(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】船舶情報提供装置、船舶情報提供プログラム、記憶媒体、船舶情報提供方法、及び船舶情報提供システム
(51)【国際特許分類】
B63B 49/00 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
B63B49/00 Z
(21)【出願番号】P 2018062590
(22)【出願日】2018-03-28
【審査請求日】2020-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】503218067
【氏名又は名称】住友重機械マリンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】高井 通雄
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02533961(GB,A)
【文献】国際公開第2014/128915(WO,A1)
【文献】特開2017-033378(JP,A)
【文献】特開平06-301897(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0197728(US,A1)
【文献】特開2011-105047(JP,A)
【文献】特開昭61-252842(JP,A)
【文献】特開2013-164023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 49/00
B63B 79/40
B63H 21/21
B63H 25/04
G08G 3/00
G01C 21/00
F02B 77/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶に関する情報を提供する船舶情報提供装置であって、
前記船舶の運転に関する運転情報、及び前記船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得部と、
前記海象情報に基づいて前記海象を複数の海象ランクに分け、前記運転情報を前記海象ランクごとに分別する情報分別部と、
前記情報分別部によって分別された前記運転情報が前記海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整部と、を備える、船舶情報提供装置。
【請求項2】
前記調整部は、
前記運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係をプロットしたグラフに対して近似線を作成し、
前記海象ランクごとに、前記近似線を作成する、請求項1に記載された船舶情報提供装置。
【請求項3】
前記調整部は、
前記運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係をプロットしたグラフに対して、前記海象ランクごとに第1の近似線を作成し、
他の海象ランクの前記第1の近似線との関係に基づいて、前記第1の近似線を調整することで第2の近似線を前記海象ランクごとに作成する、請求項2に記載の船舶情報提供装置。
【請求項4】
前記調整部は、
前記海象ランクごとに作成した前記第1の近似線の近似式の係数を抽出し、
他の前記海象ランクの前記係数との関係に基づいて前記係数を平滑化して調整し、
調整された前記係数を前記近似式に導入することで前記第2の近似線を作成する、請求項3に記載の船舶情報提供装置。
【請求項5】
船舶に関する情報を提供する船舶情報提供プログラムであって、
前記船舶の運転に関する運転情報、及び前記船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得ステップと、
前記海象情報に基づいて前記海象を複数の海象ランクに分け、前記運転情報を前記海象ランクごとに分別する情報分別ステップと、
前記情報分別ステップで分別された前記運転情報が前記海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整ステップと、を船舶情報提供装置に実行させる船舶情報提供プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の前記船舶情報提供プログラムを格納した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項7】
船舶に関する情報を提供する船舶情報提供方法であって、
前記船舶の運転に関する運転情報、及び前記船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得ステップと、
前記海象情報に基づいて前記海象を複数の海象ランクに分け、前記運転情報を前記海象ランクごとに分別する情報分別ステップと、
前記情報分別ステップで分別された前記運転情報が前記海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整ステップと、を備える、船舶情報提供方法。
【請求項8】
船舶に関する情報を提供する船舶情報提供システムであって、
前記船舶と、サーバと、演算部と、表示部と、を備え、
前記船舶は、当該船舶の運転に関する運転情報、及び前記船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報をサーバに送信し、
