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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】シート型伝熱器および熱処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20220509BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20220509BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220509BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20220509BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220509BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220509BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/6567
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/625
H05K7/20 P
B32B15/08 E
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018198566
(22)【出願日】2018-10-22
(65)【公開番号】P2020068066
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501428187
【氏名又は名称】昭和電工パッケージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】南谷 広治
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-157756(JP,A)
【文献】特開2014-82069(JP,A)
【文献】特開2015-53261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60-10/667
H05K 7/20
B32B 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層の少なくとも片面側に樹脂層が設けられた外包ラミネート材が扁平な袋状に形成された外包袋を備え、前記外包袋内に流入された熱媒体が前記外包袋内を通って前記外包袋の外部に流出するようにしたシート型伝熱器であって、
前記外包袋における厚さ方向に対向する一対の外包ラミネート材間に、その一対の外包ラミネート材の間隔を保持するための付勢手段が設けられていることを特徴とするシート型伝熱器。
【請求項2】
前記外包袋における厚さ方向に対し直交する方向を平面方向として、
前記付勢手段が前記外包袋内において平面方向に分散して複数設けられている請求項1に記載のシート型伝熱器。
【請求項3】
対向する一対の前記外包ラミネート材のうち少なくともいずれか一方の外包ラミネート材に、前記付勢手段が固定されている請求項1または2に記載のシート型伝熱器。
【請求項4】
対向する一対の前記外包ラミネート材の双方に前記付勢手段が固定されている請求項1~3のいずれか1項に記載のシート型伝熱器。
【請求項5】
前記樹脂層は前記外包ラミネート材の内面側に設けられた内面側樹脂層を含み、その内面側樹脂層が熱融着性樹脂によって構成される一方、
前記付勢手段における少なくとも前記外包ラミネート材と接触する部分が熱融着性樹脂によって構成され、
前記外包ラミネート材の熱融着樹脂と前記付勢手段の熱融着性樹脂とが熱融着されることによって前記付勢手段が前記外包ラミネート材に固定されている請求項3または4に記載のシート型伝熱器。
【請求項6】
前記外包袋がその内部を流通する熱媒体の圧力によって厚さ方向に膨張収縮変形するように構成される一方、
熱媒体が前記外包袋内を流通しない非作動状態での前記外包袋の厚さに対し、熱媒体が前記外包袋内を流通している作動状態での前記外包袋の厚さが、500%未満に設定されている請求項1~5のいずれか1項に記載のシート型伝熱器。
【請求項7】
前記樹脂層は前記外包ラミネート材の外面側に設けられた外面側樹脂層を含む請求項1~6のいずれか1項に記載のシート型伝熱器。
【請求項8】
前記外包材内における前記付勢手段が設けられていない部分に伝熱フィンが設けられている請求項1~7のいずれか1項に記載のシート型伝熱器。
【請求項9】
熱処理対象部材を冷却または加熱するようにした熱処理システムであって、
請求項1~8のいずれか1項に記載のシート型伝熱器を備え、
前記熱処理対象部材が前記シート型伝熱器の外包ラミネート材に接触または接触可能な状態に配置されていることを特徴とする熱処理システム。
