(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】キナゾリン誘導体の塩、その製造方法および使用
(51)【国際特許分類】
C07D 239/94 20060101AFI20220509BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220509BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220509BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
C07D239/94 CSP
A61K31/5377
A61P35/00
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2019516127
(86)(22)【出願日】2017-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2017102998
(87)【国際公開番号】W WO2018054359
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-07-01
(31)【優先権主張番号】201610847951.1
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514023416
【氏名又は名称】シャンハイ ファーマシューティカルズ ホールディング カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】シア コアンシン
(72)【発明者】
【氏名】リー ティー
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ニン
(72)【発明者】
【氏名】チェン アオ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ リャン
(72)【発明者】
【氏名】ハン チエンション
(72)【発明者】
【氏名】リウ イェンチュン
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-521613(JP,A)
【文献】特表2007-504230(JP,A)
【文献】特表2008-514627(JP,A)
【文献】厚生省医薬安全局審査管理課長,医薬品の残留溶媒ガイドラインについて,医薬審,第307号,1998年,pp. 1-11
【文献】長瀬博監訳,最新 創薬化学 下巻,株式会社テクノミック,1999年09月25日,第347-365頁
【文献】橋田 充,経口投与製剤の設計と評価,薬業時報社,1995年02月10日,p.76-79
【文献】平山令明編,有機化合物結晶作製ハンドブック -原理とノウハウ-,丸善株式会社,2008年07月25日,p.57-84
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CAplus/REGISTRY(STN)
C07D 239/
A61K 31/5377
A61P 35/00
A61P 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式2:
【化1】
で表される、モノクエン酸塩であるキナゾリン誘導体の塩
であって、式2で表されるモノクエン酸塩が、以下のパラメーター:
回折角2θが、8.280±0.2゜,8.720±0.2゜,16.962±0.2゜,19.124±0.2゜,19.742±0.2゜及び25.222±0.2゜である箇所に特徴ピークを有する、結晶形1の粉末X線回折スペクトル
をさらに有する、前記塩。
【請求項2】
前記のモノクエン酸塩
2の構造式は、構造式で示されるキナゾリン誘導体と酸のみからなるもの、または、構造式で示されるキナゾリン誘導体と酸と溶媒分子のみからなるものを表す、請求項1に記載のキナゾリン誘導体の塩。
【請求項3】
式2で表されるモノクエン酸塩が、さらに、以下のパラメーター:
回折角2θが、8.280±0.2゜,8.720±0.2゜,13.621±0.2゜,14.043±0.2゜,16.522±0.2゜,16.962±0.2゜,19.124±0.2゜,19.742±0.2゜,21.367±0.2゜,23.439±0.2゜,25.222±0.2゜and26.842±0.2゜である箇所に特徴ピークを有する結晶形1の粉末X線回折スペクトル
を有すること、を特徴とする請求項1に記載のキナゾリン誘導体の塩。
【請求項4】
式2で表されるモノクエン酸塩
が、さらに、
以下のパラメーター:
回折角2θが5.278±0.2゜,8.280±0.2゜,8.720±0.2゜,9.862±0.2゜,10.740±0.2゜,11.564±0.2゜,13.621±0.2゜,14.043±0.2゜,14.853±0.2゜,16.522±0.2゜,16.962±0.2゜,19.124±0.2゜,19.742±0.2゜,20.501±0.2゜,20.802±0.2゜,21.367±0.2゜,23.439±0.2゜,23.799±0.2゜,25.222±0.2゜,26.359±0.2゜,26.842±0.2゜,27.494±0.2゜,28.919±0.2゜,32.383±0.2゜及び32.764±0.2゜である箇所に特徴ピークを有する
結晶形1の
粉末X線回折スペクトルを有すること、を特徴とする請求項1に記載のキナゾリン誘導体の塩。
【請求項5】
式2で表されるモノクエン酸塩
が、さらに、
以下のパラメーター:
回折角2θが8.280±0.2゜,8.720±0.2゜,9.862±0.2゜,10.740±0.2゜,11.564±0.2゜,13.621±0.2゜,14.043±0.2゜,16.522±0.2゜,16.962±0.2゜,19.124±0.2゜,19.742±0.2゜,20.802±0.2゜,21.367±0.2゜,23.439±0.2゜及び25.222±0.2゜である箇所に特徴ピークを有する、結晶形1の
粉末X線回折スペクトルを有すること、を特徴とする請求項1に記載のキナゾリン誘導体の塩。
【請求項6】
前記結晶形1の融点が165~169℃であること、および/または、
前記結晶形1は相対湿度20~80%の範囲内で0.21%の水分を吸着すること、
を特徴とする、請求項1に記載のキナゾリン誘導体の塩。
【請求項7】
請求項
1~6の少なくともいずれか1つに記載のキナゾリン誘導体の塩の製造方法であって、
(1)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とクエン酸との塩形成反応を行い、モノクエン酸塩2を得る工程を含み、ここで前記キナゾリン誘導体の構造が、以下の式:
【化2】
により表される、前記方法。
【請求項8】
前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は25~50mL/gであること、
および/または、前記のクエン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.5であること、
および/または、前記の塩形成の温度は10~30℃であること、
および/または、前記の塩形成の時間は0.5~24時間であること、
および/または、前記の塩形成反応の操作は、クエン酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合することであること、
および/または、前記の塩形成反応の後処理は、ろ過、乾燥であること、
および/または、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とクエン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含むこと、
を特徴とする請求項
7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は26~48mL/gであること、
および/または、前記の塩形成反応の操作は、クエン酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れて混合し、前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は25~50mg/mLで、前記のクエン酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は50~100mg/mLであること、
および/または、前記の塩形成反応の後処理は、ろ過、乾燥であること、
および/または、前記方法は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とクエン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含み、前記の乾燥温度は40~45℃で、前記の乾燥は真空乾燥であること、
を特徴とする請求項
8に記載の製造方法。
【請求項10】
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤、HER2チロシンキナーゼ阻害剤、
又はHER4チロシンキナーゼ阻害剤の製造における請求項
1~6の少なくともいずれか1つに記載のキナゾリン誘導体の塩の使用。
【請求項11】
請求項
1~6の少なくともいずれか1つに記載のキナゾリン誘導体の塩を含む、腫瘍疾患を予防または治療するための医薬組成物。
【請求項12】
治療および/または予防の有効量の、請求項
1~6の少なくともいずれか1つに記載のキナゾリン誘導体の塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キナゾリン誘導体の塩、その製造方法および使用に関する。
本願は出願日が2016年9月23日の中国特許出願CN201610847951.1の優先権を要求する。本願は上記中国特許出願の全文を引用する。
【背景技術】
【0002】
キナゾリン誘導体であって、化学名はN-[4-(3-クロロ-4-フルオロアニリノ)]-7-(3-モルフォリノプロポキシ)-6-(2-フルオロアクリルアミド)-キナゾリンで、分子式はC
24H
24ClF
2N
5O
3で、その構造式は以下に示される。
【化1】
【0003】
US2014206687、WO2013013640、CN102898386以およびJP2014521613では、当該キナゾリン誘導体(すなわち、式1化合物)およびその製造方法が公開された。当該式1化合物は、淡黄色またはオフ白色の粉末状固体で、水溶性が劣る。
【発明の概要】
【0004】
本発明が解決しようとする技術課題は、既存の当該キナゾリン誘導体の水溶性が劣ることであるため、本発明はキナゾリン誘導体の塩、その製造方法および使用を提供する。既知のキナゾリン誘導体と比べ、前記のキナゾリン誘導体の塩は一つまたは複数の改良された機能を有し、少なくともより優れた水溶性を有する。
【0005】
本発明は、式2で表されるモノクエン酸塩、式2-1で表されるモノクエン酸塩ヘミ酢酸塩、式2-2で表されるモノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体、式2-3で表されるモノクエン酸塩ヘミ1,4-ジオキサン複合体、式2-4で表されるモノクエン酸塩二水和物、式2-5で表されるモノクエン酸塩ヘミクロロホルム複合体、式2-6で表されるモノクエン酸塩三水和物、式2-7で表されるモノクエン酸塩2.5水和物、式3で表されるモノベンゼンスルホン酸塩、式4で表されるモノエタンジスルホン酸塩、式5で表されるモノL-酒石酸塩、式5-1で表されるモノL-酒石酸塩四水和物、式6で表されるモノ塩酸塩一水和物、式7で表されるモノ硫酸塩、式8で表されるモノD-グルコン酸塩、式9で表されるモノα-ケトグルタル酸塩、式10で表されるジα-ケトグルタル酸塩、式11で表されるジリン酸塩、式12で表されるジマレイン酸塩、式13で表されるモノコハク酸塩、式14で表されるトリコハク酸塩、式15で表されるジグリコール酸塩、式16で表されるモノマロン酸塩、式17で表されるジマロン酸塩、式18で表されるトリマロン酸塩、式19で表されるジ硫酸塩、式20で表されるジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩、式21で表されるモノパモ酸塩、式22で表されるモノp-トルエンスルホン酸塩、式23で表されるモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩、または、式24で表されるモノp-クロロベンゼンスルホン酸塩である、キナゾリン誘導体の塩を提供する:
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【0006】
前記のモノクエン酸塩2、モノクエン酸塩ヘミ酢酸塩2-1、モノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体2-2、モノクエン酸塩ヘミ1,4-ジオキサン複合体2-3、モノクエン酸塩二水和物2-4、モノクエン酸塩ヘミクロロホルム複合体2-5、モノクエン酸塩三水和物2-6、モノクエン酸塩2.5水和物2-7、モノベンゼンスルホン酸塩3、モノエタンジスルホン酸塩4、モノL-酒石酸塩四水和物5-1、モノ塩酸塩一水和物6、モノ硫酸塩7、モノD-グルコン酸塩8、トリコハク酸塩14、トリマロン酸塩18およびモノp-トルエンスルホン酸塩22の構造式は、構造式で示されるキナゾリン誘導体と酸のみからなるもの、または、構造式で示されるキナゾリン誘導体と酸と溶媒分子とのみからなるものを表す。
【0007】
前記のジα-ケトグルタル酸塩10、ジマレイン酸塩12、モノコハク酸塩13、ジグリコール酸塩15、ジマロン酸塩17、ジ硫酸塩19、ジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩20、モノパモ酸塩21、モノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩23およびモノp-クロロベンゼンスルホン酸塩24の構造式は構造式で示されるキナゾリン誘導体と酸とを含むことを表す(すなわち、さらに構造式でしめされていない溶媒分子<水または有機溶媒でもよい>を含むこともある)。ある形態において、これらの構造式は構造式で示されるキナゾリン誘導体と酸とのみからなることを表す。
【0008】
前記のモノL-酒石酸塩5、モノα-ケトグルタル酸塩9、ジリン酸塩11およびモノマロン酸塩16の構造式は構造式で示されるキナゾリン誘導体と酸とを含むことを表す(すなわち、さらに構造式で示されていない溶媒分子<水または有機溶媒でもよい>を含むこともある)。ある形態において、これらの構造式は構造式で示されるキナゾリン誘導体と酸と水とのみからなることを表す。
【0009】
また、式2で表されるモノクエン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:(1)その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが8.280±0.2°、8.720±0.2°、16.962±0.2°、19.124±0.2°、19.742±0.2°および25.222±0.2°(または8.280±0.2°、8.720±0.2°、13.621±0.2°、14.043±0.2°、16.522±0.2°、16.962±0.2°、19.124±0.2°、19.742±0.2°、21.367±0.2°、23.439±0.2°、25.222±0.2°および26.842±0.2°であってもよく、さらに5.278±0.2°、8.280±0.2°、8.720±0.2°、9.862±0.2°、10.740±0.2°、11.564±0.2°、13.621±0.2°、14.043±0.2°、14.853±0.2°、16.522±0.2°、16.962±0.2°、19.124±0.2°、19.742±0.2°、20.501±0.2°、20.802±0.2°、21.367±0.2°、23.439±0.2°、23.799±0.2°、25.222±0.2°、26.359±0.2°、26.842±0.2°、27.494±0.2°、28.919±0.2°、32.383±0.2°および32.764±0.2°であってもよく、またさらに8.280±0.2°、8.720±0.2°、9.862±0.2°、10.740±0.2°、11.564±0.2°、13.621±0.2°、14.043±0.2°、16.522±0.2°、16.962±0.2°、19.124±0.2°、19.742±0.2°、20.802±0.2°、21.367±0.2°、23.439±0.2°および25.222±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形1)であるか、あるいは(2)その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが6.757±0.2°、11.521±0.2°、15.926±0.2°、18.400±0.2°、21.520±0.2°、22.942±0.2°、24.584±0.2°および26.943±0.2°(または6.757±0.2°、10.441±0.2°、11.521±0.2°、13.084±0.2°、13.406±0.2°、15.926±0.2°、17.540±0.2°、18.400±0.2°、21.520±0.2°、22.942±0.2°、24.584±0.2°および26.943±0.2°であってもよく、さらに6.757±0.2°、10.441±0.2°、11.521±0.2°、13.084±0.2°、13.406±0.2°、14.003±0.2°、14.594±0.2°、15.097±0.2°、15.926±0.2°、17.540±0.2°、18.400±0.2°、20.898±0.2°、21.520±0.2°、22.942±0.2°、23.562±0.2°、24.584±0.2°および26.943±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形13)である。
【0010】
また、式2-1で表されるモノクエン酸塩ヘミ酢酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが4.700±0.2°、7.400±0.2°、7.801±0.2°、11.340±0.2°、13.298±0.2°、13.799±0.2°、18.464±0.2°および22.618±0.2°(また4.700±0.2°、7.400±0.2°、7.801±0.2°、11.340±0.2°、13.298±0.2°、13.799±0.2°、14.397±0.2°、15.719±0.2°、18.464±0.2°、20.036±0.2°、22.618±0.2°、31.385±0.2°および31.604±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形2)である。
【0011】
また、式2-2で表されるモノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが6.939±0.2°、7.462±0.2°、18.603±0.2°、19.183±0.2°、24.803±0.2°及び25.983±0.2°(または6.939±0.2°、7.462±0.2°、15.181±0.2°、15.976±0.2°、18.603±0.2°、19.183±0.2°、20.861±0.2°、21.444±0.2°、22.321±0.2°、23.040±0.2°、24.803±0.2°および25.983±0.2°であってもよく、さらに6.939±0.2°、7.462±0.2°、13.042±0.2°、15.181±0.2°、15.976±0.2°、16.502±0.2°、17.318±0.2°、18.603±0.2°、19.183±0.2°、20.861±0.2°、21.444±0.2°、22.321±0.2°、23.040±0.2°、24.803±0.2°、25.983±0.2°、27.106±0.2°、28.244±0.2°および29.713±0.2°であってもよく、またさらに6.939±0.2°、7.462±0.2°、13.042±0.2°、15.181±0.2°、15.976±0.2°、16.502±0.2°、17.076±0.2°、17.318±0.2°、18.603±0.2°、19.183±0.2°、20.498±0.2°、20.861±0.2°、21.444±0.2°、22.321±0.2°、23.040±0.2°、24.803±0.2°、25.983±0.2°、27.106±0.2°、28.244±0.2°および29.713±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形3)である。
【0012】
また、式2-3で表されるモノクエン酸塩ヘミ1,4-ジオキサン複合体は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが6.962±0.2°、7.821±0.2°、8.560±0.2°、8.999±0.2°、17.262±0.2°及び19.441±0.2°(または6.962±0.2°、7.821±0.2°、8.560±0.2°、8.999±0.2°、15.712±0.2°、17.262±0.2°、19.441±0.2°、20.037±0.2°、20.754±0.2°、24.062±0.2°および25.407±0.2°であってもよく、さらに6.962±0.2°、7.821±0.2°、8.560±0.2°、8.999±0.2°、15.712±0.2°、17.262±0.2°、19.441±0.2°、20.037±0.2°、20.754±0.2°、21.540±0.2°、24.062±0.2°および25.407±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形4)である。
【0013】
また、式2-4で表されるモノクエン酸塩二水和物は、さらに下記パラメーターを有してもよい:(1)その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが6.443±0.2°、10.780±0.2°、12.808±0.2°、16.230±0.2°、18.683±0.2°、19.262±0.2°、24.519±0.2°、25.885±0.2°および28.743±0.2°(または6.443±0.2°、7.801±0.2°、10.780±0.2°、12.808±0.2°、13.211±0.2°、14.221±0.2°、16.230±0.2°、18.683±0.2°、19.262±0.2°、19.744±0.2°、21.042±0.2°、21.540±0.2°、24.519±0.2°、25.885±0.2°および28.743±0.2°であってもよく、さらに6.443±0.2°、7.801±0.2°、8.140±0.2°、10.780±0.2°、12.808±0.2°、13.211±0.2°、14.221±0.2°、16.230±0.2°、16.543±0.2°、18.683±0.2°、19.262±0.2°、24.519±0.2°、25.886±0.2°および28.743±0.2°であってもよく、またさらに6.443±0.2°、7.801±0.2°、8.140±0.2°、10.780±0.2°、11.202±0.2°、12.808±0.2°、12.564±0.2°、13.211±0.2°、14.221±0.2°、16.230±0.2°、16.543±0.2°、17.176±0.2°、18.237±0.2°、18.683±0.2°、19.262±0.2°、19.744±0.2°、20.205±0.2°、21.042±0.2°、21.540±0.2°、24.519±0.2°、25.601±0.2°、25.886±0.2°、26.888±0.2°、および28.743±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形5)であるか、あるいは(2)その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが8.542±0.2°、12.659±0.2°、13.843±0.2°、18.638±0.2°、19.822±0.2°および25.300±0.2°(または8.542±0.2°、12.659±0.2°、13.843±0.2°、18.120±0.2°、18.638±0.2°、18.916±0.2°、19.822±0.2°、20.637±0.2°、23.763±0.2°、24.157±0.2°、24.528±0.2°、25.300±0.2°および25.659±0.2°であってもよく、さらに8.261±0.2°、8.542±0.2°、10.920±0.2°、12.659±0.2°、13.024±0.2°、13.843±0.2°、14.713±0.2°、15.986±0.2°、16.980±0.2°、18.120±0.2°、18.638±0.2°、18.916±0.2°、19.822±0.2°、20.637±0.2°、23.763±0.2°、24.157±0.2°、24.528±0.2°、25.300±0.2°、25.659±0.2°、28.241±0.2°、28.802±0.2°、32.263±0.2°、32.782±0.2°、33.743±0.2°および35.629±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形7)であるか、あるいは(3)その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが4.602±0.2°、7.641±0.2°、13.651±0.2°、15.264±0.2°、19.182±0.2°および23.321±0.2°である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形11)である。
【0014】
また、式2-5で表されるモノクエン酸塩ヘミクロロホルム複合体は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが7.682±0.2°、19.122±0.2°および26.044±0.2°(また7.682±0.2°、8.101±0.2°、16.705±0.2°、17.138±0.2°、19.122±0.2°および26.044±0.2°)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形6)である。
【0015】
また、式2-6で表されるモノクエン酸塩三水和物は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.659±0.2°、5.920±0.2°、9.064±0.2°、11.760±0.2°、17.600±0.2°、27.103±0.2°および27.623±0.2°(または5.659±0.2°、5.920±0.2°、8.107±0.2°、9.064±0.2°、11.760±0.2°、12.795±0.2°、13.047±0.2°、13.454±0.2°、17.600±0.2°、18.705±0.2°、19.161±0.2°、20.039±0.2°、22.182±0.2°、27.103±0.2°および27.623±0.2°であってもよく、さらに5.659±0.2°、5.920±0.2°、8.107±0.2°、9.064±0.2°、11.760±0.2°、13.047±0.2°、13.454±0.2°、17.016±0.2°、17.600±0.2°、18.705±0.2°、19.161±0.2°、20.039±0.2°、22.182±0.2°、23.831±0.2°、25.723±0.2°、27.103±0.2°および27.623±0.2°であってもよく、またさらに5.659±0.2°、5.920±0.2°、8.107±0.2°、9.064±0.2°、11.760±0.2°、13.047±0.2°、13.454±0.2°、17.016±0.2°、17.600±0.2°、12.795±0.2°、18.705±0.2°、19.161±0.2°、20.039±0.2°、22.182±0.2°、23.831±0.2°、24.304±0.2°、25.723±0.2°、27.103±0.2°、27.623±0.2°および27.936±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形10)である。
【0016】
また、式2-7で表されるモノクエン酸塩2.5水和物は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが7.852±0.2°、14.859±0.2°、15.605±0.2°、19.448±0.2°、23.439±0.2°および25.604±0.2°(または7.852±0.2°、14.128±0.2°、14.859±0.2°、15.605±0.2°、16.580±0.2°、19.448±0.2°、20.221±0.2°、23.439±0.2°および25.604±0.2°であってもよい)である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形14)である。
【0017】
また、式3で表されるモノベンゼンスルホン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが7.642±0.2°、13.639±0.2°、14.861±0.2°、15.445±0.2°、16.182±0.2°、16.904±0.2°、17.542±0.2°、18.821±0.2°、19.160±0.2°、20.563±0.2°、21.643±0.2°、22.843±0.2°、23.542±0.2°、25.252±0.2°および26.201±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0018】
また、式4で表されるモノエタンジスルホン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.447±0.2°、8.286±0.2°、13.734±0.2°、18.614±0.2°、20.686±0.2°、22.596±0.2°、24.179±0.2°、24.908±0.2°および29.606±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0019】
また、式5で表されるモノL-酒石酸塩は、下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.738±0.2°、7.332±0.2°、8.817±0.2°、11.084±0.2°、13.060±0.2°、17.063±0.2°、17.814±0.2°、19.841±0.2°、20.469±0.2°、21.844±0.2°および24.123±0.2°である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形15)である。
【0020】
また、式5-1で表されるモノL-酒石酸塩四水和物は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが7.357±0.2°、8.696±0.2°、9.437±0.2°、12.725±0.2°、16.543±0.2°、17.444±0.2°、18.959±0.2°、21.847±0.2°、22.101±0.2°、24.819±0.2°、29.444±0.2°および33.501±0.2°である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形16)である。
【0021】
また、式6で表されるモノ塩酸塩一水和物は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが8.862±0.2°、13.860±0.2°、17.127±0.2°、17.516±0.2°、21.452±0.2°、23.545±0.2°、25.421±0.2°および27.985±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0022】
また、式7で表されるモノ硫酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが6.102±0.2°、6.982±0.2°、13.336±0.2°、14.340±0.2°、14.857±0.2°、21.585±0.2°、23.009±0.2°、24.254±0.2°および25.783±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0023】
また、式8で表されるモノD-グルコン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが6.280±0.2°、7.901±0.2°、12.403±0.2°、15.719±0.2°、16.106±0.2°、18.001±0.2°、19.581±0.2°、21.601±0.2°、22.760±0.2°、23.980±0.2°、24.461±0.2°、25.140±0.2°、26.764±0.2°、27.419±0.2°および28.902±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0024】
また、式9で表されるモノα-ケトグルタル酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.349±0.2°、7.186±0.2°、7.818±0.2°、8.446±0.2°、9.259±0.2°、11.114±0.2°、15.968±0.2°、16.851±0.2°、17.411±0.2°、20.408±0.2°、22.381±0.2°、23.943±0.2°および24.198±0.2°である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形15)である。
【0025】
また、式10で表されるジα-ケトグルタル酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.738±0.2°、7.003±0.2°、9.537±0.2°、12.779±0.2°、14.379±0.2°、15.815±0.2°、17.042±0.2°、17.765±0.2°、19.121±0.2°、23.343±0.2°、24.722±0.2°、25.821±0.2°、26.379±0.2°、27.162±0.2°および36.062±0.2°である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形15)である。
【0026】
また、式11で表されるジリン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.080±0.2°、14.304±0.2°、15.552±0.2°、19.781±0.2°、22.580±0.2°および24.720±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0027】
また、式12で表されるジマレイン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが4.777±0.2°、6.094±0.2°、9.750±0.2°、10.397±0.2°、12.279±0.2°、15.573±0.2°、16.264±0.2°、17.230±0.2°、18.594±0.2°、18.928±0.2°、19.662±0.2°、20.505±0.2°、21.751±0.2°、24.098±0.2°、25.698±0.2°、26.314±0.2°、27.871±0.2°、28.759±0.2°および29.767±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0028】