前記サーバは前記船舶から送信された前記船舶情報を取得及び格納し、
前記演算部は、
前記サーバに格納された前記船舶情報を取得する情報取得部と、
前記海象情報に基づいて前記海象を複数の海象ランクに分け、前記運転情報を前記海象ランクごとに分別する情報分別部と、
前記情報分別部によって分別された前記運転情報が前記海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整部と、を備え、
前記表示部は、前記演算部の調整部で表示態様を調整された前記運転情報を表示する、船舶情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶情報提供装置、船舶情報提供プログラム、記憶媒体、船舶情報提供方法、及び船舶情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶の運転状態に関する情報をユーザに提供する技術として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1では、船舶の動力源の出力を検出し、船舶の速度を検出し、これらの検出結果をグラフに反映している。このような検出結果に基づいて、船舶のメンテナンスが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、船舶の運転状態を示す情報をユーザに対して提供することに対するニーズが高まっている。従って、上述のような特許文献1で作成されたグラフをユーザに対して表示することが考えられる。しかしながら、船舶の運転状態は、船舶の運転時における海象(船舶の速度に影響を与える海の状態)によって変動がある。従って、検出された船舶の運転状態を単にユーザに表示しただけでは、ユーザは正しく船舶の状態を把握することができない場合がある。すなわち、ユーザに提供する船舶情報の価値を高めることが求められていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ユーザに提供する船舶情報の価値を高めることができる船舶情報提供装置、船舶情報提供プログラム、記憶媒体、船舶情報提供方法、及び船舶情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る船舶情報提供装置は、船舶に関する情報を提供する船舶情報提供装置であって、船舶の運転に関する運転情報、及び船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得部と、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する情報分別部と、情報分別部によって分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整部と、を備える。
【0007】
この船舶情報提供装置において、情報分別部は、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する。従って、情報分別部は、船舶の運転状態に影響を与える海象を考慮し、且つ、その海象による影響の大きさに基づいてランク付けをした海象ランクを設定した上で、運転情報を海象ラングごとに分別することができる。また、調整部は、情報分別部によって分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する。これにより、ユーザは、表示された運転情報がどの海象ランクに属するものであるかを容易に理解することができる。すなわち、ユーザは、海象による影響を考慮した上で、船舶の運転状態を確認することができる。以上により、ユーザに提供する船舶情報の価値を高めることができる。
【0008】
船舶情報提供装置において、調整部は、運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係をプロットしたグラフに対して近似線を作成し、海象ランクごとに、近似線を作成してよい。これにより、ユーザは、船舶の運転状態を海象ランクごとに把握し易くなる。
【0009】
船舶情報提供装置において、調整部は、運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係をプロットしたグラフに対して、海象ランクごとに第1の近似線を作成し、他の海象ランクの第1の近似線との関係に基づいて、第1の近似線を調整することで第2の近似線を海象ランクごとに作成してよい。例えば、ある海象ランクに対するプロット数が少なすぎる場合、第1の近似線が示す情報の精度が低下する。これに対し、調整部は、他の海象ランクの第1の近似線との関係に基づいて、第1の近似線を調整することで第2の近似線を作成する。第2の近似線は、他の海象ランクの近似線も考慮した全体的な傾向を反映した近似線となる。従って、ユーザは、物理的に整合性がとれた、より精度の高い情報を確認することができる。
【0010】
船舶情報提供装置において、調整部は、海象ランクごとに作成した第1の近似線の近似式の係数を抽出し、他の海象ランクの係数との関係に基づいて係数を平滑化して調整し、調整された係数を近似式に導入することで第2の近似線を作成してよい。この場合、ユーザは、更に物理的に整合性がとれた精度の高い情報を確認することができる。
