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特許7067949ビバルディアンテナベースのアンテナシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】ビバルディアンテナベースのアンテナシステム
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/24 20060101AFI20220509BHJP
   H01Q 13/10 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
H01Q1/24 Z
H01Q13/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018025026
(22)【出願日】2018-02-15
(65)【公開番号】P2018148551
(43)【公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-01-20
(31)【優先権主張番号】17158666.2
(32)【優先日】2017-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514134181
【氏名又は名称】エーケージー アコースティックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ドブリッチ
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0075162(US,A1)
【文献】国際公開第2012/105634(WO,A1)
【文献】特開2011-029943(JP,A)
【文献】特開2007-235451(JP,A)
【文献】特開2005-167363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波範囲の電磁波用のアンテナシステムであって、前記アンテナシステムは、
少なくとも1つの指向性アンテナ(1)及び/または無指向性アンテナ(2)と、
少なくとも1つの中央ユニット(20)であって、前記少なくとも1つの中央ユニット(20)は、
少なくとも1つの送受信システムに接続可能な少なくとも1つのアクティブ部材(21)と、
少なくとも1つのマザーボード(3)と
を有する少なくとも1つの中央ユニット(20)と、
前記少なくとも1つのマザーボード上に位置するマイクロストリップ給電線(3’’)と
を備え、
前記少なくとも1つの指向性アンテナ(1)及び/または前記無指向性アンテナ(2)は、前記マイクロストリップ給電線(3’’)を介して前記少なくとも1つのマザーボード(3)に容量性結合されるように前記少なくとも1つの中央ユニット(20)につながれるように構成され、前記少なくとも1つの中央ユニット(20)は、少なくとも1つのプラグインモジュールを交換可能に受容するように構成されるモジュールアダプタ(4)を備え、前記少なくとも1つのプラグインモジュールは、ブースタモジュール(6)、減衰モジュール(7)、較正モジュール(12)、混合器モジュール(14)、フィルタモジュール(16)、及び/またはパッシブモジュール(18)であり、
前記少なくとも1つの中央ユニット(20)の機能性が、前記少なくとも1つのプラグインモジュール(6、7、12、14、16、18)によって決定されるアンテナシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの指向性アンテナは、ビバルディアンテナ(1)である、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記ビバルディアンテナ(1)はプリント回路基板の技術を用いて構成される請求項に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記無指向性アンテナは、ダイポールアンテナ(2)である、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記マイクロストリップ給電線(3’’)は、前記少なくとも1つのマザーボード(3)の上側表面上に位置し、前記マイクロストリップ給電線(3’’)は、前記少なくとも1つのマザーボードの前記上側表面から前記少なくとも1つのマザーボードの下側表面に延びるめっきスルーホールによって前記少なくとも1つのマザーボードの前記下側表面に電気的に接続され、前記少なくとも1つのマザーボードの前記下側表面は、接地であり、前記少なくとも1つのマザーボード(3)の前記下側表面は、前記少なくとも1つの指向性アンテナ(1)または前記無指向性アンテナ(2)に容量的に結合される請求項1に記載のアンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の、好ましくはビバルディアンテナを含む、マイクロ波範囲の電磁波用アンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、マイクロ波領域用のビバルディアンテナが知られており、この種の各アンテナは、導電板で構成される放熱部材や短尺部材を備え、そのためこうした複数の部材を様々な平面に配置することができ、それらを同軸ケーブルに直接接続することが任意選択で可能になっている。