また、式13で表されるモノコハク酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが4.060±0.2°、7.998±0.2°、13.866±0.2°、19.763±0.2°、21.820±0.2°、22.543±0.2°、25.667±0.2°、27.851±0.2°および31.700±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0029】
また、式14で表されるトリコハク酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが4.920±0.2°、8.941±0.2°、16.988±0.2°、20.302±0.2°、23.799±0.2°、26.384±0.2°、27.862±0.2°および31.802±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0030】
また、式15で表されるジグリコール酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが10.121±0.2°、11.700±0.2°、13.863±0.2°、14.360±0.2°、15.116±0.2°、15.977±0.2°、16.421±0.2°、17.484±0.2°、18.642±0.2°、20.341±0.2°、21.163±0.2°、21.822±0.2°、22.622±0.2°、23.401±0.2°、24.481±0.2°、26.405±0.2°、27.083±0.2°、27.865±0.2°、28.682±0.2°および30.023±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0031】
また、式16で表されるモノマロン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが7.018±0.2°、13.866±0.2°、17.541±0.2°、19.127±0.2°、20.342±0.2°、21.184±0.2°、23.183±0.2°、24.981±0.2°、27.852±0.2°および28.444±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0032】
また、式17で表されるジマロン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.180±0.2°、7.141±0.2°、13.876±0.2°、14.742±0.2°、16.424±0.2°、16.840±0.2°、18.485±0.2°、19.299±0.2°、20.024±0.2°、21.940±0.2°、23.845±0.2°、25.003±0.2°、26.962±0.2°および27.847±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0033】
また、式18で表されるトリマロン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.062±0.2°、7.181±0.2°、13.843±0.2°、14.731±0.2°、15.700±0.2°、16.158±0.2°、16.841±0.2°、17.923±0.2°、19.042±0.2°、19.722±0.2°、22.123±0.2°、23.303±0.2°、26.621±0.2°および27.480±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0034】
また、式19で表されるジ硫酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが6.896±0.2°、13.362±0.2°、14.516±0.2°、14.981±0.2°、18.179±0.2°、18.622±0.2°、19.806±0.2°、20.983±0.2°、22.801±0.2°、24.062±0.2°、24.783±0.2°、25.662±0.2°、26.503±0.2°、27.543±0.2°および28.143±0.2°である箇所に特徴ピークを有するもの(すなわち結晶形15)である。
【0035】
また、式20で表されるジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが6.740±0.2°、7.660±0.2°、8.821±0.2°、10.582±0.2°、11.921±0.2°、13.420±0.2°、16.200±0.2°、17.061±0.2°、17.481±0.2°、18.024±0.2°、18.520±0.2°、19.003±0.2°、20.905±0.2°、21.603±0.2°、22.518±0.2°、22.921±0.2°、23.841±0.2°、24.722±0.2°、26.339±0.2°および26.902±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0036】
また、式21で表されるモノパモ酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが4.861±0.2°、7.501±0.2°、8.220±0.2°、9.119±0.2°、12.723±0.2°、14.203±0.2°、15.821±0.2°、16.960±0.2°、19.382±0.2°、21.661±0.2°、23.082±0.2°、23.461±0.2°および27.343±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0037】
また、式22で表されるモノp-トルエンスルホン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが7.560±0.2°、15.224±0.2°、16.002±0.2°、16.903±0.2°、17.421±0.2°、18.857±0.2°、20.141±0.2°、21.143±0.2°、22.564±0.2°、23.023±0.2°、29.621±0.2°および31.325±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0038】
また、式23で表されるモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが5.566±0.2°、7.363±0.2°、7.914±0.2°、8.784±0.2°、9.354±0.2°、10.617±0.2°、12.534±0.2°、15.926±0.2°、17.584±0.2°、18.004±0.2°、19.779±0.2°、20.506±0.2°、20.725±0.2°、22.798±0.2°、24.138±0.2°および25.541±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0039】
また、式24で表されるモノp-クロロベンゼンスルホン酸塩は、さらに下記パラメーターを有してもよい:その粉末X線回折スペクトルは回折角2θが7.623±0.2°、15.244±0.2°、15.994±0.2°、17.046±0.2°、17.487±0.2°、18.885±0.2°、20.197±0.2°、21.267±0.2°、21.487±0.2°、22.501±0.2°、23.154±0.2°、23.423±0.2°、24.662±0.2°および29.617±0.2°である箇所に特徴ピークを有するものである。
【0040】
前記モノクエン酸塩の結晶形1の一つの典型的な実例は、
図1に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記モノクエン酸塩の結晶形1は、
図2に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記モノクエン酸塩の結晶形1が無水物であることが示される。さらに、前記モノクエン酸塩の結晶形1は、
図3に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、その融点が165~169℃で、溶融に分解が伴うことが示される。さらに、前記モノクエン酸塩の結晶形1は、
図4に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記モノクエン酸塩の結晶形1が相対湿度20~80%の範囲内で0.21%の水分を吸着することが示される。
【0041】
前記ヘミ酢酸塩の結晶形2の一つの典型的な実例は、
図29に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記ヘミ酢酸塩の結晶形2は、
図30に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記ヘミ酢酸塩の結晶形2は分解温度が142℃で、分解前に3.2%の重量減少があり、0.5モルのエタノールを含有することが示される。さらに、前記ヘミ酢酸塩の結晶形2は、
図31に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記ヘミ酢酸塩の結晶形2は89~120℃の間にエタノール脱離の吸熱ピークがあることが示される。
【0042】
前記ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3の一つの典型的な実例は、
図32に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3は、
図33に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3は分解温度が169℃で、分解前に17.3%の重量減少があり、2モルのテトラヒドロフランを含有することが示される。
【0043】
前記ヘミ1,4-ジオキサン複合体の結晶形4の一つの典型的な実例は、
図34に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記ヘミ1,4-ジオキサン複合体の結晶形4は、
図35に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記ヘミ1,4-ジオキサン複合体の結晶形4は分解温度が173℃で、分解前に6.6%の重量減少があり、0.5モルの1,4-ジオキサンを含有することが示される。
【0044】
前記二水和物の結晶形5の一つの典型的な実例は、
図5に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記二水和物の結晶形5は、
図6に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記二水和物の結晶形5は水和物で、分解温度が145℃で、分解前に5.3%の重量減少があり、約2モルの水を含有することが示される。さらに、前記二水和物の結晶形5は、
図7に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記二水和物の結晶形5は123℃の前に結晶水脱離の吸熱ピークがあることが示される。さらに、前記二水和物の結晶形5は、
図8に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記二水和物の結晶形5が相対湿度0~80%の範囲内で0.4%の水分を吸着することが示される。
【0045】
前記ヘミクロロホルム複合体の結晶形6の一つの典型的な実例は、
図36に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記ヘミクロロホルム複合体の結晶形6は、
図37に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記ヘミクロロホルム複合体の結晶形6は分解温度が173℃で、分解前に7.3%の重量減少があり、0.5モルのクロロホルムを含有することが示される。
【0046】
前記二水和物の結晶形7の一つの典型的な実例は、
図17に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記二水和物の結晶形7は、
図18に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記二水和物の結晶形7は分解温度が145℃で、分解前に4.7%の重量減少があり、2モルの水を含有することが示される。さらに、前記二水和物の結晶形7は、
図19に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記二水和物の結晶形7は79℃の前および115~117℃の間に2つの脱水の吸熱ピークがあることが示される。さらに、前記二水和物の結晶形7は、
図20に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記二水和物の結晶形7が相対湿度10~80%の範囲内で0.38%の水分を吸着し、10%以下の相対湿度では1つの水分子が脱離し、脱離した水分子は30%の相対湿度で再結合することが示される。
【0047】
前記三水和物の結晶形10の一つの典型的な実例は、
図21に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記三水和物の結晶形10は、
図22に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記三水和物の結晶形10は分解温度が159℃で、分解前に7.7%の重量減少があり、3モルの水を含有することが示される。さらに、前記三水和物の結晶形10は、
図23に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記三水和物の結晶形10は117℃の前に脱水の吸熱ピークがあることが示される。さらに、前記三水和物の結晶形10は、
図24に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記三水和物の結晶形10は50%以下の相対湿度では3.5%の結晶水が脱離するが、相対湿度50~80%の範囲内で水和物が安定化し、1.1%の水分を吸着することが示される。
【0048】
前記二水和物の結晶形11の一つの典型的な実例は、
図25に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記二水和物の結晶形11は、
図26に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記二水和物の結晶形11は分解温度が142℃で、分解前に4.8%の重量減少があり、2モルの水を含有することが示される。さらに、前記二水和物の結晶形11は、
図27に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記二水和物の結晶形11は71℃の前に脱水の吸熱ピークがあることが示される。さらに、前記結晶形11は、
図28に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記二水和物の結晶形11が相対湿度50~80%の範囲内で水和物が安定して存在し、5.3%の水分を吸着し、50%以下の相対湿度では結晶水が脱離することが示される。
【0049】
前記モノクエン酸塩の結晶形13の一つの典型的な実例は、
図9に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記モノクエン酸塩の結晶形13は、
図10に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記モノクエン酸塩の結晶形13は分解温度が144℃で、無水物であることが示される。さらに、前記モノクエン酸塩の結晶形13は、
図11に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記モノクエン酸塩の結晶形13は融点が127~138℃であることが示される。さらに、前記モノクエン酸塩の結晶形13は、
図12に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記モノクエン酸塩の結晶形13が相対湿度20~80%の範囲内で0.2%の水分を吸着することが示される。
【0050】
前記2.5水和物の結晶形14の一つの典型的な実例は、
図13に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記2.5水和物の結晶形14は、
図14に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記2.5水和物の結晶形14は分解温度が144℃で、分解前に6.3%の重量減少があり、2.5モルの水を含有することが示される。さらに、前記2.5水和物の結晶形14は、
図15に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記2.5水和物の結晶形14は130℃の前に脱水の吸熱ピークがあることが示される。さらに、前記2.5水和物の結晶形14は、
図16に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記2.5水和物の結晶形14が相対湿度10~80%の範囲内で0.7%の水分を吸着し、10%以下の相対湿度では部分の結晶水が脱離することが示される。
【0051】
前記キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩の一つの典型的な実例は、
図50に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩は、
図51に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩は分解前に顕著な重量減少がなく、無水物で、分解温度が199℃であることが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩は、
図52に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩は融点が199℃で、溶融後すぐ分解することが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩は、
図53に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩は相対湿度20~80%の範囲内で重量の変化が約0.3%であることが示される。
【0052】
前記キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩の一つの典型的な実例は、
図38に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩は、
図39に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩は250℃以上で分解が開始し、分解前に1.2%の緩やかな重量減少があることが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩は、
図40に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩は融点がないことが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩は、
図41に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩は相対湿度20~80%の範囲内で重量の変化が約1.46%であることが示される。
【0053】
前記モノL-酒石酸塩(結晶形15)の一つの典型的な実例は、
図62に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記モノL-酒石酸塩(結晶形15)は、
図63に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記モノL-酒石酸塩(結晶形15)は198℃から分解が開始し、分解前に8.1%の重量減少があり、脱溶媒または脱水に相応するかもしれないことが示される。
【0054】
前記モノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)の一つの典型的な実例は、
図64に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記モノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)は、
図65に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記モノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)は190℃から分解が開始し、分解前に9.5%の重量減少があり、4モルの水を含有することが示される。さらに、前記モノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)は、
図66に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記モノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)は106℃の前に脱溶媒の吸熱ピークがあり、サンプルは融点がないことが示される。さらに、前記モノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)は、
図67に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記モノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)は相対湿度20~80%の範囲内で重量の変化が0.8%で、10%の相対湿度では大量の水が快速に脱離することが示される。
【0055】
前記キナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物の一つの典型的な実例は、
図54に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物は、
図55に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物は156℃で少量に分解し、228℃から大量に分解するようになり、分解前に3.3%の重量減少があり、1モルの水を含有することが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物は、
図56に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記キナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物は融点がなく、220℃からの熱量の変化が分解によるものであることが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体の一塩酸一水和物は、
図57に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体の一塩酸一水和物は相対湿度20~80%の範囲内で重量の変化が約0.17%であることが示される。
【0056】
前記キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩の一つの典型的な実例は、
図42に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩は、
図43に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩は230℃以上で分解が開始し、分解前に7.5%の重量減少があることが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩は、
図44に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩は融点が165℃であることが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩は、
図45に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩は相対湿度20~80%の範囲内で重量の変化が約11.68%で、比較的に吸湿しやすいことが示される。
【0057】
前記キナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩の一つの典型的な実例は、
図58に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩は、
図59に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩は180℃から分解が開始し、分解前に重量減少がないことが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩は、
図60に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、193℃の吸熱ピークは前記キナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩の融点で、溶融後サンプルが分解することが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩は、
図61に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩は相対湿度20~80%の範囲内で重量の変化が約0.12%であることが示される。
【0058】
前記キナゾリン誘導体のモノα-ケトグルタル酸塩の一つの典型的な実例は、
図77に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノα-ケトグルタル酸塩は、
図78に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノα-ケトグルタル酸塩は193℃から分解が開始し、分解前に9.8%の重量減少があることが示される。
【0059】
前記キナゾリン誘導体のジα-ケトグルタル酸塩の一つの典型的な実例は、
図90に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のジα-ケトグルタル酸塩は、
図91に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のジα-ケトグルタル酸塩は140℃から分解が開始し、分解前に4.7%の重量減少があることが示される。
【0060】
前記キナゾリン誘導体のジリン酸塩の一つの典型的な実例は、
図68に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のジリン酸塩は、
図69に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のジリン酸塩は234℃から分解が開始し、分解前に7.1%の重量減少があることが示される。
【0061】
前記キナゾリン誘導体のジマレイン酸塩の一つの典型的な実例は、
図79に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のジマレイン酸塩は、
図80に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のジマレイン酸塩は75℃および136℃で段階的に重量減少があり、167℃で大量に分解するようになることが示される。
【0062】
前記キナゾリン誘導体のモノコハク酸塩の一つの典型的な実例は、
図76に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。
【0063】
前記キナゾリン誘導体のトリコハク酸塩の一つの典型的な実例は、
図88に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のトリコハク酸塩は、
図89に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のトリコハク酸塩は173℃から分解が開始することが示される。
【0064】
前記キナゾリン誘導体のジグリコール酸塩の一つの典型的な実例は、
図73に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。
【0065】
前記キナゾリン誘導体のモノマロン酸塩の一つの典型的な実例は、
図74に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノマロン酸塩は、
図75に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノマロン酸塩は88℃から分解が開始することが示される。
【0066】
前記キナゾリン誘導体のジマロン酸塩の一つの典型的な実例は、
図82に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のジマロン酸塩は、
図83に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のジマロン酸塩は135℃から分解が開始することが示される。
【0067】
前記キナゾリン誘導体のトリマロン酸塩の一つの典型的な実例は、
図84に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のトリマロン酸塩は、
図85に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のトリマロン酸塩は140℃から分解が開始することが示される。
【0068】
前記キナゾリン誘導体のジ硫酸塩の一つの典型的な実例は、
図46に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のジ硫酸塩は、
図47に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のジリン酸塩は分解温度が250℃で、150℃前に3%の重量減少があることが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のジ硫酸塩は、
図48に示される示差走査熱量測定(DSC)チャートを有し、前記キナゾリン誘導体のジ硫酸塩は74℃前および114-160℃の間に吸熱ピークがあり、脱溶媒の可能性があり、200℃以内で溶融ピークが見られないことが示される。さらに、前記キナゾリン誘導体のジ硫酸塩は、
図49に示される動的水分吸着(DVS)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のジ硫酸塩は相対湿度20~80%の範囲内で重量の変化が約2%であることが示される。
【0069】
前記キナゾリン誘導体のジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩の一つの典型的な実例は、
図86に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩は、
図87に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩は223℃から分解が開始することが示される。
【0070】
前記キナゾリン誘導体のモノパモ酸塩の一つの典型的な実例は、
図70に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。
【0071】
前記キナゾリン誘導体のモノp-トルエンスルホン酸塩の一つの典型的な実例は、
図71に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。さらに、前記キナゾリン誘導体のモノp-トルエンスルホン酸塩は、
図72に示される熱重量分析(TGA)グラフを有し、前記キナゾリン誘導体のモノp-トルエンスルホン酸塩は245℃から分解が開始し、分解前に重量減少がないことが示される。
【0072】
前記キナゾリン誘導体のモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩の一つの典型的な実例は、
図81に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。
【0073】
前記キナゾリン誘導体のモノp-クロロベンゼンスルホン酸塩の一つの典型的な実例は、
図92に示される粉末X線回折スペクトルを有するが、これに限定されない。
【0074】
また、本発明は、以上のように記載のキナゾリン誘導体の塩の製造方法を提供する。
【0075】
(1)前記の塩がモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とクエン酸の塩形成反応を行い、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を得る工程を含む;
(2)前記の塩がモノクエン酸塩ヘミ酢酸塩2-1(たとえば結晶形2)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をエタノールにおいてスラリー化し、モノクエン酸塩ヘミ酢酸塩2-1(たとえば結晶形2)を得る工程を含む;
(3)前記の塩がモノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体2-2(たとえば結晶形3)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をテトラヒドロフランにおいてスラリー化し、モノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体2-2(たとえば結晶形3)を得る工程を含む;
(4)前記の塩がモノクエン酸塩ヘミ1,4-ジオキサン複合体2-3(たとえば結晶形4)である場合、1,4-ジオキサンにおいて、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、モノクエン酸塩ヘミ1,4-ジオキサン複合体2-3(たとえば結晶形4)を得る工程を含む;
(5)前記の塩がモノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形5)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をn-ブタノールまたは水においてスラリー化し、モノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形5)を得る工程を含む;
(5-1)前記の塩がモノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形5)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をメタノール水溶液、エタノール水溶液またはイソプロパノール水溶液である溶媒において揮発させて結晶を析出させ、モノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形5)を得る工程を含む;
(5-2)前記の塩がモノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形5)である場合、メタノールとアセトン、あるいは、1,4-ジオキサンとアセトンである溶媒において、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、モノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形5)を得る工程を含む;