【0011】
本発明に係る船舶情報提供プログラムは、船舶に関する情報を提供する船舶情報提供プログラムであって、船舶の運転に関する運転情報、及び船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得ステップと、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する情報分別ステップと、情報分別ステップで分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整ステップと、を船舶情報提供装置に実行させる。
【0012】
本発明に係る記憶媒体は、上述の船舶情報提供プログラムを格納した非一時的なコンピュータ読み取り可能である。
【0013】
本発明に係る船舶情報提供方法は、船舶に関する情報を提供する船舶情報提供方法であって、船舶の運転に関する運転情報、及び船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得ステップと、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する情報分別ステップと、情報分別ステップで分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整ステップと、を備える。
【0014】
本発明に係る船舶情報提供システムは、船舶に関する情報を提供する船舶情報提供システムであって、船舶と、サーバと、演算部と、表示部と、を備え、船舶は、当該船舶の運転に関する運転情報、及び船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報をサーバに送信し、サーバは船舶から送信された船舶情報を取得及び格納し、演算部は、サーバに格納された船舶情報を取得する情報取得部と、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する情報分別部と、情報分別部によって分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整部と、を備え、表示部は、演算部の調整部で表示態様を調整された運転情報を表示する。
【0015】
これらの船舶情報提供プログラム、記憶媒体、船舶情報提供方法、及び船舶情報提供システムによれば、上述の船舶情報提供装置と同様な作用・効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザに提供する船舶情報の価値を高めることができる船舶情報提供装置、船舶情報提供プログラム、記憶媒体、船舶情報提供方法、及び船舶情報提供システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る船舶情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部に格納されるデータテーブルの概念図である。
【
図4】分別された運転情報を海象ランクごとにプロットしたグラフである。
【
図5】分別された運転情報を海象ランクごとにプロットしたグラフである。
【
図6】
図4及び
図5に示される各海象ランクのグラフのプロットに対して第1の近似線を作成し、一つのグラフにまとめたグラフである。
【
図7】
図6に示す第1の近似線に対して作成された第2の近似線を示すグラフである。
【
図8】係数の平滑化を説明するためのグラフである。
【
図9】サーバによって実行される処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。また、各図において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
[船舶情報提供システムの構成]
図1は、本実施形態に係る船舶情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す船舶情報提供システム100は、船舶制御部10を搭載した複数の船舶40と、船舶情報提供装置150を備えるサーバ20と、ユーザ端末30と、管理者端末60と、を備える。
【0020】
〈船舶の構成〉
まず、
図1及び
図2を参照して、船舶40の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る船舶を示す概略図である。
【0021】
図2に示すように、船舶40は、貨物を積載するカーゴオイルタンク51、船舶40を沈下させるためや船舶40の姿勢を調整するためのバラストタンク52、ポンプを配置するポンプルーム54、エンジン等を配置するエンジンルーム55を有している。エンジンルーム55及びポンプルーム54は、後ろから順番に船舶40の後端側に配置されており、ポンプルーム54よりも前方は、略全域がカーゴオイルタンク51及びバラストタンク52で占められている。
【0022】
船舶40は、船舶40に関する各種情報を取得するための構成要素を備えている。具体的には、船舶40は、GPS受信部41と、メインエンジン42と、海象検出部43と、ジャイロスコープ44と、速度計46と、表示部47を備えている。
【0023】
