(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】薄肉中空容器の製造方法、薄肉中空容器
(51)【国際特許分類】
B29C 49/04 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
B29C49/04
(21)【出願番号】P 2018109979
(22)【出願日】2018-06-08
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】391007253
【氏名又は名称】大和化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152700
【氏名又は名称】泉谷 透
(74)【代理人】
【識別番号】100152700
【氏名又は名称】泉谷 透
(72)【発明者】
【氏名】平山 雅英
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-278100(JP,A)
【文献】特開2007-296786(JP,A)
【文献】特開2014-201055(JP,A)
【文献】特開平07-088946(JP,A)
【文献】特開2013-203413(JP,A)
【文献】特開2001-150525(JP,A)
【文献】特開平03-178420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/04
B29C 49/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口した
内径が3mm以下、長さ10cm以上の極細の中空管を有する薄肉中空容器のダイレクトブロー成型による製造方法であって、該製造方法は少なくともパリソン押出工程とブロー成型工程とから成り、
前記パリソン押出工程においては、ダイ内に設けたコアを上方に移動させてコアの先端とダイの開口部のダイリングとの隙間の大きさを変化させることにより、押し出される管状のパリソンの厚みを連続的に増加させるとともに、パリソン押出工程を通じてパリソン内部に予備ブローを行
い、
前記ブロー成型工程においては、少なくとも上方に極細の中空管を有する薄肉中空容器に対応するキャビティを有する一対の金型で管状のパリソンを挟んで上端をカッターで切断後、パリソンの内部にノズルピンを挿入して本ブローを行うとともに、本ブローされた空気がキャビティ内でパリソンを膨張させた後に、パリソンとノズルピンとの間隙から金型の外へ排出されること
を特徴とする、薄肉中空容器の製造方法。
【請求項2】
前記金型は略円筒状の中空頭部と
一端が開口した内径が3mm以下、長さ10cm以上の極細の中空管とから成る薄肉中空容器に対応するキャビティを有することを特徴とする、
請求項1に記載の薄肉中空容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂製の薄肉中空容器の製造方法に関し、特に、その全部または一部が極細の中空管である薄肉中空容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスティック等の熱可塑性樹脂製の中空容器の製造方法としては、所謂ブロー成形が広く知られている。ブロー成形には、ダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形、延伸ブロー成形などがあるが、比較的単純な形状の製品の低コストでの大量製造にはダイレクトブロー成形が広く用いられている。ダイレクトブロー成形は、加熱溶融した状態の熱可塑性樹脂をダイと呼ばれる押出機から鉛直下方に向けて管状のパリソン(ホットパリソン)として押し出すパリソン押出工程と、パリソンを一対の合わせ金型で挟んで閉じてから、ノズルを通じてパリソン内に空気を吹き込んで膨らませてパリソンを金型の内面に押しつけた後、金型を開いて固化したパリソンを取り出すブロー成形工程と、パリソンを挟んだ時に生じた不要な部分(バリや捨て袋)を切断除去して最終製品とする後加工工程とから成る。