(6)前記の塩がモノクエン酸塩ヘミクロロホルム複合体2-5(たとえば結晶形6)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をクロロホルムにおいてスラリー化し、モノクエン酸塩ヘミクロロホルム複合体2-5(たとえば結晶形6)を得る工程を含む;
(7)前記の塩がモノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形7)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をクロロホルムにおいてスラリー化し、モノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形7)を得る工程を含む;
(8)前記の塩が三水和物2-6(たとえば結晶形10)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をメタノール、n-プロパノール水溶液、テトラヒドロフラン水溶液またはアセトニトリル水溶液である溶媒において揮発させて結晶を析出させ、三水和物2-6(たとえば結晶形10)を得る工程を含む;
(9)前記の塩がモノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形11)である場合、メタノールとエタノール、ニトロメタンとエタノール、アセトニトリルとエタノール、n-プロパノール、あるいは、イソプロパノールである溶媒において、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、モノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形11)を得る工程を含む;
(9-2)前記の塩がモノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形11)である場合、メタノールとエタノール、ニトロメタンとエタノール、あるいは、アセトニトリルとエタノールである溶媒において、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をスラリー化し、モノクエン酸塩二水和物2-4(たとえば結晶形11)を得る工程を含む;
(10)前記の塩がモノクエン酸塩2(たとえば結晶形13)である場合、n-ブタノールにおいて、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形13)を得る工程を含む;
(10-2)前記の塩がモノクエン酸塩2(たとえば結晶形13)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を水およびアセトニトリルにおいて揮発させて結晶を析出させ、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形13)を得る工程を含む;
(11)前記の塩が2.5水和物2-7(たとえば結晶形14)である場合、水およびジメチルスルホキシドにおいて、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、2.5水和物2-7(たとえば結晶形14)を得る工程を含む;
(11-2)前記の塩が2.5水和物2-7(たとえば結晶形14)である場合、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を水およびアセトンにおいて揮発させて結晶を析出させ、2.5水和物2-7(たとえば結晶形14)を得る工程を含む;
(12)前記の塩がモノエタンジスルホン酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とエタンジスルホン酸の塩形成反応を行い、モノエタンジスルホン酸塩を得る工程を含む;
(13)前記の塩がモノ硫酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体と硫酸の塩形成反応を行い、モノ硫酸塩を得るが、前記の硫酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1~1.3である工程を含む;
(14)前記の塩がジ硫酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体と硫酸の塩形成反応を行い、ジ硫酸塩を得るが、前記の硫酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.2~3.3である工程を含む;
(15)前記の塩がモノベンゼンスルホン酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とベンゼンスルホン酸の塩形成反応を行い、モノベンゼンスルホン酸塩を得る工程を含む;
(16)前記の塩がモノ塩酸塩一水和物である場合、テトラヒドロフランと水において、キナゾリン誘導体とHClの塩形成反応を行い、モノ塩酸塩一水和物を得る工程を含む;
(17)前記の塩がモノD-グルコン酸塩である場合、ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とD-グルコン酸の塩形成反応を行い、モノD-グルコン酸塩を得る工程を含む;
(18)前記の塩がモノL-酒石酸塩(結晶形15)である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とL-酒石酸の塩形成反応を行い、モノL-酒石酸塩(結晶形15)を得る工程を含む;
(19)前記の塩がモノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)である場合、水において、L-酒石酸塩(結晶形15)を再結晶させ、モノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)を得る工程を含む;
(20)前記の塩がジリン酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とリン酸の塩形成反応を行い、ジリン酸塩を得る工程を含む;
(21)前記の塩がモノパモ酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とパモ酸の塩形成反応を行い、モノパモ酸塩を得る工程を含む;
(22)前記の塩がモノp-トルエンスルホン酸塩である場合、クロロホルムおよびエタノールにおいて、キナゾリン誘導体とp-トルエンスルホン酸の塩形成反応を行い、モノp-トルエンスルホン酸塩を得る工程を含む;
(23)前記の塩がジグリコール酸塩である場合、ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とグリコール酸の塩形成反応を行い、ジグリコール酸塩を得る工程を含む;
(24)前記の塩がモノマロン酸塩である場合、ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とマロン酸の塩形成反応を行い、モノマロン酸塩を得るが、前記のマロン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1~1.2である工程を含む;
(25)前記の塩がモノコハク酸塩である場合、ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とコハク酸の塩形成反応を行い、モノコハク酸塩を得るが、前記のコハク酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1~1.2である工程を含む;
(26)前記の塩がモノα-ケトグルタル酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とα-ケトグルタル酸の塩形成反応を行い、モノα-ケトグルタル酸を得るが、前記のα-ケトグルタル酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1~1.2である工程を含む;
(27)前記の塩がジマレイン酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とマレイン酸の塩形成反応を行い、ジマレイン酸塩を得る工程を含む;
(28)前記の塩がモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体と1,5-ナフタレンジスルホン酸の塩形成反応を行い、モノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩を得るが、前記の1,5-ナフタレンジスルホン酸塩と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1.1~1.5である工程を含む;
(29)前記の塩がジマロン酸塩である場合、ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とマロン酸の塩形成反応を行い、ジマロン酸塩を得るが、前記のマロン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.0~2.3である工程を含む;
(30)前記の塩がトリマロン酸塩である場合、ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とマロン酸の塩形成反応を行い、トリマロン酸塩を得るが、前記のマロン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が3.0~3.4である工程を含む;
(31)前記の塩がジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体と1,5-ナフタレンジスルホン酸の塩形成反応を行い、モノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩を得るが、前記の1,5-ナフタレンジスルホン酸塩と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.2~3.3である工程を含む;
(32)前記の塩がトリコハク酸塩である場合、ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とコハク酸の塩形成反応を行い、トリコハク酸塩を得るが、前記のコハク酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.2~3.3である工程を含む;
(33)前記の塩がジα-ケトグルタル酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とα-ケトグルタル酸の塩形成反応を行い、ジα-ケトグルタル酸塩を得るが、前記のα-ケトグルタル酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.2~3.3である工程を含む;
(34)前記の塩がモノp-クロロベンゼンスルホン酸塩である場合、テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とp-クロロベンゼンスルホン酸の塩形成反応を行い、モノp-クロロベンゼンスルホン酸塩を得る工程を含む;
ここで、前記キナゾリン誘導体の構造は式
【化8】
で表される。
【0076】
前記の方法において、前記のキナゾリン誘導体は任意の結晶形または無定形でもよいが、たとえばCN102898386に記載の方法で製造されるキナゾリン誘導体が挙げられる。
【0077】
方法(1)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は25~50mL/gでもよく、または26~48mL/gでもよい。
方法(1)において、前記のクエン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.5でもよい。
方法(1)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(1)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
方法(1)において、前記の塩形成反応の操作は本分野の通常の操作でもよく、たとえば、クエン酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合してもよい(たとえば、クエン酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れてもよい)。前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は25~50mg/mLでもよい。前記のクエン酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は50~100mg/mLでもよい。
方法(1)において、前記の塩形成反応の後処理は本分野の当該種類の反応の通常の後処理、たとえばろ過、乾燥でもよい。前記の乾燥の温度は40~50℃でもよく、または40~45℃でもよい。前記の乾燥は真空乾燥でもよい。
前記の方法(1)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とクエン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は25~50mg/mLが好ましい。クエン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記クエン酸の濃度は50.8~101.6mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記クエン酸のモル比は1:1~1:1.5が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0078】
方法(2)において、前記のエタノールと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は35~45mL/gでもよく、または40~45mL/gでもよい。
方法(2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(2)において、前記のスラリー化温度は55~65℃でもよく、または60℃でもよい。
方法(2)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(2)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とエタノールを混合して懸濁液とし、55~65℃で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とエタノールの配合比は10~50mg/mLが好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。前記撹拌の温度は60℃が好ましい。)。
【0079】
方法(3)において、前記のテトラヒドロフランと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は35~45mL/gでもよく、または40~45mL/gでもよい。
方法(3)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(3)において、前記のスラリー化温度は10~60℃でもよい。
方法(3)において、前記のスラリー化の時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(3)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とテトラヒドロフランを混合して懸濁液とし、10~60℃で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とテトラヒドロフランの配合比は10~50mg/mLが好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。)。
【0080】
方法(4)において、前記の1,4-ジオキサンと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は80~120mL/gでもよく、または100~120mL/gでもよい。
方法(4)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(4)において、前記の再結晶は加熱溶解と冷却析出による再結晶でもよく、その溶解の温度は50~60℃でもよく、その冷却の目的温度は10~30℃でもよい。
前記の方法(4)は、60℃以上の温度で前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とジオキサンを混合して溶液とし、撹拌の条件で自然降温させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は8.3~16.7mg/mLが好ましい。前記自然降温とは室温で冷却することをいう。)。
【0081】
方法(5)において、前記の水と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は60~70mL/gでもよく、または66~70mL/gでもよい。
方法(5)において、前記のテトラヒドロフランと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は80~120mL/gでもよく、または100~120mL/gでもよい。
方法(5)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(5)において、前記のスラリー化温度は10~60℃でもよい。
方法(5)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(5)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と水またはn-ブタノールである溶媒を混合して懸濁液とし、10~60℃で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と溶媒の配合比は5~40mg/mLが好ましく、10~20mg/mLがより好ましい。前記撹拌の時間は5~16時間が好ましい。)。
【0082】
方法(5-1)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は20~200mL/gでもよい。
方法(5-1)において、前記溶媒におけるアルコール系溶媒と水の体積比の値は1でもよい。
方法(5-1)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(5-1)において、前記の揮発温度は10~60℃でもよい。
前記の方法(5-1)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とメタノール水溶液、エタノール水溶液またはイソプロパノール水溶液である溶媒を混合して溶液とし、10~60℃で乾燥まで溶媒を揮発させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は5~50mg/mLが好ましい。)。
【0083】
方法(5-2)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は160~240mL/gでもよく、または200~240mL/gでもよい。
方法(5-2)において、前記のメタノールとアセトンの体積比の値は1でもよい。
方法(5-2)において、前記の1,4-ジオキサンとアセトンの体積比の値は1でもよい。
方法(5-2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(5-2)において、前記の再結晶は加熱溶解と冷却析出による再結晶でもよく、その溶解の温度は50~60℃でもよく、その冷却の目的温度は10~30℃でもよい。
【0084】
方法(6)において、前記のクロロホルムと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は35~45mL/gでもよく、または40~45mL/gでもよい。
方法(6)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(6)において、前記のスラリー化温度は55~65℃でもよく、または60℃でもよい。
方法(6)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(6)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とクロロホルムを混合して懸濁液とし、室温で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とクロロホルムの配合比は10~50mg/mLが好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。)。
【0085】
方法(7)において、前記のクロロホルムと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は80~120mL/gでもよく、または100~120mL/gでもよい。
方法(7)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(7)において、前記のスラリー化温度は10~30℃でもよい。
方法(7)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(7)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と水を混合して懸濁液とし、室温で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と水の配合比は5~40mg/mLが好ましく、10~20mg/mLがより好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。)。
【0086】
方法(8)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は100~200mL/gでもよい。
方法(8)において、前記溶媒における非水溶媒と水の体積比の値は1でもよい。
方法(8)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(8)において、前記の揮発温度は10~30℃でもよい。
前記の方法(8)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と溶媒を混合して溶液とし、室温で自然揮発させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は5~10mg/mLが好ましい。前記自然揮発は蓋をしない揮発または蓋をして孔を開ける揮発でもよい。前記n-プロパノール水溶液において、n-プロパノールと水の体積比は1:1が好ましく、前記テトラヒドロフラン水溶液において、テトラヒドロフランと水の体積比は1:1が好ましく、前記アセトニトリル水溶液において、アセトニトリルと水の体積比は1:1が好ましい。)。
【0087】
方法(9)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は200~600mL/gでもよく、または200~500mL/gでもよい。
方法(9)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(9)において、前記の再結晶は加熱溶解と冷却析出による再結晶でもよく、その溶解の温度は50~60℃でもよく、その冷却の目的温度は10~30℃でもよい。
前記の方法(9)は、60℃以上の温度で前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とアルコール系を含む有機溶媒を混合して溶液とし、撹拌の条件で自然降温させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記アルコール系を含む有機溶媒はn-プロパノール、イソプロパノール、メタノールのエタノール溶液、アセトニトリルのエタノール溶液またはニトロメタンのエタノール溶液が好ましい。前記メタノールのエタノール溶液において、メタノールとエタノールのの体積比は1:1が好ましく、前記アセトニトリルのエタノール溶液において、アセトニトリルとエタノールの体積比は1:1が好ましく、前記ニトロメタンのエタノール溶液において、ニトロメタンとエタノールの体積比は1:1が好ましい。)。
方法(9-2)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は160~240mL/gでもよく、または200~240mL/gでもよい。
【0088】
方法(9-2)において、前記の溶媒のうち、前記のメタノールとエタノールの体積比の値は1でもよい。
方法(9-2)において、前記の溶媒のうち、前記のニトロメタンとエタノールの体積比の値は1でもよい。
方法(9-2)において、前記の溶媒のうち、前記のアセトニトリルとエタノールの体積比の値は1でもよい。
方法(9-2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(9-2)において、前記のスラリー化温度は10~30℃でもよい。
方法(9-2)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(9-2)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とアルコール系を含む有機溶媒を混合して懸濁液とし、室温で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記アルコール系を含む有機溶媒はメタノールのエタノール溶液、アセトニトリルのエタノール溶液またはニトロメタンのエタノール溶液が好ましい。前記メタノールのエタノール溶液において、メタノールとエタノールの体積比は1:1が好ましく、前記アセトニトリルのエタノール溶液において、アセトニトリルとエタノールの体積比は1:1が好ましく、前記ニトロメタンのエタノール溶液において、ニトロメタンとエタノールの体積比は1:1が好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。)。
【0089】
方法(10)において、前記のn-ブタノールと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は200~300mL/gでもよく、または240~300mL/gでもよい。
方法(10)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(10)において、前記の再結晶は加熱溶解と冷却析出による再結晶でもよく、その溶解の温度は50~60℃でもよく、その冷却の目的温度は10~30℃でもよい。
前記の方法(10)は、50~60℃で前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とn-ブタノールを混合して溶液とし、撹拌の条件で室温まで自然降温させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は4.1~8.3mg/mLが好ましい。)。
【0090】
方法(10-2)において、前記の「水およびアセトニトリル」と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は100~200mL/gでもよい。
方法(10-2)において、前記溶媒におけるアセトニトリルと水の体積比の値は1でもよい。
方法(10-2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(10-2)において、前記の揮発温度は50~60℃でもよい。
前記の方法(10-2)は、55~65℃で前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)、アセトニトリルおよび水を混合して溶液とし、乾燥まで溶媒を揮発させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は5~50mg/mLが好ましい。前記アセトニトリルと水の体積比は1:1が好ましい。)。
【0091】
方法(11)において、前記の「水およびジメチルスルホキシド」と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は200~300mL/gでもよく、または240~300mL/gでもよい。
方法(11-2)において、前記溶媒における水とジメチルスルホキシドの体積比の値は60でもよい。
方法(11)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(11)において、前記の再結晶は反溶媒による再結晶でもよく、たとえば、まずジメチルスルホキシドで溶解させた後、水と混合することが挙げられる。
前記の方法(11)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とジメチルスルホキシドを混合して溶液とし、前記溶液を水に入れ、室温で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の溶液における濃度は200~400mg/mLが好ましい。前記水とジメチルスルホキシドの体積比は5~10が好ましい。前記撹拌の時間は5~30分間が好ましい。)。
【0092】
方法(11-2)において、前記の「水およびアセトン」と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は110~200mL/gでもよい。
方法(11-2)において、前記溶媒におけるアセトンと水の体積比の値は1でもよい。
方法(11-2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(11-2)において、前記の揮発温度は50~60℃でもよい。
【0093】
方法(12)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は20~100mL/gでもよい。
方法(12)において、前記のエタンジスルホン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~2.2でもよい。
方法(12)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(12)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
方法(12)において、前記の塩形成反応の操作は本分野の通常の操作でもよく、たとえば、エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合してもよい(たとえば、エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れてもよい)。前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は12.5~25mg/mLでもよい。前記のエタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は20.75~41.5mg/mLでもよい。
前記の方法(12)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とエタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記エタンジスルホン酸の濃度は20.75~41.5mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記エタンジスルホン酸のモル比は1:1.1~1:2.2が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0094】
方法(13)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(13)において、前記の硫酸は濃硫酸の形態で使用される。
方法(13)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(13)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
方法(13)において、前記の塩形成反応の操作は本分野の通常の操作でもよく、たとえば、硫酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合してもよい(たとえば、硫酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れてもよい)。前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は12.5~25mg/mLでもよい。前記の硫酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は9.75~19.5mg/mLでもよい。
前記の方法(13)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と硫酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記硫酸のモル比が1:1~1:1.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、硫酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。硫酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記硫酸の濃度は9.75~19.5mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0095】
方法(14)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(14)において、前記の硫酸は濃硫酸の形態で使用される。
方法(14)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(14)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(14)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と硫酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記硫酸のモル比が1:2.2~1:3.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、硫酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。硫酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記硫酸の濃度は29.25~58.5mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記硫酸のモル比は1:3.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0096】
方法(15)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(15)において、前記のベンゼンスルホン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.3でもよい。
方法(15)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(15)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