【0003】
いくつかの現在の適用において、特に、その目的のために構築されてはいない環境、より具体的には劇場での公演やコンサートなどで使用される、ワイヤレスのマイクロフォンに由来する信号を受信する場合、利用可能な異なるアンテナまたはアンテナの組み合わせを有することが必要-必要なだけ多く-であり、適切な選択を可能にするために実際に必要とされるものと比較して、より多くの数のこうした利用可能なアンテナを有する必要性が生じる。投資と保守という形態両方の関連コスト、輸送、及び保管のコストが相当なものになり、また依然として外乱や欠陥の原因があり、それが受信システムのどの部分で現れるのであっても、システム全体の障害を引き起こすことになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、解決策を提供する問題に基づく。この解決策により、上記の欠点を排除するか、少なくとも大幅に低減することが可能になる。
【0005】
本発明によれば、この解決策は、請求項1の特徴付けの項に記載された特性に基づいており、言い換えれば、中央ユニットまたはベースを有する受信システムのモジュール構造を提供することに基づいており、それは以下で説明及び特許請求されるような異なるビバルディアンテナ及びアンテナ部材全般を任意選択でつなぐことができるアクティブな電子的構成要素の唯一の構成要素の部分であり、これによって、特定の用途に応じて、指向性または無指向性のアンテナパターンのアンテナ部材を使用することができ、多様なフィルタモジュール、ブースタモジュール、較正モジュール、及び混合器部材を、他の幾何学的領域の中央ユニットに任意選択でつなぐことができる。
【0006】
これにより、高額な中央ユニットの数を所定の最小数に減らすことや、場合によって少数のバックアップユニットだけを備えることが可能になる。コスト、必要なスペースまたは構成に関連する困難を伴わずに、以前に必要とされた装置全体に比べて非常に安価なアンテナ部材を必要に応じて貯蔵することが可能である。また、あまりスペースを必要としない安価なパッシブな構成要素である適切なブースタモジュール、フィルタモジュール、較正モジュールまたは混合器モジュールに適用される(アクティブな構成要素は、増幅器モジュールの中央ユニットだけに設けられる)。
【0007】
これにより、現場で適切な組み合わせを構成することができ、条件の変化に応じて受信装置に必要な調整を施すことが容易になる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
好ましくは任意選択に少なくとも1つの指向性アンテナ、好ましくはビバルディアンテナ(1)及び/または無指向性アンテナ、好ましくはダイポールアンテナ(2)を有し、少なくとも1つの送受信システムに接続可能な少なくとも1つのアクティブ部材(21)を有する少なくとも1つの中央ユニット(20)を有するマイクロ波範囲の電磁波用のアンテナシステムであって、
上記プラグインアンテナ(1または2)が、上記中央ユニット(20)の少なくとも1つのマザーボード(3)に容量性結合されることと、
ブースタモジュール(6)、減衰モジュール(7)、較正モジュール(12)、混合器モジュール(14)、フィルタモジュール(16)、またはパッシブモジュール(18)が、上記中央ユニット(20)に任意選択でつなぐことができることと、
上記中央ユニット(20)の機能性が、プラグインモジュール(6、7、12、14、16、18)に応じて決定されることを特徴とする、上記アンテナシステム。
(項目2)
上記ビバルディアンテナ(1)は、好ましくは、ボンディングにおける少なくとも2つ、より好ましくは4つの凹部(1’)という形態でプリント回路基板の技術を用いて構成されることを特徴とする、上記項目に記載のアンテナシステム。
(項目3)
上記ダイポールアンテナ(2)が、少なくとも三角形の導体部材(2’)及び少なくとも2つの別個のスロット(2’’)として構成されることを特徴とする、上記項目のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(項目4)
上記中央ユニットマザーボード(3)は、上記ボンディングにおいて矩形の凹部(3’)を備えて作られることを特徴とする、上記項目のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(項目5)
