈折率層の厚さと同じでも異なってもよく、本発明の実施例ではそれについて限定されない。
【0019】
例えば、当該高屈折率層は窒化ケイ素層であり、当該低屈折率層は酸化ケイ素層であり、つまり、光遮断層108は交互に設置された複数の窒化ケイ素層と複数の酸化ケイ素層を含む。例えば、プラズマ気相堆積(PECVD)方法を用いて窒化ケイ素層と酸化ケイ素層を交互に堆積する。ここで、窒化ケイ素層を堆積するための反応ガスをSiH、NH及びNの混合ガスとしてもよく、例えば、当該混合ガスにおいて、SiH、NH及びNの流量比は16:4:1であり、酸化ケイ素層を堆積する反応ガスをSiH、NO及びNの混合ガスとしてもよく、例えば、当該混合ガスにおいて、SiH、NH及びNの流量比は40:4:1である。実際に、反応時間を制御することで膜層の厚さを制御し、反応ガスのガス通路の開閉により複数の膜を交互に堆積できる。
なお、本発明の実施例に係る位相差フィルムはλ/4波長板であってもよく、λは可視光波長の平均値を取り、又は当業者が必要に応じて設定すればよく、本発明の実施例ではそれについて限定されない。
【0020】
本発明の実施例に係る反射減少構造では、直線偏光板と位相差フィルムとはいずれも液晶材料を用いて例えば塗布方法により形成されるものであり、このように、従来のディスプレイ装置用の反射減少構造に比べて、反射減少構造は厚さを大幅に減少させ、且つ波長範囲が650nm~780nmの光を遮断する光遮断層をさらに備えることにより、反射減少構造の偏光度に悪影響を与える光の全部又は一部を遮断し、反射減少構造の偏光度を大幅に向上させ、例えば、反射減少構造の偏光度は60%から99.7%まで向上し、それによって、厚さを大幅に減少させるとともに偏光度を大幅に向上させる反射減少構造が実現され、この反射減少構造が極薄フレキシブルディスプレイに適用できる。
【実施例2】
【0021】
本実施例は別の反射減少構造を提供する。図1bには、反射減少構造の構造模式図が示され、当該反射減少構造101は順に、第1配向層103、位相差フィルム102、直線偏光板104及び第2配向層109を含む。第1配向層103は位相差フィルム102の入射側に設置され、直線偏光板104は位相差フィルム102の透過側に設置され、当該位相差フィルムと当該直線偏光板とは液晶を含む。
なお、透過側は表示光に対応するものであり、表示光の透過方向に位置する側を意味し、それに対して下記入射側は表示光の入射方向に位置する側を意味し、図1に示すように、L1は表示光の透過方向をマークする。
【0022】
例えば、当該位相差フィルムと当該直線偏光板とに含まれる液晶は重合性液晶であり、直線偏光板104は二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含み、位相差フィルム102は重合性液晶と光開始剤とを含む。二色性染料はX11(BASF)又はS-428であり、重合性液晶はLC242(merck)等一般のネマチック液晶であり、光開始剤は184である。
例えば、直線偏光板104は1質量%~20質量%の二色性染料、75質量%~95質量%の重合性液晶7及び0.1質量%~5質量%の光開始剤を含む。予備案として、二色性染料、重合性液晶及び光開始剤のそれぞれの含有量は、10%、87.5%及び2.5%である。
【0023】
例えば、位相差フィルム102は75重量%~99.5重量%の重合性液晶と0.5重量%~25重量%の光開始剤とを含む。
予備案として、本発明の実施例に係る反射減少構造はさらに、直線偏光板の透過側に設置され特定波長範囲の光を遮断するように構成される光遮断層を備える。予備案として、光遮断層108は第2配向層109の透過側に設置されてもよい。
【0024】
例えば、第1配向層103、第2配向層109の厚さはそれぞれ0.05μm~0.15μmの厚さ範囲内にあり、例えば、いずれも0.1μmとしてもよい。
例えば、直線偏光板104の厚さは2.5μm~3.5μm、例えば、3μmである。
例えば、位相差フィルム102の厚さは1.5μm~2.5μm、例えば、2μmである。
例えば、光遮断層108の厚さは0.06μm~0.08μm、例えば、0.07μmである。
例えば、光遮断層108は特定波長範囲の光、例えば、波長範囲650nm~780nmの光を遮断するように構成され、好ましくは、波長範囲700nm~780nmの光を遮断するように構成される。このように、全ての赤外光ではなく一部の赤外光を遮光することによって、表示を損なわずに偏光度を大幅に向上できる。
【0025】
このように、光遮断層108を提供し、そのフィルタ作用により偏光度を大幅に向上させることによって、厚さを減少させると同時に、高偏光度を有する反射減少構造を実現するため、ディスプレイ装置によく適用され、極薄フレキシブルディスプレイを実現できる。
【0026】
