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  • 特許-コンベアの制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】コンベアの制御装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/00 20060101AFI20220509BHJP
   B65G 43/02 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
B65G43/00 L
B65G43/02 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020531135
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2018084096
(87)【国際公開番号】W WO2019110841
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】102017129318.3
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506301427
【氏名又は名称】インターロール・ホールディング・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト・ヘンツェ
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-516520(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0175223(US,A1)
【文献】国際公開第2013/147011(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/00
B65G 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベア装置に対して制御信号を生成するように適用された制御ユニットと、
制御信号を前記制御ユニットへ信号送信するように適用されたデータインタフェースと、
前記制御ユニットにエネルギを供給するように適用された第1エネルギインタフェースと、
前記制御ユニットと前記ユニットの外部に位置するコンベア装置との間において、信号制御接続および給電接続を確立するように適用された接続インタフェースと、
前記制御ユニットにエネルギを供給するように適用された第2エネルギインタフェースと、を備え、
前記第1エネルギインタフェースは、第1電圧を有する電源の形式である電源を受けるように適用されており、
前記第2エネルギインタフェースは、第2電圧を有する電圧供給の形式であるエネルギ供給、または、第2電圧の代わりに第3電圧を有する電圧供給の形式であるエネルギ供給を受けるように適用されており、前記第3電圧のレベルが前記第2電圧のレベルと異なり、
前記第2エネルギインタフェースは2つの異なる電圧を選択的に受けるように適用され、よって、電源としての2つの異なる選択可能な電圧による駆動が可能となり、前記第3電圧のレベルは前記第2電圧のレベル2倍高く、前記接続インタフェースと接続されたコンベア装置に給電するために、前記第2電圧または前記第3電圧は前記接続インタフェースに直接的に転送される、
コンベアのための制御装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記第1電圧を用いて制御機能を行い、かつ、エネルギ供給として、前記接続インタフェースを介して、前記第2エネルギインタフェースにおいて提供された前記第2電圧または前記第3電圧を前記コンベア装置に提供するように適用されている、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは電子異常検出ユニットを備え、当該電子異常検出ユニットは、前記第1エネルギインタフェースからの前記第2電圧または前記第3電圧のレベルを有する電圧が供給され、前記第1電圧と異なるレベルの電圧が供給されたときに、前記第1エネルギインタフェースに対して異常接続機能を提供するように適用されている、
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記異常接続機能によって、前記第2電圧または前記第3電圧のレベルを有する電圧を、それぞれに、前記制御ユニットに組み込まれた論理制御回路に通らせることなく、前記コンベア装置の制御に適用させる、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御ユニットと前記制御装置の外部に設けられた周辺ユニットとの間、特には前記制御ユニットとセンサとの間において、信号制御接続および給電接続を確立するように適用された周辺接続インタフェースをさらに備え、
