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特許7068544インクジェットプリンタの印刷ヘッドおよび印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタ
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  • 特許-インクジェットプリンタの印刷ヘッドおよび印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタ 図1
  • 特許-インクジェットプリンタの印刷ヘッドおよび印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタ 図2
  • 特許-インクジェットプリンタの印刷ヘッドおよび印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタ 図3
  • 特許-インクジェットプリンタの印刷ヘッドおよび印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタの印刷ヘッドおよび印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
B41J2/175 503
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021505333
(86)(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 GB2019000105
(87)【国際公開番号】W WO2020025914
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】1812395.0
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517085273
【氏名又は名称】ドミノ・ユーケイ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Domino UK Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリッジス,リチャード・トーマス・カルフーン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーキントン,スチュアート・マーク
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-160881(JP,A)
【文献】特開2017-136796(JP,A)
【文献】特開2003-326733(JP,A)
【文献】特開2015-136933(JP,A)
【文献】特表2007-529338(JP,A)
【文献】特開2004-229324(JP,A)
【文献】特開2015-104888(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0222494(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタの印刷ヘッドであって、前記印刷ヘッドが、
インク液滴生成器と、前記インク液滴生成器に接続されたインク供給管と、
前記インク液滴生成器に接続された第1の端部、および、前記第1の端部とは反対側の第2の端部を有する溶剤供給管と、を備え、前記第2の端部は溶剤レザーバに接続されるように構成され、前記溶剤供給管は、前記インク液滴生成器から前記溶剤供給管へのインク流れを制限するためのインク流れ制限手段が設けられ、
前記インク流れ制限手段は、前記溶剤供給管の前記第1の端部に隣接する流れ方向反転部分において、前記溶剤供給管の前記第2の端部から前記溶剤供給管の前記第1の端部までの溶剤の流れが前記インク液滴生成器から離れる方向を向くような、前記溶剤供給管の配置を備え
前記流れ方向反転部分は、その或る位置において、インクが上向きに流れてインクのヘッドを形成するように拘束することによって、前記溶剤供給管への前記溶剤供給管のインクの流れを制限し、インクのさらなる流れを防ぐように作用する、インクジェットプリンタの印刷ヘッド。
【請求項2】
前記溶剤供給管がループを伴って配置され、前記溶剤供給管の前記流れ方向反転部分が一部を形成している、請求項1に記載の印刷ヘッド。
【請求項3】
前記ループのための巻型をさらに備え、前記巻型が、前記溶剤供給管のループを受容し、固定するように構成されている、請求項に記載の印刷ヘッド。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載の印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタ用の印刷ヘッド、そのような印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタ、およびそのような印刷ヘッドの溶剤供給管の巻型に関する。
【背景技術】
【0002】
連続インクジェット(CIJ)プリンタは、導電性インクの液滴の連続した流れを生成し、インク液滴の選択されたものに電荷を印加して、インク液滴を印刷ヘッドから印刷基材上に射出するか、または印刷ヘッド内の溝に入れてインクリザーバに戻すように動作可能である。