【0003】
図1は、一般的なダイレクトブロー成形の工程を示す断面図である。まず、パリソン押出工程として、別途加熱して溶融させたパリソンPが押出機Eに送り込まれ(イ)、押出機EがアキュムレーターAにパリソンPを充填し(ロ)、ブランジャーBによってダイD内に送り込まれたパリソンPが、ダイDのダイリングRとコアCの外周との間隙から管状となって下方に押し出される(ハ)。次に、ブロー成形工程として、一対の合わせ金型Mを閉じて押し出された管状のパリソンPを挟み込み(ニ)、コアCからパリソンPの内部に空気を送り込む(ブロー)ことでパリソンPを膨らませて金型Mの内面(キャビティ)に押し付ける。冷却された金型Mに押し付けられたパリソンPは固化して製品の形状に成形される(ホ)。次に、金型を開いて製品を取り出し(ヘ)、その後は必要に応じてバリ取り等の後加工工程に進む。
【文献】一般的なダイレクトブロー成形の工程図(
図1)
【0004】
なお、近年では、ブロー成形工程においてパリソンを挟み込んだ金型を上下あるいは左右に移動させた上で、別途備えたブロー用ノズルでパリソン内に空気を吹き込み成形するシャトル式ブロー成形機が普及している。シャトル式ブロー成形機では金型を移動させてダイ下の空間を空けることにより、ブロー成形工程の終了を待つことなく次のパリソン押出工程を開始できるため、製造効率が向上する。
【0005】
ところで、ダイレクトブロー成形は一般的にボトル型あるいはタンク型の中空容器の製造に用いられるが、極細の中空管の成形には困難があった。従来からダイレクトブロー成形では、パリソン押出工程において管状のパリソンが溶融状態で鉛直下方に押し出される際に、自重により垂れ下がる「ドローダウン」を生じ、肉厚が不均一となる偏肉が問題となっていた。この問題に対して、偏肉しにくい樹脂特性(メルトテンションや伸長粘度)を有する材料を適用する等の対策が講じられ、内部が十分に大きな中空容器であれば、問題が生じない程度に偏肉を抑制可能となっている。
【0006】
それでも、たとえば内径が3mm以下の極細の中空管を成形しようとする場合、僅かでもドローダウンが生じると管内に閉塞が生じる場合がある。また、前述のシャトル式ブロー成形機では、固化する前のパリソンに対して金型の移動によるモーメントが作用することで、やはり管内に閉塞が生じるおそれがある。そのため、中空間の長さが短い場合は問題ないとしても、長さが10cmを超えるような長い中空管を有する構造の容器をダイレクトブロー成形で製造することは極めて困難とされてきた。
【0007】
図2は、嚥下訓練用アイススティックと呼ばれる製品の斜視図であり、
図3はその軸線に沿った断面略図である。これは高齢者等の摂食嚥下障害患者のリハビリテーションに用いられる用具で、中空頭部Hに同軸に中空管Sを設けたポリエチレン製の中空体の内部に水を充填して冷蔵庫で凍結させ、中空管Sを持って中空頭部Hで口腔内を刺激して(アイスマッサージ)嚥下障害の改善を図る。従来、医療機関等において割り箸の先にカット綿を巻き、水を含ませて冷やしたアイスマッサージ棒を手作りしていたところ、かかる作業による看護士等の負担軽減のために開発されたものである。
【0008】
かかるアイススティックは、衛生上の観点から使い捨てで使用されるものであり、低コスト化の要請が大きい。また、アイススティックは、万一にも使用中に口腔内で中空頭部が脱落して使用者が誤飲した場合には窒息の危険があるため、中空頭部と中空管は必ず一体成形する必要があるため、ダイレクトブロー成形での製造が望まれる。しかし、中空管は全長14~15cm、内径3mmと極細であるため、前述の通り、従来のダイレクトブロー成形で製造した場合、中空管内での閉塞の発生が問題となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる問題を解決し、極細の中空管を有する薄肉中空容器をダイレクトブロー成形で製造可能とする製造方法を提供することを課題とする。そのために、請求項1に記載した発明は、一端が開口した内径が3mm以下、長さ10cm以上の極細の中空管を有する薄肉中空容器のダイレクトブロー成型による製造方法であって、該製造方法は少なくともパリソン押出工程とブロー成型工程とから成り、