前記異常接続機能は、前記第2電圧または前記第3電圧のレベルを有する電圧が前記周辺接続インタフェースを介して前記周辺ユニットに通らせない性能を有する、
請求項3または4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第3電圧のレベルは、前記第2電圧のレベルより高く、特に、前記第2電圧のレベルの2倍高い、
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第2電圧の値と前記第1電圧の値とが等しい、
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記コンベア装置はモータ駆動式コンベアローラである、
請求項1~7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記接続インタフェースは、別々の論理接続インタフェースと電力接続インタフェースとから形成される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記接続インタフェースは、論理接続インタフェースと電力接続インタフェースとを一体的に備える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
第1エネルギインタフェースを介して第1論理電源電圧を制御装置に供給することと、
第2エネルギインタフェースを介して電力電源電圧を前記制御装置に供給することと、
接続インタフェースにおいて前記電力電源電圧からのモータ電源電圧を供給することと、を備え、
電圧レベルを有する第電圧、または、前記第電圧の代わりとする第電圧は、前記電力電源電圧として前記第2エネルギインタフェースに供給され、前記第電圧の電圧レベルは前記第電圧の前記電圧レベルと異なり、
前記第2エネルギインタフェースにおいて2つの異なる電圧のうちの1つが選択的に受けられ、よって、電源としての2つの異なる選択可能な電圧による駆動が可能となり、前記第3電圧のレベルは前記第2電圧のレベル2倍高く、前記接続インタフェースと接続されたコンベア装置に給電するために、前記第2電圧または前記第3電圧は前記接続インタフェースに直接的に転送される、
コンベア装置を操作する方法。
【請求項12】
前記第1エネルギインタフェースに接続した前記第1論理電源電圧のレベルを誤接続制御ユニットによって監視し、前記第1エネルギインタフェースに接続した前記電圧のレベルが所定値を超えたと判断した場合、前記第1エネルギインタフェースから給電された電子制御ユニットに電圧を転送することを中止する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1論理電源電圧は周辺接続インタフェースを介して周辺装置に供給される、
請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1エネルギインタフェースに接続した前記第1論理電源電圧のレベルが所定値を超えたと判断した場合、前記周辺接続インタフェースを介して前記周辺装置に前記第1論理電源電圧を供給することを中止する、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア装置に対して制御信号を生成するように適用された制御ユニット、制御信号を制御ユニットへ信号送信するように適用されたデータインタフェース、制御ユニットにエネルギを供給するように適用された第1エネルギインタフェース、ならびに、制御ユニットと制御装置の外部に位置するコンベア装置との間において信号制御接続および給電接続を確立する端末インタフェース、を備えるコンベア装置のための制御装置に関する。本発明はコンベアを操作する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
コンベア装置はコンベアラインに沿って荷物を搬送するように一般的に利用される。本発明の観点から、コンベア装置は運搬タスクなどを行うように適用される装置であることがよく理解されるであろう。特に、コンベア装置は複数のコンベアローラが組み込まれたコンベア部を備えることが理解され、コンベア部に沿ってコンベアローラ上に置かれて運搬すべき荷物を運搬するために、いくつかのコンベアローラはモータ駆動式である。
【0003】
