(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】ラベルセット
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20220509BHJP
G09F 3/02 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
G09F3/00 D
G09F3/02 M
G09F3/00 S
G09F3/00 M
(21)【出願番号】P 2018183882
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】今村 崇樹
(72)【発明者】
【氏名】福本 浩
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 悟
(72)【発明者】
【氏名】菊地 俊
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-003035(JP,A)
【文献】登録実用新案第3072705(JP,U)
【文献】特開2002-062813(JP,A)
【文献】特開2014-164209(JP,A)
【文献】特開2002-023636(JP,A)
【文献】特開2015-187664(JP,A)
【文献】特開2004-136475(JP,A)
【文献】特開2016-137595(JP,A)
【文献】米国特許第05702789(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00
G09F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の複合ラベルからなるラベルセットであって、
前記複数枚の複合ラベルの各々は、剥離可能に裏面側から積層された第1ラベルと第2ラベルを含み、
前記第1ラベルの裏面には粘着剤層が形成され、
前記第2ラベルは、一部を囲むように切り込まれている切込部を有し、前記第2ラベルの表面のうち前記切込部に囲まれた部分にはオブジェクトが印刷され、
前記複数枚の複合ラベルの各々に印刷されているオブジェクトが互いに関連し、
前記複合ラベルは多角形形状であって、
前記複合ラベルのいずれかの頂点である第1頂点において、前記第2ラベルは、第1ラベルの表面が露出するように切欠部を有し、
前記第1頂点からの前記切込部までの距離は、前記複合ラベルの前記第1頂点以外のいずれの頂点からの前記切込部までの距離よりも短い、
ラベルセット。
【請求項2】
複数枚の複合ラベルからなるラベルセットであって、
前記複数枚の複合ラベルの各々は、剥離可能に裏面側から積層された第1ラベルと第2ラベルを含み、
前記第1ラベルの裏面には粘着剤層が形成され、
前記第2ラベルは、一部を囲むように切り込まれている切込部を有し、前記第2ラベルの表面のうち前記切込部に囲まれた部分にはオブジェクトが印刷され、
前記複数枚の複合ラベルの各々に印刷されているオブジェクトが互いに関連し、
前記第2ラベルの裏面には、前記切込部に囲まれた部分の粘着力が前記切込部に囲まれていない部分の粘着力よりも小さくなるように、粘着剤層が形成されている、
ラベルセット。
【請求項3】
複数枚の複合ラベルからなるラベルセットであって、
前記複数枚の複合ラベルの各々は、剥離可能に裏面側から積層された第1ラベルと第2ラベルを含み、
前記第1ラベルの裏面には粘着剤層が形成され、
前記第2ラベルは、一部を囲むように切り込まれている切込部を有し、前記第2ラベルの表面のうち前記切込部に囲まれた部分にはオブジェクトが印刷され、
前記複数枚の複合ラベルの各々に印刷されているオブジェクトが互いに関連し、
前記第2ラベルの裏面には、前記第2ラベルの周縁の一部である第1部分の粘着力が、前記
第2ラベルの他の部分の粘着力よりも大きくなるように、粘着剤層が形成され、
前記第1ラベルの表面と、前記第2ラベルの裏面とには、一体的な情報が印刷されている、
ラベルセット。
【請求項4】
複数枚の複合ラベルからなるラベルセットであって、
前記複数枚の複合ラベルの各々は、剥離可能に裏面側から積層された第1ラベルと第2ラベルを含み、
前記第1ラベルの裏面には粘着剤層が形成され、
前記第2ラベルは、一部を囲むように切り込まれている切込部を有し、前記第2ラベルの表面のうち前記切込部に囲まれた部分にはオブジェクトが印刷され、
前記複数枚の複合ラベルの各々に印刷されているオブジェクトが互いに関連し、