方法(15)において、前記の塩形成反応の操作は本分野の通常の操作でもよく、たとえば、ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合してもよい(たとえば、ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れてもよい)。前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は12.5~25mg/mLでもよい。前記のベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は15.7~31.4mg/mLでもよい。
前記の方法(15)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記ベンゼンスルホン酸の濃度は15.7~31.4mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記ベンゼンスルホン酸のモル比は1:1~1.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0097】
方法(16)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(16)において、前記のHClは前記の水とともに濃塩酸(HClの飽和水溶液)の形態で使用してもよい。
方法(16)において、前記のHClと前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~3.3でもよい。
方法(16)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(16)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(16)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と塩酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、塩酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。塩酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記塩酸の濃度は11~22mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記塩酸のモル比は1:1.1~1:3.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0098】
方法(17)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は230~400mL/gでもよい。
方法(17)において、前記のD-グルコン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~3.3でもよい。
方法(17)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(17)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(17)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とD-グルコン酸のジクロロメタン懸濁液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をD-グルコン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。D-グルコン酸のジクロロメタン懸濁液において、前記D-グルコン酸の含有量は3~5mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記D-グルコン酸のモル比は1:1.1~1:3.3が好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0099】
方法(18)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は100~300mL/gでもよい。
方法(18)において、前記のL-酒石酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.3でもよい。
方法(18)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(18)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(18)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とL-酒石酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、L-酒石酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。L-酒石酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記L-酒石酸の濃度は14.9~29.8mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記L-酒石酸のモル比は1:1~1:1.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0100】
方法(19)において、前記の再結晶は撹拌による再結晶でもよい。
方法(19)において、前記のモノL-酒石酸塩(結晶形15)は方法(18)を参照して製造することができる。
方法(19)において、前記の再結晶の時間は6~12時間でもよい。
前記の方法(19)は、前記モノL-酒石酸塩2(結晶形15)と水を混合して澄清まで溶解させ、固体が完全に析出するまで撹拌し、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記撹拌の時間は6~12時間が好ましい。)。
【0101】
方法(20)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~130mL/gでもよい。
方法(20)において、前記のリン酸は85%リン酸水溶液の形態で使用される。
方法(20)において、前記のリン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~3.3でもよい。
方法(20)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(20)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(20)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とリン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、リン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。リン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記リン酸の濃度は7.75~15.5mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記リン酸のモル比は1:1.1~1:3.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0102】
方法(21)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は65~130mL/gでもよい。
方法(21)において、前記のパモ酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.3でもよい。
方法(21)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(21)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(21)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とパモ酸のテトラヒドロフラン懸濁液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液をパモ酸のテトラヒドロフラン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。パモ酸のテトラヒドロフラン懸濁液において、前記パモ酸の含有量は10~20mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記パモ酸のモル比は1:1~1:1.3が好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0103】
方法(22)において、前記の「クロロホルムおよびエタノール」と前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は45~90mL/gでもよい。
方法(22)において、前記のクロロホルムとエタノールの体積比の値は8~10でもよい。
方法(22)において、前記のp-トルエンスルホン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.3でもよい。
方法(22)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(22)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(22)は、前記キナゾリン誘導体のクロロホルム溶液とp-トルエンスルホン酸のエタノール溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、p-トルエンスルホン酸のエタノール溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のクロロホルム溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。p-トルエンスルホン酸のエタノール溶液において、前記p-トルエンスルホン酸の濃度は41~82mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記p-トルエンスルホン酸のモル比は1:1.1~1:1.3が好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0104】
方法(23)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は125~250mL/gでもよい。
方法(23)において、前記のグリコール酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は2.0~2.2でもよい。
方法(23)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(23)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(23)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とグリコール酸のジクロロメタン懸濁液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をグリコール酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。グリコール酸のジクロロメタン懸濁液において、前記グリコール酸の含有量は5~10mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記グリコール酸のモル比は1:2.0~1:2.2が好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0105】
方法(24)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は125~250mL/gでもよい。
方法(24)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(24)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(24)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とマロン酸のジクロロメタンの懸濁液を前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比が1:1~1:1.2になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比は1:1.1が好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。マロン酸のジクロロメタン懸濁液において、前記マロン酸の含有量は3~5mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0106】
方法(25)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は125~250mL/gでもよい。
方法(25)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(25)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(25)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とコハク酸のジクロロメタン懸濁液を前記キナゾリン誘導体と前記コハク酸のモル比が1:1~1:1.2になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をコハク酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記コハク酸のモル比は1:1.1が好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。コハク酸のジクロロメタン懸濁液において、前記コハク酸の含有量は3~5mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0107】
方法(26)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(26)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(26)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(26)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とα-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記α-ケトグルタル酸のモル比が1:1~1:1.2になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記α-ケトグルタル酸のモル比は1:1.1が好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記α-ケトグルタル酸の濃度は15.95~31.9mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0108】
方法(27)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は60~120mL/gでもよい。
方法(27)において、前記のマレイン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~3.3でもよい。
方法(27)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(27)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(27)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とマレイン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、マレイン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。マレイン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記マレイン酸の濃度は12.56~25.32mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記マレイン酸のモル比は1:1.1~1:3.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0109】
方法(28)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(28)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(28)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(28)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記1,5-ナフタレンジスルホン酸のモル比が1:1.1~1:1.5になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記1,5-ナフタレンジスルホン酸のモル比は1:1.4が好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記1,5-ナフタレンジスルホン酸の濃度は39.3~78.6mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0110】
方法(29)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は150~300mL/gでもよい。
方法(29)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(29)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(29)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とマロン酸のジクロロメタン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比が1:2.0~1:2.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比は1:2.2が好ましい。ここで、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。マロン酸のジクロロメタン懸濁液において、前記マロン酸の含有量は3~5mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
方法(30)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は150~300mL/gでもよい。
【0111】
方法(30)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(30)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(30)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とマロン酸のジクロロメタン懸濁液を前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比が1:3.0~1:3.4になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比は1:3.3が好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。マロン酸のジクロロメタン懸濁液において、前記マロン酸の含有量は5~10mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0112】
方法(31)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は60~120mL/gでもよい。
方法(31)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(31)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(31)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記1,5-ナフタレンジスルホン酸のモル比が1:2.2~1:3.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記1,5-ナフタレンジスルホン酸の濃度は39.3~78.6mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0113】
方法(32)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は150~300mL/gでもよい。
方法(32)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(32)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(32)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とコハク酸のジクロロメタン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記コハク酸のモル比が1:2.2~1:3.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をコハク酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。コハク酸のジクロロメタン懸濁液において、前記コハク酸の含有量は5~10mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0114】
方法(33)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は60~120mL/gでもよい。
方法(33)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(33)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(33)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とα-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記α-ケトグルタル酸のモル比が1:2.2~1:3.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記α-ケトグルタル酸の濃度は15.95~31.9mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0115】
方法(34)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(34)において、前記のp-クロロベンゼンスルホン酸塩と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.2でもよい。
方法(34)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(34)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(34)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とp-クロロベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、p-クロロベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。p-クロロベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記p-クロロベンゼンスルホン酸の濃度は21~42mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。前記キナゾリン誘導体と前記1,5-ナフタレンジスルホン酸のモル比は1:1~1:1.2が好ましい。)。
また、本発明は、下記のいずれかの方法によって製造される、「式1で表されるキナゾリン誘導体」の塩(前記の塩における酸は反応原料における酸である。さらに、構造式で示されていない溶媒分子<水または有機溶媒でもよい>を含むこともある。)を提供する:
【化9】
【0116】
(1)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とクエン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(2)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をエタノールにおいてスラリー化し、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(3)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をテトラヒドロフランにおいてスラリー化し、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(4)1,4-ジオキサンにおいて、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(5)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をn-ブタノールまたは水においてスラリー化し、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(5-1)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をメタノール水溶液、エタノール水溶液またはイソプロパノール水溶液である溶媒において揮発による結晶析出させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(5-2)メタノールとアセトン、あるいは、1,4-ジオキサンとアセトンである溶媒において、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(6)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をクロロホルムにおいてスラリー化し、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(7)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をクロロホルムにおいてスラリー化し、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(8)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をメタノール、n-プロパノール水溶液、テトラヒドロフラン水溶液またはアセトニトリル水溶液である溶媒において揮発による結晶析出させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(9)メタノールとエタノール、ニトロメタンとエタノール、アセトニトリルとエタノール、n-プロパノール、あるいは、イソプロパノールである溶媒において、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(9-2)メタノールとエタノール、ニトロメタンとエタノール、あるいは、アセトニトリルとエタノールである溶媒において、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)をスラリー化し、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(10)n-ブタノールにおいて、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(10-2)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を水およびアセトニトリルにおいて揮発よる結晶析出させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(11)水およびジメチルスルホキシドにおいて、モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を再結晶させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(11-2)モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)を水およびアセトンにおいて揮発よる結晶析出させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(12)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とエタンジスルホン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(13)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体と硫酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記の硫酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1~1.3である;
(14)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体と硫酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記の硫酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.2~3.3である;
(15)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とベンゼンスルホン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(16)テトラヒドロフランおよび水において、キナゾリン誘導体とHClの塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(17)ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とD-グルコン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(18)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とL-酒石酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(19)水において、モノL-酒石酸塩(結晶形15)を再結晶させ、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(20)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とリン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(21)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とパモ酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(22)クロロホルムおよびエタノールにおいて、キナゾリン誘導体とp-トルエンスルホン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(23)ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とグリコール酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
(24)ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とマロン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記のマロン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1~1.2である;
(25)ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とコハク酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記のコハク酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1~1.2である;
(26)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とα-ケトグルタル酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記のα-ケトグルタル酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1~1.2である;
(27)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とマレイン酸の塩形成反応を行い、ジマレイン酸塩を得る;
(28)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体と1,5-ナフタレンジスルホン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記の1,5-ナフタレンジスルホン酸塩と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が1.1~1.5である;
(29)ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とマロン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記のマロン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.0~2.3である;
