IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -連続トウ処理用のゲートバルブ 図1
  • -連続トウ処理用のゲートバルブ 図2A
  • -連続トウ処理用のゲートバルブ 図2B
  • -連続トウ処理用のゲートバルブ 図3A
  • -連続トウ処理用のゲートバルブ 図3B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】連続トウ処理用のゲートバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 51/02 20060101AFI20220509BHJP
   F16K 7/10 20060101ALI20220509BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20220509BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
F16K51/02 Z
F16K7/10
H01L21/68 A
H01L21/02 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018563048
(86)(22)【出願日】2017-06-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 US2017035735
(87)【国際公開番号】W WO2017210590
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-05-26
(31)【優先権主張番号】62/344,970
(32)【優先日】2016-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユドフスキー, ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】イシカワ, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】テッシュ, トラヴィス
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-197487(JP,A)
【文献】特開平09-195055(JP,A)
【文献】特開平09-307128(JP,A)
【文献】特表2009-535514(JP,A)
【文献】特開2009-030754(JP,A)
【文献】特開2000-065249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 51/02
F16K 7/10
H01L 21/677
H01L 21/02
C23C 16/44 - 16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続基板を処理するためのゲートバルブであって、
本体、
前記本体の内部に配置され、閉位置と開位置との間で動くように構成された複数のシール、
前記複数のシールのうちの隣接するシール同士の間に配置され、前記複数のシール及び前記本体によって画定された複数の空間であって、最内側の空間と、前記最内側の空間の一方の側に配置された第1の他の空間と、前記最内側の空間の他方の側に配置された第2の他の空間とを少なくとも含む、複数の空間、
前記本体の第1の側部を通して配置され、前記最内側の空間に流体連通されたガス注入口、及び
前記第1の側部の反対側の前記本体の第2の側部を通して配置され、前記第1の他の空間ならびに前記第2の他の空間に流体連通されたガス排出口
を備えているゲートバルブ。
【請求項2】
前記複数のシールが、4つのシールである、請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項3】
前記複数のシールが、ゴム製の袋体を含む、請求項1または2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記複数のシールが、それぞれ、傾斜した可動密封部材によって選択的に密封され得る開口を有する、傾斜が付けられた壁を備えている、請求項1または2に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記ガス注入口内に配置された第1のバルブをさらに備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記ガス注入口に連通されたパージガス源をさらに備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
前記ガス排出口内に配置された第2のバルブをさらに備えている、請求項1から6のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項8】
前記ガス排出口に連通された真空源をさらに備えている、請求項1から7のいずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項9】
連続基板を処理するための処理システムであって、
連続基板を処理するための第1のチャンバ、
前記連続基板を処理するための第2のチャンバ、及び
前記第1のチャンバを前記第2のチャンバに連通し、前記連続基板が前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間を通って延びることができる開口を有するゲートバルブであって、請求項1から8のいずれか一項に記載されたゲートバルブ