制御装置を介して、コンベア設備、例えば、モータ駆動式コンベアローラを制御するためのコンベア装置が知られている。一般的には、コンベアの速度を制御するために、制御装置は制御信号、例えば、開始/停止信号または速度信号をコンベアに送信する。例えば、コンベアラインに沿って連続にリリースする(train release)形式、または、コンベアラインに沿って単回でリリースする(single release)形式である論理制御シーケンス(logical control sequences)は、この信号送信手段を介してこれらの制御装置によって制御される。また、運搬プロセスを行うために必要なエネルギ、すなわち、運搬動作に貢献するモータのための駆動エネルギも、制御装置を介してコンベア装置に供給することが知られている。時に、代わりにこのエネルギ供給は、同様に複数の制御信号を送信するために利用される多芯ケーブルを介して行うが、原則として、別々のケーブルおよび対応する別々の接続を介しても達成可能である。
【0004】
このようなコンベア装置の設計は、設置、メンテナンス、および欠陥コンポーネントの交換可能性を達成する、組織的によい構成であることがすでに証明された。しかしながら、このシステムの設計には、コンベア装置における制御論理タスクのためのエネルギ供給と、実際の運搬能力に対するパフォーマンス要求とに対して異なる要求があるという問題が存在する。論理制御について、経済的、かつ、操作員の観点から見ると、低電圧および低電流によって論理機能を行う安全な設計が好ましい。一方、給電について、高運搬能力を達成するために、高エネルギを伝送すること、特には、供給線の断面積の増加が伴う電流強度増加を避けるために、高電圧で伝送することが望ましい。
【0005】
電源供給のための高電圧と論理供給のための低電圧という異なる構成要求を満たそうとすると様々な問題が発生する。まず、このような分離した電源を有し、電力および制御信号を制御装置からコンベアシステムへ直接的適用し、簡単なシステム設計を利点とする接続方法には、望ましくない余分な取り込みが伴う。また、追加の配線の需要によって、コンベアの設置、計画および部品交換がより難しくなる。
【0006】
安全性関連の機能、例えば、緊急停止機能の実行にも問題がある。原則として、快速な緊急停止機能の手段によってどのコンベアが作動するかを動作なしに切り替えることが望ましい。しかしながらその同時に、緊急停止前に制御論理プログラミングの持続性を保証する快速な再起動を達成することも望ましい。よって、複数の電源を利用しているときにこのような緊急停止機能の実行に余分な取り込みがかかり、当該取り込みはコンベア向けの製造、設置およびメンテナンスのコストに反映され得る。
【0007】
最後に、2つの電圧を提供する欠点は、正しくない接続が組み立て時に発生し得て、当該不正確な接続によって、コンベアにおいて利用された論理ユニットまたは周辺ユニットに過負荷電力となる高電圧を加える可能性があり、これらのユニットまたは論理ユニット自身を損害し得ることである。
【0008】
更なる問題は、単一のコンベア内のコンベア部に対して、高運搬能力を要求する場合があれば、そんなに大きいコンベア部が運搬能力を要求しないものの、低運搬能力によって可能となる低コストコンベアシステムを要求することもある。また、制御装置は、全体的に高運搬能力を要求するコンベアに利用され、そんなに大きいコンベア部が運搬能力を要求しないものの、低運搬能力によって可能となる低製造コストを要求するコンベアにも利用される。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、高運搬能力を達成しつつこれらの欠点を回避または少なくとも低減するコンベア装置を提供する課題に基づくものである。
【0010】
本発明に基づいて、この課題は、制御ユニットにエネルギを供給するように適用された第2エネルギインタフェースと、第1電圧を有する電源の形式である電源を受けるように適用された第1インタフェースと、によって解決され、当該第2インタフェースは、第2電圧を有する電源の形式である電源、または、第2電圧の代わりに第3電圧を有する電力の形式である電力を受けるように適用されており、第3電圧のレベルが第2電圧のレベルと異なる。
【0011】
本発明は、第1エネルギインタフェースと第2エネルギインタフェースとを有する制御装置を提供する。第1インタフェースは第1電圧を受けるように適用されている。第2インタフェースは、第2電圧、または、第2電圧の代わりに第3電圧を受けるように適用されている。そのため、論理制御ステップを行う制御ユニットへの給電に利用された第1インタフェースは、小さい値の第1電圧が受けられる第1インタフェースである。第2インタフェースは、コンベアへの給電に必要な電圧を受けるように適用されており、2つの異なる電圧をそれぞれに受けるように適用されており、よって、電源として選択可能な2つの異なる電圧を用いて駆動することができる。本発明に基づく制御装置によれば、伝統的な方法で電源電圧とする低い第2電圧を利用することを可能としながら、電源電圧とする高い第3電圧も二者択一的に利用することを可能とし、結果的に高運搬能力を達成する。よって、本発明に基づく制御装置は、運搬能力について特別な要求をしない伝統的な制御タスクに利用されることができると同時に、運搬能力を高く要求する制御運搬タスクに利用されることもできる。これは、制御装置内の論理制御部品を変えずにも達成でき、よって、論理制御部品について統一された設計および製造ができる。
