IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝エネルギーシステムズ株式会社の特許一覧

特許7068218プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法
<>
  • 特許-プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法 図1
  • 特許-プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法 図2
  • 特許-プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法 図3
  • 特許-プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法 図4
  • 特許-プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法 図5
  • 特許-プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法 図6
  • 特許-プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法 図7
  • 特許-プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】プラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 9/00 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
G09B9/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019047397
(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公開番号】P2020148956
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】特許業務法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志岐 翔平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴久
(72)【発明者】
【氏名】小泉 敦彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 卓
(72)【発明者】
【氏名】上田 裕喜
(72)【発明者】
【氏名】碓井 幸博
(72)【発明者】
【氏名】野口 顕彦
(72)【発明者】
【氏名】飯野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】吉田 大志
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124446(JP,A)
【文献】特開2015-219354(JP,A)
【文献】特開2009-265668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00~ 9/56
G05B 23/00~23/02
G09B 17/00~19/26
G21C 17/00~17/14
G21D 1/00~ 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの運転を訓練または研修するためのプラントシミュレータにおいて、
プラントデータを格納するプラントサーバとして機能すると共に前記プラントデータに基づいて前記プラントを模擬するシミュレーション処理部と、
前記シミュレーション処理部の初期条件設定、実行及び停止の入力を受け入れるインストラクタ処理部と、
前記プラントのプラント制御監視装置の機能を模擬して表示すると共に前記プラント制御監視装置への操作入力を模擬する入力を受け入れる監視・操作処理部と、
前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部のアドレスデータを格納するアドレスデータベースと、
前記アドレスデータベースとの間で前記アドレスデータを送受信すると共に前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部の起動、停止を含む管理を行う構成管理部と、を有し、
前記構成管理部は、自らの前記プラントシミュレータが他の前記プラントシミュレータにネットワークを介して接続されて、これらのプラントシミュレータの連携訓練を実施するとき、前記他のプラントシミュレータにおける前記シミュレーション処理部の起動状態及びそのアドレスを確認する処理部アドレス確認機能部と、
前記自らのプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部について、前記他のプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部が備える前記プラントサーバの使用を選択する場合には停止させ、自らの前記シミュレーション処理部が備える前記プラントサーバの使用を選択する場合には前記アドレスデータベースを参照してアドレスを設定して起動させるプラントサーバ選択機能部と、
前記自らのプラントシミュレータにおける起動させる前記インストラクタ処理部、前記監視・操作処理部のそれぞれについて、使用を選択した前記プラントサーバを備え且つ起動状態にある前記シミュレーション処理部のアドレスに関連するアドレスを前記アドレスデータベースを参照して設定するそれぞれインストラクタ処理部起動停止機能部、監視・操作処理部管理部と、を有して構成されたことを特徴とするプラントシミュレータ。
【請求項2】
前記構成管理部は、現在動作しているプラントシミュレータの構成状態を一覧表示するプラント構成一覧表示機能部と、このプラント構成一覧表示機能部により一覧表示された他の前記プラントシミュレータの構成を変更可能とするシミュレータ構成変更機能部と、を更に有することを特徴とする請求項1に記載のプラントシミュレータ。