好ましくはマイクロストリップ導体として作られた給電線(3’’)は、上側から下側、いわゆる接地に延びるめっきスルーホールによって電気的に接続され、下側は、順次ビバルディアンテナ(1)またはダイポールアンテナ(2)に容量的に結合されることを特徴とする、上記項目のいずれか一項に記載のアンテナシステム。
(摘要)
本発明は、好ましくは任意選択に少なくとも1つの指向性アンテナ、好ましくはビバルディアンテナ(1)及び/または無指向性アンテナ、好ましくはダイポールアンテナを有し、少なくとも1つの送受信システムに接続可能な少なくとも1つのアクティブ部材(21)を有する少なくとも1つの中央ユニット(20)を有するマイクロ波範囲の電磁波用のアンテナシステムに関する。このようなシステムをより柔軟にするために、プラグインアンテナ(1)は、中央ユニット(20)の少なくとも1つのマザーボードに容量性結合され、ブースタモジュール、減衰モジュール、較正モジュール、混合器モジュール、フィルタモジュール(16)、またはパッシブモジュールは、中央ユニット(20)に任意選択でつなぐことができる。中央ユニット(20)の機能性は、プラグインモジュール(16)に応じて決定される。
【0008】
本発明を、添付の概略図を参照してその実施形態に適用しながら、以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】中央ユニットと共に使用するためのビバルディアンテナ部材を示す。
図2】中央ユニットと共に使用するためのスロットダイポールアンテナ部材を示す。
図3】中央ユニットを示す。
図4】ビバルディアンテナの従来の設計を示す。
図5】中央ユニットと組み合わされる異なるモジュールを示す。
図6】中央ユニットと組み合わされる異なるモジュールを示す。
図7】中央ユニットと組み合わされる異なるモジュールを示す。
図8】中央ユニットと組み合わされる異なるモジュールを示す。
図9】中央ユニットと組み合わされる異なるモジュールを示す。
図10】中央部材と、ビバルディアンテナ部材と、フィルタモジュールとから構成されるアクティブ指向性アンテナを示す。
図11】中央ユニットと、スロットダイポールアンテナ部材と、フィルタモジュールとから構成されるアクティブ指向性アンテナを示す。
図12】中央ユニットとブースタモジュールとから構成されるブースタを示す。
図13】中央ユニットと較正モジュールとから構成される較正ユニットを示す。
図14】較正ユニットと、ブースタと、受信機とから構成されるシステムの構成を示す。
図15】アクティブアンテナと、ブースタと、受信機とから構成されるシステムの構成を示す。
図16】2つのビバルディアンテナの組み合わせを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を理解するために、ビバルディアンテナの当業者に対して様々なアンテナの設計及び使用についてより詳細な説明をする必要はなく、また本発明を理解するに際し、交換可能なフィルタモジュールを使用することを当業者は周知である。この互換性により、システム全体の全般的な特徴を適切に調整するために、異なる伝送経路及びその細目に応答することができるようになる。
【0011】
図1は、まさに概略的に、指向性ビバルディアンテナ1の放射部分を示す。図2も、まさに概略的に、無指向性パターンのスロットダイポールアンテナ2の放射部分を示す。図3も、まさに概略的に、マザーボード3と図示のアンテナとを有する中央ユニット20の構成を示しており、アンテナはビバルディアンテナ1またはスロットダイポールアンテナ2のいずれかとすることができる。アンテナはマザーボード3に容量性結合される。参照符号4は、P1、P2により中央ユニット20の入出力ポートとして示されている(任意の)プラグインモジュールを示す。アクティブなアンテナ機能では、ポートP1のみがアクティブであり、ポートP2は機能を有さない。ポートP2は入力として機能し、ポートP1はブースタ機能(中間増幅器)でのみ出力として機能する。同軸信号ケーブルは、任意選択で用途に応じてポートP1、P2に接続する。21で示すのは、中央ユニットのアクティブな構成要素である増幅器である。
【0012】
本発明によれば、また従来技術とは異なり、放射部分が非放射部分と分離され、容量性結合を介して接続することができ、本発明によるアンテナを好適に変更することができるため最先端であるビバルディアンテナ1’を、図4はまさに概略的に示す。この図はモジュラー設計の原理を説明することを意図している。
【0013】
さらに、アンテナの指向性パターンに加えて、他の特性、例えば選択度を変更するために、モジュールアダプタ4によって交換可能なモジュールを使用することも可能である。
【0014】
さらに、ビバルディアンテナ1は、回路基板の技術を用いて構成されることが好ましく、ボンディングに少なくとも2つ、理想的には4つの凹部1’を有し、これは、より低い周波数でのアンテナ利得を好適に改善する。リターン電流が凹部の縁部でさらなる場を生み出し、それが主要な場と相互作用し、それによって主ビームの方向の指向性パターンを改善するからである。この凹部は、概ねリフレクタまたはディレクタとみなすことができる。さらには、このためにビバルディアンテナ1をよりコンパクトにすることができる。