【0012】
特に、第2電圧または第3電圧は、接続インタフェースに直接的に伝送し、当該接続インタフェースと接続されたコンベアシステムに給電することができる。
【0013】
本発明に基づく制御装置を用いれば、論理電圧供給と電力電圧供給とのそれぞれの管理および切り替えが可能となる。電力電圧供給は2つの異なる電圧レベルによるものとして想定でき、1つは基本的には低電圧を用いて低コストのコンベアに供給可能であり、もう1つは基本的には高電圧を用いて高出力のコンベアに供給可能である。よって、本発明に基づく制御装置は、このような低コストのコンベア装置を有するコンベアシステムの設定、および、このような高パフォーマンスのコンベア装置を有するコンベアシステムの設定に適している。また、本発明に基づく制御装置は、1つの制御装置を有する低コストのコンベア、および、もう1つの制御装置を有する高パフォーマンスのコンベアに対して、対応する電力電圧供給がこれらの制御装置に供給されるとき、低コストのコンベアおよび高パフォーマンスのコンベアを管理および給電するようにコンベアシステム内に用いられ得る。緊急停止の場合に、電力電圧供給のみを停止し、第1エネルギインタフェースにおいて論理電圧供給を維持することも可能であり、よって、初期化データおよび送信プロセスを実行する必要なくコンベアシステムの快速な再起動を可能とする。
【0014】
本説明において、インタフェースは送信用の接続を確立する場合に可能な接続を提供することが一般的に理解される。インタフェースは伝統的なソケットプラグ接続であり、制御装置はこのためにソケットまたはプラグを有してもよい。インタフェースはケーブルに対する、異なる適切な接続であってもよく、例えば、正確なピンコンタクトであってもよい。特に、無線インタフェースは本発明の信号データ送信インタフェースとして提供され得る。原則として、本発明に基づくインタフェースは、一体化した接続要素またはデータ送信プロトコルによって実行され得て、互いに分離した2つ以上の接続要素によっても実行され得る。同様に、本発明に基づく2つ以上のインタフェースは、1つの接続要素またはデータ送信プロトコルに組み合わせられる。本発明のインタフェースは、純粋な入力用インタフェースまたは純粋な出力用インタフェースとして適用され得て、データおよび/または電力の入力と出力ともできる入力/出力インタフェース(input/output interface)としても適用され得ることが理解できる。インタフェースによって、本発明に基づく制御装置は、当該制御装置と双向接続された周辺装置、または一次制御ユニットもしくは二次制御ユニットとの通信が可能となる。さらに、インタフェースによって、本発明に基づく制御装置を介してコンベア装置に電力を供給することが可能となり、当該電力は、例えば、ブレーキ過程の場合にコンベア装置が電気エネルギを生成する期間にわたって、コンベア装置から給電ネットワークに回送してもよい。
【0015】
第1の好ましい実施例に基づいて、制御ユニットは、第1電圧を用いて制御機能を行い、かつ、電源として、接続インタフェースを介して、前記第2インタフェースにおいて提供された第2電圧または第3電圧をコンベア装置に提供するように適用されている。
【0016】
この設計に基づいて、第1電圧は制御装置の論理および制御機能を実行することに利用され、第2電圧または第3電圧は、エネルギをコンベアに提供すること、すなわち、駆動力をコンベアに提供することに利用される。第2電圧または第3電圧がコンベア設備内の論理プロセッサに給電するように利用される可能性を排除しない。
【0017】
もう1つの好ましい実施例において、制御ユニットは電子異常検出ユニットを備え、当該電子異常検出ユニットは、第1インタフェースからの第2電圧または第3電圧のレベルを有する電圧が供給され、第1電圧と異なる値(magnitude(英語)、Hohe(ドイツ語))の電圧が供給されたときに、第1インタフェースに対して異常接続機能(fault connection function)を提供するように適用されている。
【0018】
この実施例は、本発明において、異なる電圧が第1エネルギインタフェースおよび第2エネルギインタフェースに接続されたときに発生し得るという特別な問題を対処するためのものである。原則として、様々な正しくない接続または正しくない配線方法によって第2電圧または第3電圧は不注意に第1インタフェースに適用されることはあり得る。これは、制御ユニットを損害するリスク、または第1エネルギインタフェースから給電された部品を損害するリスクを潜在的に引き起こす。このリスクを対処するために、制御ユニットは電子異常検出ユニットを含み、電子異常検出ユニットは、第2電圧または第3電圧の給電によるいかなる損害を受けずに異常接続機能を生成するように適用されている。この異常接続機能は、一般的には、第1エネルギインタフェースに適用された電圧を低減またはブロックし、当該電圧を制御ユニットの他の傷つきやすい部品に供給せずに当該電圧をブロックする機能であってもよく、他の保護機能を含んでもよい。基本的に、異常接続機能は本発明に基づく制御ユニットへの損害を防止するような機能であることが理解されるであろう。この防止は、異常接続人工リセット機能、例えば、ヒューズによって達成でき、または、第1エネルギインタフェースにおいて第2電圧または第3電圧がなくなったときに自動的に生成され得る。