【0003】
CIJプリンタは、インクリザーバに加えて、溶剤リザーバの溶剤は、インクがインクリザーバと印刷ヘッドとの間を循環するときにインクから蒸発して失われた溶剤を交換し、シャットダウン前に印刷ヘッドからインクを洗い流すために使用され、インクが印刷ヘッドに詰まるのを防止する。
【0004】
CIJプリンタを正しく動作させるには、インク液滴の生成および選択したインク液滴への電荷の印加を正確に同期させる必要がある。この同期を得るためのプリンタの調整プロセスは、「フェージング」と呼ばれ、プリンタ自体によって行われる。例えば、周囲温度の変化に起因するインク粘度の変化に応じて、プリンタの動作中に頻繁なフェージングが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、CIJプリンタの印刷ヘッドが下を向いているときにフェージングが行われる場合、その後印刷ヘッドが上を向いた場合にフェージングが失敗し得ることを観察した。
【0006】
また、本発明者らは、CIJプリンタが最初に起動されるとき、プリンタの印刷ヘッドが上を向いている場合、印刷ヘッドが下を向いている場合よりもフェージングに非常に時間がかかる可能性があることを観察した。
【0007】
本発明者らは、これらのCIJプリンタ挙動の原因が、印刷ヘッドが上を向いているときに、印刷ヘッドに接続されたインク供給管から溶剤よりも濃度の高いインクが印刷ヘッドに接続された溶剤供給管に流れ込み、溶剤供給管から溶剤がプリントヘッドに移動することにより、インクの粘度が予想外に低下し、フェージングが失敗することにあることを証明した。
【0008】
JPH10-324000は、CIJプリンタを示しており、その溶剤供給管には、インク供給管から溶剤供給管へのインクの流れを制限する逆流防止弁が設けられている。EP1405728、US2012/194619、およびJPH5-77439は、そのようなCIJプリンタを同様に示している。
【0009】
WO2009/047503は、溶剤供給管は、インク供給管から溶剤供給管へのインクの流れを制限する流れ制御弁が設けられているCIJプリンタを示している。WO2009/049130、US2009/189960、およびUS2010/066790は、類似のそのようなCIJプリンタを示している。
【0010】
JPH10-324000らの逆流防止弁は、使用中にインクに曝される可動部品を有する機械装置である。このようなプリンタの製造コストを増加させることに加えて、弁は、弁の可動部分にインクが蓄積された結果として、このようなプリンタの信頼性を低下させることが期待できる。
【0011】
WO2009/047503の流れ制御弁は、印刷ヘッドではなくプリンタ本体に位置するため、インク供給管から溶剤供給管へのインクの流れを最終的には制限することになるが、この制限効果は小さすぎて有用ではないであろう。すなわち、溶剤供給管へのインクの流れは、印刷ヘッドとプリンタ本体とを接続する、数メートルの長さであり得る溶剤供給管がインクで充填された後にのみ停止することになる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によれば、インクジェットプリンタの印刷ヘッドであって、印刷ヘッドが、インク液滴生成器と、インク液滴生成器に接続されたインク供給管と、インク液滴生成器に第1の端部分において接続され、溶剤リザーバへの第2の端部における接続のための溶剤供給管と、を備え、溶剤供給管は、インク液滴生成器から溶剤供給管へのインクの流れを制限するためのインク流れ制限手段が設けられ、インク流れ制限手段は、溶剤供給管の第1の端部における溶剤供給管の流れ方向反転部分に対して、溶剤供給管の第2の端部分から溶剤供給管の第1の端部分までの溶剤の流れがインク液滴生成器から流出するような、溶剤供給管の配置を備える、インクジェットプリンタの印刷ヘッドが提供される。
【0013】
本発明は、プリンタに接続されたときに、弁の使用を伴わずに、インク液滴生成器から溶剤供給管へのインクの流れを著しく制限する印刷ヘッドを提供することができる。
【0014】
好ましくは、溶剤供給管の流れ方向反転部分は、インク液滴生成器から10cm未満、より好ましくは5cm未満、さらにより好ましくは3cm未満に位置する。
【0015】
溶剤供給管は、溶剤供給管の流れ方向反転部分が溶剤供給管のZ字型、S字型、またはU字型配置の一部を形成するように有利に配置され得る。
【0016】
しかしながら、好ましくは、溶剤供給管は、ループを伴って配置され、その中で溶剤供給管の流れ方向反転部分は、一部を形成する。
【0017】
溶剤供給管をループを伴って配置することは、インク流れ制限手段を形成するために、溶剤供給管が位置するガイドなどの印刷ヘッドの任意の他の変更を必要としないので、本発明の特に優れた実施形態である。
【0018】
これにより、設置されたインクジェットプリンタの一部を構成する印刷ヘッドであっても、本発明を使用して印刷ヘッドを改造することが可能となる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、印刷ヘッドは、ループのための巻型をさらに備え、巻型が、溶剤供給管のループを受容し、固定するように構成されている。
【0020】
巻型は、ループが所定の直径を有することを保証するため、印刷ヘッド間の一貫性を提供する。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタが提供される。
