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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】建具及び改装サッシの施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/20 20060101AFI20220509BHJP
   E06B 1/56 20060101ALI20220509BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
E06B1/20
E06B1/56 A
E06B1/18 H
E06B1/18 F
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018036959
(22)【出願日】2018-03-01
(65)【公開番号】P2019152002
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】井東 克孝
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】実公昭58-18545(JP,Y2)
【文献】登録実用新案第3012725(JP,U)
【文献】特開2015-124545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/20
E06B 1/56
E06B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に取り付けられる外窓と、
前記外窓の屋内側に取り付けられる内窓と、を備える建具であって、
前記外窓の屋内側に額縁部材が設けられ、前記内窓は、前記額縁部材の内周面に固定され、
前記外窓の外窓枠の屋内側の側面に、前記内窓に向けて一定の長さで延出する見切り材が配置され、
前記見切り材は、前記外窓枠の屋内側の側面に当接する当接部と、前記額縁部材の内周面に当接する延出部と、を有する断面L型に形成され、
前記内窓は、内窓枠の屋外側の側面を前記見切り材の前記延出部に屋内側から当接させた、建具。
【請求項2】
前記見切り材は、前記延出部において前記額縁部材の内周面にねじ固定される、請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記外窓の前記外窓枠は、建物の開口部に取り付けられる既設枠と、前記既設枠の内周側を覆うように取り付けられる新設枠と、を有する改装サッシの窓枠である、請求項1又は2に記載の建具。
【請求項4】
前記新設枠の屋内側の側面は、前記既設枠の屋内側の端部よりも屋内側に設けられる、請求項に記載の建具。
【請求項5】
前記見切り材は、前記当接部を前記新設枠の屋内側の側面に当接して配置される、請求項に記載の建具。
【請求項6】
建物の開口部に取り付けられる既設枠と、前記既設枠の内周側を覆うように取り付けられる新設枠と、を有する外窓の屋内側に額縁部材が設けられ、前記額縁部材の内周面に内窓を取り付ける改装サッシの施工方法であって、
前記外窓の外窓枠の屋内側の側面に、前記内窓に向けて一定の長さで延出する見切り材であって、前記外窓枠の屋内側の側面に当接する当接部と、前記額縁部材の内周面に当接する延出部と、を有する断面L型に形成された見切り材を配置させた後、
前記外窓の屋内側から、前記内窓の内窓枠の屋外側の側面を前記見切り材の前記延出部に屋内側から当接させる、改装サッシの施工方法。
【請求項7】
前記見切り材は、前記延出部において前記額縁部材の内周面にねじ固定する、請求項6に記載の改装サッシの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具及び既設の窓を新たな窓に改装する改装サッシの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設の窓を改装する方法として、カバー工法が採用されている。このカバー工法によって改装された改装サッシでは、建物の開口部に取り付けられた既設枠に対して、その内周側を覆うように新設枠が取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、近年、建物の断熱性能及び防音性能の向上を図るために、窓(外窓)の屋内側に、更に新たな窓(内窓)を取り付ける要請が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-94771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外窓の屋内側に内窓を取り付ける場合、外窓と内窓との間に、両者の干渉を避けるための一定の間隔をあける必要がある。例えば、外窓にクレセント錠が取り付けられている場合、クレセント錠の回転軌跡に対して内窓が干渉しないように、外窓と内窓との間隔をあける必要がある。