前記パリソン押出工程においては、ダイ内に設けたコアを上方に移動させてコアの先端とダイの開口部のダイリングとの隙間の大きさを変化させることにより、押し出される管状のパリソンの厚みを連続的に増加させるとともに、パリソン押出工程を通じてパリソン内部に予備ブローを行い、
前記ブロー成型工程においては、少なくとも上方に極細の中空管を有する薄肉中空容器に対応するキャビティを有する一対の金型で管状のパリソンを挟んで上端をカッターで切断後、パリソンの内部にノズルピンを挿入して本ブローを行うとともに、本ブローされた空気がキャビティ内でパリソンを膨張させた後に、パリソンとノズルピンとの間隙から金型の外へ排出されること
を特徴とする。
【0010】
本発明において用いるダイレクトブロー成形機は、前述のシャトル式ブロー成形機が好適であるが、必ずしもこれに限られない。一方、使用する金型は、製品である一端が開口した極細の中空管を有する薄肉中空容器の中空管部分が上方に位置する形状のキャビティを有し、金型を閉じた状態において中空管の断面が閉じた金型の上面に開口する形状とするが、やはりこれに限られず、最終製品として長い極細中空管を有する薄肉中空容器の全般に適用可能である。ブロー成形工程においては、金型がパリソンを挟み込んだ後に、別途ダイレクトブロー成形機に設けたカッターにより金型の上方でパリソンを切断する。次に、金型をたとえば水平方向に移動させ、別途ダイレクトブロー成形機に設けた通気可能なノズルピンを金型上部に露出したパリソンの開口部に挿入して空気を吹き込む本ブローを行い、金型内でパリソンを膨張させる。
【0011】
近年普及しているダイレクトブロー成形機においては、ダイリングとコアの外周との間隙から管状となって下方に押し出されるパリソンの肉厚を制御する手段として「パリソンコントロール(通称「パリコン」)」と呼ばれる機構が知られている。パリソンコントロールは、パリソンの押し出し中にコアの位置を上下させてコアの先端部とダイリングの外周との間隙を変化させることにより押し出すパリソンの量を調整して肉厚を制御するものであり、部位により肉厚が異なる最終製品をブロー成形する場合に用いられる。本発明において用いるダイレクトブロー成形機は、パリソンコントロールを備えたものとする。
【0012】
前述のとおり、内径が3mm以下の極細の中空管のブロー成形においては、中空管の肉厚を薄くする必要がある上に、ドローダウンや金型移動がパリソンに及ぼすモーメントによる管内の閉塞が問題となる。そこで、請求項1に係る発明では、パリソン押出工程中にパリソンコントロールによりダイ内に設けたコアを上方に移動させ、コアの先端とダイの開口部のダイリングとの間隙を徐々に大きくすることにより、押し出される管状のパリソンの肉厚を連続的に増加させる。この際、パリソンの押出量は、ドローダウンによる肉厚の増加を勘案して、押出開始時において最も少なく、押出終了時において所定の肉厚となる量となるように連続的に変化させる。これにより、次のブロー成形工程において本ブローを開始する時点で金型の極細中空管においてパリソンの肉厚を均一にでき、管内の閉塞を防止できる。
【0013】
しかし、中空管の内径が極めて小さい場合には、前記のパリソンの肉厚の制御を行ってもなお、管内の閉塞が生じるおそれがある。そこで、請求項1に係る発明では、さらにパリソン押出工程を通じてコアノズルを通じて少量の空気を吹き込む予備ブローを行う構成とする。パリソンは管状に押し出されるため、予備ブローの空気は押出中のパリソンの内部を通過して下端から排出され続けるため、パリソンの内部での閉塞が防がれる。
【0014】
また、前記ブロー成形工程においては、少なくとも上方に極細の中空管を有する薄肉中空容器に対応するキャビティを有する一対の金型で管状のパリソンを挟んで上端をカッターで切断後、パリソンの内部にノズルピンを挿入して本ブローを行う。なお、ノズルピンの直径は、中空管部分のキャビティ内における管状のパリソンの内径よりも小さいものとする。
【0015】