例えば、本発明の実施例に係る光遮断層108は交互に設置された複数の高屈折率層と複数の低屈折率層を含み、当該複数の高屈折率層のそれぞれの厚さが同じでも異なってもよく、当該複数の低屈折率層のそれぞれの厚さが同じでも異なってもよく、高屈折率層の厚さは低屈折率層の厚さと同じでも異なってもよく、本発明の実施例ではそれについて限定されない。
例えば、当該高屈折率層は窒化ケイ素層であり、当該低屈折率層は酸化ケイ素層であり、つまり、光遮断層108は交互に設置された複数の窒化ケイ素層と複数の酸化ケイ素層を含む。例えば、プラズマ気相堆積(PECVD)方法を用いて窒化ケイ素層と酸化ケイ素層を交互に堆積する。ここで、窒化ケイ素層を堆積するための反応ガスをSiH、NH及びNの混合ガスとしてもよく、例えば、当該混合ガスにおいて、SiH、NH及びNの流量比は16:4:1であり、酸化ケイ素層を堆積する反応ガスをSiH、NO及びNの混合ガスとしてもよく、例えば、当該混合ガスにおいて、SiH、NH及びNの流量比は40:4:1である。実際に、反応時間を制御することで膜層の厚さを制御し、反応ガスのガス通路の開閉により複数の膜を交互に堆積できる。
【0027】
なお、本発明の実施例に係る位相差フィルムはλ/4波長板であってもよく、λは可視光波長の平均値を取り、又は当業者が必要に応じて設定すればよく、本発明の実施例ではそれについて限定されない。
本発明の実施例に係る反射減少構造では、直線偏光板と位相差フィルムとはいずれも液晶材料を用いて例えば塗布方法により形成されるものであり、このように、従来のディスプレイ装置用の反射減少構造に比べて、反射減少構造は厚さを大幅に減少させ、且つ波長範囲が650nm~780nmの光を遮断する光遮断層をさらに備えることにより、反射減少構造の偏光度に悪影響を与える光の全部又は一部を遮断し、反射減少構造の偏光度を大幅に向上させ、例えば、反射減少構造の偏光度は60%から99.7%まで向上し、それによって、厚さを大幅に減少させるとともに偏光度を大幅に向上させる反射減少構造が実現され、この反射減少構造が極薄フレキシブルディスプレイに適用できる。
【実施例3】
【0028】
本実施例は、実施例1と実施例2とに記載の反射減少構造の製造方法を提供し、以下、実施例1の反射減少構造の製造を例として本発明の実施例に係る反射減少構造の製造方法を説明する。
例えば、本実施例に係る反射減少構造の製造方法は、
基板を準備するステップと、
基板上に位相差フィルム、第1配向層及び直線偏光板を形成するステップとを含み、
第1配向層は位相差フィルムと直線偏光板との間に位置し、位相差フィルムと直線偏光板とは液晶を含む。
【0029】
予備案として、本実施例に係る反射減少構造の製造方法において、基板上に位相差フィルム、第1配向層及び直線偏光板を形成するステップは、基板上に位相差フィルムを形成するステップと、位相差フィルム上に第1配向層を形成するステップと、第1配向層上に直線偏光板を形成するステップとを含む。
予備案として、本実施例に係る反射減少構造の製造方法において、基板上に位相差フィルム、第1配向層及び直線偏光板を形成するステップは、基板上に直線偏光板を形成するステップと、直線偏光板上に第1配向層を形成するステップと、第1配向層上に位相差フィルムを形成するステップとを含む。
更に、上記の位相差フィルム、配向層、直線偏光板を形成する例示的なステップは下記の実施例5のディスプレイ装置の製造方法を参照すればよく、ここで詳細な説明を省略する。
当業者は、ここで説明した各部材の製造方法は各ステップの実施順番を変更すれば、実施例2の前記反射減少構造の製造にも適用でき、便宜上、詳細な説明を省略する。
【実施例4】
【0030】
本実施例はディスプレイ装置を提供する。図2には、反射減少構造を有するディスプレイ装置の構造模式図が示され、当該ディスプレイ装置は、表示パネル100と、位相差フィルム102、第1配向層103及び直線偏光板104を順に含む反射減少構造101とを含む。第1配向層103は位相差フィルム102の透過側に設置され、直線偏光板104は第1配向層103の透過側に設置される。図2に示される例では、反射減少構造101は当該表示パネル100の透過側に設置されるが、図2に示される例以外に、当該反射減少構造101は表示パネル100の内部に設置されてもよい。
なお、透過側は表示光に対応するものであり、表示光の透過方向に位置する側を意味し、それに対して下記の入射側は表示光の入射方向に位置する側を意味し、図2に示すように、L1は表示光の透過方向をマークする。
【0031】