【請求項3】
プラントの運転を訓練または研修するためのプラントシミュレータにおいて、
プラントデータを格納するプラントサーバとして機能すると共に前記プラントデータに基づいて前記プラントを模擬するシミュレーション処理部と、
前記シミュレーション処理部の初期条件設定、実行及び停止の入力を受け入れるインストラクタ処理部と、
前記プラントのプラント制御監視装置の機能を模擬して表示すると共に前記プラント制御監視装置への操作入力を模擬する入力を受け入れる監視・操作処理部と、
前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部の起動、停止を含む管理を行う構成管理部と、を有し、
前記構成管理部は、自らの前記プラントシミュレータが他の前記プラントシミュレータに接続されて、これらのプラントシミュレータの連携訓練が実施される状態で、前記他のプラントシミュレータにおける起動状態の前記シミュレーション処理部内の前記プラントデータとしてのシミュレーションデータを、前記自らのプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部に複製するシミュレーションデータ複製機能部を有して構成されたことを特徴とするプラントシミュレータ。
【請求項4】
プラントの運転を訓練または研修するための複数台のプラントシミュレータを、ネットワークを介して接続するプラントシミュレータの接続方法において、
前記プラントシミュレータは、プラントデータを格納するプラントサーバとして機能すると共に前記プラントデータに基づいて前記プラントを模擬するシミュレーション処理部と、前記シミュレーション処理部の初期条件設定、実行及び停止の入力を受け入れるインストラクタ処理部と、前記プラントのプラント制御監視装置の機能を模擬して表示すると共に前記プラント制御監視装置への操作入力を模擬する入力を受け入れる監視・操作処理部と、前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部のアドレスデータを格納するアドレスデータベースと、前記アドレスデータベースとの間で前記アドレスデータを送受信すると共に前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部の起動、停止を含む管理を行う構成管理部と、を有するものであり、
前記構成管理部は、自らの前記プラントシミュレータを他の前記プラントシミュレータにネットワークを介して接続して、これらのプラントシミュレータの連携訓練を実施する際に、前記他のプラントシミュレータにおける前記シミュレーション処理部の起動状態及びそのアドレスを確認し、
前記自らのプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部について、前記他のプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部が備える前記プラントサーバの使用を選択する場合には停止させ、自らの前記シミュレーション処理部が備える前記プラントサーバの使用を選択する場合には前記アドレスデータベースを参照してアドレスを設定して起動させ、
前記自らのプラントシミュレータにおける起動させる前記インストラクタ処理部、前記監視・操作処理部のそれぞれについて、使用を選択した前記プラントサーバを備え且つ起動状態にある前記シミュレーション処理部のアドレスに関連するアドレスを、前記アドレスデータベースを参照して設定することを特徴とするプラントシミュレータの接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プラントの運転を訓練または研修するためのプラントシミュレータ、及び複数台のプラントシミュレータを、ネットワークを介して接続するプラントシミュレータの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラントシミュレータ、例えば発電プラントシミュレータは、各種(各型)の発電プラントのさまざまな挙動を模擬し、プラントの運転員や訓練生の訓練や研修を行うための装置である。図8は従来の発電プラントシミュレータの構成図である。従来の発電プラントシミュレータ100は、複数のプラントデータを格納したプラントサーバとして機能すると共に、プラントデータに基づいてプラントを模擬するシミュレーション処理部101と、シミュレーション処理部101の初期状態設定、実行及び停止などの入力を受け入れるインストラクタ処理部102と、プラントのプラント制御監視装置の機能を模擬して表示すると共に、プラント制御監視装置への操作入力を模擬する入力を受け入れる監視・操作処理部103と、シミュレーション処理部101、インストラクタ処理部102及び監視・操作処理部103をそれぞれ個別に起動、停止させる起動停止選択部104と、を有して構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-124446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の発電プラントシミュレータ100では、シミュレーション処理部101、インストラクタ処理部102、監視・操作処理部103などの各処理部に、事前にシミュレーション用のアドレスを設定しておく必要がある。そのため、発電プラントシミュレータ100の台数や構成が限定され、訓練や研修の規模に合せて発電プラントシミュレータ100の台数を任意に増減するためには、メーカーまたは、専門技術を有する有識者によるアドレスの設定作業がその都度必要であり、容易に行うことができないという課題がある。