(30)ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とマロン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記のマロン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が3.0~3.4である;
(31)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体と1,5-ナフタレンジスルホン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記の1,5-ナフタレンジスルホン酸塩と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.2~3.3である;
(32)ジクロロメタンにおいて、キナゾリン誘導体とコハク酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記のコハク酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.2~3.3である;
(33)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とα-ケトグルタル酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得るが、前記のα-ケトグルタル酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値が2.2~3.3である;
(34)テトラヒドロフランにおいて、キナゾリン誘導体とp-クロロベンゼンスルホン酸の塩形成反応を行い、キナゾリン誘導体の塩を得る;
ここで、前記キナゾリン誘導体の構造は式
【化10】
で表される。
【0117】
方法(1)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は45~50mL/gでもよく、または45~48mL/gでもよい。
方法(1)において、前記のクエン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.5でもよい。
方法(1)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(1)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
方法(1)において、前記の塩形成反応の操作は本分野の通常の操作でもよく、たとえば、クエン酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合してもよい(たとえば、クエン酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れてもよい)。前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は25~50mg/mLでもよい。前記のクエン酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は50~100mg/mLでもよい。
方法(1)において、前記の塩形成反応の後処理は本分野の当該種類の反応の通常の後処理、たとえばろ過、乾燥でもよい。前記の乾燥の温度は40~50℃でもよく、または40~45℃でもよい。前記の乾燥は真空乾燥でもよい。
前記の方法(1)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とクエン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は25~50mg/mLが好ましい。クエン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記クエン酸の濃度は50.8~101.6mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記クエン酸のモル比は1:1~1:1.5が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0118】
方法(2)において、前記のエタノールと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は35~45mL/gでもよく、または40~45mL/gでもよい。
方法(2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(2)において、前記のスラリー化温度は55~65℃でもよく、または60℃でもよい。
方法(2)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(2)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とエタノールを混合して懸濁液とし、55~65℃で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とエタノールの配合比は10~50mg/mLが好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。前記撹拌の温度は60℃が好ましい。)。
【0119】
方法(3)において、前記のテトラヒドロフランと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は35~45mL/gでもよく、または40~45mL/gでもよい。
方法(3)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(3)において、前記のスラリー化温度は10~60℃でもよい。
方法(3)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(3)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とテトラヒドロフランを混合して懸濁液とし、10~60℃で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とテトラヒドロフランの配合比は10~50mg/mLが好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。)。
【0120】
方法(4)において、前記の1,4-ジオキサンと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は80~120mL/gでもよく、または100~120mL/gでもよい。
方法(4)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(4)において、前記の再結晶は加熱溶解と冷却析出による再結晶でもよく、その溶解の温度は50~60℃でもよく、その冷却の目的温度は10~30℃でもよい。
前記の方法(4)は、60℃以上の温度で前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とジオキサンを混合して溶液とし、撹拌の条件で自然降温させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は8.3~16.7mg/mLが好ましい。前記自然降温とは室温で冷却することをいう。)。
【0121】
方法(5)において、前記の水と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は60~70mL/gでもよく、または66~70mL/gでもよい。
方法(5)において、前記のテトラヒドロフランと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は80~120mL/gでもよく、または100~120mL/gでもよい。
方法(5)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(5)において、前記のスラリー化温度は10~60℃でもよい。
方法(5)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(5)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と水またはn-ブタノールである溶媒を混合して懸濁液とし、10~60℃で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と溶媒の配合比は5~40mg/mLが好ましく、10~20mg/mLがより好ましい。前記撹拌の時間は5~16時間が好ましい。)。
【0122】
方法(5-1)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は20~200mL/gでもよい。
方法(5-1)において、前記溶媒におけるアルコール系溶媒と水の体積比の値は1でもよい。
方法(5-1)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(5-1)において、前記の揮発温度は10~60℃でもよい。
前記の方法(5-1)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とメタノール水溶液、エタノール水溶液またはイソプロパノール水溶液である溶媒を混合して溶液とし、10~60℃で乾燥まで溶媒を揮発させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は5~50mg/mLが好ましい。)。
【0123】
方法(5-2)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は160~240mL/gでもよく、または200~240mL/gでもよい。
方法(5-2)において、前記のメタノールとアセトンの体積比の値は1でもよい。
方法(5-2)において、前記の1,4-ジオキサンとアセトンの体積比の値は1でもよい。
方法(5-2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(5-2)において、前記の再結晶は加熱溶解と冷却析出による再結晶でもよく、その溶解の温度は50~60℃でもよく、その冷却の目的温度は10~30℃でもよい。
【0124】
方法(6)において、前記のクロロホルムと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は35~45mL/gでもよく、または40~45mL/gでもよい。
方法(6)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(6)において、前記のスラリー化温度は55~65℃でもよく、または60℃でもよい。
方法(6)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(6)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とクロロホルムを混合して懸濁液とし、室温で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とクロロホルムの配合比は10~50mg/mLが好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。)。
【0125】
方法(7)において、前記のクロロホルムと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は80~120mL/gでもよく、または100~120mL/gでもよい。
方法(7)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(7)において、前記のスラリー化温度は10~30℃でもよい。
方法(7)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(7)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と水を混合して懸濁液とし、室温で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と水の配合比は5~40mg/mLが好ましく、10~20mg/mLがより好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。)。
【0126】
方法(8)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は100~200mL/gでもよい。
方法(8)において、前記溶媒における非水溶媒と水の体積比の値は1でもよい。
方法(8)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(8)において、前記の揮発温度は10~30℃でもよい。
前記の方法(8)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)と溶媒を混合して溶液とし、室温で自然揮発させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は5~10mg/mLが好ましい。前記自然揮発は蓋をしない揮発または蓋をして孔を開ける揮発でもよい。前記n-プロパノール水溶液において、n-プロパノールと水の体積比は1:1が好ましく、前記テトラヒドロフラン水溶液において、テトラヒドロフランと水の体積比は1:1が好ましく、前記アセトニトリル水溶液において、アセトニトリルと水の体積比は1:1が好ましい。)。
【0127】
方法(9)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は200~600mL/gでもよく、または200~500mL/gでもよい。
方法(9)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(9)において、前記の再結晶は加熱溶解と冷却析出による再結晶でもよく、その溶解の温度は50~60℃でもよく、その冷却の目的温度は10~30℃でもよい。
前記の方法(9)は、60℃以上の温度で前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とアルコール系を含む有機溶媒を混合して溶液とし、撹拌の条件で自然降温させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記アルコール系を含む有機溶媒はn-プロパノール、イソプロパノール、メタノールのエタノール溶液、アセトニトリルのエタノール溶液またはニトロメタンのエタノール溶液が好ましい。前記メタノールのエタノール溶液において、メタノールとエタノールの体積比は1:1が好ましく、前記アセトニトリルのエタノール溶液において、アセトニトリルとエタノールの体積比は1:1が好ましく、前記ニトロメタンのエタノール溶液において、ニトロメタンとエタノールの体積比は1:1が好ましい。)。
【0128】
方法(9-2)において、前記の溶媒と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は160~240mL/gでもよく、または200~240mL/gでもよい。
方法(9-2)において、前記の溶媒のうち、前記のメタノールとエタノールの体積比の値は1でもよい。
方法(9-2)において、前記の溶媒のうち、前記のニトロメタンとエタノールの体積比の値は1でもよい。
方法(9-2)において、前記の溶媒のうち、前記のアセトニトリルとエタノールの体積比の値は1でもよい。
方法(9-2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(9-2)において、前記のスラリー化温度は10~30℃でもよい。
方法(9-2)において、前記のスラリー化時間は8~16時間でもよい。
前記の方法(9)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とアルコール系を含む有機溶媒を混合して懸濁液とし、室温で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記アルコール系を含む有機溶媒はメタノールのエタノール溶液、アセトニトリルのエタノール溶液またはニトロメタンのエタノール溶液が好ましい。前記メタノールのエタノール溶液において、メタノールとエタノールの体積比は1:1が好ましく、前記アセトニトリルのエタノール溶液において、アセトニトリルとエタノールの体積比は1:1が好ましく、前記ニトロメタンのエタノール溶液において、ニトロメタンとエタノールの体積比は1:1が好ましい。前記撹拌の時間は8~16時間が好ましい。)。
【0129】
方法(10)において、前記のn-ブタノールと前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は200~300mL/gでもよく、または240~300mL/gでもよい。
方法(10)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(10)において、前記の再結晶は加熱溶解と冷却析出による再結晶でもよく、その溶解の温度は50~60℃でもよく、その冷却の目的温度は10~30℃でもよい。
前記の方法(10)は、50~60℃で前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とn-ブタノールを混合して溶液とし、撹拌の条件で室温まで自然降温させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は4.1~8.3mg/mLが好ましい。)。
【0130】
方法(10-2)において、前記の「水およびアセトニトリル」と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は100~200mL/gでもよい。
方法(10-2)において、前記溶媒におけるアセトニトリルと水の体積比の値は1でもよい。
方法(10-2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(10-2)において、前記の揮発温度は50~60℃でもよい。
前記の方法(10-2)は、55~65℃で前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)、アセトニトリルおよび水を混合して溶液とし、乾燥まで溶媒を揮発させ、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の濃度は5~50mg/mLが好ましい。前記アセトニトリルと水の体積比は1:1が好ましい。)。
【0131】
方法(11)において、前記の「水およびジメチルスルホキシド」と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は200~300mL/gでもよく、または240~300mL/gでもよい。
方法(11-2)において、前記溶媒における水とジメチルスルホキシドの体積比の値は60でもよい。
方法(11)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(11)において、前記の再結晶は反溶媒による再結晶でもよく、たとえば、まずジメチルスルホキシドで溶解させた後、水と混合することが挙げられる。
前記の方法(11)は、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)とジメチルスルホキシドを混合して溶液とし、前記溶液を水に入れ、室温で撹拌し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記モノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の溶液における濃度は200~400mg/mLが好ましい。前記水とジメチルスルホキシドの体積比は5~10が好ましい。前記撹拌の時間は5~30分間が好ましい。)。
方法(11-2)において、前記の「水およびアセトン」と前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)の体積質量比は110~200mL/gでもよい。
方法(11-2)において、前記溶媒におけるアセトンと水の体積比の値は1でもよい。
方法(11-2)において、前記のモノクエン酸塩2(たとえば結晶形1)は方法(1)を参照して製造することができる。
方法(11-2)において、前記の揮発温度は50~60℃でもよい。
【0132】
方法(12)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は20~100mL/gでもよい。
方法(12)において、前記のエタンジスルホン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~2.2でもよい。
方法(12)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(12)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
方法(12)において、前記の塩形成反応の操作は本分野の通常の操作でもよく、たとえば、エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合してもよい(たとえば、エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れてもよい)。前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は12.5~25mg/mLでもよい。前記のエタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は20.75~41.5mg/mLでもよい。
前記の方法(12)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とエタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記エタンジスルホン酸の濃度は20.75~41.5mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記エタンジスルホン酸のモル比は1:1.1~1:2.2が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0133】
方法(13)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(13)において、前記の硫酸は濃硫酸の形態で使用される。
方法(13)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(13)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
方法(13)において、前記の塩形成反応の操作は本分野の通常の操作でもよく、たとえば、硫酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合してもよい(たとえば、硫酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れてもよい)。前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は12.5~25mg/mLでもよい。前記の硫酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は9.75~19.5mg/mLでもよい。
前記の方法(13)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と硫酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記硫酸のモル比が1:1~1:1.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、硫酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。硫酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記硫酸の濃度は9.75~19.5mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0134】
方法(14)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(14)において、前記の硫酸は濃硫酸の形態で使用される。
方法(14)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(14)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(14)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と硫酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記硫酸のモル比が1:2.2~1:3.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、硫酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。硫酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記硫酸の濃度は29.25~58.5mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記硫酸のモル比は1:3.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0135】
方法(15)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(15)において、前記のベンゼンスルホン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.3でもよい。
方法(15)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(15)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
方法(15)において、前記の塩形成反応の操作は本分野の通常の操作でもよく、たとえば、ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液とキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と混合してもよい(たとえば、ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液をキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に入れてもよい)。前記のキナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液の濃度は12.5~25mg/mLでもよい。前記のベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液の濃度は15.7~31.4mg/mLでもよい。
前記の方法(15)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記ベンゼンスルホン酸の濃度は15.7~31.4mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記ベンゼンスルホン酸のモル比は1:1~1.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0136】
方法(16)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(16)において、前記のHClは前記の水とともに濃塩酸(HClの飽和水溶液)の形態で使用してもよい。
方法(16)において、前記のHClと前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~3.3でもよい。
方法(16)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(16)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(16)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と塩酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、塩酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。塩酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記塩酸の濃度は11~22mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記塩酸のモル比は1:1.1~1:3.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0137】
方法(17)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は230~400mL/gでもよい。
方法(17)において、前記のD-グルコン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~3.3でもよい。
方法(17)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(17)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(17)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とD-グルコン酸のジクロロメタン懸濁液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をD-グルコン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。D-グルコン酸のジクロロメタン懸濁液において、前記D-グルコン酸の含有量は3~5mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記D-グルコン酸のモル比は1:1.1~1:3.3が好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
方法(18)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は100~300mL/gでもよい。
【0138】
方法(18)において、前記のL-酒石酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.3でもよい。
方法(18)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(18)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(18)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とL-酒石酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、L-酒石酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。L-酒石酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記L-酒石酸の濃度は14.9~29.8mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記L-酒石酸のモル比は1:1~1:1.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0139】
方法(19)において、前記の再結晶は撹拌による再結晶でもよい。
方法(19)において、前記のモノL-酒石酸塩(結晶形15)は方法(18)を参照して製造することができる。
方法(19)において、前記の再結晶の時間は6~12時間でもよい。
前記の方法(19)は、前記モノL-酒石酸塩2(結晶形15)と水を混合して澄清まで溶解させ、固体が完全に析出するまで撹拌し、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記撹拌の時間は6~12時間が好ましい。)。
【0140】
方法(20)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~130mL/gでもよい。
方法(20)において、前記のリン酸は85%リン酸水溶液の形態で使用される。
方法(20)において、前記のリン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~3.3でもよい。
方法(20)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(20)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(20)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とリン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、リン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。リン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記リン酸の濃度は7.75~15.5mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記リン酸のモル比は1:1.1~1:3.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0141】
方法(21)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は65~130mL/gでもよい。
方法(21)において、前記のパモ酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.3でもよい。
方法(21)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(21)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(21)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とパモ酸のテトラヒドロフラン懸濁液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液をパモ酸のテトラヒドロフラン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。パモ酸のテトラヒドロフラン懸濁液において、前記パモ酸の含有量は10~20mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記パモ酸のモル比は1:1~1:1.3が好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0142】
方法(22)において、前記の「クロロホルムおよびエタノール」と前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は45~90mL/gでもよい。
