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特許7068435切り離されたフェイスプレートを有するゴルフ・クラブ・ヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】切り離されたフェイスプレートを有するゴルフ・クラブ・ヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20220509BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20220509BHJP
【FI】
A63B53/04 E
A63B53/04 A
A63B102:32
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020217351
(22)【出願日】2020-12-25
(62)【分割の表示】P 2018558692の分割
【原出願日】2017-05-12
(65)【公開番号】P2021053461
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】62/335,590
(32)【優先日】2016-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック エム. ヘンリクソン
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル ペンドレッド
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-128580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0203764(US,A1)
【文献】特開2007-202633(JP,A)
【文献】特開平6-86842(JP,A)
【文献】米国特許第6969325(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
本体部を備え、
前記本体部は、
ストライク表面を有するフェイスプレートと、
ヒール・エンドの反対側のトウ・エンドと、
前記フェイスプレートの反対側のバック・エンドと、
トップ・レールの反対側のソールと、
前記本体部の前記トウ・エンドを完全に通って延在し、前記ソールの近位に第1の端部を有する第1のスロットであって、前記第1の端部は円形であり、前記第1のスロットは、前記フェイスプレートを前記バック・エンドから分離するギャップを画定しており、前記ギャップの幅は、前記ソールから前記トップ・レールに向かう方向において増加している、前記第1のスロットと、
前記トップ・レールを通って延在し、前記フェイスプレートの近位に第2の端部を有する第2のスロットであって、前記第2の端部は、半径を有する、前記第2のスロットと、を含み、
前記本体部の前記トウ・エンドにおいて、前記ソールのみが前記フェイスプレートと前記バック・エンドを接続するように、前記第1のスロットが前記フェイスプレートを前記バック・エンドから分離し、
前記トウ・エンドは、前記ストライク表面に対して実質的に垂直であ
前記ギャップは、前記第1のスロットを横切る距離として画定される幅を有しており、
前記幅は、0.5インチから2インチまでの範囲内である、ゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項2】
前記第1のスロット及び前記第2のスロットのうちの少なくとも一方の少なくとも一部は、充填剤によって充填される、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項3】
前記第1のスロットの前記第1の端部は、半径を有し、
前記第1のスロットの前記第1の端部の前記半径、および、前記第2のスロットの前記第2の端部の前記半径は、0.05インチから0.8インチ以内である、請求項1又は2に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項4】
前記ギャップの前記幅は、前記トップ・レールに向かって直線的に増加している、請求項1から3のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項5】
前記ギャップの前記幅は、曲線的に増加している、請求項1から3のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項6】
前記第1のスロットは、前記本体部の前記トウ・エンドの高さの50%まで延在している、請求項1からのいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項7】
前記第1のスロットは、前記本体部の前記トウ・エンドの高さの70%まで延在している、請求項1からのいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項8】
前記第1のスロットは、前記本体部の前記トウ・エンドの高さの100%まで延在している、請求項1からのいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項9】
前記第2のスロットは、前記フェイスプレートを前記本体部の前記ヒール・エンドから分離するギャップを画定している、請求項1からのいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項10】
前記第2のスロットの前記ギャップは、前記第2のスロットを横切る距離として画定される幅を有しており、
前記第2のスロットの前記ギャップの前記幅は、0.2インチから2インチまでの範囲内である、請求項に記載のクラブ・ヘッド。
【請求項11】
前記第2のスロットは、前記ヒールを通って前記本体部のホーゼル部分の中へ延在している、請求項1から10のいずれか一項に記載のクラブ・ヘッド。
【請求項12】
前記フェイスプレートは、前記トウ・エンドの上の前記第1のスロット、および、前記ヒール・エンドの上の前記第2のスロットによって、前記本体部の前記バック・エンドから分離されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のクラブ・ヘッド。
【請求項13】
ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
本体部を備え、
前記本体部は、
ストライク表面を有するフェイスプレートと、
ヒール・エンドの反対側のトウ・エンドと、
前記フェイスプレートの反対側のバック・エンドと、
トップ・レールの反対側のソールと、
記本体部の前記トウ・エンドを完全に通って延在し、前記ソールの近位に第1の端部を有する第1のスロットであって、前記第1の端部は円形であり、前記第1のスロットは、前記フェイスプレートを前記バック・エンドから分離するギャップを画定している、前記第1のスロットと、
前記トップ・レールを通って延在し、前記フェイスプレートの近位に第2の端部を有する第2のスロットあって、前記第2の端部は、半径を有し、前記第1のスロット及び前記第2のスロットのうちの少なくとも一方の少なくとも一部は、充填剤によって充填される、前記第2のスロットと、を含み、
前記本体部の前記トウ・エンドにおいて、前記ソールのみが前記フェイスプレートと前記バック・エンドを接続するように、前記第1のスロットが前記フェイスプレートを前記バック・エンドから分離し、
前記トウ・エンドは、前記ストライク表面に対して実質的に垂直であ
前記ギャップは、前記第1のスロットを横切る距離として画定される幅を有しており、
前記幅は、0.5インチから2インチまでの範囲内である、ゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項14】
前記第1のスロットの前記第1の端部は、半径を有し、
前記第1のスロットの前記第1の端部の前記半径、および、前記第2のスロットの前記第2の端部の前記半径は、0.05インチから0.8インチ以内である、請求項13に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項15】
前記第2のスロットは、前記フェイスプレートを前記本体部の前記ヒール・エンドから分離するギャップを画定している、請求項13又は14に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項16】
前記第2のスロットの前記ギャップは、前記第2のスロットを横切る距離として画定される幅を有しており、
前記第2のスロットの前記ギャップの前記幅は、0.2インチから2インチまでの範囲内である、請求項15に記載のクラブ・ヘッド。
【請求項17】
前記フェイスプレートは、前記トウ・エンドの上の前記第1のスロット、および、前記ヒール・エンドの上の前記第2のスロットによって、前記本体部の前記バック・エンドから分離されている、請求項13から16のいずれか一項に記載のクラブ・ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年5月12日に出願された米国仮特許出願第62/335,590号の利益を主張し、そのすべての内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれている。
【0002】
本開示は、ゴルフ・クラブに関し、より具体的には、フェイスプレート撓みを増加させ、より均一なフェイスプレート撓みを提供する、切り離されたゴルフ・クラブ・フェイスプレートに関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフ・クラブは、たとえば、ウッド、ハイブリッド、アイアン、ウェッジ、またはパターなど、さまざまな形態をとっており、これらのクラブは、一般的に、ヘッドの形状および設計(たとえば、ウッドとアイアンとの間の差など)、クラブ・ヘッド材料、シャフト材料、クラブ長さ、およびクラブ・ロフトの点で異なっている。
【0004】