前記複数枚の複合ラベルの各々は、前記第1ラベルと前記第2ラベルの間に介在し、前記第1ラベルおよび前記第2ラベルに対して剥離可能に接着されている第3ラベルをさらに含み、
前記第3ラベルの表面および裏面のいずれか一方の面には、剥離剤層が形成されている、
ラベルセット。
【請求項5】
前記第1ラベルの表面には、前記オブジェクトと関連する画像が印刷されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載されたラベルセット。
【請求項6】
前記第2ラベルの表面には、二次元コードが印刷されており、
前記二次元コードには、前記オブジェクトに関連する情報が含まれる、
請求項1から
4のいずれか1項に記載されたラベルセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルセット関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビン等の商品である被貼付物に貼り付けるラベルの表面には、当該商品に関する情報が印刷される。かかるラベルとして、2枚以上のラベルを積層した複合ラベルが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、商品である被貼付物に貼り付けられているラベルは専ら被貼付物に関する情報の表示の目的にのみ使用され、基本的に使い捨てであった。しかし、昨今、ラベルには情報の表示の目的だけではなく、ラベルが貼り付けられた商品の販売促進に寄与する付加価値が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、消費者による被貼付物の購買意欲を高めることを可能とするラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、複数枚の複合ラベルからなるラベルセットであって、前記複数枚の複合ラベルの各々は、剥離可能に裏面側から積層された第1ラベルと第2ラベルを含み、前記第1ラベルの裏面には粘着剤層が形成され、前記第2ラベルは、一部を囲むように切り込まれている切込部を有し、前記第2ラベルの表面のうち前記切込部に囲まれた部分にはオブジェクトが印刷され、前記複数枚の複合ラベルの各々に印刷されているオブジェクトが互いに関連している。前記複合ラベルは多角形形状であって、前記複合ラベルのいずれかの頂点である第1頂点において、前記第2ラベルは、第1ラベルの表面が露出するように切欠部を有し、前記第1頂点からの前記切込部までの距離は、前記複合ラベルの前記第1頂点以外のいずれの頂点からの前記切込部までの距離よりも短い。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、消費者による被貼付物の購買意欲を高めることを可能とするラベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態のラベルセットを構成する複数の複合ラベルの平面図である。
【
図2】実施形態の複合ラベルが貼り付けられた被貼付物の斜視図である。
【
図4】実施形態の複合ラベルの使用方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において「オブジェクト」は、例えば、絵や図像等のイラストレーション(以下、「イラスト」と略記する。)、図柄、写真、文字、記号、マーク等であり、視覚的に認識可能である限り如何なる表示対象をも含む。
本発明において「オブジェクトが互いに関連する」とは、オブジェクト同士の表示形態が類似し、若しくは関連性があること、表示形態が同一であって異なる色、若しくは模様が付されていること等に限られず、オブジェクト同士が共通の事項、若しくは共通の主題を想起させる等の、観念上関連性があることをも意味する。
【0010】
以下、本発明のラベルセットの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
以下、本実施形態のラベルセット1について、
図1~
図3を参照して説明する。
本実施形態のラベルセット1は、複数の複合ラベルを備える。
図1は、本実施形態のラベルセットを構成する複数の複合ラベルの平面図である。
図2は、本実施形態のラベルセットに含まれる複合ラベルが貼り付けられた被貼付物2の斜視図である。
図3は、実施形態の複合ラベルの断面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のラベルセット1は、複数の複合ラベル10A~10Dを備える。本実施形態の例では、複合ラベル10A~10Dはそれぞれ矩形形状をなしている。