【請求項10】
熱処理対象部材を冷却または加熱するようにした熱処理システムであって、
請求項4に記載のシート型伝熱器を備え、
前記外包袋がその内部を流通する熱媒体の圧力によって厚さ方向に膨張収縮変形するように構成され、
その外包袋の膨張収縮変形によって、前記外包ラミネート材が前記熱処理対象部材に対し接離するように構成されていることを特徴とする熱処理システム。
【請求項11】
前記熱処理対象部材は、複数の単電池を備えた電池パックによって構成されている請求項9または10に記載の熱処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属層に樹脂層が積層されたラミネート材を外包袋としてその内部に熱媒体を流通させて熱処理対象部材の冷却や加熱を行うようにしたシート型伝熱器およびそれを用いた熱処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等においては、電動機を駆動するための電力を供給する電池パック(バッテリー装置)が搭載されている。このような自動車用の電池パックとしては、リチウム二次電池等の各種の二次電池からなる複数個の小型単電池(セル)が直列または並列に多数接続されて組電池(電池モジュール)の形態としたものが一般に用いられている。自動車用電池パックとしてのリチウムイオン電池は、性能や寿命を十分に確保するには適度な温度域で使用することが望まれる。
【0003】
このような状況下にあって、自動車用の電池パックは、充電と放電とが繰り返されるために大きな発熱を伴うのでその場合冷却が必要となることがある一方、寒冷地でも使用されるのでその場合には加熱が必要となることもある。このため従来の電池パックにおいて、冷却/加熱用に水冷式や空冷式の伝熱器が組み込まれたものが周知である。この電池パックの伝熱器の一例として、熱媒体が流通する扁平な金属製等の伝熱チューブが採用されており、その伝熱チューブに電池パックの各単電池が接触するように配置されており、伝熱チューブ内を流通する熱媒体を介して、各単電池が冷却または加熱されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第38039040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の自動車用電池パックは一般に、小型単電池を直列または並列に多数接続された電池モジュールの形態に形成されおり、このような電池パックにおいては、各単電池の寸法に誤差があるとともに、各電池が充放電によって膨張伸縮するため、多数の単電池のサイズにバラツキが発生する。このような電池パックの熱処理システムにおいては、各単電池のサイズにバラツキがあるため、伝熱チューブが、多数の単電池全てに均等に密着させることが困難であり、伝熱チューブと一部の単電池との間に隙間や接触不良が生じてしまい、その一部の単電池に対し十分に冷却または加熱することができず、効率良く熱交換することができないという課題があった。
【0006】
一方、伝熱チューブと各単電池との間に上記特許文献1に示すような熱伝導材料(サーマルインターフェースマテリアル)を充填して熱交換効率を向上させる技術も提案されているが、熱伝導材料を使用する分、コストの増大を来すばかりか、未だ十分な熱交換効率を得ることが困難であるというのが現状である。
【0007】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、複数の単電池を備えた電池パック等の熱処理対象部材に隙間なく密着させることができて、十分な熱交換効率を得ることができるシート型伝熱器および熱処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
【0009】
[1]金属層の少なくとも片面側に樹脂層が設けられた外包ラミネート材が扁平な袋状に形成された外包袋を備え、前記外包袋内に流入された熱媒体が前記外包袋内を通って前記外包袋の外部に流出するようにしたシート型伝熱器であって、
前記外包袋における厚さ方向に対向する一対の外包ラミネート材間に、その一対の外包ラミネート材の間隔を保持するための付勢手段が設けられていることを特徴とするシート型伝熱器。
【0010】
[2]前記外包袋における厚さ方向に対し直交する方向を平面方向として、
前記付勢手段が前記外包袋内において平面方向に分散して複数設けられている前項1に記載のシート型伝熱器。
【0011】
[3]対向する一対の前記外包ラミネート材のうち少なくともいずれか一方の外包ラミネート材に、前記付勢手段が固定されている前項1または2に記載のシート型伝熱器。
【0012】
[4]対向する一対の前記外包ラミネート材の双方に前記付勢手段が固定されている前項1~3のいずれか1項に記載のシート型伝熱器。
【0013】