【0022】
好ましくは、インクジェットプリンタは、連続インクジェットプリンタである。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、溶剤供給管の巻型であって、巻型が、溶剤供給管のループを受容して、溶剤供給管のループの最小内径を定義するための受容部分と、巻型の前記受容部分と係合する溶剤供給管のループの少なくとも一部分を固定するための固定部分と、を備え、巻型が少なくとも2つのバーを備え、少なくとも2つのバーが各バーの各端部分において受容部分および固定部分のうちの少なくとも1つを有する、巻型が提供される。
【0024】
巻型が2つのバーを備える場合、2つのバーは、好ましくは、それらの中間点で接合され、互いに実質的に直角に配置される。
【0025】
好ましい実施形態では、2つのバーの第1のバーは、各端部分において受容部分が設けられ、2つのバーの第2のバーは、各端部分において固定部分が設けられる。
【0026】
好ましくは、受容部分は一対の指で構成される。
【0027】
好ましくは、固定部分は、溶剤供給管を受容および固定するための少なくとも1つの開口部によって構成される。
【0028】
好ましい実施形態では、固定部分のうちの一方は単一の開口部によって構成され、固定部分のうちの他方は、並べて配置された一対の開口部によって構成される。
【0029】
次に、添付の図面を参照して、本発明を例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による印刷ヘッドの概略図である。
図2】本発明による印刷ヘッドで使用するための溶剤供給管の代替の配置の概略図である。
図3】本発明による印刷ヘッドで使用するための溶剤供給管の代替の配置の概略図である。
図4】本発明による印刷ヘッドの溶剤供給管と共に使用される本発明による巻型の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1の印刷ヘッド10は、インク供給管14によってインクリザーバ(図示せず)に接続され、溶剤供給管16によって溶剤リザーバ(図示せず)に接続されるインク液滴生成器12を備える。ブリード管18も、インク液滴生成器12に接続されている。
【0032】
印刷ヘッド10の使用において、インク供給管14を通してインク液滴生成器12に(図1に線影で表される)汲み上げられる。インクは、インク液滴生成器12を充填し、参照番号20によって示されるインクのジェットは、インク液滴生成器12のノズルから射出される。インク液滴生成器の一部を形成する電気機械的発振器(図示せず)は、インクのジェット20を、概して参照番号22で示される液滴の流れに分解させる。
【0033】
印刷ヘッド10を使用した後、溶剤を、インク液滴生成器からインクを洗い流すために、溶剤供給管16を通してインク液滴生成器12に、ブリード管18を通してインク液滴生成器から汲み上げられる。洗い流しプロセスの終了時に、溶剤供給管16を通る溶剤の流れは、弁を閉じることによって中断され、溶剤供給管16を溶剤で充填したままにする(図1ではスティッピングで表されている)。
【0034】
これまでに説明したような印刷ヘッド10の動作は従来のものであることを理解されたい。
【0035】
しかしながら、本発明によれば、溶剤供給管16は、溶剤供給管16の概して参照数字24で示されるループを、溶剤供給管16の概して参照数字26で示される流れ方向反転部分を形成するように、溶剤供給管16を配列した形態で、インクの流れ制限手段が設けられている。
【0036】
疑義を避けるために、流れ方向反転部分は、洗い流しプロセス中に溶剤が溶剤リザーバから溶剤供給管16を通ってインク液滴生成器12に流れるため、このように呼ばれる。溶剤供給管16に対する溶剤の流れの方向は、常に管のインクリザーバ端部分からインク液滴生成器端部分に向かっているが、溶剤供給管16の流れ方向反転部分26では、インク液滴生成器12に対する溶剤の相対的な流れの方向は、インク液滴生成器から離れている。
【0037】
溶剤供給管の流れ方向反転部分26は、インク液滴生成器12から約2.5cm離れて位置している。流れ方向反転部分26およびインク液滴生成器12は、いわゆる供給パイプライン(図示せず)によってプリンタ本体(図示せず)に取り付けられる印刷ヘッドハウジング(図示せず)に含まれる。かかる印刷ヘッドハウジングおよびプリンタ本体は、例えば、Domino UK LimitedのCIJプリンタのAx-Seriesの範囲から、当業者には周知であろう。
【0038】
印刷ヘッド10を含むCIJプリンタが起動すると、インク液滴生成器12は、インク供給管14からインクを充填する。インクは、溶剤よりも大きな密度を有し、これにより、インク液滴生成器12内のインクのいくらかが、重力の影響下で溶剤供給管16内に流れ、そこから溶剤供給管16は対応する量の溶剤をインク液滴生成器12内に移動させる。
【0039】
溶剤供給管16へのインクの流れは、インクが溶剤供給管16の流れ方向反転部分26およびインク液滴生成器12と流れ反転部分26との間の溶剤供給管16の端部分28から溶剤を移動させたときに、平衡に達するまで続く。
【0040】
図1は、溶剤供給管16内のインクと溶剤との間の平衡および結果として生じる界面30を示している。
【0041】