例えば、図3には、本発明の実施例に係る反射減少構造を表示パネル内に設置したディスプレイ装置が示され、当該ディスプレイ装置の表示パネル100は、ベース基板105と複数の画素ユニット106とを含むアレイ基板111と、対向基板107とを含む。複数の画素ユニット106は当該ベース基板105上に形成され且つそれぞれの画素ユニット106に有機発光ダイオードと薄膜トランジスタが形成される。対向基板107は、当該複数の画素ユニット106の透過側でアレイ基板111と組み合わせられ、当該反射減少構造101は当該アレイ基板111と当該対向基板107との間に設置される。図3中、当該反射減少構造101は対向基板107とアレイ基板111との間に設置され、予備案として、当該反射減少構造101は対向基板におけるアレイ基板との反対側に設置される。
【0032】
例えば、図4aに示すように、反射減少構造101は対向基板107とアレイ基板111との間に設置され、複数の画素ユニット106はベース基板105に形成され、且つ複数の画素ユニット106のそれぞれに有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成され、複数の画素ユニット106が形成されたベース基板に反射減少構造101が形成される。予備案として、反射減少構造101と、機発光ダイオード及び薄膜トランジスタが形成されたベース基板105との間に平坦化層110がさらに形成されてもよく、当該平坦化層110は発明者の公知する材料を用いてリバースエッチング法、ガラス還流法、スピン・オン・ガラス法、化学的機械的平坦化法等により形成できる。
【0033】
例えば、図4bに示すように、反射減少構造101は対向基板107におけるアレイ基板111との反対側に設置されてもよく、この場合、複数の画素ユニット106はベース基板105上に形成され、且つ当該複数の画素ユニット106のそれぞれに有機発光ダイオードと薄膜トランジスタが形成され、当該反射減少構造101はさらに直線偏光板104の透過側に位置して反射減少構造101を保護するように構成される保護層120を含み、例えば、保護層120は透光絶縁材料で形成される。
【0034】
例えば、直線偏光板104は二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含み、位相差フィルム102は重合性液晶と光開始剤とを含む。二色性染料はX11(BASF)又はS-428であり、重合性液晶はLC242(merck)等一般のネマチック液晶であり、光開始剤は184である。
例えば、直線偏光板104は1質量%~20質量%の二色性染料、75質量%~95質量%の重合性液晶7及び0.1質量%~5質量%の光開始剤を含む。予備案として、二色性染料、重合性液晶及び光開始剤のそれぞれの含有量は、10%、87.5%及び2.5%である。
【0035】
例えば、位相差フィルム102は75重量%~99.5重量%の重合性液晶と0.5重量%~25重量%の光開始剤とを含む。
例えば、液晶材料を含む直線偏光板104が一方向の偏光光を透過させ、これに直交する方向における偏光光を吸収するようにするために、形成過程において配向する必要があり、且つ液晶材料を含む位相差フィルム102も形成過程において配向する必要がある。予備案として、直線偏光板104と位相差フィルム102とは、両者の間における第1配向層103を用いて配向し、又は、直線偏光板104と位相差フィルム102とはそれぞれ異なる配向層を用いて配向してもよい。
【0036】
例えば、第1配向層103は位相差フィルム102を配向するように構成される場合は、反射減少構造はさらに、直線偏光板104の透過側に設置され直線偏光板104を配向するように構成される第2配向層109を含む。図4cに示すように、図4aに示されるディスプレイ装置の構造に対応して、第2配向層109は対向基板107と直線偏光板104との間に設置されてもよく、予備案として、図4dに示すように、図4bに示されるディスプレイ装置に対応して、第2配向層109は保護層120と直線偏光板104との間に設置されてもよい。
【0037】
予備案として、第1配向層103は直線偏光板104を配向するように構造され、この場合、反射減少構造101は位相差フィルム102の入射側に設置され位相差フィルム102を配向するように構造される第3配向層130を含む。例えば、図4eに示すように、反射減少構造101が対向基板とアレイ基板との間に形成された実施形態に対応して、第3配向層130は有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板上における平坦層110と位相差フィルム102との間に設置される。予備案として、反射減少構造101が対向基板におけるアレイ基板との反対側に設置された実施形態に対応して、第3配向層は対向基板と位相差フィルム102との間に形成される。
【0038】
本実施例では、反射減少構造の直線偏光板と位相差フィルムとは液晶材料を用い、例えば塗布方法で形成され、このように、従来のディスプレイ装置用の反射減少構造に比べて、本発明の実施例に係る反射減少構造は厚さを大幅に減少させ、例えば、厚さは約10μm、さらに10μmよりはるかに薄いまで、例えば下記例で挙げられた5.27μmまで減少できる。ところが、以上の反射減少構造は、偏光度が低い場合がある、例えば60%である。