海象検出部43は、船舶40の運転中の海象に関する海象情報を検出する。海象とは、海で生じる現象のうち、船舶40の運転に影響を及ぼし得る因子である。例えば、海象情報として、風速、波の高さ、海流等が挙げられる。海象検出部43は、風速を検出する風速計など、海象を直接又は間接的に検出できるセンサーである。海象検出部43は、取得したデータを船舶制御部10へ送信する。
【0024】
GPS受信部41は、GPS衛星から信号を受信することにより、船舶40の位置(例えば船舶40の緯度及び経度)に関する位置情報を取得する。また、GPS受信部41は、位置情報に基づいて船舶の速度、船首方位などの情報も取得可能である。GPS受信部41は、取得した船舶40の位置情報、及びその他の情報を船舶制御部10へ送信する。
【0025】
メインエンジン42は、船舶40の速度(エンジン回転速度)、出力(kW)、燃料消費率(g/kW/h)等を取得することができる。ジャイロスコープ44及び速度計46は、船舶40の動作状態を取得することができる。メインエンジン42、海象検出部43、ジャイロスコープ44、及び速度計46は、取得した情報を船舶制御部10へ送信する。
【0026】
表示部47は、各種情報を船舶の乗組員に対して出力する。表示部47は、船舶制御部10からの情報を取得し、当該情報を表示する。表示部47は、モニタなどの装置によって構成される。
【0027】
船舶制御部10は、船舶40の制御を行うと共に、サーバ20との通信を行う。船舶制御部10は、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを備え、一般的なコンピュータとして構成されている。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)などの演算器である。メモリは、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。ストレージは、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体である。通信インターフェースは、データ通信を実現する通信機器である。ユーザインターフェースは、液晶やスピーカなどの出力器、及び、キーボードやタッチパネルやマイクなどの入力器である。プロセッサは、メモリ、ストレージ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを統括し、後述する船舶制御部の機能を実現する。船舶制御部10では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。船舶制御部10は、複数のコンピュータから構成されていてもよい。
【0028】
図1に示すように、船舶制御部10は、情報取得部11と、送受信部12と、を備える。
【0029】
情報取得部11は、船舶40内の各種情報を取得する。情報取得部11は、船舶40の運転に関する運転情報、及び船舶40の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する。運転情報とは、船舶40の運転状態を示す各種情報であり、船舶40の速度、メインエンジン42の出力、その他、メインエンジン42の回転数、船舶の位置、針路、舵角、船体動揺、排水量、燃料消費量などの情報である。本実施形態では、情報取得部11は、上述の海象検出部43から海象情報を取得し、GPS受信部41、メインエンジン42、ジャイロスコープ44、速度計46から船舶40の運転情報を取得してよい。その他、情報取得部11は、船舶40内の各種構成要素から、船舶40に関する各種情報を取得する。
【0030】
なお、情報取得部11は、船舶情報を所定の時間間隔で取得する。例えば、情報取得部11は、数分~数時間に一回の頻度で、船舶情報を取得する。この場合、情報取得部11は、取得時間ごとに、運転情報と海象情報を紐付けた状態で取得する。
【0031】
送受信部12は、船舶制御部10とサーバ20との間で各種情報の送受信を行う。送受信部12は、衛星通信を介してサーバ20と各種情報の送受信を行う。本実施形態では、送受信部12は、通信を介して情報取得部11で取得された情報を送信する。送受信部12は、情報取得部11が新たな船舶情報を取得したタイミングで、サーバ20へ情報を送信してよい。あるいは、送受信部12は、情報取得部11で取得された船舶情報がある程度貯まった段階で、サーバ20へ送信してもよい。例えば、送受信部12は、一日のうちの決められた時間帯に、サーバ20へ情報を送信してよい。また、送受信部12は、一時間毎に情報を送信してもよい。ただし、送受信部12の送信タイミングは特に限定されるものではない。また、送受信部12は、自船舶、及び他の複数の船舶の海象と運転状態との関係を示す情報を受信する。
【0032】
ユーザ端末30は、本実施形態に係る船舶情報提供システム100によって提供されるサービスを利用するユーザが有する端末である。ユーザ端末30は、船舶40ではなく、陸上の建屋などに設置されている端末であってよい。ユーザ端末30は、上述した船舶制御部10と同様に、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを備える。プロセッサは、メモリ、ストレージ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを統括し、後述するユーザ端末30の機能を実現する。ユーザ端末30は、複数のコンピュータから構成されていてもよい。
【0033】