一般的に、ゴルフ・ボールとのインパクトの間に、ゴルフ・クラブ・フェイスプレートは、一定の量の変形を受ける。より具体的には、ゴルフ・ボールとのインパクト時に、フェイスプレートは、バネのような様式で撓み、次いで跳ね返る。結果として生じる、フェイスプレートとゴルフ・ボールとの間のこの「バネ効果」は、反発係数によって定量化され得る。より高い反発係数は、インパクト時にゴルフ・ボールに伝達される運動エネルギーを増加させ、一般的に、ゴルフ・ボール速度およびゴルフ・ボール打ち出し距離を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゴルフ・クラブには、フェイスプレート撓みを増加させるためにさまざまな設計があるが、これらの設計は、フェイスプレートがゴルフ・クラブ本体部に取り付けられる、ヒールの近く、トウの近く、および/または、ソールの近くにおいて、フェイスプレートの撓み(または、曲げ)を限定または制限もする。したがって、打ち出し角度、バネ効果をさらに増加させ、ボールに付与されるスピンをさらに減少させるために、ゴルフ・クラブ・フェイスプレート撓みをさらに増加させる必要性、および、ゴルフ・ボールとのインパクトの間にゴルフ・クラブ・フェイスプレートにわたってより均一な撓みを提供する必要性がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本明細書で開示される切り離されたフェイスプレートの1つまたは複数の実施形態を含むゴルフ・クラブ・ヘッドの斜視図である。
図2】フェイスプレートを図示する図1のクラブ・ヘッドの正面図である。
図3図2の視点の反対側の図1のクラブ・ヘッドの背面図である。
図4図1のクラブ・ヘッドの上面図である。
図5図4の線5-5に沿った図1のクラブ・ヘッドの断面図である。
図6】トウ・エンドを通る第1のスロットを図示する図1のクラブ・ヘッドの端面図である。
図7】トウ・エンドを通る第1のスロットを図示する図1のクラブ・ヘッドの背面の斜視図である。
図8】ヒールの近位のフェイスプレートの一部分を通る第2のスロットを図示する図1のクラブ・ヘッドの背面の別の斜視図である。
図9】トウ・エンドを通る第1のスロットの別の実施形態のトウ・サイドの図である。
図10図9の第1のスロットのヒール・サイドからの断面図である。
図11】ヒール・エンドを通る第2のスロットの別の実施形態の背面図である。
図12図11の第2のスロットの正面図である。
図13】トウ・エンドを通る第1のスロットの別の実施形態のトウ・サイドの図である。
図14】充填剤材料を備える図9の第1のスロットのトウ・サイドの図である。
図15】磁石を備える図9の第1のスロットの背面斜視図である。
図16】磁石を備える図9の第1のスロットの正面斜視図である。
図17】第1および第2のスロットを備えるクラブ・ヘッドの別の実施形態の背面斜視図である。
図18図9の第1のスロットを備えるゴルフ・クラブ・ヘッドのトウ・サイドの図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
より高い打ち出し角度のためにより大きいフェイス撓みを可能にし、また、ゴルフ・ボール・フライトのためにより少ないスピンを可能にするために、トップ・レールを通って延在するスロットを有するゴルフ・クラブ・ヘッドが、本明細書で開示されている。ゴルフ・クラブ・ヘッドは、本体部を備え、本体部は、ストライク表面を有するフェイスプレートと、トウ・エンドと、トウ・エンドの反対側のヒール・エンドと、フェイスプレートの反対側のバック・エンドと、フェイスプレートとバック・エンドとの間に延在するソールと、フェイスプレートを本体部のヒール・エンドおよびトウ・エンドに接続するトップ・レールと、を含む。クラブ・ヘッドは、少なくとも1つのスロットをさらに含むことが可能である。クラブ・ヘッドは、1つの、2つの、3つの、またはそれ以上のスロットを有することが可能である。ゴルフ・クラブ・ヘッドのスロットは、ゴルフ・クラブ・ヘッドのトップ・レールを通って延在している。たとえば、1つの実施形態では、クラブ・ヘッドは、第1および第2のスロットを含むことが可能である。第1のスロットは、完全にトップ・レールを通って、本体部のトウ・エンドの中へ延在することが可能であり、フェイスプレートがトウ・エンドの中の第1のスロットによってバック・エンドから分離されるようになっている。第2のスロットは、完全にトップ・レールを通って、フェイスプレート34の中へ延在することが可能であり、フェイスプレートが本体部のヒール・エンドおよびバック・エンドから分離されるようになっている。他の実施形態では、第2のスロットは、完全にトップ・レールを通って、本体部のヒール・エンドの中へ延在することが可能であり、フェイスプレートが本体部のバック・エンドから分離されるようになっている。いくつかの実施形態では、第2のスロットは、完全にトップ・レールを通って延在し、ヒール・エンドまたはフェイスプレートの中へは延在しないことが可能である。他の実施形態では、第2のスロットは、トップ・レールの中へ部分的に延在することが可能である。本体部が第1および第2のスロットの両方を含むいくつかの実施形態では、フェイスプレートは、本体部のトウ・エンドおよびヒール・エンドにおいて、バック・エンドから分離され得る。1つの実施形態では、ゴルフ・クラブ・ヘッドは、アイアン・タイプのゴルフ・クラブ・ヘッドである。
【0008】
少なくともアイアン・タイプのクラブ・ヘッドのトップ・レールを通って切られた少なくとも1つのスロットの存在は、フェイスプレートのより大きい撓み、より高い打ち出し角度、および、スピンの低減を結果として生じさせる。少なくとも1つのスロットは、スロットを備えていないクラブ・ヘッドのフェイスプレートよりも大きい距離だけ、クラブ・ヘッドのバック・エンドに向けて、フェイスプレートが撓むことを可能にする。増加された曲げは、片持ち梁の曲げとして定義され得る。その理由は、フェイスプレートがソールにおいて1つの端部だけで支持されているからである。増加された片持ち梁の曲げは、ボール打ち出し角度の増加、および、インパクト後のボール・スピンの減少を結果として生じさせることが可能である。ボール打ち出し角度の増加、および、ボール・スピンの減少は、スロットを備えていないクラブ・ヘッドによって打たれたゴルフ・ボールよりも長い距離を、ゴルフ・ボールが動くことを結果として生じさせることが可能である。
【0009】
本明細書で説明されているように、ゴルフ・クラブの「ロフト」または「ロフト角」という用語は、任意の適切なロフト・ライ・マシンによって測定されるような、クラブ・フェイスとシャフトとの間に形成される角度を指す。
【0010】
説明および特許請求の範囲の中の「第1の」、「第2の」、「第3の」、および「第4の」などの用語は、類似の要素同士の間を区別するために使用されており、必ずしも、特定の逐次的順序または経時的順序を説明するためのものであるわけではない。そのように使用されている用語は、適当な状況下において相互交換可能であり、本明細書で説明されている実施形態が、たとえば、本明細書で図示されているかまたはその他の方法で説明されているもの以外のシーケンスで動作可能であるようになっていることが理解されるべきである。そのうえ、「含む」および「有する」という用語、ならびに、その任意の変化形は、非排他的な包含をカバーすることが意図されており、要素のリストを含む、プロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置が、必ずしも、それらの要素に限定されるわけではなく、明示的に列挙されていない他の要素、または、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置に固有の他の要素を含むことが可能であるようになっている。
【0011】
説明および特許請求の範囲の中の「左」、「右」、「前部」、「後部」、「上部」、「底部」、「~の上」、および「~の下」などの用語は、もしある場合には、説明目的のために使用されており、必ずしも、恒久的な相対的位置を説明するためのものであるわけではない。そのように使用されている用語は、適当な状況下において相互交換可能であり、本明細書で説明されている装置、方法、および/または製造物品の実施形態が、たとえば、本明細書で図示されているか、またはその他の方法で説明されているもの以外の向きで動作可能であるようになっていることが理解されるべきである。
【0012】
「連結する(couple)」、「連結されている(coupled)」、「連結する(couples)」、および「連結すること(coupling)」などの用語は、広範に理解されるべきであり、機械的にまたはその他の方法で、2つ以上の要素を接続することを指す。(機械的にまたはその他の方法に関わらず)連結することは、任意の長さの時間に関するもの、たとえば、永久もしくは半永久、または、瞬時のみに関するものであることが可能である。
【0013】
それに加えて、詳細な説明は、「切り離された」ゴルフ・クラブ・フェイスプレートの1つまたは複数の実施形態を参照している。「切り離された」ゴルフ・クラブ・フェイスプレートは、クラブ・ヘッドの一部分から解除または分離されているフェイスプレートを説明している。図示されている実施形態では、1つまたは複数のスロットまたはギャップが、(たとえば、フェイスプレートのトウ・エンドにおいて、および/または、ヒール・エンドにおいて)フェイスプレートの一部分とゴルフ・クラブのバック・エンドとの間に形成または位置決めされており、ゴルフ・ボールとのインパクトの間のフェイスプレートのより大きいおよび/またはより均一な撓みを促進させる。変形もしくは撓みを増加させることによって、または、より均一な量の変形もしくは撓みを提供することによって、フェイスプレートは、有利なバネ様の効果を強化する。
【0014】
他の特徴および態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することによって、明らかになるであろう。本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用に関して、以下の説明の中で記述されているような、または、図面に図示されているような、詳細または構築、および、コンポーネントの配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態をサポートすることができ、また、さまざまな方式で、実践され得、または、実施され得る。具体的な実施形態の説明は、本開示の精神および範囲の中に入るすべての修正例、均等物、および代替例を本開示がカバーすることを制限することを意図していないことが理解されるべきである。また、本明細書で使用される表現法および専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定するものとしてみなされるべきではないことが理解されるべきである。