【0039】
予備案として、上記のディスプレイ装置の偏光度を向上させるために、本発明の実施例に係る反射減少構造はさらに、直線偏光板の透過側に設置され特定波長範囲の光を遮断するように構成される光遮断層を含む。例えば、図5に示すように、図4aに示されるディスプレイ装置に対応して、平坦化層110上には、位相差フィルム102、第1配向層103及び直線偏光板104が順に設置され、直線偏光板104の透過側に光遮断層108が形成される。予備案として、図4cと図4dとに示されるディスプレイ装置構造に対応して、光遮断層108は第2配向層109の透過側に設置されてもよい。
【0040】
例えば、第1配向層103、第2配向層109、第3配向層130の厚さはそれぞれ0.05μm~0.15μmの厚さ範囲内にあり、例えば、いずれも0.1μmである。
例えば、直線偏光板104の厚さは2.5μm~3.5μm、例えば、3μmである。
例えば、位相差フィルム102の厚さは1.5μm~2.5μm、例えば、2μmである。
例えば、光遮断層108の厚さは0.06μm~0.08μm、例えば、0.07μmである。
例えば、本発明の実施例に係る反射減少構造の一例では、例えば、当該反射減少構造は順に、位相差フィルム、第1配向層、直線偏光板、第2配向層及び光遮断層を含み、光遮断層108の厚さが例えば0.07μm、2つの配向層のいずれの厚さが例えば0.1μm、直線偏光板104の厚さが例えば3μm、位相差フィルム103の厚さが例えば2μmである場合は、反射減少構造の全厚さが5.27μmとなり、10μm未満である。厚さが約120~250μmの従来の反射減少構造に比べて、厚さは大幅に減少し、且つ当該構造を備えた反射減少構造は、偏光度が99.7%まで向上でき、極薄ディスプレイの実現に役立つ。
【0041】
以下、図6をもって光遮断層108の光遮断特性を例示的に説明する。
図6には、反射減少構造の偏光度と入射光波長との関係が示され、図面において、横座標が入射光波長を示し、縦座標が偏光度(DOP)を示し、ラインLine1が測定された従来の表示パネルの外部に貼り付けた量産反射減少構造の偏光度と入射光波長との関係を示し、ラインLine2が測定された発明の実施例に係る光遮断層を備えていない反射減少構造の偏光度と入射光波長との関係を示す。図6から明なように、本発明の実施例に係る光遮断層を備えていない反射減少構造は、入射光の波長範囲が380nm~780nmである時、平均偏光度が僅か60%となり、380nm~650nm25である場合は、平均偏光度が1に近づき、約99.75%となり、入射光の波長が650nmより大きい場合は、偏光度が急激に降下する。以上から明らかなように、波長が650nm~780nmの光は反射減少構造の偏光度を大きく損ない、従って、本発明の実施例に係る光遮断層108は650nm~780nm範囲の光を遮断するように構成されることにより、偏光度を向上させる。
【0042】
例えば、光遮断層108は特定波長範囲の光、例えば、波長範囲650nm~780nmの光、好ましくは、波長範囲700nm~780nmの光を遮断する。このように、全ての赤外光ではなく一部の赤外光だけを遮断することによって、表示を損なわずに偏光度を大幅に向上できる。
このように、光遮断層108を提供し、そのフィルタ作用により偏光度を大幅に向上させることによって、厚さを減少させると同時に、高偏光度を有する反射減少構造を実現するため、ディスプレイ装置によく適用され、極薄フレキシブルディスプレイを実現できる。
【0043】
例えば、本発明の実施例に係る光遮断層108は交互に設置された複数の高屈折率層と複数の低屈折率層を含み、当該複数の高屈折率層のそれぞれの厚さが同じでも異なってもよく、当該複数の低屈折率層のそれぞれの厚さが同じでも異なってもよく、高屈折率層の厚さは低屈折率層の厚さと同じでも異なってもよく、本発明の実施例ではそれについて限定されない。
例えば、当該高屈折率層は窒化ケイ素層であり、当該低屈折率層は酸化ケイ素層であり、つまり、光遮断層108は交互に設置された複数の窒化ケイ素層と複数の酸化ケイ素層を含む。例えば、プラズマ気相堆積(PECVD)方法を用いて窒化ケイ素層と酸化ケイ素層を交互に堆積する。ここで、窒化ケイ素層を堆積するための反応ガスをSiH、NH及びNの混合ガスとしてもよく、例えば、当該混合ガスにおいて、SiH、NH及びNの流量比は16:4:1であり、酸化ケイ素層を堆積する反応ガスをSiH、NO及びNの混合ガスとしてもよく、例えば、当該混合ガスにおいて、SiH、NH及びNの流量比は40:4:1である。実際に、反応時間を制御することで膜層の厚さを制御し、反応ガスのガス通路の開閉により複数の膜を交互に堆積できる。
【0044】