を備え、前記本体の第2の表面(210)が、前記第1のチャンバに連通され、前記本体の第1の表面(208)が、前記第2のチャンバに連通されている、処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の処理システムを用いて連続基板を処理する方法であって、
前記第1のチャンバ又は前記第2のチャンバのうちの少なくとも1つにおいて連続基板を処理することであって、前記連続基板が、前記第1のチャンバ、前記ゲートバルブ、及び前記第2のチャンバのそれぞれを通して同時に配置される、連続基板を処理することと、
前記第1のチャンバを前記第2のチャンバから実質的に隔離するために、前記連続基板が前記ゲートバルブを通して配置されている間に、前記ゲートバルブを閉じることと
を含む方法。
【請求項11】
前記第1のチャンバが真空圧力で維持され、
前記第1のチャンバ内で前記真空圧力を実質的に維持している間に、前記第2のチャンバの圧力を上昇させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のチャンバの前記圧力が、実質的に大気圧である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のチャンバ内で圧力を実質的に維持している間に、前記第2のチャンバに対して点検を行うことをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体処理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板処理機器内では、隣接空間を選択的に隔離したり、又は、隣接空間に選択的に連通したりするために、マルチチャンバ処理システムにおいてゲートバルブが使用される場合がある。例えば、現在のマルチチャンバ処理装置は、通常、加工部分の搬送の間に或いは1つ又は複数の流体接続された処理領域の修理の間に圧力制御処理空間を隔離するために、半導体処理スリットバルブ及びゲートバルブを含む。しかしながら、発明者らは、特に連続基板などの干渉材が密封界面に存在すると、従来のバルブのシール及び密封面の密封能力に限界があると観察した。各チャンバの処理でそれぞれ異なる圧力が利用される場合、或いは、複数の処理空間のうちの1つだけが点検又は緊急処理停止のために通気且つ冷却される必要がある場合、漏出制御が効果的でないと複数の処理空間において特に問題を孕むことになる。
[0003]したがって、発明者らは、改善されたゲートバルブを提供した。
【発明の概要】
【0003】
[0004]ゲートバルブの実施形態、及びゲートバルブを使用する方法が本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、ゲートバルブは、本体、本体の内部に配置され、閉位置と開位置との間で動くように構成された複数のシール、複数のシール及び本体によって画定された複数の空間、本体の第1の側部を通して配置され、複数の空間のうちの最内側の空間に流体連通されたガス注入口、及び第1の側部の反対側の本体の第2の側部を通して配置され、複数の空間のうちの他の空間に流体連通されたガス排出口を含む。
【0004】
[0005]幾つかの実施形態では、連続基板を処理するためのゲートバルブは、第1の壁を有する本体、第1の壁の反対側の第2の壁、第1の表面から本体の反対側の第2の表面へと配置された開口であって、連続基板を保持且つ運搬するように構成された開口、第1の壁と第2の壁との間に移動可能に配置され、開口を密封する閉位置と開口を顕す開位置と間で動くように構成された複数のシール、複数のシールのうちの隣接するシール同士の間に配置され、複数のシール及び本体によって画定された複数の空間、本体の第1の側部を通して配置され、本体の第1の側部上の複数の空間のうちの最内側の空間に流体連通されたガス注入口、及び第1の側部の反対側の本体の第2の側部を通して配置され、複数の空間のうちの最内側の空間の両側に配置された、複数の空間のうちの他の空間に流体連通されたガス排出口を含む。
【0005】
[0006]幾つかの実施形態では、連続基板を処理するための処理システムは、連続基板を処理するための第1のチャンバ、連続基板を処理するための第2のチャンバ、及び第1のチャンバを第2のチャンバに連通し、連続基板が第1のチャンバと第2のチャンバとの間で延びることができる開口を有するゲートバルブであって、本明細書に開示された任意の実施形態に記載されたゲートバルブを含み、本体の第1の側部は、第1のチャンバに連通され、本体の第2の側部は、第2のチャンバに連通されている。
【0006】
[0007]幾つかの実施形態では、連続基板を処理する方法は、第1の処理チャンバ又はゲートバルブを通して第1の処理チャンバに連通された第2の処理チャンバのうちの少なくとも1つにおいて連続基板を処理することであって、連続基板が、第1の処理チャンバ、ゲートバルブ、及び第2の処理チャンバのそれぞれを通して同時に配置される、連続基板を処理することと、第1の処理チャンバを第2の処理チャンバから実質的に隔離するために、連続基板がゲートバルブを通して配置されている間に、ゲートバルブを閉じることとを含む。
【0007】
[0008]本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態は、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0009]上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に説明される本開示の実施形態は、添付の図面に示した本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることから、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、範囲を限定していると見なすべきではない。