方法(22)において、前記のクロロホルムとエタノールの体積比の値は8~10でもよい。
方法(22)において、前記のp-トルエンスルホン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.3でもよい。
方法(22)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(22)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(22)は、前記キナゾリン誘導体のクロロホルム溶液とp-トルエンスルホン酸のエタノール溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、p-トルエンスルホン酸のエタノール溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のクロロホルム溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。p-トルエンスルホン酸のエタノール溶液において、前記p-トルエンスルホン酸の濃度は41~82mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記p-トルエンスルホン酸のモル比は1:1.1~1:1.3が好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0143】
方法(23)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は125~250mL/gでもよい。
方法(23)において、前記のグリコール酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は2.0~2.2でもよい。
方法(23)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(23)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(23)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とグリコール酸のジクロロメタン懸濁液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をグリコール酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。グリコール酸のジクロロメタン懸濁液において、前記グリコール酸の含有量は5~10mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記グリコール酸のモル比は1:2.0~1:2.2が好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
方法(24)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は125~250mL/gでもよい。
【0144】
方法(24)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(24)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(24)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とマロン酸のジクロロメタン懸濁液を前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比が1:1~1:1.2になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比は1:1.1が好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。マロン酸のジクロロメタン懸濁液において、前記マロン酸の含有量は3~5mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0145】
方法(25)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は125~250mL/gでもよい。
方法(25)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(25)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(25)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とコハク酸のジクロロメタン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記コハク酸のモル比が1:1~1:1.2になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をコハク酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記コハク酸のモル比は1:1.1が好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。コハク酸のジクロロメタン懸濁液において、前記コハク酸の含有量は3~5mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0146】
方法(26)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(26)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(26)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(26)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とα-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記α-ケトグルタル酸のモル比が1:1~1:1.2になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記α-ケトグルタル酸のモル比は1:1.1が好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記α-ケトグルタル酸の濃度は15.95~31.9mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0147】
方法(27)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は60~120mL/gでもよい。
方法(27)において、前記のマレイン酸と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1.1~3.3でもよい。
方法(27)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(27)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(27)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とマレイン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、マレイン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。マレイン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記マレイン酸の濃度は12.56~25.32mg/mLが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記マレイン酸のモル比は1:1.1~1:3.3が好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0148】
方法(28)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(28)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(28)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(28)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記1,5-ナフタレンジスルホン酸のモル比が1:1.1~1:1.5になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記1,5-ナフタレンジスルホン酸のモル比は1:1.4が好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記1,5-ナフタレンジスルホン酸の濃度は39.3~78.6mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0149】
方法(29)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は150~300mL/gでもよい。
方法(29)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(29)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(29)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とマロン酸のジクロロメタン懸濁液を前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比が1:2.0~1:2.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比は1:2.2が好ましい。ここで、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。マロン酸のジクロロメタン懸濁液において、前記マロン酸の含有量は3~5mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0150】
方法(30)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は150~300mL/gでもよい。
方法(30)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(30)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(30)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とマロン酸のジクロロメタン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比が1:3.0~1:3.4になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体と前記マロン酸のモル比は1:3.3が好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。マロン酸のジクロロメタン懸濁液において、前記マロン酸の含有量は5~10mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0151】
方法(31)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は60~120mL/gでもよい。
方法(31)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(31)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(31)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液と1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記1,5-ナフタレンジスルホン酸のモル比が1:2.2~1:3.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記1,5-ナフタレンジスルホン酸の濃度は39.3~78.6mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0152】
方法(32)において、前記のジクロロメタンと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は150~300mL/gでもよい。
方法(32)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(32)において、前記の塩形成の時間は16~24時間でもよい。
前記の方法(32)は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液とコハク酸のジクロロメタン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記コハク酸のモル比が1:2.2~1:3.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液をコハク酸のジクロロメタン懸濁液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のジクロロメタン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は5~10mg/mLが好ましい。コハク酸のジクロロメタン懸濁液において、前記コハク酸の含有量は5~10mg/mLが好ましい。前記反応の時間は16~24時間が好ましい。)。
【0153】
方法(33)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は60~120mL/gでもよい。
方法(33)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(33)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(33)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とα-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体と前記α-ケトグルタル酸のモル比が1:2.2~1:3.3になるように混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記α-ケトグルタル酸の濃度は15.95~31.9mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。
【0154】
方法(34)において、前記のテトラヒドロフランと前記のキナゾリン誘導体の体積質量比は50~100mL/gでもよい。
方法(34)において、前記のp-クロロベンゼンスルホン酸塩と前記のキナゾリン誘導体のモル比の値は1~1.2でもよい。
方法(34)において、前記の塩形成の温度は10~30℃でもよい。
方法(34)において、前記の塩形成の時間は0.5~24時間でもよい。
前記の方法(34)は、前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液とp-クロロベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を混合し、反応させ、析出した固体を分離し、乾燥し、産物を得る工程を含んでもよい(ここで、前記混合の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記の混合は、p-クロロベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液を前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液に滴下することが好ましい。前記キナゾリン誘導体のテトラヒドロフラン溶液において、前記キナゾリン誘導体の濃度は12.5~25mg/mLが好ましい。p-クロロベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液において、前記p-クロロベンゼンスルホン酸の濃度は21~42mg/mLが好ましい。前記反応の時間は0.5~24時間が好ましい。)。前記キナゾリン誘導体と前記1,5-ナフタレンジスルホン酸のモル比は1:1~1:1.2が好ましい。)。
【0155】
また、本発明は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤、HER2チロシンキナーゼ阻害剤、HER4のチロシンキナーゼ阻害剤、あるいは、腫瘍疾患を予防または治療する薬物の製造における上記キナゾリン誘導体の塩の使用を提供する。
【0156】
また、本発明は、治療および/または予防の有効量の上記キナゾリン誘導体の塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤とを含む薬物組成物を提供する。
【0157】
前記の薬物組成物は、さらに、前記キナゾリン誘導体、前記キナゾリン誘導体の溶媒和物(水和物や有機溶媒和物を含む)、ほかの前記キナゾリン誘導体の薬用可能な塩形、および、ほかの前記キナゾリン誘導体の薬用可能な塩の溶媒和物(水和物や有機溶媒和物を含む)のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0158】
前記のキナゾリン誘導体は任意の結晶形でもよい。
【0159】
前記の前記キナゾリン誘導体の溶媒和物は任意の結晶形でもよい。
【0160】
前記のほかの前記キナゾリン誘導体の薬用可能な塩形は任意の結晶形でもよい。
【0161】
前記のほかの前記キナゾリン誘導体の薬用可能な塩の溶媒和物は任意の結晶形でもよい。
【0162】
ここで、前記賦形剤は本分野で通常使用される賦形剤でもよい。前記賦形剤は、一般的に、糖類、セルロースおよびその誘導体、デンプンまたは改質デンプン、リン酸カルシウム、リン酸水素二カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムのような固体無機物、脂質やパラフィンのような半固体、微晶質セルロース、エチルセルロース、ヒドロメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのような結合剤、コロイダルシシリカ、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、タルク粉やステアリン酸マグネシウムのような流動化剤、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、乾燥コーンスターチのような崩壊剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコールのような潤滑剤といった物質から選ばれる。
【0163】
前記薬物組成物は固体状または液体状でもよく、たとえば錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤やカプセル剤を含む固体経口投与剤形、溶液剤、シロップ剤、懸濁剤、分散剤や乳剤を含む液体経口投与剤形、溶液剤、分散剤や凍結乾燥剤を含む注射可能な製剤でもよい。配合は、活性成分の快速放出、遅延放出または調節放出に適するものでもよい。通常の、分散可能で、咀嚼可能で、口腔溶解または快速融解の製剤でもよい。投与経路は、経口投与、静脈皮下注射、組織への注射による投与、経皮投与、直腸投与、鼻滴下投与などを含む。
【0164】
前記薬物組成物は、当業者に公知の方法によって製造することができる。前記薬物組成物を製造する時、本発明のキナゾリン誘導体の塩またはその結晶形を1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と混合し、任意に薬用可能なキナゾリン誘導体のほかの結晶形、ほかの無定形または塩形と混合し、任意に1つまたは複数のほかの活性成分と混合する。固体製剤は、直接混合、整粒などのプロセスによって製造することができる。
【0165】
本発明において、「結晶形」という用語は、「結晶の種類」または「結晶構造」だけでなく、技術方案では、「特定の結晶構造を有する物質」または「特定の結晶の種類の結晶」とも理解される。たとえば、技術方案では、「キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩の結晶形」は、「特定の結晶構造を有するキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩」または「特定の結晶の種類のキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩の結晶」と理解されてもよい。
【0166】
本発明において、すべての粉末X線回折スペクトルはいずれもCuターゲットのKα線によって測定されたものである。
【0167】
本発明において、前記「結晶形」はいずれも示されたX線回折スペクトルの特徴付けによって実証された。当業者には、その実験誤差は機器の条件、サンプルの準備およびサンプルの純度によって決まることがわかる。特に、当業者には、X線回折スペクトルは通常機器の条件によって変わることが公知である。また、ピーク角度の実験誤差は通常5%またはそれ以下で、これらの角度の誤差も考慮されるべきで、通常±0.2°の誤差が許容される。また、サンプルの高さなどの実験要素の影響によって、ピーク角度の全体的なシフトが生じることがあり、通常ある程度のシフトが許容される。よって、当業者には、本発明のスペクトルにおける特徴ピークと同様または類似のスペクトルを有する結晶形はいずれも本発明の範囲に含まれることがわかる。
【0168】
本発明において、前記室温は本分野の通常の意味上の室温で、一般的に10~30℃である。
【0169】
本発明において、飽和濃度はいずれも本分野の常識を参照し、製造方法の操作温度で試験して得ることができる。
【0170】
本発明において、本分野の常識を参照し、混合および反応の過程に撹拌の操作が伴ってもよい。前記撹拌は本分野の通常の方法を使用することができ、たとえば撹拌手段は磁気的撹拌、機械的撹拌を含み、前記撹拌の速度は一般的に50~1800回転/分、好ましくは300~900回転/分である。
【0171】
本発明において、本分野の常識を参照し、前記乾燥の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよく、たとえばブロー乾燥、減圧乾燥などでもよい。前記乾燥の温度は20~60℃が好ましく、30~50℃がより好ましく、前記乾燥の時間は1~24時間が好ましく、5~18時間がより好ましく、5~10時間が最も好ましい。減圧乾燥を使用する場合、圧力は0.09MPa未満が好ましい。前記乾燥は、ドラフトチャンバー、ブローオーブンまたは真空オーブンで行われてもよい。
【0172】
本発明において、前記の分離の方法および条件は本分野の通常の方法および条件でもよい。前記分離の方法はろ過または遠心などの手段でもよい。前記ろ過の操作は、一般的に、ろ紙によって減圧で吸引ろ過を行うことである。前記遠心は、一般的に、高回転で行われ、遠心速度は6000回転/分でもよい。
【0173】
本発明において、本分野の常識を参照し、動的水分吸着(DVS)グラフから吸水量が得られ、その百分率は重量百分率である。
【0174】
本分野の常識に反しないことを前提に、上記各好適な条件を任意に組み合わせれば、本発明の各好適な実例が得られる。
【0175】
本発明で用いられる試薬および原料はいずれも市販品として得られる。
【0176】
本発明の積極的な進歩効果は、既知のキナゾリン誘導体と比べ、本発明のキナゾリン誘導体の塩は水溶性に対してある程度の改善があり、その中では、モノクエン酸塩、モノベンゼンスルホン酸塩およびモノエタンジスルホン酸塩はさらに結晶性がよく、吸湿しにくいという利点を有することにある。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【
図1】
図1は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形1のXRPDスペクトルである。
【
図2】
図2は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形1のTGAグラフである。
【
図3】
図3は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形1のDSCチャートである。
【
図4】
図4は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形1のDVSグラフである。
【
図5】
図5は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5のXRPDスペクトルである。
【
図6】
図6は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5のTGAグラフである。
【
図7】
図7は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5のDSCチャートである。
【
図8】
図8は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5のDVSグラフである。
【
図9】
図9は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形13のXRPDスペクトルである。
【
図10】
図10は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形13のTGAグラフである。
【
図11】
図11は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形13のDSCチャートである。
【
図12】
図12は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形13のDVSグラフである。
【
図13】
図13は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩2.5水和物の結晶形14のXRPDスペクトルである。
【
図14】
図14は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩2.5水和物の結晶形14のTGAグラフである。
【
図15】
図15は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩2.5水和物の結晶形14のDSCチャートである。
【
図16】
図16は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩2.5水和物の結晶形14のDVSグラフである。
【
図17】
図17は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形7のXRPDスペクトルである。
【
図18】
図18は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形7のTGAグラフである。
【
図19】
図19は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形7のDSCチャートである。
【
図20】
図20は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形7のDVSグラフである。
【
図21】
図21は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩三水和物の結晶形10のXRPDスペクトルである。
【
図22】
図22は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩三水和物の結晶形10のTGAグラフである。
【
図23】
図23は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩三水和物の結晶形10のDSCチャートである。
【
図24】
図24は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩三水和物の結晶形10のDVSグラフである。
【
図25】
図25は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11のXRPDスペクトルである。
【
図26】
図26は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11のTGAグラフである。
【
図27】
図27は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11のDSCチャートである。
【
図28】
図28は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11のDVSグラフである。
【
図29】
図29は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミ酢酸塩の結晶形2のXRPDスペクトルである。
【
図30】
図30は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミ酢酸塩の結晶形2のTGAグラフである。
【
図31】
図31は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミ酢酸塩の結晶形2のDSCチャートである。
【
図32】
図32は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3のXRPDスペクトルである。
【
図33】
図33は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3のTGAグラフである。
【
図34】
図34は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミ1,4-ジオキサン複合体の結晶形4のXRPDスペクトルである。
【
図35】
図35は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミ1,4-ジオキサン複合体の結晶形4のTGAグラフである。
【
図36】
図36は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミクロロホルム複合体の結晶形6のXRPDスペクトルである。
【
図37】
図37は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミクロロホルム複合体の結晶形6のTGAグラフである。
【
図38】
図38は、本発明のキナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図39】
図39は、本発明のキナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩のTGAグラフである。
【
図40】
図40は、本発明のキナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩のDSCチャートである。
【
図41】
図41は、本発明のキナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩のDVSグラフである。
【
図42】
図42は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ硫酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図43】
図43は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ硫酸塩のTGAグラフである。
【
図44】
図44は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ硫酸塩のDSCチャートである。
【
図45】
図45は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ硫酸塩のDVSグラフである。
【
図46】
図46は、本発明のキナゾリン誘導体のジ硫酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図47】
図47は、本発明のキナゾリン誘導体のジ硫酸塩のTGAグラフである。
【
図48】
図48は、本発明のキナゾリン誘導体のジ硫酸塩のDSCチャートである。
【
図49】
図49は、本発明のキナゾリン誘導体のジ硫酸塩のDVSグラフである。
【
図50】
図50は、本発明のキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図51】
図51は、本発明のキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩のTGAグラフである。
【
図52】
図52は、本発明のキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩のDSCチャートである。
【
図53】
図53は、本発明のキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩のDVSグラフである。
【
図54】
図54は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物のXRPDスペクトルである。
【
図55】
図55は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物のTGAグラフである。
【
図56】
図56は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物のDSCチャートである。
【
図57】
図57は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物のDVSグラフである。
【
図58】
図58は、本発明のキナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図59】
図59は、本発明のキナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩のTGAグラフである。
【
図60】
図60は、本発明のキナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩のDSCチャートである。
【
図61】
図61は、本発明のキナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩のDVSグラフである。
【
図62】
図62は、本発明のキナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図63】
図63は、本発明のキナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩のTGAグラフである。
【
図64】
図64は、本発明のキナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩四水和物のXRPDスペクトルである。
【
図65】