以下は光遮断層の具体例を示す。ここで、窒化ケイ素層と酸化ケイ素層とを交互に堆積することで光遮断層を形成し、例えば、形成された光遮断層は0.66H|(1L1H)|1Lを有する構造として形成され、但し、Hは窒化ケイ素層、Lは酸化ケイ素層、係数の0.66と1は各層の厚さを示し、窒化ケイ素層に対し、係数1が36nmを示すと、0.66Hは厚さ36×0.66nm=23.76nmの窒化ケイ素層を示し、酸化ケイ素層に対し、係数1が52nmを示すと、1Lは厚さ52nmの酸化ケイ素層を示す。例えば、(1L1H)は酸化ケイ素を52nmの厚さ、窒化ケイ素を36nmの厚さで順に交互に4回堆積することを示し、例えば、交互に積層する回数は8回、16回、32回などとしてもよい。
【0045】
図7はシミュレーションで得た例示的な光遮断層の透過率曲線図を示し、図7に示すように、当該光遮断層は、窒化ケイ素層と酸化ケイ素層とが交互に8回積層される16層の膜層を有し、具体的な構造としては、1.15H、1.07L、1.10H、1.14L、0.99H、1.09L、1.11H、1.11L、1.17H、0.58L、1.26H、1.15L、0.99H、1.14L、0.98H、0.46Lであり、全厚さ717nmの光遮断層を構成する。図から明らかなように、波長380nm~700nmの光、例えば、380nm~650nmの光に対しては、このような構造を有する光遮断層の透過率は95%より大きい。
なお、本発明の実施例に係る位相差フィルムはλ/4波長板であってもよく、λは可視光波長の平均値を取り、又は当業者が必要に応じて設定すればよく、本発明の実施例ではそれについて限定されない。
【0046】
本発明の実施例に係る反射減少構造では、直線偏光板と位相差フィルムとはいずれも液晶材料を用いて例えば塗布方法により形成されるものであり、このように、従来のディスプレイ装置用の反射減少構造に比べて、反射減少構造は厚さを大幅に減少させ、且つ波長範囲が650nm~780nmの光を遮断する光遮断層をさらに備えることにより、反射減少構造の偏光度に悪影響を与える光の全部又は一部を遮断し、反射減少構造の偏光度を大幅に向上させ、例えば、反射減少構造の偏光度は60%から99.7%まで向上し、それによって、厚さを大幅に減少させるとともに偏光度を大幅に向上させる反射減少構造が実現され、この反射減少構造が極薄フレキシブルディスプレイに適用できる。
【実施例5】
【0047】
本実施例はディスプレイ装置の製造方法を提供する。当該製造方法は、互いに組み合わせられたアレイ基板及び対向基板を含む表示パネルを用意するステップと、反射減少構造を製造するステップとを含む。当該アレイ基板は、ベース基板、及び当該ベース基板上に形成され且つそれぞれに有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成された複数の画素ユニットを含み、当該対向基板は当該複数の画素ユニットの透過側に設置される。反射減少構造を製造するステップは、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板、又は対向基板上には、位相差フィルム、第1配向層及び直線偏光板を形成するステップを含み、第1配向層は位相差フィルムと直線偏光板の間に位置する。
【0048】
例えば、反射減少構造を製造するステップは、
有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板、又は対向基板上には、位相差フィルムを形成するステップと、
位相差フィルム上に第1配向層を形成するステップと、
第1配向層上に直線偏光板を形成するステップとを含む。
更に、反射減少構造を製造するステップはさらに、直線偏光板上に光遮断層を形成するステップを含む。
【0049】
例えば、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板、又は対向基板上に、位相差フィルムを形成する前に、本発明の実施例に係るディスプレイ装置の製造方法において、反射減少構造を製造するステップはさらに、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板、又は対向基板上に、第2配向層を形成するステップと、及び第2配向層に対し摩擦配向を行うステップとを含む。
予備案として、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板、又は対向基板上に、位相差フィルムを形成するステップは、
第2配向層上に重合性液晶と光開始剤とを含む第2材料層を塗布するステップと、
第2材料層を配向して硬化させるステップとを含む。
【0050】
予備案として、反射減少構造の製造過程において、位相差フィルム上に第1配向層を形成した後、さらに、第1配向層に対し摩擦配向を行うステップを含む。