【0015】
議論および理解しやすくするために、および、説明の目的だけのために、以下の詳細な説明は、アイアンとしてゴルフ・クラブ・ヘッド10を図示している。アイアンは、本明細書で開示されているような、切り離されたゴルフ・クラブ・フェイスプレートの1つまたは複数の実施形態の図示の目的のために提供されていることが認識されるべきである。切り離されたゴルフ・クラブ・フェイスプレートの開示されている実施形態は、ゴルフ・ボール・インパクトの間にフェイスプレートが変形するかまたは撓む、任意の所望のアイアン、ウッド、ハイブリッド、または、他のゴルフ・クラブに対して使用され得る。例えば、クラブ・ヘッド10は、限定されないが、ドライバ、フェアウェイウッド、ハイブリッド、1番アイアン、2番アイアン、3番アイアン、4番アイアン、5番アイアン、6番アイアン、7番アイアン、8番アイアン、9番アイアン、ピッチングウェッジ、ギャップウェッジ、ユーティリティウェッジ、サンドウェッジ、ロブウェッジ、および/または、パターを含んでいてもよい。加えて、ゴルフ・クラブ・ヘッド10は、(限定されないが、3,3.5,4, 4.5,5,5.5,6,6.5,7,7.5,8,8.5,9,9.5,10,10.5,11,11.5,12,12.5,13,13.5,14,14.5,15,15.5,16,16.5,17,17.5,18,18.5,19,19.5,20,20.5,21,21.5,22,22.5,23,23.5,24,24.5,25,25.5,26,26.5,27,27.5,28,28.5,29,29.5,30,30.5,31,31.5,32,32.5,33,33.5,34,34.5,35,35.5,36,36.5,37,37.5,38,38.5,39,39.5,40,40.5,41,41.5,42,42.5,43,43.5,44,44.5,45,45.5,46,46.5,47,47.5,48,48.5,49,49.5,50,50.5,51,51.5,52,52.5,53,53.5,54,54.5,55,55.5,56,56.5,57,57.5,58,58.5,59,59.5,60,60.5,61,61.5,62,62.5,63,63.5,64,64.5、および/または65度を含む)約3度から約65度の範囲であり得るロフトを有することができる。
【0016】
(ゴルフ・クラブ・ヘッド)
下記に説明されている実施形態は、ゴルフ・クラブ・ヘッドのトップ・レールの一部分を通る少なくとも1つのスロットを有するゴルフ・クラブ・ヘッドに関する。ゴルフ・クラブ・ヘッドは、アイアン・タイプのゴルフ・クラブ・ヘッドであることが可能である。ここで図を参照すると、図1図4は、切り離されたゴルフ・クラブ・フェイスプレートの1つまたは複数の実施形態を組み込むゴルフ・クラブ・ヘッド10を図示している。
【0017】
ゴルフ・クラブ・ヘッド10は、本体部14を含み、本体部14は、ヒールまたはヒール・エンド22の反対側に、トウまたはトウ・エンド18を有している。また、本体部14は、ソールまたは底部30の反対側に、トップ・レールまたはトップ・ラインまたはトップ26を含む。本体部14は、クラブ・フェイス32を担持しており、クラブ・フェイス32は、フェイスプレートまたはストライク・プレート34を含み、フェイスプレートまたはストライク・プレート34は、(図1図2および図4に示されている)ストライク表面36を画定しており、(図3図4に示されている)リア・エンド、バック、リア、またはバック・サイド38の反対側にある。(図1図2、および図4に示されている)複数の溝部40が、フェイスプレート34の上に位置決めされている。また、ゴルフ・クラブ・ヘッド10は、ホーゼル44を含み、ホーゼル44は、(図2に示されている)ホーゼル軸線48を有しており、ホーゼル軸線48は、ホーゼル44の中心を通って延在している。ホーゼル44は、グリップ(図示省略)を担持するゴルフ・クラブ・シャフト(図示省略)を受け入れるように構成されている。
【0018】
ここで図2および図4を参照すると、ゴルフ・クラブ・ヘッド10は、重心またはCG52を含み、重心またはCG52は、x軸56、y軸60、およびz軸64を含む座標系の原点を画定する。(図4に示されている)x軸56は、トウ・エンド18からヒール・エンド22へクラブ・ヘッド10の重心52を通って延在している。(図2に示されている)y軸60は、トップ26からソール30へクラブ・ヘッド10の重心52を通って延在している。(図4に示されている)z軸64は、フェイスプレート34からバック38へクラブ・ヘッド10の重心52を通って延在している。本明細書での技術革新を説明する際の追加的な指針に関して、x軸56およびz軸64は、図4のアナログ時計の上の数字と一致するように配置されている。z軸64は、12時(フェイスプレート34を通る「12」)と6時(バック38を通る「6」)との間に延在しており、また、x軸56は、3時(トウ・エンド18を通る「3」)と9時(ヒール・エンド22を通る「9」)との間に延在している。
【0019】
ここで図5を参照すると、ゴルフ・クラブ・ヘッド10は、キャビティ68を画定しており、キャビティ68は、フェイスプレート34とバック38との間に形成されている。より具体的には、キャビティ68は、フェイスプレート34のバック表面または第1の内部表面72によって、ソール30の内部表面または上側表面76によって、および、バック38の前部、前部表面、前部サイド、または内部表面80によって、部分的に形成されている。
【0020】
ゴルフ・ボールとのインパクトの間に、フェイスプレート34は、フェイスプレート34からバック38に向けておおよそ(図5に示されている)進行方向84に、変形するかまたは撓む。公知のゴルフ・クラブでは、フェイスプレート34がソール30に接続されている(および、ソール30によって効果的に拘束されている)ことによって、または、トウ18および/もしくはヒール22においてバック38に接続されている(および、バック38によって効果的に拘束されている)ことによって、方向84へのフェイスプレート34の撓みを限定することができる。方向84へのフェイスプレート34の撓みを増加させるために、および/または、方向84へのフェイスプレート34の撓みをより均一にするために、ギャップを画定するスロットによって、フェイスプレート34をバック38から切り離すことができる。
【0021】
切り離されたゴルフ・クラブ・ヘッド10の実施形態は、1つの、2つの、3つの、4つの、5つの、6つの、または、それ以上のスロットを含むことが可能である。スロットは、本体部のトウ・エンド上またはヒール・エンド上に位置決めすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、スロットは、完全にトップ・レールを通って、および、完全にまたは少なくとも部分的にフェイスプレートを通って、延在することが可能である。他の実施形態では、スロットは、完全にトップ・レールを通って、および、完全にまたは少なくとも部分的にトウ・エンドまたはヒール・エンドを通って、延在することが可能である。他の実施形態では、スロットは、完全にトップ・レールを通って延在し、フェイスプレート、ヒール・エンド、またはトウ・エンドの中へは延在しないことが可能である。他の実施形態では、スロットは、トップ・レールの中へ部分的にのみ延在することが可能である。
【0022】
それぞれのスロットは、スロットを横切る距離として測定される幅を有するギャップを画定する。いくつかの実施形態では、ギャップの幅は、スロットの長さにわたって、一定または均一のままであることが可能である。他の実施形態では、ギャップは、スロットの長さに沿って、可変の幅を有することが可能である。たとえば、ギャップは、テーパー付きの幅(たとえば、ソール30からトップ・レール26に向かう方向にスロットの長さに沿って増加する幅、または、ソール30からトップ・レール26に向かう方向にスロットの長さに沿って減少する幅)、または、不均一な幅(たとえば、幅が、ソール30からトップ・レール26に向かう方向にスロットの長さに沿って、増加および減少の両方を行うことが可能である)を有することが可能である。
【0023】
第1および第2のスロットを介して、フェイスプレート34をバック・エンド38から切り離すことによって、フェイスプレート34は、上記に議論されているように、ヒール・エンドまたはトウ・エンドによって拘束されることなく、ソール30の周りに自由に撓むことができる。フェイスプレート34がヒール・エンドまたはトウ・エンドによって拘束されていないので、インパクト時に、フェイスプレート34は、ソールの周りでより大きく撓むことが可能である。フェイスプレート34がソール30における単一の端部によって接続されているので、ソール30の周りの曲げの増加は、片持ち梁式の曲げとして定義され得る。片持ち梁曲げの増加は、ボール打ち出し角度の増加、および、インパクト後のボール・スピンの減少を結果として生じさせることが可能である。ボール打ち出し角度の増加、および、ボール・スピンの減少は、スロットを含まないクラブ・ヘッドによって打たれたゴルフ・ボールよりも長い距離をゴルフ・ボールが進行することを結果として生じさせることが可能である。
【0024】
さらに、フェイスプレート34がヒール・エンドまたはトウ・エンドによって拘束されていないので、より少ないドラム型の曲げ(フェイスプレート34の周辺に対する中心における曲げ)が起こる。ドラム型の曲げの低減は、インパクト時のフェイスプレート34からの応力を緩和する。応力の低減は、第1および第2のスロットを含まないゴルフ・クラブ・ヘッドよりも、フェイスプレート34を薄くすることを可能にする。より薄いフェイスプレート34を有することにより、フェイスプレート34の重量が低減し、余分な裁量の重量をクラブ・ヘッドの領域に再導入することを可能にし、クラブ・ヘッドCG場所およびクラブ・ヘッドMOIを改善する。
【0025】
上記および本開示の残りの部分を通して説明されている実施形態は、2つのスロット(トウ・エンドおよびヒール・エンドにおける第1および第2のスロット)を含むゴルフ・クラブ・ヘッド10を図示しているが、他の実施形態では、ゴルフ・クラブ・ヘッド10は、1つのスロットを含むことが可能である。たとえば、他の実施形態では、クラブ・ヘッド10は、第1のスロット(トウ・スロット)だけ、または、第2のスロット(ヒール・スロット)だけを含むことが可能である。
【0026】
(第1の(トウ)スロット)