管状のパリソンが金型に挟まれることで、パリソンの下端部分は閉塞されて盲管となり、キャビティから下のパリソンは金型によって圧縮されてバリとなる。一方、パリソンの下端部分が閉塞されることにより予備ブローの送気がキャビティ内に侵入できなくなるため、金型の上方のパリソンが瞬間的に膨張する。そして、カッタ―がパリソンを膨らんだ箇所で切断することで、その切断面は閉塞することなく管状の開口部となり、金型の水平移動により前記ノズルピンの直下に開口部が移動する。
【0016】
次に、前記ノズルピンを下降させて開口部からパリソン内に挿入し、本ブローを行う。前述のとおりノズルピンの外径は中空管部分のキャビティ内における管状のパリソンの内径よりも小さいため、ノズルピンはパリソンの内面に接触することなくパリソン内に挿入可能である。ここでノズルピンの先端から空気を吹き込んで本ブローを行うと、空気はパリソンを下部から上部へと順に膨張させてキャビティの内面に押し付けてゆき、最後に開口部から排出される。本ブロー中はパリソンとノズルピンの間は空気が流れる状態となり、その間に金型と空気により冷却されたパリソンが固化するため、ノズルピンにパリソンが固着することはない。その後、ノズルピンを上昇させて金型から抜去し、金型を開けば、成形された薄肉中空容器が取り出し可能となり、バリ取り等の後加工工程に進む。
【0017】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の薄肉中空容器の製造方法であって、前記金型は略円筒状の中空頭部と一端が開口した内径が3mm以下、長さ10cm以上の極細の中空管とから成る薄肉中空容器に対応するキャビティを有することを特徴とする。かかる形状のキャビティを有する金型を用いることで、前述の嚥下訓練用アイススティックの製造が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る薄肉中空容器の製造方法によれば、従来のダイレクトブロー成形では内部に閉塞が生じるおそれがあるために困難であった全長10cm以上かつ内径3mm以下の極細の中空管をその全部または一部に有する熱可塑性樹脂製の薄肉中空容器をダイレクトブロー成型により製造可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図4から
図7は、本発明の一実施形態に係る薄肉中空容器の製造方法におけるパリソン押出工程を示す断面略図である。また、
図8から
図10は、同ブロー成形工程を示す断面略図である。なお、図中のダイレクトブロー成型機は本発明に関連する部分のみの簡略化して図示しており、その他の押出機、アキュムレーター、ブランジャー等の構成は省略している。また、金型に関連する部分の図は縦方向の長さの一部を大幅に省略して図示している。
【0020】
パリソン押出工程においては、まず、
図4に示す通り、アキュムレーターからパリソンPがダイD内に送り込まれる。ダイDは内部が空洞となっており、下面にダイリングRを設けた開口部を有し、空洞内に軸線方向に昇降可能なコアCを設けている。コアCは軸線上に貫通孔を備えている。ダイDの内壁とコアCの外側面との間には隙間を設けており、ダイD内に送り込まれたパリソンPは隙間に沿ってダイD内を降下し、コアCの下端とダイリングRとの隙間から管状に押し出される。押し出された管状のパリソンpは、ダイDの下方に設置された一対の金型Mの間に降下していく。金型Mは、その内面に上方に極細の中空管を有する薄肉中空容器に対応するキャビティを設けている。また、パリソン押出工程の間、コアCの貫通孔を通じて管状のパリソンpの内部に空気を送り込む予備ブローを行う。
【0021】
次に、
図5に示す通り、管状のパリソンpの降下に応じてコアCをダイD内で上昇させると、コアCの先端とダイリングRとの隙間が徐々に拡大し、管状のパリソンpの厚みを連続的に増加させる。なお、コアCを上昇させる速度や上昇の幅は、ダイレクトブロー成型機に装備したパリソンンコントロール(図示せず)により、パリソンPの粘度等の物性に応じて適宜制御するものとする。これにより、管状のパリソンpは下端から上端に向けて徐々に肉厚が増加することになり、ドローダウンによる肉厚の増加が相殺されて管状のパリソンpの肉厚が均等化される。