【0005】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、プラントシミュレータの台数を訓練や研修の規模に合せて容易に増減できるプラントシミュレレータ及びプラントシミュレータの接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態におけるプラントシミュレータは、プラントの運転を訓練または研修するためのプラントシミュレータにおいて、プラントデータを格納するプラントサーバとして機能すると共に前記プラントデータに基づいて前記プラントを模擬するシミュレーション処理部と、前記シミュレーション処理部の初期条件設定、実行及び停止の入力を受け入れるインストラクタ処理部と、前記プラントのプラント制御監視装置の機能を模擬して表示すると共に前記プラント制御監視装置への操作入力を模擬する入力を受け入れる監視・操作処理部と、前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部のアドレスデータを格納するアドレスデータベースと、前記アドレスデータベースとの間で前記アドレスデータを送受信すると共に前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部の起動、停止を含む管理を行う構成管理部と、を有し、前記構成管理部は、自らの前記プラントシミュレータが他の前記プラントシミュレータにネットワークを介して接続されて、これらのプラントシミュレータの連携訓練を実施するとき、前記他のプラントシミュレータにおける前記シミュレーション処理部の起動状態及びそのアドレスを確認する処理部アドレス確認機能部と、前記自らのプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部について、前記他のプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部が備える前記プラントサーバの使用を選択する場合には停止させ、自らの前記シミュレーション処理部が備える前記プラントサーバの使用を選択する場合には前記アドレスデータベースを参照してアドレスを設定して起動させるプラントサーバ選択機能部と、前記自らのプラントシミュレータにおける起動させる前記インストラクタ処理部、前記監視・操作処理部のそれぞれについて、使用を選択した前記プラントサーバを備え且つ起動状態にある前記シミュレーション処理部のアドレスに関連するアドレスを前記アドレスデータベースを参照して設定するそれぞれインストラクタ処理部起動停止機能部、監視・操作処理部管理部と、を有して構成されたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の実施形態におけるプラントシミュレータの接続方法は、プラントの運転を訓練または研修するための複数台のプラントシミュレータを、ネットワークを介して接続するプラントシミュレータの接続方法において、前記プラントシミュレータは、プラントデータを格納するプラントサーバとして機能すると共に前記プラントデータに基づいて前記プラントを模擬するシミュレーション処理部と、前記シミュレーション処理部の初期条件設定、実行及び停止の入力を受け入れるインストラクタ処理部と、前記プラントのプラント制御監視装置の機能を模擬して表示すると共に前記プラント制御監視装置への操作入力を模擬する入力を受け入れる監視・操作処理部と、前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部のアドレスデータを格納するアドレスデータベースと、前記アドレスデータベースとの間で前記アドレスデータを送受信すると共に前記シミュレーション処理部、前記インストラクタ処理部及び前記監視・操作処理部の起動、停止を含む管理を行う構成管理部と、を有するものであり、前記構成管理部は、自らの前記プラントシミュレータを他の前記プラントシミュレータにネットワークを介して接続して、これらのプラントシミュレータの連携訓練を実施する際に、前記他のプラントシミュレータにおける前記シミュレーション処理部の起動状態及びそのアドレスを確認し、前記自らのプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部について、前記他のプラントシミュレータの前記シミュレーション処理部が備える前記プラントサーバの使用を選択する場合には停止させ、自らの前記シミュレーション処理部が備える前記プラントサーバの使用を選択する場合には前記アドレスデータベースを参照してアドレスを設定して起動させ、前記自らのプラントシミュレータにおける起動させる前記インストラクタ処理部、前記監視・操作処理部のそれぞれについて、使用を選択した前記プラントサーバを備え且つ起動状態にある前記シミュレーション処理部のアドレスに関連するアドレスを、前記アドレスデータベースを参照して設定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、プラントシミュレータの台数を訓練や研修の規模に合せて容易に増減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るプラントシミュレータが適用された発電プラントシミュレータにおける構成管理部の動作状況を説明する説明図。
図2図1の発電プラントシミュレータにおける構成管理部の他の動作状況を説明する説明図。
図3図1及び図2の管理構成部の動作を示すフローチャート。
図4】第2実施形態に係るプラントシミュレータが適用された発電プラントシミュレータにおける構成管理部のプラント構成一覧表示機能部の動作状況を説明する説明図。
図5図4の発電プラントシミュレータにおける構成管理部のシミュレータ構成変更機能部の動作状況を説明する説明図。
図6図4及び図5の構成管理部の動作を示すフローチャート。
図7】第3実施形態に係るプラントシミュレータが適用された発電プラントシミュレータにおける構成管理部のシミュレーションデータ複製機能部の動作状況を説明する説明図。
図8】従来の発電プラントシミュレータの構成を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1図3