図1に示す例では、ラベルセット1は4個の複合ラベルによって構成されているが、その限りではない。ラベルセット1に含まれる複合ラベルの数は2以上の任意の数でよい。
図2は、ラベルセット1のうち複合ラベル10Aが、被貼付物2の表面2Sに貼り付けられた状態を示している。本実施形態の例では、被貼付物2は、飲料用ビン(桃ジュース用のビン)である。
【0013】
図2に例示するように、ラベルセット1を構成する複合ラベル10A~10Dは、それぞれ、被貼付物2に貼り付けられて取引される。すなわち、被貼付物2として、複合ラベル10A~10Dのうちいずれかの複合ラベルが取り付けられた4種類のものが市場で販売される。
なお、以下の説明では、複合ラベル10A~10Dに対して共通の事項を言及するときには、総称して「複合ラベル10」と表記する。
【0014】
図1に示すように、複合ラベル10A~10Dの表面(おもて面)には、被貼付物2の内容物を示すテキスト情報101(
図1の例では、「桃ジュース」等のテキスト情報)とともに、それぞれイラスト102a~102d(オブジェクトの一例)が印刷されている。
複合ラベル10A~10Dはすべて同じ被貼付物2に貼り付けられるため、被貼付物2の内容物を示すテキスト情報101はすべての複合ラベルで同一である。それに対して、イラスト102a~102dはすべて異なるが、互いに関連している。すなわち、本実施形態の例では、被貼付物2は桃ジュース用のビンであり、日本のおとぎ話の一つである「桃太郎」にちなんで、イラスト102a~102dがそれぞれ、「桃太郎」に登場する桃太郎、犬、猿、キジのイラストであるという点で、互いに関連している。
以下の説明では、イラスト102a~102dに対して共通の事項を言及するときには、総称して「イラスト102」と表記する。
【0015】
複合ラベル10は、2枚のラベルが積層された構造を有する。すなわち、
図3に示すように、複合ラベル10は、第1ラベル11と第2ラベル12が裏面側から積層された構造となっている。第1ラベル11および第2ラベル12は、剥離可能に接着されている。
第1ラベル11の裏面11Rは、被貼付物2bの表面2Sに貼り付けられる面である。第1ラベル11の表面(おもて面)11Fは、第2ラベル12の裏面12Rと接着されている。第2ラベル12の表面(おもて面)11Fは、テキスト情報101およびイラスト102が印刷されている面である。後述するが、第1ラベル11の表面11Fにも情報が印刷されている。
【0016】
図3に示すように、第1ラベル11は、基材シート111と、基材シート111の裏面に形成されて被貼付物2に貼付するための強粘着剤層112と、基材シート111の表面に順に形成された印刷層113および剥離剤層114と、を備える。
第2ラベル12は、基材シート121と、基材シート121の裏面に形成されて剥離・再貼着可能な弱粘着剤層122と、基材シート121の表面に形成された印刷層123と、を備える。
【0017】
基材シート111,121の種類や材質は特に限定されるものではないが、例えば、上質紙、コート紙、アート紙のような紙基材、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)を素材として合成樹脂フィルムである。その他、前記の合成樹脂フィルムを複数種類組み合わせたシート、合成樹脂フィルムと紙とを合わせた複合シート、あるいは、感熱紙(サーマル紙)でもよい。
基材シート111,121の厚さは特に限定されないが、例えば10~200μmである。
【0018】
強粘着剤層112および弱粘着剤層122に含まれる粘着剤は、例えば、エマルジョン系(粘着剤を水に分散したもの)、ソルベント系(粘着剤を溶剤に溶解したもの)、ホットメルト系(熱可塑性を利用したもの)等である。材質としては、合成ゴム系や天然ゴム系、アクリル樹脂系、ポリビニルエーテル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系等の粘着剤が挙げられる。
粘着剤層の厚さは特に限定されないが、例えば10~25μmである。
強粘着剤層112は、JIS Z1538及びZ0237により規定されているステンレス試験板に対する180°引きはがし粘着力が、5880mN/25mm幅、以上あるものであることが好ましい。
【0019】
印刷層113,123は、それぞれ、基材シート111,121上に情報が印刷されて形成される。印刷層123に印刷されている情報は、
図1に示したように、テキスト情報101とイラスト102である。