[5]前記樹脂層は前記外包ラミネート材の内面側に設けられた内面側樹脂層を含み、その内面側樹脂層が熱融着性樹脂によって構成される一方、
前記付勢手段における少なくとも前記外包ラミネート材と接触する部分が熱融着性樹脂によって構成され、
前記外包ラミネート材の熱融着樹脂と前記付勢手段の熱融着性樹脂とが熱融着されることによって前記付勢手段が前記外包ラミネート材に固定されている前項3または4に記載のシート型伝熱器。
【0014】
[6]前記外包袋がその内部を流通する熱媒体の圧力によって厚さ方向に膨張収縮変形するように構成される一方、
熱媒体が前記外包袋内を流通しない非作動状態での前記外包袋の厚さに対し、熱媒体が前記外包袋内を流通している作動状態での前記外包袋の厚さが、500%未満に設定されている前項1~5のいずれか1項に記載のシート型伝熱器。
【0015】
[7]前記樹脂層は前記外包ラミネート材の外面側に設けられた外面側樹脂層を含む前項1~6のいずれか1項に記載のシート型伝熱器。
【0016】
[8]前記外包材内における前記付勢手段が設けられていない部分に伝熱フィンが設けられている前項1~7のいずれか1項に記載のシート型伝熱器。
【0017】
[9]熱処理対象部材を冷却または加熱するようにした熱処理システムであって、
前項1~8のいずれか1項に記載のシート型伝熱器を備え、
前記熱処理対象部材が前記シート型伝熱器の外包ラミネート材に接触または接触可能な状態に配置されていることを特徴とする熱処理システム。
【0018】
[10]熱処理対象部材を冷却または加熱するようにした熱処理システムであって、
前項4に記載のシート型伝熱器を備え、
前記外包袋がその内部を流通する熱媒体の圧力によって厚さ方向に膨張収縮変形するように構成され、
その外包袋の膨張収縮変形によって、前記外包ラミネート材が前記熱処理対象部材に対し接離するように構成されていることを特徴とする熱処理システム。
【0019】
[11]前記熱処理対象部材は、複数の単電池を備えた電池パックによって構成されている前項9または10に記載の熱処理システム。
【発明の効果】
【0020】
発明[1]のシート型伝熱器によれば、付勢手段の付勢力によって外包ラミネート材を熱処理対象部材に確実に密着させることができるため、熱処理対象部材と外包袋内の熱媒体との間の伝熱性を十分に向上させることができ、効率良く熱交換することができる。
【0021】
発明[2]のシート型伝熱器によれば、外包袋内に複数の付勢手段が分散して配置されているため、外包ラミネート材のほぼ全域において熱処理対象部材に密着させることができ、一層効率良く熱交換することができる。
【0022】
発明[3]のシート型伝熱器によれば、付勢手段が外包ラミネート材に固定されているため、付勢手段の位置ずれを防止できて、付勢手段が偏った状態に配置されるのが防止でき、外包ラミネート材を熱処理対象部材に対しより安定した状態に密着させることができる。
【0023】
発明[4]のシート型伝熱器によれば、付勢手段が、熱媒体の流通により外包袋の膨張変形時にはその膨張を抑制するように付勢するとともに、熱媒体の流通停止により外包袋の収縮変形時には外包袋の厚さを確保するように作用するため、膨張時と収縮時との間の外包袋の弾性変形量を小さくでき、外包袋の外包ラミネート材が必要以上に伸縮するのを抑制できて、外包ラミネート材へのストレスを軽減することができる。このため短期間のうちに外包ラミネート材の伸びが戻らなくなり、外包ラミネート材20に有害なたるみ等の塑性変形や疲労破壊が生じるような不具合を確実に防止でき、耐久性も十分に向上させることができる。
【0024】
発明[5]のシート型伝熱器によれば、付勢手段を外包ラミネート材に対し熱融着によって確実に固定することができる。
【0025】
発明[6]のシート型伝熱器によれば、外包袋の膨張収縮による弾性変形量を所定の範囲内に調整できるため、外包ラミネート材に有害なたるみ等の塑性変形や疲労破壊が生じるような不具合をより確実に防止でき、耐久性をより一層向上させることができる。
【0026】
発明[7]のシート型伝熱器によれば、外包ラミネート材の外面側に外面側樹脂層が設けられているため、その外面側樹脂層が保護層として機能し、十分な耐食性を得ることができ、ひいては耐久性をさらに向上させることができる。
【0027】
発明[8]のシート型伝熱器によれば、外包袋内に伝熱フィンが配置されているため、伝熱性をより一層向上させることができる。
【0028】
発明[9]の熱処理システムによれば、上記発明のシート型伝熱器が採用されているため、上記と同様に効率良く熱交換することができる。
【0029】
発明[10]の熱処理システムによれば、外包袋の膨張収縮変形によって、外包ラミネート材が熱処理対象部材に対し接離するように構成しているため、熱処理対象部材に対する熱供給時には外包ラミネート材が熱処理対象部材に密着する一方、熱供給停止時には離間することになる。このため、熱処理対象部材に対する熱の供給/遮断の切替を遅延なく適切に行うことができ、より一層熱交換効率を向上させることができる。