図6および図7を参照すると、第1のスロットまたはチャネルまたはノッチ100が、トウ18において(または、フェイスプレート34のトウ・エンドにおいて)、フェイスプレート34とバック38との間に形成されている。第1のスロット100は、フェイスプレート34とバック38との間にギャップ104を画定する。図示されている実施形態では、第1のスロット100は、完全にトップ・レール26を通って、ソール30に向けてトウ18の中へ延在しており、ギャップ104が、フェイスプレート34をバック・エンド38から分離するようになっている。他の実施形態では、第1のスロット100は、完全にトップ・レール26を通って、ソール30に向けてフェイスプレート34の中へ延在することが可能であり、ギャップ104は、フェイスプレート34を本体部14のトウ・エンド18から分離する。他の実施形態では、スロット100は、完全にトップ・レール26を通って延在するが、トウ18またはフェイスプレート30の中へは延在しておらず、ギャップ104がトップ・レール26をトウ18から分離するようになっている。他の実施形態では、スロット100は、トップ・レール26の中へ部分的にだけ延在することが可能である。さらに、スロット100がトウ18またはフェイスプレート34の中へ延在する実施形態では、スロット100は、トウ18またはフェイスプレート34のいずれかの(ソール30からトップ・レール26への距離として測定される)高さの最大で100%まで延在することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、スロット100は、トウ18またはフェイスプレート34のいずれかの高さの最大で100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%まで延在することが可能である。換言すれば、第1のスロット100は、本体部14の外側周辺または外側表面の一部分を通って位置決めされる。本体部14の外側周辺(または、外側表面)は、全体で、トウ18、トップ・レール26、ヒール22、およびソール30によって画定されている。第1のスロット100のギャップ104は、完全にまたは少なくとも部分的にトップ・レール26を通って延在することが可能であり、第1のスロット100がトップ・レール26において(または、その近くで)開いているようになっている。図6に示されているように、第1のスロット100は、トウ18において、本体部14の外側周辺(または、外側表面)を通って延在している。それに加えて、図7に示されているように、第1のスロット100は、トウ18からキャビティ68の中へ本体部14を通って延在している。第1のスロット100は、トウ18において、フェイスプレート34をバック38から分離しており、トウ・エンド18において(または、その近位において)、フェイスプレート34がソール30だけによってバック38に接続されるようになっている。
【0027】
再び図6および図7を参照すると、スロット100のギャップ104は、第1のスロット100を横切る距離として測定される幅を含む。図示されている実施形態では、ギャップ104の幅は、その全体長さに沿って、一定のままであるかまたは均一になっている。しかし、他の実施形態では、ギャップ104は、スロット100の長さに沿って可変の幅を有することが可能である。たとえば、ギャップ104は、テーパー付きの幅(たとえば、ソール30からトップ・レール26に向かう方向にスロット100の長さに沿って増加する幅、または、ソール30からトップ・レール26に向かう方向にスロット100の長さに沿って減少する幅)、または、(たとえば、幅が、ソール30からトップ・レール26に向かう方向にスロット100の長さに沿って、増加および減少の両方を行うことが可能である)不均一な幅を有することが可能である。
【0028】
ここで図9および図10を見てみると、増加する幅のギャップ204を有する第1のスロット200を含むゴルフ・クラブ・ヘッド10の別の実施形態が示されている。第1のスロット200は、完全にトップ・レール26を通ってソール20に向けてトウ18の中へ延在しており、ギャップ204が、本体部14のトウ・エンド18において、フェイスプレート34をバック38から分離するようになっている点において、第1のスロット200は第1のスロット100と同様である。しかし、第1のスロット200のギャップ204は、変化する幅を有している。ギャップ204は、ソール30からトップ・レール26への方向に、第1のスロット200の長さに沿って、曲線的に増加している。第1のスロット200は、クラブ・ヘッド10のソール30の最も近くに位置決めされている第1の端部201と、完全にトップ・レール26を通って延在する第2の端部202とを含む。図示されている実施形態では、ギャップ204は、第1の端部201において、0.4インチの最小幅を有しており、第2の端部202において、0.75インチの最大幅を有している。したがって、トウ・サイドの視点から見たときに、それは、トウ18の一部分が本体部14から欠けているかのように見える。そのため、フェイスプレート34は、本体部14のトウ部分18またはバック38によって拘束されることなく、より大きい距離を曲がることが可能である。さらに、ソール30に最も近い第1のスロット200の第1の端部201は、フェイスプレート34の曲げの間に受ける応力集中を分散することを助ける半径を含む。図示されている実施形態では、ソール30に近い第1のスロット200の第1の端部201の半径は、0.15インチである。
【0029】
ここで図13を見てみると、増加する幅のギャップ304を有する第1のスロット300を含むゴルフ・クラブ・ヘッド10の実施形態が示されている。第1のスロット300は、完全にトップ・レール26を通ってソール30に向けてトウ18の中へ延在しており、ギャップ304が、本体部14のトウ・エンド18において、フェイスプレート34をバック38から分離するようになっている点において、第1のスロット300は第1のスロット100、200と同様である。しかし、第1のスロット300のギャップ304は、円形の第1の端部301を含み、また、第1の端部301から第2の端部302に向けて(ソール30からトップ・レール26に向かう方向に)線形に増加する幅を含む。図示されている実施形態では、第1の端部301は、0.125インチの半径を有する。他の実施形態では、第1の端部201、301の半径は、0.05から0.3インチの間であることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の端部201、301は、0.05から0.1インチの間、0.075から0.125の間、0.1から0.15の間、0.125から0.175の間、0.15から0.20の間、0.175から0.225の間、0.20から0.25の間、0.225から0.275の間、または、0.250から0.30インチの間の半径を有することができる。
【0030】
さらに、ギャップ104、204、304の幅は、約0.02インチから約2.0インチまでの範囲であることができる。他の実施形態では、各ギャップ104、204、304の幅は、約0.020インチから約0.120インチまで、約0.040インチから約0.100インチまで、0.080インチから約0.100インチまで、約0.080インチから約0.15インチまで、約0.100インチから約0.35インチまで、約0.20インチから約0.45インチまで、約0.30インチから約0.55インチまで、約0.40インチから約0.65インチまで、約0.50インチから約0.75インチまで、約0.60インチから約0.85インチまで、約0.070インチから約0.95インチまで、約0.080インチから約1.05インチまで、約0.090インチから約1.15インチまで、約1.00インチから約1.250インチまで、約1.10インチから約1.35インチまで、約1.20インチから約1.45インチまで、約1.30インチから約1.55インチまで、約1.4インチから約1.75インチまで、約1.60インチから約1.85インチまで、または、約1.750インチから約2.0インチまでの範囲であることができる。多くの実施形態では、各ギャップ104、204、304の幅は、0.040以上であることができる。加えて、ギャップ104、112は、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.150インチ、0.170インチ、0.200インチ、0.250インチ、0.300インチ、0.350インチ、0.400インチ、0.450インチ、0.500インチ、0.550インチ、0.600インチ、0.650インチ、0.700インチ、0.750インチ、0.800インチ、0.850インチ、0.900インチ、1.000インチ、1.100インチ、1.120インチ、1.130インチ、1.140インチ、1.150インチ、1.160インチ、1.170インチ、1.180インチ、1.190インチ、または、2.000インチの幅を有することができる。様々な実施形態では、ギャップ104、204、304は、同じ幅または異なる幅を有することができる。
【0031】
実施形態の別の例では、第1のスロット100は、トウ18において、本体部14の一部分に沿って、フェイスプレート34をバック38から分離することが可能である。より具体的には、トウ18において、フェイスプレート34は、ソール30によってバック38に接続され得、また、バック38とフェイスプレート34との間のインターフェースにおいて、ソール30から間隔を置いて配置されており、第1のスロット100がそれらの間に延在している。第1のスロット100は、トウ18において、本体部14の外側周辺(または、外側表面)の一部分を通って位置決めされており、さらに、トップ・レール26において開いている(または、ギャップ104が存在している)。
【0032】
(第2の(ヒール)スロット)