図1は、第1実施形態に係るプラントシミュレータが適用された発電プラントシミュレータにおける構成管理部の動作状況を説明する説明図である。図2は、図1の発電プラントシミュレータにおける構成管理部の他の動作状況を説明する説明図である。これらの図1及び図2に示す発電プラントシミュレータシステム10は、共通ネットワーク21を介して、自らの発電プラントシミュレータ11が他の発電プラントシミュレータ群、例えば発電プラントAシミュレータ群10Aの他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、及び発電プラントBシミュレータ群10Bの他の発電プラントシミュレータ11B1、11B2…に接続されて構成されている。
【0011】
自らの発電プラントシミュレータ11は発電プラントの、他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…は発電プラントAの、他の発電プラントシミュレータ11B1、11B2…は発電プラントBの、それぞれ運転を訓練または研修するためのものである。自らの発電プラントシミュレータ11は、以下に述べるように構成されるが、他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…及び11B1、11B2…も、自らの発電プラントシミュレータ11と同様に構成されている。
【0012】
自らの発電プラントシミュレータ11は、シミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13、監視・操作処理部14、アドレスデータベース15及び構成管理部16を有して構成される。このうちの構成管理部16は、処理部アドレス確認機能部17、プラントサーバ選択機能部18、インストラクタ処理部起動停止機能部19、監視・操作処理部管理部20を備えて構成される。
【0013】
シミュレーション処理部12は、プラントデータを格納するプラントサーバを備えてこのプラントサーバとして機能すると共に、プラントデータに基づいて発電プラントを模擬する。この発電プラントの模擬は、発電プラントの動作ロジック(AND、OR、NOT等を含む論理回路)をプラントサーバ内のプラントデータを用いて模擬し、更に、発電プラントの機械的または電気的な物理現象を、物理法則(運動方程式やエネルギー保存則など)に基づき、プラントサーバ内のプラントデータを用いてモデル化して模擬する。
【0014】
インストラクタ処理部13は、シミュレーション処理部12の初期条件の設定、シミュレーション処理部12によるシミュレーションの実効または停止などの入力を受け入れる。このインストラクタ処理部13は、自らの発電プラントシミュレータ11が指導員(教師)により操作される場合に起動される。
【0015】
監視・操作処理部14は、発電プラントのプラント制御監視装置の機能を模擬して表示すると共に、プラント制御監視装置への操作入力を模擬する入力を受け入れ、更に、発電プラントの制御操作及び監視状況を表示する制御・監視装置や、発電プラントの制御盤、現場盤をそれぞれ模擬するものである。この監視・操作処理部14は、自らの発電プラントシミュレータ11が指導員(教師)または訓練生(生徒)により操作される場合に起動する。
【0016】
アドレスデータベース15は、自らの発電プラントシミュレータ11及び他の発電プラントシミュレータ群の他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…におけるそれぞれのシミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13及び監視・操作処理部14のアドレスデータを更新可能に記憶して格納する。
【0017】
構成管理部16は、アドレスデータベース15との間でアドレスデータを送受信すると共に、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13及び監視・操作処理部14の起動、停止を含む管理を行なう。この構成管理部16の処理部アドレス確認機能部17は、自らの発電プラントシミュレータ11が共通ネットワーク21を介して他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…に接続したときに、これらの他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…におけるシミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13、監視・操作処理部14の起動状態とその起動状態にある各処理部のアドレスを確認し(図1図2の矢印17X参照)、そのアドレスデータをアドレスデータベース15に更新して記憶させる。
【0018】
構成管理部16のプラントサーバ選択機能部18は、まず、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12が備えるプラントサーバと、他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…のシミュレーション処理部12がそれぞれ備えるプラントサーバとのいずれを使用するかを選択する。
【0019】
次に、プラントサーバ選択機能部18は、他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…の起動状態にあるシミュレーション処理部12のプラントサーバの使用を選択する場合には、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12を停止させる(図1の矢印18X参照)。また、プラントサーバ選択機能部18は、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12が備えるプラントサーバの使用を選択する場合には、そのシミュレーション処理部12のアドレスを、アドレスデータベース15を参照して新たに設定してアドレスデータベース15に記憶させると共に、そのシミュレーション処理部12を起動させる(図2の矢印18X参照)。
【0020】