溶剤供給管16内へのインクの流れによってインク液滴生成器12内に移動された溶剤は、フェージングに失敗する可能性がある。しかしながら、本発明の流れ方向反転部分26は、溶剤供給管16内に流れるインクの量を制限し、したがって、インク液滴生成器12内に流れる溶剤の量を制限する。
【0042】
その結果、本発明の印刷ヘッドを下に向けたときにフェージングを行い、その後、印刷ヘッドを上に向けると、最初はまだ失敗することがあるが、インク液滴生成器に流入した限られた量の溶剤はインク液滴生成器から速やかに排出され、通常のフェージングがすぐに再開されることになる。
【0043】
同様に、本発明の印刷ヘッドが最初にプリンタを起動したときに上を向いている場合、インク液滴生成器に流入する溶剤の量は制限され、溶剤はインク液滴生成器から速やかに排出され、その結果、プリンタが最初に起動したときに印刷ヘッドが下を向いていた場合と比べて、フェージングにかかる時間が非常に短くなる。
【0044】
本発明の特に有利な点は、印刷ヘッドの挙動をより予測可能にすることである。すなわち、印刷ヘッドの向きに起因するいかなるフェージング不良も、図1に示された平衡を確立するのに必要な時間よりも、解決するのに時間がかからず、典型的には数十秒以下であるべきである。本発明がない場合、この点での印刷ヘッドの挙動は、印刷ヘッドおよびプリンタの相対的な高さ、または印刷ヘッドをプリンタに接続する供給パイプラインの長さなどの要因によって決定され、非常に予測不可能であり得る。
【0045】
図2および図3は、図1に示したものに対して、流れ方向反転部分の代替の配置を有する溶剤供給管を示している。
【0046】
図2の溶剤供給管50は、第1の端部分54と第2の端部分56との間の流れ方向反転部分52をそれぞれ備える。流れ方向反転部分52はU字型であることが分かる。
【0047】
図2のU字型の流れ方向反転部分52は、溶剤供給管50が取り付けられた印刷ヘッドが、第1の端部分54が第2の端部分56の上に垂直に位置するように角度を付けられていないことを条件に、図1に示された配置とほぼ同様に動作するであろうことが理解されるであろう。
【0048】
図1図3の流れ方向反転部分は、流れ方向反転部分のある地点において、インクを上向きに流して、インクが溶剤供給管へのそれ以上のあらゆるインクの流れを防止するように作用するインクのヘッドを形成するようにインクを拘束することによって、インクの溶剤供給管への流れを制限する。
【0049】
図2から、溶剤供給管50が第2の端部分56の上に第1の端部分54と共に垂直に配置された場合、そのようなインクの頭部は形成されず、溶剤供給管50へのインクの流れは制限されないことが分かる。
【0050】
図3の溶剤供給管60は、第1の端部分64と第2の端部分66との間のZ字型の流れ方向反転部分62をそれぞれ備える。
【0051】
Z字型の流れ方向反転部分62は、その向きに関わらず動作するであろう。しかしながら、図1に示される溶剤供給管16のループ状の配置は、より少ないスペースを必要とし、非常に単純な形態では、溶剤供給管16をループさせ、ケーブルタイを使用してそれ自体に締結することによって実装することができることから好ましい。
【0052】
図4を参照すると、これは、概して参照番号70で示される溶剤供給管の一部を示しており、概して参照番号72によって示される本発明による巻型によりループに形成されている。溶剤供給管は、それ自体を丸く曲げて交差させることによってループを形成していることに留意すべきである。
【0053】
巻型72は、それぞれ、第1のバー74および第2のバー76によって構成され、互いに一体的に形成され、互いに直角に配置される。第1のバー74は、その端部分において固定部分および受容部分が設けられ、第1のバーの第1の端部分78における固定および受容部分は、溶剤供給管70を受容するための単一の開口部の形態であり、第1のバー74の第2の端部分80における固定および受容部分は、溶剤供給管70を受容するために並べて配置される一対の開口部の形態である。
【0054】
第2のバー76は、その第1の端において一対の指82および84の形態の受容部分が設けられ、その第2の端部分において一対の指86および88の形態の受容部分が設けられる。
【0055】
巻型72の使用において、印刷ヘッドのインク液滴生成器に接続される溶剤供給管70の端部は、第1の方向において、第2のバー76の第1の端部における指82と指84との間で、第1のバー74の第2の端部80の一対の開口部の第1の開口部を通過し、第2の反対の方向において、第2のバー76の第2の端部の指86と指88との間で、第1のバー74の第1の端部78の単一の開口部を通過し、第1の方向において、第1のバー74の第2の端部80の一対の開口部の第2の開口部を通過する。
【0056】
溶剤供給管70の端部を引っ張ることによって、管は第2のバー76と係合し、第1のバー74内の開口部と係合し、所定の位置に固定される。第2のバー76および第1のバー内の開口部との管70の係合は、溶剤供給管によって形成されるループの最小内径を決定する。巻型72は、本来は可変であり得る溶剤供給管の特性を除去し、したがって、本発明による印刷ヘッドの製造および性能の一貫性を向上させる。
【0057】
上記の説明は、本発明の4つの実施形態にのみ関するものであり、本発明は、特許請求の範囲によって定義される他の実施形態を包含することを理解されたい。
図1
図2
図3
図4