【0030】
発明[11]の熱処理システムによれば、電池パックを適切に冷却または加熱できるようにした電力供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A図1Aはこの発明の第1実施形態である自動車用電池パックの熱処理システムにおいて非作動状態の側面断面図である。
図1B図1Bは第1実施形態である自動車用電池パックの熱処理システムにおいて作動状態の側面断面図である。
図2図2は第1実施形態の自動車用電池パックの熱処理システムに適用されたシート型伝熱器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)の2B-2B線断面図、図(c)は図(a)の2C-2C線断面図である。
図3図3は第1実施形態のシート型伝熱器に適用された付勢手段(ばね部)を示す図であって、図(a)は正面図、図(b)は平面図である。
図4図4はこの発明の第2実施形態である自動車用電池パックの熱処理システムに適用されたシート型伝熱器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)の4B-4B線断面図である。
図5図5は第2実施形態のシート型伝熱器に適用された付勢手段(ばね部)を示す図であって、図(a)は正面図、図(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施形態>
図1Aおよび図1Bはこの発明の第1実施形態であるシート型伝熱器が適用された自動車用電池パックの熱処理システムを示す側面断面図、図2はその自動車用電池パックの熱処理システムにおけるシート型伝熱器1を示す図である。
【0033】
これらの図に示すように、この自動車用電池パックの熱処理システムは、複数の小型単電池51が並列に配置された組電池によって構成された電池パック(電池モジュール)5と、その電池パック5の各単電池51を冷却または加熱するためのシート型伝熱器1とを備えている。
【0034】
シート型伝熱器1は、扁平な袋状の外包袋2と、外包袋2の内部に配置された付勢手段としての複数の付勢手段としてのばね部3とを備えている。外包袋2は、平面視矩形状に形成されており、2枚(一対)の外包ラミネート材20,20がその外周縁部が熱接着(熱融着)によって接合一体化されることにより形成されている。
【0035】
また外包袋2の長さ方向(図2の左右方向)の両端部には、バルブ等とも称される出入口パイプ11,11が設けられている。この出入口パイプ11,11は硬質合成樹脂によって構成されており、外包袋2を構成する2枚の外包ラミネート材20,20の両端部間に挟み込まれた状態で、出入口パイプ11,11の外周面と各外包ラミネート材20,20の内面とが熱接着(熱融着)されることによって、両出入口パイプ11,11が外包袋2に気密および水密を確保しつつ貫通した状態に取り付けられている。なお出入口パイプ11は、外包袋2との接着性を向上させるために、後述する外包袋2の内面側樹脂層23を構成する樹脂と同種の樹脂によって構成するのが好ましい。
【0036】
外包袋2の内部の空間部は、熱媒体流路25として構成されている。そして、2つの出入口パイプ11,11のうち、一方の出入口パイプ11から熱媒体、例えば冷却用の冷水等の冷媒や、加熱用の温水等の熱媒が外包袋2内の熱媒体流路25に流入され、その流入された熱媒体が熱媒体流路25を通って他方の出入口パイプ11から外包袋2の外部に流出されるように構成されている。
【0037】
本第1実施形態において外包ラミネート材20は、柔軟性~可撓性を有するラミネートシートによって構成されている。ラミネートシートは、金属箔製の金属層21と、その金属層21の外面側に接着剤を介して積層された樹脂フィルム~樹脂シート製の外面側樹脂層22と、金属層21の内面側に接着剤を介して積層された樹脂フィルム~樹脂シート製の内面側樹脂層23とを備えている。なお本実施形態において、「箔」という用語は、フィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
【0038】
金属層21としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、メッキ加工した銅箔、ニッケル箔と銅箔とがクラッドされたニッケル・銅クラッドメタルの中から選択されたものを好適に用いることができる。なお本実施形態において、「銅」「アルミニウム」「ニッケル」という用語は、それらの合金も含む意味で用いられている。
【0039】
金属層21は、伝熱層や集熱層とも称されるものであり、厚みが8μm~300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。
【0040】