【0006】
しかし、内窓を施工する際に、窓枠の四周に亘って外窓との間に一定の間隔を保持させて内窓を取り付けることが困難であり、内窓の施工性が悪いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、外窓の屋内側に、外窓に対して一定の間隔をあけて内窓を取り付ける際の施工性に優れる建具及び改装サッシの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係る建具は、建物の開口部に取り付けられる外窓(例えば、後述の外窓2)と、前記外窓の屋内側に取り付けられる内窓(例えば、後述の内窓3)と、を備える建具(例えば、後述の建具1)であって、前記外窓の外窓枠(例えば、後述の外窓枠10)の屋内側の側面(例えば、後述の側面10a)に、前記内窓に向けて一定の長さで延出する見切り材(例えば、後述の見切り材60、70、80、90)が配置され、前記内窓は、前記内窓の内窓枠(例えば、後述の内窓枠40)の屋外側の側面(例えば、後述の側面40a)を前記見切り材に当接させた。
【0009】
(2) (1)に記載の建具において、前記外窓を構成する前記外窓枠は、建物の開口部に取り付けられる既設枠(例えば、後述の既設上枠110、既設下枠210、既設縦枠310、410)と、前記既設枠の内周側を覆うように取り付けられる新設枠(例えば、後述の新設上枠120、新設下枠220、新設縦枠320、420)と、を有する改装サッシの窓枠であることが好ましい。
【0010】
(3) (2)に記載の建具において、前記新設枠の屋内側の側面(例えば、後述の側面120a、220a、320a、420a)は、前記既設枠の屋内側の端部(例えば、後述の端部110a、210a、310a、410a)よりも屋内側に設けられることが好ましい。
【0011】
(4) (3)に記載の建具において、前記見切り材は、前記新設枠の屋内側の側面に当接して配置されることが好ましい。
【0012】
(5) 本発明に係る改装サッシの施工方法は、建物の開口部に取り付けられる既設枠(例えば、後述の既設上枠110、既設下枠210、既設縦枠310、410)と、前記既設枠の内周側を覆うように取り付けられる新設枠(例えば、後述の新設上枠120、新設下枠220、新設縦枠320、420)と、を有する外窓(例えば、後述の外窓2)の屋内側に内窓(例えば、後述の内窓3)を取り付ける改装サッシの施工方法であって、前記外窓の外窓枠(例えば、後述の外窓枠10)の屋内側の側面(例えば、後述の側面10a)に、前記内窓に向けて一定の長さで延出する見切り材(例えば、後述の見切り材60、70、80、90)を配置させた後、前記外窓の屋内側から、前記内窓の内窓枠(例えば、後述の内窓枠40)の屋外側の側面(例えば、後述の側面40a)を前記見切り材に当接させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、外窓の屋内側に、外窓に対して内窓を一定の間隔をあけて容易に取り付けることができる建具及び改装サッシの施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る建具を屋外側から見た正面図である。
図2図1に示す建具の縦断面図である。
図3図1に示す建具の横断面図である。
図4図2に示す建具の上枠部分の拡大縦断面図である。
図5図2に示す建具の下枠部分の拡大縦断面図である。
図6図3に示す建具の一方の縦枠部分の拡大横断面図である。
図7図3に示す建具の他方の縦枠部分の拡大横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建具を屋外側から見た正面図であり、図2は、図1に示す建具の縦断面図であり、図3は、図1に示す建具の横断面図である。図4は、図2に示す建具の上枠部分の拡大縦断面図であり、図5は、図2に示す建具の下枠部分の拡大縦断面図である。図6は、図3に示す建具の一方の縦枠部分の拡大横断面図であり、図7は、図2に示す建具の他方の縦枠部分の拡大横断面図である。
【0016】