ユーザ端末30は、情報取得部31と、表示部32と、情報入力部33と、送受信部34と、を備える。
【0034】
情報取得部31は、サーバ20から通信を介して、サーバ20から提供された表示情報を取得する。情報取得部31は、サーバ20の調整部23で表示態様を調整された運転情報(詳細は後述)を取得する。情報取得部31は、その他の情報についても、通信を介してサーバ20から取得する。
【0035】
表示部32は、情報取得部31で取得した表示情報をユーザに対して出力する。表示部32は、サーバ20の調整部23で表示態様を調整された運転情報を表示する。表示部32は、情報を映し出すモニタなどによって構成されている。情報入力部33は、ユーザの操作に基づいて情報を入力する。
【0036】
送受信部34は、サーバ20との間で各種情報の送受信を行う。送受信部34は、インターネットによる有線・無線通信を介してサーバ20と各種情報の送受信を行う。
【0037】
管理者端末60は、本実施形態に係る船舶情報提供システム100によって提供されるサービスを管理する管理者が有する端末である。管理者端末60は、船舶40ではなく、陸上の建屋などに設置されている端末であってよい。管理者端末60は、情報取得部61と、表示部62と、情報入力部63と、送受信部64と、を備える。これらの構成要素は、ユーザ端末30の情報取得部31と、表示部32と、情報入力部33と、送受信部34と、同趣旨の構成を有する。
【0038】
サーバ20は、上述した船舶制御部10と同様に、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを備える。プロセッサは、メモリ、ストレージ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを統括し、後述するサーバ20の機能を実現する。サーバ20は、複数のコンピュータから構成されていてもよい。サーバ20は、クラウドサーバであってもよい。
【0039】
サーバ20は、情報取得部21と、情報分別部22と、調整部23と、送受信部24と、記憶部26を備える。本実施形態では、サーバ20は、情報取得部21と、情報分別部22と、調整部23と、送受信部24と、を備える船舶情報提供装置150を備える。
【0040】
情報取得部21は、複数の船舶40から通信を介して、船舶40の運転情報及び海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する。情報取得部21は、その他の情報についても、通信を介して複数の船舶40から取得する。情報取得部21は、船舶制御部10の情報取得部11が取得した各種情報を取得することができる。情報取得部21は、各船舶40から船舶情報を取得したら、当該情報を記憶部26へ送信して格納する。記憶部26には、情報取得時間ごとに、運転情報と海象情報とが紐付けられた状態で格納されている。例えば、
図3に示すように、記憶部26には、情報を取得したときの情報取得時間と、当該情報取得時間に紐付けられた「風速」、「(船舶の)速度」、「(メインエンジンの)出力」がデータテーブルに格納されている。
【0041】
なお、情報取得部21は、船舶制御部10から取得した情報を演算処理した状態で取得してもよい。例えば、船舶制御部10からの船舶情報が、短い時間間隔で取得された運転情報及び海象情報を含む場合、データが大きく後の演算処理負荷が大きくなる。従って、情報取得部21は、所定の時間間隔における平均値を船舶情報として取得してよい。例えば、情報取得部21は、風速、船舶40の速度及び出力を取得した場合、20分ごとの風速、速度、出力の平均値を演算して、後の演算に用いてもよい。ただし、当該演算は、船舶制御部10が行ってもよい。
【0042】
情報分別部22は、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する。海象ランクは、船舶40の運転に与える影響の大きさによってランク付けを行ったものである。例えば、海象として「Beaufort風力階級」などを用いることができる。このように海象ランクとして風速を採用する場合、取得した海象情報には風速の大きさの情報が含まれている。従って、情報分別部22は、風速の大きさに対して予め複数段階のランク付けを行うことで、海象ランクを準備しておく。そして、情報分別部22は、記憶部26のデータテーブル内のデータを、海象ランクに分別する。
【0043】
例えば、情報分別部22が、
図3のデータテーブル内の運転情報を分別する場合について説明する。また、海象ランクは、風速の低いものから順に、「海象0~12」という13段階のランクを有するものとする。情報分別部22は、データNo1の風速を参照し、当該風速がどの海象ランクに該当するかを判定する。風速が大きく、「海象8」に属する場合、情報分別部22は、データNo1の速度と出力を「海象8」に分別する。同様に、情報分別部22は、データNo2の風速を参照し、当該風速がどの海象ランクに該当するかを判定する。風速が中間の値であり、「海象4」に属する場合、情報分別部22は、データNo2の速度と出力を「海象4」に分別する。同様に、情報分別部22は、データテーブル内の運転情報を「海象0~12」の何れかの海象ランクに分別する。
【0044】
このように分別された運転情報の例を
図4及び
図5に示す。
図4及び