構成管理部16のインストラクタ処理部起動停止機能部19は、自らの発電プラントシミュレータ11のインストラクタ処理部13の起動または停止を選択し、その選択に応じてインストラクタ処理部13へ起動または停止信号を送信する(図1図2の矢印19X参照)。自らの発電プラントシミュレータ11のインストラクタ処理部13を起動する場合には、そのインストラクタ処理部13について、使用を選択したプラントサーバを備え且つ起動状態にあるシミュレーション処理部12(自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12、または他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…のシミュレーション処理部12)のアドレスに関連し且つ重複しないアドレスを、自らの発電プラントシミュレータ11のアドレスデータベース15を参照して設定する。
【0021】
構成管理部16の監視・操作処理部管理部20は、自らの発電プラントシミュレータ11の監視・操作処理部14の起動または停止を選択し、その選択に応じて監視・操作処理部14へ起動または停止信号を送信する(図1図2の矢印20X参照)。自らの発電プラントシミュレータ11の監視・操作処理部14を起動する場合には、その監視・操作処理部14について、使用を選択したプラントサーバを備え且つ起動状態にあるシミュレーション処理部12(自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12、または他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…のシミュレーション処理部12)のアドレスに関連し且つ重複しないアドレスを、自らの発電プラントシミュレータ11のアドレスデータベース15を参照して設定する。
【0022】
次に、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部16の動作を、主に図3を用いて説明する。
自らの発電プラントシミュレータ11が共通ネットワーク21を介して他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…に接続された状態で、構成管理部16の処理部アドレス確認機能部17は、他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…のそれぞれのシミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13、監視・操作処理部14の起動状態と、その起動状態の各処理部12、13、14のアドレスを確認し(S11)、この確認したアドレスを、処理部アドレス確認機能部17はデータベース15に更新して記憶させる。
【0023】
次に、構成管理部16のプラントサーバ選択機能部18は、他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…における起動状態にあるシミュレーション処理部12のプラントサーバの使用を選択して、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12を停止(OFF)させるか、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12のプラントサーバの使用を選択し、このシミュレーション処理部12について、アドレスデータベース15に存在しない新たなアドレスを設定して自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12を起動(ON)させるかを選択する(S12)。
【0024】
図1及び図2では、発電プラントAシミュレータ群10Aの他の発電プラントシミュレータ11A1のシミュレーション処理部12と、発電プラントBシミュレータ群10Bの他の発電プラントシミュレータ11B1のシミュレーション処理部12とが起動状態になっている。図1では、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部16のプラントサーバ選択機能部18が他の発電プラントシミュレータ11A1のプラントサーバの使用を選択した場合を示している。この場合には、自らの発電プラントシミュレータ11が他の発電プラントシミュレータ11A1のシミュレーション処理部12に接続するため、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12は起動の必要がなく、プラントサーバ選択機能部18により停止(OFF)される。
【0025】
また、図2では、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部16のプラントサーバ選択機能部18が、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12のプラントサーバの使用を選択した場合を示している。この場合には、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部16のプラントサーバ選択機能部18は、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12について、アドレスデータベース15に存在しない新たなアドレスを設定して起動(ON)させる(S12)。
【0026】
次に、構成管理部16のインストラクタ処理部起動停止機能部19は、自らの発電プラントシミュレータ11を指導員用として機能させるか否か、つまり自らの発電プラントシミュレータ11のインストラクタ処理部13を起動させるか否かを選択し、この選択に応じてインストラクタ処理部13に起動または停止信号を送信する(S13)。このインストラクタ処理部13を起動させる場合には、このインストラクタ処理部13について、使用を選択したプラントサーバを備え且つ起動状態にあるシミュレーション処理部12(例えば図1の場合には他の発電プラントシミュレータ11A1のシミュレーション処理部12、図2の場合には自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12)のアドレスに関連し且つ重複しないアドレスを、アドレスデータベース15を参照して設定する(S13)。