図1図3に示すように、本実施形態に示す建具1は、建物の開口部に納められる引違い窓タイプの建具である。建具1は、建物の開口部の屋外側に配置される外窓2と、建物の開口部において、外窓2の屋内側に配置される内窓3と、で構成される。外窓2の屋内側には、建物の開口部の四周を取り囲むように額縁部材4が設けられている。
【0017】
なお、本実施形態に示す建具1は、既設の窓を改装した改装サッシである。額縁部材4は、建物の開口部に設けられる上側部の鴨居41と、下側部の敷居42と、縦側部の柱材43、44とで矩形に枠組みされて構成されている。この建具1の施工に際して、鴨居41及び敷居42に設けられる溝41a、42aは、予め木材等によって埋められている。従って、溝41a、42aが、後述する内窓3等の取り付けの支障となることはない。
【0018】
外窓2は、上枠100と、下枠200と、左右一対の縦枠300、400により矩形に枠組みされた外窓枠10と、この外窓枠10にスライド可能に納められる引違い用の2枚の障子20、20と、この外窓枠10において、障子20、20の屋外側にスライド可能に納められる1枚の網戸30と、を備える。
【0019】
各障子20は、屋外側及び屋内側に配置される2枚のガラス21、21と、これら2枚のガラス21、21で挟持されたスペーサ22と、を備える複層ガラスからなり、優れた断熱性を有する。
【0020】
外窓2は、建物の開口部に取り付けられる既設枠の内周側に新設枠を取り付けることによって構成される。先ず、図2図4に示すように、上枠100は、既設上枠110と、新設上枠120と、上枠ベース材130と、を含んで構成される。
【0021】
既設上枠110は、建物の開口部の屋外側の上側部に取り付けられており、下方に向けて立設される既設障子用のガイドレール111a、111bを有する。既設上枠110の屋内側は、額縁部材4に固定されている。
【0022】
新設上枠120は、上枠ベース材130を間に挟んで、既設上枠110の内周側に取り付けられる。新設上枠120は、下方に向けて立設される引違いの2枚の障子20、20用のガイドレール121a、121bと、網戸30用のガイドレール121cを有する。ガイドレール121a、121bには、障子20、20の上端部が係合している。ガイドレール121cには、網戸30の上端部が係合している。
【0023】
新設上枠120の最も屋内側の側面120aは、既設上枠110の最も屋内側の端部110aよりも屋内側に設けられている。
【0024】
上枠ベース材130は、既設上枠110と新設上枠120との間に配置される。上枠ベース材130は、既設上枠110の長さに比べて十分に短い長さに形成された金属製の板状部材からなり、上枠ベース材130の裏面に設けられるブラケット131及び取付けねじ132によって、既設上枠110のガイドレール111a、111bに取り付けられる。上枠ベース材130は、既設上枠110の長さ方向に間隔をおいて複数取り付けられる。これにより、各上枠ベース材130は、既設上枠110の内周側(下側)に、新設上枠120のための略平坦な取付け面を形成する。新設上枠120は、この上枠ベース材130の表面(下面)に対して取り付けられる。
【0025】
図2図5に示すように、下枠200は、既設下枠210と、新設下枠220と、下枠ベース材230と、を含んで構成される。
【0026】
既設下枠210は、建物の開口部の屋外側の下側部に取り付けられており、上方に向けて立設される既設障子用のガイドレール211a、211bを有する。既設下枠210の屋内側は、額縁部材4に固定されている。
【0027】
新設下枠220は、下枠ベース材230を間に挟んで、既設下枠210の内周側に取り付けられる。新設下枠220は、上方に向けて立設される引違いの2枚の障子20、20のためのガイドレール221a、221bと、網戸30のためのガイドレール221cを有する。ガイドレール221a、221bには、障子20、20の下端部が係合している。ガイドレール221cには、網戸30の下端部が係合している。
【0028】
新設下枠220の最も屋内側の側面220aは、既設下枠210の最も屋内側の端部(既設下枠210のアングル部材の屋内側端部)210aよりも屋内側に設けられている。
【0029】
下枠ベース材230は、既設下枠210と新設下枠220との間に配置される。下枠ベース材230は、2枚の障子20、20の荷重を受けるため、下枠200の長さ方向に亘って延びる金属製の板状部材からなる。下枠ベース材230の屋外側は、既設下枠210のガイドレール211a上に載置され、屋内側は、ブラケット231及び取付けねじ232によってガイドレール211bに取り付けられている。これにより、下枠ベース材230は、既設下枠210の内周側(上側)に、新設下枠220のための略平坦な取付け面を形成する。新設下枠220は、この下枠ベース材230の表面(上面)に対して取り付けられる。