本発明の実施例によれば、反射減少構造を製造する際、第1配向層上に直線偏光板を形成するステップは、第1配向層上に二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含む第1材料層を塗布するステップと、第1材料層を配向して硬化させるステップとを含む。
更に、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板に反射減少構造を形成する際に、反射減少構造を製造する前に、本発明の実施例に係るディスプレイ装置の製造方法はさらに、前記有機発光ダイオードと前記薄膜トランジスタが形成されたベース基板上に平坦化層を形成し、続いて形成される反射減少構造を平坦化層に形成するステップを含んでもよい。
【0051】
本実施例では、反射減少構造が対向基板に形成されることは、反射減少構造が対向基板における前記アレイ基板との反対側に形成されることを意味する。更に、このように形成される反射減少構造が表示パネルの外部に位置するため、これを保護するために、反射減少構造を対向基板における前記アレイ基板との反対側に形成した後、当該ディスプレイ装置の製造方法はさらに、直線偏光板上に保護層を形成するステップを含む。予備案として、光遮断層上に保護層が形成されてもよい。
【0052】
例えば、当該保護層は透明絶縁材料、例えば透明樹脂で形成されてもよい。
以下、図8a~8eを参照して本実施例に係るディスプレイ装置の製造方法を例示的に説明し、ここで、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板上に反射減少構造が形成されることを例とし、図8a~8eには、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板上に、反射減少構造を製造する各ステップを実施した断面図が示される。
図8aに示すように、反射減少構造が形成される予定のベース基板105上に、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとを含む複数の画素ユニット106を形成する。
【0053】
次に、本発明の実施例に係るディスプレイ装置の製造方法は、
図8bに示すように、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板105上に平坦化層110を形成するステップと、
続いて、図8cに示すように、平坦化層110上に、例えばポリイミド材料を用いて第2配向層109を形成し、当該第2配向層109に対し摩擦配向を行うステップと、
続いて、第2配向層109上に位相差フィルム102を形成するステップとを含んでもよい。
例えば、位相差フィルム102を形成するステップは、第2配向層109上に重合性液晶と光開始剤とを含む第2材料層を塗布し、当該第2材料層を配向して硬化させ、例えば、紫外線(UV光)で前記第2材料層を配向して硬化させるステップと、
【0054】
続いて、位相差フィルム102上に、例えばポリイミド材料を用いて第1配向層103を形成し、第1配向層103に対し摩擦配向を行うステップと、
次に、図8dに示すように、第1配向層103上に直線偏光板104を形成するステップとを含んでもよい。
例えば、直線偏光板104を形成するステップは、第1配向層103上に二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含む第1材料層を塗布し、当該第2材料層を配向して硬化させ、例えば、紫外線(UV光)で前記第2材料層を配向して硬化させるステップと、
【0055】
次に、図8eに示すように、直線偏光板104上に光遮断層108を形成するステップとを含んでもよい。
例えば、第1材料層は、1質量%~20質量%の二色性染料、75質量%~95質量%の重合性液晶及び0.1質量%~5質量%の光開始剤を含む。予備案として、二色性染料、重合性液晶及び光開始剤の含有量はそれぞれ10%、87.5%、2.5%である。
例えば、直線偏光板104上に光遮断層108を形成するステップは、プラズマ気相堆積(PECVD)を用いて複数の高屈折率層と複数の低屈折率層とを交互に堆積するステップを含んでもよく、例えば、当該高屈折率層は窒化ケイ素層であり、窒化ケイ素層を堆積するための反応ガスはSiH、NH及びNの混合ガスであり、当該低屈折率層は酸化ケイ素層であり、酸化ケイ素層を堆積するための反応ガスはSiH、NO及びNの混合ガスである。
【0056】
図8a~8eに示される具体例に対応して、図10はベース基板上に反射減少構造を形成するフローチャートを示す。例えば、ベース基板上に反射減少構造を形成する際に、下記のステップを含む。
ステップS71、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板上に平坦化層を形成する。
ステップS72、平坦化層が形成されたベース基板上に第2配向層を形成し、第2配向層に対し摩擦配向を行う。