【0009】
図1】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、ゲートバルブを有するマルチチャンバ反応器の概略図を示す。
図2A】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、開位置にあるゲートバルブの概略側面図を示す。
図2B】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、閉位置にある図2Aのゲートバルブの概略側面図を示す。
図3A】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、開位置にあるゲートバルブの概略側面図を示す。
図3B】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、閉位置にある図3Aのゲートバルブの概略側面図を示す。 理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図面は縮尺どおりではなく、分かり易くするために簡略化されていることがある。ある実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016]ゲートバルブの実施形態、及びゲートバルブを使用する方法が本明細書で提供される。開示されたゲートバルブ及びゲートバルブを使用する方法は、有利には、連続的なウェブ、膜、シート、リボン状繊維、及びその他の薄い又は平坦な基板の真空処理に有益である。一部の用途では、1つ又は複数の密封界面にわたって、破断又は接合がない状態で、連続基板を維持することが有益である。この1つ又は複数の密封界面は、材料が処理空間に出入りするよう搬送される1つ又は複数の開口に対応する。従来の半導体処理スリットバルブ及びゲートバルブは、圧力制御処理空間内に不連続な加工部分を運ぶように使用される。これらの従来の設計、並びに特にシール及び密封面は、干渉材が密封界面に存在すると、適切な漏出保全を維持する能力に限界がある。セラミック繊維の化学蒸気浸透などの幾つかの用途では、トウの始点(例えば、連続繊維のねじらていない束)が大気圧にあり、中間部が減圧にあり、トウの端部が大気圧にあることができるように、複数の真空中断にわたって、1つ又は複数のトウを運搬することが有利である。上述の構成によって、炉を大気圧までもっていかずに、処理を停止して基板のローディング調節を行うか、又は修理を行うことが可能になる。開示されたゲートバルブは、密封界面における連続基板の物理的統合性を妥協せずに、圧力勾配をつくりだすことが可能である。さらに、処理空間の未使用時に炉を高温に保つことは、システムの利用及び炉の構成要素の信頼性にとって有益である。
【0011】
[0017]本開示のゲートバルブは、従来のゲートバルブが用いられ得る任意の用途において使用されてもよく、例えば、2つの隣接する空間同士の間でガスの流れを絞ることが望ましい又は有利である用途において用いられる。非限定用途では、開示されたゲートバルブは、2処理チャンバシステムにおいて、又は、ゲートバルブを必要とする他の適切な処理チャンバにおいて、チャンバ間に配置され得る。例えば、図1は、本明細書で論じているような本開示の実施形態を実行するために使用され得る種類の2チャンバシステムの概略図を示す。
【0012】
[0018]例示的な2つの処理チャンバシステム100は、第1のチャンバ本体(壁120)内に第1のチャンバ空間114を有する第1のチャンバ110(例えば、処理チャンバ)を含む。幾つかの実施形態では、基板フィードスルー(送り孔)150は、第1のチャンバ空間114と第1のチャンバ110の外に配置された空間(例えば、隣接する処理チャンバ、基板ハンドラ等)との間で連続基板を運搬するために設けられ得る。システム100は、第2のチャンバ本体(壁140)内に第2のチャンバ空間134を有する第2のチャンバ130(例えば、処理チャンバ)をさらに含む。幾つかの実施形態では、基板フィードスルー170は、第2のチャンバ空間134と第2のチャンバ130の外に配置された空間(例えば、隣接する処理チャンバ、基板ハンドラ等)との間で連続基板を運搬するために設けられ得る。第1のチャンバ110及び第2のチャンバ130は、ゲートバルブ102を介して、互いに選択的に流体連通されている。
【0013】
[0019]作動中、連続基板154は、
ゲートバルブの開口106を介して、基板フィードスルー150及び170を通して運搬される。連続基板154は、第1のチャンバ圧力で第1のチャンバ空間114において処理され、ゲートバルブ102を通して第2のチャンバ空間134に運搬され、第2のチャンバ圧力で第2のチャンバ空間134において処理され得る。幾つかの実施形態では、第1のチャンバ圧力及び第2のチャンバ圧力は同一である。他の実施形態では、第1のチャンバ圧力及び第2のチャンバ圧力は異なる。
【0014】