図65は、本発明のキナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩四水和物のTGAグラフである。
【
図66】
図66は、本発明のキナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩四水和物塩のTGAグラフである。
【
図67】
図67は、本発明のキナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩四水和物のDVSグラフである。
【
図68】
図68は、本発明のキナゾリン誘導体のジリン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図69】
図69は、本発明のキナゾリン誘導体のジリン酸塩のTGAグラフである。
【
図70】
図70は、本発明のキナゾリン誘導体のモノパモ酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図71】
図71は、本発明のキナゾリン誘導体のモノp-トルエンスルホン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図72】
図72は、本発明のキナゾリン誘導体のモノp-トルエンスルホン酸塩のTGAグラフである。
【
図73】
図73は、本発明のキナゾリン誘導体のジグリコール酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図74】
図74は、本発明のキナゾリン誘導体のモノマロン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図75】
図75は、本発明のキナゾリン誘導体のモノマロン酸塩のTGAグラフである。
【
図76】
図76は、本発明のキナゾリン誘導体のモノコハク酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図77】
図77は、本発明のキナゾリン誘導体のモノα-ケトグルタル酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図78】
図78は、本発明のキナゾリン誘導体のモノα-ケトグルタル酸塩のTGAグラフである。
【
図79】
図79は、本発明のキナゾリン誘導体のジマレイン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図80】
図80は、本発明のキナゾリン誘導体のジマレイン酸塩のTGAグラフである。
【
図81】
図81は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図82】
図82は、本発明のキナゾリン誘導体のジマロン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図83】
図83は、本発明のキナゾリン誘導体のジマロン酸塩のTGAグラフである。
【
図84】
図84は、本発明のキナゾリン誘導体のトリマロン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図85】
図85は、本発明のキナゾリン誘導体のトリマロン酸塩のTGAグラフである。
【
図86】
図86は、本発明のキナゾリン誘導体のジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図87】
図87は、本発明のキナゾリン誘導体のジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩のTGAグラフである。
【
図88】
図88は、本発明のキナゾリン誘導体のトリコハク酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図89】
図89は、本発明のキナゾリン誘導体のトリコハク酸塩のTGAグラフである。
【
図90】
図90は、本発明のキナゾリン誘導体のジα-ケトグルタル酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図91】
図91は、本発明のキナゾリン誘導体のジα-ケトグルタル酸塩のTGAグラフである。
【
図92】
図92は、本発明のキナゾリン誘導体のモノp-クロロベンゼンスルホン酸塩のXRPDスペクトルである。
【
図93】
図93は、本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の
1H NMRスペクトルである。
【
図94】
図94は、本発明のキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩の
1H NMRスペクトルである。
【
図95】
図95は、本発明のキナゾリン誘導体のモノパモ酸塩の
1H NMRスペクトルである。
【
図96】
図96は、本発明のキナゾリン誘導体のジグリコール酸塩の
1H NMRスペクトルである。
【
図97】
図97は、本発明のキナゾリン誘導体のモノマロン酸塩の
1H NMRスペクトルである。
【
図98】
図98は、本発明のキナゾリン誘導体のモノコハク酸塩の
1H NMRスペクトルである。
【
図99】
図99は、本発明のキナゾリン誘導体のモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩の
1H NMRスペクトルである。
【
図100】
図100は、本発明の各キナゾリン誘導体の塩の薬物の濃度-時間曲線のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0178】
以下、実施例の形によってさらに本発明を説明するが、これによって本発明を記載された実施例の範囲内に限定するわけではない。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常の方法および条件、あるいは商品の説明書に従って選ばれた。
【0179】
検出機器および方法:
粉末X線回折(XRPD)に使用された機器はBruker D8 Advance Diffractometerで、θ-2θゴニオメーター、Moモノクロメーター、Lynxeye検出器が配置された。データ収集ソフトウェアはDiffrac Plus XRD Commanderで、分析ソフトウェアはMDI Jade 5.0であった。機器は使用前に機器に付いた標準品(一般的にコランダム)で校正された。検出条件は、2θ走査角度範囲3~40°、ステップ間隔0.02°、速度0.2秒/ステップであった。検出過程は、銅ターゲットの波長が1.54nmのKa X線を使用し、40 kVおよび40 mAの操作条件において、サンプルを室温の条件でテストし、検出しようとするサンプルを無反射板に置いた。特別に説明しない限り、サンプルは検出前に研磨されていなかった。
【0180】
示差走査熱量分析(DSC)のデータはTA Instruments Q200 MDSCからのものを使用し、装置の制御ソフトウェアはThermal Advantageで、分析ソフトウェアはUniversal Analysisであった。通常、1~10 mgのサンプルを取って蓋をされていない(特別に説明しない限り)アルミ坩堝内に置き、10℃/分の昇温速度で40 mL/分の乾燥N2の保護下においてサンプルを室温から250℃に昇温させ、同時にTAソフトウェアでサンプルの昇温過程における熱量変化を記録した。
【0181】
熱重量分析(TGA)のデータはTA Instruments Q500 TGAからのものを使用し、装置の制御ソフトウェアはThermal Advantageで、分析ソフトウェアはUniversal Analysisであった。通常、5~15 mgのサンプルを取って白金坩堝内に置き、段階的な高解像度の検出手段で、10℃/分の昇温速度で40 mL/分の乾燥N2の保護下においてサンプルを室温から300℃に昇温させ、同時にTAソフトウェアでサンプルの昇温過程における重量変化を記録した。
【0182】
等温吸着分析(DVS)のデータはTA Instruments Q5000 TGAからのものを使用し、装置の制御ソフトウェアはThermal Advantageで、分析ソフトウェアはUniversal Analysisであった。通常、1~10 mgのサンプルを取って白金坩堝内に置き、TAソフトウェアでサンプルの相対湿度が20%から80%へ変化する過程における重量変化を記録した。サンプルの具体的な状況によって、サンプルに異なる吸着および脱吸着の工程を使用した。
【0183】
1H NMR検出はBruker Ascend TM500を使用し、通常、全周波数の励起を使用し、単一のパルスで、角度30°で励起させ、16回走査し、デジタルクワドラチャ検波を行い、温度を298Kとし、重水素化試薬としてDMSOを使用した。
【0184】
HPLCの検出条件は以下の通りである:
移動相A、ギ酸:水=0.1:99.9;
移動相B、ギ酸:アセトニトリル=0.1:99.9;
溶離勾配:
0 min 10% B;
0.5 min 10% B;
4 min 80% B;
4.5 min 80% B;
6 min 10% B;
6.5 min 10% B;
流速 0.3 mL/min、クロマトグラフィーカラム Eclipse Plus-C18 2.1mm×50.0mm×1.8μm、カラム温度 40 ℃、波長 254 nm。
特に説明しない限り、実施例はいずれも室温の条件で操作された。
特に説明しない限り、実施例で使用された各試薬はいずれも市販品である。
【0185】
下記実施例において、使用されたキナゾリン誘導体(すなわち、式1化合物)はCN102898386に記載の方法で製造された。混合と反応の過程に撹拌操作が伴い、撹拌の速度は一般的に50~1800回転/分であった。「一晩」の時間は一般的に12~24時間である。
【実施例】
【0186】
実施例1 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形1の製造
2 gの式1化合物を80 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、0.762 gのクエン酸を15 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、酸溶液を塩基溶液に滴下し、室温で0.5時間撹拌して固体が析出し、一晩撹拌し、ろ過して洗浄し、45℃の真空乾燥器で乾燥し、2.466 gのキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形1を得たが、収率は89.3%であった。
XRPDスペクトルを
図1に示す。
TGAグラフは
図2に示すように、分解温度が175℃であったことが示された。
DSCチャートは
図3に示すように、融点が165~169℃であったことが示された。
DVSグラフは
図4に示すように、サンプルは20~80%RHの範囲内で重量変化が0.21%であったことが示された。
4 gの式1化合物を80 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、2.288 gのクエン酸を22.5 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は結晶形1であった。
【0187】
実施例2 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
30 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、2 mLの水を入れ、60℃で16時間結晶粥にし、遠心し、室温で真空乾燥し、26 mgのキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5を得たが、モル収率は82.4%であった。
XRPDスペクトルを
図5に示す。
TGAグラフは
図6に示すように、分解温度が145℃で、分解前に5.3%の重量減少があり、2モルの水を含有したことが示された。
DSCチャートは
図7に示すように、123℃前に脱水の吸熱ピークがあったことが示された。
DVSグラフは
図8に示すように、0~80%RHの範囲内で重量変化が0.4%であったことが示された。
【0188】
実施例3 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
30 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、3 mLのn-ブタノールを入れ、室温で16時間結晶粥にし、遠心し、室温で真空乾燥し、24 mgの前記二水和物の結晶形5を得たが、モル収率は76.1%であった。
【0189】
実施例4 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLの水および1 mLのメタノールを入れ、室温で開放状態において乾燥まで揮発させ、7 mgの前記二水和物の結晶形5を得たが、モル収率は66.7%であった。
100 mgの実施例1で製造された結晶形1を使用し、1 mLの水および1 mLのメタノールを入れ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は二水和物の結晶形5であった。
【0190】
実施例5 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
実施例4における「メタノール」を「エタノール」に替え、ほかの操作は実施例4と同様で、前記二水和物の結晶形5を得た。
【0191】
実施例6 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
実施例4における「メタノール」を「イソプロパノール」に替え、ほかの操作は実施例4と同様で、前記二水和物の結晶形5を得た。
【0192】
実施例7 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLの水および1 mLのメタノールを入れ、60℃で開放状態において乾燥まで揮発させ、8 mgの前記二水和物の結晶形5を得たが、モル収率は76.1%であった。
【0193】
実施例8 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
実施例7における「メタノール」を「エタノール」に替え、ほかの操作は実施例7と同様で、前記二水和物の結晶形5を得た。
【0194】
実施例9 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
実施例7における「メタノール」を「イソプロパノール」に替え、ほかの操作は実施例7と同様で、前記二水和物の結晶形5を得た。
【0195】
実施例10 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLのメタノールおよび1 mLのアセトンを入れ、60℃で水浴において澄清に溶解するように5分間撹拌し、そして水浴において室温まで自然冷却し、固体が析出して遠心し、室温で真空乾燥し、6 mgの前記二水和物の結晶形5を得たが、モル収率は57.0%であった。
【0196】
実施例11 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形5の製造
実施例10における「メタノール」を「ジオキサン」に替え、ほかの操作は実施例10と同様で、前記二水和物の結晶形5を得た。
【0197】
実施例3~11で製造されたサンプルは実施例2に類似するXRPDスペクトルおよびDSCチャート(示されず)を有し、これらの実施例で製造されたサンプルが実施例2と同様であることが示された。
【0198】
実施例12 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形13の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、2.4 mLのn-ブタノールを入れ、60℃で水浴において澄清に溶解するように5分間撹拌し、そして水浴において室温まで自然冷却し、固体が析出して遠心し、室温で真空乾燥し、8 mgの前記結晶形13を得たが、収率は80%であった。
XRPDスペクトルを
図9に示す。
TGAグラフは
図10に示すように、分解温度が144℃であったことが示された。
DSCチャートは
図11に示すように、融点が127~138℃であったことが示された。
DVSグラフは
図12に示すように、20~80%RHの範囲内で重量変化が0.2%であったことが示された。
20mgの実施例1で製造された結晶形1を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は二水和物の結晶形13であった。
【0199】
実施例13 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形13の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLの水および1 mLのアセトニトリルを入れ、60℃で開放状態において乾燥まで揮発させ、7 mgの前記結晶形13を得たが、収率は70%であった。
【0200】
実施例13で製造されたサンプルは実施例12に類似するXRPDスペクトルおよびDSCチャート(示されず)を有し、これらの実施例で製造されたサンプルが実施例12と同様であることが示された。
100 mgの実施例1で製造された結晶形1を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として結晶形13であった。
【0201】
実施例14 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩2.5水和物の結晶形14の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、0.05 mLのジメチルスルホキシドを入れ、澄清に溶解するように超音波処理し、そして当該溶液を素早く3 mLの水を含有する反応瓶に入れ、5分間撹拌し、遠心し、室温で真空乾燥し、8.3 mgの前記2.5水和物の結晶形14を得たが、モル収率は78.0%であった。
XRPDスペクトルを
図13に示す。
TGAグラフは
図14に示すように、分解温度が144℃で、分解前に6.3%の重量減少があり、2.5モルの水を含有したことが示された。
DSCチャートは
図15に示すように、130℃前に脱水の吸熱ピークがあったことが示された。
DVSグラフは
図16に示すように、10~80%RHの範囲内で重量変化が0.7%で、10%以下は一部の結晶水が脱離したことが示された。
20 mgの実施例1で製造された結晶形1を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は2.5水和物の結晶形14であった。
【0202】
実施例15 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩2.5水和物の結晶形14の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLのアセトンおよび1 mLの水を入れ、60℃で開放状態において乾燥まで溶媒を揮発させ、8 mgの前記2.5水和物の結晶形14を得たが、モル収率は75.1%であった。
【0203】
実施例15で製造されたサンプルは実施例14に類似するXRPDスペクトルおよびDSCチャート(示されず)を有し、これらの実施例で製造されたサンプルが実施例14と同様であることが示された。
【0204】
実施例16 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形7の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLの水を入れ、室温で16時間結晶粥にし、遠心し、室温で真空乾燥し、9 mgの前記二水和物の結晶形7を得たが、モル収率は85.6%であった。
XRPDスペクトルを
図17に示す。
TGAグラフは
図18に示すように、分解温度が145℃で、分解前に4.7%の重量減少があり、2モルの水を含有したことが示された。
DSCチャートは
図19に示すように、79℃前および115~117℃の間に2つの脱水の吸熱ピークがあったことが示された。
DVSグラフは
図20に示すように、10~80%RHの範囲内で重量変化が0.38%で、相対湿度10%以下では1つの水分子が脱離し、脱離した水分子は相対湿度30%で再結合したことが示された。
【0205】
実施例17 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩三水和物の結晶形10の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、2 mLのメタノールを入れ、室温で開放状態において乾燥まで溶媒を揮発させ、8 mgの前記三水和物の結晶形10を得たが、モル収率は74.2%であった。
XRPDスペクトルを
図21に示す。
TGAグラフは
図22に示すように、分解温度が159℃で、分解前に7.7%の重量減少があり、3モルの水を含有したことが示された。
DSCチャートは
図23に示すように、117℃前に脱水の吸熱ピークがあったことが示された。
DVSグラフは
図24に示すように、相対湿度50%以下では3.5%の結晶水が脱離したが、相対湿度50~80%の範囲内で水和物が安定化し、重量変化が1.1%であったことが示された。
【0206】
実施例18 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩三水和物の結晶形10の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLの水および1 mLのn-プロパノールを入れ、室温で開放状態において乾燥まで溶媒を揮発させ、8 mgの前記三水和物の結晶形10を得たが、モル収率は74.2%であった。
20mgの実施例1で製造された結晶形1を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は三水和物の結晶形10であった。
【0207】
実施例19 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩三水和物の結晶形10の製造
実施例18における「n-プロパノール」を「テトラヒドロフラン」に替え、ほかの操作は実施例18と同様で、前記三水和物の結晶形10を得た。
【0208】
実施例20 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩三水和物の結晶形10の製造
実施例18における「n-プロパノール」を「アセトニトリル」に替え、ほかの操作は実施例18と同様で、前記三水和物の結晶形10を得た。
【0209】
実施例18~20で製造されたサンプルは実施例17に類似するXRPDスペクトルおよびDSCチャート(示されず)を有し、これらの実施例で製造されたサンプルが実施例17と同様であることが示された。
【0210】
実施例21 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、5 mLのイソプロパノールを入れ、60℃で水浴において澄清に溶解するように5分間撹拌し、そして水浴において室温まで自然冷却し、固体が析出して遠心し、室温で真空乾燥し、7.5 mgの前記二水和物の結晶形11を得たが、収率は71.3%であった。
XRPDスペクトルを
図25に示す。
TGAグラフは
図26に示すように、分解温度が142℃で、分解前に4.8%の重量減少があり、2モルの水を含有したことが示された。
DSCチャートは
図27に示すように、71℃前に脱水の吸熱ピークがあったことが示された。
DVSグラフは
図28に示すように、相対湿度50~80%の範囲内で水和物が安定して存在し、重量変化が5.3%で、相対湿度50%以下では結晶水が脱離したことが示された。
【0211】
実施例22 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11の製造
実施例21における「イソプロパノール」を「n-プロパノール」に替え、ほかの操作は実施例21と同様で、前記二水和物の結晶形11を得た。
【0212】
実施例23 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLのメタノールおよび1 mLのエタノールを入れ、室温で16時間結晶粥にし、遠心し、室温で真空乾燥し、6.8 mgの前記二水和物の結晶形11を得たが、収率は64.7%であった。
【0213】
実施例24 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11の製造
実施例23における「メタノール」を「ニトロメタン」に替え、ほかの操作は実施例23と同様で、前記二水和物の結晶形11を得た。
【0214】
実施例25 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11の製造
実施例23における「メタノール」を「アセトニトリル」に替え、ほかの操作は実施例23と同様で、前記二水和物の結晶形11を得た。
【0215】
実施例26 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1 mLのメタノールおよび1 mLのエタノールを入れ、60℃で水浴において澄清に溶解するように5分間撹拌し、そして水浴において室温まで自然冷却し、固体が析出して遠心し、室温で真空乾燥し、7 mgの前記二水和物の結晶形11を得たが、収率は66.6%であった。
【0216】
実施例27 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11の製造
実施例26における「メタノール」を「ニトロメタン」に替え、ほかの操作は実施例26と同様で、前記二水和物の結晶形11を得た。
【0217】
実施例28 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩二水和物の結晶形11の製造
実施例26における「メタノール」を「アセトニトリル」に替え、ほかの操作は実施例26と同様で、前記二水和物の結晶形11を得た。
【0218】
実施例22~28で製造されたサンプルは実施例21に類似するXRPDスペクトルおよびDSCチャート(示されず)を有し、これらの実施例で製造されたサンプルが実施例21と同様であることが示された。
【0219】
実施例29 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミ酢酸塩の結晶形2の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、0.4 mLのエタノールを入れ、60℃で16時間撹拌し、遠心し、室温で真空乾燥し、8 mgの前記ヘミ酢酸塩の結晶形2を得たが、モル収率は77.4%であった。
XRPDスペクトルを
図29に示す。
TGAグラフは
図30に示すように、分解温度が142℃で、分解前に3.2%の重量減少があり、0.5モルのエタノールを含有したことが示された。
DSCチャートは
図31に示すように、89~120℃の間に脱エタノールの吸熱ピークがあったことが示された。
【0220】
実施例30 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、0.4 mLのテトラヒドロフランを入れ、室温で16時間撹拌し、遠心し、室温で真空乾燥し、9 mgの前記ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3を得たが、モル収率は73.7%であった。
XRPDスペクトルを
図32に示す。
TGAグラフは
図33に示すように、分解温度が169℃で、分解前に17.3%の重量減少があり、2モルのテトラヒドロフランを含有したことが示された。
【0221】
実施例31 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、0.4 mLのテトラヒドロフランを入れ、60℃で16時間撹拌し、遠心し、室温で真空乾燥し、前記ジテトラヒドロフラン複合体の結晶形3を得た。
【0222】
実施例31で製造されたサンプルは実施例30に類似するXRPDスペクトルを有し、これらの実施例で製造されたサンプルが実施例30と同様であることが示された。
【0223】
実施例32 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミ1,4-ジオキサン複合体の結晶形4の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、1.2 mLのジオキサンを入れ、60℃で水浴において澄清に溶解するように5分間撹拌し、そして水浴において室温まで自然冷却し、固体が析出して遠心し、室温で真空乾燥し、6 mgの前記ヘミ1,4-ジオキサン複合体の結晶形4を得たが、収率は56.4%であった。
XRPDスペクトルを
図34に示す。
TGAグラフは
図35に示すように、分解温度が173℃で、分解前に6.6%の重量減少があり、0.5モルのジオキサンを含有したことが示された。
20mgの実施例1で製造された結晶形1を使用し、1.2 mLのジオキサンを入れ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然としてヘミ1,4-ジオキサン複合体の結晶形4であった。
【0224】
実施例33 キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩ヘミクロロホルム複合体の結晶形6の製造
10 mgの実施例1で製造された結晶形1を取り、0.4 mLのクロロホルムを入れ、室温で16時間撹拌し、遠心し、室温で真空乾燥し、7 mgの前記ヘミクロロホルム複合体の結晶形6を得たが、収率は64.4%であった。
XRPDスペクトルを
図36に示す。
TGAグラフは
図37に示すように、分解温度が173℃で、分解前に7.3%の重量減少があり、0.5モルのクロロホルムを含有したことが示された。
【0225】
実施例34 キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、4.15 mgのエタンジスルホン酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、エタンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下し、滴下の過程で固体が析出し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図38に示す。
TGAグラフは
図39に示すように、分解温度が250℃で、分解前に1.2%の重量減少があったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は74.2%で、理論値の72.6%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
DSCチャートは
図40に示すように、サンプルは融点がなかったことが示された。
DVSグラフは
図41に示すように、相対湿度20~80%の範囲内で重量変化が1.46%であったことが示された。
20 mgの式1化合物を使用し、16.6 mgのエタンジスルホン酸を0.4 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩であった。
【0226】
実施例35 キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、1.95 mgのH
2SO
4を含有する濃硫酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、硫酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下したら、すぐ混濁が生じ、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図42に示す。
TGAグラフは
図43に示すように、分解温度が230℃で、分解前に7.5%の重量減少があったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は87.2%で、理論値の83.6%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
DSCチャートは
図44に示すように、サンプルは124℃前に1つの吸熱ピークがあり、融点が165℃であったことが示された。
DVSグラフは
図45に示すように、相対湿度20~80%の範囲内で重量変化が11.68%であったことが示された。
20 mgの式1化合物を使用し、3.9 mgのH
2SO
4を含有する濃硫酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノ硫酸塩であった。
20 mgの式1化合物を使用し、5.06 mgのH
2SO
4を含有する濃硫酸を0.26 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノ硫酸塩であった。
【0227】
実施例36 キナゾリン誘導体のジ硫酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、5.85 mgのH
2SO
4を含有する濃硫酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、式1化合物のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり硫酸のテトラヒドロフラン溶液に滴下したら、すぐ混濁が生じ、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図46に示す。
TGAグラフは
図47に示すように、分解温度が250℃で、130℃前に3.0%の重量減少があったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は76.7%で、理論値の72.0%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は2:1であった。
DSCチャートは
図48に示すように、サンプルは74℃前および114~160℃の間に吸熱ピークがあり、200℃以内で融点が見られなかったことが示された。
DVSグラフは
図49に示すように、相対湿度20~80%の範囲内で重量変化が2.0%であったことが示された。
20 mgの式1化合物を使用し、8.56 mgのH
2SO
4を含有する濃硫酸を0.15 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジ硫酸塩であった。
10mgの式1化合物を使用し、6.42 mgのH
2SO
4を含有する濃硫酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジ硫酸塩であった。
【0228】
実施例37 キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、3.14 mgのベンゼンスルホン酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下し、一晩撹拌し、固体が析出し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図50に示す。
TGAグラフは
図51に示すように、分解温度が199℃で、分解前に顕著な重量減少がなかったことが示された。
DSCチャートは
図52に示すように、融点が199℃で、溶融後すぐ分解したことが示された。
DVSグラフは
図53に示すように、相対湿度20~80%の範囲内で重量変化が0.3%であったことが示された。
20 mgの式1化合物、6.28mgのベンゼンスルホン酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩であった。
20 mgの式1化合物を使用し、8.17 mgのベンゼンスルホン酸を0.26 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩であった。
【0229】
実施例38 キナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、2.2 mgのHClを含有する濃塩酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、塩酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下し、固体が析出し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図54に示す。
TGAグラフは
図55に示すように、サンプルは156℃で少量に分解し、228℃から大量に分解するようになり、分解前に3.3%の重量減少があり、1モルの水を含有したことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は93.4%で、理論値の93.2%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
DSCチャートは
図56に示すように、サンプルは融点がなかったことが示された。
DVSグラフは
図57に示すように、相対湿度20~80%の範囲内で重量変化が0.17%であったことが示された。
20 mgの式1化合物を使用し、1.59 mgのHClを含有する濃塩酸を0.072 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物であった。
10 mgの式1化合物を使用し、2.39 mgのHClを含有する濃塩酸を0.21 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物であった。
【0230】
実施例39 キナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を2 mLのジクロロメタンに溶解させ、3.89 mgのD-グルコン酸を1 mLのジクロロメタンに入れて懸濁液とし、式1化合物のジクロロメタン溶液をゆっくりD-グルコン酸のジクロロメタン溶液に滴下し、一晩撹拌し、固体が析出し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図58に示す。
TGAグラフは
図59に示すように、分解温度が180℃で、分解前に顕著な重量減少がなかったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は64.5%で、理論値の72.0%に近く、同時に、DSCチャートの
図60では、当該産物に一部の遊離D-グルコン酸が含有された(D-グルコン酸の融点の131℃に吸熱ピークがあった)ことが示されたため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
DSCチャートは
図60に示すように、サンプルは融点が193℃で、溶融後分解したことが示された。
DVSグラフは
図61に示すように、相対湿度20~80%の範囲内で重量変化が0.12%であったことが示された。
20 mgの式1化合物を使用し、23.62mgのD-グルコン酸を7.87 mLのジクロロメタンまたは4.72 mLのジクロロメタンに入れて懸濁液とし、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノD-グルコン酸塩であった。
【0231】
実施例40 キナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩(結晶形15)の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、2.98 mgのL-酒石酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、L-酒石酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下し、一晩撹拌し、固体が析出し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図62に示す。
TGAグラフは
図63に示すように、サンプルは198℃から分解するようになり、分解前に8.1%の重量減少があったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は72.0%で、理論値の77.0%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
20 mgの式1化合物、5.96 mLのL-酒石酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩(結晶形15)であった。
【0232】
実施例41 キナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩四水和物(結晶形16)の製造
30 mgの式1化合物を2.5 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、17.87 mgのL-酒石酸を1 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、式1化合物のテトラヒドロフラン溶液をゆっくりL-酒石酸のテトラヒドロフラン溶液に滴下し、一晩撹拌し、固体が析出し、遠心して洗浄し、水を入れて澄清になるように溶解させ、固体が完全に析出するまで6時間撹拌し、遠心して残った水を除去し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図64に示す。
TGAグラフは
図65に示すように、サンプルは194℃から分解するようになり、分解前に9.5%の重量減少があったことが示された。
DSCチャートは
図66に示すように、サンプルは106℃前に吸熱ピークがあり、融点がなかったことが示された。
DVSグラフは
図67に示すように、相対湿度20~80%の範囲内で重量変化が0.8%で、相対湿度10%で大量の水が快速に脱離したことが示された。
【0233】
実施例42 キナゾリン誘導体のジリン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、4.56 mgの85%リン酸を0.5 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、リン酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下したら、すぐ固体が析出し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図68に示す。
TGAグラフは
図69に示すように、サンプルは234℃から分解するようになり、分解前に7.1%の重量減少があったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は73.3%で、理論値の72.0%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は2:1であった。
20 mgの式1化合物を使用し、4.28 mgのリン酸を含有する85%リン酸を0.28 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジリン酸塩であった。
10 mgの式1化合物を使用し、6.42 mgのリン酸を含有する85%リン酸を0.5 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジリン酸塩であった。
【0234】
実施例43 キナゾリン誘導体のモノパモ酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、7.71 mgのパモ酸を0.5 mLのテトラヒドロフランに入れて懸濁液とし、式1化合物のテトラヒドロフラン溶液をゆっくりパモ酸のテトラヒドロフラン懸濁液に滴下し、パモ酸が段々溶解し、1時間撹拌したら固体が析出し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図70に示す。
20 mgの式1化合物、5 mgまたは10 mgのパモ酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノパモ酸塩であった。
【0235】
実施例44 キナゾリン誘導体のモノp-トルエンスルホン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのクロロホルムに溶解させ、4.53 mgのp-トルエンスルホン酸一水和物を0.1 mLのエタノールに溶解させ、p-トルエンスルホン酸のエタノール溶液をゆっくり式1化合物のクロロホルム溶液に滴下し、一晩撹拌したら、固体が析出し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図71に示す。
TGAグラフは
図72に示すように、サンプルは245℃から分解するようになり、分解前に顕著な重量減少がなかったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は77.4%で、理論値の74.6%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
20 mgの式1化合物、9.06 mgのp-トルエンスルホン酸一水和物を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のトルエンスルホン酸塩であった。
【0236】
実施例45 キナゾリン誘導体の二クリコール酸塩の製造
10 mgの式1化合物を2 mLのジクロロメタンに溶解させ、3.1 mgのグリコール酸を0.5 mLのジクロロメタンに入れて懸濁液とし、式1化合物のジクロロメタン溶液をゆっくりグリコール酸のジクロロメタン懸濁液に滴下し、一晩撹拌し、固体が析出し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図73に示す。
20 mgの式1化合物、2.5 mgまたは5 mgのグリコール酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジグリコール酸塩であった。
【0237】
実施例46 キナゾリン誘導体のモノマロン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を2 mLのジクロロメタンに溶解させ、2.06 mgのマロン酸を0.5 mLのジクロロメタンに入れて懸濁液とし、式1化合物のジクロロメタン溶液をゆっくりマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図74に示す。
TGAグラフは
図75に示すように、サンプルは88℃から分解するようになったことが示された。
20 mgの式1化合物、1.5 mgまたは2.5 mgのマロン酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノマロン酸塩であった。
【0238】
実施例47 キナゾリン誘導体のモノコハク酸塩の製造
10 mgの式1化合物を2 mLのジクロロメタンに溶解させ、2.34 mgのコハク酸を0.5 mLのジクロロメタンに入れて懸濁液とし、式1化合物のジクロロメタン溶液をゆっくりコハク酸のジクロロメタン懸濁液に滴下し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図76に示す。
20 mgの式1化合物、1.5 mgまたは2.5 mgのコハク酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノコハク酸塩であった。
【0239】
実施例48 キナゾリン誘導体のモノα-ケトグルタル酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、3.19 mgのα-ケトグルタル酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、α-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下したら、すぐ固体が析出し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図77に示す。
TGAグラフは
図78に示すように、サンプルは193℃から分解するようになり、分解前に9.8%の重量減少があったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は82.1%で、理論値の77.5%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
20 mgの式1化合物、6.38 mgのα-ケトグルタル酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノα-ケトグルタル酸塩であった。
【0240】
実施例49 キナゾリン誘導体のジマレイン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、5.06 mgのマレイン酸を0.4 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、マレイン酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下したら、すぐ固体が析出し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図79に示す。
TGAグラフは
図80に示すように、サンプルは75℃および136℃で段階的に重量が減少し、167℃から大量に分解するようになったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は71.3%で、理論値の68.5%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は2:1であった。
20 mgの式1化合物を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のマレイン酸塩であった。
10 mgの式1化合物を使用し、7.59 mgのマレイン酸を0.3 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のマレイン酸塩であった。
【0241】
実施例50 キナゾリン誘導体のモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、7.86 mgの1,5-ナフタレンジスルホン酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下したら、すぐ固体が析出し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図81に示す。
20 mgの式1化合物、15.72mgの1,5-ナフタレンジスルホン酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩であった。
【0242】
実施例51 キナゾリン誘導体のジマロン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を2 mLのジクロロメタンに溶解させ、4.13 mgのマロン酸を1 mLのジクロロメタンに入れて懸濁液とし、式1化合物のジクロロメタン溶液をゆっくりマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図82に示す。
TGAグラフは
図83に示すように、サンプルは135℃から分解するようになったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は74.9%で、理論値の70.8%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は2:1であった。
20 mgの式1化合物、3 mg/mLまたは5 mg/mLのマロン酸のジクロロメタン懸濁液を使用し、式1の化合物とマロン酸のモル比が1:2.2の比率になるように反応させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジマロン酸塩であった。
【0243】
実施例52 キナゾリン誘導体のトリマロン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を2 mLのジクロロメタンに溶解させ、6.19 mgのマロン酸を1 mLのジクロロメタンに入れて懸濁液とし、式1化合物のジクロロメタン溶液をゆっくりマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図84に示す。
TGAグラフは
図85に示すように、サンプルは140℃から分解するようになったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は61.8%で、理論値の65.6%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は3:1であった。
20 mgの式1化合物、5 mg/mLまたは10 mg/mLのマロン酸のジクロロメタン懸濁液を使用し、式1の化合物とマロン酸のモル比が1:3.3の比率になるように反応させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のトリマロン酸塩であった。
【0244】
実施例53 キナゾリン誘導体のジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、15.72 mgの1,5-ナフタレンジスルホン酸を0.4 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、式1化合物のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり1,5-ナフタレンジスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液に滴下したら、すぐ固体が析出し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図86に示す。
TGAグラフは
図87に示すように、サンプルは223℃から分解するようになり、150℃の前に3.4%の緩やかな重量減少があったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は54.8%で、理論値の59.3%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
20 mgの式1化合物を使用し、25.17 mgの1,5-ナフタレンジスルホン酸を0.32 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩であった。
10 mgの式1化合物を使用し、18.88 mgの1,5-ナフタレンジスルホン酸を0.32 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩であった。
【0245】
実施例54 キナゾリン誘導体のトリコハク酸塩の製造
10 mgの式1化合物を2 mLのジクロロメタンに溶解させ、7.03 mgのコハク酸を1 mLのジクロロメタンに入れて懸濁液とし、式1化合物のジクロロメタン溶液をゆっくりマロン酸のジクロロメタン懸濁液に滴下し、一晩撹拌し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。XRPDスペクトルを
図88に示す。
TGAグラフは
図89に示すように、サンプルは173℃から分解するようになったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は58.7%で、理論値の57.2%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は3:1であった。
20 mgの式1化合物、5 mg/mLのコハク酸のジクロロメタン懸濁液を使用し、式1の化合物とコハク酸のモル比が1:2.2の比率になるように反応させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のトリコハク酸塩であった。
10 mgの式1化合物、10 mg/mLのコハク酸のジクロロメタン懸濁液を使用し、式1の化合物とコハク酸のモル比が1:3.3の比率になるように反応させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のトリコハク酸塩であった。
【0246】
実施例55 キナゾリン誘導体のジα-ケトグルタル酸塩の製造
10 mgの式1化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、6.38 mgのα-ケトグルタル酸を0.4 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、式1化合物のテトラヒドロフラン溶液をゆっくりα-ケトグルタル酸のテトラヒドロフラン溶液に滴下したら、すぐ固体が析出し、遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図90に示す。
TGAグラフは
図91に示すように、サンプルは140℃から分解するようになり、分解前に4.7%の重量減少があったことが示された。HPLCによる定量を行ったところ、遊離塩基の実際の含有量は64.3%で、理論値の63.3%に近かったため、当該塩における酸と塩基のモル比は1:1であった。
20 mgの式1化合物を使用し、19.14mgのα-ケトグルタル酸を0.6 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のジα-ケトグルタル酸塩であった。
【0247】
実施例56 キナゾリン誘導体のモノp-クロロベンゼンスルホン酸塩の製造
10 mgの式10化合物を0.8 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、4.2mgのp-クロロベンゼンスルホン酸を0.2 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、p-クロロベンゼンスルホン酸のテトラヒドロフラン溶液をゆっくり式1化合物のテトラヒドロフラン溶液に滴下し、一晩撹拌し、析出した固体を遠心し、洗浄して乾燥し、当該塩を得た。
XRPDスペクトルを
図92に示す。
20 mgの式1化合物、8.4 mgのp-クロロベンゼンスルホン酸を使用し、ほかの条件がそのままで製造した場合も、得られた産物は依然として同様のXRPDを有するキナゾリン誘導体のモノp-クロロベンゼンスルホン酸塩であった。
【0248】
効果実施例1 固体安定性試験
適量の原薬を取って時計皿に置き、厚さ3~5 mmになるように敷き、それぞれ高温、高温高湿、光照射および酸化の条件で10日置き、固体の特徴付けを行った。HPLCによって被験品の純度と不純物(≧0.05%)の数を測定し、0日目のサンプルと比較した。置く条件はそれぞれ、
高温(T=60℃オーブン)、
高温高湿(40℃、75%RHの恒温恒湿箱)、
光照射(25℃、4500±500lxの光照射インキュベーター)、
酸化(25℃、過酸化水素尿素を入れた密閉容器)であった。
結果を表1に示す。
【0249】
【0250】
効果実施例2 溶液安定性試験
精密に約15 mgのサンプルを量り、試験溶媒(10%アセトン水溶液、pH=4.0のB-R緩衝液、SGF、SIF)25 mLで20 min超音波をかけて溶解させ、そして溶液を四つに分け、透明のガラス小瓶に入れ、封じた。それぞれ異なる環境に置き、0日目、5日目にサンプリングした。HPLCによって各サンプルの純度を測定し、そして不純物の0.05%超の数を計算し、0日目のサンプルと比較した。置く環境はそれぞれ、
常温避光試験、25℃、
高温避光試験、60℃、
光照射実験(4500±500lx)、25℃、
酸化実験(3% v/v過酸化水素水)、25℃であった。
結果を表2に示す。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0251】
効果実施例3 キナゾリン誘導体の塩の1H NMR測定とHPLC法による溶解度の測定
一部のキナゾリン誘導体の塩に対して1H NMR測定とHPLC法による溶解度の測定を行った。
中では、溶解度の測定方法は、既知量のサンプルを量り、溶媒を分けてサンプルに添加し、肉眼観察でサンプルが澄清に溶解するまで、撹拌または超音波で溶媒を促進し、消耗された溶媒量を記録した。サンプルが特定の濃度で澄清に溶解しない場合、その溶解度は「<」特定の濃度で表示する。サンプルの溶解度が低い場合、大きくした溶媒の倍数を使用し、過剰量のサンプルを入れて一晩撹拌し、一定の体積の良溶媒を入れて澄清に溶解させた後、HPLCによって検出して精確な溶解度のデータを得た。
具体的な検出結果は以下の通りである。
【0252】
図93は本発明のキナゾリン誘導体のモノクエン酸塩(その結晶形1、結晶形13を含む)の
1H NMRスペクトル(具体的なデータは
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.82 (s, 1H), 9.78 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.16 (dd, J = 6.5, 2.5 Hz, 1H), 7.81 (ddd, J = 9.0, 4.2, 2.7 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 5.77 (dd, J = 48.0, 3.5 Hz, 1H), 5.52 (dd, J = 16.0, 3.5 Hz, 1H), 4.27 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.64 (s, 4H), 2.73-2.69 (m, 4H), 2.63-2.60 (m, 5H), 2.05-1.99 (m, 2H)である )で、結果から、当該キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩において、クエン酸と式1化合物のモル比が1:1であることが示された。HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のモノクエン酸塩の結晶形1の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は84.3μg/mLであった。
【0253】
図94は本発明のキナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩の
1H NMRスペクトル(具体的なデータは
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.89 (s, 2H), 9.55 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.17 (dd, J = 6.8, 2.5 Hz, 1H), 7.81 (ddd, J = 8.8, 4.2, 2.7 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.34-7.27 (m, 2H), 5.79 (dd, J = 48.0, 3.5 Hz, 1H), 5.53 (dd, J = 15.5, 4.0 Hz, 1H), 4.32 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 4.02-3.99 (m, 2H), 3.66 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 3.49-3.47 (m, 2H), 3.10 m, 2H), 2.21 (m, 2H)である)で、結果から、当該キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩において、ベンゼンスルホン酸と式1化合物のモル比が1:1であることが示された。HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のモノベンゼンスルホン酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は60.4μg/mLであった。
HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のモノ塩酸塩一水和物の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は51.5μg/mLであった。
HPLC法によって当該キナゾリン誘導体モノD-グルコン酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は51.4μg/mLであった。
HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のジリン酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は25.0μg/mLであった。
【0254】
図95は本発明のキナゾリン誘導体のモノパモ酸塩の
1H NMRスペクトルで、結果から、当該キナゾリン誘導体のモノパモ酸塩において、パモ酸と式1化合物のモル比が1:1であることが示された。HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のモノパモ酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、HPLC分析グラフでは基本的にその吸収ピークが検出できず、結果はほとんど不溶であった。
【0255】
図96は本発明のキナゾリン誘導体のジグリコール酸塩の
1H NMRスペクトルで、結果から、当該キナゾリン誘導体のジグリコール酸塩において、二グリコール酸と式1化合物のモル比が2:1であることが示された。HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のジグリコール酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は24.2μg/mLであった。
【0256】
図97は本発明のキナゾリン誘導体のモノマロン酸塩の
1H NMRスペクトルで、結果から、当該キナゾリン誘導体のモノマロン酸塩において、マロン酸と式1化合物のモル比が1:1であることが示された。HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のモノマロン酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は41μg/mLであった。
【0257】
図98は本発明のキナゾリン誘導体のモノコハク酸塩の
1H NMRスペクトルで、結果から、当該キナゾリン誘導体のモノコハク酸塩において、コハク酸と式1化合物のモル比が1:1であることが示された。HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のモノコハク酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は32μg/mLであった。
HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のジマレイン酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は25.7μg/mLであった。
図99は本発明のキナゾリン誘導体のモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩の
1H NMRスペクトルで、結果から、当該キナゾリン誘導体のモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩において、1,5-ナフタレンジスルホン酸と式1化合物のモル比が1:1であることが示された。HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のモノ1,5-ナフタレンジスルホン酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、HPLC分析グラフでは基本的にその吸収ピークが検出できず、結果はほとんど不溶であった。
HPLC法によって当該キナゾリン誘導体のトリコハク酸塩の20℃での水における溶解度を測定したところ、結果は8.6μg/mLであった。
【0258】
表3はHPLCによって測定された結晶形1の20℃での異なる溶媒における溶解度である。
【表3】
【0259】
また、肉眼観察法によって測定された溶解度の結果は以下の通りである。
(1) 当該キナゾリン誘導体のモノエタンジスルホン酸塩:当該塩の室温での水における肉眼観察の溶解度は1~2 mg/mLであった。
(2) 当該キナゾリン誘導体のモノ硫酸塩:20℃でのサンプルの水における肉眼観察の溶解度は1~2 mg/mLであった。
(3) 当該キナゾリン誘導体のジ硫酸塩:20℃でのサンプルの水における肉眼観察の溶解度は0.91~1 mg/mLであった。
(4) 当該キナゾリン誘導体のモノL-酒石酸塩四水和物:当該水和物の室温での水における肉眼観察の溶解度は0.625~0.667 mg/mLであった。
(5) 当該キナゾリン誘導体のジマロン酸塩:サンプルの室温での水における肉眼観察の溶解度は2~2.5 mg/mLであった。
(6) 当該キナゾリン誘導体のトリマロン酸塩:サンプルの室温での水における肉眼観察の溶解度は1.67~2 mg/mLであった。
上記のように、本発明の具体的な実施形態だけで、本発明の保護範囲はこれらに限定されず、本分野を熟知する技術者が本発明で掲示された技術範囲内で、創造的な労働を経ず想到できる変化または置換は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0260】
効果実施例4 遊離塩基と塩形の投与後のラット体内における吸収の比較
SDラット21匹で、7群に分け、それぞれ20 μmol/kgの上記のキナゾリン誘導体の式1化合物の遊離塩基および6つの塩形(8 mL/kg,2.5mM)(表4に示す)を経口胃内投与し、それぞれ投与前および投与後5、15、30、60、90、120、240、360、480、1440 minでラットの眼底静脈叢から0.4 mL採血した。血液試料を8000 rpmで5 min遠心し、上層の血漿を分離し、血漿サンプルは50 μLで、200 μLの内部標準物質を含有するアセトニトリル(Ponatinib、0.25 μM)を入れてタンパク質を沈殿させ、ボルテックスを10 min行い、6000 gで10 min遠心し、200 μLの上清を取って6000 gでもう1回10 min遠心し、上清を50 μL取って96ウェルプレートに入れ、LC/MS/MSで血漿薬物濃度を検出し、さらに相応する薬物動態学のパラメーターを計算し、表5および
図100に示す。
【0261】
【0262】
【0263】
比較すると、同じ投与量で、遊離塩基および6つの塩形はラットに経口投与後、モノクエン酸塩、モノベンゼンスルホン酸塩およびモノ硫酸塩の吸収が良かったが、モノ塩酸塩一水和物、モノD-グルコン酸塩およびモノエタンジスルホン酸塩はAUC(0-t)およびCmaxが低かった。中でも、モノクエン酸塩はAUC(0-t)およびCmaxのいずれも最も高かった。
【0264】
以上、本発明の具体的な実施形態を記述したが、当業者にとって、これらは例示の説明だけで、本発明の原理と実質に反しないという前提下において、これらの実施形態に対して様々な変更や修正をすることができる。そのため、本発明の保護範囲は添付の請求の範囲によって限定される。