図5は、運転情報のうちの一方のパラメータを「(船舶の)速度」とし、他方のパラメータを「(メインエンジンの)出力」とした場合に、横軸を速度とし、縦軸を出力として、分別された運転情報を海象ランクごとにプロットしたグラフである。
図4は、「海象1~4」に分別された運転情報のグラフを示し、
図5は、「海象5~8」に分別された運転情報のグラフを示す。なお、各グラフ中において実線で示された曲線は、予め計画された計画出力の曲線である。計画出力とは、対象となる船舶40の諸元や性能などを考慮して算出される、設計上の速度と出力の関係である。
【0045】
調整部23は、情報分別部22によって分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する。すなわち、調整部23は、情報分別部22が海象ランクごとに分別した運転情報を表示部47,32,62で表示させる時に、ユーザが、どの運転情報がどの海象ランクに分別されたかを視覚的に区別できるように、表示情報の調整を行う。
【0046】
調整部23は、海象ランクごとにグラフを準備し、運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係を各グラフにプロットしてよい。具体的には、調整部23は、
図4及び
図5に示すように、海象ランク(海象1~8)ごとに個別にグラフを準備し、当該グラフ内に海象ランクに該当する運転情報をプロットしたものを、表示部47,32,62で表示させてよい。
図4及び
図5の例では、速度を第1のパラメータとし、出力を第2のパラメータとしている。なお、縦軸が速度で、横軸が出力であってもよい。
【0047】
また、調整部23は、運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係をプロットしたグラフに対して第1の近似線を作成してよい。また、調整部23は、海象ランクごとに、第1の近似線を作成してよい。例えば、
図4及び
図5に示すように、各海象ランクにおけるグラフ内には第1のパラメータと第2のパラメータとの関係が多数プロットされる。従って、調整部23は、このような多数のプロットに対して第1の近似線を作成する。調整部23が第1の近似線を作成するとき、どのような近似線の作成方法を採用してもよく、例えば、累乗近似、多項式近似、指数近似、線形近似、対数近似、移動平均など、あらゆる方法を採用してよい。また、多項式近似を採用した場合の次数も特に限定されない。
【0048】
例えば、
図4及び
図5に示される各海象ランクのグラフのプロットに対して第1の近似線を作成し、一つのグラフにまとめたものの例を
図6に示す。なお、
図5(d)に示すように、「海象8」のプロット数は一つであり、近似線を作成することができない。従って、
図6では、海象8に対応する第1の近似線は記載されていない。調整部23は、
図6に示すような、海象ランク(海象1~8)ごとに作成された第1の近似線を、表示部47,32,62で表示させてよい。なお、
図6の第1の近似線を作成するために、以下の式(1)が用いられる。式(1)のうち、「P」は(メインエンジンの)出力を示し、「V」は(船舶の)速度を示している。式(1)の係数(a,b,p)は、海象ランクごとに異なった値が当てはめられる。
P=a+bV
p …(1)
【0049】
ここで、第1の近似線の精度は、各海象ランクのプロット数に依存する。従って、プロット数が他の海象ランクに比して大幅に少ない場合、当該海象ランクに対する第1の近似線の精度が低くなる。例えば、
図6に示すように、プロット数が少ない「海象6,7」に対する第1の近似線は、他の第1の近似線に比べて極端に傾きが小さくなっている。
【0050】
従って、調整部23は、他の海象ランクの第1の近似線との関係に基づいて、第1の近似線を調整することで第2の近似線を海象ランクごとに作成してよい。すなわち、複数の第1の近似線を作成した場合、近似線の形状にはある程度、全体的な傾向が見られる。しかしながら、海象ランクのプロット数が少なすぎる場合は、一部の海象ランクについての第1の近似線が当該傾向から極端にずれる。従って、調整部23は、極端にずれている第1の近似線を調整することで、他の海象ランクの第1の近似線の傾向に合わせる。
【0051】
具体的には、調整部23は、海象ランクごとに作成した第1の近似線の近似式の係数を抽出する。次に、調整部23は、他の海象ランクの係数との関係に基づいて係数を平滑化して調整する。その後、調整部23は、調整された係数を近似式に導入することで第2の近似線を作成する。例えば、上述のように、
図6に示すような第1の近似線を作成した場合、海象ランクごとに(a,b,p)という係数が抽出される。三つの係数のうちの何れか一つを海象1~7について抽出し、
図8(a)に示すようなグラフにプロットする。この場合、プロット数の少ない海象6,7の係数が他の海象ランクの係数に比べて、大きくずれている。従って、調整部23は、海象1~7の係数との関係に基づいて、海象6,7の係数の平滑化を行う。
【0052】
平滑化の方法は特に限定されないが、調整部23は、各海象ランクの係数に対して、フェアリングを行うことによって、各係数を平滑化する。フェアリングの方法は特に限定されないが、例えば、調整部23は、各係数に対して近似線を作成し、当該近似線上の値を調整後の係数として採用してよい。近似線の作成方法は、前述の第1の近似線の作成方法で例示した方法を用いてよい。例えば、調整部23は、以下の数式(2)に示すような二次近似式を用いて、係数をフェアリングしてよい。なお、数式(2)の「Y」には近似対象となる(a,b,p)の何れかの係数が入る。「X」には、海象ランクが入る(例えば、海象6の場合はX=6)。