[0020]ゲートバルブ102は、第1のチャンバ空間114と第2のチャンバ空間134との間で選択的隔離を設けるように構成されている。例えば、影響を受けたチャンバを修理するために、チャンバのうちの1つにおいて基板のローディング調節を行うために、又は緊急停止を行うために、チャンバ空間のうちの1つが大気の圧力及び温度でなければならない場合、第1のチャンバ空間と第2のチャンバ空間との間の隔離が望ましい場合がある。ゲートバルブ102は、複数の密封部材(図1では4つの密封部材104)を含む。幾つかの実施形態では、密封部材は、柔軟な袋体(ブラダー)であり、密封部を形成するために膨張し、開くために収縮し得る。連続基板154がゲートバルブを通して配置されている間、連続基板154を損傷せずに、密封部材104を閉じることができる。幾つかの実施形態では、不活性ガス(例えば、窒素(N)ガス)などのパージガスが、2つの密封部材104の間の空間108に供給され得る。幾つかの実施形態では、例えば、真空源116からの真空は、2つの密封部材104の間の1つ又は複数の空間に供給され得る。幾つかの実施形態では、真空源116は、空間108の両側に配置された空間112及び114に連通され、空間108に供給されたパージガスの両側のそれぞれの空間に真空をもたらす。
【0015】
[0021]図2A及び2Bは、ゲートバルブ102として使用するのに適したゲートバルブ200をさらに詳細に示し、ゲートバルブ200を開位置(図2A)と閉位置(図2B)の両方で示す。例示を分かり易くするためにのみ、図2Aで示されているパージガス源、バルブ、及び導管などの特定の要素は、図面を乱雑にしないよう図2Bで省かれている。
【0016】
[0022]図2Aは、本開示の幾つかの実施形態に係る、ゲートバルブ200の概略側面図を示す。ゲートバルブ200は、本体202を含み、本体202は、本体202を通して(例えば、本体202の第1の表面208から本体202の反対側の第2の表面210へと)配置された開口206を有する。ゲートバルブ200は、(開口206の一方の側にある)第1のチャンバ110、及び(開口206の他方の側にある)第2のチャンバ130に連通される。本体は、第1の側部218、及び第1の側部218の反対側の第2の側部220を含み得、これらは、第1の表面208及び第2の表面210と共に本体の形状を形成する。本体202は、特定の用途に必要とされる任意の適切な形状を有してもよく、例えば、本体202は、ゲートバルブ200を、状況に応じて、第1のチャンバ110及び第2のチャンバ130、又は別のチャンバに連通するのに適切な形状を有し得る。本体202は、ステンレス鋼又はアルミニウムなどの非限定的実施例を含む、1つ又は複数の処理適合材料から製造され得る。
【0017】
[0023]ゲートバルブ200は、開口206に近接する本体202の第1の表面208と第2の表面210との間に配置された複数のシール212をさらに含み得る。幾つかの実施形態では、例えば、図2A及び図2Bで示されているように、複数のシールは、本体202の第1の表面208及び第2の表面210に対して平行に配置されている。複数のシール212は、例えば、本体202の一部であってもよく、又は、本体202に溶接、ボルト止め、又はさもなければ付着されてもよい。複数のシール212は、ゴム製袋体などの弾性材料又は伸張可能材料から製造され得る。複数のシール212は、本体内に配置され、閉位置と開位置との間で移動するように構成されている。複数の空間238が複数のシール212及び本体202によって画定される。それぞれの空間238は、隣接するシール212同士の間に配置されている。例えば、図2A及び図2Bで示されているように、4つのシール212があり、それにしたがって、3つの空間238がある。
【0018】
[0024]ゲートバルブは、ガス注入口232をさらに含み得る。ガス注入口232は、本体の第1の側部218を通して配置され且つ複数の空間238のうちの最内側の空間(例えば、中央の空間238)に流体連通されたバルブを有する。ゲートバルブは、ガス排出口234をさらに含み得る。ガス排出口234は、本体の第2の側部220を通して配置され且つ中央空間238の反対側に配置された複数の空間238のうちの他の空間に流体連通されたバルブを有する。パージガス源242(図2Bで図示)は、ガス注入口232に連通され、パージガスを複数の空間238のうちの最内側に供給する。パージガスは、窒素(N)であってもよいが、非限定的な例として、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、又は同等物、或いは不活性ガスの混合物を含む他の適切な処理不活性ガスがパージガスとして使用されてもよい。真空ポンプ244(例えば、ターボポンプ等)は、ガス排出口234に流体連通される。
【0019】
[0025]作動中、連続基板154は、上述のように、第1のチャンバ空間114及び第2のチャンバ空間134内で処理されてもよい。図2Aで示されているように、ゲートバルブ200の開位置では、パージガス源242に連通されたガス注入口232、及び真空ポンプ244に連通されたガス排出口234は閉じられ、連続基板が処理される間、第1のチャンバ圧力は第2のチャンバ圧力と同じである。例えば、基板のローディング調節又は修理のために、第1のチャンバ圧力が第2のチャンバ圧力と異なる場合、ゲートバルブ200は、閉位置に移動し、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力差の確立が促進される。パージガス源242及び真空ポンプ244は、明確性のために、図2Aでは示されていない。
【0020】