【0015】
好ましくは、プリント回路技術を用いて構成されたスロットダイポールアンテナ2は、少なくとも1つの三角形部材2’をボンディングにおいて有し、これはアンテナスロットを少なくとも2つの別個のスロット2’’に分割し、これにより帯域幅が好適に改善される。帯域幅により、広い周波数範囲でより低いリターン電流のダンピング(S11<-10dB)が得られ、広い周波数範囲にわたるより高い利得を保証し、そのためより低い電力を反射する。この原理は、付加的な導体ストリップと、生み出される場とを提供し、これらは構造的に重ねられる。さらに、この構成には、平衡変換器が必要ではない。平衡変換器は、出力を平衡させるために通常ダイポールアンテナと共に使用している。
【0016】
中央ユニット20のマザーボード3は、アクティブ部材21及びモジュールアダプタ4に加えて、ビバルディアンテナ1の広帯域無負荷モードに対応するボンディングの矩形の凹部3’を有し、したがって、アンテナの非放射部に属する。矩形の凹部3’は、構成要素の配置を容易にするので好適である。
【0017】
電磁波は、マイクロストリップ技術を用いて作られた給電線3’’を介して出入りさせる。これは、マザーボード3の上部に位置し、マザーボードの下側、すなわち、いわゆる接地にめっきスルーホールによって電気的に接続されている。下側は、順次ビバルディアンテナ1に容量的に結合される。この様式で、モジュール構成要素は、省スペースで構成することができる。
【0018】
図5図8は、ブロック図として、フィルタモジュール16、ブースタモジュール6、較正モジュール12、パッシブモジュール18、及び混合器モジュール14を示している。これらのモジュールについては以下にさらに説明する。
【0019】
フィルタモジュール16(図6図10図11)は、図10及び図11に示すように、ビバルディアンテナ1と組み合わせて、またスロットダイポールアンテナ2と組み合わせて使用される。技術的に、このようなフィルタは、例えばLCフィルタ、セラミックフィルタ、SAWフィルタなどを含み得る。この構成では、装置はアクティブな受信アンテナとして使用している。フィルタモジュールの機能は、受信可能な周波数範囲を制限し、それによって遠くの場の選択を改善することである。フィルタの設計は、アンテナの分野の当業者には周知であるので、これ以上の説明は必要ない。
【0020】
パッシブモジュール18(図8)はブリッジ/ジャンパであり、その唯一の機能はアンテナをポートP2に接続してよりパッシブにアンテナを使用することである。例えば、図16に示すように、送信アンテナとして、または積層アンテナとして組み合わせて使用することができる。したがって、パッシブモジュール18には所望のインピーダンス、好ましくは50Ωのマイクロストリップ導体19のみが存在する。
【0021】
ブースタモジュール6(図5図12)を使用するとき、図12に示すように、中央ユニット20が設けられているが、アンテナは備えられていない。この構成では、装置はポートP1、P2への同軸ケーブルの経路(図示せず)の中間増幅器として使用する。ブースタモジュール6は複数の機能を有する。一方で、入力負荷は、減衰器7によって制限される。これはディップスイッチ、好ましくはロータリディップスイッチ8によって設定可能である。これは、下流の増幅器(図示せず)に過剰な負荷をかけないようにするために必要である。
【0022】
その目的で、ブースタモジュール6は、レベル検出器9と、比較器10と、ライト11とを有する。この構成では、レベル検出器9が測定した負荷を比較器10が評価するレベルを設定するために、試験信号を用いることができ、試験信号はライト11、例えばLEDによって表示され、レベルが正しい値に対応していることを使用者に示す。上述したように、レベルの調整は、好ましくは、減衰器7及びロータリディップスイッチ8により実行される。較正手順については、以下にさらに詳細に説明する。
【0023】
図13の較正モードで使用する場合、較正モジュール12が取り付けられているか挿入されているとき、調整可能な素子を使用することにより、一定の負荷の試験周波数をポートP1に印加して、試験される各伝送経路のレベルを設定することができる(図14参照)。13には発振器、好ましくは一定の負荷で試験信号を発生するVCO(電圧制御発振器)が示されている。使用される電気経路はアンテナ入力の電気経路と分離されているので、(図示のように)アンテナユニットをつないでいるか否かは問題ではない。
【0024】
図14を参照しながら、中央ユニット20及び較正モジュール12からなる較正セットアップと、中央ユニット20及びブースタモジュール6からなるブースタと、受信機23の例示的実施形態に適用されるものとして、較正手順を説明する。すべて同軸ケーブル22によって相互接続されている。
【0025】