Y=αX*X+βX+γ …(2)
【0053】
図8(b)に示す例では、調整部23が海象1~7の各係数に基づいて作成した近似線L1を示す。説明のために、
図8(b)では、近似線L1のうち、海象6,7に対応する部分を拡大して概念的に示している。そして、海象6,7に対する係数として、横軸の「6,7」の位置の近似線L1上の値を用いる。
図8(a)では海象6,7の係数は、他の海象の係数から大きくずれていた。これに対し、
図8(b)に示すように、近似線L1の値を海象6,7の新たな係数として採用することで、係数を他の海象の傾向を考慮した値に調整することができる。なお、調整部23は、海象6,7のみならず、他の海象ランクの係数についても、近似線L1上の値を新たな係数としてよい。これにより海象1~7の係数全体を、他の海象の傾向を考慮した値に調整することができる。海象1~7の係数「a」を抽出してフェアリングした後、係数「b」及び係数「p」についても同様にフェアリングを行う。このようにして、調整部23は、海象ランクごとに、平滑化された係数として(a`,b`,p`)を取得する。調整部23は、平滑化された(a`,b`,p`)を前述の数式(1)に代入して第2の近似線を作成する。このようにして得られた第2の近似線を
図7に示す。調整部23は、
図7に示すような、フェアリング後の第2の近似線を表示部47,32,62に表示してよい。
【0054】
送受信部24は、船舶制御部10とサーバ20との間で各種情報の送受信を行う。送受信部24は、衛星通信を介して船舶制御部10と各種情報の送受信を行う。送受信部24は、ユーザ端末30及び管理者端末60とサーバ20との間で各種情報の送受信を行う。送受信部24は、インターネットによる有線・無線通信を介してユーザ端末30及び管理者端末60と各種情報の送受信を行う。本実施形態では、送受信部24は、調整部23で調整された表示情報を送信する。
【0055】
次に、
図9を参照して、サーバ20によって実行される処理内容について説明する。
図9は、サーバ20によって実行される処理内容のフローチャートである。また、以下の処理は、船舶情報提供プログラムが船舶情報提供装置150に実行させる処理である。このような船舶情報提供プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されていてよい。
【0056】
まず、情報取得部21は、複数の船舶40から通信を介して、船舶40の運転に関する運転情報、及び船舶40の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得ステップS10を実行する。
【0057】
情報分別部22は、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する情報分別ステップS20を実行する。次に、調整部23は、情報分別ステップS20で分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整ステップ(S30~S60)を実行する。
【0058】
具体的には、調整部23は、運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係をプロットしたグラフに対して、海象ランクごとに第1の近似線を作成する第1の近似線作成ステップS30を実行する。この場合、調整部23は、
図4及び
図5に示すようなプロットを用いて、
図6に示すような第1の近似線を海象ランクごとに作成する。
【0059】
調整部23は、海象ランクごとに作成した第1の近似線の近似式の係数を抽出する係数抽出ステップS40を実行する。調整部23は、前述の数式(1)で得られる(a,b,p)を海象ランクごとに抽出する。次に、調整部23は、他の海象ランクの係数との関係に基づいて係数を平滑化して調整する平滑化ステップS50を実行する。調整部23は、前述の数式(2)を用いてフェアリングを行うことにより、海象ランクごとの係数(a,b,p)を平滑化する。調整部23は、調整された係数を近似式に導入することで第2の近似線を作成する第2の近似線作成ステップS60を実行する。
【0060】
調整部23が第2の近似線を作成した後、送受信部24は、海象ラングごとに作成された第2の近似線(
図7に示されるようなグラフ)を表示情報として、船舶40、ユーザ端末30、及び管理者端末60に送信する表示情報送信ステップS70を実行する。以上により、
図9に示される処理が終了する。
【0061】
本実施形態に係る船舶情報提供装置150、船舶情報提供プログラム、記憶媒体、船舶情報提供方法、及び船舶情報提供システム100の作用・効果について説明する。
【0062】
この船舶情報提供装置150において、情報分別部22は、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する。従って、情報分別部22は、船舶の運転状態に影響を与える海象を考慮し、且つ、その海象による影響の大きさに基づいてランク付けをした海象ランクを設定した上で、運転情報を海象ラングごとに分別することができる。また、調整部23は、情報分別部によって分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する。これにより、ユーザは、表示された運転情報がどの海象ランクに属するものであるかを容易に理解することができる。すなわち、ユーザは、海象による影響を考慮した上で、船舶の運転状態を確認することができる。以上により、ユーザに提供する船舶情報の価値を高めることができる。