[0026]図2Bで示すように、閉位置では、複数のシール212が開口206を部分的に密封し、開口206に沿って、対応する複数の小さな漏れ口216が生じる。図2Bで示すように、ゲートバルブ200の閉位置では、複数の空間238の最内側の圧力が、複数の空間238のうちの他の空間の圧力(例えば、P2及びP3)と異なる圧力P1に留まるように、パージガス源242に連通されたガス注入口232、及び真空ポンプ244に連通されたガス排出口234が開かれてもよい。例えば、パージガス源242からのパージガスの流れに起因して、複数の空間238のうちの最内側の空間は、複数の空間238のうちの他の空間より高い圧力で維持され得る。漏れ口216を通って逃げる任意のパージガスは、真空ポンプ244を介して運ばれ得る。これにより、例えば、あるチャンバで修理が行われており、それが大気圧で行われている場合、その影響を受けていないチャンバは、大気条件の圧力とは異なる処理圧力(例えば、大気圧より低い圧力)に留まり得る。したがって、圧力差が維持又は実質的に維持され、システム全体を大気圧にもっていかずに1つのチャンバの修理が完成する。さらに、開示されたゲートバルブが存在しているとき、密封界面における連続基板の物理的統合性が妥協されずに所望の圧力勾配がつくりだされる。
【0021】
[0027]図3A図3Bは、それぞれ、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、開位置及び閉位置のゲートバルブの概略側面図を示す。図3A及び図3Bで示すように、幾つかの実施形態では、複数のシールは、複数の傾斜(角度)が付けられた壁312によって設けられ得る。複数の傾斜が付けられた壁312は、可動密封部材305を介して、選択的に密封され得るそれぞれの開口306を有する。例えば、密封部材305は、それぞれの複数の傾斜が付けられた壁312の下方に配置されたスリットバルブと同じように動作し、第1の位置(例えば、図3Aに示す開位置)と第2の位置(例えば、図3Bに示す閉位置)との間で移動するように構成され得る。
【0022】
[0028]各密封部材305は、複数の空間238のうちの他の各空間に個々の流量条件をもたらすために、個別に制御(例えば、質量流量、体積流量、圧力等の個別制御)され得る。したがって、幾つかの実施形態では、質量流量コントローラ、体積流量コントローラ、又は圧力調整器が、傾斜が付けられた壁312間に配置された空間に連通され得る。
【0023】
[0029]幾つかの実施形態では、密封部材305は、少なくともバルブが完全に開いている第1の位置とバルブが完全に閉じている第2の位置との間でガス圧を用いて制御される。幾つかの実施形態では、密封部材305は、他の機構(例えば、サーボモータ)によって制御され得る。図3Aに示す例示的な開位置では、密封部材305は、第1の位置にあり、ゲートバルブは、(図1に示すように)第1のチャンバ110と第2のチャンバ130との間で共通圧力を維持するように完全に開いている。パージガス源242及び真空ポンプ244は、明確性のために、図3Bのみで示されている。
【0024】
[0030]図3Bで示す例示的な閉位置では、密封部材305は、開口206を部分的に密封し、開口206に沿って、対応する複数の漏れ口216を生じさせる。ガス流を強化し、所望の圧力勾配を維持するためには、複数のシール212及び密封部材305を傾斜させることが有利である。傾斜の程度は、ガス注入口232とガス排出口234との間の垂直オフセットに依存する。図3A及び図3Bで示されているように、ガス排出口234は、ガス注入口232の下方に位置する高さに配置されている。
【0025】
[0031]図3Bに示す例示的な閉位置では、複数の密封部材305が、傾斜角度と反対の方向で第1の位置から第2に位置に移動し、複数のシール212に係合して、開口206を密封する。図2Bの例示的な実施形態と同じように、開口206に沿って、対応する複数の漏れ口216が生じる。図2Bの例示的な実施形態と同じように、複数の空間238の最内側の圧力を複数の空間238のうちの他の空間の圧力と異なる圧力に維持することができるように、パージガス源242に連通されたガス注入口232、及び真空ポンプ244に連通されたガス排出口234が開かれる。例えば、パージガス源242からのパージガスの流れに起因して、複数の空間238のうちの最内側の空間は、複数の空間238のうちの他の空間より高い圧力で維持され得る。同様に、密封部材305を含む本発明のゲートバルブは、有利には、密封界面における連続基板の物理的統合性を妥協せずに、圧力勾配をつくりだす。
【0026】
[0032]作動中、上述の開示された装置を使用して、連続基板を処理する方法は、第1の処理チャンバ又はゲートバルブを通して第1の処理チャンバに連通された第2の処理チャンバのうちの少なくとも1つにおいて連続基板を処理することを含む。連続基板は、第1の処理チャンバ、ゲートバルブ、及び第2の処理チャンバのそれぞれを通して同時に配置される。連続基板がゲートバルブを通して配置されている間、ゲートバルブを閉じて、第1の処理チャンバを第2の処理チャンバから実質的に隔離することができる。幾つかの実施形態では、第1の処理チャンバは、真空圧力で保持され、第1の処理チャンバ内の圧力を実質的に維持しながら、第2の処理チャンバの圧力を上昇させることができる。幾つかの実施形態では、第1の処理チャンバ内の圧力を実質的に維持しながら、第2の処理チャンバの圧力を実質的な大気圧に上昇させることができる。幾つかの実施形態では、第1の処理チャンバ内の圧力を実質的に維持しながら、第2の処理チャンバに対して点検を行うことができる。
【0027】
[0033]したがって、改善されたゲートバルブの実施形態、及びゲートバルブを使用する方法が本明細書で提供された。本発明のゲートバルブ、及び使用の方法は、有利には、チャンバシステムの影響を受けていないチャンバが、例えば、影響を受けたチャンバに必要とされる大気条件とは異なる処理圧力に留まることを確実なものとすることができる。
【0028】
[0034]上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案してもよい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B