【0027】
次に、構成管理部16の監視・操作処理部管理部20は、自らの発電プラントシミュレータ11の監視・操作処理部14を起動させるか否かを選択し、この選択に応じて監視・操作処理部14に起動または停止信号を送信する(S14)。監視・操作処理部14を起動させる場合には、この監視・操作処理部14について、使用を選択したプラントサーバを備え且つ起動状態にあるシミュレーション処理部12(例えば図1の場合には他の発電プラントシミュレータ11A1のシミュレーション処理部12、図2の場合には自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12)のアドレスに関連し且つ重複しないアドレスを、アドレスデータベース15を参照して設定する(S14)。
【0028】
上述のようにして、自らの発電プラントシミュレータ11は、図1の例では他の発電プラントシミュレータ11A1のシミュレーション処理部12に接続されるので、発電プラントAシミュレータ群10Aに属する発電プラントシミュレータとして構成される。また、図2の例では、自らの発電プラントシミュレータ11は、自らのシミュレーション処理部12のプラントサーバを使用するので、他の発電プラントシミュレータ群のいずれにも属さない発電プラントシミュレータとして構成される。
【0029】
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)を奏する。
(1)図1及び図2に示すように、自らの発電プラントシミュレータ11を他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…に共通ネットワーク21を介して接続する際に、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部16におけるプラントサーバ選択機能部18、インストラクタ処理部起動停止機能部19、監視・操作処理部管理部20のそれぞれが、自らの発電プラントシミュレータ11の起動するシミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13、監視操作処理部14のそれぞれに自動でアドレスを設定する。このため、専門技術者が、追加する発電プラントシミュレータ11の各処理部12、13、14に事前に個別にアドレスを設定する必要がない。この結果、プラントシミュレータの台数を訓練や研修の規模に合せて容易に増減することができる。
【0030】
また、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部16のインストラクタ処理部起動停止機能部19、監視・操作処理部管理部20のそれぞれが、自らの発電プラントシミュレータ11のインストラクタ処理部13、監視・操作処理部14のそれぞれの起動、停止を選択するので、訓練や研修の規模に合せた発電プラントシミュレータを構成できる。
【0031】
これらのことから、訓練や研修の規模または形態に合せて発電プラントシミュレータの台数を容易に増減することができる。このため、例えば、1号機発電所と2号機発電所の連携訓練、または離れた地点に存在し異なる発電プラント同士の連携訓練を実施することができる。
【0032】
[B]第2実施形態(図4図6
図4は、第2実施形態に係るプラントシミュレータが適用された発電プラントシミュレータにおける構成管理部のプラント構成一覧表示機能部の動作状況を説明する説明図である。また、図5は、図4の発電プラントシミュレータにおける構成管理部のシミュレータ構成変更機能部の動作状況を説明する説明図である。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0033】
本第2実施形態の発電プラントシミュレータ(自らの発電プラントシミュレータ11、他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、11B1、11B2…)の構成管理部26が第1実施形態と異なる点は、処理部アドレス確認機能部17、プラントサーバ選択機能部18、インストラクタ処理部起動停止機能部19及び監視・操作処理部管理部20を備えるほか、プラント構成一覧表示機能部27及びシミュレータ構成変更機能部28を備えて構成された点である。
【0034】
例えば、図4に示すように、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26のプラント構成一覧表示機能部27は、現在動作している発電プラントシミュレータの構成状態、図4の例では発電プラントAシミュレータ群10Aの他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2、11A3、11A4の構成状態(シミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13、監視・操作処理部14の起動、停止状態)をグラフィカルに一覧表示する。
【0035】
また、例えば図5に示すように、自らの発電シミュレータ11の構成管理部26のシミュレータ構成変更機能部28は、プラント構成一覧表示機能部27により一覧表示された他の発電プラントシミュレータ(図5の例では発電プラントAシミュレータ群10Aの他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2、11A3、11A4)のうち、任意の一つが特定(クリック)されたとき、この特定された他の発電プラントシミュレータ(図5の例では他の発電プラントシミュレータ11A3)の構成を変更するよう選択する(矢印28X参照)。図5の例では、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26のシミュレータ構成変更機能部28及びプラントサーバ選択機能部18は、発電プラントAシミュレータ群10Aの他の発電プラントシミュレータ11A3を、自らの発電プラントシミュレータ11のシミュレーション処理部12のプラントサーバに接続させて、自らの発電プラントシミュレータ11を含む発電プラントCシミュレータ群10Cに帰属させる構成に変更している。