外面側樹脂層22を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、延伸ナイロン、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)の中から選択される樹脂を好適に用いることができる。
【0041】
外面側樹脂層22は、絶縁層、被覆層とも称されるものであり、厚みが1μm~100μmのものを用いるのが良く、より好ましくは30μm以下のものを用いるのが良い。
【0042】
内面側樹脂層23を構成する樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(無延伸ポリプロピレン(CPP))等のポリオレフィン系樹脂、その変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の熱融着性の樹脂フィルムや樹脂塗工膜を好適に用いることができる。
【0043】
内面側樹脂層23は、熱融着性樹脂層とも称されるものであり、厚みが20μm~5000μmのものを用いるのが良く、より好ましくは1000μm以下のものを用いるのが良い。
【0044】
図2および図3に示すように外包袋2の内部に配置されるばね部3は、コイルばね(コイルスプリング)によって構成されるばね本体31と、ばね本体31の両端に固定される平面視円板状の取付板35,35とを備えている。
【0045】
ばね本体31を構成するコイルばねの材質としては、特に限定されるものではなく、一般的な鉄鋼等やリン青鋼等の金属の他に、ゴムやプラスチック等の非金属を用いるようにしても良い。
【0046】
取付板35の一面(内面側)には、中央部が膨出するようにばね本体取付凸部36が一体に形成されている。このばね本体取付凸部36をばね本体35の両端部に嵌め込んだ状態で、取付板35,35がばね本体31の両端部に固定されている。
【0047】
取付板35の材質としては、熱融着性の樹脂を用いるのが良く、より好ましくは外装ラミネート材20の内面側樹脂層23と同種の樹脂を用いるのが好ましい。すなわちこのような樹脂を用いることによって、後述するようにばね部3の取付板35を外装ラミネート材20の内面側樹脂層23に熱融着する際に、その融着を確実に行うことができるからである。もっとも本発明においては、ばね部3を外装ラミネート材20に接着剤を用いて接着しても良く、さらに本発明においては、後述の説明から理解できるようにばね部3を外装ラミネート材20に必ずしも固定する必要がないため、取付板35等、ばね部3における外装ラミネート材20と接触する部分の材質は、特に限定されるものではない。
【0048】
このばね部3が外包袋2の内部に複数配置されて、各ばね部3の両端、つまり取付板35が熱融着によって外装ラミネート材20の内面側樹脂層23に接着固定される。
【0049】
ここで本第1実施形態において、外包袋2の厚さ方向に直交する方向(図2(a)の上下左右方向)を平面方向としたとき、複数のばね部3は、外包袋2の内部において千鳥状に配置されることにより、平面方向に分散した状態に配置されている。
【0050】
なお図示は省略するが、外包袋2の内部には、ばね部3が配置されていない部分に伝熱フィンが設けられている。伝熱フィンとしては、その材質は特に限定されるものではないが、より伝熱性を確保するには、金属製や金属ラミネート製のものを用いるのが好ましい。金属製の伝熱フィンを用いる場合には外包袋2の外包ラミネート材20における金属層21に、アーク溶接や高周波シール等によって接合一体化するようにすれば良い。なお伝熱フィンは、一対の外包ラミネート材20,20のうちいずれか一方に固定するものである。
【0051】
本第1実施形態において、シート型伝熱器1は以上の構成を備えており、2本の出入口パイプ11のいずれか一方の出入口パイプ11に外管として熱媒体流入管が連結固定されるとともに、他方の出入口パイプ11に外管として熱媒体流出管が連結固定される。
【0052】
そして冷媒流入管から一方の出入口パイプ11を介して外包袋2内に熱媒体が流入されると、その熱媒体が外包袋2内の熱媒体流路25を通って他方の出入口パイプ11を介して冷媒流出管に流出される。こうして外包袋2(熱媒体流路25)内に熱媒体を循環させた状態、つまり作動状態では図1Bに示すように、熱媒体流路25内を流通する熱媒体の水圧(流体圧)が上昇することにより、外包袋2が厚さ方向に拡大して、一対の外包ラミネート材20,20が離間するように膨張変形する。この膨張変形時には、ばね部3が伸長して伸長状態となるため、その弾性復元力によって引張力が作用して、膨張変形が抑制されて過度に膨張しないようになっている。
【0053】