上述したように、較正ユニット12は、一定の負荷で試験周波数を生じ、下流のブースタ6にかかる負荷を測定及び評価することによって、及び減衰器7により調整することによって、レベルを設定するのに利用する。この様式では、減衰器7で、ケーブル内で減衰されていない過度の負荷が除去され、増幅器の過負荷を排除し、一定の伝送の質となることを確実にする。レベル調整は、各ケーブルセクションに対して実行され、静的である、すなわち、構成要素間のケーブルを変更していない場合に一度だけ実行しなければならない。
【0026】
図15は、レコーディングの際に使用するアクティブアンテナ2、ブースタ6、受信機23からなるシステム構成の例を示す。
【0027】
本発明は、様々な目的のために中央ユニット20を使用することを可能にする。以前は、他の目的で使用することができない追加の装置を使用しなければならなかった。これはまた、少なくとも2つのビバルディアンテナを伴う、図16に示す積層式アンテナ(アンテナカスケード)としての用途に適用され、その場合中央ユニット20は、ビバルディアンテナと混合器モジュール14(図9)とを備え、このモジュールは、2つの入力信号-一方は中央ユニット20のビバルディアンテナ1に由来するもので、他方は外部のビバルディアンテナ1’に由来するもの-を束ね、これはまさにパッシブモードで動作する(技術的には、ビバルディアンテナ1と1’の両方は同一であってよく、ここで異なって参照されているのみである)。また、中央ユニット20’(技術的には、中央ユニット20と20’の両方は同一であり、ここで異なって参照されているのみである)を有し、これは個々のパッシブモジュール18(図8)を有している。積層式アンテナシステムの利点は、例えば半分の幅に関連して減少させてアンテナローブをバンドリングする当業者にとって公知である。
【0028】
送信アンテナの用途では、上述のプロセスが逆になる。当業者が理解するはずであるように、受信アンテナの用途と依然同じである達成可能な利益を伴う。
【0029】
プラグインモジュールは、アンテナ及び中央ユニットに比べて大幅に小さく、ここでの描写はまさに概略的なものであり、モジュールは標準化された大きさであり、使用するのを容易にしている。中央ユニット及び個々のモジュールにおける電気コネクタ及びその嵌合部分の幾何学的配置及び位置及び構造は、本発明を理解するために当業者が容易に決定することができる。
【0030】
また、当業者が本発明による軽量かつ適応可能な利用可能な装置及び構造を実現するために、パッシブな構成要素をアクティブな構成要素から分離することによって、また選択された各アンテナの役に立つプラグインを伴う標準的なインターフェース(幾何学的にも「電気的」にも)を利用することによって、必要なタスク(較正、混合、アンテナの特徴の変更など)への迅速な適応は当然のこと、各々のケースで利用可能でなければならない必要な構成要素の数について、予想外に大幅な減少が達成されることが重要である。
【0031】
要約すると、本発明は、マイクロ波範囲の電磁波用の受信システムに関し、好ましくは、少なくとも1つの送受信用装置に接続可能である少なくとも1つのアクティブな構成要素20を有する任意選択に少なくとも1つのビバルディアンテナ1及び/または無指向性ダイポールアンテナ2を伴い、プラグインされたアンテナ1または2が、中央ユニット20の少なくとも1つのマザーボード3に容量性結合されること、ブースタモジュール6、減衰モジュール7、較正モジュール12、混合器モジュール14、フィルタモジュール16、またはパッシブモジュール18が、アクティブな構成要素20に任意選択でつなぐことができること、及び中央ユニット20の機能性が、プラグインモジュール6、7、12、14、16、18に応じて決定されることを特徴とする。
【0032】
当然、普遍的なモジュールの一部が受信システムでもはや使用されていない場合は説明しておらず、そのような説明は扱いにくく、完全に混乱を招くものである。実際には、送信、受信、アンテナ接続、ブースタ、減衰、較正、場合によりその他の目的のために、モジュールシステムを提供する場合、アンテナ接続のみ、中央ユニットと、中央ユニットのモジュールアダプタとで標準化しなければならない。
【符号の説明】
【0033】
01 ビバルディアンテナ
01’ 凹部
02 ダイポールアンテナ
02’ 三角形素子
02’’ スロット
03 中央ユニットマザーボード
03’ 長方形の凹部
03’’ 入出力ライン
04 モジュールアダプタ
05 最先端のビバルディアンテナ
06 ブースタモジュール
07 減衰器
08 ロータリディップスイッチ
09 レベル検出器
10 比較器
11 表示素子
12 較正モジュール
13 発振器
14 混合器モジュール
15 スプリッタ/混合器
16 フィルタモジュール
17 フィルタ
18 パッシブモジュール
19 マイクロストリップ導体
20 中央ユニット
21 アクティブ素子(増幅器)
22 同軸ケーブル
23 受信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16