印刷層113に印刷されている情報は、イラスト102に関連するテキスト情報やイラスト、図柄等である。なお、印刷層113に印刷されている情報は、複合ラベル10A~10Dにおいて同一であってもよいし、異なっていてもよい。複合ラベル10A~10Dにおいて印刷層113に印刷されている情報が異なる場合には、それぞれの情報が関連していることが好ましく、本実施形態の例では、それぞれ「桃太郎」に関連する情報である。複合ラベル10A~10Dの印刷層113に印刷されている情報は、それぞれイラスト102a~102dに関連する情報であってもよい。
【0020】
剥離剤層114に含まれる剥離剤として、例えば、シリコーン系剥離剤を挙げることができる。このほか、PE、PP、ポリブチレン等のオレフィン系重合体または共重合体樹脂、PS、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、セルロール樹脂等の熱可塑性樹脂、およびこれらの混合物およびポリウレタン等の熱硬化性樹脂からなる群から適宜選択して用いることができる。剥離剤の厚さは特に限定されないが、例えば0.1~5μmmである。
第1ラベル11の剥離剤層114と第2ラベル12の弱粘着剤層122が弱接着力で「仮着」することで、第1ラベル11と第2ラベル12とが接着している。
【0021】
図3に示すように、第2ラベル12は、一部を囲むように切り込まれている切込部CLを有する。第2ラベル12の表面12F側の印刷層123には、切込部CLに囲まれた部分にイラスト102が印刷されている。
切込部CLは、複合ラベル10の第2ラベル12の表面12F側から切込部CLの形状に合わせたカッターを所定の押圧力で押し当てることで、第2ラベル12にのみ形成される。
【0022】
図1を再度参照すると、矩形形状の複合ラベル10の四隅(4頂点)のいずれかの隅(第1頂点の一例)において、第2ラベル12には切欠部105が形成されている。すなわち、切欠部105においては、第2ラベル12が切断されており、第2ラベル12よりも下側にある第1ラベル11が露出した状態となっている。切欠部105において消費者が第2ラベル12を爪で引っ掛けることで第2ラベル12を第1ラベル11から剥がすことが容易になる。
【0023】
切欠部105が形成された隅からの切込部CLまでの距離が、切欠部105が形成された隅以外のいずれの隅からの切込部CLまでの距離よりも短くなるように、切込部CLが形成される隅が四隅の中から選択されていることが好ましい。切込部CLが切欠部105から離れている場合には、消費者が切欠部105から第2ラベル12を剥がす途中で、剥がれた第2ラベル12の部分が破損する可能性がある。それに対して、切込部CLが切欠部105に近い場合には、消費者が切欠部105から第2ラベル12を剥がす途中で第2ラベル12の破損が生じ難くなる。
【0024】
切込部CLの位置は、複合ラベル10の周縁から極力離間していることが好ましい。切込部CLが複合ラベル10の周縁に近過ぎると、第2ラベル12を剥がすときに第2ラベル12の周縁に近い細い部分が破損し易くなる。
【0025】
次に、本実施形態の複合ラベル10の使用方法について、
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態の複合ラベル10の使用方法を説明する図であり、第2ラベル12を途中まで剥がした状態を示している。
図4では、説明のために例示的な複合ラベル10Aが平面形態で示されているが、複合ラベル10Aの第1ラベル11は強粘着剤層112によって被貼付物2の湾曲した表面2Sに貼り付いている。そのため、切欠部105から第2ラベル12を手前に指で引っ張ることで、
図4に示すように第2ラベル12を剥がすことができる。
このとき、第2ラベル12の切込部CLによって囲まれた部分(イラスト102が表示された部分;以下、「イラスト部分」という。)は、第1ラベル11の表面11Fに残存する。
【0026】
第2ラベル12を剥がすことによって露出した第1ラベルの表面11Fには、イラスト102に関連する情報(
図4に例示する複合ラベル10Aの場合には、情報103a)が表示されている。情報103aには、本実施形態の例では「桃太郎」に関連した情報である。そのため、第1ラベル11の表面11Fに残存したイラスト102aと相俟って、被貼付物2の消費者に、第2ラベル12の表面12Fとは別の、「桃太郎」に関連した視覚効果を与えることができる。
【0027】