また外包袋2内への熱媒体の流入を停止した状態、つまり非作動状態では図1Aに示すように、外包袋2内の流体圧が低下することにより、外包袋2が厚さ方向に縮小して、一対の外包ラミネート材20,20が接近するように収縮変形する。この収縮変形時には、ばね部3が自然状態~少し圧縮した状態となり一対の外包ラミネート材20,20間のスペーサとして機能し、その間の間隔が保持されて、外包袋2が所定の厚さに保持される。なお非作動状態で外包袋2が収縮変形した状態であっても、ばね部3は圧縮変形可能な状態となっており、外力等によってばね部3を圧縮変形させつつ、外包袋2をさらに収縮変形させることは可能である。
【0054】
以上の構成のシート型伝熱器1における外包袋2の外包ラミネート材20の外面に、電池パック5の複数の単電池51の各端面が対向するように、電池パック5にシート型伝熱器1が組み込まれることにより本第1実施形態の熱処理システムが形成されている。この熱処理システムでは図1Aに示すように、外包袋2が収縮している非作動状態において、各単電池51と、外包ラミネート材20の外面との間に隙間Sが形成されている。
【0055】
以上のように構成された本第1実施形態の自動車用電池パックの熱処理システムにおいて、電池パック5の各単電池51を冷却または加熱する場合、シート型伝熱器1を作動させて、冷却用または加熱用の熱媒体を外包袋2内に循環させる。これにより図1Bに示すように、外包袋2が膨張するため、外包ラミネート材20が全ての単電池51に隙間なく密着する。こうして各単電池51は、それに密着した外包ラミネート材20を介して、循環する熱媒体によって冷却または加熱される。
【0056】
この熱処理システムによれば、外包袋2を膨張させて外包ラミネート材20を各単電池51に密着させるようにしているため、寸法誤差や充放電の繰り返しにより、各単電池51のサイズにバラツキが生じたとしても、外包ラミネート材20を全ての単電池51に隙間なく密着させることができる。その上さらにばね部3の復元力によって、膨張変形する外包袋2を収縮方向に付勢するようにしているため、外包ラミネート材20の平面方向全域において偏りなく均等に膨張するようになり、外包ラミネート材20の一部、例えば中央部のみが他の部分よりも異常に膨張する等の不具合を防止でき、この点からも、外包ラミネート材20を全ての単電池51に隙間なく密着させることができる。このようにシート型伝熱器1を全ての単電池51に隙間なく均等に密着させることができるため、各単電池51および熱媒体間の伝熱性を十分に向上させることができ、効率良く熱交換することができる。
【0057】
また本第1実施形態の熱処理システムにおいては、ばね部3が外包袋2の膨張変形時には膨張を抑制するように付勢するとともに、収縮変形時には外包袋2の厚さを確保するように作用するため、膨張時と収縮時との間の外包袋2の弾性変形量を小さくでき、外包袋2の外包ラミネート材20が必要以上に伸縮するのを抑制できて、ラミネート材20へのストレスも軽減することができる。このため短期間のうちに外包ラミネート材20の伸びが戻らなくなり、外包ラミネート材20に有害なたるみ等の塑性変形や、疲労破壊が生じるような不具合を確実に防止でき、耐久性も十分に向上させることができる。
【0058】
また本第1実施形態の熱処理システムにおいては、熱媒体を流入している作動時にはシート型伝熱器1の外包ラミネート材20が各単電池51に密着して熱が供給される一方、熱媒体の流入を停止している非作動時には外包ラミネート材20が各単電池51から離間して熱の供給が遮断されるようにしているため、熱媒体の流入を停止すると直ちに、供給が遮断されるとともに、熱媒体の流入を開始すると直ちに、熱の供給が開始される。従って、熱の供給/遮断の切替を遅延なく適切に行うことができ、複雑かつ微妙な温度制御も可能となるため、単電池51等の熱処理対象部材の温度管理をより一層適確に行うことができ、より一層熱交換効率を向上させることができる。
【0059】
また本第1実施形態の熱処理システムにおいては、ばね部3を外包袋2に融着固定しているため、ばね部3が位置ずれするような不具合も防止でき、製品価値を一層向上させることができる。
【0060】
ここで本実施形態では、シート型伝熱器1において非作動時の外包袋2の厚さに対し、作動時の外包袋2の厚さを500%未満に設定するのが良く、より好ましくは150%以下に設定するのが良い。すなわち外包袋2の厚さを上記の範囲に設定する場合には、電池パック5の各単電池51のサイズにバラツキがあったとしても、外包袋2の外包ラミネート材20を各単電池51により一層確実に密着させることができつつも、外包材2の膨張範囲を制限することができるため、外包ラミネート材20に有害なたるみ等の塑性変形や疲労破壊が生じるような不具合をより確実に防止で、耐久性をより一層向上させることができる。
【0061】
<第2実施形態>
図4はこの発明の第2実施形態である自動車用電池パックの熱処理システムに適用されたシート型伝熱器1を示す図、図5はその第2実施形態のシート型伝熱器1に適用されたばね部3を示す図である。
【0062】