【0036】
次に、発電プラントシミュレータの構成管理部26、例えば自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26の動作を、主に図6を用いて説明する。
発電プラントCシミュレータ群10Cの自らの発電プラントシミュレータ11が、共通ネットワーク21を介して、発電プラントAシミュレータ群10Aの他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2…、及び発電プラントBシミュレータ群10Bの他の発電プラントシミュレータ11B1、11B2…に接続されている状態で、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26のプラント構成一覧表示部27は、現在動作している複数の発電プラントシミュレータ、例えば他の発電プラントシミュレータ11A1、11A2、11A3、11A4の構成状態(例えば各処理部12、13、14の起動、停止状態)をグラフィカルに一覧表示する(S21)。
【0037】
次に、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26のシミュレータ構成変更機能部28は、プラント構成一覧表示機能部27により一覧表示された他の発電プラントシミュレータから任意の一つが特定されたとき、この特定された発電プラントシミュレータ(例えば他の発電プラントシミュレータ11A3)の構成を変更するよう選択する(S22)。
【0038】
次に、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26のプラントサーバ選択機能部18は、シミュレータ構成変更機能部28により選択された発電プラントシミュレータ(例えば他の発電プラントシミュレータ11A3)を、どの発電プラントシミュレータのシミュレーション処理部12のプラントサーバに接続させるかを選択する(S23)。図5では、シミュレータ構成変更機能部28により選択された他の発電プラントシミュレータ11A3は、自らの発電プラントシミュレータ11のプラントサーバ選択機能部18によって、発電プラントCシミュレータ群10Cに帰属するように構成が変更されている。
【0039】
次に、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26のインストラクタ処理部起動停止機能部19は、シミュレータ構成変更機能部28により選択された発電プラントシミュレータ(例えば他の発電プラントシミュレータ11A3)のインストラクタ処理部13を起動させるか否かを選択する(S24)。図5では、他の発電プラントシミュレータ11A3のインストラクタ処理部13の停止(OFF)が選択されている。
【0040】
次に、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26の監視・操作処理部管理部20は、シミュレータ構成変更機能部28により選択された発電プラントシミュレータ(例えば他の発電プラントシミュレータ11A3)の監視・操作処理部14を起動させるか否かを選択する(S25)。図5では、他の発電プラントシミュレータ11A3の監視・操作処理部14の起動(ON)が選択されている。
【0041】
次に、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26のシミュレータ構成変更機能部28は、選択した発電プラントシミュレータ(例えば他の発電プラントシミュレータ11A3)における起動を選択したシミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13、監視・操作処理部14(例えば監視・操作処理部14)に、アドレスデータベース15を参照して、重複しないアドレスを設定する(S26)。従って、自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26によって、選択された他の発電プラントシミュレータの構成が、発電プラントAシミュレータ群10Aに帰属する指導員用から、発電プラントCシミュレータ群10Cに帰属する訓練員用に変更される。
【0042】
以上のように構成されたことから、本第2実施形態においても、第1実施形態の効果(1)と同様な効果を奏するほか、次の効果(2)を奏する。
【0043】
(2)自らの発電プラントシミュレータ11の構成管理部26のプラント構成一覧表示機能部27が、現在動作している発電プラントシミュレータの構成状態を一覧表示し、自らの発電プラントシミュレータ11における構成管理部26のシミュレータ構成変更機能部28が、この一覧表示された発電プラントシミュレータから一つの他の発電プラントシミュレータ(例えば他の発電プラントシミュレータ11A3)を選択する。そして、自らの発電プラントシミュレータ11における構成管理部26のプラントサーバ選択機能部18、インストラクタ処理部起動停止機能部19、監視・操作処理部管理部20及びシミュレータ構成変更機能部28が、選択した他の発電プラントシミュレータ(例えば他の発電プラントシミュレータ11A3)の構成を変更する。この結果、訓練や研修の規模または形態に応じて、発電プラントシミュレータの構成をより柔軟に容易に変更することができる。
【0044】
[C]第3実施形態(図7
図7は、第3実施形態に係るプラントシミュレータが適用された発電プラントシミュレータにおける構成管理部のシミュレーションデータ複製機能部の動作状況を説明する説明図である。この第3実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0045】
本第3実施形態における複数台の発電プラントシミュレータ31M1、31M2、31M3、31M4、31M5…は、ローカルネットワークを介して接続された同一のグループM内の発電プラントシミュレータである。これらの発電プラントシミュレータ31M1~31M5…のそれぞれは、シミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13、監視・操作処理部14、アドレスデータベース15及び構成管理部32を有して構成される。このうちの構成管理部32が、処理部起動停止選択部33、処理部アドレス確認機能部34及びシミュレーションデータ複製機能部35を備える。