【0030】
図2図6図7に示すように、左右の縦枠300、400は、既設縦枠310、410と、新設縦枠320、420と、縦枠ベース材330、430と、を含んで構成される。
既設縦枠310、410は、建物の開口部の屋外側の左右縦側部にそれぞれ取り付けられている。既設縦枠310、410の屋内側は、額縁部材4に固定されている。
新設縦枠320、420は、縦枠ベース材330、430を間に挟んで、既設縦枠310、410の内周側に取り付けられる。
【0031】
新設縦枠320、420の最も屋内側の側面320a、420aは、既設縦枠310の最も屋内側の端部310a、410aよりも屋内側に設けられている。
【0032】
縦枠ベース材330、430は、既設縦枠310、410と新設縦枠320、420との間に配置される。縦枠ベース材330、430は、それぞれ新設縦枠320、420の長さに比べて十分に短い長さに形成された金属製の板状部材からなり、既設縦枠310、410の内周側に、ブラケット331、431によって取り付けられる。縦枠ベース材330、430は、既設縦枠310、410の長さ方向に間隔をおいて複数取り付けられている。これにより、各縦枠ベース材330、430は、既設縦枠310、410の内周側に、新設縦枠320、420のための略平坦な取付け面を形成する。新設縦枠320、420は、この縦枠ベース材330、430の表面に対して取り付けられる。
【0033】
以上の構成を備える外窓2の外窓枠10は、上枠100、下枠200及び左右の縦枠300、400により矩形に枠組みされる。これにより、外窓枠10の新設枠(新設上枠120、新設下枠220及び新設縦枠320、420)は、各ベース材(上枠ベース材130、下枠ベース材230、縦枠ベース材330、430)を介して、既設枠(既設上枠110、既設下枠210及び既設縦枠310、410)の内周側を覆うように取り付けられている。
【0034】
本実施形態に示す外窓枠10において、新設上枠120、新設下枠220及び新設縦枠320、420は、アルミ等の金属材からなるが、これら新設上枠120、新設下枠220及び新設縦枠320、420の屋内側に、それぞれ樹脂アングル部材150、250、350、450を有する。これにより、外窓2は断熱性に優れる。
【0035】
樹脂アングル部材150、250、350、450は、それぞれ額縁部材4との間に間隔を有して配置され、樹脂アングル部材150、250、350、450と額縁部材4との間に、それぞれアングルカバー151、251、351、451が装着されている。また、アングルカバー151、251、351、451と額縁部材4の内周面との境目は、断面L型の見切り材60、70、80、90によって遮蔽されている。
【0036】
図2図3に示すように、内窓3は、上枠500と、下枠600と、左右一対の縦枠700、800により矩形に枠組みされた内窓枠40と、この内窓枠40にスライド可能に納められる引違い用の2枚の障子50、50と、を備える。
【0037】
上枠500、下枠600及び縦枠700、800は、額縁部材4の内周面にそれぞれ固定されている。上枠500は、下方に向けて立設されるガイドレール501a、501bを有する。下枠600は、上方に向けて立設されるガイドレール601a、601bを有する。
【0038】
各障子50は、それぞれ1枚のガラス51を有する。障子50の上端部は、上枠500のガイドレール501a、501bと係合し、障子50の下端部は、下枠600のガイドレール601a、601bと係合している。
【0039】
ここで、内窓3は、外窓2の屋内側において、外窓2に対して一定の間隔をあけて額縁部材4の内周面に取り付けられる。外窓2と内窓3との間隔は、見切り材60、70、80、90の幅(屋内外方向の長さ)によって規定されている。
【0040】
具体的には、図4図7に示すように、見切り材60、70、80、90は、アングルカバー151、251、351、451に当接する当接部61、71、81、91と、額縁部材4の内周面に当接する延出部62、72、82、92とを有する断面L型に形成されている。アングルカバー151、251、351、451は、新設枠(新設上枠120、新設下枠220、新設縦枠320、420)の屋内側の側面120a、220a、320a、420aを構成している。従って、見切り材60、70、80、90は、新設枠の屋内側の側面120a、220a、320a、420aに当接して配置される。