両図に示すようにこの第2実施形態においてはシート型伝熱器1に適用される付勢手段としてのばね部3が、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂の一体成形品によって構成されている。このばね部3は、複数の板ばね32が上下に積み重ねるように配置された状態で一体成形されたばね本体31と、ばね本体31の両端に一体成形された取付板35,35とを備えている。このばね部3においては、上記と同様な理由、つまり外包ラミネート材20の内面側樹脂層23との熱融着性を考慮して、内面側樹脂層23の樹脂と同種の樹脂によって構成するのが好ましい。
【0063】
このばね部3が、外包袋2の内部に、長さ方向(図4(a)の左右方向)および幅方向(同図の上下方向)にそれぞれ適宜間隔をおいて複数並んで分散して配置された状態で、各ばね部3の両端部における取付板35,35が一対の外包ラミネート材20の内面側樹脂層23にそれぞれ熱融着によって固定されている。
【0064】
このシート型伝熱器1が上記第1実施形態と同様に自動車用電池パック5に組み付けられて、本第2実施形態の自動車用電池パックの熱処理システムが形成されている。
【0065】
この第2実施形態の自動車用電池パックの熱処理システムにおいて、他の構成は上記第1実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
【0066】
この第2実施形態の自動車用電池パックの熱処理システムにおいても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0067】
<変形例>
上記実施形態では、非作動状態においてシート型伝熱器1と電池パック5の単電池51との間に隙間Sを設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、非作動状態であっても外包ラミネート材20と単電池51とを接触させて配置するようにしても良い。この場合、付勢手段としてのばね部3の圧縮に対する反発復元力、つまり伸長する方向への付勢力によって、外包ラミネート材20を全ての単電池51に隙間なく確実に密着させることができる。このため、上記と同様に、各単電池51および熱媒体間の伝熱性を十分に向上させることができ、効率良く熱交換することができる。
【0068】
さらにこのように非作動状態において、ばね部3の付勢力によって外包ラミネート材20を各単電池51に弾性密着させる場合には、ばね部3を外包ラミネート材20に必ずしも接着等により固定する必要がなく、ばね部3を外包ラミネート材20に対し非固定状態(非接着状態)としておいても、ばね部3の付勢力によって外包ラミネート材20を各単電池51に確実に密着させることができる。従って本発明においては、ばね部3の両端部のうち、一端部だけを一方の外包ラミネート材20に固定し、かつ他端部を他方の外包ラミネート材20に対し非固定状態としても良いし、ばね部3の両端部を一対の外包ラミネート材20,20に対し共に非固定状態としても良い。
【0069】
もっとも外包袋2が膨張した際のばね部3による引張力を作用させたり、ばね部3の位置決めを行う場合には、上記実施形態のようにばね部3をラミネート材20に融着等によって固定するのが好ましい。
【0070】
また上記実施形態においては、ばね部3のばね本体31として、コイルばねや板ばねを用いる場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明において、ばね本体31は、どのような構成でも良い。上記以外の構成としては例えば、形状が異なる渦巻ばねや形状や材質が異なる合成ゴムやシリコンゴム等を挙げることができる。
【0071】
また、上記実施形態においては付勢手段としてのばね部3が、ばね本体31とその両端部に固定された取付板35,35とによって構成されているが、それだけに限られず、本発明において付勢手段は、取付板を必ずしも必要とするものではなく、ばね本体のみで構成するようにしても良い。
【0072】
また上記実施形態においては、外包袋3を2枚のラミネート材20,20によって形成する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては例えば、1枚のラミネート材を2つ折りに折り重ねて、重なり合ったラミネート材(一対のラミネート材)のうち、折り返し部を除く外周縁部を熱融着等によって接着することにより、袋状の外包袋を形成するようにしても良い。従って本発明においては、外包袋を1枚のラミネート材によって構成しても良い。さらに言うまでもなく、本発明において外包袋を3枚以上のラミネート材によって構成するようにしても良い。
【0073】
また上記実施形態においては、ばね部3における取付板35を外包ラミネート材20の内面側樹脂層23と同種の樹脂材料によって構成するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、付勢手段の少なくとも外包ラミネート材20の内面側樹脂層23と接触する部分を、内面側樹脂層23と同種の樹脂材料によって構成すれば、付勢手段を外包ラミネート材に接着することによって確実に固定することができる。