【0046】
発電プラントシミュレータ31M1~31M5…における構成管理部32の処理部起動停止選択部33は、それぞれの発電プラントシミュレータのシミュレーション処理部12とインストラクタ処理部13と監視・操作処理部14とをそれぞれ起動または停止させる機能を果たす。また、構成管理部32の処理部アドレス確認機能部34は、グループM内の発電プラントシミュレータ31M1~31M5…におけるシミュレーション処理部12、インストラクタ処理部13、監視・操作処理部14の起動状態と、この起動状態にある各処理部12、13、14のアドレスを確認し、そのアドレスデータをアドレスデータベース15に更新して記憶させて管理する。
【0047】
構成管理部32のシミュレーションデータ複製機能部35は、例えば発電プラントシミュレータ31M5を自らの発電プラントシミュレータとし、発電プラントシミュレータ31M1~31M4を他の発電プラントシミュレータとしたとき、自らの発電プラントシミュレータ31M5が他の発電プラントシミュレータ31M1~31M4に接続された状態で、起動状態のシミュレーション処理部12を有する他の発電プラントシミュレータ31M1における上記シミュレーション処理部12内のプラントデータとしてのシミュレーションデータを、自らの発電プラントシミュレータ31M5のシミュレーション処理部12に複製する(矢印35X参照)。
【0048】
つまり、例えば、自らの発電プラントシミュレータ31M5の構成管理部32のシミュレーションデータ複製機能部35は、グループM内でシミュレーション処理部12が現在起動状態にある他の発電プラントシミュレータ31M1をアドレスデータベース15により確認し、この他の発電プラントシミュレータ31M1のシミュレーション処理部12内に確保されたシミュレーションデータを、自らのシミュレーション処理部12に複製する。発電プラントシミュレータ31M5の構成管理部32のシミュレーションデータ複製機能部35は、シミュレーションデータの複製後グループMとの連携を切断して、発電プラントシミュレータ31M5を個人用の発電プラントシミュレータとする。
【0049】
図7では、生徒5が発電プラントシミュレータ31M5を用いた訓練または研修を中断する場合、この発電プラントシミュレータ31M5の構成管理部32のシミュレーションデータ複製機能部35は、生徒1が使用する発電プラントシミュレータ31M1のシミュレーション処理部12内に確保されているシミュレーションデータを、生徒5の発電プラントシミュレータ31M5のシミュレーション処理部12に複製し、その後、発電プラントシミュレータ31M5をグループMから分離させる。
【0050】
以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、次の効果(3)を奏する。
(3)グループM内での訓練または研修を中断しなければならなくなった場合には、発電プラントシミュレータの構成管理部32のシミュレーションデータ複製機能部35によって、同一のグループM内の他の発電プラントシミュレータ(例えば他の発電プラントシミュレータ31M1)における起動状態のシミュレーション処理部12に確保されたシミュレーションデータを、中断する自らの発電プラントシミュレータ(例えば発電プラントシミュレータ31M5)のシミュレーション処理部12に複製し、その後、自らの発電プラントシミュレータをグループMから分離させる。これにより、自分の都合がつく時間に中断時のシミュレーションデータを用いて、自らの発電プラントシミュレータ(例えば発電プラントシミュレータ31M5)により訓練または研修を再開させることができる。
【0051】
なお、この第3実施形態の発電プラントシミュレータ(例えば発電プラントシミュレータ31M1~31M5…)では、アドレスデータベース15、及び構成管理部32の処理部アドレス確認機能部34は必ずしも必要ない。この場合には、中断しようとする自らの発電プラントシミュレータ(例えば発電プラントシミュレータ31M5)を使用する訓練生が、現在起動状態にあるシミュレーション処理部12を有する発電プラントシミュレータ(例えば発電プラントシミュレータ31M1)のアドレスを確認し、このアドレスを自らの発電プラントシミュレータの構成管理部32のシミュレーションデータ複製機能部35に入力すればよい。
【0052】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0053】
例えば、プラントシミュレータは、発電プラントを模擬する発電プラントシミュレータに限らず、化学プラントなどの他のプラントを模擬するプラントシミュレータであってもよい。
また、監視・操作処理部14を停止した状態は、基本的にはその発電プラントシミュレータを使用しない場合なので、各実施形態における構成管理部16、26、32の監視・操作処理部管理部20は監視・操作処理部14の起動・停止機能を有さなくてもよく、監視・操作処理部14についてアドレスを設定する機能があればよい。
【符号の説明】
【0054】
11…自らの発電プラントシミュレータ、11A1、11A2、11B1、11B2…他の発電プラントシミュレータ、12…シミュレーション処理部、13…インストラクタ処理部、14…監視・操作処理部、15…アドレスデータベース、16…構成管理部、17…処理部アドレス確認機能部、18…プラントサーバ選択機能部、19…インストラクタ処理部起動停止機能部、20…監視・操作処理部管理部、21…共通ネットワーク、26…構成管理部、27…プラント構成一覧表示機能部、28…シミュレータ構成変更機能部、31M1~31M5…発電プラントシミュレータ、32…構成管理部、35…シミュレーションデータ複製機能部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8