ステップS73、第2配向層上に重合性液晶と光開始剤とを含む第2材料層を塗布して、第2材料層を配向して硬化させ、位相差フィルムを得る。
ステップS74、位相差フィルム上に第1配向層を形成して、第1配向層に対し摩擦配向を行う。
ステップS75、第1配向層上に二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含む第1材料層を塗布し、第1材料層を配向して硬化させて直線偏光板を形成する。
ステップS76、直線偏光板上に光遮断層を形成する。
なお、以上の例では、反射減少構造を前記ベース基板上に形成した後に、有機発光ダイオード、薄膜トランジスタ及び反射減少構造が形成されたベース基板と、その他の必要な部材が形成された対向基板とを組み合わせて、反射減少構造がアレイ基板と対向基板との間に位置する表示パネルを得る。
【0057】
例えば、当該反射減少構造は対向基板上に形成され、つまり、対向基板におけるアレイ基板との反対側に形成される。以下は具体例を示す。
図11には、対向基板におけるアレイ基板との反対側に反射減少構造を形成するフローチャートが示され、下記のステップを含む。
ステップS81、対向基板上に第2配向層を形成し、第2配向層に対し摩擦配向を行う。
ステップS82、第2配向層上に重合性液晶と光開始剤とを含む第2材料層を塗布し、第2材料層を配向して硬化させて、位相差フィルムを得る。
ステップS83、位相差フィルム上に第1配向層を形成して、第1配向層に対し摩擦配向を行う。
ステップS84、第1配向層上に二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含む第1材料層を塗布し、第1材料層を配向して硬化させて直線偏光板を形成する。
ステップS85、直線偏光板上に光遮断層を形成する。当該光遮断層の形成過程は上記の例を参照すればよいため、ここで詳細な説明を省略する。
ステップS86、光遮断層上に保護層を形成する。
例えば、第1配向層103、位相差フィルム102、第2配向層109、光遮断層108、直線偏光板104の厚さ範囲、光遮断層108の具体的な形成方法は実施例2を参照すればよく、ここで詳細な説明を省略する。
【実施例6】
【0058】
本実施例はさらにディスプレイ装置の製造方法を提供する。実施例5の製造方法との区別点は以下となる。反射減少構造が対向基板におけるアレイ基板との対向側に形成されるため、反射減少構造を製造した後に、対向基板を反転して、有機発光ダイオードと薄膜トランジスタとが形成されたベース基板と組み合わせてディスプレイ装置を得る。当該反射減少構造がアレイ基板と対向基板との間に位置するため、ほかの保護層で反射減少構造を保護する必要がなく、反射減少構造をベース基板上に直接形成する場合に比べて、平坦層も不要になる。上記の区別点以外は、特に断らない限り、本実施例の製造方法のステップは実施例5の説明を参照すればよく、便宜上、詳細な説明を省略する。
【0059】
例えば、本実施例では、反射減少構造の製造は、
対向基板上に直線偏光板を形成するステップと、
直線偏光板上に第1配向層を形成するステップと、
第1配向層上に位相差フィルムを形成するステップとを含む。
【0060】
例えば、対向基板上に直線偏光板を形成する前に、本実施例に係るディスプレイ装置の製造方法はさらに、対向基板上に第2配向層を形成するステップと、第2配向層に対し摩擦配向を行うステップとを含んでもよい。
さらに、対向基板上に直線偏光板を形成するステップは、第2配向層上に二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含む第2材料層を塗布するステップと、第2材料層を配向して硬化させるステップとを含んでもよい。
【0061】
さらに、直線偏光板上に第1配向層を形成した後に、本実施例に係るディスプレイ装置の製造方法はさらに、第1配向層に対し摩擦配向を行うステップを含んでもよい。
さらに、第1配向層上に位相差フィルムを形成するステップは、第1配向層上に重合性液晶と光開始剤とを含む第1材料層を塗布するステップと、第1材料層に対し配向硬化を行うステップとを含んでもよい。
更に、対向基板上に直線偏光板を形成する前に、反射減少構造を製造するステップはさらに、対向基板上に光遮断層を形成するステップを含んでもよい。
例えば、当該光遮断層は第2配向層と対向基板との間又は直線偏光板と対向基板との間に位置する。
【0062】
以下、図9a~9dを参照して本実施例に係るディスプレイ装置の製造方法を例示的に説明し、ここで、反射減少構造を対向基板上に形成する場合を例にし、図9a~9dは対向基板上に反射減少構造を製造する各ステップを実施した断面図を示し、図面において、当該反射減少構造は当該対向基板とアレイ基板との間に設置される。
【0063】