消費者は、イラスト部分を第1ラベル11から剥がして、コレクションとして収集することができる。本実施形態のラベルセット1に含まれる複合ラベル10A~10Dにはそれぞれ異なるイラストが表示されている。そのため、消費者には複合ラベル10A~10Dの異なるイラスト部分をすべて収集したいと心理が生じ、異なる複合ラベルが貼付された被貼付物2を購入する動機付けが働く。その結果、本実施形態のラベルセット1によれば、消費者による被貼付物2の購買意欲を高めることが可能となる。
【0028】
第2ラベル12の弱粘着剤層122は、切込部CLに囲まれたイラスト部分の粘着力が切込部CLに囲まれていない部分の粘着力よりも小さくなるように構成されていることが好ましい。イラスト部分の粘着力を小さくすることで、イラスト部分を剥離・再貼付可能とする回数を多くすることができる。
【0029】
以下、本実施形態のラベルセット1の変形例について説明する。
第1の変形例では、第2ラベル12の弱粘着剤層122は、第2ラベル12の周縁の一部(「第1部分」という。)の粘着力が、第2ラベル12の他の部分の粘着力よりも大きくなるように形成されてもよい。例えば、第2ラベル12の四辺のいずれかの辺に対応する端部を第1部分とした場合、当該第1部分の粘着力を他の部分の粘着力よりも大きくする。その場合、第1ラベル11の表面11Fと、第2ラベル12の裏面12Rとには、一体的な情報が印刷されていることが好ましい。つまり、第2ラベル12において粘着力の大きい端部(第1部分)まで第2ラベル12を剥がした状態で、当該端部を中心に、第1ラベル11と第2ラベルとで見開き状態の一体的な情報を表出させる。それによって、より多くのまとまった情報を消費者に視認させることができる。
【0030】
第2の変形例では、複合ラベル10の第1ラベル11と第2ラベル12の間には、別のラベルを介在させてもよい。その場合、第1ラベル11と第2ラベル12の間に介在させる第3ラベルは、基材シートと、基材シートの表面に形成した剥離剤層と、基材シートの裏面に形成した弱粘着剤層と、を備えた構造とすることができる。第3ラベルの弱粘着剤層が第1ラベルの剥離剤層114と仮着し、第3ラベルの剥離剤層が第2ラベルの弱粘着剤層122と仮着することで、第1ラベル、第3ラベル、第2ラベルがこの順に積層される。
この変形例では、第3ラベルを第1ラベル11および第2ラベル12から剥がすことで、消費者が第3ラベルの表面に複数のイラスト部分を貼り付けることができる。つまり、第3ラベルがイラスト部分のコレクションシートとして機能する。
【0031】
第3の変形例では、各複合ラベルの第2ラベル12の表面12Fには、対応するイラスト102に関連する情報を含む二次元コードが印刷されていてもよい。例えば、二次元コードの読み取り機能を備えたスマートフォンによって二次元コードを読み取ることで、スマートフォンが、二次元コードを解析してイラスト102に関連する情報を表示部に表示してもよい。それによって消費者は、イラスト102に関連する付加的な情報を得ることができる。
スマートフォンが二次元コードを読み取った場合、消費者をログイン用ウェブページに誘導し、当該ウェブページ上で消費者が収集したイラスト102を表示させるように構成してもよい。
【0032】
以上、本発明のラベルセットの実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、複合ラベルの形態を矩形形状としたが、その限りではない。複合ラベルの形状として、多角形形状、円形、楕円形等、任意の形状を採ることができる。
上述した実施形態の形態において、複合ラベルに含まれる各ラベルには、その全面において粘着剤層および/または剥離剤層を形成する場合に限られない。粘着剤層および/または剥離剤層は、各ラベルの表面または裏面の一部に形成してもよい。
なお、上述した実施形態では、第1ラベル11の表面11Fに情報を印刷する場合について説明したが、その限りではない。第1ラベル11の表面11Fに情報を印刷しなくてもよく、その場合でも、イラスト部分を収集したいという消費者心理が働き、消費者による被貼付物2の購買意欲を高めることができる。
【符号の説明】
【0033】
1…ラベルセット
2…被貼付物
2S…表面
10(10A~10D)…複合ラベル
101…テキスト情報
102a,102b,102c,102d…イラスト
105…切欠部
11…第1ラベル
11F…表面
11R…裏面
111…基材シート
112…強粘着剤層
113…印刷層
114…剥離剤層
12…第2ラベル
12F…表面
12R…裏面
121…基材シート
122…弱粘着剤層
123…印刷層
CL…切込部