【0074】
また上記実施形態においては、本発明のシート型伝熱器(熱処理システム)を自動車用電池パック回りの熱対策として用いる場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、熱対策を行う熱処理対象部材は限定されるものではない。上記自動車用電池パック以外の熱処理対象部材としては、例えば自動車の電動機、産業機械、家電、情報端末等の電力駆動機器の主電力を制御するための電力用半導体素子(パワーモジュール)回り、パーソナルコンピュータのCPU(中央演算処理装置)回り、家庭用または業務用蓄電池回り、パーソナルコンピュータの電池パック(電池モジュール)回り、液晶テレビ、有機ELテレビ、プラズマテレビのディスプレイ回りの熱対策や、床暖房設備、寒冷地域での屋根、通路、道路等の融雪設備としても用いることもできる。
【0075】
<実施例>
図2に示すシート型伝熱器1に準拠して、以下のように実施例のシート型伝熱器1を製作した。
【0076】
(1)外包ラミネート材(基材)20として、100μm厚のアルミニウム箔(金属層21)の一面(外面)に接着剤を介して12μm厚のPET製の外面側樹脂層22が積層され、金属層21の他面(内面)に接着剤を介して40μm厚のLLDPE製の内面側樹脂層23が積層されたシート材(PET12/接着剤/AL100/接着剤/LLDPE40)を、縦169mm×横119mmでコーナーR4の金型を用いて深さ3mmにエンボス成形したラミネートシートを2枚準備した。
【0077】
(2)ばね部(付勢手段)3の取付板35として、直径15mmに打ち抜いた厚さ1mmの架橋ポリエチレン製の取付板基材において、厚さ方向に0.5mmから上部の位置を直径10mmに加工してばね本体取付凸部36を形成した取付板35を複数個準備した。またばね本体31として、線径φ0.2mm、巻き部外径12mm、高さ4mmのステンレス製コイルばねを複数個準備した。そしてそのばね本体31の両端に、取付板35をそのばね本体取付凸部35を利用して固定することにより、高さ6mmのばね部(スプリング部)3を複数個準備した。
【0078】
上記(1)で製作した2枚の外包ラミネート材20,20のうち、一方の外包ラミネート材20における内面側樹脂層23の四隅および中央部周辺の4箇所に、上記(2)で製作したばね部3を配置するとともに、縦方向両端(長さ方向両端)に、内径φ8mmの架橋ポリエチレン製の出入口パイプ(バルブ)11,11を設置した状態で、その一方の外包ラミネート材20の上に、他方の外包ラミネート材20を重ね合わせて、シール金型を用いて出入口パイプ11,11を含む、両外装ラミネート材20,20の外周縁部を熱融着して固定すると同時に、各ばね部3の取付板35,35と両外装ラミネート材20,20の内面側樹脂層23,23との間を熱融着して固定し、実施例のシート型伝熱器1を製作した。なお熱融着時の熱シールは、温度200℃、圧力0.2MPaで3秒間行った。
【0079】
【表1】
【0080】
上記実施例のシート型伝熱器1に対し、外包ラミネート材20,20の変形量に関する試験を実施した。すなわち、実施例のシート型伝熱器1の一方側の出入口パイプ11から水を水圧0.2MPaで外包袋2内に流入させて、他方側の出入口パイプ11から流出させる通水処理を3分間保持した後、水圧を0MPaまで戻すという操作を1サイクルの膨張収縮処理として、そのサイクルを50回繰り返し行った。そして膨張収縮処理を所定の回数行った段階で、シート型伝熱器1における最も変形量が大きかった中央部の外包ラミネート材20の厚みを測定した。
【0081】
その結果を表1に示す。表1から明らかなように、水圧をかけて外包ラミネート材20が膨張した状態でのシート厚みと、水圧を取り除いて外包ラミネート材20が収縮した状態でのシート厚みとのいずれの厚みにおいても、膨張収縮処理の回数にかかわらず、変形量はほぼ一定で変化がほとんど認められなかった。従って、実施例のシート型伝熱器1においては、長期間の使用により膨張収縮が繰り返されたとしても、外包ラミネート材20にたるみ等の有害な塑性変形や疲労破壊が生じることがなく、十分な耐久性を備えているのが判る。
【産業上の利用可能性】
【0082】
この発明のシート型伝熱器は、自動車用の電池パックを冷却または加熱するための自動車用電池パックの熱処理システムとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0083】
1:シート型伝熱器
2:外包袋
20:外包ラミネート材
21:金属層
22:外面側樹脂層(樹脂層)
23:内面側樹脂層(樹脂層)
3:ばね部(付勢手段)
5:電池パック(電池モジュール)
S:隙間
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5