図9aに示すように、対向基板107を提供し、図9bに示すように、対向基板107上に光遮断層108を形成する。
例えば、当該光遮断層108はプラズマ気相堆積法を用いて複数の高屈折率層と複数の低屈折率層を交互に堆積して形成される。例えば、当該高屈折率層は窒化ケイ素層であり、当該窒化ケイ素層を堆積するための反応ガスはSiH、NH及びNの混合ガスであり、例えば、当該混合ガスにおいて、SiH、NH及びNの流量比は16:4:1であり、当該低屈折率層は酸化ケイ素層であり、当該酸化ケイ素層を堆積するための反応ガスはSiH、NO及びNの混合ガスであり、例えば、当該混合ガスにおいて、SiH、NH及びNの流量比は40:4:1である。
【0064】
図9cに示すように、光遮断層108上に第2配向層109を形成し、当該第2配向層109に対し摩擦配向を行い、図9dに示すように、光遮断層108と第2配向層109とが形成された対向基板107上に順に直線偏光板104、第1配向層103及び位相差フィルム102を形成する。
なお、直線偏光板104を形成するステップの例、第1配向層103を形成するステップの例、位相差フィルム102を形成するステップの例は実施例2での対応する説明を参照すればよく、便宜上、詳細な説明を省略する。
【0065】
図9a~9dに対応して、図12は対向基板上に反射減少構造を形成するフローチャートを示す。図12に示すように、反射減少構造の製造は下記のステップを含む。
ステップS91、対向基板上に光遮断層を形成する。
ステップS92、光遮断層が形成された対向基板上に第2配向層を形成し、第2配向層に対し摩擦配向を行う。
ステップS93、第2配向層上に二色性染料、重合性液晶及び光開始剤を含む第2材料層を塗布して、第2材料層を配向して硬化させて直線偏光板を形成する。
ステップS94、直線偏光板上に第1配向層を形成し、第1配向層に対し摩擦配向を行う。
ステップS95、第1配向層上に重合性液晶と光開始剤とを含む第1材料層を塗布し、第1材料層を配向して硬化させ、位相差フィルムを得る。
なお、反射減少構造を形成する前に、対向基板上にOELD表示パネルの一部の部材を形成してもよく、例えば、OLED表示パネルがWOLED~COA(ホワイトOLED及びカラーフィルタアレイ)方式であれば、対向基板上に赤色と緑色と青色の三種類の色のカラーフィルタを形成し、予備案として、まずカラーフィルタを形成し、次に反射減少構造を形成し、又はまず反射減少構造を形成し、次にカラーフィルタ等を形成してもよく、本発明の実施例ではこれについて限定されない。
【0066】
なお、以上は、表示パネルが有機電界発光パネルを例として説明したが、本発明の実施例に係る表示パネルはバックライト光源を含む液晶表示パネルであってもよく、本発明の実施例ではこれについて限定されない。
本発明の実施例に係る反射減少構造、ディスプレイ装置及びその製造方法によれば、本発明の実施例に係る外光反射軽減用の反射減少構造において、当該反射減少構造は液晶材料で製造された位相差フィルムと直線偏光板とを含み、このように塗布等の方法によって位相差フィルム、直線偏光板及び配向層を形成することができ、従って、従来の例えば貼り付けにより表示パネルの外部に設置された反射減少構造に比べて、本発明の実施例に係る反射減少構造は厚さを大幅に減少させ、さらに当該反射減少構造を用いたディスプレイ装置は極薄ディスプレイを実現できる。更に、本発明の実施例では、反射減少構造を薄型化させると同時に、高偏光度が得られ、さらに、偏光度向上に悪影響を及ぼす光を遮断する光遮断層を提供することにより、厚さを減少させると同時に、高偏光度を得る。従って、当該反射減少構造を用いたディスプレイ装置は、内部部材による外光の反射を効果的に減少させることによって、画像表示のコントラストを大幅に向上させ、且つ厚さを大幅に減少させると同時に、偏光度を向上させる。
【0067】
以上は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の実施例の保護範囲を制限するものではなく、当業者であれば、本発明の実施例の技術的範囲を脱逸せずに容易に想到し得る変更や置換は全て本発明の実施例の保護範囲に属する。
本願は2016年1月28日に提出した中国特許出願第201610061301.4号に基づき優先権を主張し、ここで、当該中国特許出願の全内容を援用して本願の一部として組み込まれる。
【符号の説明】
【0068】
101 反射減少構造
102 位相差フィルム
103 第1配向層
104 直線偏光板
105 ベース基板
106 画素ユニット
107 対向基板
108 光遮断層
109 第2配向層
110 平坦化層
111 アレイ基板
120 保護層
130 第3配向層
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9a
図9b
図9c
図9d
図10
図11
図12