【0019】
接続の異常接続機能によって、第2電圧または第3電圧のレベルを有する電圧を、制御ユニットに組み込まれた論理制御回路に通らせることなく、コンベア装置の制御に適用させることが特に好ましい。
【0020】
この設計に基づいて、異常接続機能は、電圧に敏感な、制御ユニット内の論理制御回路に適用される異常電圧をブロックすることによって、制御ユニット内の関連する論理部品への損害を防止する。
【0021】
本発明がさらに周辺接続インタフェースに関連するときの観点から見ると、周辺接続インタフェースは、制御ユニットと制御装置の外部に設けられた周辺ユニットとの間、特には制御ユニットとセンサとの間において、信号制御接続および給電接続を確立するように適用され、異常接続機能は、第2電圧または第3電圧のレベルを有する電圧が周辺接続インタフェースを介して周辺ユニットを通ることをさせない性能を有することがさらに好ましい。
【0022】
この実施例に基づいて、制御装置は1つまたは対応する複数の周辺接続インタフェースを介して1つまたは複数の周辺装置にも給電する。好ましくは、この給電は第1エネルギインタフェースからの第1電圧によって提供される。異常接続機能によって、第1エネルギインタフェースに適用された異常な電圧がこのような周辺装置に通らせることがなく、よって、周辺装置に対して損害を防止する。
【0023】
もう1つの好ましい実施例に基づいて、第3電圧の高さ(height(英語)、Hohe(ドイツ語))は、第2電圧の高さより高く、特に、第2電圧の高さの2倍高い。
【0024】
このように高くすることまたは2倍高くすることによって、運搬能力を増加する有利な効果がもたらせる。特には、2倍高くすれば、第2電圧を到達するように第3電圧を持たせることによって、緊急機能などを含み得る有利な相互接続/配線機能が可能となる。
【0025】
さらに、第2電圧のレベル(level(英語)、Hohe(ドイツ語))と第1電圧のレベルとが等しいことが好ましい。
【0026】
この実施例において、制御要素に供給する電圧および給電電圧は同様に第2電圧のレベルを有することを確保し、よって、制御装置に様々な周辺装置およびコンベアの利用との交換性を持たせ、単一の電圧が制御目的とコンベアパフォーマンス目的ともに利用される。
【0027】
好ましくは、コンベア装置はモータ駆動式コンベアローラである。
【0028】
モータ駆動式において、提供すべき運搬能力のための制御および給電とのコンパクトな接続可能性は、統一されたインタフェースを介してまたは2つの別々のインタフェースを介して実現され得る。よって、コンベアローラについては、高運搬能力を目的とするコンベア給電のために好ましい高電圧を要求する同時に、制御の目的を特に低電圧によって達成され得る、任意の制御エンジンの制御のためにコンベアローラに組み込まれた制御要素に対するコンパクトな設計も要求する。
【0029】
大体好ましくは、接続インタフェースは論理接続インタフェースと別々の電力接続インタフェースとによって形成され、または、接続インタフェースは論理接続インタフェースと電力接続インタフェースとを一体的に備える。
【0030】
この設計に基づいて、コンベアシステムの制御接続おおびコンベアシステムの電力接続は、別々のインタフェースを介してまたは一体化したインタフェースを介して行う。
【0031】
本発明のさらなる実施態様はコンベア装置を操作する方法である。当該方法は、第1エネルギインタフェースを介して論理電源電圧を制御装置に供給することと、第2エネルギインタフェースを介して電力電源電圧を制御装置に供給することと、端子インタフェースにおいて電力電源電圧からのモータ電源電圧を供給することと、を備える。電力電源電圧として、第1電圧レベルを有する第1電圧、または、第1電圧の代わりとする第2電圧は、第2エネルギインタフェースに供給され、第2電圧の電圧レベルは第1電圧の電圧レベルと異なる。
【0032】
この方法において、第1エネルギインタフェースに接続した論理電源電圧のレベルを誤接続制御ユニットによって監視することと、第1エネルギインタフェースに接続した電圧のレベルが所定値を超えたと判断した場合、第1エネルギインタフェースから給電された電子制御ユニットに電圧を転送することを中止することとがさらに続いてもよい。
【0033】
この方法は、周辺接続インタフェースを介して論理電源電圧を周辺装置に供給することをさらに展開してもよい。