【0063】
船舶情報提供装置150において、調整部23は、運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係をプロットしたグラフに対して近似線を作成し、海象ランクごとに、近似線を作成してよい。これにより、ユーザは、船舶の運転状態を海象ランクごとに把握し易くなる。
【0064】
船舶情報提供装置150において、調整部23は、運転情報の第1のパラメータと第2のパラメータとの関係をプロットしたグラフに対して、海象ランクごとに第1の近似線を作成し、他の海象ランクの第1の近似線との関係に基づいて、第1の近似線を調整することで第2の近似線を海象ランクごとに作成してよい。例えば、ある海象ランクに対するプロット数が少なすぎる場合、第1の近似線が示す情報の精度が低下する(例えば
図6の海象6,7)。これに対し、調整部23は、他の海象ランクの第1の近似線との関係に基づいて、第1の近似線を調整することで第2の近似線を作成する。第2の近似線は、他の海象ランクの近似線も考慮した全体的な傾向を反映した近似線となる。従って、ユーザは、物理的に整合性がとれた、より精度の高い情報を確認することができる。
【0065】
船舶情報提供装置150において、調整部23は、海象ランクごとに作成した第1の近似線の近似式の係数を抽出し、他の海象ランクの係数との関係に基づいて係数を平滑化して調整し、調整された係数を近似式に導入することで第2の近似線を作成してよい。この場合、ユーザは、更に物理的に整合性がとれた精度の高い情報を確認することができる。
【0066】
本実施形態に係る船舶情報提供プログラムは、船舶に関する情報を提供する船舶情報提供プログラムであって、船舶の運転に関する運転情報、及び船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得ステップS10と、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する情報分別ステップS20と、情報分別ステップで分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整ステップ(S30~S60)と、を船舶情報提供装置150に実行させる。
【0067】
本実施形態に係る記憶媒体は、上述の船舶情報提供プログラムを格納した非一時的なコンピュータ読み取り可能である。
【0068】
本実施形態に係る船舶情報提供方法は、船舶に関する情報を提供する船舶情報提供方法であって、船舶の運転に関する運転情報、及び船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報を取得する情報取得ステップS10と、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する情報分別ステップS20と、情報分別ステップで分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整ステップ(S30~S60)と、を備える。
【0069】
本実施形態に係る船舶情報提供システム100は、船舶40に関する情報を提供する船舶情報提供システム100であって、船舶40と、サーバ20と、船舶情報提供装置(演算部)150と、表示部47,32,62と、を備え、船舶40は、当該船舶40の運転に関する運転情報、及び船舶の運転中の海象に関する海象情報を少なくとも含む船舶情報をサーバ20に送信し、サーバ20は船舶から送信された船舶情報を取得及び格納し、船舶情報提供装置150は、サーバ20に格納された船舶情報を取得する情報取得部21と、海象情報に基づいて海象を複数の海象ランクに分け、運転情報を海象ランクごとに分別する情報分別部22と、情報分別部22によって分別された運転情報が海象ランクごとに区別可能に表示されるように、表示態様を調整する調整部23と、を備え、表示部47,32,62は、船舶情報提供装置150の調整部23で表示態様を調整された運転情報を表示する。
【0070】
これらの船舶情報提供プログラム、記憶媒体、船舶情報提供方法、及び船舶情報提供システム100によれば、上述の船舶情報提供装置150と同様な作用・効果を得ることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0071】
例えば、システムからユーザ端末又は管理者端末の少なくとも一方が省略されてもよい。また、上記実施形態では、サーバ20が船舶情報提供装置150として各種演算を行っていた。これに代えて、船舶40、ユーザ端末30、及び管理者端末60の少なくとも一つが、サーバ20の代わりに、又はサーバ20の処理の一部を行ってもよい。この場合、船舶40、ユーザ端末30、及び管理者端末60も船舶情報提供装置に該当する。
【符号の説明】
【0072】
10…船舶制御部、20…サーバ、21…情報取得部、22…情報分別部、23…調整部、24…送受信部、100…船舶情報提供システム、150…船舶情報提供装置(演算部)。