【0022】
次に、
図6に示す通り、管状のパリソンpの先端が所定の長さまで降下した時点で、金型Mを閉じる。この際、金型Mの下部は閉塞されているので、管状のパリソンpの下端部分は閉塞されて盲管となる。また、金型Mより下の管状のパリソンpは切断されて落下し、キャビティから下で金型Mに挟まれた管状のパリソンpは圧縮されてバリとなる。なお、前述の通り、パリソン押出工程全般を通じて予備ブローを行っており、管状のパリソンp内には常時空気が流れているため、金型Mが閉じられた際にも、極細の中空管部分のキャビティの中において管状のパリソンpの内部は空洞が保たれ、閉塞が起こることが防がれる。
【0023】
一方、管状のパリソンpの下端部分が閉塞されて盲管となることにより、予備ブローによる送気が行き場をなくし、金型の上方の管状のパリソンpが瞬間的に膨張して「捨て袋」となる。ここで、
図7に示す通り、ダイDと金型Mの間に側方からカッターBを差し込んで前記捨て袋部分で管状のパリソンpを切断する。これにより、切断面は閉塞することなく金型Mの上部で管状の開口部となる。この後、ブロー成形工程に移る。
【0024】
ブロー成形工程では、
図8に示す通り、金型MはダイDの下から水平移動させられ、管状のパリソンpの開口部がブロー用のノズルピンNの直下に来るようにセットされる。次に、ノズルピンNを降下させて開口部から管状のパリソンp内に挿入し、先端を金型Mの下方の略円筒状の頭部に対応するキャビティ内の位置まで侵入させるとともに、ノズルピンNを通じて空気を吹き込む本ブローを行う。この際、ノズルピンNの直径は中空管部分のキャビティ内における管状のパリソンpの内径よりも小さいため、ノズルピンNが管状のパリソンpに接触することはない。本ブローにより、管状のパリソンpは金型M内で膨らんでキャビティの内面に押し付けられ、冷却されて固化する。また、本ブローの空気は管状のノズルピンNとパリソンpとの隙間を通って上方の開口部から排出される。
【0025】
最後に、
図10に示す通り、ノズルピンNを上方に移動させて金型M内から抜去して金型Mを開くと、略円筒状の中空頭部と極細の中空管とから成る薄肉中空容器が得られる。その後、薄肉中空容器は、パリソンを挟んだ時に生じた不要な部分(バリや捨て袋)を切断除去する後加工工程に回されて最終製品となる。
【0026】
なお、本実施形態では、略円筒状の中空頭部と全長14~15cmの極細の中空管とから成る前記嚥下訓練用のアイススティックのための薄肉中空容器を最終製品として想定し、金型Mのキャビティをそれに対応する形状としているが、最終製品はこれに限られず、長い極細中空管を有するものであれば、その他の形状の薄肉中空容器であってもよい。
【0027】
以上、本発明に係る薄肉中空容器の製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において改良又は変更が可能であり、それらは本発明の技術的範囲に属するものである。なお、実施形態に係る製造方法ではシャトル式ブロー成形機を想定しているが、たとえば固定式のダイレクトブロー成型機において、コアの貫通孔内に昇降可能なノズルピンを装備し、該ノズルピンを通じて予備ブローと本ブローの両方を行える構成とすることで、管状のパリソンpを金型Mで挟んで上部を切断した後、金型Mの位置はそのままでブロー成形工程を開始することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係る薄肉中空容器の製造方法によれば、極細の中空管を有する薄肉中空容器をダイレクトブロー成形により効率的に製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一般的なダイレクトブロー成形の工程を示す断面図
【符号の説明】
【0030】
A アキュムレーター
B ブランジャー
C コア
c カッター
D ダイ
E 押出機
N ノズルピン
P パリソン
p 管状のパリソン
R ダイリング
H 中空頭部
M 金型
S 中空管