【0034】
さらに、この方法は、第1エネルギインタフェースに接続した論理電源電圧のレベルが所定値を超えたと判断した場合、周辺接続インタフェースを介して周辺装置に論理電源電圧を供給することを中止することによって改良され得る。
【0035】
本発明に基づく方法は、パワフルな運搬作業とともに、制御供給および電力供給に対する2つの異なる電圧を用いる、低コストで効率的な制御を行うことに特に適している。コストに関する利点は、主には供給線の断面積をより小さく要求することによって達成される。この観点から見ると、本発明に基づく方法は、異常接続もしくは配線または他の障害に対して特によい安全性を提供する。同時に、この方法によって、快速な緊急停止および緊急停止後の再起動可能性が達成される。基本的には、本発明に基づく方法は、コンベア装置において電力を用いてコンベア装置を制御および給電するために、上に説明した制御装置をコンベア装置の一部品として用いて有利に行えることが理解されるであろう。よって、制御装置の対応実施例によって達成され得る手順ステップは、本発明に基づく方法において対応的に実行され得る。上述したような制御装置の利点は、本発明に基づく方法にも対応的に適用されることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施例に基づくコンベア装置の一部の回路略図
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の好ましい実施例は添付図面によってさらに詳細に説明される。
【0038】
図に示された部分は、コンベアシステム内のコンベア部の回路略図を示すものである。コンベア部は矢印1に沿って延びて、矢印1は運搬方向を示す。いくつかのモータ駆動式コンベアローラM1…M4はコンベア部に沿って設けられている。それぞれのモータ駆動式コンベアローラは、1つの制御ユニットMC1…MC3に接続され、接続された制御ユニットによって制御される。
【0039】
全体的には、図に示された部分は3つの制御ユニットMC1、MC2、MC3を示し、それぞれの制御ユニットは4つのモータ駆動式コンベアローラM1…M4と接続されている。よって、図に示されたコンベア装置の部分において、合計12のモータ駆動式コンベアローラは、それぞれの制御ユニットMC1、MC2、MC3から、モータ駆動式コンベアローラを駆動することに要求される電機エネルギと、それぞれのモータ駆動式コンベアローラに対して開始プロセス、中止プロセス、コンベア速度などを制御するための制御データとも供給される。原則として、制御プロセスへの入力信号、または制御ユニットの外部のより高度のプロセスへの入力信号として導入されるために、信号はモータ駆動式コンベアローラから制御ユニットへ送信可能である。
【0040】
モータ駆動式コンベアローラM1…M4の他、それぞれの制御ユニットMC1、MC2、MC3は、4つのセンサS1…S4とも接続可能である。これらのセンサS1…S4は制御ユニットMC1、MC2、MC3と順に信号上およびエネルギ上に接続され、よって、センサの動作に要求される任意の電気エネルギは制御ユニットからセンサに供給され、センサからの信号またはセンサへの信号は制御ユニットを介して供給される。基本的には、センサS1…S4の信号線およびモータ駆動式コンベアローラM1…M4の信号線では、アナログ信号またはデジタル信号が生じることが理解されるであろう。よって、センサと制御ユニットの間の信号およびモータ駆動式コンベアローラと制御ユニットとの間の信号は、バス線などのアナログ信号線またはデジタル信号線によって実行され得る。特に、制御ユニットは、センサまたはモータ駆動式コンベアローラに連結したアナログ信号と、センサまたはモータ駆動式コンベアローラに連結したデジタル信号とを実行するように適用可能であり、これらの信号は対応する適切なインタフェースを介してまたはいくつかの代替的なインタフェースを介して実行され得る。
【0041】
制御ユニットMC1、MC2、MC3はデータバス線(data bus line)10に接続されている。図に示された場合、データバス線はバス技術として構成されているが、リングネットワーク技術、スターネットワーク技術もしくはツリーネットワーク技術、または混合式技術などの他のネットワーク技術でも本発明に基づくコンベア装置に適用可能である。このデータバス線を介して、制御ユニットは制御信号を受信し、当該制御信号は、モータ駆動式コンベアローラ、および/または制御ユニットに接続されたセンサを制御するように提供される。また、制御ユニットMC1、MC2、MC3はデータバス線10を介して中央制御ユニットまたは他の制御ユニットMC1、MC2、MC3にデータ信号を送信することができる。データ信号は、例えば、センサの1つから来るデータ信号、または、対応する制御ユニットと接続されたモータ駆動式コンベアローラの1つから来るデータ信号であってもよい。
【0042】
それぞれの制御ユニットMC1、MC2、MC3は論理電圧線(logic voltage line)20とさらに接続されている。論理電圧線との接続もバス技術によって実行され、例えば、論理電圧線を制御ユニットのハウジング内の空間に直接的に挿入し、2つ以上の接触ピンによる電気接触をさせることによって実行され、当該接触ピンは論理電圧線の絶縁体に刺している。データバス線と同様に、論理電圧線の技術は他の応用の異なる構造によっても適用され得る。好ましくは、論理電圧線のネットワーク技術とデータバス線のネットワーク技術とは同一である。この例示において、論理電圧線は24V(ボルト)の電圧線であり、それぞれの制御ユニットにこの24Vの電圧を供給する。この24Vの論理電圧は、制御プロセス、データ信号の処理、および、必要であれば、それぞれの制御ユニット内のデータ信号の記憶に利用される。この24Vの論理電圧供給を用いれば、センサS1…S4はこの電圧によって給電され得て、モータ駆動式コンベアローラの1つに接続されたセンサ部品(存在する場合)もこの論理電圧供給によって給電され得る。これを原因にして、送信可能の電気エネルギに関して、論理電圧供給には高い要求がなく、よって、論理電圧供給線が小さい断面積を有することが可能となる。
【0043】
それぞれの制御ユニットはさらに電力供給線(power supply line、電源線とも呼ばれている)30と接続されている。ここも論理電圧線と同様に、接続はバス技術を介して実行され、当該バス技術は侵入技術(penetration technology)を用いて実行され得る。例えば、上述したように異なる技術も電力供給線に利用され得て、好ましくは、電力供給線の技術はデータバス線の技術および/または論理電圧線の技術と同一である。本発明に基づいて、電力供給線は24Vの第1電圧または48Vの第2電圧を適用可能である。電力供給線は、モータ駆動式コンベアローラM1…M4の動作電圧または駆動電圧に利用される。この駆動電圧は、モータ駆動式コンベアローラの内部駆動にエネルギを供給することに利用され、よって、論理電圧線20からの論理電圧供給より高い電気エネルギを要求する。
【0044】
基本的には、論理電圧供給線および電力供給線は別々の回線として適用されることが理解されるであろう。同様に、この設計例において、データバス線は別々の回線として提供されるが、論理電圧供給線または電力供給線またはその両方を介してデータ信号を送信することが可能であり、よって、データバス線を省いてもよく、または、データバス線を論理電圧供給線もしくは電力供給線に組み込んでもよい。原則として、データバス線および電力供給線は、それぞれに別の回線として提供され得て、または、2つもしくは3つのこれらの回線は複数回線(multiple line)を形成するように束ねられ得ることも理解されるであろう。
【0045】
電力供給電圧は制御ユニットを介してモータ駆動式コンベアローラを駆動するように供給される。制御ユニットMC1、MC2、MC3は、24Vの第1電力供給電圧または48Cの第2電力供給電圧をモータ駆動式コンベアローラに二者択一的に供給するように適用される。このように、駆動電力が24Vの駆動電圧で供給されるモータ駆動式コンベアローラ、および/または、駆動電力が48Vの駆動電圧で供給されるモータ駆動式コンベアローラは、制御ユニットに接続され得る。原則として、モータ駆動式コンベアローラはその2つの可能な駆動電圧のうちの1つに接続され、そして電力供給線にある駆動電圧に供給されることが可能である。代替的に、48Vの第2駆動電圧は電力供給線にも適用され、制御ユニットは、この第2電圧をモータ駆動式コンベアローラに供給する同時に、この制御ユニットに接続されたモータ駆動式コンベアローラに第1電圧を供給するために適用され得る。この場合において、制御ユニットは48Vの第2駆動電圧を伝送するように適用され、よって、24Vの第1電圧はこれらのモータ駆動式コンベアローラに提供される。これは、例えば、分圧器または変圧器(DC/DCコンバータ)によって行える。
【0046】
即時で安全なコンベア装置中止が必要である場合において、電力供給は本発明に基づく設計における電源供給線を介して中止され得て、よって、駆動電圧は電力供給線に適用されない。この場合において、モータ駆動式コンベアローラは、駆動電圧に提供されることが即時になくなり、よって、即時の休止が起こる。この状況において、論理電圧線は Vを供給し続けて、よって、データ損失を回避するとともに、全体のコンベア装置は切り替えられて、制御データに関する動作のみを続ける。これによって、このような停止の後、実際の制御再起動または起動プロセスを行うことなく、コンベアを再起動することが可能となる。特に、維持された論理供給電圧は、即時停止の時点と同様な方法で、同様な時点から、任意のセンサデータ、それから生成された任意の制御データ、および任意の制御プロセスを継続させることができる。
図1