図2および図8を参照すると、第2のスロットまたはチャネルまたはノッチ108が、ヒール22の近位において(または、フェイスプレート34のヒール・エンドの近くにおいて)、フェイスプレート34とバック38との間に形成されている。第2のスロット108は、本体部14のフェイスプレート34とヒール・エンド22との間にギャップ112を画定する。図示されている実施形態では、第2のスロット108は、完全にトップ・レール26を通って、ソール30に向けてフェイスプレート34の少なくとも一部分の中へ延在しており、ギャップ112は、本体部14のヒール・エンド22およびバック・エンド38からフェイスプレート34を分離している。他の実施形態では、第2のスロット108は、完全にトップ・レール26を通って、ソール30に向けてヒール・エンド22の少なくとも一部分の中へ延在しており、ギャップ112がフェイスプレート34を本体部14のバック・エンド38から分離するようになっている。他の実施形態では、第2のスロット208は、完全にヒール部分22を通って、少なくとも部分的にホーゼル部分44の中へ延在することが可能である。これらの実施形態または他の実施形態では、スロット208は、フェイスプレート34をヒール部分22から切り離すと同時に、ホーゼル44の上に曲げ点を生成させる役割を果たすことが可能であり、ロフト角調節およびライ角調節を可能にする。他の実施形態では、第2のスロット208は、トップ・レール26だけを通って延在することが可能であり(図11)、ギャップ212がトップ・レール26をヒール・エンド22から分離するようになっている。他の実施形態では、第2のスロット208は、トップ・レール26の中へ部分的にだけ延在することが可能である(図17)。さらに、第2のスロット108がヒール22またはフェイスプレート34の中へ延在する実施形態では、第2のスロット108は、ヒール22またはフェイスプレート34のいずれかの(ソール30からトップ・レール26への距離として測定される)高さの最大で100%まで延在することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、第2のスロット108は、ヒール22またはフェイスプレート34のいずれかの高さの最大で100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%まで延在することが可能である。また、第2のスロット108は、本体部14を通って延在し、キャビティ68と連通することが可能である(図8)。別の言い方をすれば、第2のスロット108は、本体部14の外側周辺(または、外側表面)の一部分を通って位置決めされている。本体部14の外側周辺(または、外側表面)は、全体で、トウ18、トップ・レール26、ヒール22、およびソール30によって画定されている。第2のスロット108のギャップ112は、トップ・レール26の一部分を通過しており、さらに、トップ・レール26において開いている。図2に示されているように、第2のスロット108は、溝部40に対しておおよそ垂直に延在している。しかし、他の実施形態では、第2のスロット108は、溝部40に関して任意の向きで位置決めされ得る。ここで図11および図12を見てみると、トップ・レール26だけを通って延在する第2のスロット208を有するゴルフ・クラブ・ヘッド10の実施形態が図示されている。スロット208は、トップ・レール26を本体部14のヒール・エンド22から分離するギャップ212を含む。他の実施形態では、図17を参照すると、第2のスロット208は、トップ・レール26を通って部分的に延在することが可能である。本体部14のトップ・レール26とヒール・サイド22との間の接続を除去することは、本体部44のヒール・サイド22によって拘束されることなく、フェイスプレート34が曲がることを可能にすることができる。そうであるので、フェイスプレート34は、片持ち梁の方式で、ソール30の周りに自由に曲がることができる。さらに、図11図12および図17を参照すると、フェイスプレート34の近位または近くの第2のスロット208の端部は、フェイスプレート34の曲げの間に受ける応力集中を分散することを助ける半径を含む。図示されている実施形態では、フェイスプレート34の近くまたは近位の端部における第2のスロット208の半径は、0.15インチである。他の実施形態では、フェイスプレート34の近くまたは近位の端部における第2のスロット208の半径は、0.05インチから0.8インチであることが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、フェイスプレート34の近くまたは近位の端部における第2のスロット208の半径は、0.05インチから0.25インチ、0.15インチから0.35インチ、0.25インチから0.45インチ、0.35インチから0.55インチ、0.45インチから0.65インチ、または、0.55インチから0.8インチであることが可能である。
【0033】
ギャップ112、212は、スロット108、208を横切る距離として測定される幅を含むことが留意されるべきである。図示されている実施形態では、それぞれのギャップ112、212は、それぞれのスロット108、208の長さに沿って、均一な幅を有している。しかし、他の実施形態では、一方または両方のギャップ112、212は、それぞれのスロット108、208の長さに沿って、可変の幅を有することが可能である。たとえば、一方または両方のギャップ112、212は、テーパー付きの幅(たとえば、ソール30からトップ・レール26に向けてスロット108、208の長さに沿って増加する幅、または、ソール30からトップ・レール26に向けてスロット108、208の長さに沿って減少する幅)、または、(たとえば、幅が、ソール30からトップ・レール26に向けてスロット108、208の長さに沿って、増加および減少の両方を行うことが可能である)不均一な幅を有することが可能である。
【0034】
さらに、ギャップ112、212の幅は、約0.02インチから約2.0インチまでの範囲であることが可能である。他の実施形態では、各ギャップ112、212の幅は、約0.020インチから約0.120インチまで、約0.040インチから約0.100インチまで、0.080インチから約0.100インチまで、約0.080インチから約0.15インチまで、約0.100インチから約0.35インチまで、約0.20インチから約0.45インチまで、約0.30インチから約0.55インチまで、約0.40インチから約0.65インチまで、約0.50インチから約0.75インチまで、約0.60インチから約0.85インチまで、約0.070インチから約0.95インチまで、約0.080インチから約1.05インチまで、約0.090インチから約1.15インチまで、約1.00インチから約1.250インチまで、約1.10インチから約1.35インチまで、約1.20インチから約1.45インチまで、約1.30インチから約1.55インチまで、約1.4インチから約1.75インチまで、約1.60インチから約1.85インチまで、または、約1.750インチから約2.0インチまでの範囲であることが可能である。多くの実施形態では、各ギャップ112、212の幅は、0.040インチ以上であってもよい。加えて、ギャップ112、212は、0.020インチ、0.030インチ、0.040インチ、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.150インチ、0.170インチ、0.200インチ、0.250インチ、0.300インチ、0.350インチ、0.400インチ、0.450インチ、0.500インチ、0.550インチ、0.600インチ、0.650インチ、0.700インチ、0.750インチ、0.800インチ、0.850インチ、0.900インチ、1.000インチ、1.100インチ、1.120インチ、1.130インチ、1.140インチ、1.150インチ、1.160インチ、1.170インチ、1.180インチ、1.190インチ、または、2.000インチである幅を有することが可能である。様々な実施形態では、ギャップ104、112は、同じ幅または異なる幅を有することが可能である。
【0035】
(フェイスプレートの曲げ)
ゴルフ・ボールとのインパクトの間に、トップ・レールを通って延在する少なくとも1つのスロットを含むゴルフ・クラブ・ヘッドのフェイスプレートは撓む。フェイスプレート34は、一般的にリア・エンド38に向かう進行方向に、すなわち、方向84に撓む。トップ・レールを通って延在する少なくとも1つのスロットに起因して、ゴルフ・クラブ・ヘッド10のフェイスプレート34は、ソール30のみによってバック38に接続されている。したがって、フェイスプレート34は、第1のスロット100、200、300によって、トウ18において、バック38から切り離され得、また、フェイスプレート34は、第2のスロット108、208によって、ヒール22において、バック38から切り離され得る。フェイスプレート34はソール30のみによってバック38に接続されているので、フェイスプレート34は、インパクトの時にソール30の周りに自由に撓むかまたは曲がることができる。フェイスプレート34はソール30の周りに自由に曲がることができるので、フェイスプレート34は、(ソール30が支点として作用する状態で)ソール30の周りにより均一に撓むかまたは曲がることが可能である。ソール30の周りに曲がることは、片持ち梁式の曲げとして定義され得るが、一方、ゴルフ・ボールとのインパクト時に、フェイスプレート34の周辺から内向きに曲がることは、ドラム型の曲げとして定義される。フェイスプレート34はソール30の周りに自由に曲がることができる(すなわち、ヒール22またはトウ18によって拘束されていない)ので、片持ち梁式の曲げが増加され、一方、ドラム型の曲げは低下される。これは、ボール打ち出し角度の増加、および、ボール・スピンの減少を結果として生じさせることが可能である。片持ち梁式の曲げの増加は、フェイスプレート34のより大きい撓みを結果として生じさせるので、打ち出し角度が増加される。フェイスプレート34の過剰な撓みは、標準的な曲げプロファイルを有するフェイスプレート(たとえば、スロットを含まないゴルフ・クラブ・ヘッドの上のフェイスプレート)から反射するボールよりも深い角度で、ボールがフェイスプレート34から反射することを結果として生じさせる。さらに、ボール・スピンが減少される。その理由は、フェイスプレート34の過剰な撓みが、インパクトの全体を通してCGのシフトを生成させ、動的なCGを生成させ、動的なCGは、ボールがフェイスプレート34から離れるポイントにおいて、フェイスプレート34の近くへCGを移動させ、したがって、ボールの上に誘発されるスピンを減少させるからである。
【0036】
上記に議論されているように、ソール30の周りの片持ち梁式の曲げが増加され、フェイスプレート34の中心におけるドラム型の曲げが減少される。曲げの大部分は、フェイスプレート34の中心の周りのドラム型の曲げではなく、ソール30の周りの片持ち梁の様式で起こるので、曲げ応力の大部分がフェイスプレート34から除去される。その代わりに、応力は、ソール30およびスロット100、108、200、208において集中させられ、ここで、曲げの大部分が起こる。したがって、クラブ・ヘッド10は、スロット100、108、200、208を含まないクラブ・ヘッド10よりも薄いフェイスプレート34を含むことが可能である。より薄いフェイスプレート34は、インパクト後のボール速度も増加させる一方で、フェイスプレート34の撓みのさらなる増加、フェイスプレート34重量の減少を結果として生じさせることが可能である。高いボール速度、より大きい打ち出し角度、および、ボール・スピンの減少を組み合わせることは、より長くてより一貫したボール軌跡距離を結果として生じさせることが可能である。
【0037】
さらに、ソール30の周りの片持ち梁式の曲げに起因して、応力集中が、フェイスプレート34からソール30およびスロット100、108、200、208へ移動させられる。スロット100、200、108、208を含むクラブ・ヘッド10のフェイスプレート34における応力は、スロット100、200、108、208を含まないクラブ・ヘッドと比較したときに、25%も低減され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、スロット100、200、108、208を有するゴルフ・クラブ・ヘッド10のフェイスプレート34における応力は、5%、7.5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、または25%低減される。応力がフェイスプレート34において低下させられるので、スロット100、200、108、208を含むクラブ・ヘッド10のフェイスプレート34の(フェイスプレート34の前部からフェイスプレート72のリア表面への距離として測定される)厚さは、スロット100、200、108、208なしのクラブ・ヘッドと比較して低減され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、スロット100、200、108、208を含むゴルフ・クラブ・ヘッド10のフェイスプレート34は、0.040インチから0.1インチの範囲内まで低減され得る。図示されている実施形態では、フェイスプレート34の厚さは、0.076インチである。他の実施形態では、フェイスプレート34の厚さは、0.040インチから0.06インチであるか、0.050インチから0.070インチであるか、または、0.080インチから0.100インチであることが可能である。フェイスプレート34の厚さを低減させることにより、ボール速度を増加させることができ、ゴルフ・ボールの進行距離の増加させることができる。さらに、低減されたフェイスプレート34の厚さは、追加の重量節減を結果として生じさせることが可能であり、したがって、任意の重量をクラブ・ヘッド10の他の部分に追加することができ、全体的なクラブ・ヘッド10のCGおよびMOIを改善する。応力がソール30の周りに分配されるので、ソール30は、より大きい厚さ、または、強化された材料を含むことが可能である。図示されている実施形態では、ソール30は、0.0585インチの厚さを有している。他の実施形態では、ソールの厚さは、0.03インチから0.100インチの範囲にあることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、ソール30の厚さは、0.03インチから0.05インチまで、0.04インチから0.06インチまで、0.05インチから0.07インチまで、0.06インチから0.08インチまで、0.07インチから0.09インチまで、または、0.08インチから0.10インチまで変化することが可能である。他の実施形態では、ソール30は、米国特許出願第14/920,480号に説明されているカスケーディング・ソールと同様のカスケーディング・ソール・タイプ構造を含むことが可能である。
【0038】
第1のスロット100、200のギャップ104、204の(最大で全体まで、および、全体を含む)一部分がつぶれるまで、フェイスプレート34は撓むかまたは曲がる。たとえば、図6を参照すると、(図5に示されている)フェイスプレート34の内部表面72がトウ18において本体部14に衝突(または、接触)するまで、フェイスプレート34は撓む。他の実施形態では、ギャップ104、204の一部分は、部分的にまたは完全につぶれることが可能である。さらなる他の実施形態では、フェイスプレート34は、任意の適切なまたは所定の量だけ撓むかまたは曲がることが可能である。他の実施形態では、フェイスプレート34は、サポート構造体(たとえば、キャビティ68の中に位置決めされているCTPインサートなど)に接触するまで、撓むかまたは曲がることが可能である。フェイスプレート34が撓むまたは曲がることを止めると、フェイスプレート34は、そのそれぞれのインパクト前の位置へ跳ね返る(すなわち、方向84と反対側の方向に進行する)。この跳ね返りは、所望のバネのような効果を発生させ、それは、ゴルフ・ボール速度の増加、および、ゴルフ・ボール進行距離の増加を結果として生じさせることが可能である。
【0039】
(充填剤材料を伴うスロット)
トップ・レールを通って延在する少なくとも1つのスロットを含むゴルフ・クラブ・ヘッドは、曲げを減衰または制限するための材料をさらに含むことが可能である。たとえば、ゴルフ・クラブ・ヘッドは、ポリマー材料、複合材料、非ニュートン材料、金属、磁石、または、フェイスプレートの曲げを抑制または制御することを助けることができる任意の他の適切な材料を含むことが可能である。上述の実施形態では、それぞれのスロット100、108、200、208は、開放スロットとして図示されている。いくつかの実施形態では、一方もしくは両方のスロット100、108、200、208、または、その一部分が、充填され得る。スロット100、108、200、208は、ポリマー、複合材、金属、または可撓性の材料によって充填され得る。たとえば、図14を参照すると、スロット200は、ポリマー充填体250を伴って図示されている。図示されている実施形態では、ポリマー充填体250は、ギャップ204を完全に充填している。他の実施形態では、ポリマー充填体250は、ギャップ204を部分的に充填することが可能である。これらの実施形態または他の実施形態では、充填剤材料が、フェイスプレート34の撓みを制限することが可能である。たとえば、フェイスプレート34は、第1および第2のスロット100、108、200、208のうちの一方または両方の中に位置決めされている充填剤材料250に接触するまで、撓むかまたは曲がることが可能である。さらに、いくつかの実施形態では、図15および図16を参照すると、スロット200は、磁石260を含むことが可能である。磁石260は、互いに反発し合うかまたは引き付け合うように構成され得る。さらに、いくつかの実施形態では、磁石260は、相互に関連付けられ得るか、または、ポリマグネット(polymagnet)であることが可能である。これらの実施形態または他の実施形態では、磁石260は、特定の距離において、互いに引き付け合うかまたは反発し合うように構成され得る。たとえば、磁石260は、インパクトの前に互いに引き付け合うことが可能であり、次いで、フェイスプレート34がリア・エンド38に向けて所定の距離だけ変形した後に、互いに反発し合うことが可能である。材料は、(たとえば、埃もしくは破片がスロット100、108、200、208の中に蓄積することを制限するために、または、スロット100、108、200、208の中の腐食を制限するためになど)クラブ・ヘッド耐久性を向上させることが可能であり、または、クラブ・ヘッド10の審美性を改善することが可能である。いくつかの実施形態では、充填剤材料は、除去可能であり得る。
【0040】
(切り離されたフェイスプレートを有するクラブ・ヘッドを製造する方法)
切り離されたフェイスプレート34を有するクラブ・ヘッド10を製造する方法が提供される。方法は、トップ・レール26、ソール30、フェイスプレート34、ホーゼル44、およびキャビティ68を有する、本体部14を提供することを含む。第1のスロット100は、トウ18において、フェイスプレート34と本体部14との間に形成され得、第2のスロット108は、ヒール22において、フェイスプレート34と本体部14との間に形成され得る。換言すれば、一方もしくは両方のスロット100、108、200、208を備えたクラブ・ヘッド10を鋳造することによって、または、クラブ・ヘッド10を鍛造し、次いで、一方もしくは両方のスロット100、108、200、208を機械加工することによって(たとえば、クラブ・ヘッドを鍛造した後に、一方もしくは両方のスロット100、108、200、208がクラブ・ヘッド10の中へ切り込まれ得る)、または、クラブ・ヘッド10を鋳造し、次いで、一方もしくは両方のスロット100、108、200、208を機械加工することによって(たとえば、クラブ・ヘッドを鋳造した後に、一方もしくは両方のスロット100、108、200、208がクラブ・ヘッド10の中へ切り込まれ得る)、または、それらの組み合わせによって、スロット100、108、200、208のうちの一方または両方が生成(または、その他の方法で形成)され得る。
【0041】
本明細書で説明されているクラブ・ヘッド10を製造する方法は、単に例示的なものに過ぎず、本明細書で提示されている実施形態に限定されない。方法は、具体的には本明細書で図示または説明されていない、多くの異なる実施形態または例の中で用いられ得る。いくつかの実施形態では、説明されている方法のプロセスは、任意の適切な順序で実施され得る。他の実施形態では、プロセスのうちの1つまたは複数は、組み合わせられるか、分離されるか、またはスキップされ得る。
【0042】
1つまたは複数の特許請求されている要素の置換は、修理ではなく再構築を構成する。追加的に、利益、他の利点、および、問題への解決策が、具体的な実施形態に関して説明されてきた。しかし、利益、利点、問題への解決策、および、任意の利益、利点、もしくは解決策が起こるかまたはより顕著になることを引き起こし得る、1つまたは複数の任意の要素は、そのような利益、利点、解決策、または要素がかかる請求項の中で明示的に述べられていない限り、請求項のうちのいずれかまたはすべての、決定的な、必要な、または必須の特徴として、解釈されるべきではない。
【0043】
ゴルフのルールが時折変更する可能性がある(たとえば、米国ゴルフ協会(USGA)、Royal and Ancient Golf Club of St.Andrews(R&A)などのような、ゴルフ標準組織および/または管理部によって、新しい規定が採用され得るか、または、古いルールが排除または修正され得る)ので、本明細書で説明されている装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時間において、ゴルフのルールに準拠している、または、準拠していない可能性がある。したがって、本明細書で説明されている装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ用品は、準拠または非準拠のゴルフ用品として広告、売り出し、および/または販売され得る。本明細書で説明されている装置、方法、および製造物品は、この点において限定されない。
【0044】
上記の例は、アイアン・タイプのゴルフ・クラブに関連して説明されてもよいが、本明細書で説明されている装置、方法、および製造物品は、ドライバー・ウッド・タイプのゴルフ・クラブ、フェアウェイ・ウッド・タイプのゴルフ・クラブ、ハイブリッド・タイプのゴルフ・クラブ、アイアン・タイプのゴルフ・クラブ、ウェッジ・タイプのゴルフ・クラブ、またはパター・タイプのゴルフ・クラブなどのような、他のタイプのゴルフ・クラブにも適用可能であり得る。代替的に、本明細書で説明されている装置、方法、および製造物品は、ホッケー・スティック、テニス・ラケット、釣り竿、スキー・ポールなどのような、他のタイプのスポーツ用品にも適用可能であり得る。
【0045】
そのうえ、本明細書で開示されている実施形態および限定は、その実施形態および/または限定が、(1)特許請求の範囲において明示的に特許請求されていない、および、(2)均等論の下で、特許請求の範囲の中の明示の要素および/または限定と均等であるかまたは潜在的に均等である場合には、献身の原則(doctrine of dedication)の下で公衆に献上されてはいない。
【0046】
(例1)
表1は、スロット200、208を有していないゴルフ・クラブ・ヘッドと比較して、スロット200、208を含むゴルフ・クラブ・ヘッド10に関する実験結果を示している。上記に議論されているように、スロット200は、トップ・レール26を通って本体部14のトウ18の中へ延在しており、変化する幅を有するギャップ204を画定する。さらに、スロット208は、完全にトップ・レール26を通って延在し、トップ・レール26と本体部14のヒール22との間にギャップ212を画定する。上記に説明されている2つのクラブ・ヘッドの正確で信頼性の高い結果を確保するために、以下の制御、すなわち、(1)0.088インチのフェイス厚さ、(2)100mphのクラブ・ヘッド速度、(3)17-4スチール材料から形成されていること、および、(4)30.5度の静止ロフト角を有する7番アイアンによって、テストが実施された。図18に図示されているように、撓みが、フェイスプレート34に沿って4つのポイントにおいて測定された。具体的には、撓みは、トップ・レール26、フェイス中心27の上方の場所、フェイス中心28における場所、フェイス中心29の下方の場所において、測定された。
【表1】
【0047】
上記の結果において見ることができるように、スロット200、208を含むゴルフ・クラブ・ヘッド10は、スロットを有さないクラブ・ヘッドよりも大きい撓みの割合を受ける。具体的には、スロット200、208を含むクラブ・ヘッド10は、トップ・レールにおいて、おおよそ0.0226インチ(74.8%)多くの撓みを受け、フェイス中心の上方の場所において、おおよそ0.0093インチ(26%)多くの撓みを受け、フェイス中心において、おおよそ0.0026インチ(7.9%)の撓みを受ける。また、打ち出し角度は、スロットを含むクラブ・ヘッドについて、おおよそ1.7(9.19%)だけ増加されており、一方、ボール・スピンは、おおよそ150rpm(2%)だけ低減されることが留意されるべきである。
【0048】
(例2)
表2は、スロット200、208を含み、0.088インチのフェイス厚さを有するゴルフ・クラブ・ヘッドと比較して、スロット200、208を含み、0.076インチのフェイス厚さを有するゴルフ・クラブ・ヘッド10に関する実験結果を示している。上記に説明されている2つのクラブ・ヘッドの正確で信頼性の高い結果を確保するために、以下の制御、すなわち、(1)0.088インチのフェイス厚さ、(2)100mphのクラブ・ヘッド速度、(3)17-4スチール材料から形成されていること、および、(4)30.5度の静止ロフト角を有する7番アイアンによって、テストが実施された。例1のテストと同様に、撓みが、フェイスプレート34に沿って4つのポイントにおいて測定された。具体的には、撓みは、トップ・レール26、フェイス中心27の上方の場所、フェイス中心28における場所、フェイス中心29の下方の場所において、測定された。
【表2】
【0049】
上記の結果において見ることができるように、スロット200、208を含み、0.076インチのフェイス厚さを有するゴルフ・クラブ・ヘッド10は、スロット200、208を含み、0.088インチのフェイス厚さを有するクラブ・ヘッド10よりも大きい撓みの割合を受ける。具体的には、スロット200、208を含むクラブ・ヘッド10は、トップ・レールにおいて、おおよそ0.0092インチ(17.42%)多くの撓みを経験し、フェイス中心の上方の場所において、おおよそ0.0109インチ(24%)多くの撓みを経験し、フェイス中心において、おおよそ0.0091インチ(25%)の撓みを経験する。また、打ち出し角度は、スロットを含み、0.076インチのフェイス厚さを有するクラブ・ヘッドについて、おおよそ0.3(1.48%)だけ増加されており、一方、ボール・スピンは、おおよそ50rpm(0.7%)だけ低減されることが留意されるべきである。
【0050】
条項1.ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、ストライク表面を有するフェイスプレートと、ヒール・エンドの反対側のトウ・エンドと、前記フェイスプレートの反対側のバック・エンドと、トップ・レールの反対側のソールとを含む本体部を備え、前記フェイスプレートは、前記ソールに接続されており、前記ソールの周りで枢動するように構成されている。
【0051】
条項2.前記フェイスプレートは、前記ソールのみに接続されている、条項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0052】
条項3.前記フェイスプレートは、スロットによって前記本体部から切り離されている、条項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0053】
条項4.前記スロットは、前記トップ・レールを通って前記ソールに向かって延在する、条項3に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0054】
条項5.前記スロットは、前記フェイスプレートと前記ヒール・エンドとの間に位置決めされている、条項4に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0055】
条項6.前記スロットは、ストライク表面のヒール・エンド側に位置決めされている、条項4に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0056】
条項7.前記スロットは、前記本体部の前記トウ・エンドを通って延在する、条項3に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0057】
条項8.前記スロットは、前記フェイスプレートと前記バック・エンドとの間に位置決めされている、条項7に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0058】
条項9.前記本体部は、前記フェイスプレートのバック・エンド側に位置決めされているキャビティを含み、前記スロットは、キャビティの中へ延在する、条項7に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0059】
条項10.前記フェイスプレートは、前記スロットによって前記バック・エンドから間隔を置いて配置されている、条項7に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0060】
条項11.前記スロットは、前記フェイスプレートを前記バック・エンドから分離しており、前記フェイスプレートは、前記トウ・エンドにおいて前記ソールに接続されている、条項7に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0061】
条項12.前記スロットは、0.040インチから0.100インチまでの範囲の幅を有している、条項3に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0062】
条項13.前記スロットは、0.040インチ以上の幅を有している、条項3に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0063】
条項14.前記スロットは、均一な幅を有している、条項3に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0064】
条項15.前記スロットは、可変の幅を有している、条項3に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0065】
条項16.ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、本体部を備え、前記本体部は、ストライク表面を有するフェイスプレートと、ヒール・エンドの反対側のトウ・エンドと、前記フェイスプレートの反対側のバック・エンドと、トップ・レールの反対側のソールと、前記本体部を通って延在する複数のスロットと、を含み、少なくとも1つのスロットは、前記トウ・エンドにおいて前記本体部を通って延在しており、前記スロットは、前記本体部の前記トウ・エンドにおいて、前記フェイスプレートを前記バック・エンドから間隔を置いて配置している、ゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0066】
条項17.前記複数のスロットは、前記フェイスプレートを前記本体部から部分的に切り離しており、前記フェイスプレートは、前記ソールのみにおいて前記本体部に接続されるようになっている、条項16に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0067】
条項18.前記フェイスプレートは、前記ソールの周りに曲がるように構成されている、条項16に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0068】
条項19.前記複数のスロットのそれぞれは、0.040インチから0.100インチまでの範囲の幅を有している、条項16に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0069】
条項20.前記複数のスロットのそれぞれは、0.040インチ以上の幅を有している、条項16に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0070】
条項21.前記複数のスロットのそれぞれは、同じ幅を有している、条項16に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0071】
条項22.前記複数のスロットのそれぞれは、異なる幅を有している、条項16に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0072】
条項23.前記少なくとも1つのスロットは、第1のスロットであり、前記ゴルフ・クラブ・ヘッドは、前記トップ・レールから前記ソールに向けて延在する第2のスロットをさらに備える、条項16に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0073】
条項24.ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、本体部を備え、前記本体部は、フェイスプレートを有するクラブ・フェイスと、ヒール・エンドの反対側のトウ・エンドと、前記フェイスプレートの反対側のバック・エンドと、トップ・レールの反対側のソールと、前記本体部を通って延在する複数のスロットと、を含み、少なくとも1つのスロットは、前記トップ・レールおよび前記クラブ・フェイスの一部分を通って、前記ソールに向かって延在している、ゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0074】
条項25.前記複数のスロットは、前記フェイスプレートを前記本体部から部分的に切り離しており、前記フェイスプレートは、前記ソールのみにおいて前記本体部に接続されるようになっている、条項24に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0075】
条項26.前記フェイスプレートは、前記ソールの周りに曲がるように構成されている、条項24に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0076】
条項27.前記複数のスロットのそれぞれは、0.040インチから0.100インチまでの範囲の幅を有している、条項24に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0077】
条項28.前記複数のスロットのそれぞれは、0.040インチ以上の幅を有している、条項24に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0078】
条項29.前記複数のスロットのそれぞれは、同じ幅を有している、条項24に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0079】
条項30.前記複数のスロットのそれぞれは、異なる幅を有している、条項24に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0080】
条項31.前記少なくとも1つのスロットは、第1のスロットであり、前記ゴルフ・クラブ・ヘッドは、前記第1のスロットから間隔を置いて配置されており、前記トップ・レールおよび前記クラブ・フェイスの一部分を通って、前記ソールに向かって延在している第2のスロットをさらに備える、条項24に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【0081】
本開示のさまざまな特徴および利点が、以下の特許請求の範囲において記述されている。以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
[項目1]
ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
本体部を備え、
前記本体部は、
ストライク表面を有するフェイスプレートと、
ヒール・エンドの反対側のトウ・エンドと、
前記フェイスプレートの反対側のバック・エンドと、
トップ・レールの反対側のソールと、
前記トップ・レールを通って前記本体部の前記トウ・エンドの中へ延在する第1のスロットと、
前記トップ・レールを通って前記本体部の前記ヒール・エンドの中へ延在する第2のスロットと、を含む、ゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目2]
前記第1のスロットは、前記フェイスプレートを前記バック・エンドから分離するギャップを画定している、項目1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目3]
前記ギャップは、前記第1のスロットを横切る距離として画定される幅を有しており、
前記幅は、0.2インチから2インチまでの範囲内である、項目2に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目4]
前記ギャップの前記幅は、前記ソールから前記トップ・レールに向かう方向において増加している、項目2に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目5]
前記ギャップの前記幅は、直線的に増加している、項目4に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目6]
前記ギャップの前記幅は、曲線的に増加している、項目4に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目7]
前記第1のスロットは、前記本体部の前記トウ・エンドの高さの50%まで延在している、項目1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目8]
前記第1のスロットは、前記本体部の前記トウ・エンドの高さの70%まで延在している、項目1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目9]
前記第1のスロットは、前記本体部の前記トウ・エンドの高さの100%まで延在している、項目1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目10]
前記第2のスロットは、前記フェイスプレートを前記本体部の前記ヒール・エンドから分離するギャップを画定している、項目1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目12]
前記ギャップは、前記第2のスロットを横切る距離として画定される幅を有しており、
前記幅は、0.2インチから2インチまでの範囲内である、項目1に記載のクラブ・ヘッド。
[項目13]
前記第2のスロットは、前記ヒールを通って前記本体部のホーゼル部分の中へ延在している、項目1に記載のクラブ・ヘッド。
[項目14]
前記フェイスプレートは、前記トウ・エンドの上の前記第1のスロット、および、前記ヒール・エンドの上の前記第2のスロットによって、前記本体部の前記バック・エンドから分離されている、項目1に記載のクラブ・ヘッド。
[項目15]
ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
本体部を備え、
前記本体部は、
ストライク表面を有するフェイスプレートと、
ヒール・エンドの反対側のトウ・エンドと、
前記フェイスプレートの反対側のバック・エンドと、
トップ・レールの反対側のソールと、
前記トップ・レールを通って前記本体部の前記トウ・エンドの中へ延在し、前記ソールの近位に第1の端部を有する第1のスロットであって、前記第1の端部は半径を有する、前記第1のスロットと、
前記トップ・レールを通って延在し、前記フェイスプレートの近位に端部を有する第2のスロットであって、前記端部は半径を有する、前記第2のスロットと、を含む、ゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目16]
前記第1のスロットの前記第1の端部の前記半径、および、前記第2のスロットの前記端部の前記半径は、0.05インチから0.08インチ以内である、項目15に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目17]
前記第1のスロットは、前記フェイスプレートを前記バック・エンドから分離するギャップを画定している、項目15に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目18]
前記ギャップは、前記第1のスロットを横切る距離として画定される幅を有しており、
前記幅は、0.2インチから2インチまでの範囲内である、項目17に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目19]
前記第2のスロットは、前記トップ・レールを前記本体部の前記ヒール・エンドから分離するギャップを画定している、項目15に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
[項目20]
前記ギャップは、前記第2のスロットを横切る距離として画定される幅を有しており、
前記幅は、0.2インチから2インチまでの範囲内である、項目19に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18