【0041】
各延出部62、72、82、92は、額縁部材4の内周面に沿って屋内方向に同一の延出長さBを有し、取付けねじ63、73、83、93によって額縁部材4の内周面に固定されている。内窓3は、内窓枠40の屋外側の側面40aを延出部62、72、82、92の先端に屋内側から当接させて、額縁部材4の内周面に取り付けられている。
【0042】
これにより、内窓3は、外窓2に対して、四周に亘って見切り材60、70、80、90の幅、具体的には延出部62、72、82、92の幅(屋内外方向の長さ)によって規定される一定の間隔(延出長さB)をあけて取り付けられる。この延出部62、72、82、92の延出長さBは、内窓3が外窓2に対して、外窓2のクレセント錠(図示せず)の回転軌跡A(図2参照)と干渉しないように離間し得る長さに設定される。このため、内窓3を、見切り材60、70、80、90の各延出部62、72、82、92の先端に当接させるだけで、外窓2の屋内側に、外窓2(外窓2のクレセント錠)と干渉しない一定の間隔(延出長さB)をあけて内窓3を容易に取り付けることができる。
【0043】
しかも、このように、本実施形態の見切り材60、70、80、90は、本来の見切り材としての機能に加えて、外窓2と内窓3との間の間隔を一定に規定及び保持する間隔保持部材としても機能するため、見切り材と別途の間隔保持部材を設ける必要がなく、建具1の構造を簡素化できる。
【0044】
更に、見切り材60、70、80、90は、外窓枠10と別体であるため、建物の開口部の形状、構造等に応じて、延出部62、72、82、92の延出長さBが異なる見切り材60、70、80、90を選択して使用することにより、外窓2と内窓3との間隔を任意の一定間隔に容易に規定することができる。
【0045】
また、本実施形態では、新設枠(新設上枠120、新設下枠220、新設縦枠320、420)の屋内側の側面120a、220a、320a、420aは、既設枠(既設上枠110、既設下枠210、既設縦枠310、410)の屋内側の端部110a、210a、310a、410aよりも屋内側に設けられるので、内窓3を取り付けるスペースが小さくなる。その結果、内窓3を外窓2に近接させて設置する必要がある。しかし、内窓枠40の屋外側の側面40aを見切り材60、70、80、90に当接させるだけで、内窓3を、外窓2と干渉しない一定の間隔をあけて容易に取り付けることができる。
【0046】
既設の窓を建具1(改装サッシ)に改装する場合は、既設枠に新設枠を取り付けて外窓2を構成した後、その外窓2の外窓枠10の屋内側の側面10a(アングルカバー151、251、351、451の屋内側の面)に見切り材60、70、80、90を当接させて取り付ける。次いで、外窓2の屋内側から、額縁部材4の内周に内窓3を挿入させ、内窓枠40の屋外側の側面40aを、見切り材60、70、80、90の延出部62、72、82,92の先端部に当接させることにより、内窓3を額縁部材4の内周面に取り付ける。これにより、外窓2の屋内側に、外窓2に対して内窓3を一定の間隔をあけて容易に取り付けることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、見切り材60、70、80、90は四周に亘って設けられているが、見切り材60、70、80、90は、必ずしも四周に亘って設けられていなくてもよい。見切り材は、例えば左右の縦側の見切り材80、90だけであってもよい。
【0048】
また、本実施形態では、建具1の外窓2が既設の窓を改装した改装サッシであり、その内側に新たに内窓3を取り付ける場合について説明したが、以上のように、内窓3が外窓2の屋内側に一定の間隔をあけて取り付けられる建具は、建物に新設される建具にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 建具(改装サッシ)
2 外窓
3 内窓
10 外窓枠
10a 外窓枠の屋内側の側面
40 内窓枠
40a 内窓枠の屋外側の側面
60、70、80、90 見切り材
62、72、82、92 延出部
110 既設上枠(既設枠)
210 既設下枠(既設枠)
310、410 既設縦枠(既設枠)
120 新設上枠(新設枠)
220 新設下枠(新設枠)
320、420 新設縦枠(新設枠)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7