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特許7068453高灰ストレージの、パターンで塞がれるハニカム体及びパティキュレートフィルタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】高灰ストレージの、パターンで塞がれるハニカム体及びパティキュレートフィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/04 20060101AFI20220509BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20220509BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
B01J35/04 301E
B01D53/94 100
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 241
F01N3/022 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020528149
(86)(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 US2018062049
(87)【国際公開番号】W WO2019104057
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】62/589,283
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ビール,ダグラス マンロー
(72)【発明者】
【氏名】ハイベル,アヒム カール-エーリヒ
(72)【発明者】
【氏名】タンドン,プシュカル
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/158420(WO,A1)
【文献】特開2014-050793(JP,A)
【文献】国際公開第2015/133435(WO,A1)
【文献】特開2009-243274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 53/86
B01D 53/94
F01N 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り返しパターンに配置された繰り返し構造単位のマトリクスを形成する、交差する多孔質壁を含む、ハニカム体において、
前記繰り返し構造単位のそれぞれは:
吸気口面から排気口面まで軸方向に互いに平行に延在する複数の吸気口通路及び複数の排気口通路を含み、
前記繰り返し構造単位のそれぞれにおける、前記吸気口通路の数対前記排気口通路の数のI/O比は、2.0<I/O<3.0であり;
前記吸気口通路及び前記排気口通路のそれぞれは、前記軸方向に対して直角な横断面において、同じ断面サイズ及び断面形状を有し;及び
前記吸気口通路のそれぞれは、前記排気口通路のうちの少なくとも1つに直接当接し、
前記繰り返し構造単位のそれぞれにおける、前記吸気口通路および排気口通路のそれぞれは、前記横断面において断面が正方形であり、
複数の前記繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、対角線上に並べられた2個、3個又は4個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれていることを特徴とする、ハニカム体。
【請求項2】
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、9個の吸気口通路と、4個の排気口通路とを含み、及び前記I/O比は2.25:1であることを特徴とする、請求項1に記載のハニカム体。
【請求項3】
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、7個の吸気口通路と、3個の排気口通路とを含み、及び前記I/O比は2.33:1であることを特徴とする、請求項1に記載のハニカム体。
【請求項4】
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、5個の吸気口通路と、2個の排気口通路とを含み、及び前記I/O比は2.50:1であることを特徴とする、請求項1に記載のハニカム体。
【請求項5】
前記各群が、その周囲を前記吸気口通路によって囲まれていることを特徴とする、請求項1から4いずれか一項に記載のハニカム体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国法典第35編第119条下において、2017年11月21日出願の米国仮特許出願第62/589,283号の優先権の利益を主張し、その内容全体を本願明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示の実施形態は、ハニカム体に関し、より詳細には、エンジン排気などの流体ストリームから粒子をろ過するために好適なパティキュレートフィルタにおいて使用されるハニカム体に関する。
【背景技術】
【0003】
標準的なハニカム型パティキュレートフィルタは、一連の相互に平行で軸方向に延在する通路を形成する、複数の交差する多孔質壁を有するハニカム体を含む。標準的なフィルタ構成では、これらの通路の半分が、吸気口側では市松模様に塞がれており、これら同じ通路は排気口側では塞がれていないため、排気口通路を形成している。軸方向に延在する通路の残りの半分は、排気口側では市松模様に塞がれ、且つ吸気口側では塞がれていないため、吸気口通路を形成している。使用中、エンジン排気はハニカム体の多孔質壁を通って流れ、及び粒子(煤、灰、及び他の無機微粒子)が、エンジン排気からろ過されて、多孔質壁中及びその上に残る。時間が経つにつれて、煤が堆積するため、時々再生処理されることがあり、その再生処理で、煤は燃え尽くされる。しかしながら、継続的に使用する場合、灰は、かなりの程度まで堆積することがあり、フィルタの前後での相当な圧力降下の原因となり始める。そのような圧力降下は、車両の出力を低下させる可能性があるため、そのような圧力降下の増大をより良好に制御する手段が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
比較的高い煤及び灰収容容量、改良された圧力降下性能を有し、且つ製造が安価であるハニカム体設計が、求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、ハニカム体が提供される。ハニカム体は、繰り返しパターンに配置された繰り返し構造単位のマトリクスを形成する、交差する多孔質壁を含み、繰り返し構造単位のそれぞれは:吸気口面から排気口面まで軸方向に互いに平行に延在する複数の吸気口通路及び複数の排気口通路を含み、2.0<I/O<3.0であり、I/Oは、繰り返し構造単位のそれぞれにおける、吸気口通路の数対排気口通路の数の比であり、吸気口通路及び排気口通路のそれぞれは、軸方向に対して直角な横断面において、同じ断面サイズ及び断面形状を有し、及び特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路は、特定の繰り返し構造単位の排気口通路又は隣接する繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接している。
【0006】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれにおける吸気口通路及び排気口通路のそれぞれは、横断面において断面が正方形である。
【0007】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれにおける吸気口通路及び排気口通路のそれぞれは、横断面において断面が六角形である。
【0008】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、9個の吸気口通路と、4個の排気口通路とを含み、及びI/Oは2.25:1である。
【0009】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、13個の通路を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、6個の通路を有する第1の列と、7個の通路の隣接する第2の列とを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位から1つの通路幅だけオフセットされている。
【0012】
いくつかの実施形態では、特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路は、特定の繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接している。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて(bounded)、対角線上に並べられた4個の排気口通路を有する群を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた4個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれている。
【0015】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、7個の吸気口通路と、3個の排気口通路とを含み、及びI/Oは2.33:1である。
【0016】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、直線に配置された10個の通路を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位の対応する端部から、2つの通路幅だけオフセットされている端部を有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた3個の排気口通路を有する群を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた3個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれている。
【0020】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、5個の吸気口通路と、2個の排気口通路とを含み、及びI/Oは2.50:1である。
【0021】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、1列に配置された7個の通路を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位の対応する端部から、2つの通路幅だけオフセットされている端部を有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた2個の排気口通路を有する群を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた2個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれている。
【0025】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、8個の吸気口通路と、3個の排気口通路とを含み、及びI/Oは2.67:1である。
【0026】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、11個の通路を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、5個の通路を有する第1の列と、6個の通路の隣接する第2の列とを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位から1つの通路幅だけオフセットされている。
【0029】
いくつかの実施形態では、特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路は、特定の繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接している。
【0030】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた3個の排気口通路を有する群を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた3個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれている。
【0032】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、11個の吸気口通路と、4個の排気口通路とを含み、及びI/Oは2.75:1である。
【0033】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、15個の通路を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、7個の通路を有する第1の列と、8個の通路の隣接する第2の列とを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位のそれぞれは、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位から1つの通路幅だけオフセットされている。
【0036】
いくつかの実施形態では、特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路は、特定の繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接している。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた2個の排気口通路を有する群を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、複数の繰り返し構造単位の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた2個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれている。
【0039】
いくつかの実施形態では、2.25≦I/O≦2.75である。
【0040】
いくつかの実施形態では、2.33≦I/O≦2.67である。
【0041】
別の態様では、微粒子をろ過する方法は、上述の実施形態のいずれかに記載のハニカム体を含むパティキュレートフィルタを提供するステップと、ハニカム体に煤及び灰を捕捉するステップとを含む。
【0042】
さらなる態様では、ハニカム体が提供される。ハニカム体は、繰り返しパターンに配置された繰り返し構造単位のマトリクスを形成する、交差する多孔質壁を含み、ここで、繰り返し構造単位のそれぞれは、繰り返し構造単位のうちの別の繰り返し構造単位からオフセットされているが、それと直接当接し、且つ:吸気口面から排気口面まで軸方向に互いに平行に延在する、5~11個の複数の吸気口通路及び2~4個の複数の排気口通路を含み、2.0<I/O<3.0であり、I/Oは、繰り返し構造単位のそれぞれにおける、吸気口通路の数対排気口通路の数の比であり、吸気口通路及び排気口通路のそれぞれは、軸方向に対して直角な横断面において、同じ断面サイズ及び正方形又は六角形の断面形状を有し、及び特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路は、特定の繰り返し構造単位の排気口通路、又は隣接する繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接している。
【0043】
さらに別の態様では、ハニカム体が提供される。ハニカム体は、繰り返しパターンに配置された繰り返し構造単位のマトリクスを形成する、交差する多孔質壁を含み、ここで、繰り返し構造単位のそれぞれは、繰り返し構造単位のうちの別の繰り返し構造単位からオフセットされているが、それと直接当接しており、且つ:吸気口面から排気口面まで軸方向に互いに平行に延在する複数の吸気口通路及び複数の排気口通路を含み、2.0<I/O<3.0であり、I/Oは、繰り返し構造単位のそれぞれにおける、吸気口通路の数対排気口通路の数の比であり、吸気口通路及び排気口通路のそれぞれは、軸方向に対して直角な横断面において、同じ断面サイズ及び正方形又は六角形の断面形状を有し、及び特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路は、特定の繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接している。
【0044】
多数の他の特徴及び態様が、本開示のこれら及び他の実施形態に従って提供される。実施形態のさらなる特徴及び態様は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面からさらに十分に明らかになる。
【0045】
以下説明する添付図面は、説明のためのものであり、及び必ずしも縮尺通りではない。図面は、本開示の範囲をなんら限定しようとするものではない。同様の要素を示すために、同様の符号が説明及び図面を通して使用される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1A】1つ以上の実施形態による第1のプラギング(plugging)パターンを含むハニカム体の吸気口面の部分的な端面図を示す。
図1B】1つ以上の実施形態による2.25:1のI/O比を含む図1Aのハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図1C】1つ以上の実施形態による図1Bの繰り返し構造単位の鏡像の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図1D】1つ以上の実施形態による図1Aの断面線1C-1Cに沿って取ったハニカム体の一部分を断面とした側面図を示す。
図1E】1つ以上の実施形態による図1Aの断面線1D-1Dに沿って取ったハニカム体の一部分を断面とした側面図を示す。
図1F】1つ以上の実施形態によるハニカム体の吸気口側の端面図を示す。
図1G】1つ以上の実施形態によるハニカム体の排気口側の端面図を示す。
図2A】1つ以上の実施形態によるプラギングパターンを含むハニカム体の部分的な端面図を示す。
図2B】1つ以上の実施形態による2.33:1のI/O比を含む図2Aのハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図3A】1つ以上の実施形態によるプラギングパターンを含むハニカム体の部分的な端面図を示す。
図3B】1つ以上の実施形態による2.50:1のI/O比を含む図3Aのハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図4A】1つ以上の実施形態によるプラギングパターンを含むハニカム体の部分的な端面図を示す。
図4B】1つ以上の実施形態による2.67:1のI/O比を含む図3Aのハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図5A】1つ以上の実施形態によるプラギングパターンを含むハニカム体の部分的な端面図を示す。
図5B】1つ以上の実施形態による2.75:1のI/O比を含む図3Aのハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図6A】実施形態による、六角形の通路構造及び2.25:1~2.75:1のI/O比を含むハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図6B】実施形態による、六角形の通路構造及び2.33:1のI/O比を含むハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図6C】実施形態による、六角形の通路構造及び2.50:1のI/O比を含むハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図6D】実施形態による、六角形の通路構造及び2.67:1のI/O比を含むハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図6E】実施形態による、六角形の通路構造及び2.75:1のI/O比を含むハニカム体の繰り返し構造単位の吸気口側の図を示す。
図7】1つ以上の実施形態によるハニカム体を含むパティキュレートフィルタの一部分を断面とした側面図を示す。
図8】1つ以上の実施形態によるハニカム体を含むパティキュレートフィルタを含む内燃機関の排気系統の概略的な側面図を示す。
図9A】1つ以上の実施形態による、製造後、ハニカム体を形成するために塞がれるハニカム物品の製造に使用される押出ダイの正面図を示す。
図9B】1つ以上の実施形態による図9Aの断面線9B-9Bに沿って取った押出ダイの一部分を断面とした側面図を示す。
図9C】1つ以上の実施形態による供給孔の場所を示す図9Aの押出ダイの部分的な正面図を示す。
図10】1つ以上の実施形態による六角形のピン構造及び供給孔の場所を示す押出ダイの部分的な正面図を示す。
図11】1つ以上の実施形態による発明のハニカム体を含むパティキュレートフィルタを動作する方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ここで、添付図面に示されている本開示の例示的な実施形態を詳細に参照する。実施形態の説明では、本開示の完全な理解をもたらすために、多数の具体例が説明される。しかしながら、当業者には、本発明は、これらの具体例のいくつか又は全てを用いずに実施され得ることが明らかである。他の例では、本発明を不要に曖昧にしないために、周知の構造的又は機能的特徴及び/又は工程段階については詳細に説明していない。本明細書で説明する種々の実施形態の構造的及び機能的特徴は、特に具体的に記述がない限り、互いに組み合わせられてもよい。
【0048】
従来技術の問題を考慮して、本開示の種々の実施形態は、ガソリンパティキュレートフィルタ(GPF)及び/又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)において使用するために構成されたハニカム体であって、現在入手可能なパティキュレートフィルタ設計と比べて、ハニカム体内での煤及び/又は灰(又は他の無機微粒子)の優れたストレージ容量を可能にするだけでなく、煤及び/又は灰負荷に応じて、パティキュレートフィルタの前後で比較的低い清浄時圧力降下(clean pressure drop)及び比較的低い圧力降下の増大を維持しながらそのようにできる、ハニカム体に関する。
【0049】
多量の灰を蓄積するパティキュレートフィルタの能力は、パティキュレートフィルタ業界における、念願の目標となっている。フィルタ(GPF又はDPF)は、煤粒子及び灰を収集するだけでなく、煤に存在するか又はマニホールド若しくは他のエンジン若しくは排気部品から剥がれ落ちるかのいずれかである無機材料の捕捉も行う。これらの無機材料は、再生処理によって煤と一緒に燃え尽くされることができないため、時間が経つにつれて、パティキュレートフィルタ内に灰と一緒に堆積する。無機微粒子及び灰のそのような堆積は、最終的には、ハニカム体の前後での圧力降下の増大を生じ得、これは、容認しがたいほど高くなり得る。
【0050】
この圧力の増大を軽減するために、従来技術ではパティキュレートフィルタの保守が、取り外して、新しいフィルタと交換する、又は任意選択的に、そのような灰及び無機材料が除去された清浄済みフィルタと交換することによって、行われ得る。しかしながら、この保守工程は非常に高価となり得る。さらに、車両は、そのような保守のために望ましくなく使用中止となるかもしれない。それゆえ、この業界では、そのような保守間隔の回数をなくす又は減少させるために、既存の設計と比べてストレージ容量が増加されたパティキュレートフィルタが強く要望されており、且つこれはまた、煤及び灰の負荷があるときに、比較的低い清浄時圧力降下並びに比較的低い圧力降下の増大を明示している。
【0051】
上述の通り、この懸念は、従来より、標準的な市松模様の設計に対して、吸気口通路の相対的サイズを大きくし且つ排気口通路の相対的サイズを小さくすることによって、対処されている。例えば、Beall,et al.への米国特許第6,696,132号明細書に開示されているようなハニカム体の非対称セルテクノロジー(ACT:Asymmetric Cell Technology)設計を使用することによって、比較的高い煤収容容量を生じた。しかしながら、好適な寿命にわたって低保守にするように十分に高いレベルの灰ストレージを達成するために、吸気口通路サイズ対排気口通路サイズの比が非常に大きくなる。この比が所定の程度を超えて大きくなると、排気口通路は非常に小さくなる。非常に小さい排気口通路は、清浄フィルタの前後での大きな圧力降下を同時に生じ得るだけでなく、灰及び/又は煤負荷に応じた大きな圧力降下も生じ得る。さらに、そのようなACTハニカム構造を形成するために使用された押出ダイは、そのような押出ダイの製造に使用されるプランジ放電加工(EDM)の電極技術は本質的に時間のかかり、それにより、比較的高価となり得る。
【0052】
代わりに、排気口通路の密度に対して吸気口通路の密度が増加している設計が、Frost,et al.への米国特許第4,420,316号明細書、Pitcher、Jr.への同第4,417,908号明細書、及びGarcia,et al.への同第8,236,083号明細書に開示されている。これらの設計(本明細書では「高吸気口数」設計と呼ぶ)は、吸気口側よりも排気口側の通路を多数塞ぐことによって、達成される。I/O比2:1及び3:1の設計が開示されている。
【0053】
本発明人らは、吸気口通路の数対排気口通路の数の比が2:1を上回り、大きな灰ストレージ容量を生じ得る、いくつかの高吸気口数設計を発見した。しかしながら、吸気口通路対排気口通路の比が3:1以上であるとき、圧力降下の不利益は、排気口の排気流の全てを輸送する必要がある排気口通路が少数であるために、望んでいたよりも大きくなり得る。
【0054】
灰ストレージ容積を増大させる別の方法は、単に、パティキュレートフィルタにあるハニカム体のサイズを大きくすることである。しかしながら、ほとんどの場合、この手法は、車両の空間制限があるために、実行可能ではない。
【0055】
本開示の1つ以上の実施形態によれば、ハニカム体は、サービス間隔をより長い期間にするために、灰(及び/又は無機)のストレージ容量を増大させて提供されるが、これはまた、煤負荷及び/又は灰負荷に応じて圧力降下の増大の不利益を制限する。
【0056】
そのようなハニカム体は、車両燃料経済が良好及び/又はサービス間隔間のエンジン出力をあまり減じない、保守にし得る。別の考えられる利点では、清浄時圧力降下が、比較の標準的なACT、及び既存の高吸気口数設計と比較されるとき、劇的に改善され得る。さらに、本開示の1つ以上の実施形態は、研削砥石車でのスロッティング又はワイヤEDMなどの、比較的安価な押出ダイ製造技術の使用を可能にするという、製造上の利益を提供し得る。例えば、1つ以上の実施形態では、押出ダイ出口面にわたる左右全体の直線ダイカット(例えば、2つの直交する方向における)が、使用され得る。これらの工程は、押出ダイの製造コストを劇的に下げ得る。
【0057】
それゆえ、1つ以上の実施形態では、パティキュレートフィルタ(DPF又はGPF)において使用されるために構成され、好都合な吸気口通路構成、排気口通路構成、及びプラギングパターンを有するハニカム体は、煤負荷及び/又は灰負荷に応じて、比較的高い灰ストレージ容量、比較的低い清浄時圧力降下、及び比較的低い圧力降下の増大の組合せを提供する。
【0058】
ハニカム体の1つ以上の実施形態は、繰り返しパターンに配置される繰り返し構造単位のマトリクスを形成する、交差する多孔質壁を含む。繰り返し構造単位のそれぞれは、ハニカム体の吸気口面から排気口面まで軸方向に、互いに平行に延在する、複数の吸気口通路及び複数の排気口通路を含む。吸気口セルは、排気口面で又はその近くで塞がれている一方、排気口セルは、吸気口面で又はその近くで塞がれている。I/O比が、本明細書では、繰り返し構造単位のそれぞれにおける、吸気口通路の数対排気口通路の数の比であると定義される。I/O比は、単に「I/O」と呼ばれてもよい。実施形態によれば、I/O比は、2.0~3.0(すなわち、2.0<I/O<3.0)である。さらに、吸気口通路及び排気口通路のそれぞれは、軸方向に対して直角の横断面において、同じ断面サイズ及び断面形状を有する。さらに、特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路は、特定の繰り返し構造単位の排気口通路、又は隣接する繰り返し構造単位の排気口通路のいずれかに直接当接する。「直接当接する」によって、各吸気口通路が、1つ以上排気口通路と並んだ関係で、ろ過壁を共有していることを意味する。
【0059】
繰り返し構造単位のいくつかの構成を含むハニカム体の実施形態の他の構造的属性は、本明細書で十分に説明される。
【0060】
本明細書では、「ハニカム体」は、缶又はハウジングに受け入れられて使用されるように構成された壁面流ハニカム体において、ハニカム体が、開放通気孔(open and interconnected porosity)を含み、交差する多孔質壁のマトリクスが、上述の繰り返し構造単位を形成し、各繰り返し構造単位は、少なくともいくつかの吸気口通路及び少なくともいくつかの排気口通路を含み、及び吸気口通路対排気口通路の比(I/O)が2.0<I/O<3.0である、壁面流ハニカム体を意味する。そのようなハニカム体は、さらに、各吸気口通路に関連付けられる少なくとも1つのろ過壁を含む。本明細書では、「ろ過壁」は、吸気口通路と排気口通路との間で共有される壁であると定義される。
【0061】
本開示の他の実施形態では、他の態様及び特徴のように、ハニカム体を含むパティキュレートフィルタ、パティキュレートフィルタを含む排気系統、並びにパティキュレートをろ過する方法が提供される。
【0062】
例示的なハニカム体、パティキュレートフィルタ、パティキュレートフィルタを含む排気系統のさらなる詳細、並びに煤などの微粒子及び灰をろ過する方法が、本明細書で、図1A~11を参照して説明される。
【0063】
図1A~1Bは、それぞれ、本開示によるハニカム体100及びその繰り返し構造単位104の第1の例示的な実施形態の部分的な吸気口面の図を示す。ハニカム体100は、内燃機関(例えば、ガス又はディーゼル機関)のエンジン排気ストリームからなど、フローストリームから微粒子(例えば、煤及び/又は無機物)をろ過するために使用されるパティキュレートフィルタ内でのろ材としての有用性を有する。ハニカム体100のこの実施形態は、複数の交差する多孔質壁102及びプラグ103を含み、繰り返しパターンに配置された繰り返し構造単位104のマトリクスを形成する。プラグ103は、図1D及び図1Eに示されている。この実施形態における多孔質壁102は、互いに交差し(例えば、直角に)、且つ互いに平行である複数の長手方向に延在するセル通路108を形成する。長手方向に延在するセル通路108のいくつかは、吸気口通路110を含む一方、他のセル通路は、排気口通路112を含む。多孔質壁102は、開放通気孔を含み得、及び多孔質壁102は、使用中、ハニカム体100の熱再生処理の間に直面するような高温に耐えることができるセラミック又は他の好適な多孔質材で作製され得る。例えば、交差する多孔質壁102は、セラミック材料、例えば、コーディエライト、炭化ケイ素(SiC)、チタン酸アルミニウム、ムライト、アルミナ(Al)、酸窒化ケイ素アルミニウム(silicon aluminum oxynitride)(AlSi)、ゼオライト、頑火輝石、フォルステライト、コランダム、スピネル、サフィリン、ペリクレース、上述の組合せなどで作製され得る。他の好適な多孔質材、例えば溶融石英又は多孔性金属、又はこれらの組合せが使用されてもよい。同じ又は同様の材料が、本明細書で説明する他の実施形態に使用されてもよい。
【0064】
セラミックの場合、多孔質壁102は押出工程の間に形成され得、ここで、無機及び有機のバッチ成分と、液体ビヒクル(例えば、脱イオン水)との好適な可塑化バッチ混合物が、ハニカム押出ダイを通して押し出され、その後、乾燥され、且つ焼成されて、プラグのないセラミックハニカム体を生産する。そのため、セラミックハニカム体は、プラグ103によって、本明細書で説明する規定のプラギングパターンで塞がれて、繰り返し構造単位104のマトリクスを含むハニカム体100を生じ得る。吸気口通路110は、排気口面118で又はその近くで、プラグ103によってあるパターンで塞がれる一方、排気口通路112は、吸気口面116で又はその近くで、プラグ103によって、あるパターンで塞がれる。図1D及び図1Eに示すように、吸気口面116及び排気口面118は、全体的に互いに対向している。好適な非限定的なプラギング材料及び工程は、例えば、米国特許第4,557,773号明細書、同第6,673,300号明細書、同第7,744,669号明細書、及び同第7,922,951号明細書に説明されている。他の好適なプラギング方法を使用してもよい。他の実施形態では、乾燥したハニカム素地が、塞がれてから焼成されても、又は部分的に焼成され、塞がれ、及び再度焼成されてもよい。
【0065】
好適な1種又は複数種の粉末無機材料が、有機結合剤及び液体ビヒクルによって混合されて、例えば、プラギング材料を生産し得る。プラグ103は、吸気口面116及び排気口面118と面一になっても又は面一にならなくてもよい。プラグ103は、通路の幅及び高さを満たし、且つ軸方向軸114に沿って、例えば約0.004インチ(0.10mm)~約0.100インチ(2.54mm)、又はさらには約0.004インチ(0.10mm)~約0.06インチ(1.52mm)のプラグ深さを有し得る。他のプラグ深さを使用してもよい。プラグ103はまた、開放通気孔を含み得る。
【0066】
ハニカム体100は、半径方向の外周に外皮層105(図1F-1G)を含み、ハニカム体100の外周面100Sを規定し得る。外皮層105は、押出製造の間に押し出され得るか、又はいくつかの実施形態では、後で適用された外皮層とし得る、すなわち、セラミック又は乾燥された素地のハニカム体の外周(例えば、機械加工された外周囲)へ接着されたセラミックベースの外皮層として適用され得る。外皮層105は、例えば押し出されるときに、ハニカム体100の半径方向の外周囲の周りに実質的に均一にされた外皮層厚さTs(図1F)を含み得る。外皮層厚さTsは、例えば、約0.1mm~100mm、又はさらには1mm~10mmとし得る。他の外皮層厚さTsを使用してもよい。各セル通路108の横断面領域は、その長さに沿って一定とし得る。さらに、多孔質壁102の横断方向の肉厚(wall thickness)は、多孔質壁102の長さに沿って一定とし得る。例えば、横断方向の肉厚は、約100μm~400μmとし得る。
【0067】
ハニカム体などの物品をスキニングするための装置及び方法は、例えば、米国特許第9,132,578号明細書において説明されている。他の好適なスキニング方法を使用してもよい。本明細書で説明する実施形態では、交差する多孔質壁102は、好都合にも、両直交方向(図示の通り垂直方向及び水平方向)における、外皮層105のセクション間でハニカム体100を横切って連続的に延在し得る。明らかなように、この構成は、ワイヤEDM、スロッティング研削砥石車、又は他の低コストの製造方法が使用され得るため、押出ダイのコストを削減する点で、明確な利益を有する。
【0068】
ハニカム体100の最も外側の断面形状は、円形(図1F~1Gに示すように)、楕円形、卵形、三角形若しくは三葉形、レーストラック形、正方形、又は長方形などの任意の所望の形状とし得るが、ハニカム体100は、これらの断面形状に限定されない。他の断面形状を使用してもよい。
【0069】
より詳細には、繰り返し構造単位104のそれぞれ(図1Aに点線で輪郭を付けて示しているもの)は、複数のセル通路108を含み、これらセル通路は、吸気口面116から排気口面118まで軸方向に互いに平行に(図1Dに示す軸方向軸114に対して相互に平行に)延在する複数の吸気口通路110(影のないブロック-いくつかに符号が付されている)及び複数の排気口通路112(影付きのブロック-いくつかに符号が付されている)を含む。図示の実施形態では、各繰り返し構造単位104(図1A図1B)は、繰り返し構造単位104における吸気口通路110の数対排気口通路112の数の比であるI/O比を含む。本明細書で説明する1つ以上の実施形態では、I/O比は、2.0<I/O<3.0である。図1Bの図示の実施形態では、繰り返し構造単位104は、吸気口通路110及び排気口通路112の、特に、9個の吸気口通路110及び4個の排気口通路112の配置構成、並びにI/O比2.25:1を含む。繰り返し構造単位104は、第1の列に6個の通路及び第2の列に7個の通路の2つの隣接する列の構成でできているため、繰り返し構造単位104のそれぞれは、13個の通路を含む。
【0070】
繰り返し構造単位104の吸気口通路110及び排気口通路112のそれぞれは、軸方向軸114に対して直角の横断面において、同じ断面サイズ及び断面形状を有する。図1A~1Gに示す実施形態では、吸気口通路110及び排気口通路112のそれぞれの断面形状は、正方形である。さらに、この実施形態では、特定の繰り返し構造単位104の各吸気口通路110は、その特定の繰り返し構造単位104の排気口通路112に直接当接している。それゆえ、各吸気口通路110に関しては、特定の繰り返し構造単位104の各吸気口通路110と排気口通路112との間で共有される少なくとも1つの共有のろ過壁がある。図1B図1C図2B図3B図4B図5B、及び図6A~6Eでは、ドット印のある吸気口通路110は、マトリクス中に、特定の繰り返し構造単位又は隣接する繰り返し構造単位のいずれかにある排気口通路112に当接する、少なくとも2つの壁を有する。ドット印のない吸気口通路110は、マトリクス中に、特定の繰り返し構造単位又は隣接する繰り返し構造単位のいずれかにある排気口通路112に当接する、1つの壁を有する。図1Bの説明の実施形態に示すように、ドット印のある吸気口通路110は、マトリクス中に、特定の繰り返し構造単位104又は隣接する繰り返し構造単位104’(1つの隣接する繰り返し構造単位104’を図1Aに示す)のいずれかにある排気口通路112に当接する、2つの壁を有する。それゆえ、図示の実施形態では、7個の吸気口通路110が、排気口通路112と2つの壁を共有し、及び2つの吸気口通路110(ドットなし)のみが、排気口通路112と1つの壁を共有する。
【0071】
ハニカム体100の繰り返し構造単位104、104’の繰り返しパターンは、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位104’から1つの通路幅だけ、位置的にオフセットされている各繰り返し構造単位104を含む。繰り返し構造単位104、104’のマトリクスは、ハニカム体100を構成する。当然ながら、ハニカム体100の外周囲に位置していて外皮層105に隣接する、通路のうちのいくつかは、不完全な繰り返し構造単位の一部であり、その構造は、外皮層105によってそこで終了する。図1Fから明らかなように、繰り返し構造単位104、104’の繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路110で挟まれていて、対角線上に並べられた4個の排気口通路を有する群115を含む。図1Eに示すように、多孔質壁102が垂直方向及び水平方向に配置されるとき、対角線上に並べられた排気口通路を有する群115は、対角線116に沿って並べられる。複数の群115は、対角線上に並べられた4個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群に配置されるため、吸気口面116から見るとき、斜めの繰り返しパターンを提供する。繰り返し構造単位104は、図1Bに示すような構成、並びに図1Cに示すその鏡像104Mを含む。
【0072】
ここで図2A及び図2Bを参照すると、繰り返し構造単位204(図2Aにおいて吸気口面に点線で輪郭を付けてある)を含むハニカム体200の別の実施形態が示されている。繰り返し構造単位204は、ハニカム体200を通してずっと繰り返されている。吸気口面の一部分のみを示すが、排気口面は、対応するプラギングパターンを含み、そこでは、図示の全ての吸気口通路110が、排気口面で塞がれている。先の実施形態におけるような繰り返し構造単位204は、ハニカム体200の構造の少なくとも一部を形成するために何度も繰り返される特定のパターンに配置された、吸気口通路110と排気口通路112の集合である。
【0073】
この実施形態に示すように、吸気口面から見るときの各繰り返し構造単位204は、直線に配置される、7個の吸気口通路110及び3個の排気口通路112(図2B参照)、合計10個の通路で構成される。I/O比は2.33:1である。繰り返し構造単位204は、長方形の外周囲形状を有し、及び完全なセル通路である(例えば、外皮層と交差しない)セル通路108のそれぞれは、横断面において正方形の形状を有し得る。繰り返し構造単位204は、図2Bに示すような構成、並びにその鏡像を含む。図示の実施形態では、複数の繰り返し構造単位204の繰り返しパターンは、繰り返し構造単位204のそれぞれが、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位204’の対応する端部から2つの通路幅だけオフセットされている端部を有するように、構成され得る。このオフセット構成は、両端部が吸気口通路110で挟まれていて、対角線上に並べられた3個の排気口通路を有する群215を提供し得、ここで、対角線上に並べられた3個の排気口通路を有する群215は、オフセットされたセル通路の角に沿って並べられた対角線216に沿って配置されている。さらに、複数の繰り返し構造単位204の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた3個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群215を含み、ここで、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれている。相互に平行な群215はまた、対角線上に沿って配置され得る。
【0074】
図3A~3Bは、ハニカム体300の少なくとも一部分を通してずっと繰り返されている繰り返し構造単位304を含む、ハニカム体300の別の実施形態を示す。吸気口面の一部分のみを示すが、排気口面は、対応するプラギングパターンを含み、ここでは、吸気口面に示す全ての吸気口通路110が、排気口面で又はその近くで塞がれている。繰り返し構造単位304は、ハニカム体300の構造の少なくとも一部を形成するために、何度も繰り返される特定のパターンに配置された吸気口通路110と排気口通路112の集合である。
【0075】
この実施形態では、吸気口面から見るときの各繰り返し構造単位304は、直線に配置される、5個の吸気口通路110及び2個の排気口通路112(図3B参照)、合計7個の通路108で構成されている。I/O比は2.50:1である。繰り返し構造単位304は、長方形の外周囲形状を有し、及び完全なセル通路である(例えば、外皮層と交差しない)通路108のそれぞれは、横断面において正方形の形状を有し得る。繰り返し構造単位304は、図3Bに示すような構成、並びにその鏡像を含む。図示の実施形態では、複数の繰り返し構造単位304の繰り返しパターンは、繰り返し構造単位304のそれぞれが、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位304’の対応する端部から2つの通路幅だけオフセットされている端部を有するように、構成され得る。このオフセット構成は、両端部が吸気口通路110で挟まれていて、対角線上に並べられた2個の排気口通路を有する群315を提供し得、ここで、対角線上に並べられた2個の排気口通路を有する群315は、オフセットされた通路108の角に沿って並べられる対角線316に沿って配置されている。さらに、複数の繰り返し構造単位304の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた2個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群315を含み、ここで、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれている。相互に平行な群315はまた、対角線上に配置され得る。
【0076】
図4A~4Bは、ハニカム体400の少なくとも一部分を通してずっと繰り返されている繰り返し構造単位404を含む、ハニカム体400の別の実施形態を示す。吸気口面の一部分のみが示されているが、排気口面は、対応するプラギングパターンを含み、ここでは、図示の全ての吸気口通路110が、排気口面で塞がれている。繰り返し構造単位404は、ハニカム体400の構造の少なくとも一部を形成するために何度も繰り返される特定のパターンに配置された吸気口通路110と排気口通路112の集合である。
【0077】
この実施形態では、吸気口面から見るときの各繰り返し構造単位404は、8個の吸気口通路110及び3個の排気口通路112(図4B参照)、合計11個の通路108で構成され、これらは2つの列に配置され、1つの列は、5個の通路108及び1つの隣接する列は6個の通路108である。I/O比は2.67:1である。繰り返し構造単位404は、六面の不規則な多角形の外周囲形状を有し、及び完全なセル通路(例えば、外皮層と交差しない)である通路108のそれぞれは、横断面において正方形の形状を有し得る。繰り返し構造単位404は、図4Bに示すような構成、並びにその鏡像を含む。
【0078】
図示の実施形態では、複数の繰り返し構造単位404の繰り返しパターンは、繰り返し構造単位404のそれぞれが、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位404’の対応する端部から1つの通路幅だけオフセットされている端部を有するように、構成され得る。このオフセット構成は、両端部が吸気口通路110で挟まれていて、対角線上に並べられた3個の排気口通路を有する群415を提供し得、ここで、対角線上に並べられた3個の排気口通路を有する群415は、オフセットされた通路108の角に沿って並べられる対角線416に沿って配置されている。さらに、複数の繰り返し構造単位404の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた3個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群415を含み、ここで、各群415は、両端部が吸気口通路110で挟まれている。相互に平行な群415はまた、対角線上に配置され得る。
【0079】
図5A~5Bは、ハニカム体500の少なくとも一部分を通してずっと繰り返されている繰り返し構造単位504を含む、ハニカム体500のさらに別の実施形態を示す。吸気口面の一部分のみが示されているが、排気口面は、対応するプラギングパターンを含み、ここで、図示の全ての吸気口通路110が、排気口面で塞がれている。繰り返し構造単位504は、ハニカム体500の構造の少なくとも一部を形成するために何度も繰り返される特定のパターンに配置された吸気口通路110及び排気口通路112を含む通路108の集合である。
【0080】
この実施形態では、吸気口面から見るときの各繰り返し構造単位504は、11個の吸気口通路110及び4個の排気口通路112(図5B参照)、合計15個の通路108で構成され、これらは、2つの列に配置され、1つの列は、7個の通路108及び1つの隣接する列は、8個の通路108である。I/O比は2.75:1である。繰り返し構造単位504は、六面の不規則な多角形の外周囲形状を有し、及び完全な通路である(例えば、外皮層と交差することにより先端を切られない)通路108のそれぞれは、横断面において正方形の形状を有し得る。繰り返し構造単位504は、図5Bに示すような構成、並びにその鏡像を含む。
【0081】
図示の実施形態では、複数の繰り返し構造単位504の繰り返しパターンは、繰り返し構造単位504のそれぞれが、繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位504’の対応する端部から1つの通路幅だけオフセットされている端部を有するように、構成され得る。このオフセット構成は、両端部が吸気口通路110で挟まれていて、対角線上に並べられた2個の排気口通路を有する群515を提供し得、ここで、対角線上に並べられた2個の排気口通路を有する群515は、オフセットされた通路108の角に沿って並べられる対角線516に沿って配置されている。さらに、複数の繰り返し構造単位504の繰り返しパターンは、対角線上に並べられた2個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群515を含み、ここで、各群515は、両端部が吸気口通路110で挟まれている。
【0082】
図6A~6Eは、ハニカム体の少なくとも一部分を通してずっと繰り返され得る繰り返し構造単位604A~604Eの代替的な実施形態を示す。図示の実施形態のぞれぞれでは、通路108のそれぞれの断面形状が六角形であることを除いて、繰り返し構造単位604A~604Eの構成は、上述したものと同じである。繰り返し構造単位604A~604Eのそれぞれにおける吸気口通路110及び排気口通路112のそれぞれは、断面が六角形である。他の通路の断面形状、例えば長方形又は円形を使用してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、各繰り返し構造単位104~604Eは、繰り返し構造単位104~604Eと実質的に同一である他の隣接する繰り返し構造単位104~604Eと直接当接して提供され得る。例えば、ハニカム体にわたるいくつかの領域では、繰り返し構造単位104~604Eは、特定の繰り返し構造単位104~604Eと実質的に同一である他の隣接する繰り返し構造単位104~604Eによって全体的に取り囲まれて当接され得る。例えば、図1A~5Aでは、繰り返し構造単位104~504の各辺は、隣接する繰り返し構造単位104~604Eによって直接当接され得る。さらに、いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位104~604Eの各横方向端は、他の同一の繰り返し構造単位104~504Aによって当接され得る。外皮層105の近くの繰り返し構造単位104~604Eのいくつかは、1つ以上の不完全な繰り返し構造単位(繰り返し構造単位104~604Eの構造の全ては含まない)に隣接し得る。いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位104~604Eは、それら自体の鏡像と当接して配置され得る。他の実施形態では、繰り返し構造単位104~604Eは、互いに1つ以上セル幅(又は六角形セルの場合には1つ以上の半値幅)だけオフセットされ得る(例えば、横方向に)。そのようなオフセットは、共有の単一の壁(ドットなし)と2つの共有壁(ドットあり)の組合せの構造単位104~604Eを生じ得る。構造単位104~604Eのうちの特定の1つに関する所定のオフセットは、特定の構造単位104~604Eの吸気口セルの全てに対して2つの共有の壁を提供し得るが、他の横方向オフセットは、2つの共有の壁を備えるいくつかのみを提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、特定の構造単位104~604Eの上側にある構造単位104~604Eは、0.5セル幅(六角形のセルでは)、1セル幅、1.5セル幅(六角形のセルでは)、2セル幅、又は別の量のセル幅だけ、横方向にオフセットされ得る。特定の構造単位104~604Eの下側にある構造単位104~604Eは、同じ量のセルだけ反対方向に横方向にオフセットされ得る。2列以上のセルを有するいくつかの実施形態では、構造単位104~604Eは、垂直方向にオフセットされ得、端と端との直接当接関係は存在しなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態は、0.5列垂直方向に(例えば、2列の六角形のセル構造の構造単位)又は1列垂直方向に(例えば、2列の長方形のセル構造の構造単位)、オフセットされ得る。いくつかの実施形態では、オフセットと鏡像の組合せを使用してもよい。明らかなように、いくつかの実施形態では、他の構成の通路、及び他のタイプの繰り返し構造単位が、繰り返し構造単位104~604Eと一緒に、ハニカム体に存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、(塞がれていない)通路を通過するいくつかが、ハニカム体内に周期的に分散され得る。さらに、本明細書で説明する繰り返し構造単位104~604Eの実施形態の通路108のそれぞれは、その通路108の1つ以上の角にわずかなフィレット又は面取り部を含み得る。
【0084】
繰り返し構造単位が2.0<I/O<3.0を有し、且つ吸気口通路110及び排気口通路112のそれぞれが、軸方向に対して直角な横断面において同じ断面サイズ及び形状を有することを条件に、ハニカム体の構造の少なくとも一部を形成するために何度も繰り返される特定のパターンに配置される吸気口通路110と排気口通路112の集合を含む繰り返し構造単位の他の構成を使用してもよい。さらに、特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路110は、特定の繰り返し構造単位の排気口通路112に直接当接し得る。例えば、吸気口通路110の側面は、それと当接する排気口通路112の側面と同じ壁の一部とし得る、すなわち、それらは共有の壁を有する。
【0085】
全ての実施形態を参照して説明すると、繰り返し構造単位104~604Eは、そこに、説明の吸気口通路110及び排気口通路112の領域を含み、且つまた、包含された吸気口通路110及び排気口通路112の外周囲を取り囲む多孔質壁102の横断方向の肉厚Tw(図1D)の半分を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、ハニカム組立品は、複数のハニカム体(例えば、正方形又は長方形の外周囲を有する)を接着することによって、生産され得る。ハニカム体はそれぞれ、繰り返し構造単位104~604Eのいずれか、又は本明細書で説明する、そこで繰り返される機能的等価物を複数含み得る。複数のハニカム体を接着するために、いずれの好適なセメント混合物を使用してもよい。例えば、国際公開第2009/017642号に説明されているようなセメント混合物を使用してもよい。他の好適なセメント混合物を使用してもよい。いずれの外形、例えば正方形、長方形、円形、楕円形、卵形、レーストラック形などのハニカム組立品を使用してもよい。いくつかの実施形態では好適な外皮層が、ハニカム組立品の外周囲に適用され得る。
【0087】
本明細書で説明するハニカム体100~500(及び繰り返し構造単位104~604Eを含むハニカム体)の実施形態は、所定の微細構造特性及び幾何学構造特性を含み得、これは、繰り返し構造単位104~604Eの構成と組み合わせて、煤及び/又は灰負荷に応じて、比較的低い清浄時圧力降下並びに比較的低い圧力降下の増大を含む、良好な煤及び灰負荷容量及び比較的低い圧力降下性能の組合せを提供し得る。
【0088】
例えば、焼成後の多孔質壁102の開放有効多孔率(open and interconnected porosity)(%P)は、%P≧40%、%P≧45%、%P≧50%、%P≧60%、又はさらには%P≧65%とし得る。いくつかの実施形態では、交差する多孔質壁102の開放有効多孔率は、35%≦%P≦70%、又はさらには40%≦%P≦60%、又はさらには45%≦%P≦55%とし得る。他の値の%Pを使用してもよい。本明細書で説明するような多孔率(%P)は、水銀多孔率測定方法によって測定される。
【0089】
いくつかの実施形態では、焼成後、多孔質壁102の横断方向の肉厚Twは、Tw≧0.004インチ(0.102mm)、Tw≧0.006インチ(0.150mm)、Tw≧0.008インチ(0.203mm)、又はさらにはTw≧0.010インチ(0.254mm)とし得る。また、いくつかの実施形態では、Tw≦0.014インチ(0.356mm)、Tw≦0.012インチ(0.305mm)、又はさらにはTw≦0.010インチ(0.254mm)である。1つ以上の実施形態では、0.004インチ(0.102mm)≦Tw≦0.014インチ(0.356mm)、又はさらには0.006インチ(0.150mm)≦Tw≦0.010インチ(0.254mm)である。他の値の横断方向の肉厚Twを使用してもよい。壁102のそれぞれは、共通の横断方向の肉厚Twを含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、焼成後、多孔質壁102の中央細孔直径(MPD)は、10μm≦MPD≦16μm、又はさらには11μm≦MPD≦15μmとし得る。開放通気孔の細孔サイズ分布の広がり幅Dbは、Db≦1.5、又はさらにはDb≦1.0とし得、ここで、Db=((D90-D10)/D50)であり、ここで、D90は、多孔質壁102の細孔サイズ分布において、細孔の90%が、同じ又はより小さい直径を有し、及び10%は、より大きな直径を有する、等価の球径であり、及びD10は、細孔サイズ分布において、細孔の10%は、同じ又はより小さい直径を有し、及び90%は、より大きな直径を有する、等価の球径である。中央細孔直径(MPD)及び細孔サイズ分布の広がり幅Dbは、水銀ポロシメトリーによって測定され得る。
【0091】
ハニカム体(例えば、100~500)のセル密度(CD)は、10個のセル/in(1.55個のセル/cm)≦CD≦400個のセル/in(62個のセル/cm)、又はさらには50個のセル/in(7.75個のセル/cm)≦CD≦375個のセル/in(58個のセル/cm)、又はさらには225個のセル/in(35個のセル/cm)≦CD≦375個のセル/in(58個のセル/cm)とし得、及びいくつかの実施形態では、CD≧150個のセル/in(23個のセル/cm)、又はさらにはCD≧200個のセル/in(31個のセル/cm)とし得る。他のセル密度を使用してもよい。上述の%P、Tw、Db、MPD、及びCDは、互いに及び本明細書で説明する繰り返し構造単位104~604Eとの任意の組合せで組み合わせられ得る。
【0092】
繰り返し構造単位104~604Eのいずれかの構成を含む、特に有効な1つの例は、多孔質壁102の肉厚Twが0.006インチ(0.152mm)≦Tw≦0.010インチ(0.254mm)、交差する多孔質壁102の開放有効多孔率(%P)が40%≦P%≦60%、多孔質壁102の中央細孔サイズ(MPS)が10マイクロメートル≦MPS≦16マイクロメートル、及びI/O比が2.25≦I/O≦2.75のハニカム体を含む。
【0093】
ここで図7を参照すると、ハニカム体100(又は任意選択的に、ハニカム体200~500、又は繰り返し構造単位604A~604Eのうちのいずれか1つを含むハニカム体)を含むパティキュレートフィルタ700が示されている。図示の実施形態では、ハニカム体100は、金属製ハウジング又は他の拘束構造などの缶705の内側に収容される。缶705は、煤及び/又は無機微粒子を含有するエンジン排気711を受け入れるように構成された吸気口707を含む第1のエンドキャップと、ろ過されたガス流を排気するように構成された排気口709を含む第2のエンドキャップとを含み得、ここで、エンジン排気中の大部分(例えば、約99%以上)の微粒子713(例えば、煤及び/又は無機物質)が、除去/ろ過されており、且つハニカム体100の吸気口通路110及び多孔質壁102の開放通気孔内で輸送される。ハニカム体100の外皮層105は、それと接触する、例えば高温断熱材のような部材715を有し、衝撃及び応力からハニカム体100を守り得る。任意の好適な構造の部材715、例えば一体形構造、又は2つ以上の層構造を使用してもよい。ハニカム体100及び部材715は、任意の好適な手段によって、例えば缶本体中心へ通してから第1及び第2のエンドキャップの1つ以上を缶本体中心に固定(例えば、溶接)し、吸気口707及び排気口709を形成し得ることによって、缶705内に収容され得る。他には、缶705のツーピース構造又はクラムシェル構造が、任意選択的に使用され得る。
【0094】
図8は、エンジン817(例えば、ガソリン機関又はディーゼル機関)に結合された排気系統800を示す。排気系統800は、エンジン817の排気ポートに結合するためのマニホールド819、マニホールド819と、内部にハニカム体100を含むパティキュレートフィルタ700との間を結合するように構成された第1の収集管821を含み得る。結合は、任意の好適なクランプブラケット又は溶接などの他の取付機構によるものとし得る。第1の収集管821は、マニホールド819と一体とし得る。さらなる実施形態では、パティキュレートフィルタ700は、介在部材なしでマニホールド819に直接結合し得る。排気系統800は、さらに、パティキュレートフィルタ700と第2の排気部品827とに結合された第2の収集管823を含み得る。第2の排気部品827は、例えば、マフラー、触媒コンバーター、又はさらには第2のパティキュレートフィルタとし得る。第2の排気部品827には、テールパイプ829(先端が切られて示されている)又は他の導管若しくは構成要素が結合され得る。他の排気系統部品は、例えば、酸素センサ、尿素噴射ポート(図示せず)などが含まれ得る。エンジン817は、エンジン817の各バンク(シリンダーのサイドの組)用の1つのパティキュレートフィルタ700を含み得、その場合、第2の収集管823がY字管としても、又は任意選択的に、第1の収集管821がY字管としてもよく、各バンクから煤を収集し且つ煤をパティキュレートフィルタ700へ向ける。
【0095】
本明細書で説明する実施形態によるハニカム体100(又は任意選択的に、ハニカム体200~500、又は繰り返し構造単位604A~604Eのうちのいずれか1つを含むハニカム体)を含むパティキュレートフィルタ700を利用することは、パティキュレートフィルタ700の灰及び煤負荷容量が比較的大きいので、再生処理事象間の間隔が比較的長くなり得る。さらに、フィルタ700を交換するためのサービス間隔を比較的長くし得る。さらに、灰で負荷がかけられたときに、ハニカム体100によって排気系統800に加えられる比較的低い背圧が、自由排気流を可能にし、それゆえエンジン817の出力低減を実質的に最小限にすることを可能にし得る。ハニカム体(例えば、ハニカム体100~500、又は繰り返し構造単位604A~604Eのいずれかを含むハニカム体)を含む排気系統800は、煤及び/又は灰負荷に応じて、非常に低い清浄時圧力降下、低煤負荷の圧力降下、及び/又は低灰負荷の圧力降下、並びに圧力降下の低増加率を含み得る。
【0096】
ここで図9A~9Cを参照して説明すると、本開示の実施形態によるハニカム体100~500及びハニカム構造600A~604Eを含むハニカム体を製造するように構成されたハニカム押出ダイ900が、提供される。ハニカム体は、ハニカム素地を生産するために、ハニカム押出ダイ900を通した可塑化バッチの押出しによって形成され得、これは、例えば、米国特許第3,885,977号明細書、同第5,332,703号明細書、同第6,391,813号明細書、同第7,017,278号明細書、同第8,974,724号明細書、国際公開第2014/046912号、及び同第2008/066765号に説明されている。その後、米国特許第9,038,284号明細書、同第9,335,093号明細書、同第7,596,885号明細書、及び同第6,259,078号明細書に説明されているように、ハニカム素地は乾燥され得る。その後、米国特許第9,452,578号明細書、同第9,446,560号明細書、同第9,005,517号明細書、同第8,974,724号明細書、同第6,541,407号明細書、及び同第6,221,308号明細書に説明されているように、ハニカム素地は焼成され、ハニカム体100~500、又は幾何学的形状及び微細構造を含むハニカム構造600A~604Eを含むハニカム体のうちの任意の所望の1つを形成し得る。他の好適な形成、乾燥及び/又は焼成方法を使用してもよい。
【0097】
ハニカム押出ダイ900は、ダイ本体939と、可塑化バッチ組成物を受け入れるように構成されたダイ入口面942と、ダイ入口面942に対向し且つ可塑化バッチをハニカム素地の形態で吐出するように構成されたダイ出口面944とを含む。押出ダイ900は、バッチ組成物を受け入れ且つバッチ組成物を圧力下で強制的に押出ダイ900に通す押出機(二軸スクリュー押出機など-図示せず)に結合され得る。
【0098】
ハニカム押出ダイ900は、複数の供給孔945(いくつかに符号を付す)を含み、これら供給孔は、ダイ入口面942からダイ本体939内へと延在し、且つダイ出口面944からダイ本体939内へ延在し且つ複数の供給孔945とつながっているスロットのアレイ948(いくつかに符号を付す)と交差する。供給孔945は、バッチ組成物をスロットのアレイ948へ供給する。交差するスロットのアレイ948は、ダイ出口面944全体にわたって直線的に(例えば、図示の通り垂直方向に)延在する第1のスロット950(いくつかに符号を付す)、及び第1のスロット950に対して直角とし得且つまたダイ出口面944全体にわたって直線的に(例えば、図示の通り水平方向に)延在し得る第2のスロット952を含む。交差するスロットのアレイ948は、ダイ出口面944の少なくとも一部にわたって繰り返されるダイピンのアレイ955を形成し、及びいくつかの実施形態では、ダイ出口面944の実質的に全体を網羅し得る。ダイピンのアレイ955は、図示の通り、例えば、水平方向に並んで当接して配置され、及び垂直方向に上に積み重ねられ得る。スロット950、952は、例えば、研削砥石車でのスロッティングによって、又は図示の実施形態ではワイヤ電子放電加工(EDM:wire electron discharge machining)プロセスによって、形成され得る。他の好適な方法を使用してもよい。ダイピンのアレイ955のそれぞれの横断面形状は、正方形とし得る。ハニカム押出ダイ900は、外皮層形成供給孔945Sとインターフェースをとる外皮層形成マスク949(例えば、リング状物品)を含む外皮層形成部分900Sを含み、押出し法の間に形成された押し出されたハニカム素地に、押し出された外皮層を形成し得る。
【0099】
図9Cは、供給孔パターン(供給孔945は点線の円で示され、及びスロット950、952は実線で示される)を含むハニカム押出ダイ900の実施形態を示す。図示の実施形態では、スロット950、952の交差点毎に供給孔945が含まれる。ハニカム押出ダイ900の実施形態では、他の供給孔構成を使用してもよい。
【0100】
図10の部分図に示す別の実施形態では、ダイ1000は、図6A~6Eの繰り返し構造単位604A~604Eを有するハニカム体を形成できるように、六角形の断面形状を含むダイピンのアレイ1055を形成するスロットのアレイ1048を含むダイ本体1039を含む。ダイ本体1039は、供給孔パターンを含み得、ここで、スロットのアレイ1048の交差点毎に供給孔1045(点線の円で示される)が含まれる。スロットのアレイ1048は、電子放電加工(EDM)プロセスによって形成され得、ここで、形成された電極は、ダイ本体1039に押し込まれ、スロットのアレイ1048を機械加工する。押出ダイ1000の残りは、上述したものと同じとし得る。
【0101】
上述の実施形態のいずれかでは、ひとたび未加工のハニカム素地が形成され、乾燥され、及び焼成されたら、所望の長さに切断され得る。焼成されたハニカムの端面は、平らに研削され得、及び使用されているプラギングプロセスに好適な仕上げ表面を有するようにする。その後、吸気口面及び排気口面が、本明細書で説明したような所望の繰り返しプラギングパターンで塞がれるため、繰り返し構造単位(例えば、繰り返し構造単位104、204、304、404、504、若しくは604A~604E、又はそれらの鏡像)が生産され得る。上述の繰り返し構造単位からの所望の繰り返し構造単位は、吸気口面の少なくとも一部にわたって繰り返し構造単位が分布され且つ繰り返されるように、適切な吸気口通路110及び排気口通路112を塞ぐことによって形成され得る。いくつかの実施形態では、繰り返し構造単位(例えば、繰り返し構造単位104、204、304、404、504、若しくは604A~604E、又はそれらの鏡像)は、外皮層105と交差し且つ先端が切られる不完全な繰り返し構造単位のみを除いて、ハニカム体全体にわたって分散され且つ繰り返される。他の実施形態では、利用可能な領域の全てが、繰り返し構造単位を含むわけではない。
【0102】
図11は、1つ以上の実施形態による微粒子をろ過する方法1100を説明する。方法1100は、1102において、本明細書で説明するような吸気口通路(例えば、吸気口通路110)及び排気口通路(例えば、排気口通路112)を有し且つパティキュレートフィルタ(例えば、パティキュレートフィルタ700)に供されるハニカム体(例えば、ハニカム体100、200、300、400、500、又は繰り返し構造単位604A~604Eのうちの1つを含むハニカム体)を提供するステップを含み、ここで、繰り返し構造単位はI/O比2.0<I/O<3.0を有し、I/Oは、繰り返し構造単位のそれぞれにおける、吸気口通路の数対排気口通路の数の比であり、及び吸気口通路及び排気口通路のそれぞれは、同じ断面サイズ(面積)及び断面形状(軸方向に対して直角な横断面において)を有する。断面形状は、正方形、六角形、円形などとし得、及び特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路110は:(1)特定の繰り返し構造単位の排気口通路112、又は(2)隣接する繰り返し構造単位(例えば、104’、204’、304’、404’、504’)の排気口通路112のいずれかと直接当接する(すなわち、壁を共有する)ように構成及び配置される。
【0103】
方法1100は、さらに、1104において、ハニカム体(例えば、ハニカム体100、200、300、400、500、又は繰り返し構造単位604A~604Eのうちの1つを含むハニカム体)に煤及び灰を捕捉するステップを含む。煤及び灰は、吸気口通路110のウェブ102中に及びその上に捕捉される。煤は、捕捉され得、及び1回以上の再生処理事象などによって燃え尽くされ得、及び繰り返し構造単位のパターンを含むハニカム体(例えば、ハニカム体100、200、300、400、500、又は繰り返し構造単位604A~604Eのうちの1つを含むハニカム体)を含むパティキュレートフィルタ700は、長期間運転し続けることができ、及び遥かに高い灰ストレージ容量を有し得る。いくつかの実施形態では、灰ストレージ容量は、20g/Lよりも高いとし得る。他の実施形態では、灰ストレージ容量は、例えば、40g/Lよりも高い、60g/Lよりも高い、又は80g/Lよりも高いとし得る。さらに、ハニカム体(例えば、ハニカム体100、200、300、400、500、又は繰り返し構造単位604A~604Eのうちの1つを含むハニカム体)を含むパティキュレートフィルタ700は、比較的低い煤負荷及び灰負荷の圧力降下を示し得る。
【0104】
上述の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示する。本明細書で開示するパラメータのいずれかの組合せは、本明細書で開示するハニカム体の実施形態に適用され得る。それゆえ、本開示は、いくつかの例示的な実施形態を含むが、特許請求の範囲によって定義されるように、他の実施形態が本開示の範囲内にあってもよいことを理解すべきである。
【0105】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0106】
実施形態1
繰り返しパターンに配置された繰り返し構造単位のマトリクスを形成する、交差する多孔質壁
を含む、ハニカム体において、
前記繰り返し構造単位のそれぞれは:
吸気口面から排気口面まで軸方向に、互いに平行に延在する、複数の吸気口通路及び複数の排気口通路
を含み、
前記繰り返し構造単位のそれぞれにおける、前記吸気口通路の数対前記排気口通路の数のI/O比は、2.0~3.0であり;
前記吸気口通路及び前記排気口通路のそれぞれは、前記軸方向に対して直角な横断面において、同じ断面サイズ及び断面形状を有し;及び
前記吸気口通路のそれぞれは、前記排気口通路のうちの少なくとも1つに直接当接することを特徴とする、ハニカム体。
【0107】
実施形態2
前記繰り返し構造単位のそれぞれにおける、前記吸気口通路及び前記排気口通路のそれぞれは、前記横断面において断面が正方形であることを特徴とする、実施形態1に記載のハニカム体。
【0108】
実施形態3
前記繰り返し構造単位のそれぞれにおける、前記吸気口通路及び排気口通路のそれぞれは、前記横断面において断面が六角形であることを特徴とする、実施形態1に記載のハニカム体。
【0109】
実施形態4
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、9個の吸気口通路と、4個の排気口通路とを含み、及び前記I/O比は2.25:1であることを特徴とする、実施形態1~3のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0110】
実施形態5
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、13個の通路を含むことを特徴とする、実施形態1~4のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0111】
実施形態6
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、6個の通路を有する第1の列と、7個の通路の隣接する第2の列とを含むことを特徴とする、実施形態1~5のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0112】
実施形態7
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、前記繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位から、1つの通路幅だけオフセットされていることを特徴とする、実施形態1~6のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0113】
実施形態8
特定の繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接する前記特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路を含むことを特徴とする、実施形態1~7のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0114】
実施形態9
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた4個の排気口通路を有する群を含むことを特徴とする、実施形態1~8のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0115】
実施形態10
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、対角線上に並べられた4個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれていることを特徴とする、実施形態1~9のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0116】
実施形態11
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、7個の吸気口通路と、3個の排気口通路とを含み、及び前記I/O比は2.33:1であることを特徴とする、実施形態1~3のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0117】
実施形態12
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、直線に配置された10個の通路を含むことを特徴とする、実施形態11に記載のハニカム体。
【0118】
実施形態13
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、前記繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位の対応する端部から、2つの通路幅だけオフセットされている端部を有することを特徴とする、実施形態11又は12に記載のハニカム体。
【0119】
実施形態14
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた3個の排気口通路を有する群を含むことを特徴とする、実施形態11又は12に記載のハニカム体。
【0120】
実施形態15
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、対角線上に並べられた3個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれていることを特徴とする、実施形態11又は12に記載のハニカム体。
【0121】
実施形態16
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、5個の吸気口通路と、2個の排気口通路とを含み、及び前記I/O比は2.50:1であることを特徴とする、実施形態1~3のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0122】
実施形態17
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、一列に配置された7個の通路を含むことを特徴とする、実施形態16に記載のハニカム体。
【0123】
実施形態18
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、前記繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位の対応する端部から、2つの通路幅だけオフセットされている端部を有することを特徴とする、実施形態16又は17に記載のハニカム体。
【0124】
実施形態19
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた2個の排気口通路を有する群を含むことを特徴とする、実施形態16~18のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0125】
実施形態20
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、対角線上に並べられた2個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれていることを特徴とする、実施形態16~19のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0126】
実施形態21
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、8個の吸気口通路と、3個の排気口通路とを含み、及び前記I/O比は2.67:1であることを特徴とする、実施形態1に記載のハニカム体。
【0127】
実施形態22
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、11個の通路を含むことを特徴とする、実施形態21に記載のハニカム体。
【0128】
実施形態23
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、5個の通路を有する第1の列と、6個の通路の隣接する第2の列とを含むことを特徴とする、実施形態21又は22に記載のハニカム体。
【0129】
実施形態24
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、前記繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位から、1つの通路幅だけオフセットされていることを特徴とする、実施形態21~23のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0130】
実施形態25
特定の繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接する前記特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路を含むことを特徴とする、実施形態21~24のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0131】
実施形態26
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた3個の排気口通路を有する群を含むことを特徴とする、実施形態21~25のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0132】
実施形態27
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、対角線上に並べられた3個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれていることを特徴とする、実施形態21~26のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0133】
実施形態28
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、11個の吸気口通路と、4個の排気口通路とを含み、及び前記I/O比は2.75:1であることを特徴とする、実施形態1に記載のハニカム体。
【0134】
実施形態29
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、15個の通路を含むことを特徴とする、実施形態28に記載のハニカム体。
【0135】
実施形態30
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、7個の通路を有する第1の列と、8個の通路の隣接する第2の列とを含むことを特徴とする、実施形態28又は29に記載のハニカム体。
【0136】
実施形態31
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、前記繰り返し構造単位のうちの隣接する1つの繰り返し構造単位から、1つの通路幅だけオフセットされていることを特徴とする、実施形態28~30のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0137】
実施形態32
特定の繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接する前記特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路を含むことを特徴とする、実施形態28~31のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0138】
実施形態33
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、両端部が吸気口通路で挟まれていて、対角線上に並べられた2個の排気口通路を有する群を含むことを特徴とする、実施形態28~32のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0139】
実施形態34
複数の繰り返し構造単位の前記繰り返しパターンは、対角線上に並べられた2個の排気口通路をそれぞれ有する一連の相互に平行な群を含み、各群は、両端部が吸気口通路で挟まれていることを特徴とする、実施形態28~33のいずれか1項に記載のハニカム体。
【0140】
実施形態35
前記I/O比は、2.25~2.75の値を有することを特徴とする、実施形態1に記載のハニカム体。
【0141】
実施形態36
前記I/O比は、2.33~2.67の値を有することを特徴とする、実施形態1に記載のハニカム体。
【0142】
実施形態37
実施形態1に記載のハニカム体に煤及び灰を捕捉するステップ
を含むことを特徴とする、微粒子をろ過する方法。
【0143】
実施形態38
繰り返しパターンに配置された繰り返し構造単位のマトリクスを形成する、交差する多孔質壁
を含む、ハニカム体において、
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、前記繰り返し構造単位のうちの別の繰り返し構造単位からオフセットされているが、それと直接当接しており、及び:
吸気口面から排気口面まで軸方向に、互いに平行に延在する、5~11個の複数の吸気口通路及び2~4個の複数の排気口通路;
を含み、
前記繰り返し構造単位のそれぞれにおける、吸気口通路の数対前記排気口通路の数のI/O比は、2.0~3.0であり;
前記吸気口通路及び前記排気口通路のそれぞれは、前記軸方向に対して直角な横断面において、同じ断面サイズ及び正方形又は六角形の断面形状を有し;及び
前記吸気口通路のそれぞれは、前記排気口通路のうちの少なくとも1つに直接当接していることを特徴とする、ハニカム体。
【0144】
実施形態39
繰り返しパターンに配置された繰り返し構造単位のマトリクスを形成する、交差する多孔質壁
を含む、ハニカム体において、
前記繰り返し構造単位のそれぞれは、前記繰り返し構造単位のうちの別の繰り返し構造単位からオフセットされているが、それに直接当接しており、及び:
吸気口面から排気口面まで軸方向に、互いに平行に延在する、複数の吸気口通路及び複数の排気口通路
を含み、
前記繰り返し構造単位のそれぞれにおける、吸気口通路の数対前記排気口通路の数のI/O比は、2.0~3.0であり;
前記吸気口通路及び前記排気口通路のそれぞれは、前記軸方向に対して直角な横断面において、同じ断面サイズ及び正方形又は六角形の断面形状を有し;及び
特定の繰り返し構造単位の各吸気口通路は、前記特定の繰り返し構造単位の排気口通路に直接当接していることを特徴